政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例(91)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例(91)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
裁判年月日 平成23年 1月31日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(行コ)91号
事件名 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
裁判結果 原判決一部取消 文献番号 2011WLJPCA01319012
要旨
◆栃木県県土整備部交通政策課の課長であったAの決裁に基づき、道路特定財源の暫定税率維持を求めた民間団体の署名協力依頼に応じて栃木県内の行政機関等に署名協力を依頼する文書が発せられ、取りまとめた署名が依頼元である民間団体に送られ、この署名協力のために栃木県のコピー用紙、封筒等が使用されたこと(本件物品使用)について、署名協力は違憲・違法なものであると認めることはできないとして、110円を返還させるよう知事に命じた原審判決を取り消した事例
出典
裁判所ウェブサイト
参照条文
地方自治法242条の2
裁判年月日 平成23年 1月31日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(行コ)91号
事件名 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
裁判結果 原判決一部取消 文献番号 2011WLJPCA01319012
主文
1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2 上記の部分につき,被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
主文同旨
第2 事案の概要
1 本件は,栃木県において,栃木県県土整備部交通政策課(以下,同部を「県土整備部」,同課を「交通政策課」ともいう。)の課長であったA(以下「A課長」という。)の決裁に基づき,民間団体からの署名協力依頼に応じて栃木県内の行政機関等に署名協力を依頼する文書が発せられ,取りまとめた署名が依頼元である民間団体に送られ,この署名協力(以下「本件署名協力」という。)のために栃木県のコピー用紙,封筒等が使用されたこと(以下「本件物品使用」という。)につき,栃木県の住民である被控訴人が,控訴人に対し,(1)A課長の行為は,物品を使用している職員が故意又は重大な過失によりその使用に係る物品を亡失又は損傷したときに該当し,また,栃木県に対する不法行為に該当すると主張して,主位的に,地方自治法242条の2第1項4号ただし書に基づき,A課長に本件物品使用代相当の損害の賠償(133円及びこれに対する平成20年2月14日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の賠償)の命令をすることを求め,予備的に,同号本文に基づき,A課長に本件物品使用代相当の損害賠償(133円及びこれに対する平成20年2月14日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の賠償)を請求することを求める(以下,(1)の請求を「請求1」という。)とともに,(2)栃木県知事であるB(以下,損害賠償請求の相手方としての同人を「B知事」という。)は,A課長の上記行為に関し指揮監督上の義務を怠り栃木県に損害を与えたと主張して,同号本文に基づき,B知事に本件物品使用代相当の損害賠償(133円及びこれに対する平成20年2月14日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の賠償)を請求することを求める(以下,(2)の請求を「請求2」という。)事案である。
被控訴人の主張する損害133円の内訳は,コピー用紙が①受診したメールのプリントアウトに8枚,②起案・決裁に7枚,③県土整備部内各課への送付に61枚の合計76枚で100円,封筒が④署名の送付に1枚で33円である。
原審は,請求1につき,④の封筒使用は地方自治法243条の2第1項前段の「物品を亡失し,又は損傷したとき」当たるが,①②③の用紙使用はこれに当たらないとして,32円(④の封筒使用分)及びこれに対する平成20年2月14日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の賠償の命令を求める限度で主位的請求を認め,③の用紙使用については不法行為責任が認められるが,①②の用紙使用については認められないとして,78円(③の用紙使用分)及びこれに対する平成20年2月14日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の損害賠償の請求を求める限度で予備的請求を認め,その余をいずれも棄却し,請求2につき,これを棄却した。
控訴人は,控訴人敗訴部分を不服として控訴したが,被控訴人の控訴がないので,当審の審理の対象は,原審の認容部分(④の封筒使用についての主位的請求及び③の用紙使用分についての予備的請求の認容)の当否のみである。
2 前提事実(以下の事実のうち,証拠等を掲記したもの以外は,当事者間に争いのない事実である。)
(1) 当事者
被控訴人は,栃木県の住民である。
控訴人は,栃木県知事である。
A課長は,平成19年度当時,交通政策課長であった者,B知事は,同年度当時,栃木県知事であった者である。
(2) C協議会(乙7)
C協議会(以下「本件協議会」という。)は,地域の自立と交流の一層の推進や大都市等の交通混雑を解消するため,高速道路ネットワーク1万4000キロの高速道路が,計画的にかつ最も合理的な方法で整備されることを目的に設立された,全国46の促進団体で構成され,各都道府県の知事と議会議長等が理事を,部長等が幹事を務める組織である。後記D同盟会は上記促進団体の一つであり,栃木県知事は理事を,栃木県県土整備部長は幹事を務めていた。
(3) D同盟会(乙13,14)
D同盟会(以下「本件同盟会」という。)は,栃木県,茨城県及び群馬県の北関東3県の主要都市を結び北関東地域の発展を担う基幹的施設である北関東自動車道の早期実現を図ることを目的として設立された,北関東自動車道の建設促進に関する事業等を行う組織で,本件協議会の構成団体となっており,3県の知事が会長及び副会長を,関係市町村の長,各議会議長,3県及び関係市町村の部課長らが委員及び幹事を務め,本件同盟会の事務を処理するため,会長所在県の担当部に事務局が置かれている。
本件署名協力が行われた当時,本件同盟会の会長は栃木県知事が務めており,栃木県の県土整備部に本件同盟会の事務局が置かれ,同部交通政策課高速道路対策室長が事務局長を,その上司である交通政策課長(A課長)は幹事を務めていた。
(4) 交通政策課の事務分掌(乙15)
栃木県行政組織規程には,交通政策課の事務分掌として,「道路整備の総合的な企画,調整及び推進に関すること」とともに「高速自動車国道の建設促進に関すること」が掲げられており,交通政策課は,これらの事務を分掌し,これらの予算を主管する課である。この事務分掌により,本件同盟会の事務局は交通政策課に置かれていた。
(5) ガソリン税をめぐる状況
ア 暫定税率適用期間の延長問題
揮発油税法及び地方道路税法(平成21年法律第13号により地方揮発油税法に名称が変更された。以下「地方道路税法」という。)は,揮発油及び揮発油税法6条により揮発油とみなされる物に揮発油税及び地方道路税(以下,両者を併せて「ガソリン税」ということがある。)を課している(揮発油税法1条,地方道路税法1条)。
昭和39年法律第32号による改正後の揮発油税法における揮発油税の税率は,揮発油1キロリットルにつき2万4300円(同法9条),同改正後の地方道路税法における地方道路税の税率は,揮発油1キロリットルにつき4400円(同法4条)であった。
昭和49年法律第17号による改正後の租税特別措置法は,昭和49年4月1日から昭和51年3月31日までの間に揮発油の製造場から移出され,又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方道路税の税額は,揮発油税及び地方道路税の税率に係る上記各規定にかかわらず,揮発油1キロリットルにつき,揮発油税にあっては2万9200円の税率により計算した金額とし,地方道路税にあっては5300円の税率により計算した金額とする旨規定し(同改正後の同法89条1項。以下,同法に基づく揮発油税及び地方道路税の税率を「暫定税率」という。),以後,同法は暫定税率適用期間の満了日が迫るたびに改正され,時に課税物件の拡大や税率の引上げ又は引下げを伴いながら,暫定税率適用期間は延長されてきた。
平成15年法律第8号による改正後の租税特別措置法における暫定税率適用期間の満了日は平成20年3月31日であり(同改正後の同法89条2項),同日が迫っていた同年1月ころには,暫定税率適用期間を延長する法案が国会において成立するか否かが国民の大きな関心事になっていた。
イ 道路特定財源の一般財源化の問題
また,揮発油税等,自動車利用者が自動車に関連して納める税の全部又は一部は,その使途が道路の整備に関する事業に制限されていたが(平成15年法律第21号による改正後の道路整備費の財源等の特例に関する法律3条等。以下,使途が道路の整備に関する事業に制限された財源を「道路特定財源」という。),平成20年1月ころには,このような使途の制限を撤廃すべきか否か(いわゆる道路特定財源の一般財源化の問題)が暫定税率適用期間の延長と併せて議論され,国民の大きな関心事になっていた。
ウ 栃木県知事等の要請行動
後記本件署名活動への協力の依頼があった平成20年1月当時,栃木県知事,栃木県市長会,栃木県町村会,栃木県市議会議長会,栃木県町村議会議長会,全国知事会,全国都道府県議会議長会,全国市長会,全国市議会議長会,全国町村会,全国町村議会議長会及び本件協議会等は,暫定税率適用期間の延長及び道路特定財源の枠組みの堅持を強く求め,国会や政府に対し,その旨の要望書等の提出や提言を行っていた。(乙1の1ないし4,乙2の1ないし6,乙3の1ないし9,乙7,弁論の全趣旨)
(6) 本件署名協力
ア 本件署名活動への協力の依頼
平成20年1月9日,交通政策課は,栃木県東京事務所から,「道路特定財源に係る10万人署名への協力依頼等について」と題する電子メールを受信した。この電子メールは,「E会」という団体(以下「本件団体」という。)がガソリン税の暫定税率の維持(租税特別措置法を改正して暫定税率適用期間を延長することを意味する。)を求める署名活動(以下「本件署名活動」という。)への協力を本件協議会に依頼し,これを受けた本件協議会が本件団体の作成した下記内容の趣意書,署名協力依頼文,署名用紙等を本件協議会の会員である他県の東京事務所に転送し,それが栃木県東京事務所に転送されたものであった。また,本件団体の作成した趣意書によれば,本件署名活動の目的は,暫定税率,道路特定財源の維持や必要な道路整備の計画的な実施であった。(乙4の1,2)
(ア) 趣意書
「 おかげさまで,皆様のご協力により【○○大会】を無事実施することができました。皆さんから頂いたメッセージも取りまとまりましたので,年内には事業報告をまとめたいと思います。
今回の活動後,11月には,国土交通省から中期計画の素案が提示され,12月7日には政府・与党において,道路特定財源の暫定税率の延長や私たちが主張した必要な道路整備を計画的に実施していくことが合意されました。
しかしながら,未だに,新聞紙上では,道路特定財源の暫定税率の廃止や一般財源化が大きな問題となっており,中央マスコミにおいては地方の道路整備はムダだとの報道がされています。
政府・与党で合意はされたものの,最終的には,今後の国会での議論を経て,法案が成立するまでは,私たちもこれまでの主張や活動を続けて行く必要があります。
そこで,再度皆さんのご理解ご協力を得ながら署名活動を実施していきたいと考えました。目標は,1月末までに10万人の署名を集めます。この皆さんのご意志を国や国会議員の方々に届けていきたいと思いますのでご協力をお願いします。」
(イ) 署名協力依頼文
「 日頃から,当会の活動に対しご協力頂きましてありがとうございます。
おかげさまで,皆さんのご協力により11月に【○○大会】に参加することができました。
今回の大会・要望活動後に,国土交通省からは中期計画の素案が提示され,12月7日には政府・与党において,私たちが主張してきた,道路特定財源の暫定税率の延長や必要な道路整備を計画的に実施していくことが合意されています。
しかしながら,未だに,新聞紙上では,道路特定財源の暫定税率の廃止や一般財源化が大きな問題となっており,中央マスコミにおいては地方の道路整備はムダだとの報道がされています。
政府・与党で合意はされたものの,最終的には,今後の国会での議論を経て,法案が成立するまでは,私たちもこれまでの主張や活動を続けて行く必要があります。
そこで再度,皆さんのご理解ご協力を得ながら署名活動を実施していきたいと考えました。目標は,1月末までに10万人の署名を集めます。この皆さんのご意志を国や国会議員の方々に届けていきたいと思いますのでご協力をお願いします。」
(ウ) 署名用紙
「 請願書
ガソリンの暫定税率の維持をお願いします!
今,ガソリンがとっても高騰しています。そんな中,ガソリン税などの暫定税率(これは道路の渋滞の緩和や道路環境の改善のためにガソリン等に上乗せして課せられている税で,道路利用者が受益者負担の原則のもとに支払っているものです。今まで道路整備に重要な役割を果たしてきました。)を,維持をするべきか,廃止すべきかが大きな問題になっています。
私たちにとっては,税金が少なくなれば家計の上では大変助かりますので歓迎したいところです。しかし,ここでガソリン税が下がったら,私たちが待ち望んでいた道路整備はどうなるのでしょうか?急病の患者さんを一刻も早く運べる命の道,こどもたちが事故に遭わないですむ道,トラックにすれ違うたびに怖い思いをしなくてもいい道,都会に新鮮でおいしい農水産物を傷まずに早く運べる道,遠くの町に安心して通える道,壊れそうな橋の補強,災害に安全・安心な道…
私たちの住む地域には,まだまだ必要な道路が不足しています。それらの道路は,こどもや孫たちの未来のために,地域の未来のために,何としても整備して頂かなければ困る道路です。
だから,私たちはガソリンの暫定税率を維持することに我慢します。生活は苦しいけれど,私たちは,こどもや孫たちの未来に悔いを残さないために,ガソリン税を払って,大人の,親の責任を果たしたいと思います。
その代わり,私たちが待ち望む道路を一日も早く,計画通りにつくって下さい。
私たちの地域では,(例)
そのことを,ここに賛同頂いた多くの方々の署名と合わせて,切にお願い申し上げます。
平成20年1月 日 E会(参加団体名)」
イ 本件団体
本件団体は,F会,G会,Hフォーラムの3団体の代表が発起人となって平成19年10月に発足させた団体である。
ウ A課長の決裁
A課長は,本件同盟会の事務局として本件署名活動に積極的に協力すべきであると考え,同月15日までに,下記(ア),(イ)の内容の署名協力依頼文及び署名用紙を添えて,下記(ウ)の文案で栃木県内の各市町長宛てに,下記(エ)の文案で県土整備部各課宛てに,それぞれ本件署名活動への協力依頼を行う旨の決裁をした。(乙8)
(ア) 署名協力依頼文
前記ア(イ)の署名協力依頼文と同じ
(イ) 署名用紙
前記ア(ウ)の署名用紙の「私たちの地域では,(例)」の部分を下記のとおりとし,末尾の「(参加団体名)」の次に「○○期成同盟会」と記載したもの
記
「私たちの地域では,
一 子供たちや地域住民が安全に安心して通れるように,歩道の整備などの安全対策や渋滞対策,橋の補修など,生活を支える道路の整備を進めてください。
一 地域支援のため東北道の6車線化,北関東道の全線開通などの高速道路をはじめとする基幹ネットワークの整備を進めてください。」
(ウ) 各市町村長宛ての依頼文書案
宛名:各市町村長
差出人名:栃木県県土整備部交通政策課長
表題:道路特定財源に係る署名への協力について(依頼)
依頼文:「日頃から県道路行政にご協力をいただき厚くお礼申し上げます。さて,「E会」から,ガソリンの暫定税率の維持を求める署名の依頼がありました。本県においても道路整備を行う財源は必要であり,署名活動には積極的に協力すべきであると考えています。つきましては,貴市町村の構成する期成同盟会による署名のご協力お願いします。」
(エ) 県土整備部各課宛ての依頼文書案
宛名:関係各位
差出人名:D同盟会事務局長
表題:道路特定財源に係る署名への協力について(依頼)
依頼文:「「E会」から,ガソリンの暫定税率の維持を求める署名の依頼がありました。本県においても道路整備を行う財源は必要であり,署名活動には積極的に協力すべきであると考えています。つきましては,貴所属職員による署名のご協力お願いします。」
依頼元に関する記載:「依頼元の「E会」は,「G会」他2団体が発起人となり,一般財源化の流れが進む道路特定財源を守ろうと,全国から賛同者を募り,緊急総決起大会が平成19年11月9日(金)にαで開催した民間主体の会です。決起大会に続く第2弾の活動として,今回の署名活動を実施しているところです。」
エ 本件署名協力
交通政策課の職員は,同決裁に基づき,栃木県内の31市町長に対して平成20年1月15日付けで,県土整備部内の12課に対して同月21日付けで,それぞれ,電子メールを利用して本件署名活動への協力依頼を行い,A課長は,平成20年2月14日,本件団体に対し,上記協力依頼の結果集まった署名を送付した。(乙8)
(7) 本件物品使用
本件署名協力依頼の電子メールを受信した県土整備部内12課において,同メールをプリントアウトするために栃木県のコピー用紙61枚が使用され,A課長は,集まった署名を本件団体に送付するために栃木県の封筒1枚を使用した。
(8) 住民監査請求
被控訴人は,平成20年3月31日,栃木県監査委員に対し,本件署名協力は地方公務員法35条及び36条2項2号に違反しており,B知事及びA課長はこれによって栃木県が被った損害を賠償する責任があるとして,地方自治法242条1項に基づく住民監査請求を行った。
これに対し,栃木県監査委員は,同年5月28日付け書面(甲1)をもって,被控訴人に対し,本件署名協力は地方公務員法35条及び36条2項2号に違反せず,被控訴人の主張は理由がないとの監査結果を通知した。
(9) 本訴提起
被控訴人は,平成20年6月9日,地方自治法242条の2に基づき,本件訴えを提起した。
第3 争点及び争点に関する当事者の主張
1 争点
(1) 本件署名協力が違憲・違法なものであるか否か
ア 憲法15条2項,地方公務員法30条に違反するか否か
イ 地方公務員法36条2項2号,同条3項に違反するか否か
ウ 地方公務員法35条に違反するか否か
(2) 栃木県の損害の有無
(3) A課長の損害賠償責任の有無
2 被控訴人の主張
(1) 本件署名協力の違法性
ア 憲法15条2項,地方公務員法30条違反
本件団体の行った本件署名活動は,当時,政府・与党と野党との間で政治的対立があった暫定税率適用期間の延長問題について,政府・与党の政策を支持する意思を表明することによって,暫定税率の維持を実現させようとするものであり,このような署名活動への一般職公務員の協力は,「全ての公務員は,全体の奉仕者であって,一部の奉仕者ではない。」と規定する憲法15条2項,これを受けて「すべての職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当たっては,全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と規定する地方公務員法30条に違反するものであり,適法な職務行為には当たらない。
平成20年1月当時は,暫定税率適用期間の延長問題及び道路特定財源の一般財源化の問題について,国民又は住民全体の利益,すなわち公共の利益が何であるかが争われていたのであり,このように公共の利益が何であるかが争われている中で,国民又は住民の中に有力な反対意見が存在するにもかかわらず,暫定税率適用期間を延長し,道路特定財源を維持するという政府・与党の立場を明確に支持している私的団体の行う署名活動に協力することは,国民又は住民全体の利益,すなわち公共の利益に反するといわざるを得ず,これに従事した職員の行為は適法な職務行為とはいえない。
イ 政治的行為の制限違反(地方公務員法36条2項2号,同条3項違反)
本件署名活動は,当時,政府・与党と野党との間で政治的対立があった暫定税率適用期間の延長問題について,政府・与党の政策を支持する意思を表明することによって,暫定税率の維持を実現させようとするもので,「政治の方向に影響を与える意図」で行われたものである。このような署名運動に一般職公務員が積極的に関与することは地方公務員法36条2項2号に違反し,また,政治的中立を求められる一般職公務員に対し本件署名を強いる行為は,暫定税率廃止を期待している個々の公務員の信条の自由をも侵す違法な行為であり,同条3項に違反する。
ウ 職務専念義務違反(地方公務員法35条違反)
本件署名協力は,交通政策課とは無関係な民間団体からの署名協力依頼に応じるもので,A課長の職務とは無関係な行為であり,また,前記のとおり,一般職公務員の政治的中立性に反する行為であるから,地方公務員法35条の定める職務専念義務に違反する。
本件で問題とすべきは,暫定税率が地方の利益かどうかではなく,実体の分からない本件団体の要請に即時に応じ,政治的中立を求められる県職員,市・町の職員に対し,当時の政局の鋭い対立であった暫定税率の是非について,その渦中の一方に与する署名を強いたことの是非である。
(2) 栃木県の損害
本件物品使用(コピー用紙61枚,封筒1枚の使用)により,栃木県に112円相当の損害が生じた。
(3) A課長の損害賠償責任
A課長は,本件署名協力が地方公務員法35条,36条2項2号,同条3項に違反する行為であることを知っていたか,重大な過失によりこれを知らず,本件署名協力に関する決裁をし,電子メールによる本件署名協力依頼を受信した県土整備部内12課においてプリントアウトのために栃木県のコピー用紙61枚を使用させ,集まった署名を本件団体に送付するために栃木県の封筒1枚を使用したのであるから,A課長の行為は,地方自治法243条の2第1項所定の物品を使用している職員が故意又は重大な過失によりその使用に係る物品を亡失し,又は損傷したときに該当する。したがって,A課長は,栃木県に対し,同法243条の2第1項に基づき112円の損害を賠償する責任がある。
仮に,A課長の行為がこれに該当しないとしても,A課長は,本件署名協力が地方公務員法35条,36条2項2号,同条3項に違反する行為であることを知っていたか,過失によりこれを知らず,上記行為をしたものであり,A課長の行為は,栃木県に対する不法行為に該当する。したがって,A課長は,栃木県に対し,不法行為に基づき112円の損害を賠償する責任がある。
よって,被控訴人は,控訴人に対し,A課長の上記行為によって栃木県に生じた損害につき,A課長に,主位的に地方自治法243条の2第3項に基づき損害の賠償を命ずることを求め,予備的に不法行為に基づく損害賠償請求をすることを求める。
3 控訴人の主張
(1) 本件署名活動への協力の依頼元及び本件署名協力の主体
ア 本件団体
前提事実(6)イのとおり,本件団体は,F会,G会,Hフォーラムの3団体の代表が発起人となって平成19年10月に発足させた団体である。上記3団体は,いずれも従来から地元の道路整備の促進をめざして地道な活動をしている団体である。
交通政策課は,本件署名協力にあたって,本件団体が平成19年11月9日に「○○大会」を開催したこと及び政治資金規正法による政治団体の届出を行っていない団体であることを確認した。
イ 本件協議会
前提事実(2)のとおり
ウ 本件同盟会
前提事実(3)のとおり
エ 交通政策課の事務分掌
交通政策課は,道路整備の総合的な企画,調整及び推進に関すること,高速自動車国道の建設促進に関することなどの事務を分掌し,これらの予算を主管する課であり,これらの事務分担に基づき,職務として暫定税率の維持に関する業務を行ってきた。交通政策課が職務として暫定税率の維持に関する業務を行っていた理由は,道路特定財源が栃木県及び県内各市町村にとって貴重な歳入財源であり,平成20年3月末をもって暫定税率が廃止されれば,平成20年度予算において大きな歳入欠陥が生じることとなり,県民生活や県政運営に重大な支障を及ぼすこととなるからである。そのような情勢下において,交通政策課は,本件署名協力を行う前から,知事による道路特定財源の堅持に関する要望活動に従事するなど,職務として暫定税率維持に関する業務を行っていた。
また,前提事実(3)のとおり,交通政策課には,本件同盟会の事務局が置かれており,交通政策課課長であるA課長が本件同盟会の事務を行うことは,適法な職務行為であった。
オ 本件署名協力の主体
A課長は,本件署名活動の内容が道路特定財源・暫定税率の維持とともに道路整備の促進を目的とするものであり,北関東自動車道の建設促進に関する事業を行う本件同盟会の活動と一致したこと,本件署名活動への協力の依頼が本件団体から本件協議会を通じて行われたことから,本件協議会の構成団体である本件同盟会の事務の遂行として,本件署名協力を行った。
本件署名協力依頼については,「栃木県事務決裁及び委任規則」に基づき,事務処理について最終的にその意思を決定する決裁権限が交通政策課長にあったことから,A課長の判断で行ったものである。
(2) 本件署名協力の違法性について
ア 憲法15条2項,地方公務員法30条違反について
地方公務員法30条の解釈にあたり重要なのは,「公共の利益のために」勤務しなければならないとされている点にあり,「全体の奉仕者」としての行為なのか「一部の奉仕者」としての行為なのかを判別する基準は,「公共の利益のため」の行為か否かである。したがって,地方公務員の行為が,「一部の奉仕者」として職務の範囲を逸脱しているか否かを判定する基準は,それが「公共の利益のため」にされたものか否かであり,私的な団体に協力する行為であっても,それが「公共の利益のため」にされたものであれば,地方公務員法30条に違反しないというべきである。私的な団体の活動が地方公共団体の施政方針に合致し,それに協力することが「公共の利益」に資すると考えられる場合には,それに協力することは何ら違法ではなく,それに従事した職員の行為は,職務行為として適法なものであり,地方公務員法30条に違反するものではないというべきである。
そして,何が「公共の利益」であるかは,時々の政治的,経済的,社会的状況と国民,住民の価値観を前提として,具体的に決定されていくべきものである。
ところで,本件団体は,私的団体であるが,依頼された署名の内容は,道路特定財源・暫定税率の維持という「公共の利益」の実現をめざすものであり,同団体の会員の私的利益を図ろうとするものではなかった。また,道路特定財源・暫定税率が廃止された場合,県予算に大きな歳入欠陥が生じることとなり,県民生活や県政運営に重大な支障を及ぼすことは明らかであり,交通政策課は,本件署名運動への協力を依頼される前から,栃木県知事による道路特定財源の堅持に関する要望活動に従事するなど,職務として暫定税率適用期間の延長に関する業務を行っていた。
A課長は,以上を踏まえ,本件署名運動への協力依頼に応じたものであり,本件署名協力は,「公共の利益」の実現のための行為であって,地方公務員法30条に違反するものではない。
イ 政治的行為の制限違反(地方公務員法36条2項2号,同条3項違反)について
A課長は,暫定税率適用期間の延長という特定の政策を支持するため本件署名協力を行ったのであり,同法36条2項にいう「特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し,又はこれに反対する目的」をもって本件署名協力を行ったのではないし,「公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し,又はこれに反対する目的」をもって本件署名協力を行ったのでもない。したがって,本件署名協力は,同条2項2号及び同条3項に違反しない。
ウ 職務専念義務違反(地方公務員法35条違反)について
前記(1)オ,(2)アのとおり,A課長は,本件署名活動への協力の依頼が本件団体から本件協議会を通じて行われたこと,本件署名活動の内容が道路特定財源・暫定税率の維持とともに道路整備の促進を目的とするものであり,北関東自動車道の建設促進に関する事業を行う本件同盟会の活動と一致することから,本件協議会の構成団体である本件同盟会の事務の遂行として,本件署名協力を行ったものであり,A課長の同行為は,交通政策課長としての適法な職務行為であって,地方公務員法35条に違反しない。
第4 当裁判所の判断
1 事実関係
本件事実関係は,前提事実記載のとおりであり,さらに,前提事実(4)の交通政策課の事務分掌,同(5)の諸問題及び栃木県知事の要請行動,同(6)アの本件署名活動への協力依頼が,本件団体から本件協議会になされ,本件協議会から他県の東京事務所を経由して本件協議会の構成団体である本件同盟会の事務局である交通政策課に届いたものであること,同(6)ウ(ウ)の依頼文には,依頼内容として「貴市町村の構成する期成同盟会による署名のご協力をお願いします」との記載があり,同(エ)の依頼文書の依頼元が本件同盟会事務局長と記載されていること,A課長の陳述書(乙9),証人Aの証言及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められ,これを覆すに足りる証拠はない。
(1) 交通政策課は,道路整備の総合的な企画,調整及び推進に関すること,高速自動車国道の建設推進に関することなどの事務を分掌し,これらの予算を主管しているところ,高速自動車国道の建設推進に関することという分掌事務の一部として,交通政策課に,北関東自動車道の早期実現を図ることを目的として設立され北関東自動車道の建設促進に関する事業等を行う本件同盟会の事務局が置かれて,課長が幹事を務め,A課長を含む同課の職員は,職務として本件同盟会の事務も行っていた。
(2) A課長は,平成20年3月31日をもって暫定税率が廃止されれば,同課が住民全体の便益のために分掌事務として行っていた高速自動車国道の建設推進の妨げになるばかりでなく,平成20年度予算において大きな歳入欠陥が生じ,県民生活や県政運営に重大な支障を及ぼすことが予想されたため,高速自動車国道の建設推進に関することという同課の分掌事務の遂行として,暫定税率適用期間の延長及び道路特定財源の枠組みの堅持を求める栃木県知事の要請行動に関する業務に従事するなど,職務として暫定税率維持に関する業務を同課課員とともに行っていた。
(3) A課長は,本件署名活動への協力依頼を受けて,本件団体に関し,前提事実(6)イの情報を得たほか,平成19年11月9日に緊急総決起大会を開催したこと及び政治資金規正法による政治団体の届出を行っていない団体であることを確認した上,本件同盟会として本件署名活動への協力を求める旨の上記各依頼文を発して,その結果集まった署名を本件団体に送付する本件署名協力に係る行為を行ったものであるが,上記依頼に至る経緯,上記各依頼文の内容,依頼が本件同盟会から行われたことに照らせば,A課長は,同課の分掌事務である本件同盟会の事務の遂行として,本件同盟会の行為として本件署名活動への任意の協力の依頼を行ったものと認められる。そして,A課長は,本件署名活動が,暫定税率,道路特定財源の維持や必要な道路整備の計画的な実施のため,暫定税率適用期間を延長する法律の制定を求めるものであり,上記法律が制定されなければ,北関東自動車道の早期実現及び高速自動車国道の建設推進の妨げとなるので,本件署名協力に係る行為が,北関東自動車道の早期実現,暫定税率維持及び高速自動車国道の建設推進に資するものであり,本件同盟会の目的に合致し,交通政策課が分掌事務として行ってきた暫定税率維持に関する業務に資するものであり,高速自動車国道の建設推進に関することという同課の分掌事務の遂行にも当たるとして,これを行ったものである。
(4) 暫定税率適用期間を延長する法律が制定されず,平成20年3月31日をもって暫定税率が廃止されたことについて,栃木県は,同年4月17日付けで県の財源不足350億円(道路特定財源148億円,国補助金202億円)に対応するため,道路事業の執行停止(200億円相当)を含む措置を行うことを発表した。
2 地方公務員法36条2項2号,同条3項に違反するか
(1) 職員の公務員としての全体の奉仕者という立場からの要請に基づき,同法36条2項本文は,「職員は,特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し,又はこれに反対する目的をもって,あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し,又はこれに反対する目的をもって,次に掲げる政治的行為をしてはならない。」と定め,同項2号に「署名運動を企画し,又は主宰する等これに積極的に関与すること。」を掲げているが,同項本文の文理から明らかなとおり,同項が禁止するのは,同項本文で定める目的をもって行う同項各号所定の行為であって,同項各号所定の行為であっても同項本文で定める目的をもって行うものでない行為については,同項の禁止は及ばないのである。
また,同条3項は,「何人も前2項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め,職員をそそのかし,若しくはあおってはならず,」と定めているが,同項にいう同条2項に規定する政治的行為も,同項本文で定める目的をもって行う同項各号所定の行為であることは明らかである。
そして,法律の制定や政策の実現を支持する行為が同項本文にいう「支持し,又はこれに反対する目的をもって」する行為に当たるためには,単に特定の政党その他の政治的団体が主張し,内閣が制定や実現を図り,地方公共団体の執行機関が支持する法律や政策と同一の法律の制定や同一の政策の実現を支持するのみでは不十分であって,これを超えて,「特定の政党その他の政治的団体」については,それらの団体自体を支持する目的をもって行われることを要し,「特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関」については,これらの機関自体の存続又は成立の目的をもって行われることを要するものと解すべきであり,支持する対象となる特定の政党その他の政治的団体,内閣,地方公共団体の執行機関が具体的且つ明確に表示されなければならないと解すべきである。
(2) 前判示の事実関係によれば,前提事実(6)ウ(ウ),(エ)の各依頼文の文面には,特定の政党その他の政治的団体,特定の内閣,地方公共団体の執行機関名が表示されているとは認められず,また,上記依頼文書に添付された同(ア),(イ)の署名協力依頼文及び署名用紙にも,さらに,本件団体作成の同(6)ア(ア)の趣意書にも,前記法律の制定や政策の実現を支持することを超えて,特定の政党その他の政治的団体自体を支持する目的をもって本件署名活動が行われる旨が記載されているとは認められず,特定の内閣,地方公共団体の執行機関自体の存続又は成立の目的をもって本件署名活動が行われる旨が記載されているとも認められない。そして,前判示のとおり,A課長は,本件署名活動が,暫定税率,道路特定財源の維持や必要な道路整備の計画的な実施のため,暫定税率適用期間を延長する法律の制定を求めるものであり,上記法律が制定されなければ,北関東自動車道の早期実現及び高速自動車国道の建設推進の妨げとなるので,本件署名協力に係る行為が,北関東自動車道の早期実現,暫定税率維持及び高速自動車国道の建設推進に資するものであって,本件同盟会の目的に合致し,交通政策課が分掌事務として行っていた暫定税率維持に関する業務に資するものであり,高速自動車国道の建設推進に関する分掌事務の遂行にも当たるとして,交通政策課の分掌事務である本件同盟会の事務の遂行として本件署名協力に係る行為をしたものであるところ,本件署名協力に至る経緯,各依頼文の内容,宛先,依頼が本件同盟会から行われたこと,栃木県における県知事,市長会,町村会,市議会議長会,町村議会議長会等の要請行為の内容など前判示の事実関係によれば,本件署名協力に係る行為が北関東自動車道の早期実現という本件同盟会の目的に合致し,暫定税率維持及び高速自動車国道の建設推進にも資するものとして行われたことは,本件署名協力の依頼を受けた者も了知したものと推認される。
以上によれば,特定の政党が上記法律の制定を支持し,本件署名活動の主張する政策の実現を求めていたとしても,このことから直ちに,A課長の本件署名協力に係る行為が,単にその政党の主張するものと同一の法律の制定を求め政策の実現を支持することを超えて,上記政党自体を支持する目的をもって行われたとは認められず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。また,内閣がこの法律の制定を図り,地方公共団体の執行機関がこれを支持していたとしても,同課長の本件署名協力に係る行為が内閣や上記執行機関の存続又は成立の目的をもって行われたとも認められない。したがって,A課長の本件署名協力に係る行為は,同法36条2項本文の規定する「特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し,又はこれに反対する目的」で行われた行為に当たるとは認められず,同項に違反することを認めるに足りる証拠はない。
以上によれば,A課長の本件署名協力に係る行為は同法36条2項2号,同条3項に違反するとは認められず,これが上記各規定に違反するものであるから適法な職務行為とはいえないとする被控訴人の主張は採用することができない。
3 憲法15条2項,地方公務員法30条に違反するか
(1) 憲法15条2項は,「すべて公務員は,全体の奉仕者であって,一部の奉仕者ではない。」と定め,これを受けて,地方公務員法30条は,「すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当っては,全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と定めている。
同条の規定は,地方の政治が,住民の全体から信託を受けたものであり,この信託に基づく政策を実施する公務員は,住民全体に対して,住民全体の利益,すなわち公共の利益を増進するために奉仕すべきであることを明らかにしたものである。
他方,普通地方公共団体が特定の団体の行う活動に協力すること自体を明文で禁止する法の定めがなく,地方自治法232条の2が,「普通地方公共団体は,その公益上必要がある場合においては,寄附又は補助をすることができる。」と定め,公益上必要がある場合に普通地方公共団体が特定の団体に寄附又は補助して利益を与えることまで許容していること及び地方公務員法30条の文理も考え併せると,同条は,地方公務員がその職務として特定の団体の行う活動に協力することを一切禁止するものではなく,同条により禁止されるのは,住民全体の利益である公共の利益のために行われるのではなく,協力の相手方など一部の者の利益のために行われる行為であると解するのが相当であり,このような行為は,公共の利益のために行われるものとはいえず,適法な職務行為には当たらないというべきである。
(2) そして,前判示の事実関係によれば,交通政策課の高速自動車国道の建設推進に関する分掌事務の一部として,交通政策課に本件同盟会の事務局が置かれ,A課長を含む同課の職員は職務として本件同盟会の事務も行っていたところ,A課長がその職務として本件同盟会の事務を遂行する行為は,同会に協力し利益を与えるものではあるが,同会の目的,構成員,同課の分掌事務など前判示の事実関係に照らせば,普通地方公共団体の機関など他の構成員と協力して,住民全体の利益のため北関東自動車道の早期実現を目的とする事業等を行うものであり,住民全体の利益ではなく一部の者の利益のために行われるものとは認められず,公共の利益のために行われるものでないということはできない。なお,被控訴人もA課長が本件同盟会の事務を扱うこと自体が地方公務員法30条,35条に違反するものでないことは認めているところである(被控訴人平成22年9月30日準備書面)。そして,本件署名活動が,暫定税率,道路特定財源の維持や必要な道路整備の計画的な実施のため,暫定税率適用期間を延長する法律の制定を求めるものであり,上記法律が制定されなければ,高速自動車国道の建設推進の妨げとなるばかりでなく,北関東自動車道の早期実現の妨げとなることも予想されたのであるから,A課長の本件署名協力に係る行為は,本件同盟会の目的に合致するものと認められ,その目的を達成する上で必要性のない行為とはいえないものである。
また,本件署名活動への協力の依頼があった平成20年1月当時,暫定税率適用期間の満了日が同年3月31日に迫っており,暫定税率適用期間を延長する法案が国会で審理され,道路特定財源の一般財源化についても議論がされており,栃木県においては栃木県知事,栃木県市長会,栃木県町村会,栃木県市議会議長会,栃木県町村議会議長会等が,全国においては全国知事会,全国都道府県議会議長会,全国市長会,全国市議会議長会,全国町村会,全国町村議会議長会等が,また本件協議会も,暫定税率適用期間の延長及び道路特定財源の枠組みの堅持を強く求め,国会や政府に対し,その旨の要請行動等を行っていたところ,これらの要請行為が,住民全体の利益のためでなく一部の者の利益のために行われたとは認めるに足りる証拠はない。そして,A課長は,道路整備の総合的な企画,調整及び推進に関すること,高速自動車国道の建設推進に関することなどの事務を分掌し,これらの予算を主管する交通政策課の課長として,同年3月31日をもって暫定税率が廃止されれば,住民全体の便益のために同課が分掌事務として行っている高速自動車国道の建設推進の妨げになるばかりでなく,平成20年度予算において大きな歳入欠陥が生じ,県民生活や県政運営に重大な支障を及ぼすことになるとして,同課の上記分掌事務の遂行として,栃木県知事の上記要請行動に関する業務に従事するなど,暫定税率維持に関する業務を行っていたことが認められる。本件署名活動が暫定税率,道路特定財源の維持や必要な道路整備の計画的な実施のため,暫定税率適用期間を延長する法律の制定を求めるものであり,上記法律が制定されなければ,高速自動車国道の建設推進の妨げとなることが予想されたことは前判示のとおりであるから,A課長の本件署名協力に係る行為は,交通政策課の分掌事務として行ってきた暫定税率維持に関する上記業務に資するものであり,同課が住民全体の便益のために行っていた高速自動車国道の建設促進に関する分掌事務の遂行にも当たるものと認められる。
以上判示の各点を総合考慮すれば,A課長が交通政策課の分掌する本件同盟会の事務の遂行として行った本件署名協力に係る行為は,住民全体の利益ではなく協力の相手方である本件団体など一部の者の利益のために行われたものとは認めるに足りず,公共の利益のために行われたものでないということはできない。したがって,A課長の本件署名協力に係る行為が法の許容しないものであると認めることはできないというべきである。
(3) 被控訴人は,暫定税率期間や道路特定財源の適用については,国民又は住民全体の利益,すなわち公共の利益が何であるかが争われていたのであり,このように公共の利益が何であるかが争われ,国民又は住民の中に有力な反対意見が存在するにもかかわらず,暫定税率適用期間を延長し,道路特定財源を維持するという政府・与党の立場を明確に支持している私的団体の行う署名活動に協力することは,国民又は住民全体の利益,すなわち公共の利益に反すると主張する。
しかし,住民の間に政治的対立のある事項に係る職員の行為の規律については,全体の奉仕者という立場からの要請に基づく制約を定める地方公務員法36条が設けられているところ,A課長の本件署名協力に係る行為が同条に違反するものとは認められないことは,前判示のとおりである。そして,A課長の本件署名協力に係る行為が協力行為の相手方である本件団体など一部の者の利益のために行われたとは認めるに足りないことも,前判示のとおりであり,上記暫定税率適用期間の延長等について,住民の間に政治的対立があり,それが住民全体の利益である公共の利益に適うものではないという有力な反対意見が存在するとしても,それのみによって,A課長の上記行為が公共の利益のために行われるものでないと認めることはできない。したがって,本件事実関係の下において,暫定税率適用期間を延長する法律の制定等について国民又は住民の間に政治的対立が存在して賛否が分かれ,本件署名活動に対して有力な反対意見が存在したという事情は,上記判断を左右するに足りるものではなく,被控訴人の上記主張は採用することができない。
以上によれば,A課長の本件署名協力に係る行為は,憲法15条2項,地方公務員法30条に違反するとは認められず,これが,上記の各規定に違反するものであるから適法な職務行為に当たらないとする被控訴人の主張は採用することができない。
4 本件署名協力が地方公務員法35条に違反するか否か
前記3のとおり,A課長の本件署名協力に係る行為は,本件同盟会の事務であると同時に交通政策課の分掌する事務の遂行として行われたものであり,法の許容するものでないとは認められないのであるから,同法35条に違反するとは認められず,これが同条に違反するので適法な職務行為に当たらないとする被控訴人の主張は採用することができない。
5 結論
以上によれば,本件署名協力は違憲・違法なものであるとの被控訴人の主張は認めることができないのであるから,その余の点を判断するまでもなく,被控訴人の請求は理由がない。
そうすると,原審が認容した被控訴人の請求は,主位的請求,予備的請求ともいずれも棄却すべきところ,これを認容した原判決は不当であり,本件控訴は理由があるから,原判決中控訴人敗訴部分を取り消した上,同部分につき被控訴人の請求を,上記主位的請求に係る予備的請求も含めて,いずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大竹たかし 裁判官 山﨑まさよ 裁判官 栗原壯太)
別紙
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政治と選挙の裁判例「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧
(1)昭和26年 3月 7日 大阪高裁 昭25(う)2385号 選挙運動の文書図画等の特例に関する法律違反被告事件
(2)昭和26年 3月 3日 金沢地裁 昭25(行)2号 県議会議長辞職許可決議無効事件
(3)昭和26年 2月26日 仙台高裁 昭25(う)1081号 昭和二二年勅令第一号違反事件
(4)昭和26年 2月19日 新潟地裁 昭25(行)14号 休職処分取消請求事件
(5)昭和26年 2月 2日 最高裁第二小法廷 昭25(れ)1505号 公務執行妨害教唆各被告事件
(6)昭和25年12月28日 岐阜地裁 昭25(モ)12号 仮処分異議申立事件 〔電産特別指令確認事件〕
(7)昭和25年12月20日 最高裁大法廷 昭25(れ)1021号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(8)昭和25年12月20日 高松高裁 昭25(う)794号
(9)昭和25年12月19日 東京地裁 昭25(ワ)2251号 解雇無効確認請求事件 〔東京都職員免職事件〕
(10)昭和25年12月16日 東京地裁八王子支部 昭25(モ)165号 仮処分異義申立事件 〔富士工業工場閉鎖事件〕
(11)昭和25年12月14日 大阪地裁 昭25(ヨ)43号 仮処分申請事件 〔新家工業組合除名事件〕
(12)昭和25年12月13日 東京高裁 昭25(行ナ)12号 商標登録願拒絶査定不服抗告審決取消請求事件
(13)昭和25年12月 8日 最高裁第二小法廷 昭25(あ)2863号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(14)昭和25年12月 6日 高松高裁 事件番号不詳
(15)昭和25年11月22日 最高裁大法廷 昭25(れ)280号 賭場開張図利被告事件
(16)昭和25年11月10日 岡山地裁 昭24(ワ)107号 組合員除名決議無効確認等請求事件 〔倉敷レーヨン組合除名事件〕
(17)昭和25年10月27日 福岡高裁 事件番号不詳 解職処分無効確認等請求控訴事件 〔熊本電気鉄道事件・控訴審〕
(18)昭和25年10月18日 京都地裁 昭25(行)10号 議会議員除名決議取消請求事件
(19)昭和25年10月 4日 広島高裁 昭25(う)649号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(20)昭和25年10月 3日 秋田地裁 昭25(行)19号 休職ならびに懲戒免職処分取消請求事件 〔秋田県教員懲戒免職事件〕
(21)平成24年 4月13日 東京地裁 平23(行ウ)73号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(22)平成24年 4月12日 東京地裁 平23(行ウ)48号 難民の認定をしない処分等無効確認請求事件
(23)平成24年 4月10日 東京地裁 平23(行ウ)128号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(24)平成24年 3月27日 和歌山地裁 平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件
(25)平成24年 3月26日 仙台地裁 平19(ワ)1648号・平20(ワ)430号・平20(ワ)1915号・平21(ワ)355号・平21(ワ)896号・平21(ワ)1398号 監視活動停止等請求事件
(26)平成24年 3月23日 東京地裁 平22(行ウ)368号 難民不認定処分取消請求事件
(27)平成24年 3月16日 東京地裁 平21(行ウ)311号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(28)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(29)平成24年 2月23日 大阪地裁 平21(行ウ)154号 退去強制令書発付処分無効確認等請求事件
(30)平成24年 2月22日 東京地裁 平22(行ウ)445号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(31)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(32)平成24年 2月 3日 青森地裁 平20(行ウ)4号 政務調査費返還代位請求事件
(33)平成24年 1月31日 大阪高裁 平23(行コ)96号 政務調査費違法支出損害賠償命令控訴事件
(34)平成24年 1月31日 福岡高裁 平23(行コ)13号 大分県政務調査費返還等請求事件
(35)平成24年 1月27日 東京地裁 平22(ワ)5552号 地位確認等請求事件 〔学校法人尚美学園事件〕
(36)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(37)平成24年 1月17日 東京地裁 平21(行ウ)600号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(38)平成24年 1月13日 東京地裁 平23(ワ)4292号 損害賠償等請求事件
(39)平成24年 1月12日 東京地裁 平22(行ウ)251号・平22(行ウ)256号・平22(行ウ)257号・平22(行ウ)258号・平22(行ウ)259号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(40)平成23年12月21日 東京地裁 平21(行ウ)636号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(41)平成23年12月 9日 徳島地裁 平19(行ウ)17号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求事件
(42)平成23年12月 8日 東京地裁 平21(行ウ)341号 観察処分期間更新処分取消請求事件
(43)平成23年12月 6日 東京地裁 平22(行ウ)215号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(44)平成23年11月30日 東京地裁 平22(行ウ)37号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(45)平成23年11月25日 東京地裁 平21(ワ)3923号・平21(ワ)20801号 損害賠償等請求事件、損害賠償請求事件
(46)平成23年10月27日 東京地裁 平20(行ウ)497号・平20(行ウ)530号・平20(行ウ)531号・平20(行ウ)532号・平20(行ウ)533号・平20(行ウ)487号・平20(行ウ)557号・平20(行ウ)690号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、退去強制令書発付処分取消等請求事件
(47)平成23年10月25日 東京地裁 平21(行ウ)373号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(48)平成23年 9月30日 仙台高裁 平22(行コ)20号 政務調査費返還請求控訴事件
(49)平成23年 9月29日 東京地裁 平22(行ウ)460号 退去強制令書発付処分無効確認請求事件
(50)平成23年 9月16日 東京高裁 平21(ネ)2622号 各損害賠償請求控訴事件
(51)平成23年 9月 2日 東京地裁 平22(行ウ)36号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成23年 7月25日 東京地裁 平19(行ウ)591号 懲戒処分取消等請求事件
(53)平成23年 7月22日 東京地裁 平22(行ウ)555号・平23(行ウ)61号・平23(行ウ)171号 難民の認定をしない処分取消請求事件、追加的併合申立事件
(54)平成23年 7月19日 東京地裁 平21(行ウ)582号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(55)平成23年 7月12日 東京地裁 平20(行ウ)682号・平21(行ウ)537号・平22(行ウ)48号 退去強制令書発付処分取消等請求事件(第1事件)、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件(第2事件)、難民の認定をしない処分取消請求事件(第3事件)
(56)平成23年 7月 8日 東京地裁 平22(行ウ)197号・平22(行ウ)210号・平22(行ウ)211号・平22(行ウ)212号・平22(行ウ)213号 在留特別許可をしない処分取消等請求事件
(57)平成23年 7月 6日 東京地裁 平22(ワ)15626号 除名処分無効確認等請求事件
(58)平成23年 6月29日 東京地裁 平21(ワ)40345号・平22(ワ)36010号 損害賠償等請求事件、不当利得返還請求事件
(59)平成23年 5月26日 神戸地裁 平21(ワ)913号 国家賠償請求事件 〔レッドパージ訴訟〕
(60)平成23年 5月25日 東京地裁 平22(行ウ)156号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(61)平成23年 5月20日 仙台高裁 平22(行コ)8号 政府調査費返還代位請求控訴事件
(62)平成23年 5月18日 東京高裁 平22(行ケ)30号 裁決取消等請求事件
(63)平成23年 5月17日 東京地裁 平21(行ウ)17号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(64)平成23年 5月11日 神戸地裁 平21(行ウ)4号 政務調査費違法支出返還請求事件
(65)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(66)平成23年 4月 6日 大阪地裁 平20(ワ)14355号 損害賠償請求事件 〔目的外支出政務調査費損害賠償請求事件〕
(67)平成23年 3月24日 東京地裁 平20(ワ)17676号 損害賠償等請求事件
(68)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)303号 衆議院議員選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(69)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)268号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(70)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)257号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(71)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)256号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(72)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)235号 選挙無効請求事件
(73)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)234号 選挙無効請求事件
(74)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)207号 選挙無効請求事件
(75)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)206号 選挙無効請求事件
(76)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)203号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(77)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)201号 選挙無効請求事件
(78)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)200号 選挙無効請求事件
(79)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)199号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(80)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)189号 選挙無効請求事件
(81)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)188号 選挙無効請求事件
(82)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)130号 選挙無効請求事件
(83)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)129号 選挙無効請求事件
(84)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
(85)平成23年 3月10日 東京高裁 平21(行コ)181号 懲戒処分取消等請求控訴事件
(86)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)5号 不当利得金返還請求事件
(87)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)1号 損害賠償請求事件
(88)平成23年 3月 4日 東京地裁 平21(行ウ)1号・平21(行ウ)7号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(89)平成23年 2月24日 大分地裁 平19(行ウ)9号 大分県政務調査費返還等請求事件
(90)平成23年 2月18日 東京地裁 平21(行ウ)513号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(91)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(92)平成23年 1月28日 福岡高裁宮崎支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・福岡高裁宮崎支部〕
(93)平成23年 1月26日 広島高裁松江支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁松江支部〕
(94)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(95)平成23年 1月20日 東京地裁 平20(ワ)13385号 損害賠償等請求事件
(96)平成23年 1月19日 宇都宮地裁 平20(行ウ)13号 政務調査費不当利得返還請求事件
(97)平成23年 1月14日 東京地裁 平21(行ウ)279号 在留特別許可をしない処分取消請求事件
(98)平成22年12月16日 東京高裁 平22(行ケ)24号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
(99)平成22年12月16日 広島高裁岡山支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁岡山支部〕
(100)平成22年12月 1日 東京地裁 平21(行ウ)374号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
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■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
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■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
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■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
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■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
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■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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