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政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例(14)平成26年 5月14日 名古屋地裁 平22(ワ)5995号 損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕

政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例(14)平成26年 5月14日 名古屋地裁 平22(ワ)5995号 損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕

裁判年月日  平成26年 5月14日  裁判所名  名古屋地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ワ)5995号
事件名  損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA05146002

要旨
◆被告の従業員である原告が、労働組合活動に積極的に取り組み、特定政党を支持してきたなどの思想信条を理由に被告から処遇差別を受けたとして、同差別がなかったならば昇格していたであろう場合の賃金との差額支払等を求めた事案において、被告では、主担当から主事への昇格は基幹職務遂行能力の有無により判断されているから、恣意的に排除された一部の者を除き年功序列的に昇格するという原告の主張は認められず、また、被告の反共政策や原告等に対する差別であるとして原告が主張する事実は、仮に同事実が存在するとしても裁量の逸脱濫用の判断に影響を与えるものではない上、原告の勤務状況等によれば、主事に昇格させないとした被告の判断は裁量の逸脱濫用に当たらないとして、請求を棄却した事例

出典
労経速 2216号3頁

評釈
石井妙子・労経速 2216号2頁

参照条文
民法415条
民法709条
日本国憲法19条

裁判年月日  平成26年 5月14日  裁判所名  名古屋地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ワ)5995号
事件名  損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA05146002

原告 X
同訴訟代理人弁護士 竹内平
同 濵嶌将周
同 伊藤朝日太郎
同 伊藤麻衣子
同 岩井羊一
同 大辻美玲
同 岡村晴美
同 勝田浩司
同 川津聡
同 髙森裕司
同 田巻紘子
同 永井敦史
被告 Y社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 加茂善仁
同 緒方彰人
同 樋口治朗
同訴訟復代理人弁護士 三浦聖爾

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は、原告に対し、3826万7420円及びこれに対する平成22年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は被告の負担とする。
3  仮執行宣言
第2  事案の概要
本件は、被告の従業員である原告が、労働組合活動に積極的に取り組み、公然とa同盟(以下「a同盟」という。)の活動に加わり、b党を支持してきたという思想信条を理由に、被告から処遇について差別を受けたと主張して、被告に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、同差別がなかったならば昇格していたであろう資格の標準的な賃金との差額458万5422円、役職手当の差額297万1800円、賞与の差額506万4825円、退職金の差額451万1663円、慰謝料1713万3710円及び弁護士費用400万円の合計3826万7420円並びにこれに対する訴状送達の日の翌日である平成22年9月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1  前提事実(争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)  被告について
被告(平成24年10月1日以前の商号は、c社)は、東京都d区に本社を置く製鐵事業を主な事業内容とする資本金4195億2497万9366円、従業員数(社内在籍者)1万5083人(平成20年現在)の株式会社であり、八幡、大分、広畑、堺、名古屋、君津、釜石、室蘭等全国16か所に製鐵所等の製造拠点を擁している。
名古屋製鐵所は、昭和33年にe株式会社の製鉄所として設立され、昭和42年のf株式会社(以下「f社」という。)との合併に際して同社名古屋製鐵所と名称が付けられ、同社が昭和45年にg株式会社と合併した際にc社に商号が変更され、同社名古屋製鐵所となり、平成24年10月1日の被告とh株式会社との合併を経て、現在に至る。(弁論の全趣旨)
(2)  原告について
ア 原告の被告への入社等
原告は、昭和43年4月1日f社に入社し、平成21年12月に定年退職を迎え、その後は、シニア雇用制度(雇用延長制度)により被告に再雇用され、短時間勤務に就いている。
イ 原告の業務
原告は、被告に入社した後、名古屋製鐵所の動力工場・動力配給掛に配属され、以下の業務を担当した。
(ア) 昭和43年6月から昭和49年8月頃まで
配給業務(エネルギー配管の点検、管理)
(イ) 昭和49年9月頃から昭和50年8月頃まで
需給管理業務(LPG設備の点検、管理、デマンド調整)
(ウ) 昭和50年9月頃から昭和57年8月頃まで
配給業務(エネルギー配管の点検、管理)
(エ) 昭和57年8月頃から平成2年8月まで
需給調整業務(副生ガスの発生と使用のアンバランスの調整)
(オ) 平成2年9月頃から平成22年12月まで
需給管理業務(電気・計装業務対応、無停電装置の電源関係、各種計器の維持管理、重油設備等)
ウ 原告の資格
原告は、昭和56年4月に担当から主担当に昇格したが、その後、主事に昇格することはなかった。(書証〈省略〉)
(3)  被告における人事制度について
ア 被告における昇格制度を含む人事・給与制度は、被告の発足に伴い、昭和48年4月1日に導入された新制度を昭和45年10月1日に遡って施行し、平成9年度に大幅な見直しがされた(以下、昭和45年に遡って施行された人事・給与制度を「昭和45年人事制度」、平成9年度に見直しがされた後の人事・給与制度を「平成9年人事制度」という。)。
イ 昭和45年人事制度等について
(ア) 趣旨及び主な内容
昭和45年人事制度の趣旨及び主な内容は、①全社員共通の資格区分を設けることによって、社員一体感の醸成を図る、②職務と職務遂行能力に基づく能力主義によって、社員の公正な処遇を図るとともに、社員に期待される能力を明確にして、努力目標を与え、併せて、会社業務に精励恪勤する者については、その貢献度を処遇に反映させる、③社員の採用、配置、昇進、教育、給与等の人事管理上の必要性から、長期的予定配置区分として系列区分を設けるというものであった。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(イ) 資格区分、系列区分
昭和45年人事制度は、大きくは資格区分と系列区分をもって構成され、このうち、資格区分は職務層区分を基礎に設定された。そして、職務層区分のうち、原告を含む技術職社員が従事する生産関連職務については、作業長職務、工長職務、一般職務の3区分に分かれ、この職務層区分を基礎に設定された資格区分は、作業長職務に対応するものとして統括主事、工長職務に対応するものとして主事、一般職務に対応するものとして主担当、担当、担当補の各資格が設けられた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(ウ) 資格昇格選考
昭和45年人事制度においては、資格昇格及びその選考方法について、①資格昇格は、従事する職務、本人の経験、知識、技能、勤務成績、会社業務への貢献度等を総合勘案して所属長が推薦した者について、各資格区分の要件に基づき所定の選考を経た上で決定する、②選考は、所属長から推薦を受けた者について、上位資格区分の要件を満たすか否かを判定するために系列区分毎に行う、選考は各資格区分毎に考課及び面接にあわせ、筆記試験及び論文審査を行うことがある、と定められ、各資格毎に昇格類型(昇格要件)が定められた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(エ) 主事への昇格要件
昭和45年人事制度において、主担当から主事に昇格するためには、工長の職務を遂行するに必要な経験・能力を有する者であることが必要であった。具体的には、主担当から主事への昇格類型として、以下の3類型が定められ、下記a及びbについては、通常の者の経過の年数として、主担当として10年程度と定められていた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
a 工長職務に従事し、その職務を標準的に遂行するに必要な経験・能力を有すると認められる者。
b 一般職務従事者のうち、工長次席(これに準ずる者を含む。)職務従事者で、工長職務を遂行するに必要な経験・能力を有すると認められる者。なお、工長次席とは、工長に次ぐ重要な職務に従事する者で、工長不在時に常に工長職務を代行する者、又は、その系列内における職務遂行能力序列からみて最も上位にある者であり、工長次席に準ずる者とは、職務的にも能力的にも工長次席と同等で、工長次席と同様に扱うことが適当と認められる者をいう。
c 一般職務に従事し勤続25年以上で会社業務に対する貢献度が高いと認められる者。
(オ) 工長の職責基準
昭和45年7月1日に制定された名古屋製鉄所工長設置規程において、工長の職責基準が定められ、工長は、作業長の指揮監督のもとに、工長単位内における業務処理の責任者として、関係工長と緊密な協力関係を保ちつつ、部下を指揮するとともに自らも業務に従事し、率先してこれを円滑に推進することを基本的任務とし、工長単位内における作業実施管理、作業改善、設備管理、環境管理、資材管理、原価管理、人事管理、教育訓練、安全衛生についての職務遂行について責任を負い、その遂行に必要な権限を有する役職であった。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
ウ 平成9年人事制度等について
(ア) 趣旨及び主な内容
平成9年人事制度の趣旨及び主な内容は、①社員一体のもとでの能力・活力の向上とその最大発揮を支援するとともに、個々人の処遇に的確に反映することを基本理念とする、②全社員共通の資格区分を設けることによって、社員に期待される能力を明確にして、努力目標を与える、③職務遂行能力・成果を基軸として社員の公正な処遇を図るとともに、会社業務に精励恪勤する者については、その貢献度を処遇に反映させるというものであった。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(イ) 資格区分
平成9年人事制度においては、系列区分(技術職社員、主務職社員及び医務職社員の3種類の系列区分)が廃止されたが、資格区分については、昭和45年人事制度と同様、職務層区分を基礎に設定された。そして、職務層区分は、統括職務、基幹職務、一般職務の3区分に分かれ、この職務層区分を基礎に設定された資格区分は、統括職務(具体的には係長)に対応するものとして統括主事、基幹職務(具体的には主任。なお、平成19年度以降は、班長に改称されているが、以下、両者を区別せず「主任」ということがある。)に対応するものとして基幹主事及び主事、一般職務に対応するものとして主担当、担当、担当補の各資格が設けられた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(ウ) 資格昇格選考
平成9年人事制度においては、資格昇格及びその選考方法について、①資格昇格は、本人の従事する職務、各職務層の定義・各資格区分の要件と本人の専門経験、実務経験、企画力、指導力、判断力、折衝力、実行力等を総合勘案の上、所属長が推薦した者について、所定の選考を経た上で決定する、②選考は、所属長から推薦を受けた者について、上位資格区分の要件を満たすか否かを判定するために行う、選考方法の具体的内容については別に定める、③主担当から主事への昇格は、考課、面接及び筆記試験により箇所(製鐵所あるいは事業所)毎に行うと定められ、各資格毎に昇格類型(昇格要件)が定められた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(エ) 主事への昇格要件
平成9年人事制度において、主担当から主事に昇格するためには、基幹職務を標準的に遂行するに必要な専門知識・実務経験・企画力・指導力・判断力・折衝力・実行力を有する者であることが必要であるが、基幹職務とは、上司又は上位者から指示された業務課題に関する包括的な処理基準に従い、高度な専門知識及び実務経験に基づき具体的実行方案を企画するとともに、単独で又は下位者を指導しながら、判断・折衝・実行することを必要とする職務を指し、主任職務を念頭に置いたものである。このように、主事は、主任職務を基礎とする資格であり、主事昇格のためには、主任職務を遂行し得る能力が必要である。
具体的には、主担当から主事への昇格類型として、以下の3類型が定められ、下記a及びbについては、通常の者の経過の年数として、主担当として10年程度と定められていた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
a 所定の選考・研修を経て主任職務に従事する者。
b 一般職務を優秀に遂行する者(主任次席及びこれに準ずる者を含む)のうち、基幹職務を遂行するのに必要な専門知識・実務経験・企画力・指導力・判断力・折衝力・実行力を有すると認められる者。なお、主任次席とは、主任に次ぐ重要な職務に従事する者で、主任不在時に常に主任職務を代行する者、又は、その系列内における職務遂行能力序列からみて最も上位にある者であり、主任次席に準ずる者とは、職務的にも能力的にも主任次席と同等で、主任次席と同様に扱うことが適当と認められる者をいう。
c 一般職務に従事し勤続25年以上で会社業務に対する貢献度が高く、前記に準ずると認められる者。
(オ) 主任の職責基準
名古屋製鐵所主任設置規程において、主任の職責基準が定められ、主任は、係長の指揮監督の下に、主任単位内における業務処理の責任者として、関係主任と緊密な協力関係を保ちつつ、部下を指揮するとともに自らも業務に従事し、率先してこれを円滑に推進することを基本的任務とし、主任単位内における作業実施管理、作業改善、設備管理、環境管理、資材管理、原価管理、人事管理、教育訓練、安全衛生に関する職務遂行について責任を負い、その遂行に必要な権限を有する役職であった。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(4)  主事昇格者数割合の目安
昭和45年人事制度の策定に関し、昭和45年9月に行われた被告とi労働組合協議会、j労働組合及びk労働組合連合会(以下「i労働組合協議会等」という。)との団体交渉において、被告が、「主事以上の資格昇格については、年令や勤続が高くなれば誰でも主事へ昇格させる考えはない。」、「技術職社員の主事以上の資格昇格については、厳密にどの程度とは言えないが、次の目安で運用することとしたい。すなわち、年満時に全社平均してみれば、工長以上の役職に就いて年満をむかえる者の数の2倍程度が主事以上になっているように運用していくこととしたい。なお、参考までに言えば工長以上で年満をむかえる者は、従来の実績からみれば、年満者の1/3程度である。」と述べ、これに対し、i労働組合協議会等は、同年10月の団体交渉において、「年満時の主事昇格者の割合については、年満時に67%位になるように運用するということであったが、組合としては期待しているので、期待通りの運用を図ってほしい。」と答えた。(書証〈省略〉)
(5)  被告において主事に昇格することなく定年退職した社員数
被告において、平成12年度から平成21年度までの間に定年退職した社員数と、そのうち主事に昇格しなかった社員数は、以下のとおりである。
(弁論の全趣旨)
年度 定年退職した社員数 そのうち主事に昇格していなかった社員数
平成12年度 12人 2人
平成13年度 16人 1人
平成14年度 23人 8人
平成15年度 50人 20人
平成16年度 36人 6人
平成17年度 18人 2人
平成18年度 59人 11人
平成19年度 76人 11人
平成20年度 110人 11人
平成21年度 128人 21人
2  争点
(1)  被告が原告を主事に昇格させなかったことは、裁量の逸脱濫用に当たるか
(2)  原告の損害
3  争点についての当事者の主張
(1)  争点(1)(被告が原告を主事に昇格させなかったことは、裁量の逸脱濫用に当たるか)について
(原告の主張)
ア 原告は、主担当に昇格した後、主事に昇格することはなかった。被告においては、年功序列的な昇格運用がされているところ、原告が優れた業務遂行能力と実績を有していたにもかかわらず、主事に昇格することがなかったのは、①被告の反共的体質、②被告によるb党員や「a同盟」同盟員に対する差別、③原告が労働組合、「a同盟」及びb党の活動に取り組み、労働組合活動を離れた後も種々の活動をしていたこと、④原告は、被告から、昇格の他にも差別を受けていたことに照らすと、思想差別によるものというべきである。
以下、詳述する。
イ 被告における昇格の実情
(ア) 原告と同様技術職社員として採用され、名古屋製鐵所の操業・整備職場にて従事する従業員であって、平成12年度から平成21年度までの10年間に定年退職した528人のうち、主事に昇格しなかった者は93人で、その割合は約17.6パーセントである。
また、原告と同様技術職社員として採用され、名古屋製鐵所の操業・整備職場にて従事する従業員であって、50歳以上の現従業員は663人で、そのうち主事に昇格していない者は85人であり、その割合は、約12.8パーセントである。
このように、名古屋製鐵所では、原告と同様技術職社員として採用された者のうち、50歳までに主事に昇格している者は、8割を超え9割近くいる。
(イ) 平成8年の時点で、原告が所属していたエネルギー需給調整グループ所属の従業員は、原告を含めて43名であったが、そのうち、現在でも主事以上に昇格していない者又は主事以上に昇格せずに退職した者は、原告を含めてわずか2名にとどまり、そのうち1名は、50歳に到達する前に労災により死亡した者である。
そうすると、平成8年当時エネルギー需給調整グループに所属していた者は、原告を除いて皆、現在は主事以上に昇格しているか、あるいは、退職時までに主事以上に昇格していたことになる。
(ウ) 平成8年の時点のエネルギー需給調整グループ所属従業員の役職は、掛長1名、作業長2名、作業長代行2名、統括工長4名、工長19名、工長代行3名で、役職のない一般従業員は12名であったところ、一般従業員の中で、当時47歳の原告は最年長者であり、また、平成21年になっても役職のない一般従業員にとどまっていたのは原告のみであった。
(エ) 以上によれば、被告においては、恣意的に排除された一部の者を除いて、年功序列的に昇格していることは明らかである。
ウ 原告の職務能力、実績
(ア) 原告は、入社以来、動力工場に配属され、動力配給掛において、配給業務、需給調整業務、需給管理業務に従事し、平成18年頃までに、廃棄物処理設備技術管理者、高圧ガス製造責任者(特丙化)、2級ボイラー技士、危険物乙種4類、第2種酸素欠乏危険作業取扱主任者、特定化学物質等作業主任者、第三級特殊無線技師、放射線作業主任者及び2級自主保全士の各種免許を取得し、ガス溶接技能講習、低圧電気取扱者特別教育及び高圧電気の取扱安全技能特別講習の社内講習を受講した。
このように、原告は、機会があれば、業務遂行能力の向上のために各種資格の勉強をし、資格取得のための受験にも積極的に取り組んだ。
(イ) 原告は、社内の発明改善表彰に申請し、3級を2回、4級を24回、5級を12回の合計38回の発明改善表彰を受けた。発明改善表彰は、従業員の専門的知識・経験・能力に基づいて企画力・判断力・実行力を発揮し、同僚等と協力した結晶であり、また、その完遂に当たっては、企画推進的役割を果たすことも必要だったのであるから、受賞回数の多さはこれらの存在を示すものである。仮に、発明改善表彰の受賞回数のみをもって受賞者の経験・能力等を裏付けることはできないとしても、原告が発明改善表彰を数多く受賞していることは、少なくとも、他の従業員と比べて経験・能力等や努力が劣っていないことを示すものである。そして、それぞれの受賞は、原告が単独で受賞したものではなく、3人から6人のメンバーが役割を分担して達成したもので、原告が多くの労働者と協力して業務している証でもある。
また、原告は在職中に、需給調整グループとして、部門長表彰を2回、部長特別表彰を2回受賞しており、これらは、原告の企画力、管理力、指導力等が認められたものである。
さらに、原告は、4件の特許を申請したが、それらのとりまとめ的役割を果たしたり、平成3年度から平成19年度までの17年間で合計222件の考案成果を提出したり、自主管理活動に取り組んだりした。
(ウ) 原告の業務遂行能力は、被告からも評価されており、原告は、上司らに、「私の部下として発明改善などの実績を見て分かるように全般にわたり優秀に業務してきたことを証明する」と記載された証明書に署名してもらった。
また、被告においては、半期毎に顕著な成績を上げた者をタイムリーに処遇する観点から設けられた短期業績一時金という制度があるところ、原告は、高い評価を継続して受け、その結果、短期業績一時金において、一般職務上級(資格としては主担当に相当)の業績給適用区分別金額の1万3500円を超えて支給を受け、とりわけ、平成17年6月期以降は、加算されて3万3500円ないし4万3500円の支給を受けており、これは基幹職上級(統括主事に対応)に支給される業績給適用区分別金額の2万2300円を超えている。
(エ) 以上によれば、原告の業務遂行能力や実績は十分評価されるべきものであり、被告からも実際にそのような評価を受けてきた。
エ 被告の反共政策
(ア) 被告広畑製鐵所の元従業員5人が、在職中に思想信条を理由に昇給昇格差別や様々な人権侵害を受けてきたことについて、被告に対して損害賠償を求めた事件において、被告の反共労務政策の違法性が真正面から認められているが、これは、被告による反共労務政策のすさまじさを明らかにしたとともに、被告の体質であり、全社的なものであることを明らかにした。
(イ) 被告八幡製鐵所においては、b党員である従業員のリストが作成されており、対象者1人1人について、職場での行動、労働組合での発言のみならず、地域における平和運動の取組み状況、裁判傍聴の状況、門前ビラ配布の状況、b党の選挙運動の状況、家族の職歴などまでも克明に記録されていた。
上記リストの存在は、被告による反共労務政策が、対象者の日常生活や家族に対する調査にまで及び、徹底したものであることを明らかにした。
(ウ) 名古屋製鐵所においては、①昭和43年3月30日の入社説明会において、幹部が挨拶で反共講話を行う、②昭和52年に「社会思想」と呼ばれる冊子を発行して、末端職制研修で共産主義・社会主義の思想を差別的に非難する教育を実施する、③昭和44年8月12日発行の被告の社内報「○○」第96号に、あからさまな「a同盟」・b党攻撃がなされているB京都大学助教授の講演録を掲載し、全従業員に配布するなどの反共教育が行われていた。
(エ) 以上によれば、被告がb党員や「a同盟」同盟員を排除・差別する経営・労務政策上の方針を持ち、そうした方針が遂行されている状況が存在していることは明らかである。
オ 被告におけるb党員・「a同盟」加盟員に対する差別
(ア) C(以下「C」という。)は、昭和37年6月20日に被告に入社し、昭和39年にb党に入党した者であるが、主事に昇格することはなかった。Cと同期の従業員で、被告から思想差別を受けていた者を除いて、主事にならなかった者はおらず、Cは、エネルギー設備の主担当5名ないし6名のうち、一番年長で、経験年数も高いという状態だった。
(イ) D(以下「D」という。)の職場では、特に問題がなければ、勤続20年もすれば主事になっていた。しかしながら、Dの指導係であったEというb党の活動家は、非常に勉強家で、知識豊富で、仕事の遂行もきちんとしていたにもかかわらず、主事に昇格することなく退職した。また、Dと同じ職場のFというb党の活動家も、従業員として非常に優秀だったが、主事に昇格しなかった。さらに、Dの弟は、「a同盟」の活動をしていたが、やはり主事になることなく退職した。
(ウ) Gは、昭和45年に被告に入社し、入社後、「a同盟」に加盟し、さらに、b党に入党したが、職場では棒心クラスの作業員として信頼を寄せられ、重要な任務を任されてきたにもかかわらず、主事に昇格することはなかった。
(エ) H(以下「H」という。)は、昭和49年1月22日に被告に中途採用で入社し、昭和58年8月に健康上の理由で退職した者であるが、被告に入社する前から「a同盟」に加盟し、b党にも入党していた。Hと一緒に入社した社員は5年ほどで主担当に昇格したが、Hは7年を要し、3人ないし4人いた同期と比較して最後であった。
(オ) I(以下「I」という。)は昭和37年11月19日に被告に入社し、昭和40年頃「a同盟」に加盟し、さらに、昭和42年頃b党に入党した。同期の同僚の大半は、入社後10年の昭和47年頃には主担当となったが、Iは14年かかり、昭和51年に主担当となった。Iは、その後、主事に昇格することはなかった。
また、Iは、被告の意を介して行動した者から、スパイ活動を持ちかけられることがあった。
(カ) 以上のとおり、被告は、b党員や「a同盟」同盟員と目される従業員に対して、その思想ゆえに、人事政策上、労務政策上差別をしてきた。
カ 原告の労働組合活動等
(ア) 原告は、職場の全員が参加する安全会議や職制等を通じて、被告に改善の要請を行うなど、職場の安全維持の取組みを行った。
(イ) 被告においては、昭和45年頃、被告が従業員の年次有給休暇の一部を指定し、従業員が必要なときに年次有給休暇を取得することができず、従業員から改善の声があがっていたので、原告は、年次有給休暇取得の自由化実現を、労働組合役員選挙等を通して訴えた。
(ウ) 被告においては、自主管理助成金や会議手当が低額だったので、原告は、会議の時の低額支給の改善等を労働組合役員選挙の政策に掲げて訴え、また、職制等を通じて正当な賃金が支払われるよう要請した。
(エ) 被告は、従業員に対し、昭和45年頃、瓶ビールではなくスチール製の缶ビールを利用するよう勧め、会社関係の施設から瓶ビールを排除するなどしたので、原告は、青年有志や「a同盟」同盟員と一緒に、改善運動に取り組んだ。
(オ) 原告は、昭和44年頃、寮生有志と一緒に、被告の全ての寮で平等に食事の補助を行うよう、被告に改善を申し出た。
(カ) 原告が入社した当時、技術職、事務職ともに賞与の評価の幅が極めて広く、恣意的な運用の危険性があり、従業員から改善を求める声があがっており、原告は、労働組合選挙に立候補した仲間とともに、被告に対し、賞与制度の改善や資格制度・人事考課制度の運用の明朗化を訴えるチラシを配布したり、労働組合の集会で訴えたりした。
(キ) 被告においては、昭和45年頃、東海市議会議員選挙等において、被告が推す候補者に投票するよう指示し、確実に投票に行くようにするために投票者に渡される投票済み証を上司に届けさせたり、選挙期間中に職場において寄せ書きが公然と回されたり、従業員の家族も含めて特定候補者の選挙事務所に応援に行くことが求められたため、原告は、これらの公職選挙への干渉をやめさせる取組みを行った。
(ク) 原告は、危険物製造設備等の法定点検の実施、危険物保安統括管理者の選任及び届出、泡消化設備の配管の残水等の問題について、一刻も早い是正を被告に求めてきた。
(ケ) 平成15年9月2日、エネルギー課のガスホルダーが爆発し、同ホルダーの西側に設置されていたPCB入りのトランスが破損してPCBが流出したにもかかわらず、被告はこれを放置していたので、原告は、被告に対し、土壌の入替え等を求め、安全会議で改善を要請した。
(コ) 被告の発明改善表彰制度においては、毎年2回表彰があり、併せて表彰金が交付されたが、実際には表彰金の20パーセントが一方的に課の財源として控除され、課長らの処分に委ねられていたところ、原告は、被告に改善を求め、その結果、被告は一部を返還した。
(サ) 原告は、昭和45年頃から、労働組合青年婦人対策部、中央委員、評議員、各種の代議員等の選挙に立候補し、労働組合活動に積極的に取り組んだ。また、昭和49年頃から10年程の間に数回、いわゆる労使協調候補の対立候補として名古屋労働組合本部の書記次長や執行委員に立候補した。
(シ) 以上のとおり、原告は、被告入社以来、職場における労働条件の向上や基本的人権を守る取組みに参加してきた。そして、原告は、昭和55年頃に事実上、役員立候補等の労働組合活動から離れた後も、職場の労働条件や安全の向上を職場の安全会議や労働組合の話合いで訴えるなどしており、対外的にも原告の思想信条には変化はなく、被告の原告に対する評価にも変化はなかった。
キ 原告に対する反共攻撃
(ア) 原告は、先輩に誘われて、「△△会」というサークル活動に参加し、また、自らも他の寮生らに対して参加を促していたところ、被告の保安係は、原告らの社外における行動を尾行・調査し、寮務や職場の上司を通じて、原告らが「△△会」に参加することを妨害した。
(イ) 原告が新入社員導入教育後に配給班に配置された際の上司は、仕事の合間をみては、毎日のように反共・反「a同盟」発言を繰り返した。また、昭和44年頃以降、原告が「□□会」等に参加するようになると、同上司は、参加しないように言い、さらに、会議の内容や参加者等について聞いてきた上、個々の労働者の名前を挙げて現場で昇格等の差別をされている状況を説明し、活動や支援をやめるように話してきた。
(ウ) 被告は、原告が職場の先輩からバイクを借りることにも干渉し、b党の活動をする原告に対し、先輩としてのごく普通の援助をすることすらも止めさせた。
(エ) 原告は、昭和59年4月4日、元i労組本部副執行委員長のJから、労働組合の役員選挙に立候補しなくなって5年くらいになるかな、もう卒業したか、卒業証明書をもらわんといかんななどと言われた。
(オ) 以上のとおり、原告が昭和55年頃に事実上役員立候補等の労働組合活動から離れるようになるまでの間、被告からあからさまな差別的言動や反共攻撃を受けていた。
ク 原告に対するその他の差別
(ア) 仕事差別
a 被告は、原告に対し、担当業務の説明を行わない、業務に必要な情報、資料、契約内容等を知らせないなどの資料・情報の規制・限定を行った。
b 名古屋製鐵所の動力工場では、デスクオペレーター(職務給18職級がベース)、現場における配給業務(職務給16職級がベース)、常昼業務(職務給16職級がベース)があり、職務給16職級の職は職務給18職級の職より低位の職とされ、賃金も低かったところ、被告は、原告を入社2年目から昭和57年頃まで十数年間ほど上記配給業務に従事させ、低賃金部門での就労を命じた。
c 被告において交替勤務制度を変更する際に休日が増えたが、増えた休日について年次有給休暇を消化させる制度が始められたところ、原告は、これに反対し、上記年次有給休暇消化日に全て出勤すると、被告から、清掃、塗装等の重労働、高所作業、炎天下での池の穴掘りをさせられた。
d 原告は、需給調整業務の中のいわゆる3K作業、例えば、固い弁や場所が悪くて操作性の悪い弁、弁操作時に危険が伴う操作等について指示された。
e 原告は、入社2年目頃から30歳を過ぎる頃まで約15年間、仕事ができないと言われた上司とペアを組むようになった。
f 動力工場の夜間勤務は操業監視が中心なので、仮眠が可能であったが、昭和44年頃から現在に至るまで、被告は、原告が夜勤に入った際は、原告に仮眠を取らせないようにした。
g 原告が常甲勤務についていたとき、被告は、原告に対してだけは、わざと土日を出勤日にするという勤務表を組んだ。
h 原告は、30歳を過ぎるまで、呼び捨てで呼ばれていた。
(イ) 職場行事からの排除
a 原告が寮の水泳大会で優勝しても、被告従業員である寮務長は、原告に対し、寮対抗の代表権を与えなかった。
b 被告の行事である支部対抗のサッカー、卓球、バレーボール、ソフトボール等の大会において、原告に対し、バレーボールとソフトボール出場の他薦があり、原告も出場を申し出たが、被告は原告を参加メンバーから外した。
c 平成9年9月のエネルギー部発足1周年記念のレクリエーション大会に原告の家族が参加しても、被告は、子どもに配布される菓子も配布しようとしなかった。
d 原告は、入社2年目頃から昭和60年頃まで、忘年会と新年会以外の飲み会は知らされず、原告を排除して開催されたことがあった。
(ウ) 青年・職場の同僚からの隔離や寮生活への干渉
被告の保安掛は、昭和46年頃、原告が案内係をしていた青年らのサークルの集まりである歌声喫茶の集まりを監視していた。
また、副寮務長は、原告の寮室に勝手に侵入して、机の中にあった写真や資料を持ち出し、職制に渡したり、他の寮生に対して原告との交際を妨害したり、原告の情報があれば伝えるよう指示するなどし、寮生活に干渉した。
(エ) 立候補活動、選挙行動に対する妨害
原告が青年婦人対策部の役員に立候補した際、上司は原告に対する推薦の取下げを画策した。また、原告が各職場へ支持の訴えに行くと、被告は、ハンドマイクの使用を妨害したり、休憩時間や交替時間を変えたりするなどして、原告らの労働組合政策が組合員に伝わらないよう妨害するなどした。
(オ) 原告に対する威圧
a 被告の保安掛は、原告入社後しばらくの間、原告の職場に用もないのに立ち寄り、原告に対して監視や威圧を加えるなどした。
b 昭和45年頃から昭和50年頃まで原告とペアを組んでいた上司は、原告が他の従業員等と話していると、何を話すのかをチェックし、原告と親密な関係にならないよう監視し、会話に割って入るなどした。
c 被告は、労災損害賠償請求の裁判とビラ配布に対する不当処分撤回の裁判を支援するための会である「□□会」の会議が行われていた喫茶店周辺で張り込みを行い、原告が夜勤前に同会議に参加した後に出勤すると、原告に対し「今日は□□会の活動をしてからの出勤か。居眠りはするなよ。」と威圧するなどした。
d 被告は、原告らの自主的集会やビラ配布を写真撮影、監視し、牽制した。
ケ 以上によれば、被告は、思想差別によって原告を主事に昇格させなかったものと認められるから、裁量の逸脱濫用に当たる。
そして、通常、主担当として10年程度の経験を積むと主事試験を受験できるので、差別がなければ、原告は、平成2年ころには主事に昇格していた。
コ 被告の主張について
(ア) 被告の主張イ(高炉のシール用蒸気の圧力切替作業)について
原告が業務依頼に対して不機嫌な態度を取ったことは否認する。なお、動力配給業務の現場は常に工長と部下(一般作業員)の2人のペアになって作業にあたっていたところ、工長が業務の進捗を把握し、業務の優先順位を決定し、部下に指示する体制になっていたから、原則として、工長を飛ばして、需給調整の担当者から直接部下である原告に対して、作業依頼がなされることはなかった。
また、高炉のシール用蒸気の切替作業には危険性が伴い、作業には慎重を要するので、同作業がルーチンワークというのは誤りである。
さらに、動力工場の作業員は、製鐵所全体への良好なエネルギーの安定供給とコスト削減等を目的とする業務に従事していたのであって、動力工場の作業員が、高炉課の担当者からの指示を待ち、高炉課の作業のために待機するような体制にはなっていなかったから、切替のタイミングが高炉課の担当者の判断によりなされるものであったというのは誤りである。
(イ) 被告の主張ウ(ガス混合装置内の熱量に異常が見られた際の対応等)について
ガス混合装置の安定は、供給対象の工場にとっても、またコスト削減等操業にも大きな影響があるから、当然、工長に連絡しなければならない問題であり、原告のみに連絡したということは考えづらい。
また、需給管理や整備の担当者は、異常に対する処置を迅速に行うために、常時、操業を行っているデスクオペレーターにガス混合状態等を確認しなければならない。これらを把握せずに漫然と対応している従業員には疎ましく思われるかもしれないが、生産活動等の被害や影響を最小限にするために必要な確認である。原告がKに対し質問を行ったことはあるが、それはこのような確認のための質問であって、あらを探し、侮辱するためのものではおよそない。
原告は、ガス混合装置の安定稼働については、発明改善やTAC活動でも需給管理・需給調整・整備の従業員や関連業者等と協同して取り組んでおり、「同僚と共同してトラブルの原因を調査し再発防止を図り職場を積極的に改善して行こうとする姿勢に欠けていた」との被告の主張は、的外れである。
(ウ) 被告の主張エ(他掛から配転されてきた際に業務課題の引継ぎや共有化を求められた際の対応)について
原告がLに対して「自分で考えなさい。」というようなことを言ったことはあるが、それはまずは自分の頭で考えさせようという教育のやり方・技術の自覚的伝承の一つであって、それによって原告の業務遂行態度が悪かったことにはならない。
また、需給管理は、原告一人が担当していたものではなく、当然、工長もいた。したがって、当時の業務課題の引継ぎや共有化は原告のみが責任を負っているものではない。
(エ) 被告の主張オ(需給調整業務担当者が、ガス流量計の基準点ズレと思われる計測不良があったため、点検依頼をした際の対応)について
当時、原告が担当していた計測機器等は約500点に及んでいたため、基準点ズレなど日常茶飯事であった。このため、原告としては、被告の指摘するやりとりを正確には記憶していないし、仮に、被告が指摘するような事実があったとしても、頻発する基準点ズレの対応のまずさ一つだけを取り上げて原告の業務遂行態度がいつも悪かったように主張すべきではない。
また、そもそも、三交替には、機動班(三交替勤務者であり、動力配給業務に従事する者)2名が配置されていたから、基準点ズレ等の確認及び一次的な対処は、もともと原告が担当していた需給管理業務ではなく、需給調整業務が行うべきものであった。
さらに、被告は、需給調整業務の担当者が、需給管理業務の担当者に直接作業依頼をする形態が当然かのように主張しているが、それぞれの掛は独立した組織として掛の業務が定められており、連携して取り組んで良好なエネルギーの安定供給とコスト削減に貢献するという使命はあるものの、掛を横断する作業については、基本的には係長を通じて行われるべきものである。
(オ) 被告の主張カ(朝のミーティングで、無停電装置の改造工事の件に関連して、罵倒した)について
原告がLに対し被告主張の発言をして罵倒したことは否認する。
なお、Lは、統括工長(工長の上位者)であり、統括工長の業務課題の引継ぎは、まず職制同士が時間を確保して行うものであり、その補佐が必要になれば、係長が日常的に行うものであり、業務課題の引継ぎは原告の任ではない。
(カ) 被告の主張キ(ガスパージ作業の応援をした際の対応)について
平成13年から平成15年頃、ガスパージ作業があったことは認め、その余については否認ないし知らない。
原告は、当時、日常作業及び定期作業に追加され、構内計測機器及び計装設備老朽化更新のため、上工程から下工程まで構内全体の調査・台帳作成の業務を下命されていた。840点に及ぶ計器の展開接続図の調査、信号名称、旧タグ名称、新タグ名称、設置場所や信号の種類(もらい信号か渡し信号かの種別)等の確認をしなければならない状況であった。このこともあって、当時のエネルギー需給調整グループ内にガスパージ作業の応援体制は、事実上、①管理班、②機動班、③早出・残業、④管理班の順となっていた。このため、もともと原告が応援を依頼されたことはなかったし、したがって応援を拒否したこともなかった。
(キ) 被告の主張ク(ガス混合装置の熱量調整不具合があった際の対応)について
上記(ウ)のとおり、被告が主張する原告の対応は、教育のやり方・自覚的技術伝承の問題である。すなわち、エネルギー技術とエネルギー課は組織としては別組織で、現場操業からみると、技術は上の組織と考えるのが普通である。原告は、技術スタッフからの問合わせ等にも丁寧に対応していたが、この時は、原告が再三説明したにもかかわらず、さらに具体的な対応策の回答を求めてきたため、クルーで相談した結果、技術スタッフが自らが考え、業務を推進できるようにとあえて突き放した言い方をしたのである。
(ク) 被告の主張ケ(エネルギー課に設置されていたエネルギー計装用CRT(タッチパネル式の操作端末)の更新作業時の対応)について
平成16年頃、エネルギー計装用のCRTの更新作業があったことは認め、その余は否認ないし知らない。
当時、名古屋製鐵所は、平成15年9月3日にコークス炉ガスホルダーが爆発・炎上した事故からの再建の真最中であり、新ホルダーが建設されるまでの間、検討会議、対策会議をはじめとした対応が要求されていた。社運のかかった作業であり、原告も労を惜しまず対応した。配管の負圧対策に関する発明改善等も提出している。原告が「定時退社を求め時間外労働を拒否」したなどとは事実に反する。
(ケ) 被告の主張コ(個人対話シート)について
個人対話シート(書証〈省略〉)においては、業務遂行状況も指導・統率力も原告の自己評価が高いのみならず、上司のコメントでも原告の業務遂行には高い評価がされていたし、後進の指導力にも期待されていた。
(コ) 被告の主張サ(処遇の不満を訴え東海市消防本部に告発を行った)について
従業員が会社の不法ないし不適切な状態の改善をさせようとすることはむしろ評価されるべきことであり、原告が被告に事前に上申したにもかかわらず、被告が改善しようとしなかったために次善の策として外部機関に告発してでも改善させようとしたのであって、原告が被告のためを思ってした行動である。
なお、そもそも、原告の上記行動は、原告が定年退職を間近に控え、改善させておきたい、解決させておきたいと考えて行動に移した平成20年以降の出来事であり、被告が原告を昇格させなかった理由には、直接的(時期的)にも間接的(証拠)にもなりえない。
(サ) 被告の主張シ(発明改善表彰金の返金を求めた)について
被告は、名古屋製鐵所では、「表彰金の一部を職場懇親行事等のために積み立てるという職場の慣行的な運用」があったと主張する。しかし、実態は、発明改善表彰金やTAC表彰金の上司による強制的ピンハネであり、一部上司が個人的な飲食をした際の支払にも使われたとも噂されていた。その上、全く不明朗な会計であったため、原告はその改善を求めてきた。被告によれば、使い込みをしたと噂された本人に事情聴取したが、事実は確認できなかったとのことである。
原告としては、金銭の返済を主眼にしていたわけではなく、部下の努力の結晶を上司が飲食する実態や制度の改善を求めたものだったが、逆に、名古屋製鐵所では、原告以外の従業員に過去のピンハネ分を放棄する旨の誓約書と、今後も一定額を上納する旨の誓約書を書かせ、ピンハネを制度化・固定化する結果となってしまった。
(シ) 被告の主張ス(組織改正を行った際の対応)について
被告主張の組織改正が行われたことは認め、その余は否認ないし知らない。
通常、被告の組織では係長の上にはマネージャーが置かれるが、そうではなく統括係長が置かれるとのことだったし、また、それに伴い、原告の上司である主任が係長に昇格し、需給管理作業の主任がいなくなるとのことだったため、原告は、主任が欠けることは安全上も問題があると考えて、組織改正の趣旨を質したが、「連携維持」以上の回答はなかった。組織改正が行われた結果、原告は、定年退職した12月までの約半年間、需給管理の業務を一人で対応することになった。
(ス) 被告の主張セ(時間外労働に協力する姿勢に欠けていた)について
原告が残業に協力する姿勢に欠けていたことは否認する。原告は、労を惜しまず作業し、残業もしてきた。
(セ) 被告の主張ソ(多能工化に対応できなかった)について
原告が常昼勤務の申出をしたことはあるが、それは原告が出勤途中に睡魔に襲われることを不安に感じて、常昼勤務への交替を申し入れたものである。その余の被告の主張は否認する。
需給管理業務の中には、電源切替作業など少なからぬ業務がペアで行われており、原告は同僚と協調して取り組み、問題が起きた事はなく、問題があるなどと指摘を受けたこともない。また、業務の継承と向上のために、原告に頼るだけでなく自覚的に習得することを上司に対して勧めたことはあるが、悪意等をもったものでは決してない。また、若い社員の意見を考慮せず、罵倒などしたことはない。むしろ、原告は、適切に問題を指摘していたが、原告が業務上の技術と知識を持ち、頼られ信頼を得ていた。さらに、原告は、単に問題点を指摘するだけでなく、ことがあれば絶えず業務遂行の円滑化・効率化・安全のために上申してきた。
(ソ) 被告の主張タ(原告がエネルギー課所属のMに対して行った暴言・威嚇)について
原告がMに対し被告が主張するような暴言・威嚇を行ったことはない。
(被告の主張)
ア 被告において、主事は、工長職務又は主任職務を基礎とする資格区分であり、①工長単位又は主任単位における業務処理責任者として、②上位職制や関係職場等と緊密な連携を取りながら、③部下に対しては指導育成を行うとともに、④自らも率先して業務遂行にあたりリーダーシップを発揮することが求められるところ、原告については、職場長である工長職務又は主任職務を遂行する能力を有するとは到底認められなかったので、被告は原告を主事に昇格させなかった。
以下、詳述する。
イ 高炉のシール用蒸気の圧力切替作業について
原告が動力配給業務に従事していた頃、高炉のシール用蒸気の圧力を低圧から高圧へ切り替える必要が生じたため、需給調整業務担当者が、動力配給業務担当の原告に対し、現場での弁操作を依頼したところ、原告は、「なぜ今やらなければならないのか」と不機嫌な態度で聞き返すことがあった。上記弁操作は、1か月に4回ほどのルーチンワークであり、製銑工場高炉課の担当者、動力工場需給調整業務の担当者及び動力配給担当者間で連絡がされることとなっていたが、原告は、上記のとおり不機嫌な態度で聞き返すなどして依頼に応じようとしなかったので、周囲の者は原告に対し仕事の依頼を躊躇するなど、円滑な業務遂行に支障が生じていた。
ウ ガス混合装置内の熱量に異常が見られた際の対応等について
平成2年頃、需給調整業務を担当していたN(以下「N」という。)が、ガス混合装置内の熱量の異常に気付き、計装機器自体が正常に作動していない可能性もあると考え、需給管理業務担当の原告に対し、計装機器の点検を依頼したところ、原告はNの意見についての検討もせずに、「経験の少ないあなたはその程度でしょうね、あなたにはきちんと判断できませんね」等と述べ、上記依頼に応じなかった。そのため、Nはやむを得ず整備担当者に調査を依頼したところ、Nが考えていたように計装機器自体が正常に作動していないことが原因であった。
当時、ガス混合装置内の熱量の異常は、週1回の頻度で発生しており、職場全体で問題点の解決に向けて努力していたが、原告は、原因究明を検討するためのミーティングにおいても、自ら進んで原因究明しようとする意見や発言はほとんどせず、課題解決に向けて意欲的に取り組もうとする姿勢は見受けられなかった。
このように、原告は、計装機器の点検・調査を依頼しても快く対応しなかったばかりか、Nのような後輩の意見を侮辱する等していたほか、皆で共同してトラブルの原因を調査し、再発防止を図り、職場を積極的に改善していこうという姿勢に欠けていたことから、周囲の者は、原告に対して仕事の依頼を躊躇せざるを得なくなり、その結果、円滑な業務遂行に支障が生じていた。
エ 他掛から配転されてきた際に業務課題の引継ぎや共有化を求められた際の対応について
平成6年にL(以下「L」という。)が水道掛から原告の所属する需給調整掛に配転された際、グループ内の業務課題を把握するため、原告に対し、原告が担当していた需給管理業務、特に重油設備の維持管理における業務課題を教えてほしい旨依頼したところ、原告は、「自分で考えなさい」などと言って、当時の業務課題を教えなかった。
オ 需給調整業務担当者が、ガス流量計の基準点ズレと思われる計測不良があったため、点検依頼をした際の対応について
平成11年頃、需給調整業務担当者が、ガス流量計の基準点ズレと思われる計測不良があったため、原告に対して点検依頼をしたところ、設備トラブルの点検・調査は需給管理業務の担当者が日常的に行っており、上司の決裁等を求める必要もないものであるにもかかわらず、原告は、上司不在を理由に対応しなかった。
カ 朝のミーティングで、無停電装置の改造工事の件に関連して、罵倒したことについて
原告は、平成11年頃、Lとともに無停電装置の改造工事に従事していたところ、朝のミーティングの際に、Lに対し、多数の従業員がいるなかで、突然、「あれはどうなった」等と罵倒した。原告の上記言動は、上司に対するものとして問題のあるものであった上、原告は上記工事について十分に経験を有しているにもかかわらず、同工事について経験のないLに対して日常業務においては何の支援も行うことなく、突然上記のような言動を行うに至ったのであり、そこには、とても教育的配慮や技術の自覚的伝承といった意図を看取ることはできず、共同して作業にあたる姿勢を全く感ずることができないものであった。
キ ガスパージ作業の応援をした際の対応について
平成13年から平成15年頃、Lが、原告に対し、ガスパージ作業の応援を下命したが、原告は、作業が完了しておらず、他の社員は応援者も含めて全員作業しているにもかかわらず、終業時刻が近づくと、L又は当時管路主任であったOに対し、定時で帰りたいので誰か代わりの人員を手配するよう求め、LやOが作業完了まで時間外労働で対応してもらいたいと要請しても、応じようとしなかった。その後も同様のことが数回生じたため、Lは、原告に対し、ガスパージ作業の応援を指示できず、他の者に対して応援を求めざるを得なかった。
ク ガス混合装置の熱量調整不具合があった際の対応について
平成15年頃、原告が、エネルギー技術グループのスタッフであったPに対し、ガス混合装置の熱量調整に不具合が生じていることを伝えたきり、「問題点は言ったので、後は自分の責任ではなく、あなたが解決しなさい」と問題点を指摘するだけで、その後の改善策をともに検討しようとしなかった。Pは、やむなく他の現場担当者と打合せを行って対応することを余儀なくされた。なお、本件は、現場レベルで設備内のプログラムを書き換えることで解決することができ、設備の改善まで行う必要はなかった。
ケ エネルギー課に設置されていたエネルギー計装用CRT(タッチパネル式の操作端末)の更新作業時の対応について
平成16年頃、設備部エネルギー課に設置されていたエネルギー計装用CRTの更新作業が行われた際、原告は、終業時刻を過ぎる対応が必要となると、定時退社を求めて時間外労働を拒否し、作業完了まで対応せずに帰社してしまうことが度々あった。エネルギー計装用のCRTの更新作業は、需給管理業務を担当していた原告の本来業務であるにもかかわらず、原告には責任を持って対処する姿勢が見られず、自己の都合を優先しており、そのため、他の担当者が原告に代わって対応することを余儀なくされ、円滑な業務遂行に支障が生じた。
コ 個人対話シートについて
原告は、平成18年3月22日に作成した個人対話シートの「上司や関係先に提言・要望したいこと」の欄には、「仕事に対して、上司の中に積極性のない人が多く感じられる。重大災害以降、若干の変化はみられるものの残念である。(直接の上司ということではなく課全体)」と記載し、平成19年3月7日に作成した個人対話シートの同欄には、「作業標準は本来管理職が作成すべきだと考えているが、一般が作成した作業標準を回覧・検印中に管理職が紛失するのは言語道断である。・・・技術やMGRなどの管理者に真剣に取り組んでほしいと思うことがある。」と記載していた。このように、原告は、自身が上司であるかのような表現で記載したことについて、違和感はないとのことであるが、このような感覚の持ち主であることからみて、原告が日常的に上司を含め他の者に対し、立場や状況を弁えない言動を繰り返していたことが容易に窺える。
サ 処遇の不満を訴え東海市消防本部に告発を行ったことについて
原告は、被告に対し、自身の処遇が低いことの不満を訴え、その改善を求めたが、その要望が通らないとみるや、東海市消防本部に対し、被告に消防法違反があるとして告発を行った。同告発は、原告が、事前に被告から、原告の指摘事項は消防法違反に当たらないとの説明を受けていたにもかかわらず行われたものであり、結局、東海市消防本部から名古屋製鐵所に対し、原告が指摘する点で法令違反があるという指摘はなかった。
また、原告は、平成22年6月3日にも、東海市議会議員とともに、東海市消防本部に対して名古屋製鐵所に消防法違反の事実があるという告発を行ったため、同製鐵所は同消防本部の立入検査を受けたが、原告が指摘する事項での消防法違反は認められなかった。
被告のように大規模設備を擁して製品を製造するメーカーにおいては、関係役所と良好な関係を構築することは極めて重要であり、原告の上記告発行為は、被告が長年にわたり関係役所と構築してきた信頼関係を毀損させかねないものであって、極めて悪質な行為である。
シ 発明改善表彰金の返金を求めたことについて
被告においては、職場単位で発明改善表彰金の一部を職場懇親行事等のために積み立てるという慣行があった。これは、発明改善は、職場における創意工夫の積み重ねを経てなされるものであり、職場全体の成果ともいえることを踏まえたものであり、また、職場懇親行事等を通じて懇親を深め、職場の一体感を醸成する趣旨で形成されてきたものである。このような趣旨に賛同して積み立てられた表彰金について、原告は、平成20年9月16日頃より、被告に対し、一部がピンハネされていると称して返還を求めているが、このような原告の対応に象徴されるように、原告には職場全体で協力し合いながら業務を遂行しようとする姿勢は見受けられなかった。
ス 組織改正を行った際の対応について
被告において、平成21年9月に原告の所属職場であるエネルギー課需給調整グループの組織改正を行った際、原告の担当していた需給管理業務の班長が一時的に不在となり、需給管理業務の担当者の担当業務を変更することになった。その際、被告は、原告の業務負荷は増えないようにしたにもかかわらず、原告は、当時エネルギー課課長であったPに対して組織改正に伴う手当の支払を求めたり、組織改正に対する職場意見の取りまとめを担当していた者を罵倒したりするなどした。
セ 時間外労働に協力する姿勢に欠けていたことについて
原告は、上司からの時間外労働の要請に対しても、自己の都合を優先させ、残業に協力する姿勢に欠けていた。
ソ 多能工化に対応できなかったことについて
被告においては、会社の体質強化の一環として、昭和52年頃から継続的に要員合理化・多能工化が進められ、被告の社員には、本来業務のみならず、関連職場の業務を幅広く行い得る能力が求められていた。しかしながら、原告は、平成2年8月、体調不良の申出を行い、需給調整業務(三交替勤務)から需給管理業務(常昼勤務)へ配置換えとなったところ、需給調整業務はユーティリティー(動力)の供給(操業)に関わる業務であり、需給管理業務はユーティリティー供給設備の管理(トラブル発生の未然防止)業務であり、直接操業を行うポジションではなかったため、それまで原告が積み上げてきたキャリアは中断された。
そして、原告は、需給管理業務へ配置換えとなった後も、同僚等からの業務依頼に対して疎ましく思い快く応じようとしない、問題点を指摘するのみで業務課題を共同して解決しようとしない、自分より経験が浅かったり年齢の若い社員の意見を考慮せずあるいは軽視する、罵倒する、時間外労働に協力する姿勢がなく、自己の都合を優先するなどの勤務態度であった。そのため、被告は、原告には、他の者と関わり合いを有する業務を担当させることができず、需給管理業務のうち重油設備の維持管理とエネルギー計装・システム管理のみを担当させていた。
タ 原告がエネルギー課所属のMに対して行った暴言・威嚇について
Mは、昭和57年に被告に入社して堺製鐵所に配属となった後、昭和63年に名古屋製鐵所に転勤となり、以降、現在までエネルギー課需給調整掛に所属しているが、その間、原告と同じ作業長単位の下で勤務していた時期もあった。Mの業務上の成果が職場内で評判となると、原告は、Mに対し、「おまえなんか、いつでも潰してやるからな」、「潰すのは簡単だ」等の暴言・威嚇を繰り返し行っていた。
チ 原告の主張について
(ア) 原告の主張ア(原告が主事に昇格することができなかったのは、被告の思想差別によるものである)について
否認する。上記被告の主張アのとおり、原告は主事に昇格するだけの能力等を有していなかったため、被告は原告を主事に昇格させなかったものである。
(イ) 原告の主張イ(被告における昇格の実情)について
被告において、恣意的に排除された一部の者を除いて、年功序列的に昇格していることは否認する。
昭和45年人事制度は、職務遂行能力に応じた処遇を行うことを目的として導入されたものであるが、導入に当たり、被告は、i労働組合協議会等に対し、主事以上の資格の昇格運用につき、誰でも主事以上へ昇格させるわけではなく、主事以上への昇格は、職務遂行能力を勘案して行い、昇格運用の目安としては、「年満時に全社平均してみれば工長以上の役職に就いて年満をむかえる者の数の2倍程度が主事以上になっているように運用していくこととしたい。」との考えを説明して、了承を得ている。昭和45年人事制度の実施以降、合理化・機械化の進展に伴いラインの要員減が図られるとともに、概ね50歳から55歳までの高齢者を中心に後進に途を譲るという観点から社外への転身も行われ、工長・主任・班長の比率が高まったため、結果として、近年(平成9年人事制度導入以降)では、年満退職する社員のうち主事以上である社員の比率が昭和45年人事制度策定時よりは高くなっている。しかし、平成9年人事制度も、昭和45年人事制度と同様、職務遂行能力に応じた処遇を行うことを目的としたものであり、主事以上への昇格は、年功的に運用されているわけではなく、職務遂行能力を勘案して昇格要件を充たすと判断される者について昇格が実施されており、この昇格についての考え方は、昭和45年人事制度におけるものと基本的には変わっておらず、またそのことは労使共通の認識となっている。
(ウ) 原告の主張ウ(原告の職務能力、実績)について
原告の取得した各種免許、原告が受けた発明改善表彰、原告を含む企業員グループで原告の主張する4件の特許申請をしたこと、原告が支払を受けた短期業績一時金は認め、その余は否認ないし争う。
原告が上記実績をあげたからといって、そのことにより原告が主事以上の評価を受けているとは言えない。
(エ) 原告の主張エ(被告の反共政策)について
原告が被告の反共政策を裏付ける証拠として主張する文書のうち、b党員である従業員のリストは、被告が作成したものではなく、「○○」に掲載されている論文の作成者は被告ではなく、その余の文書も原告の上記主張を裏付けるものではない。
そもそも、原告が主張するように被告がb党や「a同盟」に対する差別教育を行ったり、原告に対し、思想差別的言動を行っていたのであれば、そのような行動を行うようになった動機があってしかるべきである。しかし、原告の主張によっても、原告が主張するような行動を被告が行うようになった動機や経緯は全く明らかにされていない。
のみならず、例えば、原告が、被告の下で、業務に必要な資格を多数取得してきたことは原告も自認するとおりであるし、また、短期業績賞与についても、被告は、原告に対し、調査期間中の成果が認められた場合には、適宜、加算金を支給してきた。これらのことに象徴されるように被告がb党員や「a同盟」に所属していた従業員をその信条ゆえに差別的取扱いをしたことなど一切ない。
(オ) 原告の主張オ(被告におけるb党員・「a同盟」加盟員に対する差別)について
原告が主張する事実をもって、被告がb党員・「a同盟」加盟員に対する差別を行っていたと認めることはできない。
(カ) 原告の主張カ(原告の労働組合活動等)について
被告において、昭和45年4月以降、従業員の年休の一部についての取得時期を指定する制度を導入していたこと、昭和45年頃に自主管理手当・会議手当制度等があったこと、平成15年9月に名古屋製鐵所にあるガスホルダーが爆発したこと、被告に発明改善表彰制度があること、名古屋製鐵所の一部の職場において発明改善表彰制度に基づく表彰金の一部を職場で積み立てていたことがあったことは認め、その余は否認ないし知らない。
(キ) 原告の主張キ(原告に対する反共攻撃)及び同ク(原告に対するその他の差別)について
原告は、被告が、原告に対し、原告がb党・「a同盟」の一員であるが故に被告内における差別を行ったとして、具体的には、①仕事差別、②職場行事からの排除、③職場の同僚からの隔離、④寮生活への干渉、⑤立候補活動・選挙行動に対する妨害、⑥威圧・監視を受けたと主張する。
しかし、原告の主張する上記①ないし⑥については、原告がその旨陳述するだけで、それを裏付ける具体的な証拠は全くない。そればかりか、原告の主張によっても、特定の集団が上記①ないし⑥の行為を受けていたというものではなく、原告のみがその対象であることが多かったとのことであるから、それらの行為が原告がb党や「a同盟」に所属していたことを理由に行われた差別であるかは全く定かではない。
また、原告は被告から仕事差別などといった差別的取扱いを受けたと主張するが、例えば、原告が、被告の下で、業務に必要な資格を多数取得してきたことは原告も自認するとおりであるし、短期業績賞与についても、被告は、原告に対し、調査期間中の成果が認められた場合には、同制度に則り、加算金を支給してきた。これらのことに象徴されるように、被告が、原告に対し、不当な差別的取扱いをしたことなど全くない。
さらに、原告は、被告による差別的取扱いがなければ、平成2年頃には主事に昇格していたと主張するが、原告の主張によれば、原告は、30歳代前半(昭和55年頃)に事実上、役員立候補等の労働組合活動から離れ、原告の称するところの「他の被差別労働者」、すなわちb党や「a同盟」を支持してその活動に加わっている者とは立場を異にしており、被告から差別的言動や反共攻撃を受ける機会は少なくなったということである。このような原告の主張によっても、被告が原告について、b党や「a同盟」に所属していたという認識などなかったことはもとより、原告に対し、不当な差別的取扱いを行い、主事に昇格させなかったものでもないことは明らかというべきである。
(ク) 原告の主張ケ(被告の昇格差別がなければ平成2年頃には主事に昇格していた)について
否認ないし争う。
(2)  争点(2)(原告の損害)について
(原告の主張)
ア 賃金差額
原告が平成2年には主事に昇格していたことを前提に、主事の平均的な賃金と原告に実際に支給されてきた賃金とを比較すると、原告が資料を有している平成12年4月以降の差額は、合計458万5422円である。
イ 役職手当差額
原告は、本来であれば、主事に昇格した頃には主任の役職を与えられて然るべきだったのであるから、主任手当月額3万2500円と副主任手当月額7100円との差額2万5400円について、平成12年4月から退職時までの117か月分の合計は、297万1800円である。
ウ 賞与差額
原告が平成2年には主事に昇格していたことを前提に、主事の平均的な賞与と原告に実際に支給されてきた賞与とを比較すると、原告が資料を有している平成13年夏季賞与以降の差額は、合計506万4825円である。
エ 退職金差額
原告が平成2年には主事に昇格していたことを前提に、主事の平均的な退職金と原告に実際に支給された退職金とを比較すると、退職金の差額は、451万1663円である。
オ 慰謝料
原告は、被告による思想差別、組合活動差別という原告の人格を否定する悪質な違法行為によって、通常生じ得ない著しい人事格差を付けられ、不利益処遇を受け、その結果、人間として有する名誉感情等を著しく傷つけられてきており、これを慰謝する額は、上記アないしエの差額の合計額と同額である1713万3710円が相当である。
カ 弁護士費用
原告は、本件を被告に請求するに当たって、弁護士に委任せざるを得ず、この弁護士費用としては400万円が相当である。
(被告の主張)
いずれも争う。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)(被告が原告を主事に昇格させなかったことは、裁量の逸脱濫用に当たるか)について
(1)  被告主張の原告の勤務状況等について
ア 高炉のシール用蒸気の圧力切替作業について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉及び弁論の全趣旨によれば、①高炉のシール用蒸気の切替作業については、平成6年に実施した合理化施策の一環として、オペレーター室での遠隔操作で行い得るようになったが、この遠隔操作に不具合が生じたときは、上記合理化前と同様、現場操作により圧力の切替えが行われていたこと、②現場操作による高炉のシール用蒸気の圧力切替作業については作業標準が作成されており、そこでは、動力工場需給調整業務の担当者及び動力配給担当者間で連絡することとされているところ、これらの役割は、平成2年当時と変わらないこと、③高炉の操業は、製鐵所の要であることから、需給調整掛においては、安全環境防災対応等の必要から生ずる突発作業を除いて、高炉課から要請を受けた作業を優先して行うことを基本的な考え方とし、高炉課担当者からの要請があれば、当該作業を第一優先で行うこととされていたこと、④原告が動力配給業務に従事していた頃、高炉のシール用蒸気の圧力を低圧から高圧へ切り替える必要が生じたため、需給調整業務担当者が、動力配給業務担当の原告に対し、現場での弁操作を依頼したところ、原告は、「なぜ今やらなければならないのか」と不機嫌な態度で聞き返すことがあったこと、⑤上記弁操作は、1か月に4回ほど発生する業務であったが、原告は、上記のとおり不機嫌な態度で聞き返すなどして依頼に応じようとしなかったので、周囲の者は原告に対して仕事の依頼を躊躇するなど、円滑な業務遂行に支障が生じていたことが認められる。
(イ) 原告は、需給調整業務担当者から被告が主張するような依頼を受けたことはないと主張する。
しかし、高炉のシール用蒸気の切替作業の内容は、上記(ア)の①ないし③のとおりであると認められるところ、原告は、高炉のシール用蒸気の圧力切替作業については、工長の判断の下に行われることとなっていたであるとか、高炉課からの要請があってから一定の時間内に完了させれば足りるといった独自の見解を有していると認められる(弁論の全趣旨)ことを踏まえると、高炉のシール用蒸気の圧力切替作業を原告に依頼したときの原告の対応についての証人Nの供述は信用できるものというべきである。
(ウ) また、原告は、調整班と動力配給班との連絡は、工長を通じて実施することになっていたと主張し、その証拠として、平成9年頃被告が作成したものとして甲第44号証(書証〈省略〉)を提出する。
しかし、甲第44号証(書証〈省略〉)は、①平成3年4月1日に承認された作業標準(書証〈省略〉)においても平成21年12月1日に承認された作業標準(書証〈省略〉)においても記載されている実施部門を示すアルファベットや作業分類を示す4桁の数字の記載がないこと、②承認年月日の記載がないこと、③前文の文言が、乙46号証(書証〈省略〉)の1及び2は同一であるにもかかわらず、その間に作成されたとされる甲第44号証(書証〈省略〉)はこれらと異なることが認められ、以上に照らすと、甲第44号(書証〈省略〉)は被告が作成したものと認めることはできない。
したがって、原告の上記主張は理由がないというべきである。
イ ガス混合装置内の熱量に異常が見られた際の対応等について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉によれば、平成2年頃、需給調整業務を担当していたKは、ガス混合装置内の熱量に異常があることを見つけたこと、当時、計装機器の点検等は需給管理業務担当者の担当業務であったこと、そこで、Kは、需給管理業務を担当していた原告に対し、熱量計の計装機器の点検を依頼したこと、これに対し原告は、Kに次々と質問を行った上、「経験が浅いあなたは判断できないであろう」と話して、Kの上記依頼に応じなかったこと、そのためKはやむを得ず整備担当者に調査を依頼したところ、計装機器自体が正常に作動していないことが原因であったことが判明したことが認められる。
(イ) 原告は、ガス混合装置の問題は、工長に連絡すべき事柄であるから、需給調整業務の担当者に過ぎないKが原告のみに連絡することは考え難いと主張する。
しかし、Kの供述によれば、計装機器の点検のような単純作業は、担当者間の連絡で実施されるのが通常であったことが認められるから、Kが原告に連絡したというKの供述が不自然であるとはいえない。
また、原告は、Kから計装機器の点検依頼を受けた記憶がないと主張するものの、原告の供述によっても、需給調整業務の担当者から需給管理業務の担当者であった原告に対し計装機器の点検依頼があったことは認められるから、Kが原告に計装機器の点検を依頼したというKの供述が不自然であるとはいえない。
ウ 他掛から配転されてきた際に業務課題の引継ぎや共有化を求められた際の対応について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉及び弁論の全趣旨によれば、Lは、平成6年に水道掛から原告の所属する需給調整掛に配転され、需給調整業務に従事することになったこと、その際、Lは、グループ内の業務課題を把握するため、原告に対し、原告が担当していた需給管理業務のうち、特に重油設備の維持管理における当時の業務課題を教えてほしい旨依頼したところ、原告は、「自分で考えなさい」などと言って、当時の業務課題を教えなかったことが認められる。
(イ) 原告は、業務課題の引継ぎは職制が行うものであり、原告の任ではないと主張する。
しかし、Lは、業務課題の引継ぎや共有化といった事務的な連絡を職制を通じてでしか行えないという理由はなく、原告以外の同僚からは業務課題を教えてもらったと供述しており、被告においては、業務を円滑に遂行するために同一業務に従事する従業員間のチームワークのみならず、関連職場が一体となって協力し合うということを求めていること(書証〈省略〉)を考慮すると、原告の任ではないとして、業務課題を教えないことは、適切な対応とは認め難いというべきである。
エ 需給調整業務担当者が、ガス流量計の基準点ズレと思われる計測不良があったため、点検依頼した際の対応について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉及び弁論の全趣旨によれば、平成11年頃、需給調整業務担当者が、ガス流量計の基準点ズレと思われる計測不良があったこと、その当時、ガス流量計の基準点ズレ等の確認及び一時的な対処は需給管理業務の担当であったこと、設備トラブルの点検・調査は需給管理業務の担当者が日常的に行っており、上司の決裁等を求める必要がないものであったこと、そのため、需給調整業務担当者が需給管理業務の担当であった原告に対して点検依頼をしたところ、原告は、上司不在を理由に対応しなかったことが認められる。
(イ) 原告は、被告が主張するような依頼を受け、対応をしたことはないと主張するが、原告の供述によっても、需給調整業務担当者から原告に対して、ガス流量計の基準点ズレの点検依頼があったことは認められるところ、原告は多くの場合、基準点ズレの点検依頼についてもその都度上司に確認していたというのであるから、原告が、上司不在を理由に対応しなかったという証人Nの供述は信用できるというべきである。
オ 朝のミーティングで、無停電装置の改造工事の件に関連して、罵倒したことについて
L作成の陳述書(書証〈省略〉)中には、平成11年頃、「朝ミーティングの際に、Xさんから、多数の従業員がいるなかで、突然、「あれはどうなった」等と罵倒されたことがありました。」という記載部分がある。
もっとも、Lは、上記出来事について、「本当にちゃんと仕事をしているのかというようなことを言われたことがあります。」、「口調的には若干きつかったかな思っています。」と供述していることを考慮すると、原告がLに対し、被告が主張するような発言をしたとしても、それが罵倒に当たるようなものであったとは認め難い。
カ ガスパージ作業の応援をした際の対応について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉及び弁論の全趣旨によれば、平成13年から平成15年頃、需給調整グループ管路・水道係長であったLが、需給管理業務の担当であった原告に対し、ガスパージ作業の応援を下命したこと、原告は、作業が完了しておらず、他の社員は応援者も含めて全員作業しているにもかかわらず、終業時刻が近づくと、Lあるいは当時管路主任であったOに対し、定時で帰りたいので誰か代わりの人員を手配するよう求めたこと、LやOは、原告に対し、作業完了まで時間外労働で対応してもらいたいと要請したが、原告は応じようとしなかったこと、そのため、Lは、需給調整係の機動班従事者(3交替勤務者であり、動力配給業務に従事する者)に対して、応援を要請して対応したこと、その後も同様のことが数回生じたため、Lは、原告に対してガスパージ作業の応援を指示できず、他の者に対して応援を求めざるを得なかったことが認められる。
(イ) 原告は、ガスパージ作業の応援を依頼されたことはなかったし、応援を拒否したこともなかったと主張する。
証拠〈省略〉によれば、①原告は、平成5年9月10日のガスパージ作業においては、操作者として応援に入り、残業もしており、平成10年5月2日及び同年6月4日のガスパージ作業においても、操作者として応援に入っていたものの、平成10年6月19日、同年11月19日、平成13年11月21日、平成14年5月17日及び平成15年5月13日のガスパージ作業の際は、応援に入っていなかったこと、②原告は、ガスパージ作業が定時で終了しない場合に、同僚と相談した上で、残業することなく帰宅することがあったことが認められる。
そうすると、Lが原告に対してガスパージ作業の応援を指示した際の原告の対応に関する証人Lの供述は、上記認定事実に整合するものであって、信用できるものというべきである。
(ウ) また、原告は、当時、日常作業及び定期作業に追加され、構内計測機器及び計装設備老朽化更新のため、上工程から下工程まで構内全体の調査・台帳作成の業務を下命されていたから、ガスパージ作業の応援を指示されたことはない旨主張する。
しかし、原告がガスパージ作業に従事していたことは、上記(イ)認定のとおりであり、その後、原告がガスパージ作業に従事しなくなった理由は、原告が主張するような事情によるものではなく、上記認定の事情によるものと認めるのが相当である。
キ ガス混合装置の熱量調整不具合があった際の対応について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉によれば、平成15年頃、ガス混合装置の熱量調整に不具合が生じた際、需給管理業務の担当であった原告は、エネルギー技術グループの技術スタッフであったPに対し、「問題点は指摘したので、技術グループで解決をして下さい」と伝え、問題点を指摘するだけで、その後の改善策をともに検討しようとしなかったこと、この件については、操業現場レベルで設備内のプログラムを書き換えることにより、解決することができたことが認められる。
(イ) 原告は、上記対応について、教育のやり方・自覚的技術伝承の問題であって、エネルギー技術とエネルギー課は組織としては別組織で、現場操業からみると、技術は上の組織と考えるのが普通であり、技術スタッフが自らが考え、業務を推進できるようにとあえて突き放した言い方をしたと主張する。
しかし、証拠(書証〈省略〉)によれば、被告においては、業務を円滑に遂行するために同一業務に従事する従業員間のチームワークのみならず、関連職場が一体となって協力し合うということを求めていること、したがって、設備に関する問題に対する検討も、操業(現場)の近くで業務にあたっている需給管理業務の担当者が技術スタッフに対し、これまでの経験から設備不具合の原因と対策を伝える等して、需給管理業務の担当者と技術スタッフとが情報を共有しながら行っていくことが求められていることが認められる。一方、ガス混合装置の熱量調整の不具合という事態について、教育のやり方・自覚的技術伝承の問題として済ませることが相当であったとは認め難い。
したがって、原告の上記対応は相当ではなかったというべきである。
ク エネルギー課に設置されていたエネルギー計装用CRT(タッチパネル式の操作端末)の更新作業時の対応について
(ア) 前記前提事実(2)、証拠〈省略〉によれば、名古屋製鐵所では、平成16年頃、設備部エネルギー課に設置されていたエネルギー計装用のCRT(タッチパネル式の操作端末)の更新作業が行われたこと、同更新作業は、需給管理業務の担当であり、需給管理業務の担当であった原告は、班長の指示の下で同更新作業に当たっていたこと、同更新作業は時間がかかる作業であり、終業時刻を過ぎることがたびたび発生していたこと、原告は、終業時刻を過ぎる対応が必要になると、原告自身が担当している日であっても、班長等の他の職員に任せた上で、定時退社を求め、作業完了まで対応せずに帰宅することがあったこと、原告が定時退社した場合には、他の担当者が原告の代わりに作業終了時まで業務を引き継いでいたことが認められる。
(イ) 原告は、平成16年頃は、新ホルダーが建設されるまでの間、検討会議、対策会議をはじめとした対応が要求され、原告も労を惜しまずこれに対応していたと主張する。
しかし、証拠〈省略〉によれば、名古屋製鐵所においては、平成15年にガスホルダーの爆発事故を起こしたが、原告主張の作業は平成16年5月1日に終了し、その後、上記(ア)のCRT更新作業が行われたことが認められるから、原告の上記主張は理由がない。
(ウ) また、原告は、定時退社を求め時間外労働を拒否したことはないと主張する。
本件全証拠及び弁論の全趣旨によっても、原告が上記(ア)のCRT更新作業について時間外労働を命じられたのにこれを拒否したという事実は認められない。
もっとも、証拠〈省略〉によれば、上記(ア)のCRT更新作業は、更新作業担当者が更新対象となる機器のロックを行い、更新作業終了後、ロックを解除し動作確認を行うことが効率的であるため、更新作業担当者が上記作業の両方を行うことが適切であったことが認められる。したがって、更新作業担当者に求められる行動に原告が応えていないという被告主張の趣旨は、その限りで理由があるというべきである。
ケ 個人対話シートについて
個人対話シート(書証〈省略〉)中には、被告が主張する記載部分(「仕事に対して、上司の中に積極性のない人が多く感じられる。重大災害以降、若干の変化はみられるものの残念である。(直接の上司ということではなく課全体)」、「作業標準は本来管理職が作成すべきだと考えているが、一般が作成した作業標準を回覧・検印中に管理職が紛失するのは言語道断である・・・技術やMGRなどの管理者に真剣に取り組んでほしいと思うことがある。」)がある。
そして、被告は、上記表現について違和感はないという原告の感覚からすると、原告が日常的に上司を含め他の者に対し、立場や状況を弁えない言動を繰り返していたことが容易に窺えると主張する。
しかし、上記対話シートの記載から被告が主張するような事実まで容易に窺えるとはいえない。
コ 処遇の不満を訴え東海市消防本部に告発を行ったことについて
(ア) 証拠(書証〈省略〉)によれば、原告が、平成21年6月5日、被告に消防法違反があるとして東海市消防本部に告発を行ったこと、その後、東海市消防本部から被告に対し、原告が指摘する点で消防法違反があるという指導は受けなかったこと、原告は、上記告発の前に、被告に対し、消防法違反に関する質問事項とともに自身の資格や賃金が低いことについての説明を求める旨と被告から誠意ある回答がなければ第三者機関に訴える等の記載をした書面を提出していたことが認められる。
(イ) 被告は、原告の上記行為は、長年にわたり被告が関係役所と構築してきた信頼関係を毀損させかねないものであって、極めて悪質な行為であると主張する。
上記ク認定のとおり、名古屋製鐵所においては、平成15年にガスホルダーの爆発事故を起こしていたから、被告が事故の発生防止に努め、周辺住民を含め関係役所との信頼関係を構築する必要があったとはいえる。もっとも、原告が、消防法違反と考えた事柄を被告に指摘し、消防本部に告発するということは、不当な目的によるのでない限り、違法なものとはいえない。
しかしながら、被告が消防法等の法令を遵守することと、原告に対する処遇の問題は、全く別個の問題であるから、原告が、両者の問題を関連付けて解決を求めると受け止められるような書面を被告に提出したことは、適切ではなかったというべきである。
サ 発明改善表彰金の返金を求めたことについて
(ア) 証拠〈省略〉によれば、原告は、平成21年6月に名古屋製鐵所で発明改善表彰金の一部を職場懇親行事等のために積み立てているのは、いわゆる「ピンハネ」であると指摘し、その返還を求めたこと、被告は、同年10月2日、原告に対し、原告が返還を求めた金額を支払ったことが認められる。
(イ) 名古屋製鐵所において、発明改善表彰金を受け取った者が、その一部を職場懇親行事等のために積み立てるということが、事実たる慣習として、強制力を有するものとなっていたとは認めるに足りない。
そうすると、原告の上記行動を直ちに非難することはできないというべきである。
シ 組織改正を行った際の対応について
証拠〈省略〉によれば、平成21年7月、名古屋製鐵所において原告が所属するエネルギー課需給調整グループの組織改正が行われたこと、同組織改正は、グループ内の係間の連携維持を図るために統括係長のポストを新たに設置するものであり、これに伴う人事はグループ内での異動により行うことになったこと、その結果、需給管理業務の班長が一時的に不在となり、需給管理業務の担当者の業務を変更することになったこと、その際、被告は、原告の業務負荷が増大しないよう配慮したことが認められる。
P作成の陳述書(書証〈省略〉)や同人の供述中には、その後、原告が、Pらに対し、班長の不在を問題視して班長を早く配置するように求めた他、相応の手当の支払を求めた旨の部分がある。
しかし、証拠(書証〈省略〉)によれば、原告の時間外労働の実績は、平成21年度は合計8.5時間であり、平成15年度から平成20年度の時間外労働時間と比較すると最も少ないことを考慮すると、上記組織改正後の原告の業務負荷について、被告が配慮したということは認められるが、原告が相応の手当の支給を求めたというにはなお疑問があるといわざるを得ない。
ス 時間外労働に協力する姿勢に欠けていたことについて
(ア) 証拠〈省略〉によれば、原告は、残業命令を拒否することなどはなかったものの、被告からの残業の打診を断ることが多く、平成15年度から平成21年度においては、需給管理作業従事者と管路作業従事者の平均時間外労働時間を下回るのみならず、7年間のうち5年間は、同作業従事者の中で時間外労働が最も少なかったことが認められる。
(イ) 原告は、原告が残業に協力する姿勢に欠けていたことはないと主張する。
しかし、前記カ、クのとおり、原告については、ガスパージ作業が完了していないにもかかわらず、時間外労働で対応してもらいたいとの要請に対して応じようとしなかったことが数回生じたことや、エネルギー計装用CRT更新作業について、終業時刻を過ぎる対応が必要になると、他の職員に任せた上で、定時退社を求め、作業完了まで対応せずに帰宅するということがあったこと及び上記(ア)の時間外労働の実態に照らすと、原告において、被告からの残業の打診を断ることが多かったというP及びLの供述は信用できるというべきである。
セ 多能工化に対応できなかったことについて
(ア) 証拠〈省略〉及び弁論の全趣旨によれば、被告は、昭和52年頃から、継続的に要員合理化・多能工化(限られた人員で効率的に作業遂行ができるように各作業単位毎での社員の業務スパンの拡大を図ること)が進められ、名古屋製鐵所のエネルギー課需給調整掛においても、昭和59年頃から社内組織の再編やこれに伴う配置換えが進められて来たこと、被告は、平成2年8月に原告から申出を受け、原告を需給調整業務(三交替勤務)から需給管理業務(常昼勤務)へ配置換えしたこと、その後、原告は、需給管理業務のうち重油設備の維持管理とエネルギー計装・システム管理を担当していたことが認められる。
(イ) 被告は、上記(ア)の原告が従事した業務内容では被告が求める多能工化に対応できていないと主張するところ、原告は、重油管理関係、計装・システム関係の業務とそれに関連するミーティング等を担当していれば、需給管理業務のほぼ全てを担当していることになると主張する。
証拠(書証〈省略〉)によれば、平成11年当時の需給管理業務は、原告が担当していた重油管理関係、計装・システム関係の業務の他、無停電関係、エネルギー運用関係、外注管理関係、環境対応関係、官庁対応関係、予算管理、運転固定補助材料関係といった業務があったこと、管理作業に従事していた要員は3名であること、管理作業の全作業に要する総合合計時間は1日当たり1058.6分と見積もられていたこと、原告が担当していた重油管理関係、計装・システム関係の作業に要する合計時間は1日当たり254.1分と見積もられていたことが認められる。
上記認定事実によれば、原告が主張するミーティング等がどのような内容・時間であるかは具体的でないとしても、これを行ったことにより、需給管理業務のほぼ全てを担当することになるとは認め難いというべきである。
一方、被告が主張する多能工化については、多能工化を達成したか否かに関し客観的な基準が存在するのか否か不明であるし、主担当から主事に昇格した者が全て多能工化の要件を満たしているのかも明らかでない。
したがって、被告の主張は、原告が担当した業務は需給管理業務のうちの一部であり、経験もある程度限定されるものであったという限度で理由があるというべきである。
ソ 原告がエネルギー課所属のMに対して行った暴言・威嚇について
K作成の陳述書(書証〈省略〉)及び同人の供述中には、Mは、昭和63年以降、原告と同じ需給調整掛に所属していたが、Mの業務上の成果が職場内で評判になると、原告は、Mに対し、トイレや通路で二人きりになった時に、「おまえなんか、いつでも潰してやるからな」とか「潰すのは簡単だ」等の暴言・威嚇を繰り返していた旨の部分がある。
しかし、Kの供述によれば、Mからの伝聞であり、Kが原告の言動を問題視して被告に申告したとか、原告がMに対する言動で被告から注意を受けたということはないというのであるから、Kの上記供述部分等は直ちに採用することはできないというべきである。
そして、他に原告がMに対し暴言・威嚇を繰り返していたことを認めるに足りる証拠はない。
(2)  原告の主張について
ア 被告における昇格の実情について
原告は、①名古屋製鐵所では、原告と同様技術職社員として採用された者のうち、50歳までに主事に昇格している者は8割を超え9割近くいる、②平成8年当時エネルギー需給調整グループに所属していた者は、原告以外は、現在は主事以上に昇格しているか、あるいは、退職時までに主事以上に昇格している、③平成8年の時点のエネルギー需給調整グループ所属従業員のうち、役職のない一般従業員は原告を含め12名いた(なお、原告が最年長者であった。)ところ、平成21年になっても役職のない一般従業員にとどまっていたのは原告のみであったことからすると、被告においては、恣意的に排除された一部の者を除いて年功序列的に昇格していることは明らかであると主張する。
前記前提事実(3)ないし(5)及び弁論の全趣旨によれば、①被告の昭和45年人事制度においては、主担当から主事に昇格するためには、工長の職務を遂行するに必要な経験・能力を有する者であることが必要であるとされていること、②被告の平成9年人事制度においては、主担当から主事に昇格するためには、基幹職務を標準的に遂行するに必要な専門知識・実務経験・企画力・指導力・判断力・折衝力・実行力を有する者であることが必要とされていること、③被告は、i労働組合協議会等に対し、昭和45年当時、主事以上の昇格については、年令や勤続年数によって誰でも昇格するのではなく、定年までに技術職職員の3分の2程度が昇格するよう運用することを想定しているということを述べ、i労働組合協議会等も特に異論を述べなかったこと、④被告においては、平成12年度から平成21年度までの間に定年退職した社員のうち主事に昇格しなかった者の割合は、毎年概ね10パーセント以上で、同期間全体では17.6パーセント(528名中93名)であったことが認められる。
以上によれば、被告において、主担当から主事への昇格は、年齢や勤続年数によって判断されるのではなく、基幹職務を遂行する能力の有無によって判断されるものであって、主担当から主事への昇格類型における勤続25年以上との年数も、その年数自体に重点があるものではないというべきであるから、原告が主張するように、被告においては、恣意的に排除された一部の者を除いて、年功序列的に昇格していると認めることはできない。
イ 原告の職務能力、実績について
(ア) 争いのない事実、掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
a 原告は、入社以来、動力工場に配属され、動力配給掛において、配給業務、需給調整業務、需給管理業務に従事し、平成18年頃までに、廃棄物処理設備技術管理者、高圧ガス製造責任者(特丙化)、2級ボイラー技士、危険物乙種4類、第2種酸素欠乏危険作業取扱主任者、特定化学物質等作業主任者、第三級特殊無線技師、放射線作業主任者及び2級自主保全士の各種免許を取得し、ガス溶接技能講習、低圧電気取扱者特別教育及び高圧電気の取扱安全技能特別講習の社内講習を受講した。(弁論の全趣旨)
b 被告の発明改善表彰制度においては、表彰ランクは1級から5級まであるところ、原告は、昭和55年から平成22年にかけて、3級を2回、4級を24回、5級を12回の合計38回の発明改善表彰を受けた。(書証〈省略〉)
c 被告においては、地道な生産維持活動に対して授与される表彰に、部門長表彰及び部長特別表彰があるところ、原告が在職中、需給調整グループで部門長表彰を2回、部長特別表彰を2回受賞した。また、原告を含む従業員グループは、平成21年1月から3月にかけて、ガスホルダーシール油の劣化防止対策2件、溝付閉止板の考案及び圧力分散型シールポットの考案の合計4件の特許を申請した。さらに、原告は、平成3年度から平成19年度までの17年間で合計222件の考案成果報告書を多数提出し、自主管理活動にも取り組んだ。(弁論の全趣旨)
d 平成17年度及び平成18年度頃、原告は、上司から、知見やノウハウの職場や若手への伝承について期待されていた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
e 被告においては、半期毎に、短期的な業務課題を解決したこと、発明改善や考案成果の提出・表彰があったこと、生産・操業・設備トラブル等の職場の課題として想定していない突発的な事態に対して適切に対応したこと等を処遇に反映させる短期業績賞与という制度がある。同制度は、業務給適用区分別金額と加算部分から構成され、加算部分の上限額は10万円であり、主担当に対応する一般職務上級の業務給適用区分別金額は1万3500円、統括主事に対応する統括職務の業務給料適用区分別金額は2万6400円であった。そして、原告に対しては、平成17年6月の賞与から平成21年12月の賞与まで、加算部分を含めて3万3500円から4万3500円の短期業績賞与が支払われていた。(書証〈省略〉、弁論の全趣旨)
(イ) 前記(ア)の認定事実によれば、原告は自らの担当職務について相応に専門知識や実務経験を有し、発明改善表彰等にも積極的に取り組んでおり、これらの点については被告からも評価されていたと認めるのが相当である。
ウ 被告の反共政策、被告におけるb党員・「a同盟」加盟員に対する差別、原告の労働組合活動等、原告に対する反共攻撃及び原告に対するその他の差別について
(ア) 証拠(人証〈省略〉)及び弁論の全趣旨によれば、原告が昭和55年頃には労働組合活動を離れ、会社内でのb党活動からも離れていたこと及び昭和58年頃には被告もこれを認識していたことが認められるところ、原告が被告の反共政策及び被告におけるb党員・「a同盟」加盟員に対する差別として主張する各事実は、仮に存在するとしても、労働組合、「a同盟」及びb党の活動に参加した従業員らに対するものであり、同人らの勤務成績が主事に昇格相当の水準に達していたことの具体的な裏付けはないこと、組合活動やb党活動から離れて約10年も経過した原告の昇格の問題と直接関係するとは認め難いことを考慮すると、裁量の逸脱濫用の有無の判断に影響を与えるものとはいえないというべきである。
(イ) また、原告が原告に対する反共攻撃及び原告に対するその他の差別として主張する各事実は、概ね原告が労働組合活動に従事しているときのものや、会社内でb党活動を行っていたときのものにすぎないところ、原告の供述以外にこれを裏付ける具体的な証拠はないこと、上記各活動から離れて約10年も経過した原告の昇格問題と直接関係するとは認め難いことを考慮すると、被告の反共政策及び被告におけるb党員・「a同盟」加盟員に対する差別として原告が主張している事実を踏まえても、やはり裁量の逸脱濫用の有無の判断に影響を与えるものとはいえないというべきである。
(3)  裁量の逸脱濫用の有無について
ア 前記(2)ア認定事実、及び証拠〈省略〉によれば、被告においては、主事に対し、①工長単位又は主任単位における業務処理責任者として、②上位職制や関係職場等と緊密な連携を取りながら、③部下に対しては指導育成を行うとともに、④自らも率先して業務遂行にあたりリーダーシップを発揮することを求めていることが認められ、被告の人事制度が年功序列的なものであるとは認められない。
そして、前記(1)の各認定事実に照らすと、原告は、自分の意見に固執するあまり、作業標準どおりの他の職場からの業務依頼に対して快く応じないことがあったり、上長からの個別具体的な命令がない場合に他の職場や同僚に協力することに消極的であったり、時間外労働に対して積極的とはいえなかったと認めるのが相当である。
このような原告の業務に対する姿勢は、必ずしも非難されるべきものばかりとはいえないが、客観的に見れば、被告が主事に対して求めている水準に達しているとはいえず、また、他の従業員と比較した際に、低く評価されてもやむを得ないものというべきものである。
そして、前記(1)認定のその他の原告の勤務状況等も総合考慮すると、被告が、原告について、主事として求められる能力のうち、関係職場等と緊密な連携を取る点や自ら率先して業務遂行に当たりリーダーシップを発揮する点について不安に感じ、主事相当ではないと評価して、主担当から主事に昇格させないと判断したことが、裁量の逸脱濫用にあたるとは認められないというべきである。
イ なお、前記(2)イのとおり、原告は自らの担当職務について相応に専門知識や実務経験を有し、発明改善表彰等にも積極的に取り組んでおり、これらの点については被告からも評価されていたと認められるが、このことから原告が関係職場等と緊密な連携を取るとか、自ら率先して業務遂行に当たりリーダーシップを発揮していると高く評価できるものとはいえない。
そして、上記アのとおり、原告においては、関係職場等と緊密な連携を取る点や自ら率先して業務遂行に当たりリーダーシップを発揮する点において主事不相当と評価されてもやむを得ないと認められるから、発明改善表彰等に関する原告の実績を考慮しても、被告が原告を主事に昇格させなかったことが裁量の逸脱濫用に当たるとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、被告が原告を主担当から主事に昇格させなかったことについて、裁量の逸脱濫用は認められず、原告が労働組合活動に積極的に取り組み、公然と「a同盟」の活動に加わり、b党を支持してきたという思想信条を理由に、処遇について差別を受けたという原告の主張には理由がない。
2  時機に後れた攻撃防御方法の申立てについて
被告は、甲第53号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)について、時機に後れた攻撃防御方法であるから却下すべきであるとの申立てをしている。
(1)  甲第53号証(書証〈省略〉)について
甲第53号証(書証〈省略〉)は、その内容からして、甲第44号証(書証〈省略〉)が被告作成に係るものであることを証するためのものと認められるところ、甲第44号証(書証〈省略〉)の成立の真正が平成25年10月2日の第3回口頭弁論期日において争われたことは当裁判所に顕著である。そうすると、甲第53号証(書証〈省略〉)を証拠として申し出ると、被告が反論するであろうことは当然の想定できるにもかかわらず、同年12月3日に原告が出社した際に写真を撮影し、同月16日に原告が報告書にまとめた甲第53号証(書証〈省略〉)を、弁論終結が予定されていた第4回口頭弁論期日である平成26年1月16日の前日の同月15日午前1時20分にファックスで送付し、上記第4回口頭弁論期日において、証拠として申し出るという行為は、少なくとも重過失によるものと解さざるを得ない。
しかしながら、前記1(1)ア認定のとおり、当裁判所は、甲第44号証(書証〈省略〉)について、被告が作成したものとは認められないと判断しており、当裁判所が、上記第4回口頭弁論期日に甲第53号証(書証〈省略〉)を取り調べて、弁論を終結したことは、当裁判所に顕著であるから、甲第53号証(書証〈省略〉)の提出は訴訟の完結を遅延させることにはならない。
したがって、甲第53号証(書証〈省略〉)に関する被告の前記申立ては却下する。
(2)  甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)について
甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)は、いずれも、原告の発明改善表彰や特許申請に関するものであり、これらの事情は、原告が訴え提起段階から主張しているものであることは、当裁判所に顕著であるところ、17回にわたる弁論準備手続期日及び3回の口頭弁論期日を経た上で、甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)を、弁論終結が予定されていた第4回口頭弁論期日である平成26年1月16日の前日の同月15日午前1時20分にファックスで送付し、上記第4回口頭弁論期日において、証拠として申し出るという行為は、少なくとも重過失によるものと解さざるを得ない。
しかしながら、前記1(1)、(2)のとおり、当裁判所は、甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)については、本件審理の判断に用いていないところであって、当裁判所が、上記第4回口頭弁論期日に甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)を取り調べて、弁論を終結したことは、当裁判所に顕著であるから、甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)の提出は訴訟の完結を遅延させることにはならない。
したがって、甲第54号証(書証〈省略〉)ないし甲第60号証の2(書証〈省略〉)に関する被告の前記申立ては却下する。
第4  結論
以上によれば、争点(2)について判断するまでもなく、原告の被告に対する不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求は、いずれも理由がないから、棄却すべきものであり、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 田邊浩典 裁判官日比野幹及び裁判官滝澤英治はてん補のためいずれも署名押印できない。裁判長裁判官 田邊浩典)

 

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政治と選挙の裁判例「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧
(1)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(2)平成26年 9月17日 知財高裁 平26(行ケ)10090号 審決取消請求事件
(3)平成26年 9月11日 大阪高裁 平26(行コ)79号・平26(行コ)123号 政務調査費返還請求控訴事件、同附帯控訴事件
(4)平成26年 9月11日 知財高裁 平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(5)平成26年 9月10日 大阪地裁 平24(行ウ)78号・平25(行ウ)80号・平26(行ウ)65号 行政財産使用不許可処分取消等請求事件・組合事務所使用不許可処分取消等請求事件
(6)平成26年 9月10日 大阪地裁 平24(行ウ)49号・平24(ワ)4909号・平25(行ウ)75号・平26(行ウ)59号 建物使用不許可処分取消等請求事件、建物明渡請求事件、使用不許可処分取消等請求事件 〔大阪市役所組合事務所使用不許可処分取〕
(7)平成26年 9月 3日 東京地裁 平25(行ウ)184号 政務調査費返還請求事件
(8)平成26年 8月 8日 東京地裁 平25(行ウ)590号 難民不認定処分取消請求事件
(9)平成26年 7月25日 東京地裁 平25(行ウ)277号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(10)平成26年 7月16日 東京地裁 平25(行ウ)259号 難民不認定処分取消等請求事件
(11)平成26年 7月11日 札幌地裁 平22(行ウ)42号 政務調査費返還履行請求事件
(12)平成26年 6月12日 東京地裁 平25(ワ)9239号・平25(ワ)21308号・平25(ワ)21318号 損害賠償請求本訴事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(13)平成26年 5月21日 横浜地裁 平19(ワ)4917号・平20(ワ)1532号 損害賠償等請求事件
(14)平成26年 5月14日 名古屋地裁 平22(ワ)5995号 損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕
(15)平成26年 4月 9日 東京地裁 平24(ワ)33978号 損害賠償請求事件
(16)平成26年 3月26日 大阪地裁 平22(行ウ)27号・平23(行ウ)77号 政務調査費返還請求事件(住民訴訟)
(17)平成26年 3月25日 東京地裁 平25(ワ)18483号 損害賠償請求事件
(18)平成26年 3月18日 大阪高裁 平25(行コ)149号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求控訴事件
(19)平成26年 3月11日 東京地裁 平25(ワ)11889号 損害賠償等請求事件
(20)平成26年 2月26日 東京地裁 平24(ワ)10342号 謝罪広告掲載等請求事件
(21)平成26年 2月21日 東京地裁 平25(行ウ)52号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(22)平成26年 2月21日 宮崎地裁 平25(ワ)276号 謝罪放送等請求事件
(23)平成26年 1月31日 東京地裁 平24(行ウ)146号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(24)平成26年 1月30日 大阪高裁 平25(行コ)40号 政務調査費違法支出金返還請求控訴事件
(25)平成26年 1月16日 名古屋地裁 平23(行ウ)68号 愛知県議会議員政務調査費住民訴訟事件
(26)平成25年12月25日 東京高裁 平25(行ケ)83号 選挙無効事件
(27)平成25年12月25日 広島高裁松江支部 平25(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(28)平成25年12月24日 東京地裁 平24(行ウ)747号 難民不認定処分取消請求事件
(29)平成25年12月20日 東京高裁 平25(行ケ)70号・平25(行ケ)71号・平25(行ケ)72号・平25(行ケ)73号・平25(行ケ)74号・平25(行ケ)75号・平25(行ケ)76号・平25(行ケ)77号・平25(行ケ)78号・平25(行ケ)79号・平25(行ケ)80号 各選挙無効請求事件
(30)平成25年12月20日 仙台高裁 平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号・平25(行ケ)4号・平25(行ケ)5号・平25(行ケ)6号
(31)平成25年12月19日 東京地裁 平24(行ウ)59号 懲戒処分取消等請求事件
(32)平成25年12月18日 名古屋高裁 平25(行ケ)1号・平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(33)平成25年12月16日 名古屋高裁金沢支部 平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号・平25(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(34)平成25年12月12日 東京地裁 平24(行ウ)719号 裁決取消等請求事件
(35)平成25年12月 6日 札幌高裁 平25(行ケ)1号 参議院議員選挙無効請求事件
(36)平成25年12月 5日 広島高裁 平25(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(37)平成25年12月 3日 東京地裁 平24(行ウ)423号 難民不認定処分取消請求事件
(38)平成25年11月28日 広島高裁岡山支部 平25(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(39)平成25年11月20日 最高裁大法廷 平25(行ツ)226号 選挙無効請求事件
(40)平成25年11月20日 最高裁大法廷 平25(行ツ)209号・平25(行ツ)210号・平25(行ツ)211号 選挙無効請求事件 〔平成24年衆議院議員総選挙定数訴訟大法廷判決〕
(41)平成25年11月19日 東京地裁 平24(行ウ)274号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(42)平成25年11月18日 福岡地裁 平19(行ウ)70号 政務調査費返還請求事件
(43)平成25年11月15日 東京地裁 平24(行ウ)753号 難民不認定処分無効確認等請求事件
(44)平成25年11月 8日 盛岡地裁 平24(ワ)319号 損害賠償請求事件
(45)平成25年10月21日 東京地裁 平24(ワ)2752号 損害賠償請求事件
(46)平成25年10月16日 東京地裁 平23(行ウ)292号 報酬返還請求事件
(47)平成25年10月 4日 東京地裁 平24(行ウ)76号・平24(行ウ)77号・平24(行ウ)78号・平24(行ウ)79号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(48)平成25年10月 2日 東京地裁 平23(行ウ)657号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(49)平成25年 9月26日 大阪高裁 平25(行コ)82号・平25(行コ)114号 不当利得返還等請求行為請求控訴、同附帯控訴事件
(50)平成25年 8月27日 東京地裁 平24(行ウ)647号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(51)平成25年 8月23日 東京地裁 平24(行ウ)90号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成25年 8月 5日 東京地裁 平25(ワ)8154号 発信者情報開示請求事件
(53)平成25年 7月30日 東京地裁 平24(行ウ)427号・平25(行ウ)224号 難民不認定処分取消請求事件、追加的併合請求事件
(54)平成25年 7月26日 静岡地裁 平21(行ウ)19号 不当利得返還請求権行使請求事件
(55)平成25年 7月23日 東京地裁 平24(行ウ)393号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(56)平成25年 7月 4日 名古屋高裁 平25(行コ)18号 議員除名処分取消等請求控訴事件
(57)平成25年 7月 3日 名古屋高裁金沢支部 平24(行コ)16号 政務調査費返還請求控訴事件
(58)平成25年 6月19日 横浜地裁 平20(行ウ)19号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(59)平成25年 6月 4日 東京高裁 平24(行コ)350号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(60)平成25年 5月29日 広島地裁 平23(ワ)1500号 損害賠償等請求事件
(61)平成25年 5月15日 東京地裁 平23(行ウ)697号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(62)平成25年 4月11日 東京地裁 平24(行ウ)115号・平24(行ウ)127号・平24(行ウ)128号・平24(行ウ)129号・平24(行ウ)130号・平24(行ウ)614号・平24(行ウ)620号・平24(行ウ)621号・平24(行ウ)622号・平24(行ウ)623号 在留特別許可をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件
(63)平成25年 4月11日 東京地裁 平23(行ウ)757号・平24(行ウ)1号・平24(行ウ)2号・平24(行ウ)3号・平24(行ウ)4号・平24(行ウ)5号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(64)平成25年 3月28日 京都地裁 平20(行ウ)10号 不当利得返還等請求行為請求事件
(65)平成25年 3月26日 東京高裁 平24(行ケ)26号・平24(行ケ)27号・平24(行ケ)28号・平24(行ケ)29号・平24(行ケ)30号・平24(行ケ)31号・平24(行ケ)32号 各選挙無効請求事件
(66)平成25年 3月25日 広島高裁 平24(行ケ)4号・平24(行ケ)5号 選挙無効請求事件
(67)平成25年 3月19日 東京地裁 平24(ワ)11787号 損害賠償請求事件
(68)平成25年 3月14日 名古屋高裁 平24(行ケ)1号・平24(行ケ)2号・平24(行ケ)3号・平24(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(69)平成25年 3月14日 東京地裁 平23(行ウ)63号 選挙権確認請求事件 〔成年被後見人選挙件確認訴訟・第一審〕
(70)平成25年 3月 6日 東京高裁 平24(行ケ)21号 選挙無効請求事件
(71)平成25年 2月28日 東京地裁 平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(72)平成25年 2月20日 宇都宮地裁 平23(行ウ)13号 政務調査費返還請求事件
(73)平成25年 2月15日 福岡地裁 平23(行ウ)25号 教育振興費補助金支出取消等請求事件
(74)平成25年 1月29日 岡山地裁 平22(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(75)平成25年 1月21日 東京地裁 平24(ワ)2152号 謝罪広告掲載要求等請求事件
(76)平成25年 1月18日 東京地裁 平23(行ウ)442号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(77)平成25年 1月16日 東京地裁 平23(行ウ)52号 難民不認定処分取消請求事件
(78)平成25年 1月16日 大阪地裁 平19(行ウ)135号 不当利得返還等請求事件
(79)平成24年12月 7日 最高裁第二小法廷 平22(あ)957号 国家公務員法違反被告事件
(80)平成24年12月 7日 最高裁第二小法廷 平22(あ)762号 国家公務員法違反被告事件
(81)平成24年11月20日 東京地裁 平22(行ウ)563号 難民不認定処分取消請求事件
(82)平成24年11月 2日 東京地裁 平23(行ウ)492号 難民不認定処分取消等請求事件
(83)平成24年10月18日 大阪地裁 平22(行ウ)160号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(84)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)95号 選挙無効請求事件
(85)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)72号 選挙無効請求事件
(86)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)65号 選挙無効請求事件
(87)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)64号 選挙無効請求事件
(88)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)59号 選挙無効請求事件
(89)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)52号 選挙無効請求事件
(90)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)51号 選挙無効請求事件 〔参議院議員定数訴訟・大法廷判決〕
(91)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)179号
(92)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)174号 参議院議員選挙無効請求事件
(93)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)171号 選挙無効請求事件
(94)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)155号 選挙無効請求事件
(95)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)154号 選挙無効請求事件
(96)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)153号 選挙無効請求事件
(97)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)135号 選挙無効請求事件
(98)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)133号 選挙無効請求事件
(99)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)132号 選挙無効請求事件
(100)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)131号 選挙無効請求事件


政治と選挙の裁判例(裁判例リスト)

■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-consultant/

■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-rikkouho/

■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seijikatsudou-senkyoundou/

■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou-poster/

■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bira-chirashi/

■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seimu-katsudouhi-poster/

■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-seiji-enzetsukai-kokuchi-poster/

■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
https://www.senkyo.win/kousyokusenkyohou-negotiate-put-up-poster/

■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
https://www.senkyo.win/political-poster-kousyokusenkyohou-explanation/

■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou/

■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-kouhou-poster-bira/

■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bougai-poster/

■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-2ren-3ren-poster-political-party-official-candidate/

■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kojin-tandoku-poster-political-party-official-candidate/

■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-party-official-candidate-koubo-poster/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-politician/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-campaign-bulletin-gazette-public-relations/

■「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-2ren-3ren-poster/

■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-kojin-tandoku-poster/

■「公認 候補者 公募 ポスター 国政政党 地域政党」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-official-candidate-koubo-poster-kokusei-seitou-chiiki-seitou/

■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-official-candidate-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster/

■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-kouenkai-senkyo-jimusho-official-candidate-poster/

■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-shuugiin-giin-poster/

■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-sangiin-giin-poster/

■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-chihou-giin-poster/

■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-daigishi-giin-poster/

■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-poster-hari-volunteer/

■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-touin-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seiji-dantai-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kouenkai-nyuukai-boshuu-kakutoku-daikou/


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


【資料】政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧【PRドットウィン!】選挙,ポスター,貼り,代行,ポスター貼り,業者,選挙,ポスター,貼り,業者,ポスター,貼り,依頼,タウン,ポスター,ポスター,貼る,許可,ポスター,貼ってもらう,頼み方,ポスター,貼れる場所,ポスター,貼付,街,貼り,ポスター,政治活動ポスター,演説会,告知,選挙ポスター,イラスト,選挙ポスター,画像,明るい選挙ポスター,書き方,明るい選挙ポスター,東京,中学生,選挙ポスター,デザイン


(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
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(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
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(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
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「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。

(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)

(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。

(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。

(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!


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申し込み お問合せ 日本語 お問合せ 問い合わせ お問合せ 問合せ ギャラクシー お問い合わせ グラクロ お問い合わせ グラブル お問い合わせ ゲームアイテム名 グラブル お問い合わせ どこ グラブル お問い合わせ モバゲー グラブル お問い合わせ 巻き戻し ゲーム お問い合わせ 書き方 ゲームトレード お問い合わせ ゲオ お問い合わせ ザトール お問い合わせ ザレイズ お問い合わせ シャープ お問い合わせ 050 シャープ お問い合わせ 冷蔵庫 シャドバ お問い合わせ ネタ ズーキーパー お問い合わせ ズーム お問い合わせ ずんどう屋 お問い合わせ ゼクシィ お問い合わせ セディナ お問い合わせ ローン ゼノンザード お問い合わせ ゼロファクター お問い合わせ ゼンハイザー お問い合わせ ゼンリー お問い合わせ ゼンリン お問い合わせ ゾゾタウン お問い合わせ 電話番号 ソフトバンク お問い合わせ 157 ソフトバンク お問い合わせ 24時間 ソフトバンク お問い合わせ 無料 ダイソー お問い合わせ ダイソン お問い合わせ ドコモ お問い合わせ 151 ドコモ お問い合わせ 24時間 ドラクエウォーク お問い合わせ 2-7-4 トレクル お問い合わせ 400 トレクル お問い合わせ 502 ニトリ お問い合わせ 0570 ヌビアン お問い合わせ ネスレ お問い合わせ ノエル銀座クリニック お問い合わせ ノートン お問い合わせ ノーリツ お問い合わせ ノジマ お問い合わせ パスワード お問い合わせ バッファロー ルーター お問い合わせ ぴあ お問い合わせ ピカラ お問い合わせ ピクトリンク お問い合わせ ピグパ お問い合わせ ピザハット お問い合わせ ビセラ お問い合わせ ビックカメラ お問い合わせ ビューカード お問い合わせ ペアーズ お問い合わせ ペイペイ お問い合わせ 電話 ポケコロ お問い合わせ ポケットカード お問い合わせ ポケ森 お問い合わせ ポンタカード お問い合わせ マイナビ お問い合わせ 2021 ムーモ お問い合わせ メルカリ お問い合わせ ページ メルカリ お問い合わせ ログインできない モバイルsuica お問い合わせ ヤマト運輸 お問い合わせ 0570 ゆうパック お問い合わせ 見つからない りそな銀行 お問い合わせ 24時間 ルイヴィトン 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