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政治と選挙Q&A「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例(2)平成22年11月19日 盛岡地裁 平18(行ウ)11号 政務調査費返還請求事件

政治と選挙Q&A「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例(2)平成22年11月19日 盛岡地裁 平18(行ウ)11号 政務調査費返還請求事件

裁判年月日  平成22年11月19日  裁判所名  盛岡地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(行ウ)11号
事件名  政務調査費返還請求事件
文献番号  2010WLJPCA11196002

裁判年月日  平成22年11月19日  裁判所名  盛岡地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(行ウ)11号
事件名  政務調査費返還請求事件
文献番号  2010WLJPCA11196002

盛岡市〈以下省略〉
原告 X会
同代表者会長 A
同訴訟代理人弁護士 佐々木良博
同 小笠原基也
盛岡市〈以下省略〉
被告 岩手県知事 Y
同訴訟代理人弁護士 石川哲
同 太田秀栄
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z1
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z2
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z3
岩手県宮古市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z4
岩手県北上市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z5
岩手県久慈市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z6
岩手県遠野市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z7
岩手県一関市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z8
岩手県二戸市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z9
岩手県岩手郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z10
岩手県岩手郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z11
岩手県紫波郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z12
岩手県下閉伊郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z13
岩手県下閉伊郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z14
岩手県九戸郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z15
岩手県二戸郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z16
上記16名訴訟代理人弁護士 成瀬眞康
同 長家広明
同 橋爪雄彦
岩手県岩手郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z17
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z18
岩手県大船渡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z19
岩手県奥州市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z20
岩手県北上市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z21
岩手県八幡平市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z22
岩手県岩手郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z23
岩手県一関市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z24
上記8名訴訟代理人弁護士 熊谷隆司
上記8名訴訟復代理人弁護士 深瀬墾
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z25
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z26
盛岡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z27
岩手県宮古市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z28
岩手県大船渡市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z29
岩手県奥州市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z30
岩手県花巻市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z31
岩手県花巻市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z32
岩手県北上市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z33
岩手県北上市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z34
岩手県久慈市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z35
岩手県一関市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z36
岩手県陸前高田市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z37
岩手県釜石市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z38
岩手県奥州市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z39
岩手県二戸市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z40
岩手県岩手郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z41
岩手県紫波郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z42
岩手県花巻市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z43
岩手県奥州市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z44
岩手県一関市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z45
岩手県九戸郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z46
上記22名訴訟代理人弁護士 東海林利哉
同 東海林智恵

 

 

主文

1  被告は,別紙1の「政務調査費目録1」の番号1,3,5,9,14,16から19まで,21,22,24,28から31まで,33から37まで,39から43まで,45,49,52,54の「議員名」欄記載の各人に対し,同欄に対応する「認容額」欄記載の各金員を支払うよう請求せよ。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。
4  別紙2の「参加費の負担目録」の「議員(補助参加人)名」欄記載の各補助参加人の参加により原告及び各補助参加人に生じた各費用については,同目録の番号3,5,14,16から19まで,22,24,28から30まで,33,34,36,37,39から43まで,45,49,52,54の「負担割合」欄記載の割合を,同欄に対応する「議員(補助参加人)名」欄記載の各補助参加人の負担とし,その余を原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,別紙3の「政務調査費目録2」記載の「議員名」欄記載の各人に対し,同「議員名」欄に対応する「請求金額」欄記載の各金員を支払うよう請求せよ。
第2  事案の概要
本件は,岩手県民により構成される権利能力なき社団である原告が,平成17年度に岩手県議会議員であった52名について,同人らは岩手県から交付を受けた平成17年度分の政務調査費の一部を違法に支出し,これを不当に利得したと主張して,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,岩手県知事である被告に対し,上記52名に対して違法に支出した政務調査費相当額の金員の返還を請求するよう求めた事案である。
1  争いのない事実及び証拠により容易に認定できる事実(証拠により認定した事実は証拠を掲記する。)
(1)  当事者等
ア 原告は,地方公共団体等の行政への住民参加の実現と行政の監視並びに不正の是正を目的として結成された権利能力なき社団である。原告の構成員は,岩手県民である。
イ 被告は,岩手県知事であり,岩手県(以下,単に「県」あるいは「本県」ということがある。)の執行機関である。
ウ 別紙1の「政務調査費目録1」及び別紙3の「政務調査費目録2」記載の「議員名」欄記載の各人は,平成17年度当時,岩手県議会議員(以下,単に「議員」ということがある。)であった。
(2)  関係法令等の定め(甲1,3,4)
ア 法100条14項(平成20年法律第69号による改正前は同条13項,平成14年法律第4号による改正前は同条12項)は,「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。」と規定し,同条15項(平成20年法律第69号による改正前は同条14項,平成14年法律第4号による改正前は同条13項)は,「前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。」と規定している。
イ 岩手県は,法100条14項及び15項を受けて,「政務調査費の交付に関する条例(平成13年3月30日条例第37号)」(以下「本件条例」という。)を制定し,議員に対して政務調査費を交付することとし,その使途について,本件条例7条において,「議員は,政務調査費を別に定める使途基準に従い使用しなければならない。」と規定された。
ウ 本件条例7条を受けて,「政務調査費の交付に関する規程」(以下「本件規程」という。)が定められ,本件規程3条(政務調査費の使途基準)において,「条例第7条の使途基準は,別表の左欄に掲げる項目の区分に応じ,それぞれ同表の右欄に定める内容とする。」として,以下のとおり別表を定めている(以下,本件規程3条別表に定められた使途基準を「本件使途基準」という。)。
「 別表
〈表省略〉
備考 ( )内は例示である。」
(3)  「政務調査費の交付に関する事務処理要領」
岩手県議会(以下,単に「県議会」あるいは「議会」ということがある。)は,本件規程7条の「この規程に定めるものの外,政務調査費の交付に関し必要な事項は,議長が別に定める」との規定に基づき,平成14年12月16日,「政務調査費の交付に関する事務処理要領」(以下「本件要領」という。)を定めた。
本件要領は,その「第4(按分による支出)」において,「①議員は規程第3条別表左欄に掲げる項目のうち,事務所費,事務費及び人件費の支出において,当該項目に対応する同表右欄に掲げる内容に係る経費が調査研究活動以外の活動に係る経費と明確に区分しがたい場合にあっては,調査研究活動及び調査研究活動以外の活動に要した総時間に対する調査研究活動に要した時間の割合その他合理的な方法により按分し,支出するものとする,②前項の按分は,政務調査費の交付を受けた議員が,当該議員の調査研究活動等の実態に応じて行うものとする。但し,項目のうち,事務所費及び人件費(常時または臨時に雇用する職員で,専ら調査研究活動の補助的業務に従事する者に係る人件費を除く。)の按分については,2分の1を上限とするものとする。」と定めている。
(4)  「政務調査費の事務処理マニュアル」
ア 本件条例の一部改正(平成15年5月1日施行)に伴い,政務調査費の交付対象が会派から議員へ替わったことから,各議員が適正な執行と会計事務処理ができるよう事前に周知を図ることを目的として,県議会議長は,平成14年12月,政務調査費の交付に関する条例等検討委員会(平成14年4月16日設置)の報告に基づき,議会の運営委員会の承認を得て,「政務調査費の事務処理マニュアル」(甲3)を作成し,その後,各議員に配布した。
平成17年度には,現行の政務調査費の交付制度が2年を経過したことから,県議会として運用状況を検証するため,平成17年9月に政務調査費の執行に関する研究会が設置され,同研究会は,同年12月12日,検討結果につき,「政務調査費の執行に関する調査研究報告書」を作成して議長に報告した。議長は,その報告に基づき,議会運営委員会の承認を得て,事務処理マニュアルの一部改正を行い,平成18年2月,「政務調査費の事務処理マニュアル《第1次改訂》」(甲4。以下「本件マニュアル」という。)を各議員に配布した。
イ 本件マニュアルでは,次のとおり規定された。
(ア) 使途基準の考え方
a 総論(他の活動との峻別)
(項目)
調査研究活動以外の活動(選挙活動,政党活動との峻別)
(考え方)
調査研究活動と他の議員活動は理論的には区別できますが,実際の活動においては,一つの活動が調査研究活動と他の活動の両面を有し渾然一体となっていることが多く,又,一回の活動の中で二つの活動が行われる場合等もあり,これらを整然と峻別することは困難であることが多いと思われます。
このため,政務調査費の交付に関する事務処理要領で,「事務所費」,「事務費」及び「人件費」にあっては,按分して支出することとされています。
また,「事務所費」及び「人件費」の按分率は,2分の1を超えないこととされています。
なお,調査研究活動とそれ以外の活動が混在している場合は,県民から誤解を受けないような整理を行い,事務処理を適切に行う必要があります。
b 調査研究費(会費)
(a) (項目)
県連の会費,議員連盟の会費等の支出について
(考え方)
会費の支出対象である団体の活動内容や実態が調査研究活動に適うものであるかがまず基準となります。
議員が所属しない他団体の主催する意見交換会等の参加費については,あくまでも実質的な意見交換が中心である場合は可能であると考えられます。
なお,経営者としての資格等,個人的な資格要件で加入している団体(例えばロータリークラブ,ライオンズクラブ,趣味の会等)の会費については,政務調査費の対象経費としないこととしています。
(b) (項目)
会議に引き続く懇談会の会費の支出について
(考え方)
会議や研修会等に連続した懇談会経費は,政務調査費の対象として支出することが可能と考えられます。
(c) (項目)
議員として招待された懇親会の会費の支出について
(考え方)
会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,テープカットや挨拶のみの会合,新年会や忘年会等明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用は,政務調査費の対象経費としないこととしています。
c 調査研究費及び研修費(会費)
(項目)
政党主催の研修会の会費の支出について
(考え方)
研修会の内容が調査研究活動に適うものであれば,支出することが可能と考えられます。
d 会議費(食糧費)
(項目)
食糧費の支出について
(考え方)
食糧費については,公職選挙法の制限に抵触しないこと及び社会通念上妥当なものであると認められることを前提とした上で,調査研究活動としての会議との一体性が必要であると考えられます。
○ 公職選挙法に抵触せず政務調査費の執行が可能な場合
① 議員が主催する会議,研修会及びそれらに連続した懇談会での選挙区外の者への食事,飲食提供
② 他者が主催する会議,研修会及びそれらに連続した懇談会での食事,飲食の議員の自己負担分
※①②とも,社会通念上許容される範囲のものとすること。
③ 議員が主催する会議,研修会での茶菓提供
e 広報費
(項目)
広報費の支出の範囲について
(考え方)
議員が行う広報には,その内容に照らして大別すれば,①住民の意見を聴取することを目的とするもの,②議会活動の成果等を報告するものの2種類が考えられるが,調査研究活動という観点からは,住民の意見を議会活動に反映させることを目的としたものであるか否かを基本として判断すべきであると考えられます。
f 事務所費(総論)
(項目)
事務所費を支出できる場合の「事務所」としての要件について
(考え方)
調査研究活動を実際そこで行っているかどうかという実態的判断が必要であり,外形的な要件としては,次のようなことが考えられます。
○ 事務所の形態
① 事務所としての外形上の形態を有していること。
② 事務所としての機能(事務スペース,応接スペース,事務用備品等)を有していること。
③ 連絡要員等を配置していること。
○ 契約形態
賃貸の場合は,議員個人が契約形態となることが必要(外観上の形態を整えることが望ましい。○○議員事務所の看板設置等)。
g 事務所費(借上)
(項目)
親族が所有する不動産の借上料への支出について
(考え方)
調査研究活動のために親族が所有する事務所等を借上げることについては,生計を一にしない親族と賃貸借契約を締結している場合は,政務調査費の対象経費とすることができることとしています。
なお,事務所等の借上げに係る賃貸借契約書は,議員が保管してください。
h 事務所費(按分)
(項目)
調査研究活動以外にも使用される事務所の借上料等の支出について
(考え方)
議員活動は多面性を有するので,按分して支出せざるを得ません。按分率は個人により異なるので,一律の割合を示すことは不可能なため,個々の議員が,数ヶ月の活動実績に応じて適切な按分比率を見出していく方がより実態に適うものであると考えられます。
後援会事務所と共用の場合は,可能な限り事務所の賃貸契約,電話,ガス,水道等の契約を分離することが望ましいですが,手続的に困難な場合は,現に調査研究活動に充てられている実態に応じて按分することとなります。
その場合は,後援会からの領収・請求書のほか全体額が明らかになる書類を備える等,後援会の運営費に充当されているという住民の誤解を招かないよう留意する必要があります。
i 事務費(按分)
(項目)
電話,FAX,パソコン等,調査研究活動以外にも使用できる物の費用の按分の考え方について
(考え方)
議員活動の多面性を有するので,按分して支出することとなります。考え方は,事務所費の按分と同じです。
j 人件費(一般)
(a) (項目)
調査研究に従事する職員の人件費の支出について
(考え方)
常時又は臨時に雇用する職員で,調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費は,政務調査費から支出できることとしています。
なお,人件費の支出については,雇用関係を明確にする書類等(任意の様式可)を作成の上,議員が保管してください。
(b) (項目)
専ら調査研究に従事する職員の人件費の支出について
(考え方)
調査研究活動の補助業務に専ら従事した者に係る人件費は,その全額を政務調査費から支出できることとしています。
k 人件費(按分)
(項目)
調査研究活動以外の活動も行っている職員の人件費の支出について
(考え方)
調査研究活動の補助業務以外の活動にも従事している者の人件費は,按分して支出することとなります。
考え方は,事務所費の按分と同じです。
(イ) 政務調査費から支出できない経費
調査研究活動以外の活動に要する経費は,政務調査費から支出することができません。なお,政務調査費から支出できない経費の具体例は下記のとおりです。
これらを政務調査費から支出した場合には返還の対象となりますので,十分な注意が必要です。
a 政党活動経費への支出
例 党大会への出席費用,政党活動・県連(政党等)活動費用,政党の広報誌・パンフレット・ビラ等の印刷及び発送費用,政党組織の事務所の設置維持経費,政党組織の人件費,党大会賛助金,党大会参加費用,会派の役員経費等
b 選挙活動経費への支出
例 選挙における各種団体への支援依頼活動経費,選挙ビラ作成経費,選挙活動費等
c 後援会活動経費への支出
例 後援会活動経費,後援会の広報誌・パンフレット・ビラ等の印刷及び発送費用,後援会主催の報告会等の開催経費,後援会主催の県政報告会開催経費等
d 私的活動経費への支出
例 慶弔餞別費等(病気見舞い・香典・祝金・餞別・寸志・中元・歳暮等,慶弔電報,年賀状の購入又は印刷等経費等),冠婚葬祭への出席費用(葬儀・祝賀会・結婚式・祭り等),宗教活動経費(檀家総代会・報恩講・宮参り等),観光・レクリエーション・私用用務等による旅行経費,親睦会・レクリエーション等のための経費,議員個人の私的目的のために使用する経費
e 挨拶,会食やテープカットだけの出席費用の支出
例 JA・漁協・土地改良区・森林組合等の総会における挨拶だけの出席,町内会・老人クラブ・青年団・壮年会・婦人会等の会合の会食だけの出席,県有施設・県道等の起工式や竣工式の出席
f 会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,飲食を主目的とする名称の会合への出席費用の支出
g 議員が他の団体の役職を兼ねている場合における,その団体の理事会,役員会,総会の出席費用の支出
h 公職選挙法やその他の法令等の制限に抵触する事項に係る経費の支出
例 公職選挙法第199条の2の寄附に該当する経費(お茶及びお茶うけを超える飲食の提供,食事の提供)
i 事務所として使用する不動産の購入,建築工事費への支出
j 政務調査費活動に使用する自動車の購入費,修理点検等維持費及びリース代への支出
k 政務調査活動に直接必要としない備品等の購入,リース代への支出
例 絵画,冷蔵庫,衣服等
(ウ) 政務調査費の支出における留意事項(按分による支出)
a 使途項目のうち,「事務所費」,「事務費」及び「人件費」は,調査研究活動のほか,その他の各種活動に要した時間を含めた総時間に対する調査研究活動に要した時間の割合等によって経費を按分し,調査研究活動に要した経費相当額のみを政務調査費から支出することとされています。
b この按分の方法の考え方は,下記の考え方を参考としてください。
(a) 事務所費(光熱水費を含む)
○ 単独の事務所の場合
賃借料,光熱水費等は調査研究活動従事時間数(概算)により按分する。
○ 他の事務所(後援会等)と兼ねている場合
可能な限り外形的な分離・区分を示す区切りなどを設ける等,分離独立させることが望ましいが,明確に分離契約ができない実情にあるため,賃借料については,議員事務所と判断できれば,契約名義にとらわれず,使用領域(面積),使用内容により按分する。光熱水費は,基本料金を含め使用頻度又は使用領域(面積)で按分する。
(b) 事務費(通信費)
政務調査費に係る通話時間(概数),使用頻度で按分する。なお,FAXの使用状況のように,一般通話,携帯電話の使用明細を発行してもらい,相手先番号により振り分け,按分する方法も考えられる。
(c) 人件費
○ 事務所職員を他の活動にも従事している場合
調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分する。
○ 調査研究活動に専従している場合
全額を政務調査費から支出できる。
c 按分の割合の限度
(a) 「事務所費」と「人件費」を支出する際の按分の率(以下「按分率」という。)は,2分の1を限度とすることとされています。なお,事務費には按分率の上限がありません。
(b) ただし,常時又は臨時に雇用する職員で,専ら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費にあっては,この全額を政務調査費から支出してもかまいません。
(c) 事務所費と人件費の按分率につき上限を設けている理由については,事務所費と人件費は,高い按分率となった場合に,政務調査費からの支出額が高額になることが予想され,交付された政務調査費の殆どがこれらの経費に消費されてしまう恐れがあるためである旨の記載がある。
(5)  「政務調査費の執行に関する調査研究報告書」
上記(4)記載の政務調査費の執行に関する研究会が作成した「政務調査費の執行に関する調査研究報告書」(以下「本件報告書」という。)には,改善すべき事項として,次の事項が指摘されている。
(ア) 明確化を図る事項
a 視察調査を行った場合の事務整理
議員が調査研究のため視察調査を行った場合は,原則として,領収書添付様式に実施期日,視察場所,相手方役職名を記載すること。なお,行程表,パンフレット等の資料は,議員が保管すること。
b 調査委託を行った場合の事務整理
議員が調査研究のため外部に委託した場合は,領収書添付様式に委託調査名を明確に記載すること。なお,委託先から提出させた調査結果の報告書等(成果品)は,議員が保管すること。
c 経営者としての資格等,個人的な資格要件で加入している団体への支出は,政務調査費の対象経費としないこと。
d 親族が所有する事務所借り上げ
議員が調査研究のため親族が所有する事務所を借り上げることについては,生計を一にしない親族と賃貸借契約を締結している場合は,政務調査費の対象経費とすることができること。なお,事務所借り上げの賃貸借契約書は,議員が保管すること。
e 自動車のリース費用
調査研究の交通手段として継続的に用いる自動車のリースについては,他県での新聞報道に見られるとおり,県民等の理解を得ることは困難と思われるため,政務調査費の対象経費としないこと。ただし,一時借り上げのレンタカーについては,その費用を政務調査費の対象経費とすることができること。
(イ) 改めて確認した事項
a 基本的事項
政務調査費の使途については,議員が説明責任を果たさなければならないこと。
調査研究は,その範囲が特定の具体的課題に限定されるものではなく,直ちに個々具体の調査研究の成果を挙げることを求められるものでもなく,広範な分野での研究,研修,調査,視察,資料購入等により議員の見識を高め,その結果,議員活動の活性化を図り,もって県政に反映されることが期待されているものであること。
b 人件費にかかる事務整理
人件費にかかる書類の整備については,現行どおり領収書等の写しを添付すること。なお,雇用関係を明確にする書類等を作成の上,議員が保管すること。
c 調査研究活動とそれ以外の活動が混在している場合
調査研究活動とそれ以外の活動が混在している場合は,県民に誤解を与えないような整理を行い,事務処理を適切に行うこと。
d 政党主催の研修会への出席費用
政党主催の研修会については,その内容が調査研究活動の目的に適うものであれば,政務調査費の対象経費として差し支えないこと。
e タクシー使用への充当
タクシー使用への充当については,議員が行う調査研究活動に必要な交通手段の一つであり,使い方に基準は設けないこと。
f 資料購入費
資料購入については,議員が必要と判断したものは全て政務調査費の対象経費とすることができること。
g 会議に引き続く懇談会費用
会議や研修会等に連続した懇談会経費は,政務調査費の対象経費とすることができること。
h 議員として招待された懇親会への出席費用
会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,テープカットや挨拶のみの会合,新年会や忘年会等明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用は,政務調査費の対象経費としないこと。
i 事務所費及び人権費の按分率の上限
事務所費及び人件費の按分率の上限は,現行どおり2分の1とすること。なお,もっぱら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費にあっては,この全額を政務調査費から支出できること
(6)  平成17年度における政務調査費の交付
岩手県は,本件条例に基づき,平成17年度分の政務調査費合計1億7887万円(以下「本件政務調査費」という。)を,54名の議員に対して交付した。
各議員は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の「内訳」欄記載の費目につき,「規定上の使途項目」欄記載の使途項目に該当するとして,「金額」欄記載の金員をそれぞれ支出した(ただし,議員番号17(Z30)の支出の一部につき金額に争いがある)。
各議員が提出した平成17年度の収支報告書に添付された領収書等の添付様式には,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の「内訳」欄,「領収書日付」欄,「金額」欄及び「債権者」欄記載の内容と同内容の領収書が添付されていた。また,領収書等の添付様式の「使途項目」欄には別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の「規定上の使途項目」欄記載のとおりの内容が記載されていた。
(7)  住民監査請求
原告は,平成18年6月16日,各議員による本件政務調査費の支出のうちの一部が違法であるとして,法242条に基づき,岩手県監査委員に対し,監査請求をした(甲1)。岩手県監査委員は,同年8月15日,その一部を容認し,その余は棄却する旨の通知を原告に対して行った。
(8)  訴訟提起
原告は,平成18年9月14日,本件訴訟を提起した。
2  争点
本件の争点は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の政務調査費の各支出(以下「本件各支出」という。)が違法であるか否かである。
3  争点に関する当事者の主張
(原告の主張)
(1) 政務調査費の支出における違法性の基準
ア 政務調査費は「議会の議員の調査研究に資するため必要な」経費の一部として交付されるものであり(法100条14項),県政に関する調査研究活動の目的に合致しない政務調査費を支出することは許されない。
そうである以上,政務調査費は,法100条14項,本件条例,本件規程及びその使途基準に違反して支出されてはならないというだけでなく,県政に関する調査研究に資するために必要な経費に支出されることが求められるというべきである。
したがって,支出の対象となった活動に調査研究の実質があると認められない場合には,当該支出は県政に関する調査研究に資するために必要な経費に充てられたとはいえず,上記各規定に違反したものとして当然に違法となると解すべきである。
そして,政務調査費の支出の対象となった活動に調査研究の実質があるか否かは,議員の主張する調査目的,調査に向けた準備の有無及びその内容,当該調査研究活動の具体的内容及び上記目的との関連,調査研究結果の保存状況等を総合的に考慮して客観的に判断されるべきである。
イ さらに,県議会議員は,県民の代表として,岩手県の条例の制定・改正,予算の議決,決算の認定,県が行う重要な契約や県の高額な財産の取得や処分に同意を与えること等県政に関する意思決定を行うことを任務とすること,政務調査費は調査研究に「資するため必要な」経費に支出されることが要求されていること,さらには,政務調査費の制度は,地方分権の進展により地方議会の担う割合が大きくなってきたことに鑑み,地方議会を活性化してその審議能力の強化を図るとともに,地方議員の調査活動基盤の充実を図る観点から,議員等に対する調査研究の費用等の助成を制度化したものであることに照らすと,支出の対象となった活動が県政と関連性を有すること及び必要かつ合理的なものであることも要求されているというべきである。
したがって,支出の対象となった活動に調査研究の実質があると認められる場合であっても,当該活動が県政との関連性を欠く場合や必要性,合理性を欠く場合には,結局,当該支出は県政に関する調査研究に資するために必要な経費に充てられたとはいえず,違法になると解すべきである。
ウ また,マニュアル(甲3,4)は,議員の政務調査費の支出の準則として制定されたものであるから,各議員は,マニュアルに従った支出を行わなければならず,これに違反する支出は違法な支出というべきである。
この点,補助参加人らは,マニュアルは法規範ではなく法的拘束力は有していないから,マニュアルに反する政務調査費の支出がされても,それについて違法性の問題は生じない旨主張する。しかし,マニュアルは,地方自治法,条例,規程,本件要領に基づいた適正な政務調査費の処理を目的として岩手県議会自らが定めたものであり,そこに定められているのは,地方自治法,条例,規程,本件要領の内容の具体的,詳細な説明であるとともに,各議員はこのマニュアルに従った政務調査費の支出を行うことが要求されているのであるから,マニュアルは,議員の政務調査費の支出の準則として制定されたものであり,各議員はマニュアルに従った支出を行わなければならない。
エ そして,政務調査費は,法100条14項に規定されているように,あくまでも「議会の議員の調査研究に資するため必要な経費として」支出されるものであり,「調査研究」は,一定のテーマについて一定の目的のもとに行われ,また調査研究には一定の成果が伴う以上,目的のない調査研究,成果の報告を伴わない調査研究などあり得ることではない。
したがって,政務調査費を議員の見識を高め,その結果,議員活動の活性化を図るためだけに支出することは許されない。議員が見識を高めることは必要だが,それは「調査研究」のために支出が許される政務調査費から支出されるべきものではなく,個人として,あるいは議員の一般的活動として支出されるべきものである。
(2) 主張立証責任について
ア 本件各支出が県政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものではないとして違法とされる場合には,これを支出した議員は,法律上の原因なく岩手県の財産から利得を受け,岩手県に損失を及ぼしたという関係にあるから,岩手県に対し,当該支出した金員に相当する金員を不当利得として返還すべき義務がある。
そして,一般的には,その返還を求める者において,受益者が「法律上の原因なく」当該利益を得たとの事実を主張立証すべきであるが,不当利得の返還を求める者が,「法律上の原因なく」の事実の主張立証責任を負うといっても,およそ考えられる一切の法律上の原因の不存在を主張立証しなければならないものではなく,具体的事実及び証拠との距離を考慮しつつ,当該事案において通常考えられる程度の利得の保持を正当化する原因が存在しないことを主張立証した場合には,相手方においてこれを正当化する具体的事情につき反証する必要を生ずるというべきである。すなわち,本件においては,原告は,被告が議員らに対して不当利得の返還を請求するよう求めており,本件各支出が県政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものとはいえないという事実は,一応原告において主張立証すべきことになるが,本件条例9条において,政務調査費の使途についての証拠は補助参加人らが保存すべきものとされていることに照らせば,原告としては,本件各支出につきその具体的使途を特定して主張立証しそれが県政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられなかったことを明らかにするまでの必要はなく,本件各支出が県政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものとはいえないことを推認させる一般的,外形的な事実を主張立証した場合は,被告及び補助参加人らにおいて,その推認を妨げるべく,県政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認めるに足りる具体的な使途を明らかにする必要があるというべきである。
イ また,①法が,議員の調査研究に資するため必要な経費として政務調査費を交付することとした反面,本件条例8条において,「議員は,交付を受けた年度の政務調査費に係る収支報告書(様式)に当該収支報告書に記載された政務調査費による支出に係る領収書その他の証拠書類の写しを添えて,当該年度の末日の翌日から起算して30日以内に議長に提出しなければならない。」と規定され,交付を受けた議員に対して収支報告書の提出が義務づけられていること,②本件条例7条及び本件規程3条が,政務調査費の細目にわたる本件使途基準を定めていること,③本件条例9条において,「議員は,政務調査費の支出について,会計帳簿を調製しその内容を明確にするとともに,証拠書類を整理保管し,これらの書類を当該政務調査費の収支報告書及び証拠書類の写し(以下「収支報告書等」という。)を議長に提出した日の属する年度の翌年度から起算して5年間保存しなければならない。」と,会計帳簿の調製や証拠書類の整理保管及び保存を義務づけていること,④地方自治法改正後の4号訴訟制度においても,当該個人としての長や職員等は,執行機関等が敗訴した場合には,当該執行機関等から請求を受ける立場にあって,潜在的あるいは究極的には相手方たる立場にあり,むしろ,実質的利害関係からすれば,被告と同等の立場にあるものと解するのが相当であって(そうであるからこそ,上記改正後の法242条の2第7項は,上記4号訴訟が提起された場合には,執行機関等は当該個人としての長や職員等に対して遅滞なく訴訟告知をすべき旨定めていると解される),本件各支出の内訳及びその適法性を明らかにし証拠書類等の資料を明示すべき立場にあるというべきであるとともにこれにかかる客観的資料のほとんどは各議員が保有し,提出することが容易であること,⑤政務調査費の具体的な使途や金額について最もよく把握しているのは,政務調査費の交付を受けてこれを支出した当該議員自身であることからすると,議員が県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて主張せず,あるいは調査研究活動に資する費用として支出したことについて本件条例9条により整理管理及び保存を義務づけられている証拠書類を提出ないし提示しない場合には,当該議員は当該支出が本件使途基準等に合致しない違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきであるし,また,当該支出にかかる証拠書類の提出,提示がなされたとしても,その証拠書類の不備により第三者による事後的な検証が困難であるような支出や,証拠書類の記載からは政務調査との関連性が明らかでなく,これを補足する説明もされていないような支出についても,当該議員は当該支出が本件使途基準等に合致しない違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきである。
ウ さらに,同一名目の相当額の支出についても,議員としての調査研究活動に資する部分とそうでない部分とを合理的に区別することが可能であるにもかかわらずそれをしておらず,その金額や使途等からみてその大半が政務調査以外の活動に使用されていると社会通念上推認されるような場合においては,当該同一名目の支出額全体が調査研究活動に資する支出と認めることはできず違法な支出と認めるのが相当である。他方,議員としての調査研究活動に資する部分とそうでない部分とが混在しており,その合理的な区分が困難な場合には,その全額を政務調査費とするのは相当でなく,社会通念上相当な割合による按分をして政務調査活動に資する費用の金額を確定するのが相当であり,特段の資料がない限り,例えば,政務調査活動とそれ以外の2つ目の目的のために支出した場合には2分の1とするなど,社会通念に従った相当な割合をもって政務調査費を確定すべきである。
(3) 本件において,原告が問題としている本件各支出は,その実際の使途が何であったかにより区分することができ,その区分は,別紙5「判定番号表」の判定番号1から3まで,5から10まで,12から14まで記載のとおりであり,本件各支出を議員別に示したものが別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」である。
以下において,判定番号毎にその違法性を詳述する(以下,本件各支出は,別紙1「政務調査費目録1」,別紙3「政務調査費目録2」,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」記載の「議員番号」の数字と,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」記載の「番号」の数字とをハイフンで結んだ略号で特定表記する。例えば,議員番号1の番号2の支出は,「1-2」となり,議員番号1の番号2から5までの支出は,「1-2~5」となる。)。
(4) 判定番号1(所属団体の活動資金となる年会費)
ア これらの支出は,「調査研究費」,「研修費」として支出されているところ,マニュアルによると,調査研究費(会費)について,「会費の支出対象である団体の活動内容や実態が,調査研究活動に適うものであるかがまず基準となる」とされている。
しかし,判定番号1の各支出は,調査研究活動に適うものではなく,議員が加入し,あるいは加盟している団体の活動資金に充てるために納入する年会費にほかならない。
したがって,「調査研究費」,「研修費」として政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ 岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会(甲5),岩手県議会大連友好議員連盟(甲6),岩手県男女共同参画社会をめざす議員協議会(甲7)に関する支出についてみると,ほとんど活動実績がなく,納入した会費のほとんどが費消されずに翌年度に繰り越されている。
しかるに,本件条例11条において,「知事は,議員がその年度において交付を受けた政務調査費の総額から,当該議員が当該年度において行った政務調査費による支出(第7条に規定する使途基準に従って行った支出をいう。)の総額を控除して残余がある場合,当該残余の額の返還を命ずるものとする。」と規定され,政務調査費の残余額について返還すべきとしていることからすると,本件条例に基づく政務調査費の交付は,金額未確定の債務の概算払いとしてなされたものと解すべきである。
そうである以上,上記会費を調査研究費として支出しながら,十分な活動を行うことなく,支出先の会計上繰越金として計上され,支出先の財源として蓄財される事態は許されず,上記各支出は,支出の対象となった活動に調査研究の実質があると認めることはできないだけでなく,残余額を返還すべきとする本件条例11条に違反するとともに概算払いの返納を定めた地方自治法施行令159条に違反する。
(5) 判定番号2(飲食費・個人的交際費)
ア これらの支出は,「調査研究費」,「研修費」,「会議費」として支出されているが,判定番号2の各支出は,主として飲食を目的とするものであり,あるいは個人的な交際のために支出した費用に過ぎない。
この点,マニュアルも,調査研究費(会費)について「会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,テープカットや挨拶のみの会合,新年会や忘年会等明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用は,政務調査費の対象経費としないこと」とし,さらに「政務調査費から支出できない経費」として,「私的活動経費への支出」,「挨拶,会食やテープカットだけの出席費用の支出」,「会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,飲食を主目的とする名称の会合への出席費用の支出」を挙げている。会議費(食糧費)についても,「公職選挙法の制限に抵触しないこと及び社会通念上妥当なものであると認められることを前提とした上で,調査研究活動としての会議との一体性が必要である」としている。
しかるに,判定番号2の各支出は,主として飲食を目的とするものであり,あるいは個人的な交際のために支出した費用に過ぎないものである以上,上記マニュアルの規定にも違反することは明らかである。
したがって,「調査研究費」,「研修費」,「会議費」として政務調査費から支出することは,100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ 個別具体的な主張については,次のとおりであり,いずれも主として飲食を目的とするものであり,あるいは個人的な交際のために支出した費用に過ぎない。
(ア) 岩手県立大学新学長を歓迎する県民の集い会費(1-15,3-28,30-18の各支出)
当該会費は,研修費あるいは調査研究費として支出されているが,本集いは,岩手県立大学の新学長の歓迎会であって,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実施的に行う会合や研修会ではない。また,会の名称や会費の額などからして,新学長の挨拶や歓迎の辞に続いて飲食しながら懇談する形式の集いであったことが推認され,本集いは,マニュアルが支出を禁止している「明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用」に該当する。
(イ) フィリピン共和国名誉領事館開所祝賀会費(1-17),原敬生誕150年記念祝賀会費(1-18),盛岡市スポーツ人の集い会費(1-19),a美術館「館長歓送迎と会員交流の夕べ」会費(3-29),岩手日英協会総会懇親会費(3-30),岩手日英協会講演会・懇親会会費(3-32)
a これらの会費は,研修費あるいは調査研究費として支出されているが,上記(ア)同様,いずれの会も,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合や研修会ではない。
また,会の名称や会費の額,会費の名称などからして,マニュアルが禁止する「明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用」にも該当する。
b なお,議員番号1のC1については,同人は,県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張も行わないばかりか,調査研究活動に資する費用として支出したことについて本件条例9条により整理保管及び保存を義務付けられている証拠書類を提出することもしていないのであるから,当該支出が本件使途基準等に合致しない違法な支出であるとされることを甘受せざるを得ないというべきである。
c また,議員番号3のZ25の岩手日英協会に関する支出については(3-30,32),同人は議員を辞めた後も現在まで会員となっていることから,同人が県会議員たる地位とは関係なく個人として加入していることは明らかであり,この点からも個人として支出すべき費用といえる。
(ウ) 飲食代,食事代等(16-22,33-19,34-20,40-8,45-19)
a これらの支出は,いずれも飲食店に対する飲食代,食事代に充てるために,「会議費」として支出されているところ,県政に関連する事項について調査研究を行う際,飲食を伴う必要性は通常は存在していないことからすると,調査研究活動の場で関係者と飲食する場合にその飲食費を政務調査費から支出することが許されるのは,当該調査研究の目的を達成する上で,飲食を伴うことが社会通念上必要かつ相当と認められる場合で,かつ,社会通念上必要かつ相当と認められる範囲に限られる。そして,その必要性,相当性の有無を判断するに当たっては,当該調査研究の目的,内容と当該飲食の場所及び内容,支出金額,飲食店で調査研究を行った理由,出席者の構成等が考慮されるべきであり,またその立証責任は当該支出を行った各議員にあるというべきである。
マニュアルが,「会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,テープカットや挨拶のみの会合,新年会や忘年会等明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用は,政務調査費の対象経費としないこと」とし,さらに「政務調査費から支出できない経費」として,「私的活動経費への支出」,「挨拶,会食やテープカットだけの出席費用の支出」,「会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,飲食を主目的とする名称の会合への出席費用の支出」を挙げ,また,「公職選挙法の制限に抵触しないこと及び社会通念上妥当なものであると認められることを前提とした上で,調査研究活動としての会議との一体性が必要である」としているのは,かかる趣旨に基づくものと考えられる。
b しかし,16-22,33-19,34-20,40-8の各支出は,飲食店で調査研究を行った理由についても,飲食の内容についても明らかにされておらず,そうである以上,政務調査費から支出することは許されない。また,いずれの支出についても,調査活動の際の昼食代金,飲食代金としては不当に高額であるというべきであって,かかる点においても違法である。
(エ) 消防出初式昼食代(17-18)
この昼食代は「調査研究費」として支出されている。
しかし,消防の出初式は年頭の恒例行事であって,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合や研修会ではない。
また,上記(ウ)a記載のとおり,調査研究活動の場で関係者と飲食する場合にその飲食費を政務調査費から支出することが許されるのは,当該調査研究の目的を達成する上で飲食を伴うことが社会通念上必要かつ相当と認められる場合に限られるべきところ,本件においては,昼食をとりながら調査研究を行う必要があったかについても飲食の内容についてもまったく明らかにされていない。
(オ) 遠野いわぎん会新春講演会等懇親会費(29-13)
この会費は「調査研究費」として支出されている。
しかし,この会は,一民間団体が主催する講演会と懇親会費であって,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合ではない。
(カ) 懇親会費(44-21)
この会費は「研修費」として支出されている。
しかし,「Z2後援会」宛の「懇親会費」とされていることからも明らかなように,本支出は同僚の県議会議員Z2の後援会が主催した講演会終了後の懇親会の費用として支出されており,かかる懇親会は研修会ではなく,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合でもない。
また,後援会活動ないし選挙活動のための支出は,「議員の行なう調査研究に資するため必要な経費」ということはできず,「マニュアル」も「政務調査費から支出できない経費」として「選挙活動経費への支出」及び「後援会活動への支出」を指摘している。
(キ) 食事代(45-21)
この食事代は,「会議費」として支出されている。
しかし,これは,県政報告会開催に向けて平成17年11月15日に開催された当該議員後援会の役員会の食事代であり,自己の後援会活動ないし選挙活動のための支出といえ,違法な支出である。
(ク) 農業に関する意見交換に関連する食事代(52-23)
この支出は,いずれも飲食店に対する食事代に充てるために調査研究費として支出されている。この支出は農業関係者からの聞き取りや意見交換に同行した事務員の昼食代にあてられたとされているが,調査研究費は,「議員が行う県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費」であり,「議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に要する経費」たる「会議費」から支出することはともかくとして,調査研究費から昼食代を支出することは許されないというべきである。
また,当該事務員は議員に同行しない場合であっても昼食を取っていると考えられ,そうである以上昼食代は自己負担すべきものであって,昼食代金を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
(ケ) 競馬に関する意見交換に関連する食事代(52-24・25)
これらの支出は,いずれも飲食店に対する食事代に充てるために「調査研究費」として支出されており,これらの支出は岩手競馬に関わる関係者を招いて意見交換を行った際の食事代に充てられたとされている。
上記(ウ)aのとおり,調査研究活動の場で関係者と飲食する場合にその飲食費を政務調査費から支出することが許されるのは,当該調査研究の目的を達成する上で,飲食を伴うことが社会通念上必要かつ相当と認められる場合で,かつ,社会通念上必要かつ相当と認められる範囲に限られるものというべきであるが,上記各支出においては,飲食店において飲食を伴いながら行う必要性についても,当該飲食の内容についても明らかにされていない。そうである以上,上記各支出は違法である。
仮に,飲食を伴う場で調査研究を行う必要があったとしても,「52-24」の支出においては5386円という高額の飲食代金が支出されており,調査研究の場における飲食代金としては明らかに相当性を超えている。
(6) 判定番号3(5000円以上の懇談会飲食費)
ア これらの支出は,「調査研究費」として支出されている。
しかるに,判定番号3の各支出は,飲食の伴う懇談会の会費にほかならないところ,その金額は5000円を超えており,社会通念上許容される範囲を超える金額と言わなければならないだけでなく,飲食を主たる目的とする懇談会であったことは明らかである。
なお,マニュアルによれば,「会議費(食糧費)については,公職選挙法の制限に抵触しないこと及び社会通念上妥当なものであると認められることを前提とした上で,調査研究活動としての会議との一体性が必要である」とされているとともに「議員として招待された懇親会への会費の支出については,会合の一部に調査研究活動が伴うものであっても,テープカットや挨拶のみの会合,新年会や忘年会等明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用は,政務調査費の対象経費としない」とされており,判定番号3の各支出は,上記マニュアルの規定にも違反する。
したがって,これらの支出は,社会通念上許容される範囲を超える懇談会会費の支出であるとともに,飲食を主目的とする会合への出席費用であって,政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ 個別具体的な主張については,次のとおりである。
(ア) 日ロ協会岩手県センター40周年の集い会費(26-7,49-22)
これらの会費は,「調査研究費」として支出されている。
しかし,この集いは一民間団体が主催する当該団体の40周年祝賀会の会費であって,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合や研修会ではない。
また,支出した会費が「集い会費」とされ,支出金額が7000円であることからすると,祝賀式典に続いて飲食しながら懇談する形式の集いであったことが推認され,かかる集いへの出席費用は,マニュアルが支出を禁止している「明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用」に該当する。
仮に,飲食を主目的とする会合ではなかったとしても,飲食を伴う必要性について明らかにされていない上,7000円という飲食費は,調査研究の場における飲食代金として不相当に高額である。
(イ) 一関市議会議員との県政懇談会会費(49-23)
この会費は,「調査研究費」として支出されている。
しかし,「Z36後援会」宛の「懇談会会費」とされていることからも明らかなように,上記支出は同僚の県議会議員Z36の後援会が主催した懇談会の費用として支出されており,後援会活動に対する支出である。
また,本件においては,飲食を伴う必要性について明らかにされていない上,1万円という飲食費は,調査研究の場における飲食代金としては不相当に高額すぎる。
(7) 判定番号5(私用支出)
ア これらの支出は,「調査研究費」,「研修費」,「事務費」として支出されているが,そのいずれもが私用に基づく支出であって政務調査費から支出することは許されない。マニュアルも,「政務調査費から支出できない経費」として「私的活動経費への支出」を挙げ,さらに「個人的な資格要件で加入している団体(例えばロータリークラブ,ライオンズクラブ,趣味の会等)の会費については,政務調査費の対象経費としない」としている。
したがって,判定番号5の各支出は,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会にかかる宿泊費(1-22)
この宿泊費は,「岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会」に参加した宿泊費として,「調査研究費」から支出されている。
しかし,平成17年度の岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会は,富山市で15日までの日程で開催されたものであり,当該議員を除く岩手県議会水産振興議員懇談会のメンバーは全員15日に帰路についているのに,当該議員のみ,そのまま富山市に残り,富山全日空ホテルに宿泊しており,これは私的な目的での宿泊である。
なお,当該議員は,上記支出が県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張を行わないばかりか,条例9条により整理保管及び保存を義務付けられている証拠書類を提出することもしないから,当該支出が違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきである。
(イ) 会費(2-2,3-1・3・25・39~57・59・61~67,5-18,14-25,15-7,16-2・7,17-2,24-23,29-16・17,40-1・2・4,44-1・2,45-27・28・30~39,48-20)
a これらの支出は,いずれも自らが所属する会の「会費」として「調査研究費」から支出されている。
しかし,当該会費としての支出はいずれも会の活動資金を会費として支出しているに過ぎないのであるから,調査研究の実質を有するとはいえず,仮に,会の活動に参加することをもって調査研究の実質を有するとしたとしても,当該活動と県政との関連性は明らかではなく,また,上記各支出を行うことについての必要性及び合理性についても認めることはできない。
また,政務調査費から「会費」を支出する場合は,あくまでも議員としての調査研究のための支出でなければならない以上,議員たる立場を離れて個人としての資格で加入している団体に対する会費を政務調査費から支出することは許されないが,当該各支出は,いずれも,議員たる資格に基づいて会に加入しているのではなく,議員たる地位を離れて個人として加入しているに過ぎない。なお,マニュアルも,「政務調査費から支出できない経費」として「私的活動経費への支出」を挙げ,さらに「個人的な資格要件で加入している団体の会費については,政務調査費の対象経費としない」としている。
b なお,3-65(o会会費)についてみると,この会は,b1党の国会議員であるDの政治活動を応援する会(丙B57の19頁)であり,当該が所属するb1党の一国会議員の活動を支援し後援するための組織であることは明らかであるから,この点においても会費を政務調査費から支出することは許されない。
c また,議員番号3のZ25についてみるに,3-42・43・45~50・54~57・59・61~64・67の会費の支出先である会には県会議員になる前に入会していたり,県会議員を辞めた後も会員となっていたりしており,このことからも同人が県会議員たる地位とは関係なく個人として加入していることは明らかである。
(ウ) E講演会出席タクシー料金,交通費(3-35~37),F講演会チケット代(3-38)
本支出は,いずれも県政との関連性は存在せず,そうでないとしても極めて薄いと言わざるを得ず,正しい歴史認識を持つための費用は,個人として,あるいは議員の一般的活動費として支出すべきものである。
(エ) 盛岡木鶏クラブセミナー受講料(3-58)
「互いに啓発しあい人格形成と良い人脈作りに努力する」活動は,県政との関連性が存在しないというだけでなく,政務調査費(調査研究費)はあくまでも議員としての調査研究のための支出でなければならない以上,本件支出は,個人として,あるいは議員の一般的活動費として支出すべきものである。
また,本支出の内訳は,講演会会費が2000円,その後の懇親会会費が5000円であったということであるが,本件において飲食を伴う必要性について明らかにされておらず,また,5000円という飲食費は,調査研究の場における飲食代金としては不相当に高額すぎる。
(オ) 盛岡市スポーツ人の集い会費(3-60)
この集いは,県の事務及び地方行財政に関する調査研究のための意見交換等を実質的に行う会合や研修会ではない。また,マニュアルが禁止している「明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用」に該当する。
(カ) お品代(16-31)
水産加工品の加工の方法は,高度の企業秘密に属し,業者から加工品を購入して試食することによって加工の在り方を研究することなどできるはずがなく,現に,当該議員が行ったとする試食と参加者らの意見聴取によって,水産加工品の高次加工の在り方についてどのような研究成果が得られたのかについて,当該議員は明らかにしていない。したがって,海産物を購入することにも,それを試食することも調査研究の実質はなく,また,その購入費用の支出はいかなる意味でも「県の事務及び地方行財政」との関連性を有するということはできない。
(キ) 電話料(43-22,45-25)
議員番号43及び55の両議員は,当該電話料金の支出のほかに,議員事務所の電話料金を別途政務調査費である事務費から支出している(43-24~26,34-56・57)。したがって,議員番号43の議員が43-24~26とは別に支出している43-22の電話料金の支出は自宅の電話料金であると考えるほかない。なお,議員番号45の議員については,当該電話料金は自宅の電話料金であることを認めている。
しかるに,議員が議員事務所を設置している場合,政務調査活動を電話で行う必要があったとしても議員事務所の電話を使用するのが通常であることからすると,自宅の電話料金を政務調査費から支出することは,自宅の電話による通話が政務調査活動に使用されたこと及びその割合の立証がない限り許されないものというべきところ,43-22及び45-25の各支出につき,これらの立証はなされていない。
(8) 判定番号6(政党活動・後援活動・選挙活動)
ア これらの支出は,「調査研究費」,「研修費」,「会議費」として支出されている。しかるに判定番号6の各支出は,いずれも,自己の所属する政党活動への参加費用あるいは自己の選挙活動経費への支出ないし後援会活動への支出である。
マニュアルも,「政務調査費から支出できない経費」として「政党活動経費への支出」,「選挙活動経費への支出」及び「後援会活動への支出」を指摘している。
したがって,「調査研究費」,「研修費」,「会議費」として政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 3-68,9-15,24-24~28,45-49・52~55の各支出
a これらは,いずれも,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の内訳欄記載の表題からして,自己の所属する政党活動への参加費用である。
仮に,当該会への参加により,国政の現状を知り県政に反映することができたなどの成果が得られていたとしても,政党活動の経費を政務調査費から支出することが許されないのは,県会議員が県民の代表として行動すべき立場にあることから,党員としての活動と県会議員としての政務調査活動を明確に峻別し,前者については党員たる個人として個人の費用から支出すべきものであることによるのであって,上記成果は,あくまでも党員としての活動の結果であって,県会議員の政務調査活動として政務調査費から支出することは許されない。
b なお,議員番号9のC2については,同人は,当該支出が,県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張も行わず,本件条例9条により整理保管及び保存を義務付けられている証拠書類を提出することもしていないから,当該支出が違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきである。
(イ) 45-41~48の各支出
これらの支出は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の内訳欄記載の表題がいずれも「Z42県議と語る会」の会費,会場費とされていることから,自己の選挙活動経費への支出ないし後援会活動への支出であることは明らかであり,違法な支出である。
(9) 判定番号7(違法な委託費)
ア これらの支出は,「調査研究費」として支出されているが,いずれも,議会の議員としての調査研究に資するため議員が行う県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費と認めることはできない。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 岩手総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料(2-19~30,8-17~28,12-1~8,14-26~37,25-19~30,27-13~24,29-18,32-1~12,37-16~24,39-19,43-23,44-23~34,50-17~28,51-34~45,53-20~31,54-17~28)
a これらの支出は,いずれも岩手総合政策研究会に対する「県政調査・研究委託料」として,月額4万円,合計48万円が支出されているものである。
この岩手総合政策研究会をb2クラブに所属する県会議員が設立することにしたのは,平成12年の地方自治法改正後においても,それまでと同様b2クラブが会派としての活動を行うことを可能とするためであり,同研究会の会員は全てb2クラブに所属する県会議員であるとともにb2クラブに所属する県会議員全員が会員となっており,同研究会に対して調査を委託するのはb2クラブであり,県内各種団体における重点要望に関する調査研究の主催者もb2クラブであるとされている。また,同研究会の事務所は会則上岩手県議会のb2クラブ控室に置くとされ,同研究会の出納帳簿の記載等をb2クラブの事務員に行わせることもあるというのである。
そうである以上,各議員の政務調査費からの支出は同研究会に対する委託費という形になってはいるものの,実質的には,b2クラブに対する活動資金の提供にほかならない。しかも,毎月定額の費用(月額4万円)が支出されていることからすると,b2クラブの活動資金を会費の名目で納入しているものというべきである。
したがって,本件各議員の政務調査費からの支出は,実質的にはb2クラブに対してその活動資金を会費の名目で支出しているにほかならず,また,同研究会に対する調査委託は各議員が行うのではなく,b2クラブが行うものである以上,本件支出は各議員の「岩手総合政策研究会に対する調査委託に要する経費」ということができないだけでなく,支出が禁止されている「政党活動経費への支出」に該当するといわなければならない。
b 仮に,本支出が実質的にも同研究会に対する委託費の支出でありb2クラブに対する活動資金の支出ではないとしても,同研究会の会員は全てb2クラブに所属する県会議員であるとともにb2クラブに所属する県会議員全員が会員となっており,その代表者もb2クラブ所属の県会議員であるZ16議員であること,同研究会の事務所は,会則上岩手県議会のb2クラブ控室に置くとされているが,実際の作業はcビル内のb3党県連の事務所で行われ,b3党県連の職員が調査活動に従事することもあり,同研究会の出納帳簿の記載等をb2クラブの事務員に行わせることもあることからすると,同研究会はb2クラブないしb3党県連が設置している団体・組織というべきであり,かかる団体・組織に対する政務調査費の支出は,支出が禁止されている「政党活動経費への支出」に該当するというべきである。
(イ) 産業経済政策調査会に対する「県政課題に関する調査委託料(平成17年4月~平成18年3月分)」(39-18)
この支出は,産業経済政策調査会に対して「県政課題に関する調査委託料(平成17年4月~平成18年3月分)」として毎月2万円,合計24万円を支出したものであるが,調査研究の内容は不明であり,しかも毎月定額の費用(月額2万円)を支出していることからすると,産業経済政策調査会の活動資金を会費の名目で納入しているに過ぎないものと考えられる。
したがって,これらは「調査委託に要する経費」ではない。
そして,当該議員は,本件訴訟において,当事者に準ずべき地位にあり,支出の内訳及びその適法性を明らかにし証拠資料等を明示すべき立場にあり,かつ,これにかかる証拠資料等の客観的資料のほとんどは当該議員が保有し,提出することが容易であるにもかかわらず,原告からの釈明に答えず証拠資料等の提出も行っていない以上,本件においては,上記支出を正当な政務調査費の支出であると認めることはできない。
(ウ) 40-10,11の各支出
これらの支出は,「政務調査研究委託費」として支出したものであるが,委託先は不明であり,真実調査研究委託が行なわれ,これに基づいて真実調査研究が実施されているのかも不明である。また調査研究の内容も不明であり,しかも月額4万円に相当する金額を支出していることからすると,委託の対価ではなく労働契約の対価と評するほかない。
したがって,これらは「調査委託に要する経費」ではない。
そして,当該議員についても,上記(イ)の議員同様,原告からの釈明に答えず証拠資料等の提出も行っていない以上,本件においては,上記各支出を,正当な政務調査費の支出であると認めることはできない。
(エ) 51-28~33の各支出
これらの支出は,「調査研究事業委託費」として20万円を計6回にわたり合計120万円支出したものであるが,委託先は不明であり,真実調査研究委託が行なわれ,これに基づいて真実調査研究が実施されているのかも不明である。また調査研究の内容も不明であり,しかも6回にわたって月額10万円に相当する金額を支出していることからすると,同団体ないし組織の活動資金を会費の名目で納入しているに過ぎないものと考えられる。
したがって,これらは「調査委託に要する経費」ではない。
そして,当該議員についても,上記(イ)の議員同様,原告からの釈明に答えず証拠資料等の提出も行っていない以上,本件においては,上記各支出を正当な政務調査費の支出であると認めることはできない。
(10) 判定番号8(違法な人件費)
ア これらの支出(1-23~28)は,「人件費」として支出されている。
しかるに,判定番号8の各支出は,恒常的に事務所の事務員として雇用するための賃金にほかならず,議会の議員としての調査研究に資するため,議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費には該当しない。
すなわち,政務調査費は「議会の議員の調査研究に資するため必要な経費」であり,そうである以上,一定の目的に基づく調査研究に必要な限りで雇用する人件費についてその支出を許すものにほかならない。したがって,議員として活動する上で恒常的に雇用する事務員の賃金は,政務調査費から支出することは許されるものではない。このことは,議員として活動する上で恒常的に雇用している職員を,一定の目的に基づく調査研究のために使用する場合であっても同様である。一定の目的に基づく調査研究も議員活動の一つである以上,すでに,恒常的に雇用する職員が存在する場合に,一定の目的に基づく調査研究のためにその職員を使用したからといって,その賃金を政務調査費から支出する理由は全くない。
仮に,恒常的に雇用する職員を調査研究のために使用した場合に,その分の賃金を政務調査費から支出することが許されるとしても,マニュアルによれば,事務所職員を他の活動にも従事させている場合として,按分する必要があり,その按分率の上限は2分の1である。
しかし,1-23~28の各支出は,調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分することなく,按分率の上限である2分の1を支出している点で,マニュアルに違反するものである。
イ しかも,d社に対する合計90万円の支出については,本件報告書及びマニュアルにも抵触する。これらによれば,人件費としての支出が許されるのは,直接雇用契約関係にあり雇用契約書が作成されていることを前提としているが,上記90万円の支出は,d社に対して支出されていることから明らかなように,d社が雇用する職員を,自らの事務所においても作業させることにし,その職員の人件費の一部を雇用主であるd社に支払っているのであって,当該議員と直接の雇用関係には立たず,雇用契約書も作成されていない。しかも,当該議員が創設し役員に就任しているd社に対して支払を行っていることからすると,d社が負担すべき人件費を政務調査費をもって支出するとともに,d社の収益を増大させる目的に基づくものというほかない。
さらに,当該議員は,平成17年10月分以降については,いかなる理由からか,d社に対してではなく直接当該職員に支払う形に切り替えている。しかし,その金額は,d社に支払っていた月額15万円の6割である9万円に減額されている(当該職員に支払われる給与額は30万円から18万円に減額)。このことは,d社に過大な金額を支払っていた事実を如実に示すものである。
したがって,本件職員の賃金を「人件費」として政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
なお,当該議員は,上記支出が,県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張も行わず,本件条例9条により整理保管及び保存が義務付けられている証拠書類を提出することもしていないから,上記支出が違法な支出とされることを甘受せざるを得ないというべきである。
(11) 判定番号9(親族,関連会社からの事務所借上げ費)
ア これらの支出(1-29~31,13-19,52-26~28)は,「事務所費」として支出されている。
しかるに,判定番号9の各支出は,議会の議員としての調査研究に資するため,議員が行う調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する経費には該当しない。
すなわち,政務調査費は「議会の議員の調査研究に資するため必要な経費」であり,そうである以上,一定の目的に基づく調査研究に必要な限りで使用する事務所の賃料等についてその支出を許すものにほかならない。したがって,議員として活動する上で恒常的に使用する事務所の賃料等は,政務調査費から支出することは許されない。このことは,議員として活動する上で恒常的に使用している事務所を,一定の目的に基づく調査研究のために使用する場合であっても同様である。一定の目的に基づく調査研究も議員活動の一つである以上,すでに,恒常的に使用する事務所が存在している場合に,一定の目的に基づく調査研究のためにその事務所を使用したからといって,その賃料等を政務調査費から支出する理由は全くない。
仮に,恒常的に使用している事務所を調査研究のために使用した場合に,その分の賃料等を政務調査費から支出することが許されるとしても,本件要領及びマニュアルによれば,調査研究活動以外にも使用される事務所の借上げ料として,調査研究活動従事時間数(概数)により按分する必要があり,また,その按分率の上限は2分の1である。しかるに,上記各支出は,調査研究活動従事時間数(概数)により按分することなく,按分率の上限である2分の1を支出している点で,マニュアルに違反するものである。
しかも,1-29~31の各支出は,当該議員が創設し役員に就任しているd社に対して支払われており,13-19,52-26~28の各支出は,当該議員の親族が経営していると認められる株式会社e,f社に対して支払われている点においてもマニュアルに違反する。すなわち,マニュアルは「議員が調査研究のため親族が所有する事務所を借り上げることについては,生計を一にしない親族と賃貸借契約を締結している場合は,政務調査費の対象経費とすることができる」と規定しているが,これは,当該議員と生計を一にしている親族から事務所を借り入れることを認めれば,その親族の利益を図るため不当に高額な賃料を設定したり,親族と通謀して真実は事務所として借り入れていないにもかかわらず賃貸借契約を行なっているとして賃料の支払いを行うなど,不正あるいは不適切な支出が行なわれる可能性があることから,こうした事態を防止しようとする趣旨に基づくものと考えられる。そして,かかる不正あるいは不適切な支出が行なわれる可能性は,当該議員の親族が経営する会社であったり当該議員が創設し役員に就任している等当該議員と極めて密接な関係を有する団体・組織から事務所を借り入れる場合にも同様であって,そうである以上,この場合にもマニュアルの趣旨に基づき政務調査費の対象経費と認めるべきではない。なお,マニュアルが,経営者としての資格等,個人的な資格要件で加入している団体への会費支出についても政務調査費の対象経費としないとしているのも,不正あるいは不適切な支出が行なわれる可能性がある支出につき,その事態を防止する趣旨に基づくものといえる。
したがって,上記各支出を「事務所費」として政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
イ なお,1-29~31の支出に関し,当該議員は,これらの支出が,県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張を行っていない上,本件条例9条により整理保管及び保存を義務付けられている証拠書類を提出していないから,上記支出が違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきである。
(12) 判定番号10(私的な書籍購入費)
ア これらの支出は,「資料購入費」として支出されているが,議会の議員としての調査研究に資するため,議員が行う調査研究のために必要な図書,資料等の購入または借上げに要する経費には当たらない。
なお,上記各支出に関し,当該議員は,これらの支出が,県政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出したことについて何らの主張を行わない上,本件条例9条により整理保管及び保存を義務付けられている証拠書類を提出していないから,上記各支出が違法な支出とされることを甘受せざるを得ないものというべきである。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 1-32~65・67・72・73・75・79~81・85~94・97~102・104~113・115~118・120・121・125~127・129・135の各支出
これらの支出に係る各書籍は,「調査研究のために必要な」図書資料等というよりは,当該議員個人の資質能力の向上を図り調査研究に役立てるための道具であって,「調査研究に必要な図書,資料等」には該当しない。また,各書籍の購読により一般的知識・教養が向上したとしても,そのことと岩手県政との間には関連性が存在しないか,存在しても極めて薄いと評価せざるを得ない。
(イ) 東京スポーツ,ゲンダイ等のスポーツ新聞,夕刊紙のコンビニにおける購入(1-128)
スポーツ紙及び夕刊紙は,一般に娯楽性が高い読み物というほかはなく,また,当該議員が,プロレスラーであること及び購入している新聞が東京スポーツ等のスポーツ新聞や夕刊紙であることからすると,議員としてではなく,プロレス事業にかかわる者として購読するために購入したスポーツ新聞等の代金にほかならない。
また,上記スポーツ紙及び夕刊紙の購読が県政に直接かつ具体的に関わるような特段の事情がある場合は格別,そのような特段の事情が存在しない以上,政務調査費(資料購入費)によりこのようなスポーツ紙及び夕刊紙を購入することは許されない。
なお,「マニュアル」においても,「政務調査費から支出できない経費」として「私的活動経費への支出」及び「政務調査活動に直接必要としない備品等の購入」を挙げているところである。
したがって,その購入代金は「議会の議員としての調査研究に資するため,議員が行う調査研究のために必要な図書,資料等の購入または借上げに要する経費」とみることはできず,政務調査費(資料購入費)として支出することは許されない。
(13) 判定番号12(広報費)
41-22・23は「広報費」,52-36は「会議費」として支出されている。
そして,41-22・23の各支出は「県政報告印刷代」とされ,52-36の支出は「県政報告会に関する会場使用料」とされているが,「県政報告」のための費用は,議員活動のPRにかかる経費ないしは後援会活動の経費にほかならず,これらの活動は議員としての通常の活動ないしは後援会としての活動であって調査研究活動とは認められないというべきである。
なお,「使途基準」は「議員が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動に要する経費」を「広報費」として支出することを認めているが,「議員が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動」は議員が自ら行った議員活動の報告ないしPRにかかる経費にほかならず,いかなる意味においても「調査研究活動」ということはできないのであるから,そもそも「政務調査費」から「広報費」の支出を認めている本件使途基準自体が法100条14項に違反するものといわざるを得ない。
したがって,政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反する。
(14) 判定番号13(按分率50%を超える事務所費)
これらの支出は,「事務費」,「調査研究費」,「広報費」として支出されているが,いずれの支出も,電話代,携帯電話使用料,ヤフーインターネット・IP電話使用料,携帯電話購入,インターネット通信費,NHK受信料,水沢テレビ利用料金・インターネット利用料金,ドメイン維持費,ホームページレンタルサーバー,インターネット更新料,プロバイダー料,FAX料,通信代,電話機リース料等についての支出であり,しかも,按分率が50%を超えて支出されているものである。
しかし,本件要領及びマニュアルによれば,事務費につては使用頻度等により按分する必要があり,事務所費については按分率の上限が2分の1であり,これらを定めた趣旨からすると,事務所賃料及び人件費以外の経費についても,①私的活動の経費は政務調査費から支出することは許されず,②調査研究活動と私的活動とが混在している場合には,どの部分が調査研究活動に関する費用であるかを明確に整理した事務処理を行なうとともに,③政務調査費からの支出が許されるのは,調査研究活動に要した経費相当額に限定され,④仮に調査研究活動に要した経費相当額を算定することが不可能ないし著しく困難な場合には按分して費用を負担することとし,その按分率の上限は事務所賃料及び人件費の場合に準じて2分の1とされなければならないというべきである。
しかるに,上記各支出は,いずれもどの部分が調査研究活動に関する費用であるかを明確に整理した事務処理を行うことなく,したがってまた調査研究活動に要した経費相当額に限定されることなく恣意的に按分率が算定され,しかも50%を超える按分率をもって支出されている。
よって,上記各支出を政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程及びマニュアルに違反するものである。
(15) 判定番号14(按分率50%を超える人件費)
これらの支出は,「人件費」として支出されている。人件費については,本件要領によれば,按分して支出すべきとされており,また,マニュアルが,人件費について「常時又は臨時に雇用する職員で,調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費は,政務調査費から支出することができる。雇用関係を明確にする書類等を作成の上,議員が保管する」と定めるとともに「事務所職員を他の活動にも従事させている場合は,調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分し,その按分率は2分の1を限度とする」と定めている以上,当該議員において「もっぱら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費」であることを立証していない場合,その按分率が50%を超えることは許されない。
しかるに,判定番号14の各支出は,いずれも,「もっぱら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費」であることを明らかにする資料を提出することなく按分率50%を超えて人件費の全額について支出されているから,上記各支出を政務調査費から支出することは,法100条14項,本件条例,本件規程,マニュアル及び本件要領に違反する。
(被告の主張)
(1)ア 法が政務調査費交付制度を設けた趣旨は,地方議会の活性化を図るため,地方議員の調査活動基盤を充実させ,その審議能力を強化させるとともに,併せて,その使途の透明性を確保することにあり,法100条14項にいう「議員の調査研究に資するため必要な経費」とは,調査研究に直接用いられる費用のみに限られるものではなく,議会の活性化を図るため,議員の調査活動基盤を充実させてその審議能力を強化させるという観点からみて,調査研究のために有益な費用も含まれるものと解されており,原告が主張するような限定的なものではない。
イ 議会は,知事との二元代表制の下,合議制の機関として多様な民意を反映しつつ,長その他の執行機関を監視する等の重要かつ広範な役割を担っており,議会を構成する議員の職務は,自己研鑽に努めながら,県政の課題及び県民の多様な意見を的確に把握し,議会活動に反映させるというものである。かかる議員の職務からすれば,調査研究の対象となる事項は極めて広範である上,その調査研究のための方法は各目的及び対象事項により様々に異なっている。そして,かかる議員の政治活動の自由を保障する必要があり,調査研究活動については,議員の自主性が尊重されており,その県政との関連性の程度や調査研究の手法も含め議員に広範な裁量が認められている。
したがって,政務調査費は県が支出するものであるから,一般的には県知事の調査・検査の権限が及ぶものではあるが,上記のとおり,議員に広範な裁量が認められていること,議員の多様な調査研究活動に使用される政務調査費の使途の最終的な説明責任は議員にあると考えられることから,知事の調査・検査の権限が及ぶ範囲は限定的なものとならざるを得ない。具体的には,知事は,政務調査費収支報告書写しの送付を受けた場合に,本件条例及び本件規程に定める本件使途基準に該当しているか,収支報告書の記載事項に漏れがあるか,収支報告書と添附資料との数値が一致するか等の外形的な要件を調査・検査しているのであり,政務調査費の使途の具体的な内容にまで立ち入って調査・検査を行うものではない。
ウ 原告は,調査研究活動の成果がなければ政務調査費の支出は許されない旨主張するが,上記のとおり,調査研究活動については,議員の自主性が尊重されており,その県政との関連性の程度や調査研究の手法も含め議員に広範な裁量が認められているというべきであり,議員が行った活動が本件使途基準に該当し,その活動に調査研究の実質があると認められる限りにおいて,政務調査費をどのように使用するかについては,議員の自主性,自律性を尊重し,当該議員の裁量に委ねられているというのが法及び本件条例の趣旨であると解されるし,法令上「成果報告を行わなければならない」という規定もないのであるから,政務調査費の使途を狭く,限定的に捉えた原告の主張は,制度の趣旨を損なう見解といわざるを得ない。
エ また,原告は,マニュアルは議員の政務調査費の支出の準則として制定されたものであるから,各議員はマニュアルに従った支出を行わなければならず,これに違反する支出は違法な支出であると主張する。
しかし,マニュアルは法令等の委任を受けたものではなく,またその作成経過及びその内容からして,マニュアルの性格・位置づけは,議会自らが政務調査費の適正な執行と使途の透明性を確保するとの制度趣旨の徹底とその具体化を図るためのものであり,議員自らが政務調査費のより適正な執行と会計処理に資するため,ガイドライン(指針)として運用の目安として作成されたものであることは明らかであるから,仮に,マニュアルの記載に沿わない内容のものがあっても,そのことが直ちに法的非難を受けることにはならない。
オ そして,本件各支出について見るに,収支報告書の別紙に記載された実施事業の名称及びその主な内容の記載,領収書様式に記載された事業名,使途及び内容等の記載をみても,明らかにその支出が違法なものであることを窺わせる事情はない。
(2) 判定番号1(所属団体の活動資金となる年会費)について
判定番号1に関わる団体・連盟等は,議員が県政の個別課題に対する調査研究や研修を行うために自発的に設置しているものがほとんどであり,会費はその団体・連盟等の活動経費を賄うためのものであるから,その団体・連盟等の活動内容や実態は調査研究活動に適うものであり,本件使途基準の調査研究費及び研修費に該当する適正な支出である。
(3) 判定番号2(飲食費・個人的交際費)について
食糧費は,調査研究活動に要する経費として,調査研究活動としての会議等との一体性を有する場合に充てられるものであり,また,議員以外の他者が主催する会合等への参加費(会費)は,実質的な意見交換や情報交換が中心であれば政務調査費から支出できる。
判定番号2の各支出は,議員又は会派に属する議員が,調査研究のために,関係団体や関係者との意見交換や情報交換等を主目的とした会合等に参加した際の経費であり,本件使途基準の調査研究費,研修費及び会議費に該当することから,支出は適正である。
(4) 判定番号3(5000円以上の懇談会費飲食費)について
政務調査費に係る調査研究活動は,議員の自発的な意思に基づいて行われるものであり,調査研究に要した費用の実費を支出することを原則としている。
判定番号3の各支出は,県議会議員として,団体等が開催する懇談会等に調査研究のための意見交換や情報交換等を目的として参加した経費を実費支出したものであり,社会通念上許容される範囲のものであって,本件使途基準の調査研究費,研修費及び会議費に該当することから,支出は適正である。
(5) 判定番号5(私用支出)について
ア 判定番号5の各支出のうち,団体等との懇談会及び研修会の参加会費については,議員が団体等から調査研究に必要な個別課題や地域課題等に係る意見聴取や情報収集等をするために必要とした経費であり,本件使途基準の調査研究費及び研修費に該当することから,支出は適正である。
イ 電話料等の通信費は,議員が県政課題や地域課題等の情報収集や地域要望の確認等の調査研究に要する経費であり,本件使途基準の事務費に該当することから,支出は適正である。
ウ なお,議員番号1(C1)の岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会の宿泊費(1-22)に関連した経費については,別に当該議員懇談会が発行した領収書があり,宿泊費の一部に重複が生じたことから,C1が平成18年7月5日付けで平成17年度政務調査費収支報告書の修正を議長に提出し,宿泊費の重複分9000円は既に返還された。すなわち,当該議員懇談会による研修会は13日から15日までの2泊3日の行程で行われたところ,C1以外のメンバーは宿泊費(2泊)を含めた旅行費用に係る領収書が当該議員懇談会から出され,C1についても同様に2泊分を含む領収書が出されたところ,正しくは,同人については1泊分は当該議員懇談会,残り1泊分は同人が直接支出したものであった。このため,同人は,当該議員懇談会が誤って発行した領収書の写し(乙1の4)及び当該議員が直接支出した領収書の写し(乙1の5)をそれぞれ収支報告書に添付したために,同一の事由で支出した1泊分の宿泊費が重複したことから,当該議員懇談会から正しい領収書の提出を受け,平成18年7月5日に収支報告書の修正(乙2の1~乙2の4)を行って9,000円の返還に至ったのである。
また,乙1の5の領収日は「2005.12.15」とされていること,宿泊代は宿泊した日の翌日に支払うものであることは顕著な事実であることからすれば,C1は14日に宿泊した代金を15日に支払い,他の議員と同様に15日には宿泊していないものと認めることが相当であるから,15日に宿泊したとする原告の主張には根拠がない。
なお,なぜ一泊分をC1が直接支出したかについては,被告は把握していない。
(6) 判定番号6(政党活動・後援活動・選挙活動)について
政党主催の研修会や国会議員の国政報告会の会費等については,その研修会の実態が調査研究活動に適うものであれば支出することが可能なものである。
判定番号6の各支出は,地方議員の政策への関わり方や地方分権社会の推進における国と地方の在り方等の研修会等への参加経費であり,本件使途基準の調査研究費,研修費及び会議費に該当することから,支出は適正である。
(7) 判定番号7(違法な委託費)について
判定番号7の各支出は,議員が他の団体や個人に実施させた方が効率的であるとして,県政課題や地域課題について,調査・研究を委託したものであり,本件使途基準の調査研究費に該当することから,支出は適正である。
また,委託先が不明とされた案件については,受託者(領収者)が個人の場合であり,岩手県議会情報公開条例に基づき,公文書開示において個人名を非開示としていることによるものである。
(8) 判定番号8(違法な人件費)について
人件費は,常時又は臨時に雇用する職員で,調査研究活動の補助業務に従事した者に対し,報酬,給料,手当,共済費等,一定の勤務に対する対価として支払われる経費である。
判定番号8の各支出は,議員の調査研究活動に係る事務を補助するために必要な人員として常時雇用されている場合であり,その給料等は,本件使途基準の人件費に該当することから,支出は適正である。
(9) 判定番号9(親族,関連会社からの事務所借上げ費)について
事務所は,議員が行う調査研究活動に必要なものである。
判定番号9の各支出は,調査研究活動が実際に行われ,外形的な要件も備わっており,使途基準の事務所費に該当することから,支出は適正である。
(10) 判定番号10(私的な書籍購入費)について
ア 新聞は,社会の出来事の報道・解説・論評をすばやく,かつ広く伝えるための定期刊行物である。
判定番号10の各支出は,議員が調査研究に必要な情報等を収集するために新聞や図書を購入したものであり,スポーツ新聞においても,スポーツ分野の出来事が中心ではあるが議員の調査研究資料として必要なものである。
また,図書については教育改革,国際交流及び雇用問題等の調査研究のために購入したもので,各図書及び新聞の購読料は使途基準の資料購入費に該当することから適正である。
イ 本県では,平成15年5月から政務調査費収支報告書に政務調査費を支出した全ての領収書の写しを添付してこれを公表していることからすれば,当該議員は購入した書籍名も公表されることを当然認識していたものといえ,また,当該議員が購入した書籍等のすべてが政務調査費から支出されているという事情も窺われないことから,当該議員は調査研究の参考とするため書籍等を購入したとするのが妥当である。
そして,購入した書籍等を参考とした調査研究活動の成果を表す一つの場として本会議の一般質問があるが,当該議員が行った一般質問は,当該議員が購入した書籍のジャンルとの関連性が窺われる。また,収支報告書の別紙に記載された実施事業の名称及びその主な内容の記述をみても,明らかにその支出が違法なものであることを窺わせる事情はない。
もとより,政務調査費は,調査研究のために有益な費用も含まれ,その支出については議員の裁量に委ねられているのであり,参考資料となり得ないことが明らかな場合を除き,政務調査費から支出できるのであり,当該支出は適正なものである。
(11) 判定番号12(広報費)について
県議会において,県民の意思を適正に収集,把握することは議員の調査研究の一つとして重要である。議会活動及び県政に関する政策等を県民に知らせることは,県政に対する県民の意思を的確に収集,把握するための前提として意義を有するものである。
広報費は,議員が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動に関する経費を対象とするものであり,調査研究に直接用いられる費用ではないとしても調査研究のために有益な費用ということができる。
したがって,政務調査費を広報費に使用することは制度の趣旨に適うものであり,判定番号12と記載された各支出も適正である。
(12) 判定番号13(按分率50%を超える事務所費)について
判定番号13の各支出は事務費に該当する。そして,通信料等の按分については,調査研究活動に要した部分とそれ以外の活動に要した部分を明確に区分し難い場合に,議員の活動実態に応じて行われるものであり,按分率は,個々の議員の活動実態に応じて議員が定めるものである。また,事務費の按分については,按分率を2分の1を限度とするとの規定はない。したがって,判定番号13と記載された各支出は適正である。
なお,平成14年3月の政務調査費検討実務者会議による政務調査費に関する検討報告書では,按分率は,各議員の活動実態がまちまちで一律にこれを定めることは実態に適わないとともに,その設定も困難であることから,政務調査費の交付を受ける議員個人が,それぞれの活動実態に応じてこれを決定することとした。
(13) 判定番号14(按分率50%を超える人件費)について
人件費は,常時又は臨時に雇用する職員で,調査研究活動の補助業務に従事した者に対し,報酬,給料,手当,共済費等,一定の勤務に対する対価として支払われる経費である。また,調査研究活動の補助業務に専ら従事した者に係る人件費は,その全額を政務調査費から支出できることとされている(本件要領第4)。
判定番号14の各支出は,議員の調査研究活動に係る事務に専ら従事させるために必要な人員として雇用されているものであり,その給料等は,使途基準の人件費に該当するものである。したがって,支出は適正である。
(Z25ほか21名(議員番号3,5,11,13,15,17,19,22,24,26,28,30,33,34,36,38,42,45,46,47,49及び52)補助参加人(b1党所属議員)の主張)
(1) 政務調査費の性質について
ア 政務調査費の対象
政務調査の政務とは,専ら県政に関するものであるが,場合によっては国政に関わるものも含まれる。そして,県政の範囲は,政治,行政,日常全般等と広範多岐に渡るが,県会議員はそのような広範多岐にわたる項目について知識を有している必要がある。
したがって,政務調査の対象は,極めて広範な事項に及ぶことが本来的に予定されているのであり,各議員が本訴訟で問題とされている多様な事項について調査することは何ら違法ではない。
イ 政務調査の結果は,目に見える形だけではなく,目に見えない形でも県議の活動に生かされるのであり,逐一政務調査の結果を必ず目に見える成果として提示しなければならないというのは現実を無視した議論と言わざるを得ない。政務調査による成果が必要であるとする考えは,政務調査の性質を正しく把握していないものである。
そして,成果を求めるという考えや,その他原告が主張するような厳格な基準により,政務調査費としての支出の適法性が判断された場合には,県民のために多くのことを真摯に学ぼうとする議員にとっては厳しい制約となり,ひいては,幅広い自由な議員の調査活動を萎縮させ,抑制してしまうこととなるなどといった問題が生じる。
(2) 政務調査費支出の法的基準について
ア 法100条14項を受けて,本件条例7条は,「議員は,政務調査費を別に定める使途基準に従い使用しなければならない。」と規定し,その使途基準は,本件規程3条別表により規定されている。これが政務調査費の支出に関する具体的な法規である。
また,本件規程7条は,「この規程に定めるもののほか,政務調査費の交付に関し必要な事項は,議長が別に定める。」とし,これを受けて,「政務調査費の交付に関する事務処理要領」が規定されている。
したがって,本件規程及び本件要領が,本件における政務調査費支出の法的基準となるのであり,これらに則って支出がされている限り,違法の問題は生じない。
イ 原告は,マニュアル違反の支出を違法と評価し,政務調査費の返還を求めている。しかし,マニュアルは,あくまで県議会議員の間で目安として作成されたものでしかなく,県議会の議決を経て制定されたものでも法規による委任に基づき制定されたものでもないから,法規範ではなく法的拘束力は有しない。したがって,マニュアルに反する政務調査費の支出がされても,それについて違法の問題は生じない。
(3) 判定番号1(所属団体の活動資金となる年会費)について
ア 議員連盟は県政の重要政策課題解決に向けた各団体との意見交換や講師を招いての研修会等を行っており,いずれの議員連盟も県議の活動に必要なものであるからこそ存在するものである。
もっとも,各議員連盟の性質,内容に応じて活動実績は異なるし,同じ議員連盟であっても年度によって活動実績が変わることは当然であり,それによって,収支も異なってくる。また,支出した費用の多寡と活動が活発か否かは必ずしも比例するものでもない。
また,ある年度に議員連盟の収支に繰り越しが生じても,繰り越し分が,翌年度以降に必要に応じて支出されることは十分にあり得る。
さらに,原告は「調査研究の実績がないこと」を違法とする理由としているが,いずれの議員連盟についても調査研究の実績はあるし(甲5),また,議員連盟の会費は年度途中に支出することが多いが,支出時において,翌年3月の年度末時点における当該議員連盟の当該年度の調査活動実績を予測することは困難である。それゆえ,ある年度末に特定の議員連盟について,結果として,比較的多額の繰越金が生じたからと言って,各議員による会費の支出が,支出時に遡って違法となるものではない。
イ 議員連盟は,年度当初に事業計画を作成するが,様々な事情により予定が実行されないことは当然にあり得ることである。予定が実行されなかったことにより生じた残金について繰越金として処理をすることは,通常許される会計処理である。また,次年度以降に前年度に行わなかった事業を行うことは十分にある。
そもそも,政務調査費は県から各議員に対して支給されるものであり,議員連盟に対して支給されるものではないから,議員連盟において残金が生じたとしても,県が議員連盟に対してその返還を求めることができないのは当然であるし,また,議員連盟に金員が残っているからといって,同額を各議員に返還するよう求めることは法的に不可能である。
ウ 原告は,本件条例11条及び地方自治法施行令159条を会費支出の違法性の根拠とする。
しかし,本件条例11条は,知事に対して,概算で支払った金額の残余金の返還を求めるよう規定するものであり,各議員が行った支出自体を違法とするものではない。また,施行令159条は,精算残金を返納させる場合の手続を定めたものであり,各議員の行った支出を違法とするものではない。したがって,これらの法規は,議員の行った支出の違法性を根拠づけるものではない。
エ 議員連盟等は,すべからく県会議員の活動に必要であるからこそ存在しており,個別の議員連盟等の目的,活動内容について論じる必要はないと考えるが,それらについて述べると次のとおりである。
(ア) 岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会
この会は,保健・医療・福祉に関する諸課題について幅広く調査,研究し,もって本県の保健・医療・福祉の発展に寄与することを目的とし,この目的に賛同する岩手県議会議員をもって組織される研究会である。この会では,保健・医療・福祉に関する諸課題に関し,造詣の深い講師を招き,研修会を開催し,あるいは関係団体との意見交換会を開催するとともに,保健・医療・福祉に関する参考図書等を配布するなどの上記目的に沿った活動がなされており,この会に関する補助参加人らの支出に違法,不当な点はない。
(イ) 岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会
この会は,男女共同参画に関する諸課題(女性の参画拡大や男女が共に仕事と子育て,介護と両立できる環境作りその他)について,幅広く調査,研究し,もって本県の男女共同参画の推進に寄与することを目的とし,この目的に賛同する岩手県議会議員をもって組織される議員協議会である。この会では,男女共同参画の課題に関し,造詣の深い講師を招き,講演を聴講するとともに,男女共同参画白書等の参考図書及び資料等を随時配布するなどの上記目的に沿った活動がなされており,この会に関する補助参加人らの支出に違法,不当な点はない。
(ウ) 岩手県議会大連友好議員連盟
この会は,岩手県と中国大連市との経済交流の振興を促進し,もって,岩手県の地域経済の発展に寄与することを目的とし,これに賛同する岩手県議会議員をもって組織する議員連盟である。この会では,上記目的に沿った情報収集,中国進出企業の代表者による講演などの活動がなされており,この会に関する補助参加人らの支出に違法,不当な点はない。
(4) 判定番号2(飲食費・個人的交際費)について
ア 飲食(酒類を含む)を伴う活動が問題とされているが,飲食(酒類を含む)を共にし,うち解けた雰囲気の下,ざっくばらんな議論をする中で相手方から情報を引き出し,また忌憚のない意見を出し合うことが可能となることは,社会生活上頻繁に見られることであり,これは,議員の調査研究活動にあっても同じく妥当することである。
したがって,単に飲食を伴う会であることを理由として会費の支出を違法ということはできず,飲食物が提供される会の会費ないし会に引き続き行われる懇親会等の会費の支出は適法である。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 議員番号3(Z25)について
a 補助参加人Z25が県会議員となった主な目的は2つあり,一つは教育,もう一つは中心市街地活性化である。教育を目的としていたのは,同人が,前職の教師時代に,若者が自分に自信を持てない原因が自国に誇りを持つことができないことにあると考え,そうした現状に危惧と憂慮を抱き,教育の現場を変えたいという思いを有していたことによる。また,中心市街地活性化を目的としていたのは,自分が生まれ育った盛岡市の中心地が徐々に寂れてきていることを心配し,かつてのような賑わいを取り戻し活性化させたいという思いを有していたことによる。
そのため,同人は,かかる目的を実現すべく政務調査を行ってきた。また,平成17年度は,同人にとって県議としての1期目の時期であったため,県議として必要な多様な知識を身につけようとし,様々な会に参加し知見を得ようとしたのであり,政務調査費もその会費等に用いている。
以上を前提に,同人に関する支出をみるに,違法なものはない。
b 岩手県立大学新学長を歓迎する県民の集い会費(3-28)
岩手県立大学は,IT関係の論文数が全国一位という岩手県が誇るべき業績を上げており,岩手県の教育行政において重要な地位を占めている。そこで,補助参加人Z25は,新学長が前学長と同様に業績を支える学生を輩出できるのか等について情報を得るために,同会に出席して学長と会い,国際交流などについて話をした。また,補助参加人Z25は,このときにできた面識を生かして,後日,学長との会合を持ち,詳細な話と県議としての協力を方策している。
よって,同会への参加費は,政務調査費として適法である。
c a美術館「館長歓送迎と会員交流の夕べ」会費(3-29)
補助参加人Z25が,同会に参加した目的は,教育の一環としての文化芸術振興と中心市街地活性化にあり,盛岡の町を歩いて観光できるというコンセプトの実現のために,a美術館の知見を得るためであった。
したがって,同会への参加費は適法である。
d 岩手日英協会総会懇親会費(3-30),岩手日英協会講演会・懇親会会費(3-32)
補助参加人Z25は,岩手県といえども,国際社会の中で,対外的,国際的な事項を知らずして政治はできないと考え,なかなか得られないアメリカ以外の情報を得るために,ヨーロッパやアジアの国等を中心に会に入会していた。
そして,歴史と文化の深いヨーロッパの町並みこそ盛岡において参考にされるべきと考え,岩手日英協会に参加したものであり,同会に関する会費の支出は適法である。
(イ) 議員番号17(Z30)について
a 消防出初式昼食会会費(17-18)
消防活動は,県民の身体,生命及び財産を守る命綱ともいえる重要な活動である以上,出初式に県民の代表たる議員が列席し,また,昼食を共にしながら,消防団員等関係者から消防活動等に関する現状や意見を聞くなどすることは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。よって,出初式の昼食代は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ウ) 議員番号30(Z36)について
a 岩手県立大学新学長を歓迎する県民の集い会費(30-18)
同会には,新学長のほか,多くの大学関係者が出席していたところ,人材育成に邁進する岩手県立大学の新学長や大学関係者等との交流を深め,意見交換等を行うことは,県の事務ないし地方行財政に関する調査研究活動である。よって,本集いの会費は,調査研究費ないし研修費にあたり,その支出は適法である。
(エ) 議員番号33(Z37)について
a 在京同郷人との懇談会会費(地域課題関連の意見聴取)(33-19)
同会においては,東京都在住県人から見た岩手県南沿岸部の地域課題(産業振興,住宅団地の開発等)について意見交換がなされており,岩手県の現状につき,県外に居住する県出身の専門家からの意見をも拾い上げる等して,より多くの声を県政に生かしていくことは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。また,本会費は,議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に関する経費である。
よって,本会費は,調査研究費ないし会議費にあたり,その支出は適法である。
(オ) 議員番号34(Z38)について
a 農林業に関する研究会会場費(34-20)
同研究会では,当日の担当講師として,釜石地方振興局農林部長を招き,釜石市の市議会議員も参加して,○○地域の農林業に関する現状把握を行っており,活発な意見交換がなされている。
また,本会場費は,議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に要する経費でもある。なお,同会においては,飲食物は提供されていない。
よって,本会場費は,調査研究費ないし会議費にあたり,その支出は適法である。
(カ) 議員番号45(Z42)について
a 飲食代(岩手県PTA連合会会費,45-19)
補助参加人Z42は,同会及び懇親会にて,法人化した後のPTAの現状を聴取し,また,参加した父兄らと今後のPTAのあり方を議論するなどした。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
b 食事代(県政報告会打合せの際の昼食代,45-21)
補助参加人Z42は,平成17年11月15日,県政報告会に向けて事務員らとのスタッフ会議を開催し,その際に食事代を支出した。なお,酒類の提供はなかった。
県政報告会は議員としての活動を県民に伝え交流を図る重要な機会である以上,それに関連して支出した費用も,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動に資するものである。
また,同費用は,議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に要する経費でもある。
よって,同昼食代は,調査研究費ないし会議費にあたり,その支出は適法である。
(キ) 議員番号52(Z46)について
a 農業に関する意見交換に関連する食事代(52-23)
同意見交換会では,農業関係者との農業を取り巻く現状や地域課題についての意見交換,要望の聴取,有休農地等の現地調査及び道路改修要望のある路線の視察等を行った。同食事代は,同会に補助のために同行した事務員の昼食代であり,酒類は提供されていない。
上記活動は,調査・研究活動であり,同食事代は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
b 競馬に関する意見交換に関連する食事代(52-24・25)
補助参加人Z46は,出席した岩手競馬の関係者から,県政の重要課題である岩手競馬の諸問題を聴取し,議論を行った。なお,同会では,食事が提供されたが,酒類は提供されていない。
上記活動は,調査・研究活動であり,同食事代は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(5) 判定番号3(5000円以上の懇談会費・飲食費)について
ア 単に飲食を伴う活動であることを理由として,会費等の支出を違法とすることはできないことは,判定番号2と同様である。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 議員番号26(Z34)について
a 日ロ協会岩手県センター40周年の集い会費(26-7)
同センターの結成40周年の集いには,前岩手県知事のG氏や現知事のY氏等が来賓として招かれ,さらに,日本ロシア協会会長のH氏が「21世紀の日ロ関係を展望して」という演題で記念講演を行った。
そして,同センターの目的及び目的達成のための事業内容にも鑑みれば,県の国際化及び文化発展への寄与に貢献するという重要な意義を有するセンターの集いに補助参加人らが参加することは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(イ) 議員番号49(Z45)について
a 日ロ協会岩手県センター40周年の集い会費(49-22)
上記(ア)(26-7)に同じである。
b 一関市議会議員との県政懇談会会費(49-23)
同懇談会には,補助参加人Z36及び一関市議会議員が出席し,一関地方の市政課題の把握及び県政への反映方法等につき,積極的な意見が交わされた。県政を担う補助参加人にとって,市政を担う市議会議員との交流の機会は有益であり,相互の地域課題について討論し,情報を得ることは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(6) 判定番号5(私用支出)について
個別具体的な主張は次のとおりである。
ア 議員番号3(Z25)について
(ア) 盛岡間税会平成17年度分会費(3-1)
盛岡間税会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(イ) いわてみらい創造ネットワーク平成17年度年会費(3-3)
いわてみらい創造ネットワークの目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同ネットワークに参加し,研修等を通じて多様な知識を得ることは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ウ) (財)岩手県国際交流協会会費(3-25)
財団法人岩手県国際交流協会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会の国際交流活動に参加することは,県民の国際意識を高め,県の国際化,発展へと結実するものであり,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,補助参加人Z25が,同会へ入会した理由については,上記(4)イ(ア)d記載のとおりである。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(エ) E後援会出席タクシー交通費等(3-35~37)
同講演会は,「日本の昭和史」に関する歴史講座であり,正しい歴史認識を伝え自国を愛せる人々を育てるとの趣旨で,多数の受講生参加の下,開催された。
補助参加人Z25は,自虐史観と言われる教育の現状を変え若者に自国に対する誇りと自信を持たせるという自らの政策課題を実現するためには,自身が自国の歴史を正しく知る必要があるため,同講演会に参加した。
そして,同人は,同講演会で得た知識を生かして,教育基本法改正の請願が県議会で採択されるよう活動するなどしていた。
よって,同講演会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であり,同会参加のための交通費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(オ) F講演会チケット代(3-38)
F氏は,食と健康についての専門家である。
補助参加人Z25は,農林水産業が岩手県の基幹産業であることから,食の安全と安心を標榜するための裏打ちとなる知識を得て,一次産業の振興を図ろうと考え,同講演会に参加した。また,同人は,盛岡市近郊の農家の人々とF氏の考え方について語り,販路を拡大していくことなどについて語り合っている。
したがって,かかる活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であり,同講演会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(カ) o会会費(3-39・65)
同会では,県政に関わる国政情報を直接,早期に入手することができるのであり,同会への参加は,政務調査にあたり,政党に関わる会であるからといって,その参会費を政務調査費の対象から外すべきではない。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(キ) グループGAN・MOの会4月例会会費(3-40)
補助参加人Z25が参加した4月例会は,NPO法人日本ソーシャルマイノリティ協会新宿救護センターの支援を目的として,盛岡駅前のホテルルイズにて開催された。当日の講師として招かれたI氏(以下,「I氏」と言う。)は,同センターを開設した人物であり,「◎◎駆け込み寺」の運営者として全国的に知られた人物でもある。
補助参加人Z25は,I氏の講演により,多重債務者問題,いじめ問題及びDV被害者問題等に代表される社会的弱者の現実を,より一層把握することができた。また,補助参加人Z25は,平成17年3月14日の予算特別委員会,平成17年12月8日及び同19年3月14日の環境福祉委員会等における,犯罪被害者や弱者支援法に関する議論の際にも,積極的に発言してきた実績がある。
社会的弱者救済の重要性は,現在,本県においても,喫緊の課題となっているのであって,第一線で被害者救済に奔走している人物の講演を聞いて社会的弱者の現状とその救済方法について認識を深めることは,県の事務及び地方行財政に関する調査研究活動と言える。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ク) 盛岡市日中友好協会年会費(3-41)
盛岡市日中友好協会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会に参加し活動することは,県の国際化及び文化発展への寄与に貢献するという重要な意義を有するのであって,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,補助参加人Z25が,同会へ入会した理由については,上記(4)イ(ア)d記載のとおりである。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ケ) g会会費(3-42・66)
補助参加人Z25は,自虐史観と言われる教育の現状を変え若者に自国に対する誇りと自信を持たせるという自らの政策課題を実現するためには,自身が自国の歴史を正しく知る必要があるため,同会に参加した。同会では,平成17年4月20日に盛岡グランドホテルにて開催された総会において,元統合幕僚会議議長であるJ氏による「海と国防」と題した記念講演会が行われた。
そして,補助参加人Z25は,同会で得た知識を生かして,教育基本法改正の請願が県議会で採択されるよう活動するなどしていた。
よって,補助参加人の同会における活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であるので,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(コ) 世界アルペン記念いわてボランティア通訳の会会費(3-43)
世界アルペン記念いわてボランティア通訳の会(IVIS)の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会の一員として各種活動を行うことは,議員連盟である日韓親善岩手県議会議員連盟や日本国際連合協会岩手県本部等と同様,県の国際化及び文化発展への寄与に貢献することにつながるのであり,その活動は,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,補助参加人Z25は,地域限定通訳の矛盾につき,不合理な点を改めて欲しい旨県に要請して,県からは国に対して働きかけていくとの答弁を引き出している。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(サ) 岩手県ユネスコ協会連盟会費(3-44・52)
岩手県ユネスコ協会連盟は,1948年に全国のユネスコ協会の連盟体として設立された社団法人日本ユネスコ協会連盟(現在は,非政府組織NGOとして,「世界寺子屋運動」「世界遺産活動」「青少年育成」の三つの事業を柱に,多岐に亘る活動を展開している。)の構成団体会員(地域的,職域的又はそれらに準ずる単位ユネスコ協会及びその連合体を指す。各地ユネスコ協会がこれに当たる。)である。
ユネスコ協会は,ユネスコ憲章の精神に則り,国民的ユネスコ活動を推進することを目的とし,同目的を達するために,ユネスコ活動の組織育成,日本ユネスコ国内委員会に対する協力,ユネスコの対日事業計画に対する協力,国際連合及びユネスコに関する研究,調査,宣伝及び啓蒙,国際理解に資する内外の文化交流その他を事業内容としている。日本ユネスコ協会連盟では,同目的・事業内容を受け,各地のユネスコ協会とともに各種の活動に取り組んでいる。
補助参加人Z25が,かかる有益な活動に参加し,その活動を援助することは,国際化が進む現代における県政発展にとっても非常に重要であり,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,同会で開催する講演会等への参加費は,団体等が開催する研修会,講演会等への参加に要する経費である。
よって,同会費は調査研究費ないし研修費にあたり,その支出は適法である。
(シ) 盛岡絆の会会費(3-45・46・49・55・56・59・61・62・64・67)
同会においては,各界の専門家を講師として招き,講演が行われており,また,同会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,盛岡選挙区選出の県会議員である補助参加人Z25が,同会に参加して,最も身近に居る盛岡市民の声を拾い上げ,多種多様な問題点や要望事項についての見識を深め,また,各界の専門家の講演を聴くことなどで知見を広めることは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ス) 新しい歴史教科書をつくる会年会費(3-47)
補助参加人Z25は,自虐史観と言われる教育の現状を変え若者に自国に対する誇りと自信を持たせるという自らの政策課題を実現するためには,自身が自国の歴史を正しく知る必要があるため,同会に参加した。
そして,補助参加人Z25は,同会で得た知識を生かして,教育基本法改正の請願が県議会で採択されるよう活動するなどしていた。
よって,同会に参加することは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であり,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(セ) ITC盛岡クラブ第12期年会費(前期)(3-48)
インターナショナルトレーニングインコミュニケーション(ITC)は,コミュニケーション能力と指導力の進歩的で質の高い訓練を行い,また,スピーチコンテストなどを開催している団体である。
同会では,政治に関することから家庭内の卑近な出来事まで多種多様な事柄を題材にして,スピーチやディベートの訓練プログラムが施されているが,同プログラムを通じて,トピックな出来事や問題点についての理解を深め,また,深い議論をすることができる。また,県会議員は,議会,委員会その他の活動において県民の意見を反映させるためには,相手方へのわかりやすい説明ないし説得のために,スピーチやディベートの高い能力が要求されるが,スピーチやディベートの訓練プログラムは,その能力を高めることに資するものでもある。
そして,補助参加人Z25は,同会の活動を通じて,各種問題に関する問題意識を高め,広く県民の声を議会に届ける素地を作ることができたのであり,かような活動は,まさに県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ソ) パリ祭会費(3-50)
当該会費は,盛岡日仏協会の年会費と総会における懇親会費であるところ,盛岡日仏協会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会に係る活動は,県民の国際意識を高め県の文化発展に寄与する観点から非常に有益であるから,同会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,補助参加人Z25が,同会へ入会した理由については,上記(4)イ(ア)d記載のとおりである。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(タ) トーテムポールを守る会歓迎会参加費(3-51)
補助参加人Z25が,同会に参加した目的は,教育の一環としての文化芸術振興と中心市街地活性化にあり,盛岡の町を歩いて観光できるというコンセプトの実現のために,トーテムポールについての知見を得るためであった。
したがって,同会への参加費は適法である。
(チ) NPO法人のびっこ会費(3-53)
NPO法人のびっこ寮育センター(以下「のびっこ」という。)は,知的障害児を療育する等の目的で設立された団体であり,在宅障害児・障害者のための家庭支援,自立支援活動,幼児・学童保育事業等を,その事業内容としている。
補助参加人Z25は,のびっこからの訴えにより,給付金を巡る不平等を是正するよう市町村に働きかけ,その結果,実際に不均等は是正された。また,のびっこの会費を支払い,会員として参加することでのびっこの活動を知り,現場の実情を把握することが可能となり,議会の活動の素地を強固なものとすることができた。
したがって,かかる活動が,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であるから,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ツ) 盛岡・マニラ育英会会費(3-54)
補助参加人Z25は,同会にて里子支援等の活動を積極的に行い,草の根からの海外交流を実践しているが,かかる活動は,県民の国際意識を高め文化発展に寄与する観点から非常に有益であるから,同会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,補助参加人Z25が,同会へ入会した理由については,上記(4)イ(ア)d記載のとおりである。
したがって,同会への参加費は適法である。
(テ) 家庭倫理の会岩手盛岡支部会費(3-57)
補助参加人Z25は,親孝行,父母や先祖を敬うという当たり前のことが学校現場でははっきりと言えないという現実を変えるために教育基本法を改正しようとしていたが,家庭倫理の会では,まさに親孝行や父母や祖先を敬うという活動に取り組んでおり,同会へ参加して知見を得ることは,かかる補助参加人Z25の政策実現に資するものであり,政務調査にあたる。
また,補助参加人Z25は,同会で得た知見を生かして,教育基本法改正の請願が県議会で採択されるよう活動するなどしている。
よって,同会費は適法である。
(ト) 盛岡木鶏クラブセミナー受講料(3-58)
同クラブでは,平成17年11月6日,ホテル東日本において,平泉中尊寺貫主のK氏を招き,「心の力を語る。」と題した講演会を開催した。
当時は,平泉の世界遺産登録という課題に,県として取り組みを大きく進めようとしている頃であり,商工文教委員会の委員でもあった補助参加人Z25は,平泉の平和思想という精神性の高い文化への理解を深めておくことが県議会議員として重要であると共に,世界遺産登録問題は,いずれ県の重要課題になるとの認識の基に,同講演会に参加した。
したがって,同講演会への参加は,県の事務及び地方行財政に関する調査研究活動であるところ,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ナ) 盛岡市スポーツ人の集い会費(3-60)
主催者である財団法人盛岡市体育協会における活動は,スポーツに関する諸課題について調査・研究し,もって本県のスポーツの振興に寄与することを目的としているのであり,補助参加人Z25がかかる場に参加することは,県の事務及び地方行財政に関する調査研究活動である。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ニ) 岩手日英協会会費(3-63)
補助参加人Z25が,同会へ入会した理由については,上記(4)イ(ア)d記載のとおりであり,同会への参加はその目的に資するものである。
したがって,同会への参加費は適法である。
イ 議員番号5(Z26)について
(ア) 岩手・ベトナム青少年を支援する会平成17年度会費(5-18)
補助参加人Z26は,ベトナムからの留学生が大学入学時に必要となる身元保証人になる等して同会の活動を積極的に支援し,草の根からの海外交流を実践している者であり,また,同会の目的及び目的達成のための事業内容にも照らせば,かかる活動は,岩手県民の国際意識を高め文化発展に寄与する観点から非常に有益であるから,同会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
ウ 議員番号15(Z29)について
(ア) 大船渡市防犯協会連合会17年度会費(15-7)
治安維持は県民生活の根本であり,犯罪予防を目的とした同連合会の会員として,その活動に協力し防犯に関する情報を収集することは,県政を担う議員にとって必要不可欠な活動であり,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
エ 議員番号17(Z30)について
(ア) いわてみらい創造ネットワーク会費(17-2)
上記ア(イ)の3-3の支出について述べたのと同じ理由から,その支出は適法である。
オ 議員番号24(Z33)について
(ア) きたかみ巨木の会会費(24-23)
同会に参加することにより,県の貴重な観光資源とも言える巨樹銘木につき理解を深める場に参加し,林業政策や自然環境政策の素地を固めることは,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
カ 議員番号45(Z42)について
(ア) 電話料(45-25)
当該支出は,自宅の電話料金の7割を計上したものである。
補助参加人Z42の妻と子はほとんど携帯電話を使用し,また,祖母はほとんど電話を掛けることがないため,自宅の固定電話を使用するのは,補助参加人Z42のみであるに等しい。
そして,同人が固定電話を使用する際は,ほぼ全てを政務調査のために使用しているところ,確実なところとして固定電話料金の7割を政務調査費として計上したものである。
よって,同電話料金は事務費にあたり,その支出は適法である。
(イ) o会会費(45-27)
上記ア(カ)の3-39・65の各支出について述べたのと同じ理由により,当該支出は適法である。
(ウ) h1町国際交流協会賛助会員年会費(45-28)
h1町国際交流協会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,同会の活動は,岩手県民の国際意識を高め文化発展に寄与する観点から非常に有益であるから,同会への参加は,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費の支出は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(エ) 「帰ってきたオトウサン」前売券(45-30)
補助参加人Z42は,盛岡市内にある「劇団帯の会」が開催した舞台「帰ってきたオトウサン」の前売券を購入し,同舞台を観覧した。
同劇団は,すでに仕事を退職した人々により構成されているところ,高齢化社会に向けての取り組みの一つとして参考となるものであり,舞台観覧後,補助参加人Z42は,劇団の構成員から,高齢者で構成される劇団の理念や取り組みについて,聞き取りを行っている。かかる聞き取りは,舞台を観覧しているからこそ可能となるものであって,観覧から聞き取りに至る一連の活動は,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同前売券の購入費用は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(オ) 岩手県ユネスコ連盟会費(45-31)
上記ア(サ)の3-44の支出について述べたのと同じ理由で,当該支出は適法である。
(カ) 岩手日報情報文化研究会会費(45-32・35・36・39)
岩手日報情報文化研究会の目的及び目的達成のための事業内容に照らせば,かかる会において得られる情報が,県政を担う補助参加人の知見を高め,議員が行う議会の調査研究に役立つことは明らかであるから,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(キ) 小操舟建造実行委員会会費(45-34)
小操舟建造実行委員会(川を知る会)は,□□川のゴミ投棄問題や水辺の環境浄化に取り組んでいる。同会に参加し活動することは,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(ク) 芸術文化を考える会会費(45-38)
補助参加人Z42は,地域活性化の起爆剤となる地域芸術文化に関する情報を収集し,その振興を図る為,「町民劇場」のメンバーと懇談会を開催した。「町民劇場」からは,団員4名が参加し,食事をしながら,町民劇場の活動や文化振興に関する意見交換等を行った。なお,酒類の提供はなかった。
かかる活動は,まさしく県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(7) 判定番号6(政治活動・後援会活動・選挙活動)について
ア 単に政党名を冠する会あるいはb1党ないしb1党の所属議員が主催する会であるからといって,それをもって調査研究費に当たらないとするのは形式的に過ぎ,各会の会費等が,その実質に鑑み調査研究費に当たることは明らかである。
すなわち,党に関わる会への参加については,政治活動としての側面もあるが,政務調査としての側面を色濃く有しており,政務調査と党が行う政治活動への参加とを完全に分けることは,理論的には可能であるにしても現実的には不可能であるし,また,党所属の国会議員が催す会等に参加し,優れた政治家の見識を聞くことは同じく選挙で選出された県議にとって極めて重要であり,さらに,そうした会に出席することにより国政の情報を得て,県政に反映させるということも大いにある。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 議員番号3(Z25)について
a i大学校講座宿泊料(33-68)
i大学校では,ジャーナリストや世事評論家による講演,国会議員,県会議員,b1党支持者に限らない一般有権者が一堂に会するため,国政や県政について多様な立場からの意見交換が一度にできる絶好の機会なのであり,同会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動であり,同会への参加のための費用は,政務調査費として適法である。
(イ) 議員番号24(Z33)について
a L国政報告会会費(24-24)
平成17年4月2日,L衆議院議員の国政報告会が開催された。同会では,食事が提供されたが酒類は提供されていない。上記支出は,補助参加人Z33及び秘書の同会への参加経費である。
同会では,国政の重要課題である郵政民営化に関し,郵便局の役割,郵政民営化による地域課題等について報告がされたが,郵政民営化と地方への影響を理解するための活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,同会には,補助参加人Z33の秘書も参加しているが,政務調査の補助的業務にあたる秘書の役割は重要であり,可能な限り議員と情報を共有することが必要であること等の理由から,秘書が研修会等に参加することは政務調査のために必要かつ有益である。
よって,同会費は,調査研究費ないし研修費にあたり,支出は適法である。
b i大学校参加費,高速代(24-25・26)
上記(ア)aの3-68の支出について述べたのと同じ理由で,当該各支出は適法である。
c 自治体議員フォーラム参加費,高速代(24-27・28)
補助参加人Z33は,平成17年6月12日に開催されたb1党岩手県連自治体議員フォーラムに参加した。同フォーラムには,県内の自治体議員約170名が参加し,講演会のほか,国会議員によるパネルディスカッションが行われ,市町村合併,雇用問題,景気対策,外交問題などについて活発な意見交換が行われた。したがって,かかる場に参加し議員としての県行政等に関する知見を広めることは,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同参加費等は,調査研究費ないし研修費にあたり,その支出は適法である。
(ウ) 議員番号45(Z42)について
a Z42県議と語る会年会費,会場費(45-41~48)
これらは,補助参加人Z42の後援会である「j会」の年会費もしくは県政報告会に関連した支出であるところ,県政・地域の諸課題につき,調査・研究した結果及び政策を,「j会」および県政報告会において県民らへ伝え,それに対する様々な意見を県民からくみ取り,最終的に議会に活かしていくという過程は,県政を担う補助参加人にとって非常に重要なものであり,かかる活動は県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
また,会場費は,議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に要する経費である。
さらに,参加者も後援会会員や選挙区の有権者に限られているものではない。
よって,これらは,調査研究費ないし会議費にあたり,その支出は適法である。
b 懇談会費(b1党岩手県総支部連合会会費,45-49)
平成17年11月20日,b1党岩手県総支部連合会との懇談会が開催された。同会においては,県政の取り組みや連合が知事に提出した要望書の進捗具合等につき議論がなされたが,かかる活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
c 国政報告会会費(45-53)
平成19年2月19日,本県選出のb1党所属国会議員による国政報告会が開催された。同会では,各国会議員から国政に関する最新の情報の報告がなされ,国政と県政との関係,国政のあり方を踏まえた県政の在り方,県政の課題等が明らかになり,また,一般の参加者からも様々な意見を聞くことができたのであり,かかる活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,これらの支出は,調査研究費にあたり,その支出は適法である。
d 国政報告会準備会会費(45-52)
平成18年1月21日,国政報告会実行委員会により,上記cの国政報告会の準備会が開催された。なお,このとき,飲食物も提供されたが,補助参加人Z42は,飲食をせずに離席したためその詳細は不明である。
同会は,上記国政報告会の準備会であり,報告会を開催するための事項全般について議論がされたところ,同準備会への参加は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動に資するものである。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
e Y国政報告会会費(45-54)
補助参加人Z42は,同会で,衆議院議員Y氏から国政に関する情報を得たほか,参加した地元h1町民から,医大移転に関わる地域環境整備や◎◎橋の早期掛け替え等についての生の声を聞くことができた。かかる活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
f b1党女性議員ネットワーク東北ブロック会議会費(45-55)
平成18年2月26日に,b1党女性議員ネットワーク東北ブロック会議が開催され,同会議では,参議院議員M氏による講演の他,女性議員ネットワークの立ち上げに関しての活発な意見交換がなされた。かかる活動は,県の事務ないし地方行財政に関する調査・研究活動である。
よって,同会費は調査研究費にあたり,その支出は適法である。
(8) 判定番号9(親族,関連会社からの事務所借上げ)について
ア 判定番号9の各支出は,いずれも事務所費を問題としているところ,事務所費は,議員が行う調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する費用であり,具体的には,事務所借上料,管理運営費(光熱水費等)が挙げられる。事務所費については,按分率の上限は2分の1とされている(本件要領)。
しかるところ,下記の事務所賃料は,議員が行う調査研究活動のために必要な事務所借上料であり,かつ,事務所の利用内容のうち,政務調査のための利用は,少なく見積もっても2分の1を超えていることから,按分率が2分の1としたものであり,適法である。
なお,事務所借り上げの相手方について,マニュアル以外には何ら規制がなく,例え,貸主が親族であっても,違法性の問題は生じない。議員は,事務所として使用できる自己所有建物がなければ,他人から事務所を借りる他ないのであるから,単に貸主が親族であることを理由として違法とするのは現実的に妥当性を欠く。
イ 個別具体的な主張は次のとおりである。
(ア) 議員番号13(Z28)について
13-19の賃料は,補助参加人Z28が調査研究活動に使用している事務所の賃料である。賃料は月額10万円であるところ年額にすると120万円となるが,同人は,上限である60万円しか申告していない。なお,賃貸人は株式会社eであり,補助参加人Z28は賃貸人とは生計を一にしていない。
よって,同賃料は事務所費にあたり,2分の1を超えていないので,その支出は適法である。
(イ) 議員番号52(Z46)について
a 家賃(52-28)について
52-28の賃料は補助参加人Z46の調査研究活動に使用している事務所の賃料である。賃料は月額8万円であるところ年額にすると96万円となるが,同人は,上限である48万円しか申告していない。なお,賃貸人は株式会社fであり,補助参加人Z46は賃貸人とは生計を一にしていない。
よって,同賃料は事務所費にあたり,2分の1を超えていないので,その支出は適法である。
b 電気代(52-26),事務所水道代(52-27)
電気代23,616円および水道代22,050円も同じく,年額(電気代47,232円,水道代44,100円)の2分の1の金額を申告したものである。
よって,各費用は事務所費にあたり,2分の1を超えていないので,その支出は適法である。
(9) 判定番号12(広報費)について
議員番号52(Z46)についての県政報告会に関する会場使用料(52-36)につき,原告は,当該支出を広報費であると主張するが,同費用は,補助参加人Z46が,自宅の隣地にて,観桜会を兼ねて県政報告会を開催した際のトイレの水道料金である。同隣地にはトイレがないため隣接する建物のトイレを利用したが,同建物は普段使用していないため,水道使用料のほかに基本料金が発生した。
同会の参加者は300名を超えていたが,その多くは後援会に参加していない。補助参加人Z46は,参加者から,県政に関する要望を聞き取り,また意見交換を行った。
会議費とは,議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための各種会議に要する経費を言うところ,上記費用はまさに議員が行う地域住民の県政に関する要望,意見を把握するための会議に要する経費であるから,その支出は適法である。
(10) 判定番号13(按分率50%を超える事務所費)について
判定番号13の各支出(5-19~54(Z26),17-25~39(Z30),19-21~26(Z31),22-7(Z32),24-29・30(Z33),28-19・20(Z35),30-20~26(Z36),34-21~43(Z38),36-18~65(Z39),42-22・23(Z41),45-56~58(Z42),52-29(Z46))は,すべて電話料金,FAX料金,インターネット料金等の通信費であることから,政務調査費の交付に関する規程別表の事務所費の定義からして,事務所費に当たらないことは明らかである。
これらは,議員が行う調査研究に係る事務遂行に必要な経費(事務用品,備品購入,通信費等)たる事務費に該当する。そして,事務費については,事務所費及び人件費とは異なり,本件要領でも,2分の1を上限とするとの規制はなされておらず,各補助参加人らの通信費は,すべて,その各使用実態に鑑み,いずれも少なめに見積もっても最低限これだけは政務調査費のために使用している金額を計上しているから,事務費としてその支出は適法である。
(11) 判定番号14(按分率50%を超える人件費)について
ア 人件費とは,議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費であり,具体的には,給料,手当,社会保険料,賃金等が挙げられる。人件費に関しては,本件要領により,事務職員を他の活動にも従事させている場合には,調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分するとされ,その按分率の上限は2分の1とされている。ただし,事務職員を調査研究活動の補助業務に専従させている場合は,全額を政務調査費から支出できるとされていることから,その雇用形態の実態に即して判断される。
各支出(5-55・56(Z26),22-8・9(Z32),38-4(Z40),46-17(Z43),52-30~35(Z46))については,いずれも,調査研究活動の補助業務に専従させているという雇用実態に即して,職員の人件費の100%を申告しており,その支出は適法である。
イ なお,Z43の人件費につき,1名に対しては政治活動のみを担当し,もう1名に対しては政務調査活動のみを担当するように指示し,両者を完全に分けることが不可能な場合は別として,それ以外は日々の業務の担当事務員を明確に分けているのであるから,政務調査活動担当事務員の人件費全額を政務調査費として計上することは適法である。
(Z1ほか15名(議員番号2,8,12,14,25,27,29,32,37,39,43,44,50,51,53及び54)補助参加人(b3党所属議員)の主張)
(1) 判定番号1(所属団体の活動資金となる年会費)について
問題となっている議員連盟の目的及び活動内容等については,Z25ほか21名補助参加人の主張と同じである。
(2) 判定番号2(飲食費・個人的交際費)について
個別具体的な主張は,次のとおりである。
ア 議員番号29(Z7)について
(ア) 遠野いわぎん会新春講演会等懇親会費(29-13)
この支出は,議員としての調査研究のために参加した遠野いわぎん会新春講演会及びそれに続く懇親会の参加費である。当該会合は,金融・地域の活性化に関する調査を目的とし,岩手銀行が主催する日本銀行盛岡事務所所長の日本経済や地域経済に関する貴重な講演とこれに引き続き行われた懇親会である。懇親会では,講演者と地方経済を担う参加者らとの忌憚のない地域経済の意見交換が行われたのであり,主として飲食を目的とする会合ではない。
イ 議員番号44(Z12)について
(ア) 懇親会費(Z2後援会,44-21)について
この支出は,Z2後援会主催の講演及びこれに続く懇親会の参加費である。当該会合は,高い学識を有する大学教授の講演が行われ,地域政治及び経済の問題について研修する集会であり,その政治集会に引き続き行われた懇親会では,県政に関する課題や地域経済の将来などについて闊達な意見交換が参加者間で行われたのであり,主として飲食を目的とする会合ではない。
補助参会人Z29は,Z2後援会が主催する県の事務や行財政に関する調査研究に資する集会及びそれに引き続く意見交換等の場となる懇親会に参加するために参加費を支出したのであり,Z2を後援する活動として支出したわけではないから,原告の地方議員の後援会が主催する講演会活動であるとの理由で政務調査費として支出することは許されないとの主張は当たらない。
(3) 判定番号5(使用支出)について
ア 県議会議員の職責は,選挙区における現時点における市民,県民の現場の声を県政に的確に反映させることにある。現時点における現場の声の収集は,日常の議員活動をもって行われ,毎日,昼夜を問わず地元の人からの電話や来訪で様々な行政に対する要望を伝えられるほか,幅広くかつ効率的な情報の収集を図るために数多くの各種団体に会費を払って参加してきめ細やかな情報を収集する必要もある。また,公益性のある団体などでは,地元の代表者である地元選出の県議会議員を会員として効果的な情報交換や活動を行うものもある。このような細々とした日々の情報の積み重ねが議員としての条例制定や行政監視などの政治判断の際の糧となるのであり,かかる行為が議員たる地位を離れた私的行為であると判断されるのであれば,政務調査の本質を見誤るものと言わざるを得ない。
イ 個別具体的な主張は,次のとおりである。
(ア) 議員番号2(Z1)について
a 日韓親善協会中央会平成17年度会費(2-2)
この支出は,議員で構成する日韓親善岩手県議会議員連盟の関係する日韓親善協会中央会の会費である。同議員連盟は,日本・韓国両国の友好親善を図ることを目的とするもので,その会費は私用支出にはあたらない。
また,本会費は,議員が県の事務や地方の行財政に関する調査研究のために参加した日韓国交正常化40周年愛知万博日韓友好にかかる日韓・韓日協会の役員による合同会議の参加費であるところ,補助参加人Z1は,日韓親善協会中央会の下部組織である岩手県日韓親善協会の会長であることから,その役職上中央会の合同会議に参加したのであり,岩手県日韓親善協会の活動は,日韓親善岩手県議会議員連盟の職務と連動した議員活動にほかならず,個人の支出ではない。
(イ) 議員番号14(Z4)について
a 宮古市日中友好協会平成18年会費(14-25)
当該会合は,年1回中国の関係者を招聘し,国際交流事業の調査のための意見交換を行っている。当該協会には地域を代表する議員として参加しているのであって,私用支出にはあたらない。
(ウ) 議員番号29(Z7)について
a 岩手県対ガン協会会費(29-16)
補助参加人Z7は,同会に入会し,県議会議員の立場から県の医療行政等に役立てるためにガン対策に関する情報を収集しているのであり,私用支出にはあたらない。
b いわて翼の会会費(29-17)
この支出は,特定非営利活動法人いわて翼の会の会費である。県議会議員の立場から県の男女共同参画に関連する行政(子育て支援,女性の就職支援など)に役立てるために男女共同参画センターの運営団体である同会から情報を収集し,意見交換をしているのであり,私用支出にはあたらない。
(エ) 議員番号43(Z11)について
a 電話料(43-22)
この支出は,Z11事務所の電話料金(使用状況を勘案して按分率70%)であり,私用支出にはあたらない。
なお,いずれも議員事務所の電話であり,自宅の電話であるとする原告の主張は当たらない。
(オ) 議員番号44(Z12)について
a h2町国際交流協会会費(44-1)
この支出は,選挙区選出の県議会議員として同協会に参加することを求められ,同町の国際交流について会員らと意見交換等を行い,県政に役立てているのであり,私用支出にはあたらない。
b h2町川を知る会会費(44-2)
この支出は,選挙区選出の県議会議員として同協会に参加することを求められ,河川の環境問題について会員らと意見交換等を行い,県政に役立てているのであり,私用支出にはあたらない。
(4) 判定番号7(違法な委託費)について
ア 原告は,委託内容につき釈明を求めているが,最高裁平成17年11月10日決定の内容に照らし,補助参加人らが主張した以上の詳細な説明は不要である。
イ 個別具体的な主張は,次のとおりである。
(ア) 岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料(2-19~30,8-17~28,12-1~8,14-26~37,25-19~30,27-13~24,29-18,32-1~12,37-16~24,39-19,43-23,44-23~34,50-17~28,51-34~45,53-20~31及び54-17~28)
同研究会は,岩手県政課題解決のため,政策等の調査研究を実施し,もって岩手県の発展に寄与することを目的として設立された。当該目的を達成するために,①岩手県政に関する調査及び研究,②県政課題対策の立案及び提言,③②に関する講演会・広報・宣伝活動等,④会員相互の意見・情報交換を目的とする勉強会の開催,⑤その他本会の目的達成に必要な事業を行うものとし,各議員は県の事務及び地方の行財政に関する効果的な調査研究を行うために研究会に委託料を支払い,研究所の調査研究結果を適宜入手し,また,会員相互間での勉強会を通じ県政の諸課題に関する立案などに役立てているところであり,違法な支出ではない。
(イ) 議員番号39(Z10)について
a 産業経済政策調査会に対する調査委託料(39-18)
この支出は,県の事務及び行財政に関する調査を行うために県の産業経済に関する情報収集等を行う団体への調査委託料であり,違法な委託ではない。
(ウ) 議員番号51(Z14)について
a 調査,研究事業委託費(51-28~33)
この支出は,県の事務や行財政に関する調査研究を行うために,地域の事情に通じている者に地域の課題について調査を委託した費用であり,違法ではない。委託調査内容は,①過疎対策及び市町村合併についての調査研究,②下閉伊郡内の国道,県道,町村道,農道,林道等の整備に関する調査研究,③下閉伊郡内の商工,農林水産及び観光の振興についての調査研究,④少子化に伴う学校の再編に関する調査研究,⑤医療,福祉施策に関する調査研究,⑥津波対策の調査研究である。
(5) 判定番号13(按分率50%を超える事務所費)について
原告は,14-38・39,29-19・20,37-25~69,39-20~57,43-24~27,54-29の電話料金の各支出について,実際の使途が,按分率50%を超える事務所費であると主張する。
しかし,いずれも通信費であるところの電話料金であることに争いはなく,本件使途基準の事務費にほかならない。本件要領第4によれば,事務費については按分率の上限はなく,いずれの議員についても,使用状況を勘案した按分率によっている。
(6) 判定番号14(按分率50%を超える人件費)について
本件要領第4によれば,「人件費の按分については,2分の1を上限とするものとする」と規定されているものの,同時に,「(常時又は臨時に雇用する職員で,専ら調査研究活動の補助業務に従事する者に係る人件費を除く。)」と規定されており,常時又は臨時に雇用する職員で,専ら調査研究活動の補助業務に従事する者に係る人件費については,その全額を政務調査費から支出できることとされている。
14-40,27-25,37-70~79,44-35~46,50-32~43,54-30・31の人件費は,いずれも,専ら調査研究活動の補助業務に従事する者に係る人件費について,その全額を計上したものであり,違法ではない。
(Z17ほか7名(議員番号7,10,16,18,23,40,41,48)補助参加人(社民党所属議員)の主張)
(1) 判定番号1(所属団体の活動資金となる年会費)について
問題となっている議員連盟の目的及び活動内容等については,Z25ほか21名補助参加人の主張と同じである。
(2) 判定番号2(飲食費・個人的交際費)について
個別具体的な主張は,次のとおりである。
ア 議員番号16(Z19)について
(ア) 御食事代(県政課題に関する調査事業,講師との食事代,16-22)
この支出は,認知症に関する研修会に連続した昼食代の経費であるが,増え続ける認知症患者の実情を理解して,行政上の認知症対策を考えようとしてなされた支出であり,本支出に違法,不当な点はない。
イ 議員番号40(Z22)について
(ア) 農業団体との懇談会,県政課題にかかる懇談会負担金(40-8)
この支出は,平成16年の農業被害に対する共済金の支払状況につき,岩手農業共済組合連合会の担当職員から状況説明を受けた際の懇談会費であり,これにより共済金の支払いの実態把握や農業被害に対する対処方法などの意見交換もなされている。農業被害に対する共済金の支払いによる救済等は,地方行財政に関する事項であり,政務調査費の規定に適うものであり,本支出に違法,不当な点はない。
(3) 判定番号5(私用支出)について
ア 議員番号16(Z19)について
(ア) 新渡戸基金維持会費(16-2)
岩手の先人である新渡戸稲造の功績や文化的遺産を根付かせていくこと,その国際性を学びながら岩手の人づくり等に生かしていくことは,県議会議員に課せられた責務であり,広い意味で地方行政に関わる事項である。政務調査費は,議員が行う,議会の調査研究に資するために交付されるものであるが,この調査研究は,その範囲が特定の具体的課題に限定されるものでも,直ちに個々具体の調査研究の成果をあげることを求められる性質のものでもなく,広範な分野での研究,研修,調査,視察,資料購入等により議員の見識を高め,その結果,議員活動の活性化を図り,もって県政に反映することが期待されている(事務処理マニュアル2頁)ものであり,かかる点に照らせば,本支出に違法,不当な点はない。
(イ) 大船渡警察官友の会会費(16-7)
この会は,大船渡地区の警察官の活動を地域で支えながら,地域の治安,防犯力を高めることを目的とする会であるが,補助参加人Z19は,警察活動の実態を知りつつ,地域の防犯力を高めるためにこの会に参加し,本支出をしている。警察活動,地域の治安,防犯力の強化は,県の事務及び地方行財政に関する事項であり,本支出に違法,不当な点はない。
(ウ) お品代(地元水産加工品調査のための物品購入,16-31)
沿岸地区の水産加工品の高次加工の在り方を研究するため,地元の水産物加工業者から加工品を購入して,水産加工業者らも参加させて試食し,意見を聴取した。水産物の高次加工の在り方の調査は,地方行財政に関する調査研究で,補助参加人Z19は,この問題を再三議会でも取り上げており,本支出に違法,不当な点はない。
イ 議員番号40(Z22)について
(ア) 平成17年度八幡平緑会会費(40-1)
八幡平緑会は,八幡平の自然保護などを目的として行政当局に登山道の整備を働きかけたり,外来種を防ぐ学習会を開催するなどしている会であるが,補助参加人Z22は,地元八幡平の自然保護や観光の在り方を探るためこの会に参加し,会費を負ったものである。八幡平の自然保護の在り方等は,県及び地方行財政に関する事項であり,本支出に違法,不当な点はない。
(イ) 年会費地域経済問題研究会負担金(40-2)
昭和会は,八幡平市の経営者の集まりで,地域経済などをテーマに講師を呼んで勉強会や懇談会などをしている団体であるが,補助参加人Z22は,地域経済や零細企業の実情を知ることなどを目的として会に参加し,会費を負担している。地域経済の実情を知ることは議員の見識を高め,また,零細企業対策は重要な地方行政に関する事項であるから,本支出に違法,不当な点はない。
(ウ) 年会費k会負担金(40-4)
k会は,h3地区を中心とする商工業者の集まりで,年に数回懇談会が開かれているが,この会に参加することによって地域の商工業政策の在り方を探ることができるから,上記40-2と同様,本支出に違法,不当な点はない。
ウ 議員番号48(Z24)について
(ア) 平成17年度特定非営利法人リサイクルネットワークいわて会費(48-20)
当該法人は,岩手県の産業廃棄物行政に関する情報収集,リサイクルや産廃行政の在り方等を研究するNPO法人で,補助参加人Z24は,産業廃棄物についての知識情報を得て,適切な産廃行政を探るため,当該法人に参加してその会費を負担したものである。産業廃棄物の問題は,県及び地方行財政上の重大な課題であるから,これらの調査研究に資する本支出に違法,不当な点はない。
(4) 判定番号7(違法な委託費)について
議員番号40(Z22)に関する政務調査研究委託費(40-10・11)のうち,40-10は,旧h4村の男性に平成17年4月から同年9月までの6か月間,月額4万円でh5地区洪水状況調査,リンドウ根コブ病の実態調査,h9地区◇◇滝周辺の整備可能調査等の調査を順次依頼したことに対する支払であり,40-11は,旧h6町の男性に上記と同じ期間の6か月間月額4万円で,h6地区内のゴミの不法投棄の実態調査,h7区洪水防止工事後の実態調査,小学児童の通学路の安全対策と歩道の実態調査などの調査を順次依頼したことに対する支払いで,実際にこれらの者の調査や情報提供を生かして議会で質問をしたこともあり,これらに関する支出に違法,不当な点はない。
(5) 判定番号12(広報費)について
議員番号41(Z23)に関する県政報告印刷代(41-22・23)のうち,41-22は平成17年3月31日に,41-23は平成18年3月31日に補助参加人Z23が発行した県政報告の印刷代である。いずれも,議会の内容を住民に分かりやすく伝え,住民からの意見,要望を県政に反映することを目的として発行されている。いずれの紙面にも,「「県政への提言」皆様からお寄せいただいたご意見,ご提言は県政に反映し,共通認識を図ります。ご意見・ご感想をお寄せ下さい」との欄も印刷されている。このように,住民の意見を議会活動に反映させることを目的とした議員の広報は,被告も主張するとおり,調査研究のために有益な費用ということができ,本支出に違法,不当な点はない。
(6) 判定番号13(按分率50%を超える事務所費)について
個別具体的な主張は次のとおりである。
ア 議員番号16(Z19)について
(ア) 携帯電話料金,携帯電話購入(16-38・39)
16-38の支出は,携帯電話料金であるが,補助参加人Z19は,携帯電話は原則として議員活動に使用している。私的に使用されることは少なく,議員の政務調査活動として使用される頻度は全体の8割を下回ることはない。事務費(通信費)に関しては,調査研究活動に要した部分とそれ以外の活動に要した部分を明確に区分することが困難であることから,運用上も按分率は実態を勘案して議員が決定するとされているし,マニュアルにも按分率に上限はない。この支出は,按分率が80%であるが,上記の使用頻度等の実態を踏まえたものであり,違法,不当な点はない。
16-39の支出は,携帯電話が壊れたため,新たに購入したものの購入費であるが,携帯電話が政務調査費に有用で,かつ,上記のような使用状況を勘案して購入費の80%を政務調査費の対象としたもので,違法,不当な点はない。
(イ) インターネット通信費(16-40)
この支出は,インターネット利用料金であるが,補助参加人Z19は,インターネットを主に議員として政務調査に利用しており,按分率80%であるが,利用実態に照らせば本件支出に違法,不当な点はない。
イ 議員番号18(Z20)について
(ア) 電話料金(18-34~57)
これらの債権者欄に,東日本電信電話(株)とあるのは固定電話,KDDIとあるのは携帯電話の料金である。補助参加人Z20は,平成15年4月から県議会議員をしているが,携帯電話は県議会議員になってから使い始めた。また,固定電話も事務所専用の電話を設置し,自宅の電話と区別している。事務所専用の固定電話も携帯電話も議員として使用しているが,私的に使用されることはごく稀で,議員の政務調査として使用する頻度と通話時間は全体の7割を下回ることはない。事務費(通信費)に関しては,運用上も按分率は実態を勘案して議員が決定するとされているし,按分率に上限はない。本支出は,按分率が70%であるが,上記の使用頻度等の実態を踏まえたもので,違法,不当な点はない。
(イ) インターネット使用料(18-58)
補助参加人Z20は,事務所のパソコンを用いてインターネットを利用しているが,私的利用はなく,議員としての政務調査に利用している。インターネット料金は利用回数にかかわらず定額であり,按分率は70%であるが,上記実態に照らせば,本支出に違法,不当な点はない。
ウ 議員番号41(Z23)について
(ア) 電話代(41-24~27)
この支出は,補助参加人事務所に複数ある電話回線のうち,政務調査のためのインターネット接続用と住民要望などの受信用に使用していた電話料金であり,調査研究活動以外にほとんど使用していなかったことから按分せず,全額政務調査費から支出したものである。事務費については,按分率に上限はなく,実態に応じて按分率を決められるのであり,他の電話回線が政務調査活動に利用されたこともあったが,補助参加人Z23は,混同を生じるのでこれらについては政務調査費として請求していない。したがって,本支出に違法,不当な点はない。
(7) 判定番号14(按分率50%を超える人件費)について
個別具体的な主張は,次のとおりである。
ア 議員番号7(Z17)について
7-1・2の人件費の支出は,当時病気療養中であった補助参加人Z17が政策課題の情報収集や調査研究活動に専従していた担当職員に支払ったものである。この担当職員は調査研究活動以外の業務は行っていないから,本支出に違法,不当な点はない。
イ 議員番号16(Z19)について
(ア) 運転手及び事務人件費(16-41)
この支出は,平成17年4月から同18年3月まで,政務調査や視察のために車を運転する業務に従事した者に対し,1日7000円,62日分の人件費として支払われた支出である。この者には,政務調査活動のための車の運転と補助業務以外の業務に従事させていないから,本支出に違法,不当な点はない。
(イ) 政務調査補助事務アルバイト代(16-42)
この支出は,平成17年8月,12月,平成18年1月,2月,3月に地方行財政上の課題に関する資料や情報の収集,整理,現地調査などの政務調査活動の補助業務に従事させた者に対し,人件費として支払われた支出である。この者は,政務調査活動の補助業務以外の業務はしていないので,本支出に違法,不当な点はない。
ウ 議員番号23(Z21)について
秘書人件費(23-23~26)のうち,23-23は,WTO農業政策などについて,23-24は林業政策,教育問題等について,23-25は介護,雪害現地調査等について,23-26は河川流域連携の在り方について,専らそれらの調査研究に従事した担当職員の人件費として支払われた支出である。この担当職員には,政務調査研究以外の業務に従事させていないので,本支出に違法,不当な点はない。
エ 議員番号48(Z24)について
補助参加人Z24は,旧h8町の男性に一関市,h8町などの市町村合併の際,各議会の動向に関する情報を得るために議会傍聴,l高校とm高校の統合問題に関する地域懇談会による住民動向の調査,県道整備状況の調査など,政務調査活動に従事させていたが,職員人件費(48-27)の支出は,この者に対する平成17年4月から平成18年3月までの12か月分の政務調査活動に従事させていた人件費の合計であり,専ら調査研究活動に従事していた分の支出であるから全額を政務調査費として支出できる。よって,本支出に違法,不当な点はない。
第3  当裁判所の判断
1  政務調査費に係る支出の適否の判断基準について
(1)  政務調査費の制度趣旨について
法100条14項,15項の規定による政務調査費の制度は,地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行により,地方公共団体の自己決定権や自己責任が拡大し,その議会の担う役割がますます重要なものとなってきていることにかんがみ,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである。
そして,法100条14項は,政務調査費を「議員の調査研究に資するため必要な経費」の一部として交付する旨を規定するにとどまり,政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めることとしているが,これは,各地方自治体の実情に応じた運用を図るべく,条例等にその具体化を委ねることとしたものと解される。
そうすると,政務調査費に係る支出の適否は,上記法の趣旨に反しない限り,各地方公共団体における条例等の定めるところに従うべきであり,条例等における使途に係る定めが上記法の趣旨に則って定められているときには,それらの定めに基づいて上記適否を判断するのが相当というべきである。
(2)  本件各支出の適否の判断について
ア 本件使途基準について
(ア) 岩手県においては,法の上記規定を受けて,本件条例を規定し,本件条例を受けて,本件規程において,政務調査費の具体的な使途について基準を設けており(本件使途基準),その内容は,法100条14項にいう「議員の調査研究に資するため必要な経費」の内容を具体化したものであって,地方自治法の趣旨に反するものではないというべきである。
(イ)a この点,原告は,広報費につき,広報活動は調査研究活動ということはできず,政務調査費から広報費の支出を認めている本件使途基準自体が法100条14項に違反する旨主張するが,次の理由から,原告の当該主張は採用できない。
b 上記(1)記載のとおり,法は,政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,各地方自治体の実情に応じた運用を図るべく,条例等にその具体化を委ねることにしたものと解され,交付の対象につきいかなる使途基準を定めるかは,普通地方公共団体の議会の裁量判断に委ねられていると解されるから,本件規程における定めは,法100条14項が普通公共団体の議会に与えた裁量権の範囲を超え又はそれを濫用したといえないかぎり,無効となることはないというべきである。
しかるに,法100条14項にいう「議員の調査研究に資するため必要な経費」とは,その文言上,調査研究に直接用いられる費用に限られるものではなく,上記の政務調査費制度の趣旨に鑑みれば,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るために,調査研究のために有益な費用も含まれるというべきである。そして,県議会において,県民の意思を反映させるために県民の意思を収集,把握することは必要不可欠であり,議会活動及び県政に関する政策等について県民に対して的確な情報を提供することは,県民から,議員として調査研究すべき事項に係る情報を収集し,把握する,その前提として重要なものといえる。そうすると,本件使途基準における広報費は,情報提供活動に要する費用として規定されたものと解されるところ,当該費用は,調査研究に直接用いられる費用ではないものの,調査研究のために有益な費用といえる。
以上によれば,本件規程において,本件使途基準中に広報費の定めをおいたことは,法100条14項が普通地方公共団体の議会に与えた裁量権の範囲を超え又はそれを濫用したものとはいえないというべきである。
イ 本件使途基準の適合性判断基準について
以上によれば,本件各支出の適否の判断は,本件各支出が本件使途基準に合致しないか否かを基準に判断するのが相当である。
そして,本件使途基準は,上記第2の1(2)ウ記載のとおり,調査研究費につき「議員が行う県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費」,事務費につき「議員が行う調査研究にかかる事務遂行に必要な費用」と定めるなど,調査研究のための必要性をその要件としているから,調査研究のための必要性が認められない支出は,本件使途基準に合致しないものとして違法になるというべきである。
たしかに,地方議会の権能は,条例の制定,予算の議決等県政全般にわたる広範なものであり,これを適切に行使するための各議員の調査研究活動も県政全般に及び,その調査研究の対象,方法も広範かつ多岐にわたるものであり,また,調査研究活動の手段方法及び内容の選択に当たっては,議員の自主性及び自律性を尊重すべき要請も存在することから,いかなる手段方法によりいかなる調査研究活動を行うかは,県政に関する諸事情及びその時々の情勢に対応した議員の広範な裁量的判断に委ねられている側面があることは否定できない。
しかしながら,政務調査費の財源が県民の経済的負担に依拠していることからいっても,その裁量には自ずから一定の限界があるというべきであり,当該支出に係る個別の事実から調査研究活動と県政との関連性を慎重に検討した結果,同支出に係る議員の判断に合理性があるということができない場合には,同支出につき調査研究のための必要性を認めることができず,本件使途基準に合致しないものして違法になるものと解するのが相当である。そして,議員の判断に合理性があるといえるかどうかについては,上記のとおり当該支出に係る個別の事実に基づき上記関連性について慎重に検討すべきであり,例えば,収支報告書の記載に表れた事実等(研修会・物品の名称,書籍の表題等や研修会の趣旨・目的,講演者,講演の演題等)から調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれる場合,あるいは,その可能性があるといい得ても,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められる場合にあっては,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,当該支出は本件使途基準に合致しない違法なものと判断するのが相当というべきである。
ウ マニュアルについて
原告は,マニュアルは,議員の政務調査費の支出の準則として制定されたものであるから,各議員は,マニュアルに従った支出を行わなければならず,これに違反する支出は違法な支出というべきである旨主張する。
この点,マニュアルは議会による議決を経て制定されたものでも,法令等の委任を受けて制定されたものでもないから,法規範性を有せず,本件各支出がマニュアルに反するため直ちに違法ということにはならないというべきである。もっとも,マニュアルは,上記のとおり,県議会議長により,政務調査費の交付に関する条例等検討委員会の報告に基づき,議会の運営委員会の承認を得て作成され,改正され,各議員に配布されたものであり,かつ,議長は各議員から政務調査費に係る収支報告書の提出を受け,政務調査費の適正な運用を期するために必要に応じ調査を行うものとされていること(本件条例8条,10条)に照らすと,マニュアルに反した支出であることは,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる事情というべきであるから,そのような場合には,特段の事情のない限り,当該支出は本件使途基準に合致しない違法なものと判断するのが相当というべきである。
2  本件各支出の本件使途基準適合性に関する個別的検討
(1)  議員番号1(C1)の各支出について
ア 1-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費)
(ア) 証拠(甲E2)及び弁論の全趣旨によれば,C1が同会の平成17年度の会費合計1万2000円を政務調査費(調査研究費)から支出したことが認められる。
(イ) 証拠(甲7の1及び2,丙A3,丙B37~39,41~43,45,47~58,丙C19,丙D2~8)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会は,男女共同参画に関する諸課題(女性の参画拡大や男女が共に仕事と子育て・介護と両立できる環境づくりその他)について,幅広く調査,研究し,もって岩手県における男女共同参画の推進に寄与することを目的とする。
b 同協議会は,上記目的に賛同する岩手県議会議員をもって組織されている。
c 同会の会費は,月1000円である。
d 平成17年度は,1度総会が行われたほか,調査研究事業として,平成17年9月29日に,「夢が夢を呼ぶ 私たちのチャレンジ」との題目で,外部講師による講演がなされた。また,参考図書(男女共同参画白書)配布がなされた。
e 同協議会の平成17年度の収支決算については,収入額は,会費による収入56万5000円,繰越金21万9106円及び雑収入4円の合計78万4110円,支出額は,男女共同参画白書代金(2700円×49人),講師謝礼・旅費(1万8260円),茶菓代(1万0205円)及び事務費5180円の合計16万5945円であり,その差額の61万8165円は翌年度に繰り越された。
(ウ) 以上によれば,同協議会の目的は県政に関連するものといえ,同目的に沿って,講演会の開催及び参考図書の配布がなされたものと認められ,これらにより知識を得ることは,岩手県男女共同参画の推進のための行政施策を遂行する上で有益なものといえる。また,同協議会は党派を超えた会員により組織されており,それゆえに広い視野を持った意見交換等を行うことが可能になるものと認められる。
なお,同協議会の支出は会費収入額の4分の1程度しかないが,この点については,会費の金額が妥当であるかとの観点から同協議会において協議すべき事項にすぎず,同金額が社会通念上不相当に高額であるともいえないから,会費の支出が調査研究に資するものであったことを否定する事情とはならないというべきである。
以上によれば,同協議会の会費を政務調査費から支出することに合理性がないとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するものといえ,違法ではない。
(エ) この点,原告は,ほとんど活動実績がなく,納入された会費のほとんどが費消されずに翌年度に繰り越されていることをもって,同会の活動に調査研究の実質があると認めることはできない旨主張するが,同会の活動に調査研究の実質がないとは認められない。
また,原告は本件条例11条及び概算払いの返納を定めた地方自治法施行令159条に違反する旨主張するが,上記のとおり,当該支出は本件使途基準に合致するものといえ,会費は同協議会に納入済みで返還されないものであるから,原告の主張はその議論の前提を異にし採用できない。
イ 1-5(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
(ア) 証拠(甲E3)及び弁論の全趣旨によれば,C1が同会の平成17年度の年会費合計9000円を政務調査費(調査研究費)から支出したことが認められる。
(イ) 証拠(甲5の1及び2,丙A1,丙B37,39,41~43,45~50,53~57,丙C19,丙D3,4,7,8,)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会は,保健・医療・福祉に関する諸課題について幅広く調査,研究し,もって岩手県保健・医療・福祉の発展に寄与することを目的とし,平成17年7月に設立された。
b 同会は,上記目的に賛同する岩手県議会議員を会員として組織されている。
c 同会の会費は月額1000円である。
d 平成17年度には,総会及び役員会がそれぞれ一度ずつ開催され,平成18年1月8日に開催された役員会においては,「PET検査について」との題目で岩手医科大学医学部長による講演が行われた。
調査研究事業としては,平成18年1月23日には岩手県におけるPETの推進についての要望書を提出したほか,研修会として,平成17年8月2日には「医療問題について」との題目で,同年9月16日には「高齢者福祉について」との題目で,同月27日には「口腔と全身,歯の喪失が健康寿命に及ぼす影響について」との題目で,同年12月8日には「岩手医科大学の総合移転について」及び「移植医療について」との題目で,それぞれ外部講師による講演が行われた。
e 同会の平成17年度の収支決算については,収入額は,会費による収入42万1000円及び諸収入16円の合計42万1016円,支出額は研修会講師謝金等の1万5060円であり,その差額の40万5956円は翌年度に繰り越された。
(ウ) 以上によれば,同会の目的は県政に関連するものといえ,同目的に沿って,研修会において講演会を開催したり,講演会により得た知識を生かして要望書を提出するなどの活動がなされていたと認められ,これらは,岩手県保健・医療・福祉を発展させるための行政施策を遂行する上で有益なものといえ,会費についても社会通念上不相当に高額であるとはいえない。また,同会は党派を超えた会員により組織されており,それゆえに広い視野を持った意見交換等を行うことが可能になるものと認められる。
したがって,同会の会費を政務調査費から支出することに合理性がないとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するものといえ,違法ではない。
(エ) この点,原告は,ほとんど活動実績がなく,納入された会費のほとんどが費消されずに翌年度に繰り越されていることをもって,同会の活動に調査研究の実質があると認めることはできない旨主張するが,上記(ア)認定の活動内容に照らせば,同会の活動に調査研究の実質がないとは認められない。
また,原告は本件条例11条及び概算払いの返納を定めた地方自治法施行令159条に違反する旨主張するが,上記のとおり,当該支出は本件使途基準に合致するものといえ,当該会費は同研究会に納入済みで返還されないものであるから,原告の主張はその議論の前提を異にし採用できない。
ウ 1-15(岩手県立大学O新学長を歓迎する県民の集い会費)
(ア) 証拠(甲E4,丙B43,57,乙1の1~3,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a C1は,教育改革等教育問題に関する調査研究事業のために同集いに参加したとして,上記会費1万円を本件使途基準の研修費として政務調査費から支出した。
b 同集いは,平成17年6月22日,ホテルの会場において行われた。
c 同集いでは,主催者の挨拶,新学長の挨拶があり,その後懇親会が行われた。
(イ) 上記(ア)の事実及び同集いの名称からすれば,同集いは,ホテルの会場において,多数の出席者が飲食を共にしながら岩手県立大学新学長を歓迎する趣旨で催されたものといえ,同集いにおいて議員の調査研究に資する意見交換等がなされることが予定されていたとは認められない。そうすると,上記支出は,同集いにおいて議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
エ 1-17(フィリピン共和国名誉領事館開所祝賀会費)
証拠(甲E6,乙1の1~3)及び弁論の全趣旨によれば,C1が,国際交流事業に関する調査事業のために同祝賀会に参加したとして,上記会費1万円を,本件使途基準の研修費として政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,同祝賀会は,その名称からみて,議員の調査研究に資する意見交換等がなされることが予定された会合とは認めがたく,そうすると,上記支出は,同祝賀会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
オ 1-18(原敬生誕150年記念祝賀会費)
証拠(甲E7,乙1の1~3)及び弁論の全趣旨によれば,C1が,岩手ブランドの確立に関する調査研究事業のために同祝賀会に参加したとして,上記会費6000円を,本件使途基準の研修費として政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,同祝賀会は,その名称からして,議員の調査研究に資する意見交換等がなされることが予定された会合とは認めがたく,また,C1は,岩手ブランドの確立に関する調査事業の主な内容を「市場調査,栽培・製造現場調査,生産者からの意見聴取の為の調査等」と収支報告書において記載しているところ,その調査事業と同祝賀会との関連性は不明である。そうすると,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
カ 1-19(盛岡市スポーツ人の集い会費)
(ア) 証拠(甲E5,乙1の1~3,丙B19の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a C1は,児童生徒の競技力向上に関する調査研究事業のために同集いに参加したとして,上記会費6000円を,本件使途基準の研修費として政務調査費から支出した。
b 上記集いは,財団法人盛岡市体育協会の主催により,「第42回盛岡市スポーツ人の集い」として,平成17年12月1日午後6時から,盛岡グランドホテルで開催された。同集いの式次第は,開会,挨拶,祝辞,乾杯,万歳三唱,閉会であった。同集いでは,併せて平成17年度のスポーツ振興功労者表彰式が行われ,同表彰式の式次第は,開式通告,表彰選考委員長報告,表彰,受賞者代表挨拶,閉式通告であった。
c 主催者である財団法人盛岡市体育協会は,盛岡市における体育・スポーツの振興を図り,市民の心身の健全な発達と明るく豊かな市民生活に寄与することを目的とする会である。同会は,上記目的を実現するために,競技スポーツの技術力向上と市民への生涯スポーツの普及を活動の柱とし,県民体育大会・国民体育大会への選手派遣事業や市民体育大会の開催,加盟団体が開催する競技及び生涯スポーツ振興事業への支援,全国大会盛岡市代表選手派遣助成金等の各種助成事業,スポーツ少年団への加入促進などを行っている。
(イ) 以上によれば,上記集いを主催した財団法人盛岡体育協会の目的は県政に関連があるといえるものの,同集いの式次第及び表彰式の式次第に鑑みると,同集いは,議員の調査研究に資する意見交換等が予定された会合とは認めがたい。そうすると,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
キ 1-22(岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会にかかる宿泊費)
(ア) 証拠(甲E8,乙1の1~5,2の1~4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a C1が議長に提出した平成17年度の収支報告書に添付された領収書等の添付様式には,水産業振興に関する調査研究事業のために岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会に参加したとして,同研修会に係る宿泊費を本件使途基準の調査研究費として政務調査費から支出した旨が記載され,宿泊代として1万0500円を領収した旨記載された平成17年12月15日付の富山全日空ホテル作成の領収書が添付されていた。
b 岩手県議会水産振興議員懇談会第2回研修会は,平成17年12月13日から15日までの2泊3日の行程で行われた。C1以外の議員については,2泊分の宿泊費を含めた旅行費用等の負担金を岩手県議会水産振興議員懇談会に対して支払い,宿泊したホテルに対する支払いは同会からなされた。その1泊分の宿泊費は9000円であった。
(イ) 被告は,1泊目の宿泊費については他の議員と同様,C1は岩手県議会水産振興議員懇談会に支払い,同会が宿泊したホテルに対して支払いを行ったが,2泊目の宿泊費については,理由は分からないものの,C1が自身で直接ホテルに対して支払った旨主張し,そのことは,領収書の日付が平成17年12月15日であるところ,宿泊代は宿泊した日の翌日に支払うものであるという顕著な事実に照らせば明らかであると主張する。
しかるに,必ずしも宿泊費が後払いであるとは言えない上,被告の主張どおりであるとすれば,1泊目の宿泊代と2泊目の宿泊代が異なることとなり,1泊目と2泊目のホテルが違う可能性も否定できないところ,研修会に参加するため宿泊するのに1泊目と2泊目のホテルを異にすることは通常考えがたく,原告の主張するとおり,上記支出が研修会後の平成17年12月15日にC1が私用で宿泊した際のホテル代であった可能性を否定できない。
そうすると,上記支出は,調査研究のための必要性があったとは認められず,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。
よって,上記支出は違法である。
ク 1-23~28(業務受託職員人件費)
(ア) 証拠(甲E9~14,56)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a C1が議長に提出した平成17年度の収支報告書に添付された領収書等の添付様式には,次のとおり記載され,領収書が添付されていた。
(a) 平成17年4月から6月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで45万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成17年6月30日付けの株式会社d作成の90万円の領収書が添付されていた。
(b) 平成17年7月から9月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで45万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成17年9月30日付けの株式会社d作成の90万円の領収書が添付されていた。
(c) 平成17年10月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで9万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成17年10月31日付けの個人作成の18万円の領収書が添付されていた。
(d) 平成17年11月,12月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで18万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成17年12月28日付けの個人作成の36万円の領収書が添付されていた。
(e) 平成18年1月,2月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで18万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成18年2月28日付けの個人作成の36万円の領収書が添付されていた。
(f) 平成18年3月分の事務所職員人件費につき按分率50パーセントで9万円を政務調査費から支払った旨が記載され,平成18年3月31日付けの個人作成の18万円の領収書が添付されていた。
b C1は,平成17年度には株式会社dの取締役であり,同年7月31日には代表取締役に就任した。
(イ) 上記(ア)のとおり,C1における事務所職員人件費は,C1が代表取締役となった2か月後の平成17年9月30日まで株式会社dに対し支払われ,その後は個人に対し支払われ,その額は株式会社dに対して支払われた金額と個人に対し支払われた金額が相当異なるところ,同年10月以降,事務所職員の人件費が減額された理由は明らかではなく,そもそも,同年9月以前にはなぜ株式会社dという会社名義で事務職員人件費の領収書が発行されていたのかも明らかでないところ,これらによれば,上記各支出に係る職員が実際に調査研究活動の補助業務に従事していたのかも定かではないといわざるを得ない。そうすると,上記各支出は,上記の点が明らかにされない以上,調査研究のための必要性に欠けるものであったといわざるを得ず,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。
よって,上記各支出は違法である。
ケ 1-29~31(事務所賃貸料・管理運営費)
証拠(甲E15~17)及び弁論の全趣旨によれば,C1が議長に提出した平成17年度の収支報告書に添付された領収書等の添付様式には,平成17年4月から平成18年3月までの事務所賃貸料として,按分率50パーセントで合計120万円を政務調査費から支出した旨が記載され,株式会社d作成の合計240万円の領収書が添付されていたことが認められる。
しかるに,その賃借したとされる事務所の所在地等も明らかではなく,実際に事務所としての機能を備えていたのかや実際に事務所として使用されていたのか等が不明であるといわざるを得ない。そうすると,上記支出は,上記の点が明らかにされない以上,調査研究のための必要性に欠けるものであったといわざるを得ず,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきある。
よって,上記各支出は違法である。
コ 1~32~65・67・72・73・75・79~81・85~94・97~102・104~113・115~118・120・121・125~127・129・135(書籍購入費)
(ア) 証拠(甲E18~22,27,31,36,38,39,43~46,52~55)及び弁論の全趣旨によれば,C1が,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の番号1-32~65・67・72・73・75・79~81・85~94・97~102・104~113・115~118・120・121・125~127・129・135の内訳欄記載の書籍を金額欄記載の金額で購入し,その購入費用を本件使途基準の資料購入費として政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,いずれの書籍についても,その題名からみて県政との関連性が窺えず,そうすると,上記各支出は,当該書籍に議員の調査研究に資する事項が具体的に記載されていたことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があることを認めるに足りる証拠はない。
よって,上記各支出は違法である。
(イ) この点,被告は,C1が行った一般質問と同人が購入した書籍のジャンルとの間には関連性が窺われるなどの事情に照らせば,上記各支出は適正なものである旨主張し,乙3の1から3までを提出している。
しかし,書籍のジャンルとの間に関連性が窺われる程度では,上記各支出が議員の調査研究に資するものであることなどの特段の事情があることを認めるには足りないというべきであるから,上記被告の主張は採用できない。
サ 1-128について
(ア) 証拠(甲E23~26,28~30,32~35,37,40~42,47~51)及び弁論の全趣旨によれば,C1が,いわゆるスポーツ新聞ないし夕刊紙(東京スポーツ,ゲンダイ,フジ,レジャー新聞,日刊スポーツ,スポーツニッポン),株式新聞,日本経済新聞,読売新聞,毎日新聞,週刊誌を購入し,その購入費用合計2万2900円を本件使途基準の資料購入費として政務調査費から支出したことが認められる。
(イ) しかるに,いわゆるスポーツ新聞,夕刊紙及び週刊誌は,一般に娯楽性が高い読み物といえるから,それらの購入に係る支出は,当該スポーツ新聞,夕刊紙及び週刊誌に議員の調査研究に資する事項が具体的に記載されていたことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があることを認めるに足りる証拠はない。
よって,いわゆるスポーツ新聞,夕刊紙及び週刊誌の購入に係る支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
(ウ) また,株式新聞は,投資をする者に対し,株式,投資信託,為替等の最新情報を伝えることを主たる目的とする性質の新聞であることからすると,県政との関連性が明らかではないといわざるを得ない。そうすると,株式新聞の購入に係る支出は,当該新聞に議員の調査研究に資する事項が具体的に記載されていたことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があることを認めるに足りる証拠はない。
よって,株式新聞の購入に係る支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
(エ) 一方,日本経済新聞,読売新聞及び毎日新聞の購入については,その新聞の性質上,県政との関連性が一般的に認められるというべきであるから,それらの購入費用の支出については,本件使途基準の資料購入費に該当し,違法ではない。
したがって,証拠上(甲E26,37,42,50),これらの購入費であると認めることのできる合計810円については,その支出は違法ではない。なお,それ以外の購入費用については,いわゆるスポーツ新聞,週刊誌及び株式新聞の購入費であると認められる。
(オ) 以上によれば,いわゆるスポーツ新聞,夕刊紙,週刊誌及び株式新聞の購入費用合計2万2090円の支出は,違法である。
(2)  議員番号2(Z1)の各支出について
ア 2-2(日韓親善協会中央会平成17年度会費)
証拠(丙C1)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,岩手県議会議員で構成する日韓親善岩手県議会議員連盟の関係する日韓親善協会が開催した日韓国交正常化40周年愛知万博日韓友好にかかる日韓・韓日協会の役員による合同会議の参加費に当たる同会の年会費4万円であり,補助参加人Z1は,日韓親善岩手県議会議員連盟の会長であったことから参加し,上記年会費4万円を政務調査費から支出したことが認められる。
また,補助参加人Z1は,陳述書(丙C1)において,参加した合同会議は,国際交流事業の調査のための意見交換を目的としたものであった旨陳述しており,同合同会議では目的に則った意見交換が行われたものと認められる。
以上によれば,補助参加人Z1が上記合同会議に参加した目的は県政に関連するものといえ,同会議においてはその目的に則った意見交換がなされたといえる。また,年会費が不相当に高額であるとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当し,違法ではない。
イ 2-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 2-4(岩手県男女共同参画社会を目指す銀協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 2-19~30(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
(ア) 証拠(甲C34の1~12,35,丙C1~10,11の1,12の1,13,14の1及び2,16,証人Z6,証人Z16)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手県総合政策研究会は,岩手県政課題解決のため,政策等の調査研究を実施し,もって岩手県の発展に寄与することを目的として,岩手県内全体の問題や各議員に共通する課題等の県政課題について,組織的かつ効率的に行うため,平成12年7月に設立された。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)岩手県政に関する調査及び研究,(2)県政課題対策の立案及び提言,(3)(2)に関する講演会・広報・宣伝活動等,(4)会員相互の意見・情報交換を目的とする勉強会の開催,(5)その他上記目的達成に必要な事業を行うこととしている。
c 同会の会員は,b2クラブ所属の岩手県議会議員である。平成17年度当時の同会の会長は,Z16であった。
d 同会の主たる事務所は岩手県議会内b2クラブ控室にある。
e 同会の経費は,会員からの政務調査委託費から充てられており,会員は,平成17年度,毎月4万円を県政調査・研究委託料として支払った。会員から支払われた県政調査・研究委託料は,同年度内に費消され,残高はなかった。
f 平成17年度に行われた調査委託事業のうち,視察調査関係は次のとおりである。
(a) 豪雪災害現地調査
平成17年4月8日に,豪雪に見舞われたh10町及びh11村の農業施設への被害などの現地調査を行い,同会は,同月11日に,県に対して要望書を提出した。
(b) h2町・h12町山林火災視察
平成17年5月6日にh2町とh12町の町境付近で発生した山林火災の被害状況現地調査を同月19日に行い,その後,同会は,県に対して要望書を提出した。
(c) 三陸縦貫自動車道等建設促進調査事業
平成17年6月13日,三陸沿岸地域の高速交通網の整備促進に関し,国土交通省など関係機関からの情報収集を行った。
(d) 市町村重点要望に関する調査研究
市町村の役場を訪問し,各市町村の重点施策の要望について,平成17年10月12日,13日,25日及び11月9日に意見聴取を行い,その結果を踏まえて同月29日に県に政策の要望書を提出した。上記意見聴取は,同会の会員全員で分担して行った。
(e) 県内各種団体の要望調査事業(政策要望懇談会の開催)
平成17年11月12日,県内各種団体の抱える問題や,国や県への政策に関する取り組み状況や今後の要望等につき,約60団体から意見聴取を行った。
(f) 県・市町村の重点要望に関する国の対応状況等調査事業
平成17年12月1日及び2日に,東京都において,県・市町村の重点要望について,関係省庁担当者と協議した。
(g) 豪雪災害現地調査
平成18年1月23日,大雪に見舞われたh13町とh14町の除雪状況や農林業施設への被害などの現地調査を行い,被害回復のための要望を行政当局に対して行った。
g 同会は,定期的に政策審議会を開催し,(1)医師確保等人材の育成,(2)小児救急医療態勢の確保・充実,(3)少子化対策,(4)直接支払制度(品目横断的政策),(5)特定農業団体の円滑な法人化に向けた支援,(6)大型クラゲ対策,(7)道路予算の確保と高規格幹線道路等の整備促進,(8)地方財政自立改革(三位一体改革),(9)国の18年度予算・17年度補正予算などに関し,資料を入手,作成した上,会員らにおいて協議を行った。
h 上記f記載の調査により得られた結果は,その都度,同会の会員である各議員共有の情報となるよう情報提供された。また,同会は,平成17年度に行った調査研究事項のうち,(1)平成18年度予算に関する調査研究,(2)市町村重点要望に関する調査研究,(3)国の補正予算等に関する調査研究,(4)県内各種団体における重点要望に関する調査研究,(5)豪雪災害に関する調査研究,(6)医療・福祉政策に関する調査研究につき,その都度作成した報告書や資料等を編綴した調査研究報告書を年度末に作成した。
(イ) 上記(ア)記載の事実によれば,同会の目的は県政に関連するものといえ,同目的に則って,調査研究活動が行われていたと認められる。そして,同会の会員である各議員は,県内全体に係る課題や各議員共通の課題について,同会に調査研究を委託し,その委託結果の報告を受けたり,同会が開催する政策審議会において会員との間で情報・意見交換を行ったりしており,これらは各議員自身の調査研究活動に当たるといえ,また,同会への県政調査・研究委託料についても不相当に高額であるとはいえない。
したがって,当該県政調査・研究委託料は,本件使途基準の調査研究費に当たると認めるのが相当であり,上記各支出は違法ではない。
(ウ) 原告は,当該県政調査・研究委託料は,実質的にはb2クラブに対する活動資金である旨,仮にそうではないとしても,同会はb2クラブないしb3党県連が設置している団体・組織というべきであり,支出が禁止されている政党活動経費への支出に該当するから,政務調査費として支出することは違法である旨主張する。
しかし,同会の活動状況等は,上記(ア)のとおりであり,調査研究活動であって,政党における政治活動には当たらないというべきであるから,当該県政調査・研究委託料は,b2クラブに対する活動資金,あるいは,政党活動経費への支出に当たるとはいえず,原告の上記主張は採用できない。
(3)  議員番号3(Z25)の各支出について
ア 3-1(盛岡間税会平成17年度分会費)
(ア) 証拠(丙B3,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 盛岡間税会は,間接税(消費税,酒税,たばこ税,揮発油税,石油ガス税,軽油取引税,印紙税など)の自主的な申告納税体制の確立を通して税務,税制の公正に寄与し,併せて,経営の健全な発展を図ることを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するために,(1)間接税の法令,通達等の周知徹底,(2)間接税に関する調査研究及び提言,(3)間接税の転嫁による正常取引の推進,(4)間接税にかかわる行政施策への協力,(5)会員の親睦と友好団体との協調,(6)その他上記目的を達成するために必要な事業を行うこととしている。
c 補助参加人Z25は,同会の平成17年度の会費として5000円を支払い,政務調査費から支出した。
d 補助参加人Z25は,税金について知るために同会に参加し,同会による盛岡の税務署署長の解説講話に参加するなどした。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25が同会に参加した目的及び同会の目的は県政に関連するものといえ,同会ではその目的に沿った活動がなされていたと認められる。また,会費が不相当に高額であるとはいえない。
したがって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費あるいは研修費に該当すると認めるのが相当であり,違法ではない。
イ 3-3(いわてみらい創造ネットワーク平成17年度会費)
(ア) 証拠(丙B4,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a いわてみらい創造ネットワークは,会員相互の親睦と啓発を図るとともに,ネットワークを形成しお互いの企業をますます発展させること,ひいては地域産業経済の活性化を図り,すべての人が暮らしやすい生活環境の創造と産業振興に寄与することを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するために,(1)会員相互の親睦と啓発を図るための交流会の開催,(2)セミナー・講演会・情報交換会の実施,(3)情報誌の発行,(4)ユニバーサルデザインに基づいた物作りに会員連携の下で取り組む,(5)地域のブランド作りを「商品作り」・「流通チャネル」・「プロモーション」の一体的なマネジメントの構築を支援する,(6)その他,上記目的達成のため必要なことを行うこととしている。同会の平成17年度事業計画の内容は,平成17年5月及び12月の役員会,5月,8月,11月及び平成18年1月の情報誌発行,6月の定時総会,セミナー開催(演題「なぜ日本はアメリカとの同盟が必要か」及び交流懇親会,8月の異業種交流会ビアパーティー,10月の交流ゴルフコンペ,平成18年2月の新春セミナーと交流会であった。
c 同会は,上記目的に賛同する事業者または個人を会員として組織されている。
d 補助参加人Z25は,平成17年度の賛助会員の会費3000円を政務調査費から支出したが,同人の認識としては,個々の誘いに応じて参加していたという認識であり,会員制なのかどうかは知らなかった。
e 補助参加人Z25が参加した平成18年3月29日の講演会では,高島屋惣菜担当のバイヤーの講演が行われた。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同会の目的に県政との関連性があるとは直ちに認めがたく,行うとされている事業活動の内容についても,主たるものは会員相互の親睦と啓発を図るためのものと考えられ,県政に関わる議員の調査研究に資するものとは認めがたい。
そうすると,上記支出は,同会の活動により会員相互の親睦や啓発を超えて議員の調査研究に資する情報が現に得られたことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。しかるところ,補助参加人Z25は,講演に関し,バイヤーにより確実な販売方法が提示され,岩手の産品が方法次第で販売を伸ばすポテンシャルを秘めているという指摘があり,これからの政策如何であると意気込みを覚えた旨などを陳述するが(丙B57),この内容は一般的抽象的な啓発を受けたというものにとどまり,議員の調査研究に資する情報が現に得られるなどしたとはいえず,上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
ウ 3-5(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 3-6(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
オ 3-22(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
(ア) 証拠(甲6の1及び2,丙A2,丙B37,39,41~43,45~54,56~58,丙C19,丙D2~5,7,8)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手県議会大連友好議員連盟は,岩手県と中国大連市との経済交流の振興を促進し,もって岩手県の地域経済の発展に寄与することを目的として,平成16年10月に設立された。
b 同会は,上記目的に賛同する岩手県議会議員をもって組織されている。
c 同会の会費は,月1000円である。
d 平成17年度は,1度総会が行われ,その際,調査研究会として,「尾坪商店の中国進出~わかめで世界に健康を~」との題目で外部講師による講演が行われた。
e 同協議会の平成17年度の収支決算については,収入額は,会費による収入49万3000円,その他収入100円の合計49万3100円,支出額は,講師謝金・旅費2万3746円,弁当・お茶代14万6601円の合計17万0347円であり,その差額の32万2753円は翌年度に繰り越された。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らすと,同会の目的は県政に関連するものといえ,同目的に沿って,講演会の開催がなされたものと認められ,講演から知識を得ることは,中国大連市との経済交流の振興を促進するための行政施策を遂行する上で有益なものであるといえる。また,同会は党派を超えた会員により組織されており,それゆえに広い視野を持った意見交換等を行うことが可能になるものと認められる。
なお,同会の支出は会費収入の3分の1程度しかないが,この点については,会費の金額が妥当であるかとの点から同会において協議すべき問題にすぎず,同金額が社会通念上不相当に高額であるとはいえないから,会費の支出が調査研究に資するものであったことを否定する事情とはならないというべきである。
以上によれば,同協議会の会費を政務調査費から支出することに合理性がないとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するものといえ,違法ではない。
(ウ) この点,原告は,ほとんど活動実績がなく,納入された会費のほとんどが費消されずに翌年度に繰り越されていることをもって,同会の活動に調査研究の実質があると認めることはできない旨主張するが,同会の活動に調査研究の実質がないとは認められない。
また,原告は本件条例11条及び概算払いの返納を定めた地方自治法施行令159条に違反する旨主張するが,上記のとおり,上記支出は本件使途基準に適合するものといえ,会費は同会に納入済みで返還されないものであるから,原告の主張はその議論の前提を異にし採用できない。
カ 3-25((財)岩手県国際交流協会会費)について
(ア) 証拠(丙B5,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 財団法人岩手県国際交流協会は,豊かな自然や歴史,伝統などに育まれた岩手の風土を生かしながら,経済,技術,スポーツ等,幅広い分野における国際交流活動を展開することにより,県民の国際理解を深め,国際協力思想の高揚を図る,とともに,地域経済のみならず,文化面においても岩手県の活性化を図り,もって物心ともに豊かな郷土岩手の建設に寄与することを目的とする。
b 同協会は,上記目的を達成するため,(1)国際交流に関する情報の収集及び提供,(2)国際交流に関する啓発普及,(3)国際交流に関する調査研究,(4)国際交流団体及び国際交流ボランティアの育成及び連絡調整,(5)国際交流事業の企画及び推進,(6)在住外国人等の相談,助言及び援助,(7)国際協力事業の企画及び推進,(8)委託を受けた国際交流センターの運営,(9)その他上記目的を達成するために必要な事業を行うこととしている。
c 補助参加人Z25は,岩手県といえども国際社会において国際的な事項を知ることは必須であると考え,岩手県の国際事情を知るために同協会が発行する情報誌を入手する目的で入会した。
d 同協会が発行する情報誌は,インターネットで無料で閲覧することができる。
e 補助参加人Z25は,賛助会員会費3000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25が同協会に入会した目的は,同協会が発行する情報誌を入手するためであり,情報誌の閲覧はインターネットで無料で行うことが可能であったから,同会の目的自体は県政と関連性がないとはいえないものの,同協会の会費の支出は,補助参加人Z25の上記目的を達するために必要であったとはいえないというべきである。
したがって,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
キ 3-28(岩手県立大学O新学長を歓迎する県民の集い会費)
1-15(上記(1)ウ)の支出につき記載したとおり,同集いにおいて議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情は認められない。
なお,証拠(丙B57,証人Z25)によれば,補助参加人Z25は,新学長がどのような運営方針で臨むのか,人材をどのように育成していくのかということを知りたいと考えて同集いに参加したことが認められ,かかる目的が県政に関連性がないとまではいえないが,同集いにおいて議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたとは認められない以上,同集いの会費の支出に調査研究のための必要性があり,本件使途基準に合致するとは認められないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
ク 3-29(a美術館「館長歓迎会と会員交流の夕べ」会費)
(ア) 証拠(丙B1,57,証人Z25)によれば,次の事実が認められる。
a a美術館「館長歓迎会と会員交流の夕べ」は,平成17年9月12日にグランドホテルにおいて開催され,補助参加人Z25は,教育の一環としての文化芸術の振興と中心市街地活性化政策の遂行に有益であると考えて同会に参加した。
b 補助参加人Z25は,同会費1万円を政務調査費から支出した。
(イ) 補助参加人Z25が同会に参加した目的自体は県政に関連性を欠くとはいえないものの,上記(ア)の事実及び同会の名称からすれば,同会はホテルの会場において,出席者が飲食を共にしながら館長を歓迎する趣旨で催されたものといえ,同会において議員の調査研究に資する意見交換等がなされることが予定されていたとは認められない。そうすると,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
ケ 3-30(岩手日英協会総会懇親会費),3-32(岩手日英協会講演会・懇親会会費),3-63(岩手日英協会会費)
(ア) 証拠(丙B2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手日英協会は社団法人日英協会の地方協会であるところ,社団法人日英協会は,日本と英国との文化交流を通じて相互理解と親交を深め,両国間の親善の増進と関係強化に寄与することを目的とする協会である。
b 社団法人日英協会は,上記目的を達成するため,(1)日英両国の政治,経済,文化その他に関する事情の紹介と各種研究フォーラム等の開催,(2)秩父宮妃記念講演会の開催,(3)日英両国民の協力による各種行事を通じた草の根交流促進のための支援と機会の提供及び日英交歓会等の開催,(4)来日した英国王室及び政府要人,文化人等の歓迎レセプション等の開催,(5)その他上記目的を達成するために必要な事業を行うこととしている。
c 補助参加人Z25は,国際事情を知るために,また,同人の取り組んでいた政策課題の一つである中心市街地活性化を図るためには,歴史と文化があるヨーロッパの町並みを参考とすることが有益であると考え,岩手日英協会に入会した。
d 補助参加人Z25は,平成17年9月30日に開催された岩手日英協会総会・講演会及びそれに続く懇親会に参加し,その会費4000円を政務調査費から支出した(3-30)。講演会は,英国経済の現状と日英の関係及び日英の文化交流に関し,英国大使館の商務部一等書記官により行われた。
e 補助参加人Z25は,平成18年3月4日に開催された講演会及びそれに続く懇親会に参加し,その会費4000円を政務調査費から支出した(3-32)。講演会は,英国経済の現状と日英の関係及び日英の文化交流に関し,英国大使館の対英投資部一等書記官により行われた。
f 補助参加人Z25は,同会の会費3000円を政務調査費から支出した(3-63)。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25が同協会に入会した目的は県政に関連するものといえ,また,同人が参加した講演会の内容はその目的に則ったものであったといえる。そして,同会の会費も含め,いずれの会費も,不相当に高額とはいえない。
そうすると,上記各支出については,本件使途基準の調査研究費あるいは研修費に当たるというべきであり,違法とはいえない。
コ 3-35~37(E講演会出席タクシー費用,交通費)
(ア) 証拠(丙B57,証人Z25)によれば,次の事実が認められる。
a 補助参加人Z25は,平成17年6月15日に東京都において開催された上智大学名誉教授Eによる講演会に出席し,その際に利用したタクシーの料金1700円(3-35),660円(3-36)及び盛岡駅,東京駅間の交通費往復2万1830円(3-37)を政務調査費から支出した。
b 同講演会は,日本の昭和史に関する歴史講座であった。
c 補助参加人Z25は,若者の覇気のなさは自分の国に若者が誇りと自信を持てないことが原因にあるのではないかとの思いから教育現場を変えたいと前職の教師のときから考えており,政策課題の一つとして教育に取り組もうと考えていた。そのため,正しい歴史認識を得たいと思い,同講演会に参加した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25が同講演会に参加した目的は県政に関連性がないとはいえないものの,同人の陳述書(丙B57)にあるとおり,同講演会の講演内容は,「諸外国との交流や折衝を行うにあたり,そのバックボーンとして自国の歴史を正確に理解しておくことは必須と考えます」「このような知識はいわば,県議のベースになるもので,政治家にとって基本的なものであります」というもので,県政との関連性は間接的なもので,一般教養・知識に準ずるものといわざるを得ない。そうすると,上記各支出は,補助参加人Z25において,同講演会の講演内容を基に県政に直接関連する具体的な調査研究がなされたか,予定されたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記各支出は違法である。
サ 3-38(F講演会チケット代)
(ア) 証拠(丙B20の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 補助参加人Z25は,平成18年3月18日に盛岡劇場において行われた,マクロビオティック食に関するFによる講演会に参加し,そのチケット代を政務調査費から支出した。
b 補助参加人Z25は,同講演会の内容は,岩手の産物の安全を標榜するための知識の裏打ちになると考え,ひいては岩手の基幹産業である農業の振興につながると考え,同講演会に参加した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25の同講演会に参加した目的は県政に関連性があるというべきであり,同講演会の内容も同人が参加した目的に沿ったものであったというべきである。そうすると,チケット代の支出には調査研究のための必要性が認められるというべきである。
そして,証拠(丙B20の1)によれば,チケット代は3000円であったと認められるので,上記支出のうち3000円については,本件使途基準の研修費に該当し,違法ではないが,1000円については違法である。
シ 3-39・65(o会会費)について
証拠(丙B57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,o会とは,衆議院議員Dの政治活動に賛同し,さらなる飛躍を期待する会員相互の親交と研さんを通じ,自由で創造性あふれる自立国家の確立に寄与することを目的とし,岩手県中・県北に在住又は勤務する個人有志をもって組織される会であり,Dの政治活動を応援する会であると認められる。
同会の上記目的に照らせば,同会は政治家の後援会活動あるいは政治活動が主であるとの疑いがあるといわざるを得ず,同会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。しかるに,補助参加人Z25は,陳述書(丙B57)及び証人尋問においても,同会の参加により,国政に直結する情報を知ることができ,県議会の運営上有益であった旨述べるにとどまり,同会の活動内容に関するその他の証拠はなく,同会の活動内容及び実態は不明であるといわざるを得ず,上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記各支出は違法である。
ス 3-40(グループGAN・MOの会4月例会会費)
(ア) 証拠(丙B17の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 補助参加人Z25は,平成17年4月28日午後6時30分からホテルルイズにおいて行われた4月例会に参加し,その参加費用8000円を政務調査費から支出した。
同例会では,約1時間の講演会が「一日一生」との題目でIにより行われ,その後引き続いて夕食会が行われた。
b Iは,NPO法人日本ソーシャルマイノリティ協会新宿救護センターの開設者であり,講演会の内容は,DV被害者,借金問題,いじめ等の問題を抱える社会的弱者の現実に関するものであった。
c 補助参加人Z25は,同日の午後1時30分から午後3時ころまで盛岡グランドホテルにおいて行われたIの講演会の主催者であり,同講演会には主催者として参加した。同講演会の題目は「一日一生」であり,同講演会の会費は1000円であった。
(イ) 補助参加人Z25が4月例会に参加した目的が社会的弱者の現実を知ることにあったとすれば,その目的自体は県政に関連があるといえ,また,講演会の内容もその目的に沿ったものといえるが,同人は,午後1時30分から約1時間30分行われた,題目も講演者も同じである講演会に主催者として参加していたのであるから,4月例会に参加した目的は社会的弱者の現実を知ることにあったというよりは,会員との交流にあったとの疑いがあるといわざるを得ない。なお,証人Lは,午後1時から行われた講演会と4月例会において行われた講演会とでは内容が異なっていた旨供述しているが,題目も講演者も同じで講演時間は4月例会において行われた講演会の方が約30分から短いことからすれば,同講演会の内容は前者の講演会を超えるものではなかったと推認できる。
そうすると,上記支出は,補助参加人Z25の上記目的を達成するために必要であったとはいえないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
セ 3-41(盛岡市日中友好協会年会費)
(ア) 証拠(丙B6,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 盛岡市日中友好協会は,社団法人日中友好協会の地区協会であるところ,社団法人日中友好協会は,日本共同声明と日中平和友好条約の掲げる精神を遵守し,日本国と中華人民共和国両国民の間の相互理解と友好関係を増進し,もって日本とアジア及び世界の平和と発展に寄与することを目的とする。
b 社団法人日中友好協会は,上記目的を達成するため,(1)日中両国民の相互理解と友好関係の増進に資する内外の文化,芸術,教育,科学技術及びスポーツ等の交流,(2)日中両国の友好都市間交流に対する協力と支援,(3)日本からの留学生の派遣と斡旋及び中国からの留学生・研修生の受け入れと斡旋,(4)日本からの訪中団の派遣と斡旋及び中国からの訪日団の受け入れと斡旋,(5)日本における中国語の普及並びに中国における日本語の普及,(6)関係諸機関及び関係団体との協調・連絡,(7)機関紙及びパンフレットの刊行及び関係図書の出版,斡旋,(8)その他上記目的を達成するために必要な事業を行うこととしている。
c 補助参加人Z25は,国際事情を知るために,同会に入会し,同協会の活動を通じて,中国に関する情報,特に都市部と農村部との格差等について情報を得た。
d 補助参加人Z25は,同会年会費1万円を政務調査費から支出した。
(イ) 補助参加人Z25が同会に入会した目的は県政と関連性がないとはいえず,同会の目的及び活動内容は,同人が入会した目的に沿ったものであったといえる。また,同会費が不相当に高額であるとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当すると認めるのが相当であり,違法ではない。
ソ 3-42・43・45~50・54~57・59・61~64・67の各支出に対する原告の主張について
原告は,上記各支出について,補助参加人Z25が,県会議員になる前から入会していたり,県会議員を辞めた後も会員となっているものは,そのことからも同人が県会議員たる地位とは関係なく個人として加入していることが明らかである旨主張する。
しかし,当該支出が違法か否かについては,当該会の活動内容等を総合考慮して,当該支出が議員の調査研究に資するものと認められるか否かによるべきであって,県会議員になる前から入会していたり,県会議員を辞めた後も会員であることのみをもって直ちに違法な支出に当たるとはいえないというべきである。
かかる見地から,以下,各支出について検討する。
タ 3-42・66(g会会費)について
(ア) 証拠(丙B7の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a g会は,Pの人格を敬慕し,遺徳の顕彰を図ることを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)Pに関する各種資料の発掘,調査,研究,紹介,(2)Pに関する法要,講演会などへの参加,(3)Pに関する諸団体との連絡,(4)その他の事業を行うこととしている。
c 平成17年度には,平成17年4月20日に行われた総会の際,総会に引き続いて外部講師による「海と国防」との題目で講演会が行われた。また,同年10月4日には,水交会における歴代講師座談会が行われた。さらに,「終戦時,Pさんの遺された措置と後世への期待」,「Pと昭和海軍の選択(Ⅰ)」などの論文が掲載された会報(第19号)が発行された。
d 平成18年度の総会では,引き続いて「海洋と日本」との題目で外部講師による講演会が行われた。
e 補助参加人Z25は,議員になる以前,平和を奉じ国を救った郷土の偉人に敬意を表して入会した。その際,戦争前後の日本についての知識を深め,歴史を正しく知りたいとの考えもあり,議員になった後も,同会の会員を続けた。
(イ) 上記コ(ア)c記載のとおり,補助参加人Z25の政策課題として教育問題があり,その課題に取り組むためには正しい歴史認識を得たいとの思いを有していたことからすれば,議員以前から入会していた同会への入会を継続した目的には,県政との関連性がないとはいえないものの,同人の陳述書(丙B57)にあるとおり,同会の活動内容は,「郷土が輩出した偉大な政治家の功績を知っておくことは県会議員としては必須です」「海防を国任せにせずに,海防について知識を得て理解を深めておくことが,県政を担う議員にとって必要であると確信しました」というもので,その関連性は間接的なもので,一般教養,知識に準ずるものといわざるを得ない。そうすると,上記各支出は,補助参加人Z25において,同会の活動を基に県政に直接関連する具体的な調査研究がなされたか,予定されたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
そうすると,上記各支出は違法である。
チ 3-43(世界アルペン記念いわてボランティア通訳の会会費)
(ア) 証拠(丙B8,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 世界アルペン記念いわてボランティア通訳の会は,岩手県民が外国の人々と言葉と文化の違いを超えて相互に理解し合う上でのかけはしの役割を担い,岩手県が目指す民間国際交流の一層の推進に寄与することを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)岩手県内における国際的諸イベント(自治体,民間主催)開催時におけるボランティア通訳派遣要請への対応,(2)岩手県民の国際理解意識の啓蒙,次世代の育成,文化交流等の事業の企画と実行,(3)会員の活動資質向上の為の研修会開催,(4)その他の事業を行うこととしている。
c 同会は,ボランティアでの翻訳援助活動や通訳活動のほか,年数回の研修会を行っており,平成17年度は,「BUSHIDO―その精神と英語」との題目による講演会が3回にわたって開催されたほか,「Cultural Crossroad」との題目による講演会が2回,「平泉ボランティア養成講座を受講して」との題目による講演会が開催された。
d 補助参加人Z25は,岩手県民の開かれた国際性醸成を目的に議員になる以前から同会に参加していた。同人は,地域限定通訳に関する問題を議会において発言した際には,同会における活動を通じて得た知識が役立ったと考えている。
e 補助参加人Z25は,同会の会費3000円を政務調査費から支出した。
f 補助参加人Z25は,議員を辞めた後も同会の会員を継続している。
(イ) 上記(ア)aからdまでの事実に照らせば,同fの点を勘案しても,補助参加人Z25が同会の会員を継続した目的は県政に関連があるといえ,同会の活動内容も,その目的に沿ったものということができる。また,会費が不相当に高額であるとはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に当たるというべきであり,違法とはいえない。
ツ 3-44(岩手県ユネスコ協会連盟会費),3-52(盛岡ユネスコ協会連盟会費)
(ア) 証拠(丙B9,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手県ユネスコ協会連盟及び盛岡ユネスコ協会連盟は,社団法人日本ユネスコ協会連盟の構成団体会員であるところ,社団法人日本ユネスコ協会連盟は,ユネスコ憲章の精神に則り,民間ユネスコ活動を推進すること,すなわち,世界の人々が教育・科学・文化・コミュニケーションを通じて国際平和と人類の福祉の促進をすることを目的とする。
b 社団法人日本ユネスコ協会連盟は,上記目的を達成するため,(1)民間ユネスコ活動の組織育成,(2)日本ユネスコ国内委員会に対する協力,(3)ユネスコに対する協力,(4)国際理解と交際協力の推進,(5)国際連合及びユネスコに関する研究,調査,普及,(6)国内及び国際的諸機関・団体との連携,(7)青少年へのユネスコ活動の普及と支援,(8)ユネスコ活動の普及のための各種出版物の刊行,物品の製作及び頒布,(9)民間ユネスコ活動推進のための各種行事の開催,(10)民間ユネスコ活動への支援・助言及び民間ユネスコ活動にかかる調整,(11)その他の目的達成に必要な事業を行うこととし,具体的には,世界寺子屋活動,世界遺産活動,生涯学習講座,国際交流活動,青少年育成活動,スタディーツアー,留学生交流,国際理解教育の教材製作・配付を行っている。
c 補助参加人Z25は,同協会の活動に賛同し,また,平泉の世界遺産登録は県政上重要な課題の一つであったことや,青少年問題協議会の委員であったことから,世界遺産活動や青少年育成活動を行っているユネスコ協会に参加することは有意義であると考え,岩手県ユネスコ協会連盟及び盛岡ユネスコ協会連盟に入会した。盛岡ユネスコ協会連盟の活動は,岩手県ユネスコ協会連盟の活動よりも,盛岡市に特化したものであった。
d 補助参加人Z25は,岩手県ユネスコ協会連盟の会費1万円及び盛岡ユネスコ協会連盟の会費4000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25がユネスコ協会に入会した目的は県政に関連があるといえ,同協会の活動内容は,その目的に沿ったものであったといえる。また,いずれも会費が不相当に高額であるとはいえない。
そうすると,上記各支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
テ 3-45(盛岡絆の会通常会費上期分),3-46・49・55・59・61・62・64・67(同会特別会費),3-56(同会通常会費下期分)
(ア) 証拠(丙B10の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 盛岡絆の会は,会員相互の親睦はもちろんのこと,あらゆる情報を提供し合い,共存共栄の実をあげ,人間関係の絆を深めることを目的とする。
b 同会は,(1)会員相互の営業に関する助言の提案,(2)各種情報の提供,(3)優良企業の紹介又は人材の紹介,(4)親睦を深めるための諸事業,(5)その他,上記目的に寄与する事業を行うこととしている。
c 平成17年度には,通常総会,12月例会(忘年会),1月例会(新年会)等のほか,「京都議定書と地球温暖化対策……誰でも出来るCO2削減策」,「盛岡の魅力を考える」,「宮古市長選挙・盛岡選挙区県議補選を終えて」,「事件は社会の縮図~捜査よもやま話」,「女子高校生の素顔と行動」,「アスベストについて」,「岩手医大における院内感染対策~病院感染から患者様を守る~」との題目で,それぞれ講演会が行われ,その後,飲食を伴う懇親会が行われた。
d 補助参加人Z25は,議会において医療に関して発言したり,環境福祉委員会においてアスベストに関して発言した際には,同会に出席して得た知識が役立ったと考えている。
e 補助参加人Z25は,同会の通常会費上期分1万2000円,下期分1万2000円,特別会費2000円あるいは3000円の合計4万1000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同会の目的自体には県政との関連性が見出しがたいが,その活動内容としての講演会の内容は県政と関連するものといえ,講演会に出席して知識を得ることは,調査研究活動に有益であるというべきである。
もっとも,上記証拠及び弁論の全趣旨によれば,同会の講演会や例会は飲食店である「きのえね本店」が開催場所であったこと,特別会費は講演会が実施されていない12月例会(忘年会)及び1月例会(新年会)においても徴収されていることが認められるから,特別会費は会員相互の親睦のためになされる懇親会の飲食代金であったというべきである。そして,上記(ア)の同会の目的等を勘案すると,特別会費としての支出合計1万7000円については,同懇親会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
そうすると,上記各支出のうち通常会費合計2万4000円については調査研究のための必要性があるというべきであり,本件使途基準の調査研究費ないし研修費に該当し,違法ではないが,特別会費合計1万7000円については,違法というべきである。
ト 3-47(新しい歴史教科書をつくる会年会費)
(ア) 証拠(丙B11,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 新しい歴史教科書をつくる会は,新しい歴史・公民教科書及びその他の教科書の作成を企画・提案し,それらを児童・生徒の手に渡すことを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)最新の学問的知見にもとづき新しい歴史・公民教科書及びその他の教科書につき企画・提案する,(2)学校用教科書の検定・採択などに関する諸制度の調査・研究及びその改善についての取り組みをすすめる,(3)各種の講演会・歴史教育セミナー等を開催する,(4)会報等を発行する,(5)その他上記目的達成に必要なことを行うこととしている。
c 補助参加人Z25は,正しい歴史認識を得たいと考え,同会に入会した。
d 補助参加人Z25は,同会の年会費6000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記コ(ア)c記載のとおり,補助参加人Z25の政策課題として教育問題があり,その課題に取り組むためには正しい歴史認識を得たいとの思いを有していたことからすれば,同会に入会した目的には,県政との関連性がないとはいえないものの,正しい歴史認識については,県政との関連性は間接的なもので,一般教養・知識に準ずるものといわざるを得ない。そうすると,上記支出は,補助参加人Z25において,同会で得られた知識,情報等を基に県政に直接関連する具体的な調査研究がなされたか,予定されたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記証拠によれば,補助参加人Z25においては同会で得られた知識,情報等を基に平成17年6月の定例会議において教科書検定のあり方について一般質問を行ったことが認められるから,上記の特段の事情があるものというべきである。
そして,同会の活動内容も補助参加人Z25の上記目的に沿ったものであったというべきである。そして,会費も不相当に高額とはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ナ 3-48(ITC盛岡クラブ第12期年会費(前期))
(ア) 証拠(丙B12,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a ITC(インターナショナル トレーニング イン コミュニケーション)は,効果的な口頭及び書面によるコミュニケーションの原理と技術とその関連課題を各会員が学び,応用できるように教育プログラム,方法と機会を提供し,この目標に関連する他の慈善および教育活動を法の許す範囲で実行することを目的とする。
b 補助参加人Z25は,議員になる以前から,指導力とコミュニケーションの養成を目的として同会に参加していた。
c 同会は,コミュニケーション能力と指導力の訓練を行い,スピーチコンテストなどを開催している。
d 補助参加人Z25は,同会の年会費(前期)2万4200円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同会の目的には県政との関連性が認めがたく,また,同会の活動内容と県政との関連性も認めがたい。さらに,同会の年会費も前期分で2万4200円と高額である。
以上によれば,同会の会費の支出には調査研究のための必要性を認めることはできないというべきであり,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
ニ 3-50(パリ祭会費)
(ア) 証拠(丙B13,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a パリ祭とは,盛岡日仏協会の総会を指し,上記会費の内訳は,同協会の年会費及び総会における懇親会費である。補助参加人Z25は,それら1万円を政務調査費から支出した。
b 盛岡日仏協会は,フランス文化の普及と会員相互の親睦を計りつつ,日仏両国の相互理解に資することを目的とする。
c 同協会は,上記目的を達成するため,(1)日仏文化交流に関する事業,(2)その他同協会が適当と認めた事業を行うこととしている。
d 補助参加人Z25は,議員になる以前からフランス文化への理解を深めることを主たる目的として同会に参加していた。また,議員になってからは,それ以前とは異なり,政治的な見方をするようになり,大使館発行の情報誌を入手するようになった。同人は,その情報誌からは,競馬事情とホースセラピー,少子化対策,教育問題等について有益な情報を得ることができたと考えている。
(イ) 上記(ア)記載の事実及び上記ケ(ア)c記載のとおり,同人は中心市街地活性化にはヨーロッパの町並みを参考にすべきであると考えていたことに照らせば,補助参加人Z25が議員になってからも同会に参加していた目的は県政との関連性があるといえ,同会の活動内容はその目的に沿ったものであったというべきである。また,上記支出額が不相当に高額であるとはいえない。
以上によれば,上記支出は,本件使途基準の政務調査費に該当するというべきであり,違法ではない。
ヌ 3-51(トーテムポールを守る会歓迎会参加費)
(ア) 証拠(丙B57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,トーテムポールを守る会は,盛岡市とカナダのビクトリア市との交流10周年の際に記念としてビクトリア市から寄贈されたトーテムポールを守り,民間交流を深めようという趣旨で有志が集まり設立された会であること,補助参加人Z25は,平成17年7月31日に,スピリッツにおいて開催された,ビクトリア市の日本語学校の生徒らを歓迎する歓迎会に参加したこと,同人は,同参加費3500円を政務調査費から支出したことが認められる。
(イ) 証人Lは,トーテムポールは,観光スポットの一つとして,中心市街地の活性化につなげることができると考えていたため同歓迎会に参加した旨供述しているが,上記(ア)記載の事実及び歓迎会という名称からして,同会において,議員の調査研究に資する意見交換等がなされることが予定されていたとは認められない。
そうすると,上記支出は,同歓迎会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
ネ 3-53(NPO法人のびっこ会費)
(ア) 証拠(丙B14,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a NPO法人のびっこは,知的障害児の療育施設を運営する法人であり,(1)在宅障害児・障害者のための家庭支援,自立支援活動,デイサービス事業,療育福祉ホーム,(2)幼児,学童保育事業,(3)のびっこ広場(夏,冬,春休みにおける保育),(4)グループホーム(働く青年が自立生活ができるよう訓練しながら宿泊を行う),(5)24時間態勢の障害児の預かり事業,(6)青年の交流活動,(7)障害に関する相談事業を事業内容とする。
b 同会の年会費は一口1万円である。同会は,事業を行うための資金提供を呼びかけており,その資金となるのが募金及び年会費である。補助参加人Z25は,会費として1万円を政務調査費から支出した。
c 補助参加人Z25は,知的障害児の実態調査を目的として同会に参加し,同会からの訴えを受けて,給付金を巡る不平等の是正を市町村に働きかけるなどした。同人は,会費を支払い会員として参加することで,知的障害児の福祉行政現場の実情を把握することができたと考えている。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同会の活動は,知的障害児の療育施設の運営であり,会費はその運営費用に用いられること,会費は一口1万円という形で定められていることや同会が資金提供を呼びかけていることからすれば,会費は寄付金の性質を有するというべきである。
たしかに,補助参加人Z25は,同会に会費を支払って参加したことにより,知的障害児の福祉行政現場の実情を把握することができたと考えていること,同人が同会の会員となった目的は実態調査にあったことが認められるものの,同法人において知的障害児の福祉行政現場の実情を把握するために,会費の支払が必要であったことを認める足りる証拠はない。
そうすると,上記支出は,補助参加人Z25の上記目的を達成するために必要であったとはいえないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
ノ 3-54(盛岡・マニラ育英会会費)
(ア) 証拠(丙B15,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 盛岡・マニラ育英会は,フィリピン・マニラ地域で経済的な理由などによって就学が困難な子供たちを援助する国際教育里親活動などを通じて,日本の子供たちの心を育てるとともに,日本とフィリピン両国民の相互理解,協力及び友好を深めることを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するために必要な活動を行うこととしており,里親が里子を訪ねる里親ツアーのほか,日本の学生がマニラを体験して学びの機会とする目的で実施されるスタディーツアーを行っている。
c 同会の会費は,奨学生への学費及び事務費に充てられる。
d 補助参加人Z25は,国際事情を知るために同会に入会した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同人が同会に入会した目的自体は県政に関連性がないとはいえないが,活動内容及び会費は奨学生への学費及び事務費に充てられることからすると,同会の活動内容が同人の入会目的に沿ったものは認められない。そうすると,上記支出は,議員の調査研究のための必要性が認められないというべきであり,本件使途基準に合致しないというべきある。
よって,上記支出は違法である。
ハ 3-57(家庭倫理の会 岩手盛岡支部会費)
(ア) 証拠(丙B16,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 家庭倫理の会は,実行によって直ちに正しさが証明できる生活法則である純粋倫理を基底に,和やかな家庭づくりを推進し,共尊共生の精神に則った生き方をめざす人々の輪を広げて,地域社会の発展と,美しく平和な世界づくりに貢献することを目的とする。
b 補助参加人Z25は,自己の教育理念と一致する同会の理念に同調し,実態を知るために入会した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z25が政策課題の一つとして教育に取り組もうと考えていたことをも勘案すると,同人が同会に入会した目的には県政との関連性が認められないわけではないが,同会の目的自体には県政との関連性が認めがたく,また,同会の活動内容は証拠上明らかでない。そうすると,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
ヒ 3-58(盛岡木鶏クラブ セミナー受講料)
(ア) 証拠(丙B18の1~3,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 盛岡木鶏クラブは,人間学の月刊誌「n」の理念を基本に,互いに啓発し高い人格形成と良い人脈作りに努力することを目的とする。
b 同クラブは,例会を毎月1回開催し,(1)「n誌」の読後感及び共通テーマの検討・発表,(2)会員相互の体験発表,(3)古典等の勉強会・読書会の開催,(4)親睦会・交流会・講演会の開催,(5)その他上記目的を達成するための活動を行うこととしている。
c 月刊誌「n」は,毎月のテーマに沿って,各界の著名人等が,巻頭言や対談や寄稿により,人生の糧となる体験を発表する内容の月刊誌である。
d 補助参加人Z25は,平泉の文化遺産登録という課題に資すると考え,同クラブが開催した,平成17年11月6日にホテル東日本において行われた平泉中尊寺貫主による「「心の力」を語る!!」との題目の講演会及び引き続いて行われた懇親会に参加し,講演会参加料2000円と懇親会費5000円の合計7000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同クラブの目的及び活動内容自体には県政との関連性を認めがたいものの,補助参加人Z25が同講演会及び懇親会に参加した目的には県政との関連性があると認められ,また講演会の内容とその目的との間にも関連性があるというべきである。
もっとも,懇親会については,講演会に引き続いて行われたとはいえ,上記証拠によれば,講演会のみ参加することも可能であったことが認められるから,懇親会費の支出は,同懇親会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出のうち,講演会参加料2000円は違法ではないが,懇親会費5000円は違法というべきである。
フ 3-60(盛岡市スポーツ人の集い会費)
1-19(上記(1)カ)と同じ理由により,上記支出は違法である。
ヘ 3-68(i大学校講座宿泊料)
(ア) 証拠(丙B21,27の1及び2,57,証人Z25)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 上記支出に係る第5回i大学校は,b1党岩手県総支部連合会の代表者が主催し,平成17年6月11日から12日にかけて八幡平ハイツ・八幡平ライジングサンホテルにおいて行われた。
第5回i大学校は,岩手県内の18歳から50歳までの男女を対象として参加者につき500名の募集を行い,実際には,岩手県内在住の20歳から49歳までの350名が参加した。
b 第5回i大学校の参考資料に掲載されている主催者挨拶には,未だに政権交代が実現していないことを深く反省しなければならない旨,メリハリある政策と日常の活動を岩手から徹底し全国に広げていくことで,「岩手発,日本一新」をめざすことが第5回i大学校の目的である旨記載されていた。
c 6月11日の日程は,開校式,オリエンテーション,昼食・選挙区会議,作家による講演会「Dの政権奪取戦略」,共同通信社編集委員による講演会「終盤国会と小泉政権」,分科会(「地方の時代(地方分権)」,「元気な農林水産業(農林水産業)」,「明日の人づくり(教育)」,「安心・安全な社会(郵政・年金)」,「経済再生・雇用拡大(景気回復)」,スポーツ大会,Dを囲むパーティーであった。同日は,午前11時30分に開校式が行われ,パーティの終了は午後8時であった。分科会は,午後3時10分から午後4時の日程で行われた。
6月12日の日程は,朝のつどい,朝食,Dによる時局講演会,閉校式,記念撮影,卒業証書授与・解散であった。同日は,午前7時の朝のつどいから始まり,解散は午前10時30分であった。Dによる時局講演会は午前9時から9時30分の日程で行われた。Dは,時局講演会において,郵政改革,農業改革,雇用問題,行政改革,地方への税源移譲,年金改革の問題について語り,それらの改革を成し遂げるためには政権交代が重要である旨を話した。
d 同会には,一般の県民も参加した。
d 補助参加人Z25は,分科会において,「明日の人づくり」を担当した。同人は,県政は国政に関わる部分が大きく,国政の状況を知る必要があるところ,i大学校への参加は,国会議員との意見交換,情報交換の場であり,また,県民を加えての意見交換会の場であり,双方の意見を調査できる重要な場であったと考えている。
(イ) 上記(ア)記載のとおりのi大学校の目的や日程に照らせば,i大学校は政党活動の一環に当たるというべきであり,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。
しかるところ,上記のとおり,補助参加人Z25は,i大学校への参加は,国会議員との意見交換,情報交換の場であり,また,県民を加えての意見交換会の場であり,双方の意見を調査できる重要な場であったと考えていることが認められるが,補助参加人Z25が担当した「明日の人づくり」の分科会は上記日程の中で50分程度に過ぎず,その中で議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことを認めるに足りる証拠はなく,Dによる時局講演会も,上記日程の中の30分程度に過ぎず,上記講演会において議員の調査研究に資する情報が提供されたことを認めるに足りる証拠はなく,上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準に合致せず違法である。
(4)  議員番号4(C3)の支出について
ア 4-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(5)  議員番号5(Z26)の各支出について
ア 5-2(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)の支出と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 5-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)の支出と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 5-15(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成)17年度分)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 5-18(岩手・ベトナム青少年を支援する会平成17年度会費)
(ア) 証拠(丙B22,丙B37)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手・ベトナム青少年を支援する会は,教育,文化,学術,経済等の交流を通じて,岩手とベトナムとの相互理解を深め,友好親善を推進するとともに,学校法人瀧澤学館が推進する国際教育諸活動を支援することを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するために,(1)盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科留学生への生活及び経済的支援,(2)ドンズー日本語学校(ベトナム・ホーチミン市)生徒の勉学,研修,進学,留学等に係る生活及び経済的援助,(3)友好親善行事,講演会,セミナー等の開催ならびに後援,(4)その他上記目的達成に必要な事業を行うこととしている。
c 同会の会員は,上記目的に賛同する者をもって構成されている。
d 同会の個人会員の年会費は一口1000円からで,補助参加人Z26は,平成17年度分の会費として3000円を政務調査費から支出した。
e 補助参加人Z26は,平成16年の同会設立と同時に,同会の目的に賛同して会員となり,ベトナムからの留学生が日本に入国するのに必要な身元保証人になるなどして同会の活動を積極的に支援してきてきた。岩手県の青少年がベトナム人留学生から向上心や生活態度を学んで欲しいとの思いから,今後ベトナム人留学生と岩手県青少年の交流の機会を増やしたいと考えている。また,同人は,同会の活動は,草の根から岩手県民の国際意識を高めて文化発展に寄与する絶好の機会であり,同会の活動により多岐にわたる問題点や改善点が見出されるものと考えている。
(イ) 上記(ア)によれば,補助参加人Z26は,同会の目的に賛同して入会しているところ,同会は,岩手とベトナムとの友好親善の推進及び国際教育諸活動の支援の2つを目的として掲げているものの,同会の主たる活動は留学生の支援であると認められること,会費についてみても,一口の額が定められているのみでいくら支払うかは任意であり,支援活動を援助するための寄付金という性質を有するものと認められることから,同会の主たる目的は国際教育諸活動の支援が中心であるといえ,また,実際に補助参加人Z26が同会において中心的に行っている活動も,留学生の支援であり,その対象となる個人等に向けられたもので,県政につながるとは言い難い。
そうすると,上記支出は,上記活動を通じて岩手県民の国際意識を高めて文化を発展させるための行政施策を遂行するに当たり生じる問題点や改善点を具体的に見出したことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。
しかるに,補助参加人Z26は,多岐にわたる問題点や改善点が見出される旨を抽象的に陳述するのみで,支援活動が県政に具体的にどのように関わるかについて明らかにしないから,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
オ 5-19~54(電話代,携帯電話使用料,ヤフーインターネット・IP電話使用料)
(ア) 証拠(丙B37)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z26は,事務所の固定電話料金及びFAX料金の65パーセント,インターネット料金の65パーセント及び携帯電話料金の60パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
(イ) 上記各支出の按分率につき,補助参加人Z26は,陳述書(丙B37)において,電話やFAXについては,私的なことは基本的に自宅の電話やFAXで対応しており,インターネットの使用はほとんど全て調査研究のための資料収集に利用しており,その使用実態を踏まえて政務調査のために最低でも利用していると確信できる按分率として電話とインターネットは65パーセント,携帯電話は60パーセントと定めた旨陳述する。
もっとも,上記65パーセント及び60パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されておらず,また,固定電話と携帯電話との5パーセントの違いがどのような理由により生じたものかも具体的説明がないから,補助参加人Z26が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話(携帯電話を含む。),FAX及びインターネットは,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
(ウ) 以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
カ 5-55・56(県政報告書配布委託料)
証拠(丙B37)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,県政報告書の配布を委託した者に対する業務の対価であると認められる。
そして,県政報告は,議員が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動の一つであるといえ,かかる広報活動に要する費用は,調査研究のために有益な費用であり,政務調査費から支出することが許される費用であるといえる。
そうすると,県政報告書の配布を委託した者に対する業務の対価は,広報活動に要する費用として政務調査費から支出することが許されるというべきであり,本件使途基準の広報費ないし人件費に該当するというべきである。
上記各支出は,「人件費」として支出しているところ,県政報告書の配布を委託した者に係る人件費は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費に当たるといえるので,その全額を政務調査費から支出することができるというべきである。
したがって,上記各支出は,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(6)  議員番号7(Z17)の各支出について
ア 7-1・2(職員給与)
(ア) 証拠(甲D1,2,丙D1)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z17は,平成17年4月分及び5月分の職員給与それぞれ10万円合計20万円を政務調査費から支出したことが認められるところ,同職員は,補助参加人Z17の病気療養中に同人の政策課題の情報収集や調査研究活動に専従していた者であったと認められる。
よって,上記各支出は,調査研究活動に専従していた職員に係る人件費であったといえるから,違法ではない。
(イ) なお,原告は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であることを明らかにする資料を提出しておらず,その立証をしていないから,按分率50パーセントを超える人件費として違法である旨主張する。
たしかに,マニュアルには雇用関係を明確にする書類等を作成の上,議員が保管するよう記載されており,それらの書類が証拠として提出されることが望ましいものの,その提出がないからといって,専従の認定が許されないわけではなく,上記のとおり,政務調査費から支出された職員給与は補助参加人Z17の病気療養中の平成17年4月分及び5月分であるところ,議員の病気療養に伴い職員1名を調査研究活動に専従させることは通常あり得ることで,その陳述(丙D1)は信用できると判断できるから,これに基づき,上記のとおり認定することは相当というべきである
よって,上記原告の主張は採用できない。
(7)  議員番号8(Z2)の各支出について
ア 8-7(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 8-10(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 8-17~28(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30と(上記(2)エ)同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(8)  議員番号9(C2)の各支出について
ア 9-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 9-9(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 9-15(全県地方議員研修会参加費(2名分))
上記支出は,b4党岩手県委員会に対し支払われたものと認められること及び別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の内訳欄記載の内容からして,b4党が主催した全県地方議員研修会の参加費であり,その支出は政党活動経費への支出に当たることが窺われる。また,通常参加費は1名分で足りるところ,上記支出においては2名分の参加費が支出されている。そうすると,上記支出は,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しないものというべきである。
よって,上記支出は違法である。
(9)  議員番号10(Z18)の各支出について
ア 10-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会平成17年度会費)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 10-13(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(10)  議員番号11(Z27)の各支出について
ア 11-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(11)  議員番号12(Z3)の各支出について
ア 12-1~8(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(12)  議員番号13(Z28)の各支出について
ア 13-2(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 13-18(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 13-19(事務所家賃)
(ア) 証拠(甲B1,丙B23,58)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z28が,同人の妻が代表取締役である株式会社eから,調査研究活動のために用いる事務所として,軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建て,床面積2階170.03平方メートルの建物及び乗用車3台分の駐車場を賃借し,実際に事務所として使用していたこと,その賃料は月額10万円であったこと,同人は,マニュアルに従って,上限の按分率である2分の1の5万円,1年分で60万円を政務調査費から支出したことが認められる。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,賃借した建物は事務所として使用され,調査研究活動のために用いられており,その賃料は不相当に高額であるとはいえないから,上記支出は,本件使途基準の事務所費に該当し,違法ではないというべきである。
(ウ) 原告は,恒常的に使用する事務所の賃料等は,政務調査費から支出することは許されない旨(①),仮に許されるとしても,調査研究活動従事時間数(概数)により按分していないので違法である旨(②),さらにマニュアルが「議員が調査研究のため親族が所有する事務所を借り上げることについては,生計を一にしない親族と賃貸借契約を締結している場合には,政務調査費の対象経費とすることができる」と記載しているのは,当該議員と生計を一にしている親族から事務所を借り入れる場合には,その親族の利益を図るため不当に高額な賃料を設定したり,親族と通謀して真実は事務所として借り入れていないにもかかわらず賃貸借契約を締結しているとして賃料の支払を行うなど,不正あるいは不適切な支出が行われる可能性があるのを防ぐ趣旨であるといえ,上記支出はその趣旨に反するから違法である旨(③)を主張する。
しかし,①の主張については,調査研究活動のために恒常的に事務所を設置することに必要性,合理性がないとはいえず,その場合に事務所の借上げ費用を政務調査費から支出することが違法とはいえないから,①の主張は採用できない。
次に,②の主張については,上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z28が按分率を2分の1にしたことが使用実態に即していないということはできないというべきであるから,②の主張は採用できない。
そして,③の主張については,上記支出については,その使用実態や賃料額に照らして上記(イ)記載のとおりその支出は違法ではないというべきであり,原告の主張するような不正,不適正な支出とはいえないから,③の主張も採用できない。なお,妻が代表取締役を務める株式会社からの賃借は,同居の親族からの賃借と同一とはいえない。
(13)  議員番号14(Z4)の各支出について
ア 14-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 14-7(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 14-21(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 14-25(宮古市日中友好協会平成18年会費)
証拠(丙B6)及び弁論の全趣旨によれば,宮古市日中友好協会は社団法人日中友好協会の地区協会であると認められるところ,その目的等は(3)セ(ア)(3-41についての判示部分)記載のとおりであり,補助参加人Z4は,同協会の平成18年度会費7000円を政務調査費から支出したことが認められる。
そして,補助参加人Z4は,国際交流事業の調査のために年1回中国の関係者を招聘して意見交換を行っており,地域を代表する議員として同協会に参加している旨主張しているところ,同人が同協会に参加した目的は県政に関連性がないとはいえず,同会の活動内容はその目的に沿ったものであったといえる。また,同会費が不相当に高額であるとはいえない。
そうすると,上記支出には調査研究のための必要性が認められるというべきであり,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当し,違法ではない。
オ 14-25~37(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
カ 14-38(電話料),14-39(携帯電話料金)
補助参加人Z4は,電話料金及び携帯電話料金の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
補助参加人Z4は,上記各支出につき,使用状況を勘案した按分率である旨主張するが,その主張を裏付ける証拠はない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
キ 14-40(事務補助者の賃金)
証拠(甲C1,丙C3)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,平成17年4月から平成18年3月までの間,事務所に勤務し政務調査に関する資料作成に従事した者に対する業務の対価及び補助参加人Z4の議会活動に関する報告を記載した「県政だより」の配達に従事した者に対する業務の対価の支出であり,補助参加人Z4は,その賃金合計75万8520円の全額を政務調査費から支出したことが認められる。
そして,自己の議会活動に関する報告は調査研究に資するものといえること,政務調査に関する資料作成は調査研究活動に当たることからすれば,上記支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(14)  議員番号15(Z29)の各支出について
ア 15-5(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会平成17年度会費)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 15-6(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 15-7(大船渡市防犯協会連合会17年度会費)
(ア) 証拠(丙B24,54)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 大船渡市防犯協会連合会は,犯罪のない明るい住みよい社会建設を理想として市民の防犯思想を高揚するとともに,自主的活動により,自衛防犯体制の確立と警察活動に対し,緊密な連絡協調をはかることを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)防犯対策の調査及び研究,(2)防犯思想の普及及び宣伝,(3)防犯施設の整備強化の促進,(4)青少年の非行防止及び健全育成活動の推進,(5)暴力追放活動の推進,(6)明るい街づくり運動の推進,(7)警察活動に対する協力援助,(8)防犯功労者の表彰,(9)その他上記目的達成に必要なことを行うこととしている。
c 同会の経費は,補助金その他の収入によっている。
d 補助参加人Z29は,同会の平成17年度会費1万円を政務調査費から支出した。
e 補助参加人Z29は,平穏無事な市民生活を維持し構築していくことは重要であり,そのためには警察行政との連携のみならず,県民及び市民自らの取り組みも重要であり,県議会議員が率先して県民の生の声及び現状を把握することが必要であるといえ,同会への参加は,そうした意味で有意義であったと考えている。
(イ) 以上によれば,補助参加人Z29において,具体的にどのような機会に,県民の生の声及び県民市民の自らの取り組みの現状を把握したのかまでは明らかにされてはいないが,それらを把握する機会があったとするのであるから,同会に参加して行った活動は県政に関連する調査研究に資するものといえ,会費も不相当に高額とはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当し,違法ではない。
エ 15-21(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(15)  議員番号16(Z19)の各支出について
ア 16-2(新渡戸基金維持会費)
証拠(丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z19が,岩手の先人である新渡戸稲造の功績や文化的遺産を根付かせていくこと,その国際性を学びながら岩手の人作り等に生かしていくことは地方行政に関わる事項であると考え,上記会費5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,新渡戸基金維持会の目的及び活動内容は明らかでなく,同会の活動が県政に関連するかは不明であり,同会のどのような活動が議員の調査研究に資するものであったかも明らかにされていない。そうすると,上記支出は調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものというべきである。
よって,上記支出は違法である。
イ 16-4(岩手県保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 16-7(大船渡警察官友の会会費)
証拠(丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z19が,警察活動の実態を知りつつ,地域の防犯力を高めようと考え,大船渡地区の警察官の活動を地域で支えながら,地域の治安,防犯力を高めることを目的とする大船渡警察官友の会に参加し,上記会費2000円を政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,上記会の活動内容が明らかではなく,同会の活動が県政に関連するのかが不明である。そうすると,上記支出は調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものというべきである。
よって,上記支出は違法である。
エ 16-8(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
オ 16-9(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
カ 16-22(御食事代)
証拠(丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z19が,飲食店における食事代6530円を本件使途基準の会議費として政務調査費から支出したことが認められる。
Z19は,陳述書(丙D3)において,認知症に関する研修会に連続した昼食代の経費である旨陳述しているが,他にそれを裏付ける証拠はなく,会議に連続したものであったか否かは明らかでない。さらに,通常,調査研究のために会議に連続して飲食店において昼食を取る必要性はないというべきであり,また,6530円という代金額が研修の際の昼食代として社会通念上相当であったとはいえない。
そうすると,上記支出は調査研究のための必要性を欠いていたというべきであり,本件使途基準に合致せず違法である。
キ 16-31(お品代)
証拠(丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z19が,大船渡地区から選出された者として,水産物の高次加工の在り方に強い関心を抱いていたことから,沿岸地区の水産加工品の高次加工の在り方を研究するため,地元の水産物加工業者鎌田水産から加工品を8000円で購入し,水産加工業者らに試食させ,意見を聴取したこと,同人は,その8000円を政務調査費から支出したことが認められる。
沿岸地区における水産業の在り方は県政に関わる問題であるといえ,高次加工により生産された物を試食して意見を聴取することも,試食まで必要であったかは必ずしも明らかになっていないが,水産業の在り方を考える一つの方法として,あり得るというべきであるから,試食に必要な物品を購入することも調査研究のための必要性を認めることができるというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当し,違法ではない。
ク 16-38~40(携帯電話料金,携帯電話購入,インターネット通信費)
証拠(甲D3~5,丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z19は,携帯電話料金,携帯電話購入費用,インターネット通信費の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z19は,陳述書(丙D3)において,使用状況を勘案した按分率である旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z19が陳述する使用状況とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
ケ 16-41(運転手及び事務)
証拠(甲D6,丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,平成17年4月から平成18年3月までの間に,政務調査のために車を運転する業務に従事した者に対し,業務の対価として1日7000円を支払い,62日分の業務の対価として43万4000円を支払った人件費であったこと,補助参加人Z19は,その人件費を全額政務調査費から支出したことが認められる。
上記記載の事実によれば,上記支出は,調査研究活動に専従している者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
サ 16-42(政務調査補助事務アルバイト代)
証拠(甲D7,丙D3)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,平成17年8月,12月,平成18年1月,2月,3月に,地方行政上の課題に関する資料や情報の収集,整理,現地調査などの調査研究活動の補助業務に従事させた者に対し,業務の対価として25万円を支払った人件費であったこと,補助参加人Z19は,その人件費を全額政務調査費から支出したことが認められる。
上記記載の事実によれば,上記支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(16)  議員番号17(Z30)の各支出について
ア 17-2(いわてみらい創造ネットワーク17年度会費)
いわてみらい創造ネットワークの目的及び行うこととされている活動内容は上記(3)イ(ア)(3-3の支出に係る判示部分)記載のとおりであるところ,補助参加人Z30は,陳述書(丙B39)において,活動の冊子や必要性のあるセミナー講演会への参加により,岩手県における産業界の在り方及び問題点等を模索し,議会における諸課題の解決等に参考にしてきた旨陳述する。
しかし,上記(3)イ(イ)記載のとおり,同会の目的に県政との関連性があるとは直ちに認めがたく,行うとされている事業活動の内容についても,主たる活動は会員相互の親睦と啓発を図るためのものと考えられ,県政に関わる議員の調査研究に資するものとは認めがたい。
そうすると,上記支出は,同会の活動により会員相互の親睦や啓発を超えて議員の調査研究に資する情報が現に得られたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,補助参加人Z30が同会に参加していた理由を踏まえても,上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
イ 17-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 17-9(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 17-17(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
オ 17-18(消防出初式昼食会会費)
(ア) 証拠(丙B25,39)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 上記支出にかかる平成18年水沢市消防出初式は,平成18年1月8日午前8時35分から水沢市文化会館大ホールにおいて行われ,式典終了後,午後0時10分から,水沢サンパレスホテルにおいて昼食会が行われれた。
b 補助参加人Z30は,上記昼食会会費2500円を政務調査費から支出した。
(イ) 出初式は式典であり,意見交換を実質的に行う場ではないというべきところ,それに引き続いて行われた昼食会も,意見交換を実質的に行う場であるとは認め難い。そうすると,上記支出は,同会において議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性を欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。しかるに,補助参加員Z30の陳述(丙B39)は,昼食を共にしながら,消防団員等関係者から消防活動等に関する現状や意見を広く聴取し意見交換を行うことは,調査研究に資する活動であり,出初式そのものと一体と考えられる旨を抽象的に述べるにとどまっているから,同人の陳述は,上記の特段の事情を認めるには足りないというべきである。
よって,上記支出は違法である。
カ 17-25~39(事務所電話料,携帯電話料,放送受信料,水沢テレビ利用料金,水沢テレビインターネット利用料金)
証拠(丙B39)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z30は,事務所の電話料金,携帯電話料金,携帯電話機種変更料金,NHK放送受信料,水沢テレビ利用料金及び水沢テレビインターネット利用料金の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z30は,陳述書(丙B39)において,使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記70パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z30が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話やテレビ等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
なお,補助参加人Z30は,陳述書(丙B39)において,17-31の金額は1万4639円ではなく1万4638円であると陳述しているところ,支出額が1万4639円であったことを示す証拠はないから,17-31の金額は1万4638円であると認められる(なお,補助参加人Z30は,陳述書(丙B39)において,17-35の金額は1万3143円であると陳述しているが,請求額1万2933円はその範囲内である。)。
(17)  議員番号18(Z20)の各支出について
ア 18-3(岩手県議会保健・医療・福祉施策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 18-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 18-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 18-34~58(電話料金,インターネット利用料)
証拠(甲D8~32,丙D4)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z20は,事務所の固定電話料金,携帯電話料金及びインターネット利用料金の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に該当する。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z20は,陳述書(丙D4)において,使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記70パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z20が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(18)  議員番号19(Z31)の各支出について
ア 19-7(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 19-11(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 19-12(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 19-21~26(NHK受信料)
証拠(丙B50)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z31は,事務所のNHK放送受信料の全額を政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に該当する。
補助参加人Z31は,その理由につき,陳述書(丙B50)において,事務所においてNHKを視聴する場合は専らニュースのみの視聴であった旨陳述するが,その陳述を裏付ける他の証拠はないところ,NHKのニュースといっても多種多様であり,そのすべてが議員の調査研究に資するものともいえないであろうし,また,ニュース以外は全くNHKにチャンネルを合わせないということも現実には困難といわざるを得ないであろう。以上の点を総合勘案すると,NHKの受信料については,その半額を政務調査費から支出することが許されると解するのが相当である。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(19)  議員番号21(C4)の各支出について
ア 21-13(携帯電話料)
C4は,平成18年3月分の携帯電話料金の70パーセントである2万8150円を政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては,本件政務調査費の事務費に当たる。
C4が按分率を70パーセントとした理由は,本件要領及びマニュアルに使用実態により按分する旨記載されていたことに照らせば,同人が判断した使用実態によったものと推認されるところ,その使用実態を裏付ける証拠は一切ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
イ 21-3(補助職員賃金)
C4は,平成18年3月分補助職員賃金であるとして,その全額である9万円を政務調査費から支出したことが認められるところ,本件要領及びマニュアルに,人件費については按分すべきであるが,専ら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費については全額政務調査費から支出しても構わない旨記載されていたことに照らすと,上記支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったと推認される。
よって,上記支出は本件使途基準に適合するというべきであり,違法ではない。
(20)  議員番号22(Z32)の各支出について
ア 22-7(電話代)
証拠(丙B40)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z32が,事務所の電話料金の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記支出の按分率につき,補助参加人Z32は,陳述書(丙B40)において,使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z32が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
イ 22-8・9(事務所職員報酬)
証拠(丙B40)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z32は,事務所の職員の平成18年2月及び3月分の人件費全額を政務調査費から支出したことが認められるところ,同人は,当該事務職員との間の雇用契約において調査研究以外には勤務させない旨の契約を締結していたことが認められる。
そうすると,上記各支出は,調査研究活動に専従している者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(21)  議員番号23(Z21)の各支出について
ア 23-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,違法ではない。
イ 23-14(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,違法ではない。
ウ 23-23~26(秘書人件費)
証拠(甲D33~36,丙D5)及び弁論の全趣旨によれば,23-23の支出は,平成17年10月に7日間,WTO農業政策につき調査研究活動の補助業務に従事させた秘書に対する報酬7万円,23-24の支出は,平成17年12月に6日間,林業政策,教育問題等につき調査研究活動の補助業務に従事させた秘書に対する報酬6万円,23-25の支出は,平成18年1月に5日間,介護,雪害現地調査等につき調査研究活動の補助業務に従事させた秘書に対する報酬5万円,23-26の支出は,平成18年3月に4日間,河川流域連携の在り方について調査研究活動の補助業務に従事させた秘書に対する報酬4万円であり,補助参加人Z21は,これらの報酬全額を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,上記各支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法とはいえない。
(22)  議員番号24(Z33)の各支出について
ア 24-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 24-4(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究 平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 24-17(岩手県議会大連友好議会連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 24-23(きたかみ巨木の会)
(ア) 証拠(丙B26,41)及び弁論の趣旨によれば,次の事実が認められる。
a きたかみ巨木の会は,巨樹名木の保存育成と次世代に引き継ぐことを目的とする。
b 同会は,(1)巨樹名木の見学会,観察会,ガイドに関すること,(2)巨樹名木の保護・育成・調査・研究に関すること,(3)会報,活動記録,発表,交流等に関すること,(4)その他上記目的達成に必要なことを行うこととしている。
c 補助参加人Z33は,巨樹名木は,県の貴重な観光資源であり,守るべきものであるから,同会に参加することで多様な県民の意見を拾い上げ,議会の調査研究活動に活かすことは有益だと考え,同会に入会し,同会開催の講演会に参加するなどした。
d 補助参加人Z33は,同会の会費2000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らすと,補助参加人Z33が同会に入会した目的は県政に関連するものであり,同会の活動はその目的に沿ったものであったといえる。
したがって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
オ 24-27(自治体議員フォーラムへの参加 高速代),24-28(自治体議員フォーラム参加費)
(ア) 証拠(甲B5,6,丙B27の1及び2,41)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 上記支出に係るb1党岩手県連自治体議員フォーラムは,平成17年6月12日,八幡平ハイツにおいて行われた。
b 日程は,次のとおりであった。
(a) 午後2時30分~午後3時 受付
(b) 午後3時~午後3時30分 開会式
(c) 午後3時30分~午後4時20分 読売新聞論説委員による講演「b1党は政権を取れるのか」
(d) 午後4時30分~午後5時20分 テーマ「今,私たちは何をすべきか」についてのパネルディスカッション
(e) 午後5時30分~午後6時 b1党副代表・県連最高顧問Dによる講演
(f) 午後6時~午後6時20分 記念撮影
(g) 午後6時30分~午後8時 懇親会
c 同フォーラムは,岩手県内の自治体議員を対象とし,約170名の岩手県内の自治体議員が実際に参加した。
d パネルディスカッションでは,参加者からの事前アンケートに基づき,「国と地方の財政問題と市町村合併について」,「国及び岩手の一次産業について」,「年金問題と郵政民営化について」,「産業振興と雇用対策,若年労働者の地場の定着などについて」,「日本外交と靖国問題について」や景気対策についての議題が扱われた。
e Dによる講演会では,政権交代の必要性が述べられた。
f 補助参加人Z33は,同フォーラムに参加し,その参加費3000円及び交通費のうちの高速代2100円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の日程及び参加者が自治体議員に限られていること及び参加者に対する事前アンケートも行われた上でパネルディスカッションが行われたことに照らせば,同フォーラムにおける主たる活動内容は,パネルディスカッションにあったといえ,同フォーラムの主たる目的は,岩手県内の自治体議員が集合して各々の自治体が抱えている問題につき意見交換を行うことにあったということができる。
そうすると,政党主催のフォーラムではあるものの,その活動内容等に照らせば,同フォーラムへの参加は調査研究活動に当たるといえ,上記各支出の金額が不相当に高額でないことをも勘案すると,同フォーラムに参加するための費用の支出には調査研究のための必要性が認められるというべきである。
したがって,上記各支出は,本件使途基準の研修費に該当し,違法ではない。
カ 24-24(L国政報告会会費)
証拠(甲B2,丙B41)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z33は,政務調査の補助的業務に当たっていた秘書1名とともに平成17年4月2日に行われたL衆議院議員の国政報告会に参会し,その参加費6000円(秘書分と2人分)を政務調査費から支出したこと,補助参加人Z33が同報告会に参加したのは,同報告会の議題は郵政民営化であったところ,郵政民営化は県民への影響が大きく県民の関心事であると考えたためであったこと,同人が秘書を参加させたのは,政務調査の補助的業務に当たる秘書にも自身と同様県政に関する多様な知識や問題点を共有してもらう必要があると考えたからであったことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z33が国政報告会に参加した目的は県政と関連があり,同報告会の内容はその目的に沿ったものであったと認められる。
もっとも,秘書については,同会に補助参加人Z33が参加する以上は,同議員において政務調査活動を行うに支障がないというべきであり,同会に参加した補助参加人Z33においてその内容を秘書に伝えるのでは秘書において政務調査活動を行うのに不十分であったことなど特段の事情がない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
そうすると,上記支出は,議員分の3000円については本件使途基準の研修費に該当するというべきであり,違法ではないが,秘書分の3000円については違法というべきである。
キ 24-25(第5回i大学校参加費),24-26(i大学校参加高速代)
3-68(上記(3)へ)と同じ理由により,上記各支出は違法である。
ク 24-29(ドメイン維持費),24-30(電話料金)
証拠(丙B41)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z33がドメイン維持費及び電話料金の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z33は,陳述書(丙B41)において,ドメイン維持費は,ホームページを開催するに当たり取得したものであり,そのホームページは,自身の議会報告を行ったり,自身の議員活動の政策理念を発信したり,県民からの意見聴取を行ったりしているものであり,その使用実態に鑑み,按分率を80パーセントとした旨,及び,電話使用料については,その使用実態の大半は,議会活動の打合せや県政報告会等への告知などであり,明確な線引きはできないものの専ら政治活動のため電話利用をしている現実は極めて少ないとの判断から,按分率を80パーセントとした旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人甲山が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(23)  議員番号25(Z5)の各支出について
ア 25-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 25-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 25-19~30(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(24)  議員番号26(Z34)の各支出について
ア 26-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会平成17年度会費)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 26-7(日ロ協会岩手県センター40周年の集い会費)
(ア) 証拠(丙B28の1及び2,51)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 補助参加人Z34は,平成17年11月24日に開催された日ロ協会岩手県センター結成40周年の集いに参加し,その会費7000円を政務調査費から支出した。
b 同集いは,メトロポリタン盛岡本館ニューウイング11階ギャラクシーの会場で開催され,午前11時から11時50分までの講演会と,午後零時から1時10分までの昼食・懇談会とから構成されていた。講演会は,「21世紀の日ロ関係を展望して」との題目で,日本ロシア協会会長によりなされた。
c 日ロ協会岩手県センターは,日ロ両国民の相互理解と親善をはかり,平和共存を土台とする世界平和のために寄与することを目的とする。
d 同センターは,上記目的を達成するため,①日ロ親善のため懇親会その他の開催,②学術,技術,文化,その他各種の文献資料交換,③ロシア事情の研究と紹介,研究会,講座の開催,④芸術使節の交換,⑤日ロ貿易とロシア産業に関する調査と斡旋,⑥訪ロ親善使節の派遣,ロシア旅行の斡旋と訪日ロシア旅行者の受入れ,⑦日ロ親善交流運動諸組織間の連絡と共同事業,⑧日ロ間の諸条約締結,改廃についての世論喚起,⑨ロシア語の普及,ロシア語教室の開催,⑩機関紙その他出版物の発行の事業を行うこととしている。
e 補助参加人Z34は,北方領土返還の問題については,国家的外交だけではなく地域の自主的な団体が,ロシアと日本国民の理解と信頼関係を深める必要があると考え,同会に参加し,関連イベントなどに出席していた。40周年の集いも同様の理由から参加した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同センターの目的及び補助参加人Z34が40周年の集いに参加した目的は県政に関連するものといえ,同集いにおいては,その目的に沿った講演会が行われたものと認められ,会費についても不相当に高額であるとはいえない。
したがって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
(ウ) 原告は,上記支出に関し,同集いは意見交換等を実質的に行うものではない旨,明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用である旨,さらには,仮に飲食を主目的とする会合ではなかったとして,飲食を伴う必要性について明らかにされておらず,飲食代金として不相当に高額である旨主張する。
しかし,同集いにおける講演会への参加は調査研究活動に当たるといえるし,講演会後に懇談がなされていることからすれば,懇談会では講演会の内容等についての意見交換が行われることが想定されていると考えられる。また,その懇談の際に飲食が提供されたが,同集いの内容からして会費がすべて飲食費に相当するとはいえない上,その額が不相当に高額であるともいえないので,その飲食の提供は社会的に相当な範囲を逸脱するものではなかったということができる。
以上を総合すると,原告の上記主張は,いずれも採用できない。
ウ 26-17(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(25)  議員番号27(Z6)の各支出について
ア 27-13~24(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
イ 27-25(政務調査研究費)
証拠(甲C2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6が,平成17年4月から平成18年3月までの12か月間,人件費につき,月7万円を按分率100パーセントとして政務調査費から支出したことが認められる。
そして,補助参加人Z6は上記支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費である旨主張していることにも照らすと,上記支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったと推認できるというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準に適合するものといえ,違法ではない。
(26)  議員番号28(Z35)の各支出について
ア 28-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 28-3(岩手県議会保健・医療・福祉施策研究会17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 28-18(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 28-19(ホームページレンタルサーバ1年分)
証拠(丙B42)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z35は,自身のホームページのレンタルサーバ料金全額を,本件使途基準の広報費に該当するとして,政務調査費から支出したことが認められる。
補助参加人Z35は,陳述書(丙B42)において,ホームページの内容は,県議会議員として自身の理念政策等を掲載しているものであり,そのレンタルサーバ料金は広報費に該当する旨陳述するが,ホームページについては,その具体的内容が主張されず,その証拠も提出されない。
しかるところ,ホームページは,当該議員に関する様々な情報が掲載されるのが通常というべきところ,そのすべてが議員の調査研究に資するものとは考えがたく,他方,ホームページに掲載された情報を,調査研究に資するものとそれ以外のものとに峻別することも現実的には困難であることも容易に推測できる。以上の点を総合勘案すると,当該議員の判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,ホームページのレンタルサーバ料金については,その半額を政務調査費から支出することが許されると解するのが相当である。
以上によれば,上記支出においては,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
オ 28-20(携帯電話代)
証拠(丙B42)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z35は,携帯電話料金11か月分の60パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記支出の按分率につき,補助参加人Z35は,陳述書(丙B42)において,県議会議員として年間100日間から120日以上は,事務所がある地元の久慈市から離れて盛岡市等に滞在しており,その際には携帯電話を使用せざるを得ない状況だったという使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記60パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z35が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(27)  議員番号29(Z7)の各支出について
ア 29-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 29-13(遠野いわぎん会新春講演会等懇親会費)
証拠(甲C3,丙C6)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7は,岩手銀行主催の遠野いわぎん会新春講演会及びそれに引き続いて行われた懇親会に参加し,参加費2000円を政務調査費から支出したこと,同講演会は日本銀行盛岡事務所所長による日本経済及び地域経済に関するものであったことが認められる。
以上によれば,講演会の内容は県政と関連性があるといえ,参加費も不相当に高額とはいえず,上記支出には調査研究のための必要性が認められるというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準の研修費に該当し,違法ではない。
ウ 29-16(岩手県対ガン協会会費)
証拠(甲C4,丙C6)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7は,医療行政は特に取り組んでいる分野の一つであったところ,県の医療行政等に役立てようとガン対策に関する情報を収集するために,財団法人岩手県対ガン協会に参加していたこと,補助参加人Z7は同協会会費1000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z7における,ガン対策に関する情報収集の具体的態様は明らかにされてはいないものの,補助参加人Z7が同会に参加した目的は県政と関連性があるといえ,活動内容もそれに沿ったものであったといえる。また,会費も不相当に高額とはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
エ 29-17(いわて翼の会会費)
証拠(甲C5,丙C6)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7は,特に研究している分野の一つである県の男女共同参画社会に関連する行政(子育て支援,女性の就職支援等)に役立つ情報を収集し,意見交換を行うため,男女共同参画センターの運営団体のいわて翼の会に参加し,同会の会費3000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z7における,子育て支援や女性の就職支援等に関する情報収集の具体的態様は明らかにはされていないものの,補助参加人Z7が,同会に参加した目的には県政と関連性があるといえ,同会の活動内容もそれに沿ったものであったといえる。また,会費も不相当に高額とはいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
オ 29-18(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
カ 29-19(電話通信料),29-20(携帯電話料)
証拠(丙C6)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7は,事務所の電話料金及び携帯電話料金の60パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
補助参加人Z7は,按分率を60パーセントとした理由につき使用状況に応じた旨主張ないし陳述書(丙C6)において陳述する。
もっとも,上記60パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z7が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難なものというべきであり,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(28)  議員番号30(Z36)の各支出について
ア 30-3(岩手県議会保健・医療・福祉施策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 30-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 30-17(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 30-18(岩手県立大学新学長を歓迎する県民の集い会費)
上記(1)ウ(1-15の支出に係る判示部分)のとおり,上記支出は,同集いにおいて議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,当該支出は本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,上記支出についての特段の事情があるとは認められない。
補助参加人Z36は,陳述書(丙B43)において,県知事,県議会議長,市町村会長等が代表発起人を務め,大学関係者,県市町村関係の行政機関・県内教育関係者・財界関係者も多数列席していたため,大学の現状や学術研究に関する意見交換・学生の卒業後の進路・県内就職の問題等が活発に議論された旨陳述するが,同陳述においても,議論の内容は抽象的にしか陳述されておらず,議員の調査研究に資する意見交換が現になされたとは直ちに認めることができないから,上記陳述によっても,上記支出についての特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
オ 30-20~26(電話代,インターネット代,インターネット更新料)
証拠(丙B43)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z36は,電話代,インターネット代及びインターネット更新料の65パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z36は,陳述書(丙B43)において,使用目的のほとんどが情報収集・事務連絡・陳情受付・対応等であり,私用のために使った頻度は低かったという使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記65パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z36が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(29)  議員番号31(C5)の各支出について
ア 31-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 31-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 31-11(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 31-17~19(携帯電話料,プロバイダー料,FAX料)
C5は,平成17年4月から平成18年2月分の携帯電話料の80パーセント,平成17年4月から平成17年11月分及び平成18年1月から3月分のプロバイダー料の80パーセント,平成17年9月から平成18年2月分のFAX代の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
C5が按分率を80パーセントとした理由は,本件要領及びマニュアルに使用実態により按分する旨記載されていたことに照らせば,同人が判断した使用実態によったものと推認されるところ,その使用実態を裏付ける証拠はない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
エ 31-20(事務職員賃金)
C5は,平成17年4月から平成18年3月分の事務職員賃金全額を政務調査費から支出したことが認められるところ,本件要領及びマニュアルに,人件費については按分すべきであるが,専ら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費については全額政務調査費から支出しても構わない旨記載されていたことに照らすと,上記支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったと推認される。
よって,上記支出は,本件使途基準に適合するというべきであり,違法ではない。
(30)  議員番号32(Z8)の各支出について
ア 32-1~12(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(31)  議員番号33(Z37)の各支出について
ア 33-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 33-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 33-19(在京同郷人との懇談会(地域課題関連の意見聴取))
証拠(丙B52)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z37は,平成17年7月19日,居酒屋において,東京都内に在住する岩手県出身の経済界及び官界の人々と地域課題に関する懇談会を開催したこと,同人は同懇談会費6020円を政務調査費から支出したことが認められる。
補助参加人Z37は,陳述書(丙B52)において,同懇談会の場を,沿岸部の地域振興の重点施策としての農林漁業体験や物産振興などについての情報交換の場と位置づけ意見交換をした旨陳述しているが,意見交換を居酒屋で行う合理性は認められないというべきであり,上記支出は,調査研究のための必要性を認めることができない。
よって,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
(32)  議員番号34(Z38)の各支出について
ア 34-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 34-4(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 34-20(農林業に関する研究会会場費)
証拠(丙B29,55)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z38は,平成17年4月26日,「割烹魚てい」において,釜石地域における農林業の振興についての研究会を開催したこと,同研究会においては,釜石地方振興局農林部長を担当講師として招き,「平成17年度釜石地域における農林業の振興について」と題する全18頁の資料が配布されたこと,同人は,同研究会会場費1万円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,同研究会においては,県政に関連性のある実質的な意見交換がなされたものと認められ,よって,上記支出は,本件使途基準の研修費に該当し,違法ではない。
なお,同研究会の会場が飲食店であった点については,その理由について特段の説明はなされていないものの,支出された1万円は,資料を配付し釜石地方振興局農林部長を講師として招いて開催された研究会の会場費として相当性を欠くものとはいえず,したがって,会場が飲食店であったことは,上記認定を左右する事情とはいえないというべきである
エ 34-21~43(事務所電話・ファックス料,事務所電話料)
証拠(丙B55)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z38は,事務所電話・ファックス料金,事務所電話料の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z38は,陳述書(丙B55)において,自宅にある固定電話と携帯電話を使用するため,事務所に設置している電話及びFAXは,調査研究活動以外に使用することはほぼないという使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z38が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(33)  議員番号35(C6)の各支出について
ア 35-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 35-17(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 35-20~25(電話代,通信代,携帯電話代,FAX代)
C6が,電話代,通信代,携帯電話代及びFAX代の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件政務調査費の事務費に当たる。
C6が按分率を70パーセントとした理由は,本件要領及びマニュアルに使用実態により按分する旨記載されていたことに照らせば,同人が判断した使用実態によったものと推認されるところ,その使用実態を裏付ける証拠はない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
エ 35-26・27(調査研究事務補助賃金)
C6が,調査研究事務補助賃金(12ヶ月分)として,その全額120万円(35-26)及び72万円(35-27)を政務調査費から支出したことが認められるところ,本件要領及びマニュアルに,人件費については按分すべきであるが,専ら調査研究活動の補助業務に従事した者に係る人件費については全額政務調査費から支出しても構わない旨記載されていたことに照らすと,上記各支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったと推認される。
よって,上記各支出は本件使途基準に適合するというべきであり,違法ではない。
(34)  議員番号36(Z39)の各支出について
ア 36-2(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 36-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 36-13(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 36-18~65(インターネット代,電話代,携帯電話代,電話修理代)
証拠(丙B56)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z39は,インターネット代,電話代,携帯電話代,電話修理代の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z39は,陳述書(丙B56)において,事務所を設置せずに自宅において電話対応をはじめとして要望把握あるいは調査研究活動を行っており,固定電話については,通話用及び主にFAX用の2回線あり,いずれも主要な使途は調査研究活動であったこと,携帯電話は事務所がないために調査研究をはじめ議員活動遂行に即応するために必要であったこと,インターネットもほとんど全て調査研究のための資料収集,情報取得に使用していたことから,それらの使用実態に応じて按分率を算出した旨陳述する。
もっとも,上記70パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z39が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(35)  議員番号37(Z9)の各支出について
ア 37-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 37-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 37-16~24(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
エ 37-25~51(電話代),37-52~60(携帯電話代),37-61~69(電話代)
証拠(丙C7)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z9は,事務所の電話料,自宅の電話料及び携帯電話料の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z9は,陳述書(丙C7)において,使用状況を勘案した旨陳述する。
もっとも,上記70パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z9が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難なものというべきであり,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
オ 37-70~79(調査研究補助者)
証拠(甲C6~15,丙C7)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,平成17年4月から平成18年1月11日までの間,県政課題に関する情報収集や資料の整理等の調査研究活動の補助業務に従事した者に対する業務の対価であると認められ,補助参加人Z9は,その全額を政務調査費から支出したことが認められる。
上記各支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(36)  議員番号38(Z40)の各支出について
ア 38-4(調査研究活動補助員賃金)
証拠(甲B7,丙B44)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,平成18年3月中に,政務調査に関わる資料の整理や議案調査,地元課題の調査活動などの業務に従事した者に対する業務の対価であると認められ,補助参加人Z40は,その全額を政務調査費から支出したことが認められる。
上記支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(37)  議員番号39(Z10)の各支出について
ア 39-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 39-4(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 39-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 39-18(県政課題に関する調査委託料)
(ア) 証拠(丙C8,15)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 産業経済政策調査会は,岩手に活力を取り戻すため,地方振興特に産業経済の振興に関する政策等の調査研究を実施し,もって岩手県の発展に寄与することを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)地方振興政策に関する基礎的調査及び研究,(2)産業経済施策の立案及び提言,(3)産業経済施策の立案及び提言に関する広報・宣伝活動,(4)講演会,座談会等の開催,(5)会員相互の親交と意見交換を目的とする集会の開催,(6)その他上記目的達成に必要な事業を行うこととしている。
c 平成17年4月15日には「岩手県の観光振興のあり方と外国人旅行者誘致」,同年8月28日には「新しい政治の動きを探る」,同年11月30日には「心の時代」,同年12月4日には「三位一体改革と岩手」との題目で,講演会が行われた。また,調査報告書の発行もなされた。
(イ) また,証拠(丙C8)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出の名目は調査委託料(調査研究費)であったことが認められるが,実際の支出内容は,産業経済政策調査会の平成17年度の会費合計24万円であったと認められる。
そして,上記(ア)記載の事実に照らすと,産業経済政策調査会の目的は県政に関連し,その目的に沿って講演会の開催や調査報告書の発行がなされていたものといえるから,同会への参加は,調査研究活動に当たるというべきである。また,会費も不相当に高額とまではいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
なお,本件支出の名目が調査委託料であったことが適切ではないとしても,実際の使途が本件使途基準に適合するものであれば,その支出は違法ではない。
オ 39-19(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
カ 39-20~31(携帯電話代金),32~57(電話代金)
証拠(丙C8)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z10が,事務所の電話料金及び携帯電話料金の80パーセントあるいは90パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z10は,陳述書(丙C8)において,使用状況を勘案した旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントあるいは90パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z10が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(38)  議員番号40(Z22)の各支出について
ア 40-1(平成17年度八幡平緑会会費)
証拠(丙D6)及び弁論の全趣旨によれば,八幡平緑会は,八幡平の自然保護などを目的として行政当局に登山道の整備を働きかけたり,外来種を防ぐ学習会を開催するなどしている会であり,補助参加人Z22は,地元八幡平の自然保護や観光のあり方を探るために同会に参加したこと,同人は,同会の平成17年度会費1万5000円のうちの7500円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z22が同会に参加した目的及び同会の目的は県政に関連するものといえ,同会の活動もそれらの目的に沿ったものであったといえる。また,会費の額及び政務調査費から支出された額が不相当に高額であるともいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
イ 40-2(年会費地域経済問題研究会負担金)
証拠(丙D6)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出に係る昭和会は,八幡平市の経営者が集まり,地域経済などをテーマに講師を呼んで勉強会や懇談会などをしている会であり,補助参加人Z22は,地域経済や零細企業の実情を知るために同会に参加したこと,同人は会費5万円のうちの2万5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z22が同会に参加した目的は県政に関連するものといえ,同会の活動はその目的に沿ったものであったといえる。また,会費の額及び政務調査費から支出された額が不相当に高額であるともいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ウ 40-4(年会費 k会負担金)
証拠(丙D6)及び弁論の全趣旨によれば,k会は,h3地区を中心とする商工業者が集まり,年に数回の懇談会を開く会であり,補助参加人Z22は,地域の商工業政策のあり方を探るために同会に参加したこと,同人は会費3万6000円のうちの1万8000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z22が同会に参加した目的自体は,県政に関連するものといえるが,同人が陳述書(丙D6)において述べている同会の活動内容は年に数回の懇談会のみであり,その活動内容の実態は不明である上,同会の目的は主にh3地区の商工業者の懇親にあったとの疑いがあり,活動内容もその目的に沿ったものであって同人が入会した目的に沿うものではなかったとの疑いがあるといわざるを得ない。
そうすると,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきであるところ,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
エ 40-6(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
オ 40-8(農業団体との懇談会,県政課題にかかる懇談会負担金)
証拠(丙D6)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z22が,飲食店における食事代5000円を,本件使途基準の調査研究費として政務調査費から支出したことが認められる。
通常,調査研究活動を飲食店において行う必要性は認められないというべきであるから,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきである。
しかるに,補助参加人Z22は,陳述書(丙D6)において,平成16年の農業被害に対する共済金の支払状況につき,岩手農業共済組合連合会の担当職員から状況説明を受けた際の懇談会費5000円であり,その懇談により共済金の支払の実態把握や農業被害に対する対処方法などの意見交換がなされた旨陳述しているが,他にそれを裏付ける証拠はない上,飲食店において5000円を支出して状況説明を受けなければならない必要性については言及されていない。そうすると,上記陳述によっては,上記特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
カ 40-10・11(政務調査研究委託費)
証拠(甲D37,38,丙D6,9)及び弁論の全趣旨によれば,40-10の支出は,補助参加人Z22が,旧h4村の男性に対し,平成17年4月から同年9月までの6か月間,月額4万円で,h5地区洪水状況調査,リンドウ根コブ病の実態調査,h9地区◇◇滝周辺の整備可能調査等の調査を順次委託したその委託費合計24万円のうちの政務調査費から支出した分14万7737円であり,40-11の支出は,旧h6町の男性に対し,平成17年3月から同年9月までの6か月間,月額4万円で,h6地区のゴミの不法投棄の実態調査,h7地区洪水防止工事後の実態調査,小学児童の通学路の安全対策と歩道の実態調査などの調査を順次委託したその委託費合計24万円であることが認められる。
そうすると,上記各支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
なお,原告は,委託先は不明であり,真実調査研究委託が行われ,これに基づいて真実調査研究が実施されているかも不明である旨主張しているが,委託先については個人である以上その具体的氏名が公表されないとしても不自然ではなく,また,真実調査研究委託が行われなかったことを疑わせる事情も認められないので,上記原告の主張は採用できない。
(39)  議員番号41(Z23)の各支出について
ア 41-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 41-4(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 41-15(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 41-22・23(県政報告印刷代)
証拠(甲D39,40,丙D7)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z23は,平成17年3月31日及び平成18年3月31日に県政報告を発行し,その際の印刷代11万7375円(41-22)及び44万4150円(41-23)を政務調査費から支出したこと,いずれの紙面にも「「県政への提言」皆様からお寄せいただいたご意見,ご提案は県政に反映し,共通認識を図ります。ご意見・ご感想をお寄せください」との欄が設けられていたことが認められる。
そして,広報費が地方自治法100条14項に反しないことは上記1(1)イ(イ)記載のとおりであり,上記認定事実によれば,上記各支出は,本件使途基準の広報費に該当するというべきであり,違法ではない。
オ 41-24~27(電話代)
証拠(甲B41~44,丙D7)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z23は,電話料金の全額を政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
補助参加人Z23は,按分率を100パーセントとした理由につき,陳述書(丙D7)において,事務所に複数ある電話回線のうち,政務調査のためのインターネット接続用と住民要望などの受信用に使用していた電話料金であり,調査研究活動以外にほとんど使用していなかったためである旨陳述するが,その陳述自体からもその他の目的にも利用された可能性があることが窺われる。
そして,ほとんど使用していなかったとの陳述については,その具体的根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z23が陳述する上記使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(40)  議員番号42(Z41)の各支出について
ア 42-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 42-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会平成17年度会費)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 42-17(岩手県議会大連友好議員連盟会費平成17年度分)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 42-22(電話料金),42-23(携帯電話料金)
証拠(丙B45)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z41は,電話料金及び携帯電話料金の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z41は,陳述書(丙B45)において,事務所の電話は電話回線とFAX回線の二回線を有しているが,その全てを議員活動に使用しており,携帯電話の主な使途は県職員との情報交換や議員間の連絡調整であり,その使用実態によった旨陳述する。
もっとも,上記70パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z41が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(41)  議員番号43(Z11)の各支出について
ア 43-1(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 43-7(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 43-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 43-22・24~27(電話料,通信費,携帯電話料金)
証拠(丙C9)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z23は,事務所の電話料の70パーセント,通信費及び携帯電話料金の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。なお,原告は,43-22の支出につき,自宅の電話料である旨主張するが,その主張を認めるに足る証拠はなく,むしろ,同じ電話料についての支出である43-24及び25は事務所の電話料金(按分率70パーセント)であることに照らせば(この点については原告も争っていないものと認められる。),43-22の支出も同様であり,事務所の電話料金(按分率70パーセント)であると推認される。
補助参加人Z23は,電話料の按分率70パーセントにつき,陳述書(丙C9)において,使用状況によった旨陳述し,また,通信費及び携帯電話料金の按分率80パーセントについては,使用状況を勘案した旨主張している。
もっとも,上記70パーセントあるいは80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z23が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話等については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話等を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
オ 43-23(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)について
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(42)  議員番号44(Z12)の各支出について
ア 44-1(h2町国際交流協会会費)
証拠(甲C17,丙C10)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z12は,h2町国際交流協会から県議会議員として参加することを求められ同会に入会し,同町の国際交流について会員らと意見交換等を行っていたこと,同会では諸外国からホームステイの生徒を招聘したりするなどして青少年の健全育成,国際感覚の育成涵養を行う活動をしていること,同人は同会の会費3000円を政務調査費から支出したこと,同人は,同会での意見交換等は県政に役立っていると考えていることが認められる。
以上によれば,補助参加人Z12は県政に役立つものとして同会に入会しており,その入会理由は県政との関連性が認められ,同会の活動内容も県政に関連するものであるといえる。また,会費も不相当に高額であるとはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
イ 44-2(h2町川を知る会会費)
(ア) 証拠(甲C18,丙B32,丙C10)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる(なお,丙B32は補助参加人Z12から提出されたものではないが,丙B32の内容に照らせば,上記支出に係る「h2町川を知る会」は,丙B32の「川を知る会」と同じものであると認められる。)。
a 川を知る会は,□□川流域における河川の自然を共存的に活用しながら,悠久の歴史を学び,文化を訪れ,育み,人間性豊かな世代間交流を進め,次世代を担う子供達の健全な育成と,老若男女がともに愛せる“ふるさと”の創造に資することを目的とする。
b 川を知る会は,上記目的を推進するため,(1)地域の人々の自然活動の開催,支援,(2)地域,学校,他団体との連携促進,(3)人材の集積と相互協力活動の推進,(4)会員研鑽のための活動,(5)関連事業の推進,(6)その他上記目的に合致する活動を行うこととしている。
c 補助参加人Z12は,同会から県議会議員として参加することを求められて入会し,□□川の河川環境問題について会員らと意見交換等を行い,得られた情報は河川行政に役立ったと考えている。
d 補助参加人Z12は,同会の会費2000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z12は,県政に役立つものとして同会に入会しており,その入会理由は県政との関連性が認められる。そして,同会の活動内容も県政に関連するものといえ,また,会費も不相当に高額であるとはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ウ 44-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 44-8(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
オ 44-18(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
カ 44-21(懇親会費)
証拠(甲C17,丙C10)及び弁論の全趣旨によれば,上記支出は,Z2後援会主催の講演会及びそれに引き続き行われた懇親会の参加費であり,補助参加人Z12は県の事務や行財政に関する調査研究の勉強のために同会に参加したこと,同会では大学教授である経済学者が「現代を生き抜く経済論」という演題で講演をした後,県議会議員であるZ2が県政課題に対する政見を述べたこと,補助参加人Z12は,同会の参加費5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z12が同会に参加した目的は県政に関連するものといえ,同会で行われた講演会等もその目的に沿ったものであったといえる。また,参加費も不相当に高額ではない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の研修費に該当するというべきであり,違法ではない。
キ 44-23~34(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
ク 44-35~46(政務調査専従員費)
証拠(甲C20~30,丙C10)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,平成17年4月から平成18年3月までの間,資料の調査や整理,地域の住民の意見の集約や地域の現状調査などの調査研究活動の補助業務に従事した事務所に勤務していた職員に対する業務の対価(一月当たり12万6000円。ただし,交通費6000円を含む。)であると認められる。
そうすると,上記各支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(43)  議員番号45(Z42)の各支出について
ア 45-1(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 45-5(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 45-13(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 45-19(飲食代)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42が,平成17年11月27日に岩手県PTA連合会OBとの懇親会に出席し,その飲食代8400円を政務調査費から支出したこと,同人は,PTA連合会の運営状況や法人化後の運営状況など内部的な課題と県教育委員会との調整について意見を聴取する重要な機会であると考え同会に参加したことが認められる。
また,補助参加人Z42は,陳述書(丙B53)において,参加したことにより,現状の課題や活動状況の確認ができたほか,Qから文科省での仕事内容やその経験から得た教育行政の現状を聞くことができた旨述べている。
しかるに,一般的には,意見交換等を行うために飲食を伴う必要性は認められないというべきであり,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致せず違法なものと判断されるというべきであるところ,上記陳述は抽象的であり,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたものと認めるには足りないというべきであり,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は違法である。
オ 45-21(食事代)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,平成17年11月15日に,新年開催の県政報告会に向けて事務員らとの間でスタッフ会議を開催し,その際の食事代1万6150円を政務調査費から支出したことが認められる。
また,補助参加人Z42は,陳述書(丙B53)において,同会議の際には,12月議会に向けての意見交換もなされ,競馬問題,少子化解決策,県立紫波病院の今後などについて議論がなされた旨述べている。
しかるに,県政報告会の準備の際に食事を伴う必要性があったとはいい難く,同会議でなされたという意見交換と県政報告会の準備との関連性も不明である。そうすると,上記支出につき調査研究のための必要性を認めることはできないというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
カ 45-25(電話料)
(ア) 証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42が,事務所とは別にある自宅の電話料金の70パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては本件使途基準にいう事務費に当たる。
(イ) 補助参加人Z42は,上記支出を政務調査費から支出したことにつき,陳述書(丙B53)において,事務所はあったが事務員の勤務時間外に自宅に電話がくることは珍しくなく,同居の家族はほとんど携帯電話を使用していたか,ほとんど電話をかけることはなかったため,自宅の固定電話を使用するのはほとんど自分だけといってよい状況であり,その通話内容も,地域住民の要望や苦情への対応などだったため,ほぼすべてを政務調査のために使用していたと言ってよい状態であったことに鑑み,自宅の固定電話の電話料金を政務調査費から支出することとし,その按分率を70パーセントとした旨陳述する。
そうすると,通常,事務所が自宅とは別に設けられている場合,自宅の電話が政務調査に用いられることは考え難いことを考慮しても,上記補助参加人Z42の陳述によれば,自宅の電話を調査研究活動にも使用したことが認められるというべきである。
(ウ) もっとも,補助参加人Z42が按分率を70パーセントとした理由につき,陳述書(丙B53)のほかに,その使用実態を裏付ける証拠はない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
キ 45-27(o会会費)
3-39及び65(上記(3)シ)と同じ理由により,上記支出は違法である。
ク 45-28(h1町国際交流協会賛助会員年会費)
(ア) 証拠(丙B30,53)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a h1町国際交流協会は,h1町民の人材育成のため国際交流活動を推進し,国際相互理解を深めるとともに,国際化社会に対応した個性豊かな町の魅力創造に寄与することを目的とする。
b 同会は,上記目的を達成するため,(1)国際交流事業の企画立案及び推進,(2)国際交流ボランティアの育成,(3)国際交流に関する学習及び研修,(4)国際交流に関する情報の収集及び啓蒙,(5)在住の外国人との交流,(6)その他上記目的に必要な事業を行うこととしている。
c 同会は,目的に賛同する個人及び団体並びに賛助会員をもって組織されており,賛助会員は,目的に賛同する団体,企業等及び個人,特別会員は目的に賛同し,総会において推挙された団体である。会費は,個人会員の会費は毎年総会において決定され,事業委託が出来る団体は会費1万円とし,賛助会員は年1口1万円以上とされ,特別会員は原則会費を徴収されないこととされている。
d 補助参加人Z42は,同会費3000円を政務調査費として支出した。
e 補助参加人Z42は,平成当初から町の事業であった国際交流海外派遣事業に係わり,平成10年から法人化に移行して国際交流協会となった際,会員となった。同人は,国政的諸条件に対応した行政と人材を育成することが岩手の課題であると謳われているところ,その見識を広め培うことは重要な調査研究に資するものと考えている。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z42において,同会と具体的にどのような関わりをもったのかは明らかにされていないものの,補助参加人Z42が同会に参加していた目的は県政に関連性があるといえ,また,同会の目的も県政に関連性があるといえる。そして,同会の活動もそれらに沿ったものであるといえ,会費も不相当に高額であるとはいえない。なお,同会の会費について,寄付金の要素が強いとはいえない。
以上によれば,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ケ 45-30(「帰ってきたオトウサン」前売り券)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,仕事を退職した人々により構成されている「劇団帯の会」につき,同劇団の取り組みは,高齢化社会に向けて参考になるものと考え,同劇団が開催した舞台「帰ってきたオトウサン」を観覧し,観覧後,劇団の構成員から劇団の理念や取り組みについて聞き取りを行ったこと,同人は,その前売り券代金1200円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,補助参加人Z42が同劇団の取り組みを参考としようとしたという目的は県政に関連するものといえ,また,同劇団からの聞き取りに際し,同劇団の実際行っている舞台を観覧した上で臨むことは,聞き取りを実質的なものとするために有益なことといえる。
したがって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
コ 45-31(岩手県ユネスコ協会連盟会費)
岩手県ユネスコ協会の目的及び活動内容については,上記(3)ツ(3-44・52の支出に係る判示部分)記載のとおりであるところ,証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,同協会の会費5000円を政務調査費から支出したこと,同人は,同会の活動は,県内の国際化推進に有益であると考えていることが認められる。
そうすると,補助参加人Z42が同会に参加しているのは,国際化推進のためであるといえ,同目的は県政に関連するものといえ,同協会の活動内容もその目的に沿ったものであったといえる。また,会費が不相当に高額であるとはいえない。
したがって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
サ 45-32・35・36・39(岩手日報情報文化研究会会費)
(ア) 証拠(丙B31,53)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 岩手日報情報文化研究会は,岩手県の政治,産業,経済,文化の発展に資するため,岩手日報社,共同通信社が共同して国際,中央,地方の情報を的確かつ敏速につかみ,会員に提供するとともに会員相互の親和を図ることを目的とする。
b 同会は,上記目的達成のため,(1)国内外情報資料(政経週報,プレジデント,その他)の配布,(2)例会(講演会,研究会)の開催,(3)その他同会が必要と認めるものを行うこととしており,具体的には,例会として講演会を年8回あるいは10回開催し,ビジネス総合誌であるプレジデントを月2回配布し,そのほか政経週報の配布を行っている。
c 同会の個人会員の月会費は1口8400円(盛岡会場以外は6300円)とされている。
d 補助参加人Z42は,同会の会費として,平成17年6月23日,同年8月31日,同年12月21日,平成18年3月15日にそれぞれ3か月分の2万5200円を支出し,その合計10万0800円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,同会の目的及び活動内容は,県政に関連し,調査研究活動に資するものといえる。また,その会費が不相当に高額とはいえない。なお,同会費につき寄付金の要素が強いとはいえない。
以上によれば,上記各支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
シ 45-34(小操舟建造実行委員会会費)
(ア) 証拠(丙B32,53)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 小操舟建造実行委員会は,川を知る会の一事業として立ち上げられたものであるところ,川を知る会の目的及び事業内容は,上記(42)イ(44-2の支出に係る判示部分)に記載のとおりである。具体的には,□□川のゴミ投棄問題や水辺の環境浄化に取り組み,川下り体験を小学校と連携して行うなど,子供たちが水に親しむことができる活動の機会を設ける活動を行っていた。そして,川の持つ歴史的側面に着目し南部藩と志和の八戸藩の船を活用した歴史を紹介するために小操船を建造しようと立ち上げられたのが小操舟建造実行委員会であった。
b 補助参加人Z42は,地域河川愛護活動の一層の推進と□□川の歴史的役割を知る機会であると考え,同会に参加した。
c 補助参加人Z42は,同会の会費1万円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z42が,小操舟建造実行委員会に参加した目的は県政に関連するものといえ,同会の活動内容もその目的に沿ったものであったといえる。また,会費も不相当に高額であるとはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ス 45-38(芸術文化を考える会会費)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,地域活性化の起爆剤となる地域芸術文化に関する情報を収集し,その振興を図ろうと考え,平成18年2月5日,町民劇場の団員4名との食事を伴う懇談会を開催したこと,同人は,その際の懇談会費7500円を政務調査費から支出したことが認められる。
また,補助参加人Z42は,陳述書(丙B53)において,同懇談会で,食事をしながら,町民劇場の活動や文化振興に関する意見交換等を行うことができたと述べている。
しかるに,一般的には,意見交換等を行うために食事を伴う必要性は認めれないというべきであり,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致せず違法なものと判断されるというべきであるところ,上記陳述は抽象的であり,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたものと認めるには足りないというべきであり,上記の特段の事情があるとは認められない。
よって,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
セ 45-41~48(Z42県議と語る会年会費,会場費)
(ア) 証拠(丙B33の1及び2,53)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 上記の会に当たる「j会」は,補助参加人Z42県議会議員の政治活動を支援することを目的とし,併せて会員相互の向上と親睦を深めることを目的として平成14年8月に組織された。
b 「j会」の入会案内(丙B33の1)には,同会がZ42の後援会である旨記載されていた。
c 上記各支出は,「j会」の年会費及び同会が主催した県政報告会に関連した支出であり,補助参加人Z42は,政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載のとおり,「j会」が後援会であることに照らせば,同会の年会費及び同会が主催した県政報告会は,後援会活動の一環であるというべきであり,調査研究活動には当たらないというべきである。
そうすると,上記各支出は,本件使途基準に合致せず,違法なものというべきである。
ソ 45-49(懇談会費)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,平成17年11月20日に開催されたb1党岩手県総支部連合会と連合岩手との懇談会に参加したこと,同会では,県政の取り組み及び連合岩手が岩手県知事に提出した要望書の進捗具合等についての議論がなされたこと,補助参加人Z42は,同懇談会は,県議会での答弁と各団体に対する県の回答に違いがないか等を確認する場として重要であると考えていること,同人は,同懇談会費2000円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,同懇談会でなされた議論は県政に関連するものといえ,同会への参加は調査研究活動に資するものといえる。また,会費も不相当に高額とはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法とはいえない。
なお,原告は,上記支出につき,実際の使途は,政党活動・後援活動・選挙活動に当たるから違法である旨主張するが,政務調査費からの支出として違法になるか否かは,支出に係る会の具体的な内容が調査研究活動に適うものか否かによるべきところ,上記支出に係る懇談会における内容は調査研究活動に適うものといえる。
タ 45-52(国政報告会準備会会費),45-53(国政報告会会費)
(ア) 証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,平成19年2月19日に開催された岩手県選出のb1党所属国会議員による国政報告会に参加したこと,また,平成18年1月21日に開催された同国政報告会の準備会に参加したこと,及び同人は,準備会会費5000円(45-52)と国政報告会会費(45-53)5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
(イ) 国政に関わる事項も県政と関連があるといえ,国政報告会に国政に関する情報を得る目的で参加することも県政との関連性があるというべきであるが,上記(ア)記載の事実に照らせば,補助参加人Z42は,国政報告会を開催する側の一員であった疑いがあり,そうすると,同人が国政調査会に参加した主たる目的は国政に関する情報を得ることにあったのではなく,b1党議員として,岩手県選出の国会議員の政党活動あるいは後援活動を補助することにあったとの疑いがあるというべきである。
そうすると,上記各支出には調査研究のための必要性が認められないというべきであり,上記各支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
チ 45-54(Y国政報告会会費)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,平成18年2月25日に開催されたb1党所属衆議院議員Yの国政報告会に参加したこと,同人は,同報告会会費1万円を政務調査費から支出したことが認められる。
国政に関わる情報も県政に関連性があるといえ,国政に関わる情報を得ることのできる国政報告会への参加は調査研究活動に資するものというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
ツ 45-55(b1党女性議員ネットワーク東北ブロック会議会費)
(ア) 証拠(丙B34,53)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
a 補助参加人Z42は,平成18年2月26日に開催されたb1党女性議員ネットワーク会議東北ブロック会議に参加した。
b 同会議では,女性議員ネットワーク会議東北ブロック会議の立ち上げに当たり,世話人選出及び活動方針について協議が行われた後,女性参議院議員による講演会が行われ,引き続いて交流会ティーパーティーが行われた。
c 補助参加人Z42は,女性議員だけのネットワークを構築して女性議員のみで打開すべき政策課題があるのかという疑問をもち,会議の内容を聞いていたが,同会議の参加により,少子化問題や家庭介護における女性の負担に関する解決策の提言など,女性の視点からの訴えというべき諸課題について,自分の認識と違いがあることを知ることとなり,女性の視点での制度,政策の改善が建設的に進展する必要を認識した。
d 補助参加人Z42は,同会議会費1000円を政務調査費から支出した。
(イ) 上記(ア)記載の事実によれば,同会議はb1党女性議員ネットワーク会議の立ち上げとその構成員の交流を目的として開催されたもので,県政との関連性が希薄であり,岩手県会議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことも認められないといわざるを得ず,よって,上記支出については調査研究のための必要性を認めることができないというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準に合致せず,違法である。
テ 45-56~58(電話料,電話機リース料,携帯電話料金)
証拠(丙B53)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z42は,事務所の固定電話料金,電話機リース代,携帯電話料金の80パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該各支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記各支出の按分率につき,補助参加人Z42は,陳述書(丙B53)において,使用実態に応じて定めた旨陳述する。
もっとも,上記80パーセントという数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z42が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記各支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,それぞれ,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
(44)  議員番号46(Z43)の各支出について
ア 46-1(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 46-15(岩手県議会大連友好議員連盟会費)
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 46-17(事務所職員人件費)
(ア) 証拠(丙B46,証人Z43)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z43の事務所には,妻及び採用職員の2名の事務職員がおり,平成17年度は,政治活動や後援会活動の事務を妻に,政務調査関係の事務を採用職員に専門的に分担させることとし,両名に対し,担当事務以外の業務には関わらないよう指示していたこと,その指示に従って両名は業務に従事していたこと,補助参加人Z43は,上記採用職員に係る人件費を全額政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(イ) なお,原告は,証人Z43の供述によれば,同人が政治活動及び後援会活動と政務調査活動との区別をしていたとはいえない旨主張しているが,同人が,明らかに政治活動及び後援会活動に当たるものを政務調査活動と判断していたとは認められず,その区別に係る同人の判断が不合理であったことを窺わせる事情はないから,原告の主張は採用できない。
(45)  議員番号47(Z44)の各支出について
ア 47-2(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 47-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 47-11(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
(46)  議員番号48(Z24)の各支出について
ア 48-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 48-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 48-15(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 48-20(平成17年度特定非営利法人リサイクルネットワークいわて会費)
証拠(甲D45,丙D8)及び弁論の全趣旨によれば,特定非営利法人リサイクルネットワークいわては,岩手県の産業廃棄物行政に関する情報収集,リサイクルや産業廃棄物行政の在り方等を研究するNPO法人であること,補助参加人Z24は,産業廃棄物についての知識情報を得て適切な産業廃棄物行政を探るために同会に参加したこと,同人は同会費1万円を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,同人が同会に参加した目的は県政との関連性が認められ,同会の活動内容もその目的に沿ったものであったと認められる。また,会費は不相当に高額とはいえない。
そうすると,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
オ 48-27(職員人件費)
証拠(甲D46,丙D8)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z24は,旧h8町の男性職員を,一関市,h8町などの市町村合併の際,各議会の動向に関する情報を得るための議会傍聴やl高校とm高校の統合問題に関する地域懇談会による住民動向の調査,県道整備状況の調査などの調査活動に従事させたこと,同男性職員に対する平成17年4月から平成18年3月分までの人件費の全額を政務調査費から支出したことが認められる。
以上によれば,上記各支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったといえるから,違法ではない。
(47)  議員場号49(Z45)の各支出について
ア 49-3(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 49-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 49-18(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 49-22(日ロ協会岩手県センター結成40周年の集い会費)
証拠(丙B28の1及び2,48)及び弁論の全趣旨によれば,日ロ協会岩手県センターの目的や活動内容及び結集40周年の集いの内容,会費等については,上記(24)イ(ア)(26-7の支出に係る判示部分)記載のとおり認められ,補助参加人Z45は,同集いに参加したことで日ロ両国の国際協力に関わる様々な課題や問題点に目を向け,岩手県とロシアの今後あるべき係わり方についても考えることができたと認識していることが認められる。
以上によれば,補助参加人Z45が同集いに参加し,得られた情報等は県政に関連性があるといえ,同集いにおいて行われた講演会等も県政に関連するものであったといえる。また,会費が不相当に高額であるともいえない。
よって,上記支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
オ 49-23(一関市議会議員との県政懇談会会費)
証拠(甲B8,丙B35の1及び2,48)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z45は,平成18年1月4日に飲食店において行われた一関市議会議員との県政懇談会に参加したこと,同懇談会には,県議会議員であった同人及びZ36のほか一関市議会議員8名が出席したこと,補助参加人Z45は,同懇談会費1万円を政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,通常,意見交換を飲食店で行わなければならない必要性は認められない上,会の出席者や上記証拠から認められる会の内容及び金額が1万円と高額であることにも照らすと,上記支出は飲食代であると認められる。
そうすると,上記支出につき,調査研究のための必要性を認めることはできないというべきである。
よって,上記支出は,違法である。
(48)  議員番号50(Z13)の各支出について
ア 50-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 50-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 50-17~28(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
エ 50-32~43(政務調査補助者給料)
証拠(甲C31,丙C11の1)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,平成17年4月から平成18年3月までの間,政務調査に関する事務や政務調査に赴く際の車両の運転などの政務調査活動の補助業務に従事していた者に対する業務の対価であると認められ,補助参加人Z13は,その全額を政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記各支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(49)  議員番号51(Z14)の各支出について
ア 51-13(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 51-15(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会平成17年度会費)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 51-28~33(調査,研究事業委託費)
証拠(丙C12の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,補助参加人Z14が,地域の事情に通じていると考えた個人に対し,①過疎対策及び市町村合併についての調査研究,②下閉伊郡内の国道,県道,町村道,農道,林道等の整備に関する調査研究,③下閉伊郡内の商工,農林水産及び観光の振興についての調査研究,④少子化に伴う学校の再編に関する調査研究,⑤医療,福祉政策に関する調査研究,⑥津波対策の調査研究を委託した委託費であり,調査は,合計17日間をかけて行われ,その内容は「地域課題調査委託事業結果報告」(丙C12の2)にまとめられたこと,補助参加人Z14は,その人件費全額を政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記各支出は,本件使途基準の調査研究費に該当するというべきであり,違法ではない。
なお,原告は,委託先は不明であり,真実調査研究委託が行われ,これに基づいて真実調査研究が実施されているかも不明である旨主張しているが,上記のとおり,証拠及び弁論の全趣旨によれば,実際に調査研究の委託がなされ,調査研究が実施された事実が認められ,また,委託先については,個人である以上その具体的氏名が公表されないとしても不自然ではないから,委託先が明らかになっていないからといって上記事実の認定が妨げられるものではない。よって,原告の主張は採用できない。
エ 51-34~45(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(50)  議員番号52(Z46)の各支出について
ア 52-4(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 52-5(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度年会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 52-19(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 52-23(農業に関する意見交換に関連する食事代)
証拠(丙B49)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z46は,事務員とともに,平成17年5月10日,農業関係者から農業の生産や経営状況等の現状を把握するため,聞き取りや意見交換,遊休農地が拡大している状況などの現地調査を行ったこと,その調査は終日にわたって行われ,昼食時も,関係者と一緒に飲食店(焼き肉レストラン中山)において昼食をとったこと,補助参加人Z46は,同行した職員の昼食代840円を政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,通常,政務調査をなすために職員が昼食をとらなければならない必要性は認められないから,上記支出は,職員が昼食をとることにより政務調査の成果が上ったことなど特段の事情のない限り,調査研究のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,補助参加人Z46は,陳述書(丙B49)において,昼食時に農業関係者と地域課題に関して意見交換を行ったため,同行した事務員は昼食時に業務を行いながら食事を取っていたといえるので,政務調査費から支出した旨陳述するにとどまるから,同陳述内容では上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記支出は,違法である。
オ 52-24・25(競馬に関する意見交換に関連する食事代)
証拠(丙B49)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z46は,平成17年7月26日,平成18年2月10日に,飲食店(大地及び山海酒楽亭よしだや)において,岩手競馬の関係者を招いて意見交換会を開催したこと,同人は,その際の食事代5386円及び2800円を政務調査費から支出したことが認められる。
しかるに,通常,飲食店において意見交換等を行わなければならない必要性は認められないから,上記支出は,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたことなど特段の事情のない限り,調査研究活動のための必要性に欠けるもので,本件使途基準に合致しない違法なものと判断されるというべきところ,補助参加人Z46は,陳述書(丙B49)において,幹部経営者側だけの考えだけでなく,岩手競馬に関わる様々な職種の方々のそれぞれの立場・視点からの意見を把握することができた旨陳述しているのみで,その陳述内容は抽象的であり,これによっては,上記の特段の事情があるとは認められないというべきである。
よって,上記各支出は,違法である。
カ 52-26~28(電気代,事務所水道代,家賃)
証拠(甲B9~11,丙B36,49)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z46は,平成17年3月30日,親族が代表取締役を務める株式会社fから,岩手県九戸郡〈以下省略〉所在の店舗を事務所として使用するために,賃貸借の期間を平成17年4月1日から平成18年3月31日までの1年間,賃料を月8万円として賃借し,同店舗に事務所を設置していたこと,同人は,その事務所の電気代(平成17年4月から平成18年3月分),水道代(平成17年4月から平成18年3月分)及び賃料(平成17年4月から平成18年3月分)の2分の1の額(それぞれ,2万3616円,2万2050円,48万円)を政務調査費から支出したことが認められる。
賃貸人は補助参加人Z46と生計を一にしておらず,また,事務所の使用状況については,補助参加人Z46の陳述書(丙B49)によれば,政務調査活動に関係しない利用は1割前後であるというのであるから,按分率を2分の1とすることにも合理性があるというべきである。よって,上記各支出は,本件使途基準の事務所費に該当し,違法とはいえない。
キ 52-36(県政報告会に関する会場使用料(水道使用料))
証拠(甲B12,丙B49)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z46は,自宅の隣地において観桜会を兼ねて県政報告会を開催したこと,その際,参加人数が300名を超えたことから,トイレを2箇所用意することとし,一つは自宅庭にある外トイレを利用し,もう一つは,隣地の建物内のトイレを利用したこと,上記水道使用料は隣地の建物内のトイレの水道料金であること及び同人はその水道料金1837円を政務調査費から支出したことが認められる。
県政報告は,議員の調査研究活動に資するものといえるところ,その報告会を開催するに当たって必要となったトイレの水道料金を政務調査費から支出することにも合理性があるというべきである。
よって,上記支出は,本件使途基準の会議費あるいは広報費に当たるというべきであり,違法ではない。
ク 52-29(電話代)
証拠(丙B49)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z46は,事務所の電話料金および携帯電話料金の75パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
上記支出の按分率につき,補助参加人Z46は,陳述書(丙B49)において,事務所の通信費利用実態は事務所利用とほぼ比例しており,政務調査活動以等以外に利用しているのは約1割,携帯電話については政務調査活動や事務所等との連絡以外の利用が4分の1以内であると考えられるため,通信費全体として政務調査活動等の目的以外に使用した率が25パーセントを超えていないと判断し,通信費は一律75パーセントを政務調査活動に要したと判断した旨陳述する。
もっとも,上記75パーセントの基となった,1割とか4分の1という数字については,その具体的計算根拠は示されておらず,裏付けとなる客観的証拠も提出されていないから,補助参加人Z46が陳述する使用実態とは,同人の記憶に基づく判断以外にその根拠が見出せないといわざるを得ない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
ケ 52-30~35(職員給与)
証拠(丙B49)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,平成17年4月から同年9月までの間,現地の状況確認,資料収集や電話や来訪者への対応,資料整理等の調査研究活動の補助業務に従事していた者に対する業務の対価であると認められ,補助参加人Z46はその全額を政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記各支出は,調査研究活動の補助業務に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
(51)  議員番号53(Z15)の各支出について
ア 53-2(岩手県議会保健・医療・福祉政策研究会平成17年度会費)
1-5(上記(1)イ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 53-3(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分)
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 53-16(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
エ 53-20~31(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
(52)  議員番号54(Z16)の各支出について
ア 54-2(岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会会費(17年度分))
1-4(上記(1)ア)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
イ 54-15(岩手県議会大連友好議員連盟会費(平成17年度分))
3-22(上記(3)オ)と同じ理由により,上記支出は違法ではない。
ウ 54-17~28(岩手県総合政策研究会に対する県政調査・研究委託料)
2-19~30(上記(2)エ)と同じ理由により,上記各支出は違法ではない。
エ 54-29(携帯電話料)
証拠(丙C13)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z16は携帯電話料金の65パーセントを政務調査費から支出したことが認められ,当該支出は,費目としては本件使途基準の事務費に当たる。
補助参加人Z16は,按分率を65パーセントとした理由につき,使用実態によった旨主張するのみで,それを裏付ける証拠はない。
しかるところ,電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難というべきであるから,同一の電話を調査研究活動のための使用とそれ以外の使用に用いている以上,その使用実態を裏付ける客観的資料がない場合には,当該議員の使用実態に関する判断に合理性が認められるのは,調査研究活動のための使用が少なくとも半分以上を占めるか否かの限度にとどまるものというべきであり,その按分率による支出については,50パーセントを超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。
以上によれば,上記支出において,政務調査費からの支出が許されるのは按分率50パーセントの支出額に止まり,それを超える部分を政務調査費から支出することは違法となるというべきであり,その違法となる具体的額は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載のとおりである(小数点以下切り捨て)。
オ 54-30(政務調査費運転手賃金),54-31(政務調査秘書給与)
証拠(丙C13)及び弁論の全趣旨によれば,上記各支出は,政務調査に関する事務を専門に行う秘書に対する業務の対価(54-31)及び政務調査に赴く際の車両の運転や調査の補助をする職員に対する業務の対価(54-30)であると認められ,補助参加人Z16は,それらの人件費を全額政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記各支出は,調査研究活動に専従していた者に係る人件費であったといえるから,本件使途基準に適合したものであり,違法ではない。
第4  結語
以上のとおりであり,原告の請求は,別紙4「岩手県議会政務調査費調査票」の認容額欄記載の金額の限度で理由があるからこれらを認容することとし,その余についてはいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
盛岡地方裁判所第2民事部
(裁判長裁判官 田中寿生 裁判官 田中孝一 裁判官 鈴木恵子)

 

※編注 更生決定反映済み
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政治と選挙の裁判例「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧
(1)平成22年11月30日 金沢地裁 平21(行ウ)3号 公金支出差止請求事件
(2)平成22年11月19日 盛岡地裁 平18(行ウ)11号 政務調査費返還請求事件
(3)平成22年11月17日 東京高裁 平22(行ケ)16号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(4)平成22年11月17日 東京高裁 平22(行ケ)15号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(5)平成22年11月12日 東京地裁 平21(行ウ)126号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(6)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(7)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)251号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(8)平成22年11月 2日 東京高裁 平22(行ケ)14号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(9)平成22年10月29日 東京地裁 平19(ワ)31252号 損害賠償等請求事件
(10)平成22年10月29日 東京地裁 平19(行ウ)472号・平19(行ウ)493号・平19(行ウ)494号・平19(行ウ)495号・平19(行ウ)496号・平19(行ウ)497号・平19(行ウ)498号・平19(行ウ)715号・平19(行ウ)785号・平20(行ウ)55号・平20(行ウ)132号・平20(行ウ)133号・平20(行ウ)404号・平20(行ウ)405号・平20(行ウ)406号・平20(行ウ)407号・平20(行ウ)408号・平20(行ウ)686号・平20(行ウ)756号・平21(行ウ)367号・平18(行ウ)472号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分取消請求事件
(11)平成22年10月28日 東京地裁 平19(ワ)31393号 損害賠償請求事件
(12)平成22年10月27日 仙台高裁 平21(行コ)28号 違法公金支出による損害賠償履行請求控訴事件
(13)平成22年10月22日 東京高裁 平22(行ス)76号
(14)平成22年10月 1日 東京地裁 平21(行ウ)132号 難民不認定処分取消等請求事件
(15)平成22年 9月30日 東京地裁 平21(行ウ)231号 報酬支出差止請求事件
(16)平成22年 9月17日 東京地裁 平21(行ウ)226号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(17)平成22年 9月14日 最高裁第三小法廷 平22(ク)760号・平22(許)24号 仮処分命令申立却下決定に対する抗告棄却決定に対する抗告事件
(18)平成22年 7月30日 東京地裁 平21(行ウ)281号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(19)平成22年 7月30日 東京地裁 平20(行ウ)605号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(20)平成22年 6月24日 東京地裁 平21(行ウ)15号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(21)平成22年 6月17日 名古屋高裁 平22(ラ)137号 仮処分命令申立却下決定に対する即時抗告事件
(22)平成22年 6月16日 東京地裁 平22(ワ)221号 損害賠償請求事件
(23)平成22年 6月 8日 東京地裁 平21(行ウ)144号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(24)平成22年 5月31日 東京地裁 平20(ワ)16947号 損害賠償請求事件
(25)平成22年 5月20日 東京地裁 平21(行ウ)99号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(26)平成22年 5月13日 東京高裁 平20(う)2470号 国家公務員法違反被告事件
(27)平成22年 4月28日 東京地裁 平20(行ウ)642号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(28)平成22年 4月27日 札幌高裁 平21(行ケ)1号 衆議院議員選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・札幌高裁・第一審〕
(29)平成22年 4月13日 東京地裁 平20(ワ)34451号 貸金等請求事件
(30)平成22年 3月31日 東京地裁 平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(31)平成22年 3月30日 大阪高裁 平19(ネ)2853号 損害賠償請求控訴事件
(32)平成22年 3月30日 東京地裁 平21(行ウ)256号 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件
(33)平成22年 3月29日 東京高裁 平18(う)2351号 国家公務員法違反被告事件
(34)平成22年 3月29日 金沢地裁 平19(行ウ)5号 公金違法支出損害賠償請求事件
(35)平成22年 3月26日 熊本地裁 平19(行ウ)11号 政務調査費返還履行請求事件
(36)平成22年 3月25日 岐阜地裁大垣支部 平20(ワ)253号 損害賠償請求事件
(37)平成22年 3月12日 福岡高裁 平21(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・福岡高裁・第一審〕
(38)平成22年 3月11日 東京高裁 平21(行ケ)36号 選挙無効請求事件
(39)平成22年 3月11日 東京高裁 平21(行ケ)35号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(40)平成22年 3月 8日 福岡地裁 平19(行ウ)8号 難民不認定処分取消等請求事件
(41)平成22年 3月 3日 東京地裁 平20(行ウ)412号・平20(行ウ)425号・平20(行ウ)426号・平21(行ウ)79号 退去強制令書発付処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(42)平成22年 2月26日 東京地裁 平20(行ウ)486号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(43)平成22年 2月24日 東京高裁 平21(行ケ)20号・平21(行ケ)21号・平21(行ケ)22号・平21(行ケ)23号・平21(行ケ)24号・平21(行ケ)25号・平21(行ケ)26号・平21(行ケ)27号 各選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(44)平成22年 2月24日 東京高裁 平21(行ケ)19号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(45)平成22年 2月 5日 東京地裁 平20(行ウ)713号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(46)平成22年 2月 3日 東京高裁 平21(行ケ)30号 選挙無効請求事件
(47)平成22年 1月29日 東京地裁 平20(行ウ)261号・平20(行ウ)273号・平20(行ウ)274号 難民の認定をしない処分取消等請求事件(第1事件・第2事件)、退去強制令書発付処分取消等請求事件(第3事件)
(48)平成22年 1月27日 東京地裁 平20(ワ)14157号 損害賠償等請求事件
(49)平成22年 1月25日 広島高裁 平21(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・広島高裁・第一審〕
(50)平成22年 1月22日 東京地裁 平21(行ウ)82号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(51)平成22年 1月15日 東京地裁 平20(行ウ)626号・平21(行ウ)2号 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成21年12月28日 大阪高裁 平21(行ケ)2号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・大阪高裁・第一審〕
(53)平成21年12月 4日 東京地裁 平20(ワ)7435号・平20(ワ)26797号 建物収去土地明渡請求事件、建物退去土地明渡請求事件
(54)平成21年11月30日 最高裁第二小法廷 平20(あ)13号 住居侵入被告事件 〔葛飾政党ビラ配布事件・上告審〕
(55)平成21年11月27日 東京地裁 平14(刑わ)3696号・平14(刑わ)4021号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(56)平成21年11月26日 東京地裁 平21(行ウ)86号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(57)平成21年11月26日 東京地裁 平20(行ウ)629号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(58)平成21年11月26日 東京地裁 平20(行ウ)436号・平20(行ウ)444号・平20(行ウ)445号・平20(行ウ)446号・平20(行ウ)447号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(59)平成21年10月29日 東京地裁 平18(行ウ)529号・平18(行ウ)564号・平20(行ウ)235号・平20(行ウ)237号 在留を特別に許可しない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(60)平成21年10月28日 京都地裁 平19(ワ)3986号・平20(ワ)797号・平20(ワ)2263号・平20(ワ)3884号・平21(ワ)1575号 損害賠償請求事件
(61)平成21年10月21日 東京地裁 平21(行ウ)61号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(62)平成21年10月 9日 東京地裁 平19(ワ)9718号 損害賠償等請求事件
(63)平成21年 9月30日 最高裁大法廷 平20(行ツ)209号 選挙無効請求事件
(64)平成21年 9月30日 最高裁大法廷 平20(行ツ)196号 選挙無効請求事件
(65)平成21年 9月29日 東京地裁 平19(行ウ)437号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(66)平成21年 8月28日 東京地裁 平19(行ウ)123号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(67)平成21年 8月27日 東京地裁 平20(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(68)平成21年 8月25日 東京地裁 平20(ワ)16289号 書籍出版等差止請求事件 〔扶桑社教科書差し止め訴訟〕
(69)平成21年 7月22日 東京地裁 平21(ワ)7588号 慰謝料等請求事件
(70)平成21年 7月16日 東京地裁 平20(行ウ)525号 難民不認定処分無効確認請求事件
(71)平成21年 6月30日 東京地裁 平20(行ウ)421号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(72)平成21年 6月25日 東京地裁 平18(ワ)17391号 損害賠償等請求事件
(73)平成21年 6月23日 東京地裁 平20(行ウ)163号・平20(行ウ)167号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(74)平成21年 6月17日 大阪高裁 平20(行コ)159号 政務調査費返還請求行為請求控訴事件
(75)平成21年 6月12日 東京地裁 平20(ワ)27642号 貸金請求事件
(76)平成21年 5月29日 東京地裁 平20(行ウ)150号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(77)平成21年 5月27日 東京高裁 平20(行コ)333号 不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件
(78)平成21年 5月26日 東京地裁 平21(む)1220号 政治資金規正法被告事件
(79)平成21年 5月25日 大阪地裁 平18(行ウ)128号 懲戒処分取消請求事件 〔国・気象衛星センター(懲戒免職)事件〕
(80)平成21年 5月22日 東京地裁 平19(行ウ)309号・平20(行ウ)518号 在留特別許可をしない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消請求事件
(81)平成21年 5月11日 京都地裁 平21(む)843号 証拠開示命令請求事件
(82)平成21年 4月23日 仙台地裁 平19(ワ)1560号 不当解雇損害賠償等請求事件 〔京電工論旨解雇事件〕
(83)平成21年 4月21日 東京地裁 平20(行ウ)142号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(84)平成21年 3月31日 大阪地裁 平19(行ウ)34号・平19(行ウ)63号・平19(行ウ)77号・平20(行ウ)82号 国際放送実施命令取消等請求(甲~丙事件)、国際放送実施要請違法無効確認等請求(丁事件)事件
(85)平成21年 3月27日 東京地裁 平19(行ウ)178号・平20(行ウ)21号・平20(行ウ)146号 退去強制令書発付処分取消等請求事件、難民の認定をしない処分取消請求事件
(86)平成21年 3月27日 東京地裁 平18(行ウ)520号・平18(行ウ)524号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(87)平成21年 3月26日 東京地裁 平20(行ウ)134号・平20(行ウ)177号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、追加的併合事件
(88)平成21年 3月26日 東京地裁 平19(行ウ)580号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(89)平成21年 3月24日 東京地裁 平19(ワ)23257号 損害賠償請求事件
(90)平成21年 3月23日 名古屋地裁 平18(行ウ)64号 政務調査費返還代位請求事件
(91)平成21年 3月18日 東京地裁 平19(行ウ)305号・平20(行ウ)501号 在留特別許可をしない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(92)平成21年 2月27日 東京地裁 平18(行ウ)497号 遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
(93)平成21年 2月27日 東京地裁 平18(ワ)26458号・平18(ワ)24160号 謝罪広告等請求事件、損害賠償請求事件 〔特高警察関係資料集成事件〕
(94)平成21年 2月25日 東京地裁 平19(行ウ)325号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(95)平成21年 2月25日 東京地裁 平18(行ウ)374号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(96)平成21年 2月16日 東京地裁 平20(ワ)16317号 損害賠償請求事件
(97)平成21年 2月13日 東京地裁 平20(行ウ)144号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(98)平成21年 1月29日 東京地裁 平19(行ウ)741号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(99)平成21年 1月27日 横浜地裁川崎支部 平15(ワ)200号 差止等請求事件
(100)平成21年 1月22日 大津地裁 平19(行ウ)10号 公金支出差止め請求事件


政治と選挙の裁判例(裁判例リスト)

■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-consultant/

■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-rikkouho/

■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seijikatsudou-senkyoundou/

■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou-poster/

■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bira-chirashi/

■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seimu-katsudouhi-poster/

■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-seiji-enzetsukai-kokuchi-poster/

■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
https://www.senkyo.win/kousyokusenkyohou-negotiate-put-up-poster/

■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
https://www.senkyo.win/political-poster-kousyokusenkyohou-explanation/

■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou/

■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-kouhou-poster-bira/

■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bougai-poster/

■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-2ren-3ren-poster-political-party-official-candidate/

■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kojin-tandoku-poster-political-party-official-candidate/

■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-party-official-candidate-koubo-poster/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-politician/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-campaign-bulletin-gazette-public-relations/

■「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-2ren-3ren-poster/

■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-kojin-tandoku-poster/

■「公認 候補者 公募 ポスター 国政政党 地域政党」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-official-candidate-koubo-poster-kokusei-seitou-chiiki-seitou/

■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-official-candidate-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster/

■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-kouenkai-senkyo-jimusho-official-candidate-poster/

■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-shuugiin-giin-poster/

■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-sangiin-giin-poster/

■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-chihou-giin-poster/

■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-daigishi-giin-poster/

■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-poster-hari-volunteer/

■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-touin-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seiji-dantai-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kouenkai-nyuukai-boshuu-kakutoku-daikou/


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


【資料】政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧【PRドットウィン!】選挙,ポスター,貼り,代行,ポスター貼り,業者,選挙,ポスター,貼り,業者,ポスター,貼り,依頼,タウン,ポスター,ポスター,貼る,許可,ポスター,貼ってもらう,頼み方,ポスター,貼れる場所,ポスター,貼付,街,貼り,ポスター,政治活動ポスター,演説会,告知,選挙ポスター,イラスト,選挙ポスター,画像,明るい選挙ポスター,書き方,明るい選挙ポスター,東京,中学生,選挙ポスター,デザイン


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(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
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(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
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