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政治と選挙Q&A「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例(77)平成21年 5月27日 東京高裁 平20(行コ)333号 不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件

政治と選挙Q&A「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例(77)平成21年 5月27日 東京高裁 平20(行コ)333号 不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件

裁判年月日  平成21年 5月27日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(行コ)333号
事件名  不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件
裁判結果  控訴棄却  文献番号  2009WLJPCA05279009

要旨
◆被控訴人の補助参加人である区議会派が、交付を受けた政務調査費の一部を区政に関する調査研究に資するために必要な経費以外の経費として支出し、当該経費に係る金額につき区の損失において不当に利得したとして、区の住民である控訴人らが、被控訴人区長に対し、本件会派に不当利得の返還請求をするよう求めたところ、原審で請求を棄却されたため、控訴した住民訴訟の事案において、会派の行う議会活動及び区政に関する政策等に対する区民の関心を集めるために、直接には区政と関連しないコラム等を広報誌に掲載したとしても、本件では政務調査費の使途基準を定めた条例等所定の広報活動に当たるといえ、また、国政に関する事柄であっても、それが区政との関わりを持つものである限り、これを必要かつ合理的な範囲で広報誌に掲載することは許されるところ、本件では合理的な範囲を超えないと認められるなどとして、原判決を維持し、控訴を棄却した事例

裁判経過
第一審 平成20年 9月 5日 東京地裁 判決 平19(行ウ)462号 不当利得返還(住民訴訟)請求事件

出典
裁判所ウェブサイト

参照条文
地方自治法100条13項
地方自治法100条14項
地方自治法242条の2第1項4号
墨田区議会政務調査費の交付に関する条例11条(平13墨田区条例52。平19墨田区条例24改正前)
墨田区議会政務調査費の交付に関する条例施行規則8条(平13墨田区規則27。平19墨田区規則54改正前)

裁判年月日  平成21年 5月27日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(行コ)333号
事件名  不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件
裁判結果  控訴棄却  文献番号  2009WLJPCA05279009

主文

1  本件控訴をいずれも棄却する。
2  控訴費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は,控訴人らの負担とする。

事実及び理由

第1  控訴の趣旨
1  原判決を取り消す。
2  被控訴人は,被控訴人補助参加人に対し,512万2875円及びこれに対する平成18年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を請求せよ。
第2  事案の概要等
1  本件は,墨田区の住民である控訴人らが,被控訴人補助参加人(本件会派)が平成17年度(平成17年4月1日から平成18年3月31日まで)に交付を受けた政務調査費の一部を区政に関する調査研究に資するために必要な経費以外の経費として支出し,当該経費に係る金額につき墨田区の損失において不当に利得したとして,被控訴人に対し,本件会派に対して不当利得返還請求権に基づいて512万2875円の支払を請求することを求める住民訴訟である。
2  原審は,控訴人らの請求をいずれも棄却した。当裁判所も,控訴人らの請求はいずれも棄却すべきものと判断した。
3  関係法令等の定め,前提事実,争点及び当事者の主張は,原判決の事実及び理由の「第2 事案の概要」2から5(原判決3頁7行目から19頁5行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
第3  当裁判所の判断
1  当裁判所の判断は,原判決23頁12行目「360号」を「361号」に改めるほかは,原判決の事実及び理由の「第3 当裁判所の判断」(原判決19頁6行目から32頁17行目まで及び別紙1から5)に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,別紙1の17年4月の電話料2欄「¥4,008」を「¥4,009」に,電話料2欄の合計額欄「¥45,596」を「¥45,597」に,合計額欄の合計額欄「¥1,020,932」を「¥1,020,933」にそれぞれ改める。)。
2  控訴人らは,本件会派が発行している区議団ニュースに掲載されたAの新会長のインタビュー,「医療と健康シリーズ」と題するコラムは,区政に関わりのないものであり,「視点」と題するコラムは,国政レベルの政党活動に関する記事であって,いずれも区政に関する調査研究に資するものとはいえないから,そのような記事に係る印刷経費等の支出及び執筆料の支出は政務調査費としては目的外の支出に当たると主張する。
しかし,会派が行う議会活動及び区政に関する政策等に対する区民の関心を集めるために,直接には区政とは関連しないコラムやエッセイを広報誌に掲載することも,墨田区議会政務調査費の交付に関する条例,同条例施行規則別表の広報活動に当たるというべきであり,また,国政に関する事柄であっても,それが区政との関わりを持つものである限り,これを必要かつ合理的な範囲で広報誌に掲載することが許されないわけではないと解される。そして,上記各記事は,会派の広報活動として許される合理的な範囲を超えないものであることは,前記引用にかかる原判決が説示するとおりである。
また,原告らは,生活相談会の経費は,本件会派の経費ではなく,各議員の経費として発生している上,B区議については平成17年10月度において生活相談会の実態がないにもかかわらず,経費としての支出がされていること,調査報告書の作成がされていなければ会派としての調査活動が行われたとはいえないこと等から,上記経費の支出は墨田区議会政務調査費の交付に関する条例及び同条例施行規則に違反すると主張する。
しかし,本件会派が主体となって生活相談会の開催がされていると認められること,本件会派の活動というためには,調査報告書の作成が不可欠とする控訴人らの主張が失当なことは,前記引用に係る原判決が説示するとおりである。
また,確かに,B区議の事務所における生活相談会開催の回数は各月で一定したものではなく,平成17年10月には全く開催されていないのに,各月定額でその経費が支出されている。しかし,本件会派は,原則として毎週水曜日に所属区議の事務所で開催することとしたものであり,B区議も含めて本件会派に所属する区議の事務所においては,その申し合わせに従ってこれを開催することが可能な状態にあるから,これを開催しない月においても,本件会派が自ら行う生活相談会の場所としてB区議の事務所が確保されているものであり,そのための経費を観念し得るものである。そして,B区議の事務所に係る生活相談会の経費とされた額(30万円)は,B区議の事務所の経費の総額(72万2664円)からみて,過大なものではなく,条例に違反する経費の支出とはいえない。
第4  結論
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 一宮なほみ 裁判官 田川直之 裁判官 石垣陽介)
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