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「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例(8)平成28年 5月17日 広島高裁 平28(行ケ)1号 裁決取消請求事件

「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例(8)平成28年 5月17日 広島高裁 平28(行ケ)1号 裁決取消請求事件

裁判年月日  平成28年 5月17日  裁判所名  広島高裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(行ケ)1号
事件名  裁決取消請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2016WLJPCA05176001

要旨
◆市議会議員一般選挙に立候補して当選した原告が、落選した候補者(本件候補者)による異議の申出により原告の当選を無効とした決定に対して行った審査の申立てを棄却する裁決の取消しを求めた事案において、公職選挙法67条後段の規定の趣旨に徴すれば、投票の記載から選挙人の意思が判断できるときは、できる限りその投票を有効とするように解すべきであり、投票の記載が候補者の氏名と一致しない場合であっても、その記載された文字を全体的に考察することによって選挙人がどの候補者に投票する意思をもって投票をしたかを判断し得るときには、この投票を当該候補者に対する有効投票と認めるのが相当であり、投票を二人の候補者指名を混記したものとして無効と解するのは、当該投票の記載がいずれの候補者氏名を記載したのか全く判断し難い場合に限られるものというべきであるとした上で、本件選挙管理委員会が有効投票と認めた本件投票②は、記載された名が本件候補者の名と一致するとしても、その投票者が同候補者に投票する意思を有していたことが明白とは認められず、無効投票というべきであり、そうすると原告が当選人と認められるとして、請求を認容した事例

参照条文
公職選挙法67条
公職選挙法68条
公職選挙法206条
公職選挙法207条
行政事件訴訟法3条3項

裁判年月日  平成28年 5月17日  裁判所名  広島高裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(行ケ)1号
事件名  裁決取消請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2016WLJPCA05176001

広島県大竹市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 津村健太郎
井上明彦
広島市〈以下省略〉
被告 広島県選挙管理委員会
同代表者委員長 A
同指定代理人 W1
W2
W3
W4
W5

 

 

主文

1  平成27年8月9日執行の大竹市議会議員一般選挙における当選の効力に関する原告の審査の申立てに対し,被告が同年12月22日付けでした裁決は,これを取り消す。
2  訴訟費用は被告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求の趣旨
主文と同旨
第2  事案の概要
1  本件は,平成27年8月9日執行の大竹市議会議員一般選挙(以下「本件選挙」という。)に立候補して当選人とされた原告が,公職選挙法(以下「法」という。)207条に基づき,本件選挙で落選した候補者による異議の申出(法206条1項)により原告の当選を無効とした決定に対して行った審査の申立て(同条2項)を棄却する旨の裁決の取消しを求めた,当選の効力に関する訴訟である。
2  前提事実
括弧内掲記の証拠によれば,以下の事実が認められる(証拠の摘示のない事実は当事者間に争いがない。)。
(1)  当事者等
ア 原告は,平成27年8月9日に執行された本件選挙に立候補し,開票の結果,当選人と決定された。
イ 本件選挙には,定数16人に対し,原告,甲山B(こうやまB。以下「甲山候補」という。),甲川C(こうかわC。以下「甲川候補」という。)等19人が立候補した(甲2,乙6)。
(2)  得票数
本件選挙の開票後,選挙会は,原告の得票数を496票,甲山候補の得票数を494票として,原告を最下位当選人と決定した(甲2)。
(3)  甲山候補による異議の申出及びこれに対する決定の要旨(甲1)
ア 甲山候補は,平成27年8月21日付けで,本件選挙における原告の当選の効力に関して不服があるとして,法206条1項に基づき,大竹市選挙管理委員会(以下「市選管」という。)に対して異議を申し出た。
その異議申出の主な理由は,「甲川B」と記載された2票が無効投票とされたとの情報を得たが,この2票は甲山候補に対する有効投票とすべきである,というものである。
イ 市選管は,甲山候補の異議申出を受けて,本件選挙の全投票の開披再点検を行った。その結果,市選管は,選挙会においては無効投票とされた①「甲川B」,②「コウカワB」,③「こうかわD」,④「甲川D」の4票のうち,③及び④については,選挙会と同様に無効投票と判定したが,①及び②(以下,それぞれ「本件投票①」「本件投票②」という。)については甲山候補に対する有効投票と認め,甲山候補の得票数に2票を加えると原告の得票数と同数になり,選挙会における当選人の決定方法に異動が生じることを理由として,平成27年10月5日付けで,本件選挙における原告の当選を無効とする旨の決定をした。
(4)  原告による審査の申立て及びこれに対する裁決の要旨(甲2)
ア 原告は,平成27年10月22日付けで,原告の当選を無効とする上記決定を不服として,法206条2項に基づき,被告に対し,審査を申し立てた。その審査申立ての理由の要旨は,市選管が甲山候補に対する有効投票と認めた本件投票①②の2票は,いずれも甲川候補と甲山候補の氏名が混記されたもの(すなわち,候補者の何人を記載したかを確認し難いもの〔法68条1項8号〕)であるから,これらを甲山候補に対する有効投票とした市選管の判断には誤りがある,というものである。
これに対し,被告は,平成27年12月22日,原告の上記審査の申立てを棄却する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をし,原告は,同月25日,その裁決書の交付を受けた(乙4)。
イ 本件裁決の要旨は,以下のとおりである。
(ア) 本件投票①の「甲川」及び同②の「コウカワ」は,甲川候補の氏とほぼ一致しているとともに,甲山候補の氏とも類似性がある。
(イ) 本件投票①の「B」及び同②の「B」は,甲山候補の名と一致しているが,甲川候補の名とは類似性が認められない。
(ウ) 本件投票①②に記載された氏名は,全体として甲山候補の氏名に近似していると認められるから,甲山候補に投票する意思をもって氏の一部を誤記したものとして甲山候補に対する有効投票と認めるのが相当である。
(5)  本件訴訟の提起
原告は,平成28年1月22日,本件訴訟を提起した。
3  争点及び当事者の主張の要旨
本件の争点は,本件投票①②をした各選挙人が,甲山候補に投票する意思を有していたことが明白といえるかであり,これに関する当事者の主張の要旨は以下のとおりである。
(1)  被告の主張
ア 法67条後段の規定の趣旨に徴すれば,投票の記載から選挙人の意思が判断できるときは,できる限りその投票を有効とするように解すべきであり,投票に記載された文字に誤字,脱字や明確を欠く点があり,投票の記載が候補者の氏名と一致しない場合であっても,その記載された文字を全体的に考察することによって選挙人がどの候補者に投票する意思をもって投票をしたかを判断し得るときには,上記投票を当該候補者に対する有効投票と認めるのが相当である。そして,投票を2人の候補者氏名を混記したものとして無効と解するのは,当該投票の記載がいずれの候補者氏名を記載したのか全く判断し難い場合に限られるものというべきであって,そうでない場合には,いずれか一方の候補者の氏名に最も近い記載のものはこれを当該候補者に対する投票と認め,合致しない記載はこれを誤った記憶によるものか,又は単なる誤記によるものと解すべきである。
イ 本件投票①②のいずれについても,甲山候補の氏名の誤記として有効と認めるのが相当である。その理由は本件裁決のとおり(上記2(4)イ)である。
ウ 原告の主張に対する反論
原告の主張は,当該投票に記載された氏名がどの候補者を指すかを判断するに当たっては,そこに記載された文字を全体的に考察すべきこと,そして,誤記は氏と名に等しく生じ得ることを看過し(後記原告の主張ア,エ),あくまで当該投票の記載から合理的に推知すべき選挙人の意思を,選挙人全体の投票傾向から推知しようとする誤りを犯し(同イ),あるいは,単なる憶測の域を出ないものであり(同ウ,エ),いずれも当を得ないものである。
(2)  原告の主張
本件投票①②は,いずれも甲川候補の氏と甲山候補の名が混ざったものであるところ,以下の事情に照らせば,これらの投票をした者が甲山候補に投票する意思を有していた(すなわち,本件投票①②は,いずれも甲山候補の氏名の誤記である)ことが明白とはいえない。
ア 一般的に地方都市の市議会・町議会選挙においては,いわゆる選挙カーが候補者の氏のみを連呼するのが一般的であり,選挙人は候補者の名よりも氏を記憶に留めている傾向がある。そして,そのような傾向が強い中で,名を明確に記憶しているにもかかわらず,氏を間違って記憶している蓋然性は低い。
イ 甲川候補は,本件選挙において,甲山候補の得票数494票(本件投票を除く)を大きく上回る980票を獲得しており,甲川候補の知名度が甲山候補よりも圧倒的に高い。
ウ 本件投票①②の投票者は,甲川候補に投票するつもりであったものの,同人の名を明確に記憶していなかったために,大竹市の全戸に配布される選挙公報(甲3)に甲川候補と甲山候補が上下に並んで記載されていたことや投票用紙に記入する際に目前に掲示された候補者一覧表(甲4)の甲山候補の「甲」という字が目に入ってしまったことから,甲川候補の名を取り違えて,甲山候補の名である「B」「B」と書いてしまった可能性が合理的に考えられる。
エ 本件投票②については,甲山候補に投票しようと考えている者が,誤って片仮名で「コウカワ」と書いてしまう蓋然性よりも,甲川候補に投票しようと考えていたが,その名を記憶していなかった者が,投票用紙記入場所に貼ってある候補者一覧表(甲4)を見て,うっかり甲山候補の欄を甲川候補の欄であると見間違え,「B」と書いてしまった蓋然性の方がはるかに高いといえる。
第3  当裁判所の判断
1  公選法67条後段の規定の趣旨に徴すれば,投票の記載から選挙人の意思が判断できるときは,できる限りその投票を有効とするように解すべきであり,投票の記載が候補者の氏名と一致しない場合であっても,その記載された文字を全体的に考察することによって選挙人がどの候補者に投票する意思をもって投票をしたかを判断し得るときには,この投票を当該候補者に対する有効投票と認めるのが相当である。そして,投票を二人の候補者指名を混記したものとして無効と解するのは,当該投票の記載がいずれの候補者氏名を記載したのか全く判断し難い場合に限られるものというべきである。
2  そこで,本件につき考えるに,投票用紙に候補者の氏名を記載する場合,氏から書き始めるのが通常であることに照らせば,本件投票②を甲山候補の氏名の誤記と認めるためには,当該投票者の意識の中に甲山候補の氏名(こうやまB),あるいは,少なくともその氏(こうやま)が思い浮かべられていたと認められる必要がある。
しかし,本件投票②の投票者,すなわち片仮名で「コウカワ」と記載した者の意識の中には,「コウカワ」という音が思い浮かべられていたと推認するのが合理的であり,甲山候補の氏(こうやま)を思い浮かべていた者が誤って片仮名で「コウカワ」と記載してしまったという事態は考え難く,同投票者が,甲山候補に投票する意思をもって氏を誤記したものとは認め難い。
したがって,少なくとも本件投票②については,そこに記載された名(B)が甲山候補の名と一致することを考慮しても,その投票者が甲山候補に投票する意思を有していたことが明白であるとは認められず,甲山候補と甲川候補のいずれの候補者氏名を記載したのか全く判断し難いというべきであるから,法68条1項8号に該当する無効投票というべきである。
もっとも,選挙人は,必ずしも平素から候補者の氏名を記憶しているわけではなく,選挙に際して候補者氏名の掲示,ポスター,新聞紙,演説会を通じてはじめて記憶する者も多いと考えられるところ,その場合に氏名を誤って記憶し,あるいは二人の候補者の氏名を混同して一人の候補者の氏名として記憶することも十分に想像し得る。しかし,本件において,本件投票②の投票者が甲山候補の氏を「コウカワ」と誤って記憶していたと認める証拠はないから,この点からも同投票者が甲山候補に投票する意思を有していたとはいえない。
3  そうすると,本件投票①が甲山候補に対する投票の誤記であるか否かを判断するまでもなく,原告の得票数が甲山候補の得票数を上回り,原告が当選人であると認められるから,原告の当選を無効とした本件裁決は違法であり,取消しを免れない。
4  よって,本件裁決を取り消すこととして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 野々上友之 裁判官 水谷美穂子 裁判官 山本正道)

 

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