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「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(7)平成29年11月 2日 仙台地裁 平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件

「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(7)平成29年11月 2日 仙台地裁 平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件

裁判年月日  平成29年11月 2日  裁判所名  仙台地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(行ウ)2号
事件名  政務調査費返還履行等請求事件
裁判結果  一部認容  上訴等  控訴  文献番号  2017WLJPCA11026009

裁判経過
控訴審 平成30年10月24日 仙台高裁 判決 平29(行コ)26号 政務調査費返還履行等請求控訴事件

参照条文
地方自治法100条14項
地方自治法242条の2第1項4号

裁判年月日  平成29年11月 2日  裁判所名  仙台地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(行ウ)2号
事件名  政務調査費返還履行等請求事件
裁判結果  一部認容  上訴等  控訴  文献番号  2017WLJPCA11026009

当事者 別紙1当事者目録記載のとおり

 

 

主文

1  被告は,別紙2「認容額一覧表」の「相手方」欄記載の者に対し,対応する「金額」欄記載の金員を支払うよう請求せよ。
2  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は,別紙2「訴訟費用一覧表」のとおりの負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は,補助参加人Z1団体に対し,349万5378円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
2  被告は,補助参加人Z6団体に対し,450万7168円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
3  被告は,補助参加人Z2団体に対し,220万4017円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
4  被告は,補助参加人Z3市議団に対し,246万4050円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
5  被告は,補助参加人Z7市議団に対し,146万8767円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
6  被告は,補助参加人Z4に対し,21万4500円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
7  被告は,補助参加人Z5に対し,8万2180円及びこれに対する平成23年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
第2  事案の概要
本件は,地方行財政の不正を監視・是正すること等を目的として結成された権利能力なき社団である原告が,仙台市議会の会派である補助参加人らにおいて,仙台市から交付を受けた平成23年度(同年4月から同年8月までの分。以下同じ。)の政務調査費の一部を違法に支出し,これを不当に利得したとして,地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,仙台市長である被告(以下,被告及び補助参加人らを併せて「被告ら」という。)に対し,補助参加人らに対して違法に支出した政務調査費相当額の金員の返還及びこれに対する返還期限の翌日である平成23年10月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は民法704条に基づく法定利息の支払を請求するよう求める事案である。
1  前提事実(争いのない事実及び当裁判所に顕著な事実については特に根拠を明記しない。以下,各証拠等に付記された【 】内の数字は該当箇所を示す。)
(1)  当事者等
ア 原告は,地方行財政の不正を監視・是正すること等を目的として結成された権利能力なき社団である。
イ 被告は,仙台市の執行機関である。
ウ 補助参加人らは,仙台市議会議員によって構成された会派(権利能力なき社団)である。なお,仙台市政務調査費の交付に関する条例(平成13年仙台市条例第33号。平成22年仙台市条例第44号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)2条により,補助参加人Z4や同Z5のように所属議員が1人の場合であっても会派とされている。
(2)  後記第3・2で各認定するとおり,補助参加人らは,法100条14項及び本件条例2条に基づき仙台市から交付された平成23年度分の政務調査費から,別紙4ないし10の一覧表中の「原告」,「支出額」欄のとおりの支出をした(以下「本件各支出」という。なお,以下では,「経費」という用語は費用そのもの,「支出」という用語は政務調査費から当該経費に充てて支出されたものという意味で使用する。)
(3)  原告は,平成25年11月18日,仙台市監査委員に対し,平成23年度における補助参加人らの政務調査費からの支出に違法不当な点が多数存在するとして,住民監査請求を行った。(甲1)
(4)  仙台市監査委員は,平成26年1月16日,上記(3)の監査請求を棄却した。(甲2)
(5)  原告は,平成26年2月14日,補助参加人らが政務調査費を違法に支出し,これを不当に利得したと主張して,本件訴えを提起した。
2  関連法令
別紙3「関連法令等の定め」のとおり。
3  争点
(1)  総論
ア 政務調査費の支出の違法性に係る判断枠組み
(原告の主張)
(ア) 主張立証責任について
政務調査費を不当利得として返還することを請求するよう求めるためには,返還を請求する原告において,当該支出が収支状況報告書の記載に表れた事実等(研修会・物品の名称,書籍の表題等や研修会の趣旨・目的等)から,調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれる一般的,外形的な事実,あるいは,一般的,外形的な事実からはその可能性があるとしても,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実を主張立証すれば足りる。これに対し,被告らにおいて,議員の調査研究に資する意見交換等が現にされた,市政に関する具体的な調査研究が現にされたとか,それが予定されていたなどの特段の事情について適切な立証が行われないときは,当該支出は違法な支出であると判断すべきである。
(イ) 経費の按分について
本件要綱8条,本件手引書3章4項が,調査研究活動に係る経費と調査研究活動以外の経費を明確に区別し難い場合には,従事割合その他合理的な方法により按分した額を支出額とすることができ,当該方法により按分することが困難である場合には,2分の1を上限として計算した額を支出することができると規定していることからすれば,調査研究活動とそれ以外の活動とを明確に区分し難く,合理的な方法により按分計算することが困難である経費については,2分の1を超えて政務調査費から支出することはできない。
(被告らの主張)
(ア) 主張立証責任について
政務調査費を不当利得として返還することを請求するよう求めるためには,返還を請求する側において,具体的な政務調査費の支出が本来の政務調査費の使途及び目的に違反した不適切な支出であることを推認させる一般的,外形的な事実を,客観的証拠に基づき主張,立証する必要がある。
しかし,本件において,原告が主張する違法事由は抽象的なものにすぎず,具体的な政務調査費の支出が本来の使途及び目的に違反した不適切な支出であることを推認させる一般的,外形的な事実の主張,立証はされていない。
(イ) 経費の按分について
本件要綱8条及び本件手引書3章4項の規定に鑑みると,按分をすべきか否か,按分をする場合の按分割合をどうするかについては,会派の合理的な裁量に委ねられている。
政務調査費の支出について,調査研究活動のための利用とそれ以外の活動のための利用とが事実上混在する場合には,本件要綱等の規定より,経費の額を按分した上で政務調査費として支出すべき場合があり得るが,専ら調査研究活動の目的で行ったときに反射的効果として議員や会派の知名度が向上する場合のように,1つの活動が調査研究活動としての性格とそれ以外の性格を「併せ持つ」あるいは「兼ね備えている」場合は,経費の額を按分して政務調査費を支出する必要はない。また,定額の支出が必要な経費については,調査研究以外の目的に関する利用の有無にかかわらず,一定額の支払をしなければならないから,経費の額を按分して政務調査費を支出する必要はない。
イ 調査研究活動に要する旅費の支出について
(原告の主張)
(ア) 補助参加人らは,調査研究活動に要する旅費につき,交通費や宿泊費等の実費ではなく,旅費条例による算出額を調査研究費として政務調査費から支出している。
(イ) しかしながら,法100条14項及びそれを受けた本件条例1条は,議員の調査研究に資するため必要な経費の一部としてのみ政務調査費を交付することを許容しており,実際に支出していなければ調査研究活動に必要な経費とはいえないのであるから,政務調査費として支出可能な旅費は,市政に関する調査研究活動及び調査委託等に要する経費として実際に支出した額のみであることが明らかである。
(ウ) これに関し,本件手引書には,調査研究活動に要する旅費の支出にあたっては,旅費条例に基づき支出する旨の記載があるが,本件手引書の上位規範である本件要綱7条1項は,「『旅費条例』に基づき支給する場合の旅費の額に相当する額を超えて支出することはできない。」と支給の上限を画するのみであり,また,本件条例10条も,必要経費として支出した額を控除して得た額に残余がある場合には清算して返還することを規定しているから,実費を超えて支給された部分を利得することは許されないというべきである。
(エ) したがって,政務調査費からの支出のうち,旅費条例に基づき算出した額と実費との差額は違法な支出となる。
(被告らの主張)
(ア) 旅費の支出については,いわゆる「定額方式(実際に費消した額の多寡にかかわらず,標準的な実費である一定の額を政務調査費として支出すること)」と「実額方式(経費が発生した都度その実費を計算し,実費の合計金額を政務調査費として支出すること)」という2通りの支出方法が考えられるところ,調査研究活動に要する旅費の支出にあたり,いずれの方式を採用するかについては,議会の裁量に委ねられていると解される。
(イ) 仙台市が旅費について旅費条例により定額方式を採用したのは,冗費,乱費の抑制と事務の簡素化という合理的な目的に基づくものであり,旅費条例で定められた金額についても標準的な実費の範囲を逸脱するものとはいえないから,合理性がある。
(ウ) そして,この趣旨は,会派に対して旅費を支給する場合にも妥当するということができるから,調査研究活動に要する旅費について,合理的な制度である旅費条例の例により計算された金額を定額支給することは,十分な合理性が認められ,議会の裁量権を逸脱,濫用するものではないから,適法である。
ウ 遅延損害金又は法定利息の発生の有無及び発生時期
(原告の主張)
(ア) 補助参加人らは,本件条例9条1項及び10条1項に基づき,違法な政務調査費の支出について,議長に対して収支状況報告書を提出した平成23年9月30日までに返還する債務を負っている。したがって,同年10月1日から補助参加人らの上記債務は遅滞に陥り,遅延損害金が発生する。
また,補助参加人らは,違法な政務調査費の支出について平成23年9月30日までに返還しなければならないことを認識していたから,民法704条の悪意の受益者に当たる。したがって,補助参加人らは,同条に基づき,同年10月1日から年5分の割合による法定利息の支払義務を負う。
(イ) 仮に,平成23年10月1日から遅延損害金又は法定利息が発生しないとしても,本件条例10条1項は,政務調査費の残余がある場合には,当該残余の額に相当する額を市長に返還しなければならないと定めるところ,補助参加人らは,政務調査費の残余額が確定する平成23年9月30日から2週間が経過した同年10月14日には政務調査費の残余額を仙台市に返還することが容易であったといえる。したがって,同月15日から補助参加人らの不当利得返還債務は遅滞に陥り,遅延損害金又は法定利息が発生する。
(ウ) 仮に,平成23年10月15日から遅延損害金又は法定利息が発生しないとしても,訴状送達の日の翌日(平成26年2月27日)から遅延損害金又は法定利息が発生する。
(エ) 仮に,訴状送達の日の翌日から遅延損害金又は法定利息が発生しないとしても,被告による補助参加人らに対する訴訟告知は,原告が被告に請求することを求めている不当利得返還請求権が認定された場合,被告が補助参加人らにそれを請求する意思を示したものといえるから,遅くとも補助参加人らに対する訴訟告知の日の翌日(平成26年3月20日)から遅延損害金が発生する。
(被告らの主張)
(ア) 不当利得返還債務は,期限の定めのない債務であり,請求の相手方は履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負うものであるところ,被告が補助参加人らに対して履行の請求をしていない以上,遅延損害金が生じることはない。
(イ) また,補助参加人らは,本件請求に係る金員について,現時点でも返還すべきものと認識していないから,悪意の受益者に該当せず,民法704条の法定利息は発生しない。
(2)  各論
本件各支出のうち政務調査費からの個々の支出の違法性に関する原告及び被告らの主張は,別紙4ないし10の一覧表中の「原告」欄及び「被告ら」欄に記載されたとおりである。
第3  当裁判所の判断
1  総論
(1)  政務調査費の支出の違法性に係る判断枠組み
ア 違法性の判断基準
法は,「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる」(法100条14項),「政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする」(法100条15項)と規定するところ,このような政務調査費の制度が設けられた趣旨は,議員の調査研究活動の基盤の充実を図ることによって議会の審議能力を強化するため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せて,政務調査費の財源が住民の税負担に依拠していることに鑑み,その使途の透明性を確保することにある。
そして,法100条14項は,政務調査費を「議員の調査研究に資するため必要な経費」の一部として交付する旨を規定するにとどまり,具体的な政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,各地方公共団体がその実情に応じて制定する条例の定めに委ねていることからすると,条例における使途に係る定めが上記の法の趣旨に反しない限り,その定めに基づいて政務調査費の支出の違法性を判断するのが相当である。
ところで,本件条例5条は,会派は使途基準に従って政務調査費を支出するものとし,必要経費以外に充ててはならないと規定し,当該使途基準については規則で定めるものとして規則に委任しているところ,本件条例5条の委任を受けて定められた本件規則は,2条において,政務調査費から支出することのできる経費につき,調査研究活動の種類に応じて細分化し,類型化された各調査研究活動に必要な経費に限定した使途基準(以下「本件使途基準」という。)を規定している。そうすると,本件使途基準は,法100条14項の「議員の調査研究に資するため必要な経費」という要件を具体化したものであって,議員の調査研究活動の基盤の充実を図ることによって議会の審議能力を強化し,併せて政務調査費の使途の透明性を確保するという法の趣旨に適うものであるから,本件各支出の違法性は,本件各支出が本件使途基準に合致するか否かを基準に判断するのが相当である。
また,本件条例12条は,本件条例の施行に関し必要な事項は,議長又は市長が定めるとしているところ,本件要綱は,仙台市議会議長が,本件条例12条の委任に基づいて,政務調査費の対象外となる経費や支出手続等の本件条例の施行に関し必要な事項を定めたものであるから,上記の法の趣旨に反しない限り,具体的支出の本件使途基準への適合性判断の指標となるものである。
さらに,本件手引書は,法規範性を有するものではないが,政務調査費制度によって議会の機能の充実強化を図りながら透明性の向上にも努めるという趣旨に基づき,仙台市議会の全会派で構成する政務調査費に関する条例等整備会議において,本件使途基準の解釈等について全議員の申合せとしてまとめられたものであるから(乙全1),本件使途基準の趣旨や具体的内容を推知させるものとして,具体的支出の本件使途基準への適合性判断に当たって参考になり得るものであると解される。
そして,議員の調査研究活動は,市政全般に及び,その調査研究の対象,方法も広範かつ多岐にわたるものであり,調査研究活動の手段方法及び内容の選択に当たっては,議員の自主性及び自律性を尊重すべき要請も存在することから,いかなる手段方法によりいかなる内容の調査研究活動を行うかについては,議員の合理的な判断に委ねられる面があることは否定できないが,政務調査費の財源が住民の税負担に依拠しており,その使途の透明性の確保が強く要請されることも併せ鑑みると,本件各支出が本件使途基準に合致しない場合とは,当該支出の客観的な目的や性質に照らして,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がない場合をいうものと解すべきである。
イ 主張立証責任について
一般に,民法703条に基づき不当利得の返還を請求する者は,相手方が法律上の原因なく利得したとの事実の主張立証責任を負うことからすると,被告に対し補助参加人らへの不当利得返還請求をするよう求めている原告において,本件各支出が本件使途基準に合致せず違法であることを主張,立証することを要する。
しかしながら,政務調査費の支出に関与しておらず,それについての十分な情報を有しない原告が,本件各支出が本件使途基準に合致しないことを具体的に明らかにすることは困難である一方,被告らにおいて,補助参加人らが支出の過程で自ら作成又は受領した書面等を提出することにより,本件各支出が本件使途基準に合致することについて説明することは比較的容易であると考えられる。また,法の趣旨には,上記のとおり,政務調査費の使途の透明性の確保も含まれているのであるから,一定の場合には被告らに支出の使途に関する説明を求めることが,法の趣旨に適うということができる。
したがって,本件訴訟において,原告は,本件各支出の客観的な目的や性質に照らして,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を主張,立証すれば足り,上記の事実が認められた場合は,被告らにおいて,当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたなどの特段の事情を立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。
ウ 本件要綱に基づく経費の按分について
(ア) 本件要綱8条は,本件使途基準に掲げる経費について,政務調査費に係る経費と政務調査費以外の経費を明確に区分し難い場合には,従事割合その他の合理的な方法により按分した額を支出額とすることができるものとし,当該方法により按分することが困難である場合には,按分割合について2分の1を上限として計算した額を政務調査費の支出額とすることができる旨を規定している。
会派や会派に所属する議員の活動は,調査研究活動以外にも政党活動,議会活動,選挙活動,後援会活動,会派の維持運営のための活動等と広範かつ多岐にわたることに伴い,会派や議員が使用する事務所,事務用品等につき,調査研究活動のための利用とそれ以外の活動のための利用とが事実上混在する場合や,1つの活動が,調査研究としての性格だけではなく,それ以外の性格も兼ね備える場合といった,調査研究活動に係る経費とそれ以外の活動に係る経費を明確に区分し難い場合が存在することが考えられるところ,上記の経費を按分した額につき政務調査費から支出することを認める取扱いは,議員の議会活動の基礎となる調査研究活動のために必要な経費の一部として政務調査費の交付を認めた法の趣旨及び上記の会派の活動の性質に照らして合理的なものであり(本件手引書3章4項も同様の趣旨から按分による支出の指針を示している。),当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性が要求される本件使途基準にも反しない。
そうすると,本件訴訟においても,原告による主張立証の結果,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められた場合には,被告らにおいて,当該経費が調査研究活動のみに利用されたこと,又は,当該経費に関し,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,客観的資料に基づき立証することを要するものと解される。そして,被告らにおいて,その立証がされた場合には,その全部又は当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許され,その立証をしない場合には,当該経費全体の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるが,その額を超えて支出することは許されず,当該経費全体の2分の1を超える部分の支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。
(イ) これに対し,被告らは,政務調査費の支出について,1つの活動が調査研究活動としての性格とそれ以外の性格を「併せ持つ」あるいは「兼ね備えている」場合は,按分は不要であると主張する。
しかしながら,1つの活動が調査研究活動以外の性格を含む以上,当該経費には調査研究活動と合理的関連性がない部分が一定程度含まれているのであるから,法100条14項や本件条例1条が政務調査費からの支出の対象を調査研究に必要な経費に限定している趣旨や上記のとおり当該支出が本件使途基準に合致するというためには調査研究活動との間に合理的関連性が要求されることに照らし,調査研究活動に利用された部分とそれ以外の活動に利用された部分が事実上混在する場合と同様に,当該経費が利用された割合に応じて按分した額を政務調査費から支出する必要があり,被告らにおいて,当該経費に関し,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,客観的資料に基づき立証しなければならないと解される。本件手引書3章7項「広報広聴費」3③は,会派に対し,広報紙やホームページ(インターネット上に開設されたウェブサイトのこと。以下同じ。)に後援会活動や政党活動などに関する記述等がある場合のように,広報広聴費に係る支出に調査研究活動以外の活動としての性格を「併せ持つ」あるいは「兼ね備えている」場合についても,経費を按分するよう要請するなど(乙全1),上記解釈を前提とした記載となっており,上記解釈の正当性を裏付けている。
また,被告らは,定額の支出が必要な経費については,調査研究活動以外の目的に関する利用の有無にかかわらず,一定額の支払をしなければならないから,按分は不要であるとも主張するが,定額の支出が必要な経費であっても,調査研究活動以外の目的に利用した場合には,当該経費には調査研究活動と合理的関連性がない部分が一定程度含まれているというべきであるから,上記と同様の理由で,その経費が利用された割合に応じて按分した額を政務調査費から支出する必要があるものと解される。
したがって,被告らの主張はいずれも採用することができない。
(2)  調査研究活動に要する旅費の支出について
ア 原告は,補助参加人らが,調査研究活動に要する旅費につき,いわゆる定額方式を採用している旅費条例に基づいて算出した額を政務調査費から支出したことが,法や本件条例に違反する旨主張する。
イ 法100条14項が,政務調査費の交付は「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として」することができる旨を規定し,必要性を要件していることや上記のとおり法の趣旨には政務調査費の支出の透明性の確保が含まれていることからすると,同項の規定する経費とは,実際に支出した費用としての実費をいうものと解されるが,本件条例9条2項は,政務調査費に係る支出額につき,実費によることを原則としつつも,実費の算定が困難な場合には別に定める方法により算定した額によることができる旨規定している。
これは,経費の算定方法として,そもそも実費の算定が不可能な場合のほか,算定不能とまではいえなくても,経費が発生する都度その実費を計算し,実費の合計金額を政務調査費から支出するいわゆる実額方式を採った場合には,個々の支出について証拠書類の確保が要求され,事務担当者にもその確認の手数の負担を負わせることになり,当該経費の額や頻度によってはいたずらに手続を煩雑にし,そのための人件費等の経費を増大させることになる事態も起こりうることから,そのような場合についても,実費の算定が困難な場合として,例外的に,実費以外の方法で算定することを許容したものと解される。
上記のような実額方式の短所及び本件条例の規定に鑑みれば,政務調査費の支出について,実費の算定が困難である場合には,その算定方法が合理的であって,上記の法の趣旨に反しない限り,現実に支出した額の多寡にかかわらず,標準的な実費である一定の額を経費として認めることとする取扱い(定額方式)を採用することも,法100条14項にいう経費の算定方法として許容されているというべきである。
ウ そして,調査研究活動に要する旅費について,これを実額によるとした場合には,移動に用いる交通手段や宿泊場所の選択いかんによってかえって格差が生じかねず,制度を濫用する弊害も懸念されるところ,そのような弊害を防止するためには,交通費,宿泊料といった何種類もの費用について,実際の証拠資料に基づき支出額を確認した上で,その支出額が高額に過ぎないか否か,より低額の支払で済んだ可能性がないかなどの支出額の妥当性を個別具体的に逐一検討しなければならないこととなるが,このような検討をするとなると事務処理手続が煩雑化し,それに関する人件費等の経費も増大しかねないのであって,そのような点からすると,旅費の算定方法については,実額方式を採ることによる短所が存在し,実費による算定が困難な場合の一類型に当たると認められる。
次に,調査研究活動に要する旅費の算定方法についてみると,本件要綱7条1項は,特別職給与条例に基づき支給する場合の旅費の額に相当する額を超えて支出することはできないとし,本件手引書3章5項は,特別職給与条例に基づき支出するものとしているところ,特別職給与条例は,市議会議員の内国旅行の旅費につき旅費条例の市長等の例によるものとし,旅費条例は,定額方式を採用している。
そこで,旅費条例の内容をみると,同条例は,国家公務員等の旅費に関する法律を踏襲し,最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算することを前提に,鉄道賃については路程に応じ旅客運賃,急行料金,特別車両料金,座席指定料金により支給し,市長等の出張に係る日当については3300円,宿泊料については宿泊先の地方により1万6500円又は1万4900円を支給するなどの内容を定めており(旅費条例7条本文,19条1項,20条1項,附則9項,別表第一),同条例において定額方式を採用している旅費の費目及び各費目に係る額は,いずれも標準的な実費の範囲内で定められており,合理性が認められる。そうすると,本件手引書3章5項が,調査研究活動に要する旅費の支出につき,これと同様に市民の税負担に依拠している議員の内国旅行の旅費の支出について合理的な内容を定めている旅費条例の上記規定を引用する特別職給与条例に基づき支出すると規定していることについても,合理的な算定方法を定めるものということができ,上記の法の趣旨や本件条例及び本件要綱の上記各規定に反するものではない。
したがって,補助参加人らは,調査研究活動に要する旅費につき,定額方式を採用している旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いを採ることができると解するのが相当であり,原告の上記主張は採用することができない。
2  各論(原告が問題としている各支出について)
(1)  補助参加人Z1団体
ア 調査研究費(旅費条例に基づく旅費。別紙4の一覧表中の「原告」,「総番号」欄記載の番号1ないし11。以下,別紙4ないし10の一覧表中の「原告」,「総番号」欄記載の番号を単に「総番号」と記載する。)
原告は,補助参加人Z1団体に所属する議員の出張及び視察に係る旅費について,旅費条例に基づいて政務調査費から支出された額のうち1割が違法であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出とするという取扱いが違法であるとはいえないことは,上記1(2)で説示したとおりであり,上記の各支出に関する原告の主張はいずれも理由がない。
イ 調査研究費(ガソリン代。総番号12ないし15)
証拠(丙A1,2)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年4月10日から同年7月30日までの間にB6議員,その調査補助員及び政務活動調査報告書の配布アルバイトがそれぞれ使用する車両のために購入したガソリン代合計14万3840円のうち,2分の1に当たる7万1920円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,補助調査員やアルバイトの活動内容が明らかではなく,調査研究活動の目的で使用したことが明らかになっておらず,各支出の全額が違法であると主張するので,以下検討する。
自動車は,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的に使用することができるものであり,同一の自動車を調査研究活動とそれ以外の活動に用いるからには,これをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは一般的には困難である。したがって,一般的,外形的に,自動車に用いるガソリン代は,調査研究活動以外の目的が併存するものであって,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるから,被告らにおいて,当該ガソリン代が調査研究活動のみに利用されたこと,又は,当該ガソリン代に関し,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合を客観的資料に基づいて立証しない限り,当該経費全体の2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されない。
しかるところ,補助参加人Z1団体は,上記の主張立証をせずに,上記のとおりガソリン代の合計額の2分の1に当たる額を政務調査費から支出している。
これに対し,原告は,その支出額の全額が違法であると主張するが,上記のように調査研究活動とそれ以外の活動とに利用されることが推認される経費に対する政務調査費からの支出について,当該経費全体の2分の1を超えてその全額が違法であると判断するためには,上記1(1)ア及びイで説示したところに照らし,原告において,当該経費の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を主張立証する責任があると解される。
ところが,本件では,B6議員や調査補助員,政務活動調査報告書の配布アルバイトが各自動車をおよそ調査研究活動に使用していないなど,上記ガソリン代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,上記ガソリン代のうち政務調査費から支出された2分の1について,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
したがって,原告の上記主張はいずれも理由がない。
ウ 研修費(総番号16ないし25)
(ア) 原告は,B7議員(以下「B7議員」という。)のa会及びb地域活性化フォーラムの平成23年4月から同年8月までの会費は,調査研究活動以外の目的も併存するから,各支出の2分の1を超える部分が違法であると主張することから,以下検討する。
(イ) 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a a会は,仙台市のまちづくりを研究,調査するために結成された団体であり,建築,グラフィックデザイン,旅行等の専門分野を有する会員によって構成されている。会費は月1万円である。(丙A3,79,証人B7【1,2,8頁】)
b a会では,月に一,二回の頻度で例会を行っている。例会では,あらかじめ決められたテーマについて,講師による講演や会員の調査結果の報告が行われており,平成23年4月の例会においては,震災後の仙台市災害ダイヤル等の窓口,生活支援情報及び避難状況,同年5月の例会においては,東日本大震災の仙台市の被害状況,同年6月の例会においては,震災後のメガソーラーを活用した地域活性化策とLED導入事業,同年7月の例会においては,市街化調整区域とその区域内における医療施設等の立地に関わる開発フロー,同年8月の例会においては,公共事業における「PPP」,「PFI」,「PPO」各種事業方式の進め方とその取組がテーマとされた。なお,a会では,現地調査を行うこともあるが,平成23年4月から同年8月までは,現地調査は行われていない。(丙A3,54,55,57,79,証人B7【10,19ないし24頁】)
c b地域活性化フォーラムは,地元地域の活性化のために結成され,メーカー,小売,リース,金融機関,運送業等の様々な職種の会員によって構成されており,B7議員を除き,a会の会員は加入していない。会費は月1万円である。(丙A3,79,証人B7【2,3,12,13頁】)
d b地域活性化フォーラムでは,毎月,定期的に会合を開いており,勉強会,意見交換会,現地調査等を行っている。B7議員は,a会で使用された資料と同一の資料を用いて,平成23年4月のb地域活性化フォーラムで震災後の仙台市災害ダイヤル等の窓口,生活支援情報及び避難状況について,同年5月の同フォーラムで東日本大震災の仙台市の被害状況について報告をした。同年6月の同フォーラムにおいては,復興PMS(プロジェクトマネジメントシステム),同年7月の同フォーラムにおいては廃棄物対策等がテーマとされていた。(丙A3,55ないし59,79,証人B7【21ないし23頁】)
e 上記a会及びb地域活性化フォーラムの平成23年4月から同年8月までの会費合計10万円が,政務調査費から支出された。(丙A3,弁論の全趣旨)
(ウ) 上記認定事実によれば,a会及びb地域活性化フォーラムはいずれも仙台市のまちづくりに関係するテーマについて,講師による講演,会員の調査結果の報告等が行われる勉強会であり,それに参加する目的は今後の調査研究活動のための情報収集であることが認められる。このような目的からすると,B7議員が個人的に他の会員と交流することがあり得ることを考慮しても,a会及びb地域活性化フォーラムへの参加は,専ら調査研究活動の目的でされたというべきである。
したがって,上記の各支出に関する原告の主張はいずれも理由がない。
エ 資料作成費(市議会ニュース,市政レポート等の広報紙に関する費用。総番号26,30,33,34)
原告は,同資料作成費につき,調査研究活動以外の目的も存在するから,各支出の2分の1を超える部分は違法であると主張することから,以下検討する。
(ア) B1議員(以下「B1議員」という。)の資料作成費(総番号26)
証拠(丙A4)及び弁論の全趣旨によれば,B1議員は,同議員の議会活動報告等が記載された「B1議会活動NEWS」という名称の広報紙を発行して市民に交付し,その作成及び交付費用19万3200円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A4)によれば,上記広報紙は同議員の議会活動といった市政に関する情報が記載されていることが認められ,このことからすれば,上記広報紙の交付は市政に関する情報を市民に広報する側面を有するといえる。しかしながら,証拠(丙A4)及び弁論の全趣旨によれば,一般的,外形的には,上記のような議員の議会活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付(発送,郵送,配布,ポスティング(郵便受けへの投函のこと),新聞折込を含む。以下同じ。)する活動は,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面を有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記作成及び交付費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。
したがって,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した資料作成費のうち同経費全体の2分の1を超える金額である9万6600円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する「裁判所」,「認容額」欄記載の金額。以下,別紙4ないし10の一覧表中の「裁判所」,「認容額」欄記載の金額を単に「裁判所認容額」と記載する。なお,支出の一部が違法とされた場合,支出を按分した結果生じた小数点以下の端数はいずれも切り捨てて計算する。)は,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(イ) B7議員の資料作成費(総番号30)
証拠(丙A5)及び弁論の全趣旨によれば,B7議員は,市政に関連する被災者支援情報等が記載された「B7通信」という名称の広報紙を発行して市民に交付し,その作成及び交付費用34万1250円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A5)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような被災者支援情報等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した資料作成費のうち同経費全体の2分の1を超える金額である17万0625円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)は,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(ウ) B8議員(以下「B8議員」という。)の資料作成費(総番号33,34)
証拠(丙A6,7,39)及び弁論の全趣旨によれば,B8議員は東日本大震災に関する情報が記載された「仙台市の大震災の現況と復旧・復興計画について」という名称の広報紙及び仙台市c区d町における施設の立地等の状況が記載された「d町施設立地等状況図」という名称の書面を作成して,市民に郵送したり,市政報告会で交付したりし,その作成費用として,合計49万5000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A6,7,39)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された書面を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような書面の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した資料作成費のうち同経費全体の2分の1を超える金額の合計24万7500円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
オ 資料作成費(電話及びプロバイダ料金。総番号27ないし29,31,32,37ないし39)
原告は,同資料作成費につき,調査研究活動以外の利用も存在すること,任期以降の支出も含まれることから,各支出の全額又は一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B7議員の資料作成費(総番号27ないし29,31,32)
証拠(丙A5)及び弁論の全趣旨によれば,B7議員が平成23年3月から同年7月まで携帯用モバイルパソコンを使用し,その携帯電話料金合計1万8783円が政務調査費から支出されたことが認められる。
電話及びインターネットは,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的で使用することが可能であるから,一般的,外形的な事実から,これらの利用に関する経費は,調査研究活動以外の目的が併存するものであって,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される。ところが,上記携帯電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した携帯電話料金のうち同経費全体の2分の1を超える金額の合計9390円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(イ) 補助参加人Z1団体の資料作成費(総番号37ないし39)
a 証拠(丙A10,78)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年7月分から同年9月分までの補助参加人Z1団体の会派控室のプロバイダ契約基本料金として,合計6456円が政務調査費から支出されたことが認められる。
補助参加人Z1団体は,平成23年9月28日に支出されたプロバイダ契約基本料金は,同年8月分の料金を同年9月に支払ったものであると主張するが,上記の支出日からすれば,当月分(同年9月分)の料金の支出であることが推認されるところ,他に上記支出に係る料金が同年8月分の料金であることを認めるに足りる的確な証拠はないから,補助参加人Z1団体の上記主張は採用することができない。
b 上記のようなインターネットの利用に関する経費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されることは,上記(ア)で説示したとおりである。
ところで,被告らは,会派控室は調査研究活動だけに使用していることから,会派控室に関する経費について按分して支出する必要はないと主張する。
証拠(乙全9,丙A9,丙B18)によれば,「各派代表者会議申し合わせ事項」(乙全9)には,会派控室において,議員以外の会合等に使用しないとの記載があること,補助参加人Z1団体が作成した「会派確認事項」と題する書面(丙A9)には,会派控室内での後援会活動,選挙活動の一切を禁じるとの記載が,補助参加人Z6団体が作成した「会派控室の適切な使用について」と題する書面(丙B18)には,会派控室内での後援会活動,選挙活動及び政党活動を禁じるとの記載があることが認められる。
しかしながら,会派が行う活動は調査研究活動のみではなく,政党活動,議会活動,選挙活動,後援会活動,会派の維持運営のための活動等,極めて広範にわたるところ,証拠(丙A78,丙B46,丙C31,丙D29,丙E26,証人B1【7,12ないし17頁】,証人B4【13ないし16頁】,証人B2【5ないし9頁】,証人B9【20ないし21頁】)によれば,会派控室において,来客対応,電話の取次ぎ,議会事務局や会派構成員との間での事務連絡のほか,会派の構成(役員等の選任)に関する会議,会派に関する各種書面の作成等の会派の維持運営に関する業務が相当程度行われていることがうかがわれるのであって,上記の申合せや書面も,上記のような来客,電話等の取次事務や会派の維持運営に関する業務を排除しているわけではないものと解される。
そうすると,会派控室における活動には調査研究活動以外の活動も含まれていることが認められるから,上記プロバイダ契約基本料金が会派控室に関する経費であることをもって,被告らにおいて同料金の全部が調査研究活動のために利用されたことを客観的資料に基づき立証したとは認められない。
c また,後記カ(ア)で説示するとおり,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出することができるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られるものと解されるから,平成23年9月分の支出については,その全額が本件使途基準に合致しない違法な支出に当たる。
d したがって,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した会派控室のプロバイダ契約基本料金のうち,平成23年9月分の支出については経費の全額,それ以外の支出については経費全体の2分の1を超える金額,合計4304円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
カ 資料購入費(雑誌,書籍代。総番号40ないし44)
原告は,同資料購入費につき,雑誌代,書籍代は,購入の目的及び利用方法が明らかではないこと,任期以降の支出が含まれていることから,各支出の全部又は一部の支出が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
(ア) B10議員(以下「B10議員」という。)の資料購入費(総番号40ないし43)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) 平成23年4月,B10議員が購入した,「AERA 東日本大震災,原発と日本人100人の証言」,「アサヒグラフ 東北関東大震災,大津波と原発」と題する雑誌の代金1000円,河北新報社「3.11大地震,大津波が襲った,発生から10日間東北の記録」と題する書籍の代金998円及び「文芸春秋 東日本大震災,福島原発事故対応,放射能被害特集」と題する雑誌の代金840円が,政務調査費から支出された。(丙A11,弁論の全趣旨)
(b) B10議員が購入した,国内外の政治問題等が記載されている内外ニュース週刊月刊「世界と日本」と題する雑誌の1年分(平成23年1月分から同年12月分まで)の購読料3万1500円が政務調査費から支出された。
上記雑誌の1年分の購読料のうち,平成23年9月分以降の購読料は任期以降に関する購読料であった。(丙A11,12,弁論の全趣旨)
b 上記(a)の書籍及び雑誌の購入代金は,いずれもその名称から,仙台市も被災した東日本大震災に関するものであり,市政に関する調査研究活動との間に合理的関連性が存在すると認められるから,上記の書籍及び雑誌の購入代金に対する政務調査費からの支出が本件使途基準に合致せず違法であるということはできない。
したがって,上記(a)の書籍,雑誌の購入代金に関する原告の主張はいずれも理由がない。
c 次に,上記(b)の雑誌について検討すると,同雑誌は国内外の政治問題等が記載されていることから,一般的には,同雑誌の購読料は市政に関する調査研究活動との間に合理的関連性が存在すると認められるが,その購読料は,B10議員の任期以降の期間に係る経費も含んでいることから,このような任期以降の期間に係る経費に対する政務調査費からの支出が法や本件条例に照らし許されるか否かが問題となる。
上記1(1)アで説示したとおり,法が政務調査費の交付の要件として必要性を掲げ,かつその趣旨として使途の透明性の確保が含まれるところ,任期以降の期間に係る経費についても政務調査費から支出することを認めるとなると,当該議員が次回の選挙に当選するのか否か,当該会派が次回の選挙後も存続するのか否かが確定していないにもかかわらずその支出を許すことになり,当該議員や当該会派の調査研究活動にとって必要かどうか明らかではない経費への支出を前もって許容することになって,上記の法の趣旨に反することになる。
また,本件条例は,原則として政務調査費の清算は年度ごとに行うが(本件条例10条1項),年度の途中で議員の任期満了,議会の解散,会派の解散があった際には,その年度において交付を受けた政務調査費の総額からその年度において必要経費として支出した額を控除して得た額に残余がある場合には,その残余に相当する額を任期満了や解散の日の属する月の翌月末日までに市長に返還しなければならない(本件条例10条2項)と規定し,任期満了等の事由が生じた場合には,その都度政務調査費の清算を行うことを予定している。
そうすると,議員が年度の途中で任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られ,任期以降の期間に係る経費に対する支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。
したがって,上記(b)の雑誌の1年分の購読料に関する支出のうち,平成23年9月分以降の4か月分の購読料に当たる金額,つまり経費全体の3分の2を超える金額である1万0500円(別紙4の一覧表中の総番号43に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
これに対し,被告らは,年間契約の購読料は月間契約の購読料よりも割安になっており,支出の効率性の観点から合理性が認められるから,任期以降の期間に係る購読料も含め支出することが許されると主張する。
たしかに,弁論の全趣旨によれば,年間契約の購読料が月間契約の購読料よりも割安になることは認められるものの,年間契約をした場合においても,その購読料を任期満了までの部分とそれ以降の部分とに按分した上で,任期以降の部分は,選挙で当選し議員の身分を再び得た後に会派の政務調査費から支出すれば足りることに照らせば,任期満了までに政務調査費から支出できるのは任期中の調査研究活動に利用した経費に限られると解しても,年間契約をすることが妨げられるものではないから,被告らの主張は上記判断を左右するものではない。
(イ) B11議員(以下「B11議員」という。)の資料購入費(総番号44)
証拠(丙A13,50)及び弁論の全趣旨によれば,B11議員が購入した「震災特集 アサヒグラフ」,「東洋経済」と題する雑誌の代金1687円及び「△△」と題する書籍の代金700円が政務調査費から支出されたこと,「△△」と題する書籍は,仙台市c区e地区の歴史や人々に関するエッセイであることが認められる。
上記の書籍及び雑誌のうち,「震災特集 アサヒグラフ」及び「東洋経済」と題する雑誌の購入代金については,その名称から東日本大震災や経済に関するものであり,市政に関する調査研究活動との間に合理的関連性が存在すると認められるから,上記雑誌の購入代金に対する政務調査費からの支出が本件使途基準に合致せず違法であるということはできず,これに関する原告の主張は理由がない。
次に,「△△」と題する書籍については,仙台市のe地区に関する書籍ではあるものの,あくまでエッセイであり,その内容として娯楽的要素を多分に含むものと認められるから(丙A50),同書籍の購入代金と市政に関する調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在が認められる。これに対し,被告らは,同書籍により市政に関する具体的な調査研究が現にされたなどの特段の事情を立証していないから,上記書籍の購入代金に対する政務調査費からの支出については,経費の全額である700円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
キ 広報広聴費(市議会ニュース等の広報紙の作成,交付等に関する費用。総番号45ないし52,55,60ないし75,78ないし95)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も存在するから,各支出の2分の1を超える部分は違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B1議員の広報広聴費(総番号45ないし52)
証拠(丙A14)及び弁論の全趣旨によれば,B1議員の活動報告等が記載された「B1議会活動NEWS」という名称の広報紙に関する交付費用として,合計28万7435円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記エ(ア)で説示したとおりである。ところが,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計14万3717円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(イ) B6議員の広報広聴費(総番号55)
証拠(丙A15)及び弁論の全趣旨によれば,B6議員が発行した,仙台市議会での質疑,被災者支援情報等が記載された「B6市政活動報告」という名称の広報紙に関する作成費用12万6000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A15)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である6万3000円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(ウ) B12議員(以下「B12議員」という。)の広報広聴費(総番号60ないし70)
証拠(丙A16)及び弁論の全趣旨によれば,B12議員の活動報告等が記載された「B12通信」,「B12市政レポート」という名称の広報紙に関する作成及び交付費用合計35万6070円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A16)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計17万8035円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(エ) B13議員(以下「B13議員」という。)の広報広聴費(総番号71ないし72)
証拠(丙A17)及び弁論の全趣旨によれば,B13議員が発行した仙台市議会での質疑等が記載された「B13仙台市議会活動レポート」という名称の広報紙に関する作成費用として,合計30万0300円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A17)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計15万0150円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(オ) B10議員の広報広聴費(総番号73ないし75,78)
証拠(丙A18)及び弁論の全趣旨によれば,B10議員が発行した,市政の状況及び仙台市議会における質疑の内容等が記載された「B10通信」という名称の広報紙に関する作成及び交付費用として,合計77万7066円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A18)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計38万8532円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(カ) B14議員(以下「B14議員」という。)の広報広聴費(総番号79ないし82)
証拠(丙A19)及び弁論の全趣旨によれば,B14議員が発行した,仙台市議会における質疑の内容等が記載された「□□」という名称の広報紙に関する作成及び交付費用として,合計33万6349円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A19)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計16万8174円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(キ) B15議員(以下「B15議員」という。)の広報広聴費(総番号83ないし95)
証拠(丙A20)及び弁論の全趣旨によれば,B15議員が発行した,仙台市議会における質疑の内容等が記載された「B15議会・政務調査レポート」という名称の広報紙の作成及び交付費用として,合計69万0652円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙A20)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような議員の活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計34万5326円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
ク 広報広聴費(会場等の使用料,茶菓代等。総番号53,54,56ないし59,76,77,96ないし102)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も存在するから,支出の2分の1を超える部分は違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B6議員の広報広聴費(総番号53,54,56ないし59)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) B6議員は,平成23年7月3日,f集会所において,市民に対し,自らの議会活動等の報告及び市民からの要望の聴取を行い,その際の会場使用料5000円,茶菓代2216円が政務調査費から支出された。(丙A15,61,弁論の全趣旨)
(b) B6議員は,平成23年7月14日及び同月16日,自らの議会活動等の報告及び市民からの要望の聴取を行い,同月14日には5880円,同月16日には1160円の茶菓代が政務調査費から支出された。(丙A15,弁論の全趣旨)
(c) B6議員は,平成23年8月5日,g1市民センターにおいて,自らの議会活動等の報告及び市民からの要望の聴取を行い,その際の会場使用料1000円が政務調査費から支出された。(丙A15,63,弁論の全趣旨)
(d) B6議員は,平成23年7月27日,h集会所において,自らの議会活動等の報告及び市民からの要望の聴取を行い,その際の会場使用料3000円が政務調査費から支出された。(丙A15,62,弁論の全趣旨)
(e) B6議員は,上記(a)ないし(d)のような活動報告会において,「B6市政活動報告」という名称の広報紙を配布していた。(丙A15,弁論の全趣旨)
b 会場使用料について
上記認定事実によれば,B6議員は,自らの活動及び市政についての報告並びに市民からの要望の聴取のための集会を開催し,そのための会場使用料が政務調査費から支出されたことが認められる。
そして,証拠(丙A15,61ないし63)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような活動報告等のための集会を開催することは,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,それと同時に議員が自らの活動や調査結果を市民に報告すること(その際に,上記a(e)のような政治活動,後援会活動としての側面も有する広報紙を配布することもある。)によって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると認められる。
そうすると,上記のような会場使用料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記会場使用料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,上記aの会場使用料の各支出のうち各会場使用料の2分の1を超える金額の合計4500円(別紙4の一覧表中の総番号53,58,59に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
c 茶菓代について
一般に,集会や会議(以下「集会等」という。)を行う場合,社会通念上相当な範囲において軽食を提供することも広く行われているから,集会等に伴う飲食に関する経費は,食事や飲み物が提供された集会等が調査研究活動の一環として行われ,かつ,支出された金額が社会通念上相当な範囲内にあれば,政務調査費から支出することが許されると解される。本件手引書(乙全1)において,会議費として政務調査費からの支出が認められる経費例として,会議に伴う茶菓代,食事代等とされているのは,この趣旨であると考えられる。
これを本件についてみると,上記認定事実によれば,B6議員は調査研究活動の一環として行われた集会において参加者に茶菓を提供し,茶菓代として1回あたり1160円から5880円を支出したことが認められるところ,その金額は社会通念上相当な範囲内にあるといえる。もっとも,B6議員が茶菓代を支出した集会はいずれも調査研究活動としての側面のほかに政治活動,後援会活動としての側面も有していることは,上記bで説示でしたとおりである。
そうすると,上記aの茶菓代の各支出のうち各茶菓代の2分の1を超える金額の合計4628円(別紙4の一覧表中の総番号54,56,57に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(イ) B10議員の広報広聴費(総番号76,77)
a 証拠(丙A18)及び弁論の全趣旨によれば,B10議員が平成23年7月29日に市政報告会等を行い,その際の会場使用料3000円が政務調査費から支出されたこと,同議員が平成23年8月8日に仙台圏域の介護事業サービスの向上等を目的とする「仙台介護サービスネットワーク」主催の意見交換会に出席し,その際の資料代1000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
b 上記の各支出のうちの会場使用料については,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記会場使用料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の会場使用料に係る支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である1500円(別紙4の一覧表中の総番号76に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
c 次に,上記の各支出のうち資料代に係る支出について検討すると,上記aで認定した意見交換会の主催者が仙台圏域の介護事業サービスの向上等を目的としていることに照らすと,同意見交換会は仙台市の介護事業サービスに関するものであることが推認され,そこに出席した際の資料も当該介護事業に関する調査資料であると認められる。
そうすると,上記資料代の支出の客観的な目的や性質に照らして,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在は認められず,これに関する原告の主張は理由がない。
(ウ) B16議員の広報広聴費(総番号96ないし102)
証拠(丙A21,64ないし70)及び弁論の全趣旨によれば,B16議員は,平成23年4月から同年7月までの間に,市政報告及び市民からの要望の聴取を行い,その際の会場使用料として,合計2万1000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記(ア)で説示したとおり,上記のような会場使用料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記会場使用料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計1万0500円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
ケ 人件費(総番号103ないし156)
原告は,同人件費につき,雇用されていた職員の職務内容が不明であること,選挙期間中の支出も含まれることから,支出の一部が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
(ア) 人件費の本件使途基準への適合性判断
会派及び議員が行う活動は,調査研究活動以外にも政党活動,議会活動,選挙活動,後援会活動及び会派の維持運営に関する活動等の多岐にわたるものであるから,会派及び議員に雇用された職員も上記の活動に相当程度従事していることが推認される。
そうすると,人件費については,会派及び議員に雇用されているという一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されるものであり,被告らにおいて,雇用している職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合を客観的資料に基づいて立証した場合には,その全額又は当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許され,その立証をしない場合には,人件費の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるが,その額を超えて支出することは許されず,人件費の2分の1を超える額が本件使途基準に合致しない違法な支出になると判断するのが相当である。
(イ) B8議員の人件費(総番号133)
証拠(丙A29)及び弁論の全趣旨によれば,B8議員が雇用した常勤職員の平成23年8月分の人件費(15万円)の2分の1に当たる金額である7万5000円が政務調査費から支出されたこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。他方,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
このような場合,本来は当該経費の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することが許されるところ,さらに,原告は,平成23年8月分の経費については選挙期間中の選挙活動に対する経費が含まれるから同月分の経費の4分の1を超える額の支出は違法となる旨主張するので,以下,その主張の当否について検討する。
弁論の全趣旨によれば,議員にとって,次回の選挙に当選するか否かは議員としての活動を続けようとする自らの立場を左右する重要な事項であると認められるところ,補助参加人らの会派代表者の証人尋問において,「選挙活動と,議員活動及び調査研究活動とは切り離すべきであり,選挙期間中は議員活動及び調査研究活動をしていないし,すべきではない。」(証人B1【28頁】),「選挙活動中における有権者との話合いが調査研究活動につながることもある。」(証人B2【10頁】),「選挙期間中,市議会議事堂,会派控室には行かず,議長に対して提出する研究活動報告書(丙B33)には選挙期間中に得られた情報は記載していない。」(証人B4【22,23頁】),「選挙期間中,ほとんど会派控室には行かず,選挙事務所での活動が中心になる。」(証人B9【22頁】)などの,選挙期間中は選挙活動に集中しているという趣旨の供述がされていることに鑑みれば,会派及びその所属議員は選挙期間中には選挙活動に集中しており,調査研究活動はほとんど行われていないことが推認される。
そうすると,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されたという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実であることが認められ,原告がその事実の存在を立証した場合には,被告らにおいて当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。なお,当該議員が選挙に立候補していない場合,選挙期間後に同人が議会活動を行うことは予定されておらず,仮に選挙期間中に調査研究活動を行っても,その成果をその後の議会活動に反映させることは一般的には困難であるから,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,その活動を行った議員が選挙に立候補したか否かにかかわらず,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実であると解される。
そして,上記認定事実のとおり,本件においては,平成23年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であったことが認められるから,上記の人件費全体の3分の1に当たる部分は,一般的,外形的に,当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性が欠けるというべきところ,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
したがって,上記の支出は,選挙期間に対応する人件費部分つまり人件費全体の3分の1に当たる支出部分に,選挙期間以外の期間に対応する人件費部分の2分の1つまり人件費全体の3分の1に当たる支出部分を加えた,人件費全体の3分の2が,本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められるから,人件費全体の3分の1に当たる金額(5万円)と実際に政務調査費から支出された金額(7万5000円)の差額である2万5000円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(ウ) B1議員の人件費(総番号103)
証拠(丙A22)及び弁論の全趣旨によれば,B1議員について,平成23年8月に非常勤職員の人件費2万円が政務調査費から支出されたことが認められる。また,証拠(丙A22)及び弁論の全趣旨によれば,同人件費は,上記エ(ア)と同様に同議員の議会活動報告等が記載された広報紙の発送事務を依頼したことによる手当であることが認められるところ,上記エ(ア)で説示したとおり,上記のような議員の議会活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の発送に要する人件費についても,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されたことが推認される経費であると認められる。ところが,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である1万円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
これに関し,原告は上記人件費には選挙期間中の経費も含まれることから,上記人件費の4分の1を超える支出部分が違法であると主張するが,証拠(丙A22)及び弁論の全趣旨によれば,上記人件費は平成23年8月13日に上記非常勤職員に支払われていることが認められることから,上記発送事務は選挙期間前に行われたことが推認される。したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(エ) B6議員の人件費(総番号104ないし108)
証拠(丙A23)及び弁論の全趣旨によれば,B6議員の雇用した,常勤職員の平成23年4月分から同年7月分までの人件費の3分の2に当たる金額合計45万円,非常勤職員(同議員の議会活動報告等が記載された広報紙のポスティングに従事した。)の平成23年7月の人件費14万3375円の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,常勤職員の雇用契約書には,その職務として,事務全般(調査研究補助,資料収集,資料整理,広報広聴,その他)と記載されているものの,その具体的な職務内容は明らかではなく,また,上記非常勤職員が従事した,上記のような議員の議会活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,議員が自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記広報紙の発送に要する人件費についても,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されたことが推認される。
ところが,上記の常勤職員及び非常勤職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記常勤職員の人件費については経費全体の2分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額の合計11万2500円,上記非常勤職員の人件費については経費全体の2分の1を超える金額である7万1687円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(オ) B12議員の人件費(総番号109ないし113)
証拠(丙A24,25)及び弁論の全趣旨によれば,B12議員が雇用した非常勤職員(同議員の議会活動報告等が記載された広報紙の作成,発送及び現地調査に従事した。)の平成23年5月から同年8月までの人件費合計7万6000円及び常勤職員の同月1日から同月10日までの10日間の人件費2万5000円が政務調査費から支出されたこと,上記の常勤職員の人件費は雇用契約で定められた給与(15万円)の6分の1に当たることが認められる。
上記(エ)で説示したところによれば,議員の議会活動報告等が記載された広報紙の作成や市民に対する交付に従事した上記非常勤職員に対する人件費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。
また,常勤職員の雇用契約書には,その職務として事務全般(調査研究補助,資料収集,資料整理,広報広聴,その他)と記載されているものの,その具体的な職務内容は明らかではなく,かえって,上記の雇用契約書の賃金欄に「政務調査以外の業務を含む」との明示の記載があることからすれば,上記常勤職員が調査研究活動以外の職務に従事していたことが認められる。
ところが,上記の非常勤職員及び常勤職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記各人件費の2分の1を超える金額を政務調査費から支出した場合には本件使途基準に合致しない違法な支出となるので,上記非常勤職員の人件費については経費全体の2分の1を超える金額の合計3万円(別紙4の一覧表中の総番号109ないし111に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ(なお,総番号113については政務調査費からの支出額が同人件費の2分の1を超えないので違法ではない。),補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
次に,上記常勤職員の人件費については,上記認定事実によれば,平成23年8月に同職員の給与月額15万円の6分の1に当たる金額のみが政務調査費から支出されており,同職員の勤務期間が同月1日から同月10日までの10日間であることからすると,上記の支出は同年8月のうち同期間に対応する人件費(5万円)の2分の1であることが認められるから,本件使途基準に合致しない違法な支出とは認められない。
これに対し,原告は,上記の各支出のうち平成23年8月に支出された常勤職員及び非常勤職員の人件費は選挙期間中の経費も含まれることから,支出の4分の1を超える部分が違法であると主張する。
しかしながら,上記のとおり,平成23年8月に常勤職員の人件費として政務調査費から支出された2万5000円は,同月1日から同月10日までの勤務に対応するものであるから,選挙期間中(同月19日から同月28日まで)の経費を含むものではない。
また,証拠(丙A24)及び弁論の全趣旨によれば,同月10日に非常勤職員に対して1万6000円が支出されたところ,その支出日及び支出額に照らすと,同職員が同月上旬に短期間の職務に従事したことが推認され,他に同職員が選挙期間中に勤務していたことを認めるに足りる証拠はないから,上記人件費に選挙期間中の経費が含まれるとは認められない。
したがって,原告の上記主張はいずれも採用することができない。
(カ) B13議員の人件費(総番号114ないし123)
証拠(丙A26)及び弁論の全趣旨によれば,B13議員が雇用した非常勤職員の平成23年4月から同年7月までの人件費として,合計48万円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計24万円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(キ) B7議員の人件費(総番号124ないし131)
証拠(丙A27)及び弁論の全趣旨によれば,B7議員が雇用した非常勤職員の平成23年4月から同年7月までの人件費合計24万円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計12万円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(ク) B14議員の人件費(総番号132)
証拠(丙A28)及び弁論の全趣旨によれば,B14議員が雇用した非常勤職員の平成23年8月の人件費の2分の1に当たる金額である2万5000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
このような場合,人件費の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるところ,上記認定事実によれば,上記職員の人件費の2分の1に当たる金額である2万5000円が政務調査費から支出されたにすぎないから,上記人件費の支出は本件使途基準に違反せず,適法というべきである。
これに対し,原告は,上記の支出は,同月15日以降に選挙活動に従事した業務に対しても支出されたものであるから,支出の4分の1を超える金額が違法であると主張する。
しかしながら,証拠(丙A28)及び弁論の全趣旨によれば,上記非常勤職員の勤務期間は,平成23年8月1日から同月6日まで,同月8日から同月11日まで,同月15日,16日,30日,31日であり,同月15日以降の勤務はあるものの選挙期間中(同月19日から同月28日まで)には勤務していないことが認められる。
そうすると,上記非常勤職員の人件費に関し,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されたという事実が認められないから,当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の立証がなく,原告の上記主張は採用することができない。
(ケ) B11議員の人件費(総番号134ないし146)
証拠(丙A30)及び弁論の全趣旨によれば,B11議員が雇用した非常勤職員の平成23年4月から同年8月までの人件費として,合計6万3800円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計3万1900円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,上記の各支出のうち平成23年8月の人件費は,同月15日以降に選挙活動に従事した業務に対しても支出されたものであるから,支出の4分の1を超える金額が違法であると主張するが,証拠(丙A30)及び弁論の全趣旨によれば,上記人件費に対応する同職員の勤務期間は平成23年8月7日から同月31日までであるものの,選挙期間中(同月19日から同月28日まで)には勤務していないことが認められる。
そうすると,上記非常勤職員の同年8月の人件費に関し,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されたという事実が認められないから,当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の立証がなく,原告の上記主張は採用することができない。
(コ) 補助参加人Z1団体の人件費(総番号147ないし156)
証拠(乙全4,丙A31)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z1団体は会派控室業務に従事する常勤職員を2名雇用したこと,仙台市においては,市議会各会派に対する職員雇用費交付規則(昭和60年仙台市規則第5号。以下「職員雇用費交付規則」という。)1条及び2条に基づき,会派(ただし,5名以上の議員が所属する会派に限る。)が控室業務に従事する職員を雇用した場合に,予算の範囲内において職員雇用費(以下,職員雇用費交付規則により交付された費用を「職員雇用費」という。)を毎月交付することとされており,同補助参加人には,職員雇用費として雇用する職員1人あたり月額11万0400円が交付されていたこと,同補助参加人は,平成23年4月分から同年8月分までの人件費として,上記常勤職員2名に対し,上記職員雇用費から1人当たり月額11万0400円を支払った上で,残りの人件費として1人当たり月額8万円合計80万円を政務調査費から支出したこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記の支出のうち同年8月分のものは選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
他方,雇用契約書(丙A31)には,上記常勤職員の職務は,会派政務調査研究補助,資料収集,資料整理,現地調査,他とされているものの,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
以上によれば,補助参加人Z1団体が雇用する常勤職員の人件費は1人あたり月額19万0400円(職員雇用費11万0400円及び政務調査費8万円)であるところ,上記の人件費に関する各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの人件費については,その2分の1を超える金額を政務調査費から支出しているのであれば,本件使途基準に合致しない違法な支出であると判断されることになる。
また,平成23年8月分の人件費は,選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,同月分の人件費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しない違法な支出と判断されることは,上記(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの各月分の人件費については,各月における合計金額(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の2分の1に当たる金額である9万5200円を超えて政務調査費から支出することは本件使途基準に合致しない違法な支出となるところ,補助参加人Z1団体は人件費全体の2分の1に満たない8万円を政務調査費から支出しているにすぎないから,本件使途基準に違反しない。
また,平成23年8月分の人件費については,その合計金額(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の3分の1に当たる金額を超えて政務調査費から支出することが本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,この額と補助参加人Z1団体が実際に政務調査費から支出した額との差額の合計3万3066円(別紙4の一覧表中の総番号155,156に対応する裁判所認容額)が,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,職員雇用費を調査研究活動以外の経費に優先して充当することはできないから,補助参加人Z1団体が政務調査費から支出した金額をさらに按分すべきであると主張する。
しかしながら,職員の労働に対する対価としての人件費は,職員雇用費から支出された給与と政務調査費から支出された給与の総額であるから,政務調査費からの支出を論じるに当たっても,その前提となる経費は上記の合計額を基に判断するのが相当である。そして,金額按分について定めた本件要綱8条は,政務調査費に係る経費とそれ以外の経費が明確に区分し難く,従事割合その他合理的な方法により按分することが困難である場合,当該経費全体の2分の1を上限に政務調査費から支出することができると定めているだけで,政務調査費から支出することができない部分の支出方法に関し,特に制限をしていないところ,職員雇用費は,上記認定事実のとおり5名以上の議員が所属する会派に対し,職員の雇用を補助するために支給されるものであって,政務調査費とは別の制度であり,職員の従事する活動や目的に制限があるわけではない。
したがって,本件要綱に基づく支出額の按分は経費全体に対して行うものであり,本件要綱は政務調査費から支出できない部分の支出方法として職員雇用費による支出も許していると解されるから,原告の上記主張は採用することができない。
コ 事務所費(総番号157)
原告は,同事務所費につき,選挙期間中の支出も含まれることから,支出の4分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
証拠(丙A32)及び弁論の全趣旨によれば,B14議員が設置した事務所に関し,平成23年8月分の賃料の2分の1に当たる金額である2万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
議員が行う活動は,調査研究活動以外にも政党活動,議会活動,選挙活動,後援会活動等の多岐にわたるものであるから,議員が設置した事務所は,その性質上,議員の調査研究活動以外の活動にも相当程度利用されることが推認される。
そうすると,議員の事務所を維持管理するための諸費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められ,被告らにおいて,議員が設置した事務所が調査研究活動のみに使用されていること又は調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合を客観的資料に基づいて立証した場合には,その全額又は当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許され,その立証をしない場合には,経費全体の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるが,その額を超えて支出することは許されず,経費全体の2分の1を超える額が本件使途基準に合致しない違法な支出になると判断するのが相当である。
ところが,B14議員によって設置された上記事務所が調査研究活動のみに使用されていること又は調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分の事務所賃料には,選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,上記ケ(イ)で説示したとおり,選挙期間中の経費に対応する全体の3分の1に当たる部分は,一般的,外形的に,当該支出部分と調査研究活動との間に合理的関連性が欠けるというべきところ,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
そうすると,上記の支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した額との差額である6666円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
サ 事務費(電話及びパソコンリース料金等。総番号158ないし200)
原告は,同事務費につき,調査研究活動以外の目的も併存すること,選挙期間中は選挙活動目的で利用されていたことから,各支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B6議員の事務費(総番号158ないし174)
証拠(丙A33)及び弁論の全趣旨によれば,B6議員の使用した事務費として,平成23年4月から同年8月までの間に,パソコンのリース代と保守管理料金の3分の2に当たる金額の合計8万5750円,電話料金の全額に当たる金額の合計3万3787円が政務調査費から支出されたことが認められる。
パソコン,電話及びインターネットは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用することができることからすれば,パソコン,電話及びインターネットに関する経費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記のパソコンのリース代,保守管理料金及び電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,電話料金については,経費全体の2分の1を超える金額,パソコンのリース代と保守管理料については少なくとも経費全体の2分の1を超える金額と実際にB6議員が支出した政務調査費の差額の合計3万8324円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(イ) B13議員の事務費(総番号175ないし183)
証拠(丙A34,35)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年4月から同年9月までの間に,B13議員の使用した電話代行サービス及び電話料金の合計11万8747円が政務調査費から支出されたことが認められる。
電話及び電話代行サービスは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用することができることからすれば,当該経費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記の電話代行サービス及び電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そして,B13議員は,任期以降に平成23年9月分の電話代行サービスへの政務調査費からの支出を行っているが,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることは,上記カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,平成23年4月から同年8月までの電話代行サービス及び電話料金については,経費全体の2分の1を超える金額,同年9月分の電話代行サービス料金については経費の全額の合計6万8373円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(ウ) B7議員の事務費(総番号184ないし186)
証拠(丙A36)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年5月から同年7月までの間に,B7議員の使用した電話料金の3分の2に当たる金額,合計1万7984円が政務調査費から支出されたことが認められる。
電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出について経費全体の2分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出された金額との差額の合計4495円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(エ) B14議員の事務費(総番号187ないし191)
証拠(丙A37)及び弁論の全趣旨によれば,B14議員の使用した,平成23年4月から同年8月までの電話料金合計3万3010円が政務調査費から支出されたことが認められる。
電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。なお,被告らは,上記支出額について,電話料金を2分の1で按分した額であると主張するが,これを認めるに足りる証拠はない。
また,平成23年8月分の経費は,仙台市議会議員選挙の選挙期間中(同月19日から同月28日まで)の活動に対するものも含まれる。この場合,上記ケ(イ)で説示したとおり,選挙期間中の経費に対応する全体の3分の1に当たる部分は,一般的,外形的に,当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性が欠けるというべきところ,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
そうすると,平成23年4月から同年7月までの支出は経費全体の2分の1を超える金額,同年8月の支出は経費全体の3分の1(選挙期間中を除く期間に対応する経費の2分の1)を超える金額,合計1万7449円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
(オ) 補助参加人Z1団体の事務費(総番号192ないし200)
証拠(丙A38)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z1団体は,平成23年4月から同年8月までの各月分の電話料金合計2万3473円を政務調査費から支出したことが認められる。
電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記電話料金に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分の経費は,仙台市議会議員選挙の選挙期間中(同月19日から同月28日まで)の活動に対するものも含まれる。この場合,上記ケ(イ)で説示したとおり,同月分の経費のうち選挙期間中の経費に対応する全体の3分の1に当たる部分は,一般的,外形的に,当該支出と調査研究活動との間に合理的関連性が欠けるというべきところ,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
そうすると,平成23年4月から同年7月までの電話料金については,経費全体の2分の1を超える金額,同年8月の電話料金は経費全体の3分の1(選挙期間中を除く期間に対応する経費の2分の1)を超える金額,合計1万2696円(別紙4の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,補助参加人Z1団体の不当利得に当たる。
なお,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記オ(イ)で説示したとおりである。
(2)  補助参加人Z6団体
ア 調査研究費(ガソリン代。総番号201,202)
原告は,同調査研究費につき,選挙期間中の支出であることから,その全額が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B17議員(以下「B17議員」という。)の調査研究費(総番号201)
証拠(甲B1)及び弁論の全趣旨によれば,B17議員が平成23年8月18日に購入したガソリン代の2分の1に当たる金額である3215円が政務調査費から支出されたこと,同月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記の支出は選挙期間の直前のものであったことが認められる。
補助参加人Z6団体は,ガソリンを使用する調査研究活動とガソリンの補給との先後関係につき,実際に調査研究活動のために使用したガソリンを補給した費用を政務調査費から支出するのが合理的である旨主張するところ,調査研究活動に使用するガソリン代の政務調査費からの支出方法としては,調査研究活動に関し自動車を使用する前に予め補給する場合と使用した後に補給する場合とでその支出額の多寡が生じるものではなく,また,使途の透明性の確保という見地からも両方法によって差異はなく,上記の法の趣旨に反するものではないから,いずれの支出方法を採ることも許される。また,証拠(甲B8)及び弁論の全趣旨によれば,B17議員は選挙期間中に軽ワゴン車の候補者移動車及び1人乗り電気自動車を使用していたことが認められるが,これとガソリンを補給した上記自動車が同一であることを認めるに足りる証拠はなく,上記の支出により補給されたガソリンを選挙期間中に使用したとは認められない。したがって,上記ガソリンが選挙期間中に使用されたことを理由に上記の支出の全額が違法であるとする原告の主張は採用することができない。
ところで,自動車は,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的に使用されるものであり,同一の自動車を調査研究活動とそれ以外の活動に用いるからには,これをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは一般的には困難である。したがって,一般的,外形的に,自動車に用いるガソリン代は,調査研究活動以外の目的が併存するものであって,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるから,被告らにおいて調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合を客観的資料に基づいて立証しない限り,当該経費全体の2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されない。
しかるところ,同補助参加人は,上記の按分割合の主張立証をせずに,上記のとおりガソリン代の合計額の2分の1に当たる額を政務調査費から支出している。このような場合に,その支出額の全額が違法であると判断するためには,原告において,ガソリン代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実を立証する責任があると解される。
ところが,本件では,B17議員が上記自動車をおよそ調査研究活動に使用していないなど,ガソリン代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,ガソリン代のうち政務調査費から支出された2分の1について,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(イ) B18議員(以下「B18議員」という。)の調査研究費(総番号202)
証拠(甲B2)及び弁論の全趣旨によれば,B18議員が平成23年8月18日に購入したガソリン代の2分の1に当たる金額である994円が政務調査費から支出されたこと,同月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記の支出は選挙期間の直前のものであったことが認められる。
しかるところ,上記(ア)で説示したとおり,調査研究活動に使用するガソリン代の政務調査費からの支出方法としては,調査研究活動に関し自動車を使用した後に補給されたガソリン代に対して政務調査費から支出する方法を採ることも許される。また,証拠(丙B26の1ないし26の3)及び弁論の全趣旨によれば,B18議員は選挙運動用の自動車に関する燃料費を仙台市から支給されていたことが認められ,このことからすれば,上記の支出により補給されたガソリンを選挙期間中に使用したとは認められない。したがって,上記ガソリンが選挙期間中に使用されたことを理由に上記の支出の全額が違法であるとする原告の主張は採用することができない。
ところで,上記(ア)で説示したとおり,一般的,外形的に,自動車に用いるガソリン代は,調査研究活動以外の目的が併存するものであって,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるから,被告らにおいて調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合を客観的資料に基づいて立証しない限り,当該経費全体の2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないことになるが,同補助参加人は,上記の按分割合の主張立証をせずに,上記のとおりガソリン代の合計額の2分の1に当たる額を政務調査費から支出している。これに対し,B18議員が上記自動車をおよそ調査研究活動に使用していないなど,ガソリン代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,ガソリン代のうち政務調査費から支出された2分の1について,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
イ 研修費(旅費条例に基づいて支出された旅費。総番号203,204)
原告は,旅費条例に基づいて支出された旅費のうち実費との差額である1割が違法であると主張するが,これを採用することができないことは,上記1(2)で説示したとおりである。
ウ 資料作成費(Z6団体ニュースの作成費用,市政報告資料の作成に関するアルバイト代,複写料。総番号205ないし222)
原告は,同資料作成費につき,調査研究活動以外の目的も存在するから,各支出の2分の1を超える部分は違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B19議員(以下「B19議員」という。)の資料作成費(総番号205,206)
証拠(丙B1,2)及び弁論の全趣旨によれば,B19議員が市民に交付した,被災者支援情報及び補助参加人Z6団体の議会活動等が記載された広報紙及び「仙台市議会市政報告」という名称の広報紙に関する作成費用として,合計43万6875円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙B1,2)及び弁論の全趣旨によれば,一般的,外形的には,上記のような議員の議会活動報告,市政報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記作成費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。
したがって,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計21万8437円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) B20議員の資料作成費(総番号207)
証拠(丙B3)及び弁論の全趣旨によれば,B20議員が市民に交付した,被災者支援情報,市政報告等が記載された広報紙に関する作成費用10万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である5万円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ウ) B21(以下「B21議員」という。)の資料作成費(総番号208,209)
証拠(丙B4,5)及び弁論の全趣旨によれば,B21議員が市民に交付した,被災者支援情報,市政報告等が記載された広報紙に関する作成費用合計8万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計4万円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(エ) 補助参加人Z6団体の資料作成費(市政報告作成アルバイト代,複写料。総番号210ないし222)
証拠(丙B28,29の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6団体は,平成23年4月から同年8月までの間における,会派の議会活動や市政報告の資料作成のためのアルバイト代合計1万0400円,会派控室における複写料,コピー代合計38万3656円を,政務調査費から支出したことが認められる。
a 市政報告作成に関するアルバイト代
議会活動や市政報告を記載した書面を市民に交付することは,政治活動,後援会活動としての側面も有することから,上記のような書面の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記市政報告作成アルバイト代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5200円(別紙5の一覧表中の総番号210,213,216,218,220に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
b 会派控室における複写料,コピー代
複写やコピーは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的のために行われるものであることからすれば,複写料やコピー代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記複写料及びコピー代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
なお,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)説示したとおりである。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計19万1827円(別紙5の一覧表中の総番号211,212,214,215,217,219,221,222に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
これに対し,原告は平成23年8月31日及び同年9月29日に支出した複写料は新しい任期又は選挙期間中に関する支出であり,支出の全額が違法であると主張する。
しかしながら,上記の支出に対する領収書を見ると,平成23年8月31日の支出分は同年7月1日から同月31日までの期間つまり同年7月分(丙B29の1),同年9月29日の支出分は同年8月1日から同月31日までの期間つまり同年8月分(丙B29の2)にそれぞれ対応する複写料であることが認められるから,上記の各支出が新しい任期に関する支出であるとは認めらない。
また,平成23年8月分の複写料が同年7月分の複写料の約6割程度であること,上記(1)ケ(イ)で説示したとおり,選挙期間中,議員は会派控室にほとんど行かないことに照らせば,同年8月分の複写料に選挙期間の複写料が含まれているとは認められない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
エ 資料購入費(雑誌等の購読料。総番号223ないし228)
原告は,同資料購入費につき,全部又は一部の支出が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B19議員の資料購入費(総番号223)
弁論の全趣旨によれば,B19議員の利用する「河北新報」のデジタルデータ提供サービスの平成23年4月分から平成24年3月分までの契約料2万1000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のサービスは,国内外のニュースが記載されており,市政に関する調査研究活動との合理的関連性が存在するものと認められるが,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記の契約料については,平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり経費全体の12分の5を超える金額である1万2249円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) B21議員の資料購入費(総番号224)
弁論の全趣旨によれば,B21議員の購入した「議員NAVI」と題する雑誌の平成23年4月分から平成24年3月分までの購読料2万5200円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記の雑誌は,その名称より市政に関する調査研究活動との合理的関連性が存在すると認められるが,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記の雑誌の購読料については,平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり経費全体の12分の5を超える金額である1万4699円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ウ) 補助参加人Z6団体の資料購入費(総番号225ないし228)
証拠(丙B30)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6団体は「D-file」(自治体についての情報が記載されたもの),「日経グローカル」,「地方議会人」と題する雑誌の1年分(日経グローカルは平成23年8月分から平成24年7月分まで,それ以外の雑誌については平成23年4月分から平成24年3月分まで)の購読料合計15万1120円を政務調査費からそれぞれ支出したこと,補助参加人Z6団体は会派構成員全員に交付するため,地方行政読本という名称の書籍の11冊分の代金2万0900円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記の書籍及び雑誌は,いずれもその名称や内容から議員の活動及び地方行政等に関するするものであることが推認され,市政に関する調査研究活動との合理的関連性が存在するものと認められるから,上記の書籍,雑誌に対する支出が本件使途基準に合致しないことを示す一般的,外形的な事実の存在は認められない。
原告は,上記のうち地方行政読本という名称の書籍につき,会派に所属する議員全員に交付する必要がないので10冊分が違法であると主張するが,証拠(丙B30)及び弁論の全趣旨によれば,同書籍は百数十頁にわたり地方行政について論じた書物であり,その分量や市政との関連性の強さからして,各議員が手元において調査研究活動に利用する都度参照することも調査研究活動の態様として許されると解されるから,原告の上記主張は理由がない。
次に,上記の各雑誌の購読料について検討すると,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記の各支出のうち,雑誌の購読料については,平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり「日経グローカル」と題する雑誌に関しては経費全体の12分の1を超える金額である8万0850円,それ以外の雑誌に関しては経費全体の12の5を超える金額の合計3万6702円(別紙5の一覧表中の総番号225ないし228に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
オ 広報広聴費(市政報告等の作成及び交付に関する費用,通信費等。総番号229ないし316)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B17議員の広報広聴費(総番号229ないし235)
証拠(丙B6ないし8)及び弁論の全趣旨によれば,B17議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する作成及び交付費用として,合計90万1737円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計45万0867円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) B18議員の広報広聴費(総番号236ないし240)
証拠(丙B9ないし11)及び弁論の全趣旨によれば,B18議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する作成及び交付費用として,合計79万6098円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計39万8049円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ウ) B19議員の広報広聴費(総番号241ないし245)
証拠(丙B1,2,9)及び弁論の全趣旨によれば,B19議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する交付費用として,合計21万8938円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計10万9469円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(エ) B20議員の広報広聴費(総番号246ないし258)
証拠(丙B3,12)及び弁論の全趣旨によれば,B20議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する交付費用として,合計53万7694円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計26万8847円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(オ) B4議員(以下「B4議員」という。)の広報広聴費(総番号259ないし263)
証拠(丙B9,13)及び弁論の全趣旨によれば,B4議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する交付費用として,合計34万7857円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計17万3928円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(カ) B21議員の広報広聴費(総番号264ないし269)
証拠(丙B14)及び弁論の全趣旨によれば,B21議員が市民に交付した,補助参加人Z6団体の要望,仙台市当局の対応等が記載された広報紙に関する交付費用として,合計31万0561円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計15万5279円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(キ) B22議員の広報広聴費(総番号270ないし272)
証拠(丙B15,16)及び弁論の全趣旨によれば,B22議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する交付費用として,合計3万9550円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計1万9775円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ク) 補助参加人Z6団体の広報広聴費(総番号273ないし305)
証拠(丙B9,14,17)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6団体は,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する作成及び交付費用として,合計240万5131円を政務調査費から支出し,上記の広報紙を市民に交付したこと,会派控室の電話料金及びホームページの更新料として,合計12万3247円を政務調査費から支出していることが認められる。
まず,上記のような広報紙の作成や交付のための費用及び電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)及び(1)オ(ア)で説示したとおりである。
次に,ホームページの更新料について検討すると,会派や議員のホームページは,その性質上,市政に関する情報を市民に広報する側面とともに,会派や議員の活動及び調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,会派や議員のホームページの作成,更新や管理のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。
ところが,上記の各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計126万4179円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
なお,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)で説示したとおりである。
(ケ) B23議員(以下「B23議員」という。)の広報広聴費(総番号306ないし310)
証拠(丙B19,20,31,42)及び弁論の全趣旨によれば,B23議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙の作成及び交付費用として,合計65万2325円が政務調査費から支出されたこと,平成23年7月17日に「i会」勉強会の開催を案内するための費用5000円が政務調査費から支出されたこと,「i会」の勉強会においては,補助参加人Z6団体が作成した市政報告等の記載された広報紙を配布した上で,同議員から東日本大震災後の仙台市の復興状況と今後の見通し等の説明及び意見交換が行われたことが認められる。
まず,上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりである。
次に,「i会」勉強会開催の案内に関する費用について検討すると,上記認定事実によれば,上記の勉強会は,会派の活動及び市政についての報告並びに市民からの要望の聴取のために行われたことが認められるところ,このような勉強会は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,それと同時に議員が自らの活動及び調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動といった側面も有すると認められ,そうすると,上記のような勉強会の開催を案内するための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。
ところが,上記の各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計32万8661円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(コ) B24議員(以下「B24議員」という。)の広報広聴費(総番号311ないし313)
証拠(丙B9,21)及び弁論の全趣旨によれば,B24議員が市民に交付した,被災者支援情報,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する作成及び交付費用として,合計40万4868円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計20万2434円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(サ) B25議員(以下「B25議員」という。)の広報広聴費(総番号314ないし316)
証拠(丙B9,22)及び弁論の全趣旨によれば,B25議員が市民に交付した,被災者支援,補助参加人Z6団体の議会活動,市政報告等が記載された広報紙に関する作成及び交付費用として,合計52万3256円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記ウ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計26万1628円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
カ 人件費(総番号317,318)
原告は,同人件費につき,選挙期間中の経費も含まれることから,支出の一部が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
(ア) B22議員の人件費(総番号317)
証拠(丙B36)及び弁論の全趣旨によれば,B22議員が雇用した常勤職員の平成23年8月分の人件費の2分の1に当たる金額である3万5250円が政務調査費から支出されたこと,同月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
上記(1)ケ(イ)で説示したとおり,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出部分と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実というべきであるから,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証する必要があるところ,補助参加人Z6団体は,上記の職員が「j1情報室」(丙B34),「j2相談室」(丙B35)にて選挙期間中も職務を継続していたと主張するが,上記各証拠(丙B34,35)によっても上記職員が同職務に現に従事していたことを認めるに足りず,他に上記職員がB22議員の具体的な調査研究活動に従事していたことを認めるに足りる的確な証拠はないから,同補助参加人の上記主張は採用することができない。そうすると,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
したがって,上記の支出のうち経費全体の3分の1(選挙期間中を除く期間に対応する経費の2分の1)を超える金額である1万1750円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) 補助参加人Z6団体の人件費(総番号318)
証拠(丙B32,33,44の1,44の2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6団体は会派控室業務に従事する常勤職員を1名雇用したこと,同補助参加人は,職員雇用費交付規則1条及び2条に基づき,仙台市から職員雇用費として月額11万0400円の交付を受けていたこと,同補助参加人は,上記常勤職員の平成23年8月分の人件費として,上記職員雇用費から11万0400円を支出した上で,残りの人件費4万6000円を政務調査費から支出したこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
上記認定事実によれば,補助参加人Z6団体が雇用する常勤職員1名の人件費は15万6400円(職員雇用費11万0400円及び政務調査費4万6000円)であることが認められる。
上記人件費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記人件費については,その合計金額(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の3分の1に当たる金額である5万2134円を超えて政務調査費から支出することは本件使途基準に合致しない違法な支出となるが,本件において補助参加人Z6団体は人件費全体の3分の1に満たない4万6000円を政務調査費から支出しているにすぎないから,これに関する原告の主張は理由がない。
なお,原告は,職員雇用費を調査研究活動以外の経費に優先して充当することはできないから,政務調査費から支出した金額をさらに按分すべきと主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)ケ(コ)で説示したとおりである。
キ 事務所費(総番号319ないし324)
原告は,同事務所費につき,選挙期間中の経費も含まれることから,支出の4分の1を超える部分が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
(ア) B17議員の事務所費(総番号319)
弁論の全趣旨によれば,B17議員の事務所の平成23年8月分の賃料,光熱費及び駐車場代の2分の1に当たる金額である2万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記事務所費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)コで説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額である6666円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) B18議員の事務所費(総番号320)
弁論の全趣旨によれば,B18議員の事務所の平成23年8月分の賃料の2分の1に当たる金額である2万7500円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記事務所費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)コで説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額である9166円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ウ) B19議員の事務所費(総番号321)
弁論の全趣旨によれば,B19議員の事務所の平成23年8月分の賃料の2分の1に当たる金額である1万5000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記事務所費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)コで説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額である5000円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(エ) B4議員の事務所費(総番号322)
弁論の全趣旨によれば,B4議員の平成23年7月から同年8月までの2か月分の事務所の水道料金の2分に1に当たる金額である2093円が政務調査費から支出されたこと,上記水道料金には選挙期間中(平成23年8月19日から同月28日までの10日間)の活動に対するものも含まれることが認められる。
この場合,上記(1)コで説示したところによれば,上記水道料金2か月分のうちの10日間に対応する経費全体の6分の1に当たる部分は,一般的,外形的に,当該支出部分と調査研究活動との間に合理的関連性が欠けるというべきところ,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出部分は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
そうすると,上記の支出は,選挙期間以外の期間(6分の5)に対応する水道料金の2分の1つまり水道料金全体の12分の5に当たる金額(1745円)と実際に政務調査費から支出された金額(2093円)の差額である348円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(オ) B22議員の事務所費(総番号323,324)
弁論の全趣旨によれば,B22議員の事務所の平成23年8月分の駐車場代,賃料,共益費及び電気料金の2分の1に当たる金額,合計6万3969円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記事務所費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)コで説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額,合計2万1323円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
ク 事務費(総番号325ないし335)
原告は,同事務費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B17議員の事務費(総番号325)
弁論の全趣旨によれば,B17議員の切手購入費用8000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,切手は,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用されることからすれば,切手購入費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記切手購入費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である4000円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(イ) B20議員の事務費(総番号326)
弁論の全趣旨によれば,B20議員のパソコンサポート代6000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,パソコンは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用されることからすれば,上記パソコンサポート代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記パソコンサポート代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である3000円(別紙5の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
(ウ) 補助参加人Z6団体の事務費(総番号327ないし335)
証拠(丙B37,乙全1)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z6団体は,平成23年4月から同年8月までの間,パソコンサポート代,電話料金及びインクカートリッジ代金の合計3万1409円,領収書添付用箋の印刷費用8925円を政務調査費から支出したこと,上記領収書添付用箋は本件手引書に定められた政務調査費の収支報告の様式に従って作成されたものであることが認められる。
まず,パソコン,電話及びインクは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用されることからすれば,パソコンサポート代,電話料金及びインクカートリッジ代金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記のパソコンサポート代,電話料金及びインクカートリッジ代金に関する各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計1万5702円(別紙5の一覧表中の総番号327ないし329,331ないし335に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z6団体の不当利得に当たる。
次に,上記領収書添付用箋の印刷費用について検討すると,上記認定事実によれば,上記領収書添付用箋は政務調査費の支出のために本件手引書に定められた様式に従って作成されたものであり,その性質上,調査研究活動以外に使用されるものとは認められないから,原告の主張は理由がない。
(3)  補助参加人Z2団体
ア 調査研究費(旅費条例に基づいて支出された旅費。総番号336ないし345)
原告は,旅費条例に基づいて支出された旅費のうち実費との差額である1割が違法であると主張するが,これを採用することができないことは,上記1(2)で説示したとおりである。
イ 調査研究費(ガソリン代。総番号346ないし348)
原告は,同調査研究費につき,選挙期間中の支出であることから,支出の全部が違法であると主張するので,以下検討する。
証拠(甲1,丙C1,2)及び弁論の全趣旨によれば,B26議員(以下「B26議員」という。)が平成23年8月19日に支払ったガソリン代の2分の1に当たる2213円が政務調査費から支出され,B27議員(以下「B27議員」という。)が同月20日及び同月27日に支払ったガソリン代の10分の7に当たる合計9234円が政務調査費から支出されたこと,B26議員及びB27議員はいずれも同月の仙台市議会議員選挙には立候補せず,選挙期間中(同月19日から同月28日まで)に上記の支出日に購入したガソリンを補給した自動車を使用して同ガソリンを費消したことが認められる。
当該議員が選挙に立候補していない場合,選挙期間後に同議員が議会活動を行うことは予定されておらず,仮に選挙期間中に調査研究活動を行っても,その成果をその後の議会活動に反映させることは一般的には困難であるから,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実であると解される。
そうすると,被告らにおいて,当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。
ところが,被告らにおいて,上記のガソリン代の支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
したがって,B26議員のガソリン代については実際に政務調査費から支出した金額である2213円,B27議員のガソリン代については実際に政務調査費から支出した金額である合計9234円(別紙6の一覧表中の総番号に対応する裁判所認容額)が補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
ウ 調査研究費(運転手代等。総番号349ないし353,355ないし360)
原告は,同調査研究費につき,その実態が不明であるから,支出の全部が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
証拠(丙C3)及び弁論の全趣旨によれば,B27議員の利用した平成23年4月から同年8月までの間の自動車の借上料,運転手代及びガソリン代合計9万9000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
自動車は,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的に使用されるものであり,同一の自動車を調査研究活動とそれ以外の活動に用いるからには,これをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは一般的には困難である。したがって,一般的,外形的に,自動車の借上料,運転手代及びガソリン代は,調査研究活動以外の目的が併存するものであって,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるから,被告らにおいて調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合を客観的資料に基づいて立証しない限り,当該経費全体の2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されない。
しかるところ,補助参加人Z2団体は,上記の主張立証をせずに,上記各経費の全額を政務調査費から支出しているから,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計4万9500円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,同補助参加人の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,その支出額の全額が違法であると主張するが,上記のように調査研究活動とそれ以外の活動とに利用されることが推認される経費に対する政務調査費からの支出について,当該経費全体の2分の1を超えてその全額が違法であると判断するためには,原告において,当該経費の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を立証する責任があると解される。
ところが,本件では,B27議員が上記自動車をおよそ調査研究活動に使用していないなど,上記運転手代等の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,上記経費全体のうち2分の1については,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
エ 会議費,広報広聴費(茶菓代等。総番号361ないし426,435ないし448)
原告は,上記会議費及び広報広聴費につき,その実態が不明であるから,支出の全部が違法であると主張するので,以下検討する。
証拠(丙C4,8)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z2団体は,平成23年4月から同年8月までの間に,市政に関する会議を開催して出席者に茶菓を提供し,別紙6の一覧表中の上記各総番号の支出額欄記載のとおり,その際の茶菓代として,合計額14万4474円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記(1)ク(ア)で説示したとおり,集会等に伴う飲食に関する経費は,食事や飲み物が提供された集会等が調査研究活動の一環として行われ,かつ,支出された金額が社会通念上相当な範囲内にあれば,政務調査費から支出することが許される。
そして,上記認定事実によれば,補助参加人Z2団体が茶菓代を政務調査費から支出した集会等は市政に関する会議であり,調査研究活動の一環として行われたことが認められ,その金額としても社会通念上相当な範囲内にあることが認められる。
もっとも,上記のような会議は,その性質上,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,それと同時に議員が自らの活動や調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持する等の政治活動,後援会活動としての側面も有すると認められることに照らせば,そのような会議に伴う上記茶菓代も,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記茶菓代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない(なお,被告らは,上記会議が仙台市の職員,有識者等との会議であった旨主張するが,議事録等,これを客観的に裏付ける証拠はなく,同事実を認めるに足りない。)。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計7万2224円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに対し,原告は支出の全額が違法であると主張するが,上記のように調査研究活動とそれ以外の活動とに利用されることが推認される経費に対する政務調査費からの支出について,その支出額の2分の1を超えてその全額が違法であると判断するためには,原告において,上記経費の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を立証する責任があると解される。
ところが,本件では,上記会議が専ら調査研究活動以外の目的で開催されたなど,上記茶菓代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,上記の各支出のうち2分の1については,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
オ 資料作成費(市政報告の印刷代,写真代。総番号427ないし430)
原告は,同資料作成費につき,調査研究活動以外の目的も存在するから,支出の全部又は一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B2議員(以下「B2議員」という。)の資料作成費(総番号427)
証拠(丙C5,15,25)及び弁論の全趣旨によれば,B2議員が市民に交付した,同議員の後援会事務所の所在地及び仙台市議会の報告等について記載された「◎◎」という名称の広報紙の作成費用28万7437円のうち11万5833円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙C15)によれば,上記広報紙は同議員の議会活動といった市政に関する情報が記載されていることが認められ,このことからすれば,上記のような広報紙の交付は市政に関する情報を市民に広報する側面を有するといえる。しかしながら,証拠(丙C15)及び弁論の全趣旨によれば,一般的,外形的には,上記のような議員の議会活動報告等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,自らの議会活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。そうすると,上記作成費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないことになる。
これに対し,原告は,その支出額の全額が違法であると主張するが,上記のように調査研究活動とそれ以外の活動とに利用されることが推認される経費に対する政務調査費からの支出について,その支出額の2分の1を超えてその全額が違法であると判断するためには,原告において,上記経費の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を主張立証する責任があると解される。
この点につき,原告は,上記広報紙は同議員の政治活動として作成されたものであると主張するが,上記広報紙が市政に関する情報を市民に広報する側面を有するのは上記認定のとおりであり,上記作成費用の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実を認めるに足りる証拠はない。
そうすると,本件では,上記認定事実のとおり上記作成費用全体のうち2分の1に満たない金額が政務調査費から支出されたにすぎないから,上記の支出が本件使途基準に合致せず違法ということはできず,原告の主張は理由がない。
(イ) B28議員(以下「B28議員」という。)の資料作成費(総番号428)
証拠(丙C6)及び弁論の全趣旨によれば,B28議員が市民に交付した,仙台市議会における質疑等が記載された「◇◇」という名称の広報紙に関する作成費用として,12万3900円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である6万1950円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに対し,補助参加人Z2団体は,上記広報紙は年4回発行する議会報告書のうちの1回分であり,そのうちの年2回分は作成費用を私費で支出していると主張するが,同事実を認めるに足りる証拠はないから,同補助参加人の主張は採用することができない。
(ウ) B29議員(以下「B29議員」という。)の資料作成費(総番号429,430)
証拠(丙C7,27)及び弁論の全趣旨によれば,B29議員の写真の現像料金合計1万3590円が政務調査費から支出されたこと,上記の写真には,B29議員が東日本大震災の被災状況,アンテナショップや施設への命名権に関する視察先の状況が撮影されていることが認められる。
上記認定事実によれば,上記の写真は,調査研究活動として被災状況や視察先の状況に関する情報収集のために撮影されたことが認められ,上記支出と同議員の調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在が認められないから,原告の主張は理由がない。
カ 資料購入費(雑誌の購読料。総番号431ないし434)
原告は,上記資料購入費につき,任期以降の支出も含まれるから,支出の一部が違法であると主張する。
弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z2団体の「地方議会人」と題する雑誌の1年分(平成23年4月分から平成24年3月分まで)の購読料,B30議員(以下「B30議員」という。)の「日経グローカル」と「月刊ガバナンス」と題する各雑誌の1年分(平成23年4月分から平成24年3月分まで)の購読料及び「季刊自治体法務研究」と題する雑誌の1年分(平成23年夏号から平成24年春号まで)の購読料の合計11万0520円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記各雑誌は,いずれもその名称から議員の議会活動や地方行政等に関するものであることが推認され,市政に関する調査研究活動との合理的関連性が存在すると認められるが,議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記各雑誌の購読料については,平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり経費全体の12分の5を超える金額の合計6万4470円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
キ 広報広聴費(市政報告に関する作成費用等。総番号449ないし468)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B30議員の広報広聴費(総番号449ないし455)
証拠(丙C9)及び弁論の全趣旨によれば,B30議員が市民に交付した,同議員の経歴,市政に関連する被災者支援制度等が記載された「B30通信」という名称の広報紙に関する作成及び交付費用として,合計31万1530円が政務調査費から支出されたことが認められる。
証拠(丙C9)及び弁論の全趣旨によれば,上記のような被災者への支援制度等が記載された広報紙を作成して市民に交付する活動は,市政に関する情報を市民に広報する側面を有するものの,一般的,外形的には,自らの活動,調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計15万5764円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
(イ) B26議員の広報広聴費(総番号456ないし461)
証拠(丙C10)及び弁論の全趣旨によれば,B26議員が市民に交付した,被災者支援情報等が記載された「B26レポート」という名称の広報紙の交付費用として,合計4万8000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2万4000円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
(ウ) B28議員の広報広聴費(総番号462ないし464)
証拠(丙C11)及び弁論の全趣旨によれば,B28議員が市民に交付した,市政報告及び議会報告が記載された広報紙に関する交付費用として,合計24万0105円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計12万0052円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに対し,補助参加人Z2団体は,上記広報紙は年4回発行する議会報告書のうちの1回分であり,そのうちの年2回分は作成費用を私費で支出していると主張するが,同事実を認めるに足りる証拠はないから,同補助参加人の主張は採用することができない。
(エ) B31議員の広報広聴費(総番号465,466)
証拠(丙C12)及び弁論の全趣旨によれば,B31議員が市民に交付した,仙台市議会における同議員の質疑,市政に関連する被災者支援制度,市政報告等を記載した広報紙に関する作成費用として,合計72万6050円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計36万3025円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
(オ) B29議員の広報広聴費(総番号467,468)
証拠(丙C13)及び弁論の全趣旨によれば,B29議員が市民に交付した,仙台市議会における同議員の質疑,市政に関連する被災者支援情報等が記載された広報紙に関する作成費用として,合計25万0800円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計12万5400円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
ク 人件費(総番号469ないし486)
原告は,同人件費につき,調査研究活動以外の業務にも従事していたこと,選挙期間中の支出も含まれることから,支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) 補助参加人Z2団体の人件費(総番号469ないし473)
弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z2団体は会派控室業務に従事する常勤職員を2名雇用したこと,同補助参加人は,職員雇用費交付規則1条及び2条に基づき,仙台市から職員雇用費として雇用する職員1人あたり月額11万0400円の交付を受けていたこと,同補助参加人は,上記常勤職員2名の平成23年4月分から同年8月分の人件費として,上記職員雇用費から1人あたり11万0400円を支出した上で,残りの人件費として同年4月に2名分合計12万円,同年5月に2名分合計12万3000円,同年6月に2名分合計12万5000円,同年7月に2名分合計12万8000円,同年8月に2名分合計11万5750円を政務調査費から支出したこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費のうち同年8月分のものは選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
被告らは,上記の常勤職員2名は会派雇用の政務調査補助員であると主張するが,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の人件費に関する各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの人件費については,その2分の1を超える金額を政務調査費から支出しているのであれば,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められることになる。
また,平成23年8月分の人件費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの各月分の人件費については,各月における合計金額(常勤職員2名の職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の2分の1に当たる金額(同年4月分は17万0400円,同年5月分は17万1900円,同年6月分は17万2900円,同年7月分は17万4400円)を超えて政務調査費から支出することは本件使途基準に合致しない違法な支出となるところ,同補助参加人は人件費全体の2分の1に満たない金額を政務調査費から支出しているにすぎないから,本件使途基準に違反しない。
また,平成23年8月分の人件費についてはその合計金額(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計33万6550円)の3分の1である11万2183円を超えて政務調査費から支出することが本件使途基準に合致しない違法な支出と認められるから,この額と同補助参加人が実際に政務調査費から支出した額との差額である3567円(別紙6の一覧表中の総番号473に対応する裁判所認容額)が本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに関し,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)で説示したとおりである。
なお,原告は,職員雇用費を調査研究活動以外の経費に優先して充当することはできないから,政務調査費から支出した金額をさらに按分すべきと主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)ケ(コ)で説示したとおりである。
(イ) B2議員の人件費(総番号474)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) B2事務所は,B2議員が調査研究活動や後援会活動を行う際に利用している事務所である。(証人B2【10頁】,弁論の全趣旨)
(b) 宗教法人k神社(以下「k神社」という。)は,B2議員が代表者を務める神社である。(証人B2【9頁】)
(c) B2事務所は,B2議員が雇用している職員に対し,平成23年4月分から同年8月分までの人件費として,月額9万5000円を交付した。(丙C29)
(d) k神社は,上記(c)と同じ職員に対し,平成23年4月分から同年8月分の人件費として,月額16万0000円を交付した。上記職員はk神社において,地鎮祭等の一般的な神社の業務に従事していた。(丙C28,証人B2【12頁】)
(e) 上記(c)のとおり支給された人件費合計47万5000円が,政務調査費から支出された。(丙C18,弁論の全趣旨)
b 上記認定事実のとおり,k神社から上記職員に対して月額16万円の金員が交付されているところ,同金員は,上記職員がk神社の業務に従事したことに対する人件費をk神社が支払ったものであり,B2議員の活動に従事したことに対する人件費を同議員が支払ったものではなく,労務の利益を享受してその対価を支払うべき主体を異にしているから,もとより会派や議員の調査研究活動の経費に充てるために交付されている政務調査費から支出することは許されないものである。
また,上記職員は,B2事務所から1か月当たり9万5000円を受領しているが,同職員が同事務所において調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
さらに,上記職員の平成23年8月分の人件費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分の人件費については,B2事務所が支給した各月9万5000円の2分の1を超える金額,同年8月分の人件費については,B2事務所が支給した9万5000円の3分の1を超える金額,合計25万3333円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
(ウ) B30議員の人件費(総番号475ないし482)
証拠(丙C19ないし24)及び弁論の全趣旨によれば,B30議員が雇用した,常勤職員の平成23年4月分から同年8月分(ただし,同月18日までの勤務)の人件費の3分の2に当たる金額合計25万0132円,非常勤職員の平成23年7月の人件費合計2万1000円の全額が政務調査費から支出されたこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であったことが認められるが,上記各職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事する割合とそれ以外の割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち,常勤職員の人件費については,その2分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額の合計6万2532円,同年7月の非常勤職員の人件費については,その2分の1を超える金額の合計1万0500円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに対し,原告は常勤職員に対する平成23年8月分の人件費は選挙期間中の活動も含まれると主張するが,上記職員の勤務表(丙C23)には選挙期間前の同月18日までの勤務しか記載がなく,他に上記職員が選挙期間中も勤務したことを認めるに足りる証拠はないから,原告の主張は採用することができない。
(エ) B32議員(以下「B32議員」という。)の人件費(総番号483,484)
弁論の全趣旨によれば,B32議員が雇用した職員の平成23年8月分の人件費の2分の1に当たる金額の合計4万7000円が政務調査費から支出されたこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
このように選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されている場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額の合計1万5666円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
(オ) B29議員の人件費(総番号485,486)
弁論の全趣旨によれば,B29議員が雇用した職員の平成23年8月分の人件費の2分の1に当たる金額の合計6万5750円が政務調査費から支出されたこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
このように選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されている場合,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額の合計2万1916円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
これに対し,被告らは,上記の支出は選挙期間前の業務に対するものであると主張するが,これを裏付ける的確な証拠はないから,被告らの主張は採用することができない。
ケ 事務所費(総番号487)
弁論の全趣旨によれば,B31議員の平成23年8月分の事務所費の2分の1に当たる金額3万5000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
そして,上記の支出は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)コで説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の支出については,経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出した金額の差額である1万1666円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
コ 事務費(総番号488ないし508)
弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z2団体は,平成23年4月分から同年8月分までの会派控室における電話料金,セキュリティソフトの代金合計12万5727円を政務調査費から支出したことが認められる。
電話及びインターネットは,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的で使用することが可能であるから,一般的,外形的に,電話料金及びセキュリティソフトの代金は,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。ところが,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出については,経費全体の2分の1を超える金額の合計6万2859円(別紙6の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z2団体の不当利得に当たる。
なお,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)で説示したとおりである。
(4)  補助参加人Z3市議団
ア 調査研究費(旅費条例に基づく旅費。総番号509ないし515)
原告は,旅費条例に基づいて支出された旅費のうち実費との差額である1割が違法であると主張するが,これを採用することができないことは,上記1(2)で説示したとおりである。
イ 調査研究費(駐車場代,ガソリン代。総番号516ないし566)
原告は,同調査研究費につき,その実態が不明であること,選挙期間中の支出であることから,その全額が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B33議員(以下「B33議員」という。)の調査研究費(総番号516ないし524,534,537ないし552)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) B33議員は,平成23年8月19日から同月27日までの間に,市民から相談を受けるために個人宅や事業者等を訪問し,その際のガソリン代合計7067円及び同月27日の駐車場代300円が政務調査費から支出された。(丙D1,3,弁論の全趣旨)
(b) B33議員は,平成23年4月7日から同年8月3日までの間に,市民からの相談を受けるために個人宅や病院等を訪問し,その際のタクシー代合計3万1960円が政務調査費から支出された。(丙D5,弁論の全趣旨)
(c) 平成23年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であったが,B33議員は同選挙に立候補しなかった。(弁論の全趣旨)
b まず,上記(a)の経費は選挙期間中の議員の活動に対するものであるところ,当該議員が選挙に立候補していない場合,選挙期間後に同議員が議会活動を行うことは予定されておらず,仮に選挙期間中に調査研究活動を行っても,その成果をその後の議会活動に反映させることは一般的には困難であるから,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実であると解される。
そうすると,被告らにおいて当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法であると判断するのが相当である。
ところが,被告らにおいて,上記ガソリン代及び駐車場代の支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
次に,上記(b)のタクシー代について検討すると,タクシーは,その性質上,調査研究活動の目的に限られず,幅広い目的のために使用することが可能なものであり,また,タクシーで訪問した先で市民から相談を受けることは,政治活動,後援会活動の側面を有するものであるから,上記タクシー代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記タクシー代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。なお,被告らは,平成23年4月27日のタクシー代(総番号538)について,仙台市l区の団地の地盤崩落状況の視察に参加するためにタクシーを利用したものと主張するが,これを客観的に裏付ける証拠はなく,同事実を認めるに足りない。
そうすると,上記(a)の支出については経費の全額,上記(b)の支出については経費全体の2分の1を超える金額,合計2万3347円(別紙7の一覧表の中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,上記(b)のタクシー代につき,その必要性が不明であるからその支出額の全額が違法であると主張するが,タクシー代のように調査研究活動とそれ以外の活動とに利用されることが推認される経費に対する政務調査費からの支出について,当該経費の2分の1を超えてその全額が違法であると判断するためには,原告において,上記経費の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を主張立証する責任があると解される。
ところが,本件では,B33議員が上記タクシーを専ら調査研究活動以外の目的で使用したなど,上記タクシー代の全部について調査研究活動との合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在を認めるに足りる証拠はないから,上記タクシー代のうち経費全体の2分の1を超えない金額については,本件使途基準に合致しない違法な支出であるとは認められない。
(イ) B34議員(以下「B34議員」という。)の調査研究費(総番号525ないし533,535,553)
証拠(丙D2,4,6)及び弁論の全趣旨によれば,B34議員が平成23年8月19日から同月27日までの間に,市民から相談を受けるために個人宅等を訪問し,その際のガソリン代及び駐車場代として,合計1万6288円が政務調査費から支出されたこと,B34議員が同年7月11日に市役所を訪問するためにタクシーを利用し,その代金1050円が政務調査費から支出されたこと,平成23年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であったが,B34議員は同選挙に立候補しなかったことが認められる。
まず,上記ガソリン代及び駐車場代は選挙期間中の活動に対するものであるところ,上記(ア)で説示したとおり,選挙に立候補していない議員が選挙期間中に行った活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実であるから,被告らにおいて当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法と判断される。ところが,被告らにおいて,上記ガソリン代等の支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証していないから,当該支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると認められる。
また,上記タクシー代については,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記タクシー代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうちガソリン代及び駐車場代の全額,タクシー代の2分の1を超える金額,合計1万6813円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B3議員(以下「B3議員」という。)の調査研究費(総番号554ないし566)
証拠(丙D7)及び弁論の全趣旨によれば,B3議員が平成23年4月1日から同年7月30日までの間に,市民相談,会派控室での業務等のために,個人宅や会派控室等を行き来した際のタクシー代として,合計2万3770円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記タクシー代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(ア)で説示したとおりであるところ,上記タクシー代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計1万1885円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
ウ 調査研究費(人件費。総番号567ないし587)
原告は,同調査研究費につき,職員の職務内容が不明であること,選挙期間中の経費も含まれることから,人件費に関する支出の一部が違法な支出であると主張するので,以下検討する。
(ア) 補助参加人Z3市議団の調査研究費(総番号567ないし576)
弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z3市議団は,常勤職員2名を雇用し,平成23年4月分から同年8月分までの人件費として,合計86万円を政務調査費から支出したこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記の人件費のうち同年8月分のものは選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
被告らは,上記常勤職員2名は会派雇用の政務調査補助員であり,会派の調査研究活動の補助業務にのみ従事していると主張するが,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記人件費に関する各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの人件費については,その2分の1を超える金額を政務調査費から支出した場合には,本件使途基準に合致しない違法な支出となる。
また,平成23年8月分の人件費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の支出については経費全体の3分の1を超える金額,合計45万6666円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
なお,被告らは,上記職員のうち1名は会派控室において調査研究活動のみに従事しているから按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)で説示したとおりである。
(イ) B33議員の調査研究費(総番号577ないし582)
弁論の全趣旨によれば,平成23年5月7日から同年8月3日までの間にB33議員が雇用した非常勤職員の人件費として,合計4万8000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
被告らは,上記職員は政務調査補助員であり,主に被災地における調査活動の補助業務を行っていたと主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2万4000円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B3議員の調査研究費(総番号583ないし587)
証拠(丙D10)及び弁論の全趣旨によれば,B3議員が雇用した非常勤職員の,平成23年4月から同年7月までの各月25日の勤務(ポスティング)に対する人件費合計4万円及び同年8月25日の勤務に対する人件費1万円が政務調査費から支出されたこと,同年8月19日から同月28日までは仙台市議会議員選挙の選挙期間であったことが認められる。
被告らは,上記の職員は政務調査補助員であり,主に被災地における調査活動の補助業務を行っていたと主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月25日の人件費は選挙期間中の活動のものであり,その場合,上記(1)ケ(イ)で説示したとおり,被告らにおいて,当該支出により市政に関する具体的な調査研究活動が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該支出は本件使途基準に合致せず違法と判断されるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月から同年7月までの支出については,経費全体の2分の1を超える金額,同年8月の支出については,少なくとも原告の主張する金額である7500円,合計2万7500円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
エ 資料作成費,広報広聴費,人件費(広報紙,ホームページの作成費用,市民相談の際の茶菓代等。総番号588ないし617,619ないし680)
原告は,上記各経費につき,その実態が不明であること,調査研究活動以外の目的を有すること,選挙期間中の経費も含まれることから,支出の全部又は一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) 補助参加人Z3市議団の資料作成費,広報広聴費(総番号588ないし604)
証拠(丙D19の1,19の2,20の1,20の2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z3市議団は,平成23年4月から同年8月までの間,同会派の活動,仙台市議会における質疑の内容及び被災者支援情報等を記載した「●●」という名称の広報紙の作成及び交付費用並びに議会資料作成のための人件費の合計101万0036円,同会派のホームページの更新料の合計15万3150円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記各経費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されることは,上記(1)エ(ア),ケ(ア)及び(2)オ(ク)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,上記各経費のうち平成23年8月のものは選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月から同年7月までの支出については,経費全体の2分の1を超える金額,同年8月の支出については,経費全体の3分の1を超える金額,合計59万6697円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(イ) B33議員の広報広聴費(総番号605ないし617,619ないし621)
証拠(丙D8)及び弁論の全趣旨によれば,B33議員の発行した補助参加人Z3市議団及び同議員の活動等を記載した「▲▲」という名称の広報紙に関する作成及び交付費用として,合計29万2930円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計14万6463円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B34議員の広報広聴費(総番号622ないし624)
証拠(丙D9)及び弁論の全趣旨によれば,B34議員の行った,平成23年5月22日,同年6月19日及び同月30日の市民相談に関するコーヒー代等合計4132円が政務調査費から支出されたことが認められる。
集会等に伴う飲食に関する経費は,食事が提供された集会等が調査研究活動の一環として行われ,かつ,支出された金額が社会通念上相当な範囲内にあれば,政務調査費から支出することが許されることは,上記(1)ク(ア)で説示したとおりである。
そして,上記認定事実によれば,B34議員がコーヒー代等を支出した市民相談は調査研究活動の一環として行われたものであり,その金額としても社会通念上相当な範囲内にあると認められる。
もっとも,上記のような市民相談は,その性質上,政党活動,後援会活動としての側面も有するから,一般的,外形的な事実から,上記経費は調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されるところ,上記経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2066円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(エ) B3議員の広報広聴費(総番号625ないし641)
証拠(丙D10,22,23の1,23の2,23の3)及び弁論の全趣旨によれば,B3議員が開催した震災関連や市政の相談会における茶菓代(1回当たり580円ないし2992円),同議員の活動等が記載された「B3レポート」という名称の広報紙の作成及び交付費用並びに同議員のホームページの更新料の合計24万1703円が政務調査費から支出されたことが認められる。
まず,B3議員が茶菓代を支出した市政等の相談会は調査研究活動の一環として開催されたものであり,また,その金額としても社会通念上相当な範囲内にあると認められる。
もっとも,上記のような市政等の相談会は,その性質上,政党活動,後援会活動としての側面も有するから,そのような相談会に伴う上記茶菓代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記茶菓代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,上記のような広報紙の作成及び交付費用やホームページ更新料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)及び(2)オ(ク)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
さらに,上記各経費のうち平成23年8月のものは選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月から同年7月までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,平成23年8月の支出については経費全体の3分の1を超える金額,合計12万5850円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(オ) B35議員(以下「B35議員」という。)の広報広聴費(総番号642ないし650)
証拠(丙D11,24)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年4月から同年7月までの間にB35議員が雇用した非常勤職員の人件費,被災者支援情報や会派及び同議員の活動等を記載した「B35 NEWS LETTER」という名称の広報紙の作成及び交付費用,合計22万7210円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような人件費及び広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)ケ(ア)及び(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われておらず,また,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計11万3605円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(カ) B36議員の広報広聴費,人件費(総番号652ないし664,679,680)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) B36議員の市民相談会の際の茶菓代(1回当たり960円ないし3850円)として,合計1万0260円が政務調査費から支出された。(丙D12,弁論の全趣旨)
(b) B36議員が市民に交付した同議員の活動等を記載した「B36 The News Letter」という名称の広報紙について,平成23年6月から同年7月までの間にその作成及び交付費用(人件費を含む。)合計19万3425円,同年8月22日に同広報紙の交付費用8万7160円が政務調査費から支出された。同月の広報紙は,選挙期間中に市民に交付された。(丙D12,21,弁論の全趣旨)
(c) B36議員の平成23年4月分から同年8月分までのホームページ更新料として,合計5万円が政務調査費から支出された。(丙D12,21,弁論の全趣旨)
b 茶菓代について
上記認定事実によれば,B36議員が茶菓代を支出したのは市民相談会であって調査研究活動の一環として行われたものであり,その金額も社会通念上相当な範囲内にあると認められる。
もっとも,上記のような市民相談会に伴う茶菓代は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記エ(エ)で説示したとおりであるところ,上記茶菓代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5130円(別紙7の一覧表中の総番号655,657,659,662に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
c 広報紙の作成及び交付費用(人件費を含む。)について
上記のような広報紙の作成及び交付費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
さらに,平成23年8月22日の上記交付費用は選挙期間中のみにおいて利用されたことが認められるから,被告らにおいて,当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,当該経費全体が本件使途基準に合致しないと判断されるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年7月までの経費についてはその2分の1を超える金額の合計9万6712円,同年8月22日の経費についてはその全額である8万7160円(別紙7の一覧表中の総番号654,658,660,664,679,680に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
d ホームページ更新料について
ホームページ更新料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(2)オ(ク)で説示したとおりであるところ,上記ホームページ更新料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分のホームページ更新料は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりである。この点に関し,補助参加人Z3市議団は同議員のホームページ写し(丙D21)を提出しているところ,これによると,B36議員のホームページは上記選挙期間中においても市政に関する情報を市民に広報する調査研究活動の側面を有していたことが推認されるから,同月分のホームページ更新料の2分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないと判断されるにとどまる。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2万5000円(別紙7の一覧表中の総番号652,653,656,661,663に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(キ) B37議員(以下「B37議員」という。)の広報広聴費(総番号667ないし671)
証拠(丙D13,26)及び弁論の全趣旨によれば,B37議員の平成23年4月分から同年8月分までのホームページ更新料として,合計10万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
ホームページ更新料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(2)オ(ク)で説示したとおりであるところ,上記ホームページ更新料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分のホームページ更新料は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりである。この点に関し,同補助参加人は同議員のホームページ写し(丙D26)を提出しているところ,これによると,同議員のホームページは上記選挙期間中においても市政に関する情報を市民に広報する調査研究活動の側面を有していたことが推認されるから,同月分のホームページ更新料の2分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないと判断されるにとどまる。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5万円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(ク) B38議員の広報広聴費(総番号672ないし676)
証拠(丙D14)及び弁論の全趣旨によれば,B38議員の平成23年4月分から同年8月分までのホームページ更新料として,合計10万5000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
ホームページ更新料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(2)オ(ク)で説示したとおりであるところ,上記ホームページ更新料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分のホームページ更新料は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の支出については経費全体の3分の1を超える金額,合計5万6000円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(ケ) B39議員(以下「B39議員」という。)の広報広聴費(総番号677,678)
証拠(丙D15)及び弁論の全趣旨によれば,B39議員が発行した,東日本大震災の被害状況,同議員の活動等が記載された「B39通信」という名称の広報紙の作成及び交付費用として,合計18万2710円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記の広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成及び交付費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計9万1355円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
オ 事務費(総番号681ないし704,706,707)
原告は,同事務費につき,調査研究活動以外の目的も併存すること,選挙期間中の経費も含まれることから,支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) 補助参加人Z3市議団の事務費(総番号681ないし704)
弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z3市議団は,会派控室のプリンター,印刷機及びノートパソコンの利用料やリース代として,合計86万2896円を政務調査費から支出したことが認められる。
プリンター,印刷機及びノートパソコンは,その性質上,調査研究活動に限られず,幅広い目的に適宜使用されることからすると,これらの機器の利用料やリース料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記利用料等に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計43万1444円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(イ) B36議員及びB37議員の事務費(総番号706,707)
証拠(丙D17,18)及び弁論の全趣旨によれば,B36議員の平成23年8月分の携帯電話料金の2分の1である5740円,B37議員の同月分のインターネット料金3265円が政務調査費から支出されたことが認められる。
電話料金及びインターネット料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)オ(ア)で説示したとおりであるところ,上記携帯電話料金等に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分の携帯電話料金及びインターネット料金は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,B36議員の上記携帯電話料金については少なくとも原告の主張する金額である1435円,B37議員のインターネット料金については経費全体の3分の1を超える金額である2176円(別紙7の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z3市議団の不当利得に当たる。
(5)  補助参加人Z7市議団
ア 調査研究費(ガソリン代。総番号708ないし711)
(ア) 原告は,同調査研究費(ガソリン代)につき,選挙期間中の支出であるから,支出の全額が違法であると主張するので,以下検討する。
(イ) 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a B5議員(以下「B5議員」という。)は,遅くとも平成19年頃から,防災対策として防災資機材倉庫を設置する活動に取り組んできたところ,平成23年8月20日,仙台市c区m地区を訪問し,n公園に設置された防災倉庫の状況の確認及び今後の要望の聴取を行い,その際に使用した自動車のガソリン代として296円が政務調査費から支出された。(丙E20の1ないし20の8,弁論の全趣旨)
b B5議員は,平成23年8月21日,仙台市内の特別養護老人ホームo苑における地域開放イベント及び仙台市c区p地区のq商店会のイベントを視察し,その際に使用した自動車のガソリン代として2072円が政務調査費から支出された。(丙E21の1ないし21の6,弁論の全趣旨)
c B5議員は,平成23年8月23日,仙台市c区r地区を訪問し,用水路の修復,整備に関する手続について,仙台市の担当者とともに,市民の要望を聴取し,その際に使用した自動車のガソリン代として444円が政務調査費から支出された。(丙E22の1ないし22の4,弁論の全趣旨)
d B5議員は,平成23年8月24日,地下鉄東西線関連p地区まちづくり研究会に参加し,その際に使用した自動車のガソリン代として296円が政務調査費から支出された。上記研究会において,仙台市営地下鉄東西線のs駅周辺のまちづくりの調査,研究の報告が行われた。(丙E2,23,弁論の全趣旨)
e 平成23年8月19日から同月28日までの10日間は,仙台市議会議員選挙の選挙期間であった。B5議員は同選挙に立候補した。(弁論の全趣旨)
(ウ) 上記認定事実によれば,上記(イ)aないしdのガソリンは,いずれも選挙期間中の活動に使用されたものであるところ,上記(1)ケ(イ)で説示したとおり,選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実というべきであるから,被告らにおいて当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証する必要がある。
これに関し,被告らは,上記ガソリン代の全額が調査研究活動として使用されたものであると主張するところ,上記認定事実によれば,B5議員が,議員の活動として取り組んできた防災資機材倉庫の設置の状況,地域のイベント及び用水路の修復といった地域の状況の各調査並びに地下鉄東西線の駅周辺のまちづくりの調査研究を現に行ったことを客観的資料に基づいて認定することができる上に,その際に自動車による移動に要した分だけのガソリン代を政務調査費から支出したことが認められる。
そうすると,上記(イ)aないしdの活動に関するガソリン代の政務調査費からの各支出は,いずれも本件使途基準に合致しない違法な支出ということはできず,補助参加人Z7市議団の不当利得には当たらない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
イ 資料作成費(ホームページ管理料。総番号712ないし716)
原告は,同資料作成費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える金額が違法であると主張するので,以下検討する。
証拠(丙E3)及び弁論の全趣旨によれば,B5議員の平成23年4月分から同年8月分までのホームページ管理料として,合計1万円が政務調査費から支出されたことが認められる。
議員のホームページは,その性質上,市政に関する情報を市民に広報する側面とともに,議員,会派の活動及び調査結果を市民に報告することによって支援者を獲得,保持するなどの政治活動,後援会活動としての側面も有すると推認されるから,議員のホームページの作成,更新や管理のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められる。
ところが,上記ホームページ管理料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5000円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
ウ 資料購入費(雑誌等の購読料。総番号717ないし728)
原告は,同資料購入費につき,任期以後の支出も含まれることから,支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B5議員の資料購入費(総番号717ないし724)
弁論の全趣旨によれば,B5議員の購読した,「月刊自治研」と題する雑誌及び仙台国際交流協会発行の月報の平成23年4月分から平成24年3月分までの購読料,「社会新報」,「月刊社会民主」,「まなぶ」,「月刊労働組合」,「イオ」,「統一評論」及び「月刊社会主義」と題する雑誌の平成23年4月分から同年9月分までの購読料全額と「りらく」と題する雑誌の同年5月分から同年9月分までの購読料の2分の1の額,合計3万4810円が政務調査費から支出されたことが認められる。
議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られ,任期以降の期間に係る経費に対する支出は本件使途基準に合致せず違法と判断されることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記各購読料のうち平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり,「月刊自治研」,仙台国際交流協会発行の月報に関しては経費全体の12分の5を超える金額,「社会新報」,「月刊社会民主」,「まなぶ」,「月刊労働組合」,「イオ」,「統一評論」及び「月刊社会主義」と題する雑誌に関しては経費全体の6分の5を超える金額,「りらく」と題する雑誌に関しては経費全体の5分の4を超える金額,合計9301円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(イ) B40議員(以下「B40議員」という。)の資料購入費(総番号725,726)
弁論の全趣旨によれば,B40議員の購入した「月刊自治研」と題する雑誌の平成23年4月分から平成24年3月分までの購読料及び「週刊金曜日」と題する雑誌の半年分の購読料の合計1万9560円が政務調査費から支出されたこと,「週刊金曜日」と題する雑誌の購読料の6分の5に当たる金額はB40議員の任期以後の支出であることが認められる。
議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られ,任期以降の期間に係る経費に対する支出は本件使途基準に合致せず違法と判断されることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記各購読料のうち平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり,「月刊自治研」と題する雑誌に関しては経費全体の12分の5を超える金額,「週刊金曜日」と題する雑誌に関しては経費全体の6分の1を超える金額,合計1万4350円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B41議員(以下「B41議員」という。)の資料購入費(総番号727)
弁論の全趣旨によれば,B41議員の購入した「月刊自治研」と題する雑誌の平成23年4月分から平成24年3月分までの購読料7800円が政務調査費から支出されたことが認められる。
議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られ,任期以降の期間に係る経費に対する支出は本件使途基準に合致せず違法と判断されることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記購読料のうち平成23年9月分以降の購読料に当たる部分,つまり経費全体の12分の5を超える金額である4550円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(エ) B42議員(以下「B42議員」という。)の資料購入費(総番号728)
弁論の全趣旨によれば,B42議員が購入した「労働新聞」の半年分の購読料5400円が政務調査費から支出されたこと,上記購読料の6分の5に当たる部分はB42議員の任期以後の支出であることが認められる。
議員が年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られ,任期以降の期間に係る経費に対する支出は本件使途基準に合致せず違法と判断されることは,上記(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記購読料のうち平成23年9月以降の購読料に当たる部分,つまり経費全体の6分の1を超える金額である4500円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
エ 広報広聴費(会場使用料,飲食代等。総番号729ないし740)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B9議員(以下「B9議員」という。)の広報広聴費(総番号729)
弁論の全趣旨によれば,B9議員が市民に対する議会報告を行うための会場使用料として,5000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような会場使用料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)ク(ア)で説示したとおりであるところ,上記会場使用料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である2500円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(イ) B5議員の広報広聴費(総番号730ないし740)
証拠(丙E24)及び弁論の全趣旨によれば,B5議員が開催した市民に対する議会報告会及び市政相談会の会場使用料,飲食代及び茶菓代として,合計5万3400円(このうち飲食代と茶菓代は併せて,1人当たり250円ないし270円)が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような会場使用料は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)ク(ア)で説示したとおりであるところ,上記会場使用料に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,飲食代,茶菓代については,食事等が提供された集会等が調査研究活動の一環として行われ,かつ,支出された金額が社会通念上相当な範囲内であれば,政務調査費から支出することが許されることは,上記(1)ク(ア)で説示したとおりであるところ,上記認定事実によれば,B5議員が飲食代及び茶菓代を支出した集会等は市民に対する議会報告会や市政相談会であって調査研究活動の一環として行われており,また,その金額としても社会通念上相当な範囲内にあると認められる。
もっとも,上記のような集会等は,後援会活動,政治活動としての側面も有していることから,集会等における飲食代や茶菓代も,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められるところ,上記飲食代及び茶菓代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
したがって,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2万6700円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
オ 人件費(総番号741ないし785)
原告は,同人件費につき,調査研究活動以外の目的も併存すること,選挙期間中の経費も含まれることから,支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) 補助参加人Z7市議団の人件費(総番号741ないし746)
証拠(丙E4の1ないし4の10)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7市議団は会派控室業務に従事する常勤職員を1名雇用したこと,同補助参加人は,職員雇用費交付規則1条及び2条に基づき,仙台市から職員雇用費として月額11万0400円(平成23年6月には夏期一時金8万6400円が加算)の交付を受けていたこと,同補助参加人は,上記常勤職員の人件費として,平成23年4月分から7月分までの給与については,上記職員雇用費から月額11万0400円を支出した上で,残りの人件費として,平成23年4月に4万4930円,同年5月に4万6930円,同年6月に4万5930円,同年7月に4万4930円,同年8月に4万4930円を政務調査費から支出したこと,夏期一時金については,上記職員雇用費から8万6400円を支出した上で,同年6月に残りの人件費として6万0800円を政務調査費から支出したこと,同年8月19日から同月28日までの10日間は仙台市議会議員選挙の選挙期間であり,上記人件費のうち8月分のものは選挙期間中の職務に対するものも含まれることが認められる。
そして,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの人件費(同年6月分は夏期一時金も含む。)については,その合計金額(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の2分の1に当たる金額を超えて政務調査費から支出することは本件使途基準に合致せず違法となるが,本件では,補助参加人Z7市議団は上記の合計金額の2分の1に満たない金額を政務調査費から支出しているにすぎないから,これに関する原告の主張は理由がない。
また,平成23年8月分の人件費は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,平成23年8月分の人件費については,その合計金額15万5330円(職員雇用費から支出した額と政務調査費から支出した額の合計)の3分の1に当たる金額を超えて政務調査費から支出することは本件使途基準に合致せず違法となるが,本件では,補助参加人Z7市議団は上記の合計金額の3分の1に満たない金額を政務調査費から支出しているにすぎないから,これに関する原告の主張は理由がない。
なお,原告は,職員雇用費を調査研究活動以外の経費に優先して充当することはできないから,政務調査費から支出した金額をさらに按分すべきと主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)ケ(コ)で説示したとおりである。
(イ) B9議員の人件費(総番号747ないし750)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) 平成23年4月30日,B9議員の雇用した非常勤職員の人件費1万2800円が政務調査費から支出された。上記非常勤職員は,B9議員の議会活動報告等が記載された「B9議会報告書」という名称の広報紙の作成及びその他事務を行った。(丙E5の1,弁論の全趣旨)
(b) 平成23年5月10日,B9議員の雇用した非常勤職員の人件費1万2000円が政務調査費から支出された。上記非常勤職員は,上記広報紙のポスティング及び事務整理を行った。(丙E5の2,弁論の全趣旨)
(c) 平成23年7月10日,B9議員の雇用した非常勤職員26名の人件費4万1600円が政務調査費から支出された。上記非常勤職員らは,同日の午後1時から3時までの間,上記広報紙の発送作業を行った。(丙E5の3,弁論の全趣旨)
(d) 平成23年7月20日,B9議員の雇用した非常勤職員の人件費1万4400円が政務調査費から支出された。上記非常勤職員は,上記広報紙の作成及びその他事務を行った。(丙E5の4,弁論の全趣旨)
b 上記非常勤職員らのうち,平成23年4月30日(上記a(a)),同年5月10日(上記a(b))及び同年7月20日(上記a(d))の職員に関しては,上記認定事実のとおり,議会活動報告等のための広報紙の作成及び交付以外の作業も行っていることが認められる上,その作業に従事した割合について被告らから客観的資料に基づく立証はない。また,平成23年7月10日(上記a(c))の支出については,上記非常勤職員らが作業に従事した時間が短いことに照らすと,議会活動報告等のための広報紙の発送作業のみに従事したものと推認されるが,上記のような広報紙の作成や交付のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記の人件費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計4万0400円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B5議員の人件費(総番号751ないし760)
a 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) B5議員は,平成23年4月6日,東日本大震災による被害状況に関し,仙台市t区及びu区の現地調査を行い,その際に使用した自動車の運転作業代として,4000円が政務調査費から支出された。(丙E6の2,25の1,弁論の全趣旨)
(b) B5議員は,平成23年4月9日,宮城県塩竃市を訪問し,東日本大震災で被災したマリンゲートその他塩竃市商業施設の復旧状況を調査した。(丙E6の3,25の1,弁論の全趣旨)
(c) B5議員は,平成23年4月24日,福島県福島市等を訪問し,東日本大震災における福島第1原子力発電所の事故に対する各自治体の取組状況等の聞き取りを行った。(丙E6の3,25の4,25の5,弁論の全趣旨)
(d) B5議員は,平成23年4月25日,宮城県気仙沼市等を訪問し,気仙沼市役所,気仙沼市立病院等において,東日本大震災による被害状況等の聞き取りを行った。(丙E6の4,25の7,25の8,弁論の全趣旨)
(e) B5議員は,平成23年4月26日,宮城県亘理郡v町等を訪問し,東日本大震災による被害状況等の聞き取りを行った。(丙E6の4,25の9,25の10,弁論の全趣旨)
(f) B5議員は,平成23年4月29日,東日本大震災による被害状況に関し,宮城県黒川郡w町等を訪問して現地調査を行った。(丙E6の3,25の1,弁論の全趣旨)
(g) 上記(b)ないし(f)の活動の際に使用した自動車の運転作業代として,合計2万6000円が政務調査費から支出された。(丙E6の3,6の4)
(h) B5議員は,平成23年5月1日,宮城県塩竃市を訪問し,東日本大震災による被害状況及び自治体の支援状況の聞き取りを行った。(丙E6の5,25の11,弁論の全趣旨)
(i) B5議員は,平成23年5月5日,宮城県柴田郡x町を訪問し,東日本大震災による被害状況の聞き取りを行った。(丙E6の5,25の11,弁論の全趣旨)
(j) B5議員は,平成23年5月22日,福島県会津若松市等を訪問し,東日本大震災による風評被害等に関する聞き取りを行った。(丙E6の5,25の13ないし25の16)
(k) 上記(h)ないし(j)の活動に使用した自動車に関する平成23年5月分の運転作業代として,合計1万1600円が政務調査費から支出された。(丙E6の5,25の12)
(l) B5議員は,平成23年8月6日,東日本大震災による被害状況に関し,仙台市c区e地区等を訪問して現地調査を行い,その際に使用した自動車の運転作業代として,6400円が政務調査費から支出された。(丙E6の6,25の17,25の18,弁論の全趣旨)
(m) B5議員の雇用した非常勤職員が平成23年4月1日から同年8月9日までの間に事務作業に従事し,同年4月分から同年8月分までの人件費として,合計14万5200円が政務調査費から支出された。(丙E6の7ないし6の11)
b 事務作業に関する人件費について
上記(1)ケ(ア)で説示したとおり,人件費については,会派及び議員に雇用されているという一般的,外形的な事実から調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されるものであり,被告らにおいて,雇用している職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合を客観的資料に基づいて立証した場合には,その全額又は当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許され,その立証をしない場合には,人件費の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるが,その額を超えて支出することは許されず,人件費の2分の1を超える額が本件使途基準に合致しない違法な支出になると判断するのが相当である。
しかるところ,上記a(m)の非常勤職員の具体的な職務内容は明らかではなく,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の事務作業に関する支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計7万2600円(別紙8の一覧表中の総番号754,755,757,758,759に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,上記職員の平成23年8月分の人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれると主張するが,証拠(丙E6の11)及び弁論の全趣旨によれば,上記職員の同月分の人件費として政務調査費から支出された部分に対応する同職員の勤務日は同月1日から同月9日までであり,仙台市議会議員選挙の選挙期間(同月19日から同月28日まで)を含まないことが認められるから,原告の上記主張は採用することができない。
c 運転作業代について
上記認定事実によれば,上記のとおり運転作業代が支給された職員は,B5議員が使用した自動車の運転作業のみに従事したことが認められる上に,上記運転作業を利用してB5議員が行った活動は専ら調査研究活動としての目的及び性質を有する東日本大震災による被害状況に関する調査であり,政治活動や後援会活動の側面を有するとは認められない。
そうすると,上記運転作業代については,調査研究活動との合理的関連性のないことを示す一般的,外形的な事実の存在は認められないから,原告の主張は理由がない。
(エ) B40議員の人件費(総番号761ないし765)
証拠(丙E7の1ないし7の10)及び弁論の全趣旨によれば,B40議員の雇用した非常勤職員の平成23年4月分から同年8月分までの人件費として,合計10万8800円が政務調査費から支出されたことが認められる。
ところで,上記職員の業務内容については,その領収書においては政務調査他事務補助と,非常勤雇用管理簿においては事務補助と記載されているだけであって,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証が行われたとはいえない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5万4400円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,上記の各支出のうち,平成23年8月分の人件費は選挙期間中の業務に対するものも含まれると主張するが,証拠(丙E7の5,7の10)及び弁論の全趣旨によれば,同年8月に上記職員の人件費として政務調査費から支出された部分に対応する同職員の勤務日は同月3日及び同月4日であり,仙台市議会議員選挙の選挙期間(同月19日から同月28日まで)を含まないことが認められるから,原告の上記主張は採用することができない。
(オ) B43議員(以下「B43議員」という。)の人件費(総番号766ないし770)
証拠(丙E8の1ないし8の10)及び弁論の全趣旨によれば,B43議員が雇用した非常勤職員の平成23年4月分から同年8月分までの人件費として,合計7万6000円が政務調査費から支出されたことが認められる。
ところで,上記職員の業務内容については,その領収書においては事務補助と,非常勤職員勤務確認表においては事務補助や運転と記載されているだけであって,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証が行われたとはいえない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計3万8000円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
これに対し,原告は,上記の各支出のうち,平成23年8月分の人件費は選挙期間中の職務に対するものも含まれると主張するが,証拠(丙E8の10)及び弁論の全趣旨によれば,同年8月に上記職員の人件費として政務調査費から支出された部分に対応する同職員の勤務日は同月4日から同月16日までであり,仙台市議会議員選挙の選挙期間(同月19日から同月28日まで)を含まないことが認められるから,原告の上記主張は採用することができない。
(カ) B41議員の人件費(総番号771ないし778)
証拠(丙E9の1ないし9の12)及び弁論の全趣旨によれば,B41議員の雇用した非常勤職員の平成23年4月分から同年7月分までの人件費として,合計11万6680円が政務調査費から支出されたことが認められる。
ところで,上記職員の業務内容については,その領収書においてはアルバイト代,ポスティング代と,非常勤職員管理簿においては事務所対応,調査補助,広報補助等と記載されているだけであって,その具体的な職務内容は明らかではなく,上記職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証が行われたとはいえない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計5万8340円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(キ) B42議員の人件費(総番号779ないし785)
証拠(丙E10の1ないし10の5)及び弁論の全趣旨によれば,B42議員のホームページの修正作業代3回分に関する人件費,同議員が雇用した非常勤職員の平成23年4月分から同年6月分までの人件費として,合計6万8600円が政務調査費から支出されたことが認められる。
まず,ホームページ修正作業代については,その1回当たりの金額が3000円ないし5000円と少額であることに照らすと,ホームページの修正作業に従事した者がそれ以外の活動に従事したとは認められないものの,会派や議員のホームページの作成,更新や管理のための費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(2)オ(ク)で説示したとおりである。
ところが,上記ホームページ修正作業代に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
次に,上記非常勤職員の人件費については,その具体的な職務内容は明らかではなく,同職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の各支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計3万4300円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
カ 事務所費,事務費(総番号786ないし873)
原告は,上記事務所費及び事務費につき,調査研究活動以外の目的も併存すること,選挙期間中の支出も含まれることから,支出の一部が違法であると主張するので,以下検討する。
(ア) B9議員の事務所費,事務費(総番号786ないし790,854ないし858)
証拠(丙E11の1ないし11の5,16の1ないし16の6)及び弁論の全趣旨によれば,B9議員の事務所について,平成23年4月分の賃料及び電気料金の合計6万3403円より後援会から支給された3万円を控除した3万3403円,同年5月分の賃料,電気料金,ガス料金及び水道料金の合計7万4524円より後援会から支給された3万円を控除した4万4524円,同年6月分の賃料,電気料金及びガス料金の合計6万6253円より後援会から支給された3万円を控除した3万6253円,同年7月分の賃料,電気料金,ガス料金及び水道料金の合計7万1067円より後援会から支給された3万円を控除した4万1067円及び同年8月分の賃料,電気料金及びガス料金の合計6万9016円より後援会から支給された3万円を控除した3万9016円が政務調査費から支出されたこと,平成23年4月分から同年8月分までのコピー機リース代及び電話料金(同年5月分にはコピー機トナー代も含む。)合計10万9759円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような事務所を維持管理するための諸費用,複写等の経費及び電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)コ,(2)ウ(エ)及び(1)オ(ア)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,上記各経費のうち平成23年8月分のものは選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,同月分の経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの各月分の上記各経費に対する支出については,当該経費の合計金額(後援会から支給された3万円を控除する前の金額)の2分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出された金額の差額,同年8月分の支出については当該経費の合計金額(後援会から支給された3万円を控除する前の金額)の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出された金額の差額,合計9万1458円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(イ) B40議員の事務所費,事務費(総番号791ないし802,859ないし863)
証拠(丙E12の1ないし12の8,17の1,17の2)及び弁論の全趣旨によれば,B40議員の事務所について,平成23年4月分から同年8月分までの賃料,電気料金,水道料金及びコピー機のリース代合計33万7967円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような事務所を維持管理するための諸費用及び複写等の経費は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)コ及び(2)ウ(エ)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,上記各経費のうち平成23年8月分のものは選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の支出については経費全体の3分の1を超える金額,合計18万0042円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(ウ) B41議員の事務所費,事務費(総番号803ないし818,864ないし867)
証拠(丙E13の1ないし13の17,18の1ないし18の4)及び弁論の全趣旨によれば,B41議員の事務所について,平成23年3月分から同年7月分までの賃料,電気料金,ガス料金,駐車場代及び複合機のリース代合計30万4315円,同年8月分の賃料及び駐車場代の2分の1の金額の合計3万7552円,同年9月分の賃料7万円及び駐車場代5105円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記のような事務所を維持管理するための諸費用や複写,印刷等に要する費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)コ,(2)ウ(エ)及び(4)オ(ア)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,上記各経費のうち平成23年8月分のものは選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
さらに,平成23年9月分の賃料及び駐車場代に対する政務調査費からの支出については,議員の年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることから,本件使途基準に合致せず違法な支出と判断されることは,(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年3月分から同年7月分までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の支出については経費全体の3分の1に当たる金額と実際に政務調査費から支出された金額の差額,同年9月分の賃料及び駐車場代に対する支出については少なくとも原告が主張する金額(5万6328円),合計22万0999円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(エ) B42議員の事務所費(総番号819ないし836,868ないし873)
証拠(丙E14の1ないし14の4,19の1ないし19の6)及び弁論の全趣旨によれば,B42議員の事務所について,平成23年4月分から同年8月分までの賃料,電気料金,ガス料金,水道料金及び電話料金合計32万2840円,同年8月分から平成24年1月分までのNHK受信料7650円が政務調査費から支出されたことが認められる。
上記の賃料,電気料金,ガス料金及び水道料金のように事務所を維持管理するための諸費用及び電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)コ及び(1)オ(ア)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分の賃料,電気料金及びガス料金は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
さらに,平成23年9月分以降のNHK受信料に対する政務調査費からの支出については,議員の年度の途中において任期満了となった場合,任期満了までに政務調査費から支出できるのは,任期中の調査研究活動に利用した経費に限られることから,本件使途基準に合致せず違法な支出と判断されることは,(1)カ(ア)で説示したとおりである。
そうすると,上記の各支出のうち,平成23年4月分から同年7月分までの賃料,電気料金,ガス料金,水道料金及び電話料金については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の賃料,電気料金及びガス料金については経費全体の3分の1を超える金額,NHK受信料については同年9月以降の受信料に当たる部分つまり受信料全体の6分の1を超える金額,合計17万8024円(別紙8の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(オ) 補助参加人Z7市議団の事務費(総番号837ないし853)
証拠(丙E15の1ないし15の5)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7市議団は,平成23年4月分から同年8月分までの会派控室に関するインターネットプロバイダ料金,電話料金及びコピー料金合計18万5605円並びに放射能測定器の購入代金9万9500円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記のインターネットプロバイダ料金,電話料金及びコピー料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)オ(ア)及び(2)ウ(エ)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
また,平成23年8月分のインターネットプロバイダ料金,電話料金及びコピー料金は選挙期間中の活動に対するものも含まれるところ,その場合,被告らにおいて,当該支出部分により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,経費全体の3分の1を超える金額が本件使途基準に合致しないことは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
なお,被告らは,会派控室における支出であることを理由に調査研究活動以外の活動に支出していないので按分の必要はない旨主張するが,これを採用することができないことは,上記(1)オ(イ)で説示したとおりである。
次に,弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z7市議団は,東日本大震災での福島第1原子力発電所の事故による県内各地における放射性物質の飛散状況を確認するために上記放射能測定器を購入したことが認められるところ,同機器は,その性質上,放射能測定という調査研究活動の目的にしか使えないものであるから,同機器の購入代金に対する上記支出と調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実の存在は認められず,これに関する原告の主張は理由がない。
そうすると,放射能測定器を除く上記の各支出について,平成23年4月分から同年7月分までの支出については経費全体の2分の1を超える金額,同年8月分の支出については経費全体の3分の1を超える金額,合計9万7435円(別紙8の一覧表中の上記の総番号(ただし,総番号850を除く)に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z7市議団の不当利得に当たる。
(6)  補助参加人Z4
ア 広報広聴費(総番号874)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える分が違法であると主張するので,以下検討する。
証拠(丙F1)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z4は,議会で可決された議案,予算等が記載された「Z4議会レポート」という名称の広報紙を発行し,その作成費用として18万9000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記の支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である9万4500円(別紙9の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z4の不当利得に当たる。
イ 人件費(総番号875ないし898)
原告は,同人件費につき,調査研究活動以外の目的が併存するから,支出の2分の1を超える部分が違法であると主張するので,以下検討する。
人件費については,上記(1)ケ(ア)で説示したとおり,会派及び議員に雇用されているという一般的,外形的な事実から調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認されるものであり,被告らにおいて,雇用している職員が調査研究活動のみに従事したこと又は調査研究活動に従事した割合とそれ以外の活動に従事した割合を客観的資料に基づいて立証した場合には,その全額又は当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許され,その立証をしない場合には,人件費の2分の1を上限として計算した額を政務調査費から支出することは許されるが,その額を超えて支出することは許されず,人件費の2分の1を超える額が本件使途基準に合致しない違法な支出になると判断するのが相当である。
これを本件についてみると,証拠(丙F2,4,5)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z4は,平成23年4月から同年7月までの間,24回にわたり東日本大震災による被災地の被害状況の現地調査を行った際,調査事務補助をさせるために非常勤職員を雇用し,その人件費として合計24万円を政務調査費から支出したことが認められる。
同補助参加人が上記職員に補助させて行った活動は専ら調査研究活動としての目的及び性質を有する東日本大震災による被害状況に関する調査であり,その性質上,支援者を獲得,保持するといった,調査研究活動以外の政治活動,後援会活動としての側面を有するとは認められない。
そうすると,上記人件費については,調査研究活動との合理的関連性のないことを示す一般的,外形的な事実の存在は認められないから,原告の主張は理由がない。
(7)  補助参加人Z5
ア 調査研究費(総番号899)
原告は,旅費条例に基づいて支出された旅費のうち実費との差額である1割が違法であると主張するが,これを採用することができないことは,上記1(2)で説示したとおりである。
イ 調査研究費(ガソリン代。総番号900)
原告は,同調査研究費につき,選挙期間の前日の経費であることから,支出の全額が違法な支出であると主張する。
証拠(丙G1)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z5は,平成23年8月18日に補給したガソリンを選挙期間中に利用し,そのガソリン代の半額を政務調査費から支出したことが認められる,このように選挙期間中の活動に対し政務調査費が支出されているという事実は,当該支出と議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性がないことを示す一般的,外形的な事実というべきであり,この事実が認められた場合,被告らにおいて,当該支出により市政に関する具体的な調査研究が現にされたことを客観的資料に基づいて立証しない限り,本件使途基準に合致せず違法と判断されることは,上記(1)ケ(イ)で説示したとおりであるが,被告らの立証はない。
そうすると,経費の全額である3851円(別紙10の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z5の不当利得に当たる。
ウ 広報広聴費(総番号901)
原告は,同広報広聴費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える分が違法であると主張する。
証拠(丙G2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人Z5は,被災者支援情報等が記載された広報紙を発行し,その作成費用として11万円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記のような広報紙の作成費用は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)エ(ア)で説示したとおりであるところ,上記作成費用に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記支出のうち経費全体の2分の1を超える金額である5万5000円(別紙10の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z5の不当利得に当たる。
エ 事務費(総番号902ないし907)
原告は,同事務費につき,調査研究活動以外の目的も併存するから,支出の2分の1を超える部分は違法であると主張する。
証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,平成23年6月30日,補助参加人Z5は,インターネットプロバイダ料金及び電話料金の合計4万7175円を政務調査費から支出したこと(ただし,上記の電話料金のうち1575円は被告に返還されている。)が認められる。
上記のインターネットプロバイダ料金及び電話料金は,一般的,外形的な事実から,調査研究活動以外の活動にも利用されることが推認される経費であると認められることは,上記(1)オ(ア)で説示したとおりであるところ,上記各経費に関し,調査研究活動のみに利用されたこと又は調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合について,被告らから客観的資料に基づく立証は行われていない。
そうすると,上記支出のうち経費全体の2分の1を超える金額の合計2万2011円(別紙10の一覧表中の上記の総番号に対応する裁判所認容額。既に返還されている1575円を控除したもの。)が,本件使途基準に合致しない違法な支出と認められ,補助参加人Z5の不当利得に当たる。
3  補助参加人らの不当利得の額
以上によれば,本件各支出について,補助参加人らは,被告に対し,別紙2「認容額一覧表」の「相手方」欄に対応する「金額」欄記載の金員の不当利得返還義務を負っているものと認められる。
4  附帯請求について
(1)  遅延損害金の発生の有無
原告は,補助参加人らに対し,主位的に,違法に支出した政務調査費相当額の返還期限とされる日の翌日である平成23年10月1日から,予備的に,①平成23年度の政務調査費の残余額が確定した日から2週間が経過した日の翌日である同年10月15日から,②訴状送達の日の翌日から,③訴訟告知の日の翌日から,補助参加人らが被告に対して負う不当利得返還債務に関する遅延損害金が発生すると主張する。
しかしながら,本件で原告が被告に対し補助参加人らに請求するよう求めているのは,補助参加人らが交付を受けた政務調査費からの本件使途基準に合致しない違法な支出に関する不当利得の返還請求であるところ,本件条例10条1項が会派に対して返還するよう義務付けているものは,政務調査費の残余の清算であって,補助参加人らの不当利得を原因とするものではなく,不当利得返還請求権に基づく本件の請求とは法的性質を異にするものである。そうすると,本件における補助参加人らの不当利得返還債務をもって,本件条例10条1項の定める日を期限とする債務と同視することはできず,上記不当利得返還債務が,政務調査費の残余額相当額の金員の返還期限の翌日(主位的請求)又は平成23年度の政務調査費の残余額が確定した日から2週間が経過した日の翌日(予備的請求①)から遅滞に陥るということはできない。
また,原告が被告に対し請求するよう求めている補助参加人らの不当利得返還債務は,その性質上,期限の定めのない債務であるから,債務者が履行の請求を受けたときから遅滞に陥るところ(民法412条3項),被告に対する訴状送達をもって,被告の補助参加人らに対する同債務の履行請求があったとみることはできないから,訴状送達の日の翌日(予備的請求②)から不当利得返還債務が遅滞に陥るということもできない。
さらに,本件訴訟において,被告は原告の主張する補助参加人らの不当利得返還債務の存在を否認して争っていることからすると,被告から補助参加人らに対し訴訟告知がされたことをもって直ちに同債務の履行請求がされたと認めることはできず,そうすると,訴訟告知の日の翌日(予備的請求③)から不当利得返還債務が遅滞に陥るということもできない。
なお,法242条の2第8項は,同条第1項4号の規定による訴訟が提起された場合,訴訟告知は,当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効の中断に関しては,民法147条1号が規定する請求とみなすと定めているが,同規定は,当該訴訟の実効性を確保するために,対象となる請求権の時効を中断させる必要から特別に設けられたものであって,被告知者を遅滞に陥らせることを目的とするものではないから,上記判断を左右しない。
したがって,原告の上記主張はいずれも理由がない。
(2)  民法704条の法定利息の発生の有無
原告は,違法に支出した政務調査費相当額の金員の返還期限とされる日の翌日である平成23年10月1日から,予備的に,①平成23年度の政務調査費の残余額が確定した日から2週間が経過した日の翌日である同年10月15日から,②訴状送達の日の翌日から,補助参加人らは法定利息の支払義務を負うと主張する。
しかしながら,補助参加人らは,本件各支出について,本件監査請求の結果違法でないとされ,本件訴訟の口頭弁論終結時まで適法な支出であると主張し,被告も同様の主張をしていたことに照らせば,上記各時点において,補助参加人らが本件各支出に係る金員を不当に利得したとの認識を有していたとは認められない。
したがって,補助参加人らが民法704条の悪意の受益者に当たるとは認められず,原告の上記主張はいずれも理由がない。
第4  結論
よって,原告の請求は,被告に対し,別紙2「認容額一覧表」の「相手方」欄記載の者に対して,対応する「金額」欄記載の金員の支払を請求するよう求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却し,主文のとおり判決する。
仙台地方裁判所第3民事部
(裁判長裁判官 大嶋洋志 裁判官 北嶋典子 裁判官 木村洋一)

 

別紙1
当事者目録
仙台市〈以下省略〉
原告 Xオンブズマン
同代表者 A
同訴訟代理人弁護士 高橋輝雄
同 前田大輔
同 山田忠行
同 小野寺信一
同 甫守一樹
同 石上雄介
同 増田隆男
同 松澤陽明
同 吉岡和弘
同 半澤力
同 齋藤拓生
同 十河弘
同 渡部雄介
同 鈴木覚
同 千葉晃平
同 宮腰英洋
同 坂野智憲
同 三浦じゅん
同 下大澤優
同 菊地修
同 野呂圭
同 原田憲
同 宇部雄介
同 吉田大輔
同 宇都彰浩
同 山田いずみ
同 今泉裕光
同 畠山裕太
同 鶴見聡志
同 篠塚功照
仙台市〈以下省略〉
被告 仙台市長 Y
同訴訟代理人弁護士 齊藤幸治
同 須藤力
仙台市〈以下省略〉
被告補助参加人(以下「補助参加人Z1団体」という。) Z1団体
同代表者 B1
同所
被告補助参加人(以下「補助参加人Z2団体」という。) Z2団体
同代表者 B2
同所
被告補助参加人(以下「補助参加人Z3市議団」という。) Z3市議団
同代表者 B3
同所
被告補助参加人(以下「補助参加人Z4」という。) Z4
同所
被告補助参加人(以下「補助参加人Z5」という。) Z5
上記5名訴訟代理人弁護士 北爪賀章
仙台市〈以下省略〉
被告補助参加人(以下「補助参加人Z6団体」という。) Z6団体
同代表者 B4
同訴訟代理人弁護士 官澤里美
同 小向俊和
同所
被告補助参加人(以下「補助参加人Z7市議団」という。) Z7市議団
同代表者 B5
同訴訟代理人弁護士 斉藤睦男
同 阿部弘樹
同 大友健治
同 山田大仁
(以下,上記被告補助参加人7名を併せて「補助参加人ら」という。)
以上

〈以下省略〉

 

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