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「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(8)平成29年10月11日 東京地裁 平28(ワ)38184号 損害賠償請求事件

「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(8)平成29年10月11日 東京地裁 平28(ワ)38184号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成29年10月11日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)38184号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2017WLJPCA10118007

要旨
◆政治団体である原告が、放送事業者である被告のNHK受信料に関する放送により原告の選挙運動や政治活動に大きな被害を受けたとして不法行為による損害賠償を求めた事案において、放送法4条1項各号は放送事業者に対し自律的に放送番組の編集に当たって準拠すべき事項を定めたものと解されるから、同項3号又は4号に抵触することから直ちに不法行為法上違法になるとはいえず、また、放送番組中どのような取材を前提にどのような表現を用いて放送するかについても放送事業者の自律的判断に委ねられるから、意見の対立する問題につき放送する場合に対立意見の取材がされていなくても当該放送が著しく相当性を欠くものでない限り不法行為法上違法とはならず、本件番組の性質、本件放送の内容、意見の対立状況、原告の不利益の程度等を考慮すると本件放送が著しく相当性を欠くとはいえないから不法行為法上違法とはいえないとして、請求を棄却した事例

参照条文
民法709条
民法710条
放送法1条
放送法2条1項26号
放送法3条
放送法4条1項
放送法5条1項

裁判年月日  平成29年10月11日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)38184号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2017WLJPCA10118007

千葉県船橋市〈以下省略〉
原告 X団体
同代表者代表 A
東京都港区〈以下省略〉
被告 株式会社テレビ朝日
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 秋山幹男
同 秋山淳
同 西脇亨輔
同 添田浩之

 

 

主文

1  原告の請求を棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,10万円及びこれに対する平成28年5月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,権利能力なき社団である原告が,放送事業者である被告に対し,被告の日本放送協会の受信料に関する放送により,原告の選挙運動や政治活動に大きな被害を受けたなどとして,不法行為に基づく損害賠償請求として,原告の番組制作費5万円及び慰謝料5万円の合計10万円及び不法行為日である平成28年5月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1  前提事実
以下の事実((4)を除く。)は,当事者間に争いがない。
(1)  原告は,政治団体である。
原告代表者は,千葉県a市議会議員であったところ,平成28年7月31日投開票の東京都知事選挙に原告の公認候補として立候補している。原告には,会員として,埼玉県b市議会議員であるC(以下「C」という。)及び埼玉県c市議会議員であるDが在籍している。
(2)  被告は,放送法2条1項26号に該当する放送事業者である。
(3)  被告は,平成28年5月22日,「○○」という番組(以下「本件番組」という。)の中で,ワンセグ機能付き携帯電話(以下「ワンセグ携帯」という。)の所持と日本放送協会(以下「NHK」という。)の受信料の支払義務に関する放送をした(以下「本件放送」という。)。
(4)  放送法4条1項の規定
放送法4条1項は,放送事業者に,国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては,1号で,公安及び善良な風俗を害しないこと,2号で,政治的に公平であること,3号で,報道は事実をまげないですること,4号で,意見が対立している問題については,できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることによらなればならないことを規定している。
2  当事者の主張
(1)  原告の主張
ア 本件放送でワンセグ携帯を所有していれば,NHKに対する受信料の支払義務があると放送したことは,視聴者に虚偽の情報を提供し,また,原告がワンセグ携帯を所有していてもNHKとの受信契約の締結義務がないという意見を有しており,この意見と同趣旨のさいたま地方裁判所の判決もあるので,本件放送は,放送法4条1項3号及び4号に抵触し,違法である。
また,本件番組は,視聴者に,正しい知識や情報を提供することを目的とする番組といえるところ,被告が,十分な取材をせずに,本件放送において,ワンセグ携帯を所有していればNHKに対する受信料の支払義務があると断定的な表現を用いることは,違法である。
しかも,被告は,原告から指摘を受けても,本件放送に間違いがあったことを認めない。
なお,本件放送は,上記のとおり,断定的な表現を用いており,被告が主張するような,NHKの見解を紹介するものでも,被告の意見を述べるものでもない。
そして,原告は,本件放送以前から,視聴者・国民に対し,原告のホームページや選挙公報を使って,ワンセグ携帯ではNHKとの受信契約の締結義務がないと訴えて,選挙運動や政治活動を行い,今後もこれを続ける予定である。本件放送は,多くの視聴者・国民に対し,原告によるワンセグ携帯の受信料に関する説明が間違っているという印象を与え,原告の選挙運動や政治活動に大きな被害をもたらした。
したがって,被告は,原告に対し,本件放送を理由とする不法行為責任を負う。
イ 原告は,本件放送の放送直後,複数の国民から,本件番組で,ワンセグ携帯を所持しているだけでもNHKの受信料を支払う義務があると放送したことにつき真偽の問合せを受けた。そこで,原告は,被告に対し,本件放送翌日の平成28年5月23日,電話で,放送内容に間違いがあると指摘したが,被告がこれをを認めなかったので,「△△」というタイトルの20分40秒の番組を制作し,インターネット動画サイトで公開した。原告は,被告が本件放送を行わなければ,同番組の制作を行う必要がなかったから,本件放送により,同番組の制作費5万円の損害を被った。
また,原告は,本件放送により,原告の主張が間違いであると社会が認識したため,原告の信用が低下したことによる精神的苦痛を受けた。これを慰謝するためには,5万円が必要である。
したがって,被告は,原告に対し,アの不法行為により,合計10万円の損害賠償義務を負う。
(2)  被告の主張
ア 本件放送は,テレビがなくても,テレビを視聴可能な携帯電話やパソコンを所持している場合には,NHKの受信料の支払が必要であるとするNHKの見解を紹介したものであり,NHKがこの立場を採っているため,真実を放送しているので,不法行為とはならない。
なお,放送法4条1項3号及び4号は,放送事業者の番組編成準則であるところ,本件放送は,NHKが採っている立場を紹介しているため真実であるから,同項3号に抵触せず,また,同項4号も,同一の番組内で複数の見解を義務付けるものでないから,同号に抵触しない。本件放送が同各号に違反したとしても,特定の人の権利又は法律上保護されるべき利益が侵害された場合でなければ不法行為とならないところ,本件放送は,原告の権利や法律上保護されるべき利益を侵害したとはいえない。
イ 本件放送がテレビがなくてもテレビを視聴可能な携帯電話などを所持している場合にはNHKの受信料を支払わなければならないとしたものと受け取られるとしても,受信料の支払義務に関する法律的な見解を示したものであり,その内容が原告の法律的見解と異なるからといって,意見表明の自由に属するものとして違法性がなく,不法行為とはならない。
3  争点
(1)  被告は,原告に対し,本件放送により不法行為責任を負うかどうか。
(2)  原告の損害の有無及び額
第3  争点に対する判断
1  認定事実
当事者間に争いのない事実及び証拠(甲1,乙1から3まで)によれば,次の事実を認めることができる。
(1)  本件番組は,平成28年5月22日午後6時57分から午後8時54分まで放送され,「日本人の3割しか知らないこと」として,「体や健康について勘違いしていること」,「物件について勘違いしていること」,「食卓で勘違いしていること」,「家電や呼び名など生活の中の勘違い」などのテーマで,53件の項目について紹介する内容であった。
(2)  本件放送は,本件番組の「家電や呼び名など生活の中の勘違い」の1項目の中で,約1分08秒間のものでり,その内容は,次のとおりである。
「アナタの知識はどのくらい?」,「日本人の3割しか知らないこと」などのテロップが画面に表示される中,男女が部屋の中のソファに座ってスマートフォンでワンセグ放送を視聴していると,NHKの集金の人が訪れ,男女から受信料を集金している映像が流れ,「テレビが無いから受信料は払わない,は勘違い?」,「テレビを見られる携帯などを持っていれば,払わないといけません。」,「また,それがなくても,カーナビなどで見られるなら同じなんです。」とのナレーションが音声で流れる中,「テレビ無くても支払う義務」,「テレビ視聴可能な携帯電話やパソコンを所持」,「カーナビでテレビを見られるなら同じ」などのテロップが画面に表示される。
(3)  NHKは,ウェブサイトのよくある質問集において,「パソコンや携帯電話(ワンセグを含む)で放送を見る場合の受信料は必要か」との質問について,NHKのテレビの視聴が可能なパソコン又はテレビ付携帯電話についても,放送法64条によって規定されているNHKの放送を受信することのできる受信設備であり,受信契約の対象となること,NHKのワンセグが受信することができる機器についても同様であること,ただし,受信契約は世帯単位となるので,一般の家庭の場合,テレビの視聴が可能なパソコン又はテレビ付き携帯電話を含めて,複数台のテレビを所有している場合でも,必要な受信契約は1件となること,一方,事業所の場合は,設置場所(部屋など)ごとの受信契約が必要となり,1つの部屋に,テレビやテレビ視聴可能なパソコンなどが複数あっても,その部屋で必要な受信契約は1件であることを回答している。
(4)  Cは,さいたま地方裁判所に対し,NHKを被告として,ワンセグ携帯を所有している一方,通常のテレビジョン受信機を住所地に設置していないことを前提として,NHKとの受信契約を締結する義務が存在しないことの確認を求める訴えを提起した。同地方裁判所は,平成28年8月26日,放送法64条1項の「設置」には「携帯」の意味を含まないことなどを理由に,Cが,Cの現住所において,同義務が存在しないことを確認するとの判決を言い渡した。
なお,NHKが控訴したため,同判決は確定していない。
2  被告の原告に対する本件放送による不法行為責任の有無(争点(1))について
(1)  放送法は,「放送の不偏不党,真実及び自律を保障することによって,放送による表現の自由を確保すること」等の原則に従って,放送を公共の福祉に適合するように規律し,その健全な発達を図ることを目的として制定されたものである(同法1条)ところ,同法3条は,「放送番組は,法律に定める権限に基づく場合でなければ,何人からも干渉され,又は規律されることがない。」と規定し,同法4条第1項は前提事実(4)のとおり規定し,同法5条1項は,放送事業者は,放送番組の種別及び放送の対象とする者に応じて放送番組の編集の基準を定め,これに従って放送番組の編集をしなければならない旨規定している。これらの放送法の条項は,放送事業者による放送は,国民の知る権利に奉仕するものとして表現の自由を規定した憲法21条の保障の下にあることを法律上明らかにするとともに,放送事業者による放送が公共の福祉に適合するように番組の編集に当たって遵守すべき事項を定め,これに基づいて放送事業者が自ら定めた番組基準に従って番組の編集が行われるという番組編集の自律性について規定したものと解される。このように,法律上,放送事業者がどのような内容の放送をするかは,表現の自由の保障の下,公共の福祉の適合性に配慮した放送事業者の自律的判断に委ねられているが,これは放送事業者による放送の性質上当然のことということもでき,国民一般に認識されていることでもあると考えられる。そうすると,放送法4条1項各号は,放送事業者に対し,自律的に,国内放送等の放送番組の編集に当たって準拠すべき事項を定めたものであると解されるので,放送法4条1項3号又は4号に抵触することから直ちに不法行為法上違法となるとする原告の主張を採用することはできない。また,放送番組の中でどのような取材を前提にどのような表現を用いて放送をするかについても,放送事業者の自律的判断に委ねられているということができるから,意見が対立している問題について放送をする場合において,対立する意見について取材がされていなくても,その放送がされた番組の性質や放送の内容,意見の対立の状況,原告が被った不利益の程度等を考慮して,当該放送が著しく相当性を欠くものでない限り,不法行為法上,違法とならないというべきである。
(2)  そして,本件放送は,前記1認定事実(1)のとおり,日本人の3割しか知らないことを題材としたバラエティ番組の中で放送されている。また,本件放送に用いられた表現は,同認定事実(2)のとおり,「テレビを見られる携帯などを持っていれば,払わないといけません」などとするものであり,原告の主張するとおり,第三者の見解を紹介する表現や意見を述べる表現の形式とはなっていない。そして,同認定事実(3)及び(4)によれば,NHKは,ワンセグ携帯の所持と受信料の支払義務に関して本件放送と同様の見解を有している一方,「ワンセグ携帯を所有していてもNHKとの受信契約の締結義務がない」との原告の意見と同趣旨の見解に基づく第一審裁判所の判決は本件放送後にされているといえる上,同判決の外に,これと同趣旨の判決がされたことをうかがわせる証拠はない。他方,原告は,本件放送が,多くの視聴者・国民に対し,原告によるワンセグ携帯の受信料に関する原告の説明が間違っているという印象を与え,原告の選挙運動や政治活動を大きな被害をもたらし,原告に,本件放送が誤りであることを内容とする動画を製作させ,また,原告の信用を低下させているなどと主張するけれども,本件放送は,原告の選挙活動や政治活動を対象とするものではなく,原告の上記意見とは異なる意見に基づく内容の放送をしているにとどまり,その内容も放送法64条1項の解釈の相違に起因するものであるから,そのことによって,原告の意見表明に対して圧迫,干渉を加えるものとも,原告の社会的評価に影響を与えるものとも見ることができず,原告に一定の不快感を与えたことの外は,原告の主張をみても,原告の見解の真偽につき問われることにつき一定の対応をした程度のものにとどまっている。以上のような,本件番組の性質,本件放送の内容,意見の対立状況,原告の不利益の程度等を考慮すると,本件放送については,著しく相当性を欠くものとはいえず,不法行為法上,違法であるということはできない。
なお,本件放送に不法行為法上の違法性が認められない以上,被告が原告から指摘を受けても本件放送に間違いがあったことを認めないことが独自に不法行為法上違法となるということもできない。
したがって,原告の被告に対する本件放送を理由とする不法行為責任は認められない。
3  以上によれば,原告の被告に対する本件放送による不法行為責任は認められないから,損害の争点(争点(2))について判断するまでもなく,原告の被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は認められない
第4  結論
以上のとおり,原告の被告に対する本訴請求は,理由がない。
東京地方裁判所民事第13部
(裁判長裁判官 河合芳光 裁判官 西野光子 裁判官 土屋利英)

 

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