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「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(26)平成26年10月20日 東京地裁 平25(ワ)8482号 損害賠償請求事件

「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(26)平成26年10月20日 東京地裁 平25(ワ)8482号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成26年10月20日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)8482号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2014WLJPCA10208003

要旨
◆パチスロ機及びパチンコ機等の開発・製造等を主な業務とする上場会社である原告が、本件雑誌掲載の記事は、原告がフィリピンの訴外公社の高官に対して多額の賄賂を渡し、その見返りとして、不正にフィリピンのカジノ事業において特別の便宜を与えられたとの事実を摘示するものであり、これにより原告の名誉及び信用が毀損されたと主張して、本件雑誌を発行した被告に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、本件記事は原告の名誉を毀損するものであるとした上で、本件記事の公共性、公益目的は認められるが、真実性ないし真実相当性は認められないとして不法行為の成立を認め、請求を一部認容した事例

参照条文
民法709条
民法710条

裁判年月日  平成26年10月20日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)8482号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2014WLJPCA10208003

東京都江東区〈以下省略〉
原告 株式会社X
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 弘中惇一郞
同 弘中絵里
同 大木勇
同 品川潤
同 山縣敦彦
東京都文京区〈以下省略〉
被告 株式会社光文社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 荒木新五
同 西畑博仁
同 住田和子
同 三崎高治

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,220万円及びこれに対する平成25年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用はこれを15分し,その14を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,3300万円及びこれに対する平成25年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は,パチスロ機及びパチンコ機等の開発・製造等を主な業務とする原告が,写真週刊誌「a」平成25年4月2日号(以下「本件雑誌」という。)掲載の記事は,原告がb公社の高官に対して多額の賄賂を渡し,その見返りとして,不正にフィリピンのカジノ事業において特別の便宜を与えられたとの事実を摘示するものであり,これにより原告の名誉及び信用が毀損されたと主張して,本件雑誌を発行した被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金3300万円(慰謝料1億円の一部として請求する3000万円及び弁護士費用300万円の合計額)及びこれに対する遅延損害金(本件雑誌の発売日である平成25年3月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員)の支払を求める事案である。
2  前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)
(1)  当事者(争いなし)
ア 原告は,パチスロ機,パチンコ機及びその周辺機器の開発,製造並びに販売を主たる業務とし,その株式をジャスダック市場に上場する株式会社である。なお,原告は平成21年11月まで,その商号を「c株式会社」としていたが,同月の商号変更により現在の商号となった。
イ 被告は,雑誌・書籍の出版等を事業内容とする株式会社であり,写真週刊誌「a」を発行している。
(2)  被告は,平成25年3月19日,「Cと疑惑企業の『黒い契約書』を入手!」との表題が付された記事(以下「本件記事」という。)を掲載した本件雑誌を発行した。(争いなし)
(3)  本件記事には,原告(記事中では「X社」と呼称されている。)に関して,以下の各記載がある。(争いなし)
「『……X社の海外法人の元幹部らが,’09年前後にその認可権を持つフィリピンの娯楽賭博公社の高官に対し,接待や賄賂をばらまくなどの工作をしていたことが,フィリピンで疑獄事件化しているのです』(現地紙記者)」
「X社が子会社を通して,当時のフィリピン賭博公社顧問の会社に4千万ドル(約34億円・レートは当時)もの資金を振り込んでいたことが明らかになった。」
「フィリピンでは事業別に,外資系企業の出資比率の上限が決まっているが,最初の振り込み(’10年1月14日,1千万ドル)があった直後の2月には,大統領令でカジノ事業における外資規制が緩和され,さらに次の振り込み(3月3日,1千500万ドル)があった直後の3月25日にはX社が外資企業の規制外として認定を受けている。関係者によると,それ以降の振り込みは“謝礼”だという。」
(4)  原告による金員の支出
ア 原告の米国子会社であるd社(以下「d社」という。)は,原告がフィリピンにおける事業を行うために設立した会社であるe社(以下「e社」という。)に対し,以下のとおり送金をした。(甲4,乙14)
平成21年12月9日 2500万ドル(以下「本件送金1」という。)
平成22年4月28日 1000万ドル(以下「本件送金2」という。)
同年5月18日 500万ドル(以下「本件送金3」という。)
イ e社は,D(以下「D」という。)が支配する会社である,f社(以下「f社」という。)又はg社(以下「g社」という。)に対し,以下のとおり送金等をした。(乙11の1,2,乙12の1,2,乙13の1,2,乙14,弁論の全趣旨)
平成22年1月14日 f社に対し,1000万ドル(以下「本件送金4」という。)
同年3月3日 f社に対し,1500万ドル(ただし,銀行振出小切手による。以下「本件送金5」という。)
同年5月3日 f社に対し,1000万ドル(以下「本件送金6」という。)
同月19日 g社に対し,500万ドル(以下「本件送金7」といい,本件送金1から7までを併せて「本件各送金」という。)
(5)  従来,フィリピンにおいてカジノ事業を行う会社については,外資系企業の出資比率に制限があったところ,平成22年2月5日,フィリピン大統領府令第858号(以下「本件大統領府令」という。)により,フィリピン経済特区(PEZA)で活動する者については,100%外国資本の企業であっても,カジノ事業を行うことが可能になった。(甲7,8)
(6)  原告は,フィリピンにおいてカジノ事業を行う「iリゾート」を計画していたが,平成22年3月22日,大統領布告により,同地区が観光経済区の指定を受け,原告のフィリピンにおける子会社であるh株式会社が,同月25日,「iリゾート」の開発業者・運用業者として,フィリピン経済特区に登録された(以下「本件登録」という。)。これにより,同社が行うカジノ事業については,法人税の免除等の優遇税制が適用されることとなった。(甲7,甲9の1,2,弁論の全趣旨)
3  争点及び当事者の主張
(1)  原告の社会的評価の低下(争点1)
ア 原告
本件記事は,原告がフィリピンにおいてカジノ事業を展開するに当たり,フィリピンの娯楽賭博公社の高官に対して,同人が経営又は関与している企業を通じて多額の金員を交付し,その見返りとして不正にフィリピンのカジノ事業において特別の便宜を与えられた,すなわち原告が贈賄という犯罪行為をしたとの事実を摘示し,また,一般読者に対しそのような印象を与えるものであって,これにより,原告の社会的評価は著しく低下した。
イ 被告
原告の主張は否認し,又は争う。
(2)  事実の公共性及び目的の公益性(争点2)
ア 被告
原告は,ジャスダック市場に株式公開をしている上場企業であるとともに,原告会長のEがF衆議院議員・前東京都知事の後援者として活動していること,平成24年12月に行われた衆議院議員選挙において,同人の息子であるC衆議院議員の選挙運動員として原告の従業員が派遣されていること,原告が同議員の落選中に,その妻が取締役を務める会社とコンサルタント契約を締結し,コンサルタント料名目で毎月100万円という多額の資金援助をしていたことなどから,政治活動にも深く関与しているといえ,極めて公共性の高い企業であるといえる。
そのような原告が,海外における事業展開に当たり,海外の公務員が大きく関与している企業に対して目的が不明瞭な多額の金員を支出しているという事実は,株主のみならず一般社会にとっても重大な関心事であり,かかる事実の掲載は国民の知る権利に資するものであるから,本件記事の内容の公共性及び目的の公益性は明らかである。
なお,本件記事の主題は原告とC衆議院議員との関係にあり,原告の不適切な資金移動は,本件記事全体の主たる内容ではない。
イ 原告
被告の主張は否認し,又は争う。
(3)  本件記事内容の真実性及び真実であると信じるに足りる相当な理由の有無(争点3)
ア 被告
(ア) 本件記事に関する取材を行い,これに係る原稿を作成した被告記者であるG(以下「G」という。)は,平成24年9月27日,フィリピンで原告の業務に従事していた原告の元従業員に取材を行い,同人から,本件記事に記載したとおりの金銭の流れの説明を受けるとともに,当該金銭が支出されたことを示す出納帳,出金伝票等の提示を受けた。また,当該従業員からは,原告の金銭の支出に関し,同人が米国ネバダ州のカジノ規制当局やFBIから事情を聴かれていることを聴き,事業を聴かれた際に担当者から示されたという名刺の提示も受けた。
その後,Gは,上記事実関係の確認のため,j社(以下「j社」という。)の記者やフィリピンの地方紙記者,d社の元社長,株式会社k(以下「k社」という。)とd社との訴訟に関して,日本においてd社の調査を行っていた調査会社社員,アメリカの法規制に詳しい弁護士,フィリピンの不動産関係者など,多数の人物に対して取材を行い,本件記事記載の事実について,裏付けとなる証言を得た。
(イ) また,Gが平成24年10月16日に原告広報室に対して取材を依頼するメールを送ったところ,原告広報室からは本件各送金が存在することを前提に,これらの送金に問題はないとの回答があったが,その後,原告から依頼を受けた弁護士からは,本件各送金の事実そのものを否定する回答があった。
Gが,両者の回答が矛盾することに対して疑問を感じ,再度上記弁護士に質問のメールを送ったところ,同弁護士からは,同年11月13日付けの書面において,改めて送金の事実自体を否定する回答があった。
ところが,その後原告の設置した第三者委員会が平成25年2月5日に公表した中間回答は,本件各送金の事実があったことを前提とするものであり,上記弁護士の回答とは明らかに矛盾するものであった。そのため,原告による回答の信ぴょう性は著しく失われた。
(ウ) 原告がフィリピンのカジノ規制当局首脳の側近に対し不正な資金提供をした疑いがあることについては,平成24年11月16日にj社が,同年12月30日に株式会社lが,それぞれ報道しているほか,海外においても多数の報道がされている。
(エ) 以上の各事実に加え,本件送金4から7までがb公社の元顧問であるDの支配する会社に対して行われたこと,本件送金4の直後に,本件大統領府令によってカジノ事業における外資規制が緩和されており,また,本件送金5の直後に,原告が外資企業の規制外として本件登録を受けていることからすれば,本件記事の内容は真実であり,少なくとも被告においてこれを真実と信じるについて相当な理由を有していたものと認められる。
イ 原告
被告の主張は否認し,又は争う。
(ア) 本件各送金について賄賂性を示す証拠がないことについては,第三者委員会による調査報告書において明確に述べられている。
また,被告がb公社の元顧問であると主張するDは,本件各送金の当時,フィリピンの公務員職には就いておらず,b公社の当局者又はコンサルタントであったこともなかった。
さらに,被告が本件各送金の見返りであると主張する本件大統領府令による外資規制の緩和は,原告のみを対象としたものではなく,カジノ事業のみを対象としたものでもない。また,同じく被告が本件各送金の見返りであると主張する本件登録については,フィリピン経済特区庁が発行した平成25年8月23日付け文書において,当該認定が賄賂等に基づくものではないことが明確にされている。
したがって,本件記事の摘示する原告の行った本件各送金が賄賂であったとの事実が真実でないことは明らかである。
(イ) Gが取材したd社日本支社の元社長であるH(以下「H」という。)は,本件送金2及び3を原告に無断で行ったことを理由として,原告から損害賠償請求訴訟を提起されており,また,Gが取材したd社日本支社の元従業員であるI(以下「I」という。)も,本件送金2を原告に無断で行ったことを理由として,同様に原告から損害賠償請求訴訟を提起されている上,被告は,これらの訴訟が提起されていることを認識していた。
このように,本件記事の取材源は,原告と敵対する立場にあった人物であったのだから,被告は,通常の場合よりも一層入念に裏付け取材をする必要があった。それにもかかわらず,Gは,D本人に対する取材も行っておらず,また,カジノ事業における外資規制を緩和する本件大統領府令や,本件登録に係る登録証明書を確認することすらしていない。
なお,被告は,原告が当初本件各送金の事実を否定していたと主張するが,原告は,被告による質問において指摘されたとおりの名義や名目,回数による送金の事実はないと回答したのみであって,送金の事実自体を否定していたものではない。したがって,原告の本件各送金に関する説明は何ら矛盾していない。
以上のとおりであるから,被告が本件各送金が賄賂であると信じたことにつき,相当な理由があったものとも認められない。
(3)  損害(争点4)
ア 原告
原告が,法令遵守を厳しく求められる上場企業であること,本件記事が,一般読者をして,原告が贈賄という悪性の強い反社会的行為を行ったものと誤解させるものであること,原告は現在k社の株主の地位等をめぐって紛争を抱えており,本件記事が当該紛争の行方に影響を与えるおそれがあること,原告が大会社であることなどからすれば,原告が本件記事により被った無形損害は1億円を下らない。本件訴訟は,このうちの一部である3000万円を請求するものである。
また,被告の不法行為と因果関係を有する弁護士費用は,300万円を下らない。
イ 被告
原告の主張は争う。
第3  当裁判所の判断
1  原告の社会的評価の低下について(争点1)
本件記事は,確かに,被告が主張するようにC衆議院議員を主題とする記事であるとはいえるものの,その内容として,同議員の関係先として原告が紹介されているのみならず,前記前提事実(第2の2)(3)のとおり,原告がフィリピンの娯楽賭博公社の高官が経営又は関与する会社に対して多額の賄賂を供与し,その見返りとして,フィリピンにおいてカジノ事業を行うにあたり,不正に特別の便宜を与えられたとの事実を断定的に摘示するものである。
かかる事実を摘示することは,一般読者をして,原告が海外において贈賄という犯罪行為を行うことにより不正に利益を得ているとの印象を与えるものであるといえ,これにより原告の社会的評価や信用を低下させるものといえるから,本件記事は,原告の名誉を毀損するものであると認められる。記事の主題が原告でないことは,上記判断に影響するものではない。
2  事実の公共性及び目的の公益性について(争点2)
(1)  事実を摘示して行われた名誉毀損については,その内容が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには,かかる行為には違法性がなく,不法行為が成立しない。また,摘示された事実が真実であることの証明がない場合であっても,行為者においてその事実を真実と信じるについて相当な理由があれば,故意又は過失が否定され,不法行為は成立しないと解するのが相当である。(最高裁昭和41年6月23日第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁参照)
(2)  前述のとおり,本件記事は,原告がフィリピンにおいて贈賄行為を行っているとの事実を摘示するものである。原告はジャスダック市場に株式を公開している上場会社であり,その法令遵守状況は株主のみならず,一般国民にとって大きな関心事であると解されるから,原告とC衆議院議員との関係の有無にかかわらず,上記事実は公共の利害に関する事実であると認められる。
また,本件記事が上記のような事実を摘示するものであることや本件記事の記述の態様などからすれば,本件記事の掲載は,専ら公益を図る目的によるものと認められる。
3  本件記事内容の真実性及び真実であると信じるに足りる相当な理由の有無について(争点3)
(1)  本件記事内容の真実性
ア 原告は,本件各送金の適切性等について調査する第三者委員会(以下「本件委員会」という。)を設置したところ,本件委員会は,その調査結果について,平成25年2月4日に本件委員会による提言という形で中間的な提言を行い(乙1。以下「本件中間提言」という。),また,同年6月21日に最終的な調査結果報告を行った(甲4。以下「本件最終報告」という。)。
これらをそれぞれみるに,本件中間提言によれば,本件各送金のうち,d社からe社を経由し,g社に対して行われた本件送金3及び7は,原告の内部決裁手続が経られておらず,d社日本支社の代表者の独断により行われたものであると考えられる一方,d社からe社を経由し,f社に対して行われた本件送金1,2及び4から6までのうち,2500万ドルの送金はf社との間のコンサルティング契約に基づき支出された正当な送金であり,その余の1000万ドルの送金は原告に還流させて貸倒損失を補填するために支出された不正なものである可能性があるとの調査結果がとりまとめられている。(乙1)
次に,本件最終報告は,g社に対して行われた送金及びf社に対して行われた送金のうち1000万ドルの送金については,本件中間提言と同様の調査結果を報告する。一方で,f社に対して行われた送金のうち2500万ドルの送金は,原告による事業用地の取得に際して生じた土地の権利関係の問題を解決するために支出されたものであると認定した上で,当該問題については原告の海外事業部により別途の解決が図られたため,2500万ドルの支出は必要なくなったが,海外事業部から経営陣に対し時機に応じた適切な報告がされなかった結果,必要のない支払がなされたものであったとしている。その上で,本件最終報告は,原告がフィリピンでのカジノリゾートプロジェクトを開始した後においてDがb公社の当局者又はコンサルタントであった事実はないこと,原告には本件各送金以前にカジノ事業の暫定ライセンスが付与されていること,本件大統領府令による規制解除は特定の事業・会社を対象とする処分ではないし,上記プロジェクトを誘致したb公社において誘致当初から規制解除の方向性が確約されていたこと,経済特区の認定は特定の事業会社への優遇措置ではないことなどを指摘し,元従業員及びDのヒアリングを経なければ金員の領得者を確定することはできないとしつつも,少なくとも,原告が何らかの便宜を求めて賄賂の趣旨で本件各送金を行ったという事実はないものと結論づけている。(甲4)
そして,本件委員会は,原告と利害関係のない弁護士2名及び株式会社国際危機管理機構の代表取締役1名の合計3名で組織されていること,平成25年1月10日から同年6月21日までの間,調査補助者を用いながら,関係者からの長時間のヒアリングのみならず,原告から提示された内部資料,元従業員等の使用していたパソコンを含むデジタルデータ等の分析等を通じて調査を行っていること,本件最終報告が,上記のようにおおむね合理的な根拠を挙げて結論を導いていること(甲4)などからすれば,本件委員会の上記調査報告について,その調査自体に限界や制約があったと認めている部分があり,必ずしも十分な調査を尽くしたとはいえないとしても,特段その信用性を疑わせる事情は見当たらない。
イ ところで,被告は,原告による本件各送金についての説明が一貫していない旨主張する。
確かに,原告担当者は,平成24年10月17日のG宛メールでは,「ご質問の送金については,何ら問題はありません。」と,本件各送金が存在することを前提としていたにもかかわらず,その後,原告代理人弁護士が送付した書面は,本件各送金の存在を明示的に認めることは避けつつ,「『d社と同日本支社からf社に4回』振込があるとの事実は確認できませんでした。」,「『資金40Mを,コンサルタント料として,2社に2010年1月から2010年5月19日までに5回に分けて送金した事実』は確認できなかった」などと,e社を介した送金や,Gの指摘と異なる名目・回数による送金は否定していないと弁解する余地を残した書き方をしていたり,「貴社は,支払そのものがないと主張されておりますが,これにお変わりはございませんか。」との再質問に対して正面から回答せずに,「誤解を招く可能性のある表現を変更するという趣旨の限度で,同メールの記載を変更します。」と範囲が不明瞭なまま当初のメールの説明を変更する旨の回答をしたりしており,本件各送金を否定するものとも,そうでないともとり得るような,著しく曖昧な説明をしている。(乙16,18,21,22)
しかし,被告が写真週刊誌等の発行を業とする会社であり,本件について原告に対して批判的な記事を作成すべく取材活動を行っていることからすると,仮に本件各送金に不合理な点がなかったとしても,原告が,本件各送金の存在を含めて,これに関する情報を被告に対してできるだけ開示しないようにする意図の下に被告に対応することは不自然とまではいえず,まして,このことから,原告の上記対応が,本件各送金に賄賂性があることまでを推認させるものとはいえない。
ウ また,Gは,原告の元従業員であるI及びd社の元社長であるHに取材し,同人らから本件記事の内容に沿う話を聴き取ったことが認められるが(乙24,証人G,弁論の全趣旨),両名は,原告から,本件各送金の一部を原告に無断で行ったものとして損害賠償請求訴訟を提起され,係争中であるのだから(甲10,11),同人らの発言は必ずしも中立性があるものとはいえず,これをもってしても本件各送金が賄賂であったことを認めるには足りない。
エ 小括
以上のとおりであるから,本件の事実関係の下では,客観的な資料に乏しく,本件各送金が賄賂として出金されたものであったと認めるには足りず,本件記事内容の真実性を認めることはできない。
(2)  本件記事内容が真実であると信じるにつき相当な理由(真実相当性)の存否
ア Gは,本件記事の取材に当たり,まず,d社の元社員に対して取材をし,原告がフィリピンで政界工作を行っていることや本件各送金がそのために行われたことを聴き取ったほか,d社日本支社の元社長であるHに対して取材をし,本件各送金の一部が原告の内部手続に則って行われたものであることを聴き取ったと供述する。(乙24,証人G)
しかし,前記のとおり,取材対象者と認められるI及びHは,原告から損害賠償請求訴訟を提起されているところ,同訴訟において,原告は,本件各送金の一部は,I及びHが原告に無断で行ったものであると主張している(甲10,11)。原告の当該主張は,本件各送金が原告によって賄賂として支出されたものであるとするIの言い分や,本件各送金が原告の社内手続に則って行われたものであるとするHの言い分と矛盾し,I及びHには,自己の責任を否定するため,原告に不利に偏った情報を提供する動機があるところ,Gは,上記訴訟の存在及び内容を認識していたのであるから,原告と利害の対立するI及びHの言い分の信用性を慎重に吟味すべきであったといえる。それにもかかわらず,Gは,同訴訟の訴訟記録を閲覧することすらしていない。(証人G)
イ また,証人Gは,本件各送金が賄賂であると判断した根拠につき,本件各送金の直後に本件大統領府令が発令され,原告が外資企業規制外の認定を受けたことを挙げている。
しかし,Gは,本件大統領府令の内容についてインターネット上の情報,新聞報道,IR情報を調査したものの,同大統領府令自体を見ることはしておらず,その結果,同大統領府令により,特に原告の100%子会社の運営する会社に対してカジノ事業を行うことができる許可を与えたものであるとの誤った理解を有するに至っている。仮にGが本件大統領府令の内容を確認していれば,同大統領府令が特定の事業会社を対象とするものではないことを知ることができたはずであり,このことは,本件各送金が賄賂であるとの推論を動揺させる重要な事実になり得たというべきである。また,Gは,そもそも原告が外資企業規制外の認定を受けたということの具体的な内容や態様を明確に理解していないことをうかがわせる証言をしており,Gは同認定に係る登録証明書も見ていないし,他に認定を受けた会社があったか否かについても調査していない。(証人G)
ウ さらに,Gは,本件各送金の一部は正当な送金であり,また,一部は貸倒損失の補填のため原告に還流されていた可能性があるなど,本件各送金の賄賂性を否定する方向に働く事情を記載した本件中間提言の存在及び内容を,本件記事を公表する前に認識していた。(証人G)
この点につき,Gは,本件中間提言について,自身は第三者委員会が調査に当たって接触した人間以外の人間に対しても取材しており,その中にはフィリピンにおけるカジノ事業に密接に関わっていた人間も含まれていたことから,本件各送金の実情については,第三者委員会よりも被告の方が情報を持っているものと考えたと証言している。しかし,Gの当該認識は,本件中間提言の冒頭において,フィリピンにおけるカジノ事業を担当していた者が原告の社外にいるため,全ての関係者から聴き取りができているわけではないとされていることのみを根拠としたものであって,被告が取材した中で,第三者委員会が接触していない人物には具体的に誰がいるのか,たとえばその中にIが含まれているかなどについて,明確に認識していたわけではない。(証人G)
本件中間提言は,本件記事に対する反対資料の中でも最も重要なものの一つなのであるから,Gとしては,その内容を慎重に吟味する必要があったというべきである。それにもかかわらず,Gは,第三者委員会よりも被告の方が多くの情報を有しているのではないかと漠然と認識し,原告が否定していると認識する,取材による送金の事実が現実にあったことが事実の隠蔽であると考えて,本件中間提言の信用性を排斥しているのであって,必要な調査を行ったものとは到底認められない。
エ さらに,被告は,国内外のマスメディアにおいて類似の報道がされていることも真実相当性があったことの根拠とするが,これらの報道においても,原告において賄賂を提供したことを断定したものはないから(乙2の1,2,乙4,乙6~9),裏付けを十分にとったとはいえず,本件記事を断定的に記載できるだけの根拠があったとはいえない。
オ そのほか,原告による説明が著しく曖昧であり,一貫性を欠くとの受け取り方もできるものであったことは前記(1)イのとおりであるが,このような原告の防衛的な態度や説明の変遷のみをもって,本件各送金の賄賂性についての裏付けとみるには飛躍があるというべきである。
カ 小括
以上のとおりであるから,被告は,本件記事を掲載するに当たり,十分な取材を行ったものとはいえず,被告において,本件記事において断定的に摘示した事実が真実であると信じたことにつき,相当な理由があるとは認められない。
4  損害について(争点4)
以上のとおり,本件記事は,これにより原告の社会的評価・信用を低下させるものであり,また,その摘示する事実が真実であるとも,これを真実であると信じるにつき相当な理由があったものとも認められないから,不法行為の成立が認められる。
そして,上記のとおり,本件記事が原告の社会的評価・信用を低下させるものであった一方で,本件各送金の少なくとも一部が不透明かつ不合理な送金であったことは事実であると解されること,本件記事による報道に先行して,国内外のマスメディアにより,原告において贈収賄疑惑があるとの報道や,不正送金があったとの報道がなされていること,原告の主張する,k社の株主の地位等をめぐる紛争に対して本件記事が及ぼす影響について,何ら具体的な立証がないことなど,本件における一切の事情を考慮すると,本件記事の掲載により原告が被った損害につき,被告が支払うべき慰謝料額は200万円と認めるのが相当である。
また,本件で被告が負担すべき弁護士費用は,原告の損害額の1割に当たる20万円が相当である。
第4  結論
よって,原告の請求は主文第1項の限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 千葉和則 裁判官 伊藤拓也 裁判官 西臨太郎)

 

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