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「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(54)平成17年 5月24日 岡山地裁 平8(行ウ)23号 損害賠償等請求事件

「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(54)平成17年 5月24日 岡山地裁 平8(行ウ)23号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成17年 5月24日  裁判所名  岡山地裁  裁判区分  判決
事件番号  平8(行ウ)23号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部却下、一部棄却  文献番号  2005WLJPCA05249003

要旨
◆県が公園用地として賃借した土地につき、公園事業を推進するため設立された第三セクターに対して県が転貸等していることが、地方自治法244条の2第3項に違反するかが争われた事案において、本件土地が県の観光の振興を図る等の経済的効果を目的としていることなどからすると、本件土地は地方自治法244条1項の「公の施設」には該当しないから、同法244条の2第3項の適用はなく、同項違反の事実はないとされた事例
◆県が公園用地として賃借している土地を転貸等することが、地方自治法238条の4第1項に反するかが争われた事案において、本件土地の運営形態や目的等に照らすと、本件転借権は地方自治法238条4項規定の行政財産には当たらず、普通財産に当たるから、行政財産の管理、処分等を規定する同法238条の4第1項に反する余地はないとされた事例
◆県が、公園事業を推進するため設立された第三セクターに対し、公園用地として賃借した土地の一部を転貸し、残部等を無償で貸し付けることが、地方自治法232条の2に違反するかが争われた事案において、本件転貸借等は、実質的にみれば、県が本件賃借料と本件転貸料との差額を肩代わりして支払っていると評価されうるもので、地方自治法232条の2所定の「補助」に該当するから、それが公益上必要のある場合にのみ許されるところ、本件転貸借等による差額賃料相当の「補助金」支出については、知事の裁量権の濫用・逸脱が存したとまでは認め難く、公益上の必要がないとはいえないとして、同法違反には該当しないとされた事例

裁判経過
控訴審 平成18年 6月22日 広島高裁岡山支部 判決 平17(行コ)6号 損害賠償等請求控訴事件

出典
裁判所ウェブサイト
判例地方自治 279号65頁

評釈
南眞二・判例地方自治 287号31頁

参照条文
地方自治法232条の2
地方自治法237条2項
地方自治法238条1項4号(平14法65改正前)
地方自治法238条4項(平14法65改正前)
地方自治法238条の4第1項
地方自治法242条
地方自治法242条の2第1項1号(平14法4改正前)
地方自治法242条の2第1項4号(平14法4改正前)
地方自治法244条1項
地方自治法244条の2第3項(平15法81改正前)

裁判年月日  平成17年 5月24日  裁判所名  岡山地裁  裁判区分  判決
事件番号  平8(行ウ)23号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部却下、一部棄却  文献番号  2005WLJPCA05249003

主文

1  原告Aの訴えを却下する。
2  その余の原告らの請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判
一  原告ら
1  被告岡山県知事は,被告クラボウに対し,別紙借地契約目録記載の賃料として月額5979万6693円の支払いをしてはならない。
2  被告クラボウ,被告チボリジャパン㈱,被告Bは,各自,岡山県に対し,金6億8075万3246円及びこれに対する被告Bは平成9年1月19日から,被告クラボウ,被告チボリジャパン㈱は同月21日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  被告クラボウ,被告チボリジャパン㈱及び被告Cは,各自,岡山県に対し,金42億4648万2596円及びこれに対する平成16年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4  訴訟費用は被告らの負担とする。
5  第2,第3項につき仮執行宣言
二  被告ら
1  本案前の答弁
原告Aの訴えを却下する。
2  本案の答弁
(一) 原告らの請求をいずれも棄却する。
(二) 訴訟費用は原告らの負担とする。
(三) 担保を条件とする仮執行免脱宣言
第二  事案の概要
一  前提事実(当事者間に争いがないか,挙示する証拠あるいは弁論の全趣旨により容易に認められる事実。挙示する証拠のうち,枝番号が付されている号証であるのに枝番号までが明示されていないものは,同号証における枝番号が付された証拠を全て含める趣旨である)
1  当事者
原告らは,いずれも岡山県の住民である。
被告Bは,平成7年6月から平成8年11月11日まで,岡山県知事の地位にあったものである。
被告Cは,平成8年11月12日から現在に至るまで,岡山県知事の地位にあるものである。
被告チボリジャパン㈱は,遊園地の運営,設計等のコンサルティングを業とする会社であり,後記のチボリ公園事業を推進するため平成2年に設立された公民共同出資による株式会社(第三セクター)である。
被告クラボウは,繊維工業品の製造販売等を業とする株式会社である。
2  チボリ公園事業の経緯
(一) 岡山市は,昭和62年10月31日,市制100周年記念事業の一環としてデンマークのチボリ公園の岡山市への誘致計画を発表し,岡山県に対しても,同計画への協力を求め,岡山県もこれに協力することとした。
(二) ところが,平成3年7月,岡山市がチボリ公園誘致計画から撤退したことから,岡山県は,自らが中心となって上記計画を続行することとし,岡山県倉敷市内の被告クラボウ倉敷工場跡地にデンマークのチボリ公園を模範とした公園(以下「倉敷チボリ公園」という)を建設する計画をチボリ公園事業と称し,倉敷市,岡山県財界と協力して,これを推進することとした。
(三) チボリ公園事業は,当初,民間が施設を設置して運営する民設民営の構想であったが,岡山県は,平成6年2月25日,公園の基盤部分(樹木,花壇,湖,噴水,散策路,ベンチ,イルミネーション等)及び教養文化施設(野外劇場,多目的シアター,ランドマークタワー,アンデルセンホール,こども劇場,ミュージックパビリオン)を岡山県が整備し,レストラン,物品販売,遊具施設を被告チボリジャパン㈱が整備する公設民営方式に方針転換し,その後,この方針に沿って建物等が整備された(甲73。以下,岡山県が設置し,保有する建築物及び基盤施設を「本件県有施設」という)。
3  土地賃貸借等
(一) 被告クラボウは,岡山県に対し,平成7年5月31日,被告クラボウ倉敷工場跡地である岡山県倉敷市α200番2,193番8,543番の土地(当初,11万8433.24㎡。後に,土地区画整理事業に基づく換地処分により,α200番2,543番,実測面積11万8435.17㎡となっている。以下「本件土地」という。乙164)を,建物所有目的,賃料1か月4662万6934円(1㎡当たり393円。その後,賃料が改定された状況は,別紙「賃借料・転貸料改訂状況」の「賃借料(月)」欄記載のとおりであり,現在は,月額1㎡当たり504.9円で5979万6693円。),賃貸期間は平成7年6月1日から50年間の約定で,定期借地権を設定した(甲2,乙164,168,326。以下,この契約を「本件賃貸借契約」,同契約に基づく賃借権を「本件賃借権」,賃借料を「本件賃借料」という)。
(二) 岡山県は,被告チボリジャパン㈱に対し,平成7年10月31日,本件土地のうち一部(当初,2万3686.64㎡であったが,その後拡張されて2万4543.14㎡となっている。以下「本件転借地」という。乙165)を,被告チボリジャパン㈱が設置した施設を所有する目的で,賃料1か月932万5386円(1㎡当たり393円。その後,賃料が改定された状況は,別紙「賃借料・転貸料改訂状況」の「転貸料(月)」欄記載のとおりであり,現在は,月額1㎡当たり504.9円で1239万1578円),賃貸期間は平成7年11月1日から平成57年5月31日までの約定で,転貸した(甲3,乙165,169ないし173,327。以下,この転貸を「本件転貸」,この契約を「本件転貸借契約」,同契約に基づく転借権を「本件転借権」,転貸料を「本件転貸料」という)。
(三) 岡山県は,被告クラボウに対し,平成7年6月以降平成16年11月まで,別紙「賃借料・転貸料改訂状況」の「始期」欄記載年月分の本件賃借料として,同「賃借料(月)」欄記載の金額を支払い,被告チボリジャパン㈱から,平成7年11月以降平成16年11月まで,同「始期」欄記載年月分の本件転貸料として,同「転借料(月)」欄記載の金額を受け取った。本件口頭弁論終結時,岡山県の支払うべき本件賃借料は,月額5979万6693円である。
また,岡山県知事として支出した本件賃借料の総額と,同時期に岡山県が受け取った本件転貸料との差額は,被告Bにおいて6億8075万3246円であり,被告Cにおいて42億4648万2596円である。
(四) 岡山県は,被告チボリジャパン㈱に対し,平成9年7月1日,本件県有施設及び本件土地のうち本件転借地以外の部分(当初,9万4746.60㎡,後に9万4256.78㎡に変更された。乙41の1)を,同日から10年間,無償で貸し付けた(乙163。以下,この貸付を「本件無償貸付」,同貸付と本件転貸とを併せて「本件転貸借等」という)。
(五) 倉敷チボリ公園は,平成9年7月18日に開園し,本件訴訟の口頭弁論終結時点において,営業を継続している。
4  住民監査請求等
(一) 原告Aを除く原告らは,平成8年10月3日,地方自治法(以下「法」という)242条1項により,岡山県監査委員に対し,「岡山県知事に対し,以下の措置を求めて厳正な監査を請求する。① 被告クラボウに対する『チボリ用地』の地代の支払いを停止すること。② 被告クラボウから同被告会社へ支払済みの地代のうち金6億0615万0150円の返還,若しくは,被告チボリジャパン㈱から上記同額の支払いを求めること。」との住民監査請求をし,岡山県監査委員は,原告らに対し,同年11月29日付けで原告らの請求には理由がないとの監査結果を通知し(甲1),この通知は同日ないしその数日後に原告Aを除く原告らにそれぞれ届いた。
(二) 原告らは,同年12月27日に本件訴えを提起した。
二  本件請求
原告らは,
1  本件転貸借等は,次の①ないし③の法律違反があり違法である旨主張し,
① 本件転貸借等は,法244条の2第3項(ただし,同条項については平成15年法律第81号による改正前のもの。以下同様)に規定する公の施設の管理委託であるところ,その受託者である被告チボリジャパン㈱は政令で定める法人の要件を満たさないから,本件転貸借等は同項に反する。
② 本件賃借権は行政財産であり,法238条の4第2項の例外的場合に当たらないのに貸し付けられたものであるから,本件転貸借等は同条第1項に反する。
仮に,本件賃借権が普通財産であるとしても,条例又は議会の議決がないのに適正な対価なくこれを貸し付けたものであるから,本件転貸借等は法237条2項に反する。
③ 本件転貸借等は,実質的には,法232条の2の「補助」に該当し,被告チボリジャパン㈱の行う事業を補助することは,公益上の必要性を欠くから,同条に反する。
被告Bあるいは被告Cは,被告チボリジャパン㈱及び被告クラボウと,共同して,被告チボリジャパン㈱に公共性のないチボリ公園事業を行わせるため,岡山県において被告クラボウから本件土地を賃借した上,これを違法に転貸して被告チボリジャパン㈱に提供することを企図して,本件賃貸借及び本件転貸借等という一連の行為を行い,岡山県に対し,本件賃借料と本件転貸料の差額に相当する損害を被らせており,さらにこれを継続しているとして,
(一) 岡山県に回復困難な損害を生ずるおそれがあるものとして,平成14年法律第4号による改正前の法242条の2第1項1号に基づき,被告岡山県知事に対し,本件賃借料の支払差止めを求め,
(二) 平成14年法律第4号による改正前の法242条の2第1項4号に基づき,共同不法行為により,
(1) 被告クラボウ,被告B,被告チボリジャパン㈱に対し,本件賃借料から本件転貸料を差し引いた差額相当損害賠償金6億8075万3246円(被告Bの県知事在任中のもの)及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告Bは平成9年1月19日,被告クラボウ,被告チボリジャパン㈱は同月21日)から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を各自,岡山県に支払うよう代位請求し,
(2) 被告クラボウ,被告C,被告チボリジャパン㈱に対し,本件賃借料から本件転貸料を差し引いた差額相当損害賠償金42億4648万2596円(被告Cの県知事在任中のもの)及びこれに対する訴え変更申立書送達の日の翌日である平成16年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を各自,岡山県に支払うよう代位請求し,
2  (1の(二)の選択的請求として)被告Bあるいは被告C,被告チボリジャパン㈱は,チボリ公園事業を進めるに当たり,採算見通しが立たないか非常に困難であることを容易に予測できたにもかかわらず,上記事業を敢行し,事業の採算がとれなかった結果,当初計画における文化性,公共性を失うことになりながら,上記事業に岡山県からの支出を継続させてきたものであり,そのために,岡山県に本件賃借料相当の損害を被らせた旨主張して,平成14年法律第4号による改正前の法242条の2第1項4号に基づき,共同不法行為による損害賠償金として,
(一) 被告B,被告チボリジャパン㈱に対し,本件賃借料から本件転貸料を差し引いた差額相当額金6億8075万3246円(被告Bの県知事在任中のもの)の限度での損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告Bは平成9年1月19日,被告チボリジャパン㈱は同月21日)から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を各自,岡山県に支払うよう代位請求し,
(二) 被告C,被告チボリジャパン㈱に対し,本件賃借料から本件転貸料を差し引いた差額相当額金42億4648万2596円(被告Cの県知事在任中のもの)の限度での損害賠償金及びこれに対する訴え変更申立書送達の日の翌日である平成16年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を各自,岡山県に支払うよう代位請求した。
三  争点
1  本件転貸借等の違法性
(一) 法244条の2第3項違反
(二) 法238条の4第1項又は法237条2項違反
(三) 法232条の2違反
2  本件賃貸借契約の違法性
3  被告Bあるいは被告Cと,被告チボリジャパン㈱,被告クラボウとの共同不法行為の成否
(一) 本件転貸借等の違法性に基づくもの
(二) 破綻責任に基づくもの
四  争点についての当事者の主張
1  本件転貸借等が法244条の2第3項に違反するか
(一) 原告らの主張
同項所定の「公の施設」とは,住民の福祉を増進する目的をもって住民の利用に供するため,普通地方公共団体が設けた施設をいう。
被告らは,本件県有施設を「時代の変化に対応した幅広い余暇活用の場を提供し」,本件県有施設を整備することにより,「投資による経済効果・雇用の場を創出し,観光資源の創造・関連産業の振興」,波及効果として「地域地場産業の振興・所得の増大」等を達成する目的をもって設置したものであるというのであるから,本件県有施設は,倉敷チボリ公園の基盤部分を構成する本件土地と併せて,「公の施設」に該当することになる。
しかるに岡山県は,被告チボリジャパン㈱をチボリ公園の管理運営会社とし,本件県有施設及び本件土地につき,岡山県が4分の1以上の出資も2分の1以上の役員も派遣していない同被告会社に運営管理を委託し,その一内容として本件転貸借等をなしたものであるから,「公の施設」の管理を法244条の2第3項に規定する受託資格を満たさない法人に委託したものとして,同条3項に違反する。
(二) 被告らの反論
本件転貸は,被告チボリジャパン㈱が自ら整備した施設の所有を目的とするものであり,本件転借地は岡山県が設置した施設の敷地ですらなく,本件転貸借等が,被告チボリジャパン㈱に対する「公の施設」の管理委託の内容をなすものと捉える余地など存在しない。
2  本件転貸借等が法238条の4第1項又は237条2項に違反するか
(一) 原告らの主張
(1) 地方公共団体が不動産賃借権を保有する例は非常に多く,現実にこれを公有財産と同様に管理する必要がある上,その物権化傾向に鑑みると,不動産賃借権は,これをあえて地上権等と区別して取り扱うべき現実的根拠に乏しいから,平成14年法律第65号による改正前(以下同様)の法238条1項4号の「地上権」等に準じ,同項にいう公有財産であると解すべきである。
(2) 本件賃借権は,住民の一般的な共同利用に供することを目的とした財産であり,道路,公園,学校,病院,図書館等の敷地・建物等と同じく「公共用に供する」財産であるから,行政財産に該当する。そして,法238条の4第2項の例外的場合に当たらない貸付けであることは明らかであるから,本件転貸借等は同条の4第1項に違反する。
(3) 仮に,本件賃借権が普通財産であるとしても,本件転貸借等は,条例又は議会の議決がないのに,被告チボリジャパン㈱に対し,適切な対価なくして貸し付けている(岡山県が被告クラボウから393円/㎡で賃借した上,その5分の1である78円/㎡で転貸)ものであるから,法237条2項に違反する。
(二) 被告らの反論
(1) 「公有財産」とは,普通地方公共団体の所有に属する財産のうち,法238条1項各号に掲げるものをいうところ,賃借権は同項4号の「地上権,地役権,鉱業権その他これらに準ずる権利」には該当しない。
(2) 仮に,本件賃借権が公有財産に該当するとしても,普通財産であって,行政財産には該当しない。すなわち,行政財産とは,「普通地方公共団体において公用又は公共用に供し,又は供することを決定した財産」であるところ,「公用に供する」財産とは,地方公共団体がその事務又は事業を執行するため直接使用することを本来の目的とする公有財産をいい,「公共用に供する」財産とは,住民の一般的共同利用に供することを本来の目的とする公有財産をいう。
岡山県は,チボリ公園事業を推進したが,第三セクターたる被告チボリジャパン㈱にこれを運営管理させるとの方針を採用したから,本件賃借権は,直接,特定の行政目的を達成するために供されるものではない。
(3) 岡山県は,本件転貸に関しては,本件賃借料と本件転貸料の1㎡当たりの単価が同額であるから,「適正な対価」(法237条2項)のある貸付として,岡山県議会の議決を得ていない一方で,本件無償貸付に関し,法237条2項の趣旨を考慮して,普通財産の適正な対価のない貸付に準じて,本件県有施設の無償貸付の議案に本件無償貸付をも含めた議案を提出し(乙36の1),同議案は,平成9年7月1日,岡山県議会定例会で可決された(乙36の3)。
3  本件転貸借等が法232条の2に違反するか
(一) 原告らの主張
(1) 本件転貸借等は,実質的に見れば,岡山県が被告クラボウから,本件土地を賃借した上,これを割安転借料で,被告チボリジャパン㈱に転貸し,本件賃借料と本件転貸料との差額を肩代わりして支払っているものであり,上記差額賃料分は法232条の2所定の「補助」に該当する。
したがって,公益上必要ある場合にのみ本件転貸借等は許されるところ,公益上の必要があるか否かは,一応,当該地方公共団体の長及び議会が個々の事例に則して判断するが,これは全くの自由裁量行為ではなく,客観的に公益上必要であると認められなければならない。そして,地方公共団体が行う公金の支出には,すべからく公共性が必要であるところ,法が特に232条の2において,寄附又は補助について公益上の必要性という要件を設けているのであるから,寄附又は補助については,一段高い公共性の絞りがかけられたものと解すべきである。
そうであるならば,法232条の2の「公益上必要がある場合」といえるためには,以下の7つの要件を具備することが必要である。
ア 当該地方公共団体に財政上の余裕があること。
イ 支出目的・趣旨が公益性を有すること。
ウ 当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民の大部分の利益につながること。
エ 支出の方法・支出額が相当であること。
オ 補助対象者として,適正な性格を有すること。
カ 支出により,公正さ,公平さなど他の行政目的を阻害し,行政全体の均衡を損なうおそれのないこと。
キ 支出手続が適法になされ,事後的な検査体制が整備されていること。
(2) ところが,チボリ公園事業については,これら7つの要件が具備されておらず,「公益上の必要性」が存在しないから,本件転貸借等は違法である。
ア 財政上の余裕
岡山県の財政状況は,以下のとおり危機的な状況にある。
岡山県の公債費比率は,平成4年度から急激に悪化し,平成6年度には16.5%,平成7年度には18%,平成8年度には20.1%,平成9年度には22.8%,平成10年度には23.2%,平成11年度には24.9%,平成12年度には22.9%,平成13年度には22.4%,平成14年度には22.9%となっている。
起債制限比率も平成8年度に15.5%となり,公債費比率,起債制限比率とも全国最悪の数値となっている。さらに,起債制限比率は,平成11年度に19.3%,平成12年度に19.2%,平成13年度に18.9%,平成14年度に18.3%となっている。
経常収支比率は,都市にあっては75%程度が適当と考えられているが,岡山県においては,平成6年の岡山県の経常収支比率は89.6%であり,全国ワースト7位であることを初めとして,平成10年度から平成14年度まで91ないし98%と極めて悪い数値で推移しており,財政の硬直化を示している。
また,財源不足を補うために財政調整基金,県債管理基金及び長期投資準備基金のほとんど全額を取り崩しており,平成10年度には基金残高は16億円となる見込みである。
このように財政上の余裕がない中,岡山県は,チボリ公園というレジャーランドのために大金を投入し,住民の福祉対策をないがしろにしている。例えば,乳幼児医療費患者負担分に対する公費助成制度では,全国最低水準の助成にとどまっているし,在宅介護手当の支給も実施されていない。また,岡山県から岡山市への老人医療費等の補助を打ち切るという話もある。
イ 支出目的・趣旨の公益性
被告らは,チボリ公園事業は,高齢化社会,余暇時間の増大,ライフスタイルの多様化等,時代の変化に応じた幅広い余暇活動の場を提供しようとするもので,倉敷チボリ公園のような都市型公園を整備することにより,直接的には,投資による経済効果・雇用の場の創出・観光資源の創造・関連産業の振興,波及効果としては,地域産業・所得の増大等が見込まれるから,チボリ公園事業は公益性を有すると主張する。
しかし,倉敷チボリ公園の概要-約12ヘクタールというそれほど広くない敷地に,20の遊戯施設,23の物販施設,23の飲食施設を有する-をみれば,文化教養施設だとか憩いの場であるなどという主張は詭弁というほかなく,その実態は,営利事業として本来民間の手によって行うべき大型レジャーランド,アミューズメント系レジャー施設にほかならない。
以上を総合考慮すると,本件公金支出の目的・趣旨には,公益性は全く認められない。
ウ 当該補助対象となる事業活動が地方公共団体又はその住民の大部分の利益につながること
(ア) 入園料について
倉敷チボリ公園の入園料は2000円と高額である上に,被告らの主張によれば,入園者の消費単価は1人5300円と見込まれているのであるから,倉敷チボリ公園は,住民に等しく開かれた公共施設とは到底いえない。
(イ) 県民の利用割合について
岡山県が倉敷チボリ公園の開業前に行った試算によれば,県内客の割合は12.5%,岡山県外客が87.5%となっていた。つまり,倉敷チボリ公園は,県外客を頼りにした施設であり,このような施設のために多額の支出をすること自体,住民の利益を無視した暴挙である。
(ウ) 地域の活性化,地方経済への波及効果について
被告らは,倉敷チボリ公園の設置により,地域の活性化を促し,地方経済への波及効果が期待されると主張するが,その効果について具体的な主張がない一方,現在では多くのリゾート開発やテーマパークで,そのような期待に反する結果が出ている。
また,研究会の報告(瀬戸内海沿岸の7県150施設,総投資額2兆2000億円の計画進展状況を想定して,地域への波及効果を試算したもの)では,県民総資産を押し上げる効果は,0.3%から最大でも1.6%,雇用拡大の効果も0.0%から0.5%に過ぎないもので,雇用は創出されず,地域への波及効果は限定されると結論付けられている。
(エ) 倉敷チボリ公園の設置によって生じる負の影響について
開園までの莫大な公金支出や開園後に予定される経営不振等のために新たに背負わされることになるかもしれない住民負担は別にしても,光公害・騒音公害等が発生している。
エ 支出の方法・支出額が相当であること
平等原則及び濫費防止の観点から,補助金の支出に当たっては,必要最小限度の方法を選択(① 低利融資,② 無利子融資,③ 狭義の補助金支出の優先順位で選択されるべきである)し,必要最小限の額とすべきである。特に,狭義の補助金を支出するに当たっては,補助対象者たる民間企業の活動が,地方公共団体の行うべき公共事務と同視できる程度の高度な公益性・緊急性・必要性がある場合でなければならない。貸付や出資については,とりわけ補助対象者の経営の健全性,事業の採算性がある場合にのみ許されると解すべきである。
本件転貸借等は,岡山県が被告チボリジャパン㈱に対し本件賃借料と本件転貸料の差額(提訴当時の月額約3730万円)を財政支援しているものとして,狭義の補助金支出と同視できる。
狭義の補助金支出の場合,補助対象者たる民間企業の活動が,地方公共団体の行うべき公共事務と同視できる程度の高度な公益性がある場合でなければならないが,倉敷チボリ公園の実態あるいは後記の被告チボリジャパン㈱の性格を検討すれば,チボリ公園事業がその要件を満たしているとは到底いえない。
また,補助金額は年額4億4760万円と莫大であり,公益達成に必要最小限度のものとはいえない。
さらに,相当性の問題と関連して,チボリ公園事業の採算性の問題がある。つまり,① チボリ公園事業の採算性に強い疑問があったからこそ,阪急電鉄株式会社(以下「阪急電鉄」という)の事業参加拒否,NTT無利子融資の不適用,市中銀行の貸付拒否といった事情が生じ,その資金計画が二転三転している。② 当初は,倉敷チボリ公園における消費単価は5306円,入園者見込み年間200万人と予測されていたが,入客は平成12年度より予想を下回り,平成15年度には109万人にまで落ち込み,消費単価も平成14年度上期には3692円になっており,倉敷チボリ公園開園後の累積赤字は平成13年度で72億円を超過している(後記の破綻責任論は,この点に関する主張を敷衍したものである)。
以上のとおり,本件転貸借等は,相当性の原則や採算性の問題を無視しても,到底公益上の必要性を満たすものではない。
オ 補助対象者の性格
補助金の支出に当たっては,補助対象者の目的,活動状況,過去における公益活動の実績,公益活動計画,公益外活動の程度等を検討した上で,当該補助金が補助対象者の公益活動にどの程度役立つか,他の目的に流用されるおそれがないかなどの利害得失を総合考慮すべきである。
被告チボリジャパン㈱は,いわゆる第三セクターとして設立されたものであるが,商法上の株式会社であり,その事業目的は,遊園地の経営や管理のほか,運送業,ホテル経営,広告代理業,物品販売及び輸出入業等極めて広範囲の営利事業を目的としているもので,その目的自体には何らの公益的使命を見出すことはできない。
また,法は,地方公共団体が第三セクターに出資した場合,その比率が4分の1以上である場合について,その監督権限等を定めているところ,岡山県の被告チボリジャパン㈱に対する出資比率は4分の1未満にとどまっていた。したがって,被告チボリジャパン㈱には,岡山県の監査・監督が全く及ばないもので,本件転貸借等の当時は,法244条の2第3項において公の施設の管理を委託することができる団体にも該当しなかった。
以上のとおり,被告チボリジャパン㈱には公共的性格は全く見出し難く,同社に対し公金支出を行うことは,公益上の必要性が欠如すること甚だしい。
カ 支出により,公正さ,公平さ等他の行政目的を阻害し,行政全体の均衡を損なうおそれのないこと
平成4年に行われた岡山県知事選挙,平成7年及び平成8年に行われた倉敷市長選挙では,いずれも,様々な政党の推薦等を受けたにもかかわらず,チボリ公園事業の推進派候補が辛勝する結果になっており,岡山県民や倉敷市民のチボリ公園事業に対する批判の大きさが分かる。しかし,チボリ公園事業は,このような住民の声を一顧だにせず,一民間企業に過ぎない被告チボリジャパン㈱に対してのみ,莫大な補助金等を投入しているもので,公正さを欠き,他の民間企業と比べて優遇されていることからも,平等原則に反するものである。
キ 支出手続が適法になされ,事後的な検査体制が整備されていること
岡山県は,岡山県補助金等交付規則を定め,それに基づき補助金を支出をしているが,同規則に基づいて支出されたことだけをもって手続要件を充足したというのは早計である。
また,岡山県補助金等交付規則の内容は極めて抽象的かつ概括的であり,その補助金交付手続に対する規制の仕方及び統制方法は極めて不十分であるものである。そして,被告チボリジャパン㈱は営利企業であることから,補助金交付の手続要件は厳格に解されるべきである。
本件転貸借等の処理は経費支弁の形で行われていると思われるが,性質上補助金でありながら,補助金支出手続を履践せずしてその支出を行うことは,それのみで違法であり,瑕疵の治癒ということはあり得ない。
仮にそうでないとしても,手続要件の重要性,かつては管理委託の要件を欠如していたこと,国の補助金交付規則ないし岡山県補助金等交付規則の問題点,補助対象者たる被告チボリジャパン㈱の性格に基づく厳格な手続要件設定の必要性,第三セクターの問題点及び年額4億円の出費という巨額性等を総合考慮すれば,上記のような手続を履践し,補助対象者たる被告チボリジャパン㈱に対し岡山県から数名の取締役を派遣しているだけでは,その手続要件の要請する公益的チェックに程遠い。
(二) 被告らの反論
(1) 本件転貸に関していえば,本件転貸料の1㎡当たりの単価は,本件賃借料の1㎡当たりの単価と同額であり,原告らが主張する賃料の肩代わりという要素は何ら見当たらない。また,本件無償貸付に関しても,普通財産の無償貸付として法237条2項によって規律されるべきであり,直接対価関係のない金銭給付を規制する法232条の2が適用される余地はない。
そして,法237条2項は,普通財産の無償貸付について,条例又は議会の議決によることを求めるのみであり,「公益上の必要性」は独自の要件とされていないのであるから,原告らの主張はその前提を欠く。
本件無償貸付に関し,裁量濫用判断の一考慮要素として「公益上の必要性」が問題になることは考えられるが,チボリ公園事業の歴史的経緯,岡山県の関与の程度,何より倉敷チボリ公園の有する公共的性格に照らせば,チボリ公園事業は岡山県の事業そのものであるから,チボリ公園事業のために本件無償貸付をなすことには,高度の「公益上の必要性」が認められる。
4  本件賃貸借契約の違法性
(一) 原告らの主張
本件賃貸借契約は違法な転貸借等を目的にその前提として締結されたものであるから,違法である。
(二) 被告らの反論
原告らは,本件転貸借契約と本件賃貸借契約を区別せず,あたかも両契約を一体であるかのように捉えて,本件賃貸借契約も違法であると結論付けている。しかし,両契約はあくまで別個独立の契約である以上,個別に違法性の有無を検討すべきである。
まず,本件賃貸借契約の締結過程及び内容自体には,何ら固有の違法性は認められない。
そして,本件賃貸借契約に後行する本件転貸借契約について強い違法性が認められるのであれば格別,かかる事情の認められない本件において,本件賃借料の支払いが違法と判断される余地はない。
さらに,原告らは,被告岡山県知事に対し,本件賃借料の支払差止めを請求しているが,本件賃貸借契約は私法上有効である以上,本件賃借料の支払いを違法とは評価できないから,失当である。
5  被告Bあるいは被告Cと,被告チボリジャパン㈱,被告クラボウとの共同不法行為の成否
(一) 本件転貸借等の違法性に基づくもの
(1) 原告らの主張
被告Bあるいは被告Cは,被告チボリジャパン㈱及び被告クラボウと,共同して,被告チボリジャパン㈱に公共性のないチボリ公園事業を行わせるため,岡山県において被告クラボウから本件土地を賃借した上,これを違法に転貸して被告チボリジャパン㈱に提供することを企図して,本件賃貸借及び本件転貸借等という一連の行為を行い,岡山県に対し,本件賃借料と本件転貸料の差額に相当する損害を被らせており,さらにこれを継続している。
(2) 被告らの反論
争う。
(二) 破綻責任に基づくもの
(1) 原告らの主張
ア チボリ公園事業についての事業予測見通しの誤り
(ア) チボリ公園事業については,長銀総合研究所を介し,17社に対して中核企業としての参画意向聴取を行ったが,テーマパークが低収益事業であること,企業としての方向性が明確でないことから,平成4年9月30日時点で参画企業はなかった。民設民営により事業運営するには中核企業の参画が不可欠なため,平成4年12月ころより,岡山県は,阪急電鉄と接触し,参画要請と協議を続け,阪急電鉄も参画に向けて「構想原案」(平成5年2月19日付事業計画)の検討を重ね,平成5年12月,「倉敷チボリ公園計画企画案」を岡山県に提出した。
交渉の過程で,岡山県は阪急電鉄の要求に種々譲歩し,46億円の支援,出資及び低利融資・無利子融資の拡大,娯楽性の強化を図り,「構想原案」に大幅な修正を加えた。これは,岡山県において,阪急電鉄が中核企業として参画するか否かは,事業を進める上で死活問題であると考えていたからである。しかし,阪急電鉄は事業採算性を緻密に検討した結果,平成6年2月,事業見通しが立たないことから中核企業としての参画を断念し,チボリ公園事業から撤退した。やむなく,岡山県は中核企業による民設民営方式を諦め,岡山県が事業費の一部である185億円を直接に支出して事業を進めることとし,同月25日,一部公設民営方式に計画を変更した。また,岡山県は,同議会に対し,株式会社アイ・ピー・コンサルタンツや阪急電鉄等が作成した報告書類を提出しなかったため,同議会においてこれらを踏まえた収支見通しの議論は行われなかった。
(イ) チボリ公園事業に関し,平成7年11月に確定された計画(以下「当初計画」という)当時,テーマパークを巡る経営状況は厳しく,平成4年7月のニッセイ基礎研究所の調査報告によれば,年間入園者が目標を割り込んでいるところが多く,収支採算面でも大半が目標ぎりぎりの達成か,見込みを下回る結果となっており,計画段階での市場分析の甘さが浮き彫りとなっていると指摘されていた。また,平成5年8月には,自治省の研究会が,第三セクターの設立に当たっては,その必要性や採算性を十分見極め,安易な設立は慎むよう求める報告書をまとめており,ニッセイ基礎研究所の研究員や岡山大学教授も,当初計画の入園者数200万人,一人当たり消費単価5300円について,その見通しに疑問を呈していた。
(ウ) 岡山県は,中核企業として参画を期待した企業の動向,テーマパークを巡る経営状況を踏まえれば,チボリ公園事業を一部公設民営方式で進めるに当たって,慎重な検討を行うべきだったのであり,それを行っていれば,事業採算性の見通しが立たないこと,少なくとも非常に困難であることを容易に知り得る状況にあった。
イ 当初計画の破綻
(ア) 当初計画は,年間入園者数200万人,1人当たり消費単価5306円としていたが,平成14年度の入園者数は112万人程度,消費単価は3700円程度であって,平成13年度累積赤字は72億円を超えるに至っている。
被告チボリジャパン㈱に対する包括外部監査の結果報告書は,「平成13年4月19日,社長が交替し,大幅な経営改革に乗り出して,「入園者数を120万人,消費単価を3600円と見直し,高コスト体質から脱却するために,過剰な設備を見直し,徹底した費用の削減を図ることとした。」旨述べ,当初計画の破綻を認めた。
(イ) このように,チボリ公園事業の当初計画は,入園者数及び消費単価の低迷により採算が取れないため,平成13年4月19日,社長が交替し,それに伴う徹底したコスト削減により,定番ショーやチボリ・ウインドアンサンブルが廃止され,植栽管理委託業務が見直される結果となった。このことは,被告ら主張に係るチボリ公園事業の柱である文化性・公共性が放棄されたことを意味している。
(ウ) 入園者数及び消費単価の激減による経常収支の著しい悪化と,当初計画で予定された被告ら主張に係る文化性・公共性の放棄に照らせば,当初計画は破綻したということができる。
ウ 被告らの責任
被告B及び同Cは,それぞれ岡山県知事在職中,チボリ公園事業に関する支出につき,財務会計上の責任者であったところ,① 中核企業として参画を期待した企業が参画を撤退したこと,② 他のテーマパークを巡る厳しい経営状況,③ コンサルタントによる報告等を踏まえると,被告らがチボリ公園事業を一部公設民営方式で進めるに当たって慎重な検討をしておれば,事業採算性の見通しが立たないこと,少なくとも非常に困難であることは容易に知り得たものであるにもかかわらず,これを怠って当初計画を破綻に陥れ,本件賃借料全額に相当する損害を岡山県に与えたものであり,被告チボリジャパン㈱とともに,民法719条に基づき,共同不法行為者として,損害賠償責任を負う(以下,この主張が依拠する責任論を「破綻責任論」という)。
(2) 被告らの反論
ア 原告らの従来の請求,主張は,本件転貸借等が法に反して違法であり,ひいては,本件転貸借契約等を前提とする本件賃貸借契約も違法であるとの点にあったが,破綻責任論は,「チボリ公園事業の収支見通しが立たない,あるいは非常に困難であることを予測できたにもかかわらずこれを怠り,当初計画を破綻に陥れた」との点に被告らの責任の根拠を求めるものであり,従来の主張と比較して,法律構成,被告らの防御対象をも異にするもので,訴訟提起から7年以上が経過している段階において,このような主張を許すことは,被告らの防御の利益を損なうとともに,訴訟の著しい遅延を来すものである。
したがって,破綻責任論は,民事訴訟法143条1項に反する不適法な訴えの変更又同法157条1項の時機に後れた攻撃方法として,却下されるべきである。
イ 破綻責任論は,それ自体,極めて不合理なものである。たとえば,経営の破綻によって被告チボリジャパン㈱が営業停止に陥り,チボリ公園事業の担い手としての役割が放棄されたにもかかわらず,本件転貸借等が継続されたような場合であれば格別,本件において,被告チボリジャパン㈱は現に営業を継続し,チボリ公園事業の担い手としての役割を果たしているのである。にもかかわらず,破綻責任論のごとき法律構成において,何故に賃料支出が不法行為法上の違法と評価されるのか,何故に賃料相当額が損害と評価されるのか,理解に苦しむところである。
ウ 当初計画の破綻について
(ア) 原告らは,当初計画の破綻を主張しているが,要するに,①当初計画の収支計画と実績値との乖離が生じていること,② 定番ショーやチボリ・ウインドアンサンブルの廃止等によって,文化性・公共性が放棄された,という2点を主張するものと解される。
(イ) まず,売上高や収益等の面からみれば,開業3年目まで,当初計画の収支計画は,順調に達成されていたものである。4年目以降の実績値は収支計画を下回っているが,その原因は,収支計画策定時に誰も予測し得なかった,景気低迷の長期化に求められる。
また,本件転貸借等の目的は,被告チボリジャパン㈱に対する投資にあるのではなく,チボリ公園事業の推進を目的とするもので,被告チボリジャパン㈱は,現に同事業の担い手としての役割を果たしているのである。この支出目的に照らせば,収支計画と実績値との乖離は,判断要素の一つに過ぎず,重要な判断要素とまではいえない。
(ウ) 原告らにおいて,包括外部監査の結果報告書が当初計画の破綻を認めたとするのは,被告チボリジャパン㈱が経営改革の一環として入園者数及び消費単価の見直しを行ったことを指すものと解される。しかし,中長期の事業計画について,その後の景気動向の変化等を踏まえて修正を加えていくことは,広く行われていることであり,被告チボリジャパン㈱が入園者数や消費単価の見直しを行ったことをもって,被告らに不法行為責任を負担せしむべき「破綻」と評価されるべき理由はない。
(エ) また,チボリ・ウインドアンサンブルが平成14年1月15日に廃止されたことは認めるが,それのみが音楽提供の役割を担っていたわけではなく,様々なコンサート等が行われてきており,このような音楽提供のプログラムは今後も継続されていく。また,定番ショーの廃止についても,これに代わる様々な文化的催しを新たに開催しているし,植栽管理業務についても,外部業者に対する委託方式から直営方式に変更しているが,このことは「花と緑と水辺」豊かな公園としての倉敷チボリ公園の特性を何ら損なうものではない。したがって,定番ショーやチボリ・ウィンドアンサンブルの廃止,植栽管理委託業務の見直しをもって,チボリ公園事業の柱である文化性・公共性が放棄されたと評価し得ないことは明らかである。
第三  当裁判所の判断
一  監査請求前置について
法は,242条の2(平成14年法律第4号による改正前のもの)に基づく住民訴訟を提起するに当たっては,法242条に基づく監査請求を前置することを要件にするところ,原告Aは,本件訴えを提起するに当たり,監査請求を前置したことが認められないから,その訴えは不適法であることに帰する。
二  本件転貸借等の違法性について
1  前提事実に,以下に挙示する証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(一) チボリ公園事業の経緯
ア 岡山市は,昭和62年10月31日,市制100周年記念事業の一環としてデンマークのチボリ公園の岡山市への誘致計画を発表し,岡山県に対しても,同計画への協力を求め,岡山県もこれに協力することとしたが,岡山市は,平成3年7月にチボリ公園誘致計画から撤退した。しかし,岡山県は,① チボリ公園事業は,来るべき21世紀に向けて岡山の活性化やイメージアップを図るとともに,子供から年寄りまで楽しむことができ,文化の薫り高い魅力ある地域づくりを進めるために極めて有意義な事業であること,② 同事業のため既に43億円もの民間資金が支出されており,岡山県が同計画から撤退すれば,行政に対する信頼が失われるおそれがあること,③ 被告チボリジャパン㈱は,チボリ・インターナショナル社との間で既に種々の契約を締結しており,同計画がなくなれば,チボリ・インターナショナル社から多額の損害賠償請求をされる懸念があるのみならず,同計画が発表された後にデンマーク皇太子にわざわざ来岡してもらうなどしていたことからも,国際的信義にもとることになりかねないこと等を考慮し,岡山県財界と共に同計画を続行することとした。
岡山県は,チボリ公園事業が,中四国の広域交流,魅力ある地域文化の創造,観光・リゾート拠点の整備と観光の振興,魅力ある都市の創造,県民のリゾートやレクリエーション拠点の整備,魅力ある地域づくり,国際交流の振興等にも資する極めて公共性の高い事業であると位置付け,同事業を岡山県の第4次(平成3年度から平成7年度)及び第5次(平成8年度から平成12年度)総合福祉計画の中に組み入れた(乙254,255)。
イ チボリ公園事業は,当初,民間が施設を設置して運営する構想であった(民設民営方式)が,民設民営の中核企業として見込んでいた阪急電鉄が参画しなくなったことや,民設民営に対する有力企業の参画が期待できなくなったこともあって,岡山県は当初の計画の変更を検討せざるを得なくなり,平成6年2月25日,県議会チボリ公園特別委員会で,採算性と文化性や市民公園の要素との兼ね合いを検討・考慮した結果,公園の基盤部分(樹木,花壇,湖,噴水,散策路,ベンチ,イルミネーション等)及び教養文化施設(野外劇場,多目的シアター,ランドマークタワー,アンデルセンホール,こども劇場,ミュージックパビリオン)を岡山県が整備し,レストラン,物品販売,遊具施設を第三セクターである被告チボリジャパン㈱が整備する旨発表され,以後,この枠組み(公設民営方式)に基づいて事業展開を図ることとなった。
(二) 倉敷チボリ公園の概要等
ア 料金
倉敷チボリ公園の入園料は大人が2000円,小人及び高齢者が1000円等と設定されている。この他に,各種アトラクションを利用するためには,別途有料の券が必要である(甲121)。
イ 施設
倉敷チボリ公園には,樹木や草花が多く植えられ,園内を散策することや,チボリタワー内で紹介されているデンマークの様子を見聞したり,各種音楽会を鑑賞すること,オールドコペンハーゲンで19世紀のコペンハーゲンの様子に触れたり,園内の物販店でデンマークの飲食物や名産品を入手することによって,いわゆるアトラクション施設を利用しなくても,同公園内での時間を楽しむことができ,教養文化施設としての一面を有する。
岡山県の設置した修景施設は,① 樹木5万本,② 四季折々の花々(250種類)通年85万株,③ 彫刻,イルミネーション等であり,文化・教養施設として,① 野外劇場,② カルケバレン劇場,③ チボリタワー,④ アンデルセンホール,⑤ こども劇場,⑥ ミュージックパビリオンがある(甲151。乙178,179,234,237ないし245,277,279,291)。
他方,一般のレジャー施設に存するものと変わらぬアトラクション施設が22個,ショッピング施設が23個,フード・レストラン施設が22個と多数設置されている(甲151。甲104,121,136,乙275)ことからすれば,倉敷チボリ公園は,単なる都市公園や自然公園とは異なって,テーマパークないしアミューズメントパークとしての性格を強く有するものといわざるを得ない。
ウ 催事等
倉敷チボリ公園では,開園当初から,① デンマークの自然文化の紹介,② デンマークの演奏家を含む内外の演奏家の招聘及び演奏会の開催,③備中神楽の上演,④ 公園内の劇場でのアンデルセン童話の紹介,⑤ 岡山県民参加の音楽発表会,小中学校の児童生徒参加の写生会,高校及び一般の吹奏楽団参加の吹奏楽祭,保育園児によるパレード等の催し物が行われた(乙180ないし232,246,247,306ないし308,312ないし322)。
その後,平成13年に事業見直しが行われた結果,子供向けの劇やミュージカル等の定番ショーといわれるものが中止され,専属の吹奏楽団だったチボリ・ウインドアンサンブルの解散が決定されるなどし(甲132,134,135の1),定番ショーに代わるものとして,カルケバレンシアター(乙279),こども劇場プログラム(乙279,282,283),日替わりコンサート(乙284,285),チボリ・エンターティナーショー(乙286)といった文化的な催しを新たに開催し,チボリガード(乙279,280),チボリウインドシンフォニー(同),チボリレディースコア(乙280),チボリの森の音楽家(乙281)といった地域住民参加型の楽団等が創設された。
エ 入園者
アンケートの結果によると,県内からの入園者の比率は,平成9年8月時点で20.3%(甲16),平成13年度で38.6%,平成14年度で39.1%であった(乙287)。
平成9年度から平成15年度までの入園者数は,約298万人,約294万人,約238万人,約182万人,約134万人,約116万人,約109万人と推移している(甲168)。
(三) 被告チボリジャパン㈱への統制等
ア 被告チボリジャパン㈱は,倉敷チボリ公園の建設,管理運営を主たる業務として,岡山県,岡山商工会議所,地元民間企業19社の共同出資により,平成2年2月20日に第三セクター方式による株式会社として設立された(甲88)。岡山県の出資比率は4分の1を下回り,役員の派遣も2分の1を下回る。
イ 被告チボリジャパン㈱の経営には,平成6年当時,岡山県及び倉敷市の関係者が参画しており(甲88,89),以降も,同社の経営には岡山県及び倉敷市の関係者が参画している(甲124ないし127)。
ウ 被告チボリジャパン㈱の商業登記簿には,目的として,遊園地の経営及び設計並びに運営のコンサルティング等と記載されているが,これらは倉敷チボリ公園の設置及び管理運営に必要な範囲で行われるものである。
エ 岡山県と被告チボリジャパン㈱は,平成9年3月25日,「倉敷チボリ公園の管理及び運営に関する基本協定書」(乙271)を取り交わしたが,同協定書には,倉敷チボリ公園は,デンマークの伝統ある都市型公園であるチボリ公園の基本概念に基づいて整備された公園で,県民福祉の増進,岡山県の経済,文化等の発展に寄与することを目的とし,公共性及び文化性を保持する公園とする(2条),前条の目的及び性格を実現するため,岡山県が整備する施設と被告チボリジャパン㈱が整備する施設からなる倉敷チボリ公園を民間の手法の活用の理念のもとに被告チボリジャパン㈱が有機的かつ一体的に管理及び運営することを確認し,被告チボリジャパン㈱は,倉敷チボリ公園を本基本協定書の条件に従って管理及び運営を行う(3条),被告チボリジャパン㈱は,① 県民福祉の増進及び岡山県の経済,文化等の発展を目的とした管理運営を行う,② 地域の伝統的文化と調和し,環境保全に十分配慮した管理運営を行う,③ 高齢者,身体障害者等が利用しやすい管理運営を行う,④倉敷チボリ公園の年間の企画の中には,芸術及び文化の発展に寄与する企画,教育活動に寄与する企画,幼児及び高齢者向けの企画,国際交流の促進に寄与する企画を盛り込むものとする(4条),被告チボリジャパン㈱は,営業年度毎にあらかじめ倉敷チボリ公園内で実施する企画等を含む事業計画案を岡山県に提出し,岡山県はこれについて意見を述べることができ,被告チボリジャパン㈱は岡山県の意見を最大限尊重しなければならない(5条),倉敷チボリ公園の管理運営に関し,岡山県の意向を反映させるための常設の機関として,岡山県,被告チボリジャパン㈱,学識経験者らで構成される倉敷チボリ公園協議会を設置する(6条)などの条項が記載されている。
オ 平成9年6月23日,前記協定書6条の定める倉敷チボリ公園運営協議会(構成員は,当時の岡山県副知事,岡山県企画部長,岡山県議会関係者,倉敷市関係者,学識経験者,被告チボリジャパン㈱関係者ら)が開催された。以後,同協議会は継続的に開催され,岡山県関係者らにより,倉敷チボリ公園の管理運営方法の協議がなされている(乙323)。
(四) チボリ公園事業による経済効果等
ア 岡山県,倉敷市及び財団法人岡山経済研究所の行った調査報告によれば,倉敷チボリ公園建設時の経済効果は,その建設費・周辺投資の及ぼす直接生産効果として,県内の生産増加につながった額は615億円,その波及効果が573億円と推計され,ランニング効果として,入園者390万人の消費額が746億円,県内各部門の生産額増加につながったものが716億円,その波及効果が600億円と推計され,雇用効果は勤務時間の延長やパートタイマーの雇用等を含めて約7300人と推計されている(乙256)。
また,これによれば,倉敷チボリ公園と美観地区との間に,新たな人の流れが生まれているとか,岡山県の知名度向上,滞在型観光への観光形式の変化,コンベンション都市としての魅力強化,倉敷市中心部の活性化等が認められると報告されており,同報告に沿った内容の新聞記事やアンケート結果もみられる(甲16,乙159)。
イ しかしながら,他方,上記経済効果等について,具体的に明確になるような検証,分析がなされた資料は見出せない。
(五) 岡山県の財政状況
岡山県の予算(歳入・歳出。以下には,補正前の当初予算案等の数字も含まれる)は,平成6年度が約8011億円(乙26の2),平成7年度が約7745億円(乙28の2),平成8年度が約8070億円(乙31の2),平成9年度が約7780億円(乙35の2),平成10年度が約7921億円(乙38の2)であった。
起債制限比率(県が自由に使える収入に対する公債費の占める割合を表す指標で,これが20%を超えると県債の発行が制限される)は,平成6年度が13.1%,平成7年度が14.3%,平成8年度が15.5%,平成9年度が17.1%,平成10年度が18.2%と推移し,平成7年度以降は全国都道府県の中で最も高く,平成11年度には19.3%にまで悪化し,その後,平成12年度は19.2%,平成13年度には18.9%,平成14年度には18.3%と推移した。
経常収支比率は,都市では75%程度が適当と考えられているが,平成6年の岡山県の経常収支比率は89.6%で,全国ワースト7位であり,平成10年度から平成14年度まで91ないし98%と極めて悪い数値で推移しており,財政の硬直化を示している。
また,財源不足を補うために財政調整基金,県債管理基金及び長期投資準備基金のほとんど全額を取り崩しており,基金残高は十数億円に減少している。
乳幼児医療費患者負担分に対する公費助成制度では,全国最低水準の助成にとどまっているし,在宅介護手当の支給も実施されていないなど,社会保障への予算配分は薄い状況にある。
その一方で,岡山県は,平成13年7月発行の「行財政改革レポート2001」において,平成9年度から取り組んでいる財政改革によって累計462億円の歳出削減効果があり,こうした努力の結果,心配されていた財政再建団体(歳入欠陥が生じ,その赤字額が一定の割合を超えた場合に,国の管理下で財政の立て直しを行わざるを得ない地方公共団体)への転落や,起債制限を回避する目処が立ってきたと報告している(甲120)。
(六) 岡山県議会の対応等
(1) 岡山県議会では,平成元年以降,被告Bらにより,チボリ公園事業の説明がなされた上(乙158の6),審議がなされており(乙5ないし22,158の1ないし5),同議会に設置された「チボリ公園特別委員会」においても,平成元年12月以降,チボリ公園事業を所管する岡山県企画部及び土木部から「チボリ公園(事業調査)特別委員会」と題する資料が提出された上,チボリ公園事業につき多数回の説明がされ,審議された(甲12,16,66ないし81,92,乙42ないし109)。これは,同総務委員会,土木委員会,決算特別委員会においても同様であった(乙110ないし151)。
(2) 平成6年2月25日に開催されたチボリ公園特別委員会において,岡山県企画部から,一部公設民営方式によるチボリ公園事業の推進計画が説明され,同計画には,岡山県が倉敷チボリ公園の開業後の地代の8割(年額5ないし6億円)を負担することなどが盛り込まれており(甲73,乙78),岡山県議会においてもその旨説明され(乙23の3),以降,同計画に則って事業展開が図られた(乙25ないし38)。
(3) チボリ公園特別委員会において,平成7年6月30日,岡山県企画部から本件賃貸借契約の締結や内容が説明され(甲79,乙89),同様に,平成7年11月21日,本件転貸借契約の説明がされた(甲82,乙93)。
(4) 岡山県は,平成9年6月の岡山県議会定例会において,本件県有施設の無償貸付の議案に本件無償貸付を含めた議案を提出し(乙36の1),同議案は,平成9年7月1日,岡山県議会定例会で可決された(乙36の3)。平成10年12月16日,岡山県議会定例会において,本件無償貸付に係る土地面積の変更が可決された(乙41)。
(七) チボリ公園事業の推移
(1) 阪急電鉄が作成した平成5年12月付倉敷チボリ公園計画企画案(甲150)には,「本企画案から基本計画・実施計画へと進行させるためには,検討を重ねてきた商圏及び需要予測についての,より精度の高いマーケティングと,一方では,パーク全体の運営・サービスに関わるソフトプログラムの検討が必要である。数年前日本中を席巻したリゾート・テーマパーク時代にオープンした多くのパークは,今バブル経済の崩壊と,それに続く不景気の波にさらされ,その殆どが経営不振に苦しんでいる。」等の記載がされていた。
(2) 平成9年度の入園者数は約298万人,平成10年度の入園者数は約294万人であったが,平成11年度から平成15年度までの入園者数は,約238万人,約182万人,約134万人,約116万人,約109万人と減少し,当初計画の年間200万人の入園者数を維持することができなかった(甲168)。
(3) それに伴って,平成13年度の累積赤字は70億円超と当初予想の50億円を大幅に上回る結果となり,そのため,平成13年4月19日に被告チボリジャパン㈱の代表者が交替して大幅な経営改革に乗り出し,定番ショーやチボリ・ウインドアンサンブルが廃止され,植栽管理委託業務も見直されるなど,大幅なコストの削減が図られた(甲131,132,134,135の1,151)。
2  そこで,上記認定したところを前提として,本件転貸借等の違法性の有無につき検討する。
(一) 法244条の2第3項に違反するか
(1) 同項所定の「公の施設」とは,住民の福祉を増進する目的をもって住民の利用に供するため,普通地方公共団体が設けた施設をいう(法244条1項)。
そして,「公の施設」は公共の利益のために多数の住民に対して均等に役務を提供することを目的としていることから,その公正な管理を確保する必要があるため,その管理を委託する場合の受託者につき,普通地方公共団体による実質的支配力が及んでおり公共性の要素を持つ団体に限定している(法244条の2第3項)。
(2) 岡山県は,チボリ公園事業を県民のリゾートやレクリエーション拠点の整備としての意味を持つと位置付け,また,文化性や市民公園としての要素を保持する必要があるとしている上,「倉敷チボリ公園の管理及び運営に関する基本協定書」の中には,倉敷チボリ公園の目的の一つとして県民福祉の増進に寄与することがあげられ,同公園の企画の中には,芸術及び文化の発展に寄与する企画,教育活動に寄与する企画,幼児及び高齢者向けの企画を盛り込む旨が定められるなど,岡山県は,県民の福祉増進をチボリ公園事業の目的の一つに据えていることが窺える。実際にも,倉敷チボリ公園では,岡山県民参加の音楽発表会や小中学校の児童生徒参加の写生会,高校及び一般の吹奏楽参加の吹奏楽会,保育園児によるパレード等といった住民参加型の各種イベントが催されている。
(3) しかしながら他方,チボリ公園事業の目的には,中四国の広域交流,魅力ある地域文化の創造,観光・リゾート拠点の整備,魅力ある地域づくり,国際交流の振興なども掲げられており,また,倉敷チボリ公園は,大人2000円等の入園料が必要で,アトラクションを利用するには別料金を支払う必要がある上,県外からの利用者を当てにし(甲147,甲150),県内からの入園者の比率は,20ないし40%にとどまることからすれば,倉敷チボリ公園は,主として地域住民の利用に供される都市公園や自然公園とは明らかに異なる性質を有するものである。
むしろ,倉敷チボリ公園は,余暇時間の増大や来るべき高齢者社会への施策として建設された,「岡山県民のための憩いの場」であるというよりは,岡山県の観光の振興を図る等の経済的効果を目的として建設された,「県外人に対してもアピールのできる魅力的な観光拠点」としての性格が強いものであって,チボリ公園事業が,住民の利用に供し,住民の福祉を増進する目的を持っていることを否定することまではできないものの,道路,公園,公民館のような多数の住民に対して均等な役務を提供することを目的とし,その公正な管理を確保する必要がある「公の施設」であるとは認め難い。
(4) また,法244条の2第1項によれば,普通地方公共団体は,法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか,公の施設の設置及びその管理に関する事項は,条例で定めなければならないとされているところ,倉敷チボリ公園について,そのような条例は定められていない。
(5) そうすると,倉敷チボリ公園の存する本件土地は,法244条1項にいう「公の施設」には当たらず,法244条の2第3項の適用を受けないから,同項違反の事実は認められない。
(二) 法238条の4第1項又は237条2項違反について
(1) 本件賃借権は,建物所有目的,期間50年間の定期借地権であり,物権に準じた経済的価値を有し,現実にこれを公有財産として管理する必要があって,これをあえて地上権等と区別して取り扱うべき現実的根拠に乏しいから,平成14年法律第65号による改正前の法238条1項(以下同様)4号の「地上権」等に準じ,同項にいう公有財産であると解される。
公有財産は,その用途により行政財産と普通財産に分類され,行政財産とは,地方公共団体が公用又は公共用に供し,又は供することと決定した財産をいい,普通財産とは,行政財産以外の一切の公有財産をいう(法238条4項)。
(2) 法238条の4第1項違反について
行政財産の管理及び処分について法が厳格な制約を設けた趣旨に鑑みれば,「公用」に供する財産とは,地方公共団体がその事務,事業を執行するために,直接使用することを目的とするものをいい,「公共の用」に供する財産とは,住民の一般的共同利用に供することを目的とするものをいうものと解される。
而して,倉敷チボリ公園の運営形態や目的等に照らすと,本件賃借権は,岡山県が「公用」に供する財産にも「公共の用」に供する財産にも該当するものとはいえず,しかも,これらに供する旨の決定もないことが明らかであるから,普通財産であるものと認定される。
したがって,本件転借権等が法238条の4第1項に違反する余地はない。
(3) 法237条2項違反について
法237条2項は,地方公共団体の財政の健全な運営を確保するため,地方公共団体の普通財産について,適正な対価によらない譲渡,貸付を原則として禁止し,無償又は低廉な価格での貸付等をするには,条例又は議会の議決を要すると規定している。
而して,本件転貸における転貸料自体は,本件賃借における賃借料と1㎡当たりの金額が同じであるから,適正な対価による貸付というほかなく,岡山県は,平成9年6月の岡山県議会定例会において,本件県有施設の無償貸付の議案に本件無償貸付を含めた議案を提出し,同議案は,平成9年7月1日,岡山県議会定例会で可決され,平成10年12月16日,岡山県議会定例会において,本件無償貸付に係る土地面積の変更が可決されており,法形式上,適正な対価によらない本件無償貸付について,岡山県議会の議決を経ているから,本件転貸借等が法237条2項に違反するものとは認められない。
(三) 法232条の2違反について
(1) 本件転貸借等は,これを法形式上からのみみれば,前記のとおり,適正な対価による本件転貸と,議会の議決を経た本件無償貸付から構成されるものであることは前記認定のとおりであるが,これを,総体として,実質的にみれば,岡山県が被告クラボウから本件土地全部を賃借した上,割安転借料で,被告チボリジャパン㈱に転貸し,本件賃借料と本件転貸料との差額を肩代わりして支払っているものと評価されうるところである。
そして,法232条の2にいう「寄附又は補助」とは,地方公共団体が反対給付を求めずに,一方的に行う財政的援助を意味するから,上記差額賃料負担は法232条の2所定の「補助」に該当する。
(2) 法232条の2は,「普通地方公共団体は,その公益上必要がある場合においては,寄附又は補助をすることができる。」と規定しているところ,地方公共団体の長は,地方自治の本旨の理念に沿って,住民の福祉の増進を図るために地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う地方公共団体の執行機関として,住民の多様な意見及び利益を勘案し,補助の要否についての決定を行うものである。したがって,その決定は,事柄の性質上,諸般の事情を総合的に考慮した上での政策的判断を要するものであるから,公益上の必要に関する判断に当たっては,補助の要否を決定する地方公共団体の長に一定の裁量権が存し,裁量権の逸脱又は濫用があったと認められる場合に限り,当該寄附又は補助が違法になると解される。しかしながら,これは自由裁量ではなく,あくまでも羈束裁量であって,客観的に公益上必要であると認められなければならない。
そして,公益上の必要性についての判断に当たっては,当該地方公共団体の財政上の規模及び余裕の程度,支出目的・趣旨,補助対象者の性格,当該地方公共団体又はその住民の利益に対する効用度,支出方法・支出額,行政全体のバランス(公平性)及び政策上の必要性,補助金の使途等への統制可能性は当然に視野に置くべき事項であり,原告らの主張する7つの要件は概ね考慮すべき事項に係るところである。
ア 財政規模及び財政上の余裕について
岡山県の予算は,8000億円前後であるところ,起債制限比率は,平成6年度が約13%であったが,さらに漸増し,平成7年度以降は全国都道府県の中で最も高く,平成11年度には19.3%にまで悪化し,その後,平成12年度は19.2%,平成13年度には18.9%,平成14年度には18.3%と高値で推移している。
経常収支比率は,都市では75%程度が適当と考えられているが,平成6年の岡山県の経常収支比率は89.6%で,全国ワースト7位であり,平成10年度から平成14年度まで91ないし98%と極めて悪い数値で推移しており,財政の硬直化を示している。
また,財源不足を補うために財政調整基金,県債管理基金及び長期投資準備基金のほとんど全額を取り崩しており,基金残高は十数億円に減少している。
乳幼児医療費患者負担分に対する公費助成制度では,全国最低水準の助成にとどまり,在宅介護手当の支給も実施されていないなど,社会保障,住民の福利厚生への予算配分は薄い状況にある。
他方,岡山県は,平成13年7月発行の「行財政改革レポート2001」において,平成9年度から取り組んでいる財政改革によって累計462億円の歳出削減効果があり,こうした努力の結果,心配されていた財政再建団体(歳入欠陥が生じ,その赤字額が一定の割合を超えた場合に,国の管理下で財政の立て直しを行わざるを得ない地方公共団体)への転落や,起債制限を回避する目処が立ってきたと報告している(甲120)。
イ 支出目的・趣旨,補助対象者の性格
チボリ公園事業は,高齢化社会,余暇時間の増大,ライフスタイルの多様化等,時代の変化に応じた幅広い余暇活動の場を提供しようとするもので,倉敷チボリ公園のような都市型公園を整備することにより,直接的には,投資による経済効果・雇用の場の創出・観光資源の創造・関連産業の振興,波及効果としては,地域産業・所得の増大等が見込まれる旨岡山県は自負しているところ,チボリ公園事業がそのような公益性をある程度有し,教養文化施設としての一面を有することは認められる。
一方で,倉敷チボリ公園は,営利事業として本来民間の手によって行うべき大型レジャーランド,アミューズメント系レジャー施設の色彩を強く有することも否定できず,補助を受ける被告チボリジャパン㈱は営利企業の性格を有するが,行政に対する住民の需要が多様化している現在においては,倉敷チボリ公園がテーマパークやアミューズメントパークとしての性格を強く有するという一事をもって,直ちにその公益性を否定することはできない。
しかしながら,他方,平成9年度の入園者数は約298万人,平成10年度の入園者数は約294万人であったが,平成11年度から平成15年度までの入園者数は,約238万人,約182万人,約134万人,約116万人,約109万人と減少し,当初計画の年間200万人の入園者数を維持することができなくなっており,これに平成13年度の累積赤字は70億円超と当初予想の50億円を大幅に上回る結果となり,そのため,平成13年4月19日に被告チボリジャパン㈱の代表者が交替して大幅な経営改革に乗り出し,定番ショーやチボリ・ウインドアンサンブルが廃止され,植栽管理委託業務も見直されるなど,当初予定された公益性は揺らぎつつある。
ウ 地方公共団体又はその住民の利益に対する効用度
倉敷チボリ公園の入園料は2000円と高額である上に,入園者の消費単価は1人5300円と見込まれていることからしても,倉敷チボリ公園は,住民に等しく開かれた公共施設とはいい難く,県外客を頼りにした施設で,県内客の利用割合は低く,地方公共団体又はその住民の利益に対する直接的な効用は多くない。また地域活性化を促進の効果,地方経済への波及効果をある程度生じさせていることは否定できないが,その具体的な効果は明確ではない。
他方,原告らの主張する光公害・騒音公害等の負の影響の有無,程度も判然としない。
エ 支出の方法・支出額
本件転貸借等は,岡山県が被告チボリジャパン㈱に対し本件賃借料と本件転貸料の差額年額4億4760万円を財政支援している結果となる。
オ 行政全体のバランス,政策上の必要性
レジャーランド,アミューズメント系レジャー施設を運営する一民間企業である被告チボリジャパン㈱に対して,他の同種の民間企業と比べて優遇し補助金等を投入することは,平等原則に反すると考えるべき余地がある。しかし,倉敷チボリ公園の公益的側面や,次のような従前の経緯に伴う政策上の必要性に照らすと,にわかに公平性を失するものとはいえない。
すなわち,岡山県は,岡山市がチボリ公園事業から撤退したことに伴い,同事業に資金を提供した民間企業や,チボリ・インターナショナル社との信頼関係,デンマーク王国との国際的信義を維持する必要性等を考慮し,また,同事業が,中四国の広域交流,魅力ある地域文化の創造,観光・リゾート拠点の整備と観光の振興,魅力ある都市の創造,県民のリゾートやレクリエーション拠点の整備,魅力ある地域づくり,国際交流の振興等に資することも勘案した上で,選挙結果等による民意に照らし,また,議会の審議,決議を経て,チボリ公園事業を自ら主導して推進するとの選択をしたものであり,岡山県がチボリ公園事業へ参画し,これを担う被告チボリジャパン㈱の経営を支援する政策決定をすることが当然に不相当とはいえない状況にあった。
カ 補助金の使途等についての統制可能性
法は,地方公共団体が第三セクターに出資した場合,その比率が4分の1以上である場合について,その監督権限等を定めているところ,岡山県の被告チボリジャパン㈱に対する出資比率は4分の1未満であり,岡山県から数名の取締役を派遣しているにとどまり,会社の法的支配の面からすると,経営について岡山県の監査・監督を及ぼし難い。しかしながら他方,被告チボリジャパン㈱の目的は,専ら倉敷チボリ公園の設置及び管理運営であって,商業登記簿に記載された諸々の目的も,これを達成するために 必要な事項として記載されていると認められ,岡山県と締結された前記協 定書により,岡山県から事後的に検査・制御される体制が,ある程度整備 されているなどの特質を有してはいる。
また,本件において「補助金」と評価すべきものは,差額賃料として使途が確定し,流用の余地がないことは明らかである。
(3) そうすると,本件転貸借等による差額賃料相当の「補助金」支出については,事後的客観的に考察すれば,①財政上の余裕に乏しい中での支出であること,②倉敷チボリ公園が大型レジャーランド,アミューズメント系レジャー施設の色彩を強く有し,補助を受ける被告チボリジャパン㈱は営利企業の性格を有すること,③地方公共団体又はその住民の利益に対する効用度が高いものとはいえないこと,④さらにその後の採算上の問題から当初の公益的性格が揺らいでいること等に照らし,公益上の必要性の存在あるいはその維持に疑問があるとしても,未だ倉敷チボリ公園運営の公益的側面を否定できないことや,公設民営による運営の政策決定をなすに至った経緯,議会の審議・議決や選挙等による民意等に鑑みると,岡山県知事であった被告Bあるいは同Cにおいて,公益上の必要性を判断するに当たり,その裁量権の濫用ないし逸脱が存したとまでは,未だ認め難いものといわざるを得ない。
したがって,本件転貸借等が法232条の2違反に当たるものとは認め難い。
三  してみれば,本件転貸借等の違法は認められず,これを前提とする本件賃貸借の違法性も認められないから,被告Bあるいは同C,被告チボリジャパン㈱,被告クラボウの共同不法行為は成立しない。
四  破綻責任に基づく共同不法行為の成立について
1  原告らの従前の本件転貸借等の違法に基づく共同不法行為の主張と破綻責任に基づく共同不法行為の主張とは,対象とする被告ら(前者は被告B,同C,同チボリジャパン㈱及び同クラボウであり,後者は同クラボウを除いた被告ら),法律構成,損害額(前者は本件賃借料と本件転貸料との差額相当額であり,後者は本件賃借料全額である)が異なり,訴訟物が異なるものと解されるから,訴えの選択的併合(当事者を共通にする範囲で)に当たるところ,従来の請求あるいは主張においても,破綻責任におけると同様の事実主張がなされており,その証拠資料も共通し,請求の基礎は同一であるというべく,これにより著しく訴訟手続を遅延させることとなるとは考えられないから,訴えの変更はこれを許すべきであり,また,時機に後れた攻撃方法として却下すべきものとはいえない。
2  前記二の1に認定したところによると,倉敷チボリ公園は,開園から3年間は,当初計画の入園者数を大幅に上回る結果であったものの,入園者数及び消費単価の低迷により採算が取れず,平成13年4月19日,社長が交替し,それに伴う徹底したコスト削減により,定番ショーやチボリ・ウインドアンサンブルが廃止され,植栽管理委託業務が見直される結果となり,岡山県がチボリ公園事業の柱であるとした文化性・公共性が一部放棄されたことが認められるが,その他の催事等の開催により同公園の文化的側面は一応保持されているものということができ,岡山県が当初から標榜していた文化性・公共性を放棄したものとは未だ認め難く,チボリ公園事業自体が破綻したものとは認め難い。
3  そうすると,被告B及び同Cが,被告チボリジャパン㈱とともに,当初計画を破綻に陥れ,本件賃借料全額に相当する損害を岡山県に与える共同不法行為をなしたものとは認められない。
したがって,破綻責任に基づく共同不法行為は成立しない。
第四  結語
以上の次第で,原告Aの訴えは不適法であるから却下し,その余の原告らの請求は,その余につき触れるまでもなく理由がないから,いずれも棄却すべく,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 金馬健二 裁判官 德岡治 裁判官 高橋孝治)

別紙  借地契約目録
借地権設定者    被告クラボウ
借地権者       岡山県
設定契約       借地借家法に定める定期借地権設定契約
借地期間       50年
(平成7年6月1日から平成57年5月31日まで)
借地面積       118,435.17m2
賃料          5979万6693円
賃料支払日     当月分を毎月末日限り
契約日        平成7年5月31日
以上


「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧
(1)令和元年 9月 6日 大阪地裁 令元(わ)2059号 公職選挙法違反被告事件
(2)平成31年 3月 7日 知財高裁 平30(行ケ)10141号 審決取消請求事件
(3)平成30年12月18日 高知地裁 平28(行ウ)8号 損害賠償請求及び公金支出差止請求事件
(4)平成30年 9月28日 東京地裁 平26(ワ)10773号 損害賠償請求事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(5)平成30年 6月 6日 東京高裁 平29(ネ)2854号 株主代表訴訟控訴事件
(6)平成30年 4月25日 東京地裁 平28(ワ)31号 証書真否確認、立替金等返還債務不存在確認等請求事件、立替金返還請求反訴事件、立替金請求反訴事件
(7)平成30年 3月30日 東京地裁 平27(ワ)37147号 損害賠償請求事件
(8)平成30年 3月28日 東京地裁 平27(行ウ)616号 閲覧謄写請求事件
(9)平成30年 3月26日 東京地裁立川支部 平28(ワ)2678号 損害賠償請求事件
(10)平成30年 2月 8日 仙台高裁 平29(行コ)5号 政務調査費返還履行等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(11)平成29年 5月22日 東京地裁 平28(特わ)807号 公職選挙法違反被告事件
(12)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(13)平成29年 3月 8日 東京地裁 平26(行ウ)300号 地位確認等請求事件
(14)平成29年 2月 2日 東京地裁 平26(ワ)25493号 株式代金等請求事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(15)平成29年 1月31日 仙台地裁 平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行等請求事件
(16)平成28年 9月16日 福岡高裁那覇支部 平28(行ケ)3号 地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件
(17)平成28年 9月 2日 福岡高裁 平28(う)180号 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害、加重収賄被告事件
(18)平成28年 4月22日 新潟地裁 平25(行ウ)7号 政務調査費返還履行請求事件
(19)平成28年 3月30日 東京地裁 平21(行ウ)288号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(20)平成28年 3月17日 東京地裁 平26(ワ)23904号 地位確認等請求事件
(21)平成28年 3月17日 福岡地裁 平26(わ)1215号 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反,公契約関係競売入札妨害,加重収賄被告事件
(22)平成28年 3月17日 福岡地裁 平26(わ)968号 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害、加重収賄被告事件
(23)平成27年 4月22日 東京地裁 平25(行ウ)792号 土地区画整理組合設立認可取消等請求事件
(24)平成27年 2月19日 東京地裁 平25(ワ)19575号 遺言無効確認請求事件、不当利得返還請求事件
(25)平成26年10月27日 熊本地裁 平23(行ウ)9号 損害賠償履行請求事件
(26)平成26年10月20日 東京地裁 平25(ワ)8482号 損害賠償請求事件
(27)平成26年 2月28日 東京地裁 平25(ヨ)21134号 配転命令無効確認仮処分申立事件 〔東京測器研究所(仮処分)事件〕
(28)平成26年 2月26日 東京地裁 平24(ワ)10342号 謝罪広告掲載等請求事件
(29)平成25年 1月29日 和歌山地裁 平19(行ウ)7号 政務調査費違法支出金返還請求事件
(30)平成24年 5月28日 東京地裁 平24(ヨ)20045号 職務執行停止・代行者選任等仮処分命令申立事件
(31)平成23年 8月31日 東京地裁 平22(行ウ)24号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(32)平成22年 7月22日 東京地裁 平20(ワ)15879号 損害賠償請求事件
(33)平成21年10月14日 東京高裁 平20(う)2284号
(34)平成21年 7月28日 東京地裁 平18(ワ)22579号 請負代金請求事件
(35)平成21年 4月28日 大阪地裁 平19(わ)4648号 談合被告事件
(36)平成21年 4月28日 大阪地裁 平19(わ)3456号 談合、収賄被告事件
(37)平成21年 3月27日 宮崎地裁 平18(わ)526号 競売入札妨害、事前収賄、第三者供賄被告事件
(38)平成21年 3月 3日 東京地裁 平19(ワ)10972号 謝罪広告等請求事件
(39)平成21年 3月 3日 水戸地裁 平18(行ウ)7号 小型風力発電機設置事業に係わる損害賠償請求事件
(40)平成21年 3月 2日 東京地裁 平20(ワ)6444号 売上代金請求事件
(41)平成20年10月31日 大阪地裁 平17(行ウ)3号 損害賠償請求、不当利得金返還請求事件(住民訴訟) 〔枚方市非常勤職員特別報酬住民訴訟〕
(42)平成20年 9月29日 東京地裁 平18(ワ)7294号 損害賠償請求事件 〔つくば市 対 早稲田大学 風力発電機事件・第一審〕
(43)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件
(44)平成20年 8月 8日 東京地裁 平18(刑わ)3785号 収賄、競売入札妨害被告事件〔福島県談合汚職事件〕
(45)平成20年 5月27日 東京地裁 平18(ワ)24618号 損害賠償請求事件
(46)平成20年 3月27日 東京地裁 平18(ワ)18305号 損害賠償等請求事件
(47)平成20年 1月18日 東京地裁 平18(ワ)28649号 損害賠償請求事件
(48)平成19年11月 2日 東京地裁 平19(ワ)4118号 損害賠償請求事件
(49)平成19年 3月13日 静岡地裁沼津支部 平17(ワ)21号 損害賠償請求事件
(50)平成17年11月18日 和歌山地裁 平15(わ)29号 収賄、背任被告事件
(51)平成17年 8月29日 東京地裁 平16(ワ)667号 保険金請求事件
(52)平成17年 7月 6日 東京地裁 平17(ワ)229号 請負代金等請求事件
(53)平成17年 5月31日 東京高裁 平16(ネ)5007号 損害賠償等請求控訴事件
(54)平成17年 5月24日 岡山地裁 平8(行ウ)23号 損害賠償等請求事件
(55)平成17年 2月23日 名古屋地裁 平13(ワ)1718号 労働契約上の地位確認等請求事件 〔山田紡績事件〕
(56)平成17年 2月22日 福島地裁郡山支部 平14(ワ)115号 損害賠償請求事件
(57)平成16年 9月 9日 名古屋地裁 平15(行ウ)34号 損害賠償請求事件
(58)平成16年 8月10日 青森地裁 平15(ワ)32号 名誉毀損に基づく損害賠償請求事件
(59)平成16年 5月28日 東京地裁 平5(刑わ)2335号 贈賄被告事件 〔ゼネコン汚職事件〕
(60)平成15年11月26日 大阪地裁 平14(行ウ)186号 不当労働行為救済命令取消請求事件 〔大阪地労委(大阪ローリー運輸労組・双辰商会)事件・第一審〕
(61)平成15年 7月28日 東京地裁 平14(ワ)21486号 損害賠償請求事件
(62)平成15年 4月10日 大阪地裁 平12(行ウ)107号 埋立不許可処分取消請求事件
(63)平成15年 3月 4日 東京地裁 平元(刑わ)1047号 日本電信電話株式会社法違反、贈賄被告事件 〔リクルート事件(政界・労働省ルート)社長室次長関係判決〕
(64)平成15年 2月20日 広島高裁 平14(う)140号 背任被告事件
(65)平成15年 1月29日 広島地裁 平12(ワ)1268号 漁業補償金支払に対する株主代表訴訟事件 〔中国電力株主代表訴訟事件・第一審〕
(66)平成14年10月10日 福岡地裁小倉支部 平11(ワ)754号 損害賠償請求事件
(67)平成14年10月 3日 新潟地裁 平13(行ウ)1号 仮換地指定取消請求事件
(68)平成14年 5月13日 東京地裁 平13(ワ)2570号 謝罪広告等請求事件
(69)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4692号 社員代表訴訟等、共同訴訟参加事件 〔日本生命政治献金社員代表訴訟事件〕
(70)平成12年 8月24日 東京地裁 平10(ワ)8449号 損害賠償等請求事件
(71)平成12年 3月14日 名古屋高裁 平10(う)249号 収賄、贈賄被告事件
(72)平成12年 2月18日 徳島地裁 平7(行ウ)13号 住民訴訟による原状回復等請求事件
(73)平成10年 4月20日 大阪地裁 平6(ワ)11996号 損害賠償請求事件 〔誠光社事件・第一審〕
(74)平成10年 3月31日 東京地裁 平7(ワ)22711号 謝罪広告請求事件
(75)平成10年 3月26日 名古屋地裁 平3(ワ)1419号 損害賠償請求事件 〔青春を返せ名古屋訴訟判決〕
(76)平成 9年10月24日 最高裁第一小法廷 平7(あ)1178号 法人税法違反被告事件
(77)平成 9年 3月21日 東京地裁 平5(刑わ)2020号 収賄、贈賄等被告事件 〔ゼネコン汚職事件(宮城県知事ルート)〕
(78)平成 8年 2月14日 東京高裁 平6(う)342号 法人税法違反被告事件
(79)平成 7年 9月20日 福岡地裁 平5(行ウ)17号 地方労働委員会命令取消請求事件 〔西福岡自動車学校救済命令取消等事件〕
(80)平成 7年 2月23日 最高裁第一小法廷 平5(行ツ)99号 法人税更正処分等取消請求上告事件
(81)平成 6年12月21日 東京地裁 平元(刑わ)1048号 日本電信電話林式会社法違反、贈賄被告事件 〔リクルート事件政界ルート判決〕
(82)平成 6年 5月 6日 奈良地裁 昭60(わ)20号 法人税法違反被告事件
(83)平成 5年 3月16日 札幌地裁 平元(わ)559号 受託収賄被告事件 〔北海道新長計汚職事件〕
(84)平成 2年 8月30日 福岡地裁 昭58(ワ)1458号 損害賠償請求事件
(85)平成 2年 4月25日 東京高裁 昭63(う)1249号 相続税法違反被告事件
(86)平成 2年 3月30日 広島地裁呉支部 昭59(ワ)160号 慰謝料請求事件
(87)平成元年 3月27日 東京地裁 昭62(特わ)1889号 強盗殺人、死体遺棄、通貨偽造、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反、強盗殺人幇助、死体遺棄幇助被告事件 〔板橋宝石商殺し事件・第一審〕
(88)昭和63年11月 2日 松山地裁 昭59(行ウ)4号 織田が浜埋立工事費用支出差止請求訴訟第一審判決
(89)昭和62年 7月29日 東京高裁 昭59(う)263号 受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件 〔ロッキード事件丸紅ルート・控訴審〕
(90)昭和62年 2月19日 東京高裁 昭61(ネ)833号 損害賠償等請求控訴事件 〔総選挙当落予想表事件〕
(91)昭和61年 6月23日 大阪地裁 昭55(ワ)5741号
(92)昭和61年 3月31日 大阪地裁 昭59(ヨ)5089号
(93)昭和60年 9月26日 東京地裁 昭53(行ウ)120号 権利変換処分取消請求事件
(94)昭和60年 3月26日 東京地裁 昭56(刑わ)288号 恐喝、同未遂被告事件 〔創価学会恐喝事件〕
(95)昭和60年 3月22日 東京地裁 昭56(特わ)387号 所得税法違反事件 〔誠備グループ脱税事件〕
(96)昭和59年12月19日 那覇地裁 昭58(ワ)409号 損害賠償請求事件
(97)昭和58年10月12日 東京地裁 昭51(特わ)1948号 受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反事件 〔ロッキード事件(丸紅ルート)〕
(98)昭和56年 9月 3日 旭川地裁 昭53(ワ)359号 謝罪広告等請求事件
(99)昭和55年 7月24日 東京地裁 昭54(特わ)996号 外国為替及び外国貿易管理法違反、有印私文書偽造、有印私文書偽造行使、業務上横領、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反事件 〔日商岩井不正事件(海部関係)判決〕
(100)昭和52年 9月30日 名古屋地裁 昭48(わ)2147号 商法違反、横領被告事件 〔いわゆる中日スタジアム事件・第一審〕
(101)昭和50年10月 1日 那覇地裁 昭49(ワ)51号 損害賠償請求事件 〔沖縄大蔵興業工場建設協力拒否事件・第一審〕


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


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