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政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(4)平成28年11月17日 大阪地裁 平25(わ)3198号 公務執行妨害、傷害被告事件

政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(4)平成28年11月17日 大阪地裁 平25(わ)3198号 公務執行妨害、傷害被告事件

裁判年月日  平成28年11月17日  裁判所名  大阪地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(わ)3198号
事件名  公務執行妨害、傷害被告事件
裁判結果  有罪(懲役2年(求刑 懲役2年))  文献番号  2016WLJPCA11176011

事案の概要
◇条例違反の罪により起訴されて簡易裁判所で差戻審の審理を受けていた被告人が、勾引状の執行に関する職務を行っていた警察官に対して暴行を加え傷害を負わせたという、公務執行妨害、傷害被告事件について、被告人が公判期日に出頭しなかったことなどにより起訴後の未決勾留が3年を超えている事情の下で、未決勾留日数の算入に係る判断がされた事案

裁判官
上岡哲生 (カミオカテツオ) 第45期 現所属 大阪地方裁判所(部総括)
平成27年4月1日 ~ 大阪地方裁判所(部総括)
平成25年4月1日 ~ 広島地方裁判所(部総括)、広島家庭裁判所(部総括)
平成24年4月1日 ~ 平成25年3月31日 広島地方裁判所、広島家庭裁判所
平成20年4月1日 ~ 平成24年3月31日 最高裁判所裁判所調査官
平成16年4月1日 ~ 平成20年3月31日 東京地方裁判所
平成14年4月1日 ~ 平成16年3月31日 長崎地方裁判所厳原支部、長崎家庭裁判所厳原支部
平成12年7月10日 ~ 平成14年3月31日 事務総局広報課付
平成9年4月1日 ~ 平成12年7月9日 東京地方裁判所
平成9年2月21日 ~ 平成9年3月31日 事務総局民事局付
平成7年4月1日 ~ 平成9年2月20日 釧路地方裁判所、釧路家庭裁判所
平成5年4月1日 ~ 平成7年3月31日 東京地方裁判所

Westlaw作成目次

主文
理由
(本件の経緯)
(犯罪事実)
(証拠)
(事実認定の補足説明)
第1 事案の概要及び争点
1 事案の概要
2 当事者の主張及び争点
第2 被告人の暴行の事実や暴行の状…
1 前提となる事実関係
2 A警察官の公判供述
3 被告人の公判供述
4 他の警察官の供述内容等について
5 A警察官らの供述の信用性につ…
6 被告人の供述の信用性について
7 A警察官らの供述の信用性を争…
8 暴行前後の状況や暴行態様に関…
第3 勾引状発付手続の違法性に関係…
1 被告人らの主張
2 勾引までの主な経過
3 勾引の要件を争い職務の適法性…
4 信義則違反等の主張について
5 まとめ
第4 事実認定のまとめ
(公訴棄却を求める主張につい…
1 被告人は,平成28年1月18…
2 本件の勾引状執行の際に,警察…
3 証拠として採用した映像記録は…
(確定裁判)
1 事実
2 証拠
(法令の適用)
(量刑の理由)
(未決勾留日数の算入について)
1 本件においては,被告人が公判…
2 刑法21条は,未決勾留日数に…
3 起訴後の未決勾留日数について
4 未決算入に関する検討
(求刑懲役2年)

裁判年月日  平成28年11月17日  裁判所名  大阪地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(わ)3198号
事件名  公務執行妨害、傷害被告事件
裁判結果  有罪(懲役2年(求刑 懲役2年))  文献番号  2016WLJPCA11176011

 

主文

被告人を懲役2年に処する。
未決勾留日数中650日をその刑に算入する。

 

理由

(本件の経緯)
被告人は,大阪市屋外広告物条例違反の罪により起訴され,大阪簡易裁判所(以下「大阪簡裁」という。)で差戻審の審理を受けていたものであるところ,平成25年5月7日,大阪簡裁の裁判官が被告人に対する勾引状を発付し,大阪地方検察庁(以下「大阪地検」という。)公判部の要請により,大阪府警も支援して勾引状を執行することになった。
平成25年5月8日,大阪地検の職員2名と大阪府警の職員6名は,勾引状の執行のため,被告人の立ち寄り先である淀川河川敷の小屋で被告人を勾引しようとしたが,被告人は,自ら119番通報して救急隊を呼び,大阪市a区の大阪府済生会b病院(以下「b病院」という。)に搬送された。
その後,同病院の医師が,被告人の健康状態について異常なしと診断をしたことから,同日午前9時48分,検察事務官が被告人に対する勾引状を執行した。被告人は,その後も,手錠をかけさせないように抵抗し,手錠がされた後も,立とうとしなかったため,警察官らは被告人の身体を抱え,被告人を横にした状態で運んで,輸送用車両(日産キャラバン)の後部座席1列目ベンチシートに被告人を横にして乗せ,警察官らも同乗し,裁判所に向かって出発した。
(犯罪事実)
被告人は,平成25年5月8日午前10時4分頃,大阪市a区〈以下省略〉先を走行中の上記輸送用車両内において,上記被告人に対する勾引状に基づき被告人を大阪簡裁へ引致する職務に従事していた大阪府d警察署司法警察員巡査部長A(当時39歳)に対し,右足で同巡査部長が着用していた眼鏡を蹴り飛ばし,さらに左足で同巡査部長の右脇腹を蹴るなどの暴行を加え,もって同巡査部長の職務の執行を妨害するとともに,上記暴行により,同巡査部長に加療期間約2週間の右第8,第9肋骨骨折の傷害を負わせた。
(証拠)
(括弧内の甲A,乙Aの数字は,証拠等関係カードの検察官請求証拠の番号を,弁の数字は,同カードの弁護人・被告人請求証拠の番号を,それぞれ示す。)
判示全事実について
証人A,同B,同C,同Dの公判供述
勾引状謄本(甲A33)
郵便送達報告書謄本(甲A15)
文書送達のための届出書謄本(甲A16)
捜査報告書(弁5の1,13,17,19)
大阪市屋外広告物条例違反被告事件第1回公判調書謄本(甲A27),同事件第1回ないし第4回期日間整理手続調書(甲A28ないし31。甲A28,29は抄本,甲A30,31は謄本),同事件第2回公判調書謄本(甲A32)
検察事務官作成の資料入手報告書(甲A35,弁33)
DVD1枚(一部モザイク処理されたもの。弁5の2。平成27年押第96号の1)
被告人の公判供述
(犯罪事実)について
実況見分調書(甲A2,6)
大阪拘置所長作成の回答書(弁25)
診療録写し(弁22-1)
眼鏡1個(甲A9。平成27年押第96号符号2。)
X線フィルム1式(甲A26。平成27年押第96号符号3。)
(事実認定の補足説明)
第1  事案の概要及び争点
1  事案の概要
本件は,被告人が,勾引状の執行に関する職務を行っていた警察官(A警察官。以下「A」ということがある。)に対し,暴行を加え傷害を負わせたとして起訴された公務執行妨害,傷害の事案である。
2  当事者の主張及び争点
(1) 検察官の主張する事実経過は,被告人を輸送用車両(日産キャラバン。以下「車」と略すことがある。)の後部座席1列目ベンチシートに横にして大阪簡裁へ運んでいた際,車内を蹴るなどした被告人の足の部分を,Aが,後部座席2列目ベンチシートから身を乗り出して押さえようとしていたところ,被告人が,Aの右側から眼鏡を蹴り,その後,Aの右脇腹を蹴ったというものである。
これに対し,被告人及び弁護人は,被告人が車内を蹴った後,Aが直ちに1列目ベンチシートに移動し,被告人の両足にまたがって,被告人に苦痛を与えながら被告人を制圧したことから,苦痛を感じた被告人が足を抜いて,Aの腹部を蹴るないし押したなどという前提で,暴行直前の状況,位置関係や暴行態様を争い,職務の適法性等も争って,公務執行妨害,傷害の罪について無罪を主張している。
(2) 犯罪の成否に関係する被告人及び弁護人の主張(以下,「被告人らの主張」などと表記する。)を要約すると,①本件は,Aが被告人の足の上に乗る不当な制圧をした際に,被告人が正対する位置にいたAに対し,足で蹴るないし押した事件である(異なる事実関係を主張した上で暴行の故意等を争う主張),②職務の適法性がなく公務執行妨害が成立しない(「Aの制圧が過剰で違法であること」「警察官らが制裁目的で被告人の手錠を緩めなかったこと」「被告人が車内で小便に行きたい旨述べたのに被告人を愚弄したこと」「勾引手続が違法であること」が主張されている。)③傷害罪についても正当防衛が成立するというものである。公訴棄却を求める主張もあるが,先に事実認定の説明をする。
第2  被告人の暴行の事実や暴行の状況に関係する主張について
(以下,認定に用いた主な証拠を証拠番号等で示すことがある。証人の供述等については公判期日等で特定した。)
1  前提となる事実関係
本件は,勾引状が執行され,被告人を裁判所に引致する途中の車内での事件である。関係証拠(弁17,5の2など)によれば,本件当日被告人に対し勾引状が執行され,被告人が車に運ばれるまでの経緯について,以下の事実が明らかである。
平成25年5月7日,被告人に対し勾引状が発付され,大阪地検公判部からの要請により,大阪府警が勾引状執行の支援等を行うこととなった。
同月8日,検察庁職員2名と警察官6名が,当時の被告人の立ち寄り先である淀川河川敷の小屋(大阪市e区〈以下省略〉)に行き,同日午前7時40分,警察官が,被告人に,勾引状が発付されている旨を告げて,小屋から出てくるように求めた。
被告人は,心臓が痛いなどと述べ,警察官らの説得を受けても小屋から出ず,同日午前7時59分頃,被告人の119番通報を受けて到着した救急隊により,大阪市a区のb病院に救急搬送された。警察官らは救急隊員から同道するよう要請があったことや,診察後に勾引するために,b病院に同道した。
被告人は,b病院の医師に,胸が痛い,吐き気がする,右目が見えないなどと,様々な症状を訴えたが,医師から「異常なし」との診断を受け,病院内で勾引状が執行された。被告人は,勾引状を見ようとしなかったが,検察事務官は勾引状を読み上げて執行した。被告人は,その後も,手錠をかけさせないように抵抗するなどし,立とうともしなかったため,警察官らは被告人の身体を抱えて車まで運び,足を伸ばして抵抗する被告人の足を上げるなどして,被告人を横にした状態で車に乗せた。
2  A警察官の公判供述
勾引状の執行を支援していたA警察官は,勾引状の執行に関する職務に従事した際に,被告人から暴行を受けて負傷した経緯について,下記の証言を行っている。
(1) 被告人を車に入れるまでの経緯(第9回5丁~10丁)
被告人の病状について,医師が異常がないと判断したことから,勾引状の執行に取り掛かった。
被告人は,提示された勾引状を見ないようにしていたが,検察事務官が事実を読み上げ,被告人に手錠をかけることになった。被告人は,手錠をかける際も,力を入れて両手を近づけないように抵抗し,臨場していた警察官ら6人で押さえながら手錠をかけた。
その後,車の準備ができたことから,6人で手分けし,被告人の手や足を持つなどして被告人を担いで車まで運んだ。被告人は,車のドア(スライドドア)を閉めるまでは,足を突っ張っており,その状態であれば,ドアを閉めることができないので,足を曲げるように説得したが,従わなかったので,お尻から足の部分をちょっと上方に上げる形でスライドドアを閉めた。
(2) 被告人を車に入れた後の状況(第9回10丁以下)
被告人を車に乗せた後,車は午前10時1分に大阪簡裁に向かって出発した。
出発の際,運転席に大阪府警本部のE巡査部長,助手席には大阪地検のF事務官,運転席の後ろのベンチシート1列目の奥側にC警部補(以下「C」ということがある。),ベンチシート2列目の奥側にB警部補(以下「B」ということがある。),2列目のスライドドア側に私(A)が乗車した。
私(A)は,2列目ベンチシートから,被告人の両足のすねの上に前腕部を覆いかぶせるように手を伸ばした。その際,腰は浮かしており,上半身は,1列目のベンチシートのほうに倒していた(第9回13丁以下)。
CやBは,被告人の腕を押さえていた。被告人は,車に乗せた時点では暴れていなかったが,車に乗せる前にすごい力で暴れていたので警察官3名で被告人の身体を押さえる必要があると判断していた(第9回15丁)。
車が出発してから,被告人が小便をしたいと言ってきた。Aらは,ここで小便はできないから我慢するよう伝えたが,被告人は,車内で小便することを求め,ズボンの前の部分をずり下ろそうとし,その後,車のスライドドアの窓ガラスを蹴り始めた(第9回16丁)。
その頃被告人の自由を奪うような押さえ方はしていなかったが,窓ガラスを割られては交通事故等の発生にもつながりかねないと考え,足を少し強めに押さえに掛かり,少し前のめりの体勢になった。ベンチシートを越えて,被告人の体や両足の上に乗ったということはない。被告人が痛がっている様子もなかったと思う(第9回17~20丁)。
窓ガラスを蹴る被告人の足を押さえていたところ,眼鏡が飛ばされた。車内の状況から,被告人の右足が私(A)の眼鏡の部分に当たって,眼鏡が飛んだと思った。被告人の足を押さえていたが,足を抜かれて蹴られたんだと思う。眼鏡が飛ぶ直前に,右側に,高速か何かの出口のような下り坂の壁が見えていた。(第9回20~22丁)。
被告人に眼鏡を右足で蹴られたので,右足を重点的に押さえようとしたが,その後,右脇腹に衝撃があり,車内の状況から被告人の左足で蹴られたと思った(第9回25,26丁)。
その日のうちに病院に行き,加療約2週間,右肋骨が2本折れていると診断された(第9回31丁)。
3  被告人の公判供述
暴行の経過に関する被告人の公判供述の要旨は以下のとおりである。
(1) スライドドアが閉まった後,Cに手錠を緩めるよう求めたが,Cに拒否された(第16回8丁)。
(2) 車内では,いったんおとなしくなっており,一度起きあがろうとしてCに止められたことはあったが,それ以外に,車が動き出すまで,Aが足を押さえることも,CやBが体を押さえることもなかった。そもそもBは,途中から車に乗ってきたと思う。警察官らは,病院を出発した後も,被告人の体を押さえていなかった(第16回7~13丁)。
(3) 車が動き出す頃,被告人は,Cに対し小便がしたい旨を伝え,近くの警察署などに寄るように求め,車内で排尿するためにペットボトルを貸すように求めるなどして,横を向いたが,Cに体を戻された。その後,Cは,小便を漏らすならしゃあないなどと,被告人をおちょくるような発言をし,被告人は手錠を緩めないことやおちょくられたことに立腹し,右足でスライドドアを2回蹴った(第16回16~18丁)。
(4) その後,Cが,被告人の右顔面にCの膝を乗せ,2列目ベンチシートにいたAは,1列目ベンチシートにばっと移動して,被告人の両足の上に乗り,被告人は制圧された(第16回19丁)。
Aは,交差した被告人の両足の上にまたがり,左右からの締め付けの力も加え両足を引き抜かれないようにしており,被告人は,足を制圧されてから1分ないし2分ぐらい,時々足が痛いと言いながら,じわじわ足を動かそうとした後,足が痛かったので,左足を抜いて,正対していたAを左足で蹴るないし押した。
あの程度の圧力で骨が折れるわけはないが,後日被告人自身で再現してみると,Aの胸部がスライドドアと被告人の足に挟まれたら折れるのかなとは思った(第16回23~35丁)。
4  他の警察官の供述内容等について
上記のとおり,Aの公判供述と被告人の公判供述は,暴行直前にAが被告人を車内で押さえようとした経緯や押さえようとしている状況に関し,大きく異なっている。この点,車の後部座席に乗り込んだ他の警察官は,下記のとおり供述している。
(1) B警察官の公判供述
Bは,公判において,勾引状の執行を開始し,被告人を車に入れるまでの経緯について,Aと同趣旨の供述をし,その後の経緯等について,①被告人が立とうとしなかったため,あおむけで車のベンチシートに乗せたこと(第10回11丁など),②被告人をベンチシートに乗せ,ドアを閉めるまでは割と暴れていなかったが,足を伸ばしてドアの外に出したり,足をばたつかせたりしており,被告人の足を上にあげてスライドドアを閉めたこと(第10回11丁以下など),③その時点では,車の後部座席第1列にCが,第2列にAが,それぞれ中腰で立っていたこと(第10回12丁),④私(B)は,ドアを閉めた後に,H警察官と暴れたら危ないなと話し合って,後部座席の真後ろのドアから乗り込んだこと(第10回12丁など),⑤車内ではBが被告人の左腕,肩付近を,Cが被告人の右肩付近を押さえ,Aは被告人が窓ガラスに足をつけていたので,その足にAの両腕を上から乗せるように押さえていたこと(第10回17丁),⑥Bが車に乗り込んだ当初,被告人はそんなに暴れていなかったが,警察官3名で被告人の体を押さえておく必要があると判断していたこと(第10回18丁),⑦車が動き出してすぐ,被告人が小便させろと暴れだし,Bらは裁判所に着くまで我慢しろと体を元に戻すようにしたこと(第10回19丁),⑧その後被告人がスライドドアのガラスを10回くらい蹴り,Aは,その足を抱えるように止めに行ったが,Aが被告人の体や両足に乗るようなことはなかったこと(第10回20丁),⑨その後,被告人の右足がAの顔をかすめ,眼鏡が飛んだ音がし,Aの眼鏡がなくなっていたこと(第10回21丁),⑩被告人は,Aが押さえに行くのを,片方ずつ足を抜いており,Aが被告人の右足を押さえにかかった際に,被告人が左足でAの右脇腹に蹴りを入れたこと,その際もAが被告人の体や両足に乗るようなことはなかったこと(第10回22丁),⑪Aが被告人に蹴られた頃,車はc町辺りを走行していたこと(第10回26丁)などを述べ,ビデオカメラの撮影に関しては,⑫被告人が以前逮捕の現場か何かで灯油をかぶったことがあったので,勾引状執行状況について,ビデオカメラで撮影することになっていたが,被告人を車に乗せるところはI警察官が撮影しており,同警察官が車に乗らなかったこともあり,車内の状況は撮影されていないこと(第10回3丁,26丁など)を供述している。
(2) C警察官の公判供述
Cは,勾引状執行に当たって警察側の責任者として現場に行った人物であるが,勾引の経緯や被告人の暴行を目撃したことについて,①被告人に対する勾引状の執行に当たっては,勾引状の執行を優先し,公務執行妨害等の事案があれば事後捜査にしようと事前に打ち合わせていたこと(第12回2丁),②被告人に勾引状の執行に来たことを伝えると,被告人が心臓が痛いなどと言い,救急車で病院に搬送された後,異常がないことを聞いて病院内で勾引状の執行手続に移ったこと(第12回3丁以下),③被告人は,手足をばたつかせるなどして暴れ,手錠をかけることにも抵抗したが最終的に手錠をかけ,警察官4人で被告人を抱えて車まで運んだこと(第12回5丁以下),④被告人が車内で座ろうとしなかったので,靴を履いていない被告人を車のベンチシートに寝る状態で乗せたこと(第12回8丁),⑤被告人の足があって,ドアがなかなか閉められなかったが,被告人の足を上に持ち上げてスライドドアを閉めたこと(第12回9丁),⑤扉が閉まった時点では後部座席にCとAが乗っており,出発するまでにBが後部のハッチドアから乗り込んできたこと(第12回9丁),⑥スライドドアを閉めた直後の被告人は暴れたりはしておらず,Cが1列目ベンチシートから被告人の右腕を握るなどし,Bが2列目ベンチシートから被告人の左腕を持つなどし,Aは2列目ベンチシートから足を押さえようとしていたこと(第12回9丁以下),⑦出発時,被告人の足は少し持ち上がりガラス戸にくっついていたこと(第12回14丁),⑧出発してすぐ被告人がトイレに行きたがり,すぐ着くから我慢するように伝えると,被告人は車内ですると言い始め,右側を向いて小便しようとしたので,小便させないように仰向けに戻したこと(第12回16丁),⑨被告人が,漏らすなどと言うので,漏らすなら仕方がない旨言ったこと(第12回16丁),⑩それから被告人が助手席側スライドドアのガラスを十数回は蹴ったこと(第12回16丁以下),⑪Aは,被告人の足を必死に押さえようとしていたこと(第12回17丁以下),⑫その際,Aが被告人の体の上に乗るようなことはなかったこと(第12回19丁),⑬その後,被告人が右足でAのこめかみ部分を蹴り,眼鏡が飛び,その後左足でAの右脇腹を蹴ったこと(第12回19丁以下),⑭被告人がAを蹴った際,車はa区c町の交差点あたりを走行していたこと(第12回25丁)などを述べている。
5  A警察官らの供述の信用性について
本件においては,勾引状の執行開始から車に乗せるまでの被告人の抵抗状況などが撮影され明らかになっている。車内での被告人の行動等に関するA警察官らの上記供述は,車に乗せるまでにいろいろな抵抗をした被告人のその後の行動の経過としても,その被告人に対する警察官の対応経過としても自然で合理性のある内容といえる。
また,Aは,上記のとおり,2列目ベンチシートから被告人の足を押さえようとしている際に,右側から眼鏡を蹴られ,その後に右脇腹を蹴られた旨述べているが,CやBもこれと同趣旨の供述をしており,警察官の各供述が主要な部分において整合しているといえ,相互に信用性を高め合っている。
加えて,被告人がAを蹴ったことに関しては,Aがかけていた眼鏡のフレームが曲がっていること,車に乗る際には眼鏡をかけていたAが裁判所に到着した後に眼鏡をかけていない状況が当時の映像によって確認できること(弁5の2。なお,弁5の1中の午前9時57分41秒の写真と午前10時9分38秒の写真との対比でも確認できる。),Aが実際に右第8,第9肋骨を骨折していること(本件当日にAを診察したD医師の証言やレントゲン写真等により明らかである。)などの証拠上明らかな事実によって裏付けられているといえる。
なお,Aを事件当日に診察したD医師が,法医学が専門ではないなどと断ったうえで,Aの骨折の状況は右脇腹を蹴られたとしても矛盾しない旨述べている点もA供述の信用性を一定程度裏付けるものといえる。
これらによれば,Aら警察官3名の供述は全体として信用できるといえる。
なお,被告人は,Aらと異なる供述を行い,Aらの供述の信用性を争っていろいろな主張をするが,後記のとおり,警察官らの供述と異なる内容の被告人の供述部分には信用性が乏しく,警察官らの供述の信用性を争う被告人らの主張も採用できない。以下,被告人の供述の信用性判断,警察官らの供述の信用性を争う被告人らの主張についての判断を順に示すこととする。
6  被告人の供述の信用性について
被告人は,上記のとおり,車のドアを蹴っていたところ,それまで被告人を押さえていなかったAが突然2列目ベンチシートから1列目ベンチシートに移動して被告人の足の上に乗ってきて,それから少し経って被告人が足を抜いてAを蹴るないし押した旨述べている。
しかし,被告人の供述によると,被告人が車内を蹴っている状況で,2列目ベンチシートにいたAが,その場所から被告人の足を押さえようとせず,ベンチシート2列目から1列目に素早く移動し,被告人の足の上からまたがるような制圧をしたことになるが,そのような制圧手順は合理的なものではないし,比較的大柄(身長189cm)なAが車内でそのような素早い移動をして制圧するということも考えられない。また,被告人の供述どおりであれば,Aは被告人の上にまたがり,被告人に正対し,下半身だけである程度の時間被告人の足を押さえていたことになるが,Aがそのようにして被告人の足を押さえていたのであれば,その体勢から,被告人が片足だけを抜くことは困難といえるし,仮に被告人が片足を抜くことができたとしても,Aがそれに気が付かないはずはなく,被告人と正対して被告人を押さえているAは一定の防御が可能であるから,被告人がAの肋骨を骨折させるほどの攻撃を行うことができたとは考えられない。
さらに,被告人の供述では,Aの眼鏡のフレームが歪んでいることも説明が困難である。
このように,被告人の供述する事実の経過は,不合理な点や他の証拠と整合しない点があるから,Aらの供述に反している部分については,信用することができない(被告人らは,捜査段階から一貫して被告人が供述していることなどいろいろな理由を挙げて被告人の供述の信用性を主張するが(弁論要旨(1)139丁など。),被告人の供述が捜査段階から一貫しているなどの事情があるとしても,不合理性などが解消されない以上,信用することはできない。)。
7  A警察官らの供述の信用性を争う主張について
被告人らは,警察官らの供述等の信用性を争って多くの主張をしているが,いずれも,証拠を正しく評価せず,独自の経験則に基づいて,不合理性や他の証拠との整合性がないことを論じるものであり,採用できるものはない。主な主張について,以下判断を示す。
(1) 警察官らが供述する制圧活動の不合理性等に関する主張
ア 被告人らは,被告人が車に乗せられた段階で,おとなしくなっていたから,被告人が車内を蹴り始めるまでに警察官らは被告人の足を押さえておらず,警察官らの供述は虚偽である(弁論要旨(1)32丁など),車が出発する頃に,Aがベンチシート2列目から身を乗り出して被告人の両足を押さえるのであれば,強く押さえるはずで,くるむように持っていた旨のAの供述は虚偽である(同34丁),Aが何度も足を押さえるのに失敗し,被告人が暴れ始めたのに被告人の足を直接つかまなかったというのは不自然である(同35~37丁),被告人が窓ガラスを蹴ったにもかかわらず,BやCが,Aに加勢しなかったことが不合理である(同71丁~74丁),などとして,警察官らの供述の信用性を争っている。
しかし,暴れる者に対し警察官がどのように押さえるかについては,状況に応じたいろいろな対応が考えられるから,暴れた被告人に対し特定の行動をとらないことについて,不合理という評価はできない。被告人に対応した警察官らは,被告人がおとなしくなっても警戒を続け,自由を完全に奪わない程度に被告人を押さえ,その後被告人が暴れ始めた後には,押さえようとしたが,押さえきれないことがあった旨述べているのであって,警察官らの述べる事実の経過に不自然な点などはない。
イ 被告人らは,車の横幅内寸が157cm,被告人は身長170cmであるから,Aが供述するとおり,被告人の伸ばした両足を押さえたのであれば,被告人の首は極端に曲げられ,被告人は苦痛のため直ちにAの制圧を排除するはずである(弁論要旨(1)32丁以下),首が曲がっていなければ,伸びた足を押さえるということはできない(同162丁)などと指摘してA供述の信用性を争っている。
そもそも,被告人は,足を少し上げられて車に乗せられており(弁5の2など),被告人質問においても,ドアを蹴ると反動で頭が片一方にぶつかった旨述べている(第16回59丁)から,被告人が,首を極端に曲げるような状態で車に乗っていなかったことや,足が窓ガラスに届く程度の位置に乗車していたことは明らかである(なお,被告人らは,警察官の調書に添付された図面などにおいて,被告人の足がドアに接していない旨指摘しているが,これらの調書には被告人がドアなどを蹴ったことが記載されているから,足の細かい位置まで再現した図とはいえず,この図を根拠とする主張は採用できない。)。
そして,Aは,被告人の足を斜め上に上げるようにして車のドアを閉めた後に,被告人が足をそのまま伸ばしていたので,これ以上また暴れられてもいけないと思って,くるんでいた旨述べるが(第10回12丁),上記車内の状況と矛盾する供述ではないから,この点に関する被告人らの主張も採用できない。
(2) 警察官らの供述が相反,変遷している旨の主張
ア 被告人らは,Aは,被告人が車内を蹴った後に,いったん完全に制圧し,その後被告人に蹴られた旨述べているのに,BやCは,Aが被告人の両足を制圧できず,車を蹴る行為に連続して被告人が蹴った旨述べており,決定的に相反している旨主張する(弁論要旨(1)50丁)。
しかし,Aは公判において,窓ガラスを蹴っていた足を押さえに掛かって,ちょっとしてから眼鏡を蹴られた旨述べ(第9回20丁),眼鏡を蹴られたことに関しては,密着させて押さえている状況ではなかったので,足を抜かれたのだと思う旨述べている(第9回21丁)。そして,被告人らが,この点に関するAの捜査段階の供述として指摘する部分も,足を押さえに掛かったが結果的に押さえきれずに蹴られた旨(弁47号証15丁)の内容であるから,Aの供述は,ある程度押さえていたが,結局蹴られてしまったという趣旨で一貫しているといえる。
また,他の警察官の供述も,その趣旨に理解できるもので,Aがある程度押さえていたことに関し,どのように目撃しどのように表現したかに相違があるにすぎず,Aの供述と他の警察官らの供述が実質的に相反しているわけではない。これらによれば,この主張も採用できない(BやCの供述が,捜査段階と公判段階で変遷している旨の主張(弁論要旨(1)61丁以下)もあるが,同様に採用できない。)。
イ 被告人らは,Aが,事件3日後に,右腕で左足を,左腕で右足を押さえようとしていた状態で,右腕で押さえていた左足を振りほどかれて蹴られた旨述べていたのに,事件5日後の実況見分では,説明を変更しており,捜査側が意図的に事実を変遷させている旨も主張しているが(弁論要旨(1)114丁),その実況見分調書においては,両前腕部で両足を押さえていた状態で左足を抜かれて蹴られた旨が説明されており,実質的内容に変更があったとはいえないから,この主張も失当である。
ウ 被告人らは,当時車を運転していたE警察官(以下「E」という。)が,Aが被告人の足の裏の方向から押さえようとしていた旨述べているとして,被告人の供述を裏付けている旨主張する。
しかし,この主張の根拠となるEの供述部分(弁23号証6丁)は,Aが後部座席2列目ベンチシートの位置に乗車していた旨の供述の後に記載されており,Eの調書の中に,Aが1列目ベンチシートに移動したことを示す供述は見当たらない。また,Aが2列目から押さえようとした場合でも,目撃する状況によっては,Aが被告人の足の裏方向にいることになるから,被告人の指摘するEの捜査段階の供述が被告人の供述を裏付けることにはならない(なお,Eは運転者で,捜査段階の供述によっても,車内での犯行状況等を詳しく目撃していない。)。これらによれば,この点の被告人らの主張も失当である。
(3) 警察官らの供述態度等を問題視する主張や警察官らの証拠偽造等の主張
ア 被告人らは,Aが被告人の質問に対し証言を拒んだなどとして,供述の信用性を争っている(弁論要旨(1)118丁以下)。これは,被告人自身による趣旨の分かりにくい質問や証人自身の体験しない事項に関する質問等についての対応を論難するものであり(なお,比較的重要な事項については,裁判所が質問を整理するなどして証言を得ている。),特に信用性に影響するような供述態度とはいえないから,この点の主張も失当である。
イ 被告人らは,警察官らは,Aが骨折したために,本件を事件化せざるを得なくなり,有罪判決を得るために事実をねじ曲げている旨主張する(弁論要旨(1)18~22丁など)。
しかし,警察官らの供述と,Aの負傷状況等を含む他の証拠とは全体としてよく整合しており,そのような疑いは生じないし,警察官と異なる事実経過を述べる被告人の供述も信用できないからこの主張は採用できない。
なお,被告人らは,捜査報告書(弁13)に,被告人が車内で暴れ続けていた旨の虚偽の記載がある旨主張する(弁論要旨(1)30丁)。この報告書(B作成)の該当部分には,車が発車する前から被告人が窓を蹴るなどして暴れていたように理解できる記載があるが(5頁),Bは,言葉が足らなかった旨説明しているし(第11回18丁),他の警察官の供述とも整合し難いこのような証拠があるからといって,警察側があえて虚偽の証拠を作成したとは考えられないから,上記の判断は左右されない。
ウ 被告人らは,条例違反事件において,西成署の警察官らが虚偽の証言を繰り返しており,本件の警察官らの供述の信用性も低い旨も主張するが(弁論要旨(1)152丁),別の事件の別の警察官の対応の問題が本件の警察官らの供述の信用性に影響するとは考え難いし,各証拠や供述を検討しても,本件において警察官らが虚偽の証拠等を作成した疑いはないから,この主張も失当である。
(4) その余の主張について
弁論要旨(1)中のその余の主張(154丁以下で検察官の論告に反論している部分も含む)も,これまで検討したところとほぼ同趣旨のものであり,証拠を正しく評価しないで,証拠の内容の不合理性や他の証拠との整合性等を論じる主張の繰り返しであり,採用できるものはない。
8  暴行前後の状況や暴行態様に関する小括(故意,暴行の状況等から職務の適法性を争う主張,正当防衛の主張に関する判断)
(1) 以上のとおり,信用できるA供述などによれば,判示のとおり,Aが,後部座席2列目ベンチシートから,車を蹴るなどして暴れる被告人の足を押さえようとした際に,被告人が,Aの横側から眼鏡や右脇腹を蹴ったと認められ,被告人の行為態様や車内での位置関係,その前後の状況などによれば,被告人が,被告人の勾引に関する職務に従事していたAに向けて意図的に暴行を加えたことが明らかであり,暴行の故意や公務執行妨害の故意は優に認定できる。
また,信用できるA供述などによれば,被告人がAに暴行を加えた際にAらが過度な制圧をしていなかったことが認められ,この点を根拠にする職務の適法性に関する主張や正当防衛の主張は採用できない。
被告人らは,警察官に制圧されて被告人がいびきをかくふりをしたことや,裁判所に着いた後で「制圧で人が死んでいる人がいることがよく分かった」などと被告人が述べたことなどを根拠に,不当な制圧があった旨主張するが(弁論要旨(1)144丁以下),警察官らが,病院の中や,被告人がAに暴行を加えた後でも,被告人を押さえようとしていたのであるから,被告人が指摘している事情が,被告人がAに暴行を加える前に不当な制圧がされていたことを裏付けるものとは評価できない。なお,被告人は,弁論終結後に誤想防衛を主張する旨の書面を提出したが,弁論終結前の手続においてこの点に関する主張立証は行われていない(上記認定にかかる事実関係や審理の経過も踏まえると,再開審理する必要がない事案である。)。
(2) 被告人らは,そのほかに,暴行直前の状況として,Cらが不当に被告人の手錠を緩めなかった,小便に行きたいのに被告人をおちょくったなどと主張し,職務の適法性等を争っている。
被告人が暴行直前に手錠を緩めるように求めたかについて,警察官らの具体的供述はないが(Aは第10回17丁で,Cは第13回28丁で,Bは第11回25丁で,いずれも記憶がない旨述べている。),病院内である程度暴れた被告人を運ぶ際の手錠の問題であるし,証拠上認められる警察官らの被告人に対する対応状況に被告人に対する加害の意図を窺わせるものはなく,その後,裁判所で手錠を緩めるように求めた被告人の態度(撮影されている)を踏まえても,職務の適法性等に影響するほど不当な手錠の扱いが行われていないことは明らかである。また,小便の問題についても,警察官らの供述によれば,警察官らが短時間で裁判所に到着することを前提に被告人に我慢を求めていたことは明らかであり(なお,被告人は,裁判所に到着した後の午前10時19分頃まで小便が我慢できている。),職務の適法性等に影響するような不当な扱いがあったとは認められない。
(3) 上記のとおりであり,証拠から認定できる暴行前の状況によれば,暴行の故意や公務執行妨害の故意が認められ,また,この点に関し,職務の適法性を争う主張や,正当防衛が成立する旨の主張も採用できない。
第3  勾引状発付手続の違法性に関係する主張について
1  被告人らの主張
被告人らは,①勾引の要件がないのに担当裁判官が勾引状を発付しており,勾引手続は違法である,②担当裁判官は,被告人が出頭しなくても勾引まではしないという方針を弁護人に示しており,その方針変更を事前に明らかにすることなく被告人を勾引することも違法である,などと主張し,勾引手続自体が違法であるから,勾引状執行に係る警察官の職務執行は公務執行妨害罪において保護すべき適法な職務とはいえない旨主張している(被告人らの弁論要旨(2))。
2  勾引までの主な経過
証拠によれば,条例違反事件に関し,被告人が勾引されるまでの主な経過は以下のとおりである。
(1) 裁判の経過
被告人は,平成21年9月9日,電柱にはり紙を表示した行為に関し大阪市屋外広告物条例違反の罪により起訴され,平成22年3月19日,大阪簡裁において,罰金30万円の有罪判決を受けた(乙A17)。これに対し,被告人側が控訴したところ,大阪高等裁判所(以下「大阪高裁」という。)は,平成23年1月14日,1審判決を破棄し,大阪簡裁に差し戻す旨の判決をした(乙A18)。この大阪高裁判決に対し,被告人が上告したが,平成23年8月31日,上告棄却の決定がされ(乙A19),事件は大阪簡裁で審理されることになった。なお,大阪高裁は,1審の第2回公判期日における訴訟手続に,被告人の反対尋問権を侵害した法令違反があるとしており,1審において改めて被告人に反対尋問の機会を与えて警察官3名に対する証人尋問を行わせた上で本件について判決させるため,本件を差し戻す旨判示している。
(2) 差戻審の審理の経過,勾引状の発付
条例違反事件の差戻審(大阪簡裁)の第1回公判期日(担当はJ裁判官)は平成24年9月24日に指定され,弁護人は出頭したが,被告人は出頭せず(なお,被告人らは,裁判所が過剰な警備をしていたから出頭しなかったのであり,この不出頭には正当な理由があった旨主張している。),弁護人の希望により,進行についての打合せ期日が同年11月5日と定められた(甲A27)。
その後,上記事件は期日間整理手続に付され,平成24年12月17日に第1回期日間整理手続が行われ,平成25年1月21日に第2回期日間整理手続が行われ,いずれも被告人が出頭したが,同年2月27日に予定された第3回期日間整理手続については,被告人は,検察官が証人(警察官証人である。)の住居を明らかにしようとせず適正手続を受ける権利を侵害されている旨の理由を付した期日間整理手続期日取消申立書を送付した上で出頭せず,弁護人は,被告人が出頭しない手続における手続進行に応じることは被告人との信頼関係を害するおそれがあるとして,同日の期日間整理手続に応じなかった。なお,被告人は,同日,検察官が警察官証人の住居地を開示するまで,又は,刑訴法299条1項が改廃されるまで,もしくは憲法31条,憲法97条のいずれかが改廃されるまで,本件に係る全ての期日に出頭することができない旨記載した出頭に関する申出書を裁判所に提出した。
その後,平成25年3月28日の第4回期日間整理手続には,弁護人も被告人も出頭しなかった(甲A28ないし31,35)。
被告人は,平成25年4月22日と指定された第2回公判期日に出頭せず,次回公判期日は同年5月13日午前10時と指定された(甲A32)。
その後,条例違反事件担当のJ裁判官は,平成25年5月7日,被告人に対する勾引状を発付した。
(3) 送達場所に関する届け出等
被告人は,条例違反事件差戻審第1回公判期日である平成24年9月24日に,裁判所に対し,「文書送達のための届出書」を提出し,被告人の住居は大阪市f区〈以下省略〉であるが,この住居はいわゆる簡易宿所であり,フロントの信書管理がずさんであり,被告人は,賃労働や政治活動のために出張を強いられることがあるなどと主張した上で,被告人に対する文書について,被告人の政治活動の連絡先となっている,大阪市f区〈以下省略〉に所在する「○○の家」を刑訴規則62条の事務所とみなして送達することを求めた。なお,その届出書の末尾には,大阪地裁民事部,大阪高裁刑事部が被告人に対する文書を○○の家に送達している旨が付記されている(甲A16)。
条例違反事件の第2回公判期日(平成25年4月22日午後1時20分)の期日召喚状は,平成25年3月30日12時に,上記○○の家宛に送達されており,使用人・従業者であるGが受領した旨の送達報告書が作成されている(甲A15)。
(4) 被告人と弁護人等との連絡状況
条例違反事件の弁護人は,平成25年3月28日に裁判所から連絡を受け,その日のうちに,被告人に対し,裁判所から,①担当裁判官が7月6日で定年なので,それまでに起案を終えるための日程を考えていること,②被告人が来てくれなければ更新手続はできないし,その後の手続も進まないが,期日は指定すること,③4月22日(更新手続等),5月13日(証人尋問),22日(証人尋問),27日(証人尋問,被告人質問)と証拠調べをして6月12日に論告弁論を行う予定で期日指定を予定している旨伝えられたことを報告し,被告人が4月22日に出頭しない前提でよいかを確認する連絡のための電子メールを送信した(弁34-1)。
被告人は,上記弁護人からの電子メールを受け,その日(3月28日)のうちに,断固遅延行為する旨や別の裁判官が審理を引き継ぐことを前提とする内容を記載した電子メールを返信した(弁34-2)。
3  勾引の要件を争い職務の適法性を争う主張について
(1) 上記のとおり,被告人に対する勾引状は,被告人が,警察官証人の住所地を明らかにするまで全ての期日に出頭しない旨の申出書を提出し,被告人が期日間整理手続に出頭せず,整理手続への弁護人の協力も得られなくなり,整理手続を打ち切った後の公判期日にも被告人が出頭しなかった状況下で発付されている。
J裁判官は,被告人を勾引した後の公判期日(第3回,平成25年5月13日)において,弁護人から勾引の要件があるのかと問われた際,法廷への出頭が確保できないことから勾引の要件があると判断した,と述べた上で,被告人が第1回,第2回期日とも適式な召喚に応じなかったと発言しており(弁33),有効な送達があったことを前提に勾引状を発付したと解される。この点に関し,被告人らは,召喚状を受領したGは被告人と雇用関係になく,有効な送達が行われていないなどとして,勾引の要件がなかった旨を主張している。
証拠(職3)によれば,被告人は,平成24年8月12日付で,被告人の詐欺(1審の認定罪名詐欺未遂)事件が係属していた大阪高裁刑事部に,「事務連絡」を送付し,被告人宛の文書を,上記○○の家へ送達してほしい旨連絡したが,大阪高裁は,平成24年9月5日付けの書面で,送達は被告人の住居宛てに行い,○○の家は送達先とせず,同じ内容の書面を送付する扱いをする旨連絡している。被告人が大阪高裁刑事部にどのような扱いを求めたのかが必ずしも明らかではないが,大阪高裁刑事部が○○の家を送達先としていないという事情を考慮に入れるとすれば,○○の家を送達場所とした簡裁の扱いは,送達事務としては問題があり得るところとはいえる。また,被告人の公判供述等によれば,○○の家が被告人の事務所であるという実態があるとはいい難く,期日召喚状を受領したGが被告人の従業者等であったとも認め難いから,これらの事情を前提にするのであれば,被告人に対する送達の有効性には疑義があり得るところである。
(2) 公務執行妨害罪における職務の適法性の判断については,行為当時の具体的状況に基づいて,客観的,合理的に判断されるべきものである。また,刑訴法は,被告人に対しては,正当な理由がなく召喚に応じないとき,又は,応じないおそれがあるときに勾引することができるとしており(刑訴法58条),この判断は勾引状を発付する際に裁判所に判明していた事情に基づいて行うべきものである。これらによれば,本件において,職務の適法性に関し勾引状発付手続の当否等を論じる場合についても,その当時裁判所に判明していた事情から判断すべきである。
(3) そのような観点から検討する。被告人が大阪簡裁に提出した文書送達のための届出書には,大阪地裁民事部,大阪高裁刑事部が被告人に対する文書を○○の家に「送達」している旨が記載されているし,その後の経過や被告人の供述からも,被告人が,大阪高裁刑事部の送達の方法(○○の家を送達先としない扱い)を大阪簡裁に連絡していないことも明らかである。このような被告人からの情報を踏まえて,被告人の指定した場所を送達場所とすることが根拠のないこととはいえないし,簡裁は,Gの送達受領資格を疑わせる事情を把握していなかったといえるから,適式な召喚に応じないと判断して勾引状を発付したことが,要件を欠くものであったということはできない。
事後的に明らかになった状況を踏まえると,勾引状発付前に被告人側に送達の状況を問い合わせるなど,送達先や受領資格に関し時間をかけて一定の調査をすれば,送達場所の届け出等に問題があったことが判明したといえる。しかし,勾引という手続は訴訟進行に応じない被告人に対する手続であり,正当な理由なく召喚に応じないおそれがある場合にも勾引することができるのであるし,勾引が問題になる被告人に関する調査は容易ではないのであるから,そのような調査を尽くさなければ勾引が違法になるとはいえない(なお,送達に関わる事情を全体としてみるとしても,送達を試みた期日召喚状は,被告人の知人であるGに受領されており,被告人が述べる当時の被告人とGとの連絡状況,被告人が期日の予定について弁護人から連絡を受けており,不出頭の意向を表明していたことなどの事情によれば,当時の被告人に勾引状を発付できるだけの要件(正当な理由なく召喚に応じないおそれ)が実質的に存在していたといえるのであり,裁判所が調査を尽くさなかったことで,実質的に勾引の要件のない被告人を勾引した事案でもない。)。
これらによれば,この点に関する被告人らの主張も失当である。
4  信義則違反等の主張について
(1) この点に関する被告人らの主張は,簡裁裁判官が,条例違反事件の第1回期日に出頭しなかった頃に,弁護人を介して,被告人が公判期日に出頭しなくても勾引まではしない旨の方針である旨を示しており,それを信じて行動していたのであるから,方針変更を被告人側に伝えずに勾引状を発付するのは違法である旨のものである(弁論要旨(2)4丁~)。
なお,勾引の方針に関する裁判官と弁護人のやりとりの詳細は,必ずしも明らかではないが,担当裁判官が,被告人の勾留理由開示法廷において,被告人に対し,「弁護人は,裁判官は被告人が出頭しなくても勾引しないと言っていたとのことであるが,被告人が期日間整理手続きの途中から出頭しなくなったのは大きな事情変更であることから,勾引をしたものである。」旨応答していることを踏まえて検討することとする。
(2) そもそも,被告人を勾引するかどうかという問題は,手続の進行等を踏まえて担当裁判官が判断すべき事項であるし,召喚に応じないおそれがある場合の被告人の勾引を認めていることに照らしても,裁判官が,被告人側の予測しない状況で勾引状を発付することは十分にあり得る事柄である。このような問題について,特定の時期の裁判官の意向が仮に明らかになっていたとしても,そのことがその後に勾引の当否を左右する事情となるとはいえないし,被告人側(弁護人も含む)に勾引を予告すべき義務を裁判所側に生じさせるものとも解されない。
また,条例違反事件は,被告人の反対尋問権行使が問題となって差し戻された事案であるから,仮に,裁判官が第1回公判期日の頃に勾引まではしないなどと弁護人に述べたとしても,それは公判期日を被告人不出頭で進めるという趣旨ではなく,争点の整理等を進める必要がある条例違反事件においては,当面被告人の出頭が不要である旨を述べたとしか考えられない(条例違反事件に関する勾留理由開示法廷において,事情変更等があった旨説明した裁判官の発言もその趣旨で理解できる。なお,刑訴法上の不出頭許可の判断は行われていないし,弁護人の対応等からも,公判期日への不出頭許可と同視できる判断が行われていないことは明らかである。)。
そのほかにも被告人らは様々な指摘をするが,被告人が勾引されないと思いこんでいたという以上の事情は認められず,この点に関する被告人の主張も採用できない。
5  まとめ
これらによれば,勾引状発付手続の違法を主張して,公務執行妨害罪の成否等を争う被告人らの主張も採用できない。
第4  事実認定のまとめ
これらの争点に関する判断と関係証拠を総合すれば,判示のとおり,被告人に公務執行妨害,傷害罪が成立するといえ,職務の適法性等を争って公務執行妨害罪の成否を争う主張や傷害罪に関する正当防衛の主張なども全て採用できない。
(公訴棄却を求める主張について)
1  被告人は,平成28年1月18日の第13回公判期日(C警察官反対尋問が行われた日)に公訴棄却を求め,その後も補充書等を提出している。
その主張は,警察官らは,本件の際に撮影したDVテープについて,撮影した映像の一部を削除して検察官に送致し,重要な証拠の変造行為をしており,このような問題がある本件については,公訴棄却の判決をすべきであるというものである。
2  本件の勾引状執行の際に,警察側は,被告人が暴れるおそれがあるなどと考えたため,証拠の保全等のために,ビデオ撮影をしている。実際に,警察官らが被告人の小屋付近に赴いてからの状況や,病院内で勾引状の執行を始めて被告人を車に乗せるまでの状況,裁判所到着後の状況などが撮影され,その映像記録が証拠採用されているが,証拠採用した映像記録は,プライバシー保護のため映像の一部(裁判所における他の被疑者の映像)がモザイク処理されたものである。
被告人らは,警察官らが,現場でDVテープに録画した後,画像をモザイク処理した証拠を作成するまでの間に,映像の一部を切り取る編集をしたと主張しており,その根拠として,実際に不自然に映像が途切れていること(①被告人を車に乗せて,スライドドアが閉まった時点で撮影を中断するのは不自然である。②裁判所での映像が不自然に中断されている。)などを挙げている。
3  証拠として採用した映像記録は,小屋での被告人に対する声掛けの状況が撮影された後,被告人を救急搬送する段階で撮影が中断され,その後病院内で勾引状の執行が開始される段階で撮影が再開され,被告人に手錠をかけ,被告人を車に入れてドアを閉めた後に中断されているところ,事前に撮影担当とされていたBは,I警察官に撮影してもらい,撮影範囲については担当に任せた旨述べており,警察官らは,被告人の主張する映像の変造等を否定する旨の供述をしている。
被告人らは,車のドアを閉めた段階で撮影を中断するのは不自然などというが,その時点で勾引状の執行手続は一段落していると評価できるから,ドアを閉めた際に映像が中断していることが不自然だとはいえない。裁判所到達後の状況も,勾引状の執行に関して重要な場面は特にないから(被告人らが映像の欠落の疑いを指摘する部分は,被告人の犯行状況ないしはその直前の警察官らによる制圧状況の立証に直接関わる車内の映像でもなく,犯行前後の被告人の言動等に関する部分である。),理解可能な程度の撮影の中断であって,不自然な中断とはいえない。
これらによれば,被告人らの主張を検討しても,映像の変造等が行われた疑いはないといえるから,公訴棄却を求める被告人らの主張も採用できない。
(確定裁判)
1  事実
被告人は,平成24年4月23日大阪地方裁判所において,詐欺未遂の罪により懲役1年4か月に処せられ,その裁判は平成25年9月11日確定した。
2  証拠
前科調書(検察官請求証拠番号乙A22)
(法令の適用)
罰条
公務執行妨害の点 刑法95条1項
傷害の点 刑法204条
科刑上一罪の処理(観念的競合) 刑法54条1項前段,10条(1罪として重い傷害罪の刑で処断)
刑種の選択 懲役刑選択
併合罪の処理 刑法45条後段,50条(確定裁判を経ていない判示の罪について更に処断。)
未決勾留日数の算入 刑法21条
訴訟費用の処理 刑訴法181条1項ただし書
(量刑の理由)
本件は,別件裁判に関する勾引状の執行に従事していた警察官に対して暴行を加え,職務の執行を妨害するとともに傷害を負わせた事案である。正当な職務執行を行う警察官に対する一方的な暴行事案であり,傷害の程度も軽いとはいえない。これらによれば,本件犯行は警察官に突発的に傷害を負わせた公務執行妨害事案の中ではやや重い評価が相当な部類に属するといえる。
また,被告人は,自己の正当性を主張し,不合理な主張を重ねており,反省もしていない。加えて,被告人には平成15年にも保釈取消決定による収容の際に公務執行妨害を行って懲役刑の実刑判決を受けて服役したという前科などもある。
これらによれば,被告人の刑事責任は重いから,被告人を主文のとおり懲役刑の実刑判決に処するのが相当であると判断した。
(未決勾留日数の算入について)
1  本件においては,被告人が公判期日に出頭しなかったことなどにより,起訴後の未決勾留が3年を超えている。判示のとおり650日しか算入しなかった理由について補足説明する。
2  刑法21条は,未決勾留日数について,その一部又は全部を本刑に算入できると規定している。未決勾留は,審理の必要上なされる自由の拘束であり,刑の執行ではなく,実質的にも,拘束の場所や処遇等において異なる点はあるが,自由の拘束という点においては自由刑の執行と類似するため,公平の観点から,未決勾留日数の一部又は全部につき,本刑に算入し,その部分について刑の執行を受けたものと取り扱うこととされている。
このような趣旨から,未決勾留日数の算入については,当該事件の審理に通常必要と考えられる日数を起訴後の未決勾留日数から控除したその余の日数を算入する運用が一般的に行われているが(起訴後の未決勾留日数のうち審理に通常必要な日数を超えた部分についての算入),当該事案が審理に通常必要な日数を超えたことについて,被告人に責に帰すべき事由があるなど,公平の観点からみて,審理に通常必要な日数を超えた日数の全部について,刑の執行を受けたものと取り扱うことが相当ではない場合には,その事情を未決勾留日数の算入に当たり考慮すること(算入日数を減らすこと)ができると解されている。
3  起訴後の未決勾留日数について
被告人は,本件により,平成25年6月26日に勾留され(なお,同年5月8日の勾引の後,条例違反事件に関し勾留されていたが,この勾留に関しては同年6月25日に保釈されている。),同年7月11日に起訴された。被告人は,本件判決期日まで勾留されたが,平成28年10月12日からは47日間の予定で条例違反事件の有罪判決による労役場留置が始められており,起訴後,労役場留置が開始されるまでの未決勾留日数は1189日である。
4  未決算入に関する検討
本件の審理の経過は別紙のとおりであり,本件は,被告人が公判廷における手錠の解錠方式等に関する裁判所の方針に反発し,公判期日に出頭しないという対応をしながら,裁判所に方針変更を迫っており,そのため,起訴から被告人が出頭した公判が行われるようになるまで,2年を超える期間を要している。
そもそも,身柄を拘束された被告人に対し,どのような戒護を行うかは,被告人の逃走防止等を図る必要も踏まえて,法廷警察権等の権限を有する裁判所が判断すべき事項であるから,その点に関する裁判所の措置等に不満があったとしても,出頭しないことを正当化する理由とはいえない。
また,本件において,被告人は裁判官から手錠姿等が見えないことを当事者主義の観点から求めており,その主張の合理性にも疑問があるし,第1回公判期日(平成26年2月19日)の頃,手錠解錠等に関して担当裁判官が示した方針は,裁判官が審理する勾留中の被告人の事件において,逃走防止等の目的のために行われている通常の措置であって,第1回公判期日までに整理手続も進まず,被告人に関する情報が限られている状況であったことを踏まえると,何ら不当な点はない。なお,本件においては,被告人が出頭するようになった後も,手錠解錠について特段の措置はとられなかったが,これも他の被告人と同様の通常の措置であり,被告人が各期日の入廷の際,歩こうとせず,押送職員にぶら下がるようにしてようやく入廷することを繰り返したこと(当裁判所に顕著な事実である。)などの事情も踏まえた対応である。
これらによれば,被告人が指定された公判期日に出頭しないために手続が進まなかった期間については,被告人の責めに帰すべき事由が非常に大きいというべきであるから,その一部を未決勾留日数の算入から除外するのが相当である。
なお,被告人らは,訴訟の遅延に関し,担当裁判官がいわゆる不出頭開廷を早く行うことができた,解任前の弁護人にも出頭在廷を命じるべきであったなどと,裁判所側の問題をいろいろと主張するが,公判手続の進行に関して,どのような段階でどの程度の手段をとるかは,その後の手続の円滑な進行をも視野に入れて決めるべき事項であり,本件においては,弁護人が応じた公判前整理手続に被告人が反対して公判前整理手続が進まなかったことなどの事情もあったから,裁判所が早期にいわゆる不出頭開廷等の対応を行わなかったことにも一定の理由があるといえ,これらの被告人らの主張を踏まえても,訴訟の遅延に関し被告人の帰責事由が非常に大きいという判断は左右されない。
なお,本件の訴訟の遅延に関しては,手続の段階ごとに,被告人の帰責性にも違いがあるから,未決算入の検討については,大きく段階を分けて考察することとする。
本件の起訴がされた平成25年7月11日から公判前整理手続に付する決定が取り消される同年12月16日まで(159日間)は,公判前整理手続に準じる当事者の準備が進められていたと考えられる時期であり,実際に打合せ期日が4回開かれ,証拠開示等が検討されていたことを考慮すると,この種の手続が行われた通常の事件と同様の考慮をして未決算入をすべき時期といえるから,この期間の未決勾留日数に関しては,100日に近い日数の算入が考えられる。
公判前整理手続に付する決定が取り消された翌日の平成25年12月17日から被告人が出頭して公判が行われる平成27年10月30日まで(683日間)は,公判期日を開いて裁判を進めるべき状況にあった時期であるが,被告人が出頭しないことなどにより,裁判が遅延した期間といえる。被告人が出頭しなかった第1回公判期日(平成26年2月19日)の段階で,裁判所は被告人の入廷等に関し方針を示していたのであるから,これ以降の期間を中心として,この間の遅延に関する被告人の帰責性は非常に大きいといえる。未決勾留日数の大半を算入しないことも考えられるが,この点の問題は被告人が法律家ではないことをある程度考慮するのが相当と考えられること,平成27年6月30日以降は弁護人の協力を得て3回の公判が開かれ多少は審理が進んでおり,時期によって審理遅延の状況や被告人の帰責性に差があること,身柄の拘束自体は現実に生じており,その点の公平にも配慮する必要があることなどを考慮すると,この期間の未決勾留日数については,実際に公判審理を行った期日の準備に通常要する期間を控除した上で,その半分程度(330日にやや近い日数)の算入が相当といえる。
被告人が出頭した期日の翌日の平成27年10月31日から労役場留置が開始される日の前日の平成28年10月11日まで(347日間)については,被告人の責めに帰すべき遅延はなかったといえる。この間に11回の公判期日を行っており,この期間の未決勾留日数については,230日にやや近い日数の算入が考えられる。なお,検察官からはこの期間についても,審理の状況を実質的に考慮すべき旨の指摘があるが,意図的な遅延行為等があったとはいえないから,公判審理が行われた上記の期間について,それ以上に具体的な状況を考慮した検討はしない。
これらを総合し,端数処理等を行った結果,本件については,主文のとおりの未決勾留日数算入が相当と判断した。
(検察官 萩野卓巳,菅原健志,弁護人(いずれも国選)青砥洋司(主任),中西哲也,植田豊 出席)
(求刑懲役2年)
平成28年11月24日
(裁判官 上岡哲生)

 

〈以下省略〉

 

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政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例一覧
(1)平成29年12月20日 東京地裁 平27(ワ)16748号・平28(ワ)32555号・平28(ワ)36394号 建物明渡等請求事件、賃料減額確認請求事件(本訴)、賃料増額確認請求反訴事件(反訴)
(2)平成29年 5月11日 大阪地裁 平28(ワ)5249号 商標権侵害差止請求事件
(3)平成29年 3月16日 東京地裁 平26(特わ)914号・平26(特わ)1029号 薬事法違反被告事件
(4)平成28年11月17日 大阪地裁 平25(わ)3198号 公務執行妨害、傷害被告事件
(5)平成28年10月26日 東京地裁 平24(ワ)16956号 請負代金請求事件
(6)平成28年 3月25日 東京地裁 平25(ワ)32886号 未払賃料請求事件
(7)平成27年 3月31日 東京地裁 平24(ワ)22117号 損害賠償等請求事件
(8)平成26年 2月27日 東京地裁 平24(ワ)9450号 著作物頒布広告掲載契約に基づく著作物頒布広告掲載撤去損害賠償請求事件
(9)平成25年 9月12日 大阪高裁 平25(う)633号 詐欺被告事件
(10)平成25年 1月22日 名古屋地裁 平20(ワ)3887号 損害賠償請求事件
(11)平成24年12月 7日 静岡地裁 平19(ワ)1624号・平20(ワ)691号 損害賠償請求(第一事件)、保険金請求(第二事件)事件
(12)平成23年11月18日 東京地裁 平23(レ)307号・平23(レ)549号 損害賠償等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(13)平成23年 9月30日 東京地裁 平20(ワ)31581号・平21(ワ)36858号 損害賠償請求事件(本訴)、同反訴請求事件(反訴)
(14)平成23年 2月23日 東京高裁 平21(ネ)2508号 損害賠償請求控訴事件
(15)平成23年 1月14日 大阪高裁 平22(う)460号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(16)平成22年10月 5日 京都地裁 平19(ワ)824号 損害賠償請求事件
(17)平成22年 7月27日 東京地裁 平20(ワ)30423号・平21(ワ)3223号 損害賠償請求事件(本訴)、払戻金返還請求事件(反訴)
(18)平成22年 3月29日 東京地裁 平20(ワ)22960号 建物明渡請求事件
(19)平成22年 2月 8日 東京地裁 平21(ワ)8227号・平21(ワ)21846号 損害賠償請求事件
(20)平成22年 1月27日 東京地裁 平21(ワ)9971号・平21(ワ)9621号 土地建物所有権移転登記抹消登記請求事件、鉄塔明渡請求事件
(21)平成22年 1月27日 東京地裁 平21(ワ)13019号 屋外広告塔撤去請求事件
(22)平成21年12月24日 東京地裁 平20(行ウ)494号 計画通知確認処分取消等請求事件
(23)平成21年 7月22日 東京地裁 平19(ワ)24869号 損害賠償請求事件
(24)平成21年 1月20日 那覇地裁 平19(行ウ)16号・平20(行ウ)2号 建築確認処分差止請求事件(甲事件)、建築確認処分差止請求事件(乙事件)
(25)平成20年10月17日 東京地裁 平20(行ク)214号 執行停止申立事件
(26)平成20年 9月19日 東京地裁 平19(行ウ)274号・平19(行ウ)645号 退去強制令書発付処分取消請求事件
(27)平成20年 4月11日 最高裁第二小法廷 平17(あ)2652号 住居侵入被告事件 〔立川反戦ビラ事件・上告審〕
(28)平成19年 2月21日 東京地裁 平18(行ウ)206号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(29)平成17年12月21日 東京地裁 平15(ワ)14821号 看板設置請求事件
(30)平成17年 3月31日 東京地裁 平15(ワ)27464号・平15(ワ)21451号 商標使用差止等請求本訴、損害賠償請求反訴事件 〔tabitama.net事件〕
(31)平成17年 2月22日 岡山地裁 平14(ワ)1299号 損害賠償請求事件
(32)平成13年12月21日 秋田地裁 平10(ワ)324号・平12(ワ)53号・平12(ワ)416号 土地明渡等請求、損害賠償請求事件
(33)平成13年 2月23日 大阪地裁 平10(ワ)13935号 損害賠償請求事件
(34)平成11年 2月15日 仙台地裁 平9(行ウ)6号 法人税更正処分等取消請求事件
(35)平成 9年 7月22日 神戸地裁 平8(ワ)2214号 損害賠償請求事件
(36)平成 8年 6月21日 最高裁第二小法廷 平6(あ)110号 愛媛県屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(37)平成 8年 4月12日 最高裁第二小法廷 平4(あ)1224号 京都府屋外広告物条例違反
(38)平成 8年 3月 8日 最高裁第二小法廷 平4(オ)78号 損害賠償請求事件
(39)平成 8年 3月 8日 最高裁第二小法廷 平4(オ)77号 損害賠償請求事件
(40)平成 7年12月11日 最高裁第一小法廷 平4(あ)526号 各滋賀県屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(41)平成 7年 6月23日 最高裁第二小法廷 平元(オ)1260号 損害賠償、民訴法一九八条二項による返還及び損害賠償請求事件 〔クロロキン薬害訴訟・上告審〕
(42)平成 6年 2月21日 福岡高裁 平元(ネ)608号 接見交通妨害損害賠償請求事件
(43)平成 4年 6月30日 東京地裁 平3(ワ)17640号・平3(ワ)16526号 損害賠償請求事件
(44)平成 4年 6月15日 最高裁第二小法廷 平元(あ)710号 大阪府屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反被告事件
(45)平成 4年 6月15日 最高裁第二小法廷 平元(あ)511号 大阪市屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(46)平成 4年 2月 4日 神戸地裁 昭49(ワ)578号 損害賠償請求事件 〔全税関神戸訴訟・第一審〕
(47)平成 4年 2月 4日 神戸地裁 昭49(ワ)578号 損害賠償請求事件 〔全税関神戸訴訟・第一審〕
(48)昭和60年 7月22日 最高裁第一小法廷 昭59(あ)1498号 所得税法違反被告事件
(49)昭和59年 9月28日 奈良地裁 昭58(行ウ)4号 都市計画変更決定一部取消請求事件
(50)昭和59年 7月17日 福岡高裁 昭58(う)487号 大分県屋外広告物条例違反被告事件
(51)昭和58年10月27日 最高裁第一小法廷 昭57(あ)859号 猥褻図画販売、猥褻図画販売目的所持被告事件
(52)昭和58年 8月24日 福岡高裁 昭57(う)254号 軽犯罪法違反、佐賀県屋外広告物条例違反事件
(53)昭和58年 6月21日 大分簡裁 昭55(ろ)66号 大分県屋外広告物条例違反被告事件
(54)昭和57年 3月 5日 佐賀簡裁 昭55(ろ)24号 軽犯罪法違反、佐賀県屋外広告物条例違反事件
(55)昭和56年 8月 5日 東京高裁 昭55(う)189号 軽犯罪法違反被告事件
(56)昭和56年 7月31日 神戸簡裁 昭56(ろ)167号 軽犯罪法違反、兵庫県屋外広告物条例違反事件
(57)昭和55年 4月28日 広島高裁松江支部 昭54(う)11号 公職選挙法違反被告事件 〔戸別訪問禁止違憲事件・控訴審〕
(58)昭和54年12月25日 大森簡裁 昭48(う)207号・昭48(う)208号 軽犯罪法違反被告事件
(59)昭和53年 7月19日 横浜地裁 昭51(ワ)1147号 損害賠償事件
(60)昭和53年 5月30日 大阪高裁 昭52(ネ)1884号 敷金返還請求事件
(61)昭和51年 3月 9日 東京高裁 昭47(う)3294号 埼玉県屋外広告物条例違反等被告事件
(62)昭和51年 1月29日 大阪高裁 昭50(う)488号
(63)昭和50年 9月10日 最高裁大法廷 昭48(あ)910号 集団行進及び集団示威運動に関する徳島市条例違反、道路交通法違反被告事件 〔徳島市公安条例事件・上告審〕
(64)昭和50年 6月30日 東京高裁 昭47(う)3293号 埼玉県屋外広告物条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(65)昭和50年 6月12日 最高裁第一小法廷 昭49(あ)2752号
(66)昭和50年 5月29日 最高裁第一小法廷 昭49(あ)1377号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(67)昭和49年12月16日 大阪高裁 昭49(う)712号 神戸市屋外広告物条例違反等事件
(68)昭和49年 5月17日 大阪高裁 昭45(う)868号
(69)昭和49年 5月17日 大阪高裁 昭45(う)713号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(70)昭和49年 4月30日 東京高裁 昭48(行コ)35号 行政処分取消請求控訴事件 〔国立歩道橋事件〕
(71)昭和48年12月20日 最高裁第一小法廷 昭47(あ)1564号
(72)昭和48年11月27日 大阪高裁 昭48(う)951号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(73)昭和47年 7月11日 大阪高裁 昭43(う)1666号 大阪府屋外広告物法施行条例違反事件 〔いわゆる寝屋川ビラ貼り事件・控訴審〕
(74)昭和46年 9月29日 福岡高裁 昭45(う)600号 福岡県屋外広告物条例違反被告事件
(75)昭和45年11月10日 柳川簡裁 昭40(ろ)61号・昭40(ろ)62号 福岡県屋外広告物条例違反被告事件
(76)昭和45年 4月30日 最高裁第一小法廷 昭44(あ)893号 高知県屋外広告物取締条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(77)昭和45年 4月 8日 東京地裁 昭40(行ウ)105号 法人事業税の更正決定取消請求事件
(78)昭和44年 9月 5日 金沢地裁 昭34(ワ)401号 損害賠償請求事件 〔北陸鉄道労組損害賠償請求事件〕
(79)昭和44年 8月 1日 大阪地裁 昭44(む)205号 裁判官忌避申立却下の裁判に対する準抗告事件
(80)昭和44年 3月28日 高松高裁 昭42(う)372号 外国人登録法違反・高知県屋外広告物取締条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(81)昭和43年12月18日 最高裁大法廷 昭41(あ)536号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(82)昭和43年10月 9日 枚方簡裁 昭41(ろ)42号 大阪府屋外広告物法施行条例違反被告事件
(83)昭和43年 7月23日 松山地裁 昭43(行ク)2号 執行停止申立事件
(84)昭和43年 4月30日 高松高裁 昭41(う)278号 愛媛県屋外広告物条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(85)昭和43年 2月 5日 呉簡裁 昭41(ろ)100号 軽犯罪法違反被告事件
(86)昭和42年 9月29日 高知簡裁 昭41(ろ)66号 外国人登録法違反被告事件
(87)昭和42年 3月 1日 大阪地裁 昭42(む)57号・昭42(む)58号 勾留請求却下の裁判に対する準抗告事件
(88)昭和41年 2月12日 大阪高裁 昭40(う)1276号
(89)昭和41年 2月12日 大阪高裁 事件番号不詳 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(90)昭和40年10月21日 大阪地裁 昭40(む)407号 勾留取消の裁判に対する準抗告事件
(91)昭和40年10月11日 大阪地裁 昭40(む)404号 勾留取消の裁判に対する準抗告申立事件
(92)昭和39年12月28日 名古屋高裁 昭38(う)736号 建造物損壊、建造物侵入等事件 〔東海電通局事件・控訴審〕
(93)昭和39年 8月19日 名古屋高裁 昭39(う)166号 軽犯罪法違反被告事件
(94)昭和39年 6月16日 大阪高裁 昭38(う)1452号
(95)昭和29年 5月 8日 福岡高裁 昭29(う)480号・昭29(う)481号 外国人登録法違反等事件
(96)昭和29年 1月 5日 佐賀地裁 事件番号不詳 外国人登録法違反窃盗被告事件
(97)昭和28年 5月 4日 福岡高裁 昭28(う)503号 熊本県屋外広告物条例違反被告事件

■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 選挙ポスター」に関する裁判例カテゴリー
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