裁判例リスト【選挙ドットウィン!】■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】 https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-consultant/ ■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-rikkouho/ ■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/hanrei-seijikatsudou-senkyoundou/ ■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou-poster/ ■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】 https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bira-chirashi/ ■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/hanrei-seimu-katsudouhi-poster/ ■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/senkyo-seiji-enzetsukai-kokuchi-poster/ ■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】 https://www.senkyo.win/kousyokusenkyohou-negotiate-put-up-poster/ ■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】 https://www.senkyo.win/political-poster-kousyokusenkyohou-explanation/ ■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou/ ■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】 https://www.senkyo.win/senkyo-kouhou-poster-bira/ ■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】 https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bougai-poster/

政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(78)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件

政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(78)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成20年 9月 9日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ワ)18306号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2008WLJPCA09098004

要旨
◆被告が執筆し被告会社が発行した書籍に原告の前科、逮捕歴等が記載されたことにより、原告の名誉が毀損されるとともにプライバシー権が侵害されたと主張して、原告が被告らに対し、不法行為に基づく損賠賠償及び謝罪広告の掲載と当該書籍からの記事の削除を求めた事案において、被告の記事の多くが原告の社会的評価を低下させるものであり、過去に衆議院議員選挙等に立候補したことはあるが、10年以上前であり最近は立候補したことがないなどを理由として公的立場にある人物とはいえないなどとして、違法性阻却を否定し、原告の請求の一部を認容した事例

参照条文
民法710条
裁判官
奥田正昭 (オクダマサアキ) 第31期 現所属 定年退官
平成29年12月31日 ~ 定年退官
平成28年10月5日 ~ 東京地方裁判所(所長)
平成26年11月3日 ~ 東京高等裁判所(部総括)
平成25年3月21日 ~ 札幌地方裁判所(所長)
平成23年7月26日 ~ 平成25年3月20日 旭川地方裁判所、旭川家庭裁判所(所長)
平成21年3月27日 ~ 平成23年7月25日 司法研修所(教官)
平成20年4月1日 ~ 平成21年3月26日 東京地方裁判所(部総括)
平成13年4月1日 ~ 平成20年3月31日 札幌地方裁判所(部総括)
平成9年4月1日 ~ 平成13年3月31日 高松高等裁判所(事務局長)
平成8年4月1日 ~ 平成9年3月31日 高松高等裁判所
平成5年4月1日 ~ 平成8年3月31日 福岡地方裁判所、福岡家庭裁判所
平成2年4月1日 ~ 平成5年3月31日 神戸地方裁判所
昭和63年4月1日 ~ 平成2年3月31日 鹿児島地方裁判所名瀬支部、鹿児島家庭裁判所名瀬支部
昭和60年4月1日 ~ 昭和63年3月31日 福岡地方裁判所、福岡家庭裁判所
昭和57年4月1日 ~ 昭和60年3月31日 東京地方裁判所
昭和54年4月1日 ~ 昭和57年3月31日 札幌地方裁判所

吉村美夏子 (ヨシムラミカコ) 第41期 現所属 さいたま地方裁判所、さいたま家庭裁判所
平成30年4月1日 ~ さいたま地方裁判所、さいたま家庭裁判所
平成27年4月1日 ~ 横浜家庭裁判所相模原支部、横浜地方裁判所相模原支部
平成24年4月1日 ~ 福岡高等裁判所
平成21年4月1日 ~ 平成24年3月31日 さいたま地方裁判所、さいたま家庭裁判所
平成18年4月1日 ~ 平成21年3月31日 東京地方裁判所
平成15年4月1日 ~ 平成18年3月31日 盛岡家庭裁判所、盛岡地方裁判所、盛岡家庭裁判所二戸支部、盛岡地方裁判所二戸支部
平成12年6月7日 ~ 平成15年3月31日 横浜地方裁判所

園田稔 (ソノダミノル) 新第60期 現所属 福岡家庭裁判所久留米支部、福岡地方裁判所久留米支部
平成27年8月14日 ~ 福岡家庭裁判所久留米支部、福岡地方裁判所久留米支部
平成27年7月1日 ~ 東京地方裁判所、東京家庭裁判所
平成25年7月1日 ~ 東京地検検事兼外務事務官
平成25年4月1日 ~ 平成25年6月30日 最高裁判所民事局付
平成20年1月16日 ~ 平成25年3月31日 東京地方裁判所

訴訟代理人
原告側訴訟代理人
弘中惇一郎,弘中絵里,日隅一雄,秋山亘,大木勇

被告側訴訟代理人
中田直茂,酒井正之

関連判例
平成20年 5月21日 東京地裁 判決 平19(ワ)9898号 損害賠償請求事件
平成19年 9月21日 東京地裁 判決 平18(ワ)24010号 損害賠償等請求事件
平成 4年12月21日 東京高裁 判決 平4(ネ)1327号・平4(ネ)1385号 損害賠償請求控訴事件

Westlaw作成目次

主文
1 被告らは,連帯して,原告に対…
2 原告のその余の請求をいずれも…
3 訴訟費用はこれを10分し,そ…
4 この判決は,1項に限り,仮に…
事実及び理由
第1 請求
1 被告らは,連帯して,原告に対…
2 被告らは,連名で,読売新聞及…
3 被告らは,被告AことY1の著…
第2 事案の概要
1 前提となる事実(争いのない事…
(1) 当事者
(2) 書籍の執筆及び発売
2 争点
(1) 本件各記事による名誉毀損の有…
(2) 本件各記事の執筆ないし掲載に…
(3) 本件各記事によるプライバシー…
(4) 損害の有無及びその額並びに謝…
3 争点に対する当事者双方の主張
(1) 本件各記事による名誉毀損の有…
(2) 本件各記事の執筆ないし掲載に…
(3) 本件各記事によるプライバシー…
(4) 損害の有無及びその額並びに謝…
第3 争点に対する判断
1 本件各記事による名誉毀損の有…
(1) 原告が詐欺罪で逮捕されたこと…
(2) 原告が恐喝罪で有罪判決を受け…
(3) 原告とd会の関係について(本…
(4) 原告と暴力団との関係について…
(5) 原告が顧問料50万円を受領し…
(6) 原告が拳銃を撃ったことについ…
(7) 原告とe社との関係について(…
(8) 皇室関係の品物に関する詐欺に…
(9) 本件記事3について
(10) よって,本件記事7の5,同8…
2 本件各記事(以下においては,…
(1) まず,本件各記事の摘示する事…
(2) 以上に認定,説示したところに…
3 本件各記事によるプライバシー…
(1) 原告が恐喝罪で有罪判決を受け…
(2) 原告が詐欺罪で逮捕されたこと…
(3) 原告が顧問料50万円を受領し…
(4) よって,顧問料に関する事実の…
(5) そこで,次に,プライバシー侵…
5 損害の有無及びその額並びに謝…
(1) 本件書籍は,平成18年5月1…
(2) なお,被告らは,本件各記事に…
6 以上によれば,原告の請求は,…

裁判年月日  平成20年 9月 9日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ワ)18306号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2008WLJPCA09098004

東京都町田市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 弘中惇一郎
同 弘中絵里
同 日隅一雄
同 秋山亘
同弘中惇一郎訴訟復代理人弁護士 大木勇
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 Aこと
Y1
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 株式会社ぶんか社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 中田直茂
同 酒井正之

 

 

主文

1  被告らは,連帯して,原告に対し,220万円及びこれに対する平成18年5月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。
4  この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告らは,連帯して,原告に対し,2200万円及びこれに対する平成18年5月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告らは,連名で,読売新聞及び朝日新聞の朝刊全国版の社会面に,1倍,活字2段抜きで,判決確定後10日以内に各1回,別紙1記載の謝罪広告を掲載せよ。
3  被告らは,被告AことY1の著書「Cの黒い真実」につき,未販売のもの及び今後重刷するものから,別紙2記載の文言を削除せよ。
第2  事案の概要
本件は,被告AことY1(以下「被告Y1」という。)が執筆し,被告株式会社ぶんか社(以下「被告ぶんか社」という。)が発行した書籍に,原告の前科,逮捕歴や詐欺的商法との関わり等が記載されたことにより,原告の名誉が毀損されるとともにプライバシー権が侵害されたと主張して,原告(以下,書籍の記載を示す関係で,「X」あるいは「X」という場合がある。)が,被告らに対し,不法行為に基づく損害の賠償及び謝罪広告の掲載と当該書籍からの記事の削除を求めた事案である。
1  前提となる事実(争いのない事実及び証拠により容易に認められる事実)
(1)  当事者
ア 原告は,著名な占い師であるC(以下「C」という。ただし,書証や書籍の記載を表す関係で「C」あるいは「C」という場合がある。)の実弟であり,現在画家として活動している。
イ(ア) 被告ぶんか社は,雑誌及び一般図書の出版,刊行物の売買等を主たる目的とする会社である。
(イ) 被告Y1は,週刊誌である週刊文春の元記者であり,本件当時,Aの名前で執筆活動をしていた。
(2)  書籍の執筆及び発売
被告Y1は,平成18年ころ,「Cの黒い真実」(以下「本件書籍」という。)と題する書籍を執筆し,被告ぶんか社は,同年4月19日,同年5月10日付けで本件書籍を出版した(甲1)。
本件書籍には,以下のアないしセに記載の内容が掲載されている(なお,以下のアないしセの各記載を,順に「本件目次」,「本件人物相関図」,「本件人生年表」,「本件記事1」,「本件記事2」,…,「本件記事11」というように表記し,これらをまとめて「本件各記事」という。)。
ア 本件目次
実弟・Xをめぐる××××の黒い噂(第5章の見出し)
(ア) 「Cの弟が詐欺容疑で逮捕!」のニュース飛び込む(本件目次1)
(イ) Xがヤクザ者だとバレたらまずい,と出馬を断念させる(本件目次2)
(ウ) 拳銃をぶっ放してa党をぶっつぶしたX(本件目次3)
イ Cをめぐる人物相関図(別紙3参照)
(ア) 以前はb組に出入り(本件人物相関図1)。
(イ) 恐喝や詐欺など黒い噂がある(本件人物相関図2)。
(ウ) 2006年1月にも,詐欺容疑で逮捕されている(本件人物相関図3)。
ウ Cの人生年表(別紙4参照)
(ア) 1994年(平成6年)56歳
弟・Xがc新聞社「週刊千葉」の記事をめぐり恐喝で逮捕―起訴。Cは弁護士費用に7000万円支払う(本件人生年表1)
(イ) 2005年(平成17年)67歳
弟・Xがマルチまがい商法のd会広告塔として訴えられる。Cは「弟とは8年前に絶縁」とマスコミで報告(本件人生年表2)
(ウ) 2006年(平成18年)68歳
1月,弟・Xが信用金庫の公的資金架空請求事件で詐欺容疑,逮捕,不起訴処分となる(本件人生年表3)。
エ 本件記事1(本件書籍138頁)
なおCの実弟・Xも,姉の縁でb組入りしている。
オ 本件記事2(本件書籍164頁)
このときXは町議を恐喝し,“取材謝礼料”として金銭を引っ張り,それが表沙汰になっている。Xは恐喝容疑で逮捕,起訴されて執行猶予つきの有罪判決となった。
つまりこの時期のCのテレビ出演自粛は,大殺界をカモフラージュにして弟の犯罪がらみのバッシングを避けるためだったのである。
カ 本件記事3(本件書籍177頁)
実弟・Xをめぐる××××の黒い噂
2006年1月「Cの弟,逮捕!」。
b組構成員で,6度選挙に出馬するも全敗,いまも恐喝,詐欺を繰り返す
Cの実弟・Xは,姉に勝るとも劣らぬ「お騒がせ男」であった。
キ 本件記事4(本件書籍178頁以下)
(ア) 「Cの弟が詐欺容疑で逮捕!」のニュース飛び込む(本件記事4の1)
(イ) 本書を執筆中の2006年(平成18年)1月,なんと「Cの弟が詐欺容疑で逮捕される」というニュースが飛び込んできた。
この逮捕されたCの弟というのは,前にも何度か名前をあげた「X」である。報道によればXは,融資制度を悪用して茨城県水戸市内の信用金庫から金をだまし取ることを計画。休眠状態にあった共犯者の建築会社を使い,売り上げ高を水増しした決算書を提出して,約3000万円を口座に振り込ませるという詐欺容疑で茨城県警より1月27日に逮捕された。
今回の逮捕は,共犯者の口からXの名前があがったため。Xは20日間の最長拘留期間を経て送検されたが,2月16日付けで「犯行への関与の程度が低かった」とされ釈放,不起訴処分となっている(本件記事4の2)。
ク 本件記事5(本件書籍182頁)
恐喝と詐欺を繰り返し,さすがのCも絶縁宣言?
ケ 本件記事6(本件書籍182頁以下)
●…千葉の町議を恐喝
1994年(平成6年),Xは千葉県でc新聞社の社長をしていた。ある日,千葉県小見川町町議会会長のD氏のもとに,政治経済事件を中心にc新聞社が月2回発行するタウン誌「週刊千葉」の記事が,突然ファックスで送られてきた。その内容は「D氏が福島県内のゴルフ場がらみで,暴利を得ている」というもの。驚いたD氏は,Xと千葉市内の料亭で会う。するとXは「このあいだのゲラみたでしょう。来月議長選があるけど,もう一期議長やりたいでしょう」と,取材経費として200万円を請求。悪評のひとり歩きをおそれたD氏は一度は要求をのんだが,「振り込みは足がつくからダメ」などというXのいいぐさに不穏なものを感じる。
案の定,ふたたびXから「社員の給料を支払えない」などの理由で100万円単位の金銭要求があり,D氏は我慢ならずに警察に駆け込んだ。この訴えにより千葉県警はXを逮捕,執行猶予つきの有罪判決が確定した。Cはこのとき,弁護士費用と示談金で7000万円をつぎこんだといわれているが・・・。
コ 本件記事7(本件書籍185頁以下)
(ア) この事件が世間に発覚したのはごく最近の2004年(平成16年)のことだが,1年後の2005年(平成17年)5月,またもやXは「d会」なるマルチまがい商法の広告塔になっているのだから,もはや確信的常習犯であろう。というよりも,詐欺すれすれのマルチのプロとでもいおうか(本件記事7の1)。
(イ) ●…霊芝商法と焼却炉投資で20億円集めた「d会」
d会のセミナー会場にて,いつも最初に挨拶するのはXである。
Xが「△△占術で有名なCの弟です。わたしは衆議院を5期務め,田中角栄先生からも可愛がられておりました」などというと,会場のほとんどの人間は驚く。そこでXはぬかりなく,セミナーの参加者と丁寧に名刺交換などをはじめる(本件記事7の2)。
(ウ) ここでもXは,「わたしは関係ない。頼まれたから講演しただけ」と繰り返す。しかし「C」の看板にひかれてついお金を出してしまった会員も少なくはないはずだ。
さすがのCもこの騒動を機に,Xとは絶縁宣言をしている(本件記事7の3)。
(エ) Cも,弟が…(略)…いずれは詐欺を繰り返すようになるということまでは予測できなかったようだ(本件記事7の4)。
(オ) この事件以降,毎月CがXに支払っていた顧問料50万円も,いっさいあげなくなったという話だが・・・(本件記事7の5)。
サ 本件記事8(本件書籍189頁以下)
(ア) Xがヤクザ者だとバレたらまずい,と出馬を断念させる(本件記事8の1)
(イ) Cが自分名義の会社から,月々50万円の顧問料をずっとXに支払い続けていた(本件記事8の2)
(ウ) 結局,政治家を断念して詐欺師まがいの道をたどることになる(本件記事8の3)
(エ) 実の話,この出馬断念は,Xが「b組」に出入りしていたことがおもな原因である(本件記事8の4)。
(オ) この大事な時期に,痛い腹(自分も含め,Xがヤクザ者だったというスキャンダル)を探られることを極端におそれたのである。
当時のCと近しい人物の証言によれば,「ここでCの弟が出馬などの派手なことをすれば,遅かれ早かれ黒い過去がバレてしまう。Cは“Xが出馬を断念してくれなければ,自分がいっさいテレビから姿を消す以外にない”とまでいいきった」という。姉からの強い要求を,Xはのんだ。姉の立身出世のために,自分の道を一時期断念して身を潜めるかたちとなったのだ(本件記事8の5)。
(カ) Cは3年間辛抱したXへのお礼の意味も込めて,月々の生活資金50万円を,顧問料の名目で支払い続けたのである。もちろんこの時期,XがCの会社の顧問や事務所の手伝いなどをしていたわけではない(本件記事8の6)。
シ 本件記事9(本件書籍192頁以下)
(ア) 拳銃をぶっ放してa党をぶっつぶしたX(本件記事9の1)
(イ) さて,新興政党であるこの政党の公認で,Xが出馬したのはなぜか。理由はかんたんである。
プロレスをはじめとする格闘技などの韓国団体と通じているEは,当然b組ともつながりがあった(本件記事9の2)。
(ウ) ちなみに,Cはこの関係性を後ろめたく思っているのであろう。あるテレビ番組でEと共演したときには,いつもと反対に「はじめまして」と初対面を装ったのである(本件記事9の3)。
(エ) ところが,a党の後援者幹部が,フランスから拳銃108丁を密輸入していた事件が発覚してしまう。そのきっかけとなった張本人は,またもやお騒がせのXである。
ある日,Xは知人とともに某海岸沿いで,海に向かって拳銃撃ちの練習をしていたというのである。しかも,よりによって実弾である。まるでハワイやグアムで日本人観光客がよくやるシューティングのノリだが,間合い悪く(というか当然というか)釣りにきていた人に目撃されてしまった。
波も荒く,めったに人もこないであろうとタカをくくっていたのが運のつき。目撃者は何事かと即座に警察に通報。現行犯で逮捕されそうになったが,命からがら逃げ出した。しかし,しっかり顔を見られていたことなどからa党には警察の捜査が入り,(以下略)(本件記事9の4)。
(オ) 現場で目撃されたa党の事務局長であるXは,本来ならばなんかの責任をとらなければならない立場なのだが,彼はとっととひとりで逃亡している。
こうして“スポーツを通じて世界平和を”という理念で発足したさわやかなイメージのa党は,どうみてもさわやかではないXのおかげであっさりと解散になった(本件記事9の5)。
ス 本件記事10(本件書籍197頁以下)
(ア) セレブ資産運用コンサルティング会社に加担?(本件記事10の1)
(イ) 実はこの「e社」の幹部に,Xがからんでいるとの噂があり,水面下で捜査が進行中である(本件記事10の2)。
(ウ) この詐欺まがいの投資会社については,東京の所轄警察署の担当が追っていたが,現在捜査の舞台は最初に会社が設立された大阪府警にほぼ移っているという。つまりはF社長をはじめとする会社幹部数名が,不明金の200億円を分割して逃亡中というわけだが,その捜査にXの名前が浮上しているのである(本件記事10の3)。
(エ) Xが稀代の詐欺師であるいうことはほとんど知られてないのが,実は怖いところなのだ(本件記事10の4)。
(オ) 暴力団出身で,政治家への夢をはたせなかった男が,いまでは詐欺行為で金を稼いでいるというのが,Xの真実の姿である。
「わたしは田中角栄に可愛がられ」といったん自己紹介し,「そして占い師Cの弟です」と自分への信憑性を高める。いまや日本でCを知らない者はいない。姉の知名度を利用して,今後もXは詐欺すれすれの商売を繰り返していくのだろうか(本件記事10の5)。
セ 本件記事11(本件書籍220頁)
Cが弟のXとふたりで,皇室関係の品物を15万円で買い取ってくれといって来訪してきたことがある。詐欺まがい品物で皇室とはまったく関係がなかった……etc。
2  争点
(1)  本件各記事による名誉毀損の有無(争点1)。
(2)  本件各記事の執筆ないし掲載についての違法性阻却事由の有無(争点2)
(3)  本件各記事によるプライバシー侵害の有無及びその違法性阻却事由の有無(争点3)
(4)  損害の有無及びその額並びに謝罪広告と記事削除の必要性の有無(争点4)
3  争点に対する当事者双方の主張
(1)  本件各記事による名誉毀損の有無(争点1)。
(原告の主張)
本件各記事は,以下のとおり,原告の社会的評価を低下させるものである。
ア 原告が詐欺罪で逮捕されたことについて(本件記事4,本件目次1,本件人物相関図3,本件人生年表3)
当該記事は,原告が詐欺事件に関与しているという印象を一般読者に与えるものであり,原告の社会的評価を低下させる。
イ 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
当該記載は,原告の社会的評価を低下させるものである。
ウ 原告とd会の関係について(本件記事7,本件人生年表2)
当該記事は,原告が「マルチまがい商法の広告塔」となっており,「詐欺すれすれのマルチのプロ」などと報じるものであって,原告の社会的評価を低下させる。
(本件記事7の3)
当該記事は,原告がCの弟であることを売りにして講演し,会員から金を出させて詐欺商法の片棒を担いだという事実を摘示するものであり,原告の社会的評価を低下させる。
(本件記事7の4)
当該記事は,著者がCの心情を推し量った形をとってはいるが,原告が詐欺を繰り返したという事実を摘示するものであり,原告の社会的評価を低下させる。
エ 原告と暴力団の関係について(本件記事1,同8の1・3・4・5,同9,同10,本件目次2,本件人物相関図1)
当該記載は,全体として,原告が暴力団員であったことを報じるものであり,原告の社会的評価を低下させる。
なお,被告らは,本件記事8の1及び本件目次2は,見出しであり独立して名誉棄損を構成しない旨主張するが,見出しであっても,原告がヤクザ者であるという事実を感得することができる以上,独立して名誉棄損を構成するというべきである。
オ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
当該記事は,原告が何らCのために働いていないにもかかわらず,毎月50万円の顧問料を支払ってもらっていた旨報じるものであり,原告がCから,長きにわたって,いわゆるただ飯を食わしてもらっているかのような印象を与えるものであるため,当該記事は,原告の社会的評価を低下させる。
カ 原告が拳銃を撃ったことについて(本件記事9の1・4,本件目次3)
当該記事は,原告が某海岸沿いで実弾入りの拳銃を海に向かって撃ったことがきっかけとなり,a党に警察の捜査が入った結果,a党が解散したこと,それにもかかわらず,その事件の端緒となった原告は逃亡したことを報じるものである。
そして,当該記事は,実弾入りの拳銃を撃つなどという銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)違反を犯した旨報じている点,原告がa党解散の原因であったとする点,原告はその責任を一切取らなかったという点において,原告の社会的評価を低下させるものである。(本件記事9の1,本件目次3)
当該見出しは,それだけでも,原告が拳銃を撃ったことや,a党を解散に追い込んだことが伝わるから,独立して名誉棄損を構成する。
キ 原告とe社との関係について(本件記事10)
当該記事は,原告が被害額200億円にも上る大型投資詐欺会社e社」(以下「e社」という。)の幹部とつながりがあり,e社に関して,原告についても捜査が及んでいる旨報じるものである。そして,このe社に関しては,有名人も被害に遭った巨額の詐欺事件として大きく報道されているところ,原告がe社の幹部とつながりがあり,また捜査対象となっている旨報じることは,原告の社会的評価を低下させるものである。
(本件記事10の1)
当該見出しも,後の記事と相まって,原告が詐欺まがいの投資会社に加担していた事実を摘示するものであり,一体として名誉棄損を構成する。
(本件記事10の4)
当該記事は,原告が世でまれに見るほどの酷い詐欺師であり,田中角栄に可愛がられたとか,姉の知名度を利用したりして,詐欺(ないし詐欺すれすれの行為)を繰り返しているというものであり,かかる記載は,原告の社会的評価を低下させる。
ク 皇室関係の品物に関する詐欺について(本件記事11)
当該記事は,原告とCが,皇室関係の品物であると嘘をついて品物の買取りを迫ったとするもので,原告が詐欺を働いた旨摘示するものであるから,原告の社会的評価を低下させる。
ケ 本件記事3及び5について
当該記事は,原告が恐喝や詐欺を繰り返し,暴力団であるb組構成員であることを指摘するものであり,原告の社会的評価を低下させる。
被告らは,当該記事は,見出しであり独立して名誉棄損を構成しない旨主張するが,見出しであっても事実が摘示されている以上,独立して名誉棄損を構成するというべきである。
(被告らの主張)
本件各記事は,以下のとおり,原告の社会的評価を低下させるものではない。また,原告が主張する事実は,おおむね既に事実として報道され公衆に知られた事実であり,原告の社会的評価が本件書籍により低下するものではない。
ア 原告が詐欺罪で逮捕されたことについて(本件記事4,本件目次1,本件人物相関図3,本件人生年表3)
争う。
本件目次,本件人物相関図,本件人生年表は,単なる見出しに類するものであって,それ自体が独立して名誉棄損を構成することはない。
イ 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
争う。
ウ 原告とd会の関係について(本件記事7,本件人生年表2)
争う。
(本件記事7の4)
当該記載は,Cの心情を推測する記載として,事実摘示には該当せず,独立して名誉棄損を構成するものではない。
(本件人生年表2)
当該記載は,単なる見出しに類するものであり,それ自体独立して名誉棄損が成立するものではない。
エ 原告と暴力団の関係について(本件記事1,同8の1・3・4・5,同9,同10,本件目次2,本件人物相関図1)
一般人は,当該記載を読んで,原告がb組の組員であったと通常理解するものではないし,殊に,当該記載のうち,「ヤクザ者」とは,生活態度等の評価として用いられるのが通常であるため,当該記載は,何ら原告の社会的評価を低下させるものではない。
(本件記事8の1及び本件目次2)
当該記載は,単なる見出しであり,それ自体独立して名誉棄損が成立するものではない。
(本件記事8の4)
そもそも当該記載のうち,原告がCの働きかけによって出馬を取りやめたとの事実は,原告の社会的評価を低下させるものではない。
(本件人物相関図1)
当該記載は,単なる見出しに類するものであり,それ自体独立して名誉棄損が成立するものではない。
オ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
Cが原告に対して月額50万円の顧問料を支払っていたとの事実及びその理由に係る事実は,それ自体が原告の社会的評価を低下させるものではない。
カ 原告が拳銃を撃ったことについて(本件記事9の1・4,本件目次3)
争う。
(本件記事9と本件目次3)
当該記載は,単なる見出しであり,それ自体独立して名誉棄損が成立するものではない。
キ 原告とe社との関係について(本件記事10)
争う。
(本件記事10の1)
当該記載は,単なる見出しであり,それ自体独立して名誉棄損が成立するものではない。
ク 皇室関係の品物に関する詐欺について(本件記事11)
争う。
ケ 本件記事3及び5について
そもそも,当該記事は,見出しにすぎない。本件書籍のような単行本における見出しは,各章の内容を読者に分かりやすく示す目的で記載されたものであり,限られた字数に要約され,本文の内容を厳密な意味で正確に表現しているとも限らない。そして,単行本においては,見出しだけを読む読者はほとんどおらず,読者は各章本文を読むのが通常である。
したがって,当該記載が原告の社会的評価を低下させるか否かの判断に際しては,見出しと本文とを一体として行うべきであるから,当該記載自体が,独立して名誉棄損を構成するものではない。
(2)  本件各記事の執筆ないし掲載についての違法性阻却事由の有無(争点2)。
(被告らの主張)
ア 本件各記事は,以下のとおり,公共の利害に関する事実であるとともに,専ら公益を図る目的で執筆されたものである上,記載事実の重要な部分が真実であるか,被告らにおいて真実であると信じたことに相当の理由があるため,違法性が阻却されるというべきである。
なお,本件各記事における個別の被告らの主張は,後記イ以下で述べるとおりである。
(ア) 公共の利害に関する事実であること
原告は,衆議院議員選挙3回を含め,平成12年までに5回,公職に立候補するとともに(なお,この他に一度は出馬を準備しながら断念したものもある。),平成13年9月14日付け官報にも,原告が政治資金規正法に基づく資金管理団体の届出をしていることからすれば,最近まで政治活動をしていたことが窺える。また,原告は,マルチまがい商法の事業を営んでいるとして,消費者から民事訴訟を提起されているf社の会長に就任するとともに,g株式会社というパソコン販売会社の代表取締役に就任し,原告がd会によるマルチまがい商法に関連して,その被害者から民事訴訟を提起されており,これらの際,原告は,著名な占い師であるCの実弟であるという知名度を,直接間接に利用している。その他,原告は,平成6年に恐喝罪により起訴され,執行猶予付きの有罪判決を受けるとともに,本件書籍出版の約4か月前の平成18年1月27日には,詐欺罪により逮捕されるなどしている。
したがって,原告のように,著名な占い師の実弟であることを利用し,公職に複数回立候補するとともに,消費者から民事訴訟を提起されるような会社の代表取締役に就任している者で,過去に犯罪歴を有する者は,社会的地位及び社会的影響力も強く,公的な関心の程度もより高いといえ,本件記事は公共性を有する。
(イ) 専ら公益を図る目的で執筆されたものであること
そして,上記(ア)のような事情からすれば,本件記事は,いずれも公的関心の対象である原告本人及びCの双方について,真実を伝え,選挙権者や消費者を含む公衆が,原告本人及びCの実像を理解する一助ともなるものであるから,本件各記事の執筆は,専ら公益を図る目的に出たものといえる。
(ウ) 記載事実の重要な部分が真実であるか,被告らにおいて真実であると信ずべき相当な理由があること
本件各記事の記載内容は,その重要な部分において真実であり,仮にそうでないとしても,被告Y1において,複数の関係者に取材した上で本件各記事を執筆したものであり,被告ぶんか社は被告Y1から取材過程について事情を聴取した上で本件書籍を発行しているから,被告らにおいてその内容を真実と信ずべき相当な理由がある。
イ 原告が詐欺罪で逮捕されたことについて(本件記事4,本件目次1,本件人物相関図3,本件人生年表3)
当該記事の内容は,既に広く報じられていた複数の新聞・雑誌等の記事に依拠したものであって,その内容は,すべて真実である。
なお,原告は,本件書籍の出版が,原告が茨城県警に詐欺容疑で逮捕され,不起訴処分となった2,3か月後であることをもって,当該記事には,公共性も公益目的も認められない旨主張する。しかしながら,書籍の場合には,執筆から出版までに,校正や販売準備のため相当時間を要するため,原告の主張するように解すると,執筆から出版までに多少の時間を要する書籍の出版の態様による表現の自由が,他のメディアよりも著しく制約されることになり,不合理というべきである。
ウ 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
当該記事の内容も,既に各種雑誌等において広く報じられているから,真実性が認められるとともに,真実であると信ずべき相当の理由が認められるというべきである。
なお,原告は,当該記事は,原告が執行猶予付き有罪判決の執行猶予期間経過後,7年も経過した後に執筆されたものであるから,公共性,公益目的が認められない旨主張する。
しかしながら,原告は,上記事件後も,公職選挙に立候補したり,社会問題化したマルチまがい商法に関与し,その中で著名人であるCの弟であることを利用したなどと取りざたされていたほか,複数の民事訴訟の被告ともされたりしていた。そのため,有権者や一般消費者の知る権利の観点からは,当該記事が執筆された平成18年当時もなお,原告の犯罪行為を伝えることについては,事実の公共性及び公益目的が認められるというべきである。
したがって,当該記事には名誉棄損としての違法性は阻却される。
エ 原告とd会の関係について(本件記事7,本件人生年表2)
(ア) 原告は,原告の友人であるGが首謀して実行したパソコンに関するマルチ商法の主体となったf社の代表取締役として登記されていた。そして,f社は,d会の会員からの送金先とされた投資事業有限責任組合の無限責任組合員とされていた。そうすると,d会に出資しようとする者にとって,①当該投資事業有限責任組合の無限責任組合員の誰であるか,②G以外に何らかの社会的信用・知名度がある人物が無限責任組合員である法人(f社)の代表取締役に就任しているかといった事実は,d会への信用に大きく影響する事実である。
したがって,本件記事は,公共の利害に関するものであり,公益目的を有する。
また,原告がd会の広告塔になっていたこと,原告がd会のセミナーで挨拶し,自らがCの実弟であり,田中角栄に可愛がられていたと公言するなどしていたことは,週刊新潮や週刊文春において記載されており,これに対して原告が公に抗議した形跡も窺えないことからすると,当該記事の内容は真実である。
(イ) 仮に,当該記事の内容が一部真実ではなかったとしても,当該記載は,原告本人や被害者に対して取材をした結果記載された週刊新潮等の記事や,原告が自称政治評論家であった当時,原告と同じゴルフコンペに出場していた都内の会社経営者である某氏からの聴取に主として依拠したものであり,被告Y1において,当該記事内容を真実と信じたことについて,相当な理由があるというべきである。
(本件記事7の1)
当該記事のうち,「確信的常習犯であろう」,「詐欺すれすれのマルチのプロとでもいおうか」との記載は,いずれも著者の意見であって,証拠により真否を確定できる事実とは異にするので,名誉棄損は成立しない。
(本件記事7の3)
当該記事のうち,「「C」の看板にひかれて…少なくないはずだ」との記載は,本件記事7の1・2において摘示した事実に基づく意見であり,独立して名誉棄損を構成しない。
オ 原告と暴力団との関係について(本件記事1,同8の1・3・4・5,同9,同10,本件目次2,本件人物相関図1)
被告Y1は,平成17年9月ころ,取材源の一人であるH氏から,①原告の義理の兄はb組の右腕として組織全体で第2の地位にあったこと,②原告らが渋谷で経営していたキャッチバーの用心棒的な役割をb組が務めていたこと,③原告の兄はb組の組員で,原告もb組の事務所に出入りし,組員と親しく交際していたことなど,原告がb組に出入りしていたことを取材した。
さらに,被告Y1は,原告がb組に出入りしていた話を,暴力団の元組員であるI氏,占い師J氏のほか,週刊文春取材班のチーフ(元毎日新聞記者)からも聴取している。
加えて,本件書籍の出版前に,被告会社の専務取締役Kも,b組の元幹部に,上記事実を確認している。
したがって,当該記事は真実であり,また,被告Y1が当該記事の内容につき,真実であると信ずるにつき,相当の理由があるというべきである。
(本件記事8の3)
当該記載は,平成12年を最後に原告が公職選挙に立候補していないという事実を前提とした原告の内心を推測するものとして真実であるし,「詐欺師まがいの道をたどることになる」とするのは,論評的表現である。
そして,事実を前提とした論評については,論評の前提となる事実について,真実性または相当性が認められれば,論評が人身攻撃に及ぶなど,逸脱したものではない限り,名誉棄損としての違法性を欠くところ,当該記載は,①原告がd会の出資金詐欺事件で有罪判決を受けたGと親しく交際していたこと,②原告がf社のパソコン商法に関連してGとともに民事訴訟の被告となったこと,③原告が平成18年1月には,不起訴処分となったものの詐欺の容疑で逮捕・勾留されたことなどを前提事実とするものであり,前提事実は真実であり,かつ当該論評は,論評としての域を逸脱しないと認められるため,当該記載につき,名誉棄損は成立しない。
(本件記事8の4)
当該記載は,被告Y1が,原告やCのことをよく知り,暴力団の内情についても詳しい複数の関係者等に取材した結果である。
被告Y1は,原告の実姉がb組の右腕であったLと婚姻しており,また,原告の父がEの面倒をみていたという縁もあって,Eと親しかったb組関係者と原告が交際していたことは合理的である旨,取材源から説明を受けた。
そのため,被告Y1は,上記説明内容を真実であると信じたものであって,それには相当の理由があるといべきである。
(本件記事8の5)
当該記載は,原告の恐喝の前科やマルチまがい商法への関与・交友関係等を含めた原告の生活態度全般に係る事実関係を前提とし,これに基づく論評として「ヤクザ者」と記載したものである。そして,かかる論評の前提となる事実が真実であり,かつ論評も相当な域を逸脱しないものであるから,当該記事には,名誉棄損は成立しない。
また,被告Y1は,占い師のJ氏から,当該記事につき,聴取した。
カ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
原告が恐喝罪で有罪判決を受けた後,姉であるCからどのような経済的支援を受け,いつどのような理由でそれが打ち切られたかは,①5回公職選挙に立候補し,②著名人の姉を持つことを利用して(あるいは利用されて),詐欺的商法に関与した疑惑を持たれているなどの点で,公的な関心の対象となるし,また,③著名な占い師であるCが自ら公に明らかにしている家族に対する経済的支援に係る事実という意味でも,公的な関心の対象となる事柄である。
また,当該記事は,フライデーや週刊文春等の複数の雑誌・記事等で報じられており,原告本人が公の場で,当該事実を訂正した形跡も窺えない上,原告自身,少なくともCから月30万円の顧問料の支払を受けていたことを認めている。
したがって,当該記事は,真実であるというべきである。また,仮に真実ではなかったとしても,被告Y1において当該事実を真実と信じたことにつき,相当の理由がある。
キ 原告が拳銃を撃ったことについて(本件記事9の1・4,本件目次3)
原告が知人と共に海岸で発砲したとされる拳銃をフランスから密輸入されたとされる人物は,銃刀法違反の罪で実刑判決を受けている。
また,被告Y1は,当該発砲事件の関係者複数を直接知るH氏から,原告はa党に自分で売り込みに行き事務局長となったこと,原告と某有名芸能人が船に乗って茅ヶ崎沖に行き,船上で拳銃を発射したことがあったこと,拳銃使用を目撃した人が警察に通報し,関係者は警察で事情聴取されたはずであること,政党の事務局長である原告は,逃げ回るばかりで責任をとらなかったこと,この発砲事件がa党の解散原因の一つとなったことなどを聴取した。
したがって,当該記事の内容は真実であり,また,被告Y1が,当該事実を真実と信じたことにつき,相当の理由があるというべきである。
ク 原告とe社との関係について(本件記事10)
被告Y1は,平成17年11月から12月にかけて,H氏から,e社という詐欺団体の事件について捜査が行われているが,その中で,当該団体の幹部として原告の名前が挙がっていることを聞いた。
そして,H氏は,被告Y1との面談中,某交流団体の幹部であるM氏に電話をして,当該事実の確認を求めたところ,さらにM氏は,大阪府警の捜査関係者に電話をし,当該事実が間違いないとの返答をした。
また,被告Y1は,H氏からの紹介により,某都道府県警関係者N氏から,同様の事実を聴取した。
したがって,当該記載は真実であり,仮に真実ではなかったとしても,被告Y1において,当該事実が真実であると信じたことについて相当の理由がある。
(本件記事10の4)
当該記載は,一般読者に対し,原告が詐欺的商法に繰り返し関与した疑惑を持たれているという側面を伝える目的に出た論評的表現である。
そして,当該論評の前提事実は,原告が,Gという出資金詐欺で実刑判決を受けた人物が主導したf社のパソコン商法や,d会の霊芝商法といった新聞雑誌等で報道された大がかりな詐欺的商法への関与が取りざたされていること,原告が,e社のような大規模な出資金詐欺事件でも,捜査の中で関係者として名前が挙がっていること,原告が平成18年1月に茨城県警に詐欺容疑で逮捕されたことなどであり,これらの前提事実は,いずれも真実である。
加えて,当該記載は,これらの前提事実に基づく論評として,一般読者の知る権利に応えるための表現として相当と認められる域を逸脱しないものである。
よって,当該記載について名誉棄損は成立しない。
(本件記事10の5)
当該記載のうち,「暴力団出身で」との記載は,既に述べたとおり,被告Y1の取材に基づくとおり真実であり,仮に真実ではなかったとしても,真実であると信じたことにつき,相当な理由が存在したというべきである。
また,当該記載のうち,「いまでは詐欺行為で金を稼いでいる」という記載は,一般読者にとっては,原告のf社のパソコン商法への関与も含め,首謀者であるGらの詐欺的商法につき,原告が被害者の信用を増すような形で関与しているという事実を前提とするものであるところ,これらの事実が真実であることについては,前記のとおりである。
また,当該記事のうち,「姉の知名度を利用して,今後もXは詐欺すれすれの商売を繰り返していくのだろうか」との記載は,原告が過去に詐欺すれすれの商法に関与したという事実を前提として,著者の意見をのべたものであるところ,当該前提事実が真実であることも,既に述べたとおりである上,論評としても相当な域を逸脱してはいない。
よって,当該記事につき,名誉棄損は成立しない。
ケ 皇室関係の品物に関する詐欺について(本件記事11)
被告Y1は,真言宗総本山醍醐寺関係者と面談の上,同人から,原告とCが皇室関係と称する品物を15万円で買い取って欲しいと来訪したことがある旨の事実を聴取している。
当該醍醐寺関係者において,Cや原告につき,虚偽の事実を述べる動機も存在しないので,少なくとも被告Y1が当該事実を真実と信じたことについて相当性が認められる。
(原告の主張)
ア 本件各記事は,以下に述べるとおり,公共の利害に関する事実ではなく,また,専ら公益を図る目的で執筆されたものともいえないことに加え,記載事実の重要な部分が真実ではなく,被告らにおいて真実であると信じたことに相当の理由があるともいえないため,本件各記事の執筆及び掲載につき違法性が阻却されることはない。
なお,具体的な原告の反論は,後記イ以下記載のとおりである。
(ア) 公共の利害に関する事実ではないこと
被告らは,原告が過去にCの弟であることを利用して,衆議院議員選挙に立候補するなどの政治活動あるいは商業活動を行ったり,f社の幹部として消費者から民事訴訟を提起されていたこと,あるいは,詐欺容疑で逮捕されたことなどを理由に,本件各記事には公共性が認められると主張する。
しかしながら,そもそも,原告は,衆議院議員選挙活動や,f社に関する活動において,Cの実弟であることを宣伝した事実はない。本件書籍が発刊された平成18年当時,原告が選挙活動中や政治家として活動中であるならばともかく,原告が最後に衆議院議員選挙に出馬したのは平成2年であるから,約20年近く前に政治活動を行った事実が,本件書籍発刊時点での公共性を裏付けるものとは言えない。
さらに,本件書籍が発刊されるよりも6年も前に,f社の登記簿上の代表者であったことについて,訴訟提起されたことが,本件書籍発刊時点での公共性を裏付けるものとは言えない。
加えて,原告がd会の被害者から民事訴訟を提起されたことについても,当該訴訟は原告勝訴で終わった上,世間の注目を集めていた事件ではなく,また,茨城県内において詐欺事件で逮捕されたことについても,原告は嫌疑不十分で不起訴処分となっていることからすれば,公共性は認められない。
(イ) 出版の目的が専ら公益を図るものではないこと
原告は,本件各記事が,公的関心の対象である原告及びCの双方について,真実を伝え,公衆が原告本人及びCの実像を理解する手助けとなるものであるから,公益目的がある旨主張する。
たしかに,数多くのテレビ番組や雑誌に出演・登場するCについては,視聴者や読者に対し,強い影響力を有するものであって,その実像を明らかにすることは,公益目的があるものといいうる。
しかしながら,一私人にすぎない原告は,Cの有するような強い影響力を持つ者ではなく,Cの弟といった点からの下世話な好奇心はあるとしても,原告自身への公的関心など,まったく認められない。
したがって,原告に関する限りにおいて,本件各記事に公益目的は認められない。
(ウ) 本件各記事は真実ではなく,また被告らにおいて真実であると信じるにつき相当の理由もないこと
本件各記事は,いずれも真実ではなく,被告Y1は杜撰な取材のもとに本件各記事を執筆したものであり,被告らにおいて,真実と信ずべき相当な理由はない。
イ 原告が詐欺罪で逮捕されたことについて(本件記事4,本件目次1,本件人物相関図3,本件人生年表3)
被告らが,本件書籍を出版したのは,不起訴処分の2,3か月後である。そのため,逮捕や釈放直後にニュース記事として報じる場合であればともかく,本件のように,不起訴処分が決まった後で,被疑事実を詳細に記載し,逮捕及び不起訴処分の事実を報じることには,公共性や公益目的が認められないというべきである。
この点,被告らは,書籍の出版の態様を考慮して,不起訴処分の2,3か月後に当該事実を記載することは不当ではない旨主張する。しかしながら,書籍の出版に当たっては,当該記載を削除する措置を講じることも十分可能である上,書籍は継続的に販売されるため,かえって被害者の権利が侵害され続けるという特殊性が存在する。
したがって,被告らの反論には,理由がないというべきである。
ウ 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
当該記事は,平成6年に検挙された原告の恐喝被告事件を取り上げたものであるところ,少なくとも執行猶予の期間である5年が満了してから7年をすぎ,事件から12年も経過した時点で,これを取り上げ広く報じることには,何らの公共性や公益目的も認められない。
エ 原告とd会の関係について(本件記事7,本件人生年表2)
そもそも,原告はd会のセミナー会場で挨拶をしたこともなく,原告がd会と関わりを持った事実は皆無である。
実際にも,被告らが主張する週刊新潮の記事に対しては,原告は損害賠償請求の訴えを提起し,原告らの勝訴的な和解によって終了している。また,被告らが主張する週刊文春の記事に対しては,現在訴訟提起を検討中である。
さらに,原告は,d会の会員であった4名から,Gらと共に損害賠償請求の訴えを提起されたが,原告がGの不法行為に加担したことを認めるに足りる証拠はないとして,原告に対する請求は棄却されている。
したがって,本件各記事が真実であるとはいえない。
なお,被告らは,被告Y1が当該事実を真実であると信じたことにつき,相当の理由があると述べるが,被告らの記事の根拠は,単なる雑誌記事等に由来するものであり,その取材方法は極めて杜撰である。現に,被告Y1は,本件書籍を執筆するに当たり,原告に対し,一度も取材に来てはいない。
したがって,被告Y1が,本件各記事の内容を真実と信じたことにつき,相当の理由などない。
(本件記事7の1)
当該記事は,著者の意見ではあるが,その意見は「原告がd会の広告塔を務めていた」という事実を前提としている。
しかしながら,このような前提事実自体存在しないのであるから,当該意見も当然に名誉棄損が成立するというべきである。
オ 原告と暴力団の関係について(本件記事1,同8の1・3・4・5,同9,同10,本件目次2,本件人物相関図1)
そもそも原告は,b組を含め,何らかの暴力団に属していたという事実はないため,当該記事は真実ではない。
(本件記事8の3)
当該記事は,原告が詐欺的行為を常習的に行い,生活の糧としているという事実を前提としているが,そもそも,被告らが縷々主張する事実のうち,真実であるのは,原告がf社のパソコン商法に関連してGとともに,民事訴訟の被告となった点のみである。
したがって,その前提事実に誤りがある以上,名誉棄損としての違法性が阻却されることはない。
(本件記事8の4)
被告らは,原告の父がEの面倒をみていた旨主張するが,原告の父が死亡した年の1年前に出生したEの面倒を原告の父がみることなどありえないため,当該記事は真実ではない。
カ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
当該記事は,真実ではないし,週刊誌を拠り所とするような取材方法が極めて杜撰であることは言うまでもなく,被告Y1において,当該記事が真実であると信じたことにつき,相当な理由はない。
カ 原告が拳銃を撃ったことについて(本件記事9の1・4,本件目次3)
当該記事が提示するような事実は存在しない。
キ 原告とe社との関係について(本件記事10)
そもそも,原告は,e社には何ら関与してはいない。
(本件記事10の4)
当該記事は真実ではない。
ク 皇室関係の品物に関する詐欺について(本件記事11)
実際に原告が「皇室関係の品物」を売ろうとした事実はない。
(3)  本件各記事によるプライバシー侵害の有無及び違法性阻却事由の有無(争点3)
(原告の主張)
ア 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
原告の恐喝容疑の前科や,その弁護費用にどの程度の費用がかかったかということは,個人のプライバシーに属するセンシティブ情報であるから,プライバシーを侵害する。
被告は,当該記載は,既に他の雑誌等で報じられているから非公知性がないとして,プライバシー侵害に当たらない旨主張する。
しかしながら,まず,他者が報じているからプライバシー侵害はないという理屈は成り立たない。特に,被告の指摘する週刊文春で報じられている記事も違法なのであるから,そのような違法な記事は,プライバシー侵害の公知性の基礎事実にはなり得ないというべきである。
また,当該事件の当時でさえ,原告が恐喝罪で有罪判決を受けた事実は,広く報道されていたわけではなく,公知の事実とは言えなかった。それにもかかわらず,当該事件に関する判決を受けてから12年,執行猶予期間を満了して7年も経った時点において,改めて当該事実を摘示することは,時の経過によって非公知となった事実を敢えて報道するものであり,プライバシー侵害に当たることは明らかである。
イ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
当該記事は,原告がCからいついくらの金員を受け取っていたかという事実を摘示するものであり,本来原告のプライバシーに関する事実を摘示するものであるため,当該記事は,原告のプライバシーを侵害する。
ウ 原告の恐喝容疑及び詐欺容疑による逮捕について(本件記事3,同5,本件人物相関図3,本件人生年表3)
これらの記述は,原告の逮捕歴を報じるものであるところ,逮捕歴は個人のプライバシーに属するセンシティブ情報であり,これらの記載が原告のプライバシーを侵害するものである。
(被告らの主張)
ア 原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
(ア) プライバシー侵害の成立には,対象事実が,①私生活上の事実,あるいは私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄であること(私事性)のほか,②一般人に未だ知られていない事柄であること(非公知性)が必要とされているところ,原告の恐喝前科等は,本件書籍の刊行日の約2か月ないし3か月前に頒布された週刊文春平成18年2月9日号をはじめ,f社のパソコン商法問題や,平成18年1月の詐欺容疑での逮捕の際を含め,これまで原告がマスコミ等を騒がせる事件を起こした都度,報道されてきており,同年4月当時においても公知の事実であったから,②の非公知性の要件を満たさず,プライバシー侵害は成立しない。
(イ) また,当該記事につき,プライバシー侵害の成否が問題となるとしても,当該記事の執筆は,本件書籍出版当時,3つの政治団体を通じて政治活動を行い,数百名の会員から政治活動資金を集めるなどしていた原告に係る本件書籍記載の事実は,国民の正当な関心の対象であって,本件書籍の表現は,そのような正当な関心事について原告の実像を伝えようとする公益目的に出たものであることからすると,公共の利害に係る事実につき,専ら公益を図る目的で行われたものと認められる上,当該事実を公表しないことによって,守られる法的利益と公表する理由とを比較衡量した場合,前者が後者に優越するものとは認められないため,当該記事にはプライバシー侵害としての違法性は阻却されるというべきである。
イ 原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2,6)
(ア) 当該事実は,複数の雑誌等で広く報じられた事実であり,非公知性が認められないため,当該記載は,原告のプライバシーを侵害するものではない。
(イ) また,前記(2)(被告らの主張)カで記載したとおり,本件各記事は,公共の利害に係る事実につき,専ら公益を図る目的で行われたものであり,本件各記事を公表しないことによって守られる法的利益と,公表する理由とを比較衡量した場合,前者が後者に優越するとは認められないため,プライバシー侵害としての違法性も阻却される。
ウ 原告の恐喝容疑及び詐欺容疑による逮捕について(本件記事3,同5,本件人物相関図3,本件人生年表3)
前記アで主張したとおり。
(4)  損害の有無及びその額並びに謝罪広告及び記事削除の必要性の有無(争点4)
(原告の主張)
ア 原告に生じた損害
被告Y1が本件書籍を執筆し,被告ぶんか社がこれを発行・販売したことにより,原告は,名誉が毀損されるとともにプライバシーを侵害され,多大な精神的苦痛を被った。これを金銭に評価すると,損害額は2000万円を下らない。
そして,これと相当因果関係の範囲内にある弁護士費用としては,上記損害額の1割に相当する200万円とするのが相当である。
イ 謝罪広告の必要性
本件違法行為の内容に照らすと,金銭賠償に加えて,名誉回復のための措置として,別紙1記載の謝罪広告を掲載する必要がある。
ウ 記事削除の必要性
人格的価値は極めて重要な保護利益であって,物権と同様の排他性を有しており,人格権侵害が認められる場合には,加害者に対し,人格権の排他性に基づいて,現に行われている侵害行為を排除し,又は将来生ずべき侵害を予防するため,侵害行為の差止めを求めることができると解すべきところ,本件各記事によって原告の名誉やプライバシーが侵害され続けているため,これを差し止める必要性は極めて高い。よって,原告にとって,未販売及び今後重刷する本件書籍から,別紙2記載の文言を削除させる必要がある。
エ よって,原告は,被告らに対し,不法行為に基づく損害の賠償として,2200万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成18年5月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を連帯して支払うよう求めるとともに,名誉毀損における名誉回復のための適当な処分としての謝罪広告を求め,さらに,人格権に基づき,侵害行為の差止処分としての記事の削除を求める。
(被告らの主張)
否認ないし争う。
(被告ぶんか社の主張)
原告が平成18年1月27日に詐欺容疑で逮捕されたことについては,当日ないし翌日に,各種日刊紙(毎日,読売,朝日,産経,共同通信,茨城新聞)で全国的に報道されており,その後3か月足らずで同様の記載をして出版したものあること,恐喝有罪判決,詐欺逮捕,f社提訴などの前科・逮捕歴等は,種々のメディアに既に登場しており,本件書籍が初めて公開した事実ではないことからすれば,原告の社会的評価は,本件書籍の出版によりほとんど低下していないというべきであるから,損害額は限定されるべきである。
第3  争点に対する判断
1  本件各記事による名誉毀損の有無(争点1)について
原告は,本件各記事によって,原告の名誉が毀損された旨主張するところ,ある表現内容が,個人の名誉を毀損するのか否か,すなわち,社会的評価を低下させるのか否かについては,一般の読者の普通の注意と読み方を基準として解釈された内容に従って判断されるべきであるから,この観点から,本件各記事が原告の社会的地位を低下させることになるか否かについて個別に検討することとする。
(1)  原告が詐欺罪で逮捕されたことについて(本件記事4の1・2,本件目次1,本件人物相関図3,本件人生年表3)
まず,本件記事4の1・2は,見出しとこれに引き続く一連の文章であることから,両者が一体となって原告が詐欺容疑で逮捕されたこと,及びその後不起訴処分となったことを摘示するものであり,結果として不起訴処分となったとはいえ,同記事によれば,原告は融資制度を悪用して信用金庫から約3000万円を詐取するという詐欺犯罪に関与したことにより強制捜査の対象となったとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
次に,本件目次,本件人物相関図及び本件人生年表は,いずれも見出しに類するものあるいは記事の理解を補助するためのものと解され,それ自体が独立して名誉棄損を構成するに足る具体的な事実を摘示したものということはできない場合が多いと解されるが,一般読者が書籍を読む場合には,書籍における目次や人物相関図,人生年表などの図表についても,記事本文と共に読むのが通常であると解されること,後記2(1)エで認定する本件書籍における本件人物相関図及び本件人生年表の配置されている位置,これらの記載には具体性があることを考慮すると,これらの記載は,本文の記載とあいまって,一般読者に,原告に具体的犯罪についての逮捕歴があることを印象づけるものと言いうるから,本件においては,全体として原告の社会的評価を低下させるものと認めるのが相当である。
(2)  原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
これらの記載は,原告が恐喝罪で逮捕,起訴されて執行猶予付きの有罪判決が下された事実を摘示するものであるから,原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
(3)  原告とd会の関係について(本件記事7の1ないし4,本件人生年表2)
これらの記載は,原告が,焼却炉事業への投資勧誘や霊芝栽培セットの販売といったマルチまがい商法を行っているd会の広告塔となって,そのセミナーにおいて講演を行った事実を摘示するものであり,全体として原告が繰り返し詐欺的商法に関与していたとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるものということができる。
被告らは,本件記事7の4について,Cの心情を推測する記載として,事実摘示には該当せず,独立して名誉毀損を構成するものではない旨主張するが,同記事においては,本件記事7の1ないし3に引き続いて「詐欺」という言葉が使用されており,一般の読者は原告とd会の関係に関する一連の記事として本件記事7の4を読み,詐欺を繰り返しているとの印象をもつものと解されるから,事実を摘示するものということができ,被告らの主張は採用できない。
また,被告らは,本件人生年表2の記載は,見出しに類するものであり,それ自体独立して名誉毀損が成立するものではないと主張するが,この主張については,前記(1)で説示したとおりである。
なお,本件記事5については,見出しであって,それ自体としては具体的な犯罪事実の摘示を含むものではないが,これに引き続く本件記事6と本件記事7の1ないし4の記載と相まって,全体として原告の社会的地位を低下させるものというべきである。
(4)  原告と暴力団との関係について(本件記事1,同8の1・3・4・5,同9の2・3,同10の5,本件目次2,本件人物相関図1)
本件記事1,同8の1・3・4・5,同9の2・3,及び同10の5は,原告が過去に暴力団であるb組と関わりがあったとの事実を摘示するものであり,原告が暴力団と関係を有していた人物であるとの印象を与えるものであるから,原告の社会的名誉を低下させることになる。
被告らは,「ヤクザ者」とは,生活態度等の評価として用いられるのが通常であるから,一般人は,当該記載を読んで,原告がb組の組員であったと通常理解するものではないなどと主張するが,一般読者がこれらの記事を読む場合には,まず,本件書籍138頁で本件記事1を見ることにより,原告がb組に入ったとされていることから,同189頁以下の本件記事8において「ヤクザ者」であったとの記載を読むことにより,当該記載を原告が暴力団との関わりがあるものという印象を受けるものというべきであり,そのこと自体で社会的評価は低下するものと考えられるから,被告らの主張には理由がない。
なお,被告らは,本件目次2,本件人物相関図1は本件人生年表等の見出しないしそれに類するものであり,それ自体独立して名誉毀損が成立するものではないと主張するが,この主張については,前記(1)で説示したとおりである。
(5)  原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
これらの記事は,Cが原告に月々50万円の顧問料を支払っていた事実を摘示するものであるが,顧問料として50万円が支払われていた事実をもって原告の社会的評価が低下するとは認めがたいというべきである。
この点について,原告は,いわゆる「ただ飯」を食わしてもらっているかのような印象を与えるものであり,原告の社会的評価を低下させるものであると主張するが,上記記事が仮にそのような印象を与えるものであったとしても,そのことをもって直ちに原告の社会的評価を低下させるものであるとはいえない。すなわち,原告が実姉であるCから顧問料名目の生活資金を得ていたこと自体は,特に社会的な信頼を損ねるとか,非難に値する事実とは言えない上,これらの記事の前後の記載を全体としてみると,この部分は,Cが原告に選挙への出馬を断念させたことに対する批判として書かれていると解することができるのであり,原告に対する名誉毀損に当たるということはできない。
(6)  原告が拳銃を撃ったことについて(本件記事9の1・4・5,本件目次3)
これらの記事は,原告が海に向かって拳銃を撃っていたことを目撃され,それがきっかけとなって原告が事務局長を務めていたa党が警察の捜査の対象となったことを摘示するものであって,原告が銃刀法に違反するような行動を行い,それがa党解散の契機となったとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるものということができる。
なお,被告らは,本件記事9の1及び本件目次3の記載は,見出しであり,それ自体独立して名誉毀損が成立するものではないと主張するが,この主張については前記(1)で説示したとおりである。
(7)  原告とe社との関係について(本件記事10の1ないし4)
これらの記事は,原告が詐欺まがいの投資会社とされるe社の幹部との関わりがあり,捜査対象となっている疑いがあるとの事実を摘示するものであって,原告が詐欺的商法との関わりを有しているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるものである。
なお,被告らは,本件記事10の1の記載は,見出しであり,それ自体独立して名誉毀損が成立するものではないと主張するが,本件記事2ないし4と一体として原告の名誉を毀損するものと認められる。
(8)  皇室関係の品物に関する詐欺について(本件記事11)
この記事は,原告がCとともに詐欺を持ちかけたとの事実を摘示するものであって,原告が詐欺的商法との関わりを有しているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるものである。
(9)  本件記事3について
本件記事3は,本件書籍中の第5章の扉として,該当ページ1面を用いて,章のタイトル「実弟・Xをめぐる××××の黒い噂」の記載の下に小文字の短いコメントを付したものである。上記タイトルのみでは具体性がないものの,小文字の短いコメントにおいて,原告が「b組構成員で,6度選挙に出馬するも全敗,いまも恐喝,詐欺を繰り返す」という事実を摘示し,これとタイトルが相まって原告の不正に関する数々の噂があるとの印象を与え,社会的評価を低下させるものということができる。よって,名誉毀損にあたる。
(10)  よって,本件記事7の5,同8の2・6を除くその余の本件各記事は,原告の社会的評価を低下させるものであることが認められる。
2  本件各記事(以下においては,本件記事7の5及び同8の2・6を除いたものを本件各記事という。)の執筆ないし掲載についての違法性阻却事由の有無(争点2)について
本件各記事が原告の社会的評価を低下させるものであっても,当該行為が公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出た場合において,摘示された事実が真実であることが証明されたとき,又は真実の証明がなくても真実と信ずるにつき相当の理由があるときには,違法性が阻却されるものと解されるから,以下これらの点について順次検討する。
(1)  まず,本件各記事の摘示する事実が公共の利害に関する事実に該当するか否か,本件各記事の目的が専ら公益を図ることにあったか否かについて検討する。
ア この点について,被告は,原告は著名な占い師であるCの実弟であることを利用し,公職に複数回立候補するとともに,消費者から民事訴訟を提起されるような会社の代表取締役に就任している者で,過去に犯罪歴を有しており,社会的地位及び社会的影響力も強く,公的な関心の程度もより高いといえるため,本件各記事は公共性を有する,そして,本件各記事の執筆は,専ら公益を図る目的に出たものであるなどと主張する。
イ 事実認定
前記前提となる事実等,証拠(甲2,3,5,6,27,乙5ないし16,42,45,51,52,53の1)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実を認めることができ,同認定を左右するに足る的確な証拠はない。
(ア) 原告(昭和○年○月○日生)は,大学卒業後,主に飲食店経営に携わっており,その後,経営コンサルタントなどを経て,現在は画家等として活動している(甲6,27)。
(イ) 原告は,昭和51年,同54年,同61年及び平成2年の衆議院議員選挙にそれぞれ立候補し,昭和58年には杉並区長選挙にも立候補したが,いずれも落選した(乙53の1,弁論の全趣旨)。
(ウ) 原告は,平成4年にc新聞社社長に就任したが,平成6年に千葉県小見川町議会議長らに対する恐喝の容疑で逮捕(以下「本件逮捕1」という。)及び起訴され,懲役3年,執行猶予期間5年とする有罪判決の言渡しを受けた(原告本人)。本件逮捕1は,同年6月11日の日刊スポーツ紙により報道された(乙16)。
(エ) 平成13年9月14日の官報には,政治資金規正法の規定に基づいて提出された政治団体の収支に関する平成12年分の報告書の要旨として,以下のとおりの記載が公表されている(乙51)。
ⅰ 新経済懇話会(X)
資金管理団体の届出をした者の氏名 X
資金管理団体の届出に係る公職の種類 参議院議員
本年収入の内訳 個人の党費・会費(137人) 443万円
ⅱ 東京都中小企業育成政治連盟
寄附の内訳 (個人分) X 100万円
ⅲ X後援会
個人の党費・会費(75人) 75万円
寄付の内訳 (個人分) X 55万円
(オ) 平成14年9月13日の官報には,政治資金規正法の規定に基づいて提出された政治団体の収支に関する平成13年分の報告書の要旨として,以下のとおりの記載が公表されている(乙52)。
ⅰ 新経済懇話会(X)
資金管理団体の届出をした者の氏名 X
資金管理団体の届出に係る公職の種類 参議院議員
本年収入の内訳 個人の党費・会費(124人) 356万円
ⅱ 東京都中小企業育成政治連盟
寄附の内訳 (個人分) X 100万円
ⅲ X後援会
個人の党費・会費(82人) 82万円
寄付の内訳 (個人分) X 50万円
(カ) 原告は,平成11年にf社の会長に就任したところ(甲5),平成13年に,f社会員から,g株式会社ほかと共に,パソコンの貸与及びこれに関連する事業についての損害賠償請求訴訟を提起され(福岡地方裁判所平成13年(ワ)第906号),平成17年6月,その控訴審である福岡高等裁判所から約76万円の限度で損害賠償義務があるとしてその連帯支払を命じる旨の判決の言渡しを受けた(福岡高等裁判所平成13年(ネ)第651号,乙45)。
(キ) また,原告は,平成16年,d会の会員から,原告らによる焼却炉の製造・販売事業に関する架空の投資話に騙されて金員を詐取されたとして,損害賠償請求訴訟を提訴された(当庁平成16年(ワ)第4069号)が,原告が不法行為に加担したことは認められないとして,原告に対する請求は棄却された(甲3)。
(ク) 原告は,平成16年ころから絵を描き始めて画家を主たる生業としているとするが,政治・思想に関する講演活動や経営コンサルタントと称して活動を行っており,また,平成17年ころ,衆議院議員選挙に立候補するために事務所開設の準備をしたことがあった(甲2,27,乙42,原告本人)。
(ケ) 原告は,平成18年1月27日,実体のない会社に対する融資という不正な方法で,信用金庫から約3000万円を詐取したとして詐欺容疑で逮捕された(以下「本件逮捕2」という。)が,嫌疑不十分により不起訴処分がなされた。
(コ) 本件逮捕2は,その翌日に発行された日刊スポーツ,産経新聞等の日刊新聞やその直後に発行された週刊文春,週刊フライデー,サンデー毎日などの週刊誌でも報道されており,その後の不起訴に至る経緯も追って報道された(乙5ないし15)。なお,これらの記事のうち,週刊文春,週刊フライデー及び産経新聞の記事には,原告がCの弟であり,以前恐喝容疑で逮捕され,有罪判決を受けた旨が記載されていた(乙5,9,15)。
ウ 原告の社会的地位等について
以上の事実からすると,原告は,過去に衆議院議員選挙及び杉並区長選挙に立候補したことがあるものの,直近の立候補は,平成2年のことであり,その後に選挙に立候補をした事実が窺えないことからすれば,原告が公選による公務員の候補者又は候補者になることを予定している者という意味において社会一般の正当な関心の対象となる公的立場にある人物ということはできない。
この点について,前記2(1)の(エ)(オ)で認定したところによれば,原告は,平成13年,14年ころ,新経済懇話会,東京都中小企業育成政治連盟,X後援会を通じて資金を集めていたことが窺え,かつ,平成17年ころに衆議院議員選挙に出馬するための事務所の準備をしていたことが窺えるものの,これらの事実が,本件書籍の出版時点で原告が具体的な政治活動を行っていたと認めるべき的確な根拠事実となるとは言い難く,他に原告がこの当時政治活動を行っていたと認めるべき証拠はない。
また,被告らが主張するように,原告がd会の活動等をする際にCの弟であることを利用していたとしても,そのこと自体から,原告が何らかの意味で社会的地位にあるとか,社会的な影響力を有していると認めることはできない。
さらに,原告は,現在画家を主たる生業とし,その傍ら経営コンサルタントを行っている旨を述べるものの,そのことから原告が何らかの意味で社会的地位にあるとか,社会的な影響力を有していると認めることもできない。
そして,その他に原告が社会的に影響力のある地位に就いていたことを認めるに足りる証拠はない。
エ 本件各記事の目的,性格等について
本件各記事が記載された本件書籍の表題は,「Cの黒い真実」であるところ,その内容の構成は,「目次」,「Cをめぐる人物相関図」,「Cの人生年表」に引き続いて,「序章 こんな占い信じられない!Cよ,どこへゆく!」「第1章 C,その生い立ちからO問題まで」「第2章 六占星術は他人のパクリ?インチキ占いで大儲け」「第3章 ビッグネームのP氏をダマして結婚」「第4章 Cのまわりにはヤクザがいっぱい!(その中の一節として「兄弟はヤクザ入り,父親は聞きかじりの占いで生計を立てる」との節がある。)」「第5章 実弟・Xをめぐる××××の黒い噂」「終章 C流 お金のダマしとりかた」,「あとがき」となっていて,本件記事1ないし10が記載された第5章は,本件書籍全222頁中,23頁と約1割を占めている(甲1,28)。
上記のような本件書籍の構成やその内容及び本件書籍全体における本件各記事の位置づけに照らせば,本件書籍は,著名な占い師であるCに関する情報提供及び人物評を行うことをその中心的な内容としており,本件各記事は,原告自身の経歴や行動の問題点を指摘する部分が多々あるものの,全体としてみると,あくまでCに関する情報提供及び人物評を行う一環として,Cの弟である原告に言及したものであり,原告の人物や経歴,活動履歴等についての問題提起や責任追及等を直接の目的としたものではないというべきである。
オ 本件各記事の記載内容の社会的意義等について
加えて,前記2(1)アの(ウ)で認定したところによれば,原告が恐喝罪で有罪判決の言渡しを受けたのは平成6年であり,本件書籍が出版されるまでに約12年間が経過していること,原告に対する詐欺容疑での本件逮捕2については嫌疑不十分で不起訴処分になったこと,平成13年と平成16年に原告がd会の会員から損害賠償請求の訴えを提起された経緯はあるものの,原告とd会との関係がそれ以上に社会的に問題となった事実は窺えず,訴訟提起から数年が経過していることをも考慮すると,原告とd会との関係が多数一般の利害に関する事実とまでいえるか疑問が残ること,本件記事1及び8については,原告が過去に暴力団員であったことを抽象的に摘示するものにとどまるものであること,本件記事10については,何ら具体的な事実及び根拠を示すことなく原告がe社の幹部との関わりがあり,捜査対象となっている疑惑を摘示するにすぎないことなどからすれば,本件各記事の摘示する事実が本件書籍の発売された時点において多数一般の利害に関するものであり,それを摘示することが公共の利益に沿うものであるとまでは認めがたいというべきである。
カ 以上に認定,説示したところを総合的に考慮すれば,本件各記事が公共の利害に関する事実を摘示するものであるということはできないし,本件各記事の掲載目的が専ら公益を図る目的に出たものであるということもできない。
(2)  以上に認定,説示したところによれば,被告らは,本件各記事により原告の名誉を毀損したことにつき,真実性及び相当性の抗弁について判断するまでもなく,違法性阻却が認められないこととなるから,原告に対する不法行為責任を負うことになる。
3  本件各記事によるプライバシー権侵害の有無及びその違法性阻却事由の有無(争点3)について
(1)  原告が恐喝罪で有罪判決を受けたことについて(本件記事2,同6,本件人生年表1)
ア 原告は,原告に恐喝罪の前科があることを摘示することが原告のプライバシーを侵害すると主張するところ,前科又は逮捕歴をみだりに公表されないことは,プライバシー権の一側面として法的保護に値する利益というべきである。
そして,ある者の前科又は逮捕歴に関わる事実を実名を使用して著作物で公表したことが不法行為を構成するか否かは,その者のその後の生活状況,事件それ自体の歴史的又は社会的な意義,その当事者の重要性,その者の社会的活動及びその影響力について,その著作物の目的,性格等に照らした実名使用の意義及び必要性をも併せて判断すべきもので,その結果,前科又は逮捕歴に関わる事実を公表されない法的利益が優越するとされる場合には,その公表によって被った精神的苦痛の賠償を求めることができると解される(最高裁平成6年2月8日第三小法廷判決・民集48巻2号149頁参照)。
イ これを本件にあてはめると,前記2(1)ウで説示したとおり,原告が,本件書籍の出版当時,何らかの意味で社会的地位にあったとか,社会的な影響力を有していたとは認められず,当該刑事事件は,平成6年当時,新聞社社長がその地位を利用して恐喝した事件として,その逮捕時に報道され,本件逮捕2の報道時にも新聞紙上等で報道されていたことが認められるものの,これが歴史的又は社会的意義のある事件であるとまでいうことはできないし,他方,前記2(1)エで説示したとおり,同記事は,あくまでCに関する情報提供及び人物評を行う一環として,Cの弟である原告に言及したものであり,原告の人物や経歴,活動履歴等についての問題提起や責任追及等を直接の目的としたものではないことからすると,実名使用による前科公表の意義及び必要性は認めがたいというべきであって,以上の事実を総合考慮すると,前科に関わる事実を公表されない法的利益がこれを公表することによる利益に優越するということができる。
したがって,上記事実の摘示は,原告のプライバシーを侵害するものであると認められる。
なお,被告らは,上記事実が既に事実として報道され,公衆に知られていたことからすると,プライバシー侵害には当たらないと主張するが,上記事実が公知の事実であるとは到底認められないことに加え,上記事実が過去に他の報道機関により報道されたことがあるからといって当然にプライバシー侵害がないと解することはできず,上記のとおり前科に関わる事実を公表されない法的利益がこれを公表することによる利益に優越するというべきであるから,被告らの主張には理由がない。
(2)  原告が詐欺罪で逮捕されたこと(本件逮捕2)について(本件記事3,同5,本件人生年表3,本件人物相関図3)
本件逮捕2の事実は,原告の逮捕歴を示すものであるため,前記(1)アで説示した基準によってその適法性を判断するのが相当である。
そして,前記2(1)ウで説示したとおり,原告が,本件書籍の出版当時,何らかの意味で社会的地位にあったとか,社会的な影響力を有していたとは認められず,当該逮捕は,Cの弟による事件として複数の報道機関により報道され,社会的に相応の注目を集めていたことは否定できないものの,嫌疑不十分として不起訴処分がなされていることからすると,本件各記事の執筆時点で歴史的又は社会的意義のある事件であったとまでいうことはできないのであって,他方,前記2(1)エで説示したように,同記事は,あくまで著名な占い師であるCに関する情報提供及び人物評を行う一環として,Cの弟である原告に言及したに過ぎないものであり,その記載内容からして,原告の反社会的行為についての問題提起や責任追及等を直接の目的としたものではないことからすると,実名使用による前科公表の意義及び必要性が認めがたいというべきであって,以上の事実を併せ考慮すると,前科に関わる事実を公表されない法的利益がこれを公表することによる利益に優越するというべきである。
したがって,上記事実の摘示は,原告のプライバシーを侵害するものであると認められる。
(3)  原告が顧問料50万円を受領していたことについて(本件記事7の5,同8の2・6)
原告は上記事実が原告のプライバシーを侵害すると主張するが,ある事実の摘示がプライバシーを侵害するか否かは,摘示された事実が,一般人を基準として他人に知られることで私生活上の平穏を害されるような事実か否かで判断すべきところ,一般人を基準として考えた場合,上記事実を他人に知られることで私生活上の平穏が害されるとまでいうことはできないから,上記事実の摘示によりプライバシーが侵害されるということはできない。
(4)  よって,顧問料に関する事実の摘示が原告のプライバシーを侵害するとはいえないものの,原告が恐喝罪で有罪判決を受けたこと及び詐欺罪で逮捕されたことを摘示することは,原告のプライバシー権を侵害する。
(5)  そこで,次に,プライバシー侵害に関する違法性阻却事由の有無についてみるに,2で認定,説示したとおり,これらの記事は,公共の利害に関する事実を摘示したものということはできず,その掲載目的が専ら公益を図る目的に出たものということもできないから,違法性は阻却されないというべきである。
よって,被告らは原告に対して不法責任を負うことになる。
5  損害の有無及びその額並びに謝罪広告及び記事削除の必要性の有無(争点4)について
(1)  本件書籍は,平成18年5月10日までに6万部が印刷され(乙48),また,本件書籍について,平成18年12月17日に新聞に掲載された広告には,「話題沸騰!10万部を突破!!」との記載があって(甲35),実際にもよく売れたことを推認することができるほか,被告Y1はそれなりの取材活動を行った上で本件書籍を執筆している(乙37)ものの,その取材の手法として,他の週刊誌に既に掲載されている事実については,独自の立場で更に取材してその裏付けをとるべく努力した形跡はさほど窺えず,そのままこれに依拠して記事を書いている部分も少なくなく,その意味で取材が十分であったとはいい難い部分があり,原告に対する直接の取材も行っていない(乙37)。しかしながら,他方で,原告は,本件書籍の出版当時は画家や経営コンサルタントとして活動をしており,原告が社会的影響力を有する地位にあったとは認められないこと,原告の恐喝前科及び詐欺罪による逮捕は,本件書籍の出版直前に社会的に広く報道されたものであったこと,本件各記事は,あくまで著名な占い師であるCに関する情報提供や人物評を行う一環として,Cの弟である原告に言及したに過ぎないものと解され,本件書籍における本件各記事の占める割合はさほど高いものではないことなどの諸事情を総合考慮すると,被告らが本件各記事を含む本件書籍を執筆,出版したことによる名誉毀損及びプライバシー権侵害によって原告が被った精神的苦痛を慰謝するには,併せて200万円の慰謝料の支払をもってするのが相当である。
弁論の全趣旨によれば,原告は,本件訴えの提起,追行を原告ら訴訟代理人に委任し,相当額の報酬の支払を約束したことを認めることができるところ,本件事案の内容,争点,難易度,認容額等を考慮すると,被告らの不法行為と相当因果関係の範囲内にある弁護士費用としては,20万円が相当である。
そして,本件書籍は,前記前提となる事実で認定したとおり平成18年4月19日に発行されているから,少なくとも原告の請求する同年5月10日から上記損害につき遅延損害金が発生しているものと認められる。
(2)  なお,被告らは,本件各記事について,慰謝料及び弁護士費用に加えて,謝罪広告の掲載及び記事の削除も求めているところ,原告は本件書籍の出版当時,画家や経営コンサルタントとして活動をしていたものの,何らかの意味で社会的地位にあったとか,社会的な影響力を有していたとは認められないこと,原告の恐喝前科及び詐欺罪による逮捕は,本件書籍の出版直前に社会的に広く報道されたものであったこと,本件各記事は,あくまで著名な占い師であるCに関する人物評等を行う一環として,Cの弟である原告に言及したに過ぎないものであり,本件書籍における本件各記事の占める割合がさほど高いものではないこと,前記のとおり慰謝料が認容されることにより,原告の名誉はある程度回復されると考えられること,その他本件に現れた一切の事情を総合的に考慮すると,被告らに対し,慰謝料の支払を命じることに加えて,謝罪広告の掲載及び記事の削除まで命じる必要があるほど原告の社会的評価が低下したということはできない。
6  以上によれば,原告の請求は,被告らに対し,220万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成18年5月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める限度において理由があるから,その限度で認容すべきであるが,その余は理由がないからこれを棄却すべきである。
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 奥田正昭 裁判官 吉村美夏子 裁判官 園田稔)

 

〈以下省略〉

 

*******


政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例一覧
(1)平成30年10月11日 東京高裁 平30(う)441号 政治資金規正法違反被告事件
(2)平成30年 6月27日 東京地裁 平27(特わ)2148号 各政治資金規正法違反被告事件
(3)平成30年 4月18日 東京高裁 平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(4)平成30年 3月30日 東京地裁 平27(ワ)37147号 損害賠償請求事件
(5)平成30年 3月20日 大阪高裁 平29(行コ)60号 補助金不交付処分取消等請求控訴事件
(6)平成30年 1月22日 東京地裁 平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(7)平成29年12月14日 札幌高裁 平29(ネ)259号 損害賠償等請求控訴事件
(8)平成29年12月 8日 札幌地裁 平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(9)平成29年 7月18日 奈良地裁 平29(わ)82号 虚偽有印公文書作成・同行使、詐欺、有印私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反被告事件
(10)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(11)平成29年 3月28日 仙台地裁 平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(12)平成29年 3月15日 東京地裁 平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(13)平成29年 1月26日 大阪地裁 平24(行ウ)197号・平26(行ウ)163号 補助金不交付処分取消等請求事件
(14)平成28年12月27日 奈良地裁 平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(15)平成28年10月12日 大阪高裁 平28(ネ)1060号 損害賠償等請求控訴事件
(16)平成28年10月12日 東京地裁 平25(刑わ)2945号 業務上横領被告事件
(17)平成28年10月 6日 大阪高裁 平27(行コ)162号 不開示決定処分取消等請求控訴事件
(18)平成28年 9月13日 札幌高裁 平28(う)91号 事前収賄被告事件
(19)平成28年 8月31日 東京地裁 平25(ワ)13065号 損害賠償請求事件
(20)平成28年 7月26日 東京地裁 平27(ワ)22544号 損害賠償請求事件
(21)平成28年 7月19日 東京高裁 平27(ネ)3610号 株主代表訴訟控訴事件
(22)平成28年 7月 4日 東京地裁 平27(レ)413号 損害賠償請求控訴事件
(23)平成28年 4月26日 東京地裁 平27(ワ)11311号 精神的慰謝料及び損害賠償請求事件
(24)平成28年 2月24日 大阪高裁 平25(行コ)2号 行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件
(25)平成28年 2月24日 大阪高裁 平24(行コ)77号 不開示決定処分取消請求控訴事件
(26)平成27年10月27日 岡山地裁 平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(27)平成27年10月22日 大阪地裁 平26(行ウ)186号 不開示決定処分取消等請求事件
(28)平成27年10月 9日 東京地裁 平27(特わ)853号 政治資金規正法違反被告事件
(29)平成27年 6月17日 大阪地裁 平26(行ウ)117号 公金支出金返還請求事件
(30)平成27年 5月28日 東京地裁 平23(ワ)21209号 株主代表訴訟事件
(31)平成27年 3月24日 東京地裁 平26(ワ)9407号 損害賠償等請求事件
(32)平成27年 2月26日 東京地裁 平26(行ウ)209号 政務調査費返還請求事件
(33)平成27年 2月 3日 東京地裁 平25(ワ)15071号 損害賠償等請求事件
(34)平成26年12月24日 横浜地裁 平26(行ウ)15号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(35)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(36)平成26年 9月17日 知財高裁 平26(行ケ)10090号 審決取消請求事件
(37)平成26年 9月11日 知財高裁 平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(38)平成26年 9月 3日 東京地裁 平25(行ウ)184号 政務調査費返還請求事件
(39)平成26年 4月 9日 東京地裁 平24(ワ)33978号 損害賠償請求事件
(40)平成26年 2月21日 宮崎地裁 平25(ワ)276号 謝罪放送等請求事件
(41)平成25年 7月19日 東京地裁 平22(ワ)37754号 謝罪広告等請求事件
(42)平成25年 6月19日 横浜地裁 平20(行ウ)19号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(43)平成25年 3月28日 京都地裁 平20(行ウ)10号 不当利得返還等請求行為請求事件
(44)平成25年 2月28日 東京地裁 平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(45)平成25年 1月23日 東京地裁 平23(ワ)39861号 損害賠償請求事件
(46)平成24年12月26日 東京地裁 平23(ワ)24047号 謝罪広告等請求事件
(47)平成24年11月12日 東京高裁 平24(う)988号 政治資金規正法違反被告事件
(48)平成24年 8月29日 東京地裁 平22(ワ)38734号 損害賠償請求事件
(49)平成24年 6月26日 仙台地裁 平21(行ウ)16号 公金支出差止請求事件
(50)平成24年 4月26日 東京地裁 平23(特わ)111号 政治資金規正法違反被告事件 〔陸山会事件・控訴審〕
(51)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(52)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(53)平成24年 2月13日 東京地裁 平23(ワ)23522号 街頭宣伝行為等禁止請求事件
(54)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(55)平成23年11月16日 東京地裁 平21(ワ)38850号 損害賠償等請求事件
(56)平成23年 9月29日 東京地裁 平20(行ウ)745号 退会命令無効確認等請求事件
(57)平成23年 7月25日 大阪地裁 平19(ワ)286号・平19(ワ)2853号 損害賠償請求事件
(58)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(59)平成23年 4月14日 東京地裁 平22(ワ)20007号 損害賠償等請求事件
(60)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(61)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(62)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(63)平成22年10月18日 東京地裁 平22(行ク)276号
(64)平成22年 9月30日 東京地裁 平21(行ウ)231号 報酬支出差止請求事件
(65)平成22年 9月 7日 最高裁第一小法廷 決定 平20(あ)738号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・上告審〕
(66)平成22年 4月13日 東京地裁 平20(ワ)34451号 貸金等請求事件
(67)平成22年 3月31日 東京地裁 平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(68)平成22年 3月15日 東京地裁 平20(ワ)38604号 損害賠償請求事件
(69)平成22年 1月28日 名古屋地裁 平20(ワ)3188号 応援妨害予防等請求事件
(70)平成21年 6月17日 大阪高裁 平20(行コ)159号 政務調査費返還請求行為請求控訴事件
(71)平成21年 5月26日 東京地裁 平21(む)1220号 政治資金規正法被告事件
(72)平成21年 5月13日 東京地裁 平19(ワ)20791号 業務委託料請求事件
(73)平成21年 4月28日 大阪地裁 平19(わ)3456号 談合、収賄被告事件
(74)平成21年 2月25日 東京地裁 平19(行ウ)325号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(75)平成21年 1月28日 東京地裁 平17(ワ)9248号 損害賠償等請求事件
(76)平成20年12月 9日 東京地裁 平19(ワ)24563号 謝罪広告等請求事件
(77)平成20年11月12日 大阪高裁 平20(ネ)1189号・平20(ネ)1764号 債務不存在確認等請求控訴、会費請求反訴事件
(78)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件
(79)平成20年 8月 8日 東京地裁 平18(刑わ)3785号・平18(刑わ)4225号 収賄、競売入札妨害被告事件〔福島県談合汚職事件〕
(80)平成20年 7月14日 最高裁第一小法廷 平19(あ)1112号 政治資金規正法違反被告事件
(81)平成20年 3月27日 最高裁第三小法廷 平18(あ)348号 受託収賄被告事件 〔KSD事件〕
(82)平成20年 3月14日 和歌山地裁田辺支部 平18(ワ)167号 債務不存在確認等請求事件
(83)平成20年 2月26日 東京高裁 平16(う)3226号
(84)平成20年 1月18日 東京地裁 平18(ワ)28649号 損害賠償請求事件
(85)平成19年 8月30日 東京地裁 平17(ワ)21062号 地位確認等請求事件
(86)平成19年 8月30日 大阪地裁 平19(行ウ)83号 行政文書不開示決定処分取消等請求事件
(87)平成19年 8月10日 東京地裁 平18(ワ)19755号 謝罪広告等請求事件
(88)平成19年 8月10日 大阪地裁 平19(行ク)47号 仮の義務付け申立て事件
(89)平成19年 7月17日 神戸地裁尼崎支部 平17(ワ)1227号 総会決議一部無効確認等請求事件
(90)平成19年 5月10日 東京高裁 平18(う)2029号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕
(91)平成19年 4月 3日 大阪地裁 平19(行ク)27号 執行停止申立て事件
(92)平成19年 3月28日 大阪地裁 平19(行ク)24号 仮の差止め申立て事件
(93)平成19年 2月20日 大阪地裁 平19(行ク)7号 執行停止申立て事件
(94)平成19年 2月 7日 新潟地裁長岡支部 平16(ワ)143号・平18(ワ)109号 損害賠償請求事件
(95)平成19年 2月 5日 東京地裁 平16(ワ)26484号 不当利得返還請求事件
(96)平成19年 1月31日 大阪地裁 平15(ワ)12141号・平15(ワ)13033号 権利停止処分等無効確認請求事件、除名処分無効確認請求事件 〔全日本建設運輸連帯労組近畿地本(支部役員統制処分等)事件〕
(97)平成18年11月14日 最高裁第三小法廷 平18(オ)597号・平18(受)726号 〔熊谷組株主代表訴訟事件・上告審〕
(98)平成18年 9月29日 大阪高裁 平18(ネ)1204号 地位不存在確認請求控訴事件
(99)平成18年 9月11日 東京地裁 平15(刑わ)4146号 各詐欺被告事件 〔偽有栖川詐欺事件〕
(100)平成18年 8月10日 大阪地裁 平18(行ウ)75号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(101)平成18年 3月30日 東京地裁 平16(特わ)5359号 政治資金規正法違反被告事件〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・第一審〕
(102)平成18年 3月30日 京都地裁 平17(ワ)1776号・平17(ワ)3127号 地位不存在確認請求事件
(103)平成18年 1月11日 名古屋高裁金沢支部 平15(ネ)63号 熊谷組株主代表訴訟控訴事件 〔熊谷組政治献金事件・控訴審〕
(104)平成17年11月30日 大阪高裁 平17(ネ)1286号 損害賠償請求控訴事件
(105)平成17年 8月25日 大阪地裁 平17(行ウ)91号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(106)平成17年 5月31日 東京地裁 平16(刑わ)1835号・平16(刑わ)2219号・平16(刑わ)3329号・平16(特わ)5239号 贈賄、業務上横領、政治資金規正法違反被告事件 〔日本歯科医師会事件〕
(107)平成17年 4月27日 仙台高裁 平17(行ケ)1号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(108)平成16年12月24日 東京地裁 平15(特わ)1313号・平15(刑わ)1202号・平15(特わ)1422号 政治資金規正法違反、詐欺被告事件 〔衆議院議員秘書給与詐取事件〕
(109)平成16年12月22日 東京地裁 平15(ワ)26644号 損害賠償等請求事件
(110)平成16年11月 5日 東京地裁 平14(刑わ)2384号・平14(特わ)4259号・平14(刑わ)2931号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・第一審〕
(111)平成16年 5月28日 東京地裁 平5(刑わ)2335号・平5(刑わ)2271号 贈賄被告事件 〔ゼネコン汚職事件〕
(112)平成16年 2月27日 東京地裁 平7(合わ)141号・平8(合わ)31号・平7(合わ)282号・平8(合わ)75号・平7(合わ)380号・平7(合わ)187号・平7(合わ)417号・平7(合わ)443号・平7(合わ)329号・平7(合わ)254号 殺人、殺人未遂、死体損壊、逮捕監禁致死、武器等製造法違反、殺人予備被告事件 〔オウム真理教代表者に対する地下鉄サリン事件等判決〕
(113)平成16年 2月26日 津地裁 平11(行ウ)1号 損害賠償請求住民訴訟事件
(114)平成16年 2月25日 東京地裁 平14(ワ)6504号 損害賠償請求事件
(115)平成15年12月 8日 福岡地裁小倉支部 平15(わ)427号・平15(わ)542号・平15(わ)725号 被告人Aに対する政治資金規正法違反、公職選挙法違反被告事件、被告人B及び同Cに対する政治資金規正法違反被告事件
(116)平成15年10月16日 大津地裁 平13(ワ)570号 会員地位不存在確認等請求事件
(117)平成15年10月 1日 さいたま地裁 平14(行ウ)50号 損害賠償代位請求事件
(118)平成15年 5月20日 東京地裁 平13(刑わ)710号 各受託収賄被告事件 〔KSD関連元労働大臣収賄事件判決〕
(119)平成15年 3月19日 横浜地裁 平12(行ウ)16号 損害賠償等請求事件
(120)平成15年 3月 4日 東京地裁 平元(刑わ)1047号・平元(刑わ)632号・平元(刑わ)1048号・平元(特わ)361号・平元(特わ)259号・平元(刑わ)753号 日本電信電話株式会社法違反、贈賄被告事件 〔リクルート事件(政界・労働省ルート)社長室次長関係判決〕
(121)平成15年 2月12日 福井地裁 平13(ワ)144号・平13(ワ)262号 各熊谷組株主代表訴訟事件 〔熊谷組政治献金事件・第一審〕
(122)平成15年 1月20日 釧路地裁帯広支部 平13(わ)15号 収賄被告事件
(123)平成15年 1月16日 東京地裁 平13(行ウ)84号 損害賠償請求事件 〔区長交際費支出損害賠償請求住民訴訟事件〕
(124)平成14年 4月22日 東京地裁 平12(ワ)21560号 損害賠償等請求事件
(125)平成14年 4月11日 大阪高裁 平13(ネ)2757号 社員代表訴訟等控訴事件 〔住友生命政治献金事件・控訴審〕
(126)平成14年 2月25日 東京地裁 平9(刑わ)270号 詐欺被告事件
(127)平成13年12月17日 東京地裁 平13(行ウ)85号 住民票不受理処分取消等請求事件
(128)平成13年10月25日 東京地裁 平12(ワ)448号 損害賠償請求事件
(129)平成13年10月11日 横浜地裁 平12(ワ)2369号 謝罪広告等請求事件 〔鎌倉市長名誉毀損垂れ幕訴訟判決〕
(130)平成13年 9月26日 東京高裁 平13(行コ)90号 公文書非公開処分取消請求控訴事件
(131)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4693号 社員代表訴訟等事件 〔住友生命政治献金事件・第一審〕
(132)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4692号・平12(ワ)13927号 社員代表訴訟等、共同訴訟参加事件 〔日本生命政治献金社員代表訴訟事件〕
(133)平成13年 5月29日 東京地裁 平9(ワ)7838号・平9(ワ)12555号 損害賠償請求事件
(134)平成13年 4月25日 東京高裁 平10(う)360号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・控訴審〕
(135)平成13年 3月28日 東京地裁 平9(ワ)27738号 損害賠償請求事件
(136)平成13年 3月 7日 横浜地裁 平11(行ウ)45号 公文書非公開処分取消請求事件
(137)平成13年 2月28日 東京地裁 平12(刑わ)3020号 詐欺、政治資金規正法違反被告事件
(138)平成13年 2月16日 東京地裁 平12(行ク)112号 住民票消除処分執行停止申立事件
(139)平成12年11月27日 最高裁第三小法廷 平9(あ)821号 政治資金規正法違反被告事件
(140)平成12年 9月28日 東京高裁 平11(う)1703号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・控訴審〕
(141)平成11年 7月14日 東京地裁 平10(特わ)3935号・平10(刑わ)3503号・平10(特わ)4230号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・第一審〕
(142)平成10年 6月26日 東京地裁 平8(行ウ)109号 課税処分取消請求事件 〔野呂栄太郎記念塩沢学習館事件〕
(143)平成10年 5月25日 大阪高裁 平9(行ケ)4号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔衆議院議員選挙候補者連座訴訟・第一審〕
(144)平成10年 4月27日 東京地裁 平10(ワ)1858号 損害賠償請求事件
(145)平成 9年10月 1日 東京地裁 平6(刑わ)571号・平6(刑わ)509号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・第一審〕
(146)平成 9年 7月 3日 最高裁第二小法廷 平6(あ)403号 所得税法違反被告事件
(147)平成 9年 5月21日 大阪高裁 平8(う)944号 政治資金規正法違反被告事件
(148)平成 9年 4月28日 東京地裁 平6(ワ)21652号 損害賠償等請求事件
(149)平成 9年 2月20日 大阪地裁 平7(行ウ)60号・平7(行ウ)70号 政党助成法に基づく政党交付金交付差止等請求事件
(150)平成 8年 9月 4日 大阪地裁 平7(わ)534号 政治資金規正法違反被告事件
(151)平成 8年 3月29日 東京地裁 平5(特わ)546号・平5(特わ)682号 所得税法違反被告事件
(152)平成 8年 3月27日 大阪高裁 平6(ネ)3497号 損害賠償請求控訴事件
(153)平成 8年 3月25日 東京高裁 平6(う)1237号 受託収賄被告事件 〔共和汚職事件・控訴審〕
(154)平成 8年 3月19日 最高裁第三小法廷 平4(オ)1796号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・上告審〕
(155)平成 8年 2月20日 名古屋高裁 平7(う)200号 政治資金規正法違反、所得税違反被告事件
(156)平成 7年11月30日 名古屋高裁 平7(う)111号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(157)平成 7年10月25日 東京地裁 平5(ワ)9489号・平5(ワ)16740号・平6(ワ)565号 債務不存在確認請求(本訴)事件、謝罪広告請求(反訴)事件、不作為命令請求(本訴と併合)事件
(158)平成 7年 8月 8日 名古屋高裁 平7(う)35号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(159)平成 7年 4月26日 名古屋地裁 平6(わ)116号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(160)平成 7年 3月30日 名古屋地裁 平6(わ)1706号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(161)平成 7年 3月20日 宮崎地裁 平6(ワ)169号 損害賠償請求事件
(162)平成 7年 2月24日 最高裁第二小法廷 平5(行ツ)56号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔政治資金収支報告書コピー拒否事件〕
(163)平成 7年 2月13日 大阪地裁 平6(わ)3556号 政治資金規正法違反被告事件 〔大阪府知事後援会ヤミ献金事件〕
(164)平成 7年 2月 1日 名古屋地裁 平6(わ)116号 所得税法違反被告事件
(165)平成 7年 1月26日 東京地裁 平5(行ウ)353号 損害賠償請求事件
(166)平成 6年12月22日 東京地裁 平5(ワ)18447号 損害賠償請求事件 〔ハザマ株主代表訴訟〕
(167)平成 6年12月 9日 大阪地裁 平5(ワ)1384号 損害賠償請求事件
(168)平成 6年11月21日 名古屋地裁 平5(わ)1697号・平6(わ)117号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(169)平成 6年10月25日 新潟地裁 平4(わ)223号 政治資金規正法違反被告事件 〔佐川急便新潟県知事事件〕
(170)平成 6年 7月27日 東京地裁 平5(ワ)398号 謝罪広告等請求事件
(171)平成 6年 4月19日 横浜地裁 平5(わ)1946号 政治資金規正法違反・所得税法違反事件
(172)平成 6年 3月 4日 東京高裁 平4(う)166号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・控訴審〕
(173)平成 6年 2月 1日 横浜地裁 平2(ワ)775号 損害賠償請求事件
(174)平成 5年12月17日 横浜地裁 平5(わ)1842号 所得税法違反等被告事件
(175)平成 5年11月29日 横浜地裁 平5(わ)1687号 所得税法違反等被告事件
(176)平成 5年 9月21日 横浜地裁 平5(わ)291号・平5(わ)182号・平5(わ)286号 政治資金規正法違反、所得税法違反、有印私文書偽造・同行使、税理士法違反被告事件
(177)平成 5年 7月15日 福岡高裁那覇支部 平4(行ケ)1号 当選無効等請求事件
(178)平成 5年 5月28日 徳島地裁 昭63(行ウ)12号 徳島県議会県政調査研究費交付金返還等請求事件
(179)平成 5年 5月27日 最高裁第一小法廷 平元(オ)1605号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・上告審〕
(180)平成 4年12月18日 大阪高裁 平3(行コ)49号 公文書非公開決定処分取消請求控訴事件 〔大阪府公文書公開等条例事件・控訴審〕
(181)平成 4年10月26日 東京地裁 平4(む)615号 準抗告申立事件 〔自民党前副総裁刑事確定訴訟記録閲覧請求事件〕
(182)平成 4年 4月24日 福岡高裁 昭62(ネ)551号・昭61(ネ)106号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求控訴、附帯控訴事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・控訴審〕
(183)平成 4年 2月25日 大阪地裁 昭62(わ)4573号・昭62(わ)4183号・昭63(わ)238号 砂利船汚職事件判決
(184)平成 3年12月25日 大阪地裁 平2(行ウ)6号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔府公文書公開条例事件〕
(185)平成 3年11月29日 東京地裁 平2(特わ)2104号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・第一審〕
(186)平成 2年11月20日 東京高裁 昭63(ネ)665号 損害賠償等請求控訴事件
(187)平成元年 8月30日 大阪高裁 昭61(ネ)1802号 会費一部返還請求控訴事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求訴訟・控訴審〕
(188)昭和63年 4月11日 最高裁第三小法廷 昭58(あ)770号 贈賄被告事件 〔大阪タクシー汚職事件・上告審〕
(189)昭和62年 7月29日 東京高裁 昭59(う)263号 受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件 〔ロッキード事件丸紅ルート・控訴審〕
(190)昭和61年 8月21日 大阪地裁 昭55(ワ)869号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・第一審〕
(191)昭和61年 5月16日 東京高裁 昭57(う)1978号 ロツキード事件・全日空ルート〈橋本関係〉受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(192)昭和61年 5月14日 東京高裁 昭57(う)1978号 受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(193)昭和61年 2月13日 熊本地裁 昭55(ワ)55号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・第一審〕
(194)昭和59年 7月 3日 神戸地裁 昭59(わ)59号 所得税法違反被告事件
(195)昭和59年 3月 7日 神戸地裁 昭57(行ウ)24号 市議会各会派に対する市会調査研究費等支出差止住民訴訟事件
(196)昭和57年 7月 6日 大阪簡裁 昭56(ハ)5528号 売掛金代金請求事件
(197)昭和57年 6月 8日 東京地裁 昭51(刑わ)4312号・昭51(刑わ)4311号 受託収賄事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)(橋本・佐藤関係)〕
(198)昭和57年 5月28日 岡山地裁 昭54(わ)566号 公職選挙法違反被告事件
(199)昭和56年 3月 3日 東京高裁 昭54(う)2209号・昭54(う)2210号 地方自治法違反被告事件
(200)昭和55年 3月10日 東京地裁 昭53(特わ)1013号・昭53(特わ)920号 法人税法違反被告事件
(201)昭和54年 9月20日 大阪地裁 昭43(わ)121号 贈賄、収賄事件 〔大阪タクシー汚職事件・第一審〕
(202)昭和54年 5月29日 水戸地裁 昭46(わ)198号 地方自治法違反被告事件
(203)昭和53年11月20日 名古屋地裁 決定 昭52(ヨ)1908号・昭52(ヨ)1658号・昭52(ヨ)1657号 仮処分申請事件 〔日本共産党員除名処分事件〕
(204)昭和53年 8月29日 最高裁第三小法廷 昭51(行ツ)76号 損害賠償請求事件
(205)昭和51年 4月28日 名古屋高裁 昭45(行コ)14号 損害賠償請求控訴事件
(206)昭和50年10月21日 那覇地裁 昭49(ワ)111号 損害賠償請求事件
(207)昭和48年 2月24日 東京地裁 昭40(ワ)7597号 謝罪広告請求事件
(208)昭和47年 3月 7日 最高裁第三小法廷 昭45(あ)2464号 政治資金規制法違反
(209)昭和46年 9月20日 東京地裁 昭43(刑わ)2238号・昭43(刑わ)3482号・昭43(刑わ)3031号・昭43(刑わ)3027号・昭43(刑わ)2002号・昭43(刑わ)3022号 業務上横領、斡旋贈賄、贈賄、斡旋収賄、受託収賄各被告事件 〔いわゆる日通事件・第一審〕
(210)昭和45年11月14日 札幌地裁 昭38(わ)450号 公職選挙法違反・政治資金規正法違反被告事件
(211)昭和45年11月13日 高松高裁 昭44(う)119号 政治資金規正法違反被告事件
(212)昭和45年 7月11日 名古屋地裁 昭42(行ウ)28号 損害賠償請求事件
(213)昭和45年 3月 2日 長野地裁 昭40(行ウ)14号 入場税等賦課決定取消請求事件
(214)昭和43年11月12日 福井地裁 昭41(わ)291号 収賄・贈賄被告事件
(215)昭和42年 7月11日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(216)昭和42年 7月10日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(217)昭和41年10月24日 東京高裁 昭38(ナ)6号・昭38(ナ)7号・昭38(ナ)5号・昭38(ナ)11号・昭38(ナ)10号 裁決取消、選挙無効確認併合事件 〔東京都知事選ニセ証紙事件・第二審〕
(218)昭和41年 1月31日 東京高裁 昭38(ネ)791号 取締役の責任追及請求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・控訴審〕
(219)昭和40年11月26日 東京高裁 昭39(う)642号 公職選挙法違反被告事件
(220)昭和39年12月15日 東京地裁 昭38(刑わ)2385号 公職選挙法違反、公記号偽造、公記号偽造行使等事件
(221)昭和39年 3月11日 東京高裁 昭38(う)2547号 公職選挙法違反被告事件
(222)昭和38年 4月 5日 東京地裁 昭36(ワ)2825号 取締役の責任追求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・第一審〕
(223)昭和37年12月25日 東京地裁 昭30(ワ)1306号 損害賠償請求事件
(224)昭和37年 8月22日 東京高裁 昭36(う)1737号
(225)昭和37年 8月16日 名古屋高裁金沢支部 昭36(う)169号 公職選挙法違反事件
(226)昭和37年 4月18日 東京高裁 昭35(ナ)15号 選挙無効確認請求事件
(227)昭和35年 9月19日 東京高裁 昭34(ナ)2号 選挙無効確認請求事件
(228)昭和35年 3月 2日 札幌地裁 昭32(わ)412号 受託収賄事件
(229)昭和34年 8月 5日 東京地裁 昭34(行)27号 政党名削除制限抹消の越権不法指示通牒取消確認請求事件
(230)昭和32年10月 9日 最高裁大法廷 昭29(あ)499号 国家公務員法違反被告事件
(231)昭和29年 5月20日 仙台高裁 昭29(う)2号 公職選挙法違反事件
(232)昭和29年 4月17日 札幌高裁 昭28(う)684号・昭28(う)681号・昭28(う)685号・昭28(う)682号・昭28(う)683号 政治資金規正法違反被告事件
(233)昭和29年 2月 4日 名古屋高裁金沢支部 昭28(う)442号 公職選挙法違反被告事件
(234)昭和27年 8月12日 福島地裁若松支部 事件番号不詳 地方税法違反被告事件
(235)昭和26年10月24日 広島高裁松江支部 昭26(う)54号 収賄被告事件
(236)昭和26年 9月27日 最高裁第一小法廷 昭26(あ)1189号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反
(237)昭和26年 5月31日 最高裁第一小法廷 昭25(あ)1747号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反等
(238)昭和25年 7月12日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)280号
(239)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)278号・昭25(う)279号・昭25(う)280号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(240)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)275号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(241)昭和24年10月13日 名古屋高裁 事件番号不詳
(242)昭和24年 6月13日 最高裁大法廷 昭23(れ)1862号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(243)昭和24年 6月 3日 東京高裁 昭24(ナ)9号 衆議院議員選挙無効請求事件

■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 選挙ポスター」に関する裁判例カテゴリー
■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 政治ポスター」に関する裁判例カテゴリー


(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!

(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ご相談は今すぐ!お気軽にどうぞ!
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。

(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。

(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)

(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。

(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。

(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!


お問い合わせ【コンタクトドットウィン!】衆議院議員選挙|参議院議員選挙|都道府県知事選挙|都道府県議会議員選挙|東京都議会議員選挙|市長選挙|区長選挙|市議会議員選挙|区議会議員選挙|町長選挙|村長選挙|町議会議員選挙|村議会議員選挙|どぶ板広報支援 貼る専門!選挙ドットウィン!広報支援ポスター新規貼付/政治活動/選挙運動/事前街頭選挙ポスター新規貼付掲示のプロ集団/独占貼り・多数貼り・無断(無許可)貼り・実店舗飲食店コラボ貼り・(政治活動/選挙運動用)選挙立候補(予定)者事前街頭ポスター新規掲示(1)ポスター貼付/掲示プラン(2)ポスターの性質(3)貼付/掲示地域(エリア)(4)貼付/掲示場所(箇所)(5)貼付/掲示枚数(6)貼付/掲示期間(7)貼付/掲示における注意事項/特記事項/独占掲示許可承諾書/ビラ・チラシの配布および投函(ポスティング)/アンケート配布および回収/ご挨拶訪問代行/訪問アポイントメント獲得/選挙立候補(予定)者のための、戸別訪問/選挙立候補(予定)者のための、ヒアリング(行政への要望やその他ヒアリング)/各種新規開拓営業代行/営業用語集【売れる営業専門商社】完全営業代行の僕俺株式会社①営業コンサルティング②営業アウトソーシング③営業支援④成果成功報酬営業代行⑤固定売上保障⑥新規開拓営業⑦飛び込み営業⑧テレアポ営業⑨クロージング営業⑩資料請求者アポクロージング⑪無料営業リスト⑫優良営業代行会社比較,売る!完全成果成功報酬・固定売上保障の営業アウトソーシングをご提案!ガンガン新規開拓営業代行,BtoB営業代行, BtoC営業支援,アポイントメント獲得訪問営業,営業コンサルティング,テレマーケティング,業務委託,業務提携,アライアンス,コラボレーション,無料営業リストご提供!担当者名入り営業リスト販売,使い古し営業リスト買取も行っております。営業代行,営業専門商社,営業支援,営業アウトソーシング,営業コンサルティング,完全成果成功報酬営業代行,営業代理店,営業プロ,飛び込み営業,テレアポ営業,クロージング営業,成果報酬営業,成功報酬営業,法人営業,個人営業,新規開拓営業,btob,btoc,販路開拓営業,販路拡大,業務委託,販売代理店,営業料金,営業費用,営業マン,フルコミ営業,資料請求,フランチャイズ加盟店開発,東京営業代行,大阪営業代行/sales representative/sales outsourcing/令和/れいわ/レイワ新元号発表!令和・れいわ・レイワ【選挙ドットウィン!】貼る専門!ガンガン貼る!広報支援ポスター新規貼付/政治活動/選挙運動/事前街頭選挙ポスター新規貼付掲示のプロ集団/独占貼り・多数貼り・無断(無許可)貼り・実店舗飲食店コラボ貼り・(政治活動/選挙運動用)選挙立候補(予定)者事前街頭ポスター新規掲示(1)ポスター貼付/掲示プラン(2)ポスターの性質(3)貼付/掲示地域(エリア)(4)貼付/掲示場所(箇所)(5)貼付/掲示枚数(6)貼付/掲示期間(7)貼付/掲示における注意事項/特記事項/独占掲示許可承諾書/ビラ・チラシの配布および投函(ポスティング)/アンケート配布および回収/ご挨拶訪問代行/訪問アポイントメント獲得/選挙立候補(予定)者のための、戸別訪問/選挙立候補(予定)者のための、ヒアリング(行政への要望やその他ヒアリング)/統一地方選挙 首長選挙 国政選挙 衆議院選挙 参議院選挙 都知事選挙 県知事選挙 府知事選挙 道知事選挙 都議会選挙 区議会選挙 市議会選挙 町議会選挙 村議会選挙 衆議院議員選挙 参議院議員選挙 都議会議員選挙 区議会議員選挙 市議会議員選挙 町議会議員選挙 村議会議員選挙 選挙ポスター印刷専門店 選挙ポスター&政治活動ポスター 選挙ポスター印刷 A3 国政選挙ポスター 400*420 政治活動ポスター A2 政治活動ポスター B2 政治活動ポスター A1 政治活動ポスター B1 光る選挙ポスター蓄光 A3 選挙印刷特急仕上げ 議員選挙パック 選挙印刷 オフセット印刷 後援会&選挙リーフ 選挙用公選推薦はがき 選挙用名刺印刷 選挙運動用証紙ビラ 選挙印刷オンデマンドPOD 公選推薦はがきPOD 選挙名刺カット名刺 選挙公報データ制作 選挙事務所用為書き 選挙印刷オプション デザイン&データ制作  画像補正データ変換 色校正 光る選挙ポスター印刷 くり抜き選挙ポスター ウェットティッシュ 選挙用後援会立て看板 選挙用必勝だるま 選挙ジャンパー ワッポンシール たすき のぼり 紙クリップ 抗菌印刷 議会活動報告 DM発送 議会活動報告書 政務活動 A4チラシ カラー 政務活動 A4チラシ(墨) 封筒透明OPP&紙 宛名印字 宛名書き 封入封緘 はがき郵送 封書DM発送 角2DM発送 選挙運動用ポスター作成契約書  選挙運動用ポスター作成証明書 ポスター作成請求書 請求内訳書 ポスター作成枚数確認書 選挙証紙ビラ 選挙運動用証紙ビラ作成契約書 証紙ビラ作成請求書 証紙ビラ作成枚数確認書

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。