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「政務活動費 ポスター」に関する裁判例(83)平成28年 5月17日  山形地裁  平23(行ウ)2号 山形県議会議員政務調査費返還等請求事件

「政務活動費 ポスター」に関する裁判例(83)平成28年 5月17日  山形地裁  平23(行ウ)2号 山形県議会議員政務調査費返還等請求事件

裁判年月日  平成28年 5月17日  裁判所名  山形地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(行ウ)2号
事件名  山形県議会議員政務調査費返還等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA05176003

要旨
◆山形県に住所を有する権利能力なき社団である原告オンブズマン及び山形県の住民であるその余の原告らが、平成21年度に山形議会議員であった本件議員らは、山形県から交付を受けた同年度の政務調査費の一部を政務調査活動以外の目的で違法に支出し、それにより違法な支出相当額の不当な利得を得ているにもかかわらず、県知事である被告はその返還請求を違法に怠っているとして、被告に対し、返還請求を怠ることが違法であることの確認を求めるとともに、本件議員らに対して不当利得額の支払を請求するよう求めた住民訴訟の事案において、本件政務調査費の支出の適否の判断は、各支出が本件使途基準に合致するか否かを基準に判断するのが相当であり、調査研究又は調査委託のための必要性が認められない支出は、本件使途基準に合致しないものとして違法になるというべきであるとした上で、協議会等に引き続いて開催された懇親会の会費等を政務調査費から支出すること、その他各議員ごとの政務調査費の支出につき、本件使途基準に適合しないか否かを判断して、請求を一部認容した事例

裁判経過
控訴審 平成29年 4月21日 仙台高裁 判決 平28(行コ)12号・平28(行コ)20号 山形県議会議員政務調査費返還等請求控訴、同附帯控訴事件

出典
ウエストロー・ジャパン

参照条文
地方自治法100条(平24法72改正前)
地方自治法242条の2(平24法72改正前)

裁判年月日  平成28年 5月17日  裁判所名  山形地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(行ウ)2号
事件名  山形県議会議員政務調査費返還等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA05176003

山形県米沢市〈以下省略〉
原告 市民オンブズマン山形県会議(以下「原告オンブズマン」という。)
同代表者代表 A1
同 A2
山形県米沢市〈以下省略〉
原告 X1
山形市〈以下省略〉
原告 X2
上記3名訴訟代理人弁護士 佐藤欣哉
同 田中暁
同 外塚功
原告X1を除く原告ら訴訟代理人弁護士 髙橋敬一
山形市〈以下省略〉
被告 山形県知事 Y
同訴訟代理人弁護士 伊藤三之

 

 

主文

1  被告が,別紙1「認容額一覧表」の「氏名」欄記載の者に対し,同表の「返還請求額(円)」欄記載の金員を支払うよう請求することを怠ることが違法であることを確認する。
2  被告は,別紙1「認容額一覧表」の「氏名」欄記載の者に対し,同表の「返還請求額(円)」欄記載の金員を支払うよう請求せよ。
3  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4  訴訟費用は,これを3分し,その2を原告らの負担とし,その余は被告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求の趣旨
1  被告が,別紙2「集計表」の「氏名」欄記載の者に対し,同表の「支出額」欄記載の金員を支払うよう請求することを怠ることが違法であることを確認する。
2  被告は,別紙2「集計表」の「氏名」欄記載の者に対し,同表の「支出額」欄記載の金員を支払うよう請求せよ。
第2  事案の概要
1  事案の骨子
本件は,山形県の財政支出を県民の立場から監視すること等を目的として結成された,山形県に住所を有する権利能力なき社団である原告オンブズマン及び山形県の住民であるその余の原告らが,平成21年度に山形県議会議員(以下,単に「議員」という。)であった別紙2「集計表」の「氏名」欄記載の者(以下,これらを併せて「相手方議員ら」という。)は,山形県から交付を受けた同年度の政務調査費の一部を政務調査活動以外の目的に違法に支出し,それにより違法な支出相当額の不当な利得を得ているにもかかわらず,山形県知事である被告がその返還請求を違法に怠っているとして,被告に対し,地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下同じ。)242条の2第1項3号に基づき,上記の返還請求を怠ることが違法であることの確認を求めるとともに,同項4号に基づき,相手方議員らに対して不当利得額の支払を請求するよう求める住民訴訟である。
2  前提事実(証拠等の摘示のない事実は当事者間に争いがない)
(1)  当事者等
ア 原告オンブズマンは,山形県の財政支出を県民の立場から監視すること等を目的として結成された,山形県に住所を有する権利能力なき社団である。原告X1及び原告X2は,かつて原告オンブズマンの代表者であった者であり,いずれも山形県の住民である。(弁論の全趣旨)
イ 被告は,山形県の執行機関である。
ウ 相手方議員らは,いずれも平成21年度に議員を務めた者である。
(2)  政務調査費の支出及び相手方議員らによる調査研究費としての利用
相手方議員らは,平成21年度において,それぞれ,被告から政務調査費の交付を受け,別紙3「支出費目1(A類型)」,別紙4「支出費目2(B類型)」,別紙5「支出費目3(C類型)」,別紙6「支出費目4(D類型・A3)」,別紙7「支出費目5(D類型・A4・1)」及び別紙8「支出費目6(D類型・A4・2)」(以下,それぞれ単に「別紙3」などという。なお,「A類型」,「B類型」,「C類型」及び「D類型」という語の意味については後述のとおりである。)の「議員氏名」欄記載の各議員において,それぞれ,山形県議会議長(以下,単に「議長」という。)に対し,交付を受けた政務調査費の一部を,上記各別紙の「支出年月日」,「支出額(円)」,「支出相手先」及び「支出内容」各欄記載の使途(以下,個別の支出については,上記各別紙の「番号」欄記載の番号を用いて「支出番号A1」などという。)により,調査研究費として利用した旨の地方自治法100条15項所定の政務調査費に係る収入及び支出の報告書(以下,「収支報告書」という。)を提出した(弁論の全趣旨)。
(3)  原告らによる監査請求及び本件訴訟の提起
原告らは,平成23年3月28日,山形県監査委員に対し,被告に対して相手方議員に対する平成21年度の政務調査費の一部の返還請求権を行使するよう勧告することを求めて住民監査請求をした。山形県監査委員は,同監査請求について,平成23年5月27日付けで,政務調査費に違法又は不当な支出があったとはいえず,また,被告が財産の管理を怠っている事実も認められないとして,これを棄却する旨の決定をし,原告らは,その頃,監査の結果の通知を受けた。原告らは,同年6月26日,本件訴訟を提起した。(甲1,当裁判所に顕著な事実)
(4)  関連法令の定め等
ア 地方自治法100条14項は,「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。」と定め,同条15項は,「前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。」と規定していた。
イ 山形県は,地方自治法100条14項及び同条15項の規定に基づき,山形県政務調査費の交付に関する条例(平成13年3月23日山形県条例第4号。以下「本件条例」という。乙378)を定めた。
本件条例3条の2は,「議員に対して交付すべき政務調査費の額は,1月当たり28万円とし,当該政務調査費は,月の初日に在職する議員に対し,四半期ごとにその四半期分を交付するものとする。」と定め,本件条例9条は,政務調査費の使途を,おおむね調査研究費,研修費,会議費,資料作成費,資料購入費,広報費,事務所費,事務費及び人件費といった科目によるものとし(1項),その基準は議長が定めるところによる旨定めている(2項)。
また,本件条例10条は,収支報告書につき,科目ごとに政務調査費の支出額,事業実施内容及び事業の成果等を記載するよう求めるとともに(1項,別記様式),収支報告書には,当該収支報告書に記載された政務調査費による支出に係る領収書その他の証拠書類の写し(当該書類の取得が困難な場合,当該書類による当該支出の証明が困難な場合等は,議長が定める様式による書面)を添付しなければならない旨定めている(5項)。
さらに,本件条例12条1項は,会派及び議員は,その年度において交付を受けた政務調査費の総額からその年度において行った政務調査費による支出の総額を控除した残余がある場合,残余の額に相当する額の政務調査費を山形県に返還しなければならない旨定めている。
本件条例の定めの詳細は,別紙9「本件条例の定め」のとおりである。
ウ 議長は,本件条例の施行に関する必要な事項を定めるため,山形県政務調査費の交付に関する条例施行規程(平成13年3月30日山形県議会告示第2号。以下「本件施行規程」という。乙379,380)を定め,本件条例9条2項所定の政務調査費の使途である各科目の基準(以下「本件使途基準」という。)を,別紙10「本件使途基準」のとおり定めている(5条,別表)。
また,本件施行規程6条は,本件条例10条5項所定の書面(以下「支払証明書」という。)の様式を定めているところ,同様式は,支出科目ごとに,支出科目,支払年月日,支払額,支払先,使途及び内容並びに備考の各欄の記載を求めるものとなっている。
エ さらに,議長は,本件条例に基づき交付される政務調査費の取扱いについて必要な事項を定めるため,山形県政務調査費の取扱いに関する要領(平成20年3月21日制定のもの。以下「本件取扱要領」という。乙381)を定め,政務調査費の支出に当たっての基本的事項や,本件条例所定の政務調査費の使途である各科目及び本件使途基準についての運用の目安,そして政務調査費を充当するのに適さない経費(以下,これらをまとめて「本件運用目安」という。)を,別紙11「本件運用目安」のとおり定めている。
オ そして,山形県議会は,平成20年3月,政務調査費の手引(以下「本件手引」という。乙377)を作成した。本件手引は,本件条例,本件施行規程及び本件取扱要領で定めた事務処理方法,使途基準,各種書式を網羅したもので,山形県議会は,本件手引を,政務調査費の使途などについて,その適否を具体的に判断する際のよりどころとして利用してきた。本件手引の記載のうち本件訴訟に関係するものは,別紙12「本件手引の記載」のとおりである。(甲1,弁論の全趣旨)
3  争点
相手方議員らによる平成21年度の政務調査費の各支出における違法な支出の有無及びその額
4  争点に関する当事者の主張
(原告らの主張)
(1) 被告は,平成21年度において,別紙2「集計表」の「氏名」欄各記載の者(相手方議員ら)に対して政務調査費を支出し,相手方議員らにおいて,その全額又は一部を自己の活動に調査研究費として充当している。しかし,そのうち,同表の「支出額(円)」欄記載の各金額は,以下に述べるとおり,本件使途基準に適合しない,政務調査とは無縁な目的外支出であり,相手方議員らは,同各金額について法律上の原因なく利得しているというべきであるが,被告は,相手方議員らに対し,その返還を請求すべきであるにもかかわらずこれを違法に怠っている。
(2) 別紙3の「議員氏名」欄記載の者は,県議会より費用弁償が行われた置賜地域議員協議会後の懇親会参加費のうち5000円を政務調査費から支出している(以下,同懇親会参加費への政務調査費の支出をまとめて「A類型」ということがある。)。また,別紙4の「議員氏名」欄記載の者は,主催の山形県(総合支庁)等の案内した会合(その名称は,同別紙の「支出内容」欄のとおりである。)後の懇親会参加費のうち5000円を政務調査費から支出している(以下,同別紙記載の各懇親会参加費への政務調査費の支出をまとめて「B類型」ということがある。)。
本件手引によれば,このような,研修会や会議の後の懇親会の会費を政務調査費から支出するためには,研修会や会議と懇親会の一体性があり,実質的な情報交換,意見交換が行われたことが要求される。このうち,一体性については,研修会や会議と懇親会の主催者の同一性,場所的な同一性が認められる必要がある。しかし,A類型,B類型に係る各懇親会は,参加した県職員が参加費を私費で負担していることも踏まえて考えると,主催者の同一性又は場所的な同一性が認められず,一体性は認められない。また,上記各懇親会は,飲酒しながら参加者同士で雑談することを目的としていることは明らかであり,実質的な意見交換が行われたと評価することはできない。そうすると,その参加費に政務調査費を充当することは,本件使途基準に適合しない。このような酒食の費用を税金(政務調査費)で賄うべき正当性は全くない。
(3) また,別紙5の「議員氏名」欄記載の各議員は,同別紙の「支出年月日」,「支出額(円)」,「支出相手先」及び「支出内容」各欄記載の各費目に政務調査費を支出しているが,これらの支出は,①議員,政治家,市民としての活動であって「政務調査費を充当するのに適さない活動に要する経費」,「政務調査費を充当するのに適さない会費等」に該当すると思われる支出,②自宅と事務所,県議会棟に移動する経費又は③旅費宿泊費が「特別職の職員の給与等支給条例」に規定する宿泊料の上限を超えた支出(以下,同別紙記載の各支出をまとめて「C類型」ということがある。)というべきであり,C類型に係る政務調査費の支出は本件使途基準に適合しないというべきである。
C類型の各支出についての原告らの主張の詳細は,別紙5の「原告側の違法事由」欄記載のとおりである(なお,同別紙の「原告側の違法事由」欄の左側に記載された符号の意味は,同欄の右側の第1文に記載のとおりである。)。
(4) さらに,A3議員(以下「A3議員」という。)は,別紙6の「支出年月日」,「支出額(円)」,「支出相手先」及び「支出内容」各欄記載の名目で政務調査費を利用しているが,これらの政務調査費の支出は,政務調査の目的,内容,調査相手先等が不明で検討できず適正な公金の支出とはいい難い支出(以下,そのように評価すべき支出をまとめて「D類型」ということがある。)と評価すべきであり,違法である。
A3議員による政務調査費の支出は,多くが東京都の参議院議員会館におけるA5参議院議員(以下「A5議員」という。)との意見交換のための費用であるとされている(支出番号D1(1),(5)ないし(17))。しかし,被告側の説明を踏まえても,意見交換の相手方はA5議員のみであり,他の国会議員の同席はなく,意見交換のテーマに係る国の担当職員や専門家が同席した形跡もない。また,同テーマは広範囲にわたるところ,A5議員がこれに精通しているとはうかがわれない。このように,A3議員が東京都の参議院議員会館を訪ね,A5議員とその時期に多数回の意見交換をすべき理由はないから,それに要した費用は,およそ政務調査の一環の費用とは考えられない。
そのほか,別紙6に記載された各支出ごとの違法事由の主張は,同別紙の「原告側の違法事由」欄記載のとおりである。
(5) そして,A4議員(以下「A4議員」という。)は,別紙7及び別紙8の「支出年月日」,「支出額(円)」,「支出相手先」及び「支出内容」各欄記載の名目で政務調査費を利用しているが,これらの政務調査費の支出もまた,政務調査の目的,内容,調査相手先等が不明で検討できず適正な公金の支出とはいい難い支出(D類型)と評価すべきであり,違法である。
A4議員は,頻繁に自家用車を利用して出張しているとして,交通費に政務調査費を充当していたが,支払証明書を見ると,通常の議員活動はおろか日常生活にも支障が予測されるほどの頻度や走行距離での出張が行われた旨記載されている。また,A4議員は,平成23年8月4日,訂正届を提出して政務調査費の大部分を返還しているが,訂正の理由は明らかでなく,返還されていない部分についても,記載の根本的な誤りがあったと推測されるところである。これらの事情に照らすと,自家用車の利用の事実自体がなかったのではないかと疑われる。
そのほか,各支出ごとの違法事由の主張は,上記各別紙の「原告側の違法事由」欄記載のとおりである。
(被告の主張)
(1) 以下に述べるとおり,原告らが違法である旨主張する各支出は,いずれも本件使途基準に反した支出ではないから,相手方議員らにおいて同各支出相当額を法律上の原因なく利得しているとはいえず,被告においてその返還請求を怠っているともいえない。
なお,原告らが違法である旨主張する各支出のうち,A6議員に係るものについては,同人において,入院加療中で本件訴訟に対応できないとの理由で,既に支出相当額全額を山形県に返還している。
(2) 原告らは,協議会等の後に開催された懇親会への参加費に関する別紙3及び別紙4記載の各支出が目的外支出に当たる旨主張する。しかし,調査研究費として支出することが認められる,「他者が主催する会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費」の該当基準は,本件手引によれば,①公職選挙法の制限に抵触しないこと,②議員が行う政務調査活動として参加するものであること(議員側の目的の条件),③当該懇談会が政務調査活動としての会議と一体性があること,④主催者の開催目的が意見交換等であること(主催側の目的の条件),⑤実質的にも意見交換等が行われた場合であること(政務調査活動の実態があることの条件),⑥自己負担分であること及び⑦目安として5000円程度であることの各要件から判断されるところ,原告らが違法である旨主張する各支出は,いずれも全部の要件を満たすのであって,本件使途基準に適合する。原告らは,会議と懇談会の主催者の同一性や,会議と懇談会の場所の同一性を欠くことをもって,上記各支出が目的外支出であると主張するが,そもそもこれらは,本件手引において,政務調査費の充当が認められるか否かの条件とはされていない。
懇談会の主催者及び参加議員が意見交換を目的としており,実際にも政務調査活動が行われているのであれば,議員が懇談会参加費に調査研究費として政務調査費を充当することは認められてしかるべきであり,このことは,懇談会に県職員が私費で参加しているか否かには左右されない。飲食を伴う懇談会の席において,公開の会議の場で発言することが難しいような内容について,県の担当者と直接リアルな話をすることは,議員の調査研究活動として理解できるものである。
(3) また,別紙5記載の各支出は,いずれも政務調査活動に関するものというべきであり,本件使途基準に適合しないものとはいえない。各支出ごとの被告の主張は,同別紙の「被告側の反論」欄記載のとおりである。
(4) さらに,原告らは,A3議員が,別紙6の支出番号D1(1),(5)ないし(17)のとおり,参議院議員会館における意見交換のための交通費や宿泊費を政務調査費から支出したことについて,A5議員の慌ただしい状況の中で意見交換したとは考えられない,2日間にわたって意見交換する必要性は認められないなどと論難するが,慌ただしい状況だからこそ,参議院議員会館内だけでなくA5議員の状況や帰県の際に同行することで意見交換時間を確保したり,そのために前泊や当日泊することもあったのである。また,原告らは,意見交換のテーマについても,国の担当職員や専門家の同席の形跡がない,A5議員がそのテーマに精通しているとはうかがわれないなどと論難するが,A3議員がA5議員から例えば国政に関する関係資料を示され補足説明を受けることで,県政に有益な情報収集をし得るのであって,国の担当職員や専門家が同席したかどうかなどは関係がない。A5議員が意見交換のテーマに関して精通しているか否かの評価は別として,現に,A3議員は,意見交換のテーマについて県政運営のために極めて有益な情報交換を行っている。
そのほか,別紙6記載の各支出ごとの違法事由の主張は,同別紙の「被告側の反論」欄記載のとおりである。
(5) そして,原告らが違法である旨主張するA4議員の政務調査費の支出についても,本件使途基準に適合しないものであるとはいえない。各支出ごとの被告の主張の詳細は,別紙7及び別紙8の「被告側の反論」欄記載のとおりである。
なお,本件条例及び本件手引によれば,自家用車の利用による交通費のような,「領収証その他の証拠書類による当該支出の証明が困難な場合」には,議員作成の支払証明書を添付すれば足りるとされているのであって,燃料費についての受領書などの支払証明がないとしても,これに政務調査費を充当することが違法となるものではない。
第3  当裁判所の判断
1  総論
(1)  地方自治法100条14項,15項の規定による政務調査費の制度は,地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行により,地方公共団体の自己決定権や自己責任が拡大し,その議会の担う役割がますます重要なものとなってきていることに鑑み,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである(最高裁平成17年11月10日第一小法廷決定・民集59巻9号2503頁参照)。
そして,地方自治法100条14項は,政務調査費を「議員の調査研究に資するため必要な経費」の一部として交付する旨を規定するにとどまり,政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めることとしているが,これは,各地方自治体の実情に応じた運用を図るべく,条例等にその具体化を委ねることとしたものと解される。
そうすると,政務調査費に係る支出の適否は,上記地方自治法の趣旨に反しない限り,各地方公共団体における条例等の定めるところに従うべきであり,条例等における使途に係る定めが上記地方自治法の趣旨に則って定められているときには,それらの定めに基づいて上記適否を判断するのが相当であるというべきである。
(2)  前提事実(4)のとおり,本件条例9条は,政務調査費の使途の科目を定めるとともに,その科目の基準を議長が定めるものとしており,同委任を受けて,議長は,本件施行規程によって本件使途基準を定めているのであって,その内容は,地方自治法100条14項にいう「議員の調査研究に資するため必要な経費」を具体化したものであって,地方自治法の趣旨に反するものではないというべきであるから,本件政務調査費の支出の適否の判断は,各支出が本件使途基準に合致するか否かを基準に判断するのが相当である。
そして,本件取扱要領及び本件手引は,法規範性を有するものではないが,本件取扱要領は,本件施行規程と同様,本件条例の施行に関し必要な事項を定めるものとして制定され,本件運用目安を定めているものであるし,山形県議会の作成した本件手引は,本件条例,本件施行規程及び本件取扱要領をまとめたものとして,政務調査費の支出はこれに従って運用されていたというのであって,いずれも,本件使途基準の趣旨や具体的内容を推知させるものとして,具体的支出の本件使途基準への適合性判断に当たって参考にされるべきものであると解される。
(3)  そして,本件使途基準は,調査研究費につき「県の事務及び地方行財政に関し会派又は議員が行う調査研究並びに調査委託に要する経費」と定めており,調査研究又は調査委託の必要性をその要件としているから,調査研究又は調査委託のための必要性が認められない支出は,本件使途基準に合致しないものとして違法になるというべきである。
議員の調査研究活動は県政全般に及び,その調査研究の対象,方法も広範かつ多岐にわたるものであり,調査研究活動の手段方法及び内容の選択に当たっては,議員の自主性及び自律性を尊重すべき要請も存在することから,いかなる手段方法によりいかなる調査研究活動を行うかは,議員の広範な裁量的判断に委ねられている側面があることは否定できないが,その裁量にはおのずから一定の限界があるというべきであり,当該支出に係る個別の事実から調査研究活動と県政との関連性を慎重に検討した結果,同支出に係る議員の判断に合理性があるということができない場合には,同支出につき調査研究のための必要性を認めることができず,本件使途基準に合致しないものとして違法になるものと解するのが相当である。
2  各論
(1)  協議会等に引き続いて開催された懇親会の会費等を政務調査費から支出すること(原告らがA類型及びB類型とする各支出)が本件使途基準に適合しないか否かについて
ア 原告らは,別紙3及び別紙4の「議員氏名」欄記載の者が,それぞれ,同各別紙の「支出年月日」,「支出額」,「支出相手先」及び「支出内容」各欄記載の名目で,協議会等に引き続いて開催された懇親会の会費等を政務調査費から支出したことが本件使途基準に適合せず違法である旨主張する。
前提事実(4)のとおり,本件手引は,他者が主催する研修会や会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出するための要件として,公職選挙法の制限に抵触しないこと,同懇談会が政務調査活動としての研修会との一体性があること,主催者の開催目的が意見交換等であること,同懇談会の内容が講師や他の参加者との情報交換や意見交換を伴うなど社会通念上妥当なものであると認められる場合であることを挙げ,政務調査費の支出の範囲については,自己負担分(会費等)のうち社会通念上妥当な範囲(目安として5000円程度)としており,議会における政務調査費の運用は,これに従って行われていたものであるところ,飲食を伴う会合や飲食費が一律に県政の調査研究と関連性がないとか,県政の調査研究のための費用として必要性及び合理性を欠いているとはいえず,本件手引における上記要件が地方自治法,本件条例,本件使途基準の趣旨に反するものと認めるべき事情もないから,他者が主催する研修会に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出することが本件使途基準に適合するか否かは,本件手引における上記要件に沿って検討すべきである。
なお,原告らは,懇談会が政務調査活動としての研修会との一体であるためには,主催者及び場所が同一であることを要する旨主張するが,そのように解すべき根拠は直ちには見いだし難い。
また,政務調査費の支出が本件使途基準に適合するか否かは,飽くまで調査研究又は調査委託のための必要性があるか否かによって決すべきであって,懇談会に参加した議員以外の者が私費で参加していたことをもって,上記必要性がないと直ちにいうことはできない。
イ 支出番号A1ないし6(置賜地域議員協議会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙144の1~144の3,317,318,319の1~319の7,363,374)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A7議員,A8議員,A9議員,A10議員,A11議員及びA12議員は,平成21年11月17日午後1時から開催された置賜地域議員協議会及び同日午後5時45分から開催された懇親会に出席して懇親会費6000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記協議会は置賜総合支庁本庁舎講堂において開催されたほか,財団法人山形県産業技術振興機構有機エレクトロニクス研究所や東北中央自動車道栗子トンネル工事現場の現地視察も行われた。上記懇親会は,米沢市内に在る割烹「志ん柳」において開催された。
b 上記協議会は,議会が総合支庁ごとに定期的に開催している協議会の一つであり,県内各地域における行政課題や施策展開について調査,審議を行うことを目的として開催された。
なお,議長は,平成21年10月16日,置賜総合支庁に対し,上記協議会を開催する旨通知し,置賜総合支庁長及び次長級,課長級の職員の出席を求めるとともに,会場の使用及び設営,協議会の運営,傍聴の対応等の協力を依頼した。議員に対する上記懇親会の案内の通知は,置賜総合支庁が同月30日に発しており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 議長から上記協議会への出席を求められた置賜総合支庁の職員(前記b参照)は,その多くがその後の懇親会にも参加した。
(イ) 上記協議会及び現地視察が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,置賜総合支庁の主催した上記懇親会は,開催主体は異なるものの,議長から置賜総合支庁への協力依頼の下に実施された上記協議会及び現地視察に引き続いて行われたものであり,上記懇親会の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,議員のみならず主催者側である置賜総合支庁の職員の多くが引き続き上記懇親会に参加していることにも照らすと,上記懇親会と上記協議会との一体性を認めることができるほか,主催者の上記懇親会の開催目的も意見交換等であると認められる。
また,被告が提出した報告書及びその添付書面を見ると,上記懇親会における意見交換のテーマは具体的かつ多岐にわたっており,上記懇親会において実際に意見交換が行われたものと認められる。そして,上記各議員が支出した政務調査費の金額も,本件手引の要件の範囲内にとどまっており,不相当に高額であるとはいえない。なお,上記懇親会の会費につき,公職選挙法に抵触するとか,費用弁償がされたなどの事情は認められない。
そうすると,支出番号A1ないし6の政務調査費の支出は,本件手引の要件を全て満たし,本件使途基準に適合しないとはいえないから,違法ではない。
ウ 支出番号B1(1)ないし(8)(置賜総合支庁意見交換会後の懇親会の会費及び帰りの運転代行料)
(ア) 証拠(乙145の1~145の3,320,364)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A7議員,A13議員,A8議員,A9議員,A10議員,A14議員及びA12議員は,平成21年5月8日午後3時30分から開催された置賜総合支庁意見交換会及び同日午後5時30分から開催された懇親会に出席して懇親会費6000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出したほか,A7議員は,自宅までの運転代行代4300円を政務調査費から支出した。
なお,上記意見交換会は,米沢市内に在る割烹「志ん柳」会議室において開催され,懇親会は,「志ん柳」内の別の部屋で開催された。
b 上記意見交換会は,置賜総合支庁管内での公共事業等の円滑な執行を図るため,住民代表である置賜地域から選出された議員に対し,当初予算の概要,公共事業等の箇所付け及び国の施策等に対する提案,要望の策定について情報提供し,意見交換することを目的に開催された。
なお,議員に対する上記意見交換会及び上記懇親会の案内の通知は,いずれも置賜総合支庁が,平成21年4月17日に発しており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記議員7名のほか,置賜総合支庁長を始めとする置賜総合支庁職員14名,同支庁事務局2名は,上記意見交換会及びその後の上記懇親会のいずれにも出席しており,他の事務局1名のみが,上記意見交換会にのみ出席した。
(イ) 上記意見交換会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の上記懇親会は,上記意見交換会の案内と同日に案内が発せられているほか,上記懇親会の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,議員のみならず主催者側である置賜総合支庁の職員がほぼ全員上記意見交換会に引き続き参加していることに照らすと,上記懇親会と上記意見交換会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
また,被告が提出した報告書及びその添付書面を見ると,上記懇親会における意見交換のテーマは具体的かつ多岐にわたっており,上記懇親会において実際に意見交換が行われたものと認められる。そして,上記各議員が懇親会費として支出した政務調査費の金額も,本件手引の要件の範囲内にとどまっており,不相当に高額であるとはいえない。なお,上記懇親会の会費につき,公職選挙法に抵触するとの事情は認められない。
一方,A7議員の支出した運転代行代については,特段の事情のない限り,社会通念上,市政に関する調査研究に資する支出ということはできないものと解すべきところ,そのような特段の事情は主張立証されていない。
そうすると,懇親会費の支出(支出番号B1(1),(3)ないし(8))は,本件手引の要件を全て満たし,本件使途基準に適合しないとはいえないから違法ではないが,運転代行代(支出番号B1(2))については,本件使途基準に適合しない違法な支出と認めるのが相当である。
エ 支出番号B2(1)ないし(7)(置賜総合支庁行政懇談会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙146の1~146の3,365)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A7議員,A13議員,A8議員,A9議員,A10議員,A11議員及びA12議員は,平成21年5月20日午後4時から開催された置賜総合支庁行政懇談会及び同日午後6時から開催された懇親会に出席して懇親会費6000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記行政懇談会は,置賜総合庁舎本庁舎2階講堂において開催され,上記懇親会は,米沢市内に在る割烹「志ん柳」において開催された。
b 上記行政懇談会は,置賜地域行政連絡協議会が,地域行政の総合的な実施と円滑な処理を促進させるため,住民代表である置賜選出議員に対して,置賜管内の各公所(署)における主要事業,課題等について情報提供し,意見交換を行うことを目的に開催された。
なお,議員に対する上記行政懇談会及び上記懇親会の案内の通知は,いずれも置賜総合支庁が,平成21年4月30日に発しており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記行政懇談会には,議員のほか,置賜総合支庁長,各部長,地域振興監,医療監,置賜地域各公所(署)長等18名,置賜総合支庁の事務局3名が出席し,その後の上記懇親会には,事務局1名を除く全員が出席した。
(イ) 上記行政懇談会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の上記懇親会は,上記行政懇談会の案内と同日に案内が発せられているほか,上記懇親会の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記行政懇談会の参加者がほぼ全員出席していることに照らすと,上記懇親会と上記行政懇談会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
また,被告が提出した報告書及びその添付書面を見ると,上記懇親会における意見交換のテーマは具体的かつ多岐にわたっており,上記懇親会において実際に意見交換が行われたものと認められる。そして,上記各議員が上記懇親会の会費として支出した政務調査費の金額も,本件手引の要件の範囲内にとどまっており,不相当に高額であるとはいえない。なお,上記懇親会の会費につき,公職選挙法に抵触するとの事情は認められない。
そうすると,支出番号B2(1)ないし(7)の各支出は,本件手引の要件を全て満たし,本件使途基準に適合しないとはいえないから,違法ではない。
オ 支出番号B3(1)ないし(6)(置賜地域行政懇談会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙147の1,147の2,321の1~321の8,322,323,366)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A7議員,A13議員,A8議員,A9議員,A14議員及びA12議員は,平成21年11月20日午後3時から開催された講演会(演題は「山形経済の現状と今後」),同日午後4時から開催された置賜地域行政懇談会及び同日午後5時30分から開催された懇親会に出席し,懇親会費5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記講演会及び上記行政懇談会は,長井市内に在るタスパークホテルの一室「コンベンションホールⅡ」において開催され,上記懇親会は,同ホテルの別室「アゼリア」において開催された。
b 上記行政懇談会は,置賜総合開発協議会(事務局は米沢市)が主催し,置賜地域の各市町が今後の置賜地域の発展に向けた共通課題を持ち寄り,置賜地域選出議員や置賜総合支庁の助言を得ながら,参加者全体で対応策等について論議することを目的に開催されているものであり,上記行政懇談会の際には,当面する行政課題と今後の対応をテーマに,景気・雇用対策,有機EL産業に関する今後の施策展開,農山村景観の保全と産業の再生,高速・高規格道路ネットワークの整備促進,フラワー長井線に対する支援といった議題での懇談が行われた。
なお,議員に対する上記講演会,上記行政懇談会及び上記懇親会の案内の通知は,平成21年10月2日付けの同一の文書によって行われており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記行政懇談会には,議員のほか,置賜地域の各市町長や市町議会議長,置賜総合支庁長を始めとする支庁幹部職員が参加し,上記懇親会には,議員1名を除く全員のほか,講演会の講師が参加した。
(イ) 上記行政懇談会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の上記懇親会は,上記懇親会の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記行政懇談会の参加者が,議員のみならず主催者側である置賜総合支庁の職員もほぼ全員出席していることに照らすと,上記懇親会と上記行政懇談会の一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
また,被告が提出した報告書及びその添付書面を見ると,懇親会においては景気・雇用対策や,有機EL産業に関する今後の施策展開,農山村景観の保全と産業の再生を中心に意見交換を行ったとされており,上記行政懇談会との話題の連続性が見られるのであって,上記懇親会に上記講演会の講師が参加していることも踏まえれば,上記懇親会において実際に意見交換が行われたものと認められる。そして,上記各議員が上記懇親会の会費として支出した政務調査費の金額も,本件手引の要件の範囲内にとどまっており,不相当に高額であるとはいえない。なお,上記懇親会の会費につき,公職選挙法に抵触するとの事情は認められない。
そうすると,支出番号B3(1)ないし(6)の支出は,本件手引の要件を全て満たし,本件使途基準に適合しないとはいえないから,違法ではない。
カ 支出番号B4(1)ないし(4)(最上総合支庁県政懇談会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙148の1,148の2,276,277,367)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A15議員,A16議員,A17議員及びA6議員は,平成21年4月24日午後3時から開催された最上総合支庁県政懇談会及び同日午後5時30分から開催された「顔合わせ会」に出席し,「顔合わせ会」の会費7000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。ただし,A6議員は,後に,同額を自主返納した。
なお,上記県政懇談会は,最上総合支庁2階特別会議室において開催され,「顔合わせ会」は,新庄市内に在る割烹「つたや本店」において開催された。
b 上記県政懇談会は,最上総合支庁,最上教育事務所,農業大学校の3者と最上地域選出議員との間で,年度当初に,最上管内の県所管部経由予算や国の施策等に対する提案,要望等について意見交換し,事業の効果的執行を図ることを目的に開催された。
なお,議員に対する上記県政懇談会及び「顔合わせ会」の案内の通知は,平成21年4月15日付けの同一の文書によって行われており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記県政懇談会には,上記の議員4名のほか,最上総合支庁長,各部部長,医療監,教育事務所長,県立農業大学校長,各課課長,総務課副主幹,予算主査が参加し,「顔合わせ会」にもその大半が参加した。
(イ) 上記県政懇談会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の「顔合わせ会」は,年度初めの懇親会としての位置付けであると解されるところ,「顔合わせ会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記県政懇談会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である最上総合支庁の職員もその大半が「顔合わせ会」に出席していることに照らすと,「顔合わせ会」と上記県政懇談会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告から提出された報告書(乙367)には,「顔合わせ会」においては,「平成21年度予算と平成22年度国の施策等に対する要望を中心に・・・より個別具体的な意見交換が行われた」,「平成21年度の公共事業予算の・・・具体的な事業箇所を提示しながら,より踏み込んだ意見交換が行われた」などと記載されているにすぎず,「顔合わせ会」において酒食が提供されていたことも踏まえると,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B4(1)ないし(3)の支出は,本件手引の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。これに対し,A6議員の支出(支出番号B4(4))については,既に自主返納がされている以上,原告らの主張は理由がない。
キ 支出番号B5(1)ないし(4)(最上総合支庁の平成22年度当初予算案説明会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙149の1,149の2,276,277,368,375)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A15議員,A16議員,A17議員及びA6議員は,平成22年2月17日午後3時から開催された最上総合支庁の平成22年度当初予算案説明会及び同日午後5時30分から開催された「懇談会」に出席して「懇談会」の会費7000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。ただし,A6議員は,後に,同額を自主返納した。
なお,上記説明会は,最上総合支庁2階特別会議室において開催され,「懇談会」は,新庄市内に在る割烹「とりや」において開催された。
b 上記説明会は,県の平成22年度当初予算内示を受け,最上総合支庁が所管の平成22年度当初予算案の概要を最上地域選出議員に説明し,意見交換を行いながら,平成22年度事業の効果的執行を図ることを目的に開催された。
なお,議員に対する上記説明会及び「懇談会」の案内の通知は,いずれも最上総合支庁が,平成22年1月29日に発しており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記説明会には,上記議員4名のほか,最上総合支庁長,各部部長,医療監,各課課長,総務課副主幹,総務課予算主査が参加し,総務課予算主査を除く全員が「懇談会」に参加した。
(イ) 上記説明会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の「懇談会」は,説明会の案内と同日に案内が発せられているほか,「懇談会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記説明会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である最上総合支庁の職員もほぼ全員が「懇談会」に出席していることに照らすと,「懇談会」と上記説明会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告が提出した報告書(乙368)には,「懇談会」においては,「出席当事者間で平成22年度予算の内容について引き続き意見交換が行われ,市町村との役割分担や雇用対策等について,より個別具体的な意見交換が行われた」,「具体的な事業についてより踏み込んだ意見交換が行われた」などと記載されているにすぎず,「懇談会」において酒食が提供されていたことも踏まえると,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B5(1)ないし(3)の支出は,本件手引の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。これに対し,A6議員の支出(支出番号B5(4))については,既に自主返納がされている以上,原告らの主張は理由がない。
ク 支出番号B6(1)ないし(3)(西村山地域政策意見交換会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙150の1~150の3,369)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A18議員及びA19議員は,平成21年4月24日午後3時から開催された西村山地域政策意見交換会及び同日午後5時30分から開催された「懇談会」に参加して「懇談会」の会費6000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。また,A20議員は,「懇談会」にのみ参加して「懇談会」の会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出した。
なお,上記意見交換会は,村山総合支庁西庁舎西棟301会議室において開催され,「懇談会」は,寒河江市内に在る割烹旅館「叶屋」において開催された。
b 上記意見交換会は,村山総合支庁が年度当初に,村山総合支庁の運営方針及び当初予算等に関して,管内選出議員と意見交換し,効果的執行を図ることを目的に,支所ごとに開催しているものの一つであった。
なお,議員への上記意見交換会及び「懇談会」の案内の通知は,平成21年3月27日付けの同一の文書によって行われており,同通知においては議員が「懇談会」へ参加することが求められていた。
c 上記意見交換会には,議員のほか,村山総合支庁の職員19名及び事務局1名が参加し,そのうち議員,職員11名及び事務局1名が「懇談会」にも参加した。
(イ) 上記意見交換会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の「懇談会」は,意見交換会と同一の文書により案内が行われているほか,「懇談会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記意見交換会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である村山総合支庁の職員もその大半が「懇談会」に出席していることに照らすと,「懇談会」と上記意見交換会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告が提出した報告書及びその添付書面には,上記意見交換会の内容を前提に,「具体的な事業についてより踏み込んだ意見交換が行われ」たと記載されているものの(乙369),具体的な意見交換項目としては,「基幹ネットワーク,1人1台パソコンなど県の情報化について」,「さくらんぼの生育状況について」と記載されているにすぎず(乙150の3),「懇談会」において酒食が提供されていたことも踏まえると,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B6(1)ないし(3)の支出は,本件手引の記載の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
ケ 支出番号B7(1)ないし(3)(村山総合支庁西庁舎所管事業等説明会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙151の1~151の3,370)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A18議員,A20議員及びA19議員は,平成21年5月28日午後4時過ぎから開催された村山総合支庁西庁舎所管事業等説明会及び同日午後6時から開催された「懇談会」に出席し,「懇談会」の会費6000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記説明会は,村山総合支庁西庁舎西棟301会議室において開催され,「懇談会」は,寒河江市内に在る「割烹旅館 吉本」において開催された。
b 上記説明会は,村山総合支庁西庁舎の所管事業等について,西村山選出議員と意見交換し,事業の効果的執行を図ることを目的に開催された。
なお,議員に対する上記説明会及び「懇談会」の案内の通知は,平成21年4月30日付けの同一の書面により行われており,同通知において議員が「懇談会」へ参加することが求められていた。
c 上記説明会には,上記議員3名を含む議員4名のほか,村山総合支庁の職員15名が出席し,その全員が「懇親会」にも出席した。
(イ) 上記説明会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の「懇談会」は,意見交換会と同一の文書により案内が行われているほか,「懇談会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記説明会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である村山総合支庁の職員も全員「懇談会」に出席していることに照らすと,「懇談会」と上記説明会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告の提出した報告書及びその添付書面には,上記説明会の内容を前提に,「具体的な事業について・・・踏み込んだ意見交換が行われ」たと記載されているものの(乙370),具体的な意見交換項目としては,「国道112号線と寒河江村山線の交差点改良について」などと記載されているにすぎず,「懇談会」において酒食が提供されていたことも踏まえると,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B7(1)ないし(3)の支出は,本件手引の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
コ 支出番号B8(1)ないし(3)(北村山地域政策懇談会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙152の1,152の2,371)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A21議員,A22議員及びA23議員は,平成21年4月20日午後3時から開催された北村山地域政策懇談会及び同日午後5時30分から開催された「懇談会」に出席し,「懇談会」の会費7000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記政策懇談会は,村山総合支庁北庁舎204会議室において開催され,「懇談会」は,東根市内に在る割烹「多茂登」において開催された。
b 上記政策懇談会は,村山総合支庁が年度当初に,村山総合支庁の運営方針及び当初予算等に関して,管内選出議員と意見交換し,効果的執行を図ることを目的に,支所ごとに開催しているものの一つであった。
なお,議員に対する上記政策懇談会及び「懇談会」の案内の通知は,平成21年3月27日付けの同一の書面により行われており,同通知において議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記政策懇談会には,上記議員3名を含む議員4名のほか,村山総合支庁の職員18名及び事務局1名が参加し,そのうち議員,職員11名及び事務局1名が「懇談会」にも参加した。
(イ) 上記政策懇談会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。また,その後の「懇談会」は,上記政策懇談会と同一の文書により案内されているほか,「懇談会」の案内の通知書において議員が参加することが求められていたことや,上記政策懇談会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である村山総合支庁の職員もその大半が「懇談会」に出席していることに照らすと,「懇談会」と上記政策懇談会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
また,被告が提出した報告書及びその添付書面を見ると,懇親会における意見交換のテーマは具体的かつ多岐にわたっているのであって,「懇談会」において実際に意見交換が行われたものと認められる。そして,上記各議員が支出した政務調査費の金額も,本件手引の要件の範囲内にとどまっており,不相当に高額であるとはいえない。なお,「懇談会」の会費につき,公職選挙法に抵触するとの事情は認められない。
そうすると,支出番号B8(1)ないし(3)の支出は,本件手引の要件を全て満たし,本件使途基準に適合しないとはいえないから,違法ではない。
サ 支出番号B9(1)ないし(3)(北村山管内主要事業説明会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙153の1~153の3,372)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A21議員,A22議員及びA23議員は,平成21年5月21日午後3時から開催された北村山管内主要事業説明会及び同日午後5時30分から開催された「懇談会」に出席し,「懇談会」の会費7000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記説明会は,村山総合支庁北庁舎204会議室において開催され,「懇談会」は,東根市内に在る温泉旅館「石亭 小松」において開催された。
b 上記説明会は,村山総合支庁北庁舎の所管事業等について,北村山選出議員と意見交換し,事業の効果的執行を図ることを目的として開催された。
なお,議員に対する上記説明会及び「懇談会」の案内の通知は,平成21年4月に同一の文書によって行われており,同通知において議員が「懇談会」へ参加することが求められていた。
c 上記説明会及び「懇談会」の両方に参加したのは,上記3名の議員及び村山総合支庁の職員10名であり,上記説明会にのみ参加したのは同支庁の職員1名のみである。
(イ) 上記説明会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。その後の「懇談会」については,説明会と同一の文書によって案内が行われているほか,「懇談会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記説明会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である村山総合支庁の職員もほぼ全員「懇談会」に出席していることに照らすと,「懇談会」と上記説明会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告が提出した報告書及びその添付書面によれば,上記説明会の内容を前提に,「具体的な事業についてより踏み込んだ意見交換が行われ」たと記載されているものの(乙372),具体的な意見交換項目としては,「共同除雪について」,「道路・河川の整備状況について」,「追加インターチェンジの進捗状況について」などと記載さているにすぎず(乙153の3),「懇談会」が温泉旅館で開催されていることも踏まえると,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B9(1)ないし(3)の支出は,本件手引の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
シ 支出番号B10(1)ないし(4)(東南村山地域政策意見交換会後の懇親会の会費)
(ア) 証拠(乙154の1~154の3,373,376)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
a A24議員,A25議員,A26議員及びA27議員は,平成21年4月23日午後3時から開催された東南村山地域政策意見交換会及び同日午後5時30分から開催された「懇談会」に出席して「懇談会」の会費9000円をそれぞれ支払い,そのうち5000円をそれぞれ政務調査費から支出した。
なお,上記意見交換会は,村山総合支庁本庁舎2階講堂において開催され,「懇談会」は,山形市内に在るホテルキャッスルにおいて開催された。
b 上記意見交換会は,村山総合支庁が年度当初に,村山総合支庁の運営方針及び当初予算等に関して,管内選出議員と意見交換し,効果的執行を図ることを目的に,支所ごとに開催しているものの一つであった。
なお,議員に対する上記意見交換会及び「懇談会」の案内の通知は,平成21年3月27日付けの同一の文書によって行われており,同通知においては議員が懇親会へ参加することが求められていた。
c 上記意見交換会には,前記aの4名の議員を含む議員12名のほか,総合支庁長を始めとする村山総合支庁の職員34名や同支庁の事務局1名が参加した。その後の懇親会には,前記aの4名を含む議員11名のほか,総合支庁長を始めとする村山総合支庁の職員13名や同支庁の事務局1名が参加した。
(イ) 上記意見交換会が,その性質上,県政との関連性を有することは明らかである。その後の「懇談会」については,上記意見交換会と同一の文書によって案内が行われているほか,「懇談会」の案内の通知において議員が参加することが求められていたことや,上記意見交換会の参加者のうち,議員のみならず主催者側である村山総合支庁の職員も少なからず引き続き「懇談会」に参加していることに照らすと,「懇談会」と上記意見交換会との一体性を認めることができるほか,主催者の開催目的も意見交換等であると認められる。
しかしながら,被告が提出した報告書及びその添付書面には,上記説明会の内容を前提に,「具体的な事業についてより踏み込んだ意見交換が行われ」たものとされているものの(乙373),具体的な意見交換項目としては,「メタボ対策について」,「アメリカ視察の概要について」,「紅花の振興について」,「青柳インター整備の進め方について」と記載されているにすぎず,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきである。そのほか,議員の調査研究に資する意見交換等が現に行われたなどの事情についての立証はない。
そうすると,支出番号B10(1)ないし(4)の支出は,本件手引の要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
(2)  その他各議員ごとの政務調査費の支出(原告らがC類型,D類型として問題とする各支出)が本件使途基準に適合しないか否かについて
ア A28議員(支出番号C1(東北ブロックインディアカ協議会に参加した際の宿泊費))
証拠(乙5,339)及び弁論の全趣旨によれば,A28議員は,東北ブロックインディアカ協議会に参加するため,平成21年9月6日,盛岡市内に在るホテルメトロポリタン盛岡に宿泊し,宿泊費1万0395円を政務調査費から支出したこと,上記協議会は,東北六県のインディアカ協会関係者が参加するものであり,国民のスポーツ(インディアカ)を通しての健康増進,生涯スポーツを通した若年層から高齢者までの活き活きとしたライフスタイルの確立の推進のために組織されたものであること,A28議員は,議員就任前の平成16年4月以降,山形県インディアカ協会の会長を務めていることが認められる。
上記協議会が,山形県インディアカ協会の理事会,役員会や総会と同様の性質を有するものとまでは認められず,上記宿泊費が,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として例示されている「議員が他の団体の役職を兼ねていて,その団体の理事会,役員会や総会の出席経費」に直ちに当たるということはできない。また,上記協議会が組織された目的に照らすと,山形県を含む東北地方における住民の健康増進や高齢化対策に関連するものといえるのであって,その目的自体が政務調査の目的に合致しないものということはできない。そして,被告が提出した報告書及びA28議員の陳述書によれば,上記協議会においては,介護予防の観点から老人クラブ連合会や社会福祉協議会との連携について議論が行われたとされているところ,その説明に,意見交換の実態がなかったと疑わせるような不合理な点は認められないし,そのほか,政務調査が主目的でなかったとも疑われない。そうすると,東北ブロックインディアカ協議会への参加及びこれに要する費用については,県政との関連を認めることができる。そして,上記ホテルの所在地からうかがわれる上記協議会の開催地と山形県との距離からすれば,宿泊の必要性がなかったとまではいえないところ,宿泊費の金額も,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるということはできない。したがって,上記宿泊費を政務調査費から支出することが本件使途基準に適合しないものとはいえない。
イ A18議員
(ア) 支出番号C2(1)(寒河江市市民新春祝賀会に参加した際の会費)
証拠(乙6,327の1)及び弁論の全趣旨によれば,A18議員は,寒河江市が主催する市民新春祝賀会において新年の挨拶をするよう依頼され,平成22年1月4日に同祝賀会に参加したこと,平成21年11月24日に同祝賀会への前払の参加費1500円を政務調査費から支出したこと,同祝賀会には,寒河江市長や市幹部職員,国会議員のほか,商工会等の各種団体や市内企業代表など約400名が参加したことが認められる。
上記新春祝賀会は,その会合の名称や,参加費が徴収されていることからすれば,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であるから,上記参加費の支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきところ,被告が提出した報告書及びA18議員の陳述書によれば,企業の代表とそれぞれの職種の景気動向や情勢について意見交換を行ったほか,各種団体と街づくりや市政発展に関わる活動方針などについて意見交換を行ったとされているが,これを裏付ける客観的な証拠はない。したがって,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると判断するのが相当である。
(イ) 支出番号C2(2)(山形県土地改良事業団体連合会西村山支部総会に参加した際の会費)
証拠(乙7,327の2)及び弁論の全趣旨によれば,A18議員は,平成22年2月24日,朝日町農協会館で行われた山形県土地改良事業団体連合会西村山支部総会に来賓として出席し,総会における懇親会費5000円を政務調査費から支出したこと,同連合会は,農業の円滑な運営,水利施設の管理,農地の集約など,農業発展のため設立された組織であること,A18議員は,同連合会には加入していないことが認められる。
上記連合会の設立目的からすれば,その総会への参加自体が政務調査活動に当たらないものと即断することはできない。また,上記支出は総会における懇親会費に係るものであり,総会との一体性は明らかである。さらに,被告が提出した報告書及びA18議員の陳述書によれば,寒河江市の行う農地集約のモデル事業の進捗状況等についての意見交換を行ったほか,山形県の農村整備課の管内事業の取り組み状況を聴取したとされているところ,上記連合会の設立目的にも照らすと,その説明は合理的なものというべきであるから,総会における意見交換が行われたものと認められる。
そうすると,懇親会費の支出が交際費としての支出の側面が大きいということはできない。そのほか,上記支出金額も不相当に高額であるということはできない。したがって,上記懇親会費を政務調査費から支出することが本件使途基準に適合しないものとはいえない。
ウ A29議員(支出番号C3(社団法人山形県高齢者福祉支援協会の年会費))
証拠(乙8,340)及び弁論の全趣旨によれば,A29議員は,平成22年1月23日,社団法人山形県高齢者福祉支援協会の年会費6000円を政務調査費から支出したこと,同協会は,介護の社会化及び介護保険制度の講演を中心に活動する団体であり,平成21年度にも実際に「介護保険制度と介護現場が抱える問題について」,「山形県の教育と福祉について」などの演題により複数回の講演を実施したこと,A29議員は,山形市議会議員在任中の平成12年4月頃に同協会に加入したことが認められる。
上記協会の設立目的,活動内容及びA29議員の加入時期に照らすと,A29議員は,介護問題に関して情報を得る目的で,地方自治体の議会の議員としての活動の一環で上記協会に加入したものと認められるのであって,個人の立場で加入したものとはいえない。また,上記協会の活動総体が政務調査目的と一致していないともいえないから,上記政務調査費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないとはうかがわれない。そうすると,上記支出が本件使途基準に適合しないものとはいえない。
エ A30議員
(ア) 支出番号C4(1)(株式会社平田牧場の新年会の会費)
証拠(乙9,341の1)及び弁論の全趣旨によれば,A30議員は,株式会社平田牧場が平成22年1月13日に開催した新年会に参加して会費7000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,上記新年会には,食品関係の企業担当者や山形県及び庄内地区の自治体の職員等が参加したことが認められる。
上記新年会は,その名称からして,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきところ,被告は,経済の状況,展望,就職状況等についての意見交換を行った旨の報告書及びA30議員作成の陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(イ) 支出番号C4(2)(ボーイスカウト賛助会費)
証拠(乙10,341の2)及び弁論の全趣旨によれば,A30議員は,平成22年3月12日,山形第60団ボーイスカウトの賛助会費1万円を政務調査費から支出したこと,同ボーイスカウトは,鶴岡市藤島地域に組織された小中学生が中心の団体であり,A30議員がこれに加入したのは,議員就任後の平成20年であること,A30議員が同ボーイスカウトの役員に就任したことはないことが認められる。
そして,被告は,上記支出につき,自然保護や課外授業などの研修や青少年の地域活動状況を調査するとともに,青少年の教育施策について提言するために同ボーイスカウトに加入した旨のA30議員作成の陳述書を提出しているところ,この説明を見ても,A30議員が個人の立場で同ボーイスカウトに加入していることを疑わせるような不合理な点は特段見当たらない。そのほか,本件各証拠を総合しても,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないとはうかがわれないから,上記支出が本件使途基準に適合しないものとはいえない。
オ A31議員
(ア) 支出番号C5(1)(バスケットボール大会後の懇親会の会費)
証拠(乙11の1,11の2,342の1)及び弁論の全趣旨によれば,A31議員は,平成21年9月19日,天童市ミニバスケットボール連盟が開催したバスケットボール大会である「もみじカップ」に参加し,開会式時に選手への激励の言葉を述べたほか,終了後の懇親会に参加し,懇親会費5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記懇親会は,意見交換のために行われたのではなく,上記バスケットボール大会の慰労会として,飲食をし,親睦を図ることを目的として開催されたものであると解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきところ,被告は,大会役員や保護者と大会運営,山形県のスポーツ振興についての意見交換を行った旨の報告書及び陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(イ) 支出番号C5(2)(市政報告会会場から自宅までの運転代行代)
証拠(乙12,342の2)及び弁論の全趣旨によれば,A31議員は,平成21年9月27日に天童市ターミナルホテルにおいて開催された天童市議A32議員の市政報告会に出席した後,自宅まで運転代行を利用し,その代金2000円を政務調査費から支出したことが認められる。
運転代行は,通常,飲酒した後に自家用車の運転ができない場合に利用されるものであるから,運転代行代は,特段の事情のない限り,社会通念上,県政に関する調査研究に資する支出ということはできず,その全額を目的外支出というのが相当であるところ,被告は,市政,県政,市街地活性化等についての意見交換を行った旨の報告書及び陳述書を提出するのみであり,県政に関する調査研究に資する支出と見るべき特段の事情は認められない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
カ A24議員
(ア) 支出番号C6(1)(山辺町機械金属工業会通常総会会費)
証拠(乙13の1,13の2,343の1)及び弁論の全趣旨によれば,A24議員は,平成21年8月28日,山辺町機械金属工業会第34回通常総会及びその後に開催された懇親会に参加し,懇親会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記工業会は,山辺町の機械金属工業の振興発展を図るとともに受発注のシステム化を図る目的で設立された団体であり,同町内の機械金属加工製造業者16社で構成されていること,A24議員は,開催案内を受けたため上記総会に参加したことが認められる。
上記総会への出席自体が政務調査活動に当たらないものと直ちにいうことはできないが,上記懇親会は,上記総会と一体のものとして開催されたのかが不明であるばかりか,主催者の開催目的も不明というべきである。被告は,業者の代表者らから,機械工業業界の動向や受注状況の実情を聴き取るなどの政務調査活動を行った旨の陳述書又はA24議員作成の報告書を提出しているものの,これを裏付ける客観的な証拠はない。このように,上記支出は,本件手引が挙げている,他者が主催する研修会や会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出するための要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に反する違法な支出というべきである。
(イ) 支出番号C6(2)(社団法人日本機械学会の会費)
証拠(乙14,343の2)及び弁論の全趣旨によれば,A24議員は,平成21年12月24日,社団法人日本機械学会の会費9600円を政務調査費から支出したこと,同法人は,機械及び機械システムとその関連分野に関する学術の進歩発展を図る目的で設立されたこと,A24議員は,地方自治体の議会の議員に就任する前の昭和43年3月から平成14年8月まで機械製造会社に勤務しており,昭和43年には上記法人に加入していたことが認められる。
A24議員は,地方自治体の議員に就任する30年以上前から上記学会に加入しているのであって,その会費の支出は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として挙げられている「個人の立場で加入している団体に対する会費」に当たるものと解するのが自然であって,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるものというべきであるところ,被告は,上記学会に加入することで,山形県の産業振興の今後を考える上で有益な情報を得ることができる旨の報告書及びA24議員作成の陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
キ A7議員
(ア) 支出番号C7(1)(山形県警察官友の会の会費)
証拠(乙15,357の1)及び弁論の全趣旨によれば,A7議員は,平成21年7月10日,山形県警察官友の会の個人会員会費1万円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,警察官と県民との相互理解の促進と親睦を図ることを目的として活動している団体であり,①警察官及びその家族を対象とした激励,支援,②警察官又は警察関係諸機関が主催する講演会,講習会等のあっせん,③警察と県民との間の理解の増進と親睦を厚くするために必要な各種行事等を行っていること,A7議員は,議員就任後の平成19年5月に上記団体に加入したことが認められる。
上記団体の設立目的及び活動内容に照らすと,その活動総体が政務調査目的と一致しないとか,A7議員が個人の立場でこれに加入しているものとは認められない。そのほか,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものとはいえないから,上記支出が本件使途基準に反した違法なものであるとはいえない。
(イ) 支出番号C7(2)(自らの事務所までの自家用車利用代)
証拠(乙16,357の2)及び弁論の全趣旨によれば,A7議員は,平成21年8月6日,自宅から自らの事務所まで移動するために自家用車を利用したとして,その距離6キロメートル分の交通費相当額222円を政務調査費から支出したことが認められる。
議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認されるというべきであり,事務所までの交通費についても,調査研究活動に係る部分とそれ以外の活動に係る部分があるものと推認される。被告は,自動車関連諸税の暫定税率廃止による山形県への影響及び農業の担い手育成の諸施策についての資料の収集,整理作業を行ったと主張するが,上記推認を覆すに足りる立証はない。そうすると,上記交通費が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されていないものとして,上記事務所への交通費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。
ク A33議員
(ア) 支出番号C8(1)(山形県板金工業組合鶴岡支部の総会後に開催された意見交換会の会費)
証拠(乙17,328の1)及び弁論の全趣旨によれば,A33議員は,平成22年2月6日,山形県板金工業組合鶴岡支部の総会及びその後の意見交換会に参加し,意見交換会の会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記組合は,建設板金業の中小企業者の改善発達,公正な経済活動の機会の確保,加工技術の向上等を目的として設立された団体であり,上記総会には,鶴岡地区から選出された議員及び会員企業の代表取締役が参加したこと,これらの総会及び意見交換会は,毎年合わせて開催されていることが認められる。
上記組合の設立目的からすれば,その総会への参加は政務調査活動に当たるものと認められる。また,これに引き続いて行われた意見交換会も,総会及び意見交換会が毎年合わせて開催されていることに照らすと,総会と一体のものとして,意見交換を目的に開催されたものと認められる。そして,被告が提出した報告書及びA33議員作成の陳述書によれば,A33議員は,上記総会において山形県の住宅建設事業,リフォーム支援事業等の取組等について報告し,意見交換会においては,参加者から県の住宅リフォーム支援事業等についての具体的な意見を聴取したものとされているところ,その説明に,意見聴取の実態がなかったと疑わせるような不合理な点は認められないから,実際に意見交換が行われたものと認められる。また,会費の金額も不相当に高額であるということはできない。そうすると,意見交換会が飲食を伴うものであったとうかがわれることを踏まえても,上記支出は,本件手引が挙げている,他者が主催する研修会や会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出するための要件を全て満たすから,本件使途基準に適合しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C8(2)(県議会執務室までの自家用車利用代)
証拠(乙18,328の2)及び弁論の全趣旨によれば,A33議員は,平成21年4月6日,自宅から県議会執務室までの移動に自家用車を利用したとして,その距離200キロメートル分の交通費相当額7400円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書及びA33議員の陳述書によれば,A33議員は,鶴岡市七五三掛地区の地すべり問題に関して,県議会執務室において地すべりの現状と対策について,対策部署の担当者(県農林水産部農村整備課長)と意見交換を行った旨説明されているところ,その説明に,A33議員の上記活動が陳情活動であったとか,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことをうかがわせるような不合理な点は見当たらない。そうすると,上記支出が本件使途基準に反した違法なものであるとはいえない。
(ウ) 支出番号C8(3)(学童相撲大会への参加のための交通費)
証拠(乙19,328の3)及び弁論の全趣旨によれば,A33議員は,平成21年5月17日,鶴岡市小学校体育連盟が開催した学童相撲大会に参加するために自家用車を利用したとして,その距離20キロメートル分の交通費相当額740円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書及び陳述書を踏まえても,上記大会に参加することと県政との関連性は直ちに明らかではなく,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきところ,意見交換を行ったことを客観的に裏付ける証拠もない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
ケ A13議員
(ア) 支出番号9(1)(椎の実会の総会懇親会費)
証拠(乙20,344の1)及び弁論の全趣旨によれば,A13議員は,平成21年6月20日,米沢中央高等学校同窓会である椎の実会の総会及び懇親会に参加し,懇親会費5000円を政務調査費から支出したこと,A13議員は同高等学校の卒業生であることが認められる。
これらの事情を踏まえると,上記懇親会への参加は,県政との関連性が希薄であるといわざるを得ないから,被告から,理事長等との意見交換をした旨の報告書及び陳述書が提出されていることを踏まえても,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(イ) 支出番号C9(2)(モンテディオ山形09サンクスパーティー会費)
証拠(乙21,344の2)及び弁論の全趣旨によれば,A13議員は,平成21年12月15日,社団法人山形県スポーツ振興21世紀協会の開催した「モンテディオ山形2009サンクスパーティー」に参加して会費1万円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,同イベントは,県民のスポーツ意識向上とファンへの感謝のために開催されたものであること,A13議員は,県議会スポーツ振興議員連盟に所属していることが認められる。
上記パーティーは,その名称からして,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきところ,被告は,上記協会の理事長や上山市副市長,観光協会専務理事,選手との意見交換を行った旨の報告書及び陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
コ A15議員
(ア) 支出番号C10(1)(新庄商工会議所青年部の総会後に開催された懇談会の会費)
証拠(乙22,358の1)及び弁論の全趣旨によれば,A15議員は,平成21年5月22日,新庄商工会議所青年部の総会及びその後に開催された懇談会に参加して懇談会の会費7000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,新庄商工会議所は,新庄市の商工業の振興を図るとともに,社会一般の福祉の増進に資することを目的として設立された団体であり,新庄市に事業所を持つ商工業者によって構成されていること,上記総会も地域の経済状況などについて意見交換を行う目的で開催されたものであり,議員のほか,新庄市長等の来賓が5ないし6名,会員35名が参加したこと,A15議員を始めとした参加議員からは,県の最上地区における公共事業や主な事業についての説明があったことが認められる。
新庄商工会議所の設立目的及び上記総会の開催目的からすれば,その総会への参加は県政に関連するものといえ,議員からの説明内容もその目的にのっとったものであるといえる。しかしながら,その後の懇談会については,上記総会と一体のものとして開催されたのかが不明であるばかりか,主催者の開催目的も不明というべきである。被告の提出した報告書及びA15議員の陳述書によれば,参加者と宮城県へのセントラル自動車進出に伴って最上地域としてすべきこと,建設業等の農業参入,石巻新庄間の高規格道路整備等についての意見交換を行ったものとされているが,これを裏付ける客観的な証拠はない。このように,上記支出は,本件手引が挙げている,他者が主催する研修会や会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出するための要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に反する違法な支出というべきである。
(イ) 支出番号C10(2)(最上葛麓会新庄部の総会の後に開催された懇談会の参加費)
証拠(乙23の1,23の2,358の2)及び弁論の全趣旨によれば,A15議員は,最上葛麓会新庄部の総会及びその後に開催された懇談会に参加し,懇談会の参加費5000円を政務調査費から支出したこと,最上葛麓会は,会員相互間の親睦を図り,併せて郷里並びに郷里出身者及びその縁故者の発展に寄与することを目的とする団体であり,最上郡又は新庄市に在住する者,その出身者又はその縁故者で上記目的に賛成する者によって構成されていることが認められる。
最上葛麓会の設立目的に照らすと,その総会や懇談会に参加することと県政との関連性は不明であるといわざるを得ない。被告は,A15議員が参加者と最上地域における企業誘致,観光開発,農産物の産直事業,人材育成等について意見交換を行った旨の報告書及びA15議員の陳述書を提出するが,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
サ A21議員
(ア) 支出番号C11(1)(長瀞地区敬老会への参加費)
証拠(乙24の1~24の3,329の1)及び弁論の全趣旨によれば,A21議員は,長瀞地区社会福祉協議会から,長瀞地区敬老会を開催するため列席して祝辞を述べるよう依頼を受けて,平成21年5月24日,上記敬老会に来賓として参加して祝辞を述べ,会費3000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記敬老会は,その名称からして,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められるものというべきところ,被告の提出した報告書及びA21議員の陳述書を踏まえても,上記敬老会への参加については,県政との関連性に疑問があるというべきであり,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であるいうべきである。
(イ) 支出番号C11(2)(荘銀飛翔会の総会の後に開催された懇談会の会費)
証拠(乙25,329の2)及び弁論の全趣旨によれば,A21議員は,平成21年11月30日,荘銀飛翔会の総会及びその後に開催された懇談会に参加し,懇談会の会費5000円を政務調査費から支出したこと,荘銀飛翔会は,荘内銀行利用者の親睦交流組織であり,企業や商店の経営者等により構成されていることが認められる。
荘銀飛翔会の設立目的や性質に照らすと,その総会及び懇談会への参加と県政との関連性は不明といわざるを得ない。A21議員作成の陳述書によれば,A21議員は,上記総会において,県内景気の低迷の脱却策となる県の新たな支援策の創設について,特に,建設業における県発注の公共事業の現在の入札制度の問題点について要望を受けるとともに意見交換を行ったとされているが,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
シ A8議員
(ア) 支出番号C12(1)(小国町黒沢峠敷石道保存会の年会費)
証拠(乙26の1~26の7,330の1)及び弁論の全趣旨によれば,A8議員は,平成21年5月30日,小国町黒沢峠敷石道保存会の年会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,歴史的文化遺産である黒沢峠の保存のために設立された団体であり,近隣住民である正会員のほか,設立の趣旨に賛同した有識者である賛助会員によって構成されていること,A8議員は,賛助会員として上記団体に加入したことが認められる。
上記団体の性質を踏まえると,A8議員は,歴史的文化遺産の保全のために上記団体に加入しているものと解されるところ,その入会理由は県政との関連性が認められる。また,A8議員の陳述書によれば,保存会活動や会員相互間の意見交換等を通して,歴史的文化遺産の保護及び地域づくりに関する有効な支援方策について調査研究を行うことができるとされているところ,この説明に,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせるような不合理な点は見当たらない。そして,会費も不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記政務調査費の支出が本件使途基準に適合しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C12(2)(小国町火曜会の定例会後に開催された懇談会の会費)
証拠(乙27,330の2)及び弁論の全趣旨によれば,A8議員は,平成22年1月26日,小国町火曜会の定例会及びその後の懇談会に参加し,会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,小国町長のほか,町議会議員,警察署長,小中学校や高等学校の校長など,小国町の政治,経済,教育文化などの団体の代表者約40名で構成される団体であり,A8議員は,議員就任後の平成15年10月26日に上記団体に加入したが,その役員に就任したことはないこと,上記定例会は,会員相互の親睦融和と協調を図り,かつ町の産業経済,教育文化,環境保全について近況等の情報交換を行い,もって小国町の活性化に資することを目的として開催されたことが認められる。
上記団体の構成員に照らすと,その定例会に参加することは,県政との関連性を認めることができる。しかし,その後の懇談会については,酒食が伴うものとうかがわれるが,定例会と一体のものとして開催されたのかが明らかでないほか,陳述書等において言及されている意見交換が,定例会において行われたのか,その後の懇親会において行われたのかも不明である。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件手引が挙げている,他者が主催する研修会や会議に一体又は連続した懇談会への出席に要する経費に政務調査費を支出するための要件を全て満たすものとはいえないから,本件使途基準に適合しない違法な支出であるというべきである。
ス A9議員
(ア) 支出番号C13(1)(2009年度少林寺拳法山形県大会における懇談会の会費)
証拠(乙28,345の1)及び弁論の全趣旨によれば,A9議員は,平成21年7月4日,山形県少林寺拳法連盟が開催した2009年度少林寺拳法山形県大会に関する会議及びその後の懇談会に参加して懇談会の会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,A9議員は,議員就任後の平成15年5月,少林寺拳法というスポーツを通した青少年の健全育成について調査するために上記連盟に加入して顧問に就任したこと,上記会議には山形県知事や議員等約60名が参加したことが認められる。
上記連盟に加入してその会議に出席すること自体は,青少年の健全育成に関する活動として,県政との関連性を認めることができるが,その後の懇談会における活動については,A9議員作成の陳述書においても,「知事とは,亡夫が少林寺拳法で自己鍛錬をされていたが,少林寺拳法のスポーツとして青少年の健全育成に対する意義等について意見交換」と記載されるにとどまっており,会費の金額に照らして酒食を伴うものとうかがわれる懇談会の実態は不明であって,これへの参加が県政との関連を有するとは認め難い。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に適合しない違法な支出であるというべきである。
(イ) 支出番号C13(2)(山形県理容生活衛生同業組合の開催した新年会後の懇談会への参加費)
証拠(乙29の1~29の3,345の2)及び弁論の全趣旨によれば,A9議員は,平成22年1月18日,山形県理容生活衛生同業組合の開催した新年会及びその後の懇談会に出席し,懇談会の会費5000円を政務調査費から支出したこと,A9議員は,上記新年会において,上記組合の要望を受けて理容師法施行条例が改正され,同改正内容が同年4月から施行される予定であること等を説明したこと,A9議員は,議員就任前は理容業を営んでいたため,昭和50年4月に上記組合に加入したが,議員就任後の平成15年5月に顧問に就任したことが認められる。
上記新年会は,その名称はともかく,そこでA9議員が行った説明の内容は,理容師業の規制行政に関するものであり,これへの参加には県政との関連性が認められる。また,このような県政との関連性を前提とすると,A9議員が議員就任前から上記組合に加入していたことが,直ちに政務調査費の支出を違法と見るべき事由に当たるものとはいえない。しかしながら,上記説明を含む新年会と懇談会が一体のものとして開催されたかどうかは明らかでないほか,主催者の開催目的も不明である。A9議員作成の陳述書によれば,A9議員は,組合理事長,副理事長,県議会議員,国会議員と理容業の公衆衛生の取組みについて意見交換を行ったとされているものの,他にこれを客観的に裏付ける証拠もない。したがって,上記会費の政務調査費からの支出は,本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。
セ A34議員(支出番号C14(駅伝競走大会開会式に参加するための交通費))
証拠(乙30,331)及び弁論の全趣旨によれば,A34議員は,平成21年11月8日,西村山地区駅伝競走大会の開会式に出席して挨拶を行い,自宅から上記大会会場までの移動に自家用車を利用したとして,その距離41キロメートル分の交通費相当額1517円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記開会式は,その性質からして,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「挨拶,会食やテープカットだけの出席に要する経費」に当たるものといわざるを得ず,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるものというべきところ,被告は,役員や選手と意見交換を行った旨の報告書及びA34議員作成の陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
ソ A16議員(支出番号C15(1)ないし(3)(経営塾フォーラム例会に参加するための交通費及び宿泊費))
証拠(乙31の1~31の3,32,33,332の1)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員は,平成21年11月27日,株式会社経営塾の開催した第270回経営塾フォーラム例会に参加し,東京駅までの往復交通費2万2590円,ホテル宿泊費1万1600円を政務調査費から支出したほか,東京駅と上記ホテルの間の往復タクシー代2670円を政務調査費から支出したこと,上記フォーラムは,人材育成等を目的とし,政治,経済,経営について時流に合う講師を招いて学習と人材交流の場を提供する趣旨で定期的に開催されているものであり,A16議員が参加した上記例会においては,居住する農業従事者の平均年収の高い長野県川上村の村長が,「年収2500万円の村興し」という演題で,農業を柱とした村興しに関する講演を行ったことが認められる。
上記講演の演題及び内容に照らすと,その講演への参加は,個人の教養の範囲にとどまるものではなく,県政との関連性が認められるというべきである。また,遊興等,政務調査以外の目的で宿泊したことをうかがわせるような事情はない。そうすると,講演に参加するための交通費や宿泊費もまた,県政との関連性を有するものと認められるところ,交通費について実費を超える金額が政務調査費から支出されたとはうかがわれず,宿泊費の金額も,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるということはできない。したがって,上記各政務調査費の支出が本件使途基準に適合しないものとはいえない。
タ A10議員
(ア) 支出番号C16(1)ないし(6)(東北高校ホッケー選手権大会の視察のための交通費及び宿泊費)
証拠(乙34の1,34の2,35~39,346の1~346の6)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員は,平成21年6月20日に岩手町ホッケー場で開催された東北高校ホッケー選手権大会を視察したところ,前日の山形から仙台までの交通費900円,仙台でのホテル宿泊費4900円,仙台から沼宮内まで及び帰りの高畠までの電車交通費1万5730円,沼宮内町内の移動交通費合計2140円(電車交通費900円,タクシー代660円及び580円)を政務調査費から支出したこと,A10議員は,議長に提出した収支報告書において,上記支出に係る活動の事業の成果として,地元川西町のスポーツ(町技)であるホッケーに関する調査等を通して,中学高校及び社会人のスポーツの在り方とスポーツを青少年の健全育成に結び付ける方策を研究したなど報告していることが認められる。
スポーツ大会の観戦自体は,直ちに県政との関連性を認めることはできないものの,上記各支出については,本件訴訟前の段階から,収支報告書において,政務調査目的が明確に示されていたことが認められるのであって,被告の提出した報告書及びA10議員の陳述書において,上記視察の際に,岩手県ホッケー協会役員等から施設整備の経過や選手育成の状況等を聴取したものとされていることも踏まえると,県政との関連性を認めるのが相当である。また,交通費について実費を超える金額が政務調査費から支出されたとはうかがわれず,宿泊費の金額も,本件手引の記載に照らし,不相当に高額であるということはできない。したがって,上記各政務調査費の支出が本件使途基準に適合しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C16(7)(つや姫の精米の購入代金)
証拠(乙40,346の7)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員は,つや姫の精米2キログラムの袋を10袋購入し,そのうち8袋分の代金8400円を政務調査費から支出したこと,A10議員は,上記精米について,アンケート調査のためにサンプルとして購入し,全国の消費者や米生産法人等に送付した旨報告していることが認められる。
精米の購入自体は,直ちに県政との関連性を認めることはできない。そして,アンケート調査の結果等が証拠として提出されていないことにも照らすと,上記支出は調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるところ,ほかに被告からの適切な立証はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(ウ) 支出番号C16(8)(自らの事務所までの交通費)
証拠(乙41,346の8)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員は,平成21年4月16日,自宅から自らの事務所までの移動に自家用車を利用したとして,その距離13キロメートル分の交通費相当額481円を政務調査費から支出したことが認められる。
議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認されるというべきであり,事務所までの交通費についても,調査研究活動に係る部分とそれ以外の活動に係る部分があるものと推認される。被告は,県の財政,事業,行政管理等の事項等,県政各般に関する情報分析等を行い,適切な県政運営を維持するための提言や要望を行うため,恒常的に事務所において情報収集,調査,分析を行ってきていると主張するが,上記推認を覆すに足りる立証はない。そうすると,上記交通費が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されていないものとして,上記事務所への交通費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。
チ A35議員(支出番号C17(1)ないし(3)(山形県喫茶飲食生活衛生同業組合南陽支部の総会に参加するための交通費))
証拠(乙42~44,359の1~359の3)及び弁論の全趣旨によれば,A35議員は,平成21年5月29日,山形県喫茶飲食生活衛生同業組合南陽支部の総会及び意見交換会に参加し,その参加に要した交通費合計4300円(タクシー代として760円及び940円,電車代として2600円)を政務調査費から支出したこと,A35議員は,議員就任前は飲食業を営んでおり,昭和50年に上記組合に加入して,昭和52年6月以降は理事を,山形市議会議員に就任した後の平成3年6月以降は副理事長を,議員に就任した後の平成16年6月以降は理事長を歴任しており,上記総会への参加当時も理事長の地位にあったことが認められる。
このように,A35議員は,議員に就任する前から上記組合に加入し,上記総会への参加当時は理事長の地位にあったのであるから,上記総会への参加交通費は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「議員が他の団体の役職を兼ねていて,その団体の理事会,役員会や総会の出席経費」に当たるというべきであり,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,融資等についての相談を受けたほか,飲食店街の経営実態調査を行った旨の報告書及び陳述書を提出するが,その内容を客観的に裏付ける証拠はないし,融資の相談を受けることが県政とどのように関連するかも不明といわざるを得ない。そうすると,上記各政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
ツ A36議員
(ア) 支出番号C18(1)(社団法人上山市山岳会の年会費)
証拠(乙45,360の1)及び弁論の全趣旨によれば,A36議員は,平成21年4月29日,社団法人上山市山岳会の年会費3000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,山岳活動の振興に寄与することを目的として設立された団体であり,山岳の保護,調査,遭難救助活動等を活動内容としていること,A36議員は,議員就任後の平成11年5月に上記団体に加入したことが認められる。
A36議員の上記団体への加入時期のほか,A36議員が,陳述書において,蔵王の環境整備状況についての情報や遭難救助活動に関する情報を取得するために加入したとして,上記団体の活動内容に沿う加入目的を明らかにしており,その加入目的に県政との関連性がうかがわれることに照らすと,A36議員が上記団体に個人の立場で加入しているものとは認められない。また,上記団体の活動総体が政務調査目的と一致していないということもできない。さらに,年会費の額も不相当に高額であるということはできない。このように,上記政務調査費の支出は,調査研究のために用いられる可能性がないとはうかがわれないから,本件使途基準に適合しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C18(2),(3)(上山市議会OB緑友会の新年会の会費及び年会費)
証拠(乙46,47,360の2,360の3)及び弁論の全趣旨によれば,A36議員は,平成22年2月10日,上山市議会のOBで構成される緑友会の新年会に出席して会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したほか,同日,その年会費2000円を政務調査費から支出したこと,緑友会は,市政発展に寄与することを目的とする団体であること,A36議員は,平成11年1月まで上山市議会議員を務めており,県議会議員就任後の同年5月に緑友会に加入し,上記各支出の当時は会長を務めていたこと,上記新年会には上山市議会のOBのほか,上山市の市長や幹部職員等が参加したことが認められる。
緑友会の設立目的に照らすと,これへの加入自体が県政に関連しないものとはいえず,A36議員が個人の立場で加入しているものと認めることはできないから,年会費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないとはうかがわれない。しかし,上記新年会については,その名称からして,飲食をし,親睦を図ることを主目的として開催されたものと解するのが自然であって,上記新年会の会費の支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。そして,被告の提出した報告書及びA36議員作成の陳述書を見ても,上記新年会において医療福祉や県土整備等広く県政一般の意見交換を行ったとされるにとどまっており,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記各支出のうち,年会費に係るものについては,本件使途基準に適合しないものとはいえないが,新年会の会費に係るものについては,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
テ A37議員
(ア) 支出番号C19(1)ないし(3)及び(8)ないし(14)(議会活性化調査のための交通費及び宿泊費)
証拠(乙48の1,48の2,49,50,55~61,347の1~347の3,347の8~347の14)及び弁論の全趣旨によれば,A37議員は,平成21年5月6日,同月20日前後の2日間,同月27日前後の2日間及び平成22年2月28日から同年3月2日まで,議会事務局に行き,その交通費又は宿泊費合計4万5430円(その支出額の内訳は,別紙7の支出番号C19(1)ないし(3)及び(8)ないし(14)のとおりである。)を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書及びA37議員作成の陳述書によれば,A37議員は,議会の活性化,改革のため,県議会執務室において,議会発生の歴史や他県の議会運営の在り方等についての情報収集,整理等を行い,その成果物を北海道・東北議員交流研究会において資料として配布し,提案,発表を行ったものとされている。前述のとおり,政務調査費は,議会の審議能力を強化するために支給されるものであり,議会の活性化のために調査を行うことは,同目的にかなうものとして,県政との関連を認めることができる。また,被告の主張によれば,上記各日程はいずれも議会が閉会されているか,会議が行われていなかったとのことであり,原告らもその主張を積極的に争っていないのであって,県議会執務室において政務調査活動以外の活動が行われたともうかがわれないし,遊興等,政務調査活動以外の目的で宿泊したともうかがわれない。そして,交通費や宿泊費について,実費を超える支出がされたものとはうかがわれず,宿泊費の額についても,本件手引の記載に照らし,不相当に高額なものということはできない。そうすると,上記各支出は,本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C19(4)(行政格付け調査終了後の宿泊費)
証拠(乙51の1,51の2,347の4)及び弁論の全趣旨によれば,A37議員は,平成21年6月9日に株式会社格付投資情報センターを訪問して,同社社長等から行政の格付けについての説明を受け,その日の夜のホテル宿泊代2万2975円を支払い,そのうち1万6500円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出する報告書によれば,行政の格付けは,自治体の発行する地方債について市場に情報を開示するために行われるものとのことであり,その説明に不合理な点はないから,これについての調査を行うことは,県政に関連するものと認められる。また,上記調査の終了時刻によっては,宿泊が必要となる場合もあると解されるところ,原告らは,宿泊の必要性について争う旨主張するが,宿泊費に係る政務調査費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。また,上記支出額は,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(ウ) 支出番号C19(5),(6)(商店街調査実施前の宿泊費)
証拠(乙52の1,52の2,53,347の5,347の6)及び弁論の全趣旨によれば,A37議員は,平成21年7月2日には東京都内の戸越銀座商店街において,同月17日は渋谷駅前商店街において,それぞれ調査を行ったこと,各調査の前日から当日にかけてのホテル宿泊費各2万1400円を支払い,そのうち各1万6500円(合計3万3000円)を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出するA37議員の陳述書によれば,山形県を含む地方では,大型店の郊外への進出により街中商店街が衰退していることから,にぎわっている街中商店街の現地調査を行ったとされているところ,上記調査目的のために,東京都内の戸越銀座商店街又は渋谷駅前商店街の現地調査を行うことは,調査方法としての妥当性が認められず,また,調査内容も,「立ち話で商店街の方々に売上等を質問」したなどというものであるから(乙347の5),上記各支出は,調査研究のための必要性に欠けるものであったといわざるを得ず,本件使途基準に適合しないため,違法である。
(エ) 支出番号C19(7)(県アンテナショップ視察後の宿泊費)
証拠(乙54の1,54の2,347の7)及び弁論の全趣旨によれば,A37議員は,平成21年8月10日に県アンテナショップを視察して,その日の夜のホテル宿泊代2万1400円を支払い,そのうち1万6500円を政務調査費から支出したことが認められる。
県アンテナショップの視察自体は,県政に関連するものと認められる。また,上記調査の終了時刻によっては,宿泊が必要となる場合もあると解されるところ,原告らは,宿泊の必要性について争う旨主張するが,宿泊費に係る政務調査費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ト A38議員
(ア) 支出番号C20(1)(山形県クリーニング業環境衛生同業組合酒田支部の説明会参加費)
証拠(乙62,333の1)及び弁論の全趣旨によれば,A38議員は,平成22年1月23日,山形県クリーニング業環境衛生同業組合酒田支部の説明会に参加して会費1万円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,上記組合は,クリーニング店経営者で構成されていること,A38議員は,議員就任後の平成12年に上記組合に加入して顧問に就任したこと,上記説明会は,山形県がドライクリーニング溶剤の使用規制を行ったことを受けて開催されることとなったもので,これに参加したA38議員は,規制内容を説明し,組合員との意見交換を行ったことが認められる。
このように,上記説明会の開催の経緯に照らすと,A38議員は,クリーニング業の規制行政に関する議員活動を行うために上記説明会に参加したものとうかがわれるのであって,上記会費の額からすれば酒食を伴う場であったことはうかがわれるが,実際に意見交換が行われたものと認められる。また,上記支出額も,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出が本件使途基準に反した違法なものであるとはいえない。
(イ) 支出番号C20(2)(魚鳥供養祭の会費)
証拠(乙63,333の2)及び弁論の全趣旨によれば,A38議員は,平成22年2月21日,山形県調理師調桜会が開催した魚鳥供養祭に参加して会費1万円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,酒田市内の料亭,飲食店,納入業者など50名前後で組織された団体であることが認められる。
魚鳥供養祭は,その名称からして,式典としての性質が強く,意見交換を行う場ではないと解するのが自然であって,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,県の観光施策に対する上記催事参加者の意見が県の商工観光政策に反映された実績がある旨の報告書及び陳述書を提出しているが,その内容を客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に反した違法なものである。
ナ A17議員
(ア) 支出番号C21(1)(山形県日中友好協会の年会費)
証拠(乙64の1,64の2,348の1)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員は,平成21年8月5日,山形県日中友好協会の年会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,山形県民と中国人との交流を通じて親睦を図り,文化や経済の交流を進展させる目的で設立され,活動している団体であること,A17議員は,議員就任後の平成11年7月頃,協会関連事業に参加し,会員と意見交換を行うことを通じて中国に関する情報を得て議会での政策提言(海外戦略)に生かすために上記団体に加入したことが認められる。
A17議員が上記団体に加入した目的は県政と関連性がないとはいえず,上記団体の目的及び活動内容は,A17議員が加入した目的に沿ったものであったといえる。このように,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。また,上記会費が不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C21(2)(最上葛麓会の年会費)
証拠(乙65の1,65の2,348の2)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員は,平成21年8月20日,最上葛麓会の年会費5000円を政務調査費から支出したこと,最上葛麓会は,会員相互間の親睦を図り,併せて郷里並びに郷里出身者及びその縁故者の発展に寄与することを目的とする団体であり,最上郡又は新庄市に在住する者,その出身者又はその縁故者で上記目的に賛成する者によって構成されていること,A17議員は,議員就任後の同月,最上葛麓会に加入したことが認められる。
最上葛麓会の設立目的に照らすと,これに加入することと県政との関連性は不明であるといわざるを得ず,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,A17議員が最上地方出身者との交流を通じて,山形県や最上地方の発展のための施策の検討や,議会での質問や提言に反映させるために同会に加入した旨の報告書及びA17議員の陳述書を提出するが,加入目的に沿う活動が行われているとは認められない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(ウ) 支出番号C21(3)(新庄山車連盟の慰労会の参加費)
証拠(乙66,348の3)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員は,平成21年8月29日,新庄山車連盟の慰労会に参加して会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,上記連盟は,新庄祭を通じて交流人口の拡充や,地元経済,文化の発展を図る目的で設立された団体であり,上記慰労会は,新庄祭の慰労の目的で開催されたものであることが認められる。
慰労会の開催目的及び名称からすれば,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきところ,被告が提出した報告書及びA17議員作成の陳述書によれば,新庄山車連盟の団体役員と,山車運行の支障となる県道の道路標識について意見交換を行ったとされているが,これを裏付ける客観的な証拠はない。したがって,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(エ) 支出番号C21(4)(新庄囃子連盟の慰労会の参加費)
証拠(乙67,348の4)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員は,平成21年9月4日,新庄囃子連盟の慰労会に参加して会費7000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したこと,上記連盟は,新庄祭に出場する山車の後について囃子をする囃子若連らの交流を図り,新庄祭の発展について協議をする目的で設立された団体であり,上記慰労会は,新庄祭の慰労の目的で開催されたものであることが認められる。
慰労会の開催目的及び名称からすれば,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきところ,被告が提出した報告書及びA17議員作成の陳述書によれば,新庄市,観光協会の職員と観光客誘致について意見交換を行ったほか,新庄囃子連盟役員と若者の交流,少子化問題について意見交換を行ったとされているが,これを裏付ける客観的な証拠はない。したがって,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(オ) 支出番号C21(5)(新庄天満神社氏子総代会の神輿慰労会の参加費)
証拠(乙68,348の5)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員は,平成21年9月5日,新庄天満神社氏子総代会の神輿慰労会に参加して会費3000円を政務調査費から支出したこと,上記総代会は,天満神社の管理及び国の重要無形民俗文化財に指定されている新庄祭の神輿行列を担当している団体であり,上記慰労会は,新庄祭の慰労の目的で開催されたものであることが認められる。
慰労祭の開催目的及び名称からすれば,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記参加費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきところ,被告が提出した報告書及びA17議員作成の陳述書によれば,氏子総代会長と,老朽化が著しい山形県指定有形文化財天満神社本殿改築の必要性について意見交換を行ったとされているが,これを裏付ける客観的な証拠はない。したがって,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
ニ A22議員
(ア) 支出番号C22(1)(瑞宝単光章受章記念式典の参加費)
証拠(乙69,361の1)及び弁論の全趣旨によれば,A22議員は,平成22年2月7日,長年幼児教育に携わってきた人物の瑞宝単光章受章記念式典に参加して会費7000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記式典の性質上,これに参加するための会費の支出は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「他の議員の後援会や祝賀会に出席する経費」に当たるといわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,上記受章者や幼児教育関係者と幼児教育に関する意見交換を行った旨の報告書及びA22議員作成の陳述書を提出するものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(イ) 支出番号C22(2)(旭日双光章叙勲祝賀会の参加費)
証拠(乙70,361の2)及び弁論の全趣旨によれば,A22議員は,平成22年3月20日,市議会議員経験が豊富な人物の旭日双光章叙勲祝賀会に参加して会費5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記祝賀会の性質上,これに参加するための会費の支出は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「他の議員の後援会や祝賀会に出席する経費」に当たるといわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,上記受章者と地域と行政の関わり,議会や議員のあり方等について意見交換を行った旨の報告書及びA22議員作成の陳述書を提出するものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出であるというべきである。
(ウ) 支出番号C22(3)(出羽三山神社への交通費)
証拠(乙71,361の3)及び弁論の全趣旨によれば,A22議員は,平成22年4月1日,出羽三山神社の視察のために自家用車を利用したとして,その距離145キロメートル分の交通費相当額5365円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書及びA22議員の陳述書によれば,出羽三山神社は,山形県の重要な観光資源であり,その丑年御縁年の記念事業や最近の参拝客の入り込み状況を調査するとともに,同神社と県の観光施策をどのようにタイアップしていくか,今後の県の観光施策全体をいかに推進していくかについて検討する材料を得るために上記神社を視察し,同神社の権禰宜から状況を聴取したとのことであり,上記視察の目的と県政との関連性を認めることができるのであって,当該支出が調査研究のために用いられる可能性がないことはうかがわれない。また,上記交通費の算定方法も,本件手引の記載にのっとったものといえる。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ヌ A39議員
(ア) 支出番号C23(1)及び(2)(吟詠大会に参加するための交通費及びその後の懇談会の参加費)
証拠(乙72,73,334の1,334の2)及び弁論の全趣旨によれば,A39議員は,平成21年8月30日,日本九重流酒田詩吟同好会市民芸術祭第64回吟詠大会及びその後に開催された懇談会に参加して懇談会費5000円を政務調査費から支出したほか,会場まで自家用車を利用したとして,その距離22キロメートル分の交通費相当額814円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記各支出は,その会合の目的及び内容からして,個人の趣味の色彩の強い団体の会合のための支出というべきであって,日本九重流の家元が酒田市に在るという事情(乙72,334の1)を踏まえても,社会通念上,議員の調査研究活動と関連しているとはいい難く,上記各支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,指導者と伝統文化の保存や詩吟活動の振興についての意見交換を行った旨の報告書及びA39議員作成の陳述書を提出するが,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記各支出は,本件使途基準に適合しないため,違法である。
(イ) 支出番号C23(3)(日本将棋連盟荘内支部の年会費)
証拠(乙74,334の3)及び弁論の全趣旨によれば,A39議員は,平成22年1月13日,日本将棋連盟荘内支部の年会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記連盟は,将棋文化の振興を図るために設立された団体であり,庄内地方一円の将棋愛好者により構成されていること,A39議員は,議員就任後の平成14年12月に上記連盟に加入したことが認められる。
被告の提出する報告書及びA39議員の陳述書によっても,A39議員の加入目的はともかく,上記連盟の活動内容は不明といわざるを得ず,上記連盟への加入が通常個人の趣味の色彩が強いものと解するのが自然であることも踏まえると,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれるが,他に被告からの適切な立証はない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
ネ A25議員
(ア) 支出番号C24(1)ないし(3),(5)(日産自動車株式会社の製造する電気自動車の試乗会関連経費)
証拠(乙75の1,75の2,76,77,79,362の1~362の3,362の5)及び弁論の全趣旨によれば,A25議員は,平成21年度当初から,山形日産自動車株式会社の役員から電気自動車の開発,販売について協力依頼を受けており,山形県からも企業誘致の示唆があったため,平成22年1月26日,日産自動車株式会社の製造する電気自動車の横須賀テストコースにおける試乗会に山形県の工業振興課職員等とともに参加して日産自動車株式会社関係者等と意見交換を行ったこと,上記試乗会に参加するために要した電車交通費1万1210円,宿泊費8900円のほか,タクシー代や茶菓代2840円,上記試乗会への参加の実現に協力した人物への謝礼の物品代7140円を政務調査費から支出したことが認められる。
A25議員が企業誘致の目的で上記試乗会に参加したことは明らかであるところ,企業誘致に関する事項は県政に関連するものと認められるのであって,上記各支出が調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれないし,上記各支出が実費を超えるものであったともうかがわれない。また,宿泊費についても,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であったとはいえない。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C24(4)(五輪銅メダル祝賀会会費)
証拠(乙78,362の4)及び弁論の全趣旨によれば,A25議員は,平成22年3月25日,スポーツ選手であるA42選手の五輪銅メダル祝賀会に参加して会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記祝賀会の名称及び性質からすれば,飲食をし,親睦を図ることを目的とする会合であるものと解するのが自然であって,上記支出は,本件手引にいう「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「他の議員の後援会や祝賀会に出席する経費」に当たるものといわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告は,上記選手や関係者と競技施設や指導者,支援体制,県民の意識等について意見交換を行った旨の報告書及びA25議員作成の陳述書を提出するものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記政務調査費の支出は,本件使途基準に合致しないから違法である。
ノ A40議員(支出番号C25(山形県クリーニング業生活衛生同業組合鶴岡支部の通常総会及び懇談会の費用))
証拠(乙80,349)及び弁論の全趣旨によれば,A40議員は,平成22年3月28日,山形県クリーニング業生活衛生同業組合鶴岡支部の通常総会及びその後に開催された懇談会に出席して懇談会費5000円を支払い,そのうち3972円を政務調査費から支出したこと,同組合は,クリーニング業界全体の指導に当たっている団体であり,クリーニング店店主によって構成されていることが認められる。
被告の提出した報告書及びA40議員の陳述書によれば,A40議員は,関東地方に在るクリーニング工場が建築基準法違反(揮発性溶剤を使用することに関しての用途規制違反)で告発されたことを受け,県内の実態を把握するために上記総会等に参加したこと,個々の店舗を調査するには,店主が不在にすることも多いことから,組合員ほぼ全員が集まる総会にて実態調査を行うこととしたものとされているところ,その参加の経緯等は合理的なものというべきであって,上記懇談会においても意見交換が行われたものと認められる。そのほか,上記支出の額も不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記政務調査費の支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ハ A23議員
(ア) 支出番号C26(1)(社団法人実践倫理宏正会天童支部の年会費)
証拠(乙81,350の1)及び弁論の全趣旨によれば,A23議員は,平成21年4月29日,社団法人実践倫理宏正会の年会費1万2000円を政務調査費から支出したこと,同法人が毎日早朝に各地で開いている集会では,40代ないし60代の主婦層を中心とする会員が自らの体験や活動について発表することとなっており,A23議員も年に数度発表を行っていること,A23議員は,議員就任後の平成12年1月に上記団体に加入したことが認められる。
被告の提出する報告書及びA23議員作成の陳述書によれば,A23議員は,他の会員から子育て,教育,介護等多種多様な意見や県政の要望等を聞く機会を得るために同法人に加入したものとされているところ,その会員の構成に照らすと,加入目的に県政との関連性がないとまでは認められない。しかし,本件証拠に照らしても,同法人の具体的な活動内容は不明な点が残るものといわざるを得ず,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出というべきである。
(イ) 支出番号C26(2)(社団法人山形県隊友会の特別会員年会費)
証拠(乙82,350の2)及び弁論の全趣旨によれば,A23議員は,平成21年12月26日,公益社団法人山形県隊友会の特別会員年会費1万円を政務調査費から支出したこと,同法人は,防衛意識の普及高揚に努め,国の防衛施策・慰霊顕彰事業並びに地域社会の健全な発展に貢献することにより,日本の平和と安全に寄与することを目的として設立された団体であり,防衛及び防災関連施策等に対する各種協力,調査研究及び提言を行っていることが認められる。
同法人の設立目的や活動内容に照らすと,これに加入することは,防災活動等の県政に関連するものということができるのであって,その活動総体が政務調査目的と一致していないということはできないし,A23議員が個人の立場でこれに加入しているということもできない。このように,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせるような事情は存しない。また,その会費が不相当に高額であるということもできない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(ウ) 支出番号C26(3)(高崎地区新春を祝う会の参加費)
証拠(乙83,350の3)及び弁論の全趣旨によれば,A23議員は,高崎地区区長協議会が平成22年1月6日に開催した高崎地区新春を祝う会に参加して会費5000円を政務調査費から支出したこと,同会合には,東根市高崎地区の50ないし100戸の住民によって組織される親睦,互助,地域知事のための団体の長である区長のほか,東根市長,市議を始めとした役職者70名が参加したことが認められる。
同会合は,その名称や会費の額に照らすと,飲食をし,親睦を図ることを目的として開催されたものと解するのが自然であって,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれるものというべきである。しかし,A23議員の陳述書によれば,A23議員は,同会合の参加者と,高崎地区の冬場の収入源となる啓翁桜の集出荷施設についての意見交換を行い,同施設の建設を実現したほか,猿による農作物の食害対策等についての意見交換を行い,農地に電気柵を設置することについての補助を実現したというのであって,同会合の参加者の顔触れも踏まえると,県政に関連する事項について,議員の調査研究に資する意見交換等が現にされたという事情が認められる。そして,上記支出が不相当に高額であるということもできない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ヒ A26議員(支出番号C27(連合山形議員懇談会会費))
証拠(乙84,351)及び弁論の全趣旨によれば,A26議員は,連合山形議員懇談会(団体)が平成21年11月13日に開催した懇談会に参加して年会費5000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,県民生活に係る雇用労働関係,社会保障関係,教育政策関係その他行政施策関係について関係者と懇談し政策内容の質を高めていくことを目的とした団体であって,県内に在住し趣旨目的に賛同する地方自治体議員によって構成されており,A26議員もこれに加入していること,上記会費は,懇談会の際配布される資料の作成経費や外部講師を招へいするための経費に充てられるものであることが認められる。
上記団体の設立目的や構成員に照らすと,これに加入して,その目的に沿う活動の必要経費として上記会費を支出することは,県政との関連性を認めることができるのであって,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。また,上記会費が不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
フ A20議員
(ア) 支出番号C29(1)(モンテディオ山形応援入場料)
証拠(乙88,352の1)及び弁論の全趣旨によれば,A20議員は,平成21年8月2日,サッカーチームであるモンテディオ山形の試合を観戦するため,山形県総合運動公園への入場料4000円を政務調査費から支出したことが認められる。
サッカーの試合の観戦は,その性質上,県政との関連性が直ちに認められるものではないから,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告の提出する報告書及びA20議員作成の陳述書によれば,客席の増設など施設の充実を求める声が強かったことから試合当日の施設の状況を視察し,これを踏まえて施設の充実と改装を強く要請した結果,客席の増設が実現したほか,電光掲示板を改装する計画が進んでいるとされているが,上記視察と設備改善の因果関係は不明であって,結局のところ,県政に関する具体的な調査研究が現にされたなどの事情についての適切な立証が行われているとはいえない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しないから,違法である。
(イ) 支出番号C29(2)ないし(4)(渋谷建設株式会社創業100周年記念式典の参加費,交通費及び宿泊費)
証拠(乙89の1,89の2,90,91,352の2~352の4)及び弁論の全趣旨によれば,A20議員は,平成21年11月26日,渋谷建設株式会社の100周年記念式典に参加し,会費5000円のほか,ホテルへの宿泊代7942円やタクシー代760円を政務調査費から支出したこと,上記式典には県内建設業者や関係機関代表者が参加したことが認められる。
上記式典の名称に照らすと,これに参加するための会費や交通費,宿泊費の支出は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「飲食を主目的とする懇談会会費」に当たるものといわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告の提出した報告書及びA20議員作成の陳述書によれば,県内の建設業者や従業員,資材関係者などから,公共事業の在り方,入札制度の問題と労働環境の実態などを聴取し,公共事業の影響力,入札の改善,労働単価,発注の平準化等について県当局に改善を申し入れたものとされているが,この説明を客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記各支出は,本件使途基準に合致しない違法な支出というべきである。
(ウ) 支出番号C29(5)(瑞宝単光章受章祝賀会の参加費)
証拠(乙92,352の5)及び弁論の全趣旨によれば,A20議員は,平成22年2月18日,福祉関係者である人物の瑞宝単光章受章祝賀会に参加して会費6000円を支払い,そのうち5000円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記祝賀会という名称やその性質上,これに参加するための会費の支出は,本件手引において政務調査費を充当するのに適さない経費等として挙げられている「意見交換を伴わない会合等の参加費(交通費を含む)」のうち「他の議員の後援会や祝賀会に出席する経費」に当たるものといわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。被告の提出する報告書及びA20議員作成の陳述書によれば,上記受章者や福祉関係者などと福祉行政に関する意見交換を行ったものとされているが,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しないから,違法である。
ヘ A11議員
(ア) 支出番号C30(1)ないし(3)(東京の文化施設視察関連経費)
証拠(乙93の1,93の2,94,95,353の1~353の3)及び弁論の全趣旨によれば,A11議員は,平成21年4月30日から同年5月1日まで,東京に在る国立西洋美術館(上野)や貨幣博物館(日本橋)を視察し,これに要した電車交通費1万3840円や,タクシー代3490円のうち1745円のほか,ホテル宿泊費1万7200円のうち8600円を政務調査費から支出したこと,国立西洋美術館は,西洋美術に関する作品を公衆の観覧に供する施設であり,貨幣博物館は,貨幣に関する歴史的,文化的な資料を収集,保管し,それらの調査研究を進めつつ,広く一般に公開する施設であることが認められる。
他の都道府県に在る文化施設を視察することは,その性質からして県政との関連性が直ちに否定されるものではない。そして,被告の提出した報告書及びA11議員作成の陳述書によれば,A11議員は,県民の文化への理解を深め文化振興を図るためにどのような政策を企画,提案すべきかを考察するために上記視察を実施したものとされているほか,収支報告書においてその成果を具体的に報告していることが認められるから,上記視察に要した交通費や宿泊費の支出については,県政との関連性を認めることができるのであって,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。また,上記各支出が実費を超えて支出されたものとはうかがわれないし,宿泊費については,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるということはできない。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C30(4)(有機ELデザインサンプルキットの購入代金)
証拠(乙96の1~96の4,353の4)及び弁論の全趣旨によれば,A11議員は,山形県における有機EL関連産業の振興に資するため,平成22年3月10日,ルミオテック株式会社の発売する有機ELデザインサンプルキット一式を代金8万4315円で購入し,同額を政務調査費から支出したこと,A11議員は,上記サンプルキットにつき,これを県内外の人々に見てもらい,その際の意見や感想を基に県や企業に助言等を行ったほか,ものづくり試作のPRのために利用したことが認められる。
上記支出は,A11議員による上記サンプルキットの購入動機や利用方法に照らすと,県政との関連性を認めることができるものの,本件手引にいう「議員の私的財産の形成につながる経費等」に当たるものといわざるを得ず,本件使途基準に合致しないから違法である。
ホ A14議員(支出番号C31(長井商工会議所建設部会通常総会後の懇親会費))
証拠(乙97の1,97の2,335)及び弁論の全趣旨によれば,A14議員は,平成21年7月28日,長井商工会議所建設部会からの要請を受けて,同部会の通常総会終了後に建設業界の今後について講演を行ったほか,その後の懇親会にも参加して懇親会費3000円を政務調査費から支出したこと,上記講演の要請と懇親会の案内は同一文書によって行われており,A14議員は,懇親会についても出席を求められていたこと,長井商工会議所は,商工業の振興を目的として設立され活動している団体であり,これに加入する建設関係業者によって建設部会が構成されていること,当日の日程は,午後6時から午後6時15分までが通常総会,午後6時20分から午後6時40分までがA14議員による講演,午後6時45分から午後7時までが長井市建設課長による講演であったことが認められる。
被告の提出する報告書及びA14議員作成の陳述書によれば,A14議員は,講演後に質疑応答を受け付けたが,時間的制約もあり一部しか受け付けられなかったため,建設業界の現状や展望に関して参加者個々の意見を聴取するため,別途,懇親会で聴き取る時間を取ったものとされているところ,A14議員が講師という立場で懇親会に参加したことや上記日程に照らすと,その説明に特に不合理な点は見当たらず,懇親会において意見交換が行われたものとうかがわれる。また,講演及び懇親会が同一の文書により案内されていることに照らすと,これらの一体性を認めることができる。そのほか,当該支出が調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれない。さらに,上記支出が不相当に高額であるということはできない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
マ A41議員
(ア) 支出番号C32(1)(ドイツ・フェルトベルクの視察関係費用)
a 証拠(乙98の1,98の2,354の1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) A41議員は,平成21年7月26日から同年8月2日まで,鶴岡市と「森林文化都市」の友好協定を締結したドイツのフェルトベルク及びその周辺に行き,これに要した費用として69万6000円を政務調査費から支出した。上記協定は,同年7月29日に締結されたもので,A41議員は,協定締結の調印式に出席した。
(b) A41議員は,平成21年7月28日,まずシュヴァルツヴァルトの入り口に位置する観光都市であるフライブルク市から,路面電車,バス,ロープウェイを乗り継ぎ,山歩きをしてシャウィンスラントという山に登った後,ミュンスタータルの町で教会を訪れ,その由来の開設を聞いた後,スタウフェン城跡のある丘まで登った。
(c) A41議員は,平成21年7月29日,上記調印式に出席したほかは,リフトに乗ってシュヴァルツヴァルトで最も高い山であるフェルトベルク山の頂上まで行き,リゾート地としても知られる,ティティゼーという湖にも足を運んだ。
(d) A41議員は,平成21年7月30日,ヒンターツァルテンという村を訪れ,チーズを作っている農家を訪問してチーズの作り方の説明を受けるなどした後,スキー博物館を訪問した。
(e) A41議員は,平成21年7月31日,フライブルク市において,特養付介護ホームや環境保全局を視察し,それぞれ担当職員からの説明を受けるなどした。
(f) そのほか,A41議員は,ヒンターツァルテンにおいて木質バイオマスを始めとした自然エネルギーの利用が進んでいることについての説明を受けた。
b A41議員による上記視察は,友好協定の締結式に出席したほか,フライブルク市において環境や福祉,エネルギー問題についての調査が行われていること等に照らせば,上記海外渡航に係る活動を全体として単なる観光旅行であるとまでは断じ難く,都市行政の調査等,一定の政策目的を有するものとして,議員の調査研究活動としての側面があることを肯定することができる。
しかしながら,森林資源に関する協定の締結に関連した視察であるということを踏まえても,上記行程には一般的な観光名所が視察先に含まれており,観光旅行としての意味合いを併有していたとの疑いを否定できない。また,上記旅費の金額は約70万円に及んでおり,8日間にわたってドイツに滞在していたことを考慮しても,明らかに高額といわざるを得ないところ,そのような高額の政務調査費を充当して上記視察を実施する必要があったかは,各活動の必要性判断についての議員の裁量を考慮するとしても疑問がある。したがって,上記諸事情に照らし,上記費用のうちの少なくとも3分の2の46万4000円に係る支出は,議員の議会活動の基礎となる調査研究活動と合理的関連性を有する活動に関する経費とは認め難く,その限度では,本件使途基準に違反するものといわざるを得ない。
(イ) 支出番号C32(2),(3)(京都勧業館視察のための宿泊費及び交通費)
証拠(乙99の1~99の4,100,354の2,354の3)及び弁論の全趣旨によれば,A41議員は,平成21年11月1日に京都勧業館及び伝統的工芸月間国民会議全国大会を視察し,同月2日には京都府庁及び京都府議会を訪問し,特産品を視察したほか,担当者からの説明を受けたこと,その間のホテル宿泊費1万2000円及び交通費5万8800円を政務調査費から支出したこと,京都勧業館は,産業や文化の交流を通して地域経済の発展を目指す施設であること,上記大会は,経済産業省が定めた伝統的工芸品月間の中心事業であることが認められる。
他の都道府県に在る文化施設等を視察することは,その性質からして県政との関連性が直ちに否定されるものではない。そして,被告の提出した報告書及びA41議員作成の陳述書によれば,A41議員は,人口減少が続く中,観光振興を図るため,いかにして昼間人口を増やし,いかにして山形県の特色や魅力を引き出すことができるかを考えるために,先進的取組みを行っている京都勧業館の視察を実施したものとされており,県政に関連する目的で視察を行ったものとされていることにも照らすと,上記視察に要した交通費や宿泊費の支出については,県政との関連性を認めることができるのであって,上記各支出が調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれない。また,上記各支出が実費を超えて支出されたものとはうかがわれないし,宿泊費については,本件手引の記載に照らし,不相当に高額であるということはできない。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ミ A27議員
(ア) 支出番号C33(1)(野呂川の環境を守る会の賛助会費)
証拠(乙101の1~101の3,336の1)及び弁論の全趣旨によれば,A27議員は,平成21年6月15日,野呂川の環境を守る会の賛助会費5000円を政務調査費から支出したこと,同団体は,山形県内に在る野呂川の環境を守り,蛍や魚の住む清流を蘇らせようとする目的で設立された団体であり,河川の清掃や蛍の幼虫の放流,研修会,河川環境の実態調査,河川整備のための要望活動などを行っていることが認められる。
上記団体の設立目的や活動内容に照らすと,A27議員は,環境整備という県政に関連する目的で上記団体に加入したものとうかがわれるのであって,個人の立場で加入しているとも,団体の活動総体が政務調査目的と一致していないものとも認められない。そのほか,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれない。そして,上記会費の金額が不相当に高額であるということはできない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C33(2)(日本善行会山形県支部の年会費)
証拠(乙102の1,102の2,336の2)及び弁論の全趣旨によれば,A27議員は,平成21年6月24日,日本善行会山形県支部の年会費1万円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,善行精神の普及と実践に努め,明るく住みよい社会の建設に寄与することを目的として設立された団体であり,交通安全活動や福祉活動などを行っているほか,機関誌を発行していることが認められる。
上記団体の具体的な活動内容には不明な点もないではないが,A27議員作成の陳述書の記載内容も踏まえると,A27議員は,ボランティアなどの社会貢献の在り方に関する調査研究を行うという目的で上記団体に加入したものとうかがわれるのであって,県政との関連性を否定することはできず,少なくとも,個人の立場で加入したものとは認められない。そのほか,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれない。また,上記会費の金額が不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出は違法ではない。
ム A6議員
原告らは,A6議員が平成21年度に2万5000円(支出番号C34(1),(2))を政務調査費から支出したことが違法である旨主張するが,証拠(乙276,277)によれば,A6議員は,同額を自主返納していることが認められる。そうすると,A6議員に係る原告らの請求は,その余の点について検討するまでもなく,理由がない。
メ A12議員
(ア) 支出番号C35(1)(直江兼続研究会の会費)
証拠(乙103,355の1)及び弁論の全趣旨によれば,A12議員は,平成21年7月2日,直江兼続研究会の会費3000円を政務調査費から支出したこと,上記団体は,直江兼続を顕彰し,米沢,置賜の発展につなげることを目的として設立された団体であり,講演会を行っているほか,冊子「龍師火帝」を発行していること,A12議員は,議員就任の年である昭和54年に上記団体に加入し,同年4月以降は議員就任を機に顧問に就任していることが認められる。
上記団体の設立目的や活動内容に照らすと,これが県政との関連を有するとは直ちに解し難く,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれる。しかし,A12議員作成の陳述書は,上記団体に参加した目的について,米沢初代藩主上杉景勝の筆頭家老で米沢の街を作った功労者である直江兼続の人となり,業績を研究し歴史の発掘,観光に資するためであるとしており,山形県の観光振興施策を検討推進するという,県政に関する具体的な調査研究をする目的もあって上記団体に入会したことが認められるから,上記支出については,県政に関する具体的な調査研究が予定されていたという事情が認められる。そのほか,上記支出が不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号C35(2)(狂言公演の鑑賞料)
証拠(乙104,355の2)及び弁論の全趣旨によれば,A12議員は,平成21年12月19日,山形県の施設である伝国の杜置賜文化ホールにおいて行われた狂言公演を鑑賞し,入場料3500円を政務調査費から支出したことが認められる。
狂言公演の鑑賞は,これが県政との関連を有するとは直ちに解し難く,上記支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。A12議員作成の陳述書によれば,狂言公演が県民にどのように受け入れられているかを調査するために狂言を鑑賞したとのことであるが,その目的達成のために自らが狂言公演を鑑賞する必要性がどの程度あるのか疑わしいといわざるを得ず,県政に関する具体的な調査研究が現にされたとか,それが予定されていたなどの事情は認められない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に適合しない違法な支出というべきである。
モ A3議員
(ア) 支出番号D1(1),(5)ないし(17)(A5議員との意見交換に係る交通費及び宿泊費)
a 証拠(乙155の1,155の2,159の1~171,325,337)及び弁論の全趣旨によれば,A3議員は,平成21年度に,A5議員との意見交換に当たって支出した費用として,別紙6の支出番号D1(1),(5)ないし(17)の「支出額(円)」欄記載の交通費又は宿泊費合計32万5400円を政務調査費から支出したこと,A3議員の提出した収支報告書によれば,A3議員は,A5議員との間で,以下の日時に,参議院議員会館において,以下の議題で意見交換を行った旨記載されていること,A3議員は,議員就任前はA5議員の秘書を務めていたことが認められる。
(a) 平成21年4月28日 日本の食糧自給率向上に向けた国の取組みと山形県の農業振興
(b) 平成21年5月24日 違法な労働者派遣の実態及び国の労働者派遣法に対する取組み状況等
(c) 平成21年5月28日 ワークライフバランスの今後の在り方
(d) 平成21年6月2日から同月3日まで 国の財政再建に対する考え方と山形県の取り組むべき財政課題
(e) 平成21年9月3日から同月4日まで 社会保障の給付と負担の見直し等
(f) 平成21年10月22日 地方分権の確立のための国と地方の役割分担の在り方
(g) 平成21年10月31日 二酸化炭素の排出量取引
(h) 平成21年11月26日から同月27日まで バイオ燃料の生産と利用についての国の動向
(i) 平成21年12月24日 新型インフルエンザ対策,危機管理対策
(j) 平成22年1月21日 国の今後の河川行政,治水対策
b そのほか,A3議員作成の陳述書によれば,A5議員が多忙であることを踏まえ,参議院議員会館内だけでなくA5議員の上京や帰県の際に同行することで意見交換を確保したり,そのために前日や当日の宿泊をしたものとされている。
c A3議員とA5議員の従前の関係に照らすと,両者が頻繁に意見交換を行っていたとしても不自然ではない。そうすると,上記意見交換のうち,いずれの際にA3議員がA5議員の上京や帰県に同行したのかは不明であるものの,A5議員の状況に合わせる形で意見交換を行った旨の説明を不合理とまでいうことはできないし,その議題についても,いずれも県政との関連性が認められる。また,交通費や宿泊費について,実費を超える支出がされたものとはうかがわれないし,宿泊費の支出額も,本件手引の記載に照らし,不相当に高額であるとはいえない。
原告らは,A5議員の多忙の中で被告主張の意見交換が行われたとは考えられないとか,A5議員の政治活動に関連した上京に係る交通費が含まれているなどと主張するが,上記各支出が調査研究のために用いられる可能性がないことをうかがわせるような事情は認められない。そのほか,国の担当職員や専門家が同席していなかったとしても,それによって県政との関連性が否定されることとはならないというべきである。したがって,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号D1(2)ないし(4)(秋田県建設業協会視察に係る高速道路料金,駐車料金及び宿泊費)
証拠(乙156の1,156の2,157,158,325,337)及び弁論の全趣旨によれば,A3議員は,平成21年5月18日から同月19日まで,秋田県建設業協会を視察したとして,往復の高速道路料金4500円のほか,宿泊費及び駐車料金8600円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書及びA3議員の陳述書によれば,公共調達の改善について上記協会が先進的な取組みを行っていることから上記視察を実施したものとされており,視察自体は,県政との関連性を認めることができるのであって,視察先までの往復に要した高速道路料金に係る支出については,調査研究のために用いられる可能性がないことまではうかがわれない。また,その額が実費を超えて支出されたともうかがわれない。そうすると,高速道路料金に係る政務調査費の支出(支出番号D1(2),(4))は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
しかしながら,上記報告書には,A3議員が,上記視察において,「地元業社の技術向上や,総合評価方式の確立,地域要件の在り方」について調査を行ったほか,「建設業の新分野進出」や「農業分野への進出」についても調査したと記載されているにとどまり(乙156の2),具体的な調査個所や方法,そして2日間にわたって視察を行う必要性については何ら明らかにされていないというべきである。そうすると,上記各支出のうち,宿泊したことによって発生したものと解される費用に係るもの(支出番号D1(3))については,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれ,かつ県政に関する具体的な調査研究が現にされたなどの事情が認められないから,本件使途基準に適合しない違法な支出と認めるのが相当である。
(ウ) 支出番号D1(18)(鹿児島県視察に係る交通費)
証拠(乙172の1,172の2,325,337)及び弁論の全趣旨によれば,A3議員を始めとする自民党県議会会派所属の議員11名は,平成22年2月2日から同月4日まで鹿児島県霧島市,鹿児島市,指宿市及び南九州市を視察し,A3議員は,自らの要した交通費として15万9000円を政務調査費から支出したこと,同会派の作成した研修報告書によれば,①霧島市においては,農事組合法人霧島高原純粋黒豚牧場を訪れ,同農場の代表者や霧島市役所農林水産部農政畜産課畜産グループのグループ長等から,黒豚のブランド化と観光開発についての説明を受け,鹿児島市においては,②鹿児島県庁を訪れ,観光交流局観光課課長補佐等から,鹿児島県の観光施策について説明を受けたほか,③鹿児島市教育委員会学校教育課主幹等から,公立の中高一貫校である鹿児島県立玉龍高等学校についての説明を受け,④指宿市においては,社団法人指宿市観光協会を訪れ,同協会の事務局長等から,大河ドラマ終了後の観光誘客についての説明を受け,⑤南九州市においては,知覧特攻平和記念館を訪れたものとされていることが認められる。
上記の視察訪問先に照らすと,鹿児島県の観光施策や,中高一貫校についての調査研究を行う趣旨で視察が行われたものと解するのが合理的であって,観光目的であったと断ずることはできない。他県の観光施策についての調査研究を行うことは県政に関連すると解されるし,中高一貫校についての調査研究についても,上記報告書によれば,山形県内にも公立の中高一貫校が設置されているというのであって,県政に関連するものと認められる。また,上記支出金額は,山形県と鹿児島県の距離のほか,視察先が多岐にわたっていることにも照らすと,不相当に高額であるということはできないし,実費を超えた支出がされたものともうかがわれない。そうすると,上記支出は,本件使途基準に合致しないものとはいえない。
ヤ A4議員
(ア) 支出番号D2(1)(横須賀市の駅を中心とした中央駅前市街地活性化現状調査に係る交通費及び宿泊費)
証拠(乙173)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年4月8日から同月9日まで,中央駅前市街地活性化現状調査を行うために横須賀市を訪問し,パック料金のうち,庄内羽田間の往復航空運賃3万6000円及び宿泊費8500円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告の提出した報告書によれば,A4議員は,山形県酒田市駅前開発を検討する際の参考にするとともに県議会の質問の参考とするために上記調査を行い,横須賀市都市部都市計画課の複数の職員と面談した旨説明されているところ,この説明に特段不合理な点は存しないから,同視察には県政との関連性を認めることができる。また,山形県と視察先である横須賀市との距離関係にも照らすと,遊興等,政務調査活動以外の目的で宿泊したともうかがわれない。そのほか,上記各支出が実費を超えて行われたとはうかがわれないし,不相当に高額であるともいえない。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(イ) 支出番号D2(2),(3)(東京都港区の就業支援現状調査に係る交通費及び宿泊費)
証拠(乙174,175,177)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年4月23日,山形県の障害者雇用施策の参考とするため,東京都港区において就業支援現状調査を行うこととし,港区アクティブシニア就業センターを訪問したほか,特定非営利活動法人みなと障がい者福祉事業団を訪問して同法人の幹部職員と面談し,往復の電車代2万0320円のほか,同日の宿泊費6500円を政務調査費から支出したこと,同法人は,障害者自立支援法に基づく就労継続支援事業として障害者の就職に向けた訓練事業に取り組んでおり,障害者を雇用して喫茶店を3店舗経営していること,A4議員は,上記面談の後,これらの喫茶店も訪問したことが認められる。
上記訪問の目的及び面談を実施していることに照らすと,訪問自体については県政との関連性を認めることができるのであって,上記交通費の支出が調査研究のために用いられる可能性がないとはうかがわれない。また,上記交通費に係る政務調査費の支出が実費を超えて行われたとはうかがわれない。そうすると,同支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
さらに,聞き取り調査後に上記喫茶店の訪問が行われていることや,山形県と視察先である東京都との距離関係に照らすと,遊興等,政務調査活動以外の目的で宿泊したともうかがわれない。そのほか,同支出が実費を超えて行われたとか,不相当に高額であるともいえない。そうすると,同支出も本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(ウ) 支出番号D2(4)(リサイクル企業調査に係る宿泊費)
証拠(乙176)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年4月27日,酒田港におけるリサイクル施策推進の参考とするため,秋田県鹿角郡小坂町に在るグリーンフィル小坂株式会社を訪問し,同社の幹部職員と面談したほか,同社工場内の溶鉱炉や最終処分場を視察したこと,同日の夜にホテルメトロポリタン秋田に宿泊し,宿泊費1万円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記視察は,その目的及び対象に照らすと,県政との関連性を認めることができる。原告らは,経由地である秋田市で宿泊する必然性がない旨主張するが,A4議員の自宅がある酒田市と視察先である秋田県鹿角郡小坂町との距離関係に照らすと,政務調査活動の終了時刻によっては,経由地において宿泊することも通常あり得るというべきであって,ほかに上記支出が調査研究のために用いられる可能性がないとまではうかがわれない。また,上記支出が実費を超えて行われたとはうかがわれないし,本件手引の要件に照らし,その金額が不相当に高額であるともいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(エ) 支出番号D2(5),(6)(東京都港区における障害者就労状況調査に係る交通費)
証拠(乙177,178)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年5月22日,特定非営利活動法人みなと障がい者福祉事業団が経営している喫茶店の一つである「カフェ・ドゥー」を再度訪問して,その経営状況を調査し,その中で,同法人の担当者や,同喫茶店の店員と面談を行い,これに要した交通費として,片道航空運賃1万7300円及び片道電車代1万2300円を政務調査費から支出したことが認められる。
前記(イ)のとおり,同法人は,障害者自立支援法に基づく就労継続支援事業として障害者の就職に向けた訓練事業に取り組んでいる団体であって,上記調査には県政との関連性が認められる。原告らは,支出番号D2(2),(3)と調査先が同じであり,再調査の必要性がない旨主張するが,再調査の必要性を疑わせるような事情は認められない。また,上記各支出が実費を超えて行われたとはうかがわれないし,不相当に高額であるともいえない。そうすると,上記各支出は違法ではない。
(オ) 支出番号D2(7)(中国黒竜江省ハルビン市訪問の調査旅費)
証拠(乙179)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年6月14日から同月16日まで,山形県の企業の海外戦略及び外国企業の中国への進出状況を調査するため,山形県黒竜江省経済交流会及び商談会を視察することを目的として,中国黒竜江省ハルビン市に訪問団の一員として訪問し,これに要した費用19万2000円を政務調査費から支出したこと,上記訪問団には,山形県知事,酒田商工会議所の役員,多数の議員が参加したこと,上記商談会には山形県を始めとする日本の企業のほか,世界各国の企業のブースが設置されていたことが認められる。
上記訪問の目的や視察対象に照らすと,これが県政との関連性があることは明らかであり,旅行であったとする原告らの主張を採用することはできない。そのほか,上記視察の行程の詳細が不明であることを踏まえても,上記支出が調査研究のために用いられる可能性がなかったことまではうかがわれない。また,上記支出が実費を超えて行われたとはうかがわれないし,その額が不相当に高額であるともいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(カ) 支出番号D2(8),(9)(仙台駅前開発調査に係る宿泊費及び駐車料金)
証拠(乙180,181)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年9月15日,酒田市駅前の再開発計画の参考とするため,仙台市における駅前再開発について調査することとし,仙台市都市計画整備局都市開発部都市開発課を訪問して同課課長と面談したこと,同日の夜にホテル法華クラブ仙台に宿泊し,宿泊費8610円及び駐車料金1300円を政務調査費から支出したことが認められる。
上記調査は,その目的及び対象に照らし,県政との関連性を認めることができるものの,A4議員の自宅がある酒田市と視察先である仙台市との距離関係に照らすと,宿泊の必要性については明らかにされていないというべきである。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しない違法な支出と認めるのが相当である。
(キ) 支出番号D2(10),(11)(石巻・新庄・酒田間地域高規格道路視察貸切バス借上負担金)
証拠(乙182の1,182の2,183)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,平成21年11月18日から同月19日まで,「石巻・新庄・酒田地域高規格道路整備促進議員連盟」所属の議員として,同連盟に所属する他の議員とともに,道路改良整備が予定されている石巻・新庄・酒田間地域高規格道路のほか,石巻港や仙台港を視察し,視察のために利用した貸切バスの利用料のうち自己負担分1万8000円を政務調査費から支出したほか,石巻市でのホテル宿泊費8900円についても政務調査費から支出したことが認められる。
上記視察は,被告の提出した報告書にも記載されているように,石巻港と酒田港との間の道路状況を把握する等のために行われたものとうかがわれ,県政との関連性を認めることができる。原告らは,調査の内容や性質が不明である旨主張するが,上記報告書における各視察先の調査結果の記載は具体的であって,上記各支出が調査研究のために用いられる可能性がなかったことまではうかがわれない。また,上記各支出が実費を超えて行われたものとはうかがえず,宿泊費の額についても,本件手引の要件に照らし,不相当に高額であるとはいえない。そうすると,上記各支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(ク) 支出番号D2(12)(沖縄県視察に係る旅費)
証拠(乙184の1,184の2)及び弁論の全趣旨によれば,A4議員は,自民党県議団の一員として,平成22年3月29日から同月31日まで,国防と外交について理解を深めるために沖縄県を視察し,航空券代,宿泊費,現地交通費18万6275円を政務調査費から支出したこと,同視察においては,宜野湾市に在る普天間飛行場を視察して,防衛局や沖縄県の担当者から説明を受け,続いて沖縄国際大学内の米軍ヘリ墜落現場を視察し,同大学職員から説明を受けたこと,また,名護市において辺野古湾周辺やキャンプシュワブ周辺を視察し,沖縄県議会議員等から説明を受けたこと,嘉手納町においては嘉手納基地を視察して同町の担当者から説明を受けたこと,さらに複数の沖縄県議会議員との意見交換の時間を持ったことが認められる。
上記視察は,その目的及び対象からして,国防や外交といった県政に関連する事項の調査研究と評価できるものであって,観光の可能性はうかがわれない。また,所属政党から費用が支出されたとか,上記支出が実費を超えて行われたものとはうかがわれない。さらに,視察対象が多岐にわたっていることに照らすと,その額が不相当に高額であるともいえない。そうすると,上記支出は本件使途基準に合致しないものとはいえない。
(ケ) 支出番号D2(13)ないし(103)(自家用車利用交通費)
a 証拠(乙1の1~1の28,2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(a) A4議員が平成22年4月30日に議長に対して提出した支払証明書によれば,A4議員は,調査研究費中の自家用車利用に係る交通費として,平成21年4月に20万6830円(支出回数24回),同年5月に19万7210円(支出回数26回),同年6月に7万5480円(支出回数13回),同年7月に11万7290円(支出回数19回),同年8月に18万7590円(支出回数27回),同年9月に11万1000円(支出回数19回),同年10月に10万9520円(支出回数18回),同年11月に9万3610円(支出回数15回),同年12月に7万1040円(支出回数13回),平成22年1月に9万5090円(支出回数18回),同年2月に7万9920円(支出回数13回),同年3月に6万9190円(支出回数10回)の合計141万3770円(支出回数215回)を政務調査費から支出していた(なお,平成21年7月ないし9月に係る各支払証明書には「平成20年度」と記載されているが,正しくは「平成21年度」であると認められる。)。
(b) A4議員は,本件訴訟が提起された後の平成23年8月4日,前記(a)記載の政務調査費の支出額を,平成21年4月に7万2150円(支出回数10回),同年5月に6万0310円(支出回数9回),同年6月に2万8860円(支出回数5回),同年7月に3万8850円(支出回数8回),同年8月に8万9170円(支出回数15回),同年9月に5万6240円(支出回数10回),同年10月に3万1450円(支出回数6回),同年11月に4万7360円(支出回数7回),同年12月に3万3300円(支出回数6回),平成22年1月に2万9970円(支出回数7回),同年2月に2万7380円(支出回数6回),同年3月に7770円(支出回数2回)の合計52万2810円(支出回数91回)へと訂正し,平成23年8月11日,従前の収支報告書記載の総額との差額89万0960円を山形県に返還した(なお,上記訂正が行われた理由は,A4議員作成の陳述書(乙326,338,356)においても触れられておらず,結局のところ不明といわざるを得ないが,従前の収支報告書記載の総額である141万3770円の6割以上である89万0960円を山形県に返還していることは,不自然な観が否めない。)。
b(a) 上記a(b)の訂正によって削除されなかった支出合計52万2810円のうち,平成21年4月1日の4440円,同月10日の5550円,同月16日の5550円,同年5月7日の5550円,同年6月1日の4810円,同年7月16日の2960円,同月17日の9620円,同月25日の4810円,同年8月21日の3700円,同月25日の8510円,同月28日の4440円,同年9月5日の2960円,同月14日の9250円,同月15日の9250円,同月21日の2960円,同年10月23日の8140円,同月26日の4810円,同月30日の3700円,同年11月24日の5180円,同年12月23日の4440円,同月24日の8510円,同月26日の2960円,同月29日の4440円,平成22年1月8日の2220円,同月12日の9250円,同月13日の1850円,同年2月2日の1万0730円,同月4日の4440円及び同年3月19日の1480円の合計15万6510円の支出(支出番号D2(13),(15),(19),(25),(32),(40),(41),(43),(54),(56),(58),(61),(63),(64),(67),(72),(73),(75),(80),(85)ないし(88),(90)ないし(92),(96),(97)及び(102)))については,支払証明書の「使途及び内容」欄に「高齢者福祉耐震性調査(酒田・遊佐)」,「食品衛生管理調査(庄内,鶴岡)」等の調査研究に関連する事項が記載されており,県政との関連性があると認めることができる。また,前示のとおり,A4議員は,同年4月27日,酒田港におけるリサイクル施策推進の参考とするため,秋田県鹿角郡小坂町に在るグリーンフィル小坂株式会社を訪問し,同社の幹部職員と面談したほか,同社工場内の溶鉱炉や最終処分場を視察したこと,同日の夜にホテルメトロポリタン秋田に宿泊し,宿泊費1万円を政務調査費から支出したことが認められるから,同日の1万0360円及び同月28日の1万0360円についても,県政との関連性があると認められる。そして,これらの算定方法も本件手引の要件に照らして適切であるから,合計17万7230円の支出は,本件使途基準に適合する支出であるといえる。
(b) これに対し,その余の34万5580円の支出については,支払証明書の「使途及び内容」欄の記載からは,調査研究との間に合理的関連性を認めることは困難といわざるを得ず,調査研究のための必要性に欠けるものであったことがうかがわれる。この点につき,被告は,報告書及びA4議員作成の陳述書を提出しているものの,これを客観的に裏付ける証拠はない。そうすると,上記各支出は,本件使途基準に合致しないから,違法である。
(3)  以上の検討の結果,別紙1「認容額一覧表」の「氏名」欄各記載の議員は,同表の「返還請求額(円)」欄各記載の金額について,山形県に対して不当利得返還義務を負っているものといえる。
3  地方公共団体が有する債権の管理について定める地方自治法240条,同法施行令171条から同条の7までの規定によれば,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり,免除したりすることは許されず,原則として,地方公共団体の長にその行使又は不行使についての裁量はないと解すべきである(最高裁平成16年4月23日第二小法廷判決・民集58巻4号892頁)。そして,被告は,相手方議員らに対し不当利得返還請求権を有しており,そのことを認識できないような事情も,その他権限不行使を正当化する事情も認められない。
よって,被告は,上記各不当利得返還請求権の行使を違法に怠っているものというべきである。
4  まとめ
このように,被告は,別紙1「認容額一覧表」の「氏名」欄各記載の議員に対して,同表の「返還請求額(円)」欄各記載の金員の支払を請求する義務があるというべきである。
第4  結論
以上によれば,原告らの請求は,別紙1「認容額一覧表」の「氏名」欄各記載の者に対して同表の「返還請求額(円)」欄各記載の金額の返還を請求することを怠ることの違法の確認を求めるとともに,同部分の返還をするよう被告に求める限度で理由があるから,これらを認容することとし,その余の請求は理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 松下貴彦 裁判官 曽我学 裁判官渡部孝彦は,転補のため署名押印できない。裁判長裁判官 松下貴彦)

 

〈以下省略〉


「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧
(1)令和元年 9月20日  和歌山地裁  平28(行ウ)6号・平28(行ウ)7号 公金(政務調査費)違法支出金返還請求事件
(2)令和元年 9月17日  富山地裁  平31(わ)52号 各詐欺被告事件
(3)令和元年 8月21日  東京高裁  平31(行コ)72号 各不当利得返還請求権等行使請求控訴事件
(4)令和元年 7月18日  宇都宮地裁  平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行請求事件
(5)令和元年 6月27日  青森地裁  平26(行ウ)2号 政務調査費返還等履行請求事件
(6)令和元年 6月19日  大阪地裁  平29(行ウ)43号 大阪市政務活動費返還請求事件(住民訴訟)
(7)令和元年 5月29日  仙台地裁  平29(行ウ)2号 政務活動費返還履行等請求事件
(8)令和元年 5月16日  東京地裁  平28(行ウ)222号 共同訴訟参加申出事件
(9)平成31年 4月16日  山形地裁  平25(行ウ)3号 平成23年度山形県議会議員政務調査費返還住民訴訟事件
(10)平成31年 3月22日  東京地裁  平28(行ウ)322号 政務活動費返還請求事件
(11)平成31年 2月28日  名古屋地裁  平27(行ウ)130号 愛知県議会議員政務活動費住民訴訟事件
(12)平成31年 2月19日  奈良地裁  平29(行ウ)10号 奈良県議会議員に係わる不当利得返還請求事件
(13)平成31年 2月19日  奈良地裁  平28(行ウ)21号 奈良県議会議員に係わる不当利得返還請求事件
(14)平成31年 2月15日  静岡地裁  平29(行ウ)4号・平29(行ウ)7号 不当利得返還請求権等行使請求事件
(15)平成31年 2月15日  佐賀地裁  平29(行ウ)2号 損害賠償等請求事件
(16)平成31年 1月21日  金沢地裁  平28(行ウ)5号 政務活動費返還請求事件
(17)平成30年11月30日  東京地裁  平29(行ウ)193号 損害賠償請求(住民訴訟)事件
(18)平成30年11月29日  広島高裁岡山支部  平30(行コ)8号 不当利得返還請求控訴事件
(19)平成30年11月27日  広島高裁松江支部  平30(行コ)1号・平30(行コ)3号ないし8号 不当利得返還請求控訴、同附帯控訴事件
(20)平成30年11月16日  最高裁第二小法廷  平29(行ヒ)404号 神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求事件
(21)平成30年11月15日  宇都宮地裁  平24(行ウ)15号 政務調査費返還履行請求事件
(22)平成30年10月29日  神戸地裁  平30(わ)137号 事件名  詐欺被告事件
(23)平成30年10月24日  仙台高裁  平29(行コ)26号 政務調査費返還履行等請求控訴事件
(24)平成30年 8月28日  東京地裁  平28(行ウ)281号 政務活動費返還請求事件
(25)平成30年 8月 9日  札幌高裁  平29(行コ)8号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(26)平成30年 8月 2日  東京高裁  平27(行コ)256号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(27)平成30年 6月28日  東京地裁  平30(行ウ)23号 情報公開請求却下処分取消請求事件
(28)平成30年 6月26日  仙台地裁  平29(行ウ)7号 非開示処分取消請求事件
(29)平成30年 5月24日  東京高裁 平29(行コ)229号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(30)平成30年 5月24日  富山地裁  平30(わ)35号 詐欺被告事件
(31)平成30年 4月27日  大阪地裁  平27(行ウ)229号 政務活動費返還請求事件(住民訴訟)
(32)平成30年 4月24日  岡山地裁  平28(行ウ)12号 不当利得返還請求事件
(33)平成30年 4月18日  東京高裁  平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(34)平成30年 4月11日  神戸地裁  平29(行ウ)9号 政務調査費返還請求住民訴訟事件
(35)平成30年 3月16日  鳥取地裁  平26(行ウ)7号 不当利得請求事件
(36)平成30年 2月19日  神戸地裁  平29(わ)824号 被告人3名に対する各詐欺被告事件
(37)平成30年 2月 8日  仙台高裁  平29(行コ)5号・平29(行コ)13号 政務調査費返還履行等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(38)平成30年 1月31日  岡山地裁  平26(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(39)平成29年11月29日  徳島地裁  平26(行ウ)14号 政務調査費返還請求事件
(40)平成29年12月 8日  札幌地裁  平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(41)平成29年11月28日  岡山地裁  平27(行ウ)16号 不当利得返還請求事件
(42)平成29年11月 2日  仙台地裁  平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件
(43)平成29年10月 4日  最高裁第二小法廷  平29(行フ)2号 文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
(44)平成29年 8月30日  さいたま地裁  平27(行ウ)12号 埼玉県議会政務調査費返還事件
(45)平成29年 7月18日  奈良地裁   平29(わ)82号 虚偽有印公文書作成・同行使、詐欺、有印私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反被告事件
(46)平成29年 7月10日  東京高裁  平28(行コ)325号 神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求控訴事件
(47)平成29年 6月29日  宇都宮地裁  平23(行ウ)8号 政務調査費返還履行請求事件
(48)平成29年 6月29日  名古屋地裁  平29(ワ)485号 弁護士費用請求事件
(49)平成29年 5月26日  大阪高裁  平28(行コ)199号 不当利得返還等請求行為・同附帯請求控訴事件
(50)平成29年 5月12日  東京地裁  平28(ワ)24577号 損害賠償請求事件
(51)平成29年 4月27日  東京地裁  平25(行ウ)811号 住民訴訟事件
(52)平成29年 4月25日  神戸地裁  平26(行ウ)57号 政務調査費等返還請求事件
(53)平成29年 4月21日  仙台高裁  平28(行コ)12号・平28(行コ)20号 山形県議会議員政務調査費返還等請求控訴、同附帯控訴事件
(54)平成29年 4月12日  名古屋高裁金沢支部  平28(行コ)13号 政務調査費返還請求控訴事件
(55)平成29年 3月30日  広島高裁岡山支部  平28(行コ)2号 不当利得返還請求控訴事件
(56)平成29年 3月29日  広島高裁  平28(行コ)22号 不当利得返還請求住民訴訟控訴事件
(57)平成29年 3月24日  高松高裁  平28(行ス)2号
(58)平成29年 3月16日  札幌地裁  平24(行ウ)6号 政務調査費返還履行請求事件
(59)平成29年 3月14日  東京高裁  平28(行コ)413号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(60)平成29年 3月 1日  名古屋高裁金沢支部  平28(行コ)11号 政務調査費返還請求控訴事件
(61)平成29年 2月 1日 仙台地裁  平26(行ウ)31号 海外視察費返還履行請求事件
(62)平成29年 1月31日  仙台地裁  平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行等請求事件
(63)平成28年12月27日  東京地裁  平26(ワ)1916号 損害賠償請求事件
(64)平成28年12月27日  奈良地裁  平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(65)平成28年12月21日  最高裁第二小法廷  平28(行ヒ)292号 政務調査費返還履行請求事件
(66)平成28年12月21日  最高裁第二小法廷  平28(行ツ)253号・平28(行ヒ)291号 政務調査費返還履行請求事件
(67)平成28年12月21日  最高裁第二小法廷 平27(行ヒ)389号
(68)平成28年12月15日  最高裁第一小法廷  平28(行ツ)164号・平28(行ヒ)173号
(69)平成28年12月15日  最高裁第一小法廷 平28(行ツ)163号・平28(行ヒ)172号
(70)平成28年11月29日  甲府地裁  平26(行ウ)4号 政務調査費返還請求事件
(71)平成28年11月10日  広島高裁岡山支部  平27(行コ)11号 不当利得返還請求控訴事件
(72)平成28年10月27日  金沢地裁  平27(行ウ)6号 政務調査費返還請求事件
(73)平成28年10月26日  さいたま地裁  平26(行ウ)62号 損害賠償請求住民訴訟事件
(74)平成28年10月12日  徳島地裁  平28(わ)196号 虚偽有印公文書作成・同行使,詐欺被告事件
(75)平成28年 9月29日  大阪地裁  平26(行ウ)81号・平26(行ウ)116号 平成24年度茨木市議会政務調査費返還請求事件、平成24年度(2月~3月分)茨木市議会政務調査費返還請求事件
(76)平成28年 9月29日  金沢地裁  平27(行ウ)2号 政務調査費返還請求事件
(77)平成28年 9月14日  高松地裁  平28(行ク)1号
(78)平成28年 8月 3日  横浜地裁  平27(行ウ)25号 神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求事件
(79)平成28年 7月 6日  神戸地裁  平27(わ)825号 虚偽有印公文書作成、虚偽有印公文書行使、詐欺被告事件
(80)平成28年 6月28日  最高裁第三小法廷  平25(行ヒ)562号 不当利得返還等請求行為請求事件
(81)平成28年 6月22日  仙台高裁  平27(行コ)2号・平27(行コ)9号 政務調査費返還履行等請求控訴、同附帯控訴事件
(82)平成28年 6月22日  山口地裁  平26(行ウ)7号 不当利得返還請求住民訴訟事件
(83)平成28年 5月17日  山形地裁  平23(行ウ)2号 山形県議会議員政務調査費返還等請求事件
(84)平成28年 4月27日  岡山地裁  平25(行ウ)12号 不当利得返還請求事件
(85)平成28年 4月22日  新潟地裁  平25(行ウ)7号 政務調査費返還履行請求事件
(86)平成28年 4月13日  福井地裁  平25(行ウ)2号 2011年度福井県議会政務調査費人件費等返還請求事件
(87)平成28年 3月22日  札幌高裁  平27(行コ)11号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(88)平成28年 3月22日  東京地裁  平26(行ウ)582号 政務活動費返還請求事件
(89)平成28年 3月11日  東京地裁  平25(行ウ)677号 政務調査研究費返還請求事件
(90)平成27年12月24日  名古屋高裁  平26(行コ)11号 愛知県議会議員政務調査費住民訴訟控訴事件
(91)平成27年12月21日  名古屋高裁金沢支部  平27(行ケ)4号 裁決取消、当選取消請求事件
(92)平成27年10月27日  岡山地裁  平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(93)平成27年 9月17日  東京高裁  平27(行コ)110号 政務調査費返還請求控訴事件
(94)平成27年 6月24日  宇都宮地裁  平22(行ウ)8号 政務調査費返還履行請求事件
(95)平成27年 6月12日  札幌高裁  平26(行コ)12号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(96)平成27年 5月26日  札幌地裁  平21(行ウ)36号 政務調査費返還履行請求事件
(97)平成27年 4月 8日  大阪地裁  平24(行ウ)129号 政務調査費返還請求事件
(98)平成27年 2月26日  東京地裁  平26(行ウ)209号 政務調査費返還請求事件
(99)平成27年 1月13日  長崎地裁  平24(ワ)530号 政務調査費返還請求事件
(100)平成26年12月18日  奈良地裁  平25(行ウ)11号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求事件


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②選挙立候補(予定)者の名刺およびビラの手渡し→→→完全無料
③留守宅への名刺およびビラなどの投函(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率!)→→→完全無料
④政治活動用事前街頭ポスターの新規掲示交渉→→→ポスター掲示(貼付)許可交渉は、完全成果報酬|完全成功報酬
⑤掲示(貼付)交渉後における、掲示許可承諾者に対してのフォローおよびクレーム対応→→→完全無料
選挙候補(予定)者様専用フォーム【政治活動用(事前街頭外壁)ポスター掲示交渉代行】

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