【選挙から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例(82)平成13年12月18日  最高裁第三小法廷  平13(行ツ)233号 選挙無効請求事件

「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例(82)平成13年12月18日  最高裁第三小法廷  平13(行ツ)233号 選挙無効請求事件

裁判年月日  平成13年12月18日  裁判所名  最高裁第三小法廷  裁判区分  判決
事件番号  平13(行ツ)233号
事件名  選挙無効請求事件
裁判結果  上告棄却  文献番号  2001WLJPCA12180006

要旨
◆公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している重複立候補制の合憲性
◆公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制の合憲性
◆所定の要件を充足する政党その他の政治団体に所属する候補者に限り衆議院小選挙区選出議員の選挙と衆議院比例代表選出議員の選挙とに重複して立候補することを認め、重複立候補者が前者の選挙において当選人とされなかった場合でも後者の選挙においては候補者名簿の順位に従って当選人となることができるなどと定めている公職選挙法の規定は、憲法一四条一項、一五条一項、三項、四四条ただし書及び憲法の直接選挙の要請に違反するとはいえない。
◆公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制は、憲法一五条一項、三項、四三条一項に違反するとはいえない。

新判例体系
公法編 > 憲法 > 憲法〔昭和二一年一一… > 第四章 国会 > 第四三条 > ○両議院の構成 > (二)選挙制度 > B 小選挙区制
◆公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制は、憲法第一五条第一項、第三項、第四三条第一項に違反するとはいえない。

公法編 > 憲法 > 憲法〔昭和二一年一一… > 第四章 国会 > 第四三条 > ○両議院の構成 > (二)選挙制度 > D 重複立候補制
◆所定の要件を充足する政党その他の政治団体に所属する候補者に限り衆議院小選挙区選出議員の選挙と衆議院比例代表選出議員の選挙とに重複して立候補することを認め、重複立候補者が前者の選挙において当選人とされなかった場合でも後者の選挙においては候補者名簿の順位に従って当選人となることができるなどと定めている公職選挙法の規定は、憲法第一四条第一項、第一五条第一項、第三項、第四四条ただし書及び憲法の直接選挙の要請に違反するとはいえない。

公法編 > 組織法 > 公職選挙法〔昭和二五… > 第三章 選挙に関する… > 第一三条 > ○衆議院議員の定数配… > (五)比例代表制 > A 合憲性
◆公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制は、憲法第一五条第一項、第三項、第四三条第一項に違反するとはいえない。

公法編 > 組織法 > 公職選挙法〔昭和二五… > 第九章 公職の候補者 > 第八六条の二 > ○衆議院比例代表選出… > (一)重複立候補制 > A 合憲性
◆所定の要件を充足する政党その他の政治団体に所属する候補者に限り衆議院小選挙区選出議員の選挙と衆議院比例代表選出議員の選挙とに重複して立候補することを認め、重複立候補者が前者の選挙において当選人とされなかった場合でも後者の選挙においては候補者名簿の順位に従って当選人となることができるなどと定めている公職選挙法の規定は、憲法第一四条第一項、第一五条第一項、第三項、第四四条ただし書及び憲法の直接選挙の要請に違反するとはいえない。

 

裁判経過
第一審 平成13年 4月25日 東京高裁 判決 平12(行ケ)272号 選挙無効請求事件

出典
民集 55巻7号1712頁
裁時 1306号7頁
裁判所ウェブサイト
判タ 1083号89頁
判時 1772号33頁
新日本法規提供

評釈
大橋寛明・最高裁判所判例解説 民事篇(平成13年度) 905頁
大橋寛明・判解36事件・曹時 56巻2号257頁
大橋寛明・ジュリ 1231号174頁
大橋寛明・ジュリ増刊(最高裁時の判例1) 71頁
中谷実・民商 126巻4・5号259頁
Westlaw Japan・新判例解説 226号(2001WLJCC197)
(最高裁判決速報)・民事法情報 186号77頁

参照条文
公職選挙法46条2項
公職選挙法86条の2
公職選挙法87条
公職選挙法95条の2
日本国憲法14条1項
日本国憲法15条1項
日本国憲法15条3項
日本国憲法43条1項
日本国憲法44条

裁判年月日  平成13年12月18日  裁判所名  最高裁第三小法廷  裁判区分  判決
事件番号  平13(行ツ)233号
事件名  選挙無効請求事件
裁判結果  上告棄却  文献番号  2001WLJPCA12180006

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
上記当事者間の東京高等裁判所平成12年(行ケ)第272号選挙無効請求事件について、同裁判所が平成13年4月25日に言い渡した判決に対し、上告人らから上告があった。よって、当裁判所は、次のとおり判決する。

 

主  文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。

 

理  由

上告人兼上告代理人森徹、上告人山口邦明、同土釜惟次、同奥田保、同赤羽健也の各上告理由について
1  本件は、公職選挙法(以下「公選法」という。)の衆議院議員選挙の仕組みに関する規定が憲法に違反し無効であるから、これに依拠してされた平成12年6月25日施行の衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)のうち東京都選挙区における比例代表選挙は無効であると主張して提起された選挙無効訴訟である。
2  憲法は、国会の両議院の議員の選挙について、およそ議員は全国民を代表するものでなければならないという制約の下で、議員の定数、選挙区、投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めるべきものとし(43条、47条)、選挙制度の仕組みの具体的決定を原則として国会の広い裁量にゆだねている。したがって、国会が選挙制度の仕組みについて具体的に定めたところが、上記の制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するため国会の裁量権を考慮してもなおその限界を超えており、これを是認することができない場合に、初めてこれが憲法に違反することになると解すべきである。
3 同時に行われる二つの選挙に同一の候補者が重複して立候補することを認めるか否かは、選挙制度の仕組みの一つとして、国会が裁量により決定することができる事項である。そして、重複して立候補することを認める制度においては、一の選挙において当選人とされなかった者が他の選挙において当選人とされることがあることは、当然の帰結である。
もっとも、衆議院議員選挙において重複立候補をすることができる者は、公選法86条1項1号、2号所定の要件を充足する政党その他の政治団体に所属する者に限られているところ、合理的な理由なく立候補の自由を制限することは憲法の要請に反するといわなければならない。 しかしながら、上記要件は、国民の政治的意思を集約するための組織を有し、継続的に相当な活動を行い、国民の支持を受けていると認められる政党等が、小選挙区選挙において政策を掲げて争うにふさわしいものであるとの認識の下に、選挙制度を政策本位、政党本位のものとするために設けられたものと解されるのであり、選挙制度を政策本位、政党本位のものとすることは、国会の裁量の範囲に属することが明らかである。したがって、同じく政策本位、政党本位の選挙制度というべき比例代表選挙と小選挙区選挙とに重複して立候補することができる者が上記候補者届出政党の要件と公選法86条の2第1項各号所定の衆議院名簿届出政党等の要件の両方を充足する政党等に所属する者に限定されていることには、相応の合理性が認められるのであって、不当に立候補の自由や選挙権の行使を制限するとはいえず、これが国会の裁量権の限界を超えるものとは解されない。そして、重複立候補者の数は名簿登載者の数の制限の計算上除外される(同条5項)結果、衆議院名簿届出政党等のうち候補者届出政党の要件を備えたものは、これを備えないものより、名簿に登載することができる候補者の数が多くなり、名簿登載者の数に応じて選挙運動の規模が定められている(同法141条3項等)ため、規模の大きな選挙運動を行うことができることになるが、名簿登載者の数が多くなるほど選挙運動の必要性が増大する面があり、上記の除外にも合理性が認められるから、上記のような差異を設けたことが憲法15条1項等に違反するとはいえない。
以上によれば、公選法が衆議院議員選挙について採用している重複立候補制は、憲法14条、15条1項、3項、44条ただし書等及び憲法の直接選挙の要請に違反するとはいえない。
4  また、政党等にあらかじめ候補者の氏名及び当選人となるべき順位を定めた名簿を届け出させた上、選挙人が政党等を選択して投票し、各政党等の得票数の多寡に応じて当該名簿の順位に従って当選人を決定する方式は、投票の結果すなわち選挙人の総意により当選人が決定される点において、選挙人が候補者個人を直接選択して投票する方式と異なるところはない。複数の重複立候補者の比例代表選挙における当選人となるべき順位が名簿において同一のものとされた場合には、その者の間では当選人となるべき順位が小選挙区選挙の結果を待たないと確定しないことになる(公選法95条の2第3項)が、結局のところ当選人となるべき順位は投票の結果によって決定されるのであるから、このことをもって比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできず、憲法43条、15条に違反するとはいえない。
5  論旨は、比例代表選挙の各選挙区の定数と同各選挙区内の小選挙区選挙の定数との合計数でみるならば、選挙区間に議員1人当たりの人口等の較差があり、逆転現象も生じており、憲法に違反すると主張するが、このような比較に合理性がないことは明らかであるし、比例代表選挙の無効を求める訴訟において小選挙区選挙の仕組みの憲法適合性を問題とすることはできないというほかはない。そして、比例代表選挙についてみれば、投票価値の平等を損なうところがあるとは認められず、その選挙区割りに憲法に違反するところがあるとはいえない。したがって、公選法13条2項、別表第二の規定が憲法14条、43条、44条等に違反するとは認められない。
6  以上は、最高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁の趣旨とするところであり、又はその趣旨に徴して明らかなところである。
以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、すべて採用することができない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 金谷利廣 裁判官 千種秀夫 裁判官 奥田昌道 裁判官 濱田邦夫)

 

平成13年(行ツ)第233号
上告提起事件番号・平成13年(行サ)第94号
原審事件番号・平成12年(行ケ)第272号 選挙無効請求事件
(比例区、東京都選挙区)
上告人 山口邦明 外13名
被上告人 中央選挙管理会
上告理由書
平成13年7月6日
最高裁判所 御中
上告人兼上告人13名(但し、上告人森徹を除く)代理人
弁護士 森徹
第1.上告理由の要旨-原判決には、憲法の解釈適用を誤った違法がある。
上告人は、原判決に憲法の解釈適用の誤りがあることを理由に上告をなしたが、上告理由の要旨は次のとおりである。
1.逆転現象の存在
改選公選法13条1項及び別表第一並びに再改選公選法13条2項及び本件別表第二の配分を全体としてみると、逆転現象が存在し、これは人口分布に応じて議員定数を配分すべきことを要請する投票価値の平等を侵害する。
2.南関東比例区の区割りが飛び地を作成していること
次に、南関東比例区の区割りが飛び地を作っており、著しく不合理な選挙区割りであり、選挙制度、選挙区画定に関する国会の立法権限の行使としては憲法第47条に反する。
3.議員定数480名の配分が比例区180名、小選挙区300名としたことは恣意的な配分であること
また、議員定数決定に関する国会の立法権限行使が、「正当な代表」選出に関し適正に選挙制度を定めるべき国会の立法裁量権を逸脱し、憲法第43条2項に反する。
4.重複立候補は投票意思を歪めるものであり、憲法の保障する選挙権を侵害する。
5.重複立候補の直接選挙制違反
重複立候補制は憲法第43条1項の議員を直接選挙する権利(直接選挙制)に反する。
6.選挙運動等の差別
平成6年改正法による改正後の公職選挙法(以下、「改正公選法」という。)は、「政党本位の選挙の実現」の名のもと、立候補の点においても、選挙運動の点においても、既成政党所属の候補者を優遇し、そうでない候補者を差別的に取り扱い、その結果、選挙人が投票行動をする際、その判断資料である候補者の適性・政見等に関する情報を均等に亨受することを妨げ、選挙人の適正な選挙権の行使を阻害しており、憲法第15条、14条に反する。
7.憲法第47条、44条、43条2項の解釈の誤り
以上に対し、原判決は、憲法第47条及び同第43条2項の「法律でこれを定める」との文言を根拠に、議員定数の配分につき国会の広範な裁量権を認め、原審における上告人らの主張を排斥しているが、これは憲法第47条、44条、43条2項の解釈を誤り、代表民主制国家における選挙権の重要性を看過するものであり、憲法第15条に反する。
第2.「正当に選挙された代表者」選出のための選挙立法のあり方と立法裁量権の範囲
1.選挙権の憲法的保障の意義
(1)  わが憲法は、個人の尊厳を尊重し、個人が幸福になること、これを追求する権利を保障(第13条)するとともに、個人の人格価値の平等を保障し(第14条1項)、その人格価値の自己充足、自己実現の方法として、国民主権主義(第1条)を採用する。
(2)  そして、わが憲法は普通選挙制度を採用し(憲法第15条3項、44条但し書)、平等選挙を保障する(憲法第14条)。
(3)  民主制国家において、個人が、自分の住む国の環境を自らの手で作り出し、自らの命運は自らの手で決め、個人が個人として主体的に生き、国家に支配されるのではなく、自らが幸福になる国、環境をつくる、そのような機会を持つべく国政に関与する権利を有する。
憲法は、この国民が国政に参加する具体的方法として代表民主制を採用し、国権の最高機関とされる議会を構成する国会議員の選出つき、選挙権を保障している。
このように、国会議員の選挙権は、国権の最高機関である国会を構成する国会議員の権限行使にあたり、国民意思を代表者を通じて忠実に反映させる権利であり、まさしく、個人の尊厳に根ざす国民の基本的人権である。
(4)  ところで、かかる選挙権は、国家が選挙を実施することによりはじめてその行使が可能となるものであり、選挙の実施に関しても、具体的な選挙制度、選挙区の定め、議員定数の配分、選挙運動、投票方法等につき、具体的に定められてはじめて、その内実が実質化するものである。
憲法第47条、44条、43条2項は、これらの事項を憲法は、かかる選挙に関する事項につき「法律でこれを定める」と規定し、いわゆる「憲法の委任」(Verfassungsauftrag)に基づき、選挙立法につき命令主義を廃し法律主義を採用している。
「法律でこれを定める」という文言は単なる権限分配規定に過ぎず、この文言を根拠に、直ちに広範な立法裁量権を導き出すことはできない。
第3.国会の「立法裁量論」批判
1.「法律でこれを定める」との文言は単なる権限分配規定である。
(1)  しかるに、原判決は、憲法第47条、44条、43条2項などの「法律でこれを定める」との文言を根拠に、国会に広範な立法裁量権を認めているが、前記のとおり憲法第47条、44条、43条2項の「法律でこれを定める」という権限分配規定から直ちに広範な裁量の自由を引き出すことは誤りである。
(2)  たとえば、「法律でこれを定める」との規定を根拠に、法律で「ゲリマンダリング」を行うことも許されるかというと、おおよそかかる解釈は、「憲法の委任」から許容されるものでないことは明らかである。
立法府が「憲法の委任」に基づき、立法権を行使して法律を制定改廃するにあたっても、当然のことながら「憲法の委任」から自ずとその裁量権には限界がある。
憲法上の他の諸価値を無にする立法、いわんや人権を侵害する立法などは「憲法の委任」の趣旨を逸脱することは明らかであり、かかる委任の範囲か否の審査こそが、裁判所に課せられた違憲立法審査権(憲法第81条)に期待されているのである。
(3)  しかるに、原判決は、アプリオリに国会の広範な裁量権を是認し、違憲立法審査権を自ら放棄している。
2.「公正かつ効果的な代表」は、まず「公正な代表」であるべきである。
(1)  かかる広範な裁量権を認める原判決の解釈の根底には、憲法は「公正かつ効果的な代表」の創出を国会の判断に委ねたものと解釈しているものと考えられるが、前述のとおり、国民代表は、「効果的」代表である以前に、まず、「正当に選挙された」「公正な代表」である必要がある。
(2)  「公正かつ効果的な代表」論と選挙権の関係
ア.憲法は、「公正かつ効果的な代表」を創出するために、具体的な選挙制度をどのように設営するかについては、時の政治情勢などを考慮して国会が決めることを委ねており、この点において具体的な選挙制度の選択に関してはある程度国会の立法裁量権は存するものといえる。
イ.憲法は、「公正かつ効果的な代表」を創出するために、具体的な選挙制度をどのように設営するかについては、時の政治情勢などを考慮して国会が決めることを委ねており、この点において具体的な選挙制度の選択に関してはある程度国会の立法裁量権は存するものといえる。
ウ.しかし、選挙権が前記のごとく個人の尊厳に根ざし、代表民主制国家において自己の人格価値の実現を図るための重要な権利であることからすると、国会の立法裁量権はいわば、可及的に民意が忠実に反映される代表制を創出するよう覊束されているものというべきである。
すなわち、「公正かつ効果的な代表」においては、まず、国民意思を忠実に反映する「公正」な代表であることが必要であり、国民主権主義を採用する憲法はかかる代表制創出を立法府に委任したものというべきである。
エ.また、選挙権またはこれと表裏の関係をなす被選挙権(立候補の自由、選挙運動の自由を含む)を規定する選挙に関する立法において、選挙権または被選挙権を実質的に制約し、差別的な取り扱いがなされると、国民は「投票箱と民主政の過程」において、これを是正することは困難となり、惹いては国民主権主義が有名無実と化すおそれがある。
憲法は、個人の尊厳を尊重し、国民主権主義を根本原則とするが、憲法自体が自らの根本原則を否定することまで国会に対し「憲法の委任」を行うとは到底考えられない。
オ.したがって、「投票箱と民主政の過程」を構成する政治活動の自由、被選挙権または選挙権を規制する立法に関しては、「憲法の委任」に基づく国会の立法裁量権は著しく限定されたものであり、〈1〉立法目的の正当性、〈2〉規制手段の相当性、〈3〉両者間の合理的関連性を審査するにあたっては、「より制限的でない他の選びうる手段」(less restrictive alternative)を精査すべきであり、少なくともいわゆる薬局距離制限の違憲判決(昭和50年4月30日最高裁大法廷判決。民集29巻4号572頁)が採用した「厳格な合理性」の基準を用いるべきである。
カ.また、議員定数の配分にあたっては、可及的に投票価値の平等を実現すべく配分することが要請され、国会の立法権限は、まず、人口分布に比例した配分(人口比例配分)をなすよう覊束され、人口比例配分原則からの乖離がやむにやまれぬ正当化事由を有する場合にのみ許容される。
3.しかるに、原判決は、国会の立法裁量権を無限定に認めており、立候補及び選挙運動の自由につき差別的取扱いを是認しており、憲法第15条、第44条、第14条、第47条、第43条の解釈適用を明らかに誤っている。
4.改正公選法は「政策本位、政党本位の選挙の実現」という美名のもとに、重複立候補制を採用しているが、かかる立法の合憲性を判定する方法として、上告人らは、
〈1〉 そもそも、かかる「政策本位、政党本位の選挙の実現」という立法目的自体に正当性があるか否か(立法目的の正当性)、
〈2〉 仮に立法目的に正当性があったとしても、その目的達成のための手段として重複立候補制の採用やそれに伴う立候補段階や選挙運動の段階で重複立候補ができない者との間に差別的取扱いを設けることが相当か否か(規制手段の相当性)、
〈3〉 また、目的達成のための規制手段として、両者間に合理的関連性があるか(目的と手段の合理的関連性)、
を精査して、立法裁量権の逸脱如何を判断すべきことこそが必要であることを再度主張する。
第4.ブロック議員数につきブロック間での逆転現象の存在
1.本件別表第2の選挙区に相当する区域(本書面では、別表第2の選挙区と区別するために、この地理的範囲を「ブロック」といい、「南関東選挙区」に相当する地理的範囲は「南関東ブロック」などと称する。)の小選挙区選出議員数と比例区選出議員を合わせた議員数(これを、「ブロック議員数」という。)のブロック間における議員数の不均衡がある。
2.原判決末尾添付の[比較表]で前記「ブロック議員数」の配分を見ると、九州ブロックや東海ブロックより人口数(平成7年国勢調査人口)の多い南関東ブロックには53議席の議員数しか配分されていないのに対し、九州ブロックでは59議席、東海ブロックでは55議席もの議員数が配分されており、いわゆる「逆転現象」が生じている。
また、同じく前記[比較表]を見ると、中国ブロックより人口数(平成7年国勢調査人口)の多い北陸・信越ブロックには31議席の議員数しか配分されていないのに対し、中国ブロックでは32議席もの議員数が配分されており、ここでも「逆転現象」が生じている。
3.これは人口の少ないブロックにそれより人口の多いブロックよりもより多い議席数を配分するものであり、投票価値の平等を保障する憲法第15条、第14条、1条、前文に反する。
4.これに対し、原判決は、「二種類の選挙のそれぞれの選挙区割りの特徴を一方的に捨象してしまう点において合理性に欠けることが明らかである。」とする。
しかし、その判示の意味は、いかなる意味か理解しかねるところである。
要するに、小選挙区選出議員の選挙と比例代表選出の議員の選挙は、別個独立のものと考え、当該ブロック内の小選挙区選出の議員数とあわせてブロック内の議員数を比較することを無意味とするものと思われるが、かかる解釈は、中選挙区制から、本件小選挙区比例代表並立制を採用した立法経過に想到しないものであり、また、両選挙において重複立候補制が採用されたこと、いずれの選挙においても当選した以上は衆議院議員としての地位を有し、その権能の点においても異なるところがないところを度外視するものであり、看過できない過誤がある。
5.両選挙は、以下に述べるように、一体不可分のものである。
(1)  両者は相まって衆議院議員総選挙を構成すること
まず、憲法自体、衆議院議員につき、小選挙区選出議員と比例区選出議員の地位、任期、権能につき、差異を設けておらず、いずれも衆議院議員であり、小選挙区選出議員の選挙も比例区選出議員の選挙もいずれも、「選挙された」「全国民の代表」たる「衆議院議員」を選ぶもので、両者相まって衆議院議員総選挙を構成するものである。
(2)  機能的にみても一体であること
そもそも、改正公選法が、旧来の中選挙区単記記名式投票制の選挙制度を、小選挙区制と比例代表制の並立制としたのは、前者で民意の集約を図り、他方、後者で民意の忠実な反映を図り、両者相まって、前記改正公選法が目的とする公正かつ効果的な代表を創出せんとするものであり、機能的にみても両者は不可分一体である。
現に、小選挙区比例代表並立制を提案した細川政権は、「民意を集約させる機能を持つ小選挙区制と、民意をそのまま反映させる比例代表制を相互補完的に組み合わせるとの考え」であると説明している。
このように、衆議院議員選挙は、衆議院全体を1つの組織、機関として、公正かつ効果的な代表者で構成するための制度であるから、議員定数の配分にあたっては、小選挙区選出議員と比例代表選出議員を選出する選挙は1つの選挙と考えるべきである。
(3)  重複立候補制により両者の関係は緊密であること
また、改正公選法は、両者間において「重複立候補」制を是認しており、一方の当選の効力が、他方の当選に消長を来す制度となっている。
具体的には、小選挙区での当選人の更正決定や小選挙区で当選人の繰上補充による場合である(自治省選挙部編「改正公職選挙法解説」政経書院発行78頁の表11参照)。
(4)  改選公選法第208条1項但書の趣旨
そして、改選公選法第208条1項但書は、この両者の一体性を前提とするものである。
同但書は、この一体性を前提とするからこそ、小選挙区選出議員の当選の効力が比例代表区選出議員のそれに影響を及ぼすため、比例代表選出議員の選挙結果の安定を確保するために、小選挙区選挙に関する訴訟の結果と比例代表選挙の結果との間の関係を遮断することにしたものである(自治省選挙部編「改正公職選挙法解説」政経書院発行138頁)。
かかる規定の存在からも、両者の一体性は首肯できる。
(5)  また、同様に、選挙運動、連座による当選無効(公選法第98条1項後段)に関する規定からも、両選挙が密接不可分であることがわかる。
6.原判決は何ら理由を付さず、また、他の争点の判断の理由づけとの間の整合性を欠いている。
(1)  これに対して、原判決は、上記上告人らが原審で主張した一体と見る根拠について、「独自の見解であり、採用の限りでない。」(P.22~23)と一蹴している。
(2)  だが、それでは、一体、原判決は、前記改正公選法第208条1項但し書の存在をどのように考えるのか、また、小選挙区選出議員の選挙の当選の効力が、比例代表選出議員選挙の当選に消長を来す「重複立候補」制をどのように考えているのか、あるいは、小選挙区比例代表並立制を提案した細川政権の説明をどのように考えているのかである。
この点、原判決は何ら理由を付さず「独自の見解」と論難するのみである。
(3)  さらに、原判決は、後述のごとく、重複立候補が直接選挙制に反するか否かの点において、両選挙の一体性を肯定しており、理由づけが矛盾しており、場当たり的である。
すなわち、原判決は「複数の重複立候補者の比例代表選挙における当選人となるべき順位が小選挙区選挙の結果を待たないと確定しないことになるが、当選人となるべき順位も結局のところは投票の結果(筆者注:小選挙区選出議員の選挙)によって決定され、投票の結果(筆者注:小選挙区選出議員の選挙)以外の他の中間意思が介在してこれ(筆者注;比例代表選出議員選挙の当選の効力)を決定するものではないのであるから、比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできない。」としており、もし、原判決がこの逆転現象の判示の中で述べるように、別個の選挙であるとするならば、小選挙区選出議員の選挙の投票の結果は、考慮されてはならないということになるはずである。
(4)  このように、一方の争点においては、別個の選挙とし、他方の争点ではその投票の結果の影響力を認めるということは、矛盾以外の何ものでもない。
いわば、原判決は、先に結論ありきの判断であり、まさに裁判官の「独自の見解」を示しているに過ぎない。
7.以上より、本件小選挙区選出議員選挙と比例区選出議員選挙は不可分一体であり、議員定数の配分につき、両者併せて、その人口比例を考慮すべきである(因みに、外国の例で、小選挙区と比例代表の2つの選挙を組み合わせている国は、ドイツ連邦とイタリアであるが、ドイツ連邦は邦の人口に比例して、イタリアは比例選挙区の人口に比例して、小選挙区選挙と比例代表選挙による合計議員数を決めている。)。
とすると、前述のごとく、本件別表第一及び第二には、逆転現象が存し、これは、人口数の少ない地域に議員定数を多く配分し、逆に人口数の多い地域に議員定数を少なく配分するもので、憲法が保障する投票価値の平等、その具現化である人口比例配分の原則に、著しく反するものと言わざるを得ない。
8.かかる配分は、明らかに国会の立法権限の行使の範囲を逸脱するものであり、かかる配分規定に基づく本件選挙は無効である。
第5.南関東比例区の区割りが飛び地を作成していること
1.比例代表選挙は、全国を11選挙区に「区割り」しているところ、「南関東」選挙区は、千葉県、神奈川県、山梨県の3県で構成されており、千葉県と神奈川県、千葉県と山梨県は「飛び地」の関係にあり、比例代表選出議員選挙の選挙区割りに関しては、国会の立法裁量権としては合理性を欠いている。
2.しかるに、原判決は、「南関東選挙区は、これを構成する千葉県と神奈川県及び山梨県とが東京都によって分断され、飛び地となっているが、これは、……東京都を単独で独立した1ブロックとするのが適当であり、また、南関東選挙区を構成する千葉県、神奈川県及び山梨県が、いずれも地理的に東京都に隣接し、経済関係や交通機関の状況などが類似しており、東京都を挟んで総体としてみれば一団の地域を構成している上、……このような南関東選挙区の区割りには一応の合理性があるというべきであり、これが国会の裁量権を逸脱しているとはいえない。」(24頁~25頁)とする。
3.南関東選挙区を構成する千葉県、神奈川県及び山梨県が、「いずれも地理的に東京都に隣接し」ている点はそのとおりであるが、東京都といえども、23区内の東部、南部により違いはあるし、また、山梨が隣接するのは東京都の都下の部分であり、このような形で隣接するかどうかといえば甚だ疑問である。
国会で、「経済関係や交通機関の状況などが類似」という点につき、審議がなされた形跡はない。
また、「東京都を挟んで総体としてみれば一団の地域を構成」というが、その意味は不明である。
「総体として」とはいかなる意味か理解し難いところである。
4.他方、東京都を人口の関係で一ブロックとしつつ、飛び地を避けるとすれば、千葉県に換え、埼玉県、神奈川県、山梨県を一つのブロックとするという方策も考えられたところである。
埼玉県、神奈川県、山梨県を一つのブロックとすると、この三県で1588万余人となり、現在の南関東ブロックより96万1529人ほど人口が増加する。
これに対し、千葉、茨城、栃木、群馬の四県では1274万余人であり、現在の北関東ブロックより96万1529人ほど人口が減少する。
このようなブロックとしても、原判決末尾添付[比較表]の人口数から見ても、単位として突出したり、極端に人口が少なくなるというものでもないことがわかる。
千葉県と埼玉県を対比して、山梨及び神奈川、茨城、栃木、群馬との間で、それぞれどちらが「経済関係や交通機関の状況などが類似」しているかどうかも明確でないところである。
選挙区割りにおいて、「飛び地」を避けるというのが合理的な区割りであるところ、南関東ブロック、北関東ブロックの構成如何により(但し、埼玉、山梨、神奈川と、千葉、茨城、栃木、群馬とした場合には、名称の変更の必要はあろう。)「飛び地」を避けられなかったのかどうか、国会では何ら審議されていない。
結局、国会は第八次選挙制度審議会の区割りをそのまま承認したものであり、原判決が指摘するような国会が「経済関係や交通機関の状況」を考慮したという形跡はないのである。
にもかかわらず、国会が審議していないものを、国会の立法裁量権の範囲と判断することは、立法事実に依拠しない点で、立法裁量の範囲の解釈を誤っている。
第6.議員定数480名の配分が比例区180名、小選挙区300名としたことは恣意的な配分であること
1.改選公選法では議員定数500名を比例区200名と小選挙区300名とした。
2.しかし、再改正公選法では、比例区を180名とした。
3.そもそも、改正公選法が、旧来の中選挙区単記記名式投票制の選挙制度を、小選挙区制と比例代表制の並立制としたのは、前者で民意の集約を図り、他方、後者で民意の忠実な反映を図り、両者相まって、前記改正公選法が目的とする公正かつ効果的な代表を創出せんとするものである。
4.とするならば、比例区と小選挙区の議員数の配分比率は、本来、同比率であるべきであり、少なくとも改選公選法のごとく2対3の割合の均衡を崩すべきではなく、議員定数(総数)の削減をなすとするならば、この2対3の割合に従い、比例区、小選挙区それぞれから削減するのがもっとも合理的である。
5.この改選公選法の2対3の割合の比率は、当時の連合政権と自民党との間の政治的妥協として決定されたものであり、確たる原則のもとになされたものではないが、仮に、これを前提としても、当時は、二大政党制への移行を目論見、政策選挙、争点選挙の名のもとに、小選挙区選挙への議員数の配分を多くしたのである。
しかし、その後の政治状況から、現在は、再度、中選挙区制当時の政党の乱立状況に戻っている。
したがって、改選公選法当時よりさらに進めて小選挙区選挙の議員数の比率を高め、民意の集約を図る具体的理由に乏しいものである。
かえって小選挙区選挙の議員数の比率を高めることは、「小選挙区選挙で民意の集約を図り、他方、比例代表選挙で民意の忠実な反映を図り、両者相まって、公正かつ効果的な代表を創出する」という目的に悖るものである。
6.結局、再改正公選法は、議員定数(総数)の削減をするにあたり、小選挙区選出議員からの反発、議員数削減に伴う選挙区割りの変更を避けるべく、安易に比例代表選出議員の議員数を削減したものであり、仮に、国会に「公正かつ効果的な代表」の創出のために立法裁量権があるとしてもなお、その裁量権の合理的行使の範囲を逸脱するものである。
7.しかるに、原判決は、「純然たる政治的判断に委ねられた事柄」として、司法審査の対象とならないとしているが、これは前述のごとく国民の選挙権の重要性を看過するものであり、憲法第1条、15条、43条、47条の解釈を誤ったものである。
第7.重複立候補制度の問題点
1.改正公選法第86条の2は、比例代表選挙における立候補につき、同条1項各号所定の要件のいずれかを備えた政党その他の政治団体のみが団体の名称と共に順位を付した候補者の名簿を届け出ることができるものとし、右の名簿の届出をした政党その他の政治団体(衆議院名簿届出政党等)のうち、小選挙区選挙において候補者の届出をした政党その他の政治団体(候補者届出政党)は、その届出にかかる候補者を同時に比例代表選挙の名簿登載者とすることができ、両選挙に重複して立候補する者については右名簿における当選人となるべき順位を同一のものとすることができるという、いわゆる「重複立候補」制を採用している。
そして、同条の2第4項は、比例区選挙において小選挙区選挙の候補者との重複立候補を認め、衆議院(小選挙区選出)議員として落選しても衆議院(比例代表選出)議員選挙の結果、衆議院議員の地位を取得できる可能性を制度化している。
2.重複立候補制の趣旨
小選挙区選挙と比例代表選挙の間の重複立候補を認めることにした趣旨については、次のように説明されている。
すなわち、「小選挙区において候補者届出を行うことができる政党が小選挙区選挙の候補者として届け出た者のうち『当選させたい者』を、同時に比例代表選挙における名簿登載者とすることにより、その者が小選挙区選挙において落選しても、比例代表選挙において当選人となる可能性を与えようとするものであり、政党本位の選挙を目指す中で、政党にできるだけ候補者について裁量の幅を認め、政党にとって必要な候補者を確保できるようにしようとする趣旨のものである。」と(自治省選挙部編「改正公職選挙法解説」政経書院発行60頁。なお傍線筆者)。
3.「復活当選制」は、投票意思を歪めるものであり、憲法の保障する選挙権を侵害する。
(1)  重複立候補者は、小選挙区選挙において当選人とされた場合には、比例代表選挙における当選人となることはできないが、小選挙区選挙において当選人とされなかった場合には、名簿の順位に従って比例代表選挙の当選人となることができ、後者の場合に、名簿において同一の順位とされた者の間における当選人となるべき順位は、小選挙区選挙における得票数の当該選挙区における有効投票の最多数を得た者にかかる得票数に対する割合(いわゆる「惜敗率」)の最も大きい者から順次に定めるものとされている(同法95条の2第3ないし第5項)。
(2)  しかしながら、このいわゆる「復活当選制」は、憲法前文、同第43条並びに同第14条、15条3項に違反する。
(3)  憲法前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し…」と明記し、さらに「国政は国民の厳粛な信託によるものであって…」と国民主権主義を掲げ、この普遍的原理の具現化として、憲法第43条1項で「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と規定する。
前記のごとく、選挙権は、個人の尊厳に根ざし、代表民主制国家において自己の人格価値の実現を図るための重要な権利である。
かかる選挙権の重要性からすると、国会が国権の最高機関たる国会を構成する議員を選出する方法を定めるにあたっても、可及的に民意を忠実に反映した代表制を創出するよう国会の立法権限は、覊束されているものというべきである。
すなわち、憲法は国会に「公正かつ効果的な代表」創出のために選挙に関する事項につき憲法の委任をなしたところ、その委任の趣旨は無制約のものではなく、国民主権主義を実質化すべく、まず、代表創出にあたって、国民意思を忠実に反映する「公正」な代表を創出することを要請しているものというべきである。
(4)  しかるに、重複立候補制は、小選挙区における落選者が、各政党の名簿の順位如何によって、あるいは同順位の場合には「惜敗率」などという計数的偶然性によって復活当選するという制度的な可能性を是認するものであり、国民意思を歪めるものである。
恰も、重複立候補制度を利用する重複立候補者は、そうでない立候補者と比べると、一回の選挙において二回の立候補を認めるに等しいものであり、被選挙権が重複立候補をしない者に比し、その二倍を与えられたのと同一の効果を持つということになる。
また、選挙人から見た場合、小選挙区での落選者に対して行使した一票が、結果的には、復活当選者に対し、再度の投票をしたものと同一の効果が生じるのであるから、小選挙区のみ立候補した者に投票権を行使した選挙人との間で差別的取扱いをし、投票権を複数与えたのと同一の効果を認めるものである。
(5)  このように投票の効果が異なる投票制度を認めることは、右のように憲法第14条の法の下の平等の原則及びこれを政治の領域において具現化した憲法第15条3項(「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」)、同法44条ただし書(両議院の議員及びその選挙人の資格は…「但し、人種……差別してはならない。」)に反する違憲無効な選挙制度というべきである。
(6)  そもそも「選挙」ないし「投票」は、立候補者が代表者として適任であるかどうかを選挙人に判断させ、適任者を当選させることのみならず、不適格者を落選させることをもその目的とするものである。
そのような目的を有する選挙の結果、投票の最多得票者のみを全選挙人の代表者とするのは、相対多数の選挙人によってその適格性を支持されたものが当該選挙人集団の代表者として選出するに適するとの政治的基礎に立脚するものである。
かかる投票による意思表示が適正に評価されるには、その前提として「正当な選挙」制度が存在することを当然の前提とする。
そのような正当な選挙制度であってはじめて、最多得票者のみが代表となっても、同人が一部の者の代表でなく、選挙人の総意に基づくものと擬制し、その結果、最多得票により代表となった者を「全国民の代表」として、その「正統性」を付与するものである。
(7)  しかるに、重複立候補制度は、選挙人の投票による意思表示を、適正に評価せず、却って、その意思に反する評価を行うものであり、到底、正当な選挙制度とは言えず、憲法前文、43条1項、14条1項、15条3項、44条に違反する。
(8)  原判決批判
ア.これに対し、原判決は、かかる重複立候補制につき、「重複立候補を採用し、小選挙区選挙において落選した者であっても比例代表の名簿順位によっては比例代表選挙において当選人となることができるものとしたことについては、小選挙区選挙において示された民意に照らせば、技巧に過ぎて国民一般の常識と乖離するおそれがある等の議論を含めて、様々な議論があり得るところと思われる。」としつつも、国会の広範な立法裁量権を認め、「国会が裁量によって決定することができる事項」とする。
イ.しかし、原判決は、代表民主制国会において選挙権が、自己の人格価値を実現するための重要な権利であること、「投票箱と民主政の過程」そのものを構成し、一旦これが侵害されると、「投票箱と民主政の過程」によって是正困難で、遂には、民主政そのものを死滅に至らせるおそれがあることを想到しないものである。
前記のとおり、「憲法の委任」がかかる憲法の拠って立つ国民主権原理自体を否定する可能性のある立法を立法府に委任することは考えられず、したがって、代表民主制下で国民主権原理を具現化する選挙権については、可及的に国民意思の忠実な反映を図る立法を行うことが要請される。
したがって、かかる国民意思の忠実な反映のために国会の立法裁量権は覊束されるのであり、原判決のごとき広範な立法裁量権を認めることは、憲法の解釈を誤っている。
ウ.前記のごとく、重複立候補制における「復活当選制」は、原判決も認めるように、「国民一般の常識と乖離する」おそれのあるものであり、それはとりもなおさず、自ら投じた投票が忠実に反映されず、落選させるべく投票を行ったところ小選挙区選挙では落選したものの、比例区選挙で復活するという不可思議さが、「常識と乖離」したものであるからである。
(9)  以上のごとく、復活当選制を合憲とした原判決は、選挙人の投票による意思表示を、適正に評価せず、却って、その意思に反する評価を行う制度を是認するものであり、憲法前文、43条1項、14条1項、15条3項、44条の解釈を誤っている。
4.重複立候補制は、衆議院議員の直接選挙制に違反する。
(1)  また、重複立候補制を許容することは、有権者が特定候補者に対し、投票する意思を政党に一任する結果になるに等しい。
(2)  憲法第43条1項は、衆議院は「選挙された議員」で組織すると規定し、選挙により選出されるのは、あくまで議員個人とし、しかも、国民が議員を直接選ぶことを当然の前提としている。
したがって、政党のみを選ぶという制度は、同項でいう「選挙」とは言えない。
(3)  そして、そもそも「政党本位の選挙」とは、国民が当該候補者の所属政党、そしてそれが含意する「綱領」や「政策」を参考にして議員を選出する選挙という意味に過ぎず、あくまで、選挙の対象は個々の議員であり、決して政党ではない。
したがって、たとえば、国民は政党に対してのみ投票し、具体的に誰が議員になるかについては、政党が自党獲得議席数分だけの議員を自由に任命しうるという選挙制度を採用したら、もはや、これは、違憲である。
かかる制度においては、国民は、誰が議員となるべきかについて発言権を与えられておらず、国民が議員を「直接」選挙したとはいえないからである。
(4)  この点は、参議院に拘束名簿式の比例代表制を導入する際に、議論された問題である。
すなわち、この時、拘束名簿式においては政党が順位を決めてしまうから、国民が直接選んだことにならず違憲ではないかとの疑問が提起されたが、これに対しては、選挙の時点で政党の定めた順位を見ながら投票するのであるから、国民が「直接」選んだといえると説明された。
この説明のポイントは、政党の定めた順位を国民が承知した上で投票するのであるから、国民の投票はその順位を承認し確定する意味を持つものであり、そのことにより国民が直接議員を選ぶという憲法上の要請が満たされると理解できることにある。
逆に言えば、国民が順位を確定できないような制度では、憲法の「直接選挙」の要請を満たさないということである。
(5)  重複立候補の場合の当選人の決定について
ところで、改正公選法では、重複立候補者は、小選挙区において当選人となったときは名簿に記載されないものとみなされ(公選法95条の2第5項)、また、2人以上の重複立候補者の順位は、同一のものとすることができるとされており(公選法第86条の2第6項)、同一順位とできるのは重複立候補者に限られている。
そして、同一順位者の当選人の順位の決定は、いわゆる「惜敗率」で決められる(公選法第95条第3項)とされている。
(6)  重複立候補制の違憲性
上記のごとく、改正公選法における重複立候補制によると、選挙の時点では、名簿の順位が確定しておらず、その順位は、小選挙区選挙の結果に左右されるという、不確定的または条件付のものであり、凡そ、国民が順位の確定した名簿を見た上で、投票をする制度であるとは言えない。
このように有権者の候補者特定に関する投票意思をないがしろにする重複立候補制を認めたのは、前記のごとく、政党にとって必要な候補者を確保できるようにしようとする趣旨であるとのことだが、いかに「政党本位」といえども、国民の投票意思を曲げ、いわば候補者選択につき白紙委任を取り付けるような制度は、政党が当選者を選ぶのと等しく、正しく実質的な間接選挙である。
憲法第43条1項は、同法第93条2項と異なり、単に「選挙された議員」としか規定されていないが、少なくとも、衆議院議員選挙に関しては、憲法第43条1項は間接選挙を認めていないとするのが、一般的な考えであり、ほぼ異論のないところである。
だとすれば、重複立候補制は、明らかに、憲法第43条1項、第15条1項、3項により保障された、国民の衆議院議員を直接選挙する権利を、侵害するものである。
(7)  原判決批判
ア.これに対し、原判決は、「改正公選法は、政党等にあらかじめ候補者の氏名及び当選人となるべき順位を定めた名簿を届けさせた上、選挙人が政党等を選択して投票し、各政党等の得票数の多寡に応じて当該名簿の順位に従って当選人を決定する方式を採用しており、これは投票結果すなわち選挙人の相違により当選人が決定される点において、選挙人が候補者個人を直接選択して投票する方式と異なるところはない。」とする。
しかし、原判決は、上告人らの原審における主張を正解していない。
前記のとおり、衆議院議員比例代表選出議員選挙においては、参議院議員選挙の拘束名簿式と異なり、「同順位」とすることができるのであり、「当選人となるべき順位」が定まっていないのである。
イ.この点、原判決は、「複数の重複立候補者の比例代表選挙における当選人となるべき順位が小選挙区選挙の結果を待たないと確定しないことになる」と参議院議員比例代表選挙との相違に気づいてはいるものの、「当選人となるべき順位も結局のところは投票の結果(筆者注:小選挙区選挙の結果)によって決定され、投票の結果以外の他の中間意思が介在してこれを決定するものではないのであるから、比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできない。重複立候補制度が憲法43条1項、15条1項及び3項に違反する旨の原告らの主張は採用し得ない。」
しかし、まず、原判決は、前記ブロック間の逆転現象に関する判示では、小選挙区選挙と比例代表選挙を別個のものとしておきながら、ここにおいて比例代表選挙においても「当選人となるべき順位」が小選挙区選挙の結果により決定されるのであるから、「投票の結果以外の他の中間意思が介在してこれを決定するものではない。」とする。
これは極めて奇異である。同じ判決文において、一方では別個独立の選挙としつつ、他方では、比例代表選挙で当選人となるべき順位は、別個独立の関連しないはずの「投票の結果(筆者注:小選挙区選挙の結果)」によって決められるというのである。
このように、原判決の論理は破綻している。
仮に、この点を暫く措くとして、両選挙が一体のものだとしても、惜敗率は小選挙区選挙の選挙区を異にするものとの間の問題であり、確かに総体としての有権者の意思の反映はあるものの、当該有権者の投票意思とは関係しないところで、順位が左右されるものであり、名簿を見た段階では、誰に投票するか確定せず、政党名を記載せざるを得ない以上、それが結局他へ流用されることも許容せざるを得ないものである。
したがって、結局において、自己の投票意思が、当該投票の際に記載した政党によって当選させる議員を決めてもらってもやむなしとするものであり、投票意思と当選者の決定との間に政党の意思が介在する余地を認めるものである。
前記重複立候補制を採用した趣旨として、自治省(当時)が説明するように、まさに「政党にできるだけ候補者について裁量の幅を認め、政党にとって必要な候補者を確保できるようにしようとする趣旨のもの」であり、政党本位の選挙を目指すあまり、国民の選挙権の行使の結果を歪めて評価することを許容するものである。
これが、直接選挙制に反するとする所以である。
(8)  よって、衆議院議員比例代表区選出議員につき、同小選挙区選出選挙との重複立候補制を採用した公選法第86条の2第4項は違憲無効であり、同法に基づき同比例代表区選出議員の重複立候補を認め、かかる重複立候補者の当選を許容した比例代表区選挙もまた、違憲無効である。
第8.立候補・選挙運動における差別
1.差別の存在
(1)  立候補段階での差別
ア.まず、公選法第86条の2第1項1号、2号に該当する政治団体(以下、「既成政党等」という。)に属さない候補者(以下、「非所属候補者」という。)は、小選挙区、比例区それぞれ単体での立候補は可能だが、重複立候補を禁止され、この点で差別的に不利益を蒙っている。
イ.小選挙区選挙
小選挙区選挙では、本人届出、推薦届出による立候補が認められており、非所属候補者は小選挙区選挙には本人届出等により立候補はできるが(公選法第86条第2項、3項)、重複立候補はできない。なぜなら、重複立候補を許容する公選法第86条の2第4項は、重複立候補者を輩出できる団体を同条第1項1号及び2号の既成政党等に限定し、同項3号の団体(以下、「3号団体」という。)を除外しており、非所属候補者が3号団体を結成して、比例区選挙における名簿届出政党等となったとしても、同条の2第4項の要件を満たさないからである。
ウ.比例区選挙
非所属候補者は、比例区選挙では、公選法第86条の2第4項3号の団体(以下、「3号団体」という。)、すなわち「当該選挙において、この項規定による届出をすることにより候補者となる衆議院名簿登載者の数が当該選挙区における議員の定数の十分の二以上である」団体を結成して、立候補できるが(公選法第86条の2第1項3号)、前述のごとく同号による候補者は、重複立候補は禁止されている。
(2)  比例区選挙における選挙運動での差別的取扱い
ア.概説
現行の参議院議員選挙における比例代表選挙とは異なり、大幅に政党等の選挙運動が認められ、全国11ブロックをそれぞれ選挙区として、名簿届出政党等が選挙区単位の選挙運動を行うことができることとなった。
各選挙区ごとの選挙運動量は、原則として、選挙区ごとの名簿登載者数に応じて定められるが、この場合、名簿登載者数には、小選挙区選出議員の選挙との重複立候補を含むこととされている(公選法第86条の2第5項)。
したがって、名簿届出政党等の中においても、重複立候補者を輩出できる「既成政党等」(公選法第86条の2第1項1号、2号)と、同項3号の「3号団体」とでは、名簿登載者の数において差異が生じ、その結果、選挙運動が許容される量的な制限において、差別的に取り扱われる結果となる。
すなわち、既成政党等においては、小選挙区選挙において候補者届出政党等となることができ、重複立候補者を輩出することが可能であるが、3号団体においては、小選挙区選挙の候補者届出政党等となることができず、名簿登載者につき小選挙区選挙との重複立候補をさせることができない。
その結果、名簿登載者の数は、重複立候補ができる既成政党等に比べると、3号団体のそれは格段に少なくなる。
例えば、東京都選挙区では当該選挙区の定数は19人であるので、重複立候補ができない3号団体の名簿登載者数は最大19人である(公選法第86条の2第5項)のに対し、既成政党等においては、当該選挙区の定数19に、当該選挙区内の小選挙区数最大25に重複立候補者を立てることができるので、19+25の最大44名まで名簿登載が可能である。
このような名簿登載者の数の差異によって、以下のような選挙運動において、3号団体は運動が量的に制限されてしまい、既成政党等に比し、選挙人に対し、選挙に関する情報を提供する機会を奪われる結果となる。
イ.各論
具体的に、名簿登載者の数によって、選挙運動が行える量はどのように変わってくるのかについての詳細は、原審における原告第3準備書面をご参照ください。
(3)  「わたる規定」(公選法第178条の3第2項)について
ア.同項では、候補者届出政党である名簿届出政党等が行う比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動が、本公選法において許される態様において小選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動にわたることを妨げるものではない、とされている。
イ.この「わたる規定」が設けられた理由については、次のように説明されている。
すなわち、比例代表選挙においては、名簿届出政党等は、その選挙運動において、名簿登載者の紹介をすることができるとされており、他方、今回の改正において、重複立候補が認められており、その結果、比例代表選挙における名簿届出政党等の選挙運動において、小選挙区選挙の候補者でもある名簿登載者、いわゆる重複立候補者の氏名等を表示して紹介することは、結果として、小選挙区選挙の選挙運動とならざるを得ないところであり、そのような選挙運動を禁止することは、重複立候補を制度的に認めた趣旨に反するのみならず、また、実際問題としてそのような規制は不可能であると考えられるからである、と(自治省選挙部編「改正公職選挙法解説」政経書院発行121頁)。
ウ.ここで「わたることを妨げ」られないのは、候補者届出政党である名簿届出政党等(前述の「既成政党等」)であり、名簿登載者数が当該選挙区定数の10分の2以上であることにより名簿を届け出ている、いわゆる候補者数要件による名簿届出政党等(前述の「3号団体」)については、その比例代表選挙に係る選挙運動が小選挙区選挙に係る選挙運動にわたることは許されないとされている。
エ.このような「わたる」規定が認められることとなったので、候補者届出政党である名簿届出政党等は次のような行為を行うことが許容されている。
〈1〉 名簿届出政党等のビラに、当該政党等の政策を掲げ、比例代表選挙における当該政党等への投票を依頼する旨記載し、併せて、重複立候補者を含む名簿登載者の氏名、写真(重複立候補については、当該小選挙区名を併せて表示)を掲載して、その紹介を行うこと。
〈2〉 名簿届出政党等が開催する政党演説会等において、重複立候補者である名簿登載者が演説し、比例代表選挙での当該政党等への投票依頼と併せて、小選挙区選挙での自己への投票の依頼をすること。
〈3〉 名簿届出政党等の自動車の車上から、比例代表選挙での当該政党等への投票依頼と併せて、小選挙区選挙での当該政党等の届出候補者への投票を依頼すること。
オ.以上から明らかなように、この「わたる」規定の存在により、重複立候補者においては、小選挙区選挙の選挙運動のみならず、比例代表選挙の選挙運動においても、小選挙区選挙への投票依頼の選挙運動を行うことが法律上許されている。
その結果、重複立候補者は、非重複立候補者に比べ、小選挙区選挙の選挙運動と比例代表選挙の選挙運動の双方にわたって、より多くの選挙運動を展開でき、選挙人に対する投票依頼の機会をより多く持つことが法律上保障されている。
これに対し、非重複立候補者は、かかる選挙運動は法律上禁止され、重複立候補者に比べると、選挙人に対する投票依頼の機会をより制限される結果となっている。
2.原判決批判
(1)  原判決は、かかる差異の存在を認めつつも、前記のごとく憲法第47条、44条をもとに、国会に広範な立法裁量権を認め、かかる立候補、選挙運動の態様に差別を設けた改正公選法の規定も「選挙制度を政策本位、政党本位のものとする」ためのものとして合憲とする。
(2)  しかし、これは、候補者の立場からすると立候補の自由、被選挙権を侵害し、また差別的取扱いをするものであり、立候補の自由、被選挙権を保障する憲法第15条、法の下の平等を保障する憲法第14条の重要性を看過し、これらの条項及び憲法第47条、44条の解釈を誤ったものである。
(3)  このような立候補の自由、選挙運動の態様に差別を設けた改正公選法の規定は、憲法14条1項、15条1項に反する。
したがって、かかる違憲な改正公選法に基づき行われた本件比例区選挙も無効である。
3.立候補の自由、選挙運動の憲法的保障と立法裁量権の範囲
(1)  候補者の立場から見た選挙運動を行う権利の侵害
ア.立候補の自由及び選挙運動を行う権利は、被選挙権の一内容として憲法上保障されており(憲法第15条)、憲法が定める法の下の平等(憲法第14条、第44条但し書)も、当然これに及ぶものである。
イ.選挙での当選を目指して立候補する権利及び選挙運動をする権利は国民主権原理のもと、まさに「投票箱と民主政の過程」そのものを構成する重要な権利である。
ウ.これが一旦立法府により侵害されると、「投票箱と民主政の過程」を通じての是正は困難であり、惹いては「投票箱と民主政の過程」自体の死滅につながるものである。
エ.このことは、改正公選法上、重複立候補を禁止された者が、いかにこの点の不当性を「投票箱と民主政の過程」で訴え、この過程自体で是正しようとしても、それは著しく困難または不可能な所行であることは容易に想起できるところである。
オ.「投票箱と民主政の過程」を構成する政治活動の自由、被選挙権を規制する立法に関しては、「憲法の委任」に基づく国会の立法裁量権は著しく限定されたものであり、前記立法目的の正当性、規制手段の相当性、両者間の合理的関連性を審査するにあたっては、「より制限的でない他の選びうる手段」(less restrictive alternative)を精査すべきであり、少なくともいわゆる薬局距離制限の違憲判決(昭和50年4月30日最高裁大法廷判決。民集29巻4号572頁)が採用した「厳格な合理性」の基準を用いるべきである。
(2)  有権者の側から見た選挙権の侵害
ア.また、これを、有権者の側から見ると、選挙権の十全な行使を阻害するものでもある。
イ.改正公選法は、「政党本位の選挙の実現」の名のもと、立候補の点においても、選挙運動の点においても、既成政党所属の候補者を優遇し、そうでない候補者を差別的に取り扱い、その結果、有権者が投票行動をする際、その判断資料である侯補者の適性、政見等に関する情報につき、有権者に均等な情報が与えられておらず、有権者の適正な選挙権の行使を阻害している。
ウ.候補者の差別と候補者に関する情報を受領する権利の侵害
上記「政党本位」の名のもと、改正公選法は、立侯補及び選挙運動の点で、既成政党とそうでない者との間に差別的な取り扱いをなしている。
その結果、有権者が選挙権を行使するにあたり、その前提となる情報の受領を妨げ、選挙権の行使を十全ならしめていない。
エ.候補者に関する情報を受領する権利
憲法第15条1項は、公務員の選定罷免権は国民固有の権利であると宣明し、同条3項は普通選挙権を保障し、同法第43条1項は衆議院議員につき国民による直接選挙を規定し、衆議院議員の選定は憲法上保障された国民の権利である。
上記選挙権の行使にあたっては、候補者の適性、政見、政策等の情報を適正に得た上で、投票行動をなすことを不可欠の前提とする。すなわち、かかる情報受領権は、憲法第21条の表現の自由の一内容である「知る権利」の保障をまつまでもなく、選挙権行使の前提として選挙権の内容に当然包含されるものである。
オ.選挙期間中における、候補者に関する情報を受領する権利
選挙期間中における、かかる候補者の適性、政見等に関する情報を受領する権利といえども、公正な選挙の維持のために無制約ではない(たとえば、戸別訪問の禁止や頒布文書の制限等)が、少なくとも、その機会は均等でなければならない。
すなわち、一方の候補者にのみ、その適性、政見等に関する情報が流通する機会を多く与え、他方の候補者のそれを制限的にして、候補者の適性、政見等に関する情報の流通を差別的に取り扱ったならば、凡そ、選挙権の十全な行使は期待できない。
ところが、改正公選法は、選挙運動に関し、政党等所属の候補者とそうでない候補者を差別的に取り扱っており、その結果、選挙人が候補者の適性、政見等に関する情報を適切に得て、選挙権の適切な行使をすることを歪め、既成政党に有利なように選挙権の行使を誘導している。
かかる解釈は、前記の被選挙権または立候補の自由と選挙権が、「投票箱と民主政の過程」そのものを構成する重要な権利で、代表民主制を採用する国会において、一旦この「投票箱と民主政の過程」が歪められると回復不能で、遂には、民主制自体が死滅することを想到しないものであり、憲法第15条、第44条、第14条、第47条、第43条の解釈適用を明らかに誤っている。
4.改選公選法が立候補・選挙運動の差異を設けたことの「合理性」如何
(1)  選挙運動の差別に関する合憲性審査の在り方
ア.憲法第47条が、具体的な選挙制度の選択、設定に関し、ある程度、国会に立法裁量権を付与していることは、原告としても争うところではないが、上記立法裁量も、全く無制約のものではない。
イ.当該立法が、憲法が付与した立法裁量権の範囲を逸脱するかは、国会行為の合憲性判定基準と表裏の関係にあり、その判定は、〈1〉立法目的の正当性、〈2〉手段の相当性、〈3〉目的と手段の合理的関連性により検証されなければならず、しかも前記のとおり被選挙権または立候補の自由、選挙権が代表民主制国家において「投票箱と民主政の過程」そのものを構成する重要な権利であることに鑑みれば、その審査は前述のごとく、「より制限的でない他の選びうる手段」(less restrictive alternative)を精査すべきであり、少なくともいわゆる薬局距離制限の違憲判決(昭和50年4月30日最高裁大法廷判決。民集29巻4号572頁)が採用した「厳格な合理性」の基準を用いるべきである。
(2)  立法目的の不当性
ア.原判決は、選挙運動の差異を設けた改正公選法の立法目的につき、「政策本位、政党本位」の選挙の実現を挙げる。
イ.同法による新選挙制度が、政策本位の選挙を目的とすることは認めるが、「政党本位の選挙」を目的とするという点は疑問である。
〈1〉 我が憲法は、ドイツ連邦共和国基本法第21条のような、「政党」要件の規定を有しておらず、その他の法令においても、「政党」の実質的要件を明定したものは存在しない。
〈2〉 したがって、本位となるべき「政党」とは何かが明確となっていない。
〈3〉 そのため、「政党本位」といいながら、そこにいう「政党」は、結局、改正公選法の制定に関与した「既成政党」を意味するとしか解せない程に、改正法の内容は、立法者、すなわち、既成政党にとって極めて有利な内容となっている。
〈4〉 また、「政党」は、あくまで、国民の意思を集約し、国家意思の統合を図る上で、機能するものであり、いわば国家意思統合のための手段であり、それ自体が目的化することはおかしい。
政党は、綱領を持ち、具体的な政策につき提言し、これらの決定過程が民主的手続を経てなされるからこそ、国民の意思を集約し、国家意思の統合が図れるのであり、これにより政策本位の政治の実現が図れるのである。
〈5〉 すなわち、政党自体は、それ自体の保護、存立が目的ではなく、あくまで、上記のような政策本位の政治にむけて「国民意思を媒介」する機能を有するからこそ、「政党本位」ということが、国家機関的に是認されるのである。
〈6〉 しかるに、前述のとおり、改正公選法を含む現行法上、上記のごとく「政党」の実質的な要件を定めるものはなく、単に、国会議員の頭数等の形式的要件しか定めていない。
ウ.このように、政党自体の実質的な内容が不明確である状態において、「政党」なるものを特別に優遇し、「政党本位」を語ること自体極めて問題である。
エ.したがって、「政党本位」の意味は、上記のように、政策本位の政治の実現に向けて国民意思の集約、媒介の効率化という意味に解し、「政党」自体を保護し、あるいは、それに特権を認めることは、凡そ「政党本位」とは言えない。
(3)  「立法手段の相当性」及び「目的と手段との間の合理的関連性」の検証
ア.改正公選法における選挙運動の差別の実態に関しては、上告人は、原審において原告森の第3準備書面において詳述したとおりであり、原判決もこれらの差異が存すること自体は認めている。
イ.これらの差異は、選挙制度を政策本位、政党本位のものにするという立法目的を達成する手段として認められる必要最小限度を超えた差別であり、過度に既存の政党を優遇するものである。
ウ.添付資料1(「平成12年度衆議院議員選挙に関する世論調査の結果」)について
〈1〉 本件選挙後、東京都選挙管理委員会は、都内男女の有権者1600人を対象として、意識調査を行っている(資料1-選挙時報第50巻3号33頁~参照)。
〈2〉 同資料40頁を見ると、図10において「接触した媒体」が、図11において「候補者の選定に役立った媒体」が挙げられている。
〈3〉 この調査結果によると、選挙運動の量的な差異により、有権者の投票行動が影響を受けることがわかる。
〈4〉 特に注目すべきは、投票前に接触した選挙媒体として、有権者の69.6%が「テレビの政見放送、経歴放送」を挙げており、「選挙公報」(71.7%)に次ぐ数字となっており(同資料40頁図10)、また、候補者の選定に役立った媒体として、有権者の26.9%が「テレビの政見放送、経歴放送」と回答し、「選挙公報」(28.7%)に次いで第2位に位置付けられている(同資料40頁)。
〈5〉 また、政見放送一つをとってみると、これに接触した有権者の割合は、「じっくり見たり聞いたりした」18.7%、「一部見たり聞いたりした」53.3%を合わせて、合計72.0%に上る(同資料41頁図13)。
さらに、候補者を決める際の判断材料として、今後増やして欲しい情報としては「政見放送等テレビ等を通じてのもの」という意見が23.6%で、最も多い(同資料43頁図15)。
〈6〉 この調査から、本件選挙において、選挙運動の量的な差異が有権者の投票行動に及ぼす影響は明らかであり、特に政見放送は、候補者選定に大きな影響力を及ぼしていることがわかる。
エ.資料1の調査結果から明らかなように、いかに政党本位とはいえ、選挙運動に量的な差異を設けることは、明らかに重複立候補者を名簿に登載できる既成政党等を優遇するものであり、被選挙権、選挙権の自由を侵害することは明らかである。
5.小括
(1)  以上見てきたように、政党等所属候補者と非所属候補者では、重複立候補の可否及び展開できる選挙運動の内容、範囲において、差異が設けられていることは明らかである。
(2)  そして、この差異は、いずれも定められた選挙期間内において、投票依頼を行い、当選を得または得させない目的で行なわれる選挙運動の内容に直接的に差異を設けるものであり、不利益な差異を設けられた者に対し、代替的手段により回復する機会を与えない差別である。
比喩的に言えば、いわば、百メートル競走においてスタート地点が異なる競走をさせられているようなものである。
このようなハンディキャップレースにより、選挙運動で冷遇されている非所属候補者は、いつまで経っても、公選法第86条の2第1項1号及び2号の政党要件を満たす団体を結成できず、その結果、いつまで経っても、重複立候補はできないまま、選挙運動においても不利な差別を受け続け、富める者はより富み、貧しき者はより貧しい地位に固定化されてしまう。
かかる結果が、凡そ自由平等を標榜する社会で許容されるとは到底考えられない。
(3)  このように、改正公選法は、「政党本位の選挙の実現」の美名に藉口して、その実は、既成政党を極めて優遇するものと言わざるを得ず、立法目的自体、その正当性が疑わしい。
(4)  仮に、「政党本位の選挙の実現」という立法目的を額面通り受け取ったとしても、政党本位であるためには、政党が自由に結成でき、自由かつ公正に競争できることを当然の前提とするものでなければならない。
しかるに、改正公選法の内容は上記に見たように、既成政党にとって極めて有利な内容であり、既成政党への集約は促進するものの、新たな政治団体の衆議院議員選挙への新規参入を著しく妨げるものであり、立法目的と手段との間の合理的関連性が見いだせない。
そもそも、「政党本位の選挙の実現」ということを立法目的とするにしても、前記重複立候補の許否や選挙運動の内容において差別的に取り扱いをする必然性は全くない。
却って、差別的な取扱いの結果、「政党本位の選挙の実現」の前提である自由かつ公正な政党間競争自体が阻害されている。
(5)  よって、既成政党を優遇するような差別的取扱いを設ける改正公選法は、自由かつ公正な選挙制度の観点から見ても、到底これを許容することはできない。
(6)  また、これを選挙人の側から見ても、上記のような改正公選法における重複立候補の可否や選挙運動の内容における差別的取扱いの結果、選挙人は、選ぶべき候補者に関する情報を均等に受けておらず、選挙権行使の前提となる候補者に関する判断資料を、適正かつ公平に受領する機会を妨げられている。
よって、上記に見た改正公選法の差別的な取扱いは、選挙人の側から見ても、選挙権の行使の侵害であり、憲法第15条1項、第43条1項に反し、違憲無効な立法である。
(7)  以上より、本件選挙は、かかる差別的な取扱いを許容する改正公選法に基づきなされたもので、公正な選挙運動に基づく選挙とは言えないから、本書で述べた理由からも、無効と評価されるべきである。
第9.結語
以上のごとく、違憲な本件別表第一及び第二並びに改選公選法に基づき行われた本件比例代表選出議員選挙は、これまた違憲と断ざざるを得ず、憲法第98条により無効である。
以上
添付資料
〈資料1〉 東京都選挙管理委員会事務局「平成12年度衆議院議員選挙に関する世論調査の結果」(選挙時報第50巻3号33頁~)〈省略〉

平成13年(行ツ)第233号 平成13年7月3日
最高裁判所 御中
原審事件番号 東京高等裁判所 平成12年(行ケ)第272号
上告受理事件番号 東京高等裁判所 平成13年(行サ)第94号
上告人 山口邦明
被上告人 中央選挙管理会
上告理由書
上告人本人 山口邦明
中央選管事件
目次
第1.合憲性判断の在り方
第2.ブロック別配分議員数の不平等
第3.「南関東」比例区の区割り
第4.国会裁量権の逸脱
(1) 立法過程における問題
(2) 重複立候補制
(3) 審理不尽


上告人山口邦明は上告理由を次のとおり主張する。
第1.合憲性判断のあり方
(憲法解釈の誤り)「立法裁量権の限界」は、民主主義が現在到達した理念・原則を基準とすべきであり、その具体的内容は、外国の民主主義国家の選挙制度を調べることによって、明らかとなる。しかし、原審判決は、担当裁判官の既成概念に基づき、真の民主主義を無視した。
(1)  原審判決には、「民主主義」を検討した形跡がない。
原審判決の第3の当裁判所の判断(P.21)から、第4の結論の終わりまで(P.32)、12ページの間に「民主主義」という言葉が1度も出てこない。
原審における原告らの準備書面をまじめに読むなら、原告らが本件を民主主義憲法の根本規範に関する問題として捕らえ、世界が現在到達している民主主義の検討を要求し、日本の現在の議員定数の配分が「民主主義憲法」に違反していると主張していたことは、明らかである。
それにも拘わらず、原審判決は民主主義と本件との関係についてまったく触れていないし、現在世界が到達している「民主主義思想」について、まったく検討もしていない。原審裁判所は、「民主主義」について何も考えないで、判決を言渡したということになる。
原告の最も重要な主張に対して、何も答えていないということは、原審判決が判決の名に値しないということである。上告理由のうち、「判決に理由を付せず」(民訴法第312条第2項6号)、原告らの請求を却下した場合に該当する。
よって、原審判決は取り消しすべきである。
(2)  しかし、裁判は、担当裁判官の個人的意見を基準に判断する制度ではない。本件においては、憲法の要求する民主主義とはなにか? 民主主義の要求する選挙制度とは何か? これを基準に立法裁量権の限界を判断すべきである。
現行憲法は、民主主義、平和主義、人権擁護の三つを根本規範に、成り立っている。憲法前文は、民主主義について「これは人類普遍の原理である」と述べている。民主主義は、日本だけに通用する民主主義というものはない。民主主義の理念、制度は、世界共通のものである。したがって、選挙制度が民主主義に適合しているか否か、国会が立法裁量権(民主主義の枠)を逸脱したか否かを判断するには、人類が現在到達している民主主義の理念、選挙制度を基準にすべきである。民主主義が現在到達している点は、外国の民主主義国家の例を検討すれば、理解できる。
(3)  原審判決は、諸外国の選挙制度について、全く触れていない。世界が現在到達している民主主義は、議員定数の配分について、厳格な人口比例配分を要求している。
原審判決は、我が国の「ブロック別配分議員数の不平等」と「惜敗率」による当選者の決定について、世界の民主主義、民主主義国家の選挙制度と比較検討もしないで、立法裁量権の範囲内にある、と判断した。原審判決は、担当裁判官が個人的知識、既成概念に基づき、民主主義を深く考えることもなく判断した、と言わざるを得ない。
その判断は憲法の解釈を誤ったというより、むしろ、憲法を無視した判断である。
第2.ブロック別配分議員数の不平等
(1)  原審判決は、小選挙区選挙と比例代表選挙との関係を、「別個独立の選挙」であると判断している。これは、被告が訴訟に勝つために主張した意見をそのまま鵜呑みにしただけである。原審判決は、次のとおり判断している。
「原告らは、全国11の各ブロックのブロック議員数が人口に比例して配分されておらず、投票価値の平等の要請を侵害する旨主張する。
「原告らは、……小選挙区選挙と比例区選挙が相まって衆議院議員総選挙を構成するものであり、機能的にみても両者は一体不可分であって、……当該ブロック内の小選挙区選出の議員数と比例区選出の議員数とを併せた各ブロックのブロック議員数相互間を比較すべきである旨主張するが、独自の見解であり、採用の限りでない。」(P.22~23)
(2)  小選挙区比例代表並立制を提案した細川政権は、「民意を集約させる機能を持つ小選挙区制と、民意をそのまま反映させる比例代表制を相互補完的に組み合わせるとの考え」であると説明した(乙4 P.10下段)。衆議院選挙は衆議院議員全体を1つの組織、機関として、公正かつ効果的な代表者で構成するための制度であるから、議員定数の配分については、小選挙区選挙と比例代表選挙とは1つの選挙と考えるべきである。したがって、原審判決が述べるように、小選挙区選挙と比例代表選挙が2つの選挙であると主張することは詭弁である。原審担当裁判官は、被告を勝たせるために、敢えて常識に反する判断をした、としか論評する方法がない。
結局、衆議院議員総数(定数)500名の配分は、11の比例区に対し、その人口に比例して配分すべきである。イタリアが、比例代表選挙区(ブロック)の人口に比例して、小選挙区選挙と比例代表選挙による合計議員数を配分していることを参考に、検討すべきである。
(3)  ブロックへの配分が人口比例原則に違反している状態は、次のとおりである。
〈1〉 「南関東」と「北陸・信越」ブロックを他のブロックと比較すると、逆転現象が生じている。
〈2〉 原告らの主張する「基準人数」による再配分、ヘアー式(最大剰余法)による配分と、平成12年法(議員定数480名)の配分を比較すると、すべてのブロックに、議員の過不足が生じている。
表〈省略〉
第3.「南関東」比例区の区割り
比例代表選挙は、全国を11選挙区に「区割り」した。ところが、「南関東」選挙区は、千葉県、神奈川県、山梨県の3県で構成されているが、その3県は互いに「飛び地」の関係にある。
原審判決は、「南関東選挙区は、これを構成する千葉県と神奈川県及び山梨県とが東京都によって分断され、飛び地となっているが、これは、……東京都を単独で独立した1ブロックとするのが適当であり、また、南関東選挙区を構成する千葉県、神奈川県及び山梨県が、いずれも地理的に東京都に隣接し、経済関係や交通機関の状況などが類似しており、東京都を挟んで総体としてみれば一団の地域を構成している上、……このような南関東選挙区の区割りには一応の合理性があるというべきであり、これが国会の裁量権を逸脱しているとはいえない。」(P.24~25)
全て、原審担当裁判官の独断である。国会審議(乙4~6)のどこにそのような説明が行われているのか? 山梨県から見た場合、千葉県と神奈川県との関連性はどこにあるのか?「飛び地」となる3県を1つの選挙区に構成した理由は、むしろ、政党の利害関係に結びついていると考えるのが相当である。裁判所は、その恐れがないか、そこに立法裁量権の逸脱があったのではないか、と審理判断することが役割である。原審担当裁判官は、その役割を放棄して、自分の頭の中で、請求棄却の理屈を考えたに過ぎない。
第4.国会裁量権の逸脱
(1)  立法過程における問題
(審理不尽)原審は証拠調べを尽くしていない。
〈1〉 原告らが甲第14号証として提出した新聞には、次の意見が述べられている。
「新制度は全体として既成政党本位で、大政党ほど有利な仕組みになっていることが際立つ。既得権益にしがみついた政治の刷新を掲げた「政治改革」が、その実、既得権益を既成勢力の組み替えをめぐる「政治家のための改革」だった一面の反映だろう。」(甲14の21 毎日新聞)
「「政治改革」が政界再編のための手段、権力の組み替えを狙った選挙制度の手直しにすり替えられてきたことを裏付けていないか。」(甲14の5 朝日新聞)
羽田政権の時期(平成6年4月25日~6月25日)は、
「新進党の議員の中には「八次審案は大幅に変えないといけない」なんて言っていた」
自治相も「区割基準ができれば、実際の区割りは一潟千里に決まる」などと発言していた。(それで)自民党が猛反発した。(当時の)与党とじっくり選挙体制を作っていきたい自社(と)の違いが感じられる。
ところが、平成6年6月25日に羽田内閣が総辞職し、自民党と社会党との連立政府が誕生した。
「現政権になってからはそのような発言は全くなくなった。」
自民党議員は、自民党議員の自治相が誕生したことは、「旧与党に有利な線引き変更をさせにくくなったことに意味がある。」と発言した(甲14の11 読売新聞)
原審担当裁判官は、上記の記事を読んだことがあるのか? 平成6年の選挙制度の改正が国民の意思を反映するため行われたのか? を検討したことがあるのか? 政治改革は、国民の批判をかわすだけの見せかけだったのではないか? 疑ったことはないのか?
原審担当裁判官は、乙号証の内容を、疑い目で読まなかったのか? 原審判決には、甲第14号証(新聞)を検討した形跡がない。一方当事者(被告)の提出した証拠のみを全面的に採用し、反対当事者(原告)が提出した証拠を検討しなかったのであれば、それは、審理をする前から、担当裁判官が結論を出していた、ということである。
その推測が当たっておれば、原審の審理および判決は、裁判という名に値しない判決である。
〈2〉 小選挙区比例代表並立制の是非を検討するとき、次の研究が参考になる。
西平重喜著「各国の混合選挙法」(選挙研究1995年No131、49頁以下)。要旨を引用すると、次のとおりである。
「181か国の選挙法を検討した。欧米では、議員を2種類の方法で同時に選挙する方法を、「混合制」という。国会議員の選挙で混合制を採用している国は18か国で、181か国のうち10%に過ぎない。主要国で「重複立候補」を認めている国は、西ドイツ、イタリア(全員重複立候補)、それに日本の衆議院だけである。」
「選挙制の基本的な形は小選挙区制と比例代表制である。」
「この基本的な二つの選挙制はそれぞれの考え方を表現しようとしている。
しかし混合制には次のような共通の問題点がある。
1.代表制についての明確なフィロゾフィーがない。
2.二つの選挙制で選ばれた議員の多数派が違う「ネジレ現象」が起きる可能性はある。
3.小選挙区制と比例代表制の議員定数を割り振る客観的な基準がない。
4.重複立候補の問題がある。有権者が(せっかく)落選させた人に議席を与えてよいのだろうか。しかも例外的ならよいかもしれないが、多数にのぼる場合は当然非難されることになる。」
「日本の制度は審議の過程から、全議席を小選挙区制にしたのでは、大政党に余りにも有利過ぎるから、比例制で色をつけようとしたことは明らかだろう。
しかしブロック制にしたので、比例代表のほうも大中政党にボーナスをつけた結果に終わっている。しかも他の国でブロック制を採用している場合は、現にある自治組織(州など)を基本にしている。ところが南関東ブロックなどは、住民の意思を全く無視した、単なる員数あわせのものである。たとえ選挙実施上の事務的な繁雑さから、ブロック別にするとしても、全国集計をして一括配分することも可能である。」
「日本で300の小選挙区を作ったのは、このくらいなら議会を説得できるからであって、300区が小選挙区として、いかなる意味をもつかについての検討はされていない。」
「日本では小選挙区制と比例代表制を並立させれば、両者の短所が補われるだろうという、極めて単純な思考に基づくもので、結果としては中途半端な欠陥が目立つものに終わった。その提案にあたっては、ひたすら候補者サイド、いいかえれば旧制度で選ばれた議員達が「飲める」ことが考えられ、有権者の立場からの考慮はされなかったといわざるをえない。」
原審担当裁判官は、上記の検討をしたのであろうか?
(2)  重複立候補制
〈1〉 原審判決は、「惜敗率」により当選者を決める方法について、次のとおり判断している。
複数の重複立候補者が同一順位とされた場合、「当選人となるべき順位も結局のところは投票の結果(上告人注:小選挙区選挙の結果)によって決定され、投票の結果以外の他の中間意思が介在してこれを決定するものではないのであるから、比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできない。重複立候補制度が憲法43条1項、15条1項及び3項に違反する旨の原告らの主張は採用し得ない。」(P.28)
〈2〉 混合制の選挙制度を採用している国のうちでも、重複立候補を認めている国は、ドイツ、イタリア、ロシア、グルジア位しか紹介されていない(前出、西平論文・宮川著書)。そのうち、「惜敗率」で当選者を決めている国は存在しない(宮川著「小選挙区比例代表並立制の魔術」106頁)。
原審担当裁判官は、上記世界の選挙制度を調べたうえで、判断したのか?世界の民主主義の現状を理解しないで、国会の裁量権を判断することは、独断と偏見で判断したことになる。その判断が、憲法の解釈を誤っていることは、明らかである。
(3)  審理不尽
我々は、原審において、衆議院議員の選挙制度に関する平成6年の改正が、全体として国会の裁量権を逸脱している、と主張した。それを裏付ける事実として、国会審議と平行して政党間の闇取引が行われたこと、小選挙区制が与党政権のために採用されたこと、重複立候補制の疑問、特に同順位を認めて惜敗率で当選者を決めることなど、小選挙区比例代表並立制の問題点を指摘した。
ところが、原審判決は、並立制全体の問題を、我々が主張した問題点に細分化し、矮小化して、それぞれの制度、仕組みには合理性がある、あるいは、国会の裁量権を逸脱していない、と判断した。
原審判決は、まさに「木を見て山を見ず」の例えどおり、問題を細分化することによって、我々が提起した問題を見失った、と言わざるを得ない。
その結果、原審判決は、我々の主張を判断しない、言い換えれば、審理不尽、「判決に理由を付せず」(上告理由)に、原告の請求を棄却したことになる。
以上

平成13年(行ツ)第233号
原審事件番号 東京高等裁判所 平成12年(行ケ)第272号
上告受理事件番号 東京高等裁判所 平成13年(行サ)第94号
上告人 土釜惟次
被上告人 中央選挙管理会
平成13年7月4日
最高裁判所 御中
上告人 土釜惟次
上告理由書
上記当事者間の東京高等裁判所平成12年(行サ)第272号選挙無効請求事件に対する上告について、上告人は次のとおり上告理由を提出する。
上告の理由
原判決は、判決に影響を及ぼすことが明らかな憲法の解釈の誤り、即ち憲法前文、第13条、第14条、第15条、第43条及び第44条等の各規定の解釈を誤った違法があるだけでなく、判決に影響を及ぼすことが明らかな重要事項について理由に齟齬がある。
1 具体的に憲法の解釈の誤り、理由の齟齬に入る前に私たちは今一度、最高裁判所発足の当時(昭和22年)、三淵初代長官が読み上げられたメッセージを想起すべきである。その要旨は次の通りである。
「裁判所は、国民の権利を擁護し、防衛し、正義と衡平とを実現するところであって、封建社会のように、圧政政府の手先になって、国民を弾圧し、迫害するところではない。ことに民主主義の下にあっては、裁判所は真実に国民の裁判所になりきらねばならぬ。国民各自が、裁判所は、国民の裁判所であると信じて、裁判所を信用し、信頼するのでなければ、裁判所の使命の達成は到底望みえないのであります。裁判所をして、真に国民の裁判所となし、国民の信用を博し、信頼を促しめるためには、裁判所自らが、よき裁判所となり、よき裁判をなさねばならぬこと勿論であります。・・・・ことにこれからの最高裁判所は従来の事件をとり扱うほかに、国会・政府の法律、命令、処分が憲法に違反した場合には、断乎として、その憲法違反たることを宣言してその処置をなさなければならぬ。いわゆる憲法の番人たる役目をつくさねばなりません。これはわが国空前の制度であって、わたくしどもはその運用のために十分の注意を払い、重大な責務の遂行に努めねばなりません・・・・。」
2 次に、21世紀のスタートである現在、立法、行政及び司法の三権分立のうち行政府の長である内閣総理大臣(首相)ですら、衆議院小選挙区の1票の較差是正問題に関する国会答弁で「衆議院の議員定数不均衡は少なくとも2倍以内にすべきである」と明言し、較差が2倍以上になる最大の要因である現行の各都道府県ごとにまず1票を配分する仕組みについても「人口基準の方が正しい」と言っていることである(添付資料1)。
3 憲法第99条は、「・・・・・国務大臣、小海議員、裁判官・・・・・は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と規定し、その憲法尊重擁護義務の最大の尊重履行者が、内閣総理大臣ではなく憲法の番人たる司法権者であって欲しいものである。
第1  議員定数の配分は、国勢調査人口を議員総数で割り、議員1人当たりの数値(以下、この数値を「基準人数」という。)を得て、この基準人数に基づき、各選挙区の人口に応じて、各選挙区に議員定数を配分するのを基本原理とする。
1 民主主義・代議制と基準人数について
民主主義とは、治者被治者との間に自同性を確保する統治原理であり、換言すれば、国政運営において、個人の自律性の確保を認めようとするものである。
この自律性確保の手段としては、種々のものがありうるが、日本国憲法は、代議制度、即ち、間接民主制を採用することを本則とした。従って、国民個人は、投票という方法でもって統治参加することになる。
国民が統治参加するという場合、その方法は勿論、投票行動のみではない。言論活動等(第21条)によっても為し得るのであるが、投票がその中核的なものであることには何ら変わりがない。
投票について見た場合、単に国民に選挙権があればよい、というものとはおよそ言えない。国民個人にどのような選挙権があればよいのか、あるいはまた、どのような選挙権が要求されているかは、憲法規範の解釈から導かれるものである。
憲法上、個々の国民は、個人として尊重され、国政運営上もその尊厳なる主体として尊重されるのである(第13条)。国政運営の主体として、また、被治者と治者との間の自同性を確保、尊重するためには、個々の国民の投票の影響力、即ち投票価値が同一である必要がある。同一であってはじめて国政運営における自律性、主体性を発揮することができるのである。
このように、投票の影響力の同一性、即ち基準人数の原理による「1人1票制」は、個人の尊厳原理を根本原理とし、民主制の維持、運営の面においてもそれが発現されなければならない。民主制の維持、運営が尊厳なる個人を主体として営まれるべきものである以上、それは当然である。個々の国民の尊厳性を確保し、その主体的活動によって国政が運営されるためには、投票の結果価値に基づく「1人1票制」の厳守が要請される。この形式性が維持されない場合、個々人の尊厳性を確保することはできなくなるのである。例えば、ある地域では、1人1票の影響力を有しているが、他の地域では、1人1.5票の影響力を有しているという場合について考えてみると、この0.5票の影響力の差を認めること自体が既に民主制、代議制の存立の基盤を崩すものと言える。何故なら、投票の価値、国政運営に対する影響力の差は、個人の尊厳それ自体にダイレクトに影響するからである。そう解さなければ、13条は画餅に帰するも同然だからである。そして、国政運営において、影響力の異なった代表が選出されても、民主制、代議制が正常に機能することはありえない。それゆえ、民主主義、代議制を正常に存立、機能せしめるためには、個人の尊厳原理との関係において把握する必要があるのであり、そのためには、基準人数原理による1人1票制の厳守が求められるのである。
2 議員定数配分の基本原理である基準人数と個人の尊厳について
(1)  次に、憲法第13条前段は「すべて国民は、個人として尊重される」と規定し、いわゆる個人主義原理・個人主義的国家原理を宣言している。「個人主義」とは、「人間社会における価値の根元が個人にあるとし、なににもまさって個人を尊重しようとする原理」であり、「一方において、他人の犠牲において自己の利益を主張しようとする利己主義に反対し、他方において、『全体』のためと称して個人を犠牲にしようとする全体主義を否定し、すべての人間を自主的な人格として平等に尊重しようとする」ものであると解されている。また、「個人」とは「人間一般とか、人間性とかいう抽象的な人間ではなくて、具体的な生きた1人1人の人間をいう」と解されている。本条は、要するに「個人の尊厳の原理」を定め、「個人の人格を尊重するという基本原則」を表明したものであり、旧西ドイツ憲法の「人間の尊厳は不可侵である。これを尊重し、かつ、保護することは、すべての国家権力の義務である」との規定と同じ趣旨である。
具体的な生きた1人1人の人間を自主的な人格として平等に尊重しようとする「1人1票制」=「投票価値がすべての者について同一でなければならない」という原則、即ちそれを実質的に担保し確保する基準人数に基づく議員定数配分の基本原理は、議会制民主主義における個人の尊厳の原理の根元である。
(2)  上記の如く、憲法は前文で主権が国民に存し、国の代表者がそれを行使すると宣言し、憲法第一五条で公務員(国民の代表者)を選定することは国民の固有の権利であると規定している。従って、以上述べたことからして「投票の価値はすべての者について同一でなければならない」という原則は、国民主権、人類普遍の原理としての民主政の原理、個人の尊厳の原理にもとづき、主権者たる個々の国民に、主権者たることの具体的な表現として与えられた「固有の原則」であると解されるとともに、現実的に行使される選挙権もまた主権者たる個々の国民に、主権者たることの具体的な表現として与えられた「固有の権利」であると解される。
3 議員定数配分の基本原理である基準人数と国民主権、人類普遍の原理について
(1)  憲法は、国民主権の原則を宣言し(憲法前文、憲法第1条)、主権者たる国民の政治参加の方式としては、いわゆる直接民主制と間接民主制とを併用している。そのいずれの場合においても、1人1人の意思の表明は、投票という行動を通じて行われる。
日本国民は、主権者であってその本領は参政権によって実現され、選挙権こそはその中核であり、国民主権に繋がる重大な基本権である。
(2)  憲法前文はまた、「国民の信託による国政」という思想に「人類普遍の原理」としての意味づけを与え、「この憲法は、かかる原理に基づくものである」とし、「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と宣言した。
国政を国民による「信託」として位置づける思想の代表は、ジョン・ロックの「市民政府論」である。この思想は、「社会」の成り立ちを諸個人間の合意=契約によって説明する点においても、その「社会」の目的を諸個人の「固有権」の保全にあると考える点においても、典型的に個人主義であり、近代憲法における人権思想の根底をなす個人の尊重(尊厳)を基礎づける。憲法第13条前段は「すべて国民は、個人として尊重される」と規定し、右思想を具体的に条項化している。言うまでもなく、「人類普遍の原理」とは、価値的に時間と場所を超えて妥当すべきもの、ということを意味し、それは自然法思想、すなわち人間の定める法を超えて妥当する法規範があるという思想の上に立脚している。
価値的に時間と場所を超えて妥当すべきものである「投票の価値がすべての者について同一でなければならない」という原則=「1人1票制」、それを実質的に担保し確保する基準人数に基づく議員定数配分の基本原理は、国民主権、「国民の信託による国政」という見地からみて、まさに人類普遍の原理と言える。
第2  本件は、法律について違憲判断を求めるものであるが、原判決は、その審査方法もしくは審査態度の選択を誤っている。そして、憲法第81条等の解釈及び適用の違法がある。
1 合憲性推定の原則の意味
(1)  法律は、全ての合理的な疑いを超えて憲法に違反することが証明されるまでは合憲と推定される。換言すれば、法律は、全ての合理的な疑いがなく、明白に、憲法に違反する場合に限って、違憲であると説かれている。これは「明白の原則」の承認にほかならないから、この意味において「明白の原則」は、合憲性推定の原則の論理的な帰結である。
しかし、この合憲性推定の原則のもつ法的な効果が如何なるものであるかについては、必ずしも明らかではない。それは、多くの場合、既に合憲の判断が成立し、単にそれを上手に説明する道具の一つとして用いられる場合が多いとすら言われている。
アメリカ合衆国において違憲審査制が発足した当初から「司法の自己抑制」の重要な一内容とされたこの合憲性推定の原則は、20世紀に入って初めて、その効果が明白にされ出したことはよく知られているところである。即ち合憲性の推定とは「法律の基礎にある事実問題が立法の合憲性を条件づける」という意味であり、推定されるもの、即ち推定の対象は法律の基礎にある事実の存在及びその合理性であると言うのである。従って法律を違憲と攻撃する側においては、法律がそれを支える事実に合理的な基礎をもたないということを詳細に証明すべきであり、その論証が果たされない場合には、裁判所は憲法の実定について考慮を払うことなく事件を処理することができ、その結果この原則は、法律の違憲性を主張する側にとっては明らかに有効な障害になり、司法過程において法的な効果をもつことになるとされるわけである。
(2)  このように、合憲性の推定の意味するところが「基礎にある事実問題が立法の合憲性を条件づける」、即ち法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその法律の合憲性を支える事実が存在することに対する推定であると解されるようになると、立法府の価値判断に合理的な事実の基礎が欠けている場合には、合憲性推定の原則は働かないことになり、従って合憲性推定の原則は、「合理性の基準」に適合していることについての推定を意味することになる。
このようにして、合憲性推定の原則が実際に重要な役割を果たすのは、事実問題の領域であるということになり、法律の違憲を主張する側では、その法律を支える社会的、経済的事実に合理性が存在しないことを裁判所に対して立証しなければならず、その意味において、合憲性推定の原則は、甚だしく証拠の問題に結びつくことになる。
2 合憲性の推定と立証事実
(1)  法秩序は、一般に立法権を制限する法規範の意味をできるだけ確定することを要求する。しかし、ある法規範が同じ状況の下で解釈の主体の異なるのに応じて異なる意味を与えられたり、事実状態に関する異なる評価を前提として異なる意味を与えられたりすることがある。前者の場合には、問題の重点は法的問題にあるので、その法規範の司法審査における論点は立法府による法規範の解釈が正しいかどうかということになるが、後者の場合には、問題の重点は法規範の意味の探求そのものではなく事実の評価にあり、事実の領域において合憲性の推定が重要な作用をすることになる。この意味において、「法律に付着する合憲性の推定とは、立法を支持する事実状態の存在の推定」である。従って、立法府の判断そのものが「法的判断」である場合には、それが憲法の解釈として正しいという意味における推定は存在しないと言うことを意味することになる。
(2)  ディヴィスによれば、裁判所において明らかにされるべき法的意味を持つ「事実」は、「判決事実」と「立法事実」の二つに区別される。前者は、係属事件の解決だけの目的で確定されなければならない事実、即ち「誰が、何時、何処で、何を、如何に、如何なる動機もしくは意図の下に、行ったか」という直接の当事者に関する事実であり、後者は、それ以外の事実であって、法律を制定する場合の基礎を形成し、それを支えている-その背景となる社会的、経済的、一般的事実である。この区別は、実は、伝統的な「事実問題」と「法律問題」の区別に対応したものである。
かつて事実問題は事実審の権限に属し、厳格な証拠法上のルールに従うが、法律問題は裁判官の権限であってその自由な推論に委ねられるとされてきた。ところがこの法律問題について、法の背景にある事実的な諸条件の変化にもかかわらず、それを全く考慮しないで法文の思弁的、論理的操作によって運用が行われるという事態に直面して、法律問題の構造の批判的な検討が行われることになった。法的推論は、論理学上の法則に従う部分を別とすれば、意識するとしないとにかかわらず、多くの論証抜きの想定を置いて行われる。そのような想定には一般的な事実に関する命題が含まれていることもある。論証抜きで前提とされた事実命題には、誤ったものもあり得る。
他方、法律問題には、異なった形ではあるが、事実問題も含まれており、その限りで全面的に裁判官に委ねるわけにはいかない。
(3)  このようにして、法律問題の解釈に当たっては、それが立法事実に依存する場合には、その認定を裁判官の自由な思弁に委ねるべきではなく、納得のいく証拠を必要とすべきであると考えられるようになる。立法の合憲性を根拠づける為には、それが社会的な必要によって要請された立法であるとする以上、それを支える社会的事実を明らかにすることが要求される。法律によって一定の制約を設けることが憲法上認められている基本的権利を規制する立法の合憲性を判断する場合、このような立法は一定の事実状態を前提として初めて、合憲性が認められるのであり、そこでは当該規制立法を支える立法事実の精査が必要不可欠になる。
なるほど、憲法上広汎に法律を制定する権限が認められている場合に、ある法律が問題とされるのは、立法府がその権限を越えたかどうかということだけであり、従って、法律の必要性についてそもそも裁判所が審査することは適当でないともいえよう。しかし、法律の制定が憲法上禁止されている場合には、立法事実論の機能する余地が全くないとはいえない。即ち、憲法上原則として制約を設けることを禁止されている基本的権利について、立法府が権利の制限は憲法上認められるとしてある立法を行った場合、その法律の必要性が極めて重要な問題になる。つまり、そのような法律を制定する必要があるといえるかどうか、規制の必要性を裏付けるに足りる事実が存在すると言えるかどうかということを検討しないで、健全な憲法判断を下すことはできないはずであり、法律の必要性を支える事実の証拠を精査して合憲性に関する判断が下されなくてはならない。
(4)  既に述べたとおり、立法事実とは立法を支持する事実状態を言うが、それは競合する諸利益の衡量の結果として帰結されるものであるから、必然的に「評価」を伴う。従って、立法事実は単なる客観的な事実ではない。それ故に、合憲性の推定とは、裁判官が諸種の利益と並んで立法府が選択した価値を衡量するに際しての自制であるということもできる。このように、合憲性の推定とは、事実の評価を含んだ立法事実の存在についての推定にほかならない。
3 合憲性の推定と合憲性の基準
(1)  違憲審査がアプリオリな法的推論によってではなく、立法事実との関連において行われるべきであるという主張が生じると、合憲性推定の原則は、立法事実の存在に対する推定であると説かれるようになる。そこでは立法府の価値判断に合理的な事実の基礎が欠けている場合には、合憲性の推定の原則は働かないから、それは、「合憲性の基準」に適合していることについての推定を意味することになる。即ち、合憲性推定の原則は、当該法律の制定目的の合憲性とその目的達成手段の合理性についての推定であり、従って、合理性の基準を意味すると言ってよい。
法律の目的と手段の合理的関連(合理性)は、具体的な事件に含まれる諸種の利益、要素を衡量して具体的に決定されるものであるから、これについて何らかの抽象的な一般原則を機能することは困難である。ただ、セイヤーによれば、「合理的な疑い」とは、「注意深く自己の能力を問題に適用した有能で十分教育ある人の精神からは容易に去らないような合理的な疑い」をいい、そのような疑いがあるときは、合憲性は推定されなくなるとされる。
立法府が必ずしも慎重な事実の認定に基づいて立法権を行使するとは限らないことから、裁判所は、当該法律を支持する立法府の判断に合理性があるかどうかを、「司法的確知」によって、法律の基礎を形成する事実-立法事実-を審査して、決定しなければならず、その際、不可避的に相争う諸種の利益を衡量した結果、「合理的な疑い」のある場合には、合憲性推定の原則は排除されることになる。
(2)  「合理性の基準」の意味するところは概ね上記に述べたとおりであるが、ここで人権規制立法に関する類型別の審査基準について触れてみる。
その萌芽が見られるとされるアメリカ合衆国における1938年のカロリーン判決の法廷意見は、概ね次のように述べている。
立法が、最初の憲法修正条項10ヶ条による禁止のように、憲法による明確な禁止の範囲内に分免状入っていると思われる場合には、合憲性の推定が働く範囲はより狭くなる。
投票権、情報の流布、政治的組織、平穏な集合等の規制というような立法は、国民の為にならない法律を廃止する場として期待されている政治過程自体を制約するものであるから、そのような立法は厳格な司法審査に服すべきである。また、同様の配慮は、特定の宗教あるいは少数民族を抑圧する立法に対しても向けられる。つまり、そのような立法は、少数派が保護を求める場である政治過程自体を害するものであるから、厳格な司法審査に服する必要がある。
さて、この判決は、次のような3つの原則を明らかにしたと説かれている。即ち第1に、人権保障条項を規制する立法は、合憲性の推定範囲が狭くなること、第2に、民主主義体制の基礎を成す政治過程に影響を与える立法は、経済過程に影響を与える立法の場合に比して、より厳格な司法審査に服すること、第3に、少数者-宗教的、民族的若しくは人種的少数者-の権利は、経済的な利益集団と異なって特別の裁判上の保護を受けることなどである。
これが、後に経済的自由に比して精神的自由を尊重する「二重の基準」の法理という憲法訴訟上の基準論の展開に繋がったわけであるが、二重の基準論の下では、司法審査の基本的姿勢として、精神的自由の規制立法については民主主義的多数決に対する信頼が捨てられ、規制を行う国家の側に当該立法の目的と手段の正当性を支える事実の挙証責任が負わされることになり、更にその上で、「事前抑制の禁止」、「漠然性の故に無効」、「LRA」(Less Restrictive Alternatives )「過度に広汎な規制故に無効」、「明白かつ現在の危険」などの厳格な審査基準が適用されるのに対して、経済的自由の規制立法については「合理性の基準」が適用されることになった。即ち、当該法律の合憲性を立法府の判断に合理性があるかどうか、換言すれば、合憲性の推定を排除するに足る合理的な疑いがあるかどうかという観点から審査することになった。
その際に重要な役割を果たすのが、立法事実の検証であるが、この「合理性の基準」の下でも、立法事実の不存在が証明されるならば、当該法律は合理性を欠くものとして違憲とされる余地がある。しかし、合憲性の推定は、「立法事実の存在の推定」を意味するものとされることから、違憲を主張する側では、その推定を覆して立法事実の不存在を証明し立法に合理性がなく恣意的な規制であることを論証しなければならず、それは実際問題として極めて困難であるので、この領域では「合理性の基準」が適用される限り、経済的自由の規制立法が違憲とされる余地は殆どないということが言える。
(3)  カロリーン判決は、当時の歴史的な要請として、合衆国最高裁が政府による経済統制を是認する、つまり近代的自由経済体制から現代的管理経済体制に移行する過程において経済的自由に対する政府の介入を追認する作業をしていた時期のものであった。従って、この判決に端を発する人権の価値序列も、それぞれの時代状況の中で相対化されることになる。それ故に、仮にここの基本権が精神的自由権または経済的自由権のどちらか一方に属することが明らかである場合であっても、更に両者に通じる新基準の適用が考慮されなければならないことになる。このような観点から、従来の精神的自由権と経済的自由権とをカテゴリカルに区分する「二重の基準」論は必ずしも適当ではないとして、それに替る新たな「二重の基準」論の樹立が提唱されるに至った。
(4)  このようにして、現時点においては「二重の基準」は修正され、自由権に関しては「三重の基準」即ち「厳格な審査基準」、「厳格な(若しくは加重された)合理性の審査基準」、「単なる合理性の審査基準」の3種類があると説かれるようになった。
このような基準の下においては、合憲性推定の原則が適用される領域は、「単なる合理性の審査基準」が妥当するもの、即ち福祉国家的理想の下における社会、経済政策実施のための積極的・社会経済政策的な規制ということになる。
4 「明白の原則」と合憲性推定の原則
(1)  違憲審査の指針の一つとして、裁判所が法律を違憲と判断するには、その違憲性が明白である場合に限るとする「明白の原則」が指摘されている。それは合衆国の憲法判例において、司法の自己抑制に関する準則の一つとして古くからたびたび確認されたものである。
それが提唱された理由は、第1に、法律を違憲無効と宣言することは「重大な問題」であり、「デリケート」なことであること、第2に、三権分立の理論に基づいて、立法機関と司法機関はそれぞれ独立し、それぞれ特別な機能を有し、従ってこれらの機関は、それぞれの権能を果たすに適するように組織され、それに適する資格を有するはずであるから、それらは互いに他の機関とその機能を尊重しなければならない。即ち、法律を合憲とすることが立法府に対して支払われるべき穏当な尊敬にほかならないからと言われている。
ところで「明白の原則」の論拠が、法律を合憲と推定することが全ての法律を制定するところの「立法機関の英知、潔白、愛国心に対して当然に払われるべき穏当な尊敬」に求められるとしても、この原則が全ての法律に関する憲法事件にそのまま妥当すると解することは適当ではない。何故なら、法律が一見極めて明白に違憲であると認められるようなことは殆どあり得ず、明白の原則をストレートに承認すれば、「司法審査権は、専ら立法、行政両機関の行為を正当化するだけの機能となってしまう」ことになるからである。
確かに合衆国における司法の自己抑制論は権力分立原理を一つの論拠とはしているが、しかし、「アメリカ的な権力分立原理は、むしろ司法審査制を支える大きな理論的、思想的支柱の一つ」であったのであり、司法審査権が全く例外的なことになるわけではない。ある自由を規制する法律は、もし合理的な人間がその制限は自由を侵さないと信じることができるならば、裁判官は主観的には違憲であると考えたとしても、その法律を合憲として支持すべきであると説かれるに及んで、この「明白の原則」は、実質的には、「違憲審査における合理性の基準を別の言葉で表現したもの」であることを意味することが明確になった。従って、「明白の原則」が合衆国において司法部による法律の違憲審査の行使に対して、裁判官自身が慣行として発展させてきた司法の自己抑制の一つとして確立されたものであることを認めるとしても、この原則があらゆる憲法事件に画一的に妥当するルールであるとすることはできない。即ち、「明白の原則」が提唱される場合には、「立法府は広い権能を有し、その実施のために広い手段の選択が許される。つまり、広い裁量をもつ。また、目的が正当であり、憲法の枠内であれば、目的に適合し、憲法との両立するところの、全ての手段は合憲的である」として立法権の裁量権を強調し、あらゆる憲法事件に一般的に妥当するルールであるかのような議論が展開されたことがあったが、この原則は、合理性の基準を別の言葉で表現したものであり、また合憲性の推定は、合理性の基準を意味するものであるから、「明白の原則」は、「基礎にある事実問題が立法の合憲性を条件づける」という意味における合憲性推定の原則と結びついたルールであるということに留意すべきである。即ち、「明白の原則」が適用される領域では、立法事実の司法審査が重要な役割を果たすことになり、従って、立法府の判断に合理的な事実の基礎が欠けている場合には、合憲性推定の原則は働かず、かつ「明白の原則」も排除されることになる点に留意すべきである。換言すれば、「明白の原則」が適用される領域では、立法事実の司法審査が重要な役割を果たすことになり、従って、立法府の判断に合理的な事実の基礎が欠けている場合には、合憲性推定の原則は働かず、かつ「明白の原則」も排除されることになる。
更にこれと関連して、「明白の原則」は、合理性の基準が妥当する経済的自由の規制立法の違憲審査における準則であり、従って、そのような立法にだけ妥当するルールであることにも当然の留意が必要である。
(2)  法律が明白に憲法に違反する場合に限って違憲と判断するということが、合憲性推定の原則の理論的帰結であることは、既に述べたとおりであるが、合憲性推定の原則は、「立法を支える事実状態の存在の推定」であり、従って、「明白の原則」の適用にあたっては、立法事実論のアプローチによって、立法目的だけではなく立法目的達成の手段が合理的ないし必要最小限度であることを基礎づける事実の精査が要求されることになる。
法律の賢明さ若しくは適切さ、または法律の背後にある公共の利益若しくは公共の必要性は、立法府の判断によって最終的に決定される事項であり、その審査は裁判所の職務ではないとしても、立法事実を考慮することなくして健全な憲法判断は不可能であるという立場からは、立法の賢明さ、有効性の司法審査は許されないとはいえ、立法目的を支える事実の審査に伴い、それと密接に関連する問題として、立法の必要性を裏付ける事実に合理性があるかどうかの論点は、当然に検討の対象となり得、それはまた、裁判所がその職責上、不可避的に処理しなければならないものである。
畢竟、「明白の原則」が合憲性推定の原則と結びつくルールであるとすれば、立法目的の合理性から直ちに合憲性を導き出すアプローチは当然の事ながら否定されざるを得ない。
顧みるに、我が国の判例において「明白の原則」、「合憲性推定の原則」が適用されたと目し得る場合、往々にして、立法府の裁量権が必要以上強調されてきたが、しかし、既に述べた通り、「明白の原則」の適用にあたっては、立法事実論によるアプローチ-立法目的及び立法目的達成の手段の合理性の精査-が要求される。また、「明白の原則」が全ての憲法事件に一律に該当する一般準則であると捉えるならば、それは「機械法学」の誹りを免れない。
第3  本件ブロック別配分議員数の不平等
(1)  原審判決は、小選挙区選挙と比例代表選挙との関係を、「別個独立の選挙」であると判断している。これは、被告が訴訟に勝つために主張した意見をそのまま鵜呑みにしただけである。原審判決は、次のとおり判断している。
「原告らは、全国11の各ブロックのブロック議員数が人口に比例して配分されておらず、投票価値の平等の要請を侵害する旨主張する。
「原告らは、……小選挙区選挙と比例区選挙が相まって衆議院議員総選挙を構成するものであり、機能的にみても両者は一体不可分であって、……当該ブロック内の小選挙区選出の議員数と比例区選出の議員数とを併せた各ブロックのブロック議員数相互間を比較すべきである旨主張するが、独自の見解であり、採用の限りでない。」(P.22~23)
(2)  小選挙区比例代表並立制を提案した細川政権は、「民意を集約させる機能を持つ小選挙区制と、民意をそのまま反映させる比例代表制を相互補完的に組み合わせるとの考え」であると説明した(乙4 P.10下段)。衆議院選挙は衆議院議員全体を1つの組織、機関として、公正かつ効果的な代表で構成するための制度であるから、議員定数の配分については、小選挙区選挙と比例代表選挙とは1つの選挙と考えるべきである。従って、原審判決が述べるように、小選挙区選挙と比例代表選挙が2つの選挙であると主張することは詭弁である。原審担当裁判官は、被告を勝たせるために、敢えて常識に反する判断をした、としか論評する方法がない。
結局、衆議院議員総数(定数)500名の配分は、11の選挙区に対し、その人口に比例して配分すべきである。外国の例で、小選挙区と比例代表の2つの選挙を組み合わせている国は、ドイツ連邦とイタリアである。ドイツ連邦は邦の人口に比例して、イタリアは比例選挙区の人口に比例して、小選挙区選挙と比例代表選挙による合計議員数を決めていることを、参考に検討すべきである。
(3)  ブロックへの配分が人口比例原則に違反している状態は、次のとおりである。
〈1〉 「南関東」と「北陸・信越」ブロックを他のブロックと比較すると、逆転現象が生じている。
〈2〉 原告らの主張する「基準人数」による再配分、ヘアー方式(最大剰余法)による分配と、平成12年法(議員定数480名)の配分を比較すると、全てのブロックに、議員の過不足が生じている。
表〈省略〉
第4  「南関東」比例区の区割り
比例代表選挙は、全国を11選挙区に「区割り」した。ところが、「南関東」選挙区は、千葉県、神奈川県、山梨県の3県で構成されているが、その3県は互いに「飛び地」の関係にある。
原審判決は、「南関東選挙区は、これを構成する千葉県と神奈川県及び山梨県とが東京都によって分断され、飛び地となっているが、これは、……東京都を単独で独立した1ブロックとするのが適当であり、また、南関東選挙区を構成する千葉県、神奈川県及び山梨県が、いずれにも地理的に東京都に隣接し、経済関係や交通機関の状況などが類似しており、東京都を挟んで総体としてみれば一団の地域を構成している上、……このような南関東選挙区の区割りには一応の合理性があるというべきであり、これが国会の裁量権を逸脱しているとはいえない。」(P.24~25)
全て、原審担当裁判官の独断である。国会審議(乙4~6)のどこにそのような説明が行われているのか?山梨県から見た場合、千葉県と神奈川県との関連性はどこにあるのか?「飛び地」となる3県を1つの選挙区に構成した理由は、むしろ、政党の利害関係に結びついていると考えるのが相当である。裁判所は、その恐れがないか、そこに立法裁量権の逸脱があったのではないか、と審理判断することが役割である。原審担当裁判官は、その役割を放棄して、自分の頭の中で、請求棄却の理由を考えたに過ぎない。
第5  国会裁量権の逸脱
(1)  立法過程における問題
(審理不尽)原審は証拠調べを尽くしていない。
〈1〉 原告らが甲第14号証として提出した新聞には、次の意見が述べられている。
「新制度は全体として既成政党本位で、大政党ほど有利な仕組みになっていることが際立つ。既得権益にしがみついた政治の刷新を掲げた「政治改革」が、その実、既得権益を既成勢力の組み替えをめぐる「政治家のための改革」だった一面の反映だろう。」(甲14の21 毎日新聞)
「「政治改革」が政界再編のための手段、権力の組み替えを狙った選挙制度の手直しにすり替えられてきたことを裏付けていないか。」(甲14の5朝日新聞)
羽田政権の時期(平成6年4月25日~6月25日)は、
「新進党の議員の中には「八次審案は大幅に変えないといけない」なんて言っていた」
自治相も「区割基準ができれば、実際の区割りは一潟千里に決まる」などと発言していた。(それで)自民党が猛反発した。(当時の)与党とじっくり選挙体制を作っていきたい自社(と)の違いが感じられる。
ところが、平成6年6月25日に羽田内閣が総辞職し、自民党と社会党との連立政府が誕生した。
「現政権になってからはそのような発言は全くなくなった。」自民党議員は、自民党議員の自治相が誕生したことは、「旧与党に有利な線引き変更をさせにくくなったことに意味がある。」と発言した(甲14の11 読売新聞)
原審担当裁判官は、上記の記事を読んだことがあるのか?平成6年の選挙制度の改正が国民の意思を反映するため行われたのか?を検討したことがあるのか?政治改革は、国民の批判をかわすだけの見せかけだったのではないか?疑ったことはないのか?
原審担当裁判官は、乙号証の内容を、疑いの目で読まなかったのか?原審判決には、甲第14号証(新聞)を検討した形跡がない。一方当事者(被告)の提出した証拠のみを全面的に採用し、反対当事者(原告)が提出した証拠を検討しなかったのであれば、それは、審理をする前から、担当裁判官が結論を出していた、ということである。
その推測が当たっておれば、原審の審理及び判決は、裁判という名に値しない判決である。
〈2〉 小選挙区比例代表並立制の是非を検討するとき、次の研究が参考になる。西平重喜著「各国の混合選挙法」(選挙研究1995年No.131、49頁以下)。要旨を引用すると、次のとおりである。
「181か国の選挙法を検討した。欧米では、議員を2種類の方法で同時に選挙する方法を、「混合制」という。国会議員の選挙で混合制を採用している国は18か国で、181か国のうち10%に過ぎない。主要国で「重複立候補」と認めている国は、西ドイツ、イタリア(全員重複立候補)、それに日本の衆議院だけである。」
「選挙制の基本的な形は小選挙区制と比例代表制である。」
「この基本的な二つの選挙制はそれぞれの考え方を表現しようとしている。しかし混合制には次のような共通の問題点がある。
1 代表制についての明確なフィロゾフィーがない。
2 二つの選挙制で選ばれた議員の多数派が違う「ネジレ現象」が起きる可能性はある。
3 小選挙区制と比例代表制の議員定数を割り振る客観的な基準がない。
4 重複立候補の問題がある。有権者が(せっかく)落選させた人に議席を与えてよいのだろうか。しかも例外的ならよいかもしれないが、多数にのぼる場合は当然非難されることになる。」
「日本の制度は審議の過程から、全議席を小選挙区制にしたのでは、大政党に余りにも有利過ぎるから、比例制で色をつけようとしたことは明らかだろう。しかし、ブロック制にしたので、比例代表のほうも大中政党にボーナスをつけた結果に終わっている。しかも他の国でブロック制を採用している場合は、現にある自治組織(州など)を基本にしている。ところが南関東ブロックなどは、住民の意思を全く無視した、単なる員数あわせのものである。たとえ選挙実施上の事務的な繁雑さから、ブロック別にするとしても、全国集計をして一括分配することもかのうである。」
「日本で300の小選挙区を作ったのは、このくらいなら議会を説得できるからであって、300区が小選挙区として、いかなる意味をもつかについての検討はされていない。」
「日本では小選挙区制と比例代表制を並立させれば、両者の短所が補われるだろうという、極めて単純な思考に基づくもので、結果としては中途半端な欠陥が目立つものに終わった。その提案にあたっては、ひたすら候補者サイド、いいかえれば旧制度で選ばれた議員達が「飲める」ことが考えられ、有権者の立場からの考慮はされなかったと言わざるを得ない。」
現新担当裁判官は、上記の検討をしたのであろうか?
(2)  重複立候補制
〈1〉 原審判決は、「惜敗率」により当選者を決める方法について、次のとおり判断している。
複数の重複立候補者が同一順位とされた場合、「当選人となるべき順位も結局のところは投票の結果(上告人注:小選挙区選挙の結果)によって決定され、投票の結果以外の他の中間意思が介在してこれを決定するものではないのであるから、比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできない。重複立候補制度が憲法43条1項、15条1項及び3項に違反する旨の原告らの主張は採用し得ない。」(P.28)
〈2〉 混合制の選挙制度を採用している国のうちでも、重複立候補を認めている国は、ドイツ、イタリア、ロシア、グルジア位しか紹介されていない(前出、西平論文・宮川著書)。そのうち、「惜敗率」で当選者を決めている国は存在しない(宮川著「小選挙区比例代表並立制の魔術」106頁)。
原審担当裁判官は、上記世界の選挙制度を調べたうえで、判断したのか?世界の民主主義の現状を理解しないで、国会の裁量権を判断することは、独断と偏見で判断したことになる。その判断が、憲法の解釈を誤っていることは、明らかである。
(3)  審理不尽
我々は、原審において、衆議院議員の選挙制度に関する平成6年の改正が、全体として国会の裁量権を逸脱している、と主張した。それを裏付ける事実として、国会審議と並行して政党間の闇取引が行われたこと、小選挙区制が与党政権のために採用されたこと、重複立候補制の疑問、特に同順位を認めて惜敗率で当選者を決めることなど、小選挙区比例代表並立制の問題点を指摘した。
ところが、原審判決は、並立制全体の問題を、我々が主張した問題点に細分化し、矮少化して、それぞれの制度、仕組みには合理性がある、あるいは、国会の裁量権を逸脱していない、と判断した。
原審判決は、まさに「木を見て山を見ず」の例えどおり、問題を細分化することによって、我々が提起した問題を見失った、と言わざるを得ない。
その結果、原審判決は、我々の主張を判断しない、言い換えれば、審理不尽、「判決に理由を付せず」(上告理由)に、原告の請求を棄却したことになる。
以上

平成13年(行ツ)第233号 平成13年7月4日
最高裁判所 御中
原審事件番号 東京高等裁判所 平成12年(行ケ)第272号
上告事件番号 東京高等裁判所 平成13年(行サ)第94号
上告人 奥田保
被上告人 中央選挙管理会
上告理由書
上告人本人 奥田保

上告人奥田保は上告理由を次のとおり主張する。
第1.合憲性判断のあり方
(憲法解釈の誤り)「立法裁量権の限界」は、民主主義が現在到達した理念・原則を基準とすべきであり、その具体的内容は、外国の民主主義国家の選挙制度を調べることによって、明らかとなる。しかし、原審判決は、真の民主主義を無視したものである。
(1)  原審判決には、「民主主義」を検討した形跡がない。
原審判決の第3の当裁判所の判断(P.21)から、第4の結論の終わりまで(P.32)、12ページの間に「民主主義」という言葉が1度も出てこない。
原審における原告らの準備書面によれば、原告らが本件を民主主義憲法の根本規範に関する問題として捕らえ、世界が現在到達している民主主義の検討を要求し、日本の現在の議員定数の配分が「民主主義憲法」に違反していると主張していたことは、明らかである。
それにも拘わらず、原審判決は民主主義と本件との関係についてまったく触れていないし、現在世界が到達している「民主主義思想」について、まったく検討された形跡がない。
原告の最も重要な主張に対して、何も答えていないということは、上告理由のうち、「判決に理由を付せず」(民訴法第312条第2項6号)、原告らの請求を却下した場合に該当する。
よって、原審判決は取り消されるべきである。
(2)  そして、本件においては、憲法の要求する民主主義とは何か、民主主義の要求する選挙制度とは何か、これを基準に立法裁量権の限界を判断すべきである。
現行憲法は、民主主義、平和主義、人権擁護の三つを根本規範に、成り立っている。憲法前文は、民主主義について「これは人類普遍の原理である」と述べている。民主主義は、日本だけに通用する民主主義というものはない。民主主義の理念、制度は、世界共通のものである。したがって、選挙制度が民主主義に適合しているか否か、国会が立法裁量権(民主主義の枠)を逸脱したか否かを判断するには、人類が現在到達している民主主義の理念、選挙制度を基準にすべきである。民主主義が現在到達している点は、外国の民主主義国家の例を検討すれば、理解できる。
(3)  原審判決は、諸外国の選挙制度について、全く触れていない。世界が現在到達している民主主義は、議員定数の配分について、厳格な人口比例配分を要求している。
原審判決は、我が国の「ブロック別配分議員数の不平等」と「惜敗率」による当選者の決定について、世界の民主主義、民主主義国家の選挙制度と比較検討もしないで、立法裁量権の範囲内にある、と判断した。
その判断は憲法の解釈を誤ったものである。
第2.ブロック別配分議員数の不平等
(1)  原審判決は、小選挙区選挙と比例代表選挙との関係を、「別個独立の選挙」であると判断し、次のとおり述べている。
「原告らは、全国11の各ブロックのブロック議員数が人口に比例して配分されておらず、投票価値の平等の要請を侵害する旨主張する。
「原告らは、……小選挙区選挙と比例区選挙が相まって衆議院議員総選挙を構成するものであり、機能的にみても両者は一体不可分であって、……当該ブロック内の小選挙区選出の議員数と比例区選出の議員数とを併せた各ブロックのブロック議員数相互間を比較すべきである旨主張するが、独自の見解であり、採用の限りでない。」(P.22~23)
(2)  小選挙区比例代表並立制を提案した細川政権は、「民意を集約させる機能を持つ小選挙区制と、民意をそのまま反映させる比例代表制を相互補完的に組み合わせるとの考え」であると説明した(乙4 P.10下段)。
衆議院選挙は衆議院議員全体を1つの組織、機関として、公正かつ効果的な代表者で構成するための制度であるから、議員定数の配分については、小選挙区選挙と比例代表選挙とは1つの選挙と考えるべきである。したがって、原審判決が述べるように、小選挙区選挙と比例代表選挙が2つの選挙であると主張することは許されないのである。
結局、衆議院議員総数(定数)500名の配分は、11の比例区に対し、その人口に比例して配分すべきである。外国の例で、小選挙区と比例代表の2つの選挙を組み合わせている国は、ドイツ連邦とイタリアである。ドイツ連邦は邦の人口に比例して、イタリアは比例選挙区の人口に比例して、小選挙区選挙と比例代表選挙による合計議員数を決めていることを、参考に検討すべきである。
(3)  ブロックへの配分が人口比例原則に違反している状態は、次のとおりである。
〈1〉 「南関東」と「北陸・信越」ブロックを他のブロックと比較すると、逆転現象が生じている。
〈2〉 原告らの主張する「基準人数」による再配分、ヘアー式(最大剰余法)による配分と、平成12年法(議員定数480名)の配分を比較すると、すべてのブロックに、議員の過不足が生じている。
表〈省略〉
第3.「南関東」比例区の区割り
比例代表選挙は、全国を11選挙区に「区割り」した。ところが、「南関東」選挙区は、千葉県、神奈川県、山梨県の3県で構成されているが、その3県は互いに「飛び地」の関係にある。
原審判決は、「南関東選挙区は、これを構成する千葉県と神奈川県及び山梨県とが東京都によって分断され、飛び地となっているが、これは、……東京都を単独で独立した1ブロツクとするのが適当であり、また、南関東選挙区を構成する千葉県、神奈川県及び山梨県が、いずれも地理的に東京都に隣接し、経済関係や交通機関の状況などが類似しており、東京都を挟んで総体としてみれば一団の地域を構成している上、……このような南関東選挙区の区割りには一応の合理性があるというべきであり、これが国会の裁量権を逸脱しているとはいえない。」(P.24~25)とするが、到底肯定できるものではなく、立法裁量権に関する憲法の解釈を誤ったものである。
第4.国会裁量権の逸脱
(1)  立法過程における問題
(審理不尽)原審手続には証拠調べを尽くしていない違法がある。
〈1〉 原告らが甲第14号証として提出した新聞には、次の意見が述べられている。
「新制度は全体として既成政党本位で、大政党ほど有利な仕組みになっていることが際立つ。既得権益にしがみついた政治の刷新を掲げた「政治改革」が、その実、既得権益を既成勢力の組み替えをめぐる「政治家のための改革」だった一面の反映だろう。」(甲14の21 毎日新聞)
「「政治改革」が政界再編のための手段、権力の組み替えを狙った選挙制度の手直しにすり替えられてきたことを裏付けていないか。」(甲14の5 朝日新聞)
羽田政権の時期(平成6年4月25日~6月25日)は、
「新進党の議員の中には「八次審案は大幅に変えないといけない」なんて言っていた」
自治相も「区割基準ができれば、実際の区割りは一潟千里に決まる」などと発言していた。(それで)自民党が猛反発した。(当時の)与党とじっくり選挙体制を作っていきたい自社(と)の違いが感じられる。
ところが、平成6年6月25日に羽田内閣が総辞職し、自民党と社会党との連立政府が誕生した。
「現政権になってからはそのような発言は全くなくなった。」
自民党議員は、自民党議員の自治相が誕生したことは、「旧与党に有利な線引き変更をさせにくくなったことに意味がある。」と発言した(甲14の11 読売新聞)
原審担当裁判官は、上記の記事を読んだことがあるのだろうか。平成6年の選挙制度の改正が国民の意思を反映するため行われたのかを検討したことがあるのだろうか。
原審判決には、甲第14号証(新聞)を検討した形跡がない。
〈2〉 小選挙区比例代表並立制の是非を検討するとき、次の研究が参考になる。
西平重喜著「各国の混合選挙法」(選挙研究1995年No131、49頁以下)。要旨を引用すると、次のとおりである。
「181か国の選挙法を検討した。欧米では、議員を2種類の方法で同時に選挙する方法を、「混合制」という。国会議員の選挙で混合制を採用している国は18か国で、181か国のうち10%に過ぎない。主要国で「重複立候補」を認めている国は、西ドイツ、イタリア(全員重複立候補)、それに日本の衆議院だけである。」
「選挙制の基本的な形は小選挙区制と比例代表制である。」
「この基本的な二つの選挙制はそれぞれの考え方を表現しようとしている。しかし混合制には次のような共通の問題点がある。
1.代表制についての明確なフィロゾフィーがない。
2.二つの選挙制で選ばれた議員の多数派が違う「ネジレ現象」が起きる可能性はある。
3.小選挙区制と比例代表制の議員定数を割り振る客観的な基準がない。
4.重複立候補の問題がある。有権者が(せっかく)落選させた人に議席を与えてよいのだろうか。しかも例外的ならよいかもしれないが、多数にのぼる場合は当然非難されることになる。」
「日本の制度は審議の過程から、全議席を小選挙区制にしたのでは、大政党に余りにも有利過ぎるから、比例制で色をつけようとしたことは明らかだろう。
しかしブロック制にしたので、比例代表のほうも大中政党にボーナスをつけた結果に終わっている。しかも他の国でブロック制を採用している場合は、現にある自治組織(州など)を基本にしている。ところが南関東ブロックなどは、住民の意思を全く無視した、単なる員数あわせのものである。たとえ選挙実施上の事務的な繁雑さから、ブッロク別にするとしても、全国集計をして一括配分することも可能である。」
「日本で300の小選挙区を作ったのは、このくらいなら議会を説得できるからであって、300区が小選挙区として、いかなる意味をもつかについての検討はされていない。」
「日本では小選挙区制と比例代表制を並立させれば、両者の短所が補われるだろうという、極めて単純な思考に基づくもので、結果としては中途半端な欠陥が目立つものに終わった。その提案にあたっては、ひたすら候補者サイド、いいかえれば旧制度で選ばれた議員達が「飲める」ことが考えられ、有権者の立場からの考慮はされなかったといわざるをえない。」
原審は、上記の検討をしたのであろうか、問題である。
(2)  重複立候補制
〈1〉 原審判決は、「惜敗率」により当選者を決める方法について、次のとおり判断している。
複数の重複立候補者が同一順位とされた場合、「当選人となるべき順位も結局のところは投票の結果(上告人注:小選挙区選挙の結果)によって決定され、投票の結果以外の他の中間意思が介在してこれを決定するものではないのであるから、比例代表選挙が直接選挙に当たらないということはできない。重複立候補制度が憲法43条1項、15条1項及び3項に違反する旨の原告らの主張は採用し得ない。」(P.28)
〈2〉 混合制の選挙制度を採用している国のうちでも、重複立候補を認めている国は、ドイツ、イタリア、ロシア、グルジア位しか紹介されていない(前出、西平論文・宮川著書)。そのうち、「惜敗率」で当選者を決めている国は存在しない(宮川著「小選挙区比例代表並立制の魔術」106頁)。
原審は、上記世界の選挙制度を調べた上で判断したのか問いたい。
世界の民主主義の現状を理解しないで、国会の裁量権を判断することは、独断と偏見で判断したことになる。原審判断が、憲法の解釈を誤っていることは、明らかである。
(3)  審理不尽
我々は、原審において、衆議院議員の選挙制度に関する平成6年の改正が、全体として国会の裁量権を逸脱している、と主張した。それを裏付ける事実として、国会審議と平行して政党間の闇取引が行われたこと、小選挙区制が与党政権のために採用されたこと、重複立候補制の疑問、特に同順位を認めて惜敗率で当選者を決めることなど、小選挙区比例代表並立制の問題点を指摘した。
ところが、原審判決は、並立制全体の問題を、我々が主張した問題点に細分化し、矮小化して、それぞれの制度、仕組みには合理性がある、あるいは、国会の裁量権を逸脱していない、と判断した。
原審判決は、問題を細分化することによって、我々が提起した問題を見失った、と言わざるを得ない。
その結果、原審判決は、我々の主張を判断しない、言い換えれば、審理不尽の結果、「判決に理由を付せず」(上告理由)に、原告の請求を棄却したことになる。
以上

平成13年(行ツ)第233号
上告受理事件番号 平成13年(行サ)第94号選挙無効請求事件
(原審事件番号 平成13年(行ケ)第272号)
上告理由書
(上告人 赤羽健也分)
平成13年7月5日
上告人 赤羽健也 外13名
被上告人 中央選挙管理会
最高裁判所 御中
上告人 赤羽健也
第1点  原判決は、衆議院議員選挙制度の合憲性判断の在り方について、憲法第15条第1項、第43条、同第47条及び同第81条の解釈を誤ったものであり、憲法解釈の誤りがある。
1 原判決の判示内容
原判決は、衆議院議員選挙制度の合憲性判断の在り方につき、次のとおり判示する(原判決21~22頁)。
「我が憲法もまた、上記の理由から、国会の両議院の議員の選挙について、およそ議員は全国民を代表するものでなければならないという制約の下で、議院の定数、選挙区、投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めるべきものとし(43条、47条)、両議院の議員の各選挙制度の仕組みの具体的決定を原則として国会の広い裁量にゆだねているのである。このように、国会は、その裁量により、衆議院議員及び参議院議員それぞれについて公正かつ効果的な代表を選出するという目標を実現するために適切な選挙制度の仕組みを決定することができるのであるから、国会が新たな選挙制度の仕組みを採用した場合には、その具体的に定めたところが、上記の制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するため、そのような国会の広い裁量権を考慮してもなおその限界を超えており、これを是認することができない場合に、初めてこれが憲法に違反することになるものと解すべきである。」
2 原判決の誤り
しかしながら、原判決は、下記のとおり、憲法第15条第1項、第43条、同第47条及び同第81条の解釈を誤ったものであることが明らかである。
(1)  近代立憲民主主義における選挙の重要性
近代立憲主義においては、国民個々人の一人一人が等しく尊重されなければならない。すべての価値の根源は、国民個々人の一人一人に求められるのである。
それゆえ、我が憲法をはじめとする近代憲法は、法律によっても侵害されない基本的人権を国民に保障するとともに、統治のシステムについては、いわゆる三権分立制を定めて三権間の相互抑制を図り、かつ、民主主義を採用することによって、国民の意思を国政に十分に反映させ、もって、権力の濫用から国民の自由・権利を守ろうとしているのである。
このように、近代立憲主義においては、民主主義は三権分立制と並んで国民の自由・権利を保障するための必要不可欠な統治システムなのであり(それゆえ、近代立憲主義は、同時に近代立憲民主主義である)、近代立憲主義のもとにおいては、選挙は、主権者たる国民がその意思を国政に反映させるほとんど唯一の手段として極めて重要な意味を持つことになる。それゆえ、我が憲法も選挙権を国民の重要な権利として保障しているのである(第15条第1項)。
(2)  選挙制度の是正について裁判所が果たすべき役割(合憲性判断基準)
憲法上、国会が国権の最高機関かつ唯一の立法機関とされ(憲法第41条)、その判断に裁量が認められるのは、国会が国民の代表機関であり(憲法第43条第1項)、その判断が主権者たる国民の意思を反映していると考えられるからにほかならない。
選挙制度が正しく国民の意思を反映していないと考えられる場合にまで、国会の判断を尊重し、裁量を認める理由などどこにも存しないのである。
しかも、選挙制度が正しく国民の意思を反映していない場合には、このような誤った選挙制度をいわゆる「投票箱と民主政の過程」によって是正することは不可能なのである。すなわち、いったん誤った選挙制度が出来上がった場合、もはや、主権者たる国民は、選挙の過程においてこれを是正することが不可能となってしまう。そして、このような場合に、誤った選挙制度を是正できるのは、裁判所だけである。我が憲法は、裁判所に違憲立法審査権を与えているが(憲法第81条)、これはまさにこのような場合を想定してのことである。
したがって、選挙制度に誤りがあると考えられる場合には、裁判所は厳格な合憲性判断基準に基づきその合憲性を判断することによって積極果敢にその誤りを正すべきであり、それこそが、近代立憲主義の三権分立制度のもとにおいて裁判所が果たすべき役割なのである。
(3)  憲法第43条、同第47条の法意
原判決は、選挙制度については国会の広い裁量を認め、その根拠を憲法第43条及び同第47条に求める。しかし、上記のとおり、国会の判断に裁量が認められるのは、その判断が主権者たる国民の意思を反映していると考えられるからにほかならない。すなわち、国会には、国民の意思を正しく反映していない選挙制度を設けてよいとの裁量まで認められるものではない。
憲法第43条及び同第47条は、あくまでも選挙制度が国民の意思を正しく反映しているものであることを前提に、かかる前提のもとで、議員定数や選挙区、投票方法その他の技術的事項を定める権限と裁量を国会に与えた、いわば権限配分規定にすぎないのであり、かかる規定に基づいて国会に選挙制度についての広範な裁量を認めることはできない。
3 小括
以上から明らかなとおり、憲法第43条及び同第47条に基づき、選挙制度について国会に広い裁量を認めることは到底できない。選挙制度について国会の裁量が認められるにしても、それは、選挙制度が主権者たる国民の意思を正しく国政に反映させるものであることを前提に、かかる前提にもとでの技術的事項についてのみである。近代立憲主義における選挙及び選挙権(憲法第15条第1項)の重要性からするならば、裁判所は、選挙制度に誤りがあると考えられる場合には、厳格な合憲性判断基準に基づきその合憲性を判断することによって積極果敢にその誤りを正すべきである、このことが、裁判所に違憲立法審査権を与えた憲法第81条の趣旨に適うことになる。
原判決は、それにもかかわらず、衆議院議員選挙制度の合憲性判断の在り方について国会に広い裁量を認め、緩やかな基準によってその合憲性を判断するものであるから、憲法第15条第1項、同第43条、同第47条及び同第81条の解釈を誤ったものであり、憲法解釈の誤りがある。
第2点  原判決は、いわゆる重複立候補制について、憲法第14条第1項、同第15条第1項、第19条、第21条第1項及び同第43条第1項の解釈を誤ったものであり、憲法解釈の誤りがある。
1 原判決の判示内容
原判決は、いわゆる重複立候補制について、次のとおり判示する(原判決29頁)。
「…選挙制度の仕組みを具体的に決定することは国会の広い裁量にゆだねられているところ、同時に行われる2つの選挙に同1の候補者が重複して立候補することを認めるか否かは、右の仕組みの1つとして、国会が裁量により決定することができる事項であるといわざるを得ない。」
2 原判決の誤り
しかしながら、原判決は、下記のとおり、第14条第1項、同第15条第1項、第19条、同第21条第1項及び同第43条第1項の解釈を誤ったものであることが明らかである。
(1)  改正公選法の実態
改正公選法によれば、候補者届出政党の要件は、〈1〉国会議員を5人以上有するか、〈2〉直近の国政選挙における得票総数が、有効投票総数の2パーセント以上であることと定められているのであり、既成政党以外の政党はこの要件を満たすことがほぼ不可能となっている。
改正公選法は、候補者届出政党に所属する候補者についてのみ原則として認められていない重複立候補を認めている。これは、結局において、候補者届出政党(=既成政党)に所属する候補者をこれに所属しない候補者よりも立候補の自由において優遇するものにほかならない。
すなわち、かかる重複立候補制の下では、候補者届出政党(=既成政党)に所属する候補者は、小選挙区及び比例区のいずれかの選挙において当選すれば、他方の選挙において落選しても国会議員となることができるのであり、これに所属しない候補者と比較した場合、国会議員として国政に参与する機会が2倍与えられていることになる。候補者届出政党に所属しない候補者は、立候補について、これに所属する候補者に比べて著しい不利益を蒙っており、かかる不利益を避けようとするならば、その思想・信条等に如何にかかわらず、事実上、候補者届出政党への加入を余儀なくされるのである。
(2)  改正公選法の違憲性
そもそも、民主主義という制度自体、徹底した価値相対主義に基づく制度である。すなわち、ある意見が正しく、ある意見が間違いだということが予めわかっているというのであれば、議論も選挙もまったく必要ないことになるのであり、民主主義は、最終的には多数決による結論が正当化されるにしても、そこに至る過程においては、国民個々の意見に予め優劣をつけることなく、すべての国民の意見を平等なものとして取り扱う制度なのである。
このように、民主主義は、徹底した価値相対主義に基づく制度であり、予め意見に優劣をつけることなく、すべての国民の意見を平等なものとして取り扱う制度なのであるから、選挙における立候補の局面において候補者届出政党(=既成政党)とそれ以外の政党または個人とを差別してよいとの理由はまったく存しない。改正公選法の選挙運動に関する規定は、既成政党に所属する者に、これに所属しない者に比べてより多く国政に参与するチャンスを与えるものであり、かかる意味において、既成政党の掲げる政策がそうでない団体や個人の掲げる政策よりもより正しいはずだとの前提にたっているものにほかならない。しかし、いかなる政策が正しく、いかなる政策が正しくないのかは、まさに主権者たる国民が判断すべき事柄なのであって、国会が予め判断してよい事柄ではないのである。
この点、原判決は、「…候補者届出政党の要件は、国民の政治的意思を集約するための組織を有し、継続的に相当な活動を行い、国民の支持を受けていると認められる政党等が、小選挙区選挙において政策を掲げて争うにふさわしいものであるとの認識の下に、…選挙制度を政策本位、政党本位のものとするために設けられたものと解されるのであり、政党の果たしている国政上の重要な役割にかんがみれば、選挙制度を政策本位、政党本位のものとすることは、国会の裁量の範囲に属することが明らかであるといわなければならない。したがって、…不当に立候補の自由や選挙権の行使を制限するとはいえず、これが国会の裁量権の限界を超えるものとは解されない。」と判示する(原判決30頁)。
しかしながら、国民の政治的意思を集約できるか、継続的に相当な活動を行えるか、国民が支持するか等も、まさに主権者たる国民が選挙を通じて判断すべき事柄なのであって、国会が予め判断してよい事柄ではないのである。
経済情勢、政治情勢及び社会構造の変化、科学技術の発展、環境問題の深刻化など、現在ほど、既成の政治理念にとらわれない、斬新な理念に基づく政治が求められている時代はない。近時におけるいわゆる無党派層の爆発的増大がこのことを端的に物語っている。そして、民主主義とは、本来、既成の概念・理念にとらわれることなく、すべての意見を平等に尊重するものであるがゆえに、社会の推移に従い、その時々の状況に応じて、国民の中に新しい理念を生み出すことを可能にし、これに基づいてもっとも国民の利益に相応しい政治を実現していくことを可能とする、きわめてすぐれた統治システムなのである。
しかるに、改正公選法の規定は、結局において既成政党のみを優遇し、新しい理念に基づく政治の出現・実現を事実上不可能とするものであり、我が国の民主主義に死を宣告するものに等しいものというべきものである。
以上、重複立候補制に関する改正公選法の規定は、〈1〉徹底した価値相対主義という民主主義の根本理念に反するものであり、主権者たる国民の意思を正しく国政に反映・代表させることを不可能にするものであって憲法第43条第1項に違反し、〈2〉候補者届出政党に所属しない候補者に、立候補の自由について差別的不利益を蒙らせるものであって、法の下の平等(憲法第14条第1項)及び立候補の自由(憲法第15条第1項)を侵害するものであり、かつ、〈3〉真摯に国会議員として国政に参与したいと考える者につき、その思想・信条等に如何にかかわらず、事実上、候補者届出政党への加入を余儀なくさせるものであって、思想・良心の自由(憲法第19条)及び結社の自由(憲法第21条第1項)を侵害するものである。
3 小括
以上、改正公選法の重複立候補制に関する規定が憲法第14条第1項、同第15条第1項、第19条、第21条第1項及び同第43条に違反することが明らかであるにかかわらず、これを認めなかった原判決には、憲法解釈の誤りがある。
以上

当事者目録
上告人 山口邦明
上告人 赤羽健也
上告人 柏木栄一
上告人 竹村眞史
上告人 長倉香織
上告人 中林隆博
上告人 奥田保
上告人 野々山哲郎
上告人 森徹
上告人 安藤建治
上告人 土釜惟次
上告人 山根祥利
上告人 越山康
上告人 春日秀一郎
上記上告人ら(山口邦明を除く)訴訟代理人弁護士 山口邦明
上記上告人ら(森徹を除く)訴訟代理人弁護士 森徹
被上告人 中央選挙管理会
同代表者委員長 石原輝
同指定代理人 福永敏和


「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧
(1)令和元年 5月24日  東京地裁  平28(ワ)17007号 選挙供託金制度違憲国家賠償請求事件
(2)平成30年 7月25日  東京高裁  平30(行ケ)8号 裁決取消請求事件
(3)平成30年 7月20日  福岡地裁久留米支部  平28(ワ)69号 損害賠償請求事件
(4)平成30年 7月18日  大阪地裁  平28(ワ)3174号 懲戒処分無効確認請求事件
(5)平成30年 4月11日  知財高裁  平29(行ケ)10161号 審決取消請求事件
(6)平成29年12月22日  東京地裁  平27(行ウ)706号・平28(行ウ)585号 各公文書非公開処分取消等請求事件
(7)平成29年10月11日  東京地裁  平28(ワ)38184号 損害賠償請求事件
(8)平成29年 8月29日  知財高裁  平28(行ケ)10271号 審決取消請求事件
(9)平成29年 7月12日  広島高裁松江支部  平28(行コ)4号 市庁舎建築に関する公金支出等差止請求控訴事件
(10)平成29年 4月21日  東京地裁  平26(ワ)29244号 損害賠償請求事件
(11)平成28年 9月16日  福岡高裁那覇支部  平28(行ケ)3号 地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件
(12)平成28年 8月29日  徳島地裁  平27(ワ)138号 損害賠償等請求事件
(13)平成28年 5月17日  広島高裁  平28(行ケ)1号 裁決取消請求事件
(14)平成27年12月22日  東京高裁  平26(ネ)5388号 損害賠償請求控訴事件
(15)平成27年 3月31日  東京地裁  平26(行ウ)299号 投票効力無効取消等請求事件
(16)平成26年 9月25日  東京地裁  平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(17)平成26年 9月11日  知財高裁  平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(18)平成26年 5月16日  東京地裁  平24(行ウ)667号 損害賠償履行請求事件(住民訴訟)
(19)平成26年 3月11日  東京地裁  平25(ワ)11889号 損害賠償等請求事件
(20)平成26年 3月 4日  東京地裁  平25(行ウ)9号 公文書不開示処分取消等請求事件
(21)平成25年11月29日  東京地裁  平25(ワ)18098号 被選挙権侵害による損害賠償請求事件
(22)平成25年10月16日  東京地裁  平23(行ウ)292号 報酬返還請求事件
(23)平成25年 9月27日  大阪高裁  平25(行コ)45号 選挙権剥奪違法確認等請求控訴事件
(24)平成25年 8月 5日  東京地裁  平25(ワ)8154号 発信者情報開示請求事件
(25)平成25年 3月14日  東京地裁  平23(行ウ)63号 選挙権確認請求事件 〔成年被後見人選挙件確認訴訟・第一審〕
(26)平成24年12月 6日  東京地裁  平23(行ウ)241号 過料処分取消請求事件
(27)平成24年 8月10日  東京地裁  平24(ワ)17088号 損害賠償請求事件
(28)平成24年 7月19日  東京地裁  平24(行ウ)8号 個人情報非開示決定処分取消請求事件
(29)平成24年 7月10日  東京地裁  平23(ワ)8138号 損害賠償請求事件
(30)平成24年 7月10日  東京地裁  平23(ワ)30770号 損害賠償請求事件
(31)平成24年 2月29日  東京地裁  平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(32)平成23年 5月11日  神戸地裁  平21(行ウ)4号 政務調査費違法支出返還請求事件
(33)平成23年 4月26日  東京地裁  平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(34)平成22年11月30日  京都地裁  平20(行ウ)28号・平20(行ウ)46号 債務不存在確認等請求本訴、政務調査費返還請求反訴事件
(35)平成22年11月29日  東京高裁  平22(行ケ)26号 裁決取消、選挙無効確認請求事件
(36)平成22年11月24日  岐阜地裁  平22(行ウ)2号 個人情報非開示決定処分取消及び個人情報開示処分義務付け請求事件
(37)平成22年11月24日  岐阜地裁  平22(行ウ)1号 行政文書非公開決定処分取消及び行政文書公開処分義務付け請求事件
(38)平成22年11月 9日  東京地裁  平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(39)平成22年 9月14日  神戸地裁  平21(行ウ)20号 公文書非公開定取消請求事件 〔兵庫県体罰情報公開訴訟・第一審〕
(40)平成22年 5月26日  東京地裁  平21(ワ)27218号 損害賠償請求事件
(41)平成22年 3月31日  東京地裁  平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(42)平成22年 2月 3日  東京高裁  平21(行ケ)30号 選挙無効請求事件
(43)平成20年11月28日  東京地裁  平20(行ウ)114号 政務調査費返還命令処分取消請求事件
(44)平成20年11月17日  知財高裁  平19(行ケ)10433号 審決取消請求事件
(45)平成20年11月11日  仙台高裁  平20(行コ)13号 政務調査費返還代位請求控訴事件
(46)平成20年 3月14日  和歌山地裁田辺支部  平18(ワ)167号 債務不存在確認等請求事件
(47)平成19年11月22日  仙台高裁  平19(行ケ)2号 裁決取消等請求事件
(48)平成19年 9月 7日  福岡高裁  平18(う)116号 公職選挙法違反被告事件
(49)平成19年 7月26日  東京地裁  平19(行ウ)55号 公文書非開示決定処分取消請求事件
(50)平成19年 3月13日  静岡地裁沼津支部  平17(ワ)21号 損害賠償請求事件
(51)平成18年12月13日  名古屋高裁  平18(行ケ)4号 選挙の効力に関する裁決取消請求事件
(52)平成18年11月 6日  高松高裁  平18(行ケ)2号 裁決取消請求事件
(53)平成18年 8月10日  大阪地裁  平18(行ウ)75号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(54)平成18年 6月20日  京都地裁  平16(行ウ)40号 地労委任命処分取消等請求事件
(55)平成18年 1月20日  大阪地裁  平13(行ウ)47号・平13(行ウ)53号・平13(行ウ)54号・平13(行ウ)55号・平13(行ウ)56号・平13(行ウ)57号・平13(行ウ)58号・平13(行ウ)59号・平13(行ウ)60号・平13(行ウ)61号 障害基礎年金不支給決定取消等請求事件 〔学生無年金障害者訴訟〕
(56)平成17年 9月14日  最高裁大法廷  平13(行ヒ)77号・平13(行ツ)83号・平13(行ツ)82号・平13(行ヒ)76号 在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件 〔在外選挙権最高裁大法廷判決〕
(57)平成17年 8月31日  東京地裁  平17(行ウ)78号 供託金返還等請求事件
(58)平成17年 7月 6日  大阪地裁  平15(ワ)13831号 損害賠償請求事件 〔中国残留孤児国賠訴訟〕
(59)平成17年 1月27日  名古屋地裁  平16(行ウ)26号 調整手当支給差止請求事件
(60)平成16年 3月29日  神戸地裁姫路支部  平10(ワ)686号 新日本製鐵思想差別損害賠償請求事件
(61)平成16年 1月16日  東京地裁  平14(ワ)15520号 損害賠償請求事件
(62)平成15年12月15日  大津地裁  平14(行ウ)8号 損害賠償請求事件
(63)平成15年12月 4日  福岡高裁  平15(行ケ)6号 佐賀市議会議員選挙無効裁決取消請求事件 〔党派名誤記市議会議員選挙無効裁決取消請求事件〕
(64)平成15年10月28日  東京高裁  平15(行ケ)1号 商標登録取消決定取消請求事件
(65)平成15年10月28日  東京高裁  平14(行ケ)615号 商標登録取消決定取消請求事件
(66)平成15年10月28日  東京高裁  平14(行ケ)614号 商標登録取消決定取消請求事件 〔刀剣と歴史事件〕
(67)平成15年10月16日  東京高裁  平15(行ケ)349号 審決取消請求事件 〔「フォルッアジャパン/がんばれ日本」不使用取消事件〕
(68)平成15年 9月30日  札幌地裁  平15(わ)701号 公職選挙法違反被告事件
(69)平成15年 7月 1日  東京高裁  平14(行ケ)3号 審決取消請求事件 〔ゲーム、パチンコなどのネットワーク伝送システム装置事件〕
(70)平成15年 6月18日  大阪地裁堺支部  平12(ワ)377号 損害賠償請求事件 〔大阪いずみ市民生協(内部告発)事件〕
(71)平成15年 3月28日  名古屋地裁  平7(ワ)3237号 出向無効確認請求事件 〔住友軽金属工業(スミケイ梱包出向)事件〕
(72)平成15年 3月26日  宇都宮地裁  平12(行ウ)8号 文書非開示決定処分取消請求事件
(73)平成15年 2月10日  大阪地裁  平12(ワ)6589号 損害賠償請求事件 〔不安神経症患者による選挙権訴訟・第一審〕
(74)平成15年 1月31日  名古屋地裁  平12(行ウ)59号 名古屋市公金違法支出金返還請求事件 〔市政調査研究費返還請求住民訴訟事件〕
(75)平成14年 8月27日  東京地裁  平9(ワ)16684号・平11(ワ)27579号 損害賠償等請求事件 〔旧日本軍の細菌兵器使用事件・第一審〕
(76)平成14年 7月30日  最高裁第一小法廷  平14(行ヒ)95号 選挙無効確認請求事件
(77)平成14年 5月10日  静岡地裁  平12(行ウ)13号 労働者委員任命処分取消等請求事件
(78)平成14年 4月26日  東京地裁  平14(ワ)1865号 慰謝料請求事件
(79)平成14年 4月22日  大津地裁  平12(行ウ)7号・平13(行ウ)1号 各損害賠償請求事件
(80)平成14年 3月26日  東京地裁  平12(行ウ)256号・平12(行ウ)261号・平12(行ウ)262号・平12(行ウ)263号・平12(行ウ)264号・平12(行ウ)265号・平12(行ウ)266号・平12(行ウ)267号・平12(行ウ)268号・平12(行ウ)269号・平12(行ウ)270号・平12(行ウ)271号・平12(行ウ)272号・平12(行ウ)273号・平12(行ウ)274号・平12(行ウ)275号・平12(行ウ)276号・平12(行ウ)277号・平12(行ウ)278号・平12(行ウ)279号・平12(行ウ)280号 東京都外形標準課税条例無効確認等請求事件
(81)平成13年12月19日  神戸地裁  平9(行ウ)46号 公金違法支出による損害賠償請求事件
(82)平成13年12月18日  最高裁第三小法廷  平13(行ツ)233号 選挙無効請求事件
(83)平成13年 4月25日  東京高裁  平12(行ケ)272号 選挙無効請求事件
(84)平成13年 3月15日  静岡地裁  平9(行ウ)6号 公費違法支出差止等請求事件
(85)平成12年10月 4日  東京地裁  平9(ワ)24号 損害賠償請求事件
(86)平成12年 9月 5日  福島地裁  平10(行ウ)9号 損害賠償代位請求事件
(87)平成12年 3月 8日  福井地裁  平7(行ウ)4号 仮換地指定処分取消請求事件
(88)平成11年 5月19日  青森地裁  平10(ワ)307号・平9(ワ)312号 定時総会決議無効確認請求、損害賠償請求事件
(89)平成11年 5月12日  名古屋地裁  平2(行ウ)7号 労働者委員任命取消等請求事件
(90)平成10年10月 9日  東京高裁  平8(行ケ)296号 選挙無効請求事件 〔衆議院小選挙区比例代表並立制選挙制度違憲訴訟・第一審〕
(91)平成10年 9月21日  東京高裁  平10(行ケ)121号 選挙無効請求事件
(92)平成10年 5月14日  津地裁  平5(ワ)82号 謝罪広告等請求事件
(93)平成10年 4月22日  名古屋地裁豊橋支部  平8(ワ)142号 損害賠償請求事件
(94)平成10年 3月26日  名古屋地裁  平3(ワ)1419号・平2(ワ)1496号・平3(ワ)3792号 損害賠償請求事件 〔青春を返せ名古屋訴訟判決〕
(95)平成10年 1月27日  横浜地裁  平7(行ウ)29号 分限免職処分取消等請求 〔神奈川県教委(県立外語短大)事件・第一審〕
(96)平成 9年 3月18日  大阪高裁  平8(行コ)35号 供託金返還請求控訴事件
(97)平成 8年11月22日  東京地裁  平4(行ウ)79号・平4(行ウ)75号・平4(行ウ)15号・平3(行ウ)253号 強制徴兵徴用者等に対する補償請求等事件
(98)平成 8年 8月 7日  神戸地裁  平7(行ウ)41号 選挙供託による供託金返還請求事件
(99)平成 8年 3月25日  東京地裁  平6(行ウ)348号 損害賠償請求事件
(100)平成 7年 2月22日  東京地裁  昭49(ワ)4723号 損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


【資料】政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧【PRドットウィン!】選挙,ポスター,貼り,代行,ポスター貼り,業者,選挙,ポスター,貼り,業者,ポスター,貼り,依頼,タウン,ポスター,ポスター,貼る,許可,ポスター,貼ってもらう,頼み方,ポスター,貼れる場所,ポスター,貼付,街,貼り,ポスター,政治活動ポスター,演説会,告知,選挙ポスター,イラスト,選挙ポスター,画像,明るい選挙ポスター,書き方,明るい選挙ポスター,東京,中学生,選挙ポスター,デザイン


(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!

(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。

(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。

(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)

(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。

(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。

(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!


お問い合わせ【選挙ドットウィン!】ドブ板選挙広報支援および政治ポスター掲示交渉代行 お問い合わせ 050 お問い合わせ 050plus お問い合わせ 0sim お問い合わせ 109 お問い合わせ 109シネマズ お問い合わせ 10万円給付 お問い合わせ 16銀行 お問い合わせ 17kg お問い合わせ 17ライブ お問い合わせ 31 お問い合わせ 3ce お問い合わせ 3coins お問い合わせ 3ds お問い合わせ 3m お問い合わせ 4ーc お問い合わせ 4b4 お問い合わせ 551 お問い合わせ 551蓬莱 お問い合わせ 5kplayer お問い合わせ 77銀行 お問い合わせ 77銀行アプリ お問い合わせ 7id お問い合わせ 7order お問い合わせ 7pay お問い合わせ 81プロデュース お問い合わせ 9090 お問い合わせ 9monsters お問い合わせ au wallet お問い合わせ au お問い合わせ 0120 au お問い合わせ 157 au お問い合わせ 24時間 au お問い合わせ 無料 back number お問い合わせ contact form 7 お問い合わせ contact form 7 お問い合わせ 表示されない dazn お問い合わせ didi お問い合わせ diesel お問い合わせ diga お問い合わせ dinos お問い合わせ dion お問い合わせ dior お問い合わせ discord お問い合わせ dish// お問い合わせ disney お問い合わせ duo お問い合わせ ep-4004 お問い合わせ ep-707a お問い合わせ ep-802a お問い合わせ ep-803a お問い合わせ ep-805a お問い合わせ ep-806aw お問い合わせ ep-807ab お問い合わせ ep-807aw お問い合わせ ep-808ab お問い合わせ ep-808aw お問い合わせ ep-879aw お問い合わせ ep-978a3 お問い合わせ ep-979a3 お問い合わせ gu お問い合わせ lenovo お問い合わせ line pay お問い合わせ line pay お問い合わせ 電話 line お問い合わせ 電話 lineモバイル お問い合わせ microsoft 365 お問い合わせ nec お問い合わせ パソコン nec お問い合わせ ルータ nec お問い合わせ 電話番号 netflix お問い合わせ nuro お問い合わせ 電話 nuro お問い合わせ 電話番号 nuroモバイル お問い合わせ nuro光 お問い合わせ nuro光 お問い合わせ 電話番号 nuro光 マンション お問い合わせ nuxt お問い合わせ office 365 お問い合わせ peach お問い合わせ pitapa お問い合わせ playstation 4 お問い合わせ px-049a お問い合わせ px-5500 お問い合わせ q10 お問い合わせ q10 お問い合わせ 返信 qbハウス お問い合わせ qcy お問い合わせ qnap お問い合わせ qoo10 お問い合わせ 見方 qrio お問い合わせ qtネット お問い合わせ qtモバイル お問い合わせ qvc お問い合わせ so-net お問い合わせ so-net お問い合わせ line surface pro 7 お問い合わせ tsutaya discas お問い合わせ u-next お問い合わせ vaio お問い合わせ viber お問い合わせ viewカード お問い合わせ vimeo お問い合わせ visa お問い合わせ visa お問い合わせ 電話 visa お問い合わせ 日本 vlive お問い合わせ vプリカ お問い合わせ windows 10 お問い合わせ wordpress お問い合わせ ページ zaif お問い合わせ zaim お問い合わせ zara お問い合わせ zoff お問い合わせ zoho お問い合わせ zoom お問い合わせ zozo gmo お問い合わせ zozotown お問い合わせ 電話 zozoカード お問い合わせ ヴィーナススキン お問い合わせ エポスカード お問い合わせ 24時間 エレコム お問い合わせ ルーター お問い合わせ 0120 お問い合わせ 2-7-0 お問い合わせ 404 お問い合わせ amazon お問い合わせ apple お問い合わせ au お問い合わせ biglobe お問い合わせ cgi お問い合わせ cocoon お問い合わせ contact お問い合わせ css お問い合わせ epic games store お問い合わせ fgo お問い合わせ google お問い合わせ googleフォーム お問い合わせ html お問い合わせ inquiry お問い合わせ line お問い合わせ lixil お問い合わせ mailto お問い合わせ makuake お問い合わせ minne お問い合わせ nec お問い合わせ no お問い合わせ nofollow お問い合わせ note お問い合わせ ntt西日本 お問い合わせ ntt東日本 お問い合わせ pairs お問い合わせ php お問い合わせ pixiv お問い合わせ pop お問い合わせ q&a お問い合わせ rails お問い合わせ sony お問い合わせ ssl お問い合わせ twitter お問い合わせ ufj お問い合わせ ui お問い合わせ uq お問い合わせ weblio お問い合わせ webデザイン お問い合わせ webページ お問い合わせ wordpress お問い合わせ wordpress プラグイン お問い合わせ zozotown お問い合わせ アイコン お問い合わせ アイコン ベクター お問い合わせ アイコン 無料 お問い合わせ アドレス お問い合わせ アマゾン お問い合わせ ありがとう 英語 お問い合わせ ありがとうございます お問い合わせ イメージ画像 お問い合わせ イラスト お問い合わせ イラスト フリー お問い合わせ ウィジェット お問い合わせ ウイルスバスター お問い合わせ お支払い照合番号 メール お問い合わせ お支払照合番号 迷惑メール お問い合わせ お断りメール お問い合わせ お問合せ お問い合わせ お問合せ 公用文 お問い合わせ お礼 お問い合わせ お礼 メール お問い合わせ お礼 例文 お問い合わせ ガイダンス お問い合わせ キューピー お問い合わせ グーグル お問い合わせ グーグルフォーム お問い合わせ ください お問い合わせ クッキー お問い合わせ クックパッド お問い合わせ クラス名 お問い合わせ グラブル お問い合わせ グリー お問い合わせ クリックポスト お問い合わせ クリニック お問い合わせ グループ お問い合わせ グルメ お問い合わせ グレイル お問い合わせ クレーム お問い合わせ クローズ お問い合わせ クロネコ お問い合わせ ゲーセン お問い合わせ ゲーム お問い合わせ コンバージョン お問い合わせ ご質問 お問い合わせ ご質問 類語 お問い合わせ ご相談 窓口 からのメール お問い合わせ ご相談窓口 メール お問い合わせ ご相談窓口 迷惑メール お問い合わせ ご相談窓口 迷惑メール 住所 お問い合わせ ご問い合わせ お問い合わせ ご連絡 お問い合わせ サービス内容の変更 お問い合わせ サービス内容の変更 迷惑メール お問い合わせ サンクスページ お問い合わせ サンクスメール 例文 お問い合わせ サンプル お問い合わせ システム お問い合わせ ジャニーズ お問い合わせ すかいらーく お問い合わせ スクール お問い合わせ スクエア お問い合わせ スクエニ お問い合わせ ステップ お問い合わせ スパム お問い合わせ スペイン語 お問い合わせ する お問い合わせ する側 お問い合わせ セキュリティ お問い合わせ セブンイレブン お問い合わせ センター お問い合わせ ソニー お問い合わせ ソフトバンク お問い合わせ ソフトバンク光 お問い合わせ ダイキン お問い合わせ タイトル お問い合わせ タイ語 お問い合わせ チャット お問い合わせ チャットボット お問い合わせ チラシ お問い合わせ ツイステ お問い合わせ ツイッター お問い合わせ ディズニー お問い合わせ デザイン お問い合わせ デザイン css お問い合わせ デザイン 参考 お問い合わせ テンプレート お問い合わせ というメール お問い合わせ ドイツ語 お問い合わせ ドコモ お問い合わせ とは お問い合わせ ドメイン お問い合わせ ニコス お問い合わせ ニコニコ お問い合わせ ニトリ お問い合わせ ネイルサロン お問い合わせ ネットショップ お問い合わせ の使い方 お問い合わせ は 英語 お問い合わせ バーバリー お問い合わせ パーマリンク お問い合わせ バイト お問い合わせ はくばく お問い合わせ ハコスコ お問い合わせ はじめて お問い合わせ パスワード お問い合わせ バズ部 お問い合わせ パソコン お問い合わせ パソコン工房 お問い合わせ バッファロー お問い合わせ はてな お問い合わせ はてなブログ お問い合わせ バナー お問い合わせ バナー デザイン お問い合わせ バナー 素材 お問い合わせ バナー 無料 お問い合わせ バナー画像 お問い合わせ パナソニック お問い合わせ はなまるうどん お問い合わせ バリデーション お問い合わせ パンテーン お問い合わせ パンフレット お問い合わせ ヒアルロン酸 お問い合わせ ピーチサポート お問い合わせ ピクトグラム お問い合わせ ビザ お問い合わせ ビジネス お問い合わせ ビジネスメール お問い合わせ ビジネス文書 お問い合わせ ひな形 お問い合わせ フォートナイト お問い合わせ フォーム お問い合わせ フォーム html お問い合わせ フォーム php お問い合わせ フォーム デザイン お問い合わせ フォーム 無料 お問い合わせ フォーム 例文 お問い合わせ プライバシーポリシー お問い合わせ プライバシーポリシー 同意 お問い合わせ プラグイン お問い合わせ プラグイン wordpress お問い合わせ プラン変更 迷惑メール お問い合わせ プラン変更送り先 メール お問い合わせ フリー素材 お問い合わせ ふりがな お問い合わせ プルダウン お問い合わせ フロー お問い合わせ ブログ お問い合わせ ペイパル お問い合わせ ベーカリー お問い合わせ ページ お問い合わせ ページ デザイン お問い合わせ ページ 作り方 お問い合わせ ペット お問い合わせ ベトナム語 お問い合わせ ベルパーク お問い合わせ ホームページ お問い合わせ ポケモン お問い合わせ ポケモンgo お問い合わせ ポスター お問い合わせ ボタン お問い合わせ ボタン css お問い合わせ ボタン html お問い合わせ ボタン デザイン お問い合わせ ボタン フリー お問い合わせ ポルトガル語 お問い合わせ マーク お問い合わせ マーケティング お問い合わせ マイクロソフト お問い合わせ マカフィー お問い合わせ マナー お問い合わせ マニュアル お問い合わせ みずほ お問い合わせ ムービック お問い合わせ メーラー起動 お問い合わせ メール お問い合わせ メール お礼 お問い合わせ メール 英語 お問い合わせ メール 件名 お問い合わせ メール 返信 お問い合わせ メールアドレス お問い合わせ メールアドレス 例 お問い合わせ メルカリ お問い合わせ モンスト お問い合わせ ヤフオク お問い合わせ ヤマト お問い合わせ ヤマト運輸 お問い合わせ やり方 お問い合わせ ユニクロ お問い合わせ よくあるご質問 お問い合わせ よくある質問 お問い合わせ ヨドバシ お問い合わせ ライン お問い合わせ リクシル お問い合わせ リクルート お問い合わせ リフォーム お問い合わせ リンク お問い合わせ リンク デザイン お問い合わせ ルミネ お問い合わせ ルミネカード お問い合わせ レスポンシブ お問い合わせ レターパック お問い合わせ レノボ お問い合わせ レンタカー お問い合わせ ローソン お問い合わせ ローチケ お問い合わせ ロゴ お問い合わせ ロッテ お問い合わせ ロボット お問い合わせ ワードプレス お問い合わせ ワイモバイル お問い合わせ ワイヤーフレーム お問い合わせ わかさ生活 お問い合わせ ワコム お問い合わせ を英語で お問い合わせ 挨拶 お問い合わせ 意味 お問い合わせ 一覧 お問い合わせ 営業 お問い合わせ 営業お断り お問い合わせ 営業日 お問い合わせ 英語 お問い合わせ 英語 ホームページ お問い合わせ 英語 メール お問い合わせ 英語 件名 お問い合わせ 英語で お問い合わせ 英訳 お問い合わせ 何度も お問い合わせ 荷物 お問い合わせ 画像 お問い合わせ 画像 フリー お問い合わせ 画像 素材 お問い合わせ 画像添付 お問い合わせ 画像認証 お問い合わせ 画面 お問い合わせ 回答 お問い合わせ 回答 お礼 お問い合わせ 確認画面 お問い合わせ 学校 お問い合わせ 楽天 お問い合わせ 楽天カード お問い合わせ 楽天モバイル お問い合わせ 完了 例文 お問い合わせ 完了画面 お問い合わせ 漢字 お問い合わせ 管理 お問い合わせ 韓国語 お問い合わせ 企業 お問い合わせ 貴社 お問い合わせ 偽名 お問い合わせ 求人 お問い合わせ 給付金 お問い合わせ 銀行 お問い合わせ 熊本市 お問い合わせ 契約条項通知 お問い合わせ 契約条項通知 メール お問い合わせ 契約条項通知 迷惑メール お問い合わせ 敬語 お問い合わせ 敬語 メール お問い合わせ 芸大 お問い合わせ 結び お問い合わせ 件名 お問い合わせ 件名 メール お問い合わせ 件名 英語 お問い合わせ 件名とは お問い合わせ 見積もり お問い合わせ 見本 お問い合わせ 減らす お問い合わせ 現金書留 お問い合わせ 現状 お問い合わせ 言い換え お問い合わせ 言い方 お問い合わせ 言葉 お問い合わせ 言葉遣い お問い合わせ 個人情報 同意 お問い合わせ 個人情報保護 お問い合わせ 個人情報保護方針 お問い合わせ 項目 お問い合わせ 佐川 お問い合わせ 最初 お問い合わせ 採用 お問い合わせ 在庫 お問い合わせ 在宅 お問い合わせ 作り方 お問い合わせ 三井住友銀行 お問い合わせ 参考 お問い合わせ 仕方 お問い合わせ 使い方 お問い合わせ 支払い照合番号 お問い合わせ 資料請求 お問い合わせ 歯医者 お問い合わせ 時間 お問い合わせ 自動返信メール お問い合わせ 自分 お問い合わせ 質問 お問い合わせ 写真 お問い合わせ 謝罪 お問い合わせ 種類 お問い合わせ 受付 メール お問い合わせ 受付時間 お問い合わせ 書き始め お問い合わせ 書き方 お問い合わせ 書き方 ゲーム お問い合わせ 承りました お問い合わせ 照会番号 迷惑メール お問い合わせ 森永 お問い合わせ 人 英語 お問い合わせ 正しい お問い合わせ 正式 お問い合わせ 西濃 お問い合わせ 設置 お問い合わせ 専修大学 お問い合わせ 選考 お問い合わせ 選考辞退 お問い合わせ 選択 お問い合わせ 素材 お問い合わせ 相談窓口 お問い合わせ 相談窓口 メール お問い合わせ 窓口 お問い合わせ 送り状番号 お問い合わせ 送信完了 お問い合わせ 送信完了画面 お問い合わせ 尊敬語 お問い合わせ 他の言い方 お問い合わせ 対応 お問い合わせ 対応 メール お問い合わせ 対応時間 お問い合わせ 代行 お問い合わせ 代理店 お問い合わせ 台湾語 お問い合わせ 大学 お問い合わせ 宅急便 お問い合わせ 担当者様 お問い合わせ 断り方 お問い合わせ 中国語 お問い合わせ 中文 お問い合わせ 注意事項 お問い合わせ 丁寧 お問い合わせ 丁寧語 お問い合わせ 追従 お問い合わせ 締めの言葉 お問い合わせ 店 お問い合わせ 添付 お問い合わせ 電話 お問い合わせ 電話 マナー お問い合わせ 電話 メール お問い合わせ 電話 話し方 お問い合わせ 電話対応 お問い合わせ 電話番号 お問い合わせ 土日 お問い合わせ 動詞 お問い合わせ 同意 お問い合わせ 同意する お問い合わせ 同義語 お問い合わせ 導入 お問い合わせ 匿名 お問い合わせ 特別体験終了 お問い合わせ 読み方 お問い合わせ 内容 お問い合わせ 日経 お問い合わせ 日本語 正しい お問い合わせ 日本郵便 お問い合わせ 日立 お問い合わせ 入力フォーム お問い合わせ 任天堂 お問い合わせ 農林水産省 お問い合わせ 反対語 お問い合わせ 番号 お問い合わせ 誹謗中傷 お問い合わせ 美容院 お問い合わせ 美容液 お問い合わせ 必須 お問い合わせ 必要 お問い合わせ 表記 お問い合わせ 表記 英語 お問い合わせ 表示 お問い合わせ 武蔵野美術大学 お問い合わせ 分析 お問い合わせ 文言 お問い合わせ 文字化け お問い合わせ 文字数 お問い合わせ 文章 お問い合わせ 文章 ゲーム お問い合わせ 文面 お問い合わせ 別の お問い合わせ 別の言い方 お問い合わせ 返信 お問い合わせ 返信 いつ お問い合わせ 返信 お礼 お問い合わせ 返信 こない お問い合わせ 返信 テンプレ お問い合わせ 返信 英語 お問い合わせ 返信 件名 お問い合わせ 返信 例文 お問い合わせ 返信メール テンプレート お問い合わせ 方法 お問い合わせ 褒める お問い合わせ 本名 お問い合わせ 翻訳 お問い合わせ 毎日 お問い合わせ 無視 お問い合わせ 無料 お問い合わせ 無料素材 お問い合わせ 名乗る お問い合わせ 名前 お問い合わせ 名前 偽名 お問い合わせ 名前 本名 お問い合わせ 迷惑メール お問い合わせ 目的 お問い合わせ 問い合わせ お問い合わせ 問合せ お問い合わせ 訳 お問い合わせ 郵便 お問い合わせ 要望 お問い合わせ 要望 書き方 お問い合わせ 留学 お問い合わせ 旅館 お問い合わせ 料金 お問い合わせ 料金確認 特別体験終了 お問い合わせ 料金確認 迷惑メール お問い合わせ 類語 お問い合わせ 例文 お問い合わせ 連絡こない お問い合わせ 連絡先 お問い合わせ 録音 お問い合わせ 話し方 お問い合わせ 亘理町 お問い合わせ(無料) お気に入り お問い合わせありがとうございます 英語 お問い合わせください お問い合わせフォーム お問い合わせフォーム 作り方 お問い合わせ番号 お問い合わせ番号が見つかりません お問合せ お問合せ イラスト お問合せ お礼 お問合せ する お問合せ とは お問合せ ピアノ教室 お問合せ ポータル お問合せ レンタカー お問合せ レンタル お問合せ ロゴ お問合せ 意味 お問合せ 画像 お問合せ 件名 お問合せ 公用文 お問合せ 佐川 お問合せ 三越 お問合せ 申し込み お問合せ 日本語 お問合せ 問い合わせ お問合せ 問合せ ギャラクシー お問い合わせ グラクロ お問い合わせ グラブル お問い合わせ ゲームアイテム名 グラブル お問い合わせ どこ グラブル お問い合わせ モバゲー グラブル お問い合わせ 巻き戻し ゲーム お問い合わせ 書き方 ゲームトレード お問い合わせ ゲオ お問い合わせ ザトール お問い合わせ ザレイズ お問い合わせ シャープ お問い合わせ 050 シャープ お問い合わせ 冷蔵庫 シャドバ お問い合わせ ネタ ズーキーパー お問い合わせ ズーム お問い合わせ ずんどう屋 お問い合わせ ゼクシィ お問い合わせ セディナ お問い合わせ ローン ゼノンザード お問い合わせ ゼロファクター お問い合わせ ゼンハイザー お問い合わせ ゼンリー お問い合わせ ゼンリン お問い合わせ ゾゾタウン お問い合わせ 電話番号 ソフトバンク お問い合わせ 157 ソフトバンク お問い合わせ 24時間 ソフトバンク お問い合わせ 無料 ダイソー お問い合わせ ダイソン お問い合わせ ドコモ お問い合わせ 151 ドコモ お問い合わせ 24時間 ドラクエウォーク お問い合わせ 2-7-4 トレクル お問い合わせ 400 トレクル お問い合わせ 502 ニトリ お問い合わせ 0570 ヌビアン お問い合わせ ネスレ お問い合わせ ノエル銀座クリニック お問い合わせ ノートン お問い合わせ ノーリツ お問い合わせ ノジマ お問い合わせ パスワード お問い合わせ バッファロー ルーター お問い合わせ ぴあ お問い合わせ ピカラ お問い合わせ ピクトリンク お問い合わせ ピグパ お問い合わせ ピザハット お問い合わせ ビセラ お問い合わせ ビックカメラ お問い合わせ ビューカード お問い合わせ ペアーズ お問い合わせ ペイペイ お問い合わせ 電話 ポケコロ お問い合わせ ポケットカード お問い合わせ ポケ森 お問い合わせ ポンタカード お問い合わせ マイナビ お問い合わせ 2021 ムーモ お問い合わせ メルカリ お問い合わせ ページ メルカリ お問い合わせ ログインできない モバイルsuica お問い合わせ ヤマト運輸 お問い合わせ 0570 ゆうパック お問い合わせ 見つからない りそな銀行 お問い合わせ 24時間 ルイヴィトン お問い合わせ ルフトハンザ お問い合わせ るるぶトラベル お問い合わせ ルンバ お問い合わせ ロコンド お問い合わせ 電話 ワイジェイカード お問い合わせ ワイモバイル お問い合わせ 電話 楽天 お問い合わせ 銀行 楽天モバイル お問い合わせ 無料 株式会社アークh.d お問合せ 逆seo対策 株式会社アークhd お問合せ 逆seo 銀だこ お問い合わせ 銀のさら お問い合わせ 銀座カラー お問い合わせ 銀座保険サービス お問い合わせ 劇団四季 お問い合わせ 佐川 お問い合わせ 見方 佐川急便 お問い合わせ 24時間 在留カード お問い合わせ 財宝 お問い合わせ 財務省 お問い合わせ 三井住友銀行 お問い合わせ 24時間 象印 お問い合わせ 税務署 お問い合わせ 全日空 お問い合わせ 全日空 お問い合わせ 電話 全労済 お問い合わせ 造園工事 お問い合わせ 奈良県緑化土木協同組合 大東建託 お問い合わせ 第五人格 お問い合わせ 年金 お問い合わせ 白猫 お問い合わせ 3203 白猫 お問い合わせ 3210 病院 お問い合わせ 崩壊 3rd お問い合わせ 野村證券 お問い合わせ 嵐 5ラ20 お問い合わせ

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。