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「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例(18)平成24年 3月27日  和歌山地裁  平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件

「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例(18)平成24年 3月27日  和歌山地裁  平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件

裁判年月日  平成24年 3月27日  裁判所名  和歌山地裁  裁判区分  判決
事件番号  平19(行ウ)8号
事件名  政務調査費返還代位請求事件
文献番号  2012WLJPCA03276014

裁判年月日  平成24年 3月27日  裁判所名  和歌山地裁  裁判区分  判決
事件番号  平19(行ウ)8号
事件名  政務調査費返還代位請求事件
文献番号  2012WLJPCA03276014

和歌山市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 山下俊治
同 土井智也
和歌山市〈以下省略〉
被告 和歌山県知事 Y
同訴訟代理人弁護士 月山桂
同 谷口曻二
同 水野八朗
同 田中祥博
同 月山純典
同 藤井友彦
同 田中志保
同訴訟復代理人弁護士 岸本行正
和歌山市〈以下省略〉
被告補助参加人 a党Z1県議会議員団(以下「補助参加人県議団」という。)
同代表者 Z4
和歌山市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z2(以下「補助参加人Z2」という。)
和歌山市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z3(以下「補助参加人Z3」という。)
和歌山県海南市〈以下省略〉
被告補助参加人 Z4(以下「補助参加人Z4」という。)
和歌山県有田郡〈以下省略〉
被告補助参加人 Z5(以下「補助参加人Z5」という。)
上記5名訴訟代理人弁護士 山﨑和友
同 由良登信
同 小野原聡史
同訴訟復代理人弁護士 丸山哲
同 小川裕和

 

 

主文

1  被告は,補助参加人県議団に対し,2万7405円を支払うよう請求せよ。
2  被告は,補助参加人Z2に対し,620万0119円を支払うよう請求せよ。
3  被告は,補助参加人Z3に対し,494万4917円を支払うよう請求せよ。
4  被告は,補助参加人Z4に対し,194万6391円を支払うよう請求せよ。
5  被告は,補助参加人Z5に対し,32万3301円を支払うよう請求せよ。
6  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
7  訴訟費用は,これを7分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
8  補助参加によって生じた費用は,
(1)  原告と補助参加人県議団との間に生じた費用については,これを126分し,その1を補助参加人県議団の負担とし,その余を原告の負担とし,
(2)  原告と補助参加人Z2との間に生じた費用については,これを7分し,その6を補助参加人Z2の負担とし,その余を原告の負担とし,
(3)  原告と補助参加人Z3との間に生じた費用については,これを4分し,その3を補助参加人Z3の負担とし,その余を原告の負担とし,
(4)  原告と補助参加人Z4との間に生じた費用については,これを4分し,その1を補助参加人Z4の負担とし,その余を原告の負担とし,
(5)  原告と補助参加人Z5との間に生じた費用については,これを20分し,その1を補助参加人Z5の負担とし,その余を原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は,補助参加人県議団に対し,344万6878円及び内金94万3389円に対する平成17年5月1日から,内金137万7261円に対する平成18年5月1日から,内金112万6228円に対する平成19年5月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
2  被告は,補助参加人Z2に対し,738万4872円及び内金251万5176円に対する平成17年5月1日から,内金258万5511円に対する平成18年5月1日から,内金228万4185円に対する平成19年5月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
3  被告は,補助参加人Z3に対し,641万1169円及び内金220万0699円に対する平成17年5月1日から,内金210万6504円に対する平成18年5月1日から,内金210万3966円に対する平成19年5月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
4  被告は,補助参加人Z4に対し,715万4204円及び内金244万1957円に対する平成17年5月1日から,内金248万9477円に対する平成18年5月1日から,内金222万2770円に対する平成19年5月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
5  被告は,補助参加人Z5に対し,689万3559円及び内金228万3927円に対する平成17年5月1日から,内金236万2256円に対する平成18年5月1日から,内金224万7376円に対する平成19年5月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
第2  事案の概要
本件は,和歌山県の住民である原告が,和歌山県議会議員であった被告補助参加人らが和歌山県から交付を受けた政務調査費のうち,平成16年度ないし平成18年度の広報費及び人件費の支出が和歌山県の定める政務調査費の使途基準に適合しておらず違法であったなどと主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,不当利得返還請求又は不法行為に基づく損害賠償請求として,被告補助参加人らに対して同支出金額相当額及びそれらに対する政務調査費に係る収支報告書の各年度の提出日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息又は遅延損害金の支払を請求するように求めている住民訴訟である。
1  法令等の定め
(1)  平成20年法律第69号による改正前の地方自治法(以下,単に「地方自治法」という。)には,以下の定めがある。
ア 普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない(100条13項)。
イ 前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする(同条14項)。
(2)  地方自治法に基づき,和歌山県では,「和歌山県政務調査費の交付に関する条例」が制定されている。平成19年3月14日条例第48号による改正前の「和歌山県政務調査費の交付に関する条例」(甲A8,乙A1の1・2。以下「本件条例」という。)には,以下の定めがある。
ア この条例は,地方自治法100条13項及び14項の規定に基づき,和歌山県議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,議会における会派及び議員に対し政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする(1条)。
イ 政務調査費は,和歌山県議会の会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」という。)及び議員に対して交付する(2条)。
ウ 会派に係る政務調査費は,月額6万円に当該会派の所属議員数を乗じて得た額とする(3条1項)。
エ 議員に係る政務調査費は,月額24万円とし,毎月1日に在職する議員に対し交付する(4条1項)。
オ 議長は,会派結成届のあった会派及び政務調査費の交付を受けようとする議員について,毎年度4月10日までに,別に定めるところにより知事に通知しなければならない(6条1項)。
カ 知事は,前条第1項の規定による通知に係る会派及び議員について,その年度分の政務調査費の交付の決定を行い,当該会派の代表者及び当該議員に通知しなければならない(7条1項)。
キ 会派の代表者及び議員は,前条第1項の規定による交付の決定の通知を受けた後,毎四半期に属する最初の月の20日までに,当該四半期に属する月数分の政務調査費を請求するものとする(8条1項本文)。
ク 知事は,前2項の請求があったときは,速やかに政務調査費を交付するものとする(8条3項)。
ケ 知事は,政務調査費の交付を受けた会派又は議員がその年度において交付を受けた政務調査費の総額から,当該会派又は議員がその年度において行った政務調査費による支出(次条に規定する使途基準に従って行った支出をいう。)の総額を控除して残余がある場合,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(9条4項)。
コ 政務調査費の交付を受けた会派及び議員は,政務調査費を別に定める使途基準に従い使用しなければならない(10条)。
サ 政務調査費の交付を受けた会派の代表者及び議員は,当該政務調査費に係る収支報告書を,別記様式(省略)により,毎年4月30日までに議長に提出しなければならない(11条1項)。
シ 議長は,政務調査費の適正な運用を期すため,前条の規定により収支報告書が提出されたときは,必要に応じ調査を行うものとする(12条)。
(3)  本件条例10条を受けて,「和歌山県政務調査費の交付に関する規程」(甲A9,乙A2。以下「本件規程」という。)が制定され,本件規程4条,別表第1及び別表第2(省略)により,政務調査費の使途基準が定められている。
政務調査費のうち,広報費及び人件費に係る本件規程の使途基準(以下「本件使途基準」という。)は以下のとおりである。
ア 広報費 会派・議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動に要する経費(広報誌・報告書等印刷費,送料,交通費等)
イ 人件費 会派・議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費(給料,手当,社会保険料,賃金等)
2  争いのない事実等
以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨より容易に認めることができる。
(1)  当事者等(争いがない。)
ア 原告は,和歌山県内に居住する住民である。
イ 被告は,普通地方公共団体である和歌山県の知事である。
ウ 補助参加人Z2,補助参加人Z3,補助参加人Z4及び補助参加人Z5は,平成16年度から平成18年度までの間,いずれも和歌山県議会議員であった(以下,上記4名を併せて「本件議員ら」という。)。
エ 補助参加人県議団は,和歌山県議会の会派であり,平成16年度から平成18年度までの間,本件議員らが所属していた。
(2)  政務調査費の受領と支出
ア 被告補助参加人らは,平成16年度から平成18年度までの3年間に,地方自治法100条13項並びに本件条例3条及び4条の規定に基づき,補助参加人県議団については月額24万円(月額6万円に所属議員数4名分を乗じて得た額),本件議員らについては1人当たり月額24万円の政務調査費をそれぞれ受領した(争いがない。)。
イ 被告補助参加人らは,平成16年度から平成18年度までの政務調査費の広報費及び人件費として,別紙1記載のとおりの額を支出した(広報費については,それぞれ別紙1の「1 広報費」の表の下段括弧内記載の額。甲A4)。
その後,被告補助参加人らは,平成16年度から平成18年度までの広報費の一部を和歌山県に返還したので,平成16年度から平成18年度までの政務調査費の広報費の支出額は,別紙1の「1 広報費」の表の上段記載のとおりとなった(甲A4,5,丙Aア1,2,丙Aイ2,3,丙Aウ2,3,丙Aエ2,3,丙Aオ2,3〔枝番のあるものは枝番を含む。〕)。
ウ 広報費の支出の内訳
被告補助参加人らの平成16年度から平成18年度までの政務調査費のうち広報費の支出の内訳は,別紙2記載のとおりである(乙Bア1ないし25,乙Bイ1ないし14,乙Bウ1ないし15,乙Bエ1ないし32,乙Bオ1ないし31〔枝番のあるものは枝番を含む。〕。以下,個々の広報費の支出項目を特定するため,別紙2「番号」欄記載の番号及び「支出内容」欄記載の名称を使用することとする。)。
エ 人件費の支出の内訳
(ア) 補助参加人県議団は,人件費として受け取った金額全額(合計136万4917円)を,補助参加人県議団が政務調査補助職員として雇用した者(平成16年4月から平成17年3月まではA。平成16年9月から平成18年8月まではB(以下「B」という。)。平成18年9月から平成19年3月まではC(以下「C」という。)。)への給料として支出した(甲A4,乙Cア2ないし6,丙Cア1ないし3〔枝番のあるものは枝番を含む。〕)。
(イ) 本件議員らの平成16年度から平成18年度までの政務調査費のうち人件費の支出の内訳は,別紙3記載のとおりである(甲A4,乙Cア7,乙Cウ1,2,乙Cエ1ないし7,乙Cオ1ないし4〔枝番のあるものは枝番を含む。〕)。
(4)  住民監査請求等
ア 原告は,平成19年6月28日,被告補助参加人らが政務調査費として支出した平成16年度から平成18年度までの広報費及び人件費について,政務調査費の目的に反する違法,不当な支出があったとして,和歌山県監査委員に対し,住民監査請求をした(甲A3。以下「本件監査請求」という。)。
イ これに対し,和歌山県監査委員は,平成19年8月27日,本件監査請求のうち,平成18年度の政務調査費に係る部分を棄却し,その余の部分を却下するとの決定をし,原告に対し,その旨の監査結果を通知した(甲A4)。
ウ 原告は,平成19年9月25日,本件訴えを提起した。
2  争点
(1)  本件監査請求の適法性(本案前の争点)
(2)  政務調査費の支出の本件使途基準適合性
(3)  附帯請求の起算日
3  争点に対する当事者の主張
(1)  争点(1)(本件監査請求の適法性)
(被告及び被告補助参加人らの主張)
ア 原告が問題とする各支出行為のうち,平成16年度分については同年度末である平成17年3月31日に,平成17年度分については同年度末である平成18年3月31日に,それぞれ支出行為が完了しているので,それぞれ平成18年3月31日及び平成19年3月31日の経過をもって地方自治法242条2項本文の定める1年の監査請求期間(以下「法定監査請求期間」という。)が経過した。
したがって,平成19年6月28日にされた本件監査請求のうち,平成16年度分及び平成17年度分については,法定監査請求期間経過後にされたものであり,期間の徒過に正当な理由もないので,不適法である。
よって,本件訴えのうち,平成16年度及び平成17年度の政務調査費の支出に係る部分は,適法な監査請求の前置を欠くので,不適法である。
イ この点,原告は,本件監査請求が財産の管理等を怠る事実を対象とするものであるから,法定監査請求期間の制限が適用されないと主張する。
しかし,本件では,被告補助参加人らの支出行為が本件使途基準に反しているか否かが判断の対象となり,「特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象とするものである場合」(最高裁平成14年7月2日第三小法廷判決〔民集56巻6号1049頁〕)に当たるので,法定監査請求期間の制限が適用される。
(原告の主張)
ア 財産の管理等を怠る事実については,法定監査請求期間の制限が適用されないところ,本件監査請求は,被告の被告補助参加人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の行使を怠る事実を対象とするものである。
イ なお,例外的に,「特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象とするものである場合」には,当該行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ず,当該行為のあった日又は終わった日を基準として,法定監査請求期間の制限が適用される(被告及び被告補助参加人らが指摘する上記最高裁判決)。
しかし,和歌山県の被告補助参加人らに対する政務調査費の返還請求権の有無を判断するのに必要なのは,被告補助参加人らが,平成16年度及び平成17年度の政務調査費につき,本件使途基準に反して支出していたことであり,本件請求は,上記の例外的な場合に当たらないので,法定監査請求期間の制限は適用されない。
したがって,本件監査請求は,適法である。
ウ そして,監査委員が適法な監査請求を不適法であるとして却下した場合,当該請求をした住民は直ちに住民訴訟を提起することができるので(最高裁平成10年12月18日第三小法廷判決〔民集52巻9号2039頁〕),本件訴えのうち,監査請求が却下された平成16年度及び平成17年度の政務調査費の支出に係る部分も適法である。
(2)  争点(2)(政務調査費の支出の本件使途基準適合性)
(原告の主張)
ア 主張立証責任について
政務調査費の使途についての主張立証責任は,その返還請求を求める側において,政務調査費の使途について相当な根拠をもって疑義が存することを主張立証した場合には,相手方において,合理的な疑いを容れない程度にその疑義を解消するに足る主張と反証を行う必要があり,それがなされない場合には,政務調査費の適正な支出がなされなかったものと推認される(名古屋地裁平成19年3月22日判決〔判例タイムズ1280号153頁〕参照)。
以下のとおり,原告は,政務調査費の使途について,相当な根拠をもって疑義が存することを主張立証している。しかし,被告及び被告補助参加人らは,合理的な疑いを容れない程度にその疑義を解消するに足る主張と反証を行っていない。よって,以下の政務調査費の支出は適正でない。
イ 広報費について
(ア) 有限会社機関紙宣伝センター(以下「機関紙宣伝センター」という。)への支出について
被告補助参加人らは,広報誌の作成等を機関紙宣伝センターに依頼し,この代金を政務調査費から支出している。
機関紙宣伝センターは,a党の広宣物を専門に印刷していて,同党と密接な関係を有しており,被告補助参加人らが広報誌の作成費名下にa党に政務調査費を還流させたことが疑われる。しかし,被告及び被告補助参加人らは,a党に政務調査費を還流させていないことについて,立証していない。
したがって,被告補助参加人らによる政務調査費の機関紙宣伝センターへの支出は適正でない。
(イ) 補助参加人県議団の支出
a 県政・市政だより(2005年1月)作成費(アH16③。乙Bア22の3)
(a) 「議会活動」及び「政策」と関係のないa党及び同党所属議員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約30%を占める。
したがって,この支出額の30%分は適正でない。
(b) 被告及び被告補助参加人らは,費用総額のうち40%を政務調査費から支出しただけであり,原告が適正な支出と主張する割合(70%)を下回っていると主張する。
しかし,原告は,補助参加人県議団が負担した政務調査費による支出のうち30%が適正でないと主張しているところ,被告及び被告補助参加人らが主張する40%とは,総発行部数に占める補助参加人県議団の発行部数割合を指すに過ぎない(丙Bア5の1・2)。
したがって,被告及び被告補助参加人らの上記主張は不当である。
b 県政・市政だより(2005年11月)作成費(アH17⑤。乙Bア15の3)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党の宣伝を目的とする記載があり,この面積は全体の約10%を占める。
したがって,この支出額の10%分は適正でない。
c 封筒(長4)印刷費(アH18②。乙Bア2の3)
補助参加人県議団及びa党和歌山市議団(以下「a党市議団」という。)宛ての封筒は,使用目的及び使用実態が明らかでない。これらについて説明を尽くすことなく,その印刷費を政務調査費から支出すべきではない。
したがって,この支出は適正でない。
d 県政・市政だより(2007年1月)作成費(アH18⑦。乙Bア7の4)
(a) 「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党や同党所属議員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約30%を占める。
したがって,この支出額の30%分は適正でない。
(b) 被告及び被告補助参加人らは,費用総額のうち36%を政務調査費から支出しただけであり,原告が適正な支出であると主張する割合(70%)を下回っていると主張する。
しかし,原告は,補助参加人県議団が負担した政務調査費による支出のうち30%が適正でないと主張しているところ,被告及び被告補助参加人らが主張する36%とは,総発行部数に占める補助参加人県議団の発行部数割合を指すに過ぎない(丙Bア2の1)。
したがって,被告及び被告補助参加人らの上記主張は不当である。
e 「a党の政策と訴え」作成費(アH18⑨。乙Bア9の3)
「議会活動」及び「政策」とは全く関係がない平成19年2月に発行されたマニフェストであり,その内容もa党の政策を訴えるものである。
したがって,この支出は適正でない。
(ウ) 補助参加人Z2
a 県政・市政だより(2004年2月)作成費(イH16②。乙Bイ11の3)
(a) 「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党及び同党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約12%を占める。
したがって,この支出額の12%分は適正でない。
(b) 被告及び被告補助参加人らは,費用総額のうち20%を政務調査費から支出しただけであり,原告が適正な支出であると主張する割合(88%)を下回っていると主張する。
しかし,原告は,補助参加人Z2が負担した政務調査費による支出のうち12%が適正でないと主張しているところ,被告及び被告補助参加人らが主張する20%とは,総発行部数に占める補助参加人Z2の支出割合に過ぎない(丙Bイ1の1・2)。
したがって,被告及び被告補助参加人らの上記主張は不当である。
b 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(イH16⑤。乙Bイ14の3)
(a) 「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党及び同党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約11%を占める。
したがって,この支出額の11%分は適正でない。
(b) 被告及び被告補助参加人らは,この「県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費」(イH16⑤)と「県・市議会だより(2005 2月議会)作成費」(イH16⑥)の合計66万8587円について,補助参加人Z2に交付された政務調査費から費用総額のうち約14%を支出しただけであり,原告が適正な支出であると主張する割合(89%)を下回っていると主張する。
しかし,原告は,補助参加人Z2が負担した政務調査費による支出のうち11%が適正でないと主張しているところ,被告及び被告補助参加人らが主張する14%とは,総発行部数に占める補助参加人Z2の支出割合に過ぎない(丙Bイ2の1ないし3)。
したがって,この支出額の14%分は適正でない。
(エ) 補助参加人Z3
a 県政・市政だより(2004年2月)作成費(ウH16②。乙Bウ12の3)
原告の主張は,上記(ウ)aと同様である。
b 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(ウH16⑤。乙Bウ15の3)
原告の主張は,上記(ウ)bと同様である。
(オ) 補助参加人Z4
a ○○民報(2006年新春号)作成費(エH17⑥。乙Bエ22の3)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,この面積は全体の約20%を占める。
したがって,この支出額の20%分の支出は適正でない。
b ○○民報(12月議会報告に係るもの)作成費(エH18⑯。乙Bエ15の3)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党や同党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約73%を占める。
したがって,この支出額の73%分は適正でない。
(カ) 補助参加人Z5
a △△民報(2004年5月)作成費(オH16④。乙Bオ20の2)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党や同党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約50%を占める。
したがって,この支出額の50%分は適正でない。
b △△民報(2005年8月)作成費(オH17③。乙Bオ10の2)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真等があり,この面積は全体の約30%を占める。
したがって,この支出額の30%分は適正でない。
c △△民報(2006年1月号)作成費(オH17⑧。乙Bオ13の3)
「議会活動」及び「政策」とは関係のないa党や同党の党員らの宣伝を目的とする記載や写真の掲載等があり,これらの面積は全体の約7%を占める。
したがって,この支出額の7%分は適正でない。
ウ 人件費について
(ア) 補助参加人県議団
a Bへの支出について
Bは,政務調査補助職員として雇用されていたはずの平成18年8月4日に,平成19年7月29日に行われた参議院議員通常選挙への立候補を表明し,平成18年8月10日,同月15日及び同月21日にも選挙活動を行った(甲Cア1)。また,参議院議員通常選挙への立候補を表明した候補者は,通常,多様な選挙活動を行い,多忙と考えられるから,Bは,上記以外の日にも選挙活動を行ったと推認できる。
したがって,Bは,平成18年8月に政務調査補助職員としての業務に従事していなかったので,Bの同月分の人件費に当たる政務調査費からの支出は適正でない。
b Cへの支出について
(a) Cは,平成17年9月11日に行われた衆議院議員総選挙に立候補しており(甲Cア2),落選後全く政治活動を行わずに,平成18年9月から政務調査補助職員としての業務に従事していたとは考えられない。また,Cは,a党和歌山県書記長という役職にあり,そのような幹部が,補助参加人県議団の事務所において,政務調査補助職員としての業務に従事していたとは考えられない。
したがって,Cは,政務調査補助職員としての業務に従事していなかったので,Cの人件費に当たる政務調査費からの支出は適正でない。
(b) 被告及び被告補助参加人らは,Cの人件費の80%は補助参加人県議団が負担し,20%はa党和歌山県委員会が負担してきたと主張する。
しかし,賃金台帳(乙Cア4)によれば,Cは,毎月20日前後出勤していることになっているし,Cの人件費の20%をa党和歌山県委員会が負担していたことの証拠も提出されていない。また,Cの政務調査補助員としての活動の具体的内容も明らかにされていない。
したがって,補助参加人県議団とa党和歌山県委員会がCの人件費を適切に按分していたとはいえない。
(イ) 補助参加人Z2
補助参加人Z2は,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費の一部を政務調査費から支出した(甲A4)。
しかし,和歌山県議会における会派の所属議員が,当該会派が雇用する政務調査補助職員の人件費を政務調査費から支出するのは不適当である(京都市において行われた個別外部監査(甲A11)参照)。また,被告及び被告補助参加人らは,補助参加人県議団が雇用していた政務調査補助職員が本件議員らの政務調査補助職員としての業務に従事していた事実及びその割合を立証していない。
したがって,本件議員らが,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を政務調査費から支出したことは適正でない。
(ウ) 補助参加人Z3
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b D(以下「D」という。)への支出について
補助参加人Z3は,a党が運営する生活相談所も設置されていたa党の政治活動用の事務所でDを雇用していたから,Dが政治活動や政党活動に従事していたことが強く疑われる。
しかるに,被告及び被告補助参加人らは,Dが政務調査補助職員としての業務に専従していたことを積極的に立証しない。
したがって,Dの人件費に当たる政務調査費からの支出は適正でない(京都市において行われた個別外部監査(甲A11)参照)。
(エ) 補助参加人Z4
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b E,F及びG(以下,この3人を「Eら」という。)への支出について
補助参加人Z4は,a党が運営する生活相談所も設置され(甲Cエ1,2),補助参加人Z4だけでなく,H,I及びJらa党所属議員の共同後援会事務所で,かつ,補助参加人Z4やa党所属議員らの政治活動用の事務所で(甲エ4の1ないし3),Eらを雇用していた。そして,Eらの勤務時間は,生活相談所の業務時間とほぼ一致していた(甲エ3,乙Cエ1ないし4)。よって,Eらは,a党が運営する生活相談所の職員等として勤務していた可能性が極めて高く,政務調査補助職員としての業務に従事していたとはいえない。
しかるに,被告及び被告補助参加人らは,Eらが政務調査補助職員としての業務に専従していたことを積極的に立証しない。
なお,被告及び被告補助参加人らがEらへの給与の支払を示す証拠として提出したご利用明細票(乙Cエ5ないし7)は,振込人が「Z1ケンギダン」となっている。これは,本件議員らに振り込まれた政務調査費を一度補助参加人県議団が回収してから支払っていること,すなわち,補助参加人県議団がEらを雇用していたのに,補助参加人Z4個人の政務調査費からEらの人件費を支出していたことを示すものである。
したがって,Eらの人件費に当たる政務調査費からの支出は適正でない。
(オ) 補助参加人Z5
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b K(以下「K」という。)への支出について
補助参加人Z5は,a党が運営する生活相談所も設置されていた(甲Cオ1,2)事務所で,Kを雇用していた。Kの勤務時間は,生活相談所の相談業務時間と一致しており(甲Cオ3,乙Cオ1),現在,Kが相談業務を担当している(甲Cオ4)。よって,Kが継続的に生活相談所の運営を行っており,上記事務所が補助参加人Z5の後援会用及び政治活動用の事務所である可能性が高く(甲オ4の1ないし4),Kが政務調査補助職員としての業務に専従していたとはいえない。
しかるに,被告及び被告補助参加人らは,Kが政務調査補助職員としての業務に専従していたことを積極的に立証しない。
なお,被告及び被告補助参加人らがKへの給与の支払を示す証拠として提出したご利用明細票(乙Cオ2,3)は,振込人が「Z1ケンギダン」となっているところ,これに関する原告の主張は,上記(エ)bと同様である。
また,雇用契約書ではKの給与は月10万円とされているにもかかわらず(乙Cオ1),上記ご利用明細票(乙Cオ2,3)では,Kに対して月20万円が支払われている。このような不明朗な金の流れは,補助参加人Z5が政務調査費を適正に使用しなかったことを示す証左である。
したがって,Kの人件費に当たる政務調査費からの支出は適正でない。
(被告及び被告補助参加人らの主張)
ア 主張立証責任等について
(ア) 政務調査費は,調査研究に直接用いられる費用に限られるものではなく,地方議会の活性化を図るため,その審議能力を強化させ,地方議員の調査研究活動基盤の充実を図る観点から見て,調査研究のために有益な費用も含まれる。
会派又は議員の政治活動の自由は,地方公共団体における住民自治を支える根幹として重要な機能を果たすものであるから,調査研究活動の対象及び態様については,基本的には,会派又は議員の良識に基づく判断に委ねられている。したがって,調査研究活動として合理性ないし必要性を欠くことが明らかであると認められない限り,政務調査費の支出が本件使途基準に反するとはいえず,法律上の原因を欠くものとまではいえない(名古屋地裁平成16年(行ウ)第40号・平成17年5月26日判決参照)。
また,政務調査費の支出の中で,本件使途基準に適合している部分と,反している部分とを明確に区分することが困難で,その金額や目的,使途等から見て,主として会派又は議員の調査研究活動のために有益であると社会通念上認められるような場合には,その使途全体が本件使途基準に適合していると考えるべきである。
(イ) 政務調査費については,収支報告書が提出され,公開されているから,その使途が本件使途基準に反するものであったことを主張立証することは,必ずしも困難ではない。
したがって,原告において,被告補助参加人らの政務調査費の使途が本件使途基準に反するものであったことを推認させる事実を相当程度具体的に主張立証する責任を負うというべきである。すなわち,原告が,少なくとも,政務調査費の使途が本件使途基準に適合するものであったことについて,合理的な疑いを差し挟むべき事実を具体的に主張立証した場合に,はじめて,被告及び被告補助参加人らは,その合理的な疑いを解くため,直接又は間接に,政務調査費の使途が本件使途基準に適合するものであったことを明らかにする必要が生じるというべきである。
ところが,以下のとおり,原告は,政務調査費の使途が,本件使途基準に反するものであったことを推認させるような事実や,本件使途基準に適合するものであったことに合理的疑いを差し挟むべき事実を具体的に主張立証していない。
なお,法律上公表する義務のない明細書や領収書等を提出しないからといって,直ちに,政務調査費の使途が本件使途基準に反するものであったことを推認させることにはならない。
イ 広報費について
(ア) 被告補助参加人らの支出に共通する主張
a 機関紙宣伝センターへの支出について
機関紙宣伝センターは,独立した法人であり,a党の支配下会社や組織内会社ではなく,a党の広宣物のみを専門に印刷している会社でもない。また,被告補助参加人らが,政務調査費から支出した広報誌の作成費をa党に還流させたことはない。さらに,広報誌の作成等の代金額も,一般的に相当なものである。
したがって,原告の主張は不当である。
b 広報誌について
原告は,被告補助参加人らが支出した広報誌の作成費について,広報誌の一部分の字句を全体から切り離して取り上げ,「議会活動」や「政策」とはいえない字句であると主張する。
しかし,「議会活動」には,①狭義の「本会議及び法律上の委員会への出席並びに委員派遣及び議員派遣に基づく視察等」と②「議員活動」として「議会活動とは直接関係なく,当該団体の事務に関し調査,研究するための活動や住民に対する議会報告や住民意志の把握のための活動」があり,①②のどちらにも政務調査費を充当することができると解釈されている(議会事務局の解釈及び取扱いについての見解,甲A4)。そして,通常,会派や議員の「議会活動」は所属政党の方針に則った内容のものになり,会派や議員が示す「県政に関する政策」は所属政党の政策と一致する。そこで,本件使途基準は,「議会活動及び県政に関する政策等の広報活動」に該当すれば,議会活動が所属政党の方針に則った内容のものであったり,県政に関する政策が所属政党の政策であっても,按分を求めることなく,その費用への政務調査費の充当を認めている。
また,広報誌の紙面上に「a党」の表示があるからといって,補助参加人県議団と関係のないa党の宣伝を目的とするということにはならない。
したがって,原告の上記主張は不当である。
(イ) 補助参加人県議団
a 県政・市政だより(2005年1月)作成費(アH16③。乙B22の3)
平成16年12月の定例和歌山県議会又は定例和歌山市議会において,a党所属議員が行った質問,討論の内容を住民に報告し,将来の議会活動の資とすることを内容としたものであるから,本件使途基準の「議会活動の広報」に該当する。
上記広報誌の一部に,「a党くらし・経済 和歌山市対策委員長 L」,「a党和歌山県委員会 書記長 C」及び「憲法9条とくらし守るたたかいの年に私もがんばります」との記載があるが,選挙の候補者宣伝目的で両名の政治姿勢を記載したものではない。
そもそも,補助参加人県議団は,費用総額53万4240円のうち40%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bア5の1・2),原告が適正であると主張する割合(70%)を下回っている。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
なお,補助参加人県議団は,この支出のうち5556円を返還した。
b 県政・市政だより(2005年11月)作成費(アH17⑤。乙Bア15の3)
平成17年9月の定例和歌山県議会又は定例和歌山市議会において,a党所属議員が行った質問,討論の内容を住民に報告し,将来の議会活動の資とすることを内容としたものであるから,本件使途基準の「議会活動の広報」に該当する。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
c 封筒(長4)印刷費(アH18②。乙Bア2の3)
この補助参加人県議団及びa党市議団宛ての封筒は,国や地域の医療に対する住民の意見を収集把握するために,医療政策の内容を印刷した資料及び回答用紙とともに医療関係機関等に送付したものである(送付した資料及び回答用紙は使い切り,残存していない。)。
そもそも,補助参加人県議団は,費用総額のうち50%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bア1の1ないし3),残額はa党市議団が負担した。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
d 県政・市政だより(2007年1月)作成費(アH18⑦。乙Bア7の4)
補助参加人県議団及びa党市議団が,住民に対する「議会活動の広報」として発行したものである。
そもそも,補助参加人県議団は,費用総額55万4400円のうち36%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bア2の1),原告が適正であるとする割合(70%)を下回っている。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
なお,補助参加人県議団は,この支出のうち5947円を返還した。
e 「a党の政策と訴え」作成費(アH18⑨。乙Bア9の3)
和歌山県議会議員選挙に当たって,a党,a党県委員会及び補助参加人県議団が,同党から立候補する候補者の政策を訴えるものとして,共同で発行したものである。その内容は,同党の政策の宣伝ではなく,和歌山県の政策批判及び同党所属の和歌山県議会議員の議会活動及び政策提言である。したがって,この作成は,補助参加人県議団の政策等の広報活動であり,住民の意思を適確に収集把握するためのものであるから,本件使途基準の「県政に関する政策等の広報活動」に該当する。
そもそも,補助参加人県議団は,費用総額のうち50%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bア3の1・2),残額はa党和歌山県委員会が負担した。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
(ウ) 補助参加人Z2
a 県政・市政だより(2004年2月)作成費(イH16②。乙Bイ11の3)
補助参加人県議団及びa党市議団が,議会活動及び政策等を広報するものであり,a党の宣伝を目的とするものではない。そして,その一部に補助参加人県議団及びa党市議団の議会活動や政策を支持し,協力する人の意思を掲載することも紙面構成上の裁量の範囲内である。
そもそも,補助参加人Z2は,費用総額のうち20%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bイ1の1・2),原告が適正であるとする割合(88%)を下回っている。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
なお,補助参加人Z2は,この支出のうち2221円を返還した。
b 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(イH16⑤。乙Bイ14の3)
被告補助参加人県議団及びa党市議団が,議会活動及び政策等を広報するものであり,a党の宣伝を目的とするものではない。
そもそも,補助参加人Z2は,費用総額のうち約14%を政務調査費から支出しただけであり(丙Bイ2の1ないし3),原告が適正であるとする割合(89%)を下回っている。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
なお,補助参加人Z2は,この支出のうち2600円を返還した。
(エ) 補助参加人Z3
a 県政・市政だより(2004年2月)作成費(ウH16②。乙Bウ12の3)
被告及び被告補助参加人らの主張は,上記(ウ)aと同じである(ただし,補助参加人Z3も,費用総額のうち約20%を政務調査費から支出しただけである(丙Bウ1の1・2)。)。
なお,補助参加人Z3は,この支出のうち2221円を返還した。
b 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(ウH16⑤。乙B15の3)
被告及び被告補助参加人らの主張は,上記(ウ)bと同じである(ただし,補助参加人Z3は,費用総額のうち約22.6%を政務調査費から支出しただけである(丙Bウ2の1ないし3)。)。
なお,補助参加人Z3は,この支出のうち3931円を返還した。
(オ) 補助参加人Z4
a ○○民報(2006年新春号)作成費(エH17⑥。乙Bエ22の3)
議員が住民の意思を収集把握するために相談を実施すること及びその相談所の広報は,本件使途基準の「議会活動の広報」に該当する。そして,その一部に補助参加人県議団及びa党市議団の議会活動や政策を支持し,協力する人の意思を掲載することも紙面構成上の裁量の範囲内である。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
なお,補助参加人Z4は,この支出のうち7166円を返還した。
b ○○民報(12月議会報告に係るもの)作成費(エH18⑯。乙Bエ15の3)
補助参加人Z4が議会活動を報告するものであり,「『県政を変えよう』の声をバックに『あなたの願いを県政へ』」という表題も不適切ではない。また,補助参加人Z4が海南市議会議員及び紀美野町議会議員と一緒に撮った写真を掲載することも紙面構成上の裁量の範囲内である。
そもそも,補助参加人Z4は,費用総額のうち50%を政務調査費から支出しただけである(乙Bエ15の1・2)。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
(カ) 補助参加人Z5
a △△民報(2004年5月)作成費(オH16④。乙Bオ20の2)
補助参加人Z5が議会活動と政策等を広報するものであり,挨拶や,補助参加人Z5の議会活動や政策を支持し,協力する人の意思を掲載することも紙面構成上の裁量の範囲内である。
そもそも,補助参加人Z5は,費用総額のうち93%を政務調査費から支出しただけである。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
b △△民報(2005年8月)作成費(オH17③。乙Bオ10の2)
被告及び被告補助参加人らの主張は,上記aと同じである(ただし,補助参加人Z5は,費用総額のうち79%を政務調査費から支出しただけである。)。
c △△民報(2006年1月号)作成費(オH17⑧。乙Bオ13の3)
被告及び被告補助参加人らの主張は,上記aと同じである。
なお,補助参加人Z5は,この支出のうち4832円を返還した。
ウ 人件費について
(ア) 補助参加人県議団
a Bへの支出について
Bは,平成18年8月4日,同月10日,同月15日及び同月21日の4日間,いずれも夏期休暇(乙Cア1)を取得して選挙活動をしたのであり,政務調査補助職員としての勤務日に選挙活動をしたのではない。また,Bは,同月中,上記以外の日には選挙活動をしておらず,政務調査補助職員として普段どおり勤務し,同月末で職員を辞めて,その後選挙活動を行った。なお,当時,職員が1人であったため,休暇届を出す慣行はなかった。
したがって,Bの同月分の人件費に当たる政務調査費からの支出は本件使途基準に適合する。
b Cへの支出について
Cは,平成18年9月に補助参加人県議団の政務調査補助職員として雇用されたが,毎週1日,a党和歌山県委員会の業務に従事し,その日は政務調査補助員としての業務に従事しないことになっていた。そこで,補助参加人県議団がCの人件費の80%を負担し,a党和歌山県委員会が残りの20%を負担した。
なお,Cは,平成17年9月11日に行われた衆議院議員総選挙に立候補したが,落選後は候補者とはされなかったので,候補者であった期間と政務調査補助職員であった期間は重なっていない。
したがって,Cの人件費に当たる政務調査費からの支出は本件使途基準に適合する。
(イ) 補助参加人Z2
a 「和歌山県政務調査費用の手引き」では,人件費について,「人件費における政務調査費の充当額の算出については,雇用者の勤務実態にあわせるもの」とされている(甲A4)。本件議員らは4人で補助参加人県議団を構成していたところ,補助参加人県議団で雇用する政務調査補助職員は,補助参加人県議団の政務調査活動だけでなく,本件議員らの政務調査活動にも従事しており,補助参加人県議団と本件議員らが共同して雇用しているような勤務実態であった。
したがって,その勤務実態にあわせて補助参加人県議団と本件議員らがその人件費を分担して支出すべきであるから,本件議員らが,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を政務調査費から支出したことは本件使途基準に適合する。
b これに対し,原告は,京都市において行われた個別外部監査の結果(甲A11)を援用して,その全額が目的外支出であると主張する。
しかし,上記個別外部監査の結果も,会派の活動が各議員の活動と密接に関連しており,議員の政務調査に資する側面があることを否定することはできないため,政務調査費から一定の支出を認めるべきであるとしている。
(ウ) 補助参加人Z3
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b Dへの支出について
確かに,Dが勤務していた事務所は,政務調査のために利用されるだけでなく,補助参加人Z3の後援会活動や政治活動のため,あるいは生活相談所としても利用され,Dは,政務調査補助職員として活動しながら,後援会活動等にも関わっていた。
そのため,補助参加人Z3は,Dの政務調査補助職員としての従事割合を勘案し,通常では政務調査補助職員の専従者に月10万円の給与を支給するところ,その20%に当たる月2万円を政務調査費から支出していた。
したがって,この支出は本件使途基準に適合する。
(エ) 補助参加人Z4
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b Eらへの支出について
Eらは,政務調査補助職員としての業務に専従しており,a党の相談業務や同党所属議員の後援会活動は行っていない。
相談業務を担う勤務員として,M(元県議会議員)や海南市議会議員らが,政党活動に専従する勤務員として,Nがいたから,Eらが政務調査補助職員としての業務に専従できる体制となっていた。
なお,補助参加人県議団がEらの給与の振込依頼人となっているが,これは,補助参加人県議団の事務局が補助参加人Z4の政務調査費の事務処理をしていたことから,補助参加人県議団の事務局職員が振込みをする際,補助参加人県議団を振込依頼人と表示しただけである。
したがって,Eらの人件費に当たる政務調査費からの支出は本件使途基準に適合する。
(オ) 補助参加人Z5
a 補助参加人県議団への支出について
上記(イ)と同様である。
b Kへの支出について
Kは,平成16年度から平成18年度までの間は,政務調査補助職員としての業務に専従していた。
Kがa党の生活相談を担当したのは,平成20年2月からであり(丙Cオ2),それまでは,弁護士が毎月1回出張して法律相談を行うとともに,補助参加人Z5,市議会議員及び町会議員らが生活相談を担当していた(丙Cオ1)。後援会活動及び政策活動は,市会議員や町会議員が担当していた。
補助参加人県議団が給与の振込依頼人となっている点についての主張は,上記(エ)bと同じである。
なお,Kの給与は月10万円であるのに,毎月20万円がKに振り込まれているが(乙Cオ2の1ないし12,3の1ないし12,4の1ないし12),これは,20万円のうち,10万円を政務調査費から,残り10万円を補助参加人Z5の個人資金から支出しているからである。個人資金からの10万円は,上記事務所の経費に充てるためのものであり,Kが上記事務所で管理していた。
したがって,Kの人件費に当たる政務調査費からの支出は本件使途基準に適合する。
(3)  争点(3)(附帯請求の起算日)
(原告の主張)
本件条例には,交付を受けた政務調査費に残余がある場合の返還時期について明確に定めた規定はないが,収支報告書の提出時点で残余の額も確定するので,会派及び議員が確定した残余をなお保持しておくべき合理的理由はない。したがって,政務調査費の支出が違法であることを理由とする返還請求における附帯請求の起算日は,収支報告書の提出期限の翌日である政務調査費の交付を受けた年度の翌年度の5月1日とするべきである。
(被告及び被告補助参加人らの主張)
否認ないし争う。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)(本件監査請求の適法性)について
(1)  地方自治法242条2項本文は,財務会計上の行為について,当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは監査請求をすることができない旨規定するが,財産の管理等を怠る事実については,このような期間制限は規定されていないから,怠る事実に係る監査請求には,原則として,上記規定は適用されないと解される(最高裁昭和53年6月23日第三小法廷判決〔集民124号145頁〕参照)。もっとも,例外的に,怠る事実に係る監査請求が,特定の財務会計上の行為を違法であるとし,当該行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって怠る事実としているものであるときは,当該監査請求については,当該行為のあった日又は終わった日を基準として上記規定を適用すべきものと解するのが相当である(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決〔民集41巻1号122頁〕参照)。
(2)  ところで,本件条例(上記第2の1(2))によれば,和歌山県における政務調査費の交付,使用及び返還の仕組みは,以下のとおりである。
すなわち,知事による政務調査費の交付の決定の通知を受けた会派及び議員が,知事に政務調査費の交付を請求し(8条1項本文),知事は定額の政務調査費を交付する(8条3項)。政務調査費の交付を受けた会派及び議員は,本件使途基準に従ってこれを使用し(10条),毎年,政務調査費に係る収支報告書を議長に提出する(11条1項)。そして,議長は,政務調査費の適正な運用を期するため,必要に応じ調査を行い,知事は,残余がある場合には,その返還を命ずる(9条4項,12条)。
(3)  上記(2)のような政務調査費の交付,使用及び返還の仕組みからすれば,どの支出に政務調査費が充当され,それが本件使途基準に適合するか否かは,政務調査費の交付の時点では明らかではなく,被告補助参加人らが収支報告書を議長に提出した時点で最終的に確定するものと解される。
そして,本件監査請求の対象は,和歌山県の被告補助参加人らに対して有する政務調査費の返還請求権の行使を怠る事実であるところ,本件監査請求は,地方自治法100条13項が定める政務調査費の交付という財務会計上の行為の違法,無効から返還請求権が発生したと主張するものではなく,被告補助参加人らの使用の違法,無効から返還請求権が発生したと主張するものであり,これらは財務会計上の行為ではない。
そうすると,本件監査請求は,特定の財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって怠る事実とするものにも当たらない。
したがって,本件監査請求には,地方自治法242条2項は適用されないから,監査請求期間を徒過した違法はなく,適法である。
(4)  監査委員が適法な監査請求を不適法であるとして却下した場合,当該請求をした住民は,直ちに住民訴訟を提起することができると解される(最高裁平成10年12月18日第三小法廷判決〔民集52巻9号2039頁〕参照)。
本件監査請求のうち平成16年度及び平成17年度に係る部分は,和歌山県監査委員によって却下されたが(上記第2の2(4)),上記(3)のとおり,適法であったから,本件訴訟は適法である。
2  争点(2)(政務調査費の支出の本件使途基準適合性)について
(1)  判断基準と立証責任
ア 政務調査費は,地方自治法100条13項に基づき,地方議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,地方公共団体が交付するものであるから,政務調査費として適切な使途に支出されなかった場合,当該支出をした会派又は議員は,当該支出額に相当する利益を法律上の原因なく得たことになる。そして,和歌山県では,同条項の規定を受けて,本件条例が制定され,本件使途基準が定められているところ,原告は,本件条例や本件使途基準が違法であると主張するものではなく,これらが違法な点も見当たらないから,政務調査費として適切な使途に支出されたかどうかは,当該支出が本件使途基準に適合しているかどうかによって判断するべきである。
ただし,ある支出が調査研究のためでもあるし,他の目的のためでもあるという場合には,その全額を政務調査費から支出すべきではないから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できると解するのが相当である。
イ 地方自治法242条の2第1項4号に基づく請求を行うには,「違法な怠る事実」を原告が立証しなければならない。本件では,「違法な怠る事実」があるというためには,和歌山県が被告補助参加人らに対し,不当利得返還請求権又は不法行為に基づく損害賠償請求権を有していることが必要であるところ,不当利得返還請求権の要件である「法律上の原因がないこと」又は不法行為に基づく損害賠償請求権の要件である故意又は過失及び違法性についても,上記返還請求権があることを主張する者に立証責任があると解される(不当利得返還請求権につき,最高裁昭和59年12月21日第二小法廷判決〔集民143号503頁〕参照)。
したがって,原告には,「被告補助参加人らによって本件使途基準に適合した政務調査費の支出がなされなかったこと」についての立証責任があるというべきである。
もっとも,立証の程度が当事者双方の立証活動によって定まることは当然であり,立証責任を負う者が相当程度の立証を行い,さらなる証拠提出を期待することが困難な事情があるのに,相手方が容易になしうる反証を行わないような場合には,証明されたと認められる場合もありうるというべきである。
この点,政務調査費の具体的使途に関する証拠の大部分を被告又は被告補助参加人らが保有している一方で,原告が被告補助参加人らの内部事情を知りうる立場にないという事情があるから,原告の立証が本件使途基準に適合した政務調査費の支出がなされなかったことを一応推認させる程度に達しており,被告及び被告補助参加人らが十分な反証を行わないような場合には,当該政務調査費の支出は本件使途基準に適合しないことが証明されたと認められると解すべきである。
ただし,政治活動の自由の性質に鑑みれば,政務調査費の支出については,会派又は議員の合理的判断に委ねられているというべきであるから,上記の「本件使途基準に適合した政務調査費の支出がなされなかったことを一応推認させる程度」という立証の程度をあまりに低くすることは相当ではなく,一応推認される程度の事実を具体的に立証しない限り,被告及び被告補助参加人らの反証がなかったとしても,証明されたとは認められないというべきである。
以下,上記の観点から広報費及び人件費について具体的に検討する。
(2)  広報費
ア 機関紙宣伝センターへの支出について
原告は,被告補助参加人らが広報誌の作成費名下にa党に政務調査費を還流させたことが疑われるなどと主張する。
しかし,原告は,そのような資金還流を疑わせるような事情について抽象的に主張するだけで,具体的な立証を何ら行っておらず,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
したがって,原告の上記主張は認められない。
イ 補助参加人県議団
(ア) 県政・市政だより(2005年1月)作成費(アH16③。乙Bア22の3)
a 証拠(乙Bア22の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
「県政・市政だより2005年1月」との記載がある頁(以下,本(ア)項において「表面」という。)には,右側部分には,「福祉とくらし応援の地方政治を a党」との記載があり,上段部分には,「2005年 ことしもよろしくお願いします」との表題のもと,a党の和歌山県議会議員及び和歌山市議会議員の写真の掲載と政策に関する記載があり,「憲法9条とくらし守るたたかいの年に」「私もがんばります」との記載とともに,「a党くらし・経済和歌山市対策委員長 L」の記載と顔写真の掲載,「a党和歌山県委員会書記長 C」の記載と顔写真の掲載があり,中下段部分には,政策についての記載がある。
その裏の頁には,補助参加人県議団及びa党所属議員の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,本件使途基準によれば,政務調査費のうち広報費は,「会派・議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動に要する経費」に支出することができるとされている。
この点,和歌山県が支出する政務調査費であるから,ここでいう「会派・議員」は,和歌山県議会の会派及び議員を指し,「議会活動」及び「政策等」は,和歌山県議会の議会活動及び政策等を意味することは明らかである。そうすると,和歌山市議会の会派及び議員が行う議会活動や政策等の広報活動に要する費用を和歌山県から交付される政務調査費の広報費から支出することはできないと解される。したがって,当該広報誌のうち,和歌山市議会における議会活動及び政策等に関する記載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
次に,表面上段部分のうち和歌山県議会議員でない「L」及び「C」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「会派・議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
その他,「2005年 ことしもよろしくお願いします a党」との表題,写真の掲載及び政策に関する記載は,その体裁,全体の文脈及び他の記載との関係等に鑑みれば,補助参加人県議団及びa党市議団が,一般的な年始の挨拶文と共に,議会活動や政策を当年も進めていくことを表明したものであると解され,所属政党の表示があるからといって,本件使途基準に適合しないものであるとはいえない。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人県議団は,当該広報誌作成費のうち60%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bア5の1・2),さらに,政務調査費から支出した21万3696円のうち5556円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人県議団が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
(イ) 県政・市政だより(2005年11月)作成費(アH17⑤。乙B15の3)
a 証拠(乙Bア15の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
「県政・市政だより 2005年11月」との記載がある頁には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載がある。
その裏の頁には,「くらし・福祉の願い実現へ」「国政で県・市政でがんばっています」「a党各議員の質問と討論」との表題のもと,a党の和歌山県議会議員及び和歌山市議会議員の顔写真の掲載と議会活動に関する記載がある。
b 原告が,本件使途基準に適合しないと主張する上記表題は,その内容,体裁,他の記載との関係及び記載位置等に鑑みれば,議会活動や政策を報告する表題にすぎない。
したがって,本件使途基準に適合しないものであるとは認められない。
(ウ) 封筒(長4)印刷費(アH18②。乙B2の3)
証拠(乙Bア2の3)によれば,これは,補助参加人県議団及びa党市議団宛ての封筒である。
このような封筒の体裁等に鑑みれば,住民等の意見を収集把握するという議員の調査研究に資するため使用された封筒であることがうかがわれるのであり,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がなされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
したがって,本件使途基準に適合しないものであるとは認められない。
(エ) 県政・市政だより(2007年1月)作成費(アH18⑦。乙Bア7の4)
a 証拠(乙Bア7の4)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
「a党 県政・市政だより 2007年1月」との記載がある頁(以下,本(エ)項において「表面」という。)には,右側部分に,「今年こそ明るい希望のもてる政治に a党」との記載があり,上段部分には,和歌山市の税負担等の記載があり,中段部分には,「冷たい政治から 市民の暮らしを守るためにがんばります」と表題のもと,政策等に関する記載があり,下段部分には,「あなたの願いをまっすぐ議会に届けます」との表題のもと,a党所属の和歌山県議会議員及び和歌山市議会議員とともに,「前市議 L」の記載と顔写真の掲載,「党県医療福祉対策委員長 O」の記載と顔写真の掲載がある。
その裏の頁(以下,本(エ)項において「裏面」という。)には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載があり,下段部分に,a党演説会の日時場所の記載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,和歌山市議会における議会活動及び政策等に関する記載に係る部分が,本件使途基準に適合しないものであることは,上記(ア)bと同様である。
次に,表面下段部分のうち和歌山県議会議員でない「L」及び「O」の氏名及び役職の記載と顔写真の掲載は,「会派・議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
その他,表面右側部分の記載は,その内容及び体裁等に鑑みると,補助参加人県議団の政策等の広報の一環としての記載であると解され,所属政党の表示があるからといって,本件使途基準に適合しないものであるとは認められない。
また,裏面下段部分の記載も,政党の演説会では,政策の表明等が行われるのが通例であり,これに補助参加人県議団の政策が含まれることは容易にうかがわれるから,演説会の費用はともかく,演説会の日時場所の記載は,本件使途基準に適合しないものとは認められない。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人県議団は,当該広報誌作成費のうち64%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bア2の1),さらに,政務調査費から支出した20万1600円のうち5947円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人県議団が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
(オ) 「a党の政策と訴え」作成費(アH18⑨。乙Bア9の3)
a 証拠(乙Bア9の3)によれば,これは,a党和歌山県委員会と補助参加人県議団が平成19年2月に発行したa党の政策等が記載された冊子である。表紙には,「県議選挙にあたって a党の政策と訴え」と記載されており,その内容も,a党の政策を訴え,提案するものである。
なお,和歌山県では,同年4月8日,和歌山県議会議員選挙が行われた。
b このような発行主体,発行時期,体裁及び記載内容等に鑑みると,これは,a党所属候補者が和歌山県議会議員選挙で応援を得るための選挙活動の一環として作成されたものであると認められる。
この点,政務調査費の制度は,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである(最高裁平成17年11月10日第一小法廷判決〔民集59巻9号2503頁〕参照)。このような政務調査費の制度趣旨に加え,和歌山県議会議員でない者や和歌山県議会に所属議員がいない政治団体には政務調査費が交付されないことにも鑑みれば,候補者が選挙で応援を得るための選挙活動の一環として行われる広報活動に要する費用を政務調査費から支出することはできないと解される。
したがって,当該支出(2万7405円)は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
ウ 補助参加人Z2
(ア) 県政・市政だより(2004年2月)作成費(イH16②。乙Bイ11の3)
a 証拠(乙Bイ11の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
「2004年2月県議会・市議会報告 県政・市政だより」との記載がある頁(以下,本(ア)項において「表面」という。)には,上部分に「b党・c党政権の悪政と対決して 福祉とくらし応援の県・市政を a党」との表題が記載され,その他の部分には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載がある。
その裏の頁(以下,本(ア)項において「裏面」という。)には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載があり,左下部分に,補助参加人Z2,補助参加人Z3,a党所属の和歌山市議会議員の氏名及び顔写真とともに,「わたしもがんばります」「L 市くらし・経済対策責任者」の記載と顔写真の掲載があり,「県民のための県政を」「P氏」の記載と顔写真の掲載,同人の県政改革に励む旨の意見表明の記載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,和歌山市議会における議会活動及び政策等に関する記載,和歌山市議会議員の氏名の記載及び顔写真の掲載に係る部分が,本件使途基準に適合しないものであることは,上記イ(ア)bと同様である。
また,補助参加人Z3の氏名の記載と顔写真の掲載に係る部分は,補助参加人Z3に交付された政務調査費から支出すべきものである。
次に,表面左下部分の和歌山県議会議員でない「L」及び「P」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち,上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
その他,表面上部分の記載は,その体裁や記載内容等に鑑みると,補助参加人Z2の政策等の広報の一環としての記載であると解され,所属政党の表示があるからといって,本件使途基準に適合しないものとは認められない。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人Z2は,当該広報誌作成費のうち80%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bイ1の1・2),さらに,政務調査費から支出した9万6600円のうち2221円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人Z2が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
(イ) 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(イH16⑤。乙Bイ14の3)
a 証拠(乙Bイ14の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
「a党 県政・市政だより」との記載がある頁(以下,本(イ)項において「表面」という。)には,右側部分に「大企業優遇などムダをなくし市民のくらし応援を a党」との表題が記載され,その他の部分には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等に関する記載がある。
その裏の頁(以下,本(イ)項において「裏面」という。)には,補助参加人県議団及びa党市議団の和歌山県議会及び和歌山市議会における議会活動や政策等についての記載があり,左下部分に,補助参加人Z2,補助参加人Z3及びa党所属の和歌山市議会議員の氏名の記載と顔写真の掲載,「増税・負担増の政治からくらしまもる政治へ 私もがんばります」「a党和歌山県委員会書記長 C」の記載と顔写真の掲載,「党くらし・経済市対策委員長」「L」の記載と顔写真の掲載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,和歌山市議会の議会活動及び政策に関する記載,和歌山市議会議員の氏名の記載及び顔写真の掲載に係る部分が,本件使途基準に適合しないものであることは,上記イ(ア)bと同様である。
また,補助参加人Z3の氏名の記載と顔写真の掲載に係る部分は,補助参加人Z3に交付された政務調査費から支出すべきものである。
表面左下部分の和歌山県議会議員でない「L」及び「C」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち,上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
その他,表面右側部分の記載は,その体裁や記載内容等に鑑みると,補助参加人Z2の政策等の広報の一環としての記載であると解され,所属政党の表示があるからといって,本件使途基準に適合しないものとは認められない。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人Z2は,当該広報誌作成費及び県・市議会だより(2005年2月議会特集)作成費(イH16⑥)のうち85%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bイ2の1ないし3),さらに,政務調査費から支出した10万円のうち2600円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人Z2が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
エ 補助参加人Z3
(ア) 県政・市政だより(2004年2月)作成費(ウH16②。乙Bウ12の3)
a 証拠(乙Bウ12の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌であるところ,その記載内容は,上記ウ(ア)aと同じである。
b 当該広報誌のうち,和歌山市議会における議会活動及び政策等に関する記載,和歌山市議会議員の氏名の記載と顔写真の掲載,「L」及び「P」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載が,本件使途基準に適合しないこと,補助参加人Z2の氏名の記載と顔写真の掲載に係る部分は,補助参加人Z2に交付された政務調査費から支出すべきものであること,その他,本件使途基準に適合しない記載は認められないことは,上記ウ(ア)bと同様である。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人Z3は,当該広報誌作成費のうち80%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bウ1の1・2),さらに,政務調査費から支出した9万6600円のうち2221円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人Z3が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
(イ) 県政・市政だより(2005年2月議会特集)作成費(ウH16⑤。乙Bウ15の3)
a 証拠(乙Bウ15の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌であるところ,その記載内容は,上記ウ(イ)aと同じである。
b 当該広報誌のうち,和歌山市議会における議会活動及び政策等に関する記載,和歌山市議会議員の氏名の記載と顔写真の掲載,「C」及び「L」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載が,本件使途基準に適合しないこと,補助参加人Z2の氏名の記載と顔写真の掲載に係る部分は,補助参加人Z2に交付された政務調査費から支出すべきものであること,その他,本件使途基準に適合しない記載は認められないことは,上記ウ(イ)bと同様である。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人Z3は,当該広報誌作成費及び県・市議会だより(2005年2月議会特集)作成費(ウH16⑥)のうち約77.4%を和歌山県から交付された政務調査費以外から支出しており(丙Bウ2の1ないし3),さらに,政務調査費から支出した15万1200円のうち3931円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人Z3が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
オ 補助参加人Z4
(ア) ○○民報(2006年新春号)作成費(エH17⑥。乙Bエ22の3)
a 証拠(乙Bエ22の3)によれば,これは,1頁からなる広報誌である。
左側部分には,「市民のみなさまとごいっしょに」との記載とともに,補助参加人Z4,海南市議会議員3名(乙Bエ15の3),その他3名の者が写った写真の掲載,「a党海南市女性児童部長 J」の記載と顔写真の掲載,「お気軽にお立ち寄りください。」「a党生活相談所所長 M」の記載と顔写真の掲載がある。その他の部分には,補助参加人Z4の議会活動及び政策等に関する記載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,左側部分の和歌山県議会議員でない者の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち,上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,多くとも当該広報誌の作成費の80%と認めるのが相当である。
したがって,当該広報誌の作成費18万3750円(乙Bエ22の1・2)の少なくとも20%に当たる3万6750円を政務調査費から支出したことは,本件使途基準に適合しないものであると認められる。そして,補助参加人Z4は,7166円を既に返還しているので,補助参加人Z4がさらに返還すべき額は,2万9584円である。
(イ) ○○民報(12月議会報告に係るもの)作成費(エH18⑯。乙Bエ15の3)
a 証拠(乙Bエ15の3)によれば,これは,1頁からなる広報誌である。
上部分には,「Pさん(県知事候補)大健闘「県政を変えよう」の声をバックに」「あなたの願いを県政へ」「県議選挙3月30日告示,4月8日投票」との表題が記載されている。右側部分には,「県政再生はできるか」との表題のもとに,和歌山県知事選挙の結果,「P」の対立候補で和歌山県知事になったYの所信表明演説及び代表質問等の記載がある。中央部分には,a党海南海草議員団が海南市長や和歌山県振興局に政策の提言をした旨の記載がある。左側部分には,補助参加人Z4,海南市議会議員3名,紀美野町議会議員2名,a党医療福祉対策部長が写った写真が掲載され,左下部分には,補助参加人Z4の事務所開きが平成19年2月18日に行われる旨の記載,「県くらし・福祉対策委員長」「B氏」の記載,同人の意見表明の記載と顔写真の掲載がある。
なお,和歌山県では,同年4月8日,和歌山県議会議員選挙が行われた。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準と適合するか検討するに,上部分,右側部分及び左下部分の記載は,発行時期,体裁及び記載内容等に鑑みると,和歌山県知事選挙におけるa党所属候補者の得票結果を称えて,さらに同党候補者が和歌山県議会選挙で応援を得るための選挙活動の一環としての記載であると認められる。このような選挙活動の一環として行われる広報活動に要する費用を政務調査費から支出することが本件使途基準に適合しないことは,上記イ(オ)のとおりである。したがって,当該広報誌の作成費への支出のうち,上記記載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
次に,左下部の和歌山県議会議員でない「B」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌の作成費への支出のうち上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載及び顔写真の掲載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,多くとも当該広報誌の作成費の27%と認めるのが相当である。
したがって,当該広報誌の作成費18万2910円(乙Bエ15の1・2)の半額である9万1455円(補助参加人Z4が政務調査費から支出したとされる額)のうち,少なくとも73%に当たる6万6762円(小数点以下は切り捨て)を政務調査費から支出したことは,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
カ 補助参加人Z5
(ア) △△民報(2004年5月)作成費(オH16④。乙Bオ20の2)
a 証拠(乙Bオ20の2)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
右上に「△△民報 No.4 2004年5月」との記載がある頁(以下,本(ア)項において「表面」という。)には,「生活こわす年金改悪法案 衆議院で 強行可決」との表題のもとに,年金に関する法案が衆議院本会議で可決された旨及びその内容とともに,参議院での審議が控えていること,補助参加人Z5が,a党所属の参議院議員選挙の候補者と和歌山県内を視察し,参議院議員選挙に対する意見表明をした旨の記載がある。
その裏の頁には,補助参加人Z5の和歌山県議会おける議会活動や政策等に関する記載がある。
なお,平成16年7月11日,参議院議員通常選挙が行われた。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準に適合するか検討するに,表面の記載は,発行時期,体裁及び記載内容等に鑑みると,a党所属候補者が参議院議員選挙で応援を得るための選挙活動の一環としての記載であると認められる。このような選挙活動の一環として行われる広報活動に要する費用を政務調査費から支出することが本件使途基準に適合しないことは,上記イ(オ)のとおりである。
したがって,当該広報誌の作成費の支出のうち表面に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載の面積や体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,多くとも当該広報誌の作成費の50%と認めるのが相当である。したがって,当該広報誌の作成費15万円(乙Bオ20の1)の少なくとも50%に当たる7万5000円を政務調査費から支出したことは,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
これに対し,補助参加人Z5は,当該広報誌の作成費のうち約93%を政務調査費から支出しただけであると主張するが,これを認めるに足りる証拠はない。
(イ) △△民報(2005年8月)作成費(オH17③。乙B10の2)
a 証拠(乙Bオ10の2)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
右上に「△△民報 No.11 2005年8月」との記載がある頁(以下,本(イ)項において「表面」という。)には,上段部分に,「8月30日公示 9月11日投票 郵政法案否決・解散総選挙へ」「Q党3区くらし・環境対策委員長,有田入り」との表題のもとに,a党所属の衆議院議員選挙候補者の政策等の記載があり,下段部分に,二川ダムに関する政策等の記載がある。
その裏の頁には,補助参加人Z5の和歌山県議会における議会活動や政策等に関する記載がある。
なお,平成17年9月11日,衆議院議員総選挙が行われた。
b 当該広報誌の作成への支出が本件使途基準と適合するか検討するに,表面上段部分の記載は,発行時期,体裁及び記載内容等に鑑みると,a党所属候補者が衆議院議員選挙で応援を得るための選挙活動の一環としての記載であると認められる。このような選挙活動の一環として行われる広報活動に要する費用を政務調査費から支出することが本件使途基準に適合しないことは,上記イ(オ)のとおりである。したがって,当該広報誌の作成費への支出のうち,上記記載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載の面積及び記載の体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,多くとも当該広報誌の作成費の70%と認めるのが相当である。
したがって,当該広報誌の作成費15万円(乙Bオ10の1)の少なくとも30%に当たる4万5000円を政務調査費から支出したことは,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
これに対し,補助参加人Z5は,当該広報誌の作成費のうち約79%を政務調査費から支出しただけであると主張するが,これを認めるに足りる証拠はない。
(ウ) △△民報(2006年1月号)作成費(オH17⑧。乙Bオ13の3)
a 証拠(乙Bオ13の3)によれば,これは,表裏2頁からなる広報誌である。
右上に「△△民報 2006年1月号」との記載がある頁(以下,本(ウ)項において「表面」という。)には,左側部分に,「寒中お見舞い申し上げます」との表題のもとに,補助参加人Z5の挨拶等の記載があり,右下部分に,「新有田川町に住民の願いをとどけます」との表題のもとに,「R(前吉備町議)」の記載と顔写真の掲載,「S(前吉備町議)」の記載と顔写真の掲載,「T(前金屋町議)」の記載と顔写真の掲載があり,その他の部分には,補助参加人Z5の和歌山県議会における議会活動及び政策等に関する記載がある。
その裏の頁には,補助参加人Z5の和歌山県議会における議員活動及び政策等に関する記載がある。
b 当該広報誌の作成費への支出が本件使途基準と適合するか検討するに,表面右下部分の和歌山県議会議員でない「R」「S」「T」の氏名,役職及び意見表明の記載と顔写真の掲載は,「議員が行う議会活動及び都道府県政に関する政策等の広報活動」と関連性があるとはいえない。したがって,当該広報誌のうち,上記記載及び顔写真の掲載に係る部分は,本件使途基準に適合しないものであると認められる。
その他,表面左部分の記載は,その体裁及び記載内容等に鑑みると,一般的な季節の挨拶と補助参加人Z5の政策実現に向けた意欲の記載であると解され,本件使途基準に適合しないものであるとは認められない。
c 以上によれば,当該広報誌には,一部本件使途基準に適合しない記載があるから,社会通念上相当な割合によって按分した額を政務調査費から支出できる。
ただし,補助参加人Z5は,政務調査費から支出した30万2001のうち4832円を返還している。そうすると,当該広報誌の本件使途基準に適合しない記載の面積や記載の体裁等に鑑みれば,社会通念上相当な割合によって按分した政務調査費から支出できる額は,補助参加人Z5が政務調査費から支出した額を超えるものではないと認められる。
したがって,当該支出については,さらに返還すべき政務調査費があるとは認められない。
(3)  人件費
ア 補助参加人県議団
(ア) Bへの支出について
原告は,Bが,平成18年8月に,参議院議員通常選挙の候補者として選挙活動を行っていたから,政務調査補助職員としての業務に従事していなかったと主張する。
しかし,Bは,同月4日に参議院議員通常選挙への立候補を表明したばかりであり,その投票日である平成19年7月まで1年近くあったし,原告は,Bが政務調査補助職員としての業務に従事していなかったことを疑わせるような事情について抽象的に主張するだけで,具体的な立証を何ら行っておらず,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
したがって,原告の上記主張は認められない。
(イ) Cへの支出について
原告は,平成17年9月11日に行われた衆議院議員総選挙に立候補して落選したCが,その後全く政治活動を行わずに,平成18年9月から政務調査補助職員としての業務に従事していたとは考えられないなどと主張する。
しかし,平成18年9月は,Cが衆議院議員総選挙に落選してから1年後であり,原告は,Cが政務調査補助職員としての業務に従事していなかったことを疑わせるような事情について抽象的に主張するだけで具体的な立証を何ら行っておらず,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
したがって,原告の上記主張は認められない。
イ 補助参加人Z2
(ア) 本件使途基準は,人件費を「会派・議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費(給料,手当,社会保険料,賃金等)」(上記第2の1(3)イ)と規定しているにすぎないから,議員が,所属する会派に対し,その職員等を自己の調査研究に使用する旨委託し,その対価として,当該議員に交付された政務調査費から支出したとしても,直ちに本件使途基準に適合しないとまではいえない。
ただし,地方議会における会派には,議員とは独立して政務調査費の交付を受ける地位が認められ(地方自治法100条13項),本件使途基準でも,会派に交付した政務調査費は「会派が行う」との要件が,議員に交付した政務調査費は「議員が行う」との要件が付されていることからすれば,議員と会派の間で政務調査費を無制約に融通し得ると解することはできない。すなわち,議員による会派への人件費の支出は,議員から会派への調査研究の委託という形式が取られていても,その実質が伴っておらず,議員による所属会派への寄付や会費等と同視し得る場合には,「議員が行う調査研究」と認めることはできず,本件使途基準に適合しないと解される。
もっとも,会派とは,議会において,政治的意見や政策等を共通にする議員らが組織する団体であり,議員は,会派を通じて議会活動を行うものであり,会派を離れて議会活動をすることは困難であることからすると,会派が行う調査研究は,通常,当該会派の所属議員からの一般的,包括的委託を受けて行う活動としての性質を帯びているということができる。そうすると,会派が行う調査研究のうち,当該所属議員が委託したものの調査研究の経過や結果が,当該所属議員に個別に報告され,その成果が当該所属議員に還元されているような場合には,当該所属議員が行う調査研究の実質を備えたものと解するのが相当である。
(イ) これを本件についてみるに,補助参加人Z2は,交付された政務調査費を使用して補助参加人県議団において行われた調査研究の経過や結果が個別に報告され,その成果が還元されたことを認めるに足りる主張立証をしない(原告からは,具体的な調査研究の内容等を明らかにすべきである旨の主張がされているが,被告及び補助参加人Z2は,これに応答していない。)。
したがって,補助参加人Z2が,その政務調査費から,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を支出したこと(平成16年度から平成18年度までの合計620万0119円)は,本件使途基準に適合しないものと認められる。
ウ 補助参加人Z3
(ア) 補助参加人県議団への支出について
補助参加人Z3は,交付された政務調査費を使用して補助参加人県議団において行われた調査研究の経過や結果が,個別に報告され,その成果が還元されたことを認めるに足りる主張立証をしない(原告からは,具体的な調査研究の内容等を明らかにすべきである旨の主張がされているが,被告及び補助参加人Z3は,これに応答していない。)。
したがって,補助参加人Z3が,その政務調査費から,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を支出したこと(平成16年度から平成18年度までの合計494万4917円)は,本件使途基準に適合しないものと認められる。
(イ) Dへの支出について
原告は,Dが,政務調査補助職員としての業務に従事していなかったと主張する。
しかし,Dが政治活動やa党の相談業務に関与していたことに争いはない。また,補助参加人Z3は,Dを政務調査補助職員として月2万円の給与で雇用する契約を締結し,Dに対し毎月2万円を政務調査費から支出していた(乙Cウ1,2の1ないし11)。
この点,事務所の使用実態やDの勤務実態を踏まえて社会通念上相当な割合で案分した額として,月2万円という額が不合理な額ということはできないから,Dの人件費に当たる政務調査費からの支出は,本件使途基準に適合しないものであるとは認められない。
エ 補助参加人Z4
(ア) 補助参加人県議団への支出について
補助参加人Z4は,交付された政務調査費を使用して補助参加人県議団において行われた調査研究の経過や結果が,補助参加人Z4に個別に報告され,その成果が還元されたことを認めるに足りる主張立証をしない(原告からは,具体的な調査研究の内容等を明らかにすべきである旨の主張がされているが,被告及び補助参加人Z4は,これに応答していない。)。
したがって,補助参加人Z4が,その政務調査費から,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を支出したこと(平成16年度から平成18年度までの合計185万0045円)は,本件使途基準に適合しないものと認められる。
(イ) Eらへの支出について
原告は,Eらがa党の運営する生活相談所の職員等として勤務していたと主張する。
しかし,Mが生活相談所の所長であったこと(乙Bエ22の3)を考慮すれば,原告の立証は,Eらが政務調査補助職員としての業務に従事していなかったことを疑わせるような事情として十分ではなく,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
なお,原告は,Eらへの給与の振込人名義が「Z1ケンギダン」となっていたことから,補助参加人県議団がEらを雇用していたと主張し,そのようなEらへの給与の支出は本件使途基準に適合しないと主張する。しかし,補助参加人Z4とEらとの間では,補助参加人Z4の政務調査を補助するという内容の雇用契約が締結されていたのであり(乙Cエ1ないし4),他にEらが補助参加人県議団のために活動していたことをうかがわせるような事情も認められない。
したがって,Eらの人件費に当たる政務調査費からの支出が本件使途基準に適合しないものであったとは認められない。
オ 補助参加人Z5
(ア) 補助参加人県議団への支出について
補助参加人Z5は,交付された政務調査費を使用して補助参加人県議団において行われた調査研究の経過や結果が,補助参加人Z5に個別に報告され,その成果が還元されたことを認めるに足りる主張立証をしない(原告からは,具体的な調査研究の内容等を明らかにすべきである旨の主張がされているが,被告及び補助参加人Z5は,これに応答していない。)。
したがって,補助参加人Z5が,その政務調査費から,補助参加人県議団が雇用する政務調査補助職員の人件費を支出したこと(平成16年度から平成18年度までの合計20万3301円)は,本件使途基準に適合しないものと認められる。
(イ) Kへの支出について
原告は,Kがa党の運営する生活相談所の職員等として勤務していたと主張する。
しかし,Kは,平成20年2月から相談業務を開始したこと(丙Cオ2)を考慮すれば,原告の立証は,Kが政務調査補助員としての業務に従事していなかったことを疑わせるような事情について十分ではなく,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことを一応推認させる程度の立証がされているとはいえない。
なお,原告は,Kへの給与の振込人名義が「Z1ケンギダン」となっていたことから,補助参加人県議団がKを雇用していたと主張し,そのようなKへの給与の支出は本件使途基準に適合しないと主張する。しかし,補助参加人Z5とKとの間では,補助参加人Z5の政務調査を補助するという内容の雇用契約が締結されていたのであり(乙Cオ1),他にKが補助参加人県議団のために活動していたことをうかがわせるような事情も認められない。
また,原告は,Kの給与は10万円であったのに,20万円が振り込まれていたことを指摘する。しかし,Kへの給与として政務調査費から支出された額が10万円であったことに争いはないのであり,そのような振り込みがされているからといって,Kへの支出が本件使途基準に適合しないものになるわけではない。
したがって,Kへの給与の支出が本件使途基準に適合しないものであったとは認められない。
3  まとめ及び争点(3)(附帯請求の起算日)について
(1)  不当利得について
ア 上記2によれば,和歌山県は,補助参加人県議団に対して2万7405円の,補助参加人Z2に対して620万0119円の,補助参加人Z3に対して494万4917円の,補助参加人Z4に対して194万6391円の,補助参加人Z5に対して32万3301円の不当利得返還請求権をそれぞれ有していることが認められる。
イ 上記2(1)イのとおり,政務調査費の支出については,会派又は議員の合理的判断に委ねられているというべきであるところ,上記1(2)のとおり認められる和歌山県の政務調査費の交付,使用及び返還の仕組み,本件使途基準が抽象的な文言を用いて政務調査費の使途基準を設定していること(上記第2の1(3)),並びに被告補助参加人らの政務調査費の支出のうち本件使途基準に適合しないと認められる支出の内容及び性質等に鑑みれば,被告補助参加人らが悪意の受益者であったとは認められず,他にこれを認めるに足りる立証はなされていない。
ウ 不当利得返還義務は期限の定めのない債務であるから,遅延損害金が発生するのは,その履行を請求され当該債務が付遅滞となったときからである。これに対し,原告は,収支報告書の提出時点で残余の額も確定しているので,会派及び議員が確定した残余をなお保持しておくべき合理的理由はないから,附帯請求の起算日は,政務調査費の交付を受けた年度の翌年度の5月1日とするべきであると主張するが,本件条例には残余の返還時期について明確に定めた規定はないから,原告の上記主張は,根拠を欠くものであって採用できない。
これを本件についてみるに,原告は,和歌山県が被告補助参加人らに不当利得返還義務の履行を請求した事実について主張立証していないから,被告補助参加人らに遅延損害金の支払義務があるとは認められない。
(2)  不法行為について
原告は,和歌山県が,被告補助参加人らに対し,不法行為に基づく損害賠償請求権を有しているとも主張する。しかし,原告は,本件使途基準に適合した政務調査費の支出がされなかったことにつき,被告補助参加人らに故意又は過失があったことを具体的に主張立証していないから,原告の上記主張は認められない。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は,被告に対し,補助参加人県議団に2万7405円の,補助参加人Z2に620万0119円の,補助参加人Z3に494万4917円の,補助参加人Z4に194万6391円の,補助参加人Z5に32万3301円の支払をそれぞれ請求することを求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
和歌山地方裁判所第2民事部
(裁判長裁判官 髙橋善久 裁判官 永野公規 裁判官 田中一孝)

 

〈以下省略〉


「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧
(1)平成31年 4月26日  大阪高裁  平30(行ケ)1号 裁決取消請求事件
(2)平成31年 2月19日  奈良地裁  平29(行ウ)10号 奈良県議会議員に係わる不当利得返還請求事件
(3)平成30年 8月 9日  札幌高裁  平29(行コ)8号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(4)平成30年 7月25日  東京高裁  平30(行ケ)8号 裁決取消請求事件
(5)平成30年 2月15日  東京地裁  平28(ワ)6477号・平28(ワ)14082号 共有物分割等請求事件、遺産分割協議不存在確認等請求事件
(6)平成28年 5月17日  広島高裁  平28(行ケ)1号 裁決取消請求事件
(7)平成28年 4月28日  青森地裁八戸支部  平28(わ)12号 各公職選挙法違反被告事件
(8)平成28年 2月12日  東京地裁  平27(ワ)11886号 街宣活動等差止請求事件
(9)平成28年 1月28日  名古屋地裁  平23(行ウ)109号 難民不認定処分等取消請求事件
(10)平成27年10月27日  岡山地裁  平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(11)平成27年 6月 1日  大阪地裁  平27(ヨ)290号 投稿動画削除等仮処分命令申立事件
(12)平成25年11月18日  福岡地裁  平19(行ウ)70号 政務調査費返還請求事件
(13)平成25年10月16日  東京地裁  平23(行ウ)292号 報酬返還請求事件
(14)平成25年 5月15日  東京地裁  平23(行ウ)697号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(15)平成25年 3月26日  東京高裁  平24(行ケ)26号・平24(行ケ)27号・平24(行ケ)28号・平24(行ケ)29号・平24(行ケ)30号・平24(行ケ)31号・平24(行ケ)32号 各選挙無効請求事件
(16)平成25年 2月28日  東京地裁  平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(17)平成25年 1月18日  東京地裁  平23(行ウ)442号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(18)平成24年 3月27日  和歌山地裁  平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件
(19)平成24年 1月18日  横浜地裁  平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(20)平成23年 6月17日  東京地裁  平21(行ウ)494号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(21)昭和56年 3月 3日  東京高裁  昭54(う)2209号・昭54(う)2210号 地方自治法違反被告事件
(22)昭和55年 7月29日  東京高裁  昭53(う)1259号 公職選挙法違反被告事件
(23)昭和55年 6月24日  千葉地裁  昭54(わ)1292号・昭54(わ)1160号・昭54(わ)1216号 公職選挙法違反事件 〔宇野派選挙違反事件・第一審〕
(24)昭和55年 4月28日  広島高裁松江支部  昭54(う)11号 公職選挙法違反被告事件 〔戸別訪問禁止違憲事件・控訴審〕
(25)昭和55年 2月29日  最高裁第三小法廷  昭54(あ)809号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件 〔「殺人シール」事件・上告審決定〕
(26)昭和55年 2月 4日  福岡地裁小倉支部  昭51(ワ)32号 損害賠償請求事件
(27)昭和54年 9月 7日  福岡地裁柳川支部  昭49(わ)33号 公職選挙法違反被告事件
(28)昭和54年 3月20日  東京高裁  昭53(う)1253号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(29)昭和54年 1月30日  高松高裁  昭49(う)198号 国家公務員法違反被告事件 〔高松簡易保険局選挙応援演説事件・控訴審〕
(30)昭和54年 1月24日  松江地裁出雲支部  昭51(わ)43号・昭51(わ)42号 公職選挙法違反被告事件 〔戸別訪問禁止違憲事件〕
(31)昭和54年 1月18日  東京高裁  昭53(う)2007号 公職選挙法違反被告事件
(32)昭和53年12月11日  大阪地裁 昭50(ワ)479号
(33)昭和53年 9月 4日  最高裁第二小法廷  昭50(あ)787号 騒擾、暴力行為等処罰に関する法律違反、放火未遂、外国人登録法違反外国人登録令違反被告事件 〔大須事件・上告審決定〕
(34)昭和53年 6月13日  仙台高裁秋田支部  昭53(う)10号 公職選挙法違反被告事件
(35)昭和53年 6月 6日  東京高裁  昭49(ネ)1988号 解雇無効確認並びに給料請求控訴事件 〔国鉄甲府赤穂車掌区事件〕
(36)昭和53年 5月30日  東京高裁  昭51(う)701号 公職選挙法違反被告事件
(37)昭和53年 5月30日  東京高裁  昭50(う)2024号 公職選挙法違反・名誉毀損被告事件
(38)昭和53年 4月17日  東京地裁  昭52(刑わ)2736号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(39)昭和53年 3月30日  松山地裁西条支部  昭48(わ)107号 公職選挙法違反被告事件
(40)昭和52年12月22日  神戸地裁柏原支部  昭48(わ)4号 公職選挙法違反被告事件
(41)昭和52年10月27日  大阪高裁  昭52(行ケ)2号
(42)昭和52年 6月28日  神戸家裁  昭51(少)1968号 殺人予備等保護事件
(43)昭和52年 6月14日  名古屋高裁  昭52(う)90号 公職選挙法違反被告事件
(44)昭和52年 3月18日  名古屋地裁  昭49(わ)1549号・昭49(わ)1544号 公職選挙法違反事件
(45)昭和51年12月24日  最高裁第二小法廷  昭51(あ)192号 公職選挙法違反被告事件
(46)昭和51年11月29日  千葉地裁  昭51(行ウ)10号 選挙公示差止請求事件
(47)昭和51年 3月19日  仙台高裁秋田支部  昭49(行ケ)1号 市長選挙における選挙の効力に関する裁決取消等請求事件
(48)昭和51年 3月 9日  東京高裁  昭47(う)3294号 埼玉県屋外広告物条例違反等被告事件
(49)昭和50年12月23日  広島高裁  昭47(ネ)86号 解雇無効確認等請求控訴事件 〔電電公社下関局事件〕
(50)昭和50年 6月30日  東京高裁  昭47(う)3293号 埼玉県屋外広告物条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(51)昭和50年 4月30日  名古屋高裁  昭48(う)509号 公職選挙法違反・名誉毀損被告事件
(52)昭和50年 4月16日  大阪地裁  昭42(わ)2678号 公職選挙法違反被告事件
(53)昭和50年 3月27日  名古屋高裁  昭45(う)101号・昭45(う)100号・昭45(う)102号・昭45(う)99号 騒擾、放火、同未遂、爆発物取締罰則違反、外国人登録法違反各被告事件 〔大須事件・控訴審〕
(54)昭和50年 3月 3日  東京地裁  昭47(行ウ)160号 損害賠償請求事件
(55)昭和49年11月 6日  最高裁大法廷  昭47(あ)1168号 公職選挙法違反、国家公務員法違反各被告事件 〔総理府統計局事件・上告審〕
(56)昭和49年11月 6日  最高裁大法廷  昭46(あ)2147号 国家公務員法違反被告事件 〔徳島郵便局事件・上告審〕
(57)昭和49年11月 6日  最高裁大法廷  昭44(あ)1501号 国家公務員法違反被告事件 〔猿払事件・上告審〕
(58)昭和49年 6月28日  高松地裁  昭40(わ)250号 国家公務員法違反被告事件 〔高松簡易保険局員選挙応援演説事件・第一審〕
(59)昭和49年 5月21日  広島高裁岡山支部  昭48(う)124号 公職選挙法違反事件
(60)昭和49年 5月14日  仙台高裁  昭48(う)133号 公職選挙法違反被告事件 〔仙台市労連事件・控訴審〕
(61)昭和48年 9月26日  名古屋高裁  昭47(行ケ)4号 市議会議員当選の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(62)昭和48年 9月13日  名古屋高裁  昭47(う)510号 公職選挙法違反被告事件
(63)昭和48年 3月29日  仙台地裁  昭42(わ)120号 公職選挙法違反被告事件
(64)昭和48年 3月 1日  大阪地裁  昭43(わ)2537号・昭43(わ)3309号 公職選挙法違反被告事件
(65)昭和47年12月22日  東京高裁  昭46(行ケ)100号・昭46(行タ)13号 裁決取消請求及び同参加事件
(66)昭和47年12月22日  札幌地裁  昭41(行ウ)1号・昭41(行ウ)4号 課税処分取消請求事件
(67)昭和47年 3月 3日  東京地裁  昭45(特わ)135号・昭45(特わ)136号・昭45(特わ)134号・昭45(特わ)137号・昭44(特わ)496号・昭44(特わ)445号・昭45(特わ)133号 公職選挙法違反被告事件
(68)昭和47年 2月28日  山口地裁  昭44(ワ)160号 解雇無効確認等請求事件 〔下関電報局職員免職事件〕
(69)昭和47年 1月19日  仙台高裁  昭44(行ケ)1号 町長選挙の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(70)昭和46年10月 4日  東京高裁  昭44(う)32号 公職選挙法違反被告事件
(71)昭和46年 5月10日  高松高裁  昭44(う)178号 国家公務員法違反事件 〔徳島郵便局事件・控訴審〕
(72)昭和46年 3月15日  東京高裁  昭45(う)2675号 公職選挙法違反被告事件
(73)昭和46年 3月11日  仙台高裁  昭44(う)161号 公職選挙法違反被告事件
(74)昭和45年12月28日  横浜地裁川崎支部  昭42(ワ)271号 賃金請求等事件 〔日本鋼管賃金請求事件〕
(75)昭和45年11月14日  札幌地裁  昭38(わ)450号 公職選挙法違反・政治資金規正法違反被告事件
(76)昭和45年 9月25日  大阪高裁  昭43(う)1525号 公職選挙法違反被告事件
(77)昭和45年 7月16日  東京高裁  昭43(行ケ)99号 選挙の効力に関する訴訟事件
(78)昭和45年 3月31日  広島高裁  昭43(う)329号 公職選挙法違反各被告事件
(79)昭和45年 3月31日  広島高裁  昭43(う)328号 公職選挙法違反被告事件
(80)昭和44年11月11日  名古屋地裁  昭28(わ)2403号 騒擾,放火,同未遂,爆発物取締罰則違反,外国人登録法違反各被告事件 〔大須事件・第一審〕
(81)平成 9年 7月15日  最高裁第三小法廷  平9(行ツ)31号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔愛媛県議会議員選挙候補者連座訴訟・上告審〕
(82)平成 9年 4月23日  大阪地裁  平4(ワ)7577号 損害賠償請求事件
(83)平成 9年 3月18日  大阪高裁  平8(行コ)35号 供託金返還請求控訴事件
(84)平成 8年11月13日  高松高裁  平7(行ケ)3号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(85)平成 8年 9月27日  大阪高裁  平8(行ケ)1号 立候補禁止請求事件
(86)平成 8年 8月 7日  神戸地裁  平7(行ウ)41号 選挙供託による供託金返還請求事件
(87)平成 8年 7月 8日  仙台高裁  平7(行ケ)3号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔青森県議会議員選挙候補者連座訴訟・第一審〕
(88)平成 8年 1月18日  東京高裁  平7(行ケ)236号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(89)平成 7年12月11日  名古屋高裁金沢支部  平5(行ケ)1号・平5(行ケ)2号 珠洲市長選無効訴訟判決
(90)平成 7年10月 9日  仙台高裁  平7(行ケ)2号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔山形県議会議員選挙候補者連座訴訟〕
(91)平成 6年 5月23日  千葉地裁  昭51(ワ)698号 損害賠償等請求事件 〔千葉東電訴訟判決〕
(92)平成 6年 4月26日  名古屋高裁  平6(う)17号 公職選挙法違反被告事件 〔参議院議員経歴詐称事件・控訴審〕
(93)平成 6年 2月21日  福岡高裁  平元(ネ)608号 接見交通妨害損害賠償請求事件
(94)平成 5年12月24日  名古屋地裁  平5(わ)1207号 公職選挙法違反被告事件 〔参議院議員経歴詐称事件・第一審〕
(95)平成 5年10月12日  松山地裁  平2(わ)207号・平2(わ)118号・平2(わ)104号・平2(わ)112号・平2(わ)140号・平2(わ)134号・平2(わ)116号・平2(わ)125号・平2(わ)117号・平2(わ)131号・平2(わ)129号・平2(わ)105号・平2(わ)120号・平2(わ)108号・平2(わ)133号・平2(わ)107号・平2(わ)138号・平2(わ)128号・平2(わ)132号・平2(わ)102号・平2(わ)114号・平2(わ)126号・平2(わ)208号・平2(わ)137号・平2(わ)124号・平2(わ)141号・平2(わ)130号・平2(わ)209号・平2(わ)110号・平2(わ)109号・平2(わ)135号・平2(わ)136号・平2(わ)115号・平2(わ)127号・平2(わ)139号・平2(わ)111号・平2(わ)121号・平2(わ)73号・平2(わ)122号・平2(わ)119号・平2(わ)106号・平2(わ)123号 公職選挙法違反被告事件
(96)平成 5年 5月13日  大阪地裁  平4(ワ)619号 損害賠償請求事件
(97)平成 5年 2月18日  最高裁第一小法廷  平4(行ツ)175号 市議会議員の当選の効力に関する裁決取消請求事件
(98)平成 4年12月17日  名古屋高裁  平4(行ケ)1号 参議院議員選挙当選無効請求事件
(99)平成 4年11月19日  名古屋高裁  平2(う)261号 公職選挙法違反事件
(100)平成 4年 7月30日  名古屋高裁  平3(行ケ)6号 市議会議員の当選の効力に関する裁決取消請求事件


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選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
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