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「選挙 立候補 ポスター」に関する裁判例(15)平成30年11月29日  東京地裁  平29(行ウ)149号・平29(行ウ)375号 不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件

「選挙 立候補 ポスター」に関する裁判例(15)平成30年11月29日  東京地裁  平29(行ウ)149号・平29(行ウ)375号 不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件

裁判年月日  平成30年11月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(行ウ)149号・平29(行ウ)375号
事件名  不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件
裁判結果  請求棄却  上訴等  控訴  文献番号  2018WLJPCA11298005

出典
労判 1201号31頁
中央労働時報 1246号47頁(要旨)

評釈
道幸哲也・労働法律旬報 1941号6頁

裁判年月日  平成30年11月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(行ウ)149号・平29(行ウ)375号
事件名  不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件
裁判結果  請求棄却  上訴等  控訴  文献番号  2018WLJPCA11298005

平成29年(行ウ)第149号 不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件(以下「甲事件」という。)
平成29年(行ウ)第375号 不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件(以下「乙事件」という。)

当事者の表示 別紙1当事者目録記載のとおり

 

 

主文

1  原告らの請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告らの負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
中央労働委員会が平成25年(不再)第47号事件について平成29年1月11日付けでした命令を取り消す。
第2  事案の概要等
本件は,参加人の従業員で組織するa労働組合の組合員であった別紙2記載の32名が,参加人において,同32名が組合活動をしたことを理由として同人らの平成元年度から平成5年度までの昇格及び昇給について差別をし,その結果として本件組合の運営を支配又はこれに介入し,労働組合法7条1号及び3号に違反したとして,東京都労働委員会に救済を求める旨の申立てをしたのに対し,同申立てを却下又は棄却する旨の命令がされ,同32名のうち30名又はその承継人らが,これを不服として中央労働委員会に再審査の申立てをしたところ,同申立てをいずれも棄却する旨の命令がされたことから,同再審査申立人らの一部である原告らが,同命令の取消しを求める事案である。
1  前提事実
証拠等を掲記していない事実は,当事者間に争いがない事実,当裁判所に顕著な事実及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。
(1)  当事者等
ア 原告ら
(ア) 別紙2記載の32名(以下「本件救済申立人ら」という。)は,いずれも参加人の従業員であった者であり,その生年月日,最終学歴,入社年月,退職年月及び所属事業所は,別紙2記載のとおりである。
本件救済申立人らのうち,J(以下「亡J」という。)は平成13年8月22日,X11(以下「亡X11」という。)は平成18年4月4日,X1(以下「亡X1」という。)は平成20年2月7日,X24(以下「亡X24」という。)は平成22年8月1日,X21(以下「亡X21」という。)は平成23年6月27日,K(以下「亡K」という。)は平成24年8月1日,それぞれ死亡した(以下,上記6名を除く本件救済申立人らを個別に呼称する場合,X3は「X3」というように原則として姓のみで表記する。)。
(イ) 原告らは,本件救済申立人ら及びその相続人らの各一部であり,甲事件原告X12,同X13及び同X14は亡X11の,甲事件原告X2は亡X1の,甲事件原告X25及び同X26は亡X24の,甲事件原告X22は亡X21のいずれも相続人である。
イ 参加人
参加人は,菓子,牛乳,乳製品等その他食品及びそれらの原材料の製造,販売等を業とする株式会社であり,平成元年度から平成5年度までの商号はb株式会社であった。参加人は,平成28年3月31日時点で,5つの支社及び30の工場を有しており,従業員数は1万0805名であった。
ウ 本件組合
(ア) a労働組合(以下「本件組合」という。)は,参加人の従業員で組織する労働組合である。
(イ) 参加人の従業員には,昭和30年代後半から,人員配置の見直し,人員削減,三交代勤務制等の生産合理化運動,後述の新職分制度の導入等の参加人の施策に反対する活動を本件組合内外で行っている集団(以下,後記の集団的考察が可能な集団性を具備しているかは別として,「申立人ら集団」という。)があり,本件救済申立人らは,いずれも本件組合の組合員であり,かつ,同集団に所属していた。
他方,本件組合の各支部では,昭和41年頃には,静岡工場のc会,愛知工場のd会及びe会並びに福岡工場のf会が,同年2月には戸田橋工場のg会が,同年3月には市川工場のh会が,同年5月頃には大阪工場のi会が,昭和43年頃には,北陸工場のj会及び京都工場のk会が,それぞれ結成されたところ,これらはいずれも労使協調路線を採る組織(以下「インフォーマル組織」という。)であり,本件組合の支部役員選挙等において申立人ら集団と対立していた。
(ウ) その後,インフォーマル組織が推進する者らが本件組合の支部役員や職場代議員に当選するようになり,申立人ら集団が選挙に立候補しても落選するようになった。申立人ら集団は,インフォーマル組織が推薦する候補者が本件組合の支部執行部を占めるようになった後も,引き続き,労働環境や職場環境の改善に関する意見を述べるなどの活動のほか,岡山工場所属の組合員の昇格差別に関する救済申立て,福岡工場所属のX34に対する戒告処分の無効確認訴訟並びにX17,X23及びX27による損害賠償請求訴訟(以下「X17ら損害賠償請求訴訟」という。)の3事件を支援するなどの活動を行っていた。
また,申立人ら集団は,昭和59年には,参加人が長年にわたって申立人ら集団に対して昇格及び昇給について差別(以下,昇格及び昇給を「昇格等」といい,昇格等についての差別を「昇格等差別」という。)を繰り返しているとして,その是正を目的とする「l全国連絡会」(以下「全国連絡会」という。)を結成し,平成4年11月6日,参加人に対し,全国7工場に所属する42名の署名押印がある「労働組合活動を理由とした賃金昇格差別是正を求める要求書」(以下「差別是正要求書」という。)を提出し,昇格等差別の是正等を要求した(乙AB21)。同要求書の署名者42名には,本件救済申立人らのうち27名が含まれていた。
(エ) 申立人ら集団は,昭和44年頃には全国合計約330名であったが,その後減少し,平成元年から平成5年までは,本件救済申立人ら32名,後記(2)アのm支部の組合員32名,その他23名の合計87名であった。上記23名は,いずれも本件救済申立人らと同様の時期に採用され,退職まで後記の事業所採用者経路であり続けた者である。
(2)  参加人の職分制度,賃金制度及び人事考課制度
ア 職分制度
(ア) 職分規則の制定
参加人は,昭和44年4月1日付けで職分制度を改正し,職分規則を制定した(以下,改正後の職分制度を「新職分制度」という。)。同規則において,職分とは,従業員の保有する職務遂行能力による区分をいい,職分制度とは,従業員の保有する職務遂行能力に応じて,従業員を各職分に格付けし,能力に応じた配置,昇格,昇給又は降格を行い公正な人事管理の実現に資するためのものとされている。
(イ) 職分の種類
職分は,新職分制度の導入当初,低位の職分から順に,技能職,基幹職2級,基幹職1級,基幹監督職,管理補佐職3級,管理補佐職2級,管理補佐職1級,管理企画職2級,管理企画職1級,管理職3級,管理職2級及び管理職1級の12階級に区分された。また,平成4年4月の職分規則の改正後は,上記のうち管理職3級,管理職2級及び管理職1級の3階級が廃止され,これらに代わる管理企画職1級より上の階級として,経営職2級,経営職1級,上級経営職2級及び上級経営職1級の4階級が設けられ,合計13階級に区分されることとなった。なお,上記各職分ごとの定員は設けられていない。
同月改正後の職分規則によれば,技能職,基幹職2級,基幹職1級及び基幹監督職(以下,連続する職分を呼称する場合,「技能職から基幹監督職まで」というように表記する。)の定義は次のとおりである。
〈表省略〉
(ウ) 職分の経路別管理
a 新職分制度は,従業員を経路別に管理して処遇等を決定する仕組みを採用しており,経路ごとに最終到達職分や昇格条件が異なる。
b 新職分制度における経路には,事業所採用者経路,第1種詮衡試験合格者経路,第2種特例詮衡試験合格者経路,第2種詮衡試験合格者経路及び第3種詮衡試験合格者経路がある。従業員は,経路が1度決定した後も,後述する4種類の詮衡試験を受験し合格することで,経路を変更することが可能である。
上記各経路のうち,事業所採用者経路とは,非転勤要員として事業所ごとに採用された従業員が歩む経路であり,同経路における最終到達職分は,昭和60年4月の職分規則改正前は基幹職1級であり,その後は基幹監督職である。また,第1種詮衡試験合格者経路とは,昇格経路が事業所採用者経路である技能職又は基幹職2級の従業員の中から将来基幹監督職以上になり得る能力を有する者を早期に選抜するための試験である第1種詮衡試験又はこれに相当する後述の移行格付試験に合格した者が歩む経路であり,同経路における最終到達職分は基幹監督職である。
c 新職分制度の導入に当たり,本件救済申立人らを含む一般職の従業員は,昭和43年に実施される移行格付試験を受験するか否か及びその合否に応じて格付けされることとなり,移行格付試験を受験して合格した者は,第1種詮衡試験合格者経路の基幹職2級又は基幹職1級に格付けされ,移行格付試験を受験しなかった者及びこれを受験したが不合格となった者は,事業所採用者経路の技能職に格付けされることとなった。
(エ) 昇格
各従業員の職分は,原則として,毎年4月1日付けで昇格若しくは降格し又は前年度と同一職分に据え置かれるところ(以下,同日付けで実施される職分の昇格若しくは降格又は据え置きを「昇格決定行為」という。),昇格には,次のとおり,一般昇格,特別昇格及び再昇格の3種類がある。
a 一般昇格
上位職分の職務遂行能力を保有すると認められた場合に行われる昇格である。一般昇格のためには,(a)最低経過年数,(b)人事考課成績基準及び(c)職務遂行能力判定基準の3要件を満たす必要があるところ,それぞれの内容は次のとおりである。
(a) 最低経過年数
上位職分の職務遂行能力を保有するために最低限必要とされる年数である。
昭和60年4月の職分制度改正後において,事業所採用者経路及び第1種詮衡試験合格者経路の最低経過年数は次のとおりである。
なお,いずれの経路も最終到達職分は基幹監督職である。
〈表省略〉
(b) 人事考課成績基準
現職分到達後の経過年数に応じ,一定期間に一定以上の人事考課成績を得ることを内容とする基準である。後述のとおり,参加人における人事考課成績は業績評定成績,能力評定成績及び総合評定成績の3区分に分かれているところ,人事考課成績基準には業績評定成績及び能力評定成績が用いられる。
昭和44年4月の新職分制度導入時は,経過年数に応じた区分けはなく,かつ,経路及び職分に応じ直近6か年,7か年又は9か年の業績評定成績及び能力評定成績が全てC以上であれば人事考課成績基準を満たすものとされていたが,その後複数回にわたって改正され,昭和61年の改正により,技能職から基幹職1級までの従業員の人事考課成績基準は,第2種詮衡試験合格者経路の者及び大卒で本社採用の者をそれぞれ除くほか,次のとおりの内容となった。
〈表省略〉
(c) 職務遂行能力判定基準
各職分に必要となる知識及び業務遂行能力を有しているか否かを判定するための基準である。
本件救済申立人らのうち,平成元年度から平成5年度までの間,経過年数及び人事考課成績基準を満たしているにもかかわらず職務遂行能力判定基準により昇格しなかったのは,平成3年度におけるX33のみであるところ,同人は平成4年度に昇格している。
b 特別昇格
詮衡試験に合格し,経路を変更した者について行う昇格である。
詮衡試験には,第1種,第2種,第2種特例及び第3種の4種類があるところ,本件救済申立人らの中で,詮衡試験の受験資格があるにもかかわらずその受験を認められなかった者や,詮衡試験に合格したにもかかわらず特別昇格が認められなかった者はいない。
c 再昇格
従業員が現在の職分における職務遂行能力を発揮できないとして降格された後の昇格である。
本件救済申立人らの中で降格した者はおらず,再昇格が問題となり得る者はいない。
(オ) 従業員への説明
参加人は,毎年4月1日,昇格者に対し,昇格した旨を口頭で通知しており,工場によっては昇格者を事業所内に掲示するなどして周知を行っていた。また,参加人は,新職分制度の改正を行う場合,その内容を事前に本件組合に説明した上で,事業所内での掲示や組合員ハンドブックと題する小冊子への掲載等の方法により各従業員に周知していた。
イ 賃金制度
(ア) 賃金の種類等
参加人の賃金制度は,昭和44年4月1日付けで改正された給与規則に定められ,その後複数回にわたり改正されている。
平成5年4月改正後の給与規則によれば,技能職から管理企画職までの従業員に支払われる賃金の種類は,基準月額賃金(本給,職分給,班長手当等),割増賃金(時間外勤務手当等)及びその他の賃金(賞与等)である。
本給及び職分給が基準月額賃金に占める割合は,同月1日時点で見ると,本給が約53.3%であり,職分給が約36.3%であり,その他が約10.4%である。また,基準月額賃金のうち,都市手当は本給及び職分給の合計額の5%であるが,他の手当は属人的な基準により一定額が支給される。
(イ) 賃金の決定及び支払の時期
各従業員の賃金は,毎年4月1日付けで決定される(以下,同日付けで行われる賃金の決定行為を「賃金決定行為」という。)。同日付けで決定された賃金は,月額賃金については同月25日から翌年3月25日までの毎月25日に(以下,各年の賃金決定行為に基づく翌年3月25日の賃金支払日を「最終賃金支払日」ということがある。),賞与については賃金の決定された年の6月及び12月に,それぞれ支払われる。
(ウ) 昇給
賃金の種類ごとの昇給の仕組みは次のとおりである。
a 本給
(a) 初任本給額は,学歴及び年齢に応じ従業員ごとに定められる。
(b) 本給の増額には,毎年4月1日付けで行われる定期昇給及び昇格した場合に行われる調整額の加算がある。
定期昇給額は,職分及び総合評定成績に応じ定められている。平成5年度の定期昇給額は,同年4月1日時点で満50歳未満の従業員については次のとおりであり,同月時点で満50歳以上の従業員についてはその半額である。
〈表省略〉
(c) 参加人は,平成元年度から平成5年度までの各年度において,本件組合と交渉の上,定期昇給のほか,定率,定額及び特別昇給の3つの方法により本給の昇給を行った。定率昇給は,全従業員一律に前年度の本給に一定割合を乗じた額を加算するものであり,定額昇給は,全従業員一律に一定額を加算するものであり,特別昇給は,各従業員の総合評定成績に応じて一定額を加算するものである。
平成5年度の上記各方法による昇給幅は次のとおりである。
〈表省略〉
b 職分給
(a) 職分給額は,従業員の職分及び号給(以下「職分等」という。)に対応して定められるものであり,本件組合との賃金引き上げ交渉を経てされた合意に基づき,毎年4月1日付けで改定される。
(b) 号給は,職分ごとに設けられており,毎年4月1日付けで,昇号給若しくは降号給し又は前年度のまま据え置かれる。
昇号給は,同年1月1日付けの総合評定成績に応じ1号給ずつ行われる。技能職から基幹監督職までの従業員の場合,2号給,3号給,4号給及び5号給への各昇号給には同総合評定成績におけるC考課以上が,6号給への昇号給には同総合評定成績におけるB考課以上又は前年度から2年連続のC考課が,7号給への昇号給には同総合評定成績におけるB考課以上が,それぞれ必要となる。また,職分の昇格があった場合には,昇格後の職分の1号給に格付けられる。
降号給は,一定期間の総合評定成績がD考課以下の場合に1号給ずつ行われるところ,技能職6号給及び7号給の従業員並びに基幹職2級から基幹監督職までの従業員の場合,いずれもD考課以下が3年連続すると降号給する。なお,各職分の1号給の従業員は下位の号給がないため降号給することはなく,また,技能職2号給から5号給までの従業員も降号給しないものとされている。
(c) 平成5年度の技能職から基幹監督職までの職分給額は,次のとおりである。
〈表省略〉
(エ) 従業員への通知
参加人は,毎年,本件組合との賃金引き上げ交渉妥結後,各年度の本給及び職分給を4月1日付け昇給通知に記載し,上司が従業員に対し同通知を交付している。
ウ 人事考課制度
(ア) 新たな人事考課制度の実施
参加人は,昭和44年度の新職分制度実施に合わせて,昭和45年度から新たな人事考課制度を実施した。
平成元年度から平成5年度までの参加人の人事考課制度の概要は,次の(イ)から(キ)までのとおりである。
(イ) 人事考課の時期及び対象期間並びにその昇格等への反映
参加人は,毎年1月1日付けで従業員の人事考課を実施しており,その対象期間は前年1月1日から同年12月31日までの1年間である。各年における人事考課の結果は,同年の昇格等に反映される。
例えば,平成5年度の人事考課は,平成4年1月1日から同年12月31日までを評定期間として平成5年1月1日付けで実施し,その結果は同年4月1日付けの昇格等に反映される。
(ウ) 人事考課権者
工場に所属する従業員については,職分及び所属工場ごとに,主任が予備評定を行った上,第1次評定者及び第2次評定者がそれぞれ後述の方法により評定を行い,これらに基づき人事考課成績を決定する。
第1次評定者及び第2次評定者は,事業所の形態や被評定者の職分によって異なり,市川工場,戸田橋工場,愛知工場,京都工場,大阪工場や福岡工場等の製造課や業務課といった組織を有する課制工場においては,技能職から基幹監督職までの従業員を評定する場合,第1次評定者は係長,第2次評定者は課長となる。他方,根室工場,静岡工場や北陸工場等の係までの組織しか持たない非課制工場においては,技能職から基幹監督職までの従業員を評定する場合,第1次評定者は係長,第2次評定者は工場長である。
人事考課成績の決定権者は,工場に所属する技能職から基幹監督職までの従業員については,工場長である。
(エ) 人事考課成績の種類
人事考課成績には,業績評定成績,能力評定成績及び総合評定成績がある。
業績評定成績は,評定期間中における各従業員の業績,執務態度及び勤怠を評価するものである。能力評定成績は,評価期間中に各従業員が発揮した顕在的な能力及び他の職務遂行でもその成果を十分期待できる潜在的な能力を評価するものである。総合評定成績は,業績評定成績と能力評定成績とを総合して評価するものである。
前記ア(エ)a(b)並びにイ(ウ)a(b)及びb(b)のとおり,業績評定成績及び能力評定成績は一般昇格の決定に,総合評定成績は本給の昇給及び職分給の昇号給の決定に用いられる。
(オ) 人事考課成績の決定方法
工場に所属する従業員の人事考課成績は,職分及び所属工場ごとに,各従業員の業績評定点及び能力評定点を決定し,両評定点に基づいて総合評定点を決定した上,各評定点に基づき,業績評定成績,能力評定成績及び総合評定成績をそれぞれAからFまでの6段階で決定する方法により決定される。具体的には,次のとおりである。
a 評定点について
(a) 業績評定及び能力評定については,職分ごとにそれぞれ複数の評定項目が定められており,各評定項目がAからEまでの5段階又はAからFまでの6段階で評定される。いずれの評定項目も,C考課が標準成績である。
評定項目ごとの評定は,第一次評定者及び第二次評定者がいずれもAとした場合には10点,片方がAとし他方がBとした場合には9点というように,0点から10点までに数値化される(以下,このようにして数値化された点数を「評定項目素点」という。)。この評定項目素点に,評定項目ごと及び職分ごとに予め定められた係数(以下「第一次評定係数」という。)を乗じた上,その点数を合計したものが,業績評定点及び能力評定点となる。同係数は,業績評定点及び能力評定点のいずれについても合計が10となるよう定められているため,両評定点の最高点はいずれも100点である。
業績評定点については,更に勤怠に基づく減点がされる。すなわち,傷病欠勤は1日につき1点,事故欠勤は1日につき2点,無断欠勤は1日につき3点,無断遅刻及び無断早退は1回につき1点,遅刻及び時間内早退は3回につき1点の各減点がされる(以下,これらの減点を「欠勤減点」といい,業績評定点から欠勤減点を減じた点数を「業績考課点」という。)。
(b) 総合評定点は,業績評定点(欠勤減点がある場合は業績考課点。以下同じ。)及び能力評定点のそれぞれに,職分ごとに予め定められた係数(以下「第二次評定係数」といい,第一次評定係数と併せて「評定係数」という。)を乗じた上,これらを合計することにより求める。なお,技能職の第二次評定係数は,業績評定点につき0.7,能力評定点につき0.3であり,基幹職2級の第二次評定係数は,業績評定点につき0.65,能力評定点につき0.35であり,基幹職1級の第二次評定係数は,業績評定点につき0.6,能力評定点につき0.4である。
(c) 評定期間中における就労制限の期間が通算4か月以上に及ぶ者は,各評定点につき減点がされる。
b 評定成績について
評定成績は,業績評定点,能力評定点及び総合評定点に基づき,A考課からF考課までの6段階で決定される。
(a) 業績評定成績は,業績評定点及びA考課からF考課までの各段階の定義に照らして決定される。決定に際しては,点数と成績を直接結び付けるのではなく,対象者全員の点数分布,すなわち,点数の高さ,その順序,その集散の度合い等を勘案した上,後述する分布目安が参考とされ,何点以上であればC考課といった対応関係はない。
能力評定成績は,能力評定点及びA考課からF考課までの各段階の定義に照らして決定される。能力評定成績については,後述する分布目安はなく,何点以上であればC考課といった対応関係もない。
技能職から基幹監督職までの業績評定成績及び能力評定成績の各段階の定義は,次のとおりである。
〈表省略〉
(b) 総合評定成績は,業績評定成績と同様,対象者全員の点数分布を踏まえ,後述する分布制限を参考に決定される。なお,総合評定成績の各段階に定義はない。
(カ) 人事考課成績の分布等
a 参加人は,業績評定成績及び総合評定成績については,成績の分布に関する一定の目安(以下「分布目安」という。)を設けており,同一工場に所属する同一職分の従業員間で,分布目安を踏まえた成績決定を行っている。他方,能力評定成績については,分布目安はない。
参加人は,技能職から基幹監督職までの従業員の各事業所間の成績分布について,他の事業所と著しく均衡を欠く事業所がある場合,成績分布の事業所間の相違が大きくならないよう,該当事業所に変更を指示して調整を行うことがあった。
b 参加人の賃金専門委員会作成の昭和43年12月6日付け答申書には,評定の分布は原則としてA考課を5%,B考課を15%,C考課を60%,D考課を15%,E考課を5%とする旨の記載がある(乙AC17)。
c 実際の人事考課成績においては,A考課はほとんどなく,E考課以下は病気欠勤の場合等であり,B考課からD考課までが大半である。
(キ) 苦情処理制度
a 参加人は,昭和33年以降,本件組合との労働協約に基づき,組合員の労働条件及び人事に関する個人的苦情を公正に解決することを目的とする苦情処理制度を設けている。
参加人の本社には中央苦情処理委員会が,工場等の各事業所には事業所苦情処理委員会が設置されている。事業所苦情処理委員会は,事業所長及び組合支部長がそれぞれ選定する労使同数の委員により構成され,事業所長が委員長を務めている。
苦情申立ては,まず事業所苦情処理委員に対して口頭で行われ,同委員が申立人から苦情内容を聴取した上で,事業所苦情処理委員会の開催を必要と認めた場合,申立人は所定事項を記載した苦情処理申立書を同委員会に提出する。この申立ては,組合員が苦情申立ての理由となるべき事実を知り又は知り得た時から1か月以内に行わなければならない。
苦情申立てを受理した事業所苦情処理委員会の委員長は,速やかに委員会を開催し,開催後原則として10日以内に全委員の3分の2以上の合意をもって裁定する。全委員の3分の2以上の合意に達しない場合,中央苦情処理委員会に付議するのが妥当と認めた場合又は事業所苦情処理委員会の裁定に対して申立人に不服があり,かつ,担当組合支部がその不服を認めた場合には,苦情処理は中央苦情処理委員会に移行する。
中央苦情処理委員会においても,事業所苦情処理委員会におけるのと同様の手続がとられるが,ここでも合意に達しない場合又は経営協議会に付議するのを妥当と認めた場合は,社長に上申がされ,社長は経営協議会に苦情を付議して協議する。
b 本件救済申立人らは,平成元年度から平成5年度までの間,上記苦情処理制度に基づく苦情申立てを行わなかった。
(ク) 従業員への説明
参加人は,新人事考課制度の実施に当たり,評点項目ごとの着眼点と評定段階,評点項目ごとの評定係数,評定の分布等の内容を従業員に公開しており,人事考課成績基準の変更をする場合には,その内容を事前に本件組合に説明した上で,事業所への掲示や組合員ハンドブックと題する小冊子への掲載等の方法により各従業員に周知している。
また,参加人は,毎年,従業員に対し,業績評定成績,能力評定成績及び総合評定成績を記載した4月1日付け人事考課成績通知を交付している。その際,上司から従業員に対し,評定の根拠,業務遂行上の注意点,期待する点等も説明している。
(3)  本件救済申立人らの職分,号給,人事考課成績等
ア 本件救済申立人らの職分及び経路
(ア) 昭和55年度から平成5年度までの本件救済申立人らの職分は別紙3のとおりであり,各職分の人数及び割合は別紙4のとおりである。
(イ) 本件救済申立人らのうち,昭和43年に実施された移行格付試験を受験したのは亡X1,X7及びX10の3名のみであり,X10のみがこれに合格して第1種詮衡試験合格者経路に位置付けられた。また,X17,X23及びX27は,昭和50年1月30日,X17ら損害賠償請求訴訟を大阪地方裁判所に提起し,昭和61年8月,同訴えにつき参加人との間で裁判上の和解をした結果,いずれも同年4月1日付けで第1種詮衡試験合格者経路に位置付けられた。
その余の本件救済申立人ら28名の経路は,いずれも平成元年度から平成5年度まで事業所採用者経路であった。
イ 本件救済申立人らの号給等
平成元年度から平成5年度までの本件救済申立人らの職分及び号給は別紙5のとおりである。
ウ 本件救済申立人らの人事考課成績等
(ア) 平成元年度から平成5年度までの本件救済申立人らの人事考課成績は別紙6のとおりである。
このうち,亡X24は,平成3年度の人事考課対象期間中に急性肝炎を患い,年次有給休暇を消化した後,平成2年10月6日から1か月間傷病欠勤し,休職規定に基づき同年11月6日から22日までの17日間にわたり一般傷病休職した。X18は,平成元年度から平成5年度までの人事考課対象全期間を通じて,十二指腸潰瘍又は胃潰瘍を理由に夜勤作業免除の就労制限を申し出ており,同期間について夜勤作業に従事していなかった。X20は,平成元年度から平成3年度までの人事考課対象全期間及び平成4年度の人事考課対象期間のうち約5か月間(平成3年1月1日から同年6月5日まで)について,胃潰瘍を理由に夜勤作業免除の就労制限を申し出ており,同期間について夜勤作業に従事していなかった。
(イ) 昭和55年度から昭和59年度までの市川工場における技能職から基幹職1級までの従業員の人事考課成績分布は,別紙7「市川工場における技能職から基幹職1級の従業員の人事考課成績分布」のとおりである。
(4)  本件命令に至る経緯等
ア 市川工場事件の経緯
(ア) 本件組合のm支部の組合員であった32名(以下「市川工場事件申立人ら」といい,本件救済申立人らと併せて「両事件申立人ら」という。)は,昭和60年4月18日又は昭和61年3月19日,参加人が,市川工場事件申立人らに対し,組合活動をしたことを理由として昭和55年度から昭和60年度まで昇格等差別をし,その結果として同支部の運営を支配し又はこれに介入し,労働組合法(以下「労組法」という。)7条1号及び3号に違反した旨主張して,東京都労働委員会に不当労働行為救済申立てを行い,救済方法として,昇格等差別がなければ市川工場事件申立人らに支払われるべきであった賃金と現に支払われた賃金との差額及びこれに対する遅延損害金の支払,損害賠償として各300万円の支払並びに陳謝文の手交及び掲示を求めた(以下,同申立てに係る一連の事件を総称して「市川工場事件」という。)。
東京都労働委員会は,平成8年7月2日付けで,同救済申立てのうち,昭和55年度から昭和58年度までの昇格等差別に関するものは労組法27条2項に定める除斥期間を経過したとしていずれも却下し,昭和59年度及び昭和60年度の昇格等差別に関するものは両年度の昇格等につき組合活動を理由として不利益な取扱いがされたとはいえないとしていずれも棄却する旨の命令をした。
(イ) 市川工場事件申立人らは,平成8年9月24日,東京都労働委員会の命令を不服として中央労働委員会に再審査申立てをした。
同委員会は,平成14年1月9日付けで,①同再審査申立て係属後に死亡したL,M及びN(以下,それぞれ「亡L」,「亡M」,「亡N」という。)の申立てについては,平成16年12月中央労働委員会規則第二号による改正前の労働委員会規則(以下「労委規則」という。)34条1項7号所定の期間内に承継の申出がなかったとしていずれも却下し,②その余の29名の申立てについては,東京都労働委員会の上記命令と同旨の理由により,いずれも棄却する旨の命令をした(以下「市川工場事件再審査命令」という。)。
(ウ) 市川工場事件申立人らのうちLを除く者又はその承継人ら(以下「市川工場事件原告ら」という。)は,市川工場事件再審査命令を不服として同命令の取消しを求める訴えを東京地方裁判所に提起したが,同裁判所は,平成16年5月31日付けで,亡Lの訴えについては取消しを求める利益がないとして却下し,亡M及び亡Nの請求については前記(イ)①と同様に前記所定の期間内に承継の申出がなかったとし,その余の29名の請求については,前記(ア)と同旨の理由により,いずれも棄却する旨の判決を言い渡した。本件訴訟における原告ら訴訟代理人は,いずれも市川工場事件原告らの第一審における訴訟代理人に選任されていた(乙B3)。
市川工場事件原告らは,同判決を不服として東京高等裁判所に控訴を提起したが,同裁判所は,平成19年3月28日付けで,労組法27条2項の「継続する行為」には,継続して行われる一括して一個の行為が含まれるとし,これに該当するか否かは,各行為の具体的な目的,態様,効果及び関連性,時間的接着性等を総合して,各行為が一括して一個の行為と評価できるか否かにより判断すべきであるとした上で,職分及び号給の格付行為を不当労働行為とする救済申立てに関しては,格付行為に基づく最終賃金支払日が除斥期間の起算点になるとして,昭和55年度から昭和58年度までについての救済申立ては,同項の除斥期間経過により不適法であるとし,昭和59年度及び昭和60年度についての救済申立ては,参加人が,上記各年度の昇格等に影響を及ぼす人事考課成績決定行為につき組合活動等を嫌悪して不利益に取り扱ったとは認められないなどとして,同控訴をいずれも棄却する旨の判決を言い渡した。本件訴訟における原告ら訴訟代理人は,いずれも同控訴について控訴人らの訴訟代理人に選任されていた(乙B4)。
同控訴人らは,同判決を不服として最高裁判所に上告の提起及び上告受理申立てをしたが,同裁判所は,平成21年2月17日付けで,上告を棄却する旨及び上告を受理しない旨を決定した。
イ 本件命令
(ア) 本件救済申立人らは,平成6年7月6日,参加人が,本件救済申立人らに対し,組合活動をしたことを理由として平成元年度から平成5年度まで昇格等差別をし,その結果として本件組合の運営を支配し又はこれに介入し,労組法7条1号及び3号に違反した旨を主張して,東京都労働委員会に救済を求める旨の申立て(以下「本件救済申立て」という。)を行い,救済方法として,平成元年度から平成5年度までの職分等の是正,昇格等差別がなければ本件救済申立人らに支払われるべきであった賃金と現に支払われた賃金との差額及びこれに対する遅延損害金の支払,損害賠償として各300万円の支払,職分,職務内容,賃金等についての差別的取扱いの禁止並びに陳謝文の手交及び掲示を求めた。
東京都労働委員会は,平成25年6月18日付けで,①亡J及び亡K(以下「亡J等」という。)の申立てについて,承継人から労委規則33条1項7号所定の期間内に承継の申し出がなかったとしていずれも却下し,②その余の本件救済申立人ら又はその承継人らの申立てについて,平成元年度から平成4年度までの昇格等差別に関するものは労組法27条2項に定める除斥期間を経過したとしていずれも却下し,平成5年度の昇格等差別に関するものは同年度の昇格等につき組合活動を理由に不利益な取扱いがされたとはいえないとしていずれも棄却する旨の命令をした(甲2)。
本件救済申立人ら又はその承継人らは,平成25年7月9日,同命令の命令書の交付を受けた。
(イ) 本件救済申立人らのうち亡J等を除く者又はその承継人ら(以下「本件再審査申立人ら」という。)は,平成25年7月22日,東京都労働委員会の命令を不服として中央労働委員会に対して再審査の申立てをした。
同委員会は,平成29年1月11日付けで,前記(ア)②と同旨の理由より,同再審査の申立てをいずれも棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)をし,本件再審査申立人らは,同年2月17日,本件命令の命令書の交付を受けた。
(ウ) 甲事件原告らは,平成29年4月6日,甲事件について訴えを提起し,乙事件原告は,同年8月10日,乙事件について訴えを提起した。
ウ 両事件申立人らの関係
両事件申立人らは,いずれも申立人ら集団に所属しており,前記のとおり,市川工場事件の申立てに先立つ昭和59年には,参加人の申立人ら集団に対する昇格等差別の是正を目的とする全国連絡会を結成するなどの活動を協力して行っていた。
2  争点
本件では,不当労働行為の成否を判断する必要がある期間の範囲に関して,平成4年度以前の昇格等差別についての除斥期間の成否(争点1)が争点となる。
次に,争点1の判断により定まった判断の対象となる期間における不当労働行為の成否(争点2)が争点となる。不当労働行為の成否(争点2)の判断に当たっては,(1)集団的考察の可否を含めた集団間における格差の有無等,(2)参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪していたか否か,(3)個々人の勤務成績等に基づく格差の合理性の有無が争点となり,不当労働行為の成立が認められる場合には,救済内容(争点3)も争点となる。
3  争点に対する当事者の主張
(1)  争点1(平成4年度以前の昇格等差別についての除斥期間の成否)について
(原告らの主張)
次のアからウまでの諸点等に鑑みれば,平成元年度から平成5年度までの昇格等差別はいずれも労組法27条2項所定の「継続する行為」(以下「継続する行為」という。)に該当し,平成4年度以前の昇格等差別についての除斥期間は経過していない。
ア 多年度にわたり継続する昇格等差別(以下「継続的昇格等差別」という。)は,前年度の差別の上に,その差別意思を再確認しつつ本年度の差別を加重し,これを反復継続するという特性を持つものであり,一貫する不当労働行為意思に基づき反復継続するものであるから,多年度にわたる差別の全体を一個の継続する不当労働行為ととらえるべきである。すなわち,本件では,昭和44年4月の新職分制度の導入等によって本件救済申立人らに対する昇格等差別が開始され,その後平成5年度に至るまで差別が一貫して継続しているものであるから,その全体が一個の継続する不当労働行為である。
イ 継続的昇格等差別については,労組法27条2項が除斥期間を設けた趣旨がいずれも妥当しない。
すなわち,同項が除斥期間を設けた趣旨は,①不当労働行為の日から1年を経過してから申立てがされた場合には証拠収集及び実情把握が困難になること,②この場合に命令を出すことはかえって労使関係の安定を阻害するおそれがあること及び③この場合には命令を出す実益がないときもあることである。
しかし,上記①については,昇格等に関する情報は使用者が独占しているのであるから,これに関する格差は相当程度の期間が経過して初めて顕在化するのであり,証拠収集及び実情把握に相当程度の期間を要することが通常である。上記②については,除斥期間を理由として継続的昇格等差別に対する救済をしない場合,不当労働行為により形成された差別が存する状況を容認する結果となり,不当労働行為に対する救済を法定した趣旨に反する。上記③については,労働者は,実益があるからこそ救済を求めて申立てに及ぶのであり,とりわけ継続的昇格等差別については,差別は年々積み重ねられて拡大し,到底甘受できないほどの深刻な状態に至っていることが通例である。このように,上記①から③までは,いずれも継続的昇格等差別については妥当しない。
ウ 参加人においては,昇格の可否は,単年度の人事考課だけでは決することができず,複数年度の人事考課と密接不可分の関係にあるものとされることや,参加人は,継続的昇格等差別を本件救済申立人らに対する弱体化攻撃の中心に位置付け,昇格についての制度を度々改定するなどして格差を意図的に拡大した上,本件救済申立人らによる度重なる是正要求にも頑として応じなかったものであり,その不当労働行為意思は極めて堅固かつ悪質であること,参加人の不当労働行為により,本件救済申立人らと他の従業員との賃金格差は月例賃金額の約5か月分である年間約97万円に達し,これは本件救済申立人らが退職するまで是正されることはなく,退職金や年金額にまで深刻な影響を及ぼし続けていること等に照らせば,平成4年度以前の昇格等差別について除斥期間を経過したとすることはできない。
(被告の主張)
「継続する行為」とは,継続して行われる一括して一個の行為をいうが,この範囲をあまり緩やかに解すると労組法27条2項の趣旨を没却することとなるから,各行為の具体的な態様,目的,効果,関連性等を総合して判断すべきである。
参加人の人事制度においては,毎年4月1日付けで行われる昇格決定行為及び賃金決定行為(以下「昇格等決定行為」という。)並びにこれらに基づく翌年3月25日までの各月の賃金支払行為は,継続して行われる一括して一個の行為と評価することができるから,本件救済申立てのうち申立日からさかのぼって1年以内の最も早い賃金支払行為に対応する平成5年度の昇格等決定行為についての申立ては,除斥期間を経過したものではないが,平成元年度から平成4年度までの昇格等決定行為についての申立ては,各年度の最終賃金支払日から1年を経過した後の申立てであり,除斥期間を経過したものである。
(参加人の主張)
本件救済申立ては,市川工場事件の当時の審理経過に照らし,同事件が和解交渉に入るであろうとの見通しのもと,平成6年7月6日,本件救済申立人らを全国の工場から集めた上で申し立てられたものである。このことは,同申立人らが,救済申立ての理由である組合差別等に関して全く具体的な主張をすることなく,市川工場事件の救済申立書を添付して,市川工場事件におけるそれと基本的に同一であると主張し,その後11年にわたって救済申立ての理由を全く明らかにすることなく,放置してきた経緯等から明らかである。このように,市川工場事件と本件救済申立ての理由は基本的に同一であり,市川工場事件の東京高等裁判所判決において,「継続する行為」に該当するか否かは,各行為の具体的な目的,態様,効果及び関連性,時間的接着性等を総合して,各行為が一括して一個の行為と評価できるか否かにより判断すべきである旨判断され,この判断が最高裁判所において確定している以上,本件においてもこれによるべきである。
本件における昇格等決定行為については,各年度の最終賃金支払日における支払行為までを一括して一個の行為と評価すべきであるところ,平成元年度から平成4年度までの昇格等決定行為については,同支払行為の日から1年を経過した後に申立てがされており,除斥期間を経過したものである。
(2)  争点2(1)(集団間における格差の有無等)について
(原告らの主張)
ア 審理対象について
仮に平成4年度以前の昇格等差別が労組法27条2項所定の「継続する行為」に当たらないとしても,後述する累積格差の一括是正をするためには,申立日より1年以内の昇格等の時点において,使用者による不利益取扱いの事実が認められれば足りる。すなわち,同時点において,それ以前の使用者の行為により生じた職分及び賃金の格差(以下「職分等格差」という。)があれば足り,同格差が直近1年間の人事考課において低位な査定がされたことに基づいて生じたことは必須でない。
イ 集団的考察について
参加人は,申立人ら集団を1つの集団として把握し差別してきたものであるから,本件における不当労働行為の成否を判断するに当たっては,申立人ら集団を組合活動の面においては1つの集団とみた上で,参加人が市川工場事件において提出した「事業所採用者経路における申立人と同性・同期同学歴の組合員の昇格状況(Lを除く申立人31名を含む)」によって昭和55年度から2年度までの昇格状況を明らかにした462名から両事件申立人らを除いた414名(以下「その他集団」という。)等との間で,集団的考察を行うべきである。
ウ 有意な格差の有無について
次の(ア)から(ウ)までのとおり,本件救済申立人らとその他集団との間には,有意な職分格差,賃金格差及び人事考課成績上の格差がある。
(ア) 本件救済申立人らとその他集団との間には職分格差があり,これは年々拡大している。例えば,基幹職1級以上の者の割合についての格差は,昭和55年度には35%,昭和60年度には52.2%,平成2年度には61.2%,平成5年度には70.1%となって年々拡大している。
(イ) 申立人ら集団とその他集団の中位者(その他集団のうち,入社年度別にそれぞれの最上位職分と最下位職分から数えて中間に位置する者)との間には賃金格差があり,これは年々拡大している。その額は,昭和59年度には平均約47万円,昭和60年度には平均約53万円,平成5年度には平均約97万円となっており,同年度の時点で賃金月額の4か月分から5か月分に及んでいる。
(ウ) 次のとおり,本件救済申立人らの人事考課成績には意図的な偏りがある。
a 参加人の人事制度上,6号給以上への昇号給には総合評定成績でB考課以上を得ることが必要であり,基幹職1級以上への昇格には業績評定成績又は能力評定成績でB考課以上を得ることが必要であるから,B考課が公正に付与されているか否かが決定的に重要である。
本件命令によれば,B考課の標準的な人事考課分布は10%から20%までの範囲内とされているところ,それにもかかわらず,本件救済申立人らの平成3年度から平成5年度までの人事考課成績を見ると,B考課を受けた者は1名(約3.1%)又は2名(約6.3%)であることがほとんどであり,これは標準的な人事考課分布の3分の1程度にすぎない。また,本件救済申立人らのうち,同年度において総合評定成績でB考課以上を得られなかったために6号給以上への昇号給ができなかった者は14名に及んでいる。さらに,本件救済申立人らのうち,同年度において昇格に必要な経過年数を満たしていた者は18名いたところ,同18名の同年度の業績評定成績及び能力評定成績は,基幹職2級の者につきB考課が1個(1.7%)あったほかはいずれもC考課以下であり,B考課以上を得られなかったために昇格できなかった者は18名中17名に及んでいる。
b 参加人の人事制度上,基幹職2級へ昇格するためには,直近3年間の業績評定成績及び能力評定成績がいずれもC考課以上であることが必要である。
本件命令によれば,D考課の標準的な人事考課分布は10%から20%までの範囲内とされているところ,それにもかかわらず,本件救済申立人らのうち,平成5年度において基幹職2級への昇格に必要な経過年数を満たしていた7名の平成3年度から平成5年度までの業績評定及び能力評定を見ると,D考課以下が15個(35.7%)となっている。
(被告の主張)
ア 審理対象について
昇格等決定行為は年度ごとに独立して行われるものであるから,平成5年度における不当労働行為の成否を判断するに当たっては,同年度の昇格を決定付ける平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績並びに同年度の昇号給を決定付ける同年度の総合評定成績について検討すれば足りる。
イ 集団的考察について
本件救済申立人らは,集団性の具備に疑問の余地があるものの,昭和30年代後半から参加人の施策に反対する活動を行っており,労使協調路線を採るインフォーマル組織との間で激しく対立する状況にあったことや,参加人がその施策に賛同するインフォーマル組織の結成に関与していた疑いがあること等によれば,本件救済申立人らを組合活動の面において1つの集団と見た上で集団的考察を行うことは,不当労働行為の成否を判断するに当たって有益な面がある。
もっとも,参加人の人事制度はいわゆる職能型であり,年功的運用がされていたとはいえないことや,本件救済申立人らは,所属工場,入社時期,職分等にばらつきがあるなど,集団としてのまとまりの程度に疑問があること,本件救済申立人らは合計32名にすぎず,1名の査定結果がその人事考課成績分布に大きく影響すること等によれば,本件における集団的考察には一定の限界もある。
ウ 有意な格差の有無について
本件救済申立人らの人事考課成績分布と標準的な人事考課成績分布との格差が数%にとどまることや,前述した集団的考察の限界等を踏まえれば,両分布の格差は有意なものとはいえない。また,例外的事情により極端に成績が偏っている者を除外することは,集団的考察の前提となる集団の均質性を確保するための必須条件であり,これを除外した集団との比較結果をより重視すべきであるところ,本件救済申立人らのうち私病欠勤や夜勤作業免除の就労制限等の特別の事情により低位な査定となった者を除外した集団の人事考課成績は,いずれも標準的な人事考課分布の範疇に収まっており,これらの間に格差はない。
(参加人の主張)
ア 審理対象について
本件の争点は平成5年度の昇格等決定行為についての不当労働行為の成否であるところ,同年度の昇給は同年度の総合評定成績によって決定され,同年度の昇格は平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績によって決定されるのであるから,これらについて不当労働行為の成否を検討すれば足りる。
イ 集団的考察について
次の(ア)から(ウ)までの事情に鑑みると,本件救済申立人らとその他集団との間で集団的考察を行うことは許されない。
(ア) 参加人の人事制度は,昇給を人事考課成績に基づいて実施し,昇格を経過年数,人事考課成績及び職務遂行能力に基づいて実施する職能型の人事制度であり,年功的な運用はされていない。したがって,参加人の人事制度の運用上,同期かつ同学歴の従業員であるからといって昇格等の分布状況が近似するものではなく,同期かつ同学歴の従業員について昇格等の格差を論ずることは意味がない。
(イ) 参加人における人事考課は,事業所ごと,かつ,職分ごとに行われるものであり,昇格の要件等も昇格経路によって異なる。この点,本件救済申立人らは,市川工場事件の和解交渉を有利に進めるために全国9つの工場から集められた者にすぎず,所属する工場,組合支部,年齢,最終学歴,昇格経路等が異なっているから,参加人の人事制度上,一つの集団とみることはできない。
(ウ) 本件救済申立人らには,是正要求書に署名した42名のうち27名が含まれているところ,同27名の平成6年度における職分分布状況は,基幹監督職が0名(0%),基幹職1級が6名(22%),基幹職2級が17名(63%),基幹補佐職1級(旧技能職)が4名(15%)であるのに対し,是正要求書に署名したその余の15名から同年度までに退職した3名及び同年度の職分が不明な2名を除いた10名の同年度における職分分布状況は,基幹監督職が2名(20%),基幹職1級が5名(50%),基幹職2級が3名(30%),基幹補佐職1級が0名(0%)である。また,本件救済申立人らのうち残り5名の同年度の職分は,基幹監督職2級が4名であり,基幹監督職1級は1名のみである。このように,本件救済申立人らは,低位な査定を受けた者が恣意的に選び出されたものである。
ウ 有意な格差の有無について
仮に集団的考察を行うとしても,本件救済申立人らは32名と少数であり,1名の査定結果が分布に大きく影響することや,特別の事情によりD以下の査定を受けた者を除外した場合には低位な査定を受けた者の割合は標準的な人事考課分布の範囲内に収まること,本件救済申立人らは全国9つの工場に分かれて所属する者であるから,人事考課制度の運用に多少の相違が生ずることは当然であること,本件救済申立人らの人事考課分布は,C考課が最も多く,その余をB考課とD考課が占めている点で,標準的人事考課分布と分布傾向が合致すること等からすれば,集団間に有意な格差が存在するとはいえない。
(3)  争点2(2)(参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪していたか否か)について
(原告らの主張)
参加人は,昭和30年代後半から,労働条件の切下げをもたらす合理化政策を推し進めたところ,本件救済申立人らは,これに反対する組合活動を行った。
参加人は,このような本件救済申立人らの組合活動に対抗して,昭和41年2月に戸田橋工場に結成されたg会を皮切りに,労使協調路線を採るインフォーマル組織を全国の各工場で次々に結成させ,本件救済申立人らが影響力を持っていた本件組合の支部執行部をインフォーマル組織に所属する者に独占させ,本件救済申立人らに対しては,「赤」「民青」「共産党」等と呼んで差別を行い,「生産阻害者」等のいわれなき誹謗中傷を繰り返した。また,参加人は,昭和44年に新職分制度及び新たな賃金制度を導入し,本件救済申立人らが移行格付け試験を受験しなかったこと等を口実として,本件救済申立人らを最も低い職分である技能職に格付け,その後も人事考課を不当に劣位に評価するなどして昇格等差別を継続した。
このように,参加人は,職場の改善運動等を継続した本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して,本件組合の支部執行部を参加人と意を通じたインフォーマル組織に独占させた上,本件救済申立人らに対する昇格等差別を繰り返したものであって,本件で問題となる昇格等差別も,本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して行われたものである。
(被告の主張)
不当労働行為意思は,過去の一時点で存在したというだけでは足りず,不当労働行為の成否が問題となっている行為の時点で存在している必要があるところ,本件で検討すべきは,本件救済申立人らに対する人事考課の時点における不当労働行為意思の有無である。
本件救済申立人らのうち低位な人事考課を受けた者について,参加人がそれらの者の組合活動を殊更問題視していたことや,その他の者と比較して低位な査定を受けるべき顕著な組合活動を行っていたことをうかがわせる事情はなく,本件救済申立人らの人事考課成績分布と標準的な人事考課分布との間に有意な格差はないから,本件救済申立人らのうち一部の者に対する低位な人事考課が,参加人においてそれらの者の組合活動を嫌悪したことに基づくものということはできない。
(参加人の主張)
参加人は,インフォーマル組織の結成等に関与していないし,そもそも昭和40年代における事象によって平成5年度の昇格等決定行為についての不当労働行為意思を基礎付けることはできない。
また,参加人は,本件救済申立人らが具体的にいかなる組合活動に従事してきたのかを認識しておらず,参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して不利益取扱いをしたことはない。
(4)  争点2(3)(個々人の勤務成績等に基づく格差の合理性)について
(参加人の主張)
本件救済申立人らのうち,平成5年度の昇格等についての人事考課においてD考課以下の査定を受けた者は,勤務成績等に照らし,そのような査定を受ける合理的理由がある。
(被告の主張)
本件で検討すべきは,本件救済申立人らに対する人事考課につき事実誤認や評価の誤りがあったか否かではなく,同人事考課が不当労働行為意思に基づくものであったか否かであるところ,既に述べたところに照らし,同人事考課が不当労働行為意思に基づくものであったとはいえない。
(原告らの主張)
本件救済申立人らが上位職分の労働者と同じ作業に従事していたことや,本件救済申立人らのうち亡Jを除く31名の平成5年度における人事考課成績においてC考課とB考課の合計が91.4%であること,前述した職分格差,賃金格差及び人事考課上の格差の合理性を裏付ける資料等がないことなどに照らし,これらの格差に合理性はない。
(5)  争点3(救済内容)について
(原告らの主張)
本件においては,賃金及び職分について累積した格差の将来にわたる一括した是正(以下「累積格差の一括是正」という。)をすべきである。
(被告及び参加人の主張)
争う。
第3  当裁判所の判断
1  争点1(平成4年度以前の昇格等差別についての除斥期間の成否)について
(1)  労組法27条2項は,不当労働行為救済申立てが「行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは,これを受けることができない。」と規定して不当労働行為救済申立てについて除斥期間を定め,これを受けて労委規則33条1項3号は,不当労働行為救済申立てが同事件についてのものであるときは,労働委員会は公益委員会議の決定によりこれを却下することができる旨規定している。
このように労組法27条2項等が除斥期間を定めた趣旨は,行為の日から1年を経過した事件については,証拠収集及び実情把握が困難となり,当該事件について命令を発することは,かえって労使関係の安定を阻害するおそれがあり,また,救済の実益が乏しくなっている場合もあることによるものである。そして,除斥期間の起算日につき「継続する行為にあってはその終了した日」とされているのは,個別の行為を全体としてみた場合,継続して行われる一括して一個の行為と評価できるときは,その終了日を除斥期間の起算日としても,不当労働行為が継続しているため,証拠収集等の困難がなく,また,労使関係の安定には至っておらず,救済の実益もあるからである。
これらの点に鑑みると,当該各行為が継続して行われる一括して一個の行為と評価できる場合は,「継続する行為」に当たるものと解されるが,その範囲をあまり緩やかに解すると除斥期間が定められた趣旨を没却することとなりかねないから,これに当たるか否かは,除斥期間が定められた趣旨を踏まえ,各行為の具体的な意図,関連性,時間的接着性等に照らして判断すべきである。
(2)  これを本件についてみると,前記前提事実のとおり,参加人は,毎年4月1日付けで各従業員について昇格等決定行為を行い,これに基づいて翌年3月25日までに支払期日の到来する賃金を支払っていたものである。
そうすると,参加人がある年の昇格等決定行為において不利益取扱いをした場合,その不利益取扱いの意図は,これに基づく翌年3月25日までの賃金支払によって具体的に実現されるのであるから,同不利益取扱い及びこれに基づく同日までの賃金支払は,継続して行われる一括して一個の行為とみるべきであり,同昇格等決定行為及びこれに基づく同日までの賃金支払は,「継続する行為」に当たるというべきである。
これに対し,参加人がある年の昇格等決定行為において不利益取扱いをした場合であっても,翌年度以降における昇格等決定行為及びこれに基づく賃金支払は,その不利益取扱いとは別個に行われるものであって,不利益取扱いの意図が具体的に実現されたものとみることはできないこと,不利益取扱いについての基本的意思決定行為である昇格等決定行為がされてから翌年度の昇格等決定行為がされるまでには1年の間隔があること,複数の年度にまたがる昇格等決定行為及びこれに基づく賃金支払を継続して行われる一括して一個の行為とみた場合には,救済対象となる行為を際限なく遡ることが可能となり,除斥期間を定めた趣旨を没却することになりかねないことなどに照らし,複数の年度にまたがる昇格等決定行為及びこれに基づく賃金支払は,継続して行われる一括して一個の行為とみることはできず,「継続する行為」に当たるということはできない。
(3)  この点に関し,原告らは,昇格等に関する格差は相当程度の期間が経過して初めて顕在化するものであり,証拠収集及び実情把握に相当程度の期間を要することから,継続的昇格等差別には労組法27条2項の趣旨が妥当しない旨主張する。
しかし,前記前提事実のとおり,参加人は,本件救済申立人らを含む従業員に対し,職分,賃金及び人事考課についての制度内容等を開示している上,毎年4月1日付けで昇給通知及び人事考課成績通知を交付していること,本件救済申立人らを含む申立人ら集団は,昭和59年には,参加人が長年にわたって申立人ら集団に対して昇格等差別を繰り返しているとして全国連絡会を結成し,市川工場事件申立人らは,昭和60年,市川工場事件救済申立てを行い,本件救済申立人らのうち27名は,平成4年11月6日に提出された是正要求書に署名したことが認められる。このような活動に取り組み又はこれを支援していた本件救済申立人らにおいて,平成元年度から平成4年度までの昇格等の実情を各最終賃金支払日から1年以内に把握していなかったと認めることはできないから,原告らの主張は,実情把握等に相当程度の期間を要するとする前提を欠くものであり,採用することができない。
原告らは除斥期間に関してその他にも様々な主張をするが,前判示に照らし,いずれも採用することができない。
(4)  前記前提事実のとおり,本件救済申立ては平成6年7月6日に行われているところ,前判示によれば,平成5年度の昇格等決定行為及びこれに基づく平成6年3月25日までの賃金支払は同日に終了した「継続する行為」に当たるから,本件救済申立てのうち,平成5年度の昇格等差別についての申立ては除斥期間内に申し立てられたものということができるが,平成4年度以前の昇格等決定行為及びこれに基づく賃金支払はいずれも平成5年3月25日以前に終了しているから,平成4年度以前の昇格等差別についての申立ては,除斥期間経過後に申し立てられたものというべきである。
(5)  以上によれば,本件救済申立てのうち,平成4年度以前の昇格等差別についての申立ては不適法であり,平成5年度の昇格等差別についての申立ては適法であるから,これと同旨の中央労働委員会の命令は相当である。
2  争点2(1)(集団間における格差の有無等)について
(1)  審理対象について
ア(ア) そこで,本件においては,平成5年度の昇格等について不当労働行為の成否を検討すべきことになる。
ところで,前記前提事実によれば,参加人の昇格等の制度は,従業員の業績及び能力を人事考課制度に基づいて評価し,その人事考課成績を昇格等に反映させる職能型のものであって,年功型のものではないことや,参加人が,従業員に対し,人事考課成績基準の具体的内容等を開示し,上司を通じて毎年4月1日に人事考課成績を従業員に通知し,苦情処理委員会に対する不服申立制度が設けられていること等を含め,昇格等の制度全体をみても,その内容に特段の不合理な点は見当たらず,昇格等の制度自体が不当労働行為を生み出す契機となっているということはできない。そうすると,平成5年度の昇格等について不当労働行為の成否を検討するに当たり,同年度における同期同学歴の従業員間に職分等格差があるとしても,それは昇格等の制度そのものの問題ではなく,その制度の運用である人事考課成績の結果であるから,当該格差の存在のみをもって不当労働行為の成立が認められるものではなく,同年度の昇格等についての人事考課成績の決定行為について不当労働行為の成立が認められるか否かを検討する必要がある。
(イ) 原告らについて,平成5年度の昇格のうち,特別昇格及び再昇格についていずれも不当労働行為は問題とならないことは前判示のとおりである。したがって,不当労働行為の成否が問題となり得るのは,同年度の一般昇格のみであるところ,同年度の一般昇格は直近3か年(平成3年度から平成5年度まで)の業績評定成績及び能力評定成績に基づいて決定されるのであるから,同年度の一般昇格との関係において不当労働行為の成否を判断するには,平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績の各決定行為について不当労働行為の要件を満たすか否かを検討する必要がある。
また,前判示のとおり,平成5年度における本給の昇給額は,同年度の総合評定成績が決定することにより確定する。さらに,同年度における職分給の昇給額は,同年度の職分及び号給が決定することにより確定するところ,同年度の職分は平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績に基づいて決定され,平成5年度の号給は同年度の総合評定成績に基づいて決定される。
そうすると,本件においては,昇格との関係では,平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績の各決定行為についての不当労働行為の成否を,昇給との関係では,本給につき同年度の総合評定成績の決定行為についての不当労働行為の成否を,職分給につき同業績評定成績及び能力評定成績並びに同総合評定成績の各決定行為についての不当労働行為の成否を,それぞれ検討すべきこととなる(以下,平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績並びに同年度の総合評定成績を「本件審理対象成績」という。)。
(ウ) これに対し,原告らは,累積格差の一括是正をするためには,申立日から1年以内の昇格等の時点において,使用者の行為によって生じた職分等格差があれば足り,直近1年間の人事考課において低位な査定がされたことは必須でない旨主張する。
しかしながら,累積格差の一括是正は,適法な申立てについて不当労働行為が成立する場合,これと密接に関連する過去の不当労働行為に対する救済として,除斥期間を定めた趣旨に照らし,累積格差の是正をどこまで命ずることができるかという,不当労働行為の成立を前提とした救済方法の問題であるから,適法な申立てについて不当労働行為の成立が認められることが前提となるというべきである。そうすると,仮に累積格差の一括是正が認められるとしても,除斥期間についての前判示に照らせば,申立日から1年以内の行為(以下「申立対象行為」という。)について不当労働行為が成立する場合に限られることになる。この点,原告らの上記主張は,職分等格差を発生させた不当労働行為について申立日を起算点とすると除斥期間を経過している場合において,職分等格差を是正しない不作為が申立日から1年以内に存在するとしてこれを申立対象行為とし,それが不当労働行為に当たるというものであり,当該不作為を不当労働行為として救済の対象とする場合には,職分等格差を発生させる原因となった過去の不当労働行為についての救済申立てを実質的には期間の制限なく認めることになるから,除斥期間を定めた趣旨を没却することになる。
以上の諸点に照らせば,本件において,申立日から1年以内に職分等格差がありさえすれば累積格差の一括是正が可能であるということはできないから,この点に関する原告らの主張は採用することができない。
イ 前記前提事実のとおり,本件救済申立人らのうち14名(X3,X6,X8,X9,O,X10,X11,X15,X16,X23,X31,X33,X34及びK)については,平成5年度に昇格に必要な経過年数を満たしていなかったのであるから,同年度に昇格しなかったことは当然であり,また,X5は同年度に昇格している。そうすると,同14名にX5を加えた合計15名については,そもそも同年度の昇格について差別があったということはできない。
また,前記前提事実によれば,上記14名は,平成5年度に昇号給している。さらに,昇格した者は上位職分の1号給に格付けされるところ,X5は,同年度に昇格し,上位職分の1号給に格付けされている。したがって,上記15名については,同年度の職分給の昇給に関しても差別があったとはいえない。
そうすると,上記15名については,昇格及び職分給の昇給について差別があったということはできないから,その余の点について判断するまでもなく,平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績の各決定行為について不当労働行為の成立は認められない。
(2)  集団的考察について
ア 前記前提事実のとおり,本件救済申立人らは,労働条件や職場環境の改善等を求めて活動してきた申立人ら集団の一員であり,生産合理化や新職分制度等の参加人の施策に反対する活動を行っていたこと,労使協調路線を採るインフォーマル組織との間で本件組合の支部役員選挙等において対立する状況にあったこと,組合員の参加人に対する裁判を支援する活動をしていたこと,全国連絡会を結成し,32名中27名が是正要求書に署名したこと等が認められるところ,これらの諸事実に鑑みれば,本件救済申立人らを組合活動の面では1つの集団であったものとみた上で集団的考察を行うことは可能というべきである。
イ もっとも,別紙2のとおり,本件救済申立人ら32名は,全国9つの工場に分かれて所属する者(根室工場1名,戸田橋工場4名,市川工場1名,静岡工場1名,愛知工場3名,北陸工場2名,京都工場1名,大阪工場15名,福岡工場4名)であり,入社時期や職分等にもばらつきがあり,集団として強固なまとまりを有していたとまでは認められない。また,前記前提事実によれば,本件救済申立人らは申立人ら集団87名のうち32名にすぎないのに対し,原告らが比較対象として主張するその他集団の人数は414名であり,参加人の従業員数が平成28年3月31日時点で1万0805名であるから,分布目安が適用される従業員の総数は上記414名に限られず,より多数であることが推認される。その結果,本件救済申立人らと比較対象となる集団(以下「その他集団等」という。)との間には,母数に有意な差があり,1名の人事考課成績が集団の人事考課成績分布に与える影響にも有意な差があることになる。さらに,参加人においては,職分及び所属工場ごとに人事考課が行われているところ,本件救済申立人らとその他集団等との間において,構成員の職分及び所属工場の割合が近似していることを基礎付ける事実を認めるに足りる証拠もない。
これらの事情を総合すると,本件救済申立人らとその他集団等との間に人事考課成績分布について一定の差があるとしても,そのことをもって直ちに不合理ということはできず,その差が有意なものであるか否かを慎重に検討する必要があるというべきであり,本件で集団的考察を行うに当たっては,このような一定の限界があることを考慮すべきである。
(3)  有意な格差の有無について
ア 前記前提事実のとおり,工場に所属する従業員の人事考課成績の決定は職分及び所属工場ごとに行われるところ,本件において,本件救済申立人らと同じ職分及び工場の従業員の本件審理対象成績は明らかでない。
イ(ア) もっとも,前記前提事実のとおり,業績評定成績及び総合評定成績については,いずれも分布目安が定められており,賃金専門委員会作成の昭和43年12月6日付け答申書には,評定の分布は原則としてA考課を5%,B考課を15%,C考課を60%,D考課を15%,E考課を5%とする旨の記載があること,昭和55年度から昭和59年度までの市川工場の技能職から基幹職1級までの従業員の人事考課成績分布は,業績評定成績についてはB考課が約13.2%から16.4%まで,C考課が約70.5%から72.8%まで,D考課及びE考課の合計が約12.4%から14.0%までの各範囲内にあり,総合評定成績についてはB考課が約9.8%から12.3%まで,C考課が約72.8%から76.8%まで,D考課及びE考課の合計が約12.4%から14.9%までの各範囲内にあること,他の事業所と著しく均衡を欠く事業所がある場合には成績分布の事業所間の相違が大きくならないよう調整が行われていたことが認められる。また,平成元年4月に大阪工場に配属後,平成4年4月に同工場業務課主任となり,平成9年3月まで同工場に在籍していたPは,同工場における人事考課成績分布はB考課及びD考課がいずれも約15%から20%までの範囲内にあり,C考課が約60%から70%までの範囲内にあった旨供述しており(乙B83,585),同工場で係長や課長を務めていたQもこれに沿う供述をしている(乙C28)。
これらの諸事情を踏まえると,本件救済申立人らの業績評定成績及び総合評定成績の人事考課成績分布については,B考課以上及びD考課以下がそれぞれ10%から20%までの範囲内にある場合には,標準的な人事考課成績分布(以下「本件標準的業績評定成績等分布」という。)と比較して低位であるということはできないというべきである。
(イ) 以上に照らして,本件救済申立人らの平成3年度から平成5年度までの業績評定成績分布及び同年度の総合評定成績分布が本件標準的業績評定成績等分布と比較して有意に低位であるか否かについて検討する。
a 前記前提事実によれば,本件救済申立人ら32名の平成3年度から平成5年度までの業績評定成績分布及び同年度の総合評定成績分布は次のとおりである(以下「本件救済申立人ら業績評定成績等分布」という。)。
(a) 平成3年度の業績評定成績
B考課が2名(約6.3%),C考課が23名(約71.9%),D考課が6名(約18.8%),E考課が1名(約3.1%)である。
(b) 平成4年度の業績評定成績
B考課が3名(約9.4%),C考課が22名(約68.8%),D考課が7名(約21.9%)である。
(c) 平成5年度の業績評定成績及び総合評定成績
業績評定成績につき,B考課が4名(12.5%),C考課が24名(75%),D考課が4名(12.5%)であり,総合評定成績につき,B考課が2名(約6.3%),C考課が28名(87.5%),D考課が2名(約6.3%)である。
b 前記前提事実のとおり,参加人の人事考課制度においては,傷病欠勤をした場合は欠勤1日につき業績評定点が1点減点され,評定期間中における就労制限の期間が通算4か月以上に及ぶ場合は各評定点が減点されるところ,先に認定した本件救済申立人ら業績評定成績等分布には,これらの特別の事情による減点を受けた者の人事考課成績が含まれている。
すなわち,前記前提事実のとおり,亡X24の平成3年度における業績評定成績はE考課であるところ,亡X24は,平成2年10月6日から1か月間傷病欠勤をし,同年11月6日から同月22日までの17日間一般傷病休職をしていたのであるから,亡X24の平成3年度における上記業績評定成績は,同欠勤及び休職の合計日数に対応する点数が減点されたことによるものと認められる。また,X18の平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び総合評定成績はいずれもD考課であり,X20の平成3年度及び平成4年度における業績評定成績及び総合評定成績はいずれもD考課であるところ,X18は平成3年度から平成5年度までの人事考課対象全期間について,X20は平成3年度の人事考課対象全期間及び平成4年度の人事考課対象期間のうち約5か月間について,いずれも夜勤作業免除の就労制限を申し出て夜勤作業に従事していなかったのであるから,X18及びX20の上記各評定成績は,いずれも同就労制限を理由にする減点がされたことによるものと認められる。
前記の本件救済申立人ら業績評定成績等分布から上記特別の事情により低位な査定となったものを除外すると,次のとおりとなる(以下「修正本件救済申立人ら業績評定成績等分布」という。)。
(a) 平成3年度の業績評定成績
B考課が2名(約6.9%),C考課が23名(約79.3%),D考課が4名(約13.8%)である。
(b) 平成4年度の業績評定成績
B考課が3名(10%),C考課が22名(約73.3%),D考課が5名(約16.7%)である。
(c) 平成5年度の業績評定成績及び総合評定成績
業績評定成績につき,B考課が4名(約12.9%),C考課が24名(約77.4%),D考課が3名(約9.7%)であり,総合評定成績につき,B考課が2名(約6.5%),C考課が28名(約90.3%),D考課が1名(約3.2%)である。
c 前判示のとおり,B考課以上及びD考課以下がいずれも10%から20%までの範囲内にある場合には,本件標準的業績評定成績等分布と比較して低位であるということはできないところ,本件救済申立人ら業績評定成績等分布は,本件標準的業績評定成績等分布と比較すると,平成3年度の業績評定成績におけるB考課以上の割合(約6.3%)が約3.7%低く,同D考課以下の割合(約21.9%)が約1.9%高く,平成4年度の業績評定成績におけるB考課以上の割合(約9.4%)が約0.6%低く,同D考課以下の割合(約21.9%)が約1.9%高く,平成5年度の総合評定成績におけるB考課以上の割合(約6.3%)が約3.7%低い。
このように,本件救済申立人ら業績評定成績等分布は,標準的業績評定成績等分布と比較して,割合にすると約0.6%から3.7%低位な部分もある。しかし,前記前提事実のとおり,本件救済申立人らは32名であるから,1名の人事考課成績が変動することにより人事考課成績分布に約3.1%の変動が生じるのであって,上記割合を人数に換算すると,最大でも本件救済申立人らのうち1名程度の相違にすぎないものである。
また,修正本件救済申立人ら業績評定成績等分布と標準的業績評定成績等分布とを比較すると,修正本件救済申立人ら業績評定成績等分布は,平成3年度の業績評定成績におけるB考課以上の割合(約6.9%)が約3.1%低く,平成5年度の総合評定成績におけるB考課以上の割合(約6.5%)が約3.5%低いものの,他に劣位な点は見当たらない。
さらに,平成5年度の総合評定成績におけるD考課以下の割合を比較すると,本件救済申立人ら業績評定成績等分布については約3.7%,修正本件救済申立人ら業績評定成績等分布については約6.8%,それぞれ標準的業績評定成績等分布よりも低くなっており,本件救済申立人らの人事考課成績分布が一方的に低位であるわけでもない。
以上で述べたところに加え,前判示のとおり,本件における集団的考察については,比較集団間で1名の人事考課成績が各集団の人事考課成績分布に与える影響において有意な差がある上,参加人では職分及び所属工場ごとに人事考課が行われていることなどにより一定の限界があることを併せ考慮すれば,本件救済申立人らの業績評定成績及び総合評定成績の人事考課成績分布が,本件標準的人事考課成績分布と比較して有意に低位であるということはできない。
ウ(ア) 原告らは,能力評定成績分布についても,これが本件標準的業績評定成績等分布より低位であることをもって標準的な人事考課成績分布を下回っている旨を主張するものとも解されるが,前記前提事実のとおり,能力評定成績については分布目安が設けられておらず,標準的な人事考課成績分布を観念することはできないから,同主張は前提を欠き失当である。
(イ)a なお,念のため,本件救済申立人らの能力評定成績分布それ自体から,参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して殊更に低位な査定をしていたことがうかがわれるか否かにつき検討すると,前記前提事実によれば,本件救済申立人らの能力評定成績分布は次のとおりである(以下「本件救済申立人ら能力評定成績分布」という。)。
(a) 平成3年度の能力評定成績
B考課が1名(約3.1%),C考課が26名(約81.3%),D考課が5名(約15.6%)である。
(b) 平成4年度の能力評定成績
B考課が2名(約6.3%),C考課が22名(約68.8%),D考課が8名(25%)である。
(c) 平成5年度の能力評定成績
B考課が1名(約3.1%),C考課が29名(約90.6%),D考課が2名(約6.3%)である。
b また,本件救済申立人ら能力評定成績分布のうち,前判示のとおり低位の査定を受けるべき事情が存在したX18及びX20の各人事考課成績を除外すると次のとおりである(以下「修正本件救済申立人ら能力評定成績分布」という。)。
(a) 平成3年度の能力評定成績
B考課が1名(約3.3%),C考課が26名(約86.7%),D考課が3名(10%)である。
(b) 平成4年度の能力評定成績
B考課が2名(約6.7%),C考課が22名(約73.3%),D考課が6名(20%)である。
(c) 平成5年度の能力評定成績
能力評定成績につき,B考課が1名(約3.2%),C考課が29名(約93.5%),D考課が1名(約3.2%)である。
c 本件救済申立人ら能力評定成績分布は,B考課が約3.1%から約6.3%までの範囲内にあり,C考課が約68.8%から約90.6%までの範囲内にあり,D考課が約6.3%から25%までの範囲内にあるところ,平成3年度から平成5年度までのいずれにおいても,標準的成績であるC考課が最も多い上,標準的成績を上回るB考課もあり,標準的成績を下回るD考課は最大でも25%であり,少ない年には約6.3%にとどまる。また,この成績分布から特別の事情により低位となったものを除くと,D考課は最大でも20%であり,少ない年には約3.2%にとどまる。さらに,前記前提事実のとおり,本件救済申立人らの人数は32名であり,1名の人事考課成績の変動により成績分布に約3.1%の変動が生ずるところ,上記25%を人数に換算すると8名となる。
これらの諸事情のほか,本件救済申立人ら能力評定成績分布が参加人の他の従業員の審理対象期間における能力評定成績分布より低位であることを基礎付ける事実を認めるに足りる証拠はないことも考慮すれば,本件救済申立人ら能力評定成績分布からも,参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して殊更に低位な査定をしていたことはうかがわれない。
エ 原告らは,本件救済申立人らのうち,平成5年度に総合評定成績でB考課以上を得られなかったために6号給以上への昇号給ができなかった者が14名に及ぶこと,平成3年度から平成5年度までに業績評定成績及び能力評定成績においてB考課以上を得られなかったために昇格できなかった者が17名に及ぶこと,同年度において基幹職2級への昇格に必要な経過年数を満たしていた7名の平成3年度から平成5年度までの業績評定成績及び能力評定成績にはD考課以下が15個(35.7%)あること等に照らし,本件救済申立人らの人事考課成績分布には意図的な偏りがある旨主張する。
しかしながら,前記前提事実によれば,本件救済申立人らのうちO及びX16は,いずれも同年度に総合評定成績でB考課を得て基幹職2級の7号給へ昇号給しているのであるから,原告らの主張する14名の存在を踏まえても,本件救済申立人ら16名のうち2名(12.5%)が総合評定成績でB考課を得て6号給以上へ昇号給していることになり,これは本件標準的業績評定成績等分布の範囲内である。また,前記前提事実によれば,O及びX16は,いずれも平成6年度に基幹職1級への昇格に必要な最低経過年数を満たす者であるところ,同年度の直近3か年に含まれる平成4年度及び平成5年度において,業績評定成績及び能力評定成績にB考課が合計2個以上あり,B考課の数について平成6年度の基幹職1級への昇格に必要な人事考課成績基準を満たしているのであるから,原告ら主張のとおり本件救済申立人らの中に平成3年度から平成5年度までにB考課以上を得られなかったために昇格できなかった者が原告主張のとおり17名存在するとしても,そのことをもって参加人が本件救済申立人らの昇格を阻止するために殊更B考課以上の評価をしなかったとみることはできない。さらに,原告らが主張するD考課以下15個の成績考課中には,前判示に係る特別の事情によるもの,すなわち,亡X24の平成3年度における業績評定成績及び総合評定成績(いずれもE考課),X18の平成3年度から平成5年度までの各業績評定成績及び総合評定成績(いずれもD考課)並びにX20の平成3年度及び平成4年度における各業績評定成績及び総合評定成績(いずれもD考課)が含まれているのであって,これらを除外すると,原告らの主張に係るD考課以下の数は3個となるから,原告らの主張する7名から亡X24,X18及びX20を除外した4名の業績評定成績及び総合評定成績に占めるD考課以下の割合は12.5%となり,本件標準的業績評定成績等分布の範囲内となる。
以上によれば,原告らの指摘する各事情を考慮しても,本件救済申立人らの人事考課成績分布に意図的な偏りがあるということはできないから,原告らの主張は採用することができない。
原告らはそのほかにも様々な主張をするけれども,前判示に照らし,いずれも採用することができない。
(4)  小括
以上のとおり,本件審理対象成績について,本件救済申立人らとその他集団等との間において有意な格差があるということはできない。
3  争点2(2)(参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪していたか否か)及び争点2(3)(個々人の勤務成績等に基づく格差の合理性の有無)について
原告らは,参加人が本件救済申立人らの組合活動を嫌悪して不当に低い人事考課をしたものであり(争点2(2)),同人らのうちD考課とされた者らを個々人でみても,人事考課成績の理由とされた事実がないか又は同事実に対する評価が不当である(争点2(3))旨主張する。
しかし,本件では,平成3年度から平成5年度までの本件審理対象成績の決定行為について不当労働行為が成立するか否かを検討すべきところ,本件審理対象成績について,本件救済申立人らとその他集団等との間において有意な格差があるということはできないことは前判示のとおりである上,原告らの主張する者が本件救済申立人らの中でも特に低位な人事考課成績を与えられるべき顕著な組合活動を行っていたことを認めるに足りる証拠はないから,人事考課成績の理由とされた事実又は評価の誤りがあるとしても,それが参加人において組合活動を嫌悪したことに基づいて殊更に低い人事考課をした結果であると認めることはできない。
そうすると,原告らの主張する組合活動嫌悪の点や原告らの個別的な勤務成績等の主張を踏まえても,本件審理対象成績の決定行為について不当労働行為が成立するということはできない。
4  原告らの請求についての判断
以上のとおり,本件救済申立てのうち,除斥期間経過後の申立てである平成4年度以前の昇格等差別についての申立ては不適法であり,平成5年度の昇格等差別についての申立ては,前判示の集団間における格差の有無,組合嫌悪の有無及び個別的な事情等の検討の結果,不当労働行為の成立が認められないので理由がないところ,これと同旨の中央労働委員会の命令は相当であるから,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求はいずれも理由がない。
第4  結論
よって,原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第19部
(裁判長裁判官 春名茂 裁判官 西村康一郎 裁判官 関泰士)

 

別紙1
当事者目録
北海道根室市〈以下省略〉
亡X1承継人
甲事件原告 X2
埼玉県さいたま市〈以下省略〉
同 X3
埼玉県川口市〈以下省略〉
同 X4
埼玉県川口市〈以下省略〉
同 X5
埼玉県戸田市〈以下省略〉
同 X6
千葉県船橋市〈以下省略〉
同 X7
静岡県掛川市〈以下省略〉
同 X8
愛知県一宮市〈以下省略〉
同 X9
愛知県稲沢市〈以下省略〉
同 X10
石川県白山市〈以下省略〉
亡X11承継人
同 X12
石川県白山市〈以下省略〉

同 X13
石川県羽咋郡〈以下省略〉

同 X14
石川県金沢市〈以下省略〉
同 X15
京都府宇治市〈以下省略〉
同 X16
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X17
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X18
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X19
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X20
大阪府八尾市〈以下省略〉
亡X21承継人
同 X22
奈良県北葛城郡〈以下省略〉
同 X23
大阪府八尾市〈以下省略〉
亡X24承継人
同 X25
同所

同 X26
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X27
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X28
大阪府八尾市〈以下省略〉
同 X29
岡山市〈以下省略〉
同 X30
大分県佐伯市〈以下省略〉
亡X31承継人
同 X32
福岡県朝倉郡〈以下省略〉
同 X33
福岡県粕屋郡〈以下省略〉
同 X34
福岡市〈以下省略〉
同 X35
大阪府八尾市〈以下省略〉
乙事件原告 X36
原告ら訴訟代理人弁護士 倉内節子
同 守川幸男
同 中丸素明
同 湯川芳朗
同 菊池紘
同 松井繁明
同 金井克仁
東京都千代田区〈以下省略〉
甲事件・乙事件被告 国
同代表者法務大臣 G
処分行政庁 中央労働委員会
同委員会代表者会長 H
同指定代理人 W1
同 W2
同 W3
同 W4
同 W5
同 W6
同 W7
同 W8
東京都中央区〈以下省略〉
参加人 株式会社Z
同代表者代表取締役 I
同訴訟代理人弁護士 小代順治
同 熊谷信太郎
同 布村浩之
同 栗山雅史

〈以下省略〉

「選挙 立候補」に関する裁判例一覧
(1)令和元年10月 8日  神戸地裁  平29(ワ)1051号 損害賠償請求事件
(2)令和元年 9月 6日  大阪地裁  令元(わ)2059号 公職選挙法違反被告事件
(3)令和元年 6月25日  東京地裁  平26(行ウ)615号 損害賠償等請求事件
(4)令和元年 5月24日  東京地裁  平28(ワ)17007号 選挙供託金制度違憲国家賠償請求事件
(5)平成31年 4月26日  大阪高裁  平30(行ケ)1号 裁決取消請求事件
(6)平成31年 4月25日  東京高裁  平30(ネ)4794号 総会決議無効確認等請求控訴事件
(7)平成31年 4月12日  大阪地裁  平29(ワ)7325号 賃金等請求事件
(8)平成31年 4月 9日  甲府地裁  平27(行ウ)6号 違法公金支出金返還等請求事件
(9)平成31年 3月20日  水戸地裁 平29(わ)655号
(10)平成31年 3月 7日  知財高裁  平30(行ケ)10141号 審決取消請求事件
(11)平成31年 3月 5日  東京高裁  平30(う)1422号 政治資金規正法違反被告事件
(12)平成31年 3月 5日  東京地裁  平29(ワ)18277号 謝罪広告等請求事件
(13)平成31年 1月17日  盛岡地裁  平30(行ウ)8号 旧庁舎解体等公金支出等差止請求事件
(14)平成31年 1月15日  名古屋地裁  平28(ワ)3178号・平28(ワ)3179号 損害賠償請求事件
(15)平成30年11月29日  東京地裁  平29(行ウ)149号・平29(行ウ)375号 不当労働行為再審査申立棄却命令取消事件
(16)平成30年11月22日  東京地裁  平30(ワ)16336号 損害賠償等請求事件
(17)平成30年11月22日  東京地裁  平28(ワ)31683号 損害賠償請求事件
(18)平成30年10月31日  東京地裁  平27(ワ)18282号 損害賠償請求事件
(19)平成30年10月24日  仙台高裁  平29(行コ)26号 政務調査費返還履行等請求控訴事件
(20)平成30年10月11日  東京高裁  平30(う)441号 政治資金規正法違反被告事件
(21)平成30年10月 5日  東京地裁  平27(ワ)36817号・平28(ワ)18096号 損害賠償請求事件、損害賠償等請求事件
(22)平成30年10月 4日  東京地裁  平27(ワ)2650号 代表権不存在確認等請求事件
(23)平成30年 9月28日  東京地裁  平26(ワ)10773号・平29(ワ)3602号 損害賠償請求事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(24)平成30年 9月28日  東京地裁  平28(ワ)23496号 損害賠償請求事件
(25)平成30年 9月27日  大阪高裁  平29(行コ)173号 高等学校等就学支援金支給校指定義務付等請求控訴事件
(26)平成30年 9月27日  東京地裁  平28(ワ)36676号 総会決議無効確認等請求事件
(27)平成30年 9月19日  東京高裁  平30(ネ)2451号 社員総会決議不存在確認等,代議員選挙無効確認等請求控訴事件
(28)平成30年 8月30日  東京高裁  平30(行コ)111号 労働委員会救済命令取消請求控訴事件
(29)平成30年 8月28日  東京地裁  平28(行ウ)281号 政務活動費返還請求事件
(30)平成30年 7月25日  東京高裁  平30(行ケ)8号 裁決取消請求事件
(31)平成30年 7月20日  福岡地裁久留米支部  平28(ワ)69号 損害賠償請求事件
(32)平成30年 6月27日  東京地裁  平27(特わ)2148号 各政治資金規正法違反被告事件
(33)平成30年 5月24日  東京高裁  平30(行ケ)4号 選挙無効及び当選無効請求事件
(34)平成30年 4月25日  東京地裁  平28(ワ)31号・平28(ワ)37044号・平28(ワ)37820号 証書真否確認、立替金等返還債務不存在確認等請求事件、立替金返還請求反訴事件、立替金請求反訴事件
(35)平成30年 4月20日  高松高裁  平29(行コ)21号 権利変換計画不認可処分取消等請求控訴事件
(36)平成30年 4月18日  東京高裁  平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(37)平成30年 3月30日  東京地裁  平27(ワ)37147号 損害賠償請求事件
(38)平成30年 3月26日  東京地裁  平28(ワ)31536号・平28(ワ)44146号 社員総会決議不存在確認等請求事件、代議員選挙無効確認等請求事件
(39)平成30年 3月19日  東京地裁  平28(ワ)1085号 損害賠償等請求事件
(40)平成30年 3月13日  東京高裁  平29(う)1154号 公職選挙法違反被告事件
(41)平成30年 3月 8日  東京地裁  平29(ワ)30031号 損害賠償及び慰謝料請求事件
(42)平成30年 2月21日  東京地裁  平28(行ウ)6号 労働委員会救済命令取消請求事件
(43)平成30年 2月13日  東京地裁  平29(行ウ)45号 非常勤職員報酬返還請求事件
(44)平成30年 2月 6日  東京高裁  平29(行ケ)35号
(45)平成30年 2月 6日  東京地裁  平27(ワ)35223号 仮払金精算請求事件
(46)平成30年 1月22日  東京地裁  平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(47)平成30年 1月18日  東京高裁  平29(行ケ)27号・平29(行ケ)28号 裁決取消請求事件
(48)平成29年12月21日  東京地裁  平29(ワ)24097号 損害賠償等請求事件
(49)平成29年12月19日  最高裁第三小法廷  平29(行フ)3号 執行停止決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
(50)平成29年12月19日  千葉地裁  平28(行ウ)5号 農業委員会会長解任無効確認請求事件
(51)平成29年12月15日  福岡地裁  平26(わ)1284号・平27(わ)231号・平27(わ)918号 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
(52)平成29年12月 8日  札幌地裁  平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(53)平成29年11月16日  東京地裁  平28(ワ)6761号 懲戒処分無効確認等請求事件
(54)平成29年11月 2日  東京地裁  平28(ワ)32978号 損害賠償請求事件
(55)平成29年11月 2日  仙台地裁  平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件
(56)平成29年10月11日  東京高裁  平28(ネ)5794号 理事長及び理事の地位確認等請求控訴事件
(57)平成29年10月11日  東京地裁  平28(ワ)38184号 損害賠償請求事件
(58)平成29年10月11日  神戸地裁  平28(行ウ)49号 退職手当金不支給処分取消請求事件
(59)平成29年10月 2日  東京地裁  平29(ワ)21232号 発信者情報開示請求事件
(60)平成29年 9月28日  東京地裁  平26(行ウ)229号 難民不認定処分取消請求事件
(61)平成29年 9月26日  東京地裁  平28(ワ)18742号 損害賠償請求事件
(62)平成29年 9月25日  東京地裁  平27(行ウ)331号・平28(行ウ)526号 観察処分期間更新決定取消請求事件、訴えの追加的変更申立て事件
(63)平成29年 9月25日  東京地裁  平27(行ウ)444号 観察処分期間更新処分取消請求事件
(64)平成29年 9月20日  徳島地裁  平28(行ウ)9号 権利変換計画不認可処分取消等請求事件
(65)平成29年 9月 8日  東京地裁  平28(行ウ)117号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(66)平成29年 9月 1日  青森地裁  平29(わ)55号・平29(わ)67号・平29(わ)71号 公職選挙法違反被告事件
(67)平成29年 8月25日  東京地裁  平27(行ウ)732号 難民不認定処分等取消請求事件
(68)平成29年 8月25日  青森地裁  平28(ワ)143号 損害賠償請求事件
(69)平成29年 7月25日  青森地裁  平29(わ)48号・平29(わ)56号・平29(わ)66号・平29(わ)70号 公職選挙法違反被告事件
(70)平成29年 7月24日  東京地裁  平28(特わ)807号 公職選挙法違反被告事件
(71)平成29年 7月12日  広島高裁松江支部  平28(行コ)4号 市庁舎建築に関する公金支出等差止請求控訴事件
(72)平成29年 6月27日  東京地裁  平28(ワ)26217号 損害賠償請求事件
(73)平成29年 5月22日  東京地裁  平28(特わ)807号 公職選挙法違反被告事件
(74)平成29年 5月18日  東京高裁  平28(う)1194号 公職選挙法違反被告事件
(75)平成29年 5月 9日  東京地裁  平28(ワ)36100号 決議無効確認請求事件
(76)平成29年 4月13日  東京地裁  平27(行ウ)480号 退去強制令書発付処分等取消請求事件
(77)平成29年 4月11日  東京地裁  平26(ワ)10342号 損害賠償請求事件
(78)平成29年 4月 7日  東京地裁  平26(ワ)27864号 土地建物所有権移転登記抹消登記手続等請求事件
(79)平成29年 3月29日  東京地裁  平28(ワ)4513号・平28(ワ)28465号 マンション管理組合法人総会決議無効確認請求事件、反訴請求事件
(80)平成29年 3月28日  東京地裁  平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(81)平成29年 3月28日  仙台地裁  平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(82)平成29年 3月24日  東京地裁  平26(ワ)30381号 損害賠償請求事件
(83)平成29年 3月15日  東京地裁  平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(84)平成29年 3月 8日  東京地裁  平26(行ウ)300号 地位確認等請求事件
(85)平成29年 2月 9日  静岡地裁  平28(ワ)409号 損害賠償請求事件
(86)平成29年 2月 2日  東京地裁  平26(ワ)25493号・平27(ワ)20403号 株式代金等請求事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(87)平成29年 2月 1日  仙台地裁  平26(行ウ)31号 海外視察費返還履行請求事件
(88)平成29年 1月31日  大阪高裁  平28(ネ)1109号 損害賠償等請求控訴事件
(89)平成29年 1月31日  高松高裁  平28(行コ)23号 資格決定処分取消請求控訴事件
(90)平成29年 1月31日  東京地裁  平27(行ウ)360号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(91)平成29年 1月31日  神戸地裁豊岡支部  平28(わ)63号
(92)平成29年 1月17日  静岡地裁  平28(わ)407号 公職選挙法違反被告事件
(93)平成28年11月28日  名古屋高裁  平27(う)131号 受託収賄、事前収賄、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反被告事件
(94)平成28年11月21日  東京地裁立川支部  平27(ワ)2775号 理事長及び理事の地位確認等請求事件
(95)平成28年11月18日  東京地裁  平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件
(96)平成28年11月16日  大阪高裁  平27(ネ)3176号 損害賠償請求控訴事件
(97)平成28年11月15日  東京高裁  平28(行ケ)16号 選挙無効請求事件
(98)平成28年11月10日  東京高裁  平28(行ケ)17号 選挙無効請求事件
(99)平成28年11月 9日  東京地裁  平27(ワ)1724号 損害賠償等請求事件
(100)平成28年10月31日  東京地裁  平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


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ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。

(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。

(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!


政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧
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【政治活動用(事前街頭外壁)ポスター掲示交渉代行】選挙候補(予定)者様専用フォーム
選挙ドットウィン!の政治活動用の事前街頭ポスター新規掲示交渉につきまして概算お見積りをさせていただいております。
掲示交渉難易度調査のため、候補(予定)者様の出馬される「政党」「選挙区」「政策」「弁士のお相手(2連ポスター)」「サイズ」「枚数」等の必要事項をご記入の上、お問い合わせください。 【お問い合わせフォームはコチラ!】
営業専門の会社「僕俺株式会社」は「貼る!のプロ集団!」政治活動に際の数多くのドブ板選挙代行・支援実績がございます。
①指定エリアの有権者(民家・飲食店・その他の施設など)に対して、新規ご挨拶回り→→→完全無料
②選挙立候補(予定)者の名刺およびビラの手渡し→→→完全無料
③留守宅への名刺およびビラなどの投函(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率!)→→→完全無料
④政治活動用事前街頭ポスターの新規掲示交渉→→→ポスター掲示(貼付)許可交渉は、完全成果報酬|完全成功報酬
⑤掲示(貼付)交渉後における、掲示許可承諾者に対してのフォローおよびクレーム対応→→→完全無料
選挙候補(予定)者様専用フォーム【政治活動用(事前街頭外壁)ポスター掲示交渉代行】

【政治活動用】事前街頭ポスター新規掲示に関するお問い合わせ
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