ドブ板の学校【座学研修】基礎講座(3)地方議会・議員の仕事の実態 地方議会の仕組み/市区町村議員の仕事内容/議員の1日・1年/成果と限界

ドブ板の学校【座学研修】基礎講座(3)地方議会・議員の仕事の実態 地方議会の仕組み/市区町村議員の仕事内容/議員の1日・1年/成果と限界

以下は、「どぶ板の学校」基礎講座 第3講義「地方議会・議員の仕事の実態」の詳細解説です。
立候補を志す者が、「当選後のリアル」を具体的に理解するための講座です。


■第3講義:地方議会・議員の仕事の実態

〜地方議会の仕組み/市区町村議員の仕事内容/議員の1日・1年/成果と限界〜


■1. 講義の目的

  • 地方議会の制度的役割と構造を理解する

  • 市区町村議員が実際に何をしているのかを知る

  • 議員活動に必要な覚悟・時間配分・成果の見通しを現実的に学ぶ


■2. 地方議会の仕組み(基本)

  • 地方自治法に基づき、都道府県・市区町村にはそれぞれ「議会」が設置されている

  • 地方議会の3大機能:

    • 議決機関:予算・条例の決定

    • 監視機関:首長(市長・町長)の行政をチェック

    • 政策提案:議員が条例案を提出・修正する

  • 構成:

    • 議長、副議長

    • 常任委員会(例:福祉・建設・文教など)

    • 特別委員会(例:災害対策、議会改革など)


■3. 市区町村議員の仕事内容

A. 本会議・委員会関連

  • 年4回の定例会(市によっては臨時会あり)

  • 本会議での質問・討論・表決

  • 常任委員会や特別委員会での詳細審査・現場視察

B. 地域活動

  • 地域行事や住民集会への参加

  • 住民からの陳情・要望・苦情対応(通称「陳情窓口」)

  • 自治会や町内会との連携・調整

C. 政策・議会外の取り組み

  • 提言・調査活動、視察、勉強会

  • 自ら条例案や議会質問を企画・準備する

  • SNSやニュースレターでの報告、支持者対応などの「広報政治」


■4. 議員の1日/1年(実例)

▶ 議員の1日(例:6月議会期中)

時間活動
7:00朝の街頭活動(駅立ち)
9:00議会控室で資料整理・会派会議
10:00本会議:一般質問
12:00昼食・陳情相談対応
13:30委員会視察/現地調査
17:00帰庁/報告作成/SNS投稿
19:00地域の会合参加(自治会/保護者会など)
22:00帰宅・資料読み込み・翌日の準備

▶ 議員の1年(定例会ベース)

主な活動
3月来年度予算審査(超繁忙期)
6月一般質問・条例審査
9月決算審査・補正予算審議
12月条例審査/新年度の準備
  • ※定例会の合間も、住民対応・政務活動は絶え間なく発生

  • 予算・決算期は「土日返上」「終電続き」も日常


■5. 成果と損失の現実

成果例

  • 保育園設置、道路整備、バス路線延長など、住民の暮らしを具体的に変える提案

  • 地域の声を行政に届け、「行政の姿勢を変えた」実績

  • 自主条例(例:空き家対策、子ども支援など)を議会で成立させた経験

損失例

  • 少数会派では提案が否決されやすい

  • 住民の期待に反して、行政の権限外のことは対応できない

  • 政党の意向、行政との調整不足で、提案が骨抜きになることも


■6. 議員の報酬と身分

  • 地方議員は特別職の公務員

  • 報酬(月額+期末手当):地域により異なる(例:政令市で月50万円前後/町村で20万円台も)

  • 年金制度なし(2006年に廃止)

  • 副業可(ただし、兼職制限あり)

  • 解職請求(リコール)や失職制度もあり、責任と監視の対象


■この講座で得られる力

  • 議員の現実的な働き方・報酬・責任を知る

  • 「何ができて」「何ができないか」のラインを理解する

  • 議員活動の中で、自分がどこに「強み」を持ちうるかを考えるきっかけになる


■推薦資料・教材

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