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政治と選挙Q&A「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(43)平成30年11月15日 宇都宮地裁 平24(行ウ)15号 政務調査費返還履行請求事件

「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(43)平成30年11月15日 宇都宮地裁 平24(行ウ)15号 政務調査費返還履行請求事件

裁判年月日  平成30年11月15日  裁判所名  宇都宮地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(行ウ)15号
事件名  政務調査費返還履行請求事件
文献番号  2018WLJPCA11156018

裁判年月日  平成30年11月15日  裁判所名  宇都宮地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(行ウ)15号
事件名  政務調査費返還履行請求事件
文献番号  2018WLJPCA11156018

当事者の表示 別紙1(当事者目録)記載のとおり
 

主文

1  被告は,別紙2の「会派」欄に記載された者に対し,対応する同別紙の「認容金額(円)」欄に記載された金員を支払うよう請求せよ。
2  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は,これを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。被告補助参加人Z1会の補助参加によって生じた費用は,これを10分し,その9を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。被告補助参加人Z2会の補助参加によって生じた費用は,これを10分し,その9を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。被告補助参加人Z3会の補助参加によって生じた費用は,これを50分し,その49を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。被告補助参加人Z4クラブの補助参加によって生じた費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。被告補助参加人Z5会の補助参加によって生じた費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。被告補助参加人Z6クラブの補助参加によって生じた費用は,これを20分し,その19を原告の負担とし,その余を同被告補助参加人の負担とする。
 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は,別紙2の「会派」欄に記載された者に対し,対応する同別紙「請求金額(円)」欄に記載された金員及びこれに対する平成24年9月11日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
2  訴訟費用は被告の負担とする。
第2  事案の概要
本件は,権利能力なき社団である原告が,平成22年度(平成22年4月1日から平成23年3月31日まで)当時,栃木県議会(以下「県議会」という。)議員らにより構成される会派であった別紙2「会派」欄記載の会派に所属する議員らが,同年度に栃木県から交付された政務調査費の一部を使途基準に反して違法に支出し,不当に利得を得ているが,被告が不当利得返還請求権の行使を怠っていると主張して,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,上記各会派に対して別紙2「請求金額(円)」欄記載の各金額の不当利得の返還及びこれに対する民法704条前段所定の利息の支払を請求するよう求める住民訴訟である。
1  関係法令等の定め
(1)  地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下,特に断りのない限り,地方自治法とは,上記改正前のものを指し,以下「自治法」という。)100条14項は「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。」と規定し,同条15項は「前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。」と規定している。
(2)  栃木県では,自治法100条14項及び15項の規定を受けて,栃木県政務調査費の交付に関する条例(平成25年栃木県条例第3号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)を制定し,県議会における会派に対して政務調査費を交付することとしており,本件条例は,政務調査費の交付について,以下のとおり定めている。
会派は,政務調査費を議長が別に定める基準に従い使用しなければならず(本件条例8条),会派の代表者は,その年度における収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)に当該収支報告書に記載された政務調査費による支出に係る領収書その他の証拠書類(以下「領収書等」という。)の写しを添えて,その年度の末日の翌日から起算して30日以内に,これを議長に提出すること(本件条例9条1項)とされ,議長は,収支報告書の写しを被告に送付しなければならない(同条3項)。会派の代表者は,収支報告書及び領収書等の写しに訂正があるときは,収支報告書等修正届を議長に提出して修正しなければならない(本件条例9条の2第1項)。議長は,政務調査費の適正な運用を期するため,収支報告書の提出があったときは,必要に応じ調査を行う(本件条例10条)とされ,被告は,会派に交付した政務調査費に残余があるときは,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(本件条例11条)とされている。提出された収支報告書及び領収書等の写し並びに収支報告書等修正届は,議長において,提出すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない(本件条例12条1項)。
(3)  政務調査費の使途基準
本件条例8条を受けた栃木県政務調査費の交付に関する条例施行規程(平成13年栃木県議会告示第1号。以下「本件規程」という。)は,その4条及び別表により,政務調査費の使途基準(以下「本件使途基準」という。)について,次のとおり規定している。
ア 調査研究費
会派が行う県の事務及び地方行政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費(調査委託費,交通費,宿泊費等)
イ 研修費
会派が行う研修会,講演会等の実施に必要な経費並びに他団体が開催する研修会,講演会等への所属議員及び会派の雇用する職員の参加に要する経費(会議費,機材借り上げ費,講師謝金,会費,交通費,宿泊費等)
ウ 会議費
会派における各種会議に要する経費(会場費,機材借り上げ費,資料印刷費等)
エ 資料作成費
会派が議会審議に必要な資料の作成に要する経費(印刷・製本代,原稿料等)
オ 資料購入費
会派が行う調査研究のために必要な図書,資料等の購入に要する経費(書籍購入代,新聞・雑誌購読料等)
カ 広報費
会派が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動に要する経費(広報誌・報告書等印刷費,送料,交通費等)
キ 事務費
会派が行う調査研究に係る事務の遂行に必要な経費(事務用品・備品購入費,通信費等)
ク 人件費
会派が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費(給料,手当,社会保険料,賃金等)
(4)  栃木県政務調査費マニュアル(乙3)
本件使途基準については,政務調査費の経理の適正な取扱いを期すために,平成20年3月に県議会が作成した栃木県政務調査費マニュアル(以下「マニュアル」という。)がある。
マニュアルにおいては,政務調査費の対象となる調査研究活動や本件使途基準の考え方につき,次のように示されている。
ア 政務調査費の対象となる調査研究活動(乙3・1頁,3頁)
政務調査費は,議員が,議員としての職責・職務を果たすために行う調査研究に資するため,必要な経費の一部として交付される。
政務調査費の対象となる調査研究活動として,会派が計画した県の事務又は地方行財政に関する調査研究であればこれに該当する。
会派の事業計画にないものや議員の私的な調査研究は対象とはならない。
このことから,会派として実施する調査研究活動を具体的に決定した上で,会派の調査研究活動を会派に所属する議員が分担して行う場合に限り,個々の議員が実施する調査研究活動へも政務調査費を充当することができるものとする。
イ 政務調査費執行に当たっての原則(乙3・4頁)
調査研究活動は会派の自発的な意志に基づき行うものであるから,社会通念上妥当な範囲のものであることを前提とした上で,調査研究に要した費用の実費に充当することを原則とする。ただし,調査研究のために自家用車を使用した場合の交通費(燃料代)等については,実費の把握が困難であること等から,一定の基準で支出することとする。
ウ 政務調査費の充当が不適当な経費(乙3・4頁,5頁)
(ア) 政党活動経費
・党大会への出席に要する経費及び党大会賛助金等に要する経費
・政党活動,県連活動に要する経費
・政党の広報紙,パンフレット,ビラ等の印刷及び発送等に要する経費
・政党組織の事務所の設置及び維持に要する経費(人件費を含む。)
(イ) 選挙活動経費
・選挙運動及び選挙活動に要する経費
・衆議院・参議院選挙などでの各種団体への支援依頼活動,選挙ビラ作成等に要する経費
(ウ) 後援会活動経費
・後援会活動に要する経費
・後援会の広報紙,パンフレット,ビラ等の印刷及び発送等に要する経費
・後援会事務所の設置及び維持に要する経費(人件費を含む。)
(エ) 私的経費
・香典,祝金,寸志等の冠婚葬祭や祝賀会の出席に要する経費
・病気見舞い,餞別,中元・歳暮,電報,年賀状の購入・印刷等の儀礼的に要する経費
・檀家総代会,報恩講,宮参り等の宗教活動に要する経費
・観光,レクリエーション,私的な旅行等に要する経費
・親睦会又は飲食を目的とした会合,レクリエーション大会等の開催及び参加に要する経費
・議員が他の団体の役職を兼ねていて,その団体の理事会,役員会及び総会等への出席に要する経費
(オ) その他適当でない経費
・挨拶,会食やテープカットだけの出席に要する経費
(JA,土地改良区,森林組合の総会及び出初め式等の挨拶だけの出席)
(町内会,老人クラブ,婦人会の新年会等の会食だけの出席)
(起工式,竣工式等への出席)
・事務所用の土地・建物の取得など資産形成につながるものや自動車の購入及び維持修理に要する経費
・社会通念上,妥当性を超えた経費や公職選挙法等の法令の制限に抵触する経費
(公職選挙法第199条の2「公職の候補者等の寄付禁止」等)
・調査研究活動に直接必要としない備品の購入等に要する経費
(冷蔵庫,美術品,衣服等)
・「県政報告会」と称しながら,飲食のみに終始した会合の経費
(カ) 会費として支出するのに適さない例(乙3・5頁)
・団体の活動総体が政務調査活動に寄与しない場合,その団体に対して納める年会費,月会費
・個人の立場で加入している団体などに対する会費等(例:町内会費,公民館費,壮年会費,PTA会費,婦人会費,スポーツクラブ会費,商工会費,同窓会費,老人クラブ会費,ライオンズクラブ・ロータリークラブ会費等で議員個人に本来帰属する経費)
・政党(県連)本来の活動に伴う党大会,党費,賛助金等
・議会内の親睦団体(議員野球部,ゴルフクラブ)の会費
・他の議員の後援会や祝賀会に出席する会費
・宗教団体の会費
・冠婚葬祭の経費(例:結婚式の会費,香典,祝賀会の会費,祭りの経費)
・親睦又は飲食を目的とする会合の会費
・意見交換を伴わない会合の参加費
エ 使途基準の考え方
使途基準の具体的な考え方については,別添資料1のとおりである。
オ 按分による支出の考え方(乙3・12頁ないし14頁)
使途項目のうち,「人件費」,「事務費」及び「事務所費」は,調査研究活動のほか,その他の各種活動に要した時間を含めた総時間に対する調査研究活動に要した時間の割合等によって経費を按分し,調査研究活動に要した経費相当額のみを政務調査費から支出することとする。ただし,原則2分の1を上限とする。
上記は,「人件費」,「事務費」及び「事務所費」が,調査研究活動以外の活動にも使用される可能性があり,その性質上,調査研究活動に要した部分とそれ以外の活動に要した部分を明確に区分することが困難であると考えられるが,政務調査費は,調査研究活動に要した経費しか支出できないことから,按分により,調査研究活動に要した経費部分を算定して支出することとしているものである。
按分率を見出すためには,使用実績等を積み上げて,その割合を求める。面倒でも,按分率を費目ごとに一定の数値で予め決めるというわけにはいかない。
そして,収支報告書に添えて提出する領収書等の写しは,領収書等の添付様式に添付し,使途及び内容等,按分の割合と按分の割合に基づく支出額,政務調査費の支出額(按分による支出額以外で,経費の一部に政務調査費を充当した場合等,領収書等の額面金額では政務調査費の支出が判明しない場合)を記載する。
これは,個々の支出が使途基準に沿ったものであるか,また,政務調査費がいくら支出されたかを明確にするために,領収書等に必要な事項を記載することとしたものである。なお,収支報告書に記載されている内容に間違い等がないかを確認するためにも,領収書等には,これらの記載が必ず必要なので注意することとされている。
(5)  マニュアルの運用について
マニュアルを具体化したものとして,平成22年3月11日に政務調査費経理責任者連絡会議において作成された「栃木県政務調査費マニュアルの運用について」と題する書面(以下「本件申合せ」という。)が,各項目において,政務調査費として支出することの可否を具体例を踏まえ定めており,本件申合せに基づく運用は,平成22年4月1日から実施されている(乙4)。
2  前提事実(括弧内に証拠等を記載した事実以外は争いがない。)
(1)  当事者等
ア 原告は,地方公共団体等の不正及び不当な行為を監視是正することを目的として結成された栃木県内に事務所を有する法人格のない社団である。
イ 被告は,栃木県知事であり,自治法242条の2第1項4号にいう普通地方公共団体である栃木県の執行機関である。
ウ 被告補助参加人ら(以下「補助参加人ら」という。)は,県議会における会派である。補助参加人らの本判決における略称は,下記のとおりとする。

★表▽★
補助参加人らの名称 略称
Z1会★(従前の名称であるa会を含む) 参加人Z1会
Z2会★(なお,平成23年4月30日に会派を解散している。乙2) 参加人Z2会
Z3クラブ 参加人Z3会
Z4クラブ★(平成28年4月1日,bクラブからcクラブに変更した後,平成30年5月14日,同名称から変更。) 参加人Z4クラブ
Z5会★(従前の名称であるd会を含む。) 参加人Z5会
Z6クラブ★(なお,平成23年4月30日に会派を解散している。乙1) 参加人Z6クラブ
★表△★
以上
(2)  県は,本件条例に基づき,平成22年度の政務調査費として,参加人Z1会に対して1億0320万円(甲2の1),参加人Z4クラブに対して2370万円(甲2の2),参加人Z3会に対して1410万円(甲2の3),参加人Z6クラブに対して1440万円(甲2の4),参加人Z5会に対して720万円(甲2の5),参加人Z2会に対して360万円をそれぞれ交付した(甲2の6)。
補助参加人らは,各会派の平成22年度政務調査費収支報告書(甲2の1ないし6)の支出欄記載の支出をしたと報告し,参加人Z1会は466万4639円,参加人Z4クラブは193万9508円,参加人Z5会は459万1388円,参加人Z3会は150万5907円,参加人Z2会は23万6256円を返還した。なお,参加人Z6クラブは残余額がないとして返還しなかった(甲2の4)。
さらに,後記の住民監査請求に係る監査委員の勧告(甲3の2)により,参加人Z1会は8114円,参加人Z4クラブは1万6846円,参加人Z3会は8万5904円,参加人Z6クラブは65万8714円を返還した(乙5ないし乙8,弁論の全趣旨)。
(3)  住民監査請求の前置
原告は,平成24年5月29日,栃木県監査委員に対し,補助参加人らに違法な公金の支出があったとして,被告に対し補助参加人らの上記支出により栃木県が被った損害を填補するために必要な措置を講じるよう勧告することを求め,住民監査請求を行った(甲1の1ないし3)。
栃木県監査委員は,同年7月26日,原告の請求の一部には理由があると認めて参加人Z1会,参加人Z6クラブ,参加人Z4クラブ及び参加人Z3会に必要な措置を講ずるよう勧告したが,その余の請求には理由がないとして,原告による措置請求を棄却ずる旨の通知をした(甲3の1及び2)。
原告は,同年8月22日,本件訴えを提起し,本件訴えに係る訴状は同年9月10日,被告に送達された。
3  争点
本件の争点は原告が違法と主張する次項目における補助参加人らによる政務調査費の支出(以下「本件各支出」という。)が本件使途基準に適合するかである。
(1)  参加人Z1会に所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の交通費
イ 調査研究費中の調査委託費(事務所費,人件費含む。)
ウ 調査研究費中の宿泊費(食卓料含む。)
エ 調査研究費中の視察経費等
オ 研修費
カ 会議費
キ 資料作成費
ク 資料購入費
ケ 事務費
コ 人件費
(2)  参加人Z2会に所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の交通費,食卓料
イ 調査研究費中の視察経費等
ウ 資料購入費
エ 広報費
オ 事務費
カ 人件費
(3)  参加人Z3会に所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の視察経費
イ 調査研究費中の交通費
ウ 調査研究費中の事務所費
エ 研修費
オ 資料購入費
カ 広報費
キ 事務費
ク 人件費
(4)  参加人Z4クラブに所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の交通費
イ 調査研究費中の調査委託費(事務所費,人件費含む。)
ウ 調査研究費中の視察経費等
エ 研修費
オ 会議費
カ 資料購入費
キ 広報費
ク 事務費
ケ 人件費
(5)  参加人Z5会に所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の交通費
イ 調査研究費中の視察経費
ウ 研修費
エ 資料作成費
オ 資料購入費
カ 広報費
キ 人件費
(6)  参加人Z6クラブに所属する議員の支出について
ア 調査研究費中の交通費
イ 調査研究費中の視察経費
ウ 調査研究費中の調査委託費等(事務所費含む。)
エ 研修費
オ 会議費
カ 資料作成費
キ 資料購入費
ク 広報費
ケ 事務費
コ 人件費
4  争点に関する当事者の主張
(1)  判断基準等について
(原告の主張)
ア 政務調査費の支出における違法性の基準について
自治法の趣旨からすれば,収支報告書と証拠書類によって政務調査費の支払の事実と本件使途基準該当性が明らかにされなければならず,それが明らかにされないものについては政務調査費の支払の事実が認められないというべきである。
適法な政務調査費の支出として認められるには,①調査研究の実質があること,②県政との関連性及び支出の必要性・合理性が認められること,③使途基準及びマニュアルに適合することを要し,これらが一つでも欠ければ違法な政務調査費の支出となる。
なお,マニュアルを具体化したものとして作成された本件申合せに基づく運用に適合しない支出についても,違法な政務調査費の支出となる。
イ(ア) 形式面の検討のみで違法な支出といえるもの
マニュアルでは,政務調査費の対象と認められるには,当該調査研究が調査研究実施計画に基づくこと,議員又はグループで分担させる際にはそのことを明示した上で調査研究活動報告書を提出させることとし,また,会計帳簿の作成,議員又はグループに調査研究を分担した場合は経理責任者に会計帳簿と証拠書類の提出,領収書の原則的な提出が定められており,これらが遵守されていない場合,マニュアルに反するものとして,その具体的な支出内容にかかわらず,違法な政務調査費の支出となる。
(イ) 実質面の検討を踏まえて違法な支出といえるもの
また,政務調査費を①政党活動経費,②選挙活動経費,③後援会活動経費,④私的経費,⑤挨拶・会食やテープカットだけの出席に要する経費,⑥資産形成につながるものや自動車の購入及び維持修理に要する費用,⑦社会通念上妥当性を超えた経費や法令の制限に抵触する経費,⑧調査研究活動に直接必要としない備品の購入等に要する経費,⑨県政報告会と称しながら飲食のみに終始した会合の経費,⑩議員が他の団体の役職を兼ねている場合のその団体の会合への出席費用の支出について充当することは認められない。
ウ 立証責任について
一般的に政務調査費としての支出について疑義がある事項については,議員の調査研究に社会通念上必要なものと認めるに足りる特段の事情を支出を正当とする側で具体的に主張立証することを要し,それがなされなければ支出は違法となる。被告及び補助参加人らは,原告が疑義を指摘する政務調査費の支出について,抽象的な正当性を述べるだけにとどまらず,正当性について具体的な主張を行い,かつ具体的な証拠に基づき立証しなければ,上記支出は違法である。
そして,本件各支出は明らかに違法な支出であり,その支出内容からすれば,補助参加人らは悪意の受益者として,返還すべき日から民法所定の年5分の利息を付して支払う必要がある。
(被告の主張)
政務調査費の使用が認められるかどうかは,本件使途基準に従った使用であるかどうかによって決せられるものであり,これが収支報告書や証拠書類で明らかにされるかどうか,またマニュアル及びマニュアルの運用について定める乙4号証に適合しているか否かによって決せられる旨の原告の主張は,自治法及び本件条例の関係規定の解釈を誤ったものである。
知事である被告が,議員の活動の手段,活動のための人的・物的設備,活動内容等に踏み込み,政務調査費の使途基準に適合しているかどうか,その金額が合理的かどうかなどを直接判断するのは相当でないところ,被告に送付された収支報告書の写し(甲2の1ないし6)から,各会派の平成22年度政務調査費が使途基準に違反して違法又は不当に支出されたことは窺えないものである。
また,原告は,補助参加人らが悪意の受益者(民法704条)であることを主張するが,その立証は,原告において,補助参加人らが受け取った政務調査費それぞれにつき法律上の原因がないことを認識していたことを個別に立証しなければならないものである。
(2)  個別の支出項目について
個別の支出についての原告,被告及び補助参加人ら(以下,被告と補助参加人らを合わせて「被告ら」という。)の主張は,別添資料2(以下「主張整理表」という。)に記載のとおりである。
第3  争点に対する判断
1  判断基準
(1)  自治法100条14項,15項の規定による政務調査費の制度は,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せて政務調査費の使途の透明性を確保しようとしたものである(最高裁判所平成25年1月25日第二小法廷判決・集民243号11頁,同平成22年4月12日第二小法廷決定・集民234号1頁参照)。そして,この趣旨を受けて,栃木県では,本件条例及び本件規程において,政務調査費の交付に関する手続について定めるとともに,政務調査費の使途の基準として本件使途基準を設けている。さらに,本件使途基準を具体化,明確化するため,マニュアル及び本件申合せを定めているものである。
そして,本件使途基準,マニュアル及び本件申合せの内容につき,不合理であることをうかがわせる事情はない。
以上のことからすると,地方議会の議員らが支出する政務調査費は,本件使途基準に沿ったものでなければならないことはもちろん,マニュアル及び本件申合せについても,政務調査費の支出の適法性審査にあたって,考慮要素になるというべきである。
一方で,地方自治体の政策形成に関する調査研究活動は広範な分野にわたるものであり,その内容や手法も様々なものが考えられ,その調査研究活動による成果の有無も長期的・総体的な視点によらなければ検証することのできない性質のものである。
以上のような観点に加えて,一般に不当利得返還請求訴訟においては,返還を請求する者において,当該利得につき「法律上の原因を欠くこと」を主張立証すべきであると解されること,県の住民が収支報告書に計上された支出の有無及び内容を逐一把握することは困難であることを踏まえれば,支出された政務調査費が本件使途基準に適合しないとして争う原告において,違法であると主張する支出を特定した上で,本件使途基準に合致しない政務調査費の支出がなされたことを推認させる一般的,外形的な事実の存在(以下「一般的,外形的事実」という。)を主張立証した場合には,これに対して,被告及び補助参加人らから上記支出が本件使途基準に該当するものであることについて相当の根拠,資料に基づいた適切な反証がなされない限り,当該政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出に該当するものと認めるのが相当である。
(2)  そこで,以下,各会派の各議員については,各補助参加人の政務調査実施要綱の実施計画を前提に支出の本件使途基準適合性を判断する。
2  参加人Z1会に所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の交通費
ア 使途基準
調査研究費を,会派が行う県の事務及び地方行政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費とする本件使途基準の内容からすれば,調査研究費中の交通費は,調査研究又は調査委託との間に合理的関連性を有するものであり,かつ社会通念上妥当な範囲(マニュアル・4頁)の内容及び額である必要がある。
イ マニュアルの定め(乙3・6頁,10頁)
(ア) 交通費,宿泊費,燃料(以下「ガソリン」という。)代等の支出は,政務調査における調査研究活動が自発的活動であり,所要金額を議員自身が把握できるものであることから,実費弁償が原則となる。
自家用車を使用した場合は,算出が困難なこと等から,ガソリン代相当として,議員の実測による走行距離1キロメートル当たり37円を乗じた額を支出することとする。また,この支出は政務調査費の支払証明書により議員が証明する。
JR,私鉄,バス,地下鉄を利用した場合は領収書の写し又は支払証明書を添付し,タクシーを利用した場合は領収書の写しを添付し,航空機,船舶を利用した場合は旅行会社の領収書の写し又は支払証明書,搭乗が確認できる搭乗券の写しを添付し,高速道路料金及び駐車場料金については,領収書又は利用明細書の写しを添付する。
食卓料については,宿泊費等の項目において説明がなされており,内訳として朝と夜の記載があることからすると,調査研究又は調査委託に宿泊が伴う場合には,これに朝食,夕食が伴うことが通常であることから,そのような食事に要する費用に限り政務調査費からの支出を許容する趣旨と考えられる。したがって,食卓料を調査研究費として支出するためには,調査研究又は調査委託に宿泊が伴うことが前提とされていると解するべきである。
(イ) 原告は,自家用車は個人資産であって,車両購入費や維持費は調査研究費とは認められないので,ガソリン代はそれらを含めた額であってはならず,上記37円の基準自体が高額すぎ,不当性がある旨主張している。
しかし,ガソリンの値段は原油価格により大きく上下することもありうることや,自家用車の車種や使用年数等は個々の議員によって様々であることが推測されるのであるから,走行距離1キロメートル当たり37円とする基準が不合理であるとまではいえない。
ウ 本件申合せの定め(乙4)
本件申合せは,ガソリン代について,以下のとおり定めている。
(ア) 走行距離は議員の実測を原則とするが,走行する区間について,走行距離の測定を忘失等した場合には,国土地理院発行の地形図(5万分の1以上の縮尺のもの)によるキルビメーターを用いた,又は国土地理院長の承認を得た地図データベースに基づく電子地図で,2点間距離を道路の形状に沿って測定できるものによる走行距離を利用できるものとする。
この場合,政務調査費支払証明書の備考欄にその旨を記載する。
(イ) 調査研究活動を補助する者として雇用している職員(常勤・臨時)のガソリン代については,雇用関係における人件費(旅費等)のなかで処理することを原則とする(実際に使用したガソリン代を支払う等。)。
議員が多忙等により自身で調査研究活動が行えず,緊急性等が認められる状況において,上記職員が調査研究活動の補助を行った場合には,調査の目的,内容等を具体的に指示した場合に限り議員のそれとして計上できるものとする。
この場合,「政務調査費支払証明書」の備考欄にその旨を記載するとともに,「政務調査活動記録票」にその内容を記載するものとする。
ア A7議員
(ア) 支払証明書(甲6の1ないし29)によれば,A7議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車・バスを利用したことにより,平成22年4月のうち28日間分として10万5043円支出したこと(甲6の1ないし3),同年5月のうち25日間分として10万8921円支出したこと(甲6の4ないし6),同年6月のうち26日間分として11万4337円支出したこと(甲6の7ないし9),同年7月のうち24日間分として6万2736円支出したこと(甲6の10ないし12),同年8月のうち25日間分として8万4619円を支出したこと(甲6の13及び14),同年9月のうち22日間分として9万0206円を支出したこと(甲6の15及び16),同年10月のうち25日間分として6万4861円を支出したこと(甲6の17及び18),同年11月の30日間分として9万1799円を支出したこと(甲6の19ないし21),同年12月のうち25日間分として8万7332円を支出したこと(甲6の22及び23),平成23年1月のうち26日間分として8万3250円を支出したこと(甲6の24及び25),同年2月のうち24日間分として8万0808円を支出したこと(甲6の26及び27),同年3月のうち28日間分として9万3499円を支出したこと(甲6の28及び29),支払証明書の「使途の内容」欄には,「今年度の重点事項」,「文教警察行政について」,「県土整備行政について」及び目的地及びそれに向かうルート(以下「目的地等」という。)の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記「使途の内容」及び目的地等の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
しかし,上記「使途の内容」記載については参加人Z1会の策定した平成22年度政務調査実施要綱(丙A1。以下「参加人Z1会政務調査要綱」という。)により具体化されているものであるから,原告の上記主張は認められない。
また,目的地の記載についても,上記「使途の内容」には「宇都宮市」,「下野市」などの記載があること,調査研究活動は様々な地でなされることが通例であり,交通ルートの記載を求めることは現実的ではなく,本件使途基準,マニュアル及び本件申合せ(以下,これらを併せて「本件使途基準等」という。)にも交通ルートを記載することまでは求められていないから,この点についての原告の主張も認められない。
(ウ) 原告は,上記支出を前提にすると,A7議員が年間313日,2万8233キロメートルに及んで自家用車等で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張する。
この点,上記支出の中には,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし278),議会終了後に調査研究活動を行うことも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲6の1ないし29),この点についても原告の主張は認められない。なお,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ(甲271ないし278),その所要時間は証拠上明らかでないから,この点については,原告は,一般的,外形的事実を立証できていないものというほかない。
他方で,A7議員は,年間で309日間,走行距離にして2万8233キロメートルにわたり政務調査活動のため自家用車で走行していることになるが,年間7割を超える日数において,1日あたり90キロメートル以上の距離を政務調査活動のため自家用車で走行しているとは考えにくく,政務調査活動以外の走行も含まれると推認すべきである。
そうすると,上記ガソリン代は,その2分の1を超える部分については政務調査費から支出することは許されないというべきである。
なお,領収書を紛失したとされる日の交通費については,マニュアルにおいて,JR等は領収書の写し又は支払証明書でよいとされる(乙3・6頁)から,支払証明書が証拠として存在する(甲6の1ないし29)ことに照らせば,この点をもって違法であるとはいえない。
よって,上記支出のうち53万3705円の支出は違法である。
イ A8議員
(ア) ガソリン代について
A 支払証明書(甲7の1ないし23)によれば,A8議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により,平成22年4月のうち23日間分として6万9375円を支出したこと(甲7の1及び2),同年5月のうち21日間分として4万9432円を支出したこと(甲7の3及び4),同年6月のうち18日間分として4万3586円を支出したこと(甲7の5及び6),同年7月のうち24日間分として7万2816円を支出したこと(甲7の7及び8),同年8月のうち21日間分として7万1669円を支出したこと(甲7の9及び10),同年9月のうち18日間分として5万6462円を支出したこと(甲7の11及び12),同年10月のうち22日間分として5万9274円を支出したこと(甲7の13及び14),同年11月のうち22日間分として7万6109円を支出したこと(甲7の15及び16),同年12月のうち23日間分として7万0041円を支出したこと(甲7の17及び18),平成23年1月のうち18日間分として5万6462円を支出したこと(甲7の19及び20),同年2月のうち18日間分として4万9765円を支出したこと(甲7の21及び22),同年3月のうち12日間分として2万7158円を支出したこと(甲7の23),支払証明書の「使途の内容」欄には,「今年度の重点事項」,「文教警察行政について」,「県土整備行政について」及び目的地等の記載があることが認められる。
そして,上記支出額のうち,参加人Z1会は,3330円を返還したことが認められる(乙9ないし12)。
B 原告は,上記支出を前提にすると,上記A7議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」及び目的地等の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
C 原告は,A8議員が年間240日,1万8977キロメートルに及んで自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張する。
この点,A8議員の年間合計の走行日数及び走行距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められない。
たしかに,A8議員についても,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,上記認定のとおり本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし甲278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲7の1ないし23),この点についても原告の主張は認められない。なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ(甲271ないし甲278),その所要時間は証拠上明らかでないことも上記A7議員の政務調査費において検討したとおりであるから,原告は,一般的,外形的事実を立証できていない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(イ) その余の交通費
A 平成22年4月8日ないし平成23年2月1日付け各領収書(甲7の24ないし44)及びその後の参加人Z1会からの返金(乙9ないし12)によれば,JRを利用した交通費及びタクシー代につき,政務調査費として合計10万9310円を支出したこと,上記各領収書の使途の内容欄に「今年度の重点事項 農業活性化対策」,「文教警察行政 教育施設」,「生活保健福祉行政 医療行政」等の記載があること及が目的・内容等欄に意見交換ないし説明を受けた期日・場所・相手方の記載があることが認められる。
B 原告は,A8議員が文部科学省,国土交通省,厚生労働省を視察したとする日時において,同省は同議員の訪問を受けた事実は確認できなかったと回答しているから(甲265ないし267),同議員による同省の視察という事実は存在せず,この点についての政務調査費の支出は違法である旨主張する。
しかし,まず,文部科学省からの回答(甲265)については,「当時の記録が残っていないため事実確認ができませんでした」と記載されているにとどまる。
次に,国土交通省からの回答(甲266)も,文部科学省と同様に,「文書が残っていないため,不明である」と記載されているにとどまる。
最後に,厚生労働省からの回答(甲267)も,上記2省と同様に,「すべての者の来訪日時について記録し保存していない」ため,訪問の有無は不明と回答するにとどまる。
よって,いずれも,積極的にA8議員が訪問したとする事実を否定するものではなく,政務調査活動を行っていたことと矛盾する事実は存在しないから,原告は一般的,外形的事実を立証できているとはいえない。
したがって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A9議員
(ア) 支払証明書(甲8の1ないし23)によれば,A9議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち20日間分として2万7898円を支出したこと(甲8の1及び2),同年5月のうち18日間分として1万9684円を支出したこと(甲8の3及び4),同年6月のうち19日間分として2万2163円を支出したこと(甲8の5及び6),同年7月のうち22日間分として2万6973円を支出したこと(甲8の7及び8),同年8月のうち23日間分として3万4854円を支出したこと(甲8の9及び10),同年9月のうち17日間分として2万1904円を支出したこと(甲8の11及び12),同年10月のうち20日間分として2万5789円を支出したこと(甲8の13及び14),同年11月のうち18日間分として1万9388円を支出したこと(甲8の15及び16),同年12月のうち11日間分として8584円を支出したこと(甲18の18及び17),平成23年1月のうち20日間分として1万9388円を支出したこと(甲8の19),同年2月のうち20日間分として1万6576円を支出したこと(甲8の20及び21),同年3月のうち少なくとも12日間分として1万1766円を支出したこと(甲8の22及び23),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「文教警察行政について」,「県土整備行政について」及び目的地等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A7議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」及び目的地等の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記支出を前提にすると,A9議員が年間235日に渡って自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張するが,A9議員の年間合計の走行日数及び走行距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められないことは上記A8議員の交通費の支出の検討のとおりである。
たしかに,A9議員についても,議会開催日について交通費を計上したものも一部認められるものの,上記認定のとおり,本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲8の1ないし23),この点についても原告の主張は認められない。なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ,その所要時間は証拠上明らかでないことも上記A7議員の政務調査費において検討したとおりであるから,原告は,一般的,外形的事実を立証できていない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A10議員(甲9)
(ア) 支払証明書(甲9の1ないし12)によれば,A10議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により,平成22年4月のうち12日分として5920円を支出したこと(甲9の1),同年5月のうち10日間分とし5328円を支出したこと(甲9の2),同年6月のうち8日間分として4440円を支出したこと(甲9の3),同年7月のうち13日間分として7770円を支出したこと(甲9の4),同年8月のうち16日間分として1万0804円を支出したこと(甲9の5),同年9月のうち11日間分として5772円を支出したこと(甲9の6),同年10月のうち9日間分として4810円を支出したこと(甲9の7),同年11月のうち15日間分として7918円を支出したこと(甲9の8),同年12月のうち9日間分として6512円を支出したこと(甲9の9),平成23年1月のうち17日間分として8288円を支出したこと(甲9の10),同年2月のうち10日間分として5106円を支出したこと(甲9の11),同年3月のうち9日間分として6549円を支出したこと(甲9の12),支払証明書の備考欄には,「産業基盤の整備について」,「雇用の促進と人材育成対策について」,「学校教育の充実対策について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A7議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないこともまた上記のとおりである。
(ウ) 原告は,A10議員の上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張する。
たしかに,目的地の記載がなければ,当該ガソリン代の用途が明らかにならない一面があることは否定できない。
しかし,本件使途基準等には,支払証明書に目的地の記載を要する旨の定めはなく,「自家用車を使用した際のガソリン代は,交通費が実費支出が原則であるものの,自家用車を使用した際の交通費は,その算出が困難なこと等から,特例として,1kmあたり37円を「走行距離」に乗じて得た額を支出することとする」(マニュアル,乙3・10頁),「走行距離は議員の実測を原則とする」(本件申合せ,乙4・1頁)と定められるのみであり,上記支払証明書には走行距離の記載があることからすると,この点に反するとは認められない。上記支払証明書の備考欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであるといえる。
そうすると,上記支払証明書に目的地の記載がないことのみをもって,違法な支出とまではいえず,原告は,それ以外に,違法な支出であることをうかがわせる主張・立証はしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
オ A11議員
(ア) 支払証明書(甲10の1ないし24)によれば,A11議員が,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち19日間分として7万0226円を支出したこと(甲10の1及び2),同年5月のうち19日間分として6万1235円を支出したこと(甲10の3及び4),同年6月のうち21日間分として7万8884円を支出したこと(甲10の5及び6),同年7月のうち18日間分として6万2086円を支出したこと(甲10の7及び8),同年8月のうち16日間分として5万7646円を支出したこと(甲10の9及び10),同年9月のうち20日間分として5万9718円を支出したこと(甲10の11及び12),同年10月のうち17日間分として6万1901円を支出したこと(甲10の13及び14),同年11月のうち19日間分として6万4047円を支出したこと(甲10の15及び16),同年12月のうち20日間分として5万7313円を支出したこと(甲10の17及び18),平成23年1月のうち18日間分として5万1985円を支出したこと(甲10の19及び20),同年2月のうち17日間分として4万4992円を支出したこと(甲10の21及び22),同年3月のうち19日間分として6万5638円を支出したこと(甲10の23及び24),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「文教警察行政について」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であることや,目的地の記載がないことから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記支出を前提にすると,A11議員が年間228日に渡って,年間走行距離1万9883キロメートルにも及んで自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には,議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張するが,A11議員の年間合計の走行日数及び走行距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められないことは上記A8議員の交通費の支出の検討のとおりである。
たしかに,A11議員についても,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,上記認定のとおり,本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし甲278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲10の1ないし24),この点についても原告の主張は認められない。
なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ(甲271ないし甲278),平成23年3月7日には,予算特別委員会が午前10時05分から午後3時25分まで開催されているところ(甲277・2頁),同日分について,同議員は自家用車で185キロメートル走行したことを計上している(甲10の23)ことが認められるが,同委員会は,同議員が当然出席することが予定されているものかは証拠上明らかではなく,また,仮に出席することが予定されているとしても,県議会議員には終業時刻が観念しえないことからすると,同委員会終了後に当該走行距離を移動し,調査研究活動をすることも何ら不合理ではないのであるから,原告は違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の主張・立証がないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
カ A12議員
(ア) 支払証明書(甲11の1ないし23)によれば,A12議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち24日間分として1万7094円を支出したこと(甲11の1及び2),同年5月のうち22日間分として1万5096円を支出したこと(甲11の3及び4),同年6月のうち16日間分として1万0508円を支出したこと(甲11の5及び6),同年7月のうち18日間分として5180円を支出したこと(甲11の7及び8),同年8月のうち18日間分として4218円を支出したこと(甲11の9及び10),同年9月のうち16日間分として4625円を支出したこと(甲11の11及び12),同年10月のうち21日間分として5365円を支出したこと(甲11の13及び14),同年11月のうち17日間分として4329円を支出したこと(甲11の15及び16),同年12月のうち19日間分として5180円を支出したこと(甲11の17及び18),平成23年1月のうち21日間分として5069円を支出したこと(甲11の19及び20),同年2月のうち19日間分として5920円を支出したこと(甲11の21及び22),同年3月のうち6日間分として1998円を支出したこと(甲11の23),支払証明書の「使途の内容」欄には,「農林環境行政について」,「文教警察行政について」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であることや,目的地の記載がないことから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記支出を前提にすると,A12議員が年間217日に渡って自家用車による移動によって調査研究活動をしていることになるが,調査研究目的か疑わしく,政務調査活動との関連性が明らかでないと主張する。
しかし,上記支払証明書の備考欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであるといえる。
したがって,A12議員が年間217日に渡って自家用車による移動によって調査研究活動をしていることのみをもって,調査研究活動と無関係であるとまではいえず,原告は,それ以外に,違法な支出であることをうかがわせる主張・立証はしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
キ A13議員
(ア) 支払証明書(甲12の1ないし13)によれば,A13議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち16日間分として6万0051円を支出したこと(甲12の1及び2),同年5月のうち14日間分とし4万3808円を支出したこと(甲12の3),同年6月のうち12日間分として3万0599円を支出したこと(甲12の4),同年7月のうち13日間分として1万7908円を支出したこと(甲12の5),同年8月のうち11日間分として2万9526円を支出したこと(甲12の6),同年9月のうち12日間分として2万1682円を支出したこと(甲12の7),同年10月のうち12日間分として1万9943円を支出したこと(甲12の8),同年11月のうち11日間分として2万0165円を支出したこと(甲12の9),同年12月のうち11日間分として1万6058円を支出したこと(甲12の10),平成23年1月のうち12日間分として3万1524円を支出したこと(甲12の11),同年2月のうち13日間分として3万3263円を支出したこと(甲12の12),同年3月のうち7日間分として1万0656円を支出したこと(甲12の13),支払証明書の備考欄には,「県土整備行政について」,「文教警察行政について」,「生活保健福祉行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことは上記A10議員についてと同様である。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ク A14議員
(ア) 支払証明書(甲13の1ないし17)によれば,A14議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち12日間分として3万6260円を支出したこと(甲13の1),同年5月のうち14日間分とし3万5557円を支出したこと(甲13の2),同年6月のうち13日間分として3万9516円を支出したこと(甲13の3),同年7月のうち16日間分として4万6768円を支出したこと(甲13の4及び5),同年8月のうち13日間分として4万3549円を支出したこと(甲13の6),同年9月のうち11日間分として3万1376円を支出したこと(甲13の7),同年10月のうち14日間分として3万7777円を支出したこと(甲13の8及び9),同年11月のうち19日間分として4万9173円を支出したこと(甲13の10及び11),同年12月のうち15日間分として2万4901円を支出したこと(甲13の12及び13),平成23年1月のうち11日間分として3万8702円を支出したこと(甲13の14),同年2月のうち17日間分として3万5779円を支出したこと(甲13の15及び16),同年3月のうち7日間分として1万2062円を支出したこと(甲13の17),支払証明書の「使途の内容」欄には,「県土整備行政について」,「文教警察行政について」,「生活保健福祉行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ケ A15議員
(ア) 支払証明書(甲14の1ないし16)によれば,A15議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を利用したことにより平成22年4月のうち11日間分として2万1608円を支出したこと(甲14の1),同年5月のうち13日間分として2万2385円を支出したこと(甲14の2),同年6月のうち15日間分として2万1933円を支出したこと(甲14の3及び4),同年7月のうち15日間分として1万8743円を支出したこと(甲14の5及び6),同年8月のうち13日間分として1万9913円を支出したこと(甲14の7),同年9月のうち11日間分として3万0389円を支出したこと(甲14の8),同年10月のうち16日間分として1万7267円を支出したこと(甲14の9及び甲14の10),同年11月のうち16日間分として2万5197円を支出したこと(甲14の11及び甲14の12),同年12月のうち13日間分として1万6320円を支出したこと(甲14の13),平成23年1月のうち9日間分として2万0609円を支出したこと(甲14の14),同年2月のうち8日間分として1万1507円を支出したこと(甲14の15),同年3月のうち6日間分として9435円を支出したこと(甲14の16),支払証明書の「使途の内容」欄には,「県土整備行政について」,「文教警察行政について」,「今年度の重点事項」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
コ A16議員
(ア) 支払証明書(甲15の1及び2)によれば,A16議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち25日間分として9万4424円を支出したこと(甲15の1),同年5月のうち24日間分として10万9853円を支出したこと(甲15の2),支払証明書の備考欄には,「農山村風害対策についての那須塩原市幹部職員と意見交換」,「地域消防対策について那須塩原市消防長と意見交換」,「地域医療対策について那須郡市医師会役員と意見交換」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記備考欄の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
たしかに,上記備考欄の記載は,参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)の「実施計画」の記載文言と全く同一ではないものも認められるが,上記「実施計画」に記載する政務調査の対象に関連するものであることは読み取れるところ,原告は,政務調査に関係しないとする具体的な主張を何らしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
サ A17議員
(ア) 支払証明書(甲16の1ないし18)によれば,A17議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち22日間分として5万4834円を支出したこと(甲16の1及び2),同年5月のうち17日間分として4万0885円を支出したこと(甲16の3及び4),同年6月のうち17日間分として3万8813円を支出したこと(甲16の5及び甲16の6),同年7月のうち17日間分として4万5436円を支出したこと(甲16の7及び8),同年8月のうち20日間分として4万8322円を支出したこと(甲16の9及び10),同年9月のうち12日間分として4万8433円を支出したこと(甲16の11),同年10月のうち7日間分として2万0757円を支出したこと(甲16の12),同年11月のうち14日間分として3万4743円を支出したこと(甲16の13),同年12月のうち10日間分として2万1830円を支出したこと(甲16の14),平成23年1月のうち17日間分として4万4955円を支出したこと(甲16の15及び16),同年2月のうち9日間分として2万4309円を支出したこと(甲16の17),同年3月のうち6日間分として1万7094円を支出したこと(甲16の18),支払証明書の「使途の内容」欄には,「農林環境行政について」,「文教警察行政について」,「生活保健福祉行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,支払証明書には抽象的であれ目的地の記載があることや,上記「使途の内容」欄の記載は政務調査活動との関連性が認められるから,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
シ A18議員
(ア) 支払証明書(甲17の1ないし11)によれば,A18議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち2日間分として6660円を支出したこと(甲17の1),同年5月のうち3日間分として4810円を支出したこと(甲17の2),同年6月のうち5日間分として5624円を支出したこと(甲17の3),同年7月のうち14日間分として9065円を支出したこと(甲17の4),同年8月のうち9日間分として6660円を支出したこと(甲17の5),同年9月のうち6日間分として1万0730円を支出したこと(甲17の6),同年11月のうち11日間分として1万6280円を支出したこと(甲17の7),同年12月のうち6日間分として3367円を支出したこと(甲17の8),平成23年1月のうち8日間分として8991円を支出したこと(甲17の9),同年2月のうち9日間分として1万3690円を支出したこと(甲17の10),同年3月のうち2日間分として2590円を支出したこと(甲17の11),支払証明書の「使途の内容」欄には,「金融からの中小企業対策」,「下都賀病院移転について」,「治水事業について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
たしかに,上記備考欄の記載は,参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)の「実施計画」の記載文言と全く同一なものはないが,上記「実施計画」に記載する政務調査の対象に関連するものであることは読み取れるところ,原告は,政務調査に関係しないとする具体的な主張を何らしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ス A19議員
(ア) 支払証明書(甲18の1ないし9)によれば,A19議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を使用したことにより平成22年4月のうち8日間分として1万7534円を支出したこと(甲18の1),同年5月のうち10日間分として1万2321円を支出したこと(甲18の2),同年6月のうち7日間分として3万1857円を支出したこと(甲18の3),同年7月のうち12日間分として1万8030円を支出したこと(甲18の4),同年8月のうち12日間分として1万8450円を支出したこと(甲18の5),同年9月のうち11日間分として1万4744円を支出したこと(甲18の6),同年10月のうち2日間分として9690円を支出したこと(甲18の7),同年11月のうち7日間分として1万8718円を支出したこと(甲18の8),同年12月のうち7日間分として2万8251円を支出したこと(甲18の9),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県政経営行政について」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,この主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
セ A20議員
(ア) 支払証明書(甲19の1ないし15)によれば,A20議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち16日間分として1万0619円を支出したこと(甲19の1及び2),同年5月のうち11日間分として2万9822円を支出したこと(甲19の3),同年6月のうち9日間分として1万2543円を支出したこと(甲19の4),同年7月のうち13日間分として1万6354円を支出したこと(甲19の5),同年8月のうち19日間分として2万2385円を支出したこと(甲19の6及び7),同年9月のうち11日間分として1万2950円を支出したこと(甲19の8),同年10月のうち12日間分として1万7464円を支出したこと(甲19の9),同年11月のうち12日間分として1万6835円を支出したこと(甲19の10),同年12月のうち11日間分として1万1470円を支出したこと(甲19の11),平成23年1月のうち17日間分として2万0165円を支出したこと(甲19の12及び13),同年2月のうち11日間分として1万2543円を支出したこと(甲19の14),同年3月のうち7日間分として1万3764円を支出したこと(甲19の15),支払証明書の「使途の内容」欄には,「経済企業行政について」,「県政経営行政について」,「文教警察行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ソ A21議員
(ア) 支払証明書(甲20の1ないし19)によれば,A21議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち15日間において2万8009円を支出したこと(甲20の1及び2),同年5月のうち18日間分として3万2338円を支出したこと(甲20の3及び4),同年6月のうち12日間分として1万7538円を支出したこと(甲20の5及び6),同年7月のうち12日間分として2万4679円を支出したこと(甲20の7),同年8月のうち13日間分として2万6714円を支出したこと(甲20の8),同年9月のうち12日間分として1万6835円を支出したこと(甲20の9),同年10月のうち12日間分として2万4161円を支出したこと(甲20の10),同年11月のうち19日間分として3万3707円を支出したこと(甲20の11及び12),同年12月のうち2日間分として925円を支出したこと(甲20の13),平成23年1月のうち18日間分として3万3263円を支出したこと(甲20の14及び15),同年2月のうち16日間分として2万6233円を支出したこと(甲20の16及び17),同年3月のうち16日間分として1万5022円を支出したこと(甲20の18及び19),支払証明書の「使途の内容」欄には,「経済企業行政について」,「県土整備行政について」,「文教警察行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
タ A22議員
(ア) ガソリン代について
A 支払証明書(甲21の1ないし12)によれば,A22議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち9日間分として1万5910円を支出したこと(甲21の1),同年5月のうち4日間分として4810円を支出したこと(甲21の2),同年6月のうち13日間分として9435円を支出したこと(甲21の3),同年7月のうち14日間分として1万1285円を支出したこと(甲21の4),同年8月のうち15日間分として8658円を支出したこと(甲21の5),同年9月のうち6日間分として5550円を支出したこと(甲21の6),同年10月のうち9日間分として5624円を支出したこと(甲21の7),同年11月のうち9日間分として1万0434円を支出したこと(甲21の8),同年12月のうち12日間分として1万0434円を支出したこと(甲21の9),平成23年1月のうち13日間分として9620円を支出したこと(甲21の10),同年2月のうち14日間分として1万2025円を支出したこと(甲21の11),同年3月のうち13日間分として1万5910円を支出したこと(甲21の12),支払証明書の「使途の内容」欄には,「経済企業行政について」,「県政経営行政について」,「文教警察行政について」等の記載があることが認められる。
B 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
C 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(イ) 高速道路料金について
A 証拠書類の添付様式(甲21の13及び14)によれば,高速道路料金として,平成22年4月9日,2900円を支出したこと,同月10日,2250円を支出したこと,「使途の内容」欄には「県政経営行政について」,「目的・内容等」欄には「地方自治法の一部を改正する法律案の概要説明,及び意見交換 高速代」,「相手方」欄に「総務省(M代議士秘書・N同行)」の記載があることが認められる。
B 原告は,調査活動の内容が不明確であり,違法な支出である旨主張する。
マニュアルにおいて,高速道路料金は「実費充当 領収書又は利用明細書の写しを添付」と記載されており(乙3・6頁),活動内容を具体的に記載することは要求されていない。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告は他に違法な支出であることを主張・立証しない。
そうすると,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
チ A25議員(甲22)
(ア) 支払証明書(甲22の1ないし14)によれば,A25議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち16日間分として5万9459円を支出したこと(甲22の1及び2),同年5月のうち11日間分として4万2994円を支出したこと(甲22の3),同年6月のうち12日間分として4万2106円を支出したこと(甲22の4),同年7月のうち15日間分として7万3297円を支出したこと(甲22の5),同年8月のうち12日間分として3万9997円を支出したこと(甲22の6),同年9月のうち12日間分として6万2641円を支出したこと(甲22の7),同年10月のうち8日間分として2万6640円を支出したこと(甲22の8),同年11月のうち16日間分として3万9738円を支出したこと(甲22の9及び10),同年12月のうち13日間分として2万5197円を支出したこと(甲22の11),平成23年1月のうち14日間分として5万5759円を支出したこと(甲22の12),同年2月のうち9日間分として2万2940円を支出したこと(甲22の13),同年3月のうち11日間分として2万4013円を支出したこと(甲22の14),支払証明書の「備考」欄には,「商工・経済企業行政」,「県土整備行政」,「農林・環境行政」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものあるいは同要綱の定めに含まれるものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ツ A26議員
(ア) 支払証明書(甲23の1ないし19)によれば,A26議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち16日間分として3万5002円を支出したこと(甲23の1及び2),同年5月のうち12日間分として2万9822円を支出したこと(甲23の3),同年6月のうち7日間分として1万7834円を支出したこと(甲23の4),同年7月のうち9日間分として2万4087円を支出したこと(甲23の5及び6),同年8月のうち15日間分として4万6842円を支出したこと(甲23の7及び8),同年9月のうち10日間分として2万3273円を支出したこと(甲23の9),同年10月のうち8日間分として1万3912円を支出したこと(甲23の10),同年11月のうち17日間分として4万7545円を支出したこと(甲23の11及び12),同年12月のうち10日間分として2万1719円を支出したこと(甲23の13),平成23年1月のうち14日間分として3万5224円を支出したこと(甲23の14及び15),同年2月のうち8日間分として1万5910円を支出したこと(甲23の16及び17),同年3月のうち3日間分として1258円を支出したこと(甲23の18及び19),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県土整備行政について」,「農林環境行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
テ A27議員
(ア) 支払証明書(甲24の1ないし5)によれば,A27議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち18日間分として7万3667円を支出したこと(甲24の1及び2),同年5月のうち16日間分として5万4686円を支出したこと(甲24の3及び4),同年6月のうち5日間分として1万2062円を支出したこと(甲24の5),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県土整備行政について],「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張するが,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ト A28議員
(ア) 支払証明書(甲25の1ないし22)によれば,A28議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車・バス利用により平成22年4月のうち19日間分として6万1531円支出したこと(甲25の1及び2),同年5月のうち19日間分として6万7652円支出したこと(甲25の3ないし及び4),同年6月のうち12日間分として1万9721円を支出したこと(甲25の5),同年7月のうち16日間分として5万0024円を支出したこと(甲25の6及び7),同年8月のうち23日間分として10万0381円支出したこと(甲25の8及び9),同年9月のうち20日間分として5万2944円支出したこと(甲25の10及び11),同年10月のうち15日間分として2万7482円支出したこと(甲25の12及び甲25の13),同年11月のうち24日間分として6万8857円を支出したこと(甲25の14及び15),同年12月のうち19日間分として6万4423円を支出したこと(甲25の16及び17),平成23年1月のうち27日間分として7万8958円支出したこと(甲25の18ないし20),同年2月のうち19日間分として5万4335円を支出したこと(甲25の21及び22),支払証明書の「使途の内容」欄には,「県政経営行政について」,「今年度の重点事項」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,原告のこの主張も認められないことは上記のとおりである。
(エ) 原告は,上記支出を前提にすると,A28議員が年間220日,1万6930キロメートルに及んで自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張する。
この点,県議会議員は,その調査研究活動の対象が広範囲に及ぶことが想定されるものであり,それに伴って走行距離が膨大なものとなることも容易に想像できるところであるから,合計の走行距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められない。
たしかに,上記支出の中には,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,上記認定のとおり本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲25の1ないし22),この点についても原告の主張は認められない。なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ,その所要時間は証拠上明らかでないから,原告は,一般的,外形的事実を立証できていないものというほかない。
また,領収書を紛失したとされる日の交通費について支出することが違法でないことは,上記A7議員の支出についての判断に記載したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ナ A29議員
(ア) 支払証明書(甲26の1ないし17)によれば,A29議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち11日間分として5698円を支出したこと(甲26の1),同年5月のうち11日間分として5402円を支出したこと(甲26の2),同年6月のうち6日間分として2738円を支出したこと(甲26の3),同年7月のうち16日間分として9213円を支出したこと(甲26の4及び5),同年8月のうち17日間分として1万1174円を支出したこと(甲26の6及び7),同年9月のうち10日間分として9102円を支出したこと(甲26の8),同年10月のうち12日間分として5587円を支出したこと(甲26の9),同年11月のうち18日間分として1万0989円を支出したこと(甲26の10及び11),同年12月のうち15日間分として9472円を支出したこと(甲26の12及び13),平成23年1月のうち16日間分として8584円を支出したこと(甲26の14及び15),同年2月のうち7日間分として3256円を支出したこと(甲26の16),同年3月のうち5日間分として1554円を支出したこと(甲26の17),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県土整備行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ニ A30議員
(ア) 支払証明書(甲27の1ないし21)によれば,A30議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち22日間において7252円を支出したこと(甲27の1及び2),同年5月のうち18日間分として5883円を支出したこと(甲27の3及び4),同年6月のうち19日間分として1万1396円を支出したこと(甲27の5及び6),同年7月のうち22日間分として1万4356円を支出したこと(甲27の7及び8),同年8月のうち22日間分として7252円を支出したこと(甲27の9及び10),同年9月のうち18日間分として6512円を支出したこと(甲27の11及び12),同年10月のうち15日間分として5994円を支出したこと(甲27の13),同年11月のうち17日間分として7067円を支出したこと(甲27の14及び15),同年12月のうち19日間分として8917円を支出したこと(甲27の16及び17),平成23年1月のうち18日間分として4810円を支出したこと(甲27の18及び19),同年2月のうち15日間分として5291円を支出したこと(甲27の20),同年3月のうち14日間分として6882円を支出したこと(甲27の21),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県土整備行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
(エ) また,原告は,上記支払証明書によれば年間222日を超えて自家用車移動による調査研究活動を行っていることになるため,調査研究目的であるか疑わしいとも主張するが,調査研究活動との関連性が否定されないのは上記のとおりであり,原告は,それ以外に,違法な支出であることをうかがわせる主張・立証はしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ヌ A31議員
(ア) 支払証明書(甲28の1ないし15)によれば,A31議員が,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち15日間において自家用車走行により5万2207円を支出したこと(甲28の1及び2),同年5月のうち12日間分として2万5086円を支出したこと(甲28の3),同年6月のうち8日間分として3万1857円を支出したこと(甲28の4),同年7月のうち12日間分として3万9109円を支出したこと(甲28の5),同年8月のうち9日間分として3万8332円を支出したこと(甲28の6),同年9月のうち12日間分として3万6813円を支出したこと(甲28の7),同年10月のうち13日間分として3万1850円を支出したこと(甲28の8),同年11月のうち17日間分として6万5416円を支出したこと(甲28の9及び10),同年12月のうち9日間分として2万2792円を支出したこと(甲28の11),平成23年1月のうち16日間分として5万0246円を支出したこと(甲28の12及び13),同年2月のうち6日間分として2万2644円を支出したこと(甲28の14),同年3月のうち4日間分として5809円を支出したこと(甲28の15),支払証明書の「使途の内容」欄には,「生活保健福祉行政について」,「県土整備行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」欄の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ネ A32議員
(ア) 支払証明書(甲29の1ないし35)によれば,A32議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち17日間として2万5604円を支出したこと(甲29の1ないし3),同年5月のうち24日間分として2万7491円を支出したこと(甲29の4ないし6),同年6月のうち27日間分として2万6492円を支出したこと(甲29の7ないし9),同年7月のうち17日間分として1万7205円を支出したこと(甲29の10及び11),同年8月のうち20日間分として1万8611円を支出したこと(甲29の12及び13),同年9月のうち20日間分として2万1571円を支出したこと(甲29の14ないし16),同年10月のうち29日間分として3万0488円を支出したこと(甲29の17ないし20),同年11月のうち27日間分として2万6381円を支出したこと(甲29の21ないし24),同年12月のうち22日間分として2万4050円を支出したこと(甲29の25ないし27),平成23年1月のうち23日間分として2万4309円を支出したこと(甲29の28ないし30),同年2月のうち25日間分として3万3892円を支出したこと(甲29の31ないし33),同年3月のうち23日間分として1万9758円を支出したこと(甲29の34及び35),支払証明書の「使途の内容」欄には,「経済企業行政について」,「生活保健福祉行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
(エ) また,原告は,上記支払証明書によれば年間281日を超えて自家用車移動による調査研究活動を行っていることになるため,調査研究目的であるか疑わしいとも主張する。
たしかに,自家用車走行により調査研究活動を行う日数が1年のうち約77パーセント(以下「%」と表記する。)にも及ぶのは,大きな割合であると認められる。しかし,そのことから直ちに調査研究活動との関連性が否定されるものではなく,上記のとおり一見して調査研究活動と無関係と認められるわけではないことに加え,原告は,それ以外に,違法な支出であることをうかがわせる主張・立証はしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ノ A33議員
(ア) 支払証明書(甲30の1ないし16)によれば,A33議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち15日間分として1万2839円を支出したこと(甲30の1及び2),同年5月のうち11日間分として1万2913円を支出したこと(甲30の3),同年6月のうち15日間分として1万4060円を支出したこと(甲30の4),同年7月のうち13日間分として1万5207円を支出したこと(甲30の5及び6),同年8月のうち16日間分として2万4161円を支出したこと(甲30の7及び8),同年9月のうち10日間分として1万0619円を支出したこと(甲30の9),同年10月のうち11日間分として6734円を支出したこと(甲30の10),同年11月のうち11日間分として8658円を支出したこと(甲30の11),同年12月のうち14日間分として1万2617円を支出したこと(甲30の12及び13),平成23年1月のうち12日間分として9398円を支出したこと(甲30の14),同年2月のうち10日間分として4773円を支出したこと(甲30の15),同年3月のうち4日間分として2997円を支出したこと(甲30の16),支払証明書の「使途の内容」欄には,「文教警察行政について」,「生活保健福祉行政について」,[県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」欄の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
ハ A34議員
(ア) 支払証明書(甲31の1ないし23)によれば,A34議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を利用したことにより平成22年4月のうち23日間分として4万2957円を支出したこと(甲31の1及び2),同年5月のうち18日間分として3万4373円を支出したこと(甲31の3及び4),同年6月のうち22日間分として3万5833円を支出したこと(甲31の5及び6),同年7月のうち20日間分として3万5113円を支出したこと(甲31の7及び8),同年8月のうち24日間分として5万7831円を支出したこと(甲31の9及び10),同年9月のうち19日間分として3万3208円を支出したこと(甲31の11及び12),同年10月のうち18日間分として2万6011円を支出したこと(甲31の13及び14),同年11月のうち26日間分として4万6417円を支出したこと(甲31の15及び16),同年12月のうち20日間分として2万2034円を支出したこと(甲31の17及び18),平成23年1月のうち27日間分として3万8961円を支出したこと(甲31の19及び20),同年2月のうち20日間分として2万3865円を支出したこと(甲31の21及び22),同年3月のうち13日間分として1万4726円を支出したこと(甲31の23),支払証明書の「使途の内容」欄には,「今年度の重点事項」,「生活保健福祉行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「備考」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
(エ) また,原告は,上記支払証明書によれば年間250日を超えて自家用車移動による調査研究活動を行っていることになるため,調査研究目的であるか疑わしいとも主張する。
たしかに,自家用車走行により調査研究活動を行う日数が1年のうち約68%を占めるのは,大きな割合であると認められる。しかし,そのことから直ちに調査研究活動との関連性が否定されるものではなく,上記のとおり一見して調査研究活動と無関係と認められるわけではないことに加え,原告は,それ以外に,違法な支出であることをうかがわせる主張・立証はしていないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証はないというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ヒ A35議員
(ア) 支払証明書(甲32の1ないし甲32の14)によれば,A35議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を利用したことにより平成22年4月のうち13日間分として2万0683円を支出したこと(甲32の1),同年5月のうち15日間分として1万5392円を支出したこと(甲32の2),同年6月のうち6日間分として6623円を支出したこと(甲32の3),同年7月のうち14日間分として1万9314円を支出したこと(甲32の4),同年8月のうち13日間分として2万3606円を支出したこと(甲32の5),同年9月のうち11日間分として2万6869円を支出したこと(甲32の6),同年10月のうち13日間分として1万9129円を支出したこと(甲32の7),同年11月のうち22日間分として3万1746円を支出したこと(甲32の8及び9),同年12月のうち11日間分として1万8093円を支出したこと(甲32の10),平成23年1月のうち18日間分として2万8490円を支出したこと(甲32の11及び12),同年2月のうち8日間分として7585円を支出したこと(甲32の13),同年3月のうち2日間分として1665円を支出したこと(甲32の14),支払証明書の「使途の内容」欄には,「農林環境行政について」,「中小企業の振興対策について」,「道路の管理について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」欄の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものか又はそれに含まれるものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告のこの主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,原告のこの主張が認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
フ A36議員
(ア) 支払証明書(甲33の1ないし12)によれば,A36議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を利用したことにより平成22年4月のうち16日間分として3万7407円を支出したこと(甲33の1及び2),同年5月のうち13日間分として2万8231円を支出したこと(甲33の3),同年6月のうち5日間分として7400円を支出したこと(甲33の4),同年7月のうち11日間分として2万3532円を支出したこと(甲33の5),同年8月のうち13日間分として3万7222円を支出したこと(甲33の6),同年9月のうち12日間分として4万1235円を支出したこと(甲33の7),同年10月のうち6日間分として1万0656円を支出したこと(甲33の8),同年11月のうち11日間分として2万3236円を支出したこと(甲33の9),同年12月のうち8日間分として8917円を支出したこと(甲33の10),平成23年1月のうち14日間分として3万4114円を支出したこと(甲33の11),同年2月のうち8日間分として1万5244円を支出したこと(甲33の12),支払証明書の「使途の内容」欄には,「経済企業行政について」,「生活保健福祉行政について」,「県政経営行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記A10議員の交通費の支出についての主張と同様,上記「使途の内容」欄の記載は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張も認められないことも上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ヘ A37議員
(ア) 支払証明書(甲34の1ないし22)によれば,A37議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行により平成22年4月のうち28日間分として4万5177円を支出したこと(甲34の1ないし3),同年5月のうち27日間分として5万1578円を支出したこと(甲34の4及び5),同年6月のうち28日間分として4万0182円を支出したこと(甲34の6及び7),同年7月のうち29日間分として5万9633円を支出したこと(甲34の8ないし10),同年8月のうち27日間分として3万5520円を支出したこと(甲34の11及び12),同年9月のうち20日間分として4万7878円を支出したこと(甲34の13及び14),同年10月のうち19日間分として2万2126円を支出したこと(甲34の15及び16),同年11月の23日間分として3万2005円を支出したこと(甲34の17及び18),同年12月のうち22日間分として2万8342円を支出したこと(甲34の19及び20),平成23年1月のうち14日間分として2万5493円を支出したこと(甲34の21),同年2月のうち7日間分として1万0286円を支出したこと(甲34の22),支払証明書の「使途の内容」欄には,「県政経営行政について」,「経済企業行政について」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
(エ) 原告は,上記支出を前提にすると,A37議員が年間246日,1万0560キロメートルに及んで自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張するが,この合計走行日数及び距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められない。
他方,たしかに,上記支出の中には,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,上記認定のとおり,本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲34の1ないし22),この点についても原告の主張は認められない。なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ,予算特別委員会を除いたその所要時間や,所属委員会には必ず出席しなければならないのかという点について明らかでないから,原告は,一般的,外形的事実を立証できていないものというほかない。
また,領収書を紛失したとされる日の交通費について支出することが違法でないことは,上記A7議員の支出についての判断に記載したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ホ A38議員
(ア) 支払証明書(甲35の1ないし24)によれば,A38議員が,調査研究費中の交通費として,自家用車走行及び電車を利用したことにより平成22年4月のうち25日間分として7万3963円を支出したこと(甲35の1ないし甲35の3),同年5月のうち25日間分として6万1381円を支出したこと(甲35の4及び5),同年6月のうち20日間分として4万6870円を支出したこと(甲35の6及び7),同年7月のうち21日間分として5万0468円を支出したこと(甲35の8及び9),同年8月のうち19日間分として6万6970円を支出したこと(甲35の10及び11),同年9月のうち20日間分として3万4114円を支出したこと(甲35の12及び13),同年10月のうち15日間分として4万1107円を支出したこと(甲35の14及び15),同年11月の26日間分として5万7794円を支出したこと(甲35の16及び17),同年12月のうち21日間分として4万0848円を支出したこと(甲35の18及び19),平成23年1月のうち27日間分として6万8672円を支出したこと(甲35の20及び21),同年2月のうち15日間分として1万9092円を支出したこと(甲35の22),同年3月のうち21日間分として1万5836円を支出したこと(甲35の23及び24),支払証明書の「使途の内容」欄には,「県政経営行政について」,「経済企業行政について」,「県土整備行政について」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記「使途の内容」は,抽象的であって,調査研究の内容が全く不明であるから,調査研究のための交通費として認められない旨主張する。
上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,原告の上記主張が認められないことは上記のとおりである。
(ウ) 原告は,上記A10議員の支出についての主張と同様に,上記支払証明書には,目的地の記載がないことから,政務調査活動との関連性が明らかでないことも主張するが,走行距離の記載があることは認められ,この主張が認められないことも上記のとおりである。
(エ) 原告は,上記支出を前提にすると,A38議員が年間256日,1万5734キロメートルに及んで自家用車で移動し,調査研究活動をしていることになるが,上記日程には議会開催日も含まれており,到底調査研究活動がなされているとは認められない旨主張する。
たしかに,自家用車走行により調査研究活動を行う日数が1年のうち約70%を占めるのは,大きな割合であると認められる。しかし,そのことから直ちに調査研究活動との関連性が否定されるものではなく,上記年間合計日数及び合計の走行距離をもって直ちに上記支出が違法であるとは認められない。
また,上記支出の中には,議会開催日について交通費を計上したものが一部認められるものの,本会議の所要時間は午前10時から長くとも午後3時40分頃までであるから(甲271ないし278),議会終了後に調査研究活動をすることも不可能ではなく,本会議開催日の走行距離は,本会議終了後に調査研究活動をしたとしても不合理でない数字であるから(甲35の1ないし24),この点についても原告の主張は認められない。なお,上記認定のとおり,栃木県議会の定例会には,上記本会議のほかに,議案調査,常任委員会,特別委員会等が存在することが認められるところ,予算特別委員会を除いたその所要時間や,所属委員会には必ず出席しなければならないのかという点について明らかでないから,原告は,一般的,外形的事実を立証できていないものというほかない。
また,領収書を紛失したとされる日の交通費について支出することが違法でないことは,上記A7議員の支出についての判断に記載したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(2)  調査研究費中の調査委託費(事務所費,人件費含む。)
ア 使途基準
本件使途基準によれば,調査研究費中の調査委託費は,会派が行う県の事務及び地方行政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費とされている。
イ マニュアルの定め(乙3・7頁,9頁,12頁,13頁)
調査委託費は,契約書,活動記録票,成果品等により確認する。調査委託費には,民間調査機関・会派内の研究会等への調査委託費が含まれ,会派から議員個人が調査研究委託を受け,事務所を使用した場合は事務所費を,事務員を雇用した場合は人件費を計上することができる。
事務所費につき,議員が事務所を設置している場合,会派の経理責任者に事務所設置状況報告書を提出し,所有区分,兼用の有無及び面積等を明確にする。事務所が複数の機能を兼ねる場合の按分率算出の基準としては,使用実績(活動時間等)による按分,使用領域(面積)による按分がある。区切りを設ける等して分離区分ができる場合は,政務調査活動に使用する部分とそれ以外の部分の使用領域(面積)で按分する。ただし原則として2分の1を上限とする。
人件費につき,事務所職員を他の活動にも従事させている場合,調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分し,原則として2分の1を上限とする。なお,調査研究活動に専従している職員の人件費は,全額を政務調査費から支出できる。按分の方法としては,政務調査に関する勤務実績表を作成して政務調査費の充当比率を求める方法と,推計業務実績に基づく方法がある。
議員の親族を政務調査活動の補助職員として雇用し,政務調査費を充当することは誤解を招きやすいので適当ではないが,社会通念上妥当と判断される雇用形態を有している場合に限り,政務調査費を充当することができる。
人件費への政務調査費の充当については,議員一人当たり月額15万円を超えない範囲で,かつ,最低賃金法等関係法令を遵守する。
ウ 本件申合せの定め(乙4・2頁)
事務所費等に係る経費等について,本件申合せは次のように定めている。
(ア) 使用実績(活動時間)による按分を基本とする。(明確に使用領域(面積)が分離・把握できる場合を除く)
(イ) 議員やその親族が役員を務める会社等との事務所の賃貸借契約については,社会通念に照らして相応の賃貸借契約が締結されていて,家賃の収受が口座・領収書等により確認される場合は,政務調査費として認められる経費とする。
(ウ) 政務調査活動に間接的な経費と解されることから,政務調査費として支出することが認められない事例
①冷暖房機器,応接セット等の購入等,事務所の環境の整備に係る購入経費
②改修や修繕の費用
③清掃費(清掃用具のレンタル,購入等を含む。)
(エ) 事務所費として政務調査費から支出することが認められうる事例
①光熱水費(電気・ガス・水道料金)
②灯油代(ファンヒーター,ストーブ等用)の燃料費
③駐車場代
④共同管理費,警備費
エ A10議員(甲43の1ないし11)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A7の1及び2)によれば,当該建物が調査研究を目的とする事務所(以下「政務調査事務所」という。)であり,A10議員の実弟との間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額15万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA10議員の後援会事務所を兼ねており,使用領域(面積)により賃料を按分してその50%を事務所費として政務調査費から支出していること,上記賃料が参加人Z1会から賃貸人(A10議員の実弟)に支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,賃貸人が議員の親族であって,賃料が高額であることをも踏まえると,不当に高額な賃料を設定している疑いがあること,A10議員が提出した上記事務所設置状況報告書には,事務所全体面積を100平方メートル(以下「m2」と表記する。),政務調査活動に使用する面積を50m2と記載されており,政務調査活動に使用された面積がちょうど50%となるから,按分率の上限である2分の1(乙3・12頁)になるよう数字を合わせたことが疑われる旨主張する。
しかし,議員の親族との間で締結された賃貸借契約については,本件申合せが「社会通念に照らして相応の賃貸借契約が締結されていて,家賃の収受が口座・領収書等により確認される場合は,政務調査費として認められる経費とする。」と定める(乙4)ところ,賃料が月額15万円であることのみをもって社会通念に照らして不相当とまでは認められず,また領収書が提出されていることは上記認定のとおりであるから,本件申合せに反するものとは認められない。
B また,事務所設置状況報告書に記載した事務所全体面積及び政務活動調査のための使用面積の記載について,参加人Z1会は,正確には,事務所全体面積が103.26m2,政務調査活動及び共有スペースの2分の1は57.96m2であるところを概数で計上したと主張する。
本件申合せは,「使用実績(活動時間)による按分を基本とし,「明確に使用領域(面積)が分離・把握できる場合を除く」とも定める(乙4・2頁)ことからすると,上記報告書への記載は,正確な数字を記載することが求められるものということができるが,本件でA10議員が提出した事務所設置状況報告書に計上した概数は,参加人Z1会の主張する正確な面積と大差ないものであるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実が認められるとまではいえない。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出であるとはいえない。
オ A12議員(甲44の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A8)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,株式会社eとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額12万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所と同議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA12議員から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,賃料領収者である株式会社eはA12議員が創設者であって,同社の現在の代表取締役はA12議員の弟であることや,按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A8)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
しかし,賃料領収者である株式会社eはA12議員が創設者であって,同社の現在の代表取締役はA12議員の弟であることにつき,裏付けはなく,仮に当該事実が認められたとしても,議員の親族との間で締結された賃貸借契約については,本件申合せが上記のとおりであり,領収書が提出されていることも上記認定のとおりであるから,本件申合せに反するものとは認められない。
B もっとも,政務調査活動に使用した面積による按分については,原告の主張のとおり,その根拠の記載がない。
上記認定のとおり,本件申合せが「使用実績(活動時間)による按分を基本とする。(明確に使用領域(面積)が分離・把握できる場合を除く)」とも定める(乙4・2頁)ことからすると,上記報告書には,按分率を導くことができるよう正確な数字を記載することが求められるものということができるが,上記(ア)のとおり,当該政務調査事務所は,政務調査活動とA12議員後援会の2つの目的で使用されていることが認められるから,按分率を2分の1とすることが本件申合せ(乙4・2頁)に反するとまではいえず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実が認められるとまではいえない。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
カ A20議員(甲45の1ないし11)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A9)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,株式会社fとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額15万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA20議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA20議員(A20議員の事務所含む。以下,事務所費の記載においては,議員名の記載は同議員の事務所を含む。)から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ) 原告は,上記A12議員と同様,賃貸人である株式会社fの現在の代表取締役はA20議員の義弟であることや按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A9)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
これらの原告の主張が認められないことは,上記A12議員の事務所費の判断のとおりである。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
キ A21議員(甲46の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A10)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,株式会社gとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額10万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA21議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料のうち,平成22年6月分の家賃10万円を除いた家賃はA21議員から,平成22年6月分の家賃10万円についてはA21後援会から,それぞれ賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ) 原告は,上記A12議員と同様,賃貸人である株式会社gの現在の代表取締役はA21議員の親族であることや按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A9)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
これらの原告の主張が認められないことは,上記A12議員の事務所費の判断のとおりである。
しかし,領収書の宛名が後援会になっている家賃の支出については,本件申合せが,政務調査費として認められるために領収書等を要求するのは,賃料を支払っていないにもかかわらず,当該支出を政務調査費として支出することを防ぐためであると考えられるところ,後援会宛ての領収書によっては,会派又は議員が現実に支出したことの裏付けにはならないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出のうち5万円については,本件使途基準に適合しない支出と認められる。
ク A22議員(甲47の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A11)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,賃料が月額10万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA22議員の後援会事務所を兼ねており,使用領域(面積)により賃料を按分してその50%を事務所費として政務調査費から支出していること,上記賃料のうち,平成22年4月から同年6月分までの家賃合計30万円については参加人Z1会から,同年7月から翌年3月分までの合計90万円については,A22後援会から,賃貸人であるt株式会社にそれぞれ支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,賃料の領収者がt株式会社であって,A22議員が同社の役員ないし出資者であることをも踏まえると,A22議員が提出した上記事務所設置状況報告書は,按分率の上限である2分の1(乙3・12頁)になるよう数字を合わせて記載されたことが疑われる旨主張する。
しかし,A22議員が賃貸人であるt株式会社の役員や出資者であることは証拠上明らかでなく,原告の上記主張は,上記支出が違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実を主張・立証したものとは認められない。
B また,按分率の根拠について,被告は,正確には,事務所全体面積が62.9m2,事務所の中を書庫で概ね2分の1に区切り,政務調査事務所として使用したと主張する。
本件申合せは,「使用実績(活動時間)による按分を基本とする。(明確に使用領域(面積)が分離・把握できる場合を除く)」とも定める(乙4・2頁)ことからすると,上記報告書への記載は,正確な数字を記載することが求められるものということができるが,上記被告の反論を覆す証拠はないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実が認められるとまではいえない。
C もっとも,領収書の宛名が後援会になっている家賃の支出については,本件申合せが,政務調査費として認められるために領収書等を要求するのは,議員が役員を務める会社との間で締結された賃貸借契約については,実際には賃料の負担をしていない可能性があるから,賃料を支払ったとして政務調査費の請求がされた場合に,政務調査事務所が賃料の負担をしていないのに当該費用を政務調査費として支出することを防ぐ目的としていると考えられるところ,後援会宛ての領収書によっては,会派又は議員が支出したことの裏付けにはならないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出のうち,後援会が支出した45万円については,本件使途基準に適合しない支出である。
ケ A25議員(甲48の1ないし11)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A12)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,A25後援会総連合会と有限会社hとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額8万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA25議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA25後援会総連合会から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,賃貸人である有限会社hはA25議員が代表者であること,後援会宛ての領収書では,議員もしくは会派が支出したものではないこと,按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A12)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
B 賃貸人である有限会社hはA25議員が代表者であることにつき,裏付けはなく,仮に当該事実が認められたとしても,議員が役員を務める会社との間で締結された賃貸借契約については,本件申合せが「社会通念に照らして相応の賃貸借契約が締結されていて,家賃の収受が口座・領収書等により確認される場合は,政務調査費として認められる経費とする。」と定める(乙4)ところ,提出されている領収書の宛名は後援会である(甲44の1ないし12)。
本件申合せが,政務調査費として認められるために領収書等を要求するのは,議員が役員を務める会社との間で締結された賃貸借契約については,実際には賃料の負担をしていない可能性があるから,賃料を支払ったとして政務調査費の請求がされた場合に,政務調査事務所が賃料の負担をしていないのに当該費用を政務調査費として支出することを防ぐ目的としていると考えられるところ,後援会宛ての領収書によっては,会派又は議員が支出したことの裏付けにはならないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,当該建物は後援会と△△党(以下「△△党」という。)栃木県佐野市第二支部として兼用し,△△党が賃料の半額である4万円を後援会総連合会に支払っていたと主張するが,そのことについては何らの裏付けがない。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出と認められる。
コ A30議員(甲49の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A13)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,iビルとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃貸人はA30議員の実母であること,賃料が月額20万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA30議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA30議員から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,賃料の領収者がiビルとの記載は不自然であり,当該政務調査事務所の所在地とA30議員の住所地とが同一であるから,実態のない賃貸借契約であることが推認できること,また,事務所設置状況報告書には,按分率の根拠が何ら記載されていない旨を主張する。
B 賃貸借契約先及び賃料の領収者がiビルと記載されていることは,法人名は自由であるため,これをもって違法な支出とまではいえない。また,当該政務調査事務所の所在地とA30議員の住所地とが同一であることについては,裏付けがない。
C 按分率については,上記A12議員事務所費で検討したとおり,原告の主張は認められない。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
サ A33議員(甲50の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A14)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,有限会社jとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額10万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA33議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA33議員から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ) 原告は,上記A12議員と同様,賃貸人である有限会社jの現在の代表取締役はA33議員であることや,按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A14)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
賃貸人である有限会社jの現在の代表取締役はA33議員であることの裏付けはなく,仮に当該事実が認められても,これらの原告の主張が認められないことは,上記A12議員の事務所費の判断のとおりである。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
シ A36議員(甲51の1ないし11)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A15)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,有限会社kとの間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額6万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA36議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA36議員から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ) 原告は,上記A12議員と同様,賃貸人である有限会社kの現在の代表取締役はA36議員の父であることや,按分率の根拠につき事務所設置状況報告書(丙A15)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
これらの原告の主張が認められないことは,上記A12議員の事務所費の判断のとおりである。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
ス A37議員(甲52の1ないし10)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A16)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,l株式会社との間で当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額10万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA37議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA37議員から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ) 原告は,上記A12議員と同様,賃貸人であるl株式会社の現在の代表取締役は親族であることや,按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A16)には何の記載もないことから,賃料発生の事実に疑いがある旨主張する。
これらの原告の主張が認められないことは,上記A12議員の事務所費の判断のとおりである。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出とはいえない。
セ A8議員(甲42の1ないし12)
(ア) 領収書等の写し及び事務所設置状況報告書(丙A17)によれば,当該建物が政務調査事務所であり,m協同組合を賃貸人として当該建物について賃貸借契約を締結しており,賃料が月額4万円であるとして会派に届け出られていること,当該建物は政務調査事務所とA8議員の後援会事務所を兼ねており,上記賃料がA8後援会事務所から賃貸人に支払われていることが認められる。
(イ)A 原告は,後援会宛ての領収書では,議員もしくは会派が支出したものではないこと,按分率の根拠につき,事務所設置状況報告書(丙A17)には何の記載もないことから,当該費用に政務調査費を支出することは違法である旨主張する。
B 本件申合せが,政務調査費として認められるために領収書等を要求する趣旨は上記のとおりであり,後援会宛ての領収書によっては,会派又は議員が支出したことの裏付けにはならないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,本件建物は後援会と政務調査事務所とを兼用し,△△党が賃料の全額である4万円を後援会事務所に支払っていたと主張するが,そのことについては何らの裏付けがない。
(ウ) したがって,上記賃貸借契約に係る賃料の支出は,本件使途基準に適合しない支出と認められる。
(3)  調査研究費中の宿泊費(食卓料含む。)
ア マニュアルの定め(乙3・6頁,10頁)
調査研究費中の宿泊費等について,マニュアルでは,次のとおり定められている。
宿泊費 実費充当 領収書の写しを添付
2万円を上限とする。
食卓料 定額3000円 領収書は不要
内訳(朝1000円・夜2000円)
宿泊費等の内容や額は,社会通念上許容される範囲のものである必要がある。
イ A7議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲6の1ないし29)によれば,A7議員は,食卓料として次のとおり支出したことが認められる。
平成22年4月に6日分1万8000円(甲6の1ないし甲6の3),同年5月に2日分6000円(甲6の4ないし6),同年6月に9日分2万7000円(甲6の7ないし9),同年7月に8日分2万4000円(甲6の10ないしの12),同年8月に1日分3000円(甲6の13及び14),同年9月に1日分3000円(甲6の15及び16),同年10月に4日分1万2000円(甲6の17及び18),同年11月に2日分6000円(甲6の19ないし21),同年12月に4日分1万2000円(甲6の22及び23),平成23年1月に1日分3000円(甲6の24及び25)
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A9議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲8の8)によれば,A9議員は,食卓料として平成22年7月に2日分合計3000円を支出したことが認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A14議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲13の1ないし17)によれば,A14議員は,食卓料として平成22年9月に2日分合計2000円(甲13の7),同年10月に2日分合計2000円(甲13の8及び9),同年12月に1日分1000円(甲13の12及び甲13)を支出したことが認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
オ A15議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲14の1ないし16)によれば,A15議員は,食卓料として平成22年9月に1日3000円を支出したこと(甲14の8)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
カ A17議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲16の1ないし18)によれば,A17議員は,食卓料として平成22年4月に1日2000円を支出したこと(甲16の1及び甲16の2),同年11月に1日3000円を支出したこと(甲16の13)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
キ A18議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲17の1ないし11)によれば,A18議員は,食卓料として平成22年4月に1日3000円を支出したこと(甲17の1)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ク A19議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲18の1ないし9)によれば,A19議員は,食卓料として平成22年6月に1日3000円を支出したこと(甲18の3),同年9月に1日3000円を支出したこと(甲18の6),同年11月に1日3000円を支出したこと(甲18の8)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ケ A21議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲20の1ないし19)によれば,A21議員は,食卓料として平成22年4月に1日3000円を支出したこと(甲20の1及び2)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
コ A22議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲21の1ないし12)によれば,A22議員は,食卓料として平成22年4月に1日3000円を支出したこと(甲21の1),宿泊代として,同年4月11日に株式会社東京ドームホテルに1万8800円を支出したこと(甲21の15),同年7月30日に同ホテルに1万8690円を支出したこと(甲21の16)が認められる。
(イ) 原告は,食卓料の支出が違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証していない。
一方,原告は,宿泊費について,同ホテルに宿泊する必要性はなく,一泊の宿泊費としては高額であることをもって,社会通念上妥当な範囲ではないことを主張する。
この点,証拠書類の添付様式(甲21の15及び16)の「使途の内容」欄には,「県政経営行政について」,「文教警察行政 文化財保護対策」との記載があり,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,マニュアルは宿泊費の上限を一日2万円としていることからも,金額のみをもって直ちに違法とはいえない。
(ウ) よって,上記支出は違法とは認められない。
サ A25議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲22の1ないし14)によれば,A25議員は,食卓料として平成22年8月及び9月にそれぞれ1日3000円を支出したこと(甲22の6及び7)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
シ A26議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲23の1ないし19)によれば,A26議員は,食卓料として平成22年8月に1日3000円を支出したこと(甲23の7及び8),また,証拠書類の添付様式(甲23の20)によれば,平成22年8月23日にフォーシーズンズホテル椿山荘東京宿泊代として3万8650円を支出(うち政務調査費として2万円を支出)したこと,「使途の内容」欄に「県政経営行政県行政の総合的企画」との記載があることが認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
宿泊代についても,上記「使途の内容」欄の記載内容は参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に定められているものであるから,政務調査研究活動との関連性が認められるものであり,マニュアルは宿泊費の上限を一日2万円としていることからも,金額のみをもって直ちに違法とはいえない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ス A27議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲24の1ないし5)によれば,A27議員は,食卓料として平成22年4月及び5月にそれぞれ1日3000円を支出したことが認められる(甲24の2及び4)。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
セ A28議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲25の1ないし22)によれば,A28議員は,食卓料として平成22年4月に2日分合計6000円を支出したこと(甲25の1及び2),同年5月に2日分合計6000円(甲25の3及び4),同年8月に2日分合計6000円(甲25の8及び9),同年9月に1日分2000円(甲25の10及び11),同年10月に3日分合計9000円(甲25の12及び13),同年12月に1日3000円(甲25の16及び17),平成23年1月に2日分合計6000円(甲25の18ないし20)を支出したことが認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ソ A29議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲26の1ないし17)によれば,A29議員は,食卓料として平成22年4月に1日3000円を支出したこと(甲26の1)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
タ A31議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲28の1ないし15)によれば,A31議員は,食卓料として平成22年4月,7月及び8月にそれぞれ1日3000円を支出したこと(甲28の1,2,5及び6),同年9月に2日分合計6000円を支出したことが認められる(甲28の7)。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
チ A33議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲30の1ないし16)によれば,A33議員は,食卓料として平成22年4月に1日3000円を支出したこと(甲30の1及び2)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ツ A36議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲33の1ないし12)によれば,A36議員は,食卓料として平成22年4月及び9月にそれぞれ1日3000円を支出したこと(甲33の1,2及び7)が認められる。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
テ A37議員
(ア) 政務調査費支払証明書(甲34の1ないし22)によれば,A37議員は,食卓料として平成22年4月,9月及び10月にそれぞれ1日3000円を支出したことが認められる(甲34の1ないし3,13ないし16)。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ト A38議員(甲35)
(ア) 政務調査費支払証明書(甲35の1ないし24)によれば,A38議員は,食卓料として平成22年4月に2日分合計3000円(甲35の1ないし3),同年5月に2日分合計6000円(甲35の4及び5),同年6月に2日分合計6000円(甲35の6及び7),同年8月,9月及び12月にそれぞれ1日3000円(甲35の10ないし13,18及び19),同年10月に2日分合計6000円を支出したことが認められる(甲35の14及び15)。
(イ) 上記支出は,マニュアルに定める一日定額3000円を上回っておらず,同支払証明書に記載された交通費の支出日と整合しており,かつ当該交通費の支出は上記のとおり政務調査活動との関連性があると認められるから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は何ら主張・立証されていないというほかない。
(ウ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(4)  調査研究費中の視察経費等
ア マニュアルの定め(乙3・6頁)
視察経費は,活動記録票による実績報告を行うことで,調査研究活動であることを確認し,原則実費弁償である。
調査研究活動とそれ以外の活動が混在している場合は,時間的,場所的,経費的に重複することなく明確に区分できることが必要である。
イ 本件申合せの定め(乙4・1及び2頁)
調査研究に係る経費等は,会派(会派から委任を受けた議員が調査研究を行う場合を含む。)が,事業計画に基づき調査研究(報告会等を含む。)を行うための経費で,調査委託費,交通費,宿泊費,食卓料,事務所費,人件費,視察経費等とする。
(ア) 各委員会等(公務)における調査研究活動は,原則として政務調査活動とはしない。
(イ) 政務活動,議員の個人的な交際や行為として,政務調査費とは認められない事例
①記念式典,開通式及びこれらに類するもの
②入学式・入園式,卒業式・卒園式及びこれらに類するもの
③激励会,壮行会,祝う会,祝勝パーティー及びこれらに類するもの
④各種団体等の役員との懇親会及びこれらに類するもの
⑤新年会・忘年会及びこれらに類するもの
⑥交流歓送迎会,新春フェスティバル,盆踊り及びこれらに類するもの
⑦同窓会,校友会,議友会及びこれらに類するもの
⑧コンサート,演劇,舞踏の鑑賞及びこれらに類するもの
(ウ) 政務調査費から支出することが認められうる事例
①視察調査における調査先での打合せ等のための喫茶代等
②視察調査における調査先での当該調査に関連した博物館,美術館の入館料等
(エ) 政務調査費から支出することが認められない事例
①県内を起点とした100キロメートル未満の旅行のグリーン料金の計上(例として,通常期の宇都宮・東京間は普通席で8580円,指定席利用で9600円)
②合理的な理由が認められない県内での宿泊費用
③視察調査における調査先への土産代
④視察調査を行うために,会派として必要なスーツケース等の購入費及びそのレンタル料等
ウ 参加人Z1会の視察費
(ア) 証拠書類の添付様式等(甲36の1ないし甲41の3)によれば,視察費として次のとおり支出していることが認められる。
A 平成22年6月3日 同年5月23日から24日にかけて新潟県への視察のため32万0995円(甲36の1ないし4)
B 平成22年11月1日 同年10月18日から同月19日にかけて東京都,静岡県への視察のため57万5090円(甲37の1及び2)
C 平成22年11月9日 同年10月27日から同月28日にかけて北海道への視察のため148万7765円(甲38の1及び2)
D 同日 同年11月1日から同月2日にかけて宮城県への視察のため62万8085円(甲39の1及び2)
E 同日 上記Bの視察における食卓料として3万6000円,上記C及びDの視察における食卓料として各3万9000円(参加した議員の人数と視察泊数の積,甲40)
F 平成23年3月30日 同年3月13日及び同月15日に東日本大震災による県内被災状況調査のため,15万0645円(甲41の1ないし3)
「使途の内容」欄には,上記E及びFを除き,「生活・保健福祉行政」,「文教・警察行政」,「農林・環境行政」等の記載がある。
(イ) 上記「使途の内容」欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に記載があるから,政務調査との関連性が認められる。「使途の内容」欄に記載がないものも,上記Eは,それぞれの視察にかかる食卓料であるから,政務調査との関連性が認められる。上記Fは,「県土整備行政」(丙A1・2頁)に含まれるものといえるから,これも政務調査との関連性が認められる。
(ウ) もっとも,マニュアルには,視察経費は,活動記録票による実績報告を行うことで,調査研究活動であることを確認し,原則実費弁償である旨の(乙3・6頁)記載があるところ,上記支出に関して,活動記録票は提出されていない。
そうすると,上記視察内容が,調査研究活動であることを確認できていない状態であって,そのような状態で支出することはマニュアルに反したものであるから,一般的,外形的事実の存在が認められる。
参加人Z1会は,当該視察の内容について,A57ないし62中の「被告らの反論」欄記載のとおり主張しているが,その主張内容の視察を行ったことを裏付ける証拠はなく,違法な支出といわざるを得ない。
(エ) よって,上記支出は違法というべきである。
エ その他
(ア) A31議員
証拠書類の添付様式(甲28の16ないし18)によれば,社団法人黒磯那須青年会議所に対し,会費1万円(うち5000円を政務調査費から支出,甲28の16),錬武館後援会に対し5000円(うち2500円を政務調査費から支出,甲28の17),黒磯消防団長に対し5000円(うち2500円を政務調査費から支出,甲28の18)を支出していること,「使途の内容」欄にそれぞれ「生活保健福祉行政 高齢者対策」,「文教警察行政 スポーツの振興対策」,「県土整備行政 建設業の活性化対策」との記載があることが認められる。
これらは,マニュアルの定めからすると,調査研究費ではなく研修費に含まれると考えられる(乙3・7頁)ところ,上記「使途の内容」欄の記載は参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に記載があり,外形的に政務調査と無関係なものとは認められない。
原告は,県政との具体的な関連性が明らかでないため,個人的な活動経費を計上した疑いがある旨主張するが,マニュアルには「領収書の写しを添付 研修会資料等を保管する」とあり(乙3・7頁),領収書の写しがあること,上記「使途の内容」欄及び「目的・内容等」欄に記載の意見交換の内容・相手方によれば,一見して政務調査と無関係とまではいえない。
よって,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は立証されていない。
(イ) 参加人Z1会
証拠書類の添付様式(甲101の1及び2)によれば,平成23年3月31日にカウントされたコピーカウンター料として,79万4602円(手数料含む。)が支出されていることが認められる。
これらは,マニュアルの定めからすると,調査研究費ではなく資料作成費に含まれると考えられる(乙3・8頁)ところ,マニュアルでは,領収書の写しを添付することが求められるのみである(同)。
原告は,平成23年3月31日に3万4189枚も計上されており,枚数が膨大であること,翌日は地方統一選挙の告示日であり,このコピーは告示後の選挙活動で用いるビラ等の印刷物であることを疑わせること,告示日前日に政務調査活動を行うことは不可能である旨主張する。
平成23年3月31日は地方統一選挙の告示日前日であると認められ,この時になされた印刷物は選挙活動の用に供するものであることが推認される。
これに対し,被告は,TPP問題等に関する資料である旨主張するが,その裏付けはない。
そのため,上記支出は違法であると認められる。
(5)  研修費
ア マニュアルの定め(乙3・7頁,10頁,11頁)
(ア) 定義
研修費とは,会派が行う研修会,講演会等の実施に必要な経費並びに他団体が開催する研修会,講演会等への所属議員及び会派の雇用する職員の参加に要する経費をいい,会場費,機材借上げ料,講師謝金,会費,交通費,宿泊費等が含まれる。
(イ) 交通費の使途基準
マニュアル及び本件申合せの記載は,上記(1)イ及びウ調査研究費中の交通費と同様である。
したがって,研修費中の交通費は,上記研修会等の実施又はこれらに参加することが調査研究との間に合理的関連性を有するものであり,かつ,その内容及び額が社会通念上許容される範囲のものである必要がある。
(ウ) 宿泊費の使途基準
研修費のうち,宿泊費についてのマニュアルの記載は,上記(3)調査研究費中の宿泊費の記載と同様である。
(エ) 会費,参加費等の使途基準
議員として参加する会議等であっても,その内容が,飲食を主目的とするもの,懇親が目的であるもの等,外形的又は社会通念上,一般県民の常識上,政務調査の目的を有する会議等ではないと認識されるものは,政務調査費の支出対象とはならない。
会派は,この支出に関しては,領収書の写しを添付し,研修会資料等を保管することとする。また,研修会に付随又は連続して懇親会がある場合は,会費・参加費の内訳で懇親会の経費が分かる場合は,当該懇親会経費を除いて充当する。なお,内訳が分からない場合は,5000円を懇親会経費として除いて充当する。
イ 本件申合せの定め(乙4・3頁)
会派(会派から委任を受けた議員が開催する場合を含む。)が,事業計画に基づき開催する研修(研究)のための会議に要する経費で,会場費,会場運営費,講師謝金,機材借り上げ費,資料印刷費及び食料費(茶菓代)等を研修費とする。
また,政党,後援会以外の団体,研究会等が主催する,意見交換,情報公開を行うためのセミナー,懇談会等の会費・参加費,交通費等とする。
(ア) 政務調査費として認められないもの
①政党の全国自治体議員団全国会議研修会及び○○連合会等が主催する政策セミナーパーティー券代並びにこれに類するもの
②○○会派役員会,○○議員懇話会,○○区議員会(会派から特別な研究テーマが与えられている場合を除く。)の研修会及び会費並びにこれらに類するもの
③第○○回○○党大会研修会及び会費並びにこれらに類するもの
④(議員の政務調査活動であることの立証のない)割烹,懐石料理などの和食店(飲酒を伴うことが多いことが容易に推認される。)での研修会及び会費並びにこれらに類するもの
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①意見交換を目的とした研修会,セミナー及びその会費並びにこれらに類するもの
②周辺住民等から寄せられた意見や要望を踏まえた,当該機関幹部等との意見交換懇談会及び会費並びにこれらに類するもの
③○○研究会の地域政策セミナー及び会費並びにこれらに類するもの
なお,政務調査費に該当するか否かの判断は,主催者(団体),研修(研究)目的,参加者,研修(研究)内容及び形態並びにその成果の活用等を勘案して決せられるものとする,とされている。
ウ A16議員
証拠(甲53の1ないし3)によれば,A16議員は,平成22年4月28日に開催される「2010 C成長戦略セミナー」の会費並びに当該セミナーに参加するための交通費及び駐車場代として,合計3万1280円を支出したことが認められる。
原告は,上記セミナーの会費が2万円であることから,交際費類似のものあるいは政治活動の一環であることが想像できる上,当該セミナーと政務調査との関連性が不明であるから,違法な支出である旨主張する。
この点,当該セミナーの名称からすると,一見して政務調査と無関係とはいえず,またマニュアル等の政務調査費として認められない事例にも当たらないことが認められる。
原告の主張は抽象的な指摘にとどまり,違法な支出であることにつき何ら具体的な主張・立証をしないから,結局,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証がないものというほかない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A27議員
(ア) 証拠(甲54の1ないし4)によれば,A27議員は,平成22年4月28日のセミナーの会費及び当該セミナーに参加するための交通費として,合計3万4350円を支出したこと,証拠書類の添付様式(甲54の1)の「使途の内容」欄には,事業名として「県政経営行政」,目的・内容等として,公共の安全と秩序の維持についてのセミナーに参加し,講演を聞き意見交換をしたこと等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,上記セミナーの会費が2万円であることから,交際費類似のものあるいは政治活動の一環であることが想像できる上,当該セミナーと政務調査との関連性が不明であるから,違法な支出である旨主張する。
この点,当該セミナーの名称からすると,一見して政務調査と無関係とはいえず,またマニュアル等の政務調査費として認められない事例にも当たらないことが認められる。
(ウ) また,平成22年4月28日のA27議員は,那須と宇都宮の往復の後,那須塩原駅から東京に向かい,その日のうちに宇都宮に帰っているが,那須と宇都宮を往復する必要はない,とも原告は主張する。
しかしながら,限られた任期の中で,短期間のうちに政務調査のため各地を移動することは何ら不自然ではないから,上記A27議員の移動経路をもって,ただちに違法な支出であるとまではいえない。
(エ) そうすると,原告は,違法な支出であることにつき何ら具体的な主張・立証をしないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証がないものというほかない。
(オ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
オ A9議員
(ア) 証拠(甲55の1ないし5)によれば,A9議員が平成22年11月25日,同月26日及び同年12月5日の研修ないしセミナー参加費及び当該研修に参加するための交通費として支出した費用として,3万0478円を支出したこと(実際の政務調査費としての支出額はこれより大きいが,原告が違法であると主張する金額に絞っている。),証拠書類の添付様式(甲55の1,4及び5)の「使途の内容」欄には,事業名として「文教警察行政」あるいは「研修費」,目的・内容等として,国の治安に対する法律等について各県議会議員と意見交換をしたこと,海洋法等について東海大教授の講演を聴講等したこと,議員・有識者セミナーにおいて参加者と意見交換したこと等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,平成22年11月25日及び26日の日本会議地方議員連盟に支出したセミナーについては,同連盟のホームページには偏った政治思想がうかがわれる文言が記載されているから,もはや私的な活動といえるなどとして,違法な支出であると主張する。
しかしながら,議員は様々な意見・考えを踏まえて政策を検討することが要求されるから,一定の考えをもったセミナーに参加することがただちに政務活動として認められないものではない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(ウ) 原告は,平成22年12月5日のセミナー主催者である世界平和連合栃木県連合会は,いかなる団体であるか不明であるから,政務調査活動と関連が認められない旨主張する。
原告の主張は,上記連合会そのものが存在しないか又は実体のないものであることを具体的に主張・立証するものではなく,抽象的な可能性を指摘するにとどまっているから,一般的,外形的事実を指摘するものではない。
また,県政とはいえ世界平和と何ら無関係というわけではないから,一見して政務調査活動との関連性がないとまでは認められない。
したがって,原告は,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実を立証していないから,上記支出が違法な支出であるとは認められない。
キ A29議員
(ア) 証拠(甲56の1及び2)によれば,A29議員は,平成22年9月1日,社団法人内外情勢調査会の主催する講演会等に参加するための年会費として,懇親会経費を控除した15万4000円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,上記調査会の活動内容等が不明であること,上記のような多額の年会費の支出を認めると,講演会等に欠席した場合の分も政務調査費として支出されることになるが,そのような支出は認められるべきではないこと,平成23年4月に地方統一選挙があり,再選されなかった場合には講演会等に参加しても政務活動にはならないことなどから,上記支出は違法である旨主張する。
年会費が設定されている講演会の場合,講演会に参加するために年会費を支払う必要があるから,年会費の支払のみをもってただちに違法とはいえない。上記調査会は,時事通信社の関連団体であること,東京都及び栃木県でそれぞれ年間10回にわたり政治問題等を扱った講演会をしていることがうかがえるから,政務調査活動との関連性がないとはいえない。
もっとも,当該年会費を支払った上で出席できる講演会に一度も出席しなかったような場合には,当該年会費の支出は結果的に政務調査活動に何ら関係しなかったことが認められるのであって,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実といえる。
本件において,被告は,A29議員が上記調査会の開催する講演会等に出席したことを何ら主張・立証しないから,一般的,外形的事実が認められる。
また,出席しなかった場合にもなお年会費が政務調査活動と関連することも,被告は何ら主張・立証をしないものである。
(ウ) よって,上記支出は違法というべきである。
ク A8議員
(ア) 証拠(甲57)によれば,A8議員は,平成22年5月28日,上記A29議員と同様,内外情勢調査会の主催する講演会等に参加するための年会費として,懇親会経費を控除した15万4000円を支出したことが認められる。
(イ) 原告の主張は上記A29議員の支出と同じであり,被告は,A8議員についても,上記調査会が開催する講演会等に出席したこと,出席しなかった場合にもなお年会費が政務調査活動と関連することを主張・立証しないから,違法な支出といわざるを得ない。
ケ n会関連
(ア) 証拠(甲58の1ないし9)によれば,平成22年4月,同年6月,同年10月,平成23年2月の各講演会費として合計3万5000円,平成22年10月の同講演会に出席するための交通費として,A26議員及びA25議員が合計518円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,n会という団体の実態が不明であり,政務調査活動との関連性が不明であるから,違法な支出である旨主張する。
この点につき,参加人Z1会は,n会は,県内の各界各層の人々を講師として,様々な意見交換をする任意団体であると主張する。
しかしながら,各証拠を精査しても,n会の会員が△△党の議員のみで構成されるのかは定かではなく,政務調査活動との関連性は一見して認められるものとはいえない。
少なくとも,A26議員及びA25議員が交通費を支出した平成22年10月12日の会費合計1万円は,政務調査活動と関連することが認められるが,その余の会費について,被告は,政務調査活動と関連することを何ら主張・立証しないから,違法な支出といわざるを得ない。
コ A11議員
(ア) 証拠(甲59の1,2,15及び16)によれば,A11議員は,平成22年5月8日及び同年10月16日に△△党栃木県支部連合会が開催したとちぎ未来塾オープン講座受講料として合計2000円(実際の政務調査費としての支出額はこれより大きいが,原告が違法であると主張する金額に絞っている。),その参加に伴う交通費として合計4773円を支出したこと,証拠書類の添付様式(甲59の1及び15)には「使途の内容」欄に「県政経営行政」の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,A11議員が所属する政党の企画に参加したにすぎず,政治活動との混同あるいは私的活動ともいえるから,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
この点,上記「使途の内容」欄の記載は,参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に記載があるものの,上記講座の主催は△△党栃木県支部連合会であって,本件申合せにおける研修費のうち政務調査費として認められない事例(乙4・3頁における「ウ 研修費」の(ア)①)に該当し,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告は,上記講座は対象者を限定しない講座であって,適切な講師のもと県政等について意見交換等をする意義ある講座であると主張するが,そのことを裏付ける証拠はない。
(ウ) したがって,上記支出は違法といわざるを得ない。
サ 氏名不詳
(ア) 証拠(甲59の3及び4)によれば,氏名不詳が,平成22年5月8日に△△党栃木県支部連合会が開催したとちぎ未来塾オープン講座受講料として1000円,その参加に伴う交通費として1100円を支出したこと,証拠書類の添付様式(甲59の3)には「使途の内容」欄に「政務調査事業」の記載があることが認められる。
(イ) この点,証拠書類の添付様式(甲59の3及び4)には,受講料負担者の記載がなく,政務調査活動との関連性を一見して認めることができないため,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告は,支出者が誰かを含め何ら主張・立証をしないから,結局,違法な支出であるというほかない。
(ウ) よって,上記支出は違法というべきである。
シ A20,A25,A7,A31,A37,A35議員
(ア) 証拠(甲59の5ないし14及び17ないし20)によれば,上記議員らは,平成22年5月8日及び同年10月16日に△△党栃木県支部連合会が開催したとちぎ未来塾オープン講座受講料として合計8000円,その参加に伴う交通費として合計1万4077円を支出したこと,証拠書類の添付様式(甲59の5,7,9,11及び12,17ないし19)には「使途の内容」欄に「県政経営行政」,「今年度の重点事項」,「文教警察行政」等の記載があること,証拠の一部(甲59の5,7,9及び11)には,「使途の内容」欄中の「目的・内容等」の欄にDの講座があった旨の記載があることが認められる。
(イ) 上記A11議員の支出と同様,上記講座の主催は△△党栃木県支部連合会であって,本件申合せにおける研修費のうち政務調査費として認められない事例に該当し,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
もっとも,上記支出のうち,「使途の内容」欄中の「目的・内容等」の欄にDの講演があった旨の記載があるものについては,政党の政治活動ではなく,政務調査活動がなされたことがうかがえるから,この点は違法な支出といえない。
よって,当該講演についての受講料及びそれに伴う交通費(甲59の5ないし11)を除いた1万0946円は,違法な支出というほかない。
(6)  会議費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,会議費は,会派における各種会議に要する経費とされている。
イ マニュアルの定め(乙3・7頁)
会議費とは,県政に関する地域住民の要望・意見等を聴取する等,政務調査のために会派及び会派から委託された議員が開催する各種会議に要する経費のことをいう。
会議費中の会場費等としての支出は,活動記録票による実績報告を行うことで,調査研究活動であることを確認するとされ,領収書の写しを添付することとされている。
会議費中の食糧費(調査研究活動として開催する朝食会等及び調査研究活動として開催する会議の茶菓等)としての支出は,公職選挙法の制限に抵触しないこと及び社会通念上妥当な範囲であることが必要であるとされ,領収書の写しを添付することとされている。
ウ 本件申合せの定め(乙4・3頁,4頁)
会派(会派から委任を受けた議員が開催する場合を含む。)が,調査研究(報告会等を含む。)や研修(研究)のために開催する会議に付随する経費で,会場費,会場運営費,講師謝金,機材借り上げ費,資料印刷費及び食料費(茶菓代)、等を,会議費とする。
なお,当該項目としてガソリン代相当は計上しないこととし,調査研究費及び研修費と取り扱うものとする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
①(議員の政務調査活動であることの立証のない)割烹,懐石料理などの和食店(飲酒を伴うことが多いことが容易に推認される。)での研修会(研究会)に係る会場費及びこれらに類するもの
②(議員の政務調査活動であることの立証のない)酒店が,議員後援会あてに発行した領収書に係るジュース代又は品代名目での経費及びこれらに類するもの
③同一商店がほぼ毎月一定額を品代として発行した領収書に係る茶菓代及びこれらに類するもの
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①少人数での研修会(研究会)を喫茶店で行った際の喫茶代金及びこれらに類するもの
②結婚式場等を会議の場所として利用した際の会場費,茶菓代及びこれらに類するもの
エ 参加人Z1会
(ア) 証拠(甲60の1ないし12)によれば,参加人Z1会が,会議費のうち政務調査費として,株式会社プリオコーポレーションに対し合計111万9788円を支出したこと,上記支出については,「自営業者にできる地域貢献のあり方について意見交換」等の調査研究に関連する事項が証拠書類の添付様式の「使途の内容」欄に記載されていること,各証拠の領収書の「会場費として」記載の日付は,いずれも別日になっているにもかかわらず,領収書の発行はいずれも平成22年8月9日あるいは平成23年2月28日になされていることが認められる。
原告は,上記領収証等の記載から,実際に会議が行われたか疑わしいことや,結婚式場であるヴィラ・デ・マリアージュ小山店で会議を行う必要性はないこと,会議日が異なるにもかかわらず,領収書発行日が上記2日しかないことは不自然であって,違法な支出である旨主張する。
これに対し,参加人Z1会は,県政報告会は定期的に実施されているため,経理上の都合により一括して後払いとしたこと,駐車場の確保がしやすい場所として当該会場を選定したなどと主張する。
まず,ヴィラ・デ・マリアージュ小山店が結婚式場であることに争いはないところ,結婚式場等を会議の場所として使用し,会場費を政務調査費として支出することは本件申合せにより認められており(乙4・4頁),結婚式場であることをもってただちに違法であるとはいえない。
また,確かに上記会場費及び会議費用の支出は一括後払いになっており,会議の都度支出されたものとは認められないが,全ての領収証に「(御)会場費として」との記載があり,「使途の内容」欄に上述のとおり政務調査活動と関連性の認められる具体的な事項の記載があることをも踏まえれば,当該領収証に記載された日程において会議等が開催されていたことが推認できる。
そして,これを覆すに足りる証拠はないから,原告の主張は認められない。
以上より,上記支出は,県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託等と合理的関連性があるといえ,違法な支出であるとは認められない。
(イ) また,参加人Z1会は,会議費として,グランドホテル静風に対し,合計3万円を支出していること,証拠書類の添付様式(甲61の1及び2)の「使途の内容」欄には,事業名として「県政経営行政」及び「今年度の重点事項」,目的・内容欄に「地域振興・地域経済について意見交換」,「教育の現況・今後の対策などを意見交換」等の記載があることが認められる。
原告は,上記使途の内容欄をみても,活動内容が不明確であること,領収書番号(領収書の右上の5桁の番号)をみると,連番になっている上,領収書発行日の日付の先後と領収書番号の先後とが一致しておらず,会議を行っていないことが認められるから,違法な支出である旨主張する。
被告らは,県政報告会を定期的に開催しているため,経理の都合上後払いした結果,領収書番号の連番が生じたことを主張する。
マニュアル及び申合せをみても,ホテルを会場とすることのみをもって政務調査費として認めないとする定めはなく,上記使途の内容欄の記載によれば,政務調査のため,グランドホテル静風を利用していたことがうかがわれる。
原告は,領収書番号が連番であることなどを主張するが,領収書がグランドホテル静風によって作成されたことに争いはなく,虚偽の領収書の作成をうかがわせる証拠はないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出は,県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託等と合理的関連性があるといえ,違法な支出であるとは認められない。
(ウ) さらに,参加人Z1会は,会場使用料として,t株式会社に対し,2万4000円を支出していること,証拠書類の添付様式(甲62)の「使途の内容」欄には,事業名として「県政経営行政」の記載があることが認められる。
原告は,t株式会社は,A22議員の親族が営む会社であり,A22議員も同社の監査役に就任していたことがあるから,実際に支払われたか不明であり,事業名も抽象的であるから,政務調査活動との関連性が不明である旨主張している。
一方,被告らは,地域住民等を対象に県の情勢等を説明するとともに意見を聴取するために報告会を開催しており,それに伴う会場費として支払った旨主張する。
マニュアル等は,会場として使用した法人の従業員に議員の親族がいる場合に,当該会場費としての支出を違法とは定めていないため,これをもってただちに違法な支出であるとは認められない。
そして,上記使途の内容欄の記載をみると,上記支出は,政務調査活動との関連性があることが認められる。
そうすると,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
オ A13議員
証拠(甲63の1ないし37)によれば,A13議員は,平成22年度において,年間37日間にわたり意見交換会等を行い,会場費として合計92万5000円を支出していること,証拠書類の添付様式(同)の「使途の内容」欄には,事業名として「県土整備行政」,「生活保健福祉行政」等,目的・内容欄には河川改修事業等の現状と今後の対策について意見交換及び要望調査等を行った旨の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容について抽象的な定めしかないこと,ほぼ毎週のように開かれる会合が全て政務調査のための会議とは考え難いことなどを主張する。
しかし,上記「使途の内容」欄の記載内容は,参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)と関係するものであり,政務調査との関連性が認められるところ,原告の主張は,抽象的に違法な支出であることを指摘するにとどまっているから,一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
カ A28議員
証拠(甲64)によれば,A28議員が,会場費として株式会社プリオコーポレーションに14万円を支出したこと,証拠書類の添付様式(同)の「使途の内容」欄に「経済企業行政」,「目的・内容等」欄に「企業経営者と産業振興について意見交換を行った」との記載があることが認められる。
原告は,上記「使途の内容」欄の記載が抽象的であり,参加者が不明であって,政務調査活動との関連性が明らかでない旨主張する。
しかし,上記「使途の内容」欄の記載が政務調査活動と関係することは上記A13議員の検討のとおりであり,原告の主張が抽象的な違法主張にとどまることもまたA13議員の検討と同様であるから,上記支出も違法な支出とは認められない。
キ A14議員
証拠(甲65の1ないし16)によれば,A14議員は,茶菓代を含む会場費として合計53万5881円を支出したこと,証拠書類の添付様式(同)の使途の内容欄には,事業名として,「県政経営行政」,「経済企業行政」等,目的・内容等欄には「県政報告会」,「意見交換」等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容や参加者について抽象的な記載しかないこと,平成22年4月23日及び同月25日の県政報告会の会場使用人数はいずれも100人であるが,茶菓子は250人・200人分がそれぞれ計上されており,想定される人数よりはるかに多いから,必要以上の茶菓子を購入したことが認められることなどにより,会場使用料,茶菓子代は,いずれも違法な支出である旨主張する。
上記使途の内容欄の記載によれば,上記支出について政務調査活動との関連性が認められることは上記A13議員の検討と同じである。
しかし,県政報告会開催前に作成された足利市民プラザ使用許可書兼領収書(甲65の3)では,収容人数100人とされるところ,同日付の茶菓子は収容人数を上回る250人・200人分がそれぞれ計上されており(甲65の1及び甲65の4),不要な茶菓子の購入がうかがわれる。
被告は,この点について,上記予定収容人数を上回る人数が参加したことなどの主張・立証をしないから,上記予定収容人数を上回る茶菓子代については,違法な支出であるといわざるを得ない。
よって,6万3000円が違法な支出となる。
ク A20議員
証拠(甲66の1ないし7)によれば,A20議員は,茶菓代を含む会場費として合計8万8700円を支出したこと,証拠書類の添付様式(同)の使途の内容欄には,事業名として,「経済企業行政」,「生活保健福祉行政」等,目的・内容等欄には栃木県政について報告し,市議会議員と意見交換をしたこと等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容や参加者について抽象的な記載しかないことから,政務調査活動との関連性が認められないこと,割烹料理屋を意見交換の場にしたものについては,個人的な飲食の支払と考えられることなどを主張する。
上記使途の内容欄の記載によれば,上記支出に政務調査活動との関連性が認められることは上記A13議員の検討で述べたとおりである。
もっとも,割烹料理屋における意見交換については,本件申合せ(乙4・4頁)において,政務調査費として認められない事例として定められているため,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,意見交換会を開催するにあたって,地域住民の利便性に配慮した旨主張するが,意見交換等をするにあたって他に適切な会場がないことの裏付けは提出されていないから,上記支出については違法といわざるを得ない。
よって,上記支出のうち割烹料理屋に対する2万1000円の会場費の支出(甲66の6)は違法である。
ケ A18議員
証拠(甲67の1ないし5)によれば,A18議員は,会場費として合計19万2550円を支出したこと,証拠書類の添付様式(同)の使途の内容欄には,事業名として,「政務調査事業」,「県政経営行政」等,内容欄には「県政報告会」,「合併の動向及び岩舟地域の振興策と県政報告」等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容の記載が抽象的であって,参加人数の記載がないものもあること,和風レストランを意見交換の場にしたものについては,個人的な飲食の支払と考えられることなどを主張する。
上記使途の内容欄によれば,上記支出には政務調査活動との関連性が認められるが,和風レストランにおける意見交換会については,本件申合せが和食店での研修会等の会場費を政務調査費として認められない事例に記載すること(乙4・4頁)からすると,会場の性質上同様に飲酒を伴うことが容易に推認されるから,上記支出については,違法であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らの反論は上記A20議員と同様であるが,本件支出についても意見交換等をするにあたって他に適切な会場がないことの裏付けは提出されていないから,和風レストランに対する会場費たる上記支出(合計5万円,甲67の3及び4)については違法といわざるを得ない。
コ A25議員
証拠(甲68の1ないし10)によれば,A25議員は,会場費として合計24万0600円を支出したこと,証拠書類の添付様式(同)の使途の内容欄には,事業名として,「県土整備行政について」,「県政経営行政」等,目的・内容欄には岩舟町との合併問題についての討議,県政報告会を主宰した等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容はいずれも抽象的であって,参加者の人数等も不明であるから,政務調査活動との関連性が認められないこと,領収書の発行日と領収書の番号の先後が不一致となっているのは,不自然であること等の主張をしている。
上記使途の内容欄の記載によれば,上記支出に政務調査活動との関連性が認められることは上記A13議員らの検討で述べたとおりである。
領収書の発行日と領収書の番号の先後が不一致となっている点については,領収書がホテルサンルート佐野によって作成されたことに争いはなく,同社が虚偽の領収書を作成したことをうかがわせる証拠はないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(7)  資料作成費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,資料作成費は,会派が議会審議に必要な資料の作成に要する経費とされている。
したがって,資料作成費は,当該資料が調査研究との間に合理的関連性を有するものである必要がある。
イ マニュアルの定め(乙3・8頁)
マニュアルでは,資料作成費の具体例として,印刷・製本代,原稿料等が挙げられ,領収書の写しを添付することとされている。
ウ 本件申合せの定め(乙4・4頁)
会派(会派から調査研究委託を受けた議員が資料を作成する場合を含む。)が,調査研究活動のため資料を作成するのに必要な経費で,印刷製本費,写真代,パネル等作成費,翻訳料等を資料作成費とする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
①後援会,生業((株)○○,○○医院)あての領収書に係る印刷代及びこれらに類するもの
②年賀状に係る印刷代
③名刺代に係る印刷代
④議員の質疑質問のみをまとめた葉書,リーフレット等に係る印刷代
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①プリンター等の購入代金や修理代及びこれらに類するもの
②研修会等に参加する外国人のための資料作成のための翻訳料及びこれらに類するもの
③議員やその親族が役員を務める会社等との業務の実態を有する委託契約料
エ A19議員
証拠(甲69の1ないし6)によれば,A19議員が,企画調査費ないし資料作成料として,合計27万4000円を支出していること,「使途の内容」欄の事業名欄には,「県土整備行政」,「農林環境行政」等の記載があり,事業名欄が空白のものにも,「目的・内容等」欄に,「フードバレー栃木及び農商工連携を進めるにあたって,栃木県の農産物や特産品について調査した資料を作成するための発注」等の記載があることが認められる。
原告は,資料作成費は,会派の調査研究活動のために必要な資料であって,調査委託費はこれに該当しないことや,作成された資料の内容が明らかでなく,上記使途の内容欄の記載も不明確であるから,調査研究のための必要性が認められず,違法である旨主張する。
しかしながら,本件申合せの定め(乙4・4頁)によれば,「調査研究活動のために必要な資料の作成に必要な経費」を資料作成費としているから,この点に関する原告の主張は認められない。
また,上記使途の内容欄の記載は,いずれも参加人Z1会政務調査要綱(丙A1)に記載があり,目的・内容欄をも併せると,上記支出は,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,作成された資料の内容が不明であることを主張するが,上記のとおり,上記支出が違法であることの一般的,外形的事実は認められないから,マニュアル等に作成した資料の写しを添付することは求められていないことをも踏まえると,違法な支出であることをうかがわせる証拠は何ら存在しない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
オ A28議員
(ア) 証拠(甲70の1ないし5)によれば,A28議員が,ホームページ更新料,政策調査資料代として,合計71万4681円を支出したこと,「使途の内容」欄には,「目的・内容等」欄に「ホームページ作成費」,「資料作成,印刷代」等の記載があることが認められる。
(イ) 原告は,ホームページの更新料は資料作成費に該当しないことや,作成された資料の内容が明らかでなく,上記使途の内容欄の記載も不明確であるから,調査研究のための必要性が認められず,違法である旨主張する。
(ウ) ホームページ更新料について,被告らは,広報費として計上すべきものを資料作成費として計上した旨主張する。
この点,本来計上すべき項目と異なる項目に計上したとしても,当該項目の支出として使途基準に合致するのであれば,違法な支出とは認められない。
広報費の使途基準等については,後記2(4)の記載のとおりであるが,広報費としてホームページ作成費も認められていること,当該ホームページには,県政活動報告の欄もあることから,上記支出には政務調査活動との関連性が認められる。それに対し,原告は具体的な違法主張をしないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
(エ) 政策調査資料代の支出分(甲70の2,4及び5)はについては,領収書(同)を足利印刷株式会社が作成したことに争いはなく,当該領収書には「政策調査資料」の記載があるから,政務調査活動との関連性がないとはいえず,マニュアル等において作成した資料の提出を義務付けていないことをも併せて考えると,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
(8)  資料購入費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,資料購入費は,会派が行う調査研究のために必要な図書,資料等の購入に要する経費とされている。
したがって,当該資料が調査研究との間に合理的関連性を有するものである必要がある。
具体的には,地方自治体の政策形成に関する調査研究活動は広範な分野にわたるものであり,その内容や手法も様々なものが考えられることからすれば,資料購入費については,原告が主張するように具体的な調査研究活動と直接的な関連性を有する図書,資料購入に限定する必要はなく,地方議会の議員としての政治活動全般に必要,有益な知識を得るために必要な図書,資料購入に支出されれば足りるというべきである。
イ マニュアルの定め(乙3・8頁)
領収書の写しを添付し,購入した資料の内容及び購入数量の妥当性を確認することとされている。
ウ 本件申合せの定め(乙4・4及び5頁)
会派(会派から委任を受けた議員が開催する場合を含む。)が,事業計画に基づき調査研究活動(報告会等を含む。)を行うために必要な書籍購入費,新聞等・定期刊行物購読料,その他を資料購入費とする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
①スポーツ,芸能新聞の購読料及びこれらに類するもの
②議員の生業(農業,建設・建築業,医業等)に係る業界紙の購読料及びこれらに類するもの
③○○協会の○○年度会費及び同協会発行の新聞代及びこれらに類するもの
④同窓会・校友会名簿,同窓会・校友会紙の購入費及びこれらに類するもの
⑤「児童書」,「こども映画DVD」と記載された領収書に係る支出及びこれらに類するもの
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①政党の機関誌その他の発行紙
②週刊誌の購入費(週刊誌名に加え,政務調査活動に有用と認めた記事のタイトル等を「証拠書類の添付様式」に記載)
③小説の購入費(書名に加え,政務調査活動に有用と認めた理由,内容等を「証拠書類の添付様式」に記載)
エ 新聞購読料について
証拠(甲71の1ないし甲84の4)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員,A33議員,A30議員,A17議員,A26議員,A22議員,A35議員,A25議員,A32議員,A36議員及びA29議員が,o新聞,日本農業新聞,日本工業経済新聞を資料購入費として支出していることが認められる。
原告は,上記新聞はいわゆる一般紙と区別され,政務調査の限りでは一般紙で足りるなどとして,違法な支出であると主張する。
しかし,本件申合せ(乙4・5頁)には,政党の機関誌の購入も政務調査費として認められうる事例として挙げられており,また農業新聞等が議員の生業にかかる業界紙(乙4・4頁)であることの主張・立証はない。政務活動は様々な領域に及ぶことをもふまえると,不必要な資料とはいえず,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
オ A35議員
証拠(甲85の1ないし6)によれば,A35議員が,主張整理表のA279ないし284(以下,「A○○」,「B○○」などと記載のあるものについては主張整理表中の整理番号のことを示すものとする。)の「支出日」欄の日付において,主張整理表「費目」欄記載の書籍の購入費用として4万1611円を支出していることが認められる。
職員録は,その書名から栃木県職員の所属や氏名等が記載されたものであると推認されるところ,職員録は,政務調査活動を行う上で疑問が生じた際に,県職員の人員配置を調べることで担当職員等に照会することなどに利用することができ,また,住宅地図については,県土整備行政等の検討において,現状を把握するために有益な書籍である。
したがって,上記書籍は,いずれも本件申合せに政務調査費として認められない事例には当たらず,書名からしても,政務調査活動との関連性が認められ,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
原告は,A280の「自然と人間」の支出について,購読期間が不明であるから,平成22年度の経費にあたるか定かではなく,政務調査費として認められない旨主張するが,証拠書類の添付様式(甲85の2)によれば,平成22年6月9日に支出していることが明らかであり,原告の主張は認められない。
そうすると,本件支出については,県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託等との合理的関連性があるといえ,本件使途基準に適合する支出であると認められる。
カ A9議員
証拠(甲86の1及び2)によれば,A9議員が,A285及び286の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として7万5209円を支出していることが認められる。
住宅地図(A285)については,上記のとおりであり,A286の書籍については,証拠書類の添付様式(甲86の2)の「目的・内容等」欄には経済学者による経済についての書籍である旨が記載されるから,政務調査活動と関連していることが認められる。
よって,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められず,違法な支出とは認められない。
キ A28議員
証拠(甲87の1及び2)によれば,A28議員が,A287及び288の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として1万4979円を支出していることが認められる。
原告は,A287の「興論サークル」の購読料について,同サークルが政治団体であり,支払額からすると,年会費であることがうかがえることから,本件支出は本件申合せに照らし違法である旨主張する。
この点,本件申合せは,政務調査費として認められない事例として,「③○○協会の○○年度会費及び同協会発行の新聞代及びこれらに類するもの」と記載するが,上記サークルがこれに該当することは原告により立証されておらず,また,年会費であることの裏付けはないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
なお,A288の「日本の論点」の購入費への支出が違法でないことは明らかである。
よって,本件支出は違法であるとは認められない。
ク A11議員
証拠(甲88の1及び2)によれば,A11議員が,A289及び290の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として3440円を支出していることが認められる。
原告は,書籍名から私的趣味の購入であること,職員録を2冊購入する必要はないことから,違法な支出であると主張する。
しかし,A289の各書籍は,議員の政務活動の多様性からすると,無関係な書籍とはいえず,職員録の必要性は上記のとおりであり,いつでも連絡がとれるよう手元に置くため複数冊購入することが,明らかに不合理とまではいえない。
よって,違法な支出であるとの一般的,外形的事実は認められない。
ケ A20議員
証拠(甲89の1及び2)によれば,A20議員が,A291及び292の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用につき政務調査費として2930円を支出していることが認められる。
原告は,職員録は複数冊必要でないこと,県民手帳は県政との関連性がない上,2冊も必要ないことを主張する。
複数冊職員録を購入することが違法な支出であるとは認められないことは上記のとおりであり,県民手帳について,県政についての様々な資料等が付記されていること,いつでも参照できるよう複数冊購入することが明らかに不合理とまでいえないことから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
コ A34議員
証拠(甲90の1及び2)によれば,A34議員が,A293の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として5万8800円を支出していることが認められる。
原告は,支払時期からすると平成22年度の経費に該当しないことがうかがわれる上,政務調査活動に有用と認めた記事のタイトルもないから,違法な支出であると主張する。
A34議員が購入した日経グローカルは,いわゆる週刊誌とは異なるものであり,政務調査活動と関連することが明白であるから,記事のタイトルは不要である。また,上記証拠によれば,上記書籍の購入代は平成22年8月9日に同年8月分から平成23年7月分の合計8万8200円のうち,平成22年10月分から平成23年3月分を支出したものであり,平成22年度の経費に該当するものと認められる。
そのため,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められないず,違法な支出であるとは認められない。
サ A29議員
証拠(甲91)によれば,A29議員が,A294の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として2034円を支出していることが認められる。
原告は,書籍名が「挨拶は大変だ」,「挨拶は仕事」であることから,私的趣味としての購入であることが明らかである旨主張する。
被告は,議員は幅広い知識を要するから,政務調査費として必要である旨主張する。
上述のとおり,議員活動は様々であり,幅広い知識を要することが認められるものの,上記書籍名からすると,政務調査活動との関係性は一見して明らかとまではいえない。
本件申合せが,小説や週刊誌の購入費について,政務調査活動に有用と認めたタイトル,理由,内容等を「証拠書類の添付様式」に記載するよう求めるのは,それらの書籍が一見して政務調査活動との関連性があると認められないことに理由があると解されることから,当該書籍もこれに準じるべきである。
しかし,被告は政務調査活動に有用と認めた具体的な理由を主張しないから,違法な支出といわざるを得ない。
よって,上記2034円の支出は違法である。
シ A15議員
証拠(甲92)によれば,A15議員が,A295の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として1万7470円を支出していることが認められる。
原告は,本件申合せにおいて,週刊誌について政務調査活動に有用と認めたタイトル等を記載するよう求めているにもかかわらず,何らの記載もないから,違法な支出である旨主張する。
証拠書類の添付様式(甲92)をみると,文芸春秋・正論の購入費であることが認められ,これらは月刊誌である上,いわゆる政治問題等を扱う雑誌である(公知の事実)から,本件申合せに照らしても,政務調査活動に有用と認めたタイトル等を記載する必要はない。
よって,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められず,違法な支出であるとは認められない。
ス A7,A32,A38議員
証拠(甲93ないし甲95)によれば,上記議員らが,A296ないし298の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として合計1万2337円を支出していることが認められる。
職員録(複数冊の購入を含む。),住宅地図が政務調査活動と関連することは上記のとおりであり,上記支出が違法であるとは認められない。
セ A17議員
証拠(甲96の1及び2)によれば,A17議員が,A299及び300の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として2610円を支出していることが認められる。
県民手帳を複数冊購入することと政務調査活動との関連性が認められることは上記のとおりである。
原告は,「リベラルな日本」については,題名から私的な趣味あるいは政治活動のための購入であることが明らかであり,違法な支出であることがうかがえる旨主張する。
しかし,県議会議員は,様々な思想をふまえて県政に携わることが求められるから,明らかに不合理な支出とまではいえない。
よって,上記支出が違法な支出であるとは認められない。
ソ A8議員
証拠(甲97の1ないし13)によれば,A8議員が,A301ないし313の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として2万7510円を支出していることが認められる。
上記書籍のうち「サンデー毎日」,「週刊新潮」は,週刊誌であり,一般的に個人的な趣味,興味の範囲に属する読み物とうかがわれるものの,証拠書類の添付様式(甲97の5)中の「使途の内容」欄には,政務調査活動に有用と考えられる記事のタイトルの記載があるから,政務調査活動との関連性が認められる。
その余の書籍についても,上述のとおり議員が様々な知識を要求されることに照らせば,政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
タ A10議員
証拠(甲98の1ないし10,12ないし20)によれば,A10議員が,A314ないし332の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として3万2245円を支出していることが認められる。
原告は,上記書籍のうち,文芸春秋については,証拠書類の添付様式(甲98の1ないし10及び12)において,「関連記事」として記事のタイトルの記載があるが,「E独裁を絶対に許さない」などいずれも政治活動ないし私的趣味に基づくものであることが明らかであること,その余の書籍についても,題名から私的趣味ないし政治活動としての購入であることが明らかであることから,いずれも政務調査活動と関連しない旨主張するものである。
この点,文芸春秋の上記記事のタイトルについては,たしかに国政に関するものであることがうかがえるものの,県政と国政は無関係なものではないから,県議会議員の行う政務調査活動と関連しないとまではいえない。
また,その余の書籍についても,国政に関すると思われる書籍名のものもあるものの,いずれも県政とおよそ無関係とまではいえないから,結局,違法な支出であることの一般的,外形的事実は立証されていない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
チ A25議員
証拠(甲99の1ないし13)によれば,A25議員が,A333ないし345の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として6万2207円を支出していることが認められる。
原告は,費目欄に「東洋経済月報,経済,自治研究,地方財政」との記載がある書籍購入にかかる支出については,政務調査活動に有用と認められるタイトル等の記載は一切なく,県政に直接にかかわるような事情はないから,政務調査活動と関連しない旨主張している。
この点,上記「経済」については,特定の書籍名を意味するものか定かでないものの,仮に書籍の分野を示すものだったとしても,県政と関係することは明らかであって,その余の書籍についても同様である。
また,職員録,県民手帳については上記と同様の主張をしているが,当該主張の理由がないこともまた上記のとおりである。
原告は,A345の書籍については,題名から私的趣味又は政治活動としての購入であることが明らかであるなどとを主張している。
しかし,「コミュニティを問い直す」,「少子社会日本」,「地域再生の条件」とのタイトル(甲99の13)により一見して明らかに県政と無関係であるとは認められない。
よって,上記支出はいずれも違法とは認められない。
ツ 参加人Z1会
証拠(甲100の1ないし52)によれば,参加人Z1会が,A346ないし397の「支出日」記載欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用として12万1264円を支出していることが認められる(なお,主張整理表において原告が違法な支出であると主張するもののみの金額である。)。
原告は,上記書籍のうち,週刊文春,週刊新潮の購入について,証拠書類の添付様式(甲100の1,11及び17)中の「使途の内容」欄記載の政務調査活動に有用と認めた記事のタイトルの記載を見ても,政治活動ないし私的趣味に基づくものであるから,違法な支出である旨主張する。
上記「使途の内容」欄記載の記事のタイトルとして,「F・G民主に裏切られた」,「H,I,J「新党崩壊」」,「「みんなの党」は信じられるか」,「Kが政治団体に渡した奇妙な5000万円」,「LにEが触手!K政権は8月に死ぬ」等の記載があることが認められる(同)ところ,上記記事のタイトルの記載は,国政に関する情報を記載したことがうかがえ,県政との関係で全く無関係とまでは認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
また,原告は,証拠書類の添付様式の領収書及び「使途の内容」欄に書籍名の記載がなく,「社会政治」・「経営」の分野の記載しかないもの(甲100の5及び9)については,政務調査活動との関連性が判断できず,違法な支出であると主張する。
この点,マニュアル(乙3・8頁)には,上記のとおり「資料の内容及び購入数量の妥当性を確認する」との記載があるから,政務調査費として支出するにあたっては,書籍名が明らかになるよう領収書等を提出することが求められていることが認められる。
しかし,上記記載の分野の内容からすると,県政との関連性が認められないものではなく,政務調査活動と無関係の書籍とまではいえないから,上記支出が違法であるとは認められない。
もっとも,「座右の銘1300」(甲100の45),「くじけないで」(甲100の50),「モチベーション3.0」(甲100の52)については,政務調査活動との関連性が明らかでないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,議員が幅広い知識を有している必要があることなどを主張するが,政務調査活動との関連性を具体的に主張するものではなく,違法な支出といわざるを得ない。
よって,上記3冊の購入費合計3370円の支出は違法というべきである。
その余の書籍については,いずれも政務調査活動との関連性が認められ,違法な支出とは認められない。
(9)  事務費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,事務費とは,会派が行う調査研究に係る事務の遂行に必要な経費とされている。
したがって,事務費として支出するためには,当該事務処理が調査研究との間に合理的関連性を有するものである必要がある。
イ マニュアルの定め(乙3・8頁,12及び14頁)
事務費は,調査研究活動のほか,その他の各種活動に要した時間を含めた総時間に対する調査研究活動に要した時間の割合等によって経費を按分し,調査研究活動に要した経費相当額のみを政務調査費から支出することとし,支出の上限は原則2分の1である。
備品の購入費,リースに関しては,領収書,契約書等の写しを添付し,使用実態に応じて按分する。ただし,備品の購入費については,資産形成につながる高額なものについて充当することはできない。
通信費(郵送料,電話料,プロバイダー料)については,領収書等の写しを添付し,使用実態(おおむねの通話時間,使用頻度)に応じて按分する。
消耗品の購入費については,領収書の写しを添付し,内容及び購入数量の妥当性を確認する。
なお,マニュアルでは,按分率の見出し方について,使用実績等を積み上げて,その割合を求めること,費目毎に一定の数値を予め決めることはできないこと,領収書等の添付及び使途等の記載について,按分の割合と同割合に基づく支出額を記載することが定められているが,按分率の具体的根拠の記載及び証拠資料の添付までは求められていない(乙3・12,14頁)。
ウ 本件申合せの定め(乙4・5頁,6頁)
会派(会派から委任を受けた議員が調査研究を行う場合を含む。)が,事業計画に基づき調査研究活動(報告会等を含む。)に伴う事務処理に必要な事務用品,備品購入費,通信運搬費等を,事務費とする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
①同一商店がほぼ毎月一定額を品代として発行した領収書及びこれらに類するもの
②(議員の政務調査活動であることの立証のない)事務用品店等が,議員後援会あてに発行した領収書及びこれらに類するもの
③(議員の政務調査活動であることの立証のない)事務用品店等が発行した具体的な品名のない品代名目での領収書に係る経費及びこれらに類するもの
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①携帯電話料金(原則1台分までとする。)
②コピー機のリース代
③封筒代,郵便代金等の事務諸用品代
エ A7議員
(ア) 証拠(甲102の1ないし7,9ないし11)によれば,A7議員が,平成22年3月ないし8月分,同年11月ないし平成23年1月分の電話料金として,按分率を50%とした上で,平成22年5月7日以降に合計20万4416円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は按分率が50%となる根拠が記載されていないなどとして,マニュアルが「政務調査費に係る通話時間(概数),使用頻度で按分する」と定めている(乙3・12頁)ことに照らせば,使用実績が不明であり,調査研究活動との関連性が明らかでないから,違法な支出である旨主張する。
(ウ) しかし,政務調査活動において,電話を用いることは当然に予想されるものであり,A7議員のこれまでにみた政務調査費の支出をみても,それは左右されないから,按分率を50パーセントとしたことにつき,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められないというべきである。
(エ) よって,上記支出は違法な支出であるとは認められない。
オ A10議員
(ア) 証拠(甲103の1ないし7)によれば,A10議員が,平成22年度において,電話代(携帯電話代を含む。)及びプロバイダ代(PCメール等使用のための費用を含む。以下,これらを併せて「電話代等」という。)につき,按分率を50%とした上で,合計19万0198円を支出したことが認められる。
(イ) このうち,A10議員名義で支払った電話料金(甲103の1ないし7,甲106の1ないし8及び甲107の1ないし8)については,事務所費において検討したとおり,A10議員の事務所は同議員の後援会事務所と兼用であり,政務調査費として家賃を50%計上できる形態で事務所を使用していることが認められるから,電話料金についても,電話の使用時間のうち,家賃と同様にその50%が政務調査活動に使用する時間の概算であると考えられる。
マニュアルは,あくまで概算の通話時間によって計算することを求めるのみであって,通話時間を具体的に記載することまでは要求していないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
(ウ) 払込人氏名がA10後援会ないし同連合会(以下「A10議員後援会等」という。)になっているもの(甲104の1ないし甲105の4)について,原告はA10議員が支払ったものでなく,後援会活動経費であるから,政務調査活動として認められないと主張する。
この点,本件申合せ(乙4,5頁)は,議員の政務調査活動であることの立証のない後援会あての領収書による支出分について,政務調査費として認められないことを定めている。
上記事務所費の検討のとおり,A10議員は事務所を後援会と50%の割合で使用していることが認められるものの,上記A10議員宛ての領収書とA10議員後援会等宛ての領収書は,電話料金ないしパソコン使用に係る料金が発生した月に重複があり,A10議員宛ての領収書記載分は政務調査活動として用いられ,A10議員後援会等宛ての領収書記載分は後援会の活動のために用いられていることがうかがわれるから,後援会等宛ての領収書分の支出は違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実が認められる。
参加人Z1会は,上記のとおりA10議員の事務所は後援会と政務調査活動の双方に用いており,事務所費の按分率が50%であるから,この電話代等についても同じ按分率により政務調査費として支出することが適切である旨主張する。
しかし,被告は,A10議員後援会等宛ての領収書記載分につき,政務調査活動に用いたことを具体的に主張・立証しない。
よって,電話代等のうち,A10議員後援会等名義で支出した6万0992円(甲104の1ないし3,甲105の1ないし4)につき政務調査費として支出したことは違法であると認められる。
カ A33議員
(ア) 証拠(甲108の1ないし甲111の9)によれば,A33議員が,平成22年4月ないし平成23年3月分の電話料金(携帯電話を含む。),FAX,インターネット料金(以下「電話料金等」という。また,支出した期間の詳細は,A465ないし492の「支出日」欄参照)につき,按分率を50%などとした上で,合計7万9855円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,A7議員と同様,按分率が50%となる根拠が記載されていないなどとして,マニュアルが「政務調査費に係る通話時間(概数),使用頻度で按分する」と定めている(乙3・12頁)ことに照らせば,使用実績が不明であり,調査研究活動との関連性が明らかでないから,違法な支出である旨主張する。
(ウ) A33議員についても,上記事務所費の検討のとおり,平成22年4月から平成23年3月にかけて,政務調査活動と後援会活動につき事務所を50%ずつ利用していることが認められるから,通信機器の使用割合により按分率を50%などとして電話料金等を計上したことにつき,違法な点は認められない。
よって,違法な支出とは認められない。
キ A29議員
(ア) 証拠(甲112の1及び2)によれば,A29議員が,平成22年10月15日,住宅地図購入のため,按分率を50パーセントとした上で,3万1850円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,住宅地図と政務調査活動との関連性が明らかでなく,違法な支出である旨主張する。
(ウ) 上記資料購入費で検討したとおり,住宅地図により,各地の地形,道路状況等が把握でき,道路の新設等の政策検討に役立つことがうかがえるから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められない。
(エ) よって,違法な支出であるとは認められない。
ク A30議員
(ア) 証拠(甲113の1ないし3)によれば,A30議員が,平成22年4月,6月及び10月,コピー機リース代として,按分率を50%とした上で,合計1万2482円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,電話料金などの支出と同様に,按分割合の根拠が具体的に記載されていないから,調査研究活動に用いられたとは認められない旨主張する。
(ウ) 上記事務所費の検討のとおり,A30議員は,事務所を政務調査活動と後援会事務所として使用していることが認められ,その使用割合は50%ずつと認めることが相当である。
そのため,コピー機リース代についても,事務所費と同様に,按分率を50%としたことは合理的であって,コピー機リース代は,本件申合せにおいても,政務調査費として認められる事例として定めがあり(乙4・6頁),政務調査活動に使われたことを否定する証拠はないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
(エ) よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ケ A9議員
(ア) 証拠(甲114の1ないし8)によれば,A9議員が,A497ないし504の「支出日」欄記載の日付において,パソコン購入費,同修理代,同サポート並びに写真現像及びCD作成代等につき,按分率を50%とした上で,合計13万5160円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,写真現像及びCD作成につき,作成物が不明であるから,政務調査活動との関連性もまた不明であること,パソコン購入及び設置費用については,政務調査活動との関連性が不明であることに加え,購入のため政務調査費から支出する必要性が認められないこと,パソコンのメンテナンス,無線ルータ設置代については,政務調査活動との関連性が間接的であり,本件申合せにおいても,事務所の環境の整備に係る購入経費や,改修及び修繕の費用は政務調査活動費として認められない事例として定められている(乙4・2頁)から,当該定めに照らし,違法な支出というべきである,と主張する。
(ウ)A 写真現像及びCD作成につき,被告らの主張によると,成果物は現在残っていないとのことであるから,それを前提に検討すると,証拠書類の添付様式(甲114の1)の「使途の内容」欄には,「写真現像及びデータCD作成代」との記載しかなく,政務調査活動との関連性がうかがえる証拠は認められない。
したがって,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告は,政務調査活動に際して行った撮影の結果を県政報告の基礎データとして保存したと主張するが,当該主張には何らの裏付けがないから,違法な支出であるというほかない。
よって,写真現像及びCD作成のため支出された2万円(甲114の1)については,違法な支出であると認められる。
B パソコン購入及び設置費用については,政務調査活動のため,情報検索や資料作成に伴い,パソコンを使用することは何ら不合理ではないから,政務調査活動との関連性は認められる。
按分率についても,50%としたことが違法であることをうかがわせる一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
C パソコンのメンテナンス及び無線ルータ設置代については,上記のとおりパソコンの利用は政務調査活動に関する情報を検索することができ,直接的に関係するといえるから,メンテナンスやパソコンの利用に当たって必要な無線ルータ設置代は「間接的な経費」(乙4・2頁)といえない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
コ A25議員
(ア) 証拠(甲115の1ないし4)によれば,A25議員が,画像制作代,ソフト代(住宅地図),パソコン購入費等につき,按分率を50%とした上で,合計7万8832円を支出したことが認められる。
(イ) 原告は,各支出の目的が不明であって,政務調査活動との関連性が明らかでないから,違法な支出である旨主張する。
(ウ) パソコン購入費及び住宅地図が政務調査活動との関連性が認められることは上記のとおりであるから,この点についての原告の主張は認められない。
しかしながら,画像制作代として支出された3937円(甲115の1)については,制作された画像の内容が明らかでなく,政務調査活動との関連性は認められない。
被告は,画像制作代と政務調査活動との関連性につき,具体的に主張・立証しないから,結局,違法な支出であるというほかない。
(10)  人件費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,人件費とは,会派が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費とされている。
イ マニュアルの定め(乙3・9,12頁)
政務調査に従事する割合に応じて按分すると定めている。
さらに,補助職員を他の活動にも従事させている場合,それぞれの事務に従事した割合を明確にし,調査研究活動に従事する平均時間,日数等により按分し,原則として2分の1を上限とする。なお,調査研究活動に専従している職員の人件費は,全額を政務調査費から支出できる。按分の例としては,政務調査に関する勤務実績表を作成して政務調査費の充当比率を求める方法と,推計業務実績に基づく方法がある。
議員の親族を政務調査活動の補助職員として雇用し,政務調査費を充当することは誤解を招きやすいので適当ではないが,社会通念上妥当と判断される雇用形態を有している場合に限り,政務調査費を充当することができる。
人件費への政務調査費の充当については,議員一人当たり月額15万円を超えない範囲で,かつ,最低賃金法等関係法令を遵守する。
ウ 本件申合せの定め(乙4・6頁)
会派(会派から委任を受けた議員が調査研究を行う場合を含む。)が,事業計画に基づき調査研究活動(報告会等を含む。)を補助する者を雇用するための給料,手当,社会保険料,賃金等を人件費とする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
常勤,臨時雇用の妻に対する支出
(イ) 政務調査費として認められうる事例
社会通念上の雇用関係(雇用契約)による親族(妻を除く。)の人件費
エ 各議員に共通する主張について
(ア) 原告は,栃木県情報公開条例に基づいて公開された領収書の宛名が黒塗りされていることから,議員と当該事務員の関係性が不明であることなどをもって,使途の透明性の確保という政務調査費に関する地方自治法の趣旨からすると,当該領収書に基づく政務調査費の支出は全て違法である旨主張する。
この点,マニュアル等においては,上記のとおり,議員の親族を雇用することは適当でない等と定められているから,宛名の記載は本件使途基準適合性の判断において一定の意味をもつことは認められるものの,情報公開条例に基づく開示請求に対して記載された内容を非開示にするか否かの判断は,違法な支出であるか否かの判断とは別個になされるものであるから,黒塗りをしていることで直ちに違法な支出であると判断することはできない。
したがって,領収書の宛名が黒塗りである出勤簿兼領収書については,原告が,議員の親族を雇用していることなどを具体的に主張しているものについては,後記のとおり個別に検討するが,それらを除いた,あくまで原告が抽象的な可能性を主張するにとどまるものについては,違法な支出であることの一般的,外形的事実がないため,個別に検討するまでもなく上記支出が違法であるとは認められない。
(イ) また,原告は,マニュアルにおいて,按分方法につき,政務調査に関する勤務実績表を作成して政務調査費の充当比率を求める方法や,推計業務実績に基づく方法を例として定めているが,いずれにせよ当該事務員の活動実績に基づくことが前提とされているから,按分割合に何の根拠もない場合には,活動実績に応じた按分になっていないといえ,違法な支出である旨を主張する。
しかし,後記のとおり個別に検討する議員を除いては,出勤簿(甲116の1等),勤務実績表(甲117の1等)によって,勤務時間が提出されているから,活動実績に基づく支出といえる。
したがって,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められず,上記支出が違法であるとは認められない。
(ウ) なお,後記の議員は個別に認定しているが,その余の議員についても,証拠(甲116の1ないし甲143の13)によれば,各議員が,人件費としてA508ないしA995の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計4184万3057円を支出したことが認められることを前提としている。
オ A35議員
(ア) 証拠(甲127の1ないし18)によれば,A35議員が,人件費としてA675ないし692の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計163万0258円を支出したことが認められる。
(イ) そして,同証拠によれば,上記期間のうち一部につき,複数の事務員を政務調査活動のため雇用していたことがうかがえるものの,参加人Z1会から提出された雇用契約書(丙A35)によれば,1名の雇用契約書しか提出されていないことが認められる。
しかしながら,マニュアル等においては,推計勤務実績などによる按分が定められるが,当該勤務実績の裏付けとして,雇用契約書を添付することは定められていない。他の証拠を検討しても,雇用契約書が作成されなかった事務員が,A35議員の親族であることをうかがわせる証拠はなく,他に違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
(ウ) したがって,上記支出は違法な支出であるとは認められない。
カ A22議員
(ア) 証拠(甲130の1ないし19)によれば,A22議員が,人件費としてA732ないし750の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計177万9438円を支出したことが認められる。
(イ) A22議員についても,同証拠によれば,上記期間のうち一部につき,複数の事務員を政務調査活動のため雇用していたことがうかがえるものの,参加人Z1会から提出された雇用契約書(丙A38)によれば,1名の雇用契約書しか提出されていないことが認められる。
しかし,これによって違法な支出であるといえないことは,上記A35議員と同様である。
3  参加人Z2会に所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の交通費,食卓料
支払証明書(甲250の1ないし10)によれば,A2議員が,調査研究費中の交通費として,平成22年4月から平成23年1月にかけて,自家用車走行により合計11万1370円を支出したこと,鉄道会社利用による費用として合計1万2815円を支出したこと,食卓料として合計1万2000円を支出したこと,支払証明書の「使途の内容」欄には,「中心市街地活性化調査」,「県土整備部 都市計画課」等の記載があることが認められる。
原告は,上記使途の内容の記載は不明確であって,調査研究の内容が不明であることや,目的地等が全く不明であるから,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出である旨を主張する。
上記使途の内容欄に記載がある事項は,いずれも,参加人Z2会の平成22年度政務調査項目(丙B3,以下「参加人Z2会政務調査項目」という。)に記載があるか又は当該項目に含まれる事項であるから,政務調査活動との関連性が認められる。また,食卓料も,マニュアルに定める定額料に反していない。
原告は,目的地等が不明である旨主張するが,マニュアル等にはそれらの事項を報告することを求めていないから,そのことは違法な支出であることの一般的,外形的事実とは認められない。
原告は,その他に具体的な違法主張をしないから,違法な支出であるとは認められない。
(2)  調査研究費中の視察経費等
証拠(甲251の1ないし4)によれば,参加人Z2会は,視察費として,合計6万1635円を支出したこと,「使途の内容」欄に「国の重要伝統的建造物群保存地区に指定をうけている西予市卯之町と内子町を調査し,本件における重伝建の指定を探る。」,「文教都市のまちづくり調査」等の記載があること,県外視察報告書が提出されていることが認められる。
原告は,事業計画との関連性が不明であると主張するが,参加人Z2会政務調査項目には,「地域コミュニティについて」,「中心市街地活性化について」等の定めがあり(丙B3),当該定めと関連することが認められ,政務調査活動とおよそ無関係であるとはいえない。
原告は,他に具体的な違法主張をしていないから,結局,違法であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(3)  資料購入費
証拠(甲252の1ないし13)によれば,A2議員が,B5ないしB17の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費用として,2万7440円を支出したことが認められる。
原告は,書籍につき,書名から私的購入であることが明らかであること,新聞につき,いわゆる業界紙であることなどから,違法な支出である旨主張する。
しかし,上記のとおり,マニュアル等により,政党の機関誌の購入費は認められており,当該業界紙の分野につき,A2議員の生業であることは主張・立証がされていないから,結局,違法な支出であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(4)  広報費
ア 使途基準
本件使途基準によれば,広報費とは,会派が行う議会活動及び県政に関する政策等の広報活動に要する経費とされている。
イ マニュアルの定め(乙3・8頁)
領収書の写しを添付することとし,後援会と共同で作成した場合,経費を按分して政務調査費を充当することとする。
本件使途基準,マニュアル等に照らせば,広報費を支出するのが許されるのは,会派が行う議会活動や県政に関する施策等を広く住民に知らせ,地方議員として住民から意見を聴取,収集するための前提知識等を提供するものに限られる。そして,広報紙やホームページの内容が,後援会活動に該当する場合,選挙活動に該当する場合,政党活動に該当する場合,単なる議員個人の宣伝である場合等には,調査研究の前提として必要とされる広報に用いられたものではなく,「議員の調査研究に資する」ものということはできない。
ウ 本件申合せの定め(乙4・5頁)
会派(会派から委任を受けた議員が開催する場合を含む。)の議会活動及び県政に関する施策等の広報活動を行うために必要な広報誌等印刷費,送料,交通費等を,広報費とする。
(ア) 政務調査費として認められない事例
①議員の質疑質問のみを掲載した葉書,リーフレット等に係る印刷代及び送料並びにこれらに類するもの
②いわゆる「辻立ち」(街頭演説だけ)による広報活動(県民からの意見等を収集,把握する手段,方法等が明示されていて,いつでも県民の意見を受信できる場合を除く。)。
(イ) 政務調査費として認められうる事例
①ホームページの維持管理費(県民からの意見,要望等を収集,把握するための意見等の送付先,連絡先,e-mailアドレス等が明示されていて,いつでもそれらを受信できるようになっている。)
②議員としての調査研究活動等の内容について,住民に報告することを前提に作成された報告書(県民からの意見等を収集,把握する手段,方法等が明示されていて,いつでも県民の意見を受信できるようになっている。)及びこれらに類するもの
③業者に委託したアンケート調査
エ A2議員
証拠(甲253の1)によれば,A2議員は,「A2ちゃん宅配便代」として,19万4040円を政務調査費として計上していること,当該領収書の宛名は「A2後援会」であることが認められる。
原告は,当該証拠の記載を見ても,会派の調査研究活動との関連性が不明であること,領収書の宛名が後援会名義になっていることからすると,議員個人の活動として支出されたものであるなどと主張する。
被告らは,直接的な後援会活動といえる部分は僅かであり,按分率を80%として支出したことは違法であるとは認められない旨反論する。
「A2ちゃん宅配便」には,栃木県内の病院移転や百貨店の撤退に伴う影響や今後の対応,間伐材の活用について等の記載があり(丙B2の1及び2),政務調査活動との関連性が認められるから,領収書の宛名がA2議員でなく後援会名義になったのは誤りである旨が記載された印刷会社の書面(丙B5)も信用性が認められる。
上記の記載内容に加え,A2議員のツイッター情報も掲載していることをも併せて考えると,「いつでも県民の意見を受信できるようになっている」(本件申合せ,乙4・5頁)といえ,政務調査費として支出することが全く許されないものではない。
しかし,「A2ちゃん宅配便」には,上記の記載に加え,A2議員の当選から当時までの活動内容,2期目当選に当たっての抱負など政務調査活動と関連しない内容も含まれ,その割合は少なくとも50%は占めると認められるから,按分率を80%として支出したことは,違法である。
よって,政務調査活動との関連性が認められる50%を超えて支出した7万2765円については,違法な支出である。
オ 参加人Z2会
証拠(甲253の2ないし4)によれば,参加人Z2会は,政務調査費として折込料,会報代,A2ちゃん宅配便代のため,合計53万9448円を支出していることが認められる。
原告は,上記A2議員と同様,政務調査活動との関連性が不明であるなどとして,違法な支出であると主張する。
参加人Z2会は,会報とはA2ちゃん宅配便であると主張するところ,上記のとおり,A2ちゃん宅配便が政務調査活動と関連する割合は,50%であると認められるから,A2ちゃん宅配便に関してそれを上回る分の支出は違法である。また,折込料(甲253の2)については,折込の対象物が不明確であって,政務調査活動との関連性が判然とせず,被告も,その内容を具体的に主張しないから,その支出すべてが政務調査活動と関連しないといわざるを得ない。
よって,折込料9万4248円(甲253の2)及びA2ちゃん宅配便関連の支出(55万6500円。甲253の3及び4の合計)のうち50パーセントを超えて支出した16万6950円を合計した26万1198円は違法な支出である。
(5)  事務費
証拠(甲254)によれば,参加人Z2会は,事務費として,住宅地図購入のため1万9845円を支出していることが認められる。
原告は,調査研究活動との関連性が不明である旨主張するが,住宅地図と政務調査活動との関連性が認められることは上記検討のとおりであるから,原告の主張は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(6)  人件費
証拠(甲255の1ないし20)によれば,A2議員は,平成22年度において,人件費として業務委託費合計175万2000円を支出したこと,同証拠の「使途の内容」欄に引用される別紙には,政務調査業務内容として,「地方分権に関する資料収集」,「合併問題に関する資料収集」等の記載があることが認められる。
原告は,上記の調査委託内容に照らせば,A2議員は包括的にあらゆる分野の調査を1社に委託しているところ,そのような調査委託は,自ら調査すべきものを丸投げしているものであるから許されないこと,上記政務調査業務内容の記載は抽象的であって,その内容が判然としないから,政務調査活動との関連性は認められない旨主張する。
しかしながら,上記政務調査業務内容欄の記載事項は,参加人Z2会政務調査項目にいずれも含まれるものであり,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,包括的に業務委託することをもって,違法である旨主張するが,マニュアル等にはそのような業務委託につき政務調査費として支出することを禁止する定めはないから,原告の主張は認められない。
原告は,他に違法な支出であることの一般的,外形的事実の主張・立証をしないから,違法な支出であるとは認められない。
4  参加人Z3会に所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の視察経費
ア A39,A3議員
証拠(甲193の1及び2)によれば,上記A39,A3議員(以下「A39議員ら」という。)は,香港マカオ視察のため,合計39万7500円を支出していること,同証拠の「使途の内容」欄には,「農産物の流通・輸出振興について及び物流対策,観光の振興対策について」との記載があることが認められる。
本件申合せにおいて,県外,海外への視察調査研究活動を行った際には,会派内でその成果を共有化し,有効に活用するため,当該調査毎に調査研究活動報告書を作成して,会派の代表者宛てに提出すること,そのうち主な調査研究活動報告書(原則として海外視察調査研究に係るものは,全てとする。)は,議長に提出するものとする,と定められている(乙4・3頁)。
原告は,農産物の流通等につき,海外視察する必要性が不明であって,県政との関連性が不明であるから,違法な支出である旨主張する。
参加人Z3会から提出された「政務調査IN香港 報告書」(丙C3)によれば,平成22年5月8日ないし10日に,A39議員らは,香港及びマカオにおいて,栃木県内の農産物の輸出状況等を調査し,関係者と意見交換したことが認められる。
マニュアル等によれば,海外視察についての支出が,一律に政務調査費として違法となるわけではない。上記使途の内容欄や,報告書(丙C3)の記載によれば,本視察が政務調査活動と関連しないとは認められないから,違法な支出であるとは認められない。
イ A16,A27議員
証拠(甲193の3及び4)によれば,A16,A9議員(以下「A16議員ら」という。)は,上海視察のため,合計50万円を支出していること,同証拠の「使途の内容」欄には,「海外市場調査」,「農産物の流通・輸出振興について」との記載があることが認められる。
原告は,海外にまで行かなければならない必要性はなく,ガイド代,チャーター代は上海の相場からすれば2人につき一日1万円程度で足りるから,過大な支出であって,違法である旨主張する。
参加人Z3会から提出された「政務調査IN上海 報告書」(丙C4)によれば,同議員らは,平成22年10月16日ないし19日に,上海において,上海万博「とちぎウィーク」のオープニングイベントに出席したほか,栃木県農作物の輸出の適否や,他県の農作物等の進出状況を調査したことが認められ,これらは,政務調査活動との関連性が認められる。
また,マニュアル等においては,実費充当とし,領収書の写し又は支払証明書の提出を求めるのみであって,一日あたりの支出限度額等は定められていないから,金額のみをもって直ちに違法とはいえず,実際に費用がかかっていない分を支出したこと等の具体的な違法事由が主張・立証されていないから,結局,上記支出が違法であるとは認められない。
(2)  調査研究費中の交通費
ア C3ないし9については,「視察費」という項目内において主張されているが,その記載内容は,「交通費」という記載がないほかは参加人Z1会の議員における調査研究費中の交通費についての主張と同様であるから,交通費として支出したことが違法であると主張されていると解し,以下判断する。
イ A39議員
支払証明書(甲187の1ないし24)によれば,A39議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち28日間,同年5月のうち22日間,同年6月のうち27日間,同年7月のうち19日間,同年8月のうち24日間,同年9月のうち24日間,同年10月のうち25日間,同年11月の27日間,同年12月のうち27日間,平成23年1月のうち27日間,同年2月のうち23日間,同年3月のうち29日間自家用車を走行したことにより,ガソリン代相当金として合計55万3594円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「行政改革」,「産廃事業者」,「生涯学習」等の記載があることが認められる。
原告は,上記支払証明書には,目的地等の記載がないから,政務調査活動との関連性が認められないこと,上記支払証明書の記載を前提にすると,A39議員は,平成22年度において302日間,一日平均54キロメートルも走行していること,その中には,議会開催日も含まれていることから,政務調査活動を行っていたとは信じがたい旨主張する。
上記備考欄の記載は,いずれも参加人Z3会の定める平成22年度政務調査実施要綱(丙C1,以下「参加人Z3会政務調査実施要綱」という。)に記載があるあるいはこれに含まれるものであるから,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,目的地等の記載がないことを指摘するが,マニュアル等においては,目的地等の記載を必要的なものとして定めていないから,そのことをもって違法な支出であることの一般的,外形的事実があるとはいえない。
また,A39議員の自家用車を走行させて政務調査活動をしたとされる年間走行日数や,1日あたりの平均移動距離についても,このことから直ちに政務調査活動と無関係な活動も含まれるほどのものとは認められない。
さらに,原告は,議会開催日についても,自家用車により政務調査活動をしているのは不合理である旨主張するところ,たしかに,A39議員が本会議開催日においても,自家用車で政務調査活動のため走行したことが認められる。
しかし,本会議開催日の走行距離は,最長で89キロメートルであり(平成22年12月6日。甲187の17,甲275),午後2時15分に本会議が終わった後,政務調査活動をしたとしても,不可能な距離とはいえないこと,その他の会議等については,A39議員の出席が義務付けられているものか証拠上明らかでないことなどを踏まえると,原告は,具体的な違法主張をしていないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A3議員
支払証明書(甲188の1ないし13)によれば,A3議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち11日間,同年5月のうち15日間,同年6月のうち9日間,同年7月のうち7日間,同年8月のうち7日間,同年9月のうち8日間,同年10月のうち8日間,同年11月の14日間,同年12月のうち9日間,平成23年1月のうち4日間,同年2月のうち6日間,同年3月のうち9日間自家用車又はJRを利用し,ガソリン代相当金又はJR運賃として合計20万2968円支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「スポーツ振興」,「医療行政」,「道路新設」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地等の記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記備考欄の記載内容は,いずれも参加人Z3会政務調査実施要項(丙C1)に記載があるか又はこれに含まれるものであり,政務調査活動との関連性が認められる。
また,目的地等の記載がないことが,違法な支出であることの一般的,外形的事実と認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A16議員
支払証明書(甲189の1ないし9)によれば,A16議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年7月のうち30日間,同年8月のうち26日間,同年9月のうち17日間,同年10月のうち17日間,同年11月のうち24日間,同年12月のうち18日間,平成23年1月のうち25日間,同年2月のうち22日間,同年3月のうち28日間自家用車又はJR等を利用し,ガソリン代相当金及びJR運賃等として合計70万1528円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「西那須野商工会役員と商工振興について意見交換」,「黒羽地区他住民と地域課題について意見交換」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載では,政務調査活動との関連性が不明であること,ガソリン代相当金については,上記支払証明書の記載を前提にすると,9カ月間のうちで207日に渡り,一日平均約103キロメートルも政務調査活動のため走行していることになるが,とても信じがたい数字である旨主張する。
上記備考欄の記載は,参加人Z3会政務調査実施要項(丙C1)に,いずれも記載があるか又は含まれるものと認められるから,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,ガソリン代相当金について,走行した合計日数等を基に違法な支出であることを主張するが,上記認定事実の走行日数及び走行距離では,原告の主張をもっても,ただちに違法な支出であることの一般的,外形的事実とはいえず,他に具体的に主張・立証をしないから,違法な支出であるとは認められない。
オ A27議員
支払証明書(甲190の1ないし6)によれば,A27議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年7月のうち15日間,同年8月のうち12日間,同年9月のうち10日間,同年10月のうち10日間,同年11月の16日間,同年12月のうち4日間自家用車により走行し,ガソリン代相当金として合計23万7244円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「那須町内」,「福島県棚倉町」,「那須塩原市」等の記載があることが認められる。
原告は,上記支払証明書には,目的地と思われる記載しかなく,違法な支出である旨主張する。
被告らは,政務調査活動実績表(丙C13の1ないし6)によれば,上記交通費を支出した日において,政務調査活動をしていることが認められるから,上記支出は政務調査活動との関連性が認められる旨主張する。
この点,同実績表の「政務調査活動内容」欄には,「観光の振興対策について」,「那須塩原市県要望について」等の記載があることが認められるところ,これらはいずれも参加人Z3会政務調査実施要項(丙C1)に記載があるか又はこれに含まれるものであるから,政務調査活動との関連性が認められる。
しかし,同実績表の「政務調査活動時間数」及び政務調査費充当率によれば,当該政務調査活動をしたとする日の活動につき,その全てを政務調査活動に費やしたわけではないこと,議員活動をした時間のうち政務調査活動をした時間の割合は,各月毎に,70%から52%であることが認められる。
そうすると,政務調査活動に費やしていない時間については,政務調査費として支出することは認められず,政務調査活動に費やしている時間の割合は,平均すると57.8%であるから,それを上回る支出は違法な支出であることの一般的,外形的事実があると認められる。
被告は,政務調査活動に費やした支出であることを反証しないから,13万7127円を超える支出は違法と認められ,結局,10万0117円の支出は違法である。
カ A40議員
支払証明書(甲191の1ないし5)によれば,A40議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年11月のうち9日間,同年12月のうち6日間,平成23年1月のうち11日間,同年2月のうち7日間,同年3月のうち4日間自家用車により走行し,ガソリン代相当金として合計5万9163円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「羽川~福良」,「羽川~宇都宮」,「羽川~大田原市」等の記載があることが認められる。
原告は,上記支払証明書には,目的地と思われる記載しかなく,違法な支出であることなどを主張する。
被告らは,政務調査活動実績表,(丙C14の1ないし3)によれば,上記交通費を支出した日において,政務調査活動をしていることが認められるから,上記支出は政務調査活動との関連性が認められる旨主張する。
この点,上記実績表の「政務調査活動内容」欄には,「地域振興対策について」,「中小企業振興対策について」等の記載があることが認められるところ,これらはいずれも参加人Z3会政務調査実施要項(丙C1)に記載があるか又はこれに含まれるものであるから,政務調査活動との関連性が認められる。
しかし,上記実績表は,交通費を支出した対象の期間のうち平成23年1月から3月のみしか提出されておらず,平成22年11月及び12月については,政務調査活動が行われたことの裏付けがなく,このことを合理的に説明できる事情は認められないから,この期間についての支出合計2万3902円は違法と認められる。
また,活動実績表の提出されている平成23年1月ないし3月についても,政務調査活動に費やした時間の割合は平均すると約55.4%であることが認められ,それを上回る支出は一般的,外形的事実があると認められる。
被告は,政務調査活動に費やした支出であることを反証しないから,結局,政務調査活動に費やしていない時間に相当する支出合計1万5727円の支出は違法である。
(3)  調査研究費中の事務所費
証拠(甲192の1ないし12)によれば,A39議員は,平成22年度の事務所費として,合計41万6000円を支出していることが認められる。
原告は,賃貸マンションの一室が事務所兼自宅と登録されており,政務調査活動としての使用実態は明らかではないこと,政務調査費から事務所費の支出が認められるには,按分の割合とその根拠を明らかにし,証明する必要があるが,それがなされていないなどとして,違法な支出であると主張する。
被告らは,同事務所は,政務調査活動と同議員の後援会事務所として使用しているため,按分率を50%とした旨主張する。
同事務所の賃貸借契約書(丙C2の1及び2)によれば,「A39事務所」で契約していることが認められるところ,本件申合せ(乙4・2頁)によれば,「使用実績(活動時間)による按分」が基本とされているため,それぞれの目的による活動時間あるいは使用面積を資料として提出することが望ましいことが認められるものの,被告らの主張によっても,同事務所は政務調査活動と後援会活動の2つの目的で利用されたことがうかがわれ,上記賃貸借契約に照らしても,それと矛盾しないから,同事務所は2つの目的により利用されたことが認められ,按分率を50%としたことが違法とまではいえない。
よって,この支出が違法とはいえない。
(4)  研修費
証拠(甲195の1ないし7)によれば,A39議員は,研修費として,合計1万8300円を支出したこと,領収書(同)には,「万葉塾受講料として」,「平成22年度年会費として」等の記載があること,「使途の内容」欄には,「消防,防災,気象に関する研修に要した会費」,「『神仏と日本』についての受講料」等の記載があることが認められる。
原告は,上記記載からは,研修の具体的内容が明らかでないことから,政務調査活動との関連性が不明であって,違法な支出である旨主張する。
しかし,上記使途の内容欄の記載は,政務調査活動と無関係なものとはいえない。
もっとも,平成22年4月25日付け領収書(甲195の7)については,但書に「平成22年度年会費として」との記載があり,現実に出席していない会について支出したものとも思われるが,「使途の内容」欄には,「安全安心に関する研修に要する会費」との記載があることが認められ,また,被告が提出する政務調査活動記録票(丙C15)には,同日について,国民保護法における県・自治体の役割について自衛隊父兄会などと意見交換したことなどが記載されており,政務調査活動との関連性が認められるから,違法な支出であるとまではいえない。
(5)  資料購入費
証拠(甲196の1ないし9)によれば,A16議員は,資料購入費として,o新聞購読料合計1万6920円を支出したことが認められる。
原告は,当該新聞は,いわゆる一般紙とは区別されるものであるなどとして,違法な支出であると主張するが,政務調査費を当該新聞購読料に支出することが違法でないことは上記のとおりである。
(6)  広報費
証拠(甲197の1ないし3)によれば,参加人Z3会は,広報費として76万4400円を支出したこと,「使途の内容」欄には,「県民意向調査及び広報費」,参加人Z3会の政策提言の一部について,県民から回答を得たこと,政務調査費として支出したのは50%の按分率に従った額であることなどが認められる。
原告は,調査研究活動との関連性が不明である旨主張する。
上記使途の内容欄の記載によれば,政務調査活動との関連性が認められないとまではいえず,按分率を50%として政務調査費から支出したことが違法であることの一般的,外形的事実は認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
(7)  事務費
ア 証拠(甲194の1ないし25)によれば,A39議員は,平成22年度において,事務費として合計18万0679円を支出したこと,按分率を50%としていることが認められる。
原告は,マニュアルにおいては,使用実績に応じた按分がなされるべきであるが,上記記載には,按分率の根拠が書かれておらず,政務調査活動に用いられたとは認められないこと,コピー機を2台使用する必要性,合理性が認められないことから,違法な支出であると主張する。
被告らは,大量に印刷すると,一枚当たりの印刷コストが安くなることから,複合機及び印刷機をリースしている旨主張する。
事務費は,「使用実績の割合(推計)に基づく按分」(乙3・12頁)とされており,按分率を導くため,印刷した書類を提出することまでは求められていない。
そして,A39議員については,上記のとおり事務所を政務調査活動と後援会活動とで50%の按分で使用していることが認められるから,複合機及び印刷機の按分率を50%としたことは違法とはいえない。
複合機と印刷機が1台ずつある点については,印刷機は,印刷費用が複合機に比べ抑えられることが認められ(丙C16),政務調査活動において,大量の資料を印刷することが認められるから,複合機に加え,印刷機を設置することが違法とまでは認められない。
よって,この支出は違法とは認められない。
イ また,証拠(甲194の25)によれば,按分率を50%とし,事務費として携帯電話充電器購入代として499円を支出していることが認められる。
原告は,携帯電話の充電器と政務調査活動との関連性が明らかではなく,マニュアルにおいて,調査研究活動に直接必要としない備品の購入等に要する経費」が挙げられている(乙3・5頁)ところ,携帯電話充電器がこれにあたることは明らかであると主張する。
被告らは,これはA27議員が購入したものであるが,同議員は携帯電話を政務調査活動にも使用しており,携帯電話の充電が切れそうになったから購入したと主張する。
この点,上記のとおり,携帯電話料金も原則1台分までなら政務調査活動として支出することが認められていること(乙4・5頁)を踏まえると,携帯電話の充電器への支出が違法であるとまではいえない。
しかし,事務費も使用実績(推計)に基づく按分とされており(乙3・12頁),被告は,同議員の携帯電話が政務調査活動にのみ使用しているとは主張していないから,50%の割合で按分し,政務調査費として支出することが認められるというべきである。
よって,50%の按分により支出したことは違法とは認められない。
(8)  人件費
ア A16議員
証拠(甲198の1ないし18)によれば,A16議員が,人件費としてC54ないしC71の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計100万8000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「市町議会議長と地域課題について意見交換調査補助等」等の記載があることが認められる。
原告は,上記領収書の宛名が黒塗りであるところ,親族についての雇用を不適当とするマニュアルの趣旨からすると,黒塗りがされた分は全て違法とすべきであること,また,同領収書の補助業務内容の記載が具体的でないなどとして,違法な支出であると主張する。
しかし,領収書が黒塗りである点をもって違法な支出であるとは認められないことは,上記参加人Z1会の人件費の検討のとおりである。
また,上記領収書記載事項は,いずれも政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A40議員
証拠(甲199の1ないし10)によれば,A40議員が,人件費としてC73ないし82の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計70万8000円を支出したこと,同証拠の政務調査業務内容欄には,「地域住民への広報配布」,「県行政に関する資料収集」等の記載があることが認められる。
原告の主張は上記A16議員と同様であるが,上記政務調査業務内容欄の記載は,いずれも政務調査活動との関連性が否定されるものではなく,その余の主張は認められないことは上記A16議員の人件費の支出について判断したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A27議員
証拠(甲201の1ないし6)によれば,A27議員が,人件費としてC84ないし89の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計28万8000円を支出したこと,同証拠の政務調査業務内容欄には,「現地調査」,「資料収集」等の記載があることが認められる。
原告の主張は上記A16議員と同様であるが,上記政務調査業務内容欄の記載は,いずれも政務調査活動との関性が否定されるものではなく,その余の主張は認められないことは上記A16議員の人件費の支出について判断したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A39議員
証拠(甲202の1ないし12)によれば,A39議員が,人件費としてC91ないし102の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計119万2000円を支出したこと,同証拠の政務調査業務内容欄には,「現地調査・同行」,「中小企業振興についての資料収集」等の記載があることが認められる。
原告の主張は上記A16議員と同様であるが,上記政務調査業務内容欄の記載は,いずれも政務調査活動との関性が否定されるものではなく,その余の主張は認められないことは上記A16議員の人件費の支出について判断したとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
オ A3議員
証拠(甲200の1ないし24)によれば,A3議員が,人件費としてC104ないし115の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計180万円を支出したこと,同証拠の政務調査業務内容欄には,「道路の新設,改良及び管理状況について」,「社会福祉対策について」等の記載があることが認められる。
原告は,A3議員が包括的に業務委託していることから,自ら調査すべきものを丸投げしているものといえること,委託先の株式会社ピュアアクアの業務内容は,林業及び森林環境事業,床滑り止め剤施工代理店等であって,政務調査活動との関連性がないことから,違法な支出であると主張する。
この点,被告から提出された政務調査依頼報告書(丙C10の1ないし28)によれば,依頼の内容はバイオマス資源の調査や,英語教育の向上についての調査等であり,いずれも政務調査活動との関連性が認められる。
上記報告書は,上記勤務実績表・領収書(甲200の1ないし24)に勤務した日時として記載された全てにつき提出されているわけではないが,本訴訟において提出された限りの上記報告書(丙C10の1ないし28)につき,その信用性を疑わせる事実はないことからすると,上記勤務実績表・領収書(甲200の1ないし24)に勤務した日時として記載された日時についても,政務調査活動の補助をしたものと認めるのが相当である。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
5  参加人Z4クラブに所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の交通費
ア A4議員
(ア) 支払証明書(甲144の1ないし13)によれば,A4議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年度において,ガソリン代相当金計45万3620円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「大田原市」,「さくら市」等の記載があることが認められる。
原告は,支払証明書には調査研究の内容が何ら記載されていないことなどからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記支払証明書の備考欄の記載は,目的地と思われる記載であるが,当該目的地において,政務調査活動及びそれに関連する活動をしたことはうかがえず,参加人Z4クラブにおいても,上記ガソリン代相当金の支出につき,A4議員の政務調査活動のために必要な費用であったことを何ら主張しない。
よって,違法な支出と認めるほかない。
(イ) また,A4議員は,平成22年5月から平成23年2月にかけて,タクシー代として合計4万9600円を支出したこと(甲144の14ないし28),支払証明書「使途の内容」欄には,「西川田敬老友の会の方々との懇親会後タクシーを利用」,「予算要望の経過と団体への報告等ため,東京・宇都宮往復及びタクシーを利用」等の記載があることが認められる。
原告は,上記使途の内容欄の記載は抽象的であって,政務調査活動との関連性が不明確であるから,違法な支出である旨主張する。
この点,マニュアルにおいて,「議員として参加する会議や会合であっても,その内容が,飲食を主目的とするもの,懇親が目的であるもの等,外形的に,或いは社会通念上,一般県民の常識上,政務調査の目的を有する会議や会合ではないと認識されるもの」については,政務調査費の支出対象とはならないと定められている(乙3・11頁)。
この点,西川田敬老友の会との懇親会(甲144の14)については,会の名称上,政務調査活動との関連が明らかではなく,「懇親会」の名称であることからも,政務調査活動にかかわらない懇親を目的とする会に出席するための交通費であることが認められるから,マニュアルに照らし,交通費としての支出は違法なものといわざるを得ない。
その余については,「姿川村作り協議会」(甲144の16),「県央高等産業技術学校職員」(甲144の17)等,政務調査活動との関連性がうかがわれる団体等との懇談,意見交換会に出席するための交通費と認められ,上記支出が違法であるとは認められない。
よって,タクシー代のうち,1070円の支出は違法というべきである。
イ A41議員
支払証明書(甲145の1ないし23)によれば,A41議員は,平成22年4月において26日間,同年5月において22日間,同年6月において24日間,同年7月において14日間,同年8月において20日間,同年9月において22日間,同年10月において19日間,同年11月において24日間,同年12月において17日間,平成23年1月において24日間,同年2月において20日間,同年3月において19日間,自家用車を走行し,それにより生じたガソリン代相当金として合計47万6402円を支出したこと,同支払証明書「備考」欄には,「県政への要望聴取」,「地域活性化対策」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,調査内容が不明であることや,上記支払証明書を前提にすると,年間251日もの間,一日平均51キロメートルも走行しているのであり,このうちに議会開催日も含まれていることからすれば,到底政務調査活動のために走行したものとは認められない旨主張する。
上記備考欄の記載は,いずれも参加人Z4クラブの平成22年度政務調査実施計画(丙D3)に記載があるか又はこれに含まれるものであるから,政務調査活動との関連性が認められるものである。
議会開催日との関係については,本訴訟において提出された本会議の日程(甲271)とA41議員の上記自家用車走行による政務調査活動については,重複はなく,他の委員会については,A41議員の所属の有無や,出席義務の有無等が不明であるから,他の委員会の開催日との重複をもって,ただちに違法な支出であるとまではいえない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A40議員
支払証明書(甲146の1ないし7)によれば,A40議員は,平成22年4月から10月にかけて,自家用車走行によるガソリン代相当金として,合計6万9079円を支出したこと,同支払証明書「備考」欄には,「小山市乙女」,「小山市鉢形」等の記載があることが認められる。
原告は,同支払証明書には,調査研究の内容が何ら記載されておらず,調査内容が全く不明であるから,調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
被告らは,原告の主張するような事項を支払証明書に記載することは定められておらず,具体的な活動内容は,非公開資料である政務調査活動記録票(乙3・46頁)に記載していると主張する。
この点,マニュアルには,支払証明書にいかなる政務調査活動のためのガソリン代相当金であるかを記載することを求める定めはない。
しかし,自家用車による走行は,政務調査活動にかかわらず,私的活動や後援会活動など様々な目的のもとでなされることが考えられることから,県議会議員が自家用車で走行したことからただちに政務調査活動の目的であると認めることはできない。上記のとおり他の議員が支払証明書に一定の事項を記載していることからしても,ある程度抽象的な記載になるとしても,いかなる政務調査活動のためのガソリン代相当金であるかは記載することが要求されているというべきである。
そのため,上記支払証明書には目的地と思われる記載しかないから,政務調査活動との関連性が認められず,上記支出は違法であるというほかない。
(2)  調査研究費中の調査委託費(事務所費,人件費含む。)
ア A42議員
証拠(甲147の1ないし12,甲148の1ないし12及び甲149の1ないし12)によれば,A42議員は,平成22年度において,政務調査活動とその余の活動における使用割合に鑑み,政務調査活動に使用した按分率を14から40%とした上で,事務所費として家賃,電気料及び水道料(以下「家賃等」という。)合計41万3813円を支出したことが認められる。
原告は,A42議員の後援会事務所及び同議員が代表を務める特定非営利活動法人p(以下「p法人」という。)とA42議員の政務調査事務所とが同一の住所であるから,政務調査活動をしていたか疑わしいこと,後援会事務所の家賃として,政治資金収支報告書に賃料の全額を計上しているから,政務調査活動費として二重に計上することは違法であること,按分率の根拠が不明であることなどを主張する。
被告らは,p法人の主たる事務所の所在地とA12議員の政務調査活動のための事務所の住所は異なること,政治資金収支報告書には,賃料の全額を記載したが,同報告書記載の「個人寄付」欄記載のとおり,A42議員から家賃等の一部につき寄付の形で返還を受けているから,二重計上ではないこと,按分率については政務調査活動実績表に基づき算定したため,各月毎に按分率が異なっていることなどを主張する。
この点,p法人と政務調査事務所の住所は異なること(丙D2の1及び2,丙D9),A42議員からA42議員後援会に対し,平成22年及び平成23年において,個人の寄付として1254万5693円が支払われていること(甲280及び281)が認められるが,寄付と家賃等の支払や立替金の支払とは,その法的性質を異にするから,寄付をもって,賃料等を実質上負担したとは認められない。
よって,41万3813円の支出は,違法と認められる。
イ A43議員
証拠(甲150の1ないし12)によれば,A43議員は,平成22年度において,政務調査活動とその余の活動における使用割合に鑑み,政務調査活動に使用した按分率を50%とした上で,事務所費として家賃,電気料,水道料及びガス代の合計37万2426円を支出したことが認められる。
原告は,家賃等の領収書の宛名が,いずれもA43を支える会になっており,後援会からの支出であるから,政務調査費として支出することは違法である旨主張する。
この点,被告らは,事務所設置状況報告書(丙D5)を提出し,後援会と兼用しているものの,使用面積に応じて按分率の根拠を記載しているから,按分率には根拠があり,違法な支出でない旨主張している。
たしかに,上記報告書には,被告主張のとおり記載がある。
しかし,政務調査費は,マニュアルにおいて「調査研究に要した費用の実費に充当することを原則とする」と定められる(乙3・4頁)ように,各議員等が実際に支出した費用について支払われるものであるから,仮に当該事務所を政務調査活動に用いていたとしても,経費として支出していなければ,政務調査費を支出することは許されない。
本件において,当該家賃等をA43議員が支出したことの裏付けは何ら主張・立証されていないから,違法な支出といわざるを得ない。
ウ A44議員
証拠(甲154の1ないし12)によれば,A44議員は,平成22年度において,政務調査活動とその余の活動における使用割合に鑑み,政務調査活動に使用した按分率を45から50%とした上で,事務所費として家賃及び電気料の合計29万3379円を支出したことが認められる。
原告は,A44議員後援会事務所としての家賃として,政治資金収支報告書に賃料の全額を計上しているから,政務調査活動費として二重に計上することは違法である旨を主張する。
被告らは,政治資金収支報告書には,賃料の全額を記載したが,同報告書記載の「個人寄付」欄記載のとおり,A44議員から家賃等の一部につき寄付の形で返還を受けているから,二重計上ではないことを主張する。
しかし,寄付と家賃等の支払や立替金の支払とは,その法的性質を異にするから,寄付をもって,賃料等を実質上負担したとは認められない。
よって,29万3379円の支出は,違法と認められる。
エ A41議員
証拠(甲157の1ないし12)によれば,A41議員は,平成22年度において,政務調査活動とその余の活動における使用割合に鑑み,政務調査活動に使用した按分率を40%とした上で,事務所費として家賃合計24万円を支出したことが認められる。
原告は,支出先のu団体はA41議員の資金管理団体(後援会)への支出であるから,政務調査活動との関連性が疑わしいこと,按分率の根拠が不明であることなどを主張する。
被告らは,会派の支部であるq支部が支払を行っていること,按分率については政務調査活動実績表に基づき使用面積によって按分したことなどを主張する。
この点,家賃の支払先が後援会である場合に,政務調査費として支出することを否定する定めはなく,証拠(甲157の1ないし12)上,会派の支部である(争いなし)q支部が家賃の支払をしていることが認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
そして,後援会事務所と政務調査事務所としての使用の按分率については,建物賃貸借契約書(丙D1)に記載のある40%としたことが違法であることをうかがわせる事実はない。
よって,違法な支出であるとは認められないとは認められない。
オ A45議員
証拠(甲158の1)によれば,A45議員は,平成23年1月1日に,同年1月から12月にかけての家賃合計24万円を支出し,按分率50%とし,12万円を支出したことが認められる。
原告は,政務調査費は年度単位で支出されるから,平成23年4月以降の家賃は平成22年度の政務調査費とは無関係である旨主張する。
被告は,裁判例において,会計年度独立の原則は否定されているから,原告の主張は認められない旨主張する。
地方自治法208条は,会計年度独立の原則を定めており,会計の明白性,透明性の観点からも,対象とする年度においてなされた政務調査研究活動の経費につき,政務調査費から支出されるべきである。
本件では,平成23年度分の家賃を前払いするべき特別の必要性は主張・立証されていないから,平成23年4月以降の家賃の支出合計9万円は,違法というほかない。
(3)  調査研究費中の視察経費等
ア 参加人Z4クラブ
証拠(甲159の1ないし7)によれば,参加人Z4クラブは,平成22年5月11日及び12日の大阪・京都視察(以下「大阪等視察」という。)のため合計40万2760円(甲159の1ないし4),同年8月17日の東京視察のため合計5万7690円を支出したことが認められる(甲159の5ないし7)。
原告は,大阪等視察において,領収書に事業名の記載がないこと,東京視察において,事業名を「地方財政状況に関する調査」とし,内容を「財政健全化に向けて『事業仕分け』について『構想日本』への調査のための交通費」としている(甲159の5)が,県政との関連性が認められないことから,違法な支出である旨主張する。
被告は,大阪等視察につき,事業名は非公開資料である政務調査活動記録票に記載したこと,東京視察につき,財政健全化のため事業仕分けをしている地方自治体があり,栃木県においても参考にするため視察した旨主張する。
大阪等視察については,東京視察についてと異なり,証拠書類の添付様式による資料の提出が行われていない。証拠書類の添付様式を利用していれば,事業名等が明らかになったのであり,そうしなかったことについて被告から合理的な説明はなされていないのであるから,いかなる政務調査活動と関連するかが明らかでなく,また,訴訟に至った現段階においても,大阪等視察について政務調査活動との関連性は認められない。
よって,大阪等視察の経費40万2760円については,違法な支出であると認められる。
一方,東京視察については,上記事業名等の記載により,政務調査活動との関連性が認められるから,違法な支出であるとは認められない。
イ A4議員
証拠(甲144の29ないし31)によれば,A4議員は,財団法人とちぎ青少年こども財団平成22年度賛助会費として3000円,特定非営利活動法人青少年の自立を支える会平成22年度正会員会費として5000円を支出したことが認められる。
これらの支出は,「賛助会費」がいかなる用途のための支出なのか不明確であり,「正会員会費」を支払うことで政務調査活動といかなる関連性が明らかになるのかが定かではない。
被告らは,財団法人とちぎ青少年こども財団が,栃木県の青少年健全育成に関する施策を推進する法人であること,特定非営利活動法人青少年の自立を支える会が児童養護施設退所後の自立支援を支える組織であることを主張するが,上記支出そのものと政務調査活動との関連性が明らかではないから,違法な支出であるといわざるをえない。
よって,上記支出8000円については,違法な支出であると認められる。
ウ A40議員
証拠(甲146の8及び9)によれば,A40議員は,異業種交流会友希会に対し,会費として合計1万円を支出していること,「使途の内容」欄には「中小企業の振興対策事業」,「とき」として,領収書の発行日時などの記載があることが認められる。
原告は,政務調査活動との関連性が不明である旨主張するが,被告らが提出した政務調査活動記録票(丙D11及び12)には,意見交換等の内容が具体的に記載され,政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A44議員
証拠(甲156の1及び2)によれば,A44議員は,財団法人市川房枝記念会女性と政治センター(以下「政治センター」という。)の維持員費及び栃木県地方議会女性議員連盟平成22年度会費として合計1万3000円支出したことが認められる。
原告は,具体的な活動内容が不明であって,政務調査活動との関連性が認められないから,違法であると主張する。
栃木県地方議会女性議員連盟に関する活動は,政務調査活動記録票(丙D13)に記載があるため,政務調査活動との関連性が認められる。
政治センターの維持員費支出については,被告は,政治センターの活動参加と雑誌「女性展望」の購読料であって,県政における男女共同参画社会の課題等との関連性がある旨主張する。
しかし,領収書の表題が「維持員費領収証」と記載され,具体的な活動の対価であることをうかがわせる文言でないことに加え,栃木県地方議会女性議員連盟に関する活動と異なり,政務調査活動記録票が提出されていないことをも踏まえれば,政務調査活動と関連する具体的な活動について生じた経費であると認められない。
よって,上記政治センターへの支出1万円については,違法というほかない。
(4)  研修費
証拠(甲160)によれば,A44議員は,電機連合栃木地協に対し,8000円を支出し,政務調査費としてうち3000円を充当したこと,同証拠の領収書には,「政・労・使合同会議参加費として」との記載があること,同証拠の「内容」欄には,電機連合主催の学習会(栃木県経営者協会専務理事による講演)との記載があることが認められる。
原告は,具体的な活動内容が不明であって,政務調査活動との関連性が認められないから,違法であると主張する。
被告らは,県政の課題等に関する栃木県経営者協会専務理事による講演等が開催されたものと主張する。
この点,上記証拠に記載された事項に鑑みると,政務調査活動とおよそ無関係な講演であったことまでは認められず,原告は,抽象的に違法な支出である旨主張するにとどまるから,結局,違法な支出であることの一般的,外形的事実の立証はないといわざるを得ない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(5)  会議費
証拠(甲161の1ないし6)によれば,A4会の名義で,飲料代として合計2万4995円,会場使用料として2830円を支出していること,証拠書類の添付様式の内容欄には,A4県政報告会飲料代金,2月5日県政報告会会場使用料の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容について抽象的な記載しかないこと,領収書の名義がA4会などとなっていることから,後援会ないし支援団体による支出であることがうかがわれ,後援会の支払に充当することは違法であるなどと主張する。
被告らは,上記支出につき,マニュアル等に基づいた支出であって,定期的な県政報告会のための支出であって,違法でないこと,宛名がA4会,※※A4会となっている点については,A4議員が支出していることを確認したことを確認したと主張する。
この点,平成22年6月19日に支出した飲料代(甲161の1及び2)については,同日に県政報告会が開催されたことを裏付ける証拠がなく,そもそも政務調査活動と関連する会議の存在が認められないから,違法な支出といわざるを得ない。
もっとも,平成23年2月5日に支出した飲料代(甲161の5及び6)については,同日の県政報告会としての使用許可書が存在する(甲161の4)から,当該県政会に付随する支出と考えられる。
しかし,それらの領収書の宛名は「A4会」あるいは「※※A4会」(甲161の6)となっているから,A4議員が支出したものでないことがうかがわれる。そして,このことは,会場使用料(甲161の3及び4)も同じである。
この点,被告は,A4議員本人が支出した実態を確認している旨主張するが,そのことを示す証拠は提出されておらず,裏付けがない。
そのため,上記支出合計2万7825円は違法な支出であるというほかない。
(6)  資料購入費
ア A45議員
証拠(甲162の1ないし3)によれば,A45議員が,D32ないし34の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,4万0300円を支出したことが認められる。
原告は,書籍につき,書名から政務調査活動との関連性が認められないことなどから,違法な支出である旨主張する。
しかし,住宅地図が政務調査活動と関連することは上記のとおりであり,都市計画図も住宅地図と同様であるから,原告の主張は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A42議員
証拠(甲163の1ないし12)によれば,A42議員が,D35ないし46の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,6130円を支出したことが認められる。
原告は,書籍につき,書名から私的購入であることが明らかであること,政務調査活動との関連性が不明であることなどから,違法な支出である旨主張する。
この点,「Newsがわかる」という題名からは,ニュースに関連する事項を記載していることがうかがわれ,書名のみをもって,政務調査活動との関連性が否定されるものではない。
しかし,「政治レトリックとアメリカ文化オバマに学ぶ説得コミュニケーション」(甲163の12)については,話術についての記載があるにとどまるものと推測されるものであり,政務調査活動との関連性は認められないから,当該書籍についての支出(2500円)は違法と認められる。
ウ A4議員
証拠(甲164の1ないし4)によれば,A4議員が,D47ないし50の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,10万1045円を支出したことが認められる。
原告は,月刊誌ガバナンス1年分の代金(甲164の1)につき,購読期間が不明であり,平成22年度の経費に当たるか不明であること,年間購読の必要性が認められないことから,違法であると主張する。
また,平成23年版栃木県民手帳及び住宅地図については,政務調査活動との関連性が不明であること,「月刊誌」としか受領書に記載がない代金の支払(甲164の4)については,書名が明らかでないから,政務調査活動との関連性が認められない旨主張する。
県民手帳及び住宅地図については,原告の主張が認められないことは上記のとおりである。
月刊誌ガバナンスについては,たしかに,支出した月刊誌発行年月につき,証拠(甲164の1)上明らかではない。しかし,支出日は平成22年5月10日であることが認められ(同),年度初めの支出であるから,平成22年度一年分の購読料としての支出であることがうかがわれるところ,原告は,具体的に違法な支出であることの主張・立証をしない。
そのため,これらの支出は違法と認められない。
しかし,月刊誌については,たしかに甲164の4において,「月刊誌」としか記載がなく,支出先はMOKU出版株式会社であることが認められるものの,政務調査活動との関連性が認められる記事が掲載されることは主張・立証されていないから,この支出(1800円)は違法と認められる。
エ A41議員
証拠(甲165の1ないし4)によれば,A41議員が,D51ないし54の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計1万3453円を支出したことが認められる。
これらのうち,原告は,「明解 選挙法・政治資金法の手引」への支出(甲165の2及び4)につき,政治活動への支出であることが明らかであること,「六法全書」への支出(甲165の2)につき,政務調査活動との関連性が明らかでないことなどを主張するが,県議会議員の広範な活動領域等をふまえると,政務調査活動と関連しないとまでは認められない。
しかし,「自治研センター会費,所報購読料として(10年4月~11年3月)」への支出(甲165の1)については,本件申合せにおいて,政務調査費として認められない事例として「○○協会の○○年度会費及び同協会発行の新聞代及びこれらに類するもの」との記載があり(乙4・5頁),上記支出は,本件申合せが定める政務調査費として認められない事例に当たると認められる。
被告らは,自治体の様々な行政課題に対する論評が記載されているなどと主張するが,そのことを裏付ける証拠はなく,また,なぜ「会費」として記載されているにもかかわらず,政務調査費中の資料購入費として支出が認められるのかにつき,何ら主張・立証しない。
そのため,「自治研センター会費,所報購読料として(10年4月~11年3月)」についての5000円の支出(甲165の1)については違法というほかない。
オ A40議員
証拠(甲166の1及び2)によれば,A12議員が,D55及び56の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計2万3525円を支出したことが認められる。
原告は,上記証拠は資料購入のための証拠とは認められず,政務調査活動との関連性が認められない旨主張する。
振替払込金受領証(甲166の1)には,「お受取人」欄に「小山日本中国友好協会」の記載があること,「使途の内容」欄には,「小山日本中国友好協会 新聞代」の記載があること,領収書(甲166の2)には,作成人として情報とちぎ新聞社,但し書として「資料代」の記載があること,「使途の内容」欄には,新聞代との記載があることが認められる。
小山日本中国友好協会の新聞代である3525円の支出(甲166の1)については,上記のとおり,本件申合せにおいて,政務調査費として認められない事例の例示に記載がある(乙4・5頁)ところ,被告は,当該新聞が会派の調査研究に資する事項が記載されていると主張するにとどまり,本件申合せにおいて政務調査費として認められない事例として定めている例に当たるにもかかわらず,なお政務調査費として支出することが違法な支出とは認められないことについて具体的な反論をしない。
そのため,この点の支出(3525円)は違法というほかない。
一方,情報とちぎ新聞社に対して支払った新聞代についての支出(甲166の2)については,マニュアル等において支出が認められないとされている支出に当たらず,上記支出が違法であるとは認められない。
カ A44議員
証拠(甲167の1ないし4)によれば,A44議員が,D57ないし60の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計1万2200円を支出したことが認められる。
原告は,D57の社会運動月刊誌代につき,購読期間が不明であって,平成22年度の経費に該当するか不明であること,仮に平成22年度の経費として認められるとしても,政務調査活動との関連性が不明であることなどを主張するが,支出日が平成22年6月30日であり,平成22年度外に発刊された当該月刊誌の購入のために支出されたことをうかがわせる事情は何ら見当たらず,また書籍名からして政務調査活動との関連性が認められないものでもないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められない。
また,D59の平成22年度賛助会費としての支出3000円(甲167の3)については,そもそも資料購入費の項目に該当しないものと思われるが,その点を措くとしても,「賛助会費」がいかなる用途のための支出なのか不明確であり,政務調査活動といかなる関連性が明らかになるのかが定かではないから,上記のとおり,違法な支出であるといわざるを得ない。
また,D60の自治研会費について,原告は,マニュアル(乙3・5頁)に反すると主張するが,使途の内容欄には,「とちぎ地方自治と住民」年間購読料との記載があり,会費でなく資料購入費としての支出であることがうかがわれ,これに反する証拠はないから,上記支出が違法であるとは認められない。
なお,D58の支出につき,政務調査活動との関連性が不明である旨主張するが,「議会改革の条件」という書籍名(甲167の2)からして,政務調査活動との関連性が認められないとまではいえないから,上記支出が違法であるとは認められない。
キ A43議員
証拠(甲168の1ないし4)によれば,A43議員が,D61ないし64の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計1万6580円を支出したことが認められる。
原告は,D61の支出につき,領収書(甲168の1)上では,「協会費」とされており,マニュアル等に反すること,仮にマニュアル等に反しないとしても,平成22年度外の経費については違法な支出であることを主張すする。
使途の内容欄(甲168の1)には,「月刊民社(2009年7月~2010年6月 購読分)とあり,領収書上の「協会費」は便宜上書いたものと考えられ,購読料であることと矛盾する証拠はないから,購読料についての支出であると認められる。
書籍名及び上記使途の内容欄の機関誌購読料との記載により,政務調査活動との関連性が認められるが,平成22年度外の支出については,平成22年度の政務調査費から支出することは許されないから,結局平成21年7月分から平成22年3月分の9カ月分の支払額である4500円は違法な支出である。
その余の書籍等については,書名から政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
ク A43議員
証拠(甲169の1及び2)によれば,「A43を支える会」が,D65及び66の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計8850円を支出したことが認められる。
原告は,領収書の宛先が議員や会派ではないから,政務調査費としての支出が認められない旨主張する。
領収書の上記宛名からすれば,後援会等による支出であることがうかがわれるところ,参加人Z4クラブは,事業者側の取扱いである旨主張するにとどまり,それ以上に,具体的に政務調査費として違法な支出であるとは認められないことをうかがわせる事実を主張・立証しない。
よって,違法な支出であると認められる。
ケ 支出者不明
証拠(甲170の2及び3)によれば,氏名不詳者が,D68及び69の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の資料購入費として,合計3360円を支出したことが認められる。
被告は,購入した書籍は政務調査活動との関連性がある旨主張するが,そもそも,当該書籍を誰が購入したのかが上記領収書からは定かではないから,違法な支出というほかない。
(7)  広報費
証拠(甲171ないし4,丙D14)によれば,A44議員が,平成23年1月12日に有限会社随想舎に通信38号制作代として7万4550円を支払ったこと,政務調査活動に使用した紙面の割合で按分し,その50%である3万7275円を広報費として政務調査費から支出したこと,同年1月14日及び同年2月3日に,広報誌発送・送付代金合計44万3110円を支出し,政務調査活動との関連性が認められる上記按分率50%に従い合計22万1555円を政務調査費から支出したこと,上記広報誌は,丙D14号証によれば,A44議員の新年ご挨拶部分や略歴の紹介部分を除くと,政務調査報告等の政務調査活動との関連性を有する内容であることが認められる。
しかし,上記政務調査活動との関連性が認められる部分は,紙面全体の約3割程度と認められるから,それを上回る支出(10万3532円)は違法というべきである。
(8)  事務費
ア 参加人Z4クラブ・s支部
証拠(甲172の1ないし32)によれば,参加人Z4クラブ・s支部は,平成22年度において,事務費として合計17万7901円支出したこと,按分率を50%としていることが認められる。
原告は,整理用ファイル,いす,パソコン購入費等のD73ないしD99記載の支出につき,マニュアルにおいては,使用実績に応じた按分がなされるべきであるが,上記記載には,按分率の根拠が書かれておらず,政務調査活動に用いられたとは認められないことから,違法な支出であると主張する。
この点,事務費は,「使用実績の割合(推計)に基づく按分」(乙3・12頁)とされており,按分率を導くため,印刷した書類を提出することまでは求められていない。
そして,政務調査活動との按分率が50%であることと矛盾する証拠はないから,結局,原告は,違法な支出であることの一般的,外形的事実の立証ができていないものというほかない。
よって,この支出は違法とは認められない。
しかし,「お品代」としての支出4万8802円(甲172の1ないし17,24ないし29及び31)については,本件申合せ(乙4・5頁)において,具体的な品名のない品代名目での領収書に係る経費は,政務調査費として認められないこととされており,参加人Z4クラブは,必要物品の支出としか主張をしないから,違法な支出というほかない。
したがって上記支出は違法と認められる。
また,平成23年3月29日に支出された1052円(甲172の32,政務調査費としてはその50%が支出された。)についても,領収書の但し書き欄には何の記載もないところ,被告は,東日本大震災後の芳賀町調査に伴う写真代である旨主張するが,その裏付けはないから,上記(イ)と同様に,上記支出は違法というべきである。
イ A41議員
証拠(甲173の1ないし35)によれば,A41議員は,平成22年度において,事務費として合計9万2520円を支出したこと,按分率を50%としていることが認められる。
原告は,切手代や郵送料等(D102ないし112)につき,按分率50%の根拠が不明であり,違法な支出であると主張する。
使途の内容欄には,「政務調査に係わる今後の協力依頼」(甲173の1),「会議招集に係る往復ハガキ代」(甲173の2)等の記載があるものと,通信用切手代としか記載がないもの(甲173の3ないし7)とがあることが認められるところ,上記のうち通信用切手以外の記載があるものは,いずれも政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
また,携帯電話料金代(甲173の12ないし35)については本件申合せにおいて原則1台分までの支出が認められており(乙4・5頁),按分率についても推計によるもので足りるとされる(乙3・12頁)から,按分率50%としたことの具体的な違法主張がされていない本件においては,上記支出が違法であるとは認められない。
一方,「使途の内容」欄に,通信用切手としか記載がない支出合計1万8475円(甲173の3ないし8)については,いかなる用途に用いられているものか具体的な主張・立証がない本件においては,政務調査活動に用いられたと認定することはできず,違法な支出というほかない。
ウ A43議員
証拠(甲174の1ないし44)によれば,A43を支える会は,平成22年度において,事務費として合計35万0224円を支出したこと,按分率を50%としていることが認められる。
これらの支出は,いずれも,A43を支える会を宛名とする領収書が提出されたものであって,上記のとおり,議員個人名あるいは会派の名称の記載がない領収書については,後援会等政務調査費と無関係な者が支出した可能性があり,議員・会派等が支出したことを裏付ける資料が無い限り,違法な支出というべきである。
この点,被告らは,政務調査実施計画に基づく必要な支出であれば,政務調査費を支出してよいこととされている旨主張するが,政務調査費は「調査研究に要した費用の実費に充当することを原則とする」(乙3・4頁)ものであって,その例外は実費把握の困難な自家用車使用による燃料代の支出等に限って認められるものであるから,被告らの主張は認められない。
よって,議員・会派等が支出したことを裏付ける資料がないことに照らせば,上記支出が違法であると認められる。
エ A42議員
証拠(甲175の1ないし12,甲284)によれば,A42議員は,平成22年度において,事務費として合計10万3358円を支出したこと,按分率を14ないし40%としていることが認められる。
原告は,これらの支出につき,通帳の写しが証拠として提出されている(甲175の1ないし12)ものの,その名義人が定かではなく,後援会等政務調査費の支出が認められない者による支出の可能性があること,また,D181ないし191の支出につき,A42サポーターズクラブ名義の支出であり(甲176の1ないし12),後援会による支出であって,政務調査費としての支出とは認められない旨を主張する。
上記のとおり,後援会等による支出であれば,違法な支出というほかなく,D169ないし191につき,被告らは,A42議員あるいは会派が支出したことを裏付ける証拠を提出しないから,上記10万3358円の支出は違法というべきである。
オ A44議員
証拠(甲177の1ないし29)によれば,「A44と市民の会」は,平成22年度において,事務費として合計10万7417円を支出したこと,按分率を40ないし50%としていることが認められる。
原告は,本支出の領収書の宛名がいずれも「A44と市民の会」名義になっていることから,後援会による支出であるから,政務調査費として支出することは違法である旨を主張する。
この点,上記のとおり,後援会名義の領収書が出ている場合には,議員や会派が支出したことの裏付けがない限り,政務調査費から支出することは違法というべきである。
被告らは,同名義について,事務所の契約上の名義であると主張するが,議員や会派が支出したことの裏付けを何ら主張・立証しないから,違法な支出というほかない。
カ A4議員
証拠(甲178の1ないし3)によれば,A4議員は,平成22年度において,事務費として合計40万4547円を支出したこと,按分率を49ないし50%としていることが認められる。
原告は,携帯電話ケース購入による支出(甲178の1)につき,調査研究活動に直接必要としない備品であることから,マニュアル5頁に照らし違法であること,葉書(甲178の2)につき,按分率の根拠が不明であること,フルカラーコピー機代金(甲178の3)につき,資産形成につながるから,マニュアル8頁に照らし違法であることを主張する。
携帯電話ケースについて検討するに,本件申合せにおいて,原則1台分までの携帯電話料金の支出が認められており(乙4・5頁),携帯電話に関する費用が政務調査費として認められないわけではないから,携帯電話の使用に関連するものであって,調査研究活動に直接必要としない備品とまではいえない。
また,葉書については,使途の内容欄(甲178の2)において,「議会報告通知に係る費用(9月3日)」と記載があり,政務調査活動実績表によって按分された額が支出されているから,違法な支出であることの一般的,外形的事実がなく,上記支出が違法であるとは認められない。
フルカラーコピー機については,政務調査活動に使用する資料等の印刷に必要なものであるから,資産形成につながる物品とは性質を異にするものであって,上記支出が違法であるとは認められない。
(9)  人件費
ア A41議員
証拠(甲179の1ないし36)によれば,A41議員が,人件費としてD211ないし246の「支出日」欄記載の当該月分につて,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計180万円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「広報紙配布と県政への要望聴取同行」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,政務調査活動と関連する事項と認められ,原告は,違法な支出であることを具体的に主張,立証しないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は認められない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A40議員
証拠(甲180の1ないし16)によれば,A40議員が,人件費としてD248ないし263の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計95万3000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「県土整備」,「地域振興」,「地域住民への広報配布」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないか又は具体的な記載がないもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A4議員
証拠(甲181の1ないし12)によれば,A4議員が,人件費としてD265ないし277の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計162万3000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「政務調査事務補助」の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,マニュアル等においては,「現地調査資料収集」程度で足りる旨記載されている(乙3・55頁)ことをも踏まえると,この程度の記載でも政務調査活動と関連しないとまでは認められず,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,それ以上に具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A44議員
証拠(甲182の1ないし24)によれば,A44議員が,人件費としてD278ないし301の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計150万7500円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「政務調査事務補助」,「議会・会派広報発行準備」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
オ A42議員
証拠(甲183の1ないし36)によれば,A42議員が,人件費としてD303ないしD338の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計111万5000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「地域住民等への広報誌配布準備」,「県政への要望事項の整理」,「政務調査の整理補助」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないか又は具体的な記載がないもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
カ A45議員
証拠(甲184の1ないし48)によれば,A45議員が,人件費としてD340ないし387の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計180万円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「景気対策についての電話聞き取り調査」,「政務調査資料整理」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないか又は具体的な記載がないもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
キ A43議員
証拠(甲185の1ないし17)によれば,A43議員が,人件費としてD389ないし405の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計180万円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「政務調査活動報告書類作成に関する情報処理他」,「農業政策に関する先進事例の情報収集他」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,政務調査の具体的な記載のないもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ク 参加人Z4クラブ
証拠(甲186の1ないし9)によれば,参加人Z4クラブが,人件費としてD407ないし415の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計16万4250円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「政務調査事務補助」の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,上記A41議員の人件費と同様に,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
6  参加人Z5会に所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の交通費
ア A46議員
支払証明書(甲231の1ないし11)によれば,A46議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち10日間,同年5月のうち13日間,同年6月のうち7日間,同年8月のうち6日間,同年9月のうち5日間,同年10月のうち5日間,同年11月の10日間,同年12月のうち7日間,平成23年1月のうち12日間,同年2月のうち11日間,同年3月のうち4日間自家用車又はJR等により走行又は移動し,ガソリン代相当金ないしJR運賃等として合計14万8006円を支出したこと,食卓料として2000円を支出したこと,支払証明書の「使途の内容」欄には,「県政経営行政調査」,「地域振興調査」,「生活保健福祉行政調査」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地等の記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出である旨を主張する。
上記備考欄の記載内容は,いずれも参加人Z5会平成22年度政務調査実施要綱(丙E1,以下「参加人Z5会政務調査実施要綱」という。)に記載があるか又はこれに記載に含まれるものであり,政務調査活動との関連性が認められる。
また,目的地等の記載がないことが,違法な支出であることの一般的,外形的事実と認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A5議員
支払証明書(甲232の1ないし14)によれば,A5議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち8日間,同年5月のうち16日間,同年6月のうち1日間,同年7月のうち10日間,同年8月のうち9日間,同年9月のうち11日間,同年10月のうち6日間,同年11月の8日間,同年12月のうち4日間,平成23年1月のうち7日間,同年2月のうち4日間,同年3月のうち5日間自家用車又はバスにより走行又は移動し,ガソリン代相当金又はバス代として合計9万8120円を支出したこと,支払証明書の「使途の内容」欄には,「とちぎ活性化F打合せ」,「県民相談」,「自家用車登庁」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地等の記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記備考欄の記載内容のうち,県民相談,県政報告や栃木活性化打合せについては,政務調査活動との関連性が認められる。
また,目的地等の記載がないことが,違法な支出であることの一般的,外形的事実と認められないことは上記のとおりである。
しかし,単に「自家用車登庁」としか記載がないものは,議員活動による移動とも考えられ,政務調査活動による支出と認めることができない。
そのため,自家用車登庁との記載があり,政務調査活動に使用したことを被告が主張・立証しないものについては,上記支出は違法というべきである。
被告は,この点につき何らの反論もしないから,「自家用車登庁」としか記載のない支出合計1万1100円は違法である。
(2)  調査研究費中の視察経費等
ア A5議員
証拠(甲234の1ないし5及び236の1ないし4)によれば,A5議員は,E9ないし12,16ないし19における「支出日」欄記載の日時において,「費目」欄記載の費目として,「金額」欄の支出をしたこと,同証拠の「使途の内容」欄には,「秋田県 学力向上への取組について」,「会派視察(青森・秋田)のための朝食付き宿泊代」,「認知行動療法について」,「会派視察沖縄泊の宿泊代」等の記載があることが認められる。
原告は,政務調査活動との関連性が不明であること,訪問先を選択した理由が不明であるなどとして,違法な支出である旨を主張する。
しかしながら,上記「使途の内容」欄に記載された事項は,いずれも他県の課題に対する取組を調査対象としているものであって,そこで得た情報・知識を栃木県において活用することが考えられるから,政務調査活動との関連性が否定されるものではない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A46議員
証拠(甲235の1ないし3,甲237の1ないし4及び甲240の1ないし3)によれば,A46議員は,E13ないし15,20ないし23及び26ないし28における「支出日」欄記載の日時において,「費目」欄記載の費目として,「金額」欄の支出をしたこと,同証拠の「使途の内容」欄には,「農林水産業の振興対策」,「保健福祉行政」,「保健医療対策」等の記載があることが認められる。
原告は,政務調査活動との関連性が不明であって,訪問先を選択した理由が不明であるなどとして,違法な支出である旨を主張する。
上記「使途の内容」欄記載の事項は,参加人Z5会政務調査実施要綱(丙E1)にいずれも記載があるから,政務調査活動との関連性が認められる。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ 参加人Z5会
証拠(甲238)によれば,参加人Z5会は,平成23年1月6日,タクシー代として1万2500円を支出していること,ただし書き欄には「1/12~13 県外調査」との記載があることが認められる。
原告は,タクシー代としか記載がないため,政務調査活動との関連性が明らかでなく,違法な支出であると主張する。
しかしながら,1月12日から同月13日に関する政務調査費の支出を検討すると,京都及び沖縄における保健医療対策に関する政務調査活動に伴う宿泊代としても支出がされており(甲237の2及び4),領収書作成者も同一であるから,本件タクシー代も京都及び沖縄における保健医療対策に関する政務調査活動に伴う支出であることが認められる。
そのため,違法な支出であるとは認められない。
エ 氏名不詳者
(ア) 証拠(甲233の1ないし4)によれば,氏名不詳者が,施設利用料として矢板イースタンホテルに対して合計1万2000円を支出したこと,同証拠の「使途の内容」欄には,「県内農業の活性化について」等の記載があること,また,証拠(甲239)によれば,大谷資料館入館料として600円を支出したこと,同証拠の「使途の内容」欄には,「大谷地域の再生について」との記載があることが認められる。
(イ) 上記施設利用料の支出合計1万2000円については,当該領収書(甲233の1ないし4)には,宛名の記載がなく,誰が支出したものかが明らかでないため,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,上記支出はA5議員によるものである旨主張するが,その裏付けはなく,領収書の宛名を空欄にしたことの合理的な理由は述べられていないから,違法な支出と認められる。
(ウ) 大谷資料館入館料の600円についても,支出者が定かではないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
被告らは,A46議員が支出した旨を主張するところ,「大谷地域の再生について」との記載は,参加人Z5会政務調査実施要綱(丙E1)における「地域振興対策について」等の定めと無関係なものとまではいえないものの,当該資料館は,一般人が観光のため入館することもあるため,A46議員が入館したものとは必ずしもいえないのであって,A46議員が入館したことを裏付ける証拠がない限り,違法な支出といわざるを得ない。
本件では,被告は裏付けとなる証拠を提出していないから,大谷資料館入館料の600円の支出は違法というべきである。
オ その余の支出
(ア) 証拠(甲241の1ないし13)によれば,A5議員は,警備保障費として,合計1万9721円を支出していることが認められる。
警備保障費は,政務調査活動を円滑かつ確実に行うために支出されたものといえ,その性質上,調査研究費ではなく,事務費として違法な支出とは認められないかを検討すべきである。
そして,本件マニュアル等には,事務費として警備保障費を支出することを直接定めてはいないものの,本件申合せにおける政務調査費として認められない事例(乙4・5頁)の定めに鑑みれば,支出によって政務調査活動と関係する対価を得られるとは認められない支出について,事務費として認めないことを趣旨としているものと解される。
そうすると,警備保障費は,政務調査活動によって得られた資料や情報を保護するものとして,政務調査活動に一定の貢献をするものであるから,政務調査活動との関連性が認められる。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(イ) 証拠(甲279)によれば,参加人Z5会は,エプソン販売株式会社に6万1950円を支出していること,「使途の内容」欄には「メンテナンス代」との記載があることが認められる。
上記支出先の会社名及び使途の内容欄記載事項をふまえると,コピー機のメンテナンス代であることが認められるところ,上記支出についても,事務費として違法な支出であるとは認められないか検討すべきである。
本件申合せにおいて,コピー機のリース代が政務調査費として認められる事例として定められており(乙4・6頁),コピー機そのものについての支出が認められるのであるから,コピー機の使用を維持するためのメンテナンス代もまた認められるというべきである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(3)  研修費
ア A5議員
甲242の1ないし10によれば,A5議員が,E31ないし41の「支出日」欄記載の日付において,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計20万1140円を支出したことが認められる。
E31の支出につき,当該書証の使途の内容欄には,「市薬研修」(甲242の1),E32の備考欄には「地方自治体改革研修会」(甲242の2),E34の使途の内容欄(以下,各項目に関する書証の使途の内容欄又は備考欄の記載につき,逐一「使途の内容欄には」と記載しないことがある。)には「介護・医療セミナー(東京虎ノ門)研修会」(甲242の4),E35は,E34と同日支出により,県庁・JR宇都宮駅間のバス代として300円及び地下鉄による東京・虎ノ門間の交通費320円,また,使途の内容欄に「在宅緩和ケアセミナー」との記載があるガソリン代として555円を支出したこと(甲242の5),E37の使途の内容欄には「日経グローカル研修参加の為の交通費」(甲242の6),E38はE37と同日のバス代として780円を支出したこと(甲242の7),E39には「血糖測定器研修会」(甲242の8)との記載があることが認められるところ,原告は,それらの記載からは活動内容がうかがえず,調査活動との関連性がないと主張する。
しかし,上記記載内容についても,一見して政務調査活動と関係しないとは認められず,原告は,具体的に政務調査活動との関連性がないことを主張・立証しないから,上記支出が違法であるとは認められない。
また,E33には,「しもつけフォーラム研修費,手数料」(甲242の3),E40には「日経グローカル冊子及び研修費」(甲242の9),E41には「しもつけフォーラム冊子及び研修費」(甲242の10)と記載があること,証拠上に研修費と記載があっても,その実質は年会費であること(争いなし)が認められる。
本件申合せには,「○○協会の○○年度会費及び同協会発行の新聞代及びこれらに類するもの」につき政務調査費として認められない事例として定めており(乙4・5頁),上記支出はこれに反すると認められ,被告は,当該申合せに反してもなお違法な支出であるとは認められないことを主張・立証しないから,上記支出は違法というべきである。
イ A46議員
証拠(甲243の1及び2)によれば,A46議員は,電車代,ガソリン代等として,合計4290円を支出したこと,使途の内容欄には「観光振興対策」,「保健医療対策調査」等の記載があることが認められる。
原告は,上記記載内容のみでは,政務調査活動との関連性が認められない旨主張するが,上記対策の対象は,参加人Z5会政務調査実施要綱(丙E1)に記載があるから,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,それ以上に具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
(4)  資料作成費
証拠(甲244の1ないし3)によれば,A5議員は,資料作成費として合計3267円を支出したことが認められる。
被告らは,A5通信第13号や会派県政報告書に必要な写真かどうかを判断するために最小限のサイズの写真代として申請した旨主張する。
適切な資料作成のために,掲載する資料の適否を検討することは必要不可欠であるから,そのために支出した費用は,明らかに不当と認められる金額でない限り,資料作成費として認められるべきである。
本件では,明らかに不当な金額とまでは認められないから,上記支出が違法であるとは認められない。
(5)  資料購入費
ア 新聞購読料
証拠(甲245の1ないし9,甲246の1ないし12)によれば,参加人Z5会及びA46議員は,o新聞及びr新聞の購読料として合計3万9480円を支出したことが認められるところ,上記支出が違法な支出といえないことは,上記参加人Z1会で検討したとおりである。
イ A46議員
証拠(甲247の32,34及び38)によれば,A46議員が,E100,102及び106の「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の購入費用4万6400円を資料購入費として支出していることが認められる。
上述のとおり,県議会議員には幅広い知識が求められること等からすると,上記書籍と政務調査活動との関連性が認められ,私的趣味に基づく購入にすぎない旨主張する原告の主張は認められない。
しかしながら,平成23年度分に関する支出については,平成22年度の政務調査費から支出することは適切といえないから,平成23年度に発刊される雑誌の前払に当たる支出1100円(甲247の32)及び1万円(甲247の34)は違法と認められる。
よって,上記支出のうち1万1100円については,違法であると認められる。
ウ 氏名不詳者
E68ないし105のうち,上記のとおりA46議員が支出したと認められるE100及び102を除いた書籍購入費については,証拠(甲247の1ないし37,ただし,E100及び102に対応する書証を除いたもの)により,「支出日」欄の日付において,「費目」欄記載の書籍の資料購入費として支出したことが認められる。
原告は,政務調査活動との関連性が認められる記事のタイトルの記載がないことや,書籍名からして政治活動ないし私的趣味に基づく購入にすぎないなどとして,違法な支出であると主張する。
上記証拠の使途の内容欄には,記事のタイトルが記載されている支出について,およそ政務調査活動との関連性が認められないものとまではいえないから,その点についての原告の主張は認められない。
使途の内容欄に何ら記事のタイトルが書いていないもの(甲247の30,31及び34)については,「第三文明」につき,月刊誌であって,本件申合せが記事のタイトルの記載を要求するのは週刊誌であるから,記事のタイトルが証拠書類の添付様式に記載されてなくとも直ちに本件申合せに反したわけでないこと,第三文明の購入のうち,甲247の29については,記事のタイトルの記載があり,当該雑誌が政務調査活動と全く無関係なものとまではいえないことからすると,記事のタイトルの記載がないことは不適切ではあるものの,違法な支出とまでは認められない。
また,これらの支出については,支出者の氏名が明らかでないが,参加人Z5会に所属する県議会議員による支出であることに争いがなく,上記のとおり政務調査活動と関連する書籍の領収書であるから,氏名不詳者の購入及び支出であることは上記判断に影響しない。
(6)  広報費
証拠(甲248の1ないし5)によれば,A5議員は,ガソリン代及び駐車場代の合計1万5015円を広報費として支出していること,使途の内容欄には,「県内街頭演説」等の記載があることが認められる。
原告は,政務調査活動との関連性が明らかでないことや,県民からいつでも意見を受信できる場合でなければ,広報費としての支出は本件申合せに反した違法な支出である旨主張する。
被告は,街頭演説中には,A5通信を配布し,いつでも県民の意見を聞くことができるようにしているから,違法であるとは認められない旨主張する。
A5通信(丙E2)には,ホームページを記載しているものの,意見の募集先や意見収集のための手段の明示はなく,いつでも県民の意見を聞くことができるものとまではいえない。また,街頭演説には当該議員の知名度を上昇させる側面もあり,政務調査活動のみのためになされるとまではいえないことにも鑑みると,街頭演説による広報活動につき,県民からいつでも意見を受信できる場合でないと政務調査費として支出することを認めないことを定める本件申合せに照らし,上記1万5015円の支出は,違法であると認められる。
(7)  人件費
証拠(甲249の1ないし3)によれば,A5議員が,人件費としてE121ないし123の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計3万4500円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「こども手当について資料収集」,「ふるさと納税について資料収集」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,具体的でないため,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
7  参加人Z6クラブに所属する議員の支出について
(1)  調査研究費中の交通費
ア A47議員
支払証明書(甲203の1ないし12)によれば,A47議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち16日間,同年5月のうち13日間,同年6月のうち16日間,同年7月のうち10日間,同年8月のうち14日間,同年9月のうち16日間,同年10月のうち13日間,同年11月の15日間,同年12月のうち13日間,平成23年1月のうち9日間,同年2月のうち6日間,同年3月のうち6日間自家用車又は鉄道により走行又は移動し,ガソリン代相当金ないし鉄道運賃として合計30万8599円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「足利短大視察」,「第一中学校視察」,「佐野市営グラウンド視察」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地等の記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記備考欄の記載内容は,いずれも参加人Z6クラブ平成22年度政務調査実施要綱(丙F1,以下「参加人Z6クラブ政務調査実施要綱」という。)の記載と無関係なものとまではいえないから,政務調査活動との関連性が認められる。
また,目的地等の記載がないことが,違法な支出であることの一般的,外形的事実と認められないことは上記のとおりである。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A48議員
A48議員につき,原告は,主張額を「0」とするから(F3),この点については違法な支出であるとの主張はされていないため,判断の対象外である。
ウ A49議員
支払証明書(甲205の1ないし11)によれば,A49議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち7日間,同年5月のうち9日間,同年6月のうち3日間,同年7月のうち6日間,同年8月のうち1日間,同年9月のうち6日間,同年10月のうち4日間,同年11月の3日間,同年12月のうち5日間,平成23年1月のうち3日間,同年2月のうち6日間,同年3月のうち1日間自家用車又はJR等により走行又は移動し,ガソリン代相当金ないしJR運賃等として合計13万8565円を支出したこと,平成22年4月ないし同年8月にかけては,支払証明書(甲205の1ないし4)には自家用車移動,行先及び合計走行距離の記載しかないものの,同年9月以降の支払証明書の一部には,行先に加えて,「使途の内容」欄に,「内水面漁業調査」,「まちづくり研究会」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地につき町名程度しか記載がなく,目的地に至るルートの記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記備考欄の記載内容のうち,抽象的であっても調査名称が記載されているものについては,政務調査活動との関連性が認められる。
しかし,上記支払証明書の「使途の内容」及び「備考」欄において,「自家用車移動」及び目的地の記載しかない支出については,県議会議員の自家用車移動という事実のみで政務調査活動との関連性は認められず,いかなる目的による自家用車移動かが定かでないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
この点について,被告らは,いずれも政務調査活動との関連性がある旨主張するが,そのことを裏付ける資料は提出していないから,結局,「自家用車移動」及び目的地の地名の記載しかない支出又は相手方と思われる記載があっても,活動内容の記載がないもの,すなわち,平成22年4月分の支出である4万1881円,同年5月分の支出である5万2870円,同年6月分の支出である1万6240円,同年7月分及び同年8月分の支出である8万4586円,同年9月分の支出のうち1万8862円及び同年11月分については4810円(甲205の1ないし5及び甲205の7)に関する支出合計21万9249円については,違法な支出というべきである。
エ A6議員
支払証明書(甲206の1ないし12)によれば,A6議員は,調査研究費中の交通費として,平成22年4月のうち11日間,同年5月のうち14日間,同年6月のうち15日間,同年7月のうち15日間,同年8月のうち11日間,同年9月のうち12日間,同年10月のうち11日間,同年11月のうち18日間,同年12月のうち6日間,平成23年1月のうち21日間,同年2月のうち8日間,同年3月のうち5日間自家用車により走行し,ガソリン代相当金ないし高速道路料金として合計42万1791円を支出したこと,食卓料として2万1000円を支出したこと,支払証明書の「備考」欄には,「黒磯商工会」,「県政課題の調査」,「板室 道路調査」等の記載があることが認められる。
原告は,上記備考欄の記載は抽象的であって,目的地等の記載もないことからすれば,政務調査活動との関連性が認められず,違法な支出であると主張する。
上記備考欄の記載内容のうち,「県政課題の調査」については,政務調査活動との関連性が認められ,その余の「黒磯商工会」などの訪問先と思われる記載については,その訪問先の記載のみによって政務調査活動との関連性が否定されるものでない限り,政務調査活動との関連性は否定されないものであって,本件では,原告から具体的な主張がされていないから,違法な支出であることの一般的,外形的事実の立証がない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
(2)  調査研究費中の視察経費
ア 参加人Z6クラブ
証拠(甲207及び209)によれば,参加人Z6クラブは,平成22年8月6日ないし同月8日の函館視察(以下「函館視察」という。)のため合計20万4870円,同年10月18日ないし同月20日の熊本・福岡視察(以下「九州視察」という。)のため合計64万1270円を支出したこと,使途の内容欄において,それぞれ「地域交流のまちづくり」,「産業労働観光行政及び農業行政に関する調査」等の記載があることが認められる。
原告は,函館視察において,事業名と政務調査活動との関連性が認められないことや政務調査のために函館まで行く必要が認められないこと,九州視察において,事業名が抽象的であり,政務調査のために九州に行く必要も認められないから,上記支出は違法である旨主張する。
上記使途の内容欄記載の事項は,いずれも参加人Z6クラブ政務調査実施要綱に含まれるものであり,政務調査活動との関連性が認められるから,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A47議員
証拠(甲208の1ないし3)によれば,A47議員は,宿泊費及び高速代として合計3万7900円を支出していることが認められる。
原告は,上記証拠には事業名の記載がなく,政務調査活動との関連性が認められないから,違法な支出である旨主張する。
被告らは,秋田県においては,対アジア観光誘致策について秋田県の取組を学ぶためのものであり,A36県においては,とちぎ海浜自然の家の利用率増加のための策を学ぶためのものである旨主張する。
上記被告の主張は政務調査活動記録票(丙F8)により裏付けがあり,これと矛盾する証拠がないことに照らせば,その信用性を否定する事情は存在しないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A49議員
F14によれば,原告は,上記支出を違法な支出と主張していない。
(3)  調査研究費中の調査委託費等(事務所費含む。)
ア A47議員
証拠(甲211の1ないし12)によれば,A47議員は,平成22年度において,政務調査活動とその余の活動における使用割合に鑑み,政務調査活動に使用した按分率を15ないし50%とした上で,事務所費として家賃合計22万1000円支出したことが認められる。
原告は,支出先はA47議員の父であるから,賃貸借契約が存在したか疑わしいなどを主張する。
被告らは,事務所を政務調査活動として使用する実態が存在する限り,賃貸借契約を締結することは不自然でなく,本件でも賃貸借契約が存在したことなどを主張する。
この点,家賃の支払先が議員の父である場合に,政務調査費として支出することを否定する定めはなく,賃料5万円と定める契約書が証拠として提出されている(丙F2及び3)から,マニュアル等に照らしても,違法な支出であるとの一般的,外形的事実があるとは認められない。
よって,違法な支出であるとは認められない。
イ A49議員
A49議員は,証拠(甲212の1ないし13)によれば,按分率を45ないし49%として,テレビ小山放送株式会社に政務調査費から合計3万0629円を支出していること,上記支出はケーブルテレビ視聴料であること(争いなし),また,証拠(甲213)によれば,「政・労・使合同会議参加費」として8000円を支出していること,使途の内容欄に,「民間活力の導入事業」等の記載があることが認められる。
ケーブルテレビ視聴料につき,原告は,県政との関連性が認められないことなどから,違法な支出であると主張する。
県議会議員には,多様な知見が必要とされることは上記のとおりであり,政務調査活動と全く無関係とはいえないことから,按分率をも鑑みると,上記支出が違法であるとは認められない。
「政・労・使合同会議参加費」の支出について,原告は,事業名が抽象的であって,具体的な活動内容が明らかでないから,政務調査活動との関連性が認められない旨主張する。
この点,「民間活力の導入事業」については,参加人Z6クラブ政務調査実施要綱の定めに含まれるものといえ,政務調査活動との関連性が認められる。
原告は,具体的な違法主張をしないから,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実が認められないため,上記支出が違法であるとは認められない.
(4)  研修費
ア A47議員
証拠(甲214の1及び2,甲257の1及び22)によれば,A47議員は,研修会費として,合計3万6750円を支出したこと,使途の内容欄には,「中斎塾フォーラム」との記載があること,同フォーラムは「論語を現代に活かす」ことを主眼とし,論語を学ぶものであることが認められる。
原告は,具体的な研修内容が不明であって,政務調査活動との関連性が認められない旨主張する。
学校教育において,論語等の古典が題材として用いられることがあることは顕著な事実であり,県議会議員が学校教育等についても検討すべきことは明らかであるから,政務調査活動との関連性が認められないとはいえない。
よって,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A6議員
証拠(甲215)によれば,A6議員が,社団法人黒磯那須青年会議所平成23年度年会費として合計2万円を支出したこと,使途の内容欄には同会議所の研修会費との記載があることが認められる。
原告は,年会費の前払そのものが認められないものであること,平成23年度の年会費を平成22年度の政務調査費として支出することは認められないことを主張する。
この点,平成23年度の年会費を平成22年度の年会費として支出することが認められないことは原告の主張のとおりである。
被告は,この点についての反論をしないから,上記2万円の支出は違法な支出であると認められる。
(5)  会議費
ア A47議員
証拠(甲216の1及び2)によれば,A47議員は,会場費及び茶菓子代として合計60万円支出していること,使途の内容欄には「県政報告会」との記載があることが認められる。
原告は,会議の内容や参加者が定かでないことや,支出額からすると丸一日県政報告会を行っていることになるが,そうとは考えられないなどとして,違法な支出である旨主張するが,「県政報告会」であれば政務調査活動との関連性が認められることは明らかであり,原告は,実際には県政報告会が開催されていないこと若しくはごく短期間の開催にとどまることを積極的に裏付ける又はうかがわせる主張ないし立証をしないから,開催時間の長短の相当性を検討するまでもなく,上記支出が違法であると認められない。
イ A49議員
証拠(甲217の1ないし6)によれば,A49議員は,会場費として合計48万4020円を支出したこと,使途の内容欄には「県政広聴会」,「栃木県のH22年予算及び事業報告」等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容が抽象的な記載にとどまっているなどとして,政務調査活動との関連性が認められない旨主張するが,上記記載内容により,政務調査活動との関連性が認められるものであって,原告は,政務調査活動との関連性が否定されることを具体的に主張・立証しないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A6議員
証拠(甲218の1ないし5)によれば,A6議員は,会場費,菓子代等として合計30万7656円を支出したこと,使途の内容欄には「県政報告会及び県政に関する要望」,「県政懇談会」等の記載があることが認められる。
原告は,会議の内容が抽象的な記載にとどまっているなどとして,政務調査活動との関連性が認められない旨主張するが,上記記載内容により,政務調査活動との関連性が認められるものであって,原告は,政務調査活動との関連性が否定されることを具体的に主張・立証しないから,上記支出が違法であるとは認められない。
(6)  資料作成費
証拠(甲219の1ないし4)によれば,A49議員は,資料作成費として合計61万7965円を支出したこと,使途の内容欄には,「財政健全化プログラム及び新規事業について広報・広聴用資料の作成」等の記載があることが認められる。
原告は,広報誌の印刷代等は資料作成費から支出することは許されない旨主張する。
被告らは,公聴会・報告会では,政策の過程等をまとめた資料が必要的であって,資料作成は不可欠であると主張する。
上記使途の内容欄の記載からすると,広報誌の作成にかかった費用と解することはできず,公聴会等の際に作成した資料であることがうかがわれ,資料作成費として支出することが違法であるとは認められない。
(7)  資料購入費
ア 新聞購読料
o新聞購読料についての支出(甲220の1ないし4)につき,上記支出が違法であると認められないことは上記のとおりである。
また,農業新聞購読料(甲221の1ないし12)につき,本件申合せは議員の生業に係らない限り政務調査費として支出することを許容するところ(乙4・4頁),支出者たるA48議員が農業を生業にすることは立証されていないから,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A6議員
証拠(甲220の5及び6)によれば,A6議員は,栃木県職員録,ゼンリン地図購入費として,合計2万6670円を支出したことが認められるところ,職員録及び地図が政務調査活動との関連性を有することは上記のとおりであって,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A47議員
証拠(甲222の1及び2)によれば,A47議員は,職員録代として合計5630円を支出したことが認められるところ,上記支出が違法な支出であるとは認められないことは上記のとおりである。
(8)  広報費
ア A47議員
証拠(甲223の1ないし23)によれば,A47議員は,広報費として合計21万8923円を支出していることが認められる。
上記支出のうち,後援会名義で支出されたもの(甲223の1及び2)につき,被告らは発行者の誤記であると主張するが,その裏付けはなく,議員ないし会派による出費であることが認められないから,違法な支出というべきである。
商品券代(甲223の3及び4)について,被告は,ブログ管理者への御礼である旨主張するが,管理者に支払ったことの裏付けがなく,そもそも,管理者への御礼として商品券を渡すことの必要性・合理性は何ら認められないから,違法な支出というべきである。
ブログ管理費,スナップ写真代,葉書代,印刷代について(甲223の5ないし23)は,本件申合せが定める(乙4・5頁)県民からの意見がいつでも受信できるようなブログないし広報誌のための支出であることにつき,何ら被告は立証しないから,上記支出は違法というべきである。
よって,A47議員の広報費としての支出はいずれも違法である。
イ A48議員
証拠(甲224)によれば,A48議員は,切手代9万6000円を政務調査費から支出したことが認められる。
被告は,本件申合せが定める(乙4・5頁)県民からの意見がいつでも受信できる県政報告書の発送であることを何ら主張・立証しないから,上記支出は違法というべきである。
ウ A6議員
証拠(甲225の1及び2)によれば,A6議員は,ホームページ更新管理費や県政報告会案内通知として合計12万5750円を支出したことが認められる。
被告は,本件申合せが定める(乙4・5頁)県民からの意見がいつでも受信できることを記載した案内通知であること及びその旨の記載があるブログをA6議員がホームページに開設していることを何ら主張・立証しないから,上記支出は違法というべきである。
(9)  事務費
証拠(甲226の1ないし5)によれば,A47議員が,按分率を30ないし48%として,事務費として合計1万9900円を支出したこと,同証拠の領収書には,「5,6月分」等の記載があることが認められる。
原告は,領収書の発行者が黒塗りであることや,但書きに上記記載しかないことから,政務調査活動との関連性が認められない旨主張する。
被告は,いずれも事務所に隣接する駐車場料金の一部であり,月額5000円で2か月ごとに1万円を支払い,マニュアルに従って按分率を50%以内として政務調査費として計上した旨主張する。
同証拠には,「駐車場」との文字はなく,いかなる支出に対する支払かが不明であるため,違法な支出であることの一般的,外形的事実が認められる。
そして,領収書には,「5月分」等の月ごとに発生する料金の支払であることがうかがわれる記載があるものの,それをもっても,駐車場料金であることは定かでない。
被告の主張には,裏付けがないから採用できず,上記支出は違法というべきである。
(10)  人件費
ア A6議員
証拠(甲227の1ないし24)によれば,A6議員が,人件費としてF89ないし112の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計162万円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「政務調査補助」,「政務調査資料作成」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいもので,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,また,被告は,毎月2人を交代勤務により雇用していた証拠(丙F4,丙F5)を提出したことからも,違法な支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実は認められないから,上記支出が違法であるとは認められない。
イ A48議員
証拠(甲228の1ないし12)によれば,A48議員が,人件費としてF114ないし125の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計163万5000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「現地調査資料作成」,「学校教育の充実対策に関する資料作成」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいものあるいは具体的な記載ではないとして,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,それ以上に具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
ウ A49議員
証拠(甲229の1ないし12)によれば,A49議員が,人件費としてF127ないし138の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計171万9000円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「経済対策関係資料の収集」,「食と農に関する資料の収集」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,具体的でないとして,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動と関連することが認められ,原告は,それ以上に具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
エ A47議員
証拠(甲230の1ないし24)によれば,A47議員が,人件費としてF140ないし163の「支出日」欄記載の当該月分について,「費目」欄及び「支出額」欄記載のとおり,合計163万4700円を支出したこと,同証拠の補助業務内容欄には,「県政報告資料準備」,「高等教育問題に関する資料収集」等の記載があることが認められる。
原告は,上記補助業務内容の記載は,何の記載もないに等しいものあるいは具体的な記載ではないとして,政務調査費としての支出は認められない旨主張する。
しかし,上記補助業務内容の記載は,抽象的な記載ではあるものの,政務調査活動との関連性が認められないとまではいえない。そして,原告は,それ以上に具体的な違法主張をしないから,上記支出が違法であるとは認められない。
8  結論
以上によれば,原告の請求は,別紙2の「会派」欄に記載された者に対し,対応する同別紙の「認容金額(円)」欄に記載された金員を支払うよう請求することを求める限度で理由があるから,その限度で認容し,その余の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
宇都宮地方裁判所第一民事部
(裁判長裁判官 河本晶子 裁判官 茂木典子 裁判官 柿部泰宏)

(別紙1)当事者目録
宇都宮市〈以下省略〉
原告 Xオンブズパーソン
同代表者兼訴訟代理人弁護士 B
同訴訟代理人弁護士 若狭昌稔
同 米田軍平
同 田中徹歩
同 大木一俊
同 須藤博
同 品川尚子
同 川上淳
同 浅木一希
同 小西誠
同 服部有
同 野崎嵩史
同 石田弘太郎
宇都宮市〈以下省略〉
被告 栃木県知事 Y
同訴訟代理人弁護士 谷田容一
同指定代理人 W1
同 W2
同 W3
同所
被告補助参加人 Z1会
同代表者会長 A1
同訴訟代理人弁護士 平野浩視
同所
被告補助参加人 Z2会
同代表者代表 A2
同訴訟代理人弁護士 竹澤一郎
同所
被告補助参加人 Z3クラブ
同代表者代表 A3
同訴訟代理人弁護士 新江進
同 新江学
同所
被告補助参加人 Z4クラブ
同代表者代表 A4
同訴訟代理人弁護士 白井裕己
同 石井信行
同 茅島和幸
同所
被告補助参加人 Z5会
同代表者会長 A5
同訴訟代理人弁護士 山田実
同 飯塚文子
同 阿部健一
同訴訟復代理人弁護士 作田憲護
同所
被告補助参加人 Z6クラブ
同代表者代表 A6
同訴訟代理人弁護士 高木光春
同訴訟復代理人弁護士 尾畑慧
同 吉田哲也
〈以下省略〉

 

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政治と選挙の裁判例「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧
(1)令和元年12月12日 高松高裁 平30(ネ)242号 損害賠償請求控訴事件
(2)令和元年12月 4日 東京高裁 令元(行ケ)31号
(3)令和元年12月 4日 東京高裁 令元(行ケ)30号
(4)令和元年11月29日 東京地裁 平31(ワ)5549号 損害賠償請求事件
(5)令和元年11月13日 福岡高裁那覇支部 令元(行ケ)3号
(6)令和元年11月 8日 福岡高裁 令元(行ケ)2号
(7)令和元年11月 7日 名古屋高裁 令元(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(8)令和元年11月 7日 東京地裁 平28(ワ)13525号・平28(ワ)39438号・平29(ワ)27132号 安保法制違憲・国家賠償請求事件
(9)令和元年11月 6日 広島高裁松江支部 令元(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(10)令和元年10月31日 広島高裁岡山支部 令元(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(11)令和元年10月30日 東京高裁 令元(行ケ)27号
(12)令和元年10月30日 福岡高裁宮崎支部 令元(行ケ)1号
(13)令和元年10月29日 大阪高裁 令元(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(14)令和元年10月29日 名古屋高裁金沢支部 令元(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(15)令和元年10月24日 札幌高裁 令元(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(16)令和元年10月24日 東京地裁 平31(行ウ)118号 特許出願公開及び審査請求義務付け等請求事件
(17)令和元年10月16日 高松高裁 令元(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(18)令和元年 7月18日 宇都宮地裁 平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行請求事件
(19)令和元年 7月17日 東京高裁 平30(ネ)5150号・平31(ネ)356号 開示禁止処分等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(20)令和元年 6月27日 青森地裁 平26(行ウ)2号 政務調査費返還等履行請求事件
(21)昭和24年10月30日 岡山地裁 昭23(ワ)142号 組合員除名無効確認請求事件 〔鐘紡西大寺工場労働組合事件〕
(22)昭和24年10月13日 名古屋高裁 事件番号不詳
(23)昭和24年 9月19日 青森地裁 昭23(行)37号 青森市選挙管理委員会及び補充員指名推薦に関する決議取消請求事件
(24)昭和24年 9月 2日 東京高裁 昭24(新を)1282号
(25)昭和24年 8月17日 東京高裁 事件番号不詳 昭和22年勅令第1号違反被告事件
(26)昭和24年 7月29日 東京高裁 昭24(上)146号 軽犯罪法違反被告事件
(27)昭和24年 7月20日 宮崎地裁延岡支部 昭23(り)67号・昭23(り)74号・昭23(り)62号・昭23(ぬ)15号 業務妨害被告事件・名誉毀損被告事件 〔旭化成工業事件・第一審〕
(28)昭和24年 7月17日 山形地裁 昭24(ヨ)21号 仮処分申請事件 〔山形新聞社事件〕
(29)昭和24年 7月13日 最高裁大法廷 昭23(オ)131号 県会議員選挙無効事件
(30)昭和24年 7月 4日 東京高裁 事件番号不詳 詐欺等被告事件
(31)昭和24年 6月13日 最高裁大法廷 昭23(れ)2118号 昭和二二年勅令第一号違反・議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反各被告事件
(32)昭和24年 6月13日 最高裁大法廷 昭23(れ)1862号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(33)昭和24年 6月 1日 最高裁大法廷 昭23(れ)1951号 昭和二二年政令第三二八号違反・議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件
(34)昭和24年 3月23日 広島地裁 事件番号不詳 業務妨害被告事件 〔宇品における国鉄助勤者乗船阻害事件・第一審〕
(35)昭和24年 3月15日 静岡地裁沼津支部 事件番号不詳 公務執行妨害被告事件 〔三島製紙事件・第一審〕
(36)昭和24年 2月26日 名古屋地裁 昭23(ヨ)246号 仮処分申請事件
(37)昭和23年12月28日 静岡地裁 事件番号不詳 強要被告事件 〔全逓清水支部事件〕
(38)昭和23年11月30日 大阪高裁 昭22(ナ)4号 地方自治法第六十六条第四項による請求事件
(39)昭和23年11月20日 東京高裁 昭23(ナ)5号 東京都教育委員選挙無効確認事件
(40)昭和23年11月15日 京都地裁 昭23(行)4号・昭23(行)8号 併合除名処分無効確認並びに取消請求事件
(41)平成30年11月30日 東京地裁 平29(行ウ)193号 損害賠償請求(住民訴訟)事件
(42)平成30年11月27日 広島高裁松江支部 平30(行コ)1号・平30(行コ)3号ないし8号 不当利得返還請求控訴、同附帯控訴事件
(43)平成30年11月15日 宇都宮地裁 平24(行ウ)15号 政務調査費返還履行請求事件
(44)平成30年11月 1日 東京高裁 平30(ネ)2841号 損害賠償等請求控訴事件
(45)平成30年10月31日 東京地裁 平27(ワ)18282号 損害賠償請求事件
(46)平成30年10月30日 東京高裁 平29(ネ)4477号 国家賠償請求控訴事件
(47)平成30年10月25日 東京高裁 平30(行コ)121号 各シリア難民不認定処分無効確認等、訴えの追加的併合請求控訴事件
(48)平成30年10月25日 東京地裁 平29(行ウ)60号・平29(行ウ)93号 行政文書不開示処分取消請求事件
(49)平成30年10月24日 仙台高裁 平29(行コ)26号 政務調査費返還履行等請求控訴事件
(50)平成30年10月11日 東京高裁 平30(う)441号 政治資金規正法違反被告事件
(51)平成30年10月 5日 東京地裁 平27(ワ)36817号・平28(ワ)18096号 損害賠償請求事件、損害賠償等請求事件
(52)平成30年 9月21日 東京地裁 平30(行ウ)21号 難民不認定処分等取消請求事件
(53)平成30年 9月20日 大阪地裁 平29(ワ)11605号 損害賠償請求事件
(54)平成30年 8月29日 東京地裁 平29(ワ)11971号・平30(ワ)11941号 損害賠償請求事件、独立当事者参加事件
(55)平成30年 8月28日 東京地裁 平28(行ウ)281号 政務活動費返還請求事件
(56)平成30年 8月 9日 札幌高裁 平29(行コ)8号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(57)平成30年 8月 8日 東京高裁 平30(ネ)1995号 国家賠償請求控訴事件
(58)平成30年 8月 8日 東京地裁 平28(行ウ)137号 難民不認定処分取消請求事件
(59)平成30年 7月31日 東京地裁 平29(行ウ)239号 仮滞在許可申請不許可処分取消等請求事件
(60)平成30年 7月20日 東京地裁 平27(行ウ)302号 難民不認定処分取消等請求事件
(61)平成30年 7月20日 高知地裁 平28(ワ)129号 損害賠償請求事件
(62)平成30年 7月17日 東京地裁 平29(ワ)17380号 損害賠償等請求事件
(63)平成30年 7月 5日 東京地裁 平27(行ウ)524号 難民不認定処分取消等請求事件
(64)平成30年 7月 2日 大阪高裁 平29(ネ)1453号 懲戒処分無効確認等請求控訴事件
(65)平成30年 6月27日 東京地裁 平27(特わ)2148号 各政治資金規正法違反被告事件
(66)平成30年 5月31日 東京地裁 平28(行ウ)299号 難民不認定処分無効確認等請求事件
(67)平成30年 5月15日 東京地裁 平28(行ウ)332号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(68)平成30年 5月11日 東京地裁 平28(行ウ)249号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(69)平成30年 4月27日 大阪地裁 平27(行ウ)229号 政務活動費返還請求事件(住民訴訟)
(70)平成30年 4月24日 東京地裁 平29(行ウ)44号 難民不認定処分等取消請求事件
(71)平成30年 4月23日 東京地裁 平29(ワ)16467号 損害賠償等請求事件
(72)平成30年 4月19日 東京地裁 平28(行ウ)144号・平28(行ウ)154号 難民不認定処分取消請求事件
(73)平成30年 4月18日 東京高裁 平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(74)平成30年 4月12日 東京地裁 平29(行ウ)65号 難民不認定処分取消等請求事件
(75)平成30年 4月11日 知財高裁 平29(行ケ)10161号 審決取消請求事件
(76)平成30年 4月11日 神戸地裁 平29(行ウ)9号 政務調査費返還請求住民訴訟事件
(77)平成30年 3月30日 広島高裁 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(78)平成30年 3月29日 東京地裁 平26(ワ)29256号・平27(ワ)25495号 損害賠償請求事件(本訴)、損害賠償反訴請求事件(反訴)
(79)平成30年 3月26日 大阪地裁 平28(行ウ)158号 戒告処分取消等請求事件
(80)平成30年 3月20日 大阪高裁 平29(行コ)60号 補助金不交付処分取消等請求控訴事件
(81)平成30年 3月20日 東京地裁 平27(行ウ)727号 難民不認定処分等取消請求事件
(82)平成30年 3月20日 東京地裁 平27(行ウ)158号・平27(行ウ)163号・平27(行ウ)164号・平27(行ウ)165号・平27(行ウ)595号 シリア難民不認定処分無効確認等請求事件、訴えの追加的併合請求事件
(83)平成30年 3月16日 鳥取地裁 平26(行ウ)7号 不当利得請求事件
(84)平成30年 3月 6日 東京地裁 平29(行ウ)20号 難民不認定処分無効確認等請求事件
(85)平成30年 3月 5日 東京地裁 平29(ワ)33216号 国家賠償請求事件、損害賠償請求事件
(86)平成30年 2月23日 東京地裁 平27(行ウ)73号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(87)平成30年 2月21日 広島高裁松江支部 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(88)平成30年 2月21日 東京地裁 平28(行ウ)6号 労働委員会救済命令取消請求事件
(89)平成30年 2月20日 東京地裁 平27(行ウ)711号 難民不認定処分取消等請求事件
(90)平成30年 2月19日 福岡高裁宮崎支部 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(91)平成30年 2月15日 東京地裁 平28(行ウ)265号・平28(行ウ)291号・平28(行ウ)292号・平28(行ウ)371号・平28(行ウ)373号 難民不認定処分取消等請求事件、退去強制令書発付処分取消請求事件
(92)平成30年 2月14日 前橋地裁 平26(行ウ)16号 群馬の森追悼碑設置期間更新不許可処分取消等請求事件
(93)平成30年 2月 8日 仙台高裁 平29(行コ)5号・平29(行コ)13号 政務調査費返還履行等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(94)平成30年 2月 6日 東京高裁 平29(行ケ)35号
(95)平成30年 2月 6日 東京高裁 平29(行ケ)31号
(96)平成30年 2月 6日 東京地裁 平27(ワ)35223号 仮払金精算請求事件
(97)平成30年 2月 5日 福岡高裁 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(98)平成30年 1月31日 名古屋高裁金沢支部 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(99)平成30年 1月31日 高松高裁 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(100)平成30年 1月31日 岡山地裁 平26(行ウ)15号 不当利得返還請求事件


政治と選挙の裁判例(裁判例リスト)

■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-consultant/

■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-rikkouho/

■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seijikatsudou-senkyoundou/

■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou-poster/

■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bira-chirashi/

■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seimu-katsudouhi-poster/

■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-seiji-enzetsukai-kokuchi-poster/

■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
https://www.senkyo.win/kousyokusenkyohou-negotiate-put-up-poster/

■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
https://www.senkyo.win/political-poster-kousyokusenkyohou-explanation/

■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou/

■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-kouhou-poster-bira/

■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bougai-poster/

■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-2ren-3ren-poster-political-party-official-candidate/

■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kojin-tandoku-poster-political-party-official-candidate/

■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-party-official-candidate-koubo-poster/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-politician/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-campaign-bulletin-gazette-public-relations/

■「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-2ren-3ren-poster/

■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-kojin-tandoku-poster/

■「公認 候補者 公募 ポスター 国政政党 地域政党」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-official-candidate-koubo-poster-kokusei-seitou-chiiki-seitou/

■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-official-candidate-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster/

■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-kouenkai-senkyo-jimusho-official-candidate-poster/

■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-shuugiin-giin-poster/

■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-sangiin-giin-poster/

■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-chihou-giin-poster/

■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-daigishi-giin-poster/

■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-poster-hari-volunteer/

■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-touin-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seiji-dantai-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kouenkai-nyuukai-boshuu-kakutoku-daikou/


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


【資料】政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧【PRドットウィン!】選挙,ポスター,貼り,代行,ポスター貼り,業者,選挙,ポスター,貼り,業者,ポスター,貼り,依頼,タウン,ポスター,ポスター,貼る,許可,ポスター,貼ってもらう,頼み方,ポスター,貼れる場所,ポスター,貼付,街,貼り,ポスター,政治活動ポスター,演説会,告知,選挙ポスター,イラスト,選挙ポスター,画像,明るい選挙ポスター,書き方,明るい選挙ポスター,東京,中学生,選挙ポスター,デザイン


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(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
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(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。

(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
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