政治と選挙Q&A「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(34)平成29年 4月11日 東京地裁 平27(行ウ)576号 難民不認定処分取消請求事件
「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(34)平成29年 4月11日 東京地裁 平27(行ウ)576号 難民不認定処分取消請求事件
裁判年月日 平成29年 4月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平27(行ウ)576号
事件名 難民不認定処分取消請求事件
文献番号 2017WLJPCA04118002
裁判年月日 平成29年 4月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平27(行ウ)576号
事件名 難民不認定処分取消請求事件
文献番号 2017WLJPCA04118002
東京都葛飾区〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 松尾久美
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 国
同代表者兼処分行政庁 法務大臣 A
同指定代理人 別紙指定代理人目録のとおり
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
処分行政庁が平成22年12月21日付けで原告に対してした難民の認定をしない旨の処分を取り消す。
第2 事案の概要
本件は,エチオピア連邦民主共和国(以下「エチオピア」という。)国籍を有する外国人男性である原告(1979年(昭和54年)○月○日生)が,駐日エチオピア大使館に二等書記官として勤務していた兄の個人的使用人として,平成16年8月16日に「特定活動」の在留資格により本邦に上陸した後,政治的意見を理由に迫害を受けるとして,平成20年7月14日付けで難民認定申請(以下「本件難民認定申請」という。)をしたところ,処分行政庁から,平成22年12月21日付けで難民の認定をしない旨の処分(以下「本件不認定処分」という。)を受けたことから,処分行政庁の属する国を被告として,本件不認定処分の取消しを求める事案である。
1 前提事実(証拠等の掲記のないものは当事者間に争いがない。)
(1) 原告の身分事項
ア 原告は,1979年(昭和54年)○月○日にエチオピアにおいて出生したエチオピア国籍を有する外国人男性である。
イ 原告の長兄であるB(以下「長兄B」という。1970年(昭和45年)○月○日生)は,エチオピア国籍を有する男性であり,駐日エチオピア大使館に外交官(二等書記官)として勤務していた(乙2,乙4の3及び4,弁論の全趣旨)。
ウ 原告の次兄であるC(以下「次兄C」という。1975年(昭和50年)○月○日生)は,エチオピア国籍を有する男性である(乙2,乙3の3,乙4の3)。
(2) 原告の本邦への入国及び在留状況
ア 原告は,平成16年8月16日,東京入国管理局(以下「東京入管」という。)成田空港支局入国審査官から,在留資格を「特定活動」,在留期間を「1年」,指定活動を「別表第一に掲げる外国人に当該外国人が使用する言語により日常会話を行うことができる個人的使用人として雇用された18歳以上の者が,当該雇用した外国人の家事に従事する活動」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。
イ 原告は,平成17年8月12日,東京入国管理局長(以下「東京入管局長」という。)から,在留期間を「1年」とする在留期間更新許可を受けた。
ウ 原告は,平成18年2月21日に再入国許可を受け,同年4月22日,本邦から出国し,同年5月25日,本邦に再入国した。
エ 原告は,平成18年11月13日,東京入管局長から,在留期間を「1年」とする在留期間更新許可を受けた。
オ 原告は,平成19年8月13日,東京入管局長から,在留期間を「1年」とする在留期間更新許可を受けた。
カ 原告は,平成20年9月11日,東京入管局長から,在留資格を「特定活動」,在留期間を「3月」,指定活動を「本邦に在留し難民認定申請を行っている者が行う日常的な活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)」とする在留資格変更許可を受けた。
キ 原告は,平成20年11月4日,東京入管局長から,在留期間を「3月」とする在留期間更新許可を受けた。
ク 原告は,平成21年1月21日,東京入管局長から,在留資格を「特定活動」,在留期間を「3月」,指定活動を「本邦に在留し難民認定申請を行っている者が行う,本邦の公私の機関に雇用されて行う報酬を受ける活動(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第1項に規定する風俗営業若しくは同条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う報酬を受ける活動又は同条第7項に規定する無店舗型性風俗特殊営業,同条第8項に規定する映像送信型性風俗特殊営業,同条第9項に規定する店舗型電話異性紹介営業若しくは同条第10項に規定する無店舗型電話異性紹介営業に従事して行う報酬を受ける活動を除く。)」とする在留資格変更許可を受けた。
ケ 原告は,その後,平成27年10月13日までの間に,16回にわたり,東京入管局長から,在留期間更新許可を受けた。
(3) 原告の難民認定申請手続
ア 原告は,平成20年7月14日,処分行政庁に対し,本件難民認定申請をした。
イ 東京入管難民調査官は,平成22年10月15日,原告に対する事情聴取を行った。
ウ 処分行政庁は,平成22年12月21日,本件難民認定申請について,難民の認定をしない旨の本件不認定処分をし,平成23年1月6日,原告にこれを通知した。
エ 原告は,平成23年1月6日,処分行政庁に対し,本件不認定処分について,異議申立てをした。
オ 東京入管難民調査官は,平成26年11月4日,原告の口頭意見陳述及び審尋を行った。
カ 処分行政庁は,平成27年3月6日,前記エの異議申立てについて,理由がないとして棄却する旨の決定をし,同月30日,原告にこれを通知した。
キ 原告は,平成27年4月30日,処分行政庁に対し,2回目の難民認定申請をした。
(4) 本件訴えの提起
原告は,平成27年9月28日,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。
2 争点及び争点に関する当事者の主張
本件の争点は原告の難民該当性であり,争点に関する当事者の主張の要旨は次のとおりである。
(1) 原告の主張
ア 難民の意義と難民該当性の判断
(ア) 「難民」とは,人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないものをいう。
そして,ここでいう「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」というためには,当該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要であるが,この客観的事情があるというためには,出身国の状況と個別事情とを考慮した結果,当該人が迫害を受ける合理的な可能性があれば足りる。
(イ) 次に,出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)61条の2の14によれば,処分行政庁及び難民調査官は難民該当性を判断するために事実を調査する権限を与えられていることに加え,国際連合難民高等弁務官事務所が「難民認定基準ハンドブック」(以下「ハンドブック」という。)等で示している解釈指針に照らすと,仮に難民該当性についての立証責任が申請者側にあるとしても,難民認定の資料の提出義務については,自らが難民であると主張する申請者のみならず,難民認定処分を行う処分行政庁も負うものと解すべきである。
そして,難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)が保護しようとしているのは,難民の生命,身体など極めて重要な法益であり,難民とされるべき者が難民認定手続における誤判によって難民と認定されずに国籍国等に送還された場合,その者が被る被害は著しく重大であり,しかも,その被害を回復することはできない。また,申請者がその供述を補強する証拠を提出することができないことも少なくないことからすると,難民であることの立証の程度として,仮に被告が主張するように合理的な疑いを容れない程度の証明が要求されるとしても,申請者の供述の信用性を評価するに当たっては,慎重な検討がされるべきであり,その供述を裏付ける他の証拠が存在しないことが過度に重視されるべきではない。
イ 原告の難民該当性
(ア) 本国の情勢
a エチオピアは,エチオピア人民革命民主戦線(以下「EPRDF」という。)の独裁体制の下,警察,治安部隊や軍隊によって,野党支持者等,政府に批判的な者に対する恣意的な逮捕,拘留,拷問,殴打,虐待等が普通に行われており,政府から尋問のため捜索された者の家族に対する身柄拘束も行われている。
b エチオピアでは,2005年(平成17年)の人民代表議会選挙において,EPRDFによる不正集計や投票箱の不適切な取扱い,殺害,失踪,有権者への脅迫や攻撃的行為,野党支持者の不法な拘禁,収賄行為等が行われ,同年11月には,過激な反政府抗議が起こり,政府により,数十人の野党指導者,ジャーナリスト,市民団体のメンバーをはじめ,3万から5万人のデモ参加者が逮捕されたと報告されている。また,2010年(平成22年)5月の人民代表議会選挙においても,EPRDFによる野党支持者等の弾圧が行われ,EPRDFが99.6%の議席を獲得するという圧倒的な勝利となり,その政治的独裁体制が更に強固なものとされた。2010年(平成22年)のアメリカ合衆国(以下「米国」という。)国務省の人権報告書では,「国内及び国際NGOは,年末時点で,200人から300人の政治的服役者及び拘禁者がいると推定した。」,「8月,幾つかの野党の指導者の報告によれば,・・・野党支援者の逮捕,拘留が激しくなっているとのことである。・・・多くは,4か月から5か月の刑を服役し,その年に解放された。しかし,多くは収監中である。」と報告されている。
c エチオピアでは,2009年(平成21年)7月に新反テロ法が制定されており,非暴力的方法で政府に反対する者に対しても厳しい刑罰を科せるようになっている。
d このように,エチオピア政府は,エチオピア国内において,反対する勢力に対する激しい弾圧を行っているが,その他,国外においても,エチオピア人の難民に対する監視を行っている。
(イ) 原告の個別事情と難民該当性
a 次兄Cに関する事情
次兄Cは,弁護士であり,エチオピアにおいて,2003年(平成15年)9月から人権問題に取り組むNGO団体で働いていたが,2005年(平成17年)5月の人民代表議会選挙における同団体による監視活動によってEPRDF政権からにらまれ,同月16日から5日間,警察に不法に身柄を拘束され,暴力を伴う不法な取調べを受けた。次兄Cは,同月末に米国で開催される国際的な勉強会に参加するためにエチオピアを出国し,米国で政治的意見を理由として亡命申請をし,2007年(平成19年)3月12日,亡命資格を付与された。次兄Cは,米国においても,エチオピア政府に対する反政府活動を行っている。
難民条約の規定する政治的意見により迫害を受ける場合には,政治的意見が申請者のものであると当局にみなされている場合も含まれるところ,次兄Cの亡命前のエチオピアにおける反政府活動や亡命後の米国における反政府活動により,原告を含む家族全体がエチオピア政府に反対する者とみなされている。実際,次兄Cの亡命直後の2005年(平成17年)6月10日から同月11日にかけて,エチオピアにいる原告の父と甥(次姉の子)が警察に身柄を拘束され,次兄Cを帰国させるように脅迫されるなどの不法な取調べを受けており,甥はこの取調べの際に棒で殴打されるという暴行を受けた。さらに,次兄Cの亡命から1年が経過した後も,エチオピアにいる原告の家族は政府から監視を受けている。
b 長兄Bに関する事情
長兄Bは,平成15年10月に本邦に上陸し,駐日エチオピア大使館に外交官として勤務していたが,2005年(平成17年)に駐日エチオピア大使として赴任したD(以下「D大使」という。)から在日エチオピア人に対する諜報活動を行うように命じられ,EPRDF政権とは異なる政治的意見を有していたためにこの命令に従わなかったところ,エチオピア外務省からエチオピアに戻ってもらうことになると告げられた。長兄Bは,エチオピアに戻された場合,政府に反対する者として不法に逮捕,拘留,拷問を受け,場合によっては処刑されるなどの迫害を受けるおそれがあると考えて,2007年(平成19年)11月10日,日本から出国し,2008年(平成20年)2月13日,米国において,政治的信念,拷問条約等を理由として亡命申請をし,同年4月25日に亡命資格を付与された。
難民条約の規定する政治的意見により迫害を受ける場合には,政治的意見が申請者のものであると当局にみなされている場合も含まれるところ,長兄Bの亡命により,原告を含む家族全体がエチオピア政府に反対する者とみなされ,政府から脅迫や監視を受けるようになった。実際,長兄Bが亡命した直後の2007年(平成19年)12月1日から3日にかけて,原告の父が再び身柄を拘束され,長兄Bを帰国させるように脅迫されるなどの不法な取調べを受けている。また,原告自身も,長兄Bの亡命後,駐日エチオピア大使館の職員やD大使から,何度となく,長兄Bがエチオピアに戻らないのであれば,エチオピアにいる原告の家族や,将来エチオピアに戻った場合には原告が,責任を問われるなどと脅迫された。
c 原告に関する事情
原告は,本邦において長兄Bと同居して生活する中で,EPRDF政権に反対する政治的意見を有するようになった。また,原告は,本邦において,頻繁に他の在日エチオピア人らとEPRDF政権の政策の問題点等について話し合っており,平成23年12月7日,平成24年6月14日,平成25年11月25日及び平成28年10月7日の4回,在日エチオピア人らによって行われた反政府デモに参加した。
原告がEPRDF政権に反対する政治的意見を有するようになったことは,駐日エチオピア大使館やエチオピア政府当局も認識しており,原告は,平成23年3月の東日本大震災の直後に,避難先の大阪にあるエチオピアレストランにおいて,駐日エチオピア大使のE(以下「E大使」という。)から,反政府デモに参加したことを非難され,エチオピアに戻った場合に責任をとってもらうことになるなどと脅迫された。
d 原告が難民に該当すること
以上によれば,エチオピアは,EPRDFの一党独裁体制にあり,政府を批判する者に対する恣意的な逮捕,拘留,拷問,殴打,虐待等が普通に行われている上,新反テロ法により,非暴力的方法で政府に反対を唱える者に対しても厳しい刑罰を科すことができる状況にある。
そして,原告は,エチオピアに帰国すれば,次兄Cの反政府活動,長兄Bの亡命及び自身の政治的な意見により,政府に反対する者として,身柄を拘束され,拷問され,場合によっては,殺されるなどの迫害を受けるおそれがあると確信しており,政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいるものであって,難民に該当するから,難民の認定をしなかった本件不認定処分は違法である。
(2) 被告の主張
ア 難民の意義と難民該当性の判断について
(ア) 入管法に定める「難民」とは,難民条約1条又は難民の地位に関する議定書(以下「難民議定書」という。)1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいう(入管法2条3号の2)。上記各規定によれば,難民とは,人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないものをいうことになる。
そして,ここにいう「迫害」とは,通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧を意味する。また,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」といえるためには,当該人が,迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要である。そして,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」とは,単に迫害を受けるおそれがあるという抽象的な可能性が存するにすぎないといった事情では足りず,当該申請者について迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存することが必要であり,この客観的事情が存在しているといえるためには,ある国の政府によって民族浄化が図られていることが明らかであるような場合はともかく,そうでなければ,当該政府が特に当該人を迫害の対象としていることが明らかになるような個別具体的な事情があることを要するものと解すべきである。
(イ) 次に,難民の認定手続をどのようなものとすべきかについては,難民条約に規定がなく,難民条約を締結した各国の立法政策に委ねられているところ,入管法61条の2第1項及び出入国管理及び難民認定法施行規則(以下「入管法施行規則」という。)55条1項の文理からすれば,難民であることの資料の提出義務と立証責任が難民認定申請者にあることは明らかであり,このように考えることは,難民認定処分の受益処分としての性質や難民認定のための資料との距離という点からも合理的である。
また,難民条約及び難民議定書には難民認定に関する立証の程度に関する規定は設けられておらず,我が国の入管法にも,難民認定手続やその後の訴訟手続において立証責任を緩和する規定は存在しないことからすると,難民と認定されるための立証の程度は,難民認定手続においても,その後の訴訟手続においても,通常の民事訴訟における一般原則に従うべきことになり,難民認定申請者は,自らが難民であることについて,合理的な疑いを容れない程度の証明をしなければならない。
イ 原告の難民該当性について
(ア) 本国の情勢について
英国内務省の報告によれば,エチオピアでは,一定数の野党議員も人民代表議会に議席を確保しており,人民代表議会選挙後の騒擾事件に関連して身柄を拘束されて終身刑等の判決を受けた政治犯についても,恩赦が与えられて釈放されるなどしている。
(イ) 原告の個別事情と難民該当性について
a 次兄Cに関する事情について
(a) まず,原告が提出する証拠によっても,次兄Cが米国においてどのような理由で亡命資格を付与されたのかは明らかではない。また,次兄Cの亡命後にエチオピアの原告の父と甥が身柄拘束を受けたという点についても,これを裏付ける客観的な証拠はないし,仮に身柄拘束の事実自体があったとしても,それがどのような理由によるものなのかは明らかではない。
(b) 上記の点を措くとしても,原告の主張する次兄Cに関する事情は原告自身の政治的意見を理由とするものではないから,難民条約上のいずれの迫害理由にも当たらない。
(c) しかも,原告の供述等を前提としても,原告は,次兄Cが亡命してから1年足らずの平成18年4月22日から同年5月25日までの間,エチオピアの父の自宅に滞在しており,この本国での滞在時のみならずエチオピアでの出入国手続時にも何ら問題はなかったというのである。また,次兄Cが渡米してから長兄Bが平成19年11月に渡米するまでの間,駐日エチオピア大使館に勤務する長兄Bにも,その使用人として本邦に在留していた原告にも,何ら問題となるようなこともなかったというのであるから,次兄Cの亡命による影響が原告に生じていた状況は何ら見受けられない。さらに,次兄Cが目立った反政府活動を継続しているという事情や,原告がこれに関与していたという事情も認められず,次兄Cに関する事情をもって,エチオピア政府が特に原告を迫害の対象としているという個別具体的な事情があったとはいえない。
(d) 以上によれば,原告が主張する次兄Cに関する事情を前提としても,原告が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存在するとは認めることはできず,次兄Cに関する事情は原告の難民該当性を基礎付ける事情とはいえない。
b 長兄Bに関する事情について
(a) 原告が提出する証拠によっても,長兄Bが米国においてどのような理由で亡命資格を付与されたのかは明らかではないし,長兄Bの亡命後にエチオピアの原告の父が身柄拘束を受けたという点についても,これを裏付ける客観的な証拠はないし,仮に身柄拘束の事実自体があったとしても,それがどのような理由によるものなのかは明らかではない。
また,原告の供述等を前提としても,そもそも原告は,長兄Bが帰国命令を受けた事実やその理由を長兄Bから正確には聞いていないようである。そして,一方で,原告は,長兄Bの本邦での赴任期間について2003年から2007年までと供述しているところ,長兄Bが渡米したのはこの赴任期間が満了する直前(平成19年11月)であったことからすると,原告が供述するように長兄Bに対する帰国命令があったとしても,それは通常の人事異動によるものとも考えられるし,長兄Bの配偶者が米国に居住していたことからすると,長兄Bが渡米した目的は配偶者と同居することにあったと考えるのが自然である。
(b) 上記の点を措くとしても,原告の主張する長兄Bに関する事情は原告自身の政治的意見を理由とするものではないから,難民条約上のいずれの迫害理由にも当たらない。
すなわち,原告が供述等するように,D大使から長兄Bに対して在日エチオピア人に対する諜報活動を行うようにという命令が出されていたとしても,その命令は飽くまで外交官である長兄Bに出されたものであって,原告には無関係のものである。しかも,原告は,駐日エチオピア大使館における長兄Bの活動について正確な知識も有しておらず,原告のその余の供述等によっても,原告が長兄Bの活動に関与していたという事情は認められない。
(c) 原告は長兄Bの亡命に関して駐日エチオピア大使館の職員や駐日エチオピア大使から脅迫されたと主張するが,これを裏付ける客観的証拠は何ら提出されておらず,原告が政治的意見により迫害を受けるおそれがあることについて十分な根拠とはなり得ないものである。
原告の供述等を前提としても,そもそも駐日エチオピア大使館の職員や駐日エチオピア大使の言動は,原告自身の政治的意見ないし政治的活動を理由として行われたものではない上,原告の供述等によれば,長兄Bは駐日エチオピア大使館に無断で休暇届も提出せずに渡米したというのであるから,長兄Bの外交官という職務に照らして,駐日エチオピア大使館の職員等が,長兄Bの家族であり,かつ,長兄Bの個人的使用人として本邦に在留していた原告に対して長兄Bの所在確認等の調査を行うのは当然であって,これが原告に対する政治的意見を理由とする迫害の意図に基づいてされたものとは認め難く,原告が政治的意見等によって迫害を受けるおそれがあることの根拠になるものとは認め難い。
(d) 以上によれば,原告が主張する長兄Bに関する事情を前提としても,原告が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存在するとは認めることはできず,長兄Bに関する事情は原告の難民該当性を基礎付ける事情とはいえない。
c 原告に関する事情について
(a) 原告が本件難民認定申請以前に自身の政治的意見により何らかの政治的活動を行っていたとは認められないし,原告自身の政治的意見や活動について,エチオピア大使館がこれを認識し,監視していたとも認められない。
また,原告が自身の政治的活動として行ったというデモへの参加は,そもそも,いずれも本件不認定処分後の事情であるから,その違法性を基礎付ける事情にはなり得ないものであり,この点を措くとしても,原告が参加したとする3回のデモ自体,1回目のデモから2回目のデモの間には約6か月,2回目のデモから3回目のデモの間には約1年5か月の期間を置いているものであって,活発な活動が行われているものではないし,当該デモにおいて原告が主導的な役割を担っているというような事情も認められない。
その他,原告が活発な政治的活動を行っているものとは認められないことからすると,原告の政治的活動によって原告が本国政府から殊更注視されているとは認められない。
(b) 原告は自身のデモへの参加について駐日エチオピア大使から脅迫されたと主張するが,これを裏付ける客観的証拠は何ら提出されておらず,原告が政治的意見等により迫害を受けるおそれがあることについて十分な根拠とはなり得ないものである。
原告の供述等を前提としても,デモへの参加について原告だけが非難されたわけではないことがうかがわれるし,原告自身,平成23年から平成25年にわたり,繰り返しデモに参加している状況が認められるにもかかわらず,駐日エチオピア大使から非難されたとする以外には,その生活においてエチオピア政府ないし駐日エチオピア大使館等から弾圧等があった状況などについては何ら供述していない。そうすると,仮に原告がデモへの参加を理由に駐日エチオピア大使から非難されたことがあったとしても,それによって原告が反政府活動家としてエチオピア政府から殊更注視されているものとは認められず,原告が政治的意見等によって迫害を受けるおそれがあるものとは認め難い。
(c) 以上によれば,原告が主張する本邦における自身の政治的活動等を前提としても,原告が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存在するとは認められない。
d 原告が難民に該当しないこと
以上のほか,原告が本件難民認定申請後の平成23年6月14日に新たに旅券の発給を受けていることなど,原告がエチオピア政府から迫害を受けるという恐怖を主観的にも抱いていなかったことを推認させる事情もあることからすると,原告が「政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」を有しているとは認められないから,原告は難民に該当せず,難民の認定をしなかった本件不認定処分は適法である。
第3 当裁判所の判断
1 難民の意義と難民該当性の判断(立証責任等)について
(1) 難民の意義について
入管法2条3号の2は,難民の意義につき,難民条約1条の規定又は難民議定書1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうと規定しているところ,難民条約1条及び難民議定書1条の各規定によれば,入管法にいう「難民」とは,人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないものをいうこととなる。
そして,上記の「迫害」とは,通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧を意味するものと解され,また,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」といえるためには,当該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要であると解されるところ,そのような客観的事情があるというためには,当該人について,迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような個別具体的な事情が必要であると解される。
なお,原告は,難民該当性の要件の解釈について,ハンドブック(甲19)の記載を含む国連難民高等弁務官事務所の示した解釈指針(甲18,甲24)を参照すべきであると主張するが,これらは,各国政府に法解釈の指針を与えることを目的とするものであって,それ自体が法的拘束力を有するものとは認められない。
(2) 難民該当性の判断(立証責任等)について
ア 難民該当性の立証責任の所在については,難民条約及び難民議定書に規定されておらず,これをどのように定めるかは各締約国の立法政策に委ねられているものと解される。そして,我が国の法令上,難民該当性についての立証責任について定めた規定は存在しないものの,入管法61条の2第1項の規定及び入管法施行規則55条1項の規定が難民の認定を申請しようとする外国人に対して難民に該当することを証する資料の提出を求めていることなどからすると,難民該当性を基礎付ける客観的な事情については,申請者たる原告が立証責任を負うものと解するのが相当である。そうすると,難民の認定をしない旨の処分の取消訴訟においては,原告が難民に該当する旨の立証がされた場合に,当該処分は違法なものとして取り消されることになる。
イ 次に,難民該当性の立証の程度については,難民条約及び難民議定書には特段の規定は設けられておらず,これをどのように定めるかは,締約国の立法政策に委ねられていると解されるところ,我が国の法令には,難民認定手続やその後の訴訟手続について,立証責任を緩和する旨の規定はない。そして,行政事件訴訟においては,行政事件訴訟法に定めがない事項については民事訴訟の例によるものとされているところ(同法7条),行政事件訴訟法には難民該当性の立証の程度に関する特段の規定はなく,民事訴訟では,事実の存否について高度の蓋然性があるものでなければならず,通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ち得るものであることを必要とし,かつ,それで足りると解されているから,難民と認定されるための立証の程度は,合理的な疑いを容れない程度の証明が必要であると解するのが相当である。
ウ 上記の解釈と異なる原告の主張は採用することができない。
2 認定事実
前提事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実(以下「認定事実」という。)を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものである。)。
(1) エチオピアの一般情勢について
ア 現在のエチオピア(エチオピア連邦民主共和国)の前身であるエチオピア人民民主共和国は,1991年(平成3年)5月にEPRDFの軍事攻勢によって崩壊し,その後,EPRDFがメレス・ゼナウィを議長として暫定政権を樹立し,1995年(平成7年)8月の憲法改正により現在のエチオピアが成立した(乙14,乙15,乙16)。
イ エチオピアは,連邦共和制の国家であり,9つの州と2つの自治政府から成り,首都はアディス・アベバで,面積は109.7万km2,2013年(平成25年)現在の人口は約9173万人であり,議会は人民代表議会(下院)と連邦議会(上院)の二院制となっており,選挙は5年ごとに実施されている(乙14,乙15)。
ウ(ア) 1995年(平成7年)の第1回人民代表議会選挙後,2000年(平成12年),2005年(平成17年)及び2010年(平成22年)に第2回ないし第4回の人民代表議会選挙が実施されたが,いずれもEPRDFが勝利している(甲2,甲4)。
(イ) 2005年(平成17年)5月に行われた第3回人民代表議会選挙では,EPRDFが下院の547議席中327議席を獲得し,2008年(平成20年)3月の時点において,約150人の野党国会議員が議席を維持していた(甲2,甲4,乙15,乙16)。
上記の2005年(平成17年)5月の選挙では,EPRDFによる不正集計や投票箱の不適切な取り扱い,殺害,失踪,有権者への脅迫や攻撃的行為,野党支持者の不法な拘禁,収賄行為等が行われたという指摘がされており,同年11月には,過激な反政府抗議が起こり,政府により,数十人の野党指導者,ジャーナリスト,市民団体のメンバーをはじめとするデモ参加者が逮捕されたが(甲3,乙15),上記選挙後の騒擾事件に関連して身柄を拘束され,終身刑等の判決を受けた野党の指導者など政治犯38名に対しては,2007年(平成19年)7月20日に恩赦が与えられ(乙15),上記選挙に関連して逮捕された野党指導者,マスメディア及び市民活動家131人のほぼ全てが同年夏に赦免された上,刑務所から釈放されたと報告されている(乙16)。
(ウ) 2010年(平成22年)5月に行われた第4回人民代表議会選挙では,EPRDFとその支持政党が下院の547議席中545議席を獲得した(甲2,甲4)。
エ エチオピアでは,2009年(平成21年)7月に新反テロ法が制定されたが,非暴力的方法によって政府に反対する者に対しても同法によって刑罰を科すことができるようになったという指摘がされている(甲5,甲20,甲21)。
(2) 次兄Cに関する事情
次兄Cは,2005年(平成17年)に渡米し,米国において,2007年(平成19年)3月12日付けで亡命資格を付与された(甲7ないし11,甲22の1及び2,乙3の2,乙3の4)。
(3) 長兄Bに関する事情
ア 長兄Bは,平成15年10月12日に在留資格「外交」で本邦の上陸許可を受けて本邦に上陸し,平成19年11月に渡米するまで,駐日エチオピア大使館において外交官(二等書記官)として勤務していた(前提事実(1)イ,乙4の3,弁論の全趣旨)。
イ 長兄Bは,2006年(平成18年)2月6日,米国の永住者の資格を有するエチオピア国籍の女性(2009年まで駐米エチオピア大使館に勤務していた。)と婚姻した(甲12,乙4の3,原告本人28頁)。
ウ 長兄Bは,2006年(平成18年)4月22日から同年5月25日にかけて,原告と共にエチオピアに滞在した(原告本人21頁,25頁,弁論の全趣旨)。
エ 長兄Bは,平成19年11月10日に本邦から出国して渡米し,米国において,2008年(平成20年)に亡命申請をし(甲12,乙4の3),同年4月25日付けで亡命資格を付与された(甲13ないし15,乙4の1,乙4の5,弁論の全趣旨)。
なお,長兄Bの上記亡命申請に係る「亡命および国外退去保留申請書」では,亡命申請の理由として人種,政治的信念及び拷問条約が挙げられていた(甲12,乙4の3)。
(4) 原告に関する事情
ア 原告は,エチオピアのカレッジを卒業し,2004年(平成16年)8月16日,駐日エチオピア大使館で外交官として勤務する長兄Bの個人的使用人として働くために本邦に上陸した(前提事実(2)ア,甲29,乙2,乙5,乙6,原告本人1頁以下)。
イ 前記(2)のとおり次兄Cは2005年(平成17年)に渡米したが,それから長兄Bが2007年(平成19年)11月に渡米するまでの間,原告と長兄Bの本邦での生活において,次兄Cの渡米を理由として何らかの問題となるような事態が生じたことはなかった(乙6)。
ウ 原告は,次兄Cの渡米の約1年後の2006年(平成18年)4月22日から同年5月25日にかけて,長兄Bとともに,休暇のために,エチオピアに一時帰国し,父の自宅に滞在した(乙1,乙2,乙6,原告本人5頁以下)。
エ 原告は,在留期限である平成20年8月16日より前の平成20年7月14日,本件難民認定申請をした(前提事実(3)ア)。
オ 原告は,本件難民認定申請後の平成23年6月14日,エチオピア政府から新たな旅券の発給を受けた(乙1)。
カ 原告は,本件不認定処分後の平成23年12月7日,平成24年6月14日,平成25年11月25日及び平成28年10月7日,我が国において難民認定申請をした在日エチオピア人らが実施した反政府デモに参加した(甲16,甲17,甲29,甲40,乙11)。
キ 原告は,エチオピアにおいても,我が国においても,エチオピア政府に敵対する組織に属しておらず,また,上記カのデモへの参加を除いて,エチオピア政府に敵対する政治的意見を表明したり,行動をとったりしたことはなく,政治的意見を理由として,逮捕状の発付又は手配を受けたり,現に逮捕,拘留,拘禁,その他身体の拘束や暴行等を受けたりしたこともない(乙2,乙6,乙12,原告本人22頁以下)。
3 原告の難民該当性
(1) 次兄Cの政治的活動を理由とした迫害を受けるおそれについて
ア まず,原告は,次兄Cの政治的活動を理由として,自身がエチオピア政府から迫害を受けるおそれがあると主張しているところ,前記認定のとおり,次兄Cは,米国において,2007年(平成19年)3月12日付けで亡命資格を付与されており(認定事実(2)),証拠及び弁論の全趣旨によれば,上記の亡命資格の付与は,次兄Cの政治的意見を理由とするものと認めることができる(甲7,甲22,乙3の2)。
しかしながら,次兄Cが米国において亡命資格を付与されているとしても,これは飽くまで次兄C自身の政治的意見を理由とするものであって,この事実をもって,原告が自身の政治的意見によってエチオピア政府からの迫害のおそれがあるということにはならない。
イ この点,原告は,Cの亡命前のエチオピアにおける反政府活動や亡命後の米国における反政府活動により,原告を含む家族全体が政府に反対する者とみなされ,政府から身柄拘束や脅迫等の迫害を受けると主張する。
しかしながら,エチオピアの情勢に関する報告等を見ても,治安部隊が政府から尋問のため捜索された者の家族を拘束し続けたなどという家族の身柄拘束に関する指摘もあるものの(甲2,甲3,甲6),実際にエチオピア政府による身柄拘束等の迫害の対象とされているのは,本件不認定処分後も含めて,基本的に,野党の指導者や議員候補者,活動家,党員,支持者のほか,大規模なデモへの参加者等であり(甲2ないし4,甲20,甲21,甲23,甲25,甲28,甲32,甲34,甲38,甲39,乙15,乙16),政府に反対する政治的活動を行った者の家族に対する身柄拘束が広範に行われているとは認められず,政治的意見を理由とした亡命者の家族というだけで,エチオピア政府による迫害を受ける具体的なおそれがあるとは認められない。
また,原告の供述等を前提としても,原告が,次兄Cの活動に関与していたとは認められないから,原告が次兄Cと同様の政治的意見に基づいて行動しているとエチオピア政府に把握されているとは認め難く,この点においても,次兄Cに関する事情により,原告自身が政治的意見によってエチオピア政府から迫害を受けるおそれがあるとは認められない。
さらに,原告が供述等する次兄Cの亡命後の原告の父と甥の身柄拘束についても,これを裏付ける証拠は,次兄Cの供述等と原告の供述等(甲7,甲29,乙2,乙3の2,乙5,乙6,原告本人4頁以下)があるだけであって,客観的な裏付け証拠は提出されておらず,前記のとおり,エチオピアにおいて,政府に反対する政治的活動を行った者の家族に対する身柄拘束が広範に行われているとは認められないことからすると,上記の原告の供述等がエチオピアの一般情勢に適合するとまでは認められず,原告が主張する次兄Cの亡命後の原告の父と甥の身柄拘束については,これを認めるに足りる証拠がないといわざるを得ない。
ウ そして,その一方で,次兄Cが2005年(平成17年)に渡米してから長兄Bが2007年(平成19年)11月に渡米するまでの間,長兄Bの駐日エチオピア大使館勤務は継続しており(認定事実(3)ア),原告及び長兄Bの本邦における生活にも特に問題は生じなかったというのであり(認定事実(4)イ),また,原告の供述等によれば,原告の父と甥が身柄拘束を受けたのは2005年(平成17年)6月10日から同月11日であるところ,原告が平成18年にエチオピアに一時帰国して父の自宅に滞在していることからすると(認定事実(4)ウ),仮に原告が供述等するとおり原告の父と甥が身柄拘束を受けたという事実があったとしても,本件不認定処分の時点において,次兄Cの亡命を理由として,次兄Cの家族である原告や父らが政府に反対する政治的意見を持つ者として迫害の対象となっていたとは認め難いし,原告が政治的意見を理由としてエチオピア政府から迫害を受ける恐怖を有していたとも認められない。
これに対し,原告は,上記のエチオピアでの一時帰国の際,次兄Cの家族全体が政府に反対する者とみなされて政府当局に監視されていることを知ったため,父の自宅での滞在中,政府当局の目に付かないようするため,あまり外出せずに,政府当局の目を避けるようにして過ごしていたなどと供述するが(原告本人6頁,21頁以下,25頁),一方で,原告は,上記の一時帰国の際の状況について,難民審査官に対し,政府当局による監視等については何ら供述しておらず,むしろ,エチオピアでの出帰国手続や滞在中の問題等は何もなかったと供述していた(乙6)。また,原告が供述する上記の政府当局による監視についても,具体的な事実に基づくものではなく,原告の憶測にすぎないものであって(原告本人18頁,25頁以下),原告が陳述等するエチオピアにおける原告の家族の監視の事実をにわかに認めることはできない。
エ その他,次兄Cの政治的活動を理由として原告がエチオピア政府に反対する政治的意見を持つ者として迫害の対象となっていたと認めるに足りる証拠はないというべきである。
(2) 長兄Bの政治的活動を理由とした迫害を受けるおそれについて
ア 次に,原告は,長男Bの政治的活動(亡命)を理由として,自身がエチオピア政府から迫害を受けるおそれがあると主張しているところ,前記認定のとおり,長兄Bは,駐日エチオピア大使館に二等書記官として勤務していたが,2007年(平成19年)11月に本邦から出国して渡米し,2008年(平成20年)4月に米国において亡命資格を付与されている(認定事実(3)ア,エ)。
そして,長兄Bの陳述書の提出等もされていないことなどからすると,長兄Bがエチオピア政府から具体的に迫害を受けるおそれがあったのかは明らかではないといわざるを得ないものの,長兄Bの「亡命および国外退去保留申請書」に亡命申請の理由の一つとして「政治的信念」が挙げられていたことからすると(認定事実(3)エ),この「政治的信念」も長兄Bが米国において亡命資格を与えられた理由となっていたものと推認することができる。
しかしながら,そもそも,長兄Bが渡米して米国において亡命資格を付与されたことについて(認定事実(3)エ),それが長兄Bの政治的意見を理由とするものであったとしても,これは飽くまで長兄B自身の政治的意見を理由とするものであって,この事実をもって,原告が自身の政治的意見によってエチオピア政府からの迫害のおそれがあるということにはならない。
イ この点,原告は,長兄Bの亡命により,原告を含む家族全体がエチオピア政府に反対する者とみなされており,身柄拘束や脅迫等の迫害を受けるおそれがあると主張する。
しかしながら,仮に原告が供述等するように,長兄Bに対し,在日エチオピア人に対する諜報活動を行うようにという命令が出され,これを拒否したという事実があったとしても,これは飽くまで外交官である長兄Bについての問題であって,原告に直接関係するものではない。しかも,原告は,大使館に関わる長兄Bの活動について正確な知識も有しておらず(乙6,乙12,原告本人26頁),原告のその余の供述によっても,原告が長兄Bの活動に関与していたという事情は認められないことからすると,原告が本邦において長兄Bと共に生活していたからといって,長兄Bが米国に亡命したことにより,原告がエチオピア政府から迫害を受けるおそれがあるとは認め難い。
また,エチオピアにおいて政府に反対する政治的活動を行った者の家族に対する身柄拘束が広範に行われているとは認められず,政治的意見を理由とした亡命者の家族というだけで迫害を受ける具体的なおそれがあるとは認められないことは,前記(1)イで説示したとおりである。
さらに,原告が主張する長兄Bの亡命後の原告の父の身柄拘束についても,これを裏付ける証拠は原告の供述等と長兄Bの米国での亡命申請に係る「亡命および国外退去保留申請書」の記載(甲12,甲29,乙2,乙4の3,乙5,乙6,乙8,乙10,原告本人6頁以下,10頁以下)があるだけであって,客観的な裏付け証拠は提出されておらず,前記のとおり,エチオピアにおいて,政府に反対する政治的活動を行った者の家族に対する身柄拘束が広範に行われているとは認められないことからすると,上記の原告の供述等がエチオピアの一般情勢に適合するとまでは認められず,原告が主張する長兄Bの亡命後の原告の父の身柄拘束については,これを認めるに足りる証拠がないといわざるを得ない。しかも,原告が供述するように,長兄Bが駐日エチオピア大使館に無断で休暇届も提出せずに渡米したというのであれば(乙6),エチオピア政府としては,外地に赴任中の外交官という身分にあった長兄Bの無断離任及び行方不明について調査するために,その家族に事情を聴くことも当然であるから,仮に長兄Bの渡米後に原告の父に対する事情聴取が行われたとしても,エチオピア政府が政治的意見を理由に原告の家族を迫害の対象としていることを示すものとは認められない。
加えて,原告は,長兄Bが亡命した後,駐日エチオピア大使館の職員(D大使の秘書等)から,何度となく,長兄Bの所在を尋ねられ,長兄Bがエチオピアに戻らないのであれば,エチオピアにいる原告の家族が,または,将来エチオピアに戻った場合に原告が,責任を問われるかもしれないなどと告げられて脅迫されたほか,D大使からも,平成20年5月18日に横浜で開催されたアフリカ・フェスタの会場において,直接,「お前の兄はどこに居るのだ。知らないと言うのなら,本国の家族とお前に降り掛かって来る問題はお前とお前の兄の責任だぞ。兄が本国か日本に戻らないのであれば,本国の家族とお前に降り掛かって来る問題に責任をとるのは俺ではないからな。」という口調で脅迫を受けた旨供述等するが(乙2,乙5,乙6,乙10,原告本人12頁以下,19頁以下,29頁,31頁),原告が供述等する駐日エチオピア大使館の職員やD大使の脅迫行為については,これを裏付けるものは原告自身の供述等しかなく,客観的な裏付け証拠は提出されておらず,これを認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。しかも,仮に,原告の供述等を前提として,駐日エチオピア大使館の職員等から長兄Bの所在を何度となく尋ねられたということがあったとしても,原告が供述するように,長兄Bが無断で休暇届もなしに渡米したというのであれば(乙6),長兄Bの外交官という職務に照らして,エチオピア政府ないし駐日エチオピア大使館が長兄Bの個人的使用人として本邦において長兄Bと同居して生活していた原告に対して何度となく長兄Bの所在を確認するのは当然のことであるし,D大使からも,原告自身の政治的意見について,非難や批判はされなかったというのであって(原告本人29頁以下),駐日エチオピア大使館の職員やD大使から数回に渡り長兄Bの所在を尋ねられたことをもって,原告が長兄Bと同様の政治的意見を持っているとみなされて迫害の対象とされていたとは認められず,原告が政治的思想を理由に本国政府から迫害の対象とされていることを示すものとは認められない。
ウ その他,長兄Bの亡命を理由として原告がエチオピア政府に反対する政治的意見を持つものとして迫害の対象となっていたと認めるに足りる証拠はないというべきである。
(3) 原告の政治的活動を理由とした迫害を受けるおそれについて
ア 原告は,原告自身も,長兄Bと一緒に生活し,話し合っているうちに,EPRDF政権に反対する政治的意見を有するようになったところ,そのような原告の政治的意見は駐日エチオピア大使館も知るところとなり,これにより,エチオピア政府から迫害を受けるおそれがあると主張し,これに沿う供述等をする(原告本人9頁以下)。
しかしながら,前記認定のとおり,原告は,エチオピアにおいても,我が国においても,エチオピア政府に敵対する組織に属しておらず,また,4回のデモへの参加を除いて,エチオピア政府に敵対する政治的意見を表明したり,行動をとったりしたことはなく,政治的意見を理由として,逮捕状の発付又は手配を受けたり,現に逮捕,拘留,拘禁,その他身体の拘束や暴行等を受けたりしたことはないというのであり(認定事実(4)キ),このような原告について,本国政府が政治的意見を理由として迫害の対象としているとはにわかに認め難い。
また,原告は,政治的活動はしていなかったものの,政府に反対する政治思想を有しており,本件不認定処分後の反政府デモへの参加が原告の政治的思想を示すものであると主張するが,前記認定のとおり,原告は本件難民認定申請前には全く政治的行動を行っておらず,デモに参加したのは,政治的意見を理由として難民と認定することを求める旨の本件認定申請をした後になってからであり(認定事実(4)カ),しかも,このデモへの参加も,1回目から2回目の間には約6か月,2回目から3回目の間には約1年5か月,3回目から4回目の間には約2年10か月の期間が空いているなど(認定事実(4)カ),活発なものではなく,当該デモにおいて原告が主導的な役割を担っていたというような事情も認められないことからすると,実際のところ,原告が本件不認定処分の時点でエチオピア政府に反対するような具体的な政治的意見を有していたということ自体,明らかではないといわざるを得ない(乙12)。
イ また,前記認定の4回のデモへの参加(認定事実(4)カ)は,本件認定処分後の事情であって,直接本件不認定処分の違法性を基礎付ける事情にはならないし,この点を措くとしても,前記アで説示したとおり,このデモへの参加自体が活発なものではなく,当該デモにおいて原告が主導的な役割を担っていたというような事情も認められず,上記のデモへの参加の他に,エチオピア政府が原告を迫害の対象にすべきような政治的活動を原告が行っていたとは認められない(乙12)。
この点,原告は,上記のデモへの参加後,駐日エチオピア大使であるE大使から,2011年3月の東日本大震災の直後,避難先である大阪にあるエチオピアレストランにおいて,デモへの参加を非難されて脅されたと供述等するが(乙11,乙12,原告本人14頁以下),原告が供述等する上記のE大使の発言についても,これを裏付けるものは原告の供述だけであり,客観的な裏付け証拠は何ら提出されておらず,これを認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。原告の供述等を前提としても,デモへの参加を非難されたのは原告だけではないようであるし(乙12,原告本人19頁),原告は,平成23年以降,何度かデモに参加しているにもかかわらず(認定事実(4)カ),大使から非難されたとする以外には,その生活においてエチオピア政府ないし大使館等から弾圧等があった状況などについては何ら供述していない。そうすると,仮に原告が供述等するようにデモへの参加を理由として原告が駐日エチオピア大使から非難されたことがあったとしても,それをもって,原告が反政府活動家としてエチオピア政府から迫害の対象とされていることを示す事情であるとは認められず,原告が政治的意見等によって迫害を受けるおそれがあるとまでは認められない。
ウ その他,原告は,エチオピアでは,政府から殊更注視される存在でなくても,ただ政府に反対する者でありさえすれば,政府から迫害を受けるおそれがあると主張するが,前記(1)イで説示したとおり,エチオピアの情勢に関する報告等を見ても,実際にエチオピア政府による身柄拘束等の迫害の対象とされているのは,本件不認定処分後も含めて,基本的に,野党の指導者や議員候補者,活動家,党員,支持者のほか,大規模なデモへの参加者等であり,政府に反対する者が無差別に身柄拘束等の対象とされているとは認められない。結局,原告が主張する迫害のおそれは,一般的,抽象的なものにすぎないものであって,原告について,個別,具体的な迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存するとは認められない。
同様に,エチオピアにおいて2009年(平成21年)7月に成立した新反テロ法についても,抽象的には,同法が原告に適用される可能性がないわけではないとしても,原告に適用されるおそれがあることを基礎付ける具体的な事情は認められない。
エ その他,原告自身の政治的活動を理由として原告がエチオピア政府に反対する政治的意見を持つ者として迫害の対象となっていたと認めるに足りる証拠はないというべきである。
(4) 小括
以上に加え,原告は,本件難民認定申請後の平成23年6月14日に新たに旅券の発給を問題なく受けているところ(乙1,乙6),この事実は,エチオピア政府が原告を迫害の対象としてはいないことを推認させる事情であるといえる。また,原告自身も,旅券発給のためにエチオピア政府ないし駐日エチオピア大使館と接触すれば,本国政府において原告の居所等を把握することも可能となることは容易に認識できることであって,旅券発給手続を受けるという行動自体,本国政府による迫害をおそれて国外にいる者が抱いている恐怖心とは相容れないものであり,原告が本件難民認定申請後に旅券発給手続を受けているという事情は,その当時,原告がエチオピア政府から迫害を受けるという恐怖心を主観的にも抱いていなかったことを推認させる事情というべきである。
以上によれば,原告について,政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の保護を受けることができないなどとは認められず,難民に該当すると認めることはできないから,本件不認定処分は適法である。
第4 結論
よって,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第2部
(裁判長裁判官 林俊之 裁判官 池田好英 裁判官齊藤充洋は,転官のため,署名押印することができない。裁判長裁判官 林俊之)
別紙
指定代理人目録〈省略〉
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政治と選挙の裁判例「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧
(1)平成30年 1月30日 東京高裁 平29(行ケ)30号
(2)平成30年 1月30日 仙台高裁秋田支部 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(3)平成30年 1月22日 東京地裁 平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(4)平成29年12月20日 名古屋地裁 平25(行ウ)78号 司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求事件
(5)平成29年12月 8日 札幌地裁 平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(6)平成29年12月 7日 大阪地裁 平24(行ウ)5号・平24(行ウ)10号 違法支出金返還請求事件、共同訴訟参加事件
(7)平成29年11月29日 東京地裁 平27(ワ)29705号 著作権侵害差止等請求事件
(8)平成29年11月29日 徳島地裁 平26(行ウ)14号 政務調査費返還請求事件
(9)平成29年11月 2日 仙台地裁 平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件
(10)平成29年10月19日 東京地裁 平28(行ウ)218号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(11)平成29年10月13日 さいたま地裁 平27(ワ)1378号 九条俳句不掲載損害賠償等請求事件
(12)平成29年10月10日 東京地裁 平29(行ウ)76号 帰化許可申請不許可処分取り消し請求事件
(13)平成29年10月 3日 東京地裁 平27(行ウ)582号・平28(行ウ)490号 難民不認定処分取消請求事件、処分撤回義務付け等請求事件
(14)平成29年 9月28日 東京高裁 平28(う)2243号 業務上横領被告事件
(15)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)9号・平29(行ツ)19号・平29(行ツ)21号・平29(行ツ)22号・平29(行ツ)33号・平29(行ツ)34号・平29(行ツ)41号・平29(行ツ)55号 選挙無効請求事件
(16)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)4号・平29(行ツ)10号・平29(行ツ)11号・平29(行ツ)32号・平29(行ツ)45号・平29(行ツ)54号 選挙無効請求事件
(17)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)47号 選挙無効請求事件
(18)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)46号 選挙無効請求事件
(19)平成29年 9月27日 東京地裁 平25(ワ)20444号 司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求事件
(20)平成29年 9月26日 東京地裁 平28(ワ)18742号 損害賠償請求事件
(21)平成29年 9月15日 東京地裁 平26(行ウ)119号 懲戒処分取消等請求事件
(22)平成29年 9月 8日 東京地裁 平28(行ウ)117号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(23)平成29年 8月30日 さいたま地裁 平27(行ウ)12号 埼玉県議会政務調査費返還事件
(24)平成29年 8月29日 知財高裁 平28(行ケ)10271号 審決取消請求事件
(25)平成29年 8月25日 東京地裁 平27(行ウ)732号 難民不認定処分等取消請求事件
(26)平成29年 7月27日 東京地裁 平27(行ウ)734号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(27)平成29年 7月20日 東京地裁 平28(ワ)24569号 慰謝料請求事件
(28)平成29年 7月 6日 東京地裁 平28(行ウ)136号 難民不認定処分取消請求事件
(29)平成29年 6月29日 宇都宮地裁 平23(行ウ)8号 政務調査費返還履行請求事件
(30)平成29年 5月18日 東京高裁 平28(う)1194号 公職選挙法違反被告事件
(31)平成29年 4月27日 東京地裁 平25(行ウ)811号 住民訴訟事件
(32)平成29年 4月13日 東京地裁 平27(行ウ)480号 退去強制令書発付処分等取消請求事件
(33)平成29年 4月12日 名古屋高裁金沢支部 平28(行コ)13号 政務調査費返還請求控訴事件
(34)平成29年 4月11日 東京地裁 平27(行ウ)576号 難民不認定処分取消請求事件
(35)平成29年 4月11日 東京地裁 平26(ワ)10342号 損害賠償請求事件
(36)平成29年 3月30日 広島高裁岡山支部 平28(行コ)2号 不当利得返還請求控訴事件
(37)平成29年 3月29日 広島高裁 平28(行コ)22号 不当利得返還請求住民訴訟控訴事件
(38)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(39)平成29年 3月28日 仙台地裁 平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(40)平成29年 3月16日 札幌地裁 平24(行ウ)6号 政務調査費返還履行請求事件
(41)平成29年 3月15日 東京地裁 平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(42)平成29年 3月 8日 東京地裁 平26(行ウ)300号 地位確認等請求事件
(43)平成29年 3月 1日 名古屋高裁金沢支部 平28(行コ)11号 政務調査費返還請求控訴事件
(44)平成29年 2月27日 東京地裁 平27(ワ)18254号・平28(ワ)12921号 安保法案反対等の政治的意見表明の撤回削除等請求事件、閣議決定の撤回を求める会長声明等の削除等請求事件
(45)平成29年 2月21日 東京地裁 平27(行ウ)130号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(46)平成29年 2月17日 大阪高裁 平28(行コ)230号 損害賠償請求控訴事件
(47)平成29年 1月31日 大阪高裁 平28(ネ)1109号 損害賠償等請求控訴事件
(48)平成29年 1月31日 東京地裁 平27(行ウ)657号 退去強制令書発付処分無効確認等請求事件
(49)平成29年 1月31日 東京地裁 平27(行ウ)360号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(50)平成29年 1月31日 仙台地裁 平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行等請求事件
(51)平成29年 1月26日 大阪地裁 平24(行ウ)197号・平26(行ウ)163号 補助金不交付処分取消等請求事件
(52)平成29年 1月18日 東京地裁 平28(ワ)6026号 貸金返還等請求事件
(53)平成29年 1月13日 大阪高裁 平28(ネ)1589号 損害賠償等請求控訴事件
(54)平成28年12月27日 奈良地裁 平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(55)平成28年12月15日 東京高裁 平28(ネ)1068号 損害賠償等請求控訴事件
(56)平成28年12月12日 大阪地裁 平26(ワ)8127号 損害賠償請求事件
(57)平成28年11月29日 甲府地裁 平26(行ウ)4号 政務調査費返還請求事件
(58)平成28年11月18日 東京地裁 平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件
(59)平成28年11月16日 大阪高裁 平27(ネ)3176号 損害賠償請求控訴事件
(60)平成28年11月15日 東京高裁 平28(行ケ)16号 選挙無効請求事件
(61)平成28年11月15日 東京地裁 平27(行ウ)518号 難民不認定処分取消請求事件
(62)平成28年11月10日 東京高裁 平28(行ケ)17号 選挙無効請求事件
(63)平成28年11月 8日 名古屋高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(64)平成28年11月 7日 仙台高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(65)平成28年11月 2日 東京高裁 平28(行ケ)11号 選挙無効請求事件
(66)平成28年11月 2日 東京高裁 平28(行ケ)10号 選挙無効請求事件
(67)平成28年11月 2日 札幌高裁 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(68)平成28年10月31日 福岡高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(69)平成28年10月31日 東京地裁 平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件
(70)平成28年10月31日 東京地裁 平26(ワ)17116号 損害賠償等請求事件
(71)平成28年10月28日 広島高裁 平28(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(72)平成28年10月27日 大阪高裁 平28(ネ)1494号 損害賠償請求控訴事件
(73)平成28年10月27日 金沢地裁 平27(行ウ)6号 政務調査費返還請求事件
(74)平成28年10月26日 広島高裁松江支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(75)平成28年10月20日 大阪高裁 平28(行ケ)5号 選挙無効請求事件
(76)平成28年10月20日 福岡高裁那覇支部 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(77)平成28年10月19日 広島高裁 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(78)平成28年10月19日 福岡高裁宮崎支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(79)平成28年10月19日 仙台高裁秋田支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(80)平成28年10月18日 東京高裁 平28(行ケ)7号 選挙無効請求事件
(81)平成28年10月18日 高松高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(82)平成28年10月14日 広島高裁岡山支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(83)平成28年10月13日 東京地裁 平27(行ウ)55号 難民不認定処分取消請求事件
(84)平成28年10月12日 大阪高裁 平28(ネ)1060号 損害賠償等請求控訴事件
(85)平成28年10月12日 東京地裁 平25(刑わ)2945号 業務上横領被告事件
(86)平成28年 9月29日 東京高裁 平28(ネ)25号 メールマガジン記事削除等請求控訴事件
(87)平成28年 9月29日 大阪地裁 平26(行ウ)81号・平26(行ウ)116号 平成24年度茨木市議会政務調査費返還請求事件、平成24年度(2月~3月分)茨木市議会政務調査費返還請求事件
(88)平成28年 9月29日 金沢地裁 平27(行ウ)2号 政務調査費返還請求事件
(89)平成28年 9月23日 奈良地裁 平28(ワ)3号 放送受信料請求事件
(90)平成28年 9月 7日 名古屋高裁 平28(行コ)2号 難民不認定処分取消請求控訴事件
(91)平成28年 8月23日 東京地裁 平27(行ウ)384号 難民不認定処分取消等請求事件
(92)平成28年 8月12日 大阪地裁 平21(ワ)16484号・平21(ワ)17256号 地位確認等請求事件、損害賠償請求事件
(93)平成28年 8月 9日 東京地裁 平27(ワ)648号・平27(ワ)6184号 地位確認等請求事件
(94)平成28年 7月28日 名古屋高裁 平28(行コ)19号 難民不認定処分等取消請求控訴事件
(95)平成28年 7月26日 東京地裁 平27(ワ)22544号 損害賠償請求事件
(96)平成28年 7月19日 東京高裁 平27(ネ)3610号 株主代表訴訟控訴事件
(97)平成28年 7月13日 名古屋高裁 平27(行コ)71号 難民不認定処分取消等請求控訴事件
(98)平成28年 7月 8日 大阪地裁 平26(行ウ)3号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(99)平成28年 7月 4日 東京地裁 平27(レ)413号 損害賠償請求控訴事件
(100)平成28年 6月30日 東京地裁 平27(行ウ)542号 渋谷区議会本会議質問制限差止等請求事件
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■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
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(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
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(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
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アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
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(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
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【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
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「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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