政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例(50)平成25年 8月27日 東京地裁 平24(行ウ)647号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例(50)平成25年 8月27日 東京地裁 平24(行ウ)647号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判年月日 平成25年 8月27日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平24(行ウ)647号
事件名 難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2013WLJPCA08278018
事案の概要
◇インド共和国の国籍を有する外国人男性である原告が、入管法(平成21年法律第79号による改正前のもの。)に基づく難民認定申請をしたところ、法務大臣から難民の認定をしない処分を受けるとともに、東京入国管理局長から入管法61条の2の2第2項による在留特別許可をしないとの処分を受け、また、入管法24条4号ロ所定の退去強制事由(不法残留)に該当することを理由とする退去強制手続において、東京入国管理局主任審査官から退去強制令書発付処分を受けたことから、上記各処分は、原告が、インドの地域政党であるテルグ・デサム党に所属して活動していたものであって、その政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由に迫害を受けるおそれがあり、難民に該当することを看過した、違法又は無効なものであると主張して、本件難民不認定処分の取消し並びに本件在特不許可処分及び本件退令発付処分の各無効確認を求めた事案
裁判年月日 平成25年 8月27日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平24(行ウ)647号
事件名 難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2013WLJPCA08278018
栃木県小山市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 辻慎也
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 国
同代表者兼処分行政庁 法務大臣 A
処分行政庁 東京入国管理局長 B
処分行政庁 東京入国管理局主任審査官 C
同指定代理人 稲玉祐ほか別紙指定代理人目録記載のとおり
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 法務大臣が平成21年4月7日付けで原告に対してした難民の認定をしない処分(以下「本件難民不認定処分」という。)を取り消す。
2 東京入国管理局長が平成21年4月13日付けで原告に対してした出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項による在留特別許可をしないとの処分(以下「本件在特不許可処分」という。)が無効であることを確認する。
3 東京入国管理局主任審査官が平成21年4月16日付けで原告に対してした退去強制令書発付処分(以下「本件退令発付処分」という。)が無効であることを確認する。
第2 事案の概要
本件は,インド共和国(以下「インド」という。)の国籍を有する外国人男性である原告が,出入国管理及び難民認定法(平成21年法律第79号による改正前のもの。以下「入管法」という。)に基づく難民認定申請をしたところ,法務大臣から難民の認定をしない処分(本件難民不認定処分)を受けるとともに,東京入国管理局長から入管法61条の2の2第2項による在留特別許可をしないとの処分(本件在特不許可処分)を受け,また,入管法24条4号ロ所定の退去強制事由(不法残留)に該当することを理由とする退去強制手続において,東京入国管理局主任審査官から退去強制令書発付処分(本件退令発付処分)を受けたことから,上記各処分は,原告が,インドの地域政党であるテルグ・デサム党に所属して活動していたものであって,その政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由に迫害を受けるおそれがあり,難民に該当することを看過した,違法又は無効なものであると主張して,本件難民不認定処分の取消し並びに本件在特不許可処分及び本件退令発付処分の各無効確認を求める事案である。
1 前提事実(当事者間に争いがない。)
(1) 原告の身分事項
原告は,昭和55年(1980年)○月○日にインドにおいて出生した,インド国籍を有する外国人男性である。
(2) 原告の入国及び在留の状況
ア 原告は,平成19年11月29日,成田国際空港に到着し,東京入国管理局成田空港支局入国審査官から,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて,本邦に上陸した。
イ 原告は,在留期間の更新又は変更を受けないで,在留期限である平成20年2月27日を超えて引き続き本邦内にとどまり,もって本邦に不法に残留した。
ウ 原告は,平成21年1月26日,茨城県結城市長に対し,外国人登録法(なお,同法は,平成21年法律第79号により,平成24年7月9日に廃止された。)3条1項に基づく新規登録の申請をしたが,外国人登録証明書交付予定期間である平成21年3月26日から同年4月2日までの間に,同証明書を受領しなかった。その後,原告は,東京都新宿区長に対し,同項に基づく新規登録の申請をし,平成22年7月29日,外国人登録証明書の交付を受けた。
(3) 原告に係る退去強制手続
ア 原告は,平成21年3月4日,警視庁荏原警察署司法警察職員により,入管法違反(不法残留)被疑事件により現行犯逮捕された。
東京入国管理局主任審査官は,同日,原告が入管法24条4号ロ(不法残留)に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,収容令書を発付した。
イ 警視庁荏原警察署長は,平成21年3月5日,入管法65条に基づき,原告を東京入国管理局入国警備官に引き渡した。
東京入国管理局入国警備官は,同日,前記アの収容令書を執行し,原告を東京入国管理局収容場に収容した上,同日,原告に係る違反調査を行い,その結果,同日,原告を入管法24条4号ロ(不法残留)該当容疑者として東京入国管理局入国審査官に引き渡した。
ウ 東京入国管理局入国審査官は,平成21年3月6日及び同月17日,原告に係る違反審査を行い,その結果,同日,原告が入管法24条4号ロ(不法残留)に該当しかつ出国命令対象者に該当しない旨を認定し,その旨を原告に通知したところ,原告は,同日,特別審理官による口頭審理の請求をした。
エ 東京入国管理局特別審理官は,平成21年3月30日,原告に係る口頭審理を実施し,その結果,前記ウの入国審査官の認定には誤りがないと判定し,その旨を原告に通知したところ,原告は,同日,法務大臣に対し異議を申し出た。
オ 法務大臣から権限の委任を受けた東京入国管理局長は,平成21年4月16日,前記エの異議の申出には理由がない旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をし,同日,その旨を東京入国管理局主任審査官に通知した。
東京入国管理局主任審査官は,同日,原告に対し,本件裁決を通知するとともに,送還先をインドと指定して,退去強制令書を発付(本件退令発付処分)した。
東京入国管理局入国警備官は,同日,上記退去強制令書を執行し,原告を引き続き東京入国管理局収容場に収容した。
カ 東京入国管理局入国警備官は,平成21年5月28日,原告を東京入国管理局収容場から入国者収容所東日本入国管理センターに移収した。
キ 同センター所長は,平成22年4月15日,原告を仮放免した。原告は,現在,仮放免中である。
(4) 原告に係る難民認定手続
ア 原告は,平成21年1月30日,法務大臣に対し,難民認定の申請(以下「本件難民認定申請」という。)をした。
イ 法務大臣は,平成21年4月7日,本件難民認定申請について,難民の認定をしない処分(本件難民不認定処分)をし,同月16日,原告にこれを通知した。
ウ 法務大臣から権限の委任を受けた東京入国管理局長は,平成21年4月13日,原告に対して入管法61条の2の2第2項による在留特別許可をしないとの処分(本件在特不許可処分)をし,同月16日,原告にこれを通知した。
エ 原告は,平成21年4月17日,法務大臣に対し,本件難民不認定処分についての異議申立てをした。
オ 東京入国管理局難民調査官は,平成23年10月20日,原告について口頭意見陳述及び審尋の手続を実施した。
カ 法務大臣は,平成24年6月29日,前記エの異議申立てを棄却する旨の決定をし,同年7月10日,原告にこれを通知した。
(5) 本件訴えの提起
原告は,平成24年9月19日,本件難民不認定処分の取消し並びに本件在特不許可処分及び本件退令発付処分の各無効確認を求める訴えを提起した(以下,これらの処分を併せて「本件各処分」という。)。
2 争点及び争点についての当事者の主張
本件の争点は,①本件難民不認定処分の適法性(争点1),②本件在特不許可処分の有効性(争点2),③本件退令発付処分の有効性(争点3)である。
(1) 争点1(本件難民不認定処分の適法性)について
(原告の主張)
以下のとおり,原告は難民に該当するから,これを看過してされた本件難民不認定処分は違法である。
ア インドにおける原告の活動及び来日に至る経緯
(ア) インドのアーンドラ・プラデーシュ州においては,1995年(平成7年)から2004年(平成16年)まで,テルグ・デサム党(以下「TDP」という。)が政権を担い,農民に対する様々な支援政策を行っていた。
原告は,同州において生まれ,TDPの思想・政策に共鳴したことから,2000年(平成12年)にTDPに入党し,積極的にTDPの会合に参加した。さらに,原告は,2002年(平成14年)にTDP青年部のメンバーとなって以降,TDPの宣伝活動をより積極的に行うようになり,その活動がTDP及びその支持者に評価されて,2003年(平成15年)には青年部事務局長に,2005年(平成17年)にはTDPマンダル村青年部代表に選出された。原告は,この青年部代表として,TDPの考えを地元の農民達に理解してもらうため,積極的な広報活動を続けていた。
(イ) 他方,TDPに反対する勢力として,国民会議派(議会党又はコングレス党ともいう。以下「会議派」という。)が存在し,会議派は,2004年(平成16年)以降,アーンドラ・プラデーシュ州の政権を握っている。会議派は,原告等の活動による同州内のTDPの急激な勢力拡大を嫌い,原告に対しても転向を求めてきたが,原告がこれを拒んだことから,以後,会議派から原告やTDPに対する様々な工作がされることとなった。
(ウ) ボンバイ・ナルサイア(以下「ボンバイ」という。)は,2006年(平成18年)にマンダルパリシュ首長に当選した者であるが,TDPのメンバーでありながら,実質的には会議派に所属し,TDPの活動を妨害していた。また,ボンバイとその支持者らは,原告のTDPにおける精力的な活動に不満を募らせていた。
そして,2007年(平成19年)5月3日に開かれたTDPの集会において,参加していた原告グループとボンバイグループとの間で,殴り合いの抗争事件が生じた(以下「本件傷害事件」という。)。このボンバイの行動は,会議派の立場からTDPを混乱に陥れようとする政治的意図に基づくものであり,警察は,ボンバイ側すなわち会議派側の立場に立ち,原告側すなわちTDP側のメンバーのみを逮捕した。
(エ) TDPが警察に対して賄賂を渡したため,このときは警察による原告その他の逮捕者に対する拷問は行われず,また,TDPメンバーが保釈金を支払ったことから,原告その他の逮捕者は逮捕翌日に釈放された。
しかし,ボンバイが執拗に原告を狙って探しており,その身に危険が及ぶ可能性があったことから,TDPの指示及び援助により,原告は,妻の実家に,次いでハイデラバードに身を移した。さらに,それでも安全ではないことから,TDPは,原告を第三国に出国させることとし,原告のために査証,航空チケット及び現金を手配し,これを受領した原告は,2007年(平成19年)11月28日にチェンナイ空港を出発し,バンコクを経由して,同月29日に成田国際空港に到着し,本邦に入国した。
イ 政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由に迫害を受けるおそれがあること
(ア) 本件傷害事件は,単なる私人間の喧嘩ではなく,原告とボンバイとの間の政治的抗争であり,このことは,ボンバイが実質的に属していた会議派の政権下の警察が,TDP側のメンバーのみを恣意的に逮捕したことや,TDPが,政党の問題として原告を守ろうと考え,原告に出国の指示及び援助をしたことからも明らかである。そして,本件傷害事件後も,ボンバイは原告を執拗に探索しており,原告がインドに戻れば,迫害を受けるおそれがある。
(イ) また,本件傷害事件に関し,原告には改めて逮捕令状(甲3)が発付されており,原告がインドに戻れば,逮捕勾留されることは確実である。この逮捕令状は,原告とボンバイとの政治的抗争に関するものであって,これによる身柄拘束は,政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由とするものである。そして,インドにおいては,警察による被拘束者に対する拷問・虐待が日々行われているから,原告が警察に身柄拘束をされれば,このような拷問・虐待の迫害を受けるおそれがある。なお,当初の逮捕時に原告が拷問を受けなかったのは,TDPが警察に対して賄賂を渡していたからであり,再逮捕時に拷問等を受ける可能性は十分にある。
(ウ) なお,原告は,本邦に入国後,就労も観光もしておらず,入国の目的が不法就労等ではなく政治的抗争から逃れることにあったことは明らかである。また,入国から難民認定申請までに1年以上が経過したのは,原告が難民認定申請手続を知らなかったためであり,TDPの指示のまま来日し,日本語を解さない原告としては,やむを得ないものである。
ウ 小括
したがって,原告は,政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由に迫害を受けるおそれを十分に有しているものといえ,難民に該当する。
(被告の主張)
以下のとおり,原告が難民に該当するとは認められないから,本件難民不認定処分は適法である。
ア 原告が主張する事情は難民該当性を基礎付けるものではないこと
(ア) TDPは,アーンドラ・プラデーシュ州の州議会に相当数の議席を保持し,インド連邦議会の下院にも議席を有する合法政党であって,TDPがインド政府から迫害を受けているとか,同政府がTDPに対する迫害を放置しているといった事実は認められない。
(イ) 原告が主張する本件傷害事件は,政党間の政治的抗争ではなく,同一政党内における私人間の喧嘩にすぎない。また,警察の介入により事態が収まったというのであるから,インド政府が本件傷害事件を惹起,助長したとか,これを放置したとは認められない。さらに,原告の供述によっても,原告側が本件傷害事件のきっかけを作ったものであり,あえて原告側のみが逮捕されたとはいえないし,仮にそうであるとしても,原告は逮捕翌日に釈放され,身柄拘束中に拷問を受けることもなかったのであるから,当該逮捕について,インド政府による迫害であるとか,同政府がボンバイらによる原告に対する迫害行為を放置したと評価することはできない。
原告は,本件傷害事件につき,政敵であるボンバイの関与した政治的抗争であると主張するが,ボンバイの除名を決めたTDPの幹部らに危害が及んでいないこと等からすれば,本件傷害事件は,会議派に同調したボンバイとTDPの対立ないし政治的抗争と評価されるものではない。そもそも,原告についてボンバイら政敵の脅威が存在していることは甚だ疑わしいし,仮にボンバイが原告を狙っているとしても,それはボンバイの私怨によるものというほかない。原告は,ボンバイからの報復を恐れていたのではなく,本件傷害事件で訴追され処罰を受けることを恐れて,釈放後も裁判所に出頭しなかったものと考えられる。
(ウ) 原告は,本件傷害事件につき改めて逮捕令状が発付されていると主張するが,逮捕令状とされる文書(甲3)は,入手や発付の経緯が不明,不自然である上,体裁も一見して明らかに不自然であり,真正な成立が証明されているとはいえないし,仮にこれが真正な文書であるとしても,その被疑事実の内容さえ不明である。また,警察が逮捕令状によって原告を逮捕することは,刑事訴訟手続に従った適法な身柄拘束であり,それ自体は難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)上の迫害には当たらないし,原告は当初の逮捕中に拷問を受けていないのであるから,警察が原告に対して拷問・虐待を行う具体的なおそれがあるとも認められない。
(エ) したがって,原告が主張する本件傷害事件及びこれに関する逮捕令状の存在等の事情は,原告の難民該当性を基礎付けるものではない。
イ 原告の難民該当性を否定する事情があること
(ア) 原告は,本件傷害事件後,その政敵とするボンバイが所属する会議派が与党である政権下にあっても,自ら申請して正規旅券を発給され,特に問題なくインドを出国しており,このことは,原告がインド政府から関心を寄せられていなかったことを示している。
(イ) 原告は,本邦への入国前後において,本邦での庇護を受けるために自ら積極的に行動したような事情は全く見いだせない上,入国後約1年2か月にもわたり難民認定申請をしておらず,これについて合理的な理由は認められない。このことは,原告が迫害を受けるおそれがあるという恐怖心や切迫感を有していなかったことの証左である。
(ウ) 原告は,本邦上陸後の目的についてあいまいな供述しかしておらず,本国の政治的情勢を変えようとする態度は全く見受けられないし,かえって,本邦での就労意欲を示しており,就労目的で入国した疑いがある。
ウ 小括
以上のとおり,原告の主張する事情は難民該当性を基礎付けるものではなく,ほかに原告について個別具体的な迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的な事情が存するとは認められないから,原告が難民に該当するとは認められない。
(2) 争点2(本件在特不許可処分の有効性)について
(原告の主張)
難民に該当する原告に対して入管法61条の2の2第2項による在留特別許可をしなかったことは,裁量権の逸脱・濫用であり,その瑕疵は重大かつ明白であるから,本件在特不許可処分は無効である。
(被告の主張)
原告が難民に該当するとは認められないし,原告はインドで生まれ育った稼働能力を有する成人男性であり,インドにはその妻子や両親等が生活しているのであるから,原告に対して本邦での在留を特別に認めるべき事情があるとはいえない。
したがって,本件在特不許可処分は適法であり,これを無効とするような重大かつ明白な瑕疵は存在しない。
(3) 争点3(本件退令発付処分の有効性)について
(原告の主張)
本件退令発付処分は,難民である原告を,迫害を受けるおそれのあるインドに向けて送還するものであるから,入管法53条3項,難民条約33条1項に明白に反し,無効である。
(被告の主張)
退去強制手続において,法務大臣又はその権限の委任を受けた地方入国管理局長(以下「法務大臣等」という。)から異議の申出には理由がないとの裁決をした旨の通知を受けた場合,主任審査官は,速やかに退去強制令書を発付しなければならず(入管法49条6項),退去強制令書を発付するにつき裁量の余地は全くないところ,本件裁決は適法であるから,本件退令発付処分も当然に適法である。原告が難民に該当するとは認められないから,送還先をインドと指定したことに何ら瑕疵はないし,そのほか本件退令発付処分を無効とするような重大かつ明白な瑕疵は存在しない。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(本件難民不認定処分の適法性)について
(1) 難民の意義等
入管法2条3号の2は,同法における「難民」の意義について,難民条約1条の規定又は難民の地位に関する議定書1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうものと規定しているところ,これらの規定によれば,「難民」とは,「人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」をいうものと解される。
そして,ここにいう「迫害」とは,通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧を意味し,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」というためには,当該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的な事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも「迫害」の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要であると解される。
なお,「難民」に該当することについては,法務大臣による難民の認定が申請者の提出した資料に基づいて行われるものとされていること(入管法61条の2第1項,入管法施行規則55条1項)や,難民の認定が授益的性質を有する処分であることからすれば,申請者である原告において立証責任を負うものと解すべきである。
以上の見地から,インド及びTDP等に関する一般的事情並びに原告の個別的事情を踏まえ,原告の難民該当性について検討する。
(2) インド及びTDP等に関する一般的事情
前記前提事実,文中記載の証拠(枝番号の記載は省略する。以下同じ。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア インドの内政状況等
(ア) インドは,28州及び連邦直轄地等からなる連邦共和制国家であり,その元首は大統領であるが,政治的実権は首相(大統領が下院多数党の代表を任命)にある(乙33)。
(イ) 連邦議会は,上院と下院からなる二院制である。上院の議員定数は245であり,そのうち12人を大統領が学識経験者らから指名し,その余は各州議会議員による間接選挙で選出され,その任期は6年である。下院の議員定数は545であり,そのうち2人を大統領がアングロ・インディアン代表として指名し,その余は全州と連邦政府直轄地から小選挙区制の直接選挙で選出され,その任期は5年である。(乙33~35)
また,各州は,州議会(多くは一院制),知事(大統領が5年ごとに指名),及び州首相を長とする州評議会を有し,州議会は,教育,保健医療,課税,公安,土地及び森林等について独自の法律を作成するものとされている(乙35)。
連邦議会及び州議会の議員の選挙は,一般に,多数の政党が候補者を擁立して行われている(乙32,35)。
(ウ) インドの2大政党は,インド国民会議派(会議派)とインド人民党(以下「BJP」という。)である。両党ともそれぞれ他党と連合政党を組んでおり,会議派は統一進歩連合(以下「UPA」という。)を,BJPは国民民主同盟(以下「NDA」という。)を率いている。このほか,第3の主要連合政党として,左派政党を中心に結成された第3戦線が存在する。(乙35)
2004年(平成16年)に実施された下院議員総選挙において,それまで政権を担っていたNDAが敗北し,代わってUPA政権が発足し,会議派が8年ぶりに政権与党に復帰した。また,2009年(平成21年)に実施された下院議員総選挙では,UPAの第1党である会議派が大勝し,UPAにおいて過半数の議席を確保して,第2次UPA政権が発足した。(乙32~35)
イ アーンドラ・プラデーシュ州の内政状況及びTDPの活動等
(ア) アーンドラ・プラデーシュ州は,インド南部に位置する州であり,その州都はハイデラバードである。同州の有権者数は,1999年(平成11年)において約4965万人,2004年(平成16年)において約5114万人であった。(乙32,33)
(イ) TDPは,映画スターであったN.T.ラーマ・ラーオが,テルグ民族主義を掲げて1982年(昭和57年)に結成した,アーンドラ・プラデーシュ州の地域政党である。TDPは,地元の有力中間カーストの支持を集めており,会議派とは対抗関係にある。(乙32,35)
(ウ) TDPは,1995年(平成7年)以降,ラーマ・ラーオ(1996年死亡)の娘婿であるチャンドラバーブ・ナーイドゥが実権を握り,アーンドラ・プラデーシュ州の政権を保持し続けていた。TDPは,同州政権の座にある間,IT産業を中心とする産業振興策を展開すると同時に,農村部での総合的開発事業として,「ジャンマブーミ(生まれた土地=郷土)」プログラムを展開させるなどした。(甲15,20,乙32)
また,TDPは,連邦議会の選挙において,1998年(平成10年)以前は,「統一戦線」(中道・左派と地域政党で構成する連立政権)を構成する一政党として重要な位置を占めていたが,会議派との対抗関係から,敵対していたBJPと1999年(平成11年)に選挙協力をし,以後,BJPを中心とするNDA政権においては閣外協力の形をとっていた(乙32,33)。
(エ) しかし,2004年(平成16年)のアーンドラ・プラデーシュ州議会議員選挙において,TDPは相当数の議席を失って下野し,代わって会議派が9年ぶりに州政権を握った。TDPが州政権を失った理由として,数年来の干ばつに伴う農民の生活レベル悪化等に有効な手立てを持ち得なかったこと等が指摘されている。(乙32)
また,TDPは,2004年(平成16年)の下院議員総選挙により政権がNDAからUPAに交代した後も,国政レベルではBJPを支援しており,2009年(平成21年)の下院議員総選挙では自ら6議席を獲得した(乙35)。
(3) 原告の個別的事情
前記前提事実,文中記載の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 経歴等
(ア) 原告は,1980年(昭和55年)○月○日,アーンドラ・プラデーシュ州,ニージャマーバード地方(県),バルコンダ・マンダル(郡),ブッサプール村において,インド国籍の両親の間に,2人兄弟の2番目(二男)として生まれた。原告もその家族も,いずれもヒンドゥー教徒である。(乙2,4,11,21)
なお,原告の供述(乙11)によれば,アーンドラ・プラデーシュ州には,28の地方(県),565のマンダル(郡)があり,1つのマンダル(郡)には約25の村がある。
(イ) 原告は,2003年(平成15年),インド国籍の女性Dと婚姻し,同人との間に,2004年(平成16年)○月○日に長男,2006年(平成18年)○月○日に長女をもうけた(乙2,乙4)。
(ウ) 原告は,1997年(平成9年)に日本の高等学校に相当する地元の学校を卒業した後,出生地であるブッサプール村において,家業である農業に従事していた。
また,原告は,TDPの思想・政策に共感したことから,2000年(平成12年)頃にTDPに入党し,2002年(平成14年)にTDPの青年部メンバーに,2003年(平成15年)にはTDPの村の青年部事務局長となった。さらに,原告は,2005年(平成17年),TDPのマンダル(郡)の青年部代表に選出され,後記の本件傷害事件のときまで同代表を務めていた。(以上につき,甲27,乙2,4,11,21,原告本人)
イ 本件傷害事件の経緯
(ア) 2007年(平成19年)5月3日,アーンドラ・プラデーシュ州ニージャマーバード地方のパーキットにあるクラシック・ファンクション・ホールにおいて,TDPの地方集会が開催された。同集会には,原告のほか,TDPの党員で当時モータド・マンダルパリシュ首長(MPP)を務めていたボンバイも出席していた。(甲5~8,27,乙4,11,21,原告本人)
(イ) 上記集会の開催中,TDPバルコンダ支部長であるヴァサント・レディ及び原告その他のTDPメンバー(以下「原告グループ」という。)と,ボンバイ及びその支援者ら(以下「ボンバイグループ」という。)との間で,同集会へのボンバイグループの招待の有無・方法等をめぐり争いが生じ,殴り合うなどの衝突が起きた(本件傷害事件。甲5~8,10,27,乙4,11,21,原告本人)。
(ウ) 本件傷害事件に関し,ボンバイ等の被害申告により,同日又は同月4日,原告グループのうち原告を含む4人が逮捕された(甲5~8,10,27,乙4,11,21,原告本人)。
上記4人は,上記逮捕の翌日,保証金を支払って保釈された。原告は,その保釈の際,裁判官から,一月後に裁判所に出頭するように指示されたが,その後裁判所に出頭することはなかった(甲27,原告本人)。
(エ) なお,ボンバイは,本件傷害事件後間もなく,TDPの地方責任者であるポチャラム・スリニヴァス・レディにより,同事件を理由にTDPから除名された(甲10,27,乙4)。
ウ 本件傷害事件後インド出国までの事情
(ア) 原告は,前記イ(ウ)のとおり保釈された後,ボンバイグループによる追及から逃れるため,妻子とともに親せきの家に身を移し,さらに数日後,妻子とともにハイデラバードに移り,それ以降同所のアパートで生活していた(甲27,乙4,原告本人)。
(イ) そして,原告は,2007年(平成19年)11月7日,TDPメンバーの協力によりチェンナイにおいて我が国の査証の発行を受けた上,TDPメンバーから航空券及び渡航資金の提供を受け,同月28日,自己名義の正規旅券により,チェンナイ空港からインドを出国した(甲27,乙3,4,21,原告本人)。
エ 本邦入国後本件各処分時までの事情
(ア) 原告は,平成19年11月29日,成田国際空港に到着し,東京入国管理局成田空港支局入国審査官から,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて,本邦に上陸した後,在留期間の更新又は変更を受けないで,在留期限である平成20年2月27日を超えて,引き続き本邦内にとどまった(前記前提事実(2)ア及びイ)。
(イ) 原告は,本邦に上陸した後平成21年2月まで,茨城県結城市内において,TDPメンバーから紹介された本邦在住のインド国籍男性の家に同居し,同月以降は,埼玉県熊谷市内において,他のインド国籍男性の家に同居して,その家事をするなどして生活していた(甲9,27,乙4,21,原告本人)。(なお,原告が本邦において就労したことは認められない。)
(ウ) 原告は,平成21年1月30日,本件難民認定申請をしたが,同年3月4日,同申請関係の書類を提出するために東京入国管理局を訪れる途中,警察官から職務質問を受け,不法残留の事実が判明したことから,現行犯逮捕された(前記前提事実(3)ア及び(4)ア,甲9,乙10,21)。
(エ) 原告が本邦に入国した後も,原告の妻子は,ハイデラバードでの生活を続け,原告は,妻に対して,月に1回程度電話連絡をしていた(甲4,27,乙4,21)。(なお,原告の供述(原告本人)によれば,原告と妻とは,2011年(平成23年)12月に離婚した。)
また,原告の両親は,引き続き地元のブッサプール村(前記ア(ア))に居住し,原告は,両親に対しても月に1回程度電話連絡をしていた(乙4,21)。
オ 逮捕令状と題する書面の写しの存在
原告につき,逮捕令状と題する書面の写し(以下「本件逮捕令状」)が存在する。すなわち,本件逮捕令状は,2010年2月付けで,ニージャマーバード一級司法官名義で作成されたものであり,「逮捕令状(保釈不認可)」との表題で,駐在官に対し,「324R/W3」の罪で告発されている「E」を逮捕し,同年3月15日までに連れてくるように命ずるとの内容が記載されている(甲3)。なお,「E」とは,原告の別名である(原告本人)。
(4) 原告の難民該当性の検討
原告は,インドに帰国すれば,政治的意見又は特定の社会的集団に所属していることを理由に迫害を受けるおそれがある旨を主張するところ,その主張する迫害とは,具体的には,①ボンバイから攻撃を受けること,及び②警察により逮捕され,拷問・虐待を受けることをいうものと解される。そこで,上記①及び②の事由を中心に,原告の難民該当性を検討する。
ア ボンバイからの攻撃について
(ア) 前記(1)のとおり,難民に該当するには「国籍国の保護を受けることができないもの」又は「国籍国の保護を受けることを望まないもの」であることが要件とされていることからすれば,同じく難民の要件である「迫害」の主体については,国籍国の政府自身が想定されていることは明らかである。そうすると,難民認定の申請者が主張する迫害の直接的な主体が国籍国の政府でない場合において,難民該当性が認められるためには,当該政府において当該迫害があることを知りながらあえてこれを放置,助長しているなどの特別の事情があることを要するものというべきである。
(イ) これを本件についてみると,ボンバイは,モータド・マンダルパリシュ首長(MPP)の地位にはあったが,マンダル(郡)は,インドに28ある州の一つであるアーンドラ・プラデーシュ州の中に多数存在する地方行政単位の一つにすぎないから(原告の供述によれば,同州の中に565のマンダル(郡)が存在し,1つのマンダル(郡)は約25の村からなる(前記(3)ア(ア))。),ボンバイによる攻撃について,これを直ちにインド政府自身による行為と解することには困難がある。そうすると,ボンバイによる攻撃が迫害に当たることを理由に難民該当性が認められるためには,インド政府において当該迫害があることを知りながらあえてこれを放置,助長しているなどの特別の事情があることを要するものというべきである。
(ウ) この点に関し,原告は,原告グループとボンバイグループとの間で生じた本件傷害事件につき,政治的な抗争であり,ボンバイが実質的に属していた会議派の政権下の警察が,TDP側のメンバーのみを恣意的に逮捕した旨等を主張する。
しかし,本件傷害事件の背景に両グループ間での政治的対立があったとしても,①本件傷害事件当時,原告もボンバイもTDPに所属していたものであること,②原告が書証として提出した地元紙においても,本件傷害事件につき,主としてTDP内部でのヴァサント・レディを中心とするグループとボンバイを中心とするグループとの間の対立として報じられていること(甲10~13),③ボンバイが本件傷害事件当時から会議派と同調していたことを示す的確な証拠はないこと,④ボンバイやその支援者らが原告グループ以外のTDPメンバーに攻撃を加えたことを示す証拠もないこと(原告の供述(原告本人)によっても,TDPの幹部であるポチャラム・スリニヴァス・レディには攻撃は及んでいない。)等からすれば,本件傷害事件につき,原告が主張するような会議派とTDPとの間での政治的抗争であったと認めることはできない。
また,本件傷害事件につき,逮捕されたのが原告グループの者のみであるとしても,①原告が書証として提出した逮捕勾留関係記録によれば,ボンバイが,ヴァサント・レディ及びその支援者らから突然椅子等により殴りかかられた旨の被害申告をし,これが逮捕の理由とされていること(甲5~8),②本件傷害事件について報じた「アンドラ・ジョティ紙」の記事においても,「ヴァサント・レディの部下であるハリ・クリシュナがボンバイ・ナルサイアに椅子を投げつけたのがきっかけとなった」として,原告グループの行為が本件傷害事件のきっかけであったものとされており(甲10),原告自身もその記載内容に間違いはない旨を供述していること(原告本人)からすれば,原告グループの者のみが逮捕の対象となったことについて,必ずしも不自然ということはできない。他方,原告が主張するように,警察が,ボンバイの実質的に属していた会議派の意を受けて,恣意的に原告グループの者のみを逮捕の対象としたというような事情を示す的確な証拠は存在しない。そうすると,本件傷害事件に係る逮捕について,警察による恣意的なものであったと認めることもできない。
なお,原告が本件難民認定申請の手続においてTDPの議会議員作成のものとして提出した「関係各位」と題する文書には,「政敵は,原告を恨んでおり,また,政治問題により同氏の生命は危険にさらされています。このような状況において,私たちは原告に対し,帰国しないように助言しました」と記載されているが(乙2,4,5),この内容も,「政敵」による原告に対する攻撃をインド政府があえて放置,助長していることを直ちに示すものとまではいえない。同様に,原告の妻名義の2009年(平成21年)10月19日付け「供述宣誓書」には,原告及びその家族には対立するグループからの攻撃の脅威がある旨が記載されているが(甲4),それがボンバイからの攻撃の脅威を指すものであるとしても,インド政府が同攻撃をあえて放置,助長していることかどうかに直接かかわるものではない。
そして,他に,ボンバイから原告に対する攻撃について,警察を含むインド政府において,これをあえて放置,助長していることを認めるに足りる証拠はない。
以上のとおりであるから,原告がインドに帰国すれば受けるおそれがある迫害として主張するボンバイからの攻撃につき,本件傷害事件に係る経緯を踏まえて検討してみても,インド政府において当該迫害があることを知りながらあえてこれを放置,助長しているなどの特別の事情があるということはできない。
(エ) したがって,原告がボンバイからの攻撃を受けるおそれがあるとしても,これを難民の要件である「迫害」と認めることはできず,この点を理由に原告の難民該当性を認めることはできない。
イ 警察による逮捕及び拷問・虐待について
(ア) 原告は,インドに帰国すれば,本件傷害事件に関して警察に逮捕されるおそれがあると主張し,その証拠として,本件逮捕令状(前記(3)オ,甲3)を提出している。原告の主張によれば,本件逮捕令状は,本件傷害事件を理由として原告を改めて逮捕することを内容とするものである。
しかし,本件逮捕令状は,インドの官庁又は公署の作成に係るものとして提出されているところ,それがインドの公務員が職務上作成したものと認めるべき方式及び趣旨のものであること(行政事件訴訟法7条,民事訴訟法228条2項,5項)について,何ら立証はされていない上,作成年月日欄に「Feb 2010」までしか記載されておらず作成日の特定がされていないこと,複数の箇所において不動文字が手書きにより修正又は上書きされていることなど,逮捕令状としては不自然な点を含む体裁のものであることからすれば,真正に成立したものと認めることはできない。
仮に,本件逮捕令状が真正に成立したものであるとしても,その作成時期(2010年(平成22年)2月)は本件難民不認定処分(平成21年4月7日付け)の後であるから,本件逮捕令状を直ちに本件難民不認定処分の適否の判断の資料とすることはできない。また,本件逮捕令状の存在をもって,その発付以前から原告につき逮捕のおそれがあったことを示すものと解するとしても,原告は,本件傷害事件により逮捕,保釈された後,裁判所への出頭の指示に従うことなく,身柄を隠していたものであるところ(前記(3)イ(ウ)),その理由として,「行けばたぶん刑務所に入れられるだろうと思ったんです。怖かったんです。」と供述するのみであって(原告本人),合理的な理由があったものとはうかがわれないから,原告が本件傷害事件に関して改めて逮捕されたとしても,インド国内の刑事訴訟手続に従った適法な身柄拘束であることを否定することはできず(なお,原告の当初の逮捕についても,前記ア(ウ)に述べたことからすれば,違法な身柄拘束であるということはできない。),このような国内法に従った逮捕のおそれ自体をもって,難民該当性の根拠となる「迫害」と評価することはできない。
(イ) さらに,原告は,逮捕された場合には,警察により拷問・虐待の迫害を受けるおそれがある旨を主張する。
確かに,原告が提出した書証においては,インドの警察の問題として,警察官による容疑者等に対する拷問・虐待等の人権侵害行為の例があることが報告又は指摘されている(甲23~26)。しかし,これらの拷問・虐待等の人権侵害行為は,インド国内においても違法なものであることを前提として報告又は指摘されているものであり,その他本件証拠関係に照らしても,インドにおいて,逮捕されただけで一般的に警察から拷問・虐待等の人権侵害行為を受けるおそれがあるとまで認めることはできない。
そして,原告が本件傷害事件に関して逮捕された場合に,警察による拷問・虐待を受けるおそれがあるかどうかについて見ても,当初の逮捕の際には原告に対して警察による拷問・虐待は行われていないこと(争いのない事実。なお,原告は,当初の逮捕の際に拷問を受けなかったのはTDPが警察に賄賂を渡していたからである旨主張するが,そのような経緯を裏付ける的確な証拠はなく,当該主張は単なる憶測の域を出るものではない。)を勘案すると,原告が本件傷害事件に関して逮捕された場合に,警察による拷問・虐待を受ける具体的なおそれがあると認めることはできない。
そうすると,原告が本件傷害事件に関して逮捕された場合の警察による拷問・虐待の迫害のおそれについて,通常人が原告の立場に置かれた場合にもそのような迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していると認めることはできない。
(ウ) したがって,警察による本件傷害事件に係る逮捕及び拷問・虐待のおそれについて,原告が「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」ものと認めることはできず,この点を理由に原告の難民該当性を認めることはできない。
ウ その他の事情等
(ア) 原告は,TDPに所属してマンダル(郡)の青年部代表を務めていたものであるが,TDPはインド連邦議会の下院及びアーンドラ・プラデーシュ州議会に議席を有する合法政党であるし(前記(2)イ(ウ)及び(エ)),前記(4)ア(イ)のとおり,当該マンダル(郡)は,インドに28ある州の一つであるアーンドラ・プラデーシュ州の中に多数存在する地方行政単位の一つにすぎず,そのようなマンダル(郡)における一政党の青年部代表について,インド政府が特段の関心を有するものとは考え難く,そのほかにも,インド政府が原告に対して特段の関心を寄せるような事情があるとはうかがわれない。現に,原告は,本件傷害事件後の2007年(平成19年)11月28日,チェンナイ空港から自己名義の正規旅券により出国したものであるところ(前記(3)ウ(イ)),その出国の手続は何ら問題なく行われたものと認められるところである(乙4)。
(イ) 原告は,平成19年11月29日に本邦に入国した後,約1年2か月が経過した平成21年1月30日になって初めて,本件難民認定申請をしたものである上,原告の供述(乙4,21,原告本人)によれば,本件難民認定申請をしたのは,平成20年11月頃に茨城県の結城駅でたまたま話をしたスリランカ人から,難民認定制度のことを教えてもらい,その申請をするようアドバイスを受けたためであるというのであって,そのほかにも,原告において,我が国を含むインド以外の国の庇護を求めて積極的に行動していたことはうかがわれない。このことからすれば,原告が国籍国たるインド政府から迫害を受けるおそれがあるという恐怖を有していたことについては,疑問があるものといわざるを得ない。
(ウ) 1999年(平成11年)9月15日付け及び2004年(平成16年)3月18日付け各BBCニュース記事は,アーンドラ・プラデーシュ州において,左翼系過激派ないしナクサライト等のグループが当時の与党であるTDPの党員らを殺傷する事件が発生したことを報じている(甲17,19)。しかし,これらの事件は,当時の与党であったTDPが反政権グループから攻撃を受けたことを示すにとどまるし,警察がTDPに対する攻撃をあえて放置,助長していたというような事情も何らうかがわれないから,原告の難民該当性を裏付けるものとはいえない。
また,2005年(平成17年)5月13日付けBBCニュース記事は,アーンドラ・プラデーシュ州において,野党であるTDPのデモ行為が暴力化し,これに対する警察の発砲により,TDPメンバー5人が死亡したことを報じている(甲18)。しかし,この事件は,デモ行為の暴力化という特定の状況におけるものであって,警察が一般的にTDPメンバーに対して迫害を加えていることを示すものとまではいえず,まして,警察が原告に対して迫害を加える具体的なおそれがあることを示すものとはいえないから,原告の難民該当性を裏付けるものとはいえない。
エ 小括
以上のとおりであるから,原告の主張及び立証等を検討しても,原告が難民に該当するものと認めることはできない。
(5) 争点1の結論
したがって,原告を難民として認定しなかった本件難民不認定処分は,適法である。
2 争点2(本件在特不許可処分の有効性)について
(1) 入管法61条の2の2第2項による在留特別許可については,難民の認定を申請した在留資格未取得外国人について,難民の認定をしない処分をするとき,又は難民の認定をする場合であって,その者に定住者の在留資格の取得を許可しないときに,在留を特別に許可すべき事情があると認めるときにすることができるとされているほかは,その許否の判断の要件ないし基準とすべき事項は定められていない上,外国人の出入国管理は国内の治安と善良な風俗の維持,保健・衛生の確保,労働市場の安定等の国益の保持を目的として行われるものであって,このような国益の保持の判断については,広く情報を収集しその分析の上に立って時宜に応じた的確な判断を行うことが必要であり,高度な政治的判断を要求される場合もあり得ることを勘案すれば,上記在留特別許可をすべきか否かの判断は,法務大臣の広範な裁量に委ねられているというべきである。そうすると,上記在留特別許可をするか否かについての法務大臣の判断が違法とされるのは,その判断が全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど,法務大臣が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した場合に限られるというべきであって,このことは,法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長についても同様というべきである。
(2) これを本件についてみると,原告は,インドで生まれ育った稼働能力を有する成人男性であり,インドにはその家族も生活している上(前記1(3)ア及びエ(エ)),本邦に入国するまで我が国と特段の関係があったとは認められないところであるから,東京入国管理局長が原告に対して在留特別許可をしなかったことについて,その判断が全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるということはできない。したがって,本件在特不許可処分は適法であり,これが無効でないことは明らかである。
(3) この点につき,原告は,難民に該当する原告に対して在留特別許可をしなかったことは,裁量権の逸脱・濫用であり,その瑕疵は重大かつ明白であるから,本件在特不許可処分は無効である旨を主張するが,前記1のとおり,原告が難民に該当するとは認められないから,原告の主張はその前提を欠き,採用することができない。
3 争点3(本件退令発付処分の有効性)について
(1) 主任審査官は,入管法49条1項の異議の申出に理由がない旨の裁決の通知を受けたときは,同条6項により速やかに退去強制令書を発付しなければならず,この点に裁量の余地はない。そして,本件退令発付処分の前提となる本件裁決については,その適法性に特に争いはなく,前記前提事実(2)イ及び(3)の事実関係に照らしても,適法なものと認められる。したがって,本件裁決を前提とした本件退令発付処分も適法であり,これが無効でないことは明らかである。
(2) この点につき,原告は,本件退令発付処分につき,難民である原告を迫害を受けるおそれのあるインドに向けて送還するものであるから,入管法53条3項,難民条約33条1項に明白に反し,無効である旨を主張するが,前記1のとおり,原告が難民に該当するとは認められないから,原告の主張はその前提を欠き,採用することができない。
第4 結論
よって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 谷口豊 裁判官 竹林俊憲 裁判官 貝阿彌亮)
別紙
指定代理人目録〈省略〉
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政治と選挙の裁判例「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧
(1)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(2)平成26年 9月17日 知財高裁 平26(行ケ)10090号 審決取消請求事件
(3)平成26年 9月11日 大阪高裁 平26(行コ)79号・平26(行コ)123号 政務調査費返還請求控訴事件、同附帯控訴事件
(4)平成26年 9月11日 知財高裁 平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(5)平成26年 9月10日 大阪地裁 平24(行ウ)78号・平25(行ウ)80号・平26(行ウ)65号 行政財産使用不許可処分取消等請求事件・組合事務所使用不許可処分取消等請求事件
(6)平成26年 9月10日 大阪地裁 平24(行ウ)49号・平24(ワ)4909号・平25(行ウ)75号・平26(行ウ)59号 建物使用不許可処分取消等請求事件、建物明渡請求事件、使用不許可処分取消等請求事件 〔大阪市役所組合事務所使用不許可処分取〕
(7)平成26年 9月 3日 東京地裁 平25(行ウ)184号 政務調査費返還請求事件
(8)平成26年 8月 8日 東京地裁 平25(行ウ)590号 難民不認定処分取消請求事件
(9)平成26年 7月25日 東京地裁 平25(行ウ)277号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(10)平成26年 7月16日 東京地裁 平25(行ウ)259号 難民不認定処分取消等請求事件
(11)平成26年 7月11日 札幌地裁 平22(行ウ)42号 政務調査費返還履行請求事件
(12)平成26年 6月12日 東京地裁 平25(ワ)9239号・平25(ワ)21308号・平25(ワ)21318号 損害賠償請求本訴事件(本訴)、損害賠償請求反訴事件(反訴)
(13)平成26年 5月21日 横浜地裁 平19(ワ)4917号・平20(ワ)1532号 損害賠償等請求事件
(14)平成26年 5月14日 名古屋地裁 平22(ワ)5995号 損害賠償請求事件 〔S社(思想信条)事件〕
(15)平成26年 4月 9日 東京地裁 平24(ワ)33978号 損害賠償請求事件
(16)平成26年 3月26日 大阪地裁 平22(行ウ)27号・平23(行ウ)77号 政務調査費返還請求事件(住民訴訟)
(17)平成26年 3月25日 東京地裁 平25(ワ)18483号 損害賠償請求事件
(18)平成26年 3月18日 大阪高裁 平25(行コ)149号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求控訴事件
(19)平成26年 3月11日 東京地裁 平25(ワ)11889号 損害賠償等請求事件
(20)平成26年 2月26日 東京地裁 平24(ワ)10342号 謝罪広告掲載等請求事件
(21)平成26年 2月21日 東京地裁 平25(行ウ)52号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(22)平成26年 2月21日 宮崎地裁 平25(ワ)276号 謝罪放送等請求事件
(23)平成26年 1月31日 東京地裁 平24(行ウ)146号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(24)平成26年 1月30日 大阪高裁 平25(行コ)40号 政務調査費違法支出金返還請求控訴事件
(25)平成26年 1月16日 名古屋地裁 平23(行ウ)68号 愛知県議会議員政務調査費住民訴訟事件
(26)平成25年12月25日 東京高裁 平25(行ケ)83号 選挙無効事件
(27)平成25年12月25日 広島高裁松江支部 平25(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(28)平成25年12月24日 東京地裁 平24(行ウ)747号 難民不認定処分取消請求事件
(29)平成25年12月20日 東京高裁 平25(行ケ)70号・平25(行ケ)71号・平25(行ケ)72号・平25(行ケ)73号・平25(行ケ)74号・平25(行ケ)75号・平25(行ケ)76号・平25(行ケ)77号・平25(行ケ)78号・平25(行ケ)79号・平25(行ケ)80号 各選挙無効請求事件
(30)平成25年12月20日 仙台高裁 平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号・平25(行ケ)4号・平25(行ケ)5号・平25(行ケ)6号
(31)平成25年12月19日 東京地裁 平24(行ウ)59号 懲戒処分取消等請求事件
(32)平成25年12月18日 名古屋高裁 平25(行ケ)1号・平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(33)平成25年12月16日 名古屋高裁金沢支部 平25(行ケ)2号・平25(行ケ)3号・平25(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(34)平成25年12月12日 東京地裁 平24(行ウ)719号 裁決取消等請求事件
(35)平成25年12月 6日 札幌高裁 平25(行ケ)1号 参議院議員選挙無効請求事件
(36)平成25年12月 5日 広島高裁 平25(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(37)平成25年12月 3日 東京地裁 平24(行ウ)423号 難民不認定処分取消請求事件
(38)平成25年11月28日 広島高裁岡山支部 平25(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(39)平成25年11月20日 最高裁大法廷 平25(行ツ)226号 選挙無効請求事件
(40)平成25年11月20日 最高裁大法廷 平25(行ツ)209号・平25(行ツ)210号・平25(行ツ)211号 選挙無効請求事件 〔平成24年衆議院議員総選挙定数訴訟大法廷判決〕
(41)平成25年11月19日 東京地裁 平24(行ウ)274号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(42)平成25年11月18日 福岡地裁 平19(行ウ)70号 政務調査費返還請求事件
(43)平成25年11月15日 東京地裁 平24(行ウ)753号 難民不認定処分無効確認等請求事件
(44)平成25年11月 8日 盛岡地裁 平24(ワ)319号 損害賠償請求事件
(45)平成25年10月21日 東京地裁 平24(ワ)2752号 損害賠償請求事件
(46)平成25年10月16日 東京地裁 平23(行ウ)292号 報酬返還請求事件
(47)平成25年10月 4日 東京地裁 平24(行ウ)76号・平24(行ウ)77号・平24(行ウ)78号・平24(行ウ)79号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(48)平成25年10月 2日 東京地裁 平23(行ウ)657号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(49)平成25年 9月26日 大阪高裁 平25(行コ)82号・平25(行コ)114号 不当利得返還等請求行為請求控訴、同附帯控訴事件
(50)平成25年 8月27日 東京地裁 平24(行ウ)647号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(51)平成25年 8月23日 東京地裁 平24(行ウ)90号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成25年 8月 5日 東京地裁 平25(ワ)8154号 発信者情報開示請求事件
(53)平成25年 7月30日 東京地裁 平24(行ウ)427号・平25(行ウ)224号 難民不認定処分取消請求事件、追加的併合請求事件
(54)平成25年 7月26日 静岡地裁 平21(行ウ)19号 不当利得返還請求権行使請求事件
(55)平成25年 7月23日 東京地裁 平24(行ウ)393号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(56)平成25年 7月 4日 名古屋高裁 平25(行コ)18号 議員除名処分取消等請求控訴事件
(57)平成25年 7月 3日 名古屋高裁金沢支部 平24(行コ)16号 政務調査費返還請求控訴事件
(58)平成25年 6月19日 横浜地裁 平20(行ウ)19号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(59)平成25年 6月 4日 東京高裁 平24(行コ)350号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(60)平成25年 5月29日 広島地裁 平23(ワ)1500号 損害賠償等請求事件
(61)平成25年 5月15日 東京地裁 平23(行ウ)697号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(62)平成25年 4月11日 東京地裁 平24(行ウ)115号・平24(行ウ)127号・平24(行ウ)128号・平24(行ウ)129号・平24(行ウ)130号・平24(行ウ)614号・平24(行ウ)620号・平24(行ウ)621号・平24(行ウ)622号・平24(行ウ)623号 在留特別許可をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件
(63)平成25年 4月11日 東京地裁 平23(行ウ)757号・平24(行ウ)1号・平24(行ウ)2号・平24(行ウ)3号・平24(行ウ)4号・平24(行ウ)5号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(64)平成25年 3月28日 京都地裁 平20(行ウ)10号 不当利得返還等請求行為請求事件
(65)平成25年 3月26日 東京高裁 平24(行ケ)26号・平24(行ケ)27号・平24(行ケ)28号・平24(行ケ)29号・平24(行ケ)30号・平24(行ケ)31号・平24(行ケ)32号 各選挙無効請求事件
(66)平成25年 3月25日 広島高裁 平24(行ケ)4号・平24(行ケ)5号 選挙無効請求事件
(67)平成25年 3月19日 東京地裁 平24(ワ)11787号 損害賠償請求事件
(68)平成25年 3月14日 名古屋高裁 平24(行ケ)1号・平24(行ケ)2号・平24(行ケ)3号・平24(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(69)平成25年 3月14日 東京地裁 平23(行ウ)63号 選挙権確認請求事件 〔成年被後見人選挙件確認訴訟・第一審〕
(70)平成25年 3月 6日 東京高裁 平24(行ケ)21号 選挙無効請求事件
(71)平成25年 2月28日 東京地裁 平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(72)平成25年 2月20日 宇都宮地裁 平23(行ウ)13号 政務調査費返還請求事件
(73)平成25年 2月15日 福岡地裁 平23(行ウ)25号 教育振興費補助金支出取消等請求事件
(74)平成25年 1月29日 岡山地裁 平22(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(75)平成25年 1月21日 東京地裁 平24(ワ)2152号 謝罪広告掲載要求等請求事件
(76)平成25年 1月18日 東京地裁 平23(行ウ)442号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(77)平成25年 1月16日 東京地裁 平23(行ウ)52号 難民不認定処分取消請求事件
(78)平成25年 1月16日 大阪地裁 平19(行ウ)135号 不当利得返還等請求事件
(79)平成24年12月 7日 最高裁第二小法廷 平22(あ)957号 国家公務員法違反被告事件
(80)平成24年12月 7日 最高裁第二小法廷 平22(あ)762号 国家公務員法違反被告事件
(81)平成24年11月20日 東京地裁 平22(行ウ)563号 難民不認定処分取消請求事件
(82)平成24年11月 2日 東京地裁 平23(行ウ)492号 難民不認定処分取消等請求事件
(83)平成24年10月18日 大阪地裁 平22(行ウ)160号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(84)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)95号 選挙無効請求事件
(85)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)72号 選挙無効請求事件
(86)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)65号 選挙無効請求事件
(87)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)64号 選挙無効請求事件
(88)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)59号 選挙無効請求事件
(89)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)52号 選挙無効請求事件
(90)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)51号 選挙無効請求事件 〔参議院議員定数訴訟・大法廷判決〕
(91)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)179号
(92)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)174号 参議院議員選挙無効請求事件
(93)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)171号 選挙無効請求事件
(94)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)155号 選挙無効請求事件
(95)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)154号 選挙無効請求事件
(96)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)153号 選挙無効請求事件
(97)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)135号 選挙無効請求事件
(98)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)133号 選挙無効請求事件
(99)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)132号 選挙無効請求事件
(100)平成24年10月17日 最高裁大法廷 平23(行ツ)131号 選挙無効請求事件
■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
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■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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