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政治と選挙Q&A「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例(38)平成 7年 2月22日 東京地裁 昭49(ワ)4723号 損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕

政治と選挙Q&A「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例(38)平成 7年 2月22日 東京地裁 昭49(ワ)4723号 損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕

裁判年月日  平成 7年 2月22日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  昭49(ワ)4723号
事件名  損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕
裁判結果  一部認容、一部棄却  上訴等  控訴  文献番号  1995WLJPCA02220003

要旨
◆国家公務員の昇任、昇格及び昇給における裁量権の濫用と不法行為の成否
◆全国の税関に勤務する職員により組織されている労働組合の支部組合員らが、非組合員と比較して昇任等について差別を受けたとしてした国家賠償請求につき、格差の存在が認められた一部の者に対する慰謝料の請求を一部認容した事例
◆前記の労働組合の支部が、税関当局から不法な攻撃を受け、団結権を侵害されたとしてした国家賠償請求を一部認容した事例
◆前記の労働組合の支部組合員らが、非組合員と比較して昇任等について差別を受けたとしてした国家賠償請求につき、消滅時効の主張が排斥された事例
◆税関職員で組織する全国税関労働組合の東京支部及びその組合員らが、昇給等において差別的な不利益取扱いを受けたことにより経済的及び精神的損害を被つたとして、給与の差額、慰謝料等の支払を求めた国家賠償請求につき、組合員の約半数において給与の格差の一部が違法な差別行為によるものであるといえるが、勤務成績も不良であつたから、差別による部分の額を特定することはできないとして給与の差額請求が棄却されたうえ、右約半数の組合員につき、給与差別に対する慰謝料を認めた事例

裁判経過
上告審 平成13年12月13日 最高裁第一小法廷 判決 平13(受)902号・平13(受)903号 損害賠償請求各上告事件 〔全税関東京損害賠償事件〕
控訴審 平成13年 1月26日 東京高裁 判決 平7(ネ)999号・平7(ネ)1050号・平12(ネ)5004号 全税関東京損害賠償請求事件

出典
訟月 42巻4号922頁
労民 46巻1号253頁
判タ 886号64頁
判時 1537号13頁
労判 682号105頁

評釈
西江昭博・訟月 42巻4号922頁
慰謝料請求事件データファイル(労働関係)

参照条文
一般職給与法6条(昭60法97改正前)
一般職給与法8条(昭60法97改正前)
一般職給与法8条6項(昭60法97改正前)
一般職給与法8条7項(昭60法97改正前)
一般職給与法8条8項(昭60法97改正前)
国家公務員法108条の2第3項
国家公務員法108条の7
国家公務員法27条
国家公務員法32条
国家公務員法33条
国家公務員法37条
国家賠償法1条1項
国家賠償法4条
人事院規則
日本国憲法28条
民法724条

裁判年月日  平成 7年 2月22日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  昭49(ワ)4723号
事件名  損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕
裁判結果  一部認容、一部棄却  上訴等  控訴  文献番号  1995WLJPCA02220003

原告 全国税関労働組合東京支部
右代表者支部長
原告(原告番号一) ①
外九九名
右原告ら訴訟代理人弁護士 竹澤哲夫
同 千葉憲雄
同 大竹秀達
同 石川憲彦
同 山本英司
同 羽倉佐知子
被告 国
右代表者法務大臣 前田勲男
右訴訟代理人弁護士 大森勇一
右指定代理人 畑中英明
外九名

 

主文
一  被告は、原告全国税関労働組合東京支部に対し、金一一〇万円及び内金一〇〇万円に対する昭和四九年六月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二  被告は、原告番号一番から同七番、同九番から同一一番、同一三番、同二一番から同二三番及び同二六番の各原告に対し、各金三三万円及び内金三〇万円に対する昭和四九年六月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。
三  被告は、原告番号八番、同一四番から同一九番、同二四番、同二九番から同三二番までの各原告に対し、各金二二万円及び内金二〇万円に対する昭和四九年六月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。
四  被告は、原告番号三四番から同三八番、同四二番から同四八番、同五〇番から同六〇番、同六二番から同六七番までの各原告に対し、各金一一万円及び内金一〇万円に対する昭和四九年六月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。
五  原告番号一二番、同二〇番、同二五番、同二七番、同二八番、同三三番、同三九番、同四〇番、同四九番、同六一番、同六九番から同一〇四番までの各原告の請求をいずれも棄却する。
そのほかの原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
六  訴訟費用は、原告一二番、同二〇番、同二五番、同二七番、同二八番、同三三番、同三九番、同四〇番、同四九番、同六一番、同六九番から同一〇四番までの各原告と被告との間に生じた分は同原告らの負担とし、その余の原告らと被告との間に生じた分は、これを六分し、その五を同原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。
七  この判決は、第一項から第四項に限り、仮に執行することができる。
ただし、被告が右各原告に対し、各請求認容元本額相当の金員の担保を供するときは、右仮執行を免れることができる。

事実及び理由
第一章  各原告の請求
被告は、原告全国税関労働組合東京支部に対し、金五五〇万円及び内金五〇〇万円に対する昭和四九年六月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を、その余の原告らに対し、各原告に対応する別紙債権目録「合計額」欄記載の各金員及び右各金員から同目録「弁護士費用」欄記載の各金員を控除した金員に対する前同日から支払済みまで年五分の割合による金員を、各支払え。
第二章  事案の概要
第一  事案の要旨
本件は、原告各個人が東京税関長から全国税関労働組合東京支部(以下「原告組合」という。)組合員であることを理由に昇任、昇格及び特別昇給において不当な差別を受け、これにより原告各個人が経済的及び精神的損害を被ったとして、原告各個人において国家賠償法(以下「国賠法」という。)一条一項により昭和四〇年四月一日から同四九年三月末日(以下「本件係争期間」という。)までに生じた損害の賠償を求め、また、原告組合が団結権侵害による精神的損害を被ったとして、原告組合において国賠法一条一項により慰謝料の支払を求めた事案である。
第二  争いのない事実等
一  当事者
1 東京税関
税関は、大蔵省の地方支分部局として被告により設置された国の行政機関であり、東京税関、神戸税関、大阪税関、名古屋税関、門司税関、長崎税関、函館税関及び沖繩地区税関がある。各税関は、各区域内における輸出入貨物の取締、貨物の輸出入通関及び関税の徴収等の業務を処理している。
被告は、行政機関として東京税関を設置し、その長たる東京税関長は、所掌の統括と職員の昇任、昇格、昇給の決定その他人事及び給与に関する事務について権限を有している。
2 原告組合
税関には、沖繩を除く全国の税関に勤務する職員を対象に全国単一の労働組合として全国税関労働組合(以下「全税関」という。)が組織されており、各税関に支部が設けられている。原告組合は、東京税関に勤務する職員一四六名で構成された労働組合であり、全税関の東京支部である。
東京税関には、昭和四〇年二月に原告組合から脱退した職員等で結成された東京税関労働組合(以下「税関労」あるいは「第二組合」という。)がある。
3 各原告
原告番号一番から一〇四番の各原告(以下「原告」又は「各原告」という。)は、いずれも本件係争期間中東京税関に勤務していた国家公務員であり、かつ、本件係争期間中原告組合に所属していた組合員(原告組合に所属する組合員を「原告組合員」という。)である。各原告は、その後に退職した一部を除き、現に原告組合に所属する組合員である。
二  昇任、昇格、昇給の法的仕組み
1 昇任
(一) 昇任とは、人事院規則(以下「人規」という。)八―一二・五条二号によると、「同一の職種のより上位の職級の官職に任命すること」をいい、同条は職階制の実施を前提としているが、職階制が実施されていない本件係争期間中は、人規八―一二・八一条、「人事院規則八―一二(職員の任免)の運用について(通知)」(昭和四三年六月一日人事院事務総長通達任企―三四四)五条、八一条関係(2)により、①「職員を昇格させること」、②「級別の定めのある官にある職員を上級の官に任ずること」、③「または職員を法令その他の規定により公の名称の与えられている上位の官職に任命すること」をいうとされている。本件における「昇任」については、右のうちの③、すなわち狭義の昇任の意味で用いる。
(二) 国家公務員法(以下「国公法」という。)三三条一項は、「すべて、職員の任用は、この法律及び人事院規則の定めるところにより、その者の受験成績、勤務成績又はその他の能力の実証に基づいて、これを行う」と規定し、これを受けて同法三七条一項、二項は、昇任については、競争試験又は当該在職者の従前の勤務実績に基づく選考によりこれを行なうと規定する。しかし、現状においても競争試験は行われてはおらず、昇任はすべて選考によることとされている。
人規八―一二・九〇条一項並びに「人事院規則八―一二(職員の任免)の運用について(通知)」(昭和四三年六月一日人事院事務総長通達任企―三四四)四二条、四五条、九〇条関係によると、人規八―一二・八五条二項所定のいわゆる指定官職以外の官職についての選考は、任命権者が選考機関としてその定める基準により行なうものとされ、人規八―一二・八三条、九〇条一項によると、本省庁課長級官職以上は、人事院がその定める審査基準により選考し、その他の官職は、任命権者がその定める基準により選考することとされている。東京税関においては、任命権者たる東京税関長が職員に対する選考機関として昇任の選考を行なっているが、明文で定められた選考の基準は存しない。
2 昇格
(一) 昇格とは、「給与制度上、職員職務の等級を同一の俸給表の上位の職務等級に変更すること」(人規九―八・二条三号)をいう。
国家公務員の俸給は俸給表によって定められ、職員の俸給額は俸給表のいずれかのうちの級と号俸に格付けされることによって決定される。(昭和六〇年法律第九七号による改正前の「一般職の職員の給与等に関する法律」(以下「旧給与法」という。)六条)。
前掲人事院事務総長通達任企―三四四・五条、八一条関係(2)は、「昇格は任用制度上の昇任の一形態」とされ、昇格は広義の昇任の一形態として位置付けられている。
(二) 旧給与法六条三項によると、職員の職務は、その複雑、困難及び責任の度合に基づきこれを俸給表に定める職務の等級に分類するものとされ、分類の基準となるべき標準的な職務の内容は、人規九―八・三条により同別表第一の「等級別標準職務表」に規定されている。
旧給与法六条の分類はあくまで「給与」についての分類であり、本件係争期間は職階制が実施されていないが、国公法二九条五項により、給与法六条の職務の分類(俸給表の種類と職務の等級)が職階制の計画で、職階制に代わるものとされる。
昇格のためには、人規九―八・二〇条によると、① 昇格させようとする職務の等級がその職務に応じたものであること、② 「等級別資格基準表」に定めのある職務の等級に昇格させる場合は定められた資格(必要経験年数又は必要在級年数)を有していること、③ 昇格前の職務の等級に二年以上在級していること(人規九―八・二〇条三項)が、また、旧給与法八条二項、人規九―八・四条二項により、昇格させようとする職務の等級について定められている等級別定数の範囲内であることのほか、④ 勤務成績が良好であること(「人規九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)の運用について(通知)」昭和四四年五月一日給実甲三二六・二〇条関係1)が必要と規定されている。
3 昇給
(一) 昇給とは、同一の職務の等級内において、職員の俸給月額を上位の俸給月額に変更すること(旧給与法八条)をいう。旧給与法八条七項によると、職員の勤務成績が「特に良好な場合」には、①昇給期間を短縮し、もしくは②二号俸以上上位の号俸に昇給され、又は③その双方を併せて行なうことができるとされ、これを特別昇給(以下「特昇」という。)というが、これには、(a) 特昇定数枠内の特昇(人事院規則九―八・三七条)によるもの、(b) 研修、表彰等による特昇(同三九条)によるもの、(c) 特別の場合の特昇(同四二条)によるものがある。本件で問題となるのは、(a)の三七条の定数枠内の特昇である。すなわち、特昇とは、職員の勤務成績が特に良好である場合に、特昇定数の範囲内で、普通昇給期間を短縮して直近上位の俸給月額に昇給させること(給与法八条七項、人規九―八・三七条)をいう。昇給のうち、特昇を除いたものを普通昇給(以下「定昇」という。)という。
(二) 定昇の仕組と要件は次のとおりである。
旧給与法八条六項、人規九―八・二条五号によると、「職員が、現に受けている号俸を受けるに至った時から、一二月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは、一号俸上位の号俸に昇給させることができる。」とされ、昇給させようとする者の職務について監督する地位にある者による「勤務成績の証明」が必要であり(人規九―八・三四条一項)、① 昇給期間の六分の一に相当する期間の日数を病気休暇、欠勤等により勤務していない職員、② 停職、減給及び戒告の処分を受けた職員は、勤務成績の証明が得られないものとして扱うこととなっている(人規九―八・三四条、給実甲三二六)。
(三) 特昇の仕組みと要件は、次のとおりである。
人規九―八・三七条二項によると、特昇の定数は、昭和三四年までは毎年定員の五パーセントを超えない範囲内、同三五年から同四二年までは定員の一〇パーセントを超えない範囲内、同四三年からは定員の一五パーセントを超えない範囲内と定められている。
特昇の積極的要件(人規九―八・三七条一項)は、(ア) 勤務成績が特に優秀であることにより表彰を受けた場合、(イ) 勤務評定による勤務実績の評語が上位の段階に決定され、かつ、執務に関連してみられた性格、能力及び適性が優秀である場合、(ウ) 勤務評定を実施しないこととされている職員にあっては、(イ)に相当する勤務成績を有すると認められる場合、(エ) 右(イ)に該当する職員若しくはこれに準ずる職員又は(ウ)に該当する職員が昇格した場合であり、消極的要件(人規九―八・三八条)として、職員が、(ア) 条件付採用期間中の職員、(イ) 休職中や専従許可期間中の職員、(ウ) 懲戒処分を受け、当該処分の日から一年を経過していない職員、(エ) 勤務しない日が一定数を越える職員、の一つに該当するときは特昇は許されない。
三  各原告の地位、号俸の推移
各原告の本件係争期間中における昇任、昇格、昇給の推移は、別紙「昇給、昇任、昇格及び非違行為一覧表」(以下、「原告別非違行為等一覧表」という。)の「勤務記録」欄記載のとおりである。
四  各原告の処分歴
東京税関においては、国公法八二条以下が規定する懲戒処分とは別に、税関長が職務上の上司の部下職員に対する指導監督のための具体的措置として訓告、文書による厳重注意、口頭による厳重注意を行なっている。
東京税関長が、本件係争期間中に各原告に対し行なった懲戒処分、前記訓告、文書による厳重注意は、原告別非違行為等一覧表の「処分等」欄記載のとおりである。
第三  争点
一  本件係争期間中、各原告とそれ以外の同期同資格入関者との間に給与格差があったか。
二  職員間に給与格差を生じさせる差別は違法であるか。
三  東京税関長は、各原告が全税関の組合員であることを理由に各原告に対して争点一の給与格差の全部又は一部を生じさせたか。
1 差別意思の有無(東京税関会議議事録、大蔵省関税局会議資料によって差別意思の存在が認められるか。大蔵省関税局ないし東京税関長によって原告ら主張の全税関ないし原告組合又は原告組合員に対する種々の差別政策が実行されたか。)
2 格差と差別意思との間の因果関係の有無(各原告に格差の発生に影響を及ぼす非違行為等があったか。)
四  被告の差別的取扱いによって損害が生じたか。
五  原告らの損害賠償請求権は時効により消滅したか。
第三章  争点に対する当事者の主張
第一  (争点一)本件係争期間中、各原告とそれ以外の同期同資格入関者との間に給与格差があったか。
(原告らの主張) 〈省略〉
(被告の主張)  〈省略〉
第二  (争点二)職員間に給与格差を生じさせる差別は違法であるか。
(原告らの主張) 〈省略〉
(被告の主張)  〈省略〉
第三  (争点三)東京税関長は、各原告が全税関の組合員であることを理由に各原告に対して争点一の給与格差の全部又は一部を生じさせたか。
(原告らの主張) 〈省略〉
(被告の主張)  〈省略〉
第四  (争点四)被告の差別的取扱いによって原告らにいかなる損害が発生したか。
(原告の主張)  〈省略〉
(被告の主張)  〈省略〉
第五  (争点五)原告らの損害賠償請求権は時効により消滅したか。
(被告の主張)  〈省略〉
(原告らの主張) 〈省略〉
第四章  争点に対する判断
第一  争点一(格差)について
一  格差の認定資料
原告⑦は、昭和二四年度から同三九年度までの入関者について、各原告と同期同資格の入関者の名簿に基づいて、原告組合員と第二組合員との比較という観点から、各人ごとに同四〇年一月より同四九年六月までの昇任、昇給、定昇及び特昇の推移を、入関年月日、入関時の資格とともに調査した結果に基づき、同五五年五月九日付けで「入関年度別昇任・昇格・特昇実態表」と題する一覧表にまとめたことが認められる(甲二五二の一ないし二〇、原告⑦)。右一覧表によれば、各原告と同期同資格入関者として比較された職員の中には、入関時期に一年近い隔たりがあるものが少なからず存すること、また、初任給について統一的な把握がされているわけではないことを認めることができるので、必ずしも正確な意味で同期同資格入関者とはいえないが、この点を念頭に置いて、甲二四八の一ないし九、二四九の一ないし九、二五〇の一ないし九に照らしつつ、また、本件係争期間中に中途退職又は転出したため比較対象するに相応しくない職員を除くと、同期同資格入関者に関する本件係争期間中の昇任、昇格及び昇給の一般的状況を把握する資料として、「昇任等実態表」を得ることができ、これをもって原告組合員と非原告組合員との間で集団的、全体的にみた場合の本件における格差の存否の事実認定の用に供することができる。ただし、原告らに関する昇任・昇格・特昇の内容は、原告別非違行為等一覧表記載の勤務記録のとおりであるから、その記載のとおり読み替えることとし、また、二八年度入関者の昇任等実態表中のAにつき四六年七月の号俸を五―九と改め、同表中のBにつき四八年七月の号俸欄を削除し、三七年度入関者の昇任等実態表中のC、Dにつき資格を選考と改め、同表中のEにつき資格の「三七中級」を削除し、同表中のFにつき資格欄に「中級」を加入する。各昇任等実態表中の号俸等欄の◎は特昇を、○は昇格を示す。
二  同期同資格入関者の昇任、昇格及び昇給の状況
昇任等実態表から明らかな同期同資格入関者の本件係争期間中の昇任、昇格及び昇給に関する各入関年次ごとの状況は、次のとおりである。
1 昭和二四年度入関者(一六名、うち原告組合員は一名〈原告一名〉)
(一) 同期同資格入関者のうち、昭和四四年七月までに原告①を除く全員が五等級に昇格したが、同原告は同四八年七月に五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち、昭和四二年七月までに同原告を除く全員が初級管理者に昇任したが、同原告は同四七年三月に昇任した。
(三) 同原告は、本訴提起直後の昭和四九年七月に入関後はじめて特昇を受け、最終号俸は五等級一二号俸であったが、同期同資格入関者は同四八年一月までに少なくとも一回以上の特昇を受けており、同原告を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は五等級一四号俸であった。
2 昭和二五年度旧専・五級職入関者(一二名、うち原告組合員一名〈原告一名〉)
(一) 同期同資格入関者のうち原告⑤及び第二組合員Gを除く全員が、昭和四一年七月までに五等級に、同四八年七月までに四等級にそれぞれ昇格したが、Gが同四七年七月に五等級に昇格し、同原告はこれにさらに遅れて同四八年七月に五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち同原告を除く全員が昭和四〇年四月までに初級管理者に昇任したが、同原告は同四七年七月に昇任した。
(三) 同原告及びGは、本件係争期間中、特昇を一度も受けることがなかったが、その間にその余の同期同資格入関者は過半数以上が二回以上の特昇を受けていた。同原告の最終号俸は五等級一二号俸であったが、同原告を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は五等級一三号俸であった。
3 昭和二五年度高卒入関者(二〇名、うち原告組合員三名〈原告三名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は全員が六等級で、五号俸から七号俸であったが、原告②、同③、同④及び女子職員を除く全員が同四五年七月までに五等級に昇格し、本件係争期間中に同期同資格入関者の全体の六割が四等級に昇格した。原告③は同四七年七月に、その余の原告二名は同四九年一月にそれぞれ五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告ら三名を除く全員が昭和四三年四月までに初級管理者に昇任したが、原告③は同四五年六月に、その余の原告二名は同四八年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、四名が一回、二名が二回以上の特昇を受けていたが、原告③は本訴提起後の昭和四九年七月にはじめて特昇を受け、その余の原告二名はこの間に特昇を受けたことがなかった。特昇を受けていないのは、原告ら以外には、第二組合の女子一名がいるだけであった。最終号俸は、原告③、同④が五等級一二号俸、同②が同級一一号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は女子一名を除くと五等級一三号俸であった。
4 昭和二六年度旧専・五級職入関者(三〇名、うち原告組合員五名〈原告五名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は五等級と六等級が約半数ずつであったが、原告⑥、同⑦、同⑩、同⑪、同⑬及び非原告組合員H(昭和三二年退職し、同三七年再採用)を除く全員が同四二年七月までに五等級に昇格し、Hも同四四年七月に五等級に昇格し、本件係争期間中に同期同資格入関者のうち第二組合員一名を除く全員が四等級に昇格した。原告⑬は同年四八年一月に、同⑥は同四九年一月に、その余の原告は同四八年七月にそれぞれ五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告ら二名を除く全員が昭和四二年七月までに初級管理者に昇任していたが、原告⑬は同四六年六月に、同⑦、同⑩、同⑪は同四七年三月ないし七月に、同⑥は同四八年一〇月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、ほとんど全員が特昇を受け、そのうち一六名が二回以上、八名が一回の特昇を受けていたが、原告五名及び第二組合員一名はこの間に特昇を受けたことがなかった。原告⑩、同⑬が本訴提起直後の同四九年七月にはじめて特昇を受けた。最終号俸は、原告⑥が五等級一一号俸、同⑦及び⑪が同級一三号俸、同⑬及び⑩が同級一二号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は五等級一五号俸であった。
5 昭和二六年度高卒入関者(四〇名、うち原告組合員三名〈原告三名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は原告⑧、同⑨を含めてほとんど全員が六等級五号俸又は六号俸であり、ごく少数の職員が七等級であったが、右原告二名及び女子職員五名を除く全員が同四五年七月までに五等級に昇格した。右女子職員のうち二名は同四八年七月に五等級に昇格したが、その余の女子職員三名及び原告⑧は、本件係争期間中には五等級に昇格しなかった。原告⑨は本訴提起直前の同四九年一月に五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち原告⑨を除く男子全員が昭和四三年六月までに初級管理者に昇任したが、原告⑨は同四八年七月に昇任した。女子職員については、同四六年七月までに三名が初級管理者に昇任したが、一名は本訴提起直後の同四九年七月に昇任し、残り一名は昇任しなかった。原告⑧は本訴提起直後の同四九年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 原告⑫については、構内電話交換手の認定を受けて電話交換業務に従事していたところ、本件係争期間中、電話交換手としては四名在職していたものの、同原告と同じ行政職俸給表(二)の適用を受ける同期同資格の非原告組合員は存在しなかったが、同表(二)該当技能職場である自動車運転手のうちの同期同資格入関者四名の半数以上が到達した給与は、同原告の別表「損害計算表」中、「3 標準昇給昇格及び原告との対比表」の「標準」欄記載のとおりであった(甲一〇一二)。
(四) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、女子職員のうちの二名を除き、一九名が二回以上、そのほか全員が一回特昇を受けていたが、右原告⑧、同⑨の二名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、右原告二名とも六等級一四号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は、男子の場合は五等級一三号俸であり、女子の場合は六等級一二号俸が一名であった。原告⑧に昇任、最終号俸で遅れている女子職員一名は、昭和四〇年二月当時七等級六号俸であって、既に同原告よりも下位に位置付けられていた。
6 昭和二八年度高卒入関者(五七名、うち原告組合員六名〈原告五名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は原告⑱を除く全員が七等級七号俸又は八号俸であった(同原告は七等級六号俸)が、原告組合員六名を含む全員が同四一年一〇月までに六等級に昇格した。原告⑲は、その中で二番目に早く昇格した。ところが、原告組合員六名及び女子を除く全員は同四七年七月までに五等級に昇格したが、原告⑭は同四八年七月に、原告⑯は同四九年四月に、その余の原告は同年七月にそれぞれ五等級に昇格した。
(二) 期同資格入関者のうち右原告組合員六名を除く全員(女子一名を除く)が昭和四六年六月までに初級管理者に昇任したが、原告⑭は同四七年七月に、その余の原告五名は同四八年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中に全員特昇を受けており、一四名が一回、その余が二回以上特昇を受けていたが、原告六名はこの間に特昇を受けたことがなく、原告⑭が本訴提起後の昭和四九年七月にはじめて特昇を受けた。最終号俸は、原告⑭及び同⑯が五等級一〇号俸、同⑰及び同⑲が六等級一四号俸、同⑮が同級一三号俸、同⑱が同級一二号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は女子一名を除くと五等級一一号俸であった。
7 昭和二九年度旧専、五級職入関者(七名、うち原告組合員四名〈原告四名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は原告組合員より入関が半年遅い第二組合員一名(七等級八号俸)を除き全員が六等級五号俸ないし七号俸であったが、原告四名を除く全員が同四四年七月までに五等級に昇格した。しかし、原告 、同 、同 が五等級に昇格したのは同四八年七月であり、原告 は、本件係争期間中は昇格せず、本訴提起直後の同四九年七月にはじめて五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告四名を除く全員が昭和四二年七月までに初級管理者に昇任したが、原告 は同四八年七月に、その余の原告三名は同四七年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、全員が一、二回特昇を受けていたが、原告四名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 及び同 が五等級一二号俸、同 が同級一一号俸、同 が六等級一四号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は五等級一二号俸であった。
8 昭和二九年度高卒入関者(二七名、うち原告組合員三名〈原告三名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者はほぼ全員が七等級五号俸又は六号俸(原告組合員より入関が半年遅い第二組合員一名が七等級四号俸)であり、右第二組合員一名を除き原告組合員三名を含めて全員が同四二年一〇月までに六等級に昇格した。ところが、原告組合員三名を除く男子全員は同四八年七月までに五等級に昇格したが、原告 は本訴提起直後の同四九年七月に五等級に昇格したにすぎなかった。原告⑳、同 は第二組合の女子職員三名と同様に本件係争期間中には五等級に昇格しなかった。
(二) 同期同資格入関者のうち原告組合員三名を除く男子全員が昭和四五年七月までに初級管理者に昇任したが、原告 は同四八年七月に昇任した。その余の原告二名は、第二組合の他の女子職員二名と同様に本件係争期間中には初級管理者に昇任しなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、第二組合の女子職員二名を除き全員が特昇を受けており、そのうち一七名が二回以上特昇を受けていたが、原告三名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 が六等級一三号俸、その余の原告二名が同級一一号俸であり、右原告三名を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は、男子の場合は五等級九号俸であり、女子の場合は六等級一〇号俸であった(女子職員三名のうち中間位にある者は同級一一号俸であった)。
9 昭和三〇年度高卒入関者(二九名、うち原告組合員六名〈原告六名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は第二組合員一名(七等級二号俸)を除き全員が七等級四号俸ないし六号俸であったが、原告組合員六名及び第二組合の女子職員四名を除く全員が同四七年七月までに五等級に昇格した。しかし、原告組合員六名は右女子職員とともに本件係争期間中に五等級に昇格せず、本訴提起直後の同四九年七月にはじめて原告 、同 を除く原告組合員四名がそれぞれ五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告組合員六名を除く男子全員が昭和四五年六月までに初級管理者に昇任したが、原告組合員六名は第二組合の前記女子職員とともに本件係争期間中に昇任しなかった。原告 、 を除く原告組合員四名は、本訴提起直後の同四九年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、第二組合の女子職員一名を除く全員が特昇を受けており、一六名が二回以上特昇を受けていたが、原告六名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 、同 、同 、同 が六等級一〇号俸、原告 、同 が同級一一号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は、男子の場合は同級一一号俸であり、女子の場合は同級八号俸であった(女子職員三名のうち中間位にある者は同級一一号俸であった)。
10 昭和三二年度大卒入関者(四名、うち原告組合員一名〈原告一名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は全員が七等級六号俸であったが、原告 を除く全員が同四五年七月までに五等級に昇格した。しかし、原告 は同四九年一月に至って五等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告を除く全員が昭和四三年一〇月までに初級管理者に昇任したが、右原告は同四八年七月に初級管理者に昇任した。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、全員が既に二回特昇を受けていたが、右原告は特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、右原告が五等級九号俸であり、同原告を除く他の同期同資格入関者は同級一二号俸であった。
11 昭和三二年度高卒入関者(七名、うち原告組合員二名〈原告一名〉)
(一) 原告組合員Iは、入関資格を異にするので、資格対象から除外すべきであるところ、昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は全員が七等級三号俸又は四号俸であったが、原告 を除く全員が同四四年一月までに六等級に、同四八年七月までに五等級にそれぞれ昇格した。しかし、原告 は同四四年一〇月に六等級に昇格したが、本件係争期間中には五等級に昇格しなかった。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告を除く全員が昭和四六年六月までに初級管理者に昇任したが、右原告が初級管理者に昇任したのは本訴提起直後の同四九年七月であった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、ほとんどが二回以上特昇を受けたが、右原告は特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、右原告が六等級九号俸であり、同原告を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は五等級八号俸であった。なお、原告組合員Iの最終号俸は、六等級一二号俸であったが、比較すべき同資格入関者が見当たらない。
12 昭和三三年度高卒入関者(一一名、うち原告組合員四名〈原告三名〉)
(一) 原告 は、第二組合員の女子職員一名とともに他の職員と入関資格を異にするので、比較対象から除外されるべきであるところ、昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は全員が七等級二号俸又は三号俸であったが、原告 、元原告Jを除く全員が同四五年七月までに六等級に昇格した(原告 は右同月に同級に昇格した)。しかし、元原告Jは同四五年一〇月に、原告 は同四六年一月に、それぞれ六等級に昇格した。また、右原告組合員四名を除く全員が同四九年一月までに五等級に昇格したが、右原告組合員四名は本件係争期間中には五等級に昇格しなかった。なお、原告 は同四六年一〇月に六等級に昇格したが、同資格の第二組合員の女子職員一名との間には、本件係争期間中、特昇がない点は同じであるが、昇格に二年三か月の遅れがあり、常に一、二号俸の格差があった。
(二) 同期同資格入関者のうち原告組合員三名(原告 以外)を除く全員が同四七年三月までに初級管理者に昇任したが、右原告三名は本件係争期間中には初級管理者に昇任しなかった(原告 は本訴提起直後の同四九年七月に初級管理者に昇任した)。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、全員が特昇を受け、しかもそのほとんどが二回以上受けていたが、右原告組合員三名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 が六等級七号俸、その余の原告が同級八号俸であり、右原告四名を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は男子の場合は五等級六号俸であり、女子職員の場合は六等級九号俸であった。
13 昭和三四年度高卒入関者(二〇名、うち原告組合員五名〈原告二名〉)
(一) Kは、原告として本訴を提起した後に原告組合を脱退し、本件訴えを取り下げたが、本件係争期間中は原告組合員であった。またLは、元原告組合員であったが、昭和四五年に原告組合を脱退した。
昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は原告組合員Mを除く全員が七等級一号俸ないし三号俸であり、半年近く遅れて入関した右Mは八等級六号俸であったが、Kを含む原告組合員五名を除く全員が同四六年一〇月までに六等級に昇格した。原告組合員五名については、Kが同四六年七月に、原告 が同年一〇月に、元原告組合員Nが同四七年一月に、原告 が同年四月に、原告組合員Mが同四八年四月にそれぞれ六等級に昇格した。また、右原告組合員を除く同期同資格入関者のうち、五名が本件係争期間中に五等級に昇格したが、右原告組合員五名はこの間には全員五等級に昇格しなかった。
(二) 同期同資格入関者のうち右原告組合員五名及びLを除く男子全員が昭和四八年七月までに初級管理者に昇任したが、元原告組合員NはK及びLとともに本訴提起直後の同四九年七月に初級管理者に昇任したが、その余の原告組合員三名は本件係争期間中には初級管理者に昇任しなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、右原告組合員三名及びLは特昇を受けたことがなかったが、その余の全員が特昇を受けていた。最終号俸は、原告組合員Mが六等級五号俸、原告 が同級六号俸、元原告組合員N及び原告 が同級七号俸、Kが同級八号俸であり、右原告組合員を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者はL(同級七号俸)を除くと同級八号俸であった。
14 昭和三五年度高卒入関者(一六名、うち原告組合員八名〈原告八名〉)
(一) 原告 は昭和三六年に中級職に合格したので、同期同資格入関者と資格を異にすることになったが、同原告と同一経歴を持つ同期同資格入関者にO(同年中級職合格)がいるところ、同四〇年二月当時、同期同資格入関者は、原告 (八等級七号俸)及び同 (七等級三号俸)を除き全員が八等級六号俸であった。原告 (同四五年一月に六等級に昇格)を除く全員が同四七年七月までに六等級に昇格したが、同 は同年四月に、同 、同 及び同 は同年一〇月に、同 及び同 は同四八年一月に、同 は同年四月にそれぞれ六等級に昇格した。また、Oは同年七月に五等級に昇格したが、原告 は本件係争期間中に五等級に昇格しなかった。
(二) 同期同資格入関者(Oを含む)のうち右原告八名を除く半数が昭和四八年七月までに、残り半数が本訴提起直後の同四九年七月までに初級管理者に昇任したが、原告八名はいずれも本件係争期間中に初級管理者に昇任せず、原告 が右同月に昇任した。
(三) 同期同資格入関者(Oを含む)は、本件係争期間中、原告八名を除く全員が特昇を受け、そのうち過半数が二回以上特昇を受けたが、原告八名はいずれもこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 が六等級九号俸、同 が同級七号俸、その余の原告六名が同級六号俸であり、同原告らを除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は六等級七号俸であった。原告 と同資格であるが、入関は一年近く遅いOは、五等級七号俸であった。また、同原告と同期同資格入関者で昭和三八年に中級職に合格したPは、同四七年七月に初級管理者に昇任し、最終号俸は同原告と同じであるが、同四九年七月に五等級に昇格し、本件係争期間中に四回特昇を受けた(甲二五三の一六)。なお、原告 については、比較対象すべき女子職員が同期にはいなかったが、前年に同資格で入関した女子職員二名は六等級八号俸であった。
15 昭和三六年度高卒入関者(三二名、うち原告組合員一一名〈原告一〇名〉)
(一) 昭和四〇年二月当時、同期同資格入関者は、全員が八等級六号俸であったが、原告組合員一一名及び第二組合員三名(Q、R、S)を除く全員が同四七年一〇月までに六等級に昇格した。右第二組合員三名及び原告 、同 )、同 、同 、同 及び同 は同四八年四月に、原告 及び同 は同年七月に、原告組合員Tは同年一〇月に、原告 は同四九年一月にそれぞれ六等級に昇格した。
(二) 同期同資格入関者のうち第二組合員八名が本訴提起直後の同四九年七月までに初級管理者に昇任したが、原告組合員一一名は右同月までに初級管理者に昇任しなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、原告組合員一一名を除く全員が特昇を受け、そのうち半数が二回以上受けているが、原告組合員はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告( が六等級四号俸であり、その余の原告組合員が同級五号俸であり、原告組合員を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は六等級六号俸であった。原告 については、同期同資格入関の女子職員と比較して昭和四四年一月の時点で既に一号俸低位にあった。なお、原告 は、その余の同期同資格入関者らと入関資格を異にし、最終号俸は七等級七号俸であったが、同資格入関者(女子)の最終号俸は六等級五号俸であった。
16 昭和三七年度高卒入関者(三六名、うち原告組合員九名〈原告八名〉)
(一) 昭和四三年四月当時、同期同資格入関者は全員が七等級一号俸であった。もっとも、当時、元原告C、元原告組合員D及び原告 はいずれも八等級六号俸であり、非原告組合員U、同V、同F及び原告 (入関後に中級試験に合格した)は七等級二号俸であったが、いずれも資格を異にするので、比較の対象から除外すべきである。原告組合員を除く全員が同四八年一〇月までに六等級五号俸以上に格付けされており、原告 が同四八年七月に、同 、同 、同 及び原告組合員Eが同四九年四月にそれぞれ六等級に昇格したが、その余の原告組合員は全員が本件係争期間中には六等級に昇格しなかった。
(二) 同期同資格入関者は、本件係争期間中には初級管理者に昇任した者はいなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、全員が少なくとも一回特昇を受けたが、原告組合員は、原告 が昭和四八年七月に特昇を受けた以外、この間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 が六等級六号俸、同 及び同 が七等級七号俸、同 が同級五号俸、その余の原告組合員が六等級四号俸であり、原告組合員を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は六等級五号俸であった。なお、原告 と同資格入関者の最終号俸はいずれも六等級七号俸であった。また、原告 については、同資格入関者のうちで最も最終号俸の低い者は七等級六号俸であったが、比較対象すべき女子職員が同期にはいなかった。
17 昭和三八年度高卒入関者(五七名、うち原告組合員二一名〈原告一九名〉)
(一) 昭和四三年四月当時、同期同資格入関者については、元原告組合員Wを除く原告組合員二〇名を含む全員が八等級六号俸であった。元原告組合員Wは、当時七等級一号俸であったが、初任給が八等級三号俸で入関資格を異にしていた。
同期同資格入関者のうち、原告組合員(元原告組合員Wを除く)及び第二組合員七名を除く全員が同四九年一月までに六等級に格付けされていたが、右第二組合員七名及び原告組合員は、本件係争期間中に六等級に昇格しなかった。もっとも、そのうち原告 、同 、同 及び第二組合員三名は、入関時期が六か月以上遅れていた。
(二) 同期同資格入関者中には、本件係争期間中には初級管理者に昇任した者はいなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、ほとんど少なくとも一回は特昇を受けていたが、元原告組合員Wを除く原告組合員全員及び第二組合員六名はこの間に特昇を受けたことがなかった。最終号俸は、原告 が七等級五号俸であり、その余の原告らが同級六号俸であり、原告組合員を除き最も最終号俸の低い同期同資格入関者は七等級六号俸が三、四名いる程度であった。なお、原告 、同 、同 については、比較対象すべき女子職員が同期にはいなかった。
18 昭和三九年度高卒入関者(五七名、うち原告組合員一八名〈原告一六名〉)
(一) 昭和四四年七月当時、同期同資格入関者はほぼ全員が七等級一号俸(原告 、非原告組合員三名は八等級七号俸)であった。しかし本件係争期間中の最終号俸は、第二組合員については、一二名が七等級五号俸で、その余の二七名が同級六号俸以上であるが、原告組合員については、一四名が七等級五号俸で、その余の四名が同級六号俸であった。
(二) 同期同資格入関者は、本件係争期間中には初級管理者に昇任したものはいなかった。
(三) 同期同資格入関者は、本件係争期間中、第二組合員についてはその四分の三の二八名が特昇を受けたが、原告組合員についてはその六分の一が特昇を受けたにすぎなかった。
三  格差の存在
1 右認定した事実を昇任等実態表に照らして各原告について本件係争期間中の格差を具体的にみると、以下のとおりである。なお、昇任等実態表及び弁論の全趣旨によれば、原告らの主張する標準対象者の等級・号俸は、これに対応する各原告と同期同資格入関者のうち原告組合員及び女子を除いた職員中の概ね半数以上が到達したものであることが認められる。
(一) 原告①は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、常に昇任・昇格・昇給に関して低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較してほぼ恒常的に一号俸ないし三号俸程度低く査定され、最終的には二号俸低位に置かれていた。
(二) 原告⑤は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇給に関しては常にほぼ同等の査定を受け、昇任・昇格に関して低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して常に一号俸以上低く査定され、最終的には四号俸程度低位に置かれていた。
(三) 原告②、同③、同④は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇給に関して当初はほとんど格差がなかったものの次第に昇任・昇格・昇給に関して低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較してほぼ恒常的に一号俸ないし三号俸程度低く査定され、最終的には原告②は二号俸、その余の原告は三号俸それぞれ低位に置かれた。
(四) 原告⑥、同⑦、同⑩、同⑪、同⑬は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇給に関して当初は一、二号俸の格差にすぎなかったものの次第に昇格・昇給に関して低位の格付けを受け、原告らの主張の標準号俸と比較して、常に二号俸ないし四号俸程度低位に置かれていた。ただし、原告⑥については、当初から昇給が一号俸遅れていたうえ、損害額計算表を提出しないから、右格差はその分だけ少ないものとなる。
(五) 原告⑧は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い女子職員と比較して、当初は号俸が上位であったが昭和四六年七月からは昇給が遅れ、さらにその後昇任も遅れ、過半数の女子職員と比較して同四四年以降一号俸以上下位に査定され、原告ら主張の標準号俸と比較して、常に一号俸以上低く査定され、最終的には三号俸低位に置かれていた。原告⑨は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇任・昇格・昇給に関して常に低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には二号俸低位に置かれていた。原告⑫は、原告ら主張の標準号俸と比較して、同四二年一〇月ころから常に一号俸以上低く査定され、最終的には二号俸程度低位に置かれたが、同期同資格入関者の女子職員間においてどの程度の格差が存したかは明らかでない。
(六) 原告⑭、同⑮、同⑯、同⑰、同⑱、同⑲は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、当初の一年間位は一部が昇給に関して上位にあったがその後は全員が昇任・昇格・昇給について常に低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告⑰は昭和四五年一月から、同⑲は同四四年七月から、その余の原告は当初から、いずれも恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には三号俸ないし四号俸程度低位に置かれた。
(七) 原告 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇任・昇格・昇給に関して常に低位の格付けを受け、また、原告 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、当初は昇給に関して上位にあったが昇任・昇格については低く格付けされ、最終的にはほぼ同じ号俸であった。右原告らは、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は当初から、その余の原告は昭和四二年七月から、いずれも恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には三、四号俸程度低位に置かれた。
(八) 原告⑳、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い女子職員と比較して常に上位に査定され、女子職員中の中間位にある者と昇格・昇給について同等の査定を受けているが、原告ら主張の標準号俸と比較して、常に二号俸以上低く査定され、最終的には四号俸程度低位に置かれていた。原告 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、当初は号俸が上位であったが最終的には昇任・昇格・昇給ともに遅れ、原告ら主張の標準号俸と比較して、昭和四四年七月から恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には四号俸程度低位に置かれた。
(九) 原告 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い女子職員と比較して、当初は二号俸上位にあった差異がそのまま推移して最終的にも二号俸上位にあったにすぎず、女子職員中の中間位にある者の号俸と比べると最終的に一号俸程度低位に査定されていて、原告ら主張の標準号俸と比較して、常に二号俸以上低く査定され、最終的には四号俸程度低位に置かれていた。原告 、同 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昇任・昇格・昇給に関してほぼ同等(原告 、同 )又はそれ以下(その余の原告)の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、ほぼ恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には四号俸程度低位に置かれた。
(一〇) 原告 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、常に昇任・昇格・昇給に関して低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には四号俸低位に置かれていた。
(一一) 原告 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、常に昇任・昇格・昇給に関して低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には三号俸程度低位に置かれていた。
(一二) 原告 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、当初は昇給について上位にあったものの昭和四五年後半から昇給について低位に査定され、その後昇任・昇給についても低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は同四四年一〇月から、同 は同四三年一〇月から、いずれも常に一号俸以上低く査定され、最終的には三号俸程度低位に置かれた。原告 は、同期同資格入関者と比較して常に一、二号俸程度低く査定され、原告ら主張の標準号俸と比較して、同四四年七月から恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には三号俸低位に置かれた。
(一三) 原告 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昭和四六年後半から昇給・昇格について低位に格付けされ、その後は昇任についても低位に置かれ、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は昭和四四年一〇月から、同 は同年七月から、いずれも一号俸低く査定されることが多くなり、本件係争期間中の最終時点では、原告 に号俸上の格差はなかったが、同 は二号俸低位に置かれた。
(一四) 原告 は、同じころに中級職に合格した同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、最終的には号俸が同じであったが、昇任が二年遅れた。原告 、同 、同 、同 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昭和四八年後半から昇給・昇格について低位に格付けされた。右原告らは、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は昭和四五年七月から、同 、同 、同 は同四四年一月から、同 は同四三年一〇月から、同 は同年七月から、同 は同四五年一月から、いずれもほぼ恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的にはいずれも二号俸低位に置かれた。原告 は、原告ら主張の標準号俸と比較して、昭和四二年一〇月からほぼ恒常的に一号俸以上低く査定され、最終的には二号俸低位に置かれたが、前年に同資格で入関した女子職員と比較して、一年間程度昇給が遅れていた。
(一五) 原告 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昭和四七年後半から昇給・昇格について低位の格付けを受け、原告 は、同四四年以降同期同資格入関の女子職員よりも昇給について低位であったところ、原告らの主張の標準号俸と比較して、原告 は同四五年一〇月から、その余の原告は同年七月から、いずれも常に一号俸以上低く査定され、最終的にはいずれも二号俸低位に置かれた。原告 は、同期同資格入関の女子職員と比較して、同四七年後半から昇給・昇格について低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、同四五年七月から常に一号俸以上低く査定され、最終的には二号俸低位に置かれた。
(一六) 原告 、同 、同 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、昭和四八年後半から昇給・昇格について低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 、同 は同四二年七月から、原告 、同 、同 は同四五年七月から、いずれもほぼ恒常的に一号俸低く査定された。原告 は、途中で中級職に合格した同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、同四五年後半から昇給・昇格について低位の格付けを受け、原告ら主張の標準号俸と比較して、同年七月から常に一号俸低く査定された。原告 は、初任給を同じくする同期同資格入関者と比較して、昭和四四年後半から昇給について低く査定され、原告ら主張の標準号俸と比較して、同年四月からほぼ恒常的に一号俸低位に置かれたが、女子職員間における格差は明らかでない。
(一七) 原告 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 、同 は、同期同資格入関者の最も最終号俸の低い職員と比較して、同等の査定を受けたが、このような査定は非原告組合員においてはその約一割にすぎず、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は昭和四六年七月から、原告 は同四五年一〇月から、原告 は同四四年四月から、原告 、同 、同 は同四六年一月から、その余の原告は同四五年七月から、いずれも一号俸低位に置かれたが、原告 、同 、同 につき女子職員間における格差は明らかでない。
(一八) その余の原告(原告番号八九番から同一〇四番)は、原告 と昭和四一年に中級号俸の決定を受けた同 を除き、同期同資格入関者のうち号俸の低い職員と同等の査定を受けたが、その査定は非原告組合員についてはその約三割にすぎず、原告ら主張の標準号俸と比較して、原告 は同四七年一〇月から、原告 は同四五年七月から、原告 は同四八年一月から、その余の原告は同四七年七月から、いずれも常に一号俸低位に置かれた。
2 右の事実を原告組合員と非原告組合員との総体の比較においてみれば、原告組合員の本件係争期間中の昇任、昇格及び昇給は、男子の場合についてみると、いずれも原告組合員がそれ以外の職員のうち最も昇任、昇格及び昇給が遅れている者と同じ査定を受けていたか、又は、それ以下に格付けされていたか、あるいは下位約三割の者と同じ低位に置かれていた状況にあったものということができる。これを女子に限ってみると、女子職員を除いた同期同資格入関者と比較して昇任、昇格及び昇給のすべてに格差があるが、女子職員間で比較してみると、昇任、昇格及び昇給が遅れていたか、又は、平均以下に格付けされていた状況にあったものということができる者が約半数あり、同期同資格者との比較対象資料ないしこれに代わる資料にも欠け、その格差の存在を認めることはできない者、原告ら主張の標準号俸と比較して格差が生じていたといえるが、同期同資格入関の女子職員と比較して特に下位に格付けされていたものとはいえない者、原告ら主張の標準号俸と比較して格差が生じていたといえるが、比較対象すべき同期同資格入関の女子職員に欠けるため、その女子間の格差の存在は明らかとならない者、また、同期同資格入関者との比較対象資料に欠けるが、同じ俸給表の適用を受ける同期同資格入関者と比較して昇格及び昇給において劣位の査定を受け、昇任、昇格及び昇給に格差が生じていたものということができるものの、比較対象すべき同期同資格入関の女子職員に欠けるため、その女子間の格差の存在は明らかとならない者等をあわせて約半数あったものということができる。
そうすると、各原告と原告組合に所属しない同期同資格入関者との間には、原告ら主張の標準号俸と比較して前記資料の正確性を考慮においても、昇任、昇格及び昇給について格差があることが明らかであるというべきところ、その格差は、前記1に示したとおり、入関年次の古い者ほど大きく、また、女子間より男子間の方が大きいものということができる。
そして、本件係争期間に直近の昭和三八年度及び同三九年度各高卒入関者を除く各原告に限ってみれば、原告組合に所属しない同期同資格入関者のうち、最も昇任、昇格及び昇給が遅れている者と比較して、男子の場合はそれよりも低い査定を受け、女子の場合はそれとほぼ同じ査定を受けていたか、又は、それ以下に格付けされていたものということができ、集団的、全体的にみて、原告組合員と非原告組合員との間に有意の格差があったものということができる。
第二  争点二(違法性)について
一 昇任、昇格及び昇給の査定基準
1 昇任、昇格及び昇給制度の趣旨、内容については、第二章の第二(争いのない事実等)の二(昇任、昇格、昇給の法的仕組み)に判示したとおりである。
右事実によれば、国家公務員の任用及び給与制度の趣旨、内容からすると、昇任、昇格及び昇給については、次のとおり、職員各自の能力、適性、勤務実績等を総合的に勘案して、合目的的に決定すべき性質のものであるから、任命権者たる東京税関長の裁量に任されているものと解すべきである。
(一) 昇任は、昇任すべき上位の官職の欠員の有無、当該職員の知識・能力・適性、過去の勤務実績等を総合して、昇任に適する対象者を選定するものである。
(二) 昇格は、昇格すべき上位の等級の欠員の有無、当該職員の知識・能力・適性、過去の勤務実績等を総合して、職務の内容がより複雑、困難で、責任の程度のより大きい上位の等級に昇格させるのが適当である対象者を選定するものである。
(三) 定昇は、定数枠の制約はないものの、一二か月を下らない期間を勤務した職員のうち、この期間を良好な成績で勤務したものを必ず昇給させなければならないものではなく、昇給させることが相当であると判断された者を対象とする。
(四) 特昇は、所定の定数の枠内で、当該職員の知識・能力・適性・性格、過去の勤務実績等を総合して、勤務成績が特に優秀である者の中から、昇給させることが相当であると判断された者を対象とする。
2 この点に関し原告らは、東京税関においては、昇任、昇格及び昇給について、組合分裂前は、画一的な成績主義ではなく、年功序列的な運用がされてきた実態にあった旨を主張する。
(一) 証拠(甲二二七の一ないし一〇、甲二四八の一ないし九、甲二四九、甲二五〇の一ないし九、甲二五二の一ないし二〇、甲二五四、原告⑦)によれば、次の事実が認められる。
(1) 本件係争期間中、高校卒入関者の場合、年度による若干の差異はあるものの、初級管理者については、六等級六号俸ないし八号俸、在職年数一三年ないし一五年、六等級在級年数一、二年で順番に昇任していることが多く、また、昇格については、六等級九号俸ないし一一号俸、在職年数一四年ないし一六年、六等級在級年数四年ないし六年で五等級に順番に昇格していたことが多いが、原告組合員については、六等級一三号俸ないし一五号俸、在職年数二〇年前後、六等級在級年数七、八年で順番に昇任していた者が多く、また、六等級一二号俸ないし一六号俸、在職年数一八年ないし二〇年、六等級在級年数八年ないし一二年で五等級に順番に昇格していたことが多かった。これを昭和四〇年四月時点でみると、その当時の初級管理者は同三八年から同四〇年にかけて昇任した者がほとんどであり、右とほぼ同じ取扱いによって昇任、昇格していた。
(2) 定昇については、従来から、ほとんどが一年に一回の割合で定期的に行われていた。特昇については、組合分裂前は、任用から概ね七年を経過した段階からほぼ七年間隔で、順送りに行われていたが、本件係争期間中は、第二組合員についてはほぼ輪番制で七、八年に一回の割合で行われていた一方、原告組合員については第二組合員より数年遅れて同じくほぼ輪番制で行われていた。
(3) もっとも、同期同資格入関者であっても、昇任、昇格及び特昇については、男女間の格差があり、また、原告組合員及び第二組合員のいずれにおいても、初級管理者への昇任時期、五等級への昇格時期、特昇時期について、少なからずばらつきがあった。
(二) 右事実と昇任等実態表を照らし合せると、同期同資格入関者の昇任、昇格及び特昇については、必ずしも常に経験年数によってのみ一律に実施されてきたということはできないが、高位昇任・等級は別として、組合分裂前では男女同性間においてほぼ均一に処遇する年功序列的運用がなされ、また、本件係争期間中では、男女同性間という枠内で、原告組合員及び第二組合員のそれぞれの間において、ほぼ均一に処遇する年功序列的運用がなされていたことが窺われる。
(三) しかしながら、国家公務員の昇任、昇格及び昇給については、前記のとおり、職員各自の能力、適性、勤務実績等を総合的に勘案して、合目的的に決定すべき性質のものであるから、これについて、年功序列的運用がされていたからといって、今後ともこれに拘束されなければならないという理由はなく、その時々の組織の管理運営の必要性に応じ、東京税関長の裁量により、いずれを重視するかを決定することができるものというべきである。
二 昇任、昇格及び昇給の裁量権の限界
1 右のとおり、昇任、昇格及び昇給をさせるかどうかの判断は、人規で定められた資格要件による制約の範囲内で、任命権者の裁量に属するものであるが、右裁量権が、国公法二七条の平等取扱いの原則、同法一〇八条の七の不利益取扱禁止の原則に違反して、原告組合に所属することを理由として行使されたときは、原告組合員を昇任、昇格及び昇給をさせなかったことが原告組合員の昇任、昇格及び昇給に関する法律上の利益を侵害するものとして不法行為を構成するとともに、原告組合との関係においても、その団結権を侵害するものとして不法行為が成立するものというべきである。
2 被告は、昇任、昇格及び昇給をさせるべきかどうかの判断が裁量行為である以上、任命権者に昇任、昇格及び昇給をさせるべき作為義務はないとして、その不作為が裁量権濫用として違法となることはない旨主張する。
しかし、特定の時期において、能力、適性、勤務成績等に差がないにもかかわらず、原告組合に所属していることを理由として昇任、昇格及び昇給について不利益な取扱いをすることが法律上許されないものである以上、原告組合員と在職年数、経験年数、在級年数を同じくする原告組合に所属しない職員と昇任、昇格及び昇給の取扱いを均一にしなければならない義務があるものと解され、これに反した取扱いをした場合には裁量権の濫用となるものといわなければならない。
3  もっとも、昇任、昇格及び昇給の制度が当該職員の能力、適性や勤務成績を反映させるものとなっている以上、原告組合員が他の非原告組合員に比べて昇任、昇格及び昇給において差別扱いを受けたといえるためには、その差別扱いを受けたとする特定の査定時期において、当該組合員について、比較の対象とされた非原告組合員との間で勤務実績や能力等に差がないことが個別的、具体的に立証されなければならないのであって、成績主義を基本原則とする任用及び給与制度のもとにおいては、入関資格や経験年数が同じであっても、年数を経るに従って勤務実績ないしその評価に影響を及ぼす事情に相応した格差が生じることになるのは当然のことであり、単に原告組合員と同期同資格入関者たる非原告組合員との間に、集団として対比してみると、昇任、昇格及び昇給の格差が存在していることから、直ちに各原告について、原告組合員であることを理由とする差別扱いがされたということはできない。
第三  争点三の1(税関会議議事録、本省会議資料の成立・内容)について
一  税関会議議事録
1 文書の成立
(一) 原告らは、東京税関で昭和四二年から同四七年に開かれた幹部会議、部長会議、部課署所長会議の議事録として、当審に甲三三三から同三六一を提出した。
(二) 右甲号各証の文書は、その入手経路を明らかにするに足りる証拠はないが、文書の形式、「人事極秘」「人事秘」又は「取扱注意」の赤印、取扱基準印、氏名の筆跡の形状、閲覧印及び記載内容に照らし、東京税関当局が各文書に記載された年月日に開かれた幹部会議、部長会議等各種会議の議事録として作成したものであると認めることができ、成立及び記載内容について特段の反証がないことに鑑みると、右文書を東京税関作成のものとして本件の事実認定の資料とすることができるものというべきである。
2 東京税関における幹部会議等の内容
右甲号各証によれば、昭和四二年に開かれた東京税関の幹部会議等において、関税業務、人事政策、労務対策等について協議したことが認められ、全税関に関する内容として、以下の事実が認められる。
(一) 昭和四二年九月一一日に開催された東京税関の幹部会議の議事録には、東京税関長が、税関長会議の結果として、「旧労古手の対策としてある税関長が専門官の設置の意見を出したが、本省から甘い考えだと批判された。」「旧労対策には官は懸命にやっているが、もっと大事なことは新労を強くすることであると官房長に云っておいた。」と説明したとの記載がある(甲三三五の一)。
右記載によれば、東京税関長が、この会議に先立って開かれた全国税関長会議という関税局最高幹部が出席する会議の結果について、右記載のとおり東京税関の幹部に説明したものであるということができ、これによれば、右説明は、東京税関長の個人的意見を表明したものにすぎないと断ずることはできない性質の内容であり、関税局自体が右説明を容認していたものと推認することができる。このような発言がされたことは、後記第四の一(原告組合の活動と分裂)に認定の事実の経緯に鑑みれば、関税局及び東京税関当局が、原告組合を含む全税関対策として、一般的に、全税関を嫌悪し、新しく組織された第二組合の税関労を好ましい組合として育成する方針をとっていたことを裏付ける事実の一つであるというべきである。
(二) 昭和四二年四月一一日開催された東京税関の部長会議の議事録には、総務部長会議の結果として、関税局の佐藤総務課長が、労務問題について、「本省は同盟の線で行くべきだとの意見であれば、誰もが納得ゆく明解な論理を展開のうえ打ち出すべきであって、ただ神戸を讃え東京を批判する書き方に一言意見を述べておいた。公務員労働組合に対しての管理者の温かい配慮の必要性、信賞必罰の実行の必要を明記すべきであり、現在の本省指針はあまり技術的なことのみを示している旨の批判を述べておいた。労務対策は各関一律のやり方を強いるのはおかしいし、数をもって批判するのもおかしいと指摘しておいた。」「大蔵職組の中の一部には容共的行動もあり、その中に税関労組が入っていることは危険であり、大蔵職組への単なる付き合いとはいえ情勢は変化しつつあるので、その点について当関の幹部職員は注意してほしいと要望された。東京税関の幹部の基本路線はどうなのかときつい質問があった。」と発言したとの記載がある(甲三四〇の一)。
右記載によれば、関税局の総務課長が、右会議に先立って開かれた関税局主催の総務部長会議の結果について、右記載のとおり東京税関の各部長に説明したものであるということができ、これによると、右発言は、関税局が各税関の個別事情を考慮しないで一律に同盟に加入する方向で労務対策を行なっていることに対して総務課長の立場で批判を表明したこと、あるいは、関税局が運動方針を危険視している原告組合に対する東京税関幹部の漫然とした基本路線に不満を表明していたものであることを認めることができる。このような発言がされたことは、原告組合を含む全税関に対する東京税関の労務政策が関税局の指示に従ってされていたことを示しているものと窺われる。
また、右議事録には、総務部長が「昇給昇格については八等級から七等級への昇格の場合差別をつけることについて、当関と神戸は矯正措置があった者に対してのみ慎重にやるべきだとの意見であったが、横浜は当然やるべきだとの意見だった。矯正措置を受けただけでは必ずしも成績不良と判定するのは問題だから、成績不良の事実を逐一記録にとっておく必要があるとの意見があった。この問題は大蔵省全体として検討のうえ慎重に実施すべきであると意見を述べておいた。」と発言したとの記載がある(甲三四〇の一)。
右記載によれば、東京税関の総務部長が、矯正措置を受けた職員を昇給昇格においてどう扱うかについて、右のとおりの意見を表明したことを認めることができ、これによると、昇給昇格の運用問題としての成績不良の判定基準について、関税局がその主催する総務部長会議を介して各税関の意見を組織的に聞いていたものということができる。
(三) 昭和四二年八月一六日に開催された東京税関の幹部会議の議事録には、水泳大会について、「本省の考え方では旧労選手でも名選手がいる場合二〜三名入れるのはやむを得ないとの回答だ。」「本省の質問は旧労参加の実害についてであった。レクレーション問題について、時間をかけて検討する必要がある。」と、また、総務課長が「差別してもよいのではないか」とそれぞれ発言したとの記載があり、これに対応した右欄には、「最終的に旧労四、五名でもよかろう」「今回は四名の旧労を入れたまま締め切ることとする」との会議結果の記載がある(甲三三三の二)。
右記載を後記第四の八5(水泳大会の選手選考について)に認定の事実に照してみれば、東京税関の幹部会議において、同税関が幹事庁として開催する全国水泳大会に全税関組合員を出場させることについて、右記載のとおり意見が表明され、この意見に従って全税関組合員の出場人数が決められたことを認めることができ、これによると、全税関組合員は関税局の承認なしには関税局の関与するレクリエーションに参加することができず、関税局は、全税関対策の一つとして、全税関組合員の参加を他の職員と差別して制限する目的を有していたものといわざるを得ない。
(四) 昭和四三年七月一七日に開催された東京税関の幹部会議の議事録には、密輸検挙者の表彰について、「表彰基準について対象者が、(1)特定の組合に所属していること、(2)その者のそこにおける程度の如何を問題として」との議題について、税関長が「永年勤続表彰は永年勤続プラス特別功労になってはいても、永年勤続だけで表彰しているのだから、密輸の方もそのこと単独でやってよいと思う。大臣表彰であろうと税関長表彰であろうと、表彰に対する思想、基準は統一しておくべきだ。」と、総務部長が「所属組合によって扱いを異にするのは奇異だ。検討中ということで保留し、十分調査し意見を固めたほうがよい。」と、羽田支署長が「表彰基準を変えることはよくないし、私意に流れて決めるのもおかしい。保留するという点については、むしろ表彰のあるべき姿を本省に上げ説得し、先制攻撃をかけるべきだ。」と、さらに総務部長が「表彰についての他関、他省庁の客観的資料を準備、検討し、理論武装してあたるのがよいので、当関の意見をいきなりぶつけるよりも、勝てそうになるまで準備して待つということだ。」とそれぞれ発言したとの記載があり、決定として、「客観的資料を多く集め、総務部長と羽田支署長が協議すること。それまで表彰見送る。」との記載がある(甲三五二)。
また、右同日付の「第二四回密輸検挙者表彰について」と題する書面には、「羽田支署長旅具担当職員については、その職場の実態を考慮して、かつ、好ましくない職員を排除するため、上記の功績得点が一〇点以上の場合でも、評定期間中における当該職場における平均摘発件数(摘発件数÷旅具担当全職員数)以下、またはこれに近接する件数の場合は除外した。」との記載があり、「結果」として、「(1)予備審査における評定の結果、別紙(1)のとおり、内申人員六三名のうち、四二名が表彰の対象となった。(2)好ましくない職員、七名が内申されていたが、そのうち一名(e)が表彰の対象になった。」との記載があり、欄外には「全部見送り」との記載がある(甲三五三の一)。
右各記載によれば、東京税関の幹部会議において、密輸検挙者の表彰について、税関長をはじめとする幹部が、全税関組合員を表彰対象者に含めることの当否に関して、右各記載のとおり意見を表明したことが認められ、これによると、全税関組合員に対する右表彰について、東京税関が、関税局の意向を受けながら関税局と一体となって、組織的・継続的に全税関組合員を排除する意思を示していたものということができる。
(五) 昭和四二年九月二七日に開かれた東京税関の幹部会議の議事録には、レクリエーション活動について、監察官が「音楽隊は旧労分子の活動の場となってしまったので解散した。」と、厚生課長が「新設を検討したい。」「新職員の希望調査をしたが、演劇とコーラスをやりたいとの希望が多い。しかし、現在のサークルは旧労分子が中心で活動しているので、二部制として、新しい演劇コーラスのサークルを結成させることが必要と思う。」とそれぞれ発言したとの記載があり、右厚生課長発言欄の右横に「決定」との記載がある(甲三三六の四)。また、右当日に配布されたものと認められる「記」と題する書面には、レクリーダーのあり方について、「旧労職員に対しては、レクリーダーは何ら積極的に直接に接触しないようにする。」との記載があり、サークル活動について、「(1)サークル部門の新、旧の構成比から見て、これを基盤としたレク行事には危険が伴う。具体的にいえば、文化活動については、官として積極的に取り組まない(例 コーラス、油絵、華道、演劇)、(2)したがって、官として取り組むなら体育部門乃至はレジャー的なものとする。例えば、登山、バーベキュー、釣、のようなものとし、かつ、新労の若年層対策に主眼をおく。」との記載がある(甲三三六の二)。
右記載によれば、東京税関の幹部会議において、レクリエーション活動及びレクリーダーのあり方として、右のとおりの対応をとることが望ましいものとして受け入れられたことが認められる。これによると、東京税関当局は、一体となって、全税関の影響力を弱める目的で、全税関組合員がレクリエーション活動で新入職員その他の職員と接触する機会を少なくするため、全税関組合員をレクリエーション活動から排除し孤立化する政策をとる意思を有していたことが明らかである。
(六) 昭和四二年三月三〇日に開催された東京税関の部長会議の議事録には、新入職員の受入行事について、研修課長が「入関式に旧労がビラを配布するから、研修教室に入場の際に回収したい。」と発言したとの記載がある(甲三三九の二)。
右記載と後記第四の三2(一)(新入職員の隔離政策)の認定事実に照らしてみれば、東京税関の部長会議において、新入職員が全税関のビラの影響を受けないようにするために、研修課長が右のとおりの対策を報告したことが認められる。この事実は、東京税関当局が新入職員を全税関に加入させない政策を遂行する意思を持っていたことを示すものである。
(七) 昭和四二年五月一日に開催された東京税関の部長会議において配布されたものと認められる資料には、「当関は、先の総務部長会議において示した方針のとおり、公務員倫理、服務規律の修得と税関の基本業務で理解が容易であることの理由により、警務関係の職場に優先配置を計画している。しかしながら、三五名の新職員を全員警務関係に配置することは、警務関係の定員及び職員構成等から考えて難しい。したがって、一部新職員については、旧労職員の影響等を考慮して配置する方針である。」との記載がある(甲三四三の一、二)。
右記載によれば、右部長会議において新入職員の職場配置について右のとおりの方針が説明されたことを認めることができ、これによると、東京税関当局は新入職員を全税関組合員から隔離する対策をとる必要があるとの考えを持っていたものとみることができる。
二  本省会議資料
1 文書の成立
(一) 原告らは、昭和五八年九月から同六一年四月までに大蔵省関税局が主催して開かれた税関長会議、税関総務部長会議、税関人事課長会議の資料として、当審に甲三二八から三三二(甲三三二は原本に代えて写し)を提出した。
(二) 右のうち、甲三二八から三三一の文書については、その入手経路を明らかにするに足りる証拠はないが、文書の形式、取扱基準印及び記載内容に照らし、関税局が各文書に記載された年月に開かれた税関長会議、税関総務部長会議の資料として作成したものであると認めることができ、成立及び記載内容について特段の反証がないことに鑑みると、右文書を関税局作成のものとして本件の事実認定の資料とすることができるものというべきである。
(三) 甲三三二について検討する。
(1) 甲三三二の一は、「人事課長会議の開催及び議題について」と題する一体の四葉の文書であり、同文書には、「1 開催予定等 (1)開催日 六一・四・一〇(木)全体会議(於本館第一会議室) 四・一一(金)個別協議(於本館第二会議室) (2)出席者 各税関人事課長及び担当官 東京、横浜、神戸、大阪税関人事専門官」「2 議題(案)〔全体会議〕」(以下略)と記載されていることが認められる。右文書の形式及び記載内容に照らすと、この入手経路を明らかにするに足りる証拠はないが、これに対応する関税局作成の文書が存在することを認めることができる。
(2) 甲三三二の二は、「議題3 特定職員の上席官昇任及び七級格付等について」と題する一体の二葉の文書であり、「先般の総務部長会議における討議を踏まえ、六一年度の上席官昇任及び七級昇格基準等について討議する。」との書き出しで、「(1)上席官昇任」「(2)七級格付」「(3)四、五、六級格付」の各見出しのもとに、各討議事項の記載があることが認められる。
甲三三二の二は、二葉からなっているが、二葉目の「(3)四、五、六級格付」欄記載部分以下は、それ以外の部分とは筆跡が明らかに異なるうえ(もっとも、甲三三一、三三二によれば、関税局作成の会議資料は、一体として作成されたものであっても、必ずしも同一筆跡で記載されているとは限らないことが看取できる)、一葉目の冒頭に記載された議題内容との関連性に乏しく、また、直前部分との間に用紙の罫線に連続性を欠いていることが看取できるのであり、しかも、二葉目の欄外の下には「大蔵省」と印刷されているのに対して、一葉目の該当部分にはその印刷がない。したがって、一葉目及び二葉目の「(2)七級格付」記載部分と二葉目の「(3)四、五、六級格付」記載部分とはその一体性に合理的な疑いが残るものといわざるを得ないところ、その入手経路を明らかにするに足りる証拠は見当たらないものの、一葉目及び二葉目の「(2)七級格付」記載部分は、その形式及び記載内容に照らし、関税局が昭和六一年三月三一日に作成したものであると推認することができるから、これに対する文書の存在を認めることができる。しかし、右二葉目の「(3)四、五、六級格付」記載部分については、一葉目と一体のものとして関税局作成の文書の存在を認めることはできないというべきである。
(3) 甲三三二の三は、「(参考)総務部長会議(六一・三・一九)の討議概要」と題する一葉の文書であり、「議題特定職員の上席官昇任及び七級格付について」との書き出しで始まるものであることが認められる。
右文書の形式及び記載内容に照らすと、この入手経路を明らかにするに足りる証拠はないが、これに対応する関税局作成の文書が存在することを認めることができる。
(4) 甲三三二の四は、「昭和六〇年度(第二回)総務部長会議討議概要」と題する一体の三葉の文書であり、同文書には、「1 退職勧奨実施状況について」「2 新俸給表への切替え結果について」「3 六一年度人事異動の留意事項について」「人事異動実施上の問題点について」の各見出しのもとに、説明・意見が記載されていることが認められる。
右文書の形式及び記載内容に照らすと、この入手経路を明らかにするに足りる証拠はないが、これに対応する関税局作成の文書が存在することを認めることができる。
2 税関長会議、総務部長会議、人事課長会議の内容
右甲号各証によれば、関税局は、昭和五八年九月に税関長会議を、同年一〇月に税関総務部長会議を、同五九年二月に税関長会議を、同年三月に税関総務部長会議をそれぞれ主催し、当面の人事管理上の諸問題について討議したこと、同六一年三月一九日に税関総務部長会議を、同年四月一〇日、一一日に人事課長会議をそれぞれ主催し、各記載のとおり討議し又は討議事項としたことが認められ、全税関に関する内容として、以下の事実が認められる。
(一) 昭和六一年三月一九日の総務部長会議において、特定職員の上席官昇任及び七級格付について討議されたが、その概要として、甲三三二の三には、「(1)俸給表の一一級制移行により、七級昇格の足がかりとして今後上席官要求が強まろう。(2)上席官の昇任については、特定の職員の五〇歳以上のほとんどは資格基準表の要件を満たしており、また、一般職員の上席官への任用及び職場での上席官の運用実態ならびに特定職員の年齢構成等から、現状(六〇年 任用六人 占有ポスト九)程度では対内・外ともに説明が難しい。(3)仮に、欠格条項に該当するものを除く全員を昇格させたとしても、占有ポスト数は七〇名から八〇名くらいであり、全上席官数の一割にも満たないので上席官任用は可能であるとする考え方と、一般職員との均衡上(上席官未昇任者の存在)及び特定職員に対する上席官運用の継続性からも少なくとも二〇年次を中心とする年齢構成については、上席官昇任にあたって絞りをかけ選考すべきであるとする考え方があった。(4)七級昇格については、七級は従来の四等級でもあり、上席官は基本的には七級であるという職員感情から上席官であれば退職時までには七級に格付すべきであるという考え方と一般職員との均衡(一般の上席官がすべて退職時までに七級に格付されるとは限らない。)から選考を行なうべきであるとする考え方があった。」と記載されている。
他方、関税局が昭和六一年三月三一日付で作成した「特定職員の上席官昇任及び七級格付等」についての討議資料として、甲三三二の二には、「(1)上席官昇任 ①上席官の昇任は、欠格条項に該当するもの以外はその全員を昇任させるとする考え方、他方、一般職員でも専門官のままでの退職があり得る現状においては、昇任時に選考を行なうべきであるとする考え方がある。これらの考え方についてどうか。②上席官昇任の選考対象は年齢、在級とも若干前広に選考すべきであるとの考え方もあるが、あまり昇任時の年齢を下げると選考対象者が著しく増加すること、退職時までの配置ポストとの絡み(経験させるポスト数)、八級昇格への期待感が増幅等が考えられるところから、前年度基準(五五歳かつ在級六年)のままで運用することについてはどうか。③上記①前段の考え方を踏まえ、任用数は、六〇年度の任用数(六人、占有九ポスト)の五割増程度(九人〜一〇人、占有一五〜一六ポスト)とすることはどうか。仮に、特定職員の年齢構成等からみてさらに増やすとした場合、任用数の上限はどの程度が適当と考えられるか。④選考基準及び任用数等について、上記以外の意見があれば、あらかじめ報告を求め討議する。(2)七級格付 ①一般職員の昇格との均衡上、上席官在任二年以上の者とすることについてはどうか。この場合上席官昇任の上限年齢をどのように考えるか。②在任期間に関係なく退職前一〜二年前に昇格させることにしてはどうか。」と記載されている。そして、関税局が作成した「昭和六〇年度(第二回)総務部長会議討議概要」と題する文書には、「4 人事異動実施上の問題点について」の項目中に「(2)上席官昇任及び七級昇格 ①当局から図表で示した上席官昇任及び七級昇格の運用の姿に対しては、各税関とも、『現状では妥当な姿である。』との意見であった。②(特定職員関係…別途連絡)」「(3) 5級及び6級昇格(別途連絡)」と記載されている(甲三三二の四)。
また、関税局が昭和六一年四月一〇日に主催した税関人事課長会議について、甲三三二の一には、「議題4 特定職員の上席官昇任及び七級昇格について」と記載され、討議内容は「(別紙)」と記載されいる。
(二) 甲三三二の一ないし四の各関税局作成文書中に記載されている「特定職員」「一般職員」の意味について検討すると、甲三七九の三によれば、昭和六〇年七月一日に上席官に昇任した全税関組合員は、f、⑪、g、h、i、jの六名であり、同日現在で上席官に在職中だったk、l、mの三名の全税関組合員と合わせると、全税関組合員である上席官は合計九名となることが認められるところ、甲三三二の一、二に記載されている「特定職員」に関する「六〇年任用六人・占有ポスト九」とは、同六〇年の新たな上席官への任用者が六人で、上席者の占有ポストが累計で九となる意味であるから、この条件を満足する職員を特定するものとしては、全税関組合員をおいてほかにはないというべきである。そればかりでなく、甲三七九の七によれば、昭和六一年当時、五〇歳以上でかつ在級六年の資格を有する全税関組合員は合計八一名であったことが認められ、「特定職員」に関する甲三三二の三中の「昇格させたとしても占有ポスト数は七〇名から八〇名くらい」との記載とほぼ符合することからみて、「特定職員」とは関税局ないし税関内部で全税関組合員を呼称する際に使用されていたものであるといわざるを得ない。そして、「一般職員」とは、その記載からみて、全税関に所属しない職員を意味するものであるということができる。
(三) 甲三三二の一ないし四によれば、関税局は、昭和六〇年度の時点において、全税関組合員の上席官昇任につき、その昇任資格として年齢五五歳かつ在級六年という資格基準を設定し、一般職員には全税関組合員の五〇歳以上のほとんどが要件を満たす資格基準によって上席官の昇任を運用していたが、同六一年度の上席官昇任の人事方針を決定するに当たり、全税関組合員とそれ以外の一般職員との間の上席官昇任の格差があまりにも拡大し、合理的な説明が困難になったため、一般職員との格差の存在自体は維持しながらもこれを縮小する方針でその資格基準について討議したこと、また、七級昇格についても、全税関組合員については一般職員とは別の昇格基準を設ける必要があるとの方針のもとに、その内容を討議したことが認められる。なお、甲三三二の四によれば、同六〇年度総務部長会議において、全税関組合員の五級及び六級昇格について、関税局からなんらかの連絡があったことを推認することができるが、一般職員と差別された昇格基準を設定することが討議されたものと確認するには至らない。
三 東京税関及び関税局の労務政策
1 税関会議議事録に関する前記認定事実によれば、東京税関は、昭和四二年から同四七年にかけて、その主催する幹部会議等を通じて、全税関ないしその組合員を敵視し、嫌悪する意思をもって労務政策を実施していたものと認めることができ、右事情のもとにおいて本省会議資料を照らし合せると、東京税関の全税関に対する労務政策は少なくとも本件係争期間中継続していたものと推認することができる。
2 本省会議資料に関する前記認定事実によれば、関税局は、昭和六〇年度の時点で、少なくとも上席官昇任、七級昇格について全税関組合員に対し差別基準を設定していたこと、右基準が従前からの継続性を有するものであったこと及び全税関組合員とそれ以外の一般職員との間に拡大した格差が同六〇年度以前からの差別基準の蓄積によるものであることが認められ、右事実からみて、本件係争期間中においても、昇任、昇格及び昇給につき、全税関組合員に対してそれ以外の一般職員とは別の差別基準が設定されていたことを容易に推認することができる。
第四  争点三の2(差別行為)について
一 原告組合の活動と分裂
1 全税関労組の活動
証拠(甲一ないし三、五ないし八、一七、一八、三三、五〇、乙三ないし五、二一六一、原告⑩)によると、次の事実が認められる。
税関は、昭和二一年六月、横浜、神戸、大阪、名古屋、門司、函館において、戦争中閉鎖されていた税関業務を再開した。全税関は、翌年一一月一一日、税関に勤務する公務員労働者の単一体の全国組織として結成された。当初、全税関は、労働条件の改善の要求を中心とした活動をしていたが、同三三年、全国労働組合総評議会(総評)に加盟し、同三四年には日本国家公務員労働組合共闘会議の結成に参加したのちは、同三三年の「警職法導入反対」(総評等によって結成された警職法改悪反対国民会議の統一行動)、同三五年の「安保条約改定阻止」(公務員労働組合共闘会議の統一行動)の各反対闘争に積極的に参加し、エリコン陸揚げ阻止、サイド・ワインダー陸揚げ阻止の闘争を決議するなど、政治闘争に積極的に参加するようになった。
これに対し、税関当局は、昭和三四年末、全税関が「年末年始休暇完全消化運動にご協力かた要請」と題する文書を通関業者に対して配布したことによって税関の信用を著しく失墜せしめたことを理由に、全税関本部委員長及び神戸支部長をそれぞれ訓告処分に、また、同三五年七月、勤務時間に食い込む職場集会をあおり、そそのかしたことを理由に、全税関本部書記長、神戸支部長以下執行委員一四名、横浜支部長以下執行委員七名に対し、減給若しくは戒告処分、同年七月一六日、右両部のその他の組合員一三名を一時間の賃金カットの処分をした。さらに、神戸税関当局は、同三六年八月一九日の抗議行動、同年一〇月五日の勤務時間内職場集会及び庁内デモ、同月二六日の勤務時間内職場集会をそれぞれ指導したこと、通関業務の処理を妨害したこと等を理由に、同年一二月、全税関神戸支部の支部長、書記長、組織部長を懲戒免職処分にした(なお、右神戸支部長他二名に対する懲戒免職処分については、その取消を求める行政訴訟が提起されたが、最高裁判所において、同五二年一二月二〇日、右処分を適法とする判決が確定した。)。
その後、当局が免職された者を抱えた組合とは交渉できないとして全税関神戸支部との団体交渉を拒否したこともあり、全税関神戸支部の執行部に対する批判派が台頭し、同三八年三月九日に神戸税関で、翌年五月九日には横浜税関で、それぞれ第二組合の税関労が結成されるなどして、同四〇年八月六日には全国八税関に税関労が結成され、全税関の各支部はそれぞれ分裂し、翌四一年九月各税関労は、税関労働組合連絡協議会を発足させた。
2 原告組合の活動
証拠(甲一、五、三四、五〇ないし五二、五四、五六、五七、五九、六一ないし六四、六七、六九、七三、七四、七九、二一一ないし二一三、乙一ないし三、六、八、乙九の一ないし五、乙一〇、一一、一七ないし一九、二一ないし二六、三五ないし三九、五五、三八〇、二一五二、二一五六ないし二一五九、証人原島和夫、原告⑮、同⑩)によると、以下(一)ないし(三)の事実が認められる。
(一) 昭和三三年までの原告組合の活動
横浜税関東京出張所は、昭和二一年六月、職員数二九名で業務を再開し、翌二二年五月、横浜税関東京支署となった。その後、同二五年の民間貿易の全面再開、朝鮮動乱による特需景気以後、東京港、羽田空港の需要が増大し、横浜税関東京支署の税関業務量は著しく伸び、同二八年八月一日、同支署は、東京都全域を管轄区域として、職員五二九名、一房二部の本関(税関長官房、監視部、業務部)と羽田支署、立川分室、大島監視署を擁する東京税関として、横浜税関から分離独立した。その後、東京税関は、同三〇年八月、横浜税関から新潟税関支署、酒田税関支署の移管を受け、管轄区域も埼玉、群馬、山梨、新潟、山形の五県を加えるに至り、また、本関には鑑査部が新設され、一房三部制となった。
東京税関の独立に伴い、全税関の一税関一支部の方針に基づいて、原告組合が結成され、人事院に職員団体として登録された。当時、東京税関には、原告組合の他に労働組合がなかったこと、税関長、各部長、総務課長、会計課長、その他大会で定めた者だけが原告組合の規約五条により組合員資格を得られないとされていたことから、課長、係長などの役付職員(職制)も原告組合に加入しており、原告組合の組合員数は、東京税関の職員数五二四名中五一〇名を数え、組織率97.3パーセントに達していた。その後、昭和三〇年三月四日、原告組合に婦人部が結成された。
東京税関は独立当初、仮庁舎で執務するなど執務環境が貧弱であったこともあり、原告組合が、執務環境の整備、改善、備品の支給要求等、労働条件の改善要求を主体とした組合活動をした。
(二) 昭和三八年までの原告組合の活動
昭和三三年には、東京税関は、第二大蔵ビルに移転し、年々定員数も増員されていたが、税関の業務量は、同三五年以降の貿易自由化の影響によって急激に伸び、定員の伸びをさらに上回った。そこで、税関当局は、税関業務全般にわたる総合調整機能及び業務運営の円滑を確保する管理機能を強化するため、同三六年一一月、各税関の税関長官房を廃止し、総務部制を採用した。また、東京税関は、同年六月、業務の簡素化、機械化を図るために、本関に設置した計算管理室に電動計算機、加算機及び会計機を配備して輸入通関関係計算事務及び納税告知書作成などを集中処理し、業務部に申告書、許可書等の処理のため複写機を導入した。
しかし、税関の業務量の増勢は、将来も永く続くことが予想され、これに対して増員の見通しはますます困難となっていくことが推測されたので、長期的な観点から、総合的、抜本的な業務能率の増進をはかることが急務と考えられるようになり、昭和三七年四月、東京税関の総務部総務課に企画係が新設され、税関の機構、定員及び事務処理体制について本格的かつ組織的な調査と分析を開始した。同月、東京税関は、本関そのものの業務量の増加とともに、署所において処理される業務量の比重も大きくなってきたため、本関及び署所を通じて、各部の所掌する事務運営の統一をはかり、必要な調整等を行なうため、鑑査部に管理課を新設し、翌年には、監視、業務の各部にも管理課を新設した。
原告組合は、昭和三三年の庁舎移転の際に、原告組合事務所が設けられ、同三四年には、羽田分会、鑑査分会、業務分会、芝浦分会を、同三六年には江東分会を結成し、また、同年七月に原告組合の青年部を結成した。同三三年の庁舎移転後も、東京税関における業務量の増大に比して増員がままならない執務環境の下で、原告組合は、賃上げ要求のほか、各分会における官服の洗濯代の支給、江東出張所での宿日直の廃止(同三七年一二月)、大森の浴場新設、江東出張所でのシャワーの設置、階段の手すりの設置(同三八年四月)など、労働条件改善の活動を継続した。また、同三八年ころまでは、東京税関当局と原告組合との共催で「サークルと映画の会」が催されるなど、当局と原告組合との関係は険悪なものではなかった。
しかしながら、他方において、原告組合は、昭和三三年ころから、地対空ミサイル・エリコン56及びサイドワインダーの持込禁止、警職法改正反対等の政治闘争にも取り組むようになり、安保条約改定阻止闘争、原水爆禁止運動、内閣打倒等を目的とした職場外の集会への参加、職場集会の開催、ビラ等の配布、国会請願等を行なうようになった。
また、全税関は、昭和三三年五月の全税関第二一回全国大会において、闘争の基本的な考え方として「職制支配の強化による搾取強化に対しては職制支配への反撃を賃金要求、労働軽減、労働基本権奪還等を主柱とした強固な職場闘争で対決しなければならない。」「職制支配排除の職場の闘いは、日常不断に職場で職制機構の末端と対決して進められる。」「同一組合内に、同一組合員として存在する管理補助者としての末端職制の意義と位置付けを明らかにし、職制抵抗の闘いを組まなくてはならない。」と分析し、同じ組合員である末端の職制に対する対決を呼びかけた。
昭和三七年の原告組合の支部大会において、これらの動きに対し、審理代議員から「職制も組合員であることを念頭においてよく話し合っていくべきだ。話せば大体判るし、一緒に要求できる場合が多いのだから。」との批判が出た。これらの行動に対し、東京税関は、原告組合による勤務時間内の職場大会の開催が予想されるような場合には、事前に各房部署所長に対し、「違法行為の防止について」と題する回覧を発し、各房部署所長は、原告組合に対し、事前に違法行為をしないよう警告した。また、東京税関長は、同三六年五月二二日、原告組合が同年四月二五日国公法改正阻止の統一行動として勤務時間内に食い込む職場大会を開催した際に右職場大会を指導したことを理由に、原告⑩、同⑥、同⑦、同⑪、同 を訓告処分に処した。これに対し、原告組合は、同年六月二九日及び翌三〇日の昼休みに本関庁舎内税関長室前で座込みなどの矯正措置撤回のための抗議行動をした。
原告組合は、東京税関の計算管理室の設置などに対し、昭和三六年七月ころから同年一〇月ころまでの間、機械化による合理化は労働条件を悪化させるなどとして早朝職場大会や昼休み職場大会を開催して、合理化反対闘争を行なった。
(三) 昭和三九年以後の原告組合の活動
(1) 東京税関は、輸出入申告等の事務が年々増加し、職員も増え、庁舎が手狭となったため、昭和三九年三月、本関庁舎を第二大蔵ビルから品川埠頭に移転した。原告組合の調べによると、同年当時の東京税関の職員数は一〇四五名、原告組合員数は九七〇名で組合組織率は、92.8パーセントであった。
東京税関は、昭和三九年四月、かつて全税関中央執行委員長であったnを総務課課長に、元中央執行委員であったoを総務課課長補佐に配置し、総務課に総務第二係を新設した。
(2) 原告組合は、東京税関の品川埠頭への本関の庁舎移転に対し、合理化反対闘争の一環として、交通問題、通勤時間、厚生施設等についての要求をし、これらの要求が受け入れられない場合は移転そのものに反対するとの闘争をした。
原告組合は、昭和三九年七月、定期支部大会を開催したが、「原水禁やポラ潜など政治闘争が多すぎる。」「四月一七日スト以降政治的偏向はないといってるが、総評に加盟していながら批判を加えている。これは分派活動であり責任の所在は一体どこにあるのか。また第二組合や分裂の動きについても官の攻撃ばかりに終始している。執行部にも批判があってよい。現在の組合は政治的に偏向している。」「組合のニュースやビラをみると、本来組合はみんなのものなのに一部少数の見解を取り上げ宣伝しているようだ。」など原告組合執行部に対する批判が貨物代議員や鑑査代議員からなされた。
これに対し、原告組合の執行部は、総評批判については、総評は日本の労働運動の中核となってきたが必ずしもよいことばかりやってはいないと説明し、政治闘争が多いという批判に対しては、職場要求につながる政治的要求は正しく解決していかなければならず、一歩譲って考えても、どれが政治闘争でどれが経済闘争かということは全体的な政治情勢の中で明らかにされるものだと思うなどと応え、従前の方針を変更することはなかった。
この大会において、原告⑮、同 、同 、同 、同 、同④、同 、同 らは、77.3パーセントから65.5パーセントの得票率で全税関全国大会の代議員に選出された。
(3) 昭和三九年一〇月、全税関の全国大会が開催され、組合費の三〇円の値上げが決定された。ところが、このころから、本関監視部が組合費のチェックオフによる天引きを拒否し、同部の課長クラスから組合費の未納者が出始め、同年一二月には、組合費の未納が係長クラスにまで及び、未納者は一二〇名となり、同四〇年一月には一六〇名に達した。
(4) 昭和四〇年二月一日、鑑査部管理課総括係長pを会長として、原告組合の執行部批判者である鑑査部、監視部、業務部の各管理課総括係長クラス約四〇名を中心に、原告組合の方針変更をせまって「刷新有志会」が結成され、原告組合の執行部批判を公然と始めた。刷新有志会は、「全組合員の皆さんに訴えます」と題するビラを連日作成し、当局の掲示許可済みの判を押したものを東京税関の掲示板に貼り出し、また、組合員に配布した。刷新有志会は、第二組合の結成を前提にするものではないとしつつ、同月八日、原告組合執行部に対し、「昭和三二年以来中央執行部の指導方針に極左的傾向が見られるようになり、それが漸次全国支部に波及し始め、東京支部もまたその影響を受けるところとなった。」として、退陣要求書を提出した。
これに対し、原告組合執行部は、昭和四〇年二月一〇日、刷新有志会の退陣要求を拒否した。原告組合は、翌一一日昼休み、本関において統一職場大会を開催した(原告らは、職制による妨害であると主張し、甲七〇の記載及び原告⑮の供述中には右主張に沿う部分があるが、職制も原告組合の組合員であったのであり、乙二〇に照らすと、職制は組合員として右大会に参加したものと認められ、必ずしも当局の業務命令として右大会に参加、妨害したとは認められない。)。
刷新有志会は、昭和四〇年二月一三日、総会を開催し、同会の発展的解散を決議した。同月一五日付の「全組合員の皆さんに訴えます」(刷新有志会のビラ)において、刷新有志会は、一大飛躍にそなえて発展的解散を行なう旨を声明した。
(5) 昭和四〇年二月一三日、一四五名の組合員から、わら半紙に謄写版で印刷された用紙に署名のされた脱退届が原告組合にまとめて郵送されてきた。以後、同月一五日には、八〇数名分の脱退届が、同月一九日には一一八名分の脱退届がまとめて郵送され、同年二月だけでも約三五〇名の組合員が原告組合を脱退した。刷新有志会のメンバーだった者達は、職員に印刷された脱退届の用紙を配り署名押印を求め、脱退届を集めた。脱退届は、個別にではなく、まとめて原告組合に向けて郵送にされてきた。刷新有志会の会員は、勤務時間の内外を問わず部長室や羽田支署の支署長室などで原告組合の脱退或いは刷新有志会への加入を勧誘した。
原告組合の執行部は、脱退する人の状況を検討したり、脱退者の家に赴いて説得をしたりしたが、脱退者は増加する一方だった。
3 税関労の結成
次の(一)、(二)の事実が認められる(甲三四、二一一、乙一、原告⑮)。
(一) 昭和四〇年二月一九日、解散した刷新有志会のメンバーを中心に新労結成準備会が結成され、新労結成準備会ニュースが配布されるようになった。同月二七日、第二組合の税関労が、三三四名の組合員で結成された。その後も同四二年中旬ころまで、税関労による原告組合からの脱退勧誘及び税関労への加入勧誘が続いた。
なお、昭和四〇年二月二七日、名古屋、長崎の各税関においても第二組合が結成され、さらに同年三月には大阪、函館の各税関で、同年五月には門司税関でも第二組合が結成された。
(二) 昭和四〇年以降も税関定員の増加は微増にとどまる中、全国税関の中でも業務量の伸びの著しい東京税関は、職員数が同四〇年の一〇八五名から同四三年一一四六名、同四六年一三一一名と特に増員されたが、貿易量の拡大と出入国旅客が増大を続け、税関当局及び東京税関当局は、業務の簡素化、合理化のため、同四一年四月の羽田支署における三直交代勤務から五直交代勤務への変更、同年六月の新警務体制の発足、同年一〇月の申告納税制度の実施、新輸入通関体制の発足(事務官、技官の区別のない一人一貫処理方式)等の対策をとった。
これに対し、原告組合の組合員数は、昭和四〇年の東京税関の職員数一〇八五名のうちの四一一名となり、前年には92.8パーセントであった組織率は37.8パーセントと激減し、翌年には職員数一一二八名中一九五名、組織率17.2パーセントとなった。職場の中で次第に少数組合となってきた原告組合は、東京税関当局に対して、合理化反対、ベトナム侵略反対、小選挙区制反対、不当配転反対等のスローガンを掲げ、庁舎管理規則に反する無許可集会、勤務時間に食い込む集会などの行為を繰り返すようになった。その結果、原告組合の組合員数は激減し、同四二年は、職員数一一四六名中一七三名、組合組織率15.1パーセント、同四八年の段階では職員数一三六一名中一三九名、組合組織率10.2パーセントとなった。
4 原告組合の分裂
(一) 原告らは、東京税関当局が職制機構を通じて原告組合を分裂させたもので、職制らの原告組合の組合費の未納、原告組合からの脱退勧誘、刷新有志会への加入勧誘、原告組合の職場集会等の妨害が東京税関当局の指示によるものである、と主張する。
しかしながら、東京税関当局が、職制に対し、これらの活動を指示したことを直接窺わせる証拠は存しない。既に認定したように、原告組合は、結成当初より組合員に職制も含んでいたうえ、全税関の末端職制に対する対決の方針の下で活動していたものであり、昭和三七年の支部大会、同三九年の支部大会において、原告組合の職制に対する対応について執行部に対する批判がされていたのであって、職制らがその不満から組合費の未納、刷新有志会の結成、第二組合の結成、原告組合からの脱退勧誘などに動いた結果、原告組合の組織に亀裂が生じたことが原告組合の分裂という事態を招いたとみることができるのである。
また、原告らは、昭和三九年からの総務部、管理課制度の発足、総務課総務第二係の新設が全税関及び原告組合を弾圧する意図で行われたと主張するが、当時の東京税関及び税関全体の業務量の増大と好転しない増員対策の中で、業務の簡素化、合理化を図る一環として、これらの制度発足等が必要となったことは、前記事実関係から明らかであり、これが原告組合への対策であるとは一概に断定することはできず、この主張は採用することができない。
(二) 甲一〇〇二、一〇〇九、一〇一六ないし一〇一八、一〇二一、一〇二二、一〇二六、一〇二八、一〇三九、一〇四八、一〇五二、一〇五八ないし一〇六〇、一〇六四、一〇六八ないし一〇七四、一〇七六ないし一〇七九、一〇八一、一〇八七、一〇八八、一〇九〇、一〇九一、一〇九三ないし一一〇四の各原告の陳述書は、脱退勧誘を受けた状況などが記述されているが、自己の体験ではなく他人からの伝聞を伝えるもの(原告⑫、同 、同 の各陳述書)、内容がきわめて抽象的なもの(原告 の陳述書)、刷新有志会への加入の勧誘についてのもの(原告 、同 、同 の各陳述書)、原告組合役員への立候補の中止を求めるもの(原告 の陳述書)のほか、内容的に漠然としたものが多いが、これらによると、昭和三九年暮ころから同四二年ころまでの間に激しく原告組合員らに対する脱退勧誘がなされたことが窺われる。原告らは、これらの脱退勧誘が、東京税関当局の指示により職制機構を通じてなされたものであると主張する。
既に認定したように、原告組合が分裂した原因の一つは、全税関及び原告組合の末端職制に対する対決姿勢に対する職制の不満であり、税関労結成の中心となったのも職制であったのであり、職制が脱退勧誘をしたからといって、それが直ちに東京税関当局が職制機構に指示命令して脱退勧誘をしたことにはならないし、勤務時間中に会議室等に呼び出されたからといって、それだけで東京税関の指示として脱退勧誘がなされたことには結びつかない。また、昇格、特昇等の利益誘導をしたとの点についても、全税関神戸支部においては、懲戒免職処分を受けた者を支部長に選任したため当局から団体交渉を拒否されて職場要求を話し合う場を失ったこと、分裂後原告組合が当局に対して激しい対決姿勢をとり庁舎管理規則違反行為や国公法違反行為を繰り返している事実をみれば、原告組合にとどまったのでは、昇格、昇任、特昇等で現実に不利益を受けることは容易に予測できるのであるから、脱退しないと不利益になるとの勧誘は必ずしも利益誘導とはいえないし、税関労の組合員でない者からの勧誘もそれが東京税関当局の指示によるとは一概にいえない。他方、昇格、昇任、特昇のほかに、異動、宿舎への入居を脱退の見返りとして許可するような態様の誘導を受けたとの記載も陳述書中には認められるが、これらの記載のみでは東京税関当局の関与を認めることはできない。
(三) しかし、他方において、原告組合の組合活動は、昭和三三年以降政治闘争をも行なうようになったとはいえ、依然として厳しい執務状況の中、職場要求等の労働条件改善の要求も行なっていたのであり、東京税関当局による原告組合に対する矯正措置も、同三九年以前には、同三六年五月二二日の原告⑩らに対する訓告処分を記録するだけであり、原告組合ににわかに内部分裂を引き起こす程の過激な活動があったものとはいえず、他に原告組合が分裂せざるを得ない内部の緊急事情も認めがたい。
にもかかわらず、昭和三九年に至って、職制らから、原告組合の執行部に対して政治闘争に偏向しているとの批判が噴出し、同年七月の支部大会から翌年二月までの短期間に分裂に至っていること、その批判の内容ももっぱら全税関の方針に対する批判が中心で、原告組合の具体的活動についてのものは少ないこと、刷新有志会が公然と「全組合員に訴えます」を配布して活動を始めてから同会が発展的に解散し税関労が結成されるまでの期間は同四〇年二月一日から同月一九日までわずか一九日間の短時間であることに鑑みると、当初から当局が職制をそそのかして分裂を意図した活動ではなかったかとの疑いを払拭できず、原告組合執行部に対する批判が自然に高まって内部的に分裂したというにはきわめて不自然な経過を辿っている。そして、原告組合からの脱退者の脱退届は、謄写版で刷られた用紙に各人の署名がなされた体裁のものであること、まとめて郵便で原告組合に送られてきたことが認められ(甲七八の一ないし九、証人q、原告⑮)、したがって、この用紙は予め大量に印刷され用意されていたことを推認することができるのであり、また、税関労が結成された同四〇年二月二七日、名古屋及び長崎の両税関においても第二組合が結成され、翌三月には大阪、函館、同年五月には門司の各税関において第二組合が結成されており、全国的に時期を同じくして第二組合が結成されていることは、税関当局の全国的に統一した指示があったことを仮定すると、容易にその関連を理解することができる。
(四) 右の関連は、以下の事情を考慮すると、一層の現実性を帯びてくるものといわざるを得ない。すなわち、大蔵省関税局考査管理官横田忠良は、昭和三九年一一月一三日から同月二六日までの間、東京税関の職制に対して労務対策の指導をしたが、同人は、同年九月一八日にも大阪税関において職制に対して管理者としての組合対策について講話をしたこと(甲六七一)、神戸税関労働組合及び横浜税関労働組合による税関協議会が同四〇年一月二二日に開催されたが、東京税関当局は、刷新有志会のメンバーである武石幸二、星野正雄、松橋和夫、間瀬弘朝を研修出張として官費で出席させたこと(甲三四、原告⑮、同⑩)、横浜税関山下埠頭出張所輸出通関第二部門統括審査官宍戸献吉郎のメモに、同四七年六月八日開催の山下埠頭出張所の課長会議における次長からの管理課長会議の結果内容の報告として「旧勧誘解除」、「特昇は約束しない」などの記載があり、これは横浜税関における全税関横浜支部に対する対策についてのものであるが、右時点以前においては、横浜税関当局が全税関横浜支部組合員に対し脱退勧誘をするよう指示し、その際に特昇させることを約束することを容認していたこと(甲九、原告⑩)、右宍戸メモは、直接には東京税関における原告組合に対する対策を示すものとはいえないが、前記各原告の陳述書に示された脱退勧誘の態様と一致していることに照らすと、東京税関当局においても同様の態様による脱退勧誘を指示していたことを推認することができること、大蔵省関税局総務課課長補佐森本保雄は、同四四年一月に開催された建設省における研修において、税関における労務管理について報告した中で「昭和三八年五月から第二組合づくりがはじまった。」等と述べていること(甲一一、原告⑩)、以上の事実が認められ、それにもかかわらず東京税関当局の関与を否定するためには、十分な説明を必要とする事情であるといわざるを得ないが、本件においては首肯するに足りる反証はない。
5 以上の各事実に照らすと、原告組合には、結成当初から職制と一般職員の混合という分裂に至る素因があり、原告組合執行部が職制を中心とした同執行部の方針への批判に対し理解を示そうとせず、あくまで従前の方針を固持した点に分裂の一半の要因があるとしても、それだけで右分裂が短期間に進行したものとみるのは相当でなく、税関当局及び東京税関当局が職制を中心とした分裂の動きを助長し、支援するなどして関与したことを推認することができる。
二  仕事上の差別の有無
1 総務管理部門
原告らは、東京税関当局が意図的に総務部から原告組合員を排除したと主張するところ、行(二)職員、タイピスト等の職員を除いた東京税関総務部に配置された原告組合員は、昭和四〇年七月二日の時点で合計一二名であったが、同年九月時点では七名であったこと、同年七月、原告 が総務部会計課から新橋出張所貨物課に、また、原告 は、一一年間にわたり総務部会計課厚生係において共済組合の短期経理(健康保険)、長期経理(年金)及び共済組合経理の総括事務(元帳、伝票、支払等)を担当していたところ、新橋出張所にそれぞれ配置換えとなったこと、原告 は、同四一年九月当時大学に通学していたところ、総務部人事課から羽田税関支署収納課に配置換えになったが、同所については始業時間に間に合わないため特に配置を避けてほしい旨希望していたこと、同四二年七月、原告 が総務部人事課給与係から業務部航空輸出通関第二部門に、また、原告 が総務部会計課厚生係から芝浦出張所にそれぞれ配転となるなどして、結局、同四二年一〇月二日までに、行(二)職員、タイピストを除いて総務部に配置されていた原告組合員は他所に配置換えになっていなくなったことが認められる(甲四二四、一〇一九、一〇三三、一〇五四、一〇七九、一〇八五、一〇八七、原告 、同 )。
しかし、原告 は、総務部会計課厚生係に一一年間という長期間勤務していたのであるから、配置換えの対象となったからといって一概に不当とはいえない。また、原告 は、通学に遠いといいつつも大学を卒業していることが認められ(甲一〇七九)、果して羽田税関支署への右配転が著しい障害であったのかどうかも疑わしい。
また、総務部門は、税関業務全般にわたる総合調整機能を果たす役割を担っており、とりわけ規律の維持及び公務秩序の確保が要請される部門であるから、後記のとおり上司の注意、命令に従わずに非違行為を繰り返していた原告組合員を配置換えすることには、合理的な理由があり、これが直ちに組合所属によるものであるということはできない。さらに、タイピストである原告 は本件係争期間を通じて総務部総務課に配置されていることが認められ(甲一〇五九)、総務部門から原告組合員が全く排除されたものでないことは原告らの自認するところである。
したがって、これら二、三の事情をみても、東京税関当局が意図的に総務部から原告組合員を排除したということは当たらないのであって、原告らのこの点についての主張は失当である。
2 監視部門
昭和四〇年七月、原告 が監視部警務課海務係から羽田税関支署監視官付に、また、原告 が監視部警務課から羽田外郵出張所に配転となったことが認められる(甲一〇七四、一〇七一、原告 )。
しかしながら、監視部門は、質問検査権等の広範な公権力の権限を行使し密輸の取締り等にあたるものであり、総務部門とともに規律の維持及び公務秩序の確保が要請される部門であるから、後記のとおり上司の注意、命令に従わずに非違行為を繰り返していた原告組合員を配置換えすることには、合理的な理由があり、これが直ちに組合所属によるものであるということはできない。
3 職場配置
(一) 原告らは、東京税関当局は、原告らには部下をつけない配置をしていると主張し、右主張に沿う記述及び供述がある(甲一〇〇五、一〇一四、原告⑲、同 )。
しかしながら、右記述及び供述は、いずれも自分には部下がいないというものかあるいは原告組合員に対しては部下のいない職場への配置をされているという抽象的な記述及び供述にとどまり、いつの時点でのことか、原告組合員以外の者の場合はどのようになっているのかについても不明であり、これらの記述及び供述のみでは、原告組合員を組合所属を理由に部下のいない配置をしているものと認めることはできない。
(二) 原告らは、東京税関当局は、原告組合員らには経験や経歴を無視した単純労務にしか服させないと主張し、これに沿う記述及び供述がある(甲一〇〇五、一〇一三、一〇一四、一〇六九、原告⑲、同 )。
しかしながら、いかなる業務が単純業務であるかは軽々に判断できないものであるから、原告らが服する業務が単純業務であるか否かについてもにわかには速断できず、また、仕事の単純性とその仕事の重要性も必ずしも結びつくものではないから、このことが組合差別によるものとは認められない。
三 隔離分断政策の有無
1 特別派出所勤務
証拠(甲二一八、一〇一五、一〇二九、一〇三二、一〇四四、一〇四六、一〇五四、一〇五七ないし一〇八〇、一〇九四、原告 、同⑲、弁論の全趣旨)によれば、以下(一)ないし(三)の事実が認められる。
(一) 税関長は、保税地域(指定保税地域、保税上屋、保税倉庫、保税工場及び保税展示場)に税関職員を派出して、税関の事務の一部を処理させることができるとされ(関税法二九条、三五条)、これらの保税地域の派出所(民間会社等)に勤務することは特別派出勤務と呼ばれていたところ、保税地域の派出所は一人か二人という小人数で勤務することとされ、執務環境も劣るため、希望する職員はいなかった。
(二) 東京税関職員中原告組合員が占める割合は、昭和四四年以降約一割強にすぎないのに、特別派出所職員についてみると、同四〇年は三五名中一六名、同四一年は三一名中一四名、同四二年は三三名中一四名、同四三年は三八名中一九名、同四四年は三一名中一五名、同四五年は四〇名中一九名、同四六年は三六名中一八名、同四七年は三五名中一六名、同四八年は二五名中一四名、同四九年は二六名中一〇名、同五〇年は二二名中八名をそれぞれ数え、役付職員(方面主任)を含めた特別派出所勤務者の中で原告組合員数は、一一年間で延べ三五二名中一六三名となり、その占める割合が約四六パーセントであり、しかも派出先は遠隔地が多かった。
(三) 原告⑮は、昭和三四年六月から同三七年七月まで及び同三八年八月から同四八年七月まで約一三年間(同三七年七月から同三八年八月までは専従休暇)も特別派出勤務についていた。そのほか、原告 は同三四年四月から同四九年七月まで一五年余り、原告 は同四〇年一〇月から同五〇年二月まで約一〇年間、原告 は同四〇年七月から同四九年四月まで約九年間、同 は同四二年一二月から同五一年二月まで約九年間、原告 は同四一年八月から同四八年二月まで約六年半、原告 は同三九年六月から同四四年一一月まで五年半、原告 は同四四年六月から同四九年四月まで約五年間それぞれ特別派出勤務についていた。このように、原告組合員の特別派出勤務は長期に及ぶ傾向があった。
右事実によれば、原告⑮、同 についてみると、原告組合の分裂が生じる前からある程度長期間の特別派出勤務となっているが、特に分裂以後は税関職員全体の原告組合員の割合と特別派出所勤務職員中の原告組合員の割合の間には著しい不均衡があるといわなければならず、特別派出所が、少人数の勤務であるうえ、税関官署、出張所等から場所的に離れているものが多く、その性格上、他の税関職員との日常的な接触は希薄となりがちであることからすれば、この不均衡は、適材適所の方針のもとに行われた結果にすぎないと説明しうる限度を越えて不自然であり、東京税関当局が原告組合員を一般の職員から隔離するために意図的に特別派出所勤務にしたのではないかとの疑いがあり、この疑いを完全に払拭するに足りる事情は見当たらない。
2  新入職員に対する研修・配置
(一) 基礎科研修
(1) 証拠(甲三三九の二、三、甲三八六ないし三八九、乙二一一七、証人植松隆行、原告 )によると、次の事実が認められる。
国公法七三条一項一号、人規一〇―三、同一〇―五、税関研修所研修規則によると、税関では、税関職員として必要な一般的知識の修得を目的とする一般研修と専門知識の修得を目的とする実務研修とがあり、一般研修には、新規採用者を対象とする基礎研修、一定の実務経験を有する職員を対象とする普通科研修(昭和四五年以降「中等科研修」という。)と勤務成績の特に優秀な職員を対象とする高等科研修とがある。このうち新規採用者を対象とする基礎科研修は、優れた公務員、社会人としての基盤育成に努めるため、公務員としての服務規律、基礎知識及び実務の入門知識を養うことを目的としていたが、その期間は、昭和四〇年は九〇日間、同四一年には四か月間、同四二年には六か月間、同四五年には九か月間と次第に長期化した。
昭和四二年当時の基礎科研修は、新規採用の職員すべてが全員入寮制の下で大蔵省税関研修所(東京都新宿区市ヶ谷本村町四二番地所在)に集められ、四月一日から九月下旬まで実施された。そして、同年四月一日の東京税関の入関式に際し、原告組合員が全税関のビラを配布したところ、新入職員が控え室にいるときに東京税関総務課職員が新入職員から右ビラを回収した。
基礎科研修においては、国公法の講義の一環として、指導官から全税関について触れる内容の講義がなされた。また、寄宿舎においては、全国の税関から係長クラスの者が指導官(教育官)として派遣され、私生活上のことも含めて指導にあたった。そして、指導官は、講義終了後の午後四時から五時までのミーティングの時間、午後七時から午後九時位までの自習時間においても、新規採用者の指導にあたったが、その際、全税関の活動について触れる内容の説明があった。基礎科研修終了後、新入職員は、指導官から近くの戦傷病者会館において税関労の説明会に参加することを勧められた。
新入職員は、基礎科研修が終了すると、品川寮に入寮した。品川寮では、寮管理人、寮副管理人、部屋長らから税関労への加入を勧誘され、同労組への加入用紙を渡された。その結果、昭和四二年度の新入職員はほとんどの者が税関労に加入した。
(2) 原告らは、基礎科研修は、税関当局が、原告組合と新入職員との接触を遮断し、その間に原告組合に対する一方的なデマ、中傷を加え、新入職員に原告組合に対する嫌悪感を植え付けると同時に、他方において、税関労への加入を働きかけて、原告組合に新たな組合員が加入するのを防ぐことにより、原告組合の組合員数が増加しないようにして、同組合の組織を潰そうとしたものである、と主張する。
右(1)の認定事実によると、新入職員は、基礎科研修の期間は、事実上原告組合との接触が断たれていることにはなるが、これは、税関業務の基礎的研修の間、全寮制をとって研修するという形態をとったための結果であり、新入職員が集中して研修をするために右の仕組は必ずしも不合理なものではなく、この制度が原告組合と新入職員とを隔離分断するために計画されたものとは認められない。また、研修の一環として、税関における労務対策等についての講話がなされることも不適切なものとはいえないし、寄宿舎において、指導官からされた原告組合についての指導は、ミーティングの時間、自習時間等の対話においてなされたものであり、当局からの指示によりそのような内容の指導がなされたものとは一概にはいえないのである。
しかしながら、前記第三の一2(六)に認定のとおり、昭和四二年三月三〇日の東京税関の部長会議において、研修課長が「入関式に旧労がビラを配布するから研修教室に入場の際に回収したい」旨を発言したことからすれば、全税関のビラが新入職員から回収されたことは、東京税関当局が新入職員を全税関に加入することを制限する目的でしたものであると推認することができ、また、新入職員が指導官から税関労の説明会への参加を勧誘されたことは、各指導官の単なる個人的意見としてなされたとみるのは不自然であって当局が意図的に原告組合への新入職員の加入を防ぐために行われたものであると推認することができる。
(3) なお、原告らは、税関当局は、あくまで原告組合と新入職員との接触を遮断しようとし、原告組合員が、基礎科研修中の新入職員に対する原告組合への加入の呼びかけのため、寄宿舎での研修生への面会を要求したが、指導官により拒否された、と主張する。
人事院総裁は、昭和五一年二月三日、全税関中央執行委員長であった原告⑩が同四七年三月二三日に提出した「研修生の処遇改善に関する行政措置の要求」に対して、判定を下したが、その判定の中で、寄宿舎規則一四条の規定(部外者は予め班担当指導官の許可を受けた場合のほかは寄宿舎に立ち入ってはならないこと、基礎科研修生が部外者と面会しようとするときは班担当指導官の指定した場所においてしなければならないこと)について、「当院の調査によれば、研修生を特定して面会を求めた場合これを許可しなかった事例は認められない。」と認定し、右措置要求を却下したことが認められるところ(乙二〇六七)、同規定は、研修のための寄宿舎を管理する必要から、部外者の無断立ち入りを原則的に禁止する趣旨で定められたものであり、部外者との面会を不当に制限した事例もないのであって、指導官は特定の研修生を対象に面会を求めた場合には面会を許可していることが窺われ、特定の研修生を対象としないで、一般的に研修生に対して原告組合員らが面会を求めることを不許可とすることも、寄宿舎の管理という観点から必ずしも不合理とはいえないのであるから、原告組合への加入の呼びかけのために寄宿舎での研修生への面会要求を拒絶したからといって、当局が原告組合員と新入職員との接触を遮断するために不許可にしたものとまでは認められない。
(二) 新入職員の配置
原告らは、東京税関当局は、原告組合員と新入職員の接触を遮断するよう新入職員の配置をしたと主張し、証人植松隆行の証言には、昭和四六年二月、植松隆行が羽田税関支署の監視部門から輸入通関第四部門に配置換えとなるまでは、ほとんど原告組合員のいない職場であったこと、輸入通関第四部門には原告組合員が四名いたが、吉田嘉春統括審査官から原告組合員とはつきあわないようにと指示されたこと、仕事のことも原告組合員には聞かないようにと指示されたこと、同年五月の休日に原告組合員とともにハイキングに行ったところ、吉田嘉春統括審査官から注意を受けたことなど原告らの主張に沿う部分がある。他方、同四六年のメーデーに原告組合員二名と税関労の組合員二名が参加しようとしたところ吉田嘉春統括審査官から参加者が多すぎるといわれて原告組合員二名と税関労の組合員一名が参加したことが認められ(乙二一一八)、これに照らすと、必ずしも証人植松の供述するように原告組合の所属を理由にその交流を制限されたものとまでは認められない。
しかし、前記認定のとおり、昭和四二年五月一日に開催された東京税関部長会議(甲三四三の一、二)において、新入職員の配置について議題とされ、新入職員は公務員倫理、税務規律の修得と税関の基本業務で理解が容易であることから警務関係の職場に優先配置する方針であるが、新入職員全員を警務関係に配置することは定員数、職員構成から困難であることから一部新入職員については、原告組合の影響等を考慮して配置する方針をとることとされたのであり、ここには、東京税関当局が新入職員を原告組合の影響を受けないような配置を考慮していたことが端的に窺うことができる。
(三) 新入職員の入寮
(1) 原告らは、新入職員を基礎科研修の後、原告組合員のいない寮に集めて、寮生活においても新入職員を原告組合員から隔離しようとしたと主張するところ、証拠(甲一一一、一四四、甲三四三の一、二、甲三四九の一、甲一〇九〇、証人植松隆行、同鈴木康夫、原告 、同 )によると、次の事実が認められる。
品川寮は、昭和四一年三月港区港南に完成したもので、鉄筋五階建ての棟が三棟で構成され、部屋数は約九〇室あり、六畳(七〇室)、四畳半(二〇室)及び三畳(三〇室)の三種類の部屋があり、各室の定員は六畳間は二名、四畳半及び三畳間は一名であった。一階部分は世帯者が副管理人として入室し、二階以上は独身者が入室する運営となっており、定員は一九〇名であった。同寮の管理人には、厚生課課長補佐が専任として配置されていた。同四一年度の品川寮には原告組合員二名が入居していた。
ところで、昭和四二年五月一七日付で独身寮に関し作成された資料中には、各独身寮の入寮者のうちの組合別人員構成についても示されていた。これによると、同年一月当時、東京税関の管理する独身寮としては、巣鴨寮(定員八名)、大森寮(同一四名)、萩中寮(同一八名)、芝寮(同二〇名)、四谷寮(同三四名)があり、他に関東財務局財産の青山寮(同四四名)があった。当時品川寮には一四七名が入寮し、四三名の欠員があり、うち原告組合員は一名であった。萩中寮の欠員は三名であった。
昭和四二年五月一日の東京税関の部長会議において、新入職員を基礎科研修終了後全員を品川寮に入居させること、八等級六号俸以上の先輩室長を各戸に配し、私生活全般について指導及び相談に応じさせること、主として役付職員の寮副管理人を各棟の一階に入居させ、配偶者の協力により寮生の世話及び一切の相談に応ずるよう配慮することなどを検討した。同年度の東京税関の新入職員は、基礎科研修終了後、全員品川寮に入寮した。
原告 は、昭和四二年、品川寮への入寮の申込みをしたが、その結果についての通知がないので、当時の羽田税関支署総務課管理係員鈴木康夫に尋ねたところ、品川寮への入寮は難しい旨いわれた。その後萩中寮への入寮許可通知が届いたが、当時、品川寮には空き室があった。
原告 は、昭和四〇年ころ、原告組合を脱退し、税関労に加入し、その後品川寮に入寮した。同人は同四一年一〇月原告組合に復帰したが、その後、当時の会計課長補佐山本正三から友人を寮管理人に無断で宿泊させたことが寮管理規則違反となることを理由に口頭で厳重注意を受けた。原告 は、同四三年一〇月一三日、久保田東京税関輸出部長から本関輸出部から酒田税関支署への異動の内示を受けた。この配転内示に対し、当時の品川寮に入寮していた一八〇名の職員のうち一〇四名が配転撤回の署名をした。同原告は、同四四年一〇月一六日付で酒田税関支署に異動した。
(2) 右事実に基づいて検討すると、まず、東京税関の新入職員三五名について、交通事情、諸設備等において同一条件で一括して入寮させることのできる寮は、昭和四二年当時、品川寮のみであったから、新入職員を一括して品川寮に入寮させたことには一応の合理性がある。
また、大蔵省関税局総務課課長補佐森本保雄は、昭和四四年一月に建設省で開催された研修において、税関における労務管理について、「独身寮についてもわれわれは赤組宿舎、白組宿舎と区分して入れている。そして寮管理人は厚生課長補佐をあてている。」と報告したことが認められ(甲一一)、これによると、東京税関当局においても、原告組合対策として、独身寮について組合差別をしていたのではないかとの疑いが生じるが、新入職員の中から原告組合に加入する者がいなかった結果として新入職員の集中した品川寮に原告組合員の割合が少なくなったとしても、それは、新入職員と原告組合員を隔離するという目的の下になされたものということにはならないから、右の森本課長補佐の発言のみからは、直ちに原告組合員らに対する差別を目的とした取扱いであるものと推認することはできない。
次に、原告 について考えると、昭和四二年一月当時の品川寮の欠員は四三名であり、その後同年度の新入職員全員が品川寮に入寮したとしても計算上八名の欠員があることとなるが、新入職員だけを一括して一つの寮に入居させることに一応の合理性があり、また、新入職員と原告組合員とを隔離するために原告 を品川寮に入居させなかったものとまではいえない(証人鈴木康夫)。
また、原告 の場合については、昭和三九年東京税関に入関後、同年六月本関監視部警務課、同四一年八月本関輸出部航空貨物課を経て、同四三年一〇月酒田税関支署に配転となり、同四六年二月には酒田税関支署から羽田税関支署羽田外郵出張所へ配転となっていることが認められ(甲一〇九〇)、このような異動経過をみると、東京税関が特に異常な時期に特定の目的をもって同原告を酒田税関支署へ配転したものとは認められない。
四  配転
原告らは、東京税関当局が、組合役員に就任した原告組合員について、通勤困難な職場へ配置換えをし、あるいは健康状態や家庭状況を無視した配転をしたと主張するので、以下検討する。
1 組合役員など
証拠(甲一〇〇四、一〇一〇、一〇一九、一〇二三、一〇三三、一〇四四、一〇六七、乙二〇八二ないし二〇八九、原告 、同⑲、同 )によると、以下(一)、(二)の事実が認められる。
(一) 東京税関当局は、昭和三九年六月、原告組合の財政部長に同三八年に就いた原告 を本関監視部貨物課(派出勤務)に配転したが、そのため原告組合では前財政部長で当時副支部長であった原告⑩が財政部長を兼ねざるを得なくなった。そして、同四〇年七月三日、当時原告組合鑑査分会長であった原告⑥を本関鑑査部から羽田税関支署に、同三五年から同四〇年まで業務分会長であった原告④を本関業務部から立川出張所に、同四〇年度の原告組合婦人部長となった原告 を本関総務部から新橋出張所にそれぞれ配転し、さらに、同四一年度の原告組合晴海分会長の原告⑲を同四二年七月二五日晴海出張所から羽田税関支署輸入部門に配転し、また、原告 について、いずれも原告組合の執行委員の任期中、同四四年六月に羽田税関支署から新橋出張所輸出第二部門へ、同四八年七月に東京外郵出張所輸入第二部門から立川出張所にそれぞれ配転した。
(二) 他方、東京税関では、毎年七月に大規模な人事異動があったところ、特に昭和四二年七月は、従来東京税関では事務系の職員を業務部に、技術系の職員を鑑査部にそれぞれ配置してきたが、通過事務量の増大と大蔵省の組織規程等の一部改正が原因で鑑査部が現在の輸入部に、業務部が現在の輸出部に名称変更されたため、東京税関は、この従来の配置をとりやめて、事務系、技術系にこだわらずに職員を配置することとなり、同月二五日、右の趣旨の下に三〇〇名位の多数の職員を異動した。原告⑲の異動も右の大異動の一環として発令されたものであり、当時原告⑲は、晴海分会長に就任して一期分(約半年)の任期を務め終えていた。
以上の事実によると、原告組合の役員であるからといって、定期の異動の対象とならない特権があるわけではないところ、いずれの異動も東京税関の定期の異動時期に行われたものであり、また、確かに各原告は当時原告組合の役員ではあったが、必ずしも、役員になった直後に異動となったわけではなく、相当期間を経過して発令されていることを考慮すると、原告組合の役員であることを理由に東京税関当局が不当に配転したとの原告の主張は、いまだ根拠に乏しいといわざるを得ない。
また、原告⑲は、右配転について、原告組合に所属しているがために通勤困難な場所へ配転された旨を主張するところ、大宮市所在の大宮宿舎から蒲田経由での通勤所要時間は約三時間となるが、原告⑲は、羽田税関支署輸入部門へ異動当時大宮宿舎に居住していて、そのころから一般にモノレールを通勤に使用するようになっており、モノレールを利用すると原告⑲の通勤時間は片道約二時間であるうえ、当時大宮宿舎から羽田税関支署に通っている職員は、ほかにも数名いたことが認められ(原告⑲)、これらの事実によると、原告⑲の主張は根拠があるとはいえない。
2 遠距離通勤
証拠(甲一一〇、一〇〇四、一〇一三、一〇一九、一〇二四、一〇四九、原告 、同 )によれば、昭和四二年一〇月、東京税関当局は、原告組合員Xを東京外郵出張所から本関へ異動させたが、当時Xは、栃木県栃木市富士見町に居住しており、品川埠頭の本関まで片道通勤時間として約二時間四〇分を要することとなったところ、父親と弟と三人で暮しており、隣家に出産予定の姉夫婦とその子供が居住していたが、父親は脊髄を傷め、右手をリューマチに罹患していたことが認められる。
しかしながら、栃木市から東京に通うとすれば、通勤先が都内のいずれの場所であっても遠距離通勤となることは十分予測できるところである。遠距離通勤とならない勤務先でなければいけないとすると、Xの通勤先はきわめて限られてしまうことになるのは明らかである。同女も、東京都、埼玉、群馬、山梨、新潟、山形の五県を管轄とする東京税関に勤務する以上、ある程度転勤があることは予定すべきで、遠距離通勤だから、一切配転を認めないというわけにはいかず、遠距離通勤の点については別の手段で解消をはかるべきであったというべきである。
3 健康状態
昭和四四年一一月、東京税関当局は、当時緑内障に罹患していた原告④を立川出張所から東京外郵出張所に異動したが、その結果、武蔵村山市の官舎に居住していた原告④は通勤に片道約二時間を要することとなったことが認められる(甲一〇〇四)。しかしながら、東京税関の職員中には片道二時間の通勤時間をかけている職員がほかにもいたことが認められ(原告⑲)、また、長距離の通勤、大量の小包の区分け及び開披検査などの同原告の作業が緑内障にどのような影響を及ぼすものであるかを明らかにする証拠はない。
昭和四四年一一月、東京税関当局は、原告 を、晴海出張所から羽田税関支署監視官付に異動したが、右異動により、原告 には夜勤、泊まり勤務が増えたこと、当時原告 は、慢性多発性関節リューマチに罹患していて、右病名の診断書を提出して日勤の職場への配転換えを伴野統括監視官に申し出たが、東京税関当局は診断書に夜間勤務に耐えられない旨の記載がないとして配置換えを認めなかったことが認められる(甲一〇二四)。しかしながら、慢性多発性関節リューマチに罹患していると夜間勤務に耐えられないのか否かについては、なんらの証拠もなく、結局、原告 の配置換えの申出内容も耐えられないことはないができれば避けて欲しいという趣旨の配転希望であると解される。東京税関当局も業務上の必要性に基づいて配転しているのであるから、配転についての本人の希望が必ず通るとは限らないのはやむを得ないところであり、東京税関当局において原告 が原告組合員であることを理由にことさらの配転をしたものとは認められない。
4 家族状況
昭和四八年七月、東京税関は、原告 を東京外郵出張所から立川出張所に異動したが、当時原告 の妻は妊娠六か月であり、前年には流産したことが認められるが(甲一〇六七)、右事情が原告 の配転に影響を与える重大な事情とは認められない。
昭和四二年七月二五日、東京税関当局は、原告 を本関業務部から晴海出張所へ異動したが、同原告は、右異動の半月程前に北品川から大森町へ転居し、右の異動の結果、通勤時間は従来三〇分ないし四〇分だったところ、一時間一五分から二〇分かかることとなったうえ、同年八月同人が妊娠していることが判明したことが認められるが(甲一〇四九、原告 )、他方、同原告は、同四九年四月一日、晴海出張所から本関へ配転となった際にも、その当時の住居から品川埠頭の本関の庁舎までは通勤に二時間もかかり、小学校一年生と保育園に通う子供をかかえて生活が破壊されたと述べていることが認められ(甲一〇四九)、また、同四二年当時東京税関の職員中には、通勤片道二時間程の職員は他にもいたことが認められ、(原告⑲)、原告 の通勤時間のみが特に長いわけではない。また、同原告が妊娠していることが判明したのは異動後の同四二年八月であり、東京税関当局において同原告が原告組合員であることを理由に特に家族状況を敢えて無視した異動をしたものとは認められない。
原告 は、昭和四六年四月ころ、長女が保育所に入所したため、保育所に近い東京外郵出張所への異動を希望していたが、同四八年二月に至って東京外郵出張所に異動したことが認められる(甲一〇八五)。同原告は、自身の異動の希望が直ちに認められなかったのが、組合差別であると主張するもののようであるが、同人の陳述書によっても、同原告は、当時の上司から、東京外郵出張所は異動の希望者が多いところであるから難しいが努力する旨の回答を受けており、そして、二年後とはいえ、同原告の希望通りの異動がなされていることが認められる。職員の異動は、職員が希望すれば直ちに希望通りの異動が認められるものでなく、各職員の希望の調整だけでなく、各職場の欠員の状況、必要とする職員の能力などを総合的に考慮したうえで決められるものであるから、結局、希望がかなうまで二年かかったからといって直ちに差別ということはできず、他に右異動の遅れが原告組合員であることを理由とする差別であると認めるに足りる証拠はない。
5 職務内容
東京税関当局は、昭和四四年三月二〇日、原告⑬を本関輸入部から東京外郵出張所に配転した(甲一〇一三)が、同原告は同出張所において入関後わずか数年の若い職員と同じ内容の仕事をさせられた旨を陳述するが、能力主義の下では配転の際に後輩職員と同じ内容の仕事に就くこともあり得ることであり、東京税関当局において、原告⑬が原告組合員であることから差別の一環としてことさら右のような内容の配転をしたと認めるに足りる証拠はない。
五  宿舎入居
原告らは、宿舎への入居にあたっても東京税関当局が組合所属を理由に原告組合員を差別した旨主張するので、以下検討する。
1 原告 は、組合分裂前の昭和三七年当時、横浜市金沢区六浦町所在の室の木公務員宿舎の入居者は、希望者の中から抽選で決定されていた旨を陳述する(甲一〇二六)。しかしながら、同三四年一〇月ころ、原告組合と東京税関当局とが宿舎の入居基準について協議をした際、東京税関当局側は、①職務の等級、②勤続年数、③住居過密度、④通勤圏、⑤住居費と収入との比、の五項目について点数システムで決定する入居基準案を原告組合に提示したところ、原告組合は、職階による基準を作らないで、困窮度を中心に①家族数と収入の比、②住居過密度、③住居費と収入の比、④申込み順位、⑤勤続年数、⑥通勤費、⑦年齢の七項目について点数システムで決定する基準案を提示したが、当局側で受け入れられなかったこと、同三六年ころにおいては、申込順位、等級、勤続年数をそれぞれ点数に分けた基準によっていることが窺えるが、なおも原告組合は、支部ニュースを通じて、宿舎への公平な入居基準を決定すべきことを訴えていることが認められ(甲三一六、三一七)、これらの事実に照らすと、原告組合の分裂前において、宿舎の入居者の決定に当たって、抽選の形式が採られていたとは認められず、同三七年ころにおいては、主として五項目の事項について点数方式で検討する方式が採用されていたことが窺える。
他方、証拠(証人鈴木康夫)によると、昭和四四年ころの宿舎入居に関する事務手続は、管理係長が、宿舎貸与希望者の号俸、職種、家族関係、希望宿舎名等を記載した一覧表を作成したうえ、空いている宿舎を見較べてその時々に応じた宿舎貸与の素案を作成し、本人の希望状況、宿舎の空き、宿舎の貸与基準を参考にして決定していたこと、宿舎貸与の基準としては、国家公務員宿舎法一四条で国の事務運営の必要から公平に行なう旨定められ、同法施行令一二条においては、①部長クラス、②課長クラス、③五等級、④犯罪捜査に従事する者、⑤国税の徴収事務に係わる者、⑥その他の順序で貸与し、同順位の職員がいる場合は職務内容、住宅の困窮度を勘案して定める旨規定され、さらに、同法施行細則において各号俸に応じて貸与される住宅の広さについての基準が定められていたこと、しかし、大蔵省あるいは東京税関において、具体的な独自の貸与基準は特に定められておらず、本人の希望に優先して宿舎貸与の法定基準をもって運用していたが、基準通りにいかないときには、管理係長は、総務課課長補佐あるいは同課長に相談のうえ宿舎入居者を決定していたこと、以上の事実が認められる。
2 ところで、各原告が当審に提出した陳述書には、宿舎入居に当たって組合員であることを理由に差別されたとの意見が記載されているので、個々に判断する。
(一) 原告⑮は、昭和四二年七月宿舎に入居したが、この際激しく抗議してはじめて入居することができたと陳述するが(甲一〇一五)、抽象的な指摘に留まり、右事実についての具体的主張もなく、これを認定するに足りる証拠もない。
(二) 原告 は、自分より年齢が若くて号俸も低い第二組合員(Y)が平塚宿舎に入居できたにもかかわらず、希望する同宿舎に入居できなかったのは、組合所属による差別である旨陳述する(甲一〇六九)。原告 は、平塚宿舎への入居を希望したところ、東京税関当局から空室がないとの理由で入居を認められなかったが、その後も萩中寮には空室があったと聞いた旨を陳述する(甲一〇六二)。また、原告 も、宿舎への入居希望を上申したが、宿舎への入居は認められなかった旨を陳述する(甲一〇五〇)。
原告 は、昭和四一年四月に結婚し、その数か月前から宿舎入居を希望していたが、東京税関当局から空室がないとの理由で宿舎入居を認められなかったところ、妊娠中であった同四二年三月、再度、保育園への入園に便利で職場まで一時間位で通勤できる平塚宿舎への入居を希望したが、東京税関当局から空室がないとの理由で入居を許可されなかったことが認められる(甲一〇六九)。東京税関当局は、昭和四二年ころに大田区萩中に完成した木造の萩中宿舎に、羽田税関支署の泊まり勤務者を優先的に入居させようとしたが、同宿舎への希望者が少なかったところ、当時羽田税関支署の泊まり勤務をしていた原告 は、係員に勧誘されて同原告所属の班に所属する職員六、七名と共に同宿舎への入居を希望したものの、入居が許可されなかったことが認められる(甲一〇二六)。また、原告 は、民間アパートに妹と共に居住していた同四一年ころ、矢野総務課長補佐に対して官舎への入居希望を上申したが、同補佐から、既に羽田税関支署の分についての入居者は決定した旨の返答を受け、さらに、その後同四三年八月以降、越後谷関税審査官に宿舎への入居希望を上申したが、宿舎への入居は認められなかった(甲一〇五〇)。
しかしながら、原告 は、勧誘を受けた平塚宿舎への入居を認められなかった後も萩中寮には空室があったと聞いた旨を陳述するが、昭和四二年一月の時点で萩中寮の欠員は三名であったことが認められるものの(甲三四三の一、二)、同原告が入居の勧誘を受けた時点が本件証拠上判然としないため、その当時に空室があったか否かは不明である。同年当時、東京税関においては、定員の増加にもかかわらず、施設、設備が整わず、宿舎事情も逼迫しており、ようやく鉄筋コンクリート造りの宿舎が建築されるようになってきた時期であるが、平屋又は二階建ての木造宿舎が多く、世帯宿舎への入居を希望しながらも入居できないでいた職員が多数いたことが認められる(証人鈴木康夫、原告⑮)。
これらの事実に照らすと、右の各原告らの各陳述は、一方的に自己の希望が入れられなかったことについての不満をいうもので、当時の東京税関では逼迫した宿舎事情にあったこと、大蔵省あるいは東京税関においては宿舎入居について本人の希望に優先して宿舎貸与の法定基準をもって運用していたことからすると、希望どおりの宿舎に入居できなかったからといって、これをもって組合所属による差別であるとは認められない。
(三) 原告 は、昭和四五年一〇月結婚し、宿舎入居を希望したところ、東京税関当局は、空室がないと説明し、同年四月ころから空室となっていた大宮宿舎のWB一二三号室への入居を許可しなかったことが認められる(甲一〇五七)。
しかし、昭和四五年当時、宿舎希望者は四〇名から五〇名はおり、入居までの期間としては半年から一年かかる人もいたこと、そのうえ、同年ころ、東京税関においては、翌年四月に成田空港の開港が予定され、成田空港の税関要員として他税関から数十名の職員を東京税関に転入させる計画があり、その職員を受け入れるための宿舎を確保する必要があったこと、成田空港に勤務する職員用の宿舎を早急に確保できず、東京税関では、既存の宿舎をできるだけ確保しようとしていたため、外形的には空き室ではあっても、右の成田空港勤務職員用に押さえてあるため、他の職員の入居を容易に認めることはできないという事情にあったこと、その後、同四六年に至り、横浜市港南台の宿舎が完成し、相当数の宿舎が確保でき、成田空港勤務職員用の既存の宿舎を解放したので、同年二月以降は、宿舎への入居が認められやすくなり、同原告も同月に大宮宿舎のWB一二三号室への入居を許可されたことが認められる(証人鈴木康夫)。
右事実に照らすと、昭和四五年ころ、東京税関においては、一見宿舎に空いている部屋があるように見えたとしても、成田空港開設を前に他税関から東京税関に多くの職員を転入させなければならないという特殊事情のため、容易に職員の入居を認めることのできない状況にあったものというべきであり、同原告の場合も入居した宿舎が以前から空き室になっていたからといって、直ちに東京税関当局が組合所属によって差別した事例とは認められない。
(四) 原告 は、昭和四六、七年ころ、前記萩中宿舎に入居していたが、同じ萩中の鉄筋建ての税関宿舎への転居を希望した際、厚生課長から「あそこはやめてくれ。いわなくてもわかるだろう。」といわれた旨陳述する(甲一〇二三)。
しかし、当時の厚生課長の発言は、氏名の特定もなく、どのような状況でなされたものか明らかとならず、直ちにそのような発言があったのか否かも、発言の趣旨も不明である。さらに、右陳述書によると、同原告は、前記萩中宿舎に入居していたところ、東京税関当局から宿舎転居の斡旋を何回か受けていたが、萩中の鉄筋建ての税関宿舎に移転したいとの希望を出してこれを固辞していたのであって、しかも、萩中宿舎は昭和四一年に建築され羽田税関支署の近くという場所柄、職員の入居率が高く競争率の高いところであったが、同原告は、結局一年数か月後、右の鉄筋建ての税関宿舎に転居することができたことが認められる。
そうすると、同原告は、自らの希望に固執して東京税関当局からの宿舎斡旋を拒んだが、結局のところ希望通りの宿舎に入居できたのであるから、この点について差別扱いを受けたという根拠に乏しいといわざるを得ない。
(五) 原告 は、東京税関当局が理由を示さずに同原告の独身寮の入寮希望を認めなかったこと、同原告が結婚後の宿舎入居希望に対しても、原告組合の追及により約一年経過後に許可したにすぎなかったが、これは組合差別である旨陳述するが(甲一〇七八)、いずれも時期の特定もなく、抽象的な陳述に止まり、同原告の陳述を裏付けるに足りる証拠はない。
(六) 原告⑲は、昭和三八年六月、木造住宅の大宮宿舎に入居したが、当時大宮宿舎に入居していた同等級の職員の一部が東京税関当局のあっせんにより鉄筋建ての宿舎へ移転したことが認められる(甲一〇一九)。
しかし、他方、右陳述書自体によっても、同原告自身、妻の勤務の関係から大宮宿舎から転居する希望がなかったこと、昭和四五年五月ころ東京税関当局から同原告に対し千葉市所在の東宿舎への入居をあっせんされた際にも、家庭の事情からこれを断ったことが認められ、これによると、同原告が大宮宿舎から移転しなかったことは同原告自身の家庭の事情によるものであるというべきであり、少なくともこれについて東京税関当局による差別扱いの事実は認められない。
(七) 原告 は、昭和四三年、原告 と結婚し、アパートに居住しながら追浜宿舎への入居を希望していたが、右原告らより四か月後に結婚した第二組合員Y、Tらが結婚と同時に同原告らより先に追浜宿舎に入居した旨陳述する(甲一〇八七)。
しかし、原告 の陳述書(甲一〇六九)中には、Yが平塚宿舎に入居したことを指摘していることに照らすと、比較対象となる第二組合員の入居事実を明確には認定できないのみならず、既に認定したように、宿舎への入居基準については、国家公務員宿舎法一四条、同法施行令一二条、同法施行細則等において貸与基準が定められていたところ、原告組合との協議においても、申込順序のみに基づいて貸与の有無が決定されていたわけではないことが認められるのであるから、入居申込の先後と実際の入居の先後とが対応していないからといって、直ちにこれが組合所属によるとは認められない。
六  各種研修
原告らは、原告組合員が、東京税関当局によって、昭和四〇年から同四四年までは研修から全面的に排除され、原告組合の抗議、研修差別撤廃の要求行動により、同四五年から原告組合員も中等科研修を受講できるようになったが、受講年次の点で差別され、また、それ以外の研修の受講についても差別を受けたと主張するので、以下検討する。
1 国公法七三条一項一号、人事院規則一〇―三(職員の研修)一条、二条によると、各省庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、職員の職務と責任の遂行に密接な関係のある知識・技能等を内容とする研修を実施するよう努めなければならないとされているところ、証拠(甲一一二ないし一一五、二〇五、三八六ないし三八九、四一九、弁論の全趣旨)によると、以下(一)ないし(三)の事実が認められる。
(一) 大蔵省設置法一四条、一六条の二によって、大蔵省の付属機関として東京都新宿区市ヶ谷に税関研修所の本所が、その他九税関所在地に支所が設置され、税関職員に対する研修が実施されている。税関においては、管理者研修として、幹部研修、上級・中級・初級管理者・新任管理者の各研修が、一般研修として高等科・中等科・基礎科研修が、専門研修のうち専攻科研修として、研究科研修、大学委託研修、各種の実務研修が、同じく特修研修として、特別英語委託研修、簿記通信研修などが実施されている。
(二) 高等科研修は、税関の幹部職員として必要な一般教養と、税関行政全般に関する実務知識を習得させることを主な目的とし、六等級相当の役付直前の職員を対象に大学教養課程程度の学力を前提とされ、普通科研修を受講した者の中の成績優良者も高等科研修の受講対象とされた。
(三) 東京税関においては、各研修の受講者の選定にあたっては、国公法七三条一項一号、人事院規則一〇―五、税関研修所研修規則の趣旨に従い、個々の職員について研修を必要とする度合、本人の資質、将来性を考慮した人事管理上の要請等を総合的に勘案し、研修の効果が最も期待される職員を選考することとしていた。
2 昭和四〇年から同四四年までの研修の実態については、証拠(甲一二、二六、二〇五、三八六ないし三八九、四一九、原告 、同 )によると、次の(一)、(二)の事実が認められる。
(一) 普通科研修は、一般職員に対する税関業務に必要な知識と能力の習得を図り、広く一般職員のレベル向上のため法学等の基礎講義及び実務一般を教授するものとされ、行政職(一)七等級及び八等級の職員で採用後五年以上の職員を対象として実施され、普通科研修の受講者のうち成績優良者は高等科研修の対象とされた。当初、期間は七二日間であったが、昭和四〇年度からは七五日間となり、また、同四五年度からは名称が「中等科研修」と変更された。同三九年以前は、東京税関の職員は、採用年次順に普通科研修を受講し、同三七年から同三九年までの間に同二八年以前採用の東京税関の職員はほとんど普通科研修を受講し終わっていた。
(二) 昭和四二年度の各種研修についてみると、東京税関において合計二六八名の職員が各種研修を受講しているにもかかわらず、全税関組合員は原告 のみが通関実務研修を受講したにすぎなかった。昭和二九年から同三六年に入関した原告組合員は、一人を除いて普通科研修を受講していないが、東京税関当局は、これらの職員は、同四五年の時点で旧六等級に昇格しており、八等級及び七等級の職員を対象とする普通科研修の受講資格がなくなると説明した。また、高等科研修は、行政職(一)六等級の職員で年齢三五歳以下の勤務成績及び健康状態の良好な職員を対象として実施されていたが、東京税関当局は、高等科研修は普通科研修を受講した者を対象とするから普通科研修を受講していない原告組合員には受講資格がないと説明した。
なお、神戸税関においては、普通科研修生の推薦に当たり、「なお思想穏健な者を推せんされたく活動家はなるべく御遠慮下さるよう併せて申し添えます」との記載のある文書が発見されている。
しかしながら、他方、証拠(乙二〇九五ないし二一一六)によると、昭和四〇年度の普通科研修には原告⑯が、同四一年度の普通科研修には原告 が、同四四年度の普通科研修には原告 がそれぞれ参加していること、その他の研修についてみると、同四〇年度の統計実務研修には原告組合員Yが、同四一年度の監査実務研修には原告 、同 、同 が、同四一年度の通関実務研修には原告組合員Zが、同四四年度の統計実務研修には原告 、当時原告組合員であったKがそれぞれ参加していることが認められる。原告 は、当審において、これらの研修のほとんどが実務研修で四、五日の短期間の実務に配置して、基礎的な必要最小限のことを教える程度のものであった旨を供述するが、研修の内容はともかくとして、右に認定したように普通科研修を受講している原告組合員がいたのであるから、原告らが主張するように同四〇年から同四四年の間原告組合員が全面的に研修から排除されていたものとは認められない。
また、高等科研修は、受講資格のある職員のうち勤務成績の良好な者が選考されていたものであるから、原告組合員が選考されなかったとしても、それだけで組合所属により東京税関当局が原告組合員らを差別したものとまでは認められない。
3 昭和四五年以降の研修の実態についてみると、同四五年以降は、中等科、新任管理者、中央分析委託、商品学、統計、輸入通関、事後調、評価、保税実務、経営分析、通関実務、基礎科学、鑑査実務、審理、輸出、分析、製造歩留、貿易取引価格、輸入実務、経営学、分類、接遇、英会話、中級英会話の各研修を、原告組合員らも受講しており、同年度には原告 、同四七年度には同 、同四八年度には同 、同 、同 、同四九年度には同 、同 、同 、同 、同 、同 、同五〇年度には 、同 、同 、同 、同 が、その他同 、同 、同 、同 がそれぞれ中等科研修を受講していることが認められるのであるから(甲二〇五、一〇六四ないし一〇六六、一〇七三、一〇七五、一〇七六、一〇七九、一〇八〇、一〇八二ないし一〇八四、一〇八八ないし一〇九一、一〇九六、一〇九七、一一〇二、一一〇四、一一〇五)、原告組合員は、中等科研修を始め、各種の研修を受講しているのであり、原告らの主張するような差別があったものとはいえない。
また、原告らは希望した研修を受講させてもらえなかったことをもって組合差別であると主張するが、右各種の研修は、職員の希望に従って受講を認めるものではないのであるから、この点をもって差別ということもできない。さらに、原告らは、仮に中等科研修を受講できた場合であっても、受講の機会を遅らされ、後輩とともに受講させられたと主張し、前記各原告の陳述書には、三年以上遅れて受講させられた旨の陳述があるが、中等科研修を始めとして各種研修には定員の定めがあり、同期入関者がすべて同一年度に各種研修を受講できるものではないことが認められ(甲三八六ないし三八九、四一九)、この点の原告らの主張は失当である。
七 レクリエーション
原告らは、東京税関当局が、レクリエーション、サークル活動について原告組合員の多く所属するサークルに対して差別扱いをした旨を主張するので、以下検討する。
1 費用配分
(一) 東京税関においては、職員のサークル活動に対し、共済組合を通じて補助金を交付しており、その配分については、東京税関厚生委員会運営規程(昭和四〇年達二二号)、東京税関厚生委員会運営規程九条に基づく部門別委員会の運営に関する細則(昭和四〇年総会二〇号)により、レクリエーションサークル部内委員会において調査、審議し、その決定事項を東京税関厚生委員会に付議して決定されていたが、昭和四一年、東京税関当局は、東京税関時報号外において、サークル費は厚生委員会で税関行政の発展に寄与するサークルに配分すると決定された旨報じ、翌年には、原告組合員が多く加入していた演劇サークル「麦の会」に対する補助金の交付がなくなり、同四三年ころには、二四サークル中、原告組合員が多く加入しているか活動の中心となっていた写真、卓球、囲碁、油絵、舞踏、コーラス、演劇などの一二のサークルに対しては補助金の交付がされないという状況となった(甲三八、一四二、一四三、乙二〇七〇、原告 、同 、弁論の全趣旨)。
このような状況は、前記認定のとおり、昭和四二年九月二六日の東京税関幹部会議において、レクリエーション・年間行事について検討された際、「旧労分子の排除」が議題とされ、また、サークル活動について、サークル部門の新、旧労の構成比からみてこれを基盤としたレク行事には危険が伴うから、例えばコーラス、油絵、華道、演劇等の文化活動については、官としては積極的にとりくまないとするレクリエーション活動のあり方が討議され、東京税関の幹部会議において、右のとおりの対応をとることが望ましいものとして受け入れられたことが認められ(甲三三六の二)、当時、東京税関当局が、全税関組合員をレクリエーション活動から排除し孤立化する政策をとる意思を有していたことと符合するものである。
(二) 右の事実によると、サークルに対する補助金の配分について、東京税関当局は、全税関の影響力を弱める目的で、レクリエーション行事を通じて原告組合員が他の職員に接触することを避けるべく、原告組合員が活動しているサークルに補助金を交付しないこととしたことを推認することができる。
2 「麦の会」及び油絵サークル
(一) 証拠(甲三八、三三六の二、原告 、同 )によれば、次の事実が認められる。
昭和二九年九月四日、東京税関内にサークルとして演劇部「麦の会」が設立され、同三一年三月には、原告組合の評議会の副支部長、執行委員候補に「麦の会」の会員が多数推挙され、同三二年六月には原告組合婦人部の部長(原告⑧)、副部長(武信淑枝)を「麦の会」の会員から出した。同三九年になると、東京税関当局は、「麦の会」に対し稽古場の使用に当たっては当局の許可を得ることを要請し、その際には「麦の会」には税関職員以外の者がいることを理由に本関庁舎内の会議室等を稽古場として使用することを許可しなくなり、同じころ、「麦の会」の大道具を置いていた場所の使用も認めなくなった。「麦の会」は、同三一年ころから原告組合と東京税関当局との共催による文化祭を演劇発表の場としてきたが、同三九年秋には右文化祭の共催を東京税関当局が解消し、同四一年、「麦の会」へのサークル費の配分がわずか一六〇〇円となり、当局から会計報告の提出を要求され、翌年にはサークル費の配分がなくなった。また、東京税関当局は、同四一年一〇月に江東出張所が晴海に移転した後、同出張所における油絵サークルがイーゼル、キャンバス、絵の具箱等を置いておくスペースの使用を認めなくなり、同サークルの会議室の使用許可申請に対し同サークルに部外者が参加することを理由に使用を認めなくなった。そして、同四一年ころから、各サークルに対し、サークルの代表者を役付職員とすることを要求するようになり、同年一月、「麦の会」に対してサークルの部長は職制でなければならない旨指示したが、「麦の会」は職制ではない原告組合員aを会長に選任した。その後の同四三年一〇月一六日、東京税関当局は、同人を新潟税関支署に配転した。
(二) 原告らは、東京税関当局が原告組合員の多く所属するサークルに対して差別扱いをした旨を主張するが、前記のように国公法等の改正により、職員のサークル活動に対し、共済組合から補助金が交付されるほか、東京税関当局からその普及のための援助がされていたのであるから、東京税関当局が補助等を受ける対象となるサークルに対して会計報告などを求めることは、別段、不当なこととはいえないし、また、本関が品川埠頭の新庁舎に、江東出張所が晴海にそれぞれ移転し、庁舎が新しくなるに伴い庁舎の管理のため従来と異なる取り扱いがされるようになったとしても、これが直ちに著しく不当なものとは認められない。また、aの異動については、当時「麦の会」の会長の地位にあったとしても、時間的な関連性が薄く、右の事実関係のもとでは、原告組合に対する差別の一環としてのものであるとは認定できない。
3  音楽隊
(一) 証拠(証人b、甲三八五、四三九、乙二〇六九、二一二七、原告 )によると、次の事実が認められる。
東京税関音楽隊は、昭和三二年ころ、官房主事の発意で創立され、発足当初は三〇名から四〇名の隊員が所属していた。当初は芝浦出張所の監視部警務課の分室で、同三九年の本関移転後は本関の講堂で東京芸術大学音楽部の山本正人助教授の指導を受けて毎週金曜日の勤務時間内に二時間の練習を行なっていた。
昭和三八年ころには、定期練習に参加する隊員が一〇名内外となり、音楽隊の活動に熱心でない者に対して自発的に退部することを勧告すべきか否かが検討されるまでになったが、その後同三九年から同四一年ころまでは新入隊員もあり、原告組合員が中心となって常時二〇名位が音楽隊の練習に参加するようになった。しかし、同四二年ころには、練習場が制約されたり、練習時間が勤務時間内であったことから、隊員以外の職員から不満が高まり、また、機構改革に伴う大幅な人事異動などのために隊員が練習に参加することが困難となってきた。
もっとも、昭和四三年一一月二八日の税関記念日の式典及び表彰式では、音楽隊の演奏がなされ、その旨の記事が同年一二月二三日付の東京税関時報に掲載された。また、同四九年一一月七日の東京税関音楽隊公報第一号には、同年九月一〇日に総務部長の発意で東京税関音楽隊が発足したが、同年度予算での楽器購入が不可能となり、隊長の安倍氏が退部するなどしたことが記載されている。その時点での隊員名簿には原告組合員であるb、原告 らの名があった。
(二) ところで、前記認定のとおり、昭和四二年九月二七日に開かれた幹部会議において、音楽隊活動について、「音楽隊は旧労分子の活動の場となってしまったので解散した。」「新設を検討したい。」「現在のサークルは旧労分子が中心で活動しているので、二部制として、新しい演劇コーラスのサークルを結成させることが必要と思う。」などと議論したうえ、その方針が決定されたのであって、東京税関当局は、当時、全税関の影響力を弱める目的で、全税関組合員をレクリエーション活動から排除し孤立化する政策をとる意思を有していたことが明らかである。そして、証人bの証言中には、昭和四二年、音楽隊のマネージャーであった篠崎副関税審査官から、音楽隊の隊員がいなくなれば高価な楽器を購入した東京税関当局も音楽隊の活動に改めて熱意を示すであろうからいったん音楽隊からの脱退届けを出さないかとの相談を受け、脱退届けを出したが、これは、原告組合員を排除したうえで音楽隊の活動を行なうための偽装解散のための工作であった、との供述部分がある。同証言によっても、同人以外の原告組合員に同様の工作があったのかは不明であるし、同人もその後数か月音楽隊の状況について関与していなかったというのであって、東京税関当局の指示により篠崎がbを音楽隊から排除しようとしたものとまでは認定できないが、当時、音楽隊の活動に東京税関当局が熱意を持たず、篠崎は東京税関当局の意を体して右行動をしたものと推認することができる。
以上の事実に照らすと、原告組合員を中心に活動していた音楽隊は、昭和四二年秋ころはその活動が衰えていた時期であるが、自然にサークルとしての組織が自然消滅するような状況にあったわけではなく、そのころこれが解散に至ったのは、東京税関当局が、原告組合員が多数参加していた音楽隊を嫌悪し、従来の活動の停止を余儀なくさせたものであると推認することができる。
4  レクリーダー
(一) 証拠(甲三八三、三八四、乙二〇七〇、原告 )によると、次の事実が認められる。
職員のレクリエーション行事については、昭和三九年人事院規則一〇―六が制定され、また、同四〇年国公法七三条一項三号が改正され、同四一年総理府通達が出されたのに伴い、これを適正に運営するための整備が行われ、各省庁を通じてレクリエーション行事の計画的実施及び実施責任者の設置と併せて、レクリエーション指導者の要請活用等が図られることとなった。これに対応するため、同四一年一〇月、東京税関においてもレクリーダー制度を発足させた。当初は、レクリーダーは指名制で一六名であったが、同四二年三月には二七名が指名された。さらに、同四三年三月にレクリーダーに任命制がとられるようになったところ、原告組合員がレクリーダーに任命されたことがほとんどなく、レクリーダーに任命された小木俊夫は、同四七年七月に原告組合に加入したが、その後の同年九月一一日にレクリーダーからはずされた。
(二) ところで、昭和四二年八月一六日の東京税関の幹部会議において、「若年層対策としてレクリーダーには旧労を入れてはいけない。」との意見が明示され、また、同年九月二七日に開催された東京税関の幹部会議において、レクリーダーのあり方について、「旧労職員に対しては、レクリーダーは何ら積極的に直接に接触しないようにする。」「なるべく多く新労職員がレクリーダーの経験をもちうるよう措置する。」などと討議されたことが認められる(甲三三三の二、三三六の二)。
これらの事実に照らすと、レクリーダー制度は、職員のレクリエーションを普及させるための制度であるが、東京税関当局は、レクリーダーにはできるだけ第二組合の東京税関労の組合員を任命し、原告組合員を排除しようとし、その結果として原告組合員はレクリーダーに任命されなかったことを推認することができ、東京税関当局が原告組合員を組合員であることを理由にレクリーダーに任命しない差別扱いをしたものといわざるを得ない。
5 水泳大会の選手選考
(一) 証拠(乙二一二八、乙二一二九の一、二、三、四、証人b)によると、税関においては、昭和四二年から全国税関水泳大会が開催されるようになり、同年九月九日に第一回大会が行われたが、東京税関においては、同年八月二一日にその代表選手の予備選考会が行われ、庁内放送で選考会参加希望者を募集した上で開催されたこと、同年一二月一一日に東京税関水泳部が設立され、同四三年五月二一日に東京税関水泳部発足式が行われたことが認められる。原告 の陳述書(甲一〇九三)、証人bの証言中には、東京税関当局が右b及び原告 らに対し、予備選考会の日程を知らせず、また、水泳部への入部を断られたとの部分が存するが、そのような事情を認めるに足りる証拠はない。
(二) もっとも、前記認定のとおり、昭和四二年八月一六日に開催された東京税関の幹部会議において、水泳大会につき、「本省の考え方では旧労選手でも名選手がいる場合二〜三名入れるのはやむを得ないとの回答だ。」「本省の質問は旧労参加の実害についてであった。レクレーション問題について、時間をかけて検討する必要がある。」「差別してもよいのではないか」などと発言がなされ、「最終的に旧労四、五名でもよかろう」「今回は四名の旧労を入れたまま締め切ることとする」との結論が出されたのであってみれば、関税局は、全税関対策の一つとして、全税関組合員の水泳大会参加を他の職員と差別して制限する目的を有していたものといわざるを得ないが、東京税関の幹部会議の結論は今回は原告組合員でも水泳大会への参加を認めざるをえないとの趣旨のものであり、具体的に特定の原告組合員の選考を不利益にしたものとはいえないから、水泳大会の選手の選考にあたって現実に原告組合員に対する差別がなされたと認めることはできない。
八  大臣表彰
原告らは、東京税関当局は原告組合員が組合に所属していることで大臣表彰の推薦について差別した旨を主張するので、判断する。
1 証拠(甲三五三の一、一〇五〇、乙二〇七一ないし二〇七三、弁論の全趣旨)によると、東京税関表彰内規一一条二項によると「表彰された職員の官職、氏名、その他の表彰事項(関税局長及び大蔵大臣により表彰された職員を含む。)は、東京税関時報に登載して公示する。」と規定されているところ、昭和四三年一月、羽田税関支署勤務の原告 が外国人女性による金の延べ板密輸事件を摘発したが、これについて大臣表彰がされなかったこと、東京税関では、密輸検挙者の表彰は監視取締業務に従事する税関職員表彰準則に基づく運用内規により「犯則検挙の得点基準表」による評定によって行われるものとされていた(東京税関表彰内規一〇条)ことが認められる。そして、前記認定のとおり、東京税関の同年七月一七日開催の会議において、密輸検挙者の表彰について、税関長をはじめとする幹部が、全税関組合員を表彰対象者に含めることの当否を議論し、好ましくない職員を排除するために運用内規に抵触する他の条件を付すこととして、全税関組合員を大臣表彰から排除しようとしていたのであって、東京税関が組織的・継続的に原告組合員を差別する意思を有していたことに鑑みると、原告 が前記摘発について大臣表彰を受けられなかったことは東京税関の原告組合員に対する差別意思のあらわれであると推認することができるようにも考えられる。
2 しかしながら、密輸検挙者表彰については事件の難易性、危険性、処理の適切性、犯則の規模等を総合的に判断して行われるべきもので、事件の検挙をもって必ず表彰されなければならないものではなく、また、同原告は同年一二月二三日に別の案件で大臣表彰(密輸検挙者表彰団体の部)を受けたことが認められるのであるから、前記事情だけでは、同原告が原告組合員であることを理由に大臣表彰について差別を受けたということはできないというべきであり、ほかに原告組合員が組合員であることを理由に大臣表彰について差別を受けたという具体的事実を認めるに足りる証拠はない。
また、昭和四三年四月二日に東京税関において幹部会議が開催され、大臣表彰について検討されたが、席上、「当人は勤勉手当の受領を拒否しているそうだが、大臣表彰まで受領を拒否した場合上申した当関の面目がなくなる」との税関長の発言、「給与法に定める勤勉手当の受領を拒否しているものは大臣表彰を受けるに値しない。」との総務部長の発言、「本件は二月上旬に上申していたのに今日まで延ばしていたため勤勉手当受領拒否の問題が絡んできたのだから表彰せざるを得ないのではないか。」との羽田税関支署長の発言がなされたことが認められる(甲三五三の一)が、これらの意見は、勤勉手当の受領拒否者が大臣表彰を拒否する可能性を考慮して大臣表彰への推薦をしないことにすべきかを検討しているものであり、直ちに原告組合に所属していることをもって表彰の推薦について差別しようとしているものではないし、右の発言が原告 についてのものと認めるに足りる証拠はない。
九  職場行事
原告らは、課内の忘年会・ボーリング大会等でも原告組合員を外して開催されるなど、東京税関当局による村八分の扱いを受けたと主張し、証拠(甲一〇二三、一〇二五、一〇四九、一〇七八、一〇八一、原告 )中には右主張に沿う部分がある。
しかし、右供述ないし供述書の内容をもってしても、当時の組合の分裂による職員間の対立状況のもとにおいては、いずれも、各職員による個人的な発言や行動であるとみる余地が十分にあり、また、供述にかかる扱いが職場における親睦のためのものであったりすることがうかがわれ、東京税関当局が各職員個人の交流に干渉したことを認めるに足りる証拠はなく、東京税関当局による原告組合員に対する差別扱いの事実を認めることはできない。
一〇  私生活
原告らは、私生活の場においても、昭和四二年から同四四年までの長野県出身者による県人会からの排除、結婚式における上司の欠席、親族が死亡したときの慶弔規定の適用における差別などがされたと主張し、証拠(甲一〇一九、一〇二九、一〇三七、一〇三八、一〇四〇、一〇四二、一〇四八、一〇六五、一〇七〇、一〇七三、一〇八三)には右主張に沿う部分が窺える。
この中には、確かにいったん結婚式への出席を承諾した上司が式の前日になって断ってきたものもあるが、その理由が個人的な事情によるものかどうか明らかではなく、必ずしもすべての事例において作為的な共通の特徴があるわけでもなく、東京税関当局が、組織的に私的な会合(県人会)・結婚式や各職場における慶弔規定の適用についてまで原告組合員を差別することを指示したことを窺わせる証拠はなく、この点の原告らの主張は認められない。
一一  組合敵視政策の有無
1 原告組合との交渉
原告らは、組合分裂前は、税関長交渉が年間六、七回、いずれも午後半日位の時間をとってあらゆる労働条件に関して行われたが、分裂後は、回数も時間も減り、交渉の議題も制限されるに至った、と主張する。
(一) 証拠(甲二六〇ないし二六六、証人原島和夫)によれば、昭和四〇年度は、原告組合と税関長との交渉は年五回以上行われ、また、総務部長が原告組合との交渉に当たることもあり、同四四年から同四六年の間についても年間三、四回は団体交渉が行われたこと、しかし、同四一年六月に施行された改正国公法一〇八条の五第三ないし六項により、団体交渉の交渉手続きが明確化され、交渉に先立って当事者間で議題、場所、時間、人員その他必要事項を予め取り決めて行なうことになったが、その後右の予備交渉がまとまらなかったり、また出席者の都合があったりしたため、団体交渉の要求があってから実際に団体交渉が開催されるまでに時間がかかるようになったこと、また、右の国公法の改正によりいわゆる管理運営事項が団体交渉の対象でないことが明確化され、右の手続きに沿って団体交渉に当たったため、議題についても東京税関当局が団体交渉の議題として取り上げることが適当でないと判断したものについては削除・制限するようになり、原告組合が同四六年三月六日に団体交渉を申し入れた際、東京税関当局は、以前に交渉された議題と同一事項であることを理由に直ちには団体交渉、予備交渉に応じず、同年五月一四日になってようやく団体交渉が開催されたこと、以上の事実が認められる。
右の事実によると、組合分裂後である昭和四一年以降、団体交渉の回数、その議題、出席者などについてそれ以前に比べて変化があったことは、改正された国公法の規定に従って交渉が行われるようになった結果であるものと認められ、原告組合に対する団体交渉の態様の変化が第二組合の税関労に対する場合とその回数、内容について差別をした結果であるとの事実を窺わせる証拠は存しない。
(二) また、証拠(甲一二三、甲二一九ないし二二三、原告 )によると、昭和三八年三月二五日、原告組合業務分会は、統計課の人員減少の問題について職場大会を開催して議論し、翌二六日には業務部長と右問題の組合としての要求事項について団体交渉を行なったことがあり、また、同年六月二一日、原告組合業務分会は、同日気温が三〇度を越えたので職場における扇風機の使用について業務部長に団体交渉を求めたところ、即日業務部長と団体交渉が実現したことがあったが、組合分裂後の同四二年四月二二日には、原告組合東京外郵分会は、東京外郵出張所長に対して所長交渉を求めた際、同所長からその前提条件を示されたので、無条件で応じるように抗議文を出したこと、その後も、同四八年四月五日、原告組合品川分会代表は、輸入部長に対して要求書を手渡そうとしたところ部長不在のため手渡すことができず、同日午後五時三〇分ころから約一時間にわたって管理課長と分会要求事項について話し合いをしたが、輸入部長との団体交渉はできなかったこと、同月一九日、原告組合が税関長と団体交渉をしたところ、関税局の総務部長は、総務課長が窓口となるからとして原告組合の品川分会との交渉を拒否したこと、以上の事実が認められる。
右事実によると、東京税関当局は、原告組合の分会との交渉に当たっても、担当部所署長との団体交渉の前に予備折衝を行ない、直ちに部所署長との団体交渉に入る方法を認めなかったところ、その予備折衝に当たり、原告組合は東京税関当局に対してなんらの条件を付けないで団体交渉に応じることを求め、この点で東京税関当局と対立したため、団体交渉を開催することができなかったものということができる。そうすると、原告組合と東京税関当局との団体交渉が円滑に進められなかったのは、改正された国公法の規定による方法の団体交渉を求める東京税関当局とこれに反対する原告組合との間で、交渉方法に関する意見の相違・対立があったことにあり、東京税関当局に非難すべき点が認められないのであり、少なくとも原告組合に対して理由なく団体交渉を拒否したものとまでは認められない。
2 庁舎管理規則
原告らは、東京税関当局は、昭和三九年に庁舎管理規則を改正し、原告組合の分裂後、右改正された本件庁舎管理規則を理由に原告組合の団結行動に対して妨害、弾圧を加えたと主張し、その例として、職場集会の妨害、分会大会の妨害、分会ニュース等の印刷行為に対する妨害を挙げる。
(一) 東京税関は、昭和三四年達二〇号をもって、東京税関の庁舎等(その管理運営する土地、建物、工作物及びその他の施設)の管理について必要な事項を定めるものとして、本件庁舎管理規則を制定し、同年一二月七日からこれを施行した(乙三四)。そして、同三九年一一月二五日、本関が品川埠頭の庁舎に移転するに当たり、従来の第二大蔵ビルとは施設の内容が異なることから、東京税関当局は、施設の実態に合わせるため本件庁舎管理規則を改正し、その内容を周知した(乙四〇、証人原島和夫、乙四〇の東京税関時報別冊日付が同三二年となっているが、これは同三九年の誤りと認められる。)。右改正は、管理者のほかに新たに職場毎に使用責任者を置き、両者が協力して庁舎等の管理に当たるとともに、庁舎などの目的外使用等について両者の許可を要することを明示し、税関業務を阻害する一定の行為を禁じ、違反行為には当局が中止等を命じ、これに従わないときは、自ら除去することができるというものであった。
そして、証拠(証人原島和夫)によれば、庁舎の使用については従来から許可制であったこと、東京税関当局は、右改正前から職場集会等については許可証を発することがあったが事務室での小集会等については許可申請をすることがなくとも集会の開催を認めたことがあったこと、東京税関当局は、昭和四二年二月四日、東京税関時報の号外として「庁舎等における集会等について」との文章を掲載し、従来事務室での小集会を認めてきたのは庁舎事情が悪く、満足な会議室が一つもないための慣行であったこと、同三九年に品川埠頭に本関を移転して以後本関その他の庁舎事情が整備され、会議室等も用意できたため、行政執行の場であり、国民大衆に公開されており、緊急の公務を執行している職員がいる事務室及び公衆溜まりについては、今後原則としてその使用を許可しない方針であることを周知させたことが認められる。
右の事実によると、庁舎施設の改善という事情のもとに、東京税関当局が、昭和三九年一一月、本件庁舎管理規則を改正し、庁舎の使用についての許可制の運用を従前と変更したとしても、それには合理的な理由があり、直ちに不当なものとはいえない。
昭和四一年九月二日発行の支部ニュース(乙二八)には、原告組合の声明として、当局が本件庁舎管理規則は労働組合活動には適用しないと言明してきたし、以前は集会の開催について届出をしたことは一度もない旨が記載されており、また、証拠(原告 )中には、税関長交渉の場において本件庁舎管理規則は組合活動を対象としたものではない旨の回答があったし、同四〇年暮れ、総理府人事局長が国公共闘役員との交渉において本件庁舎管理規則は組合活動を対象としたものではない旨回答したとの部分があるが、同原告の供述はいずれも伝聞であり、同四一年一〇月八日付原告組合の支部ニュースには、総理府人事局長と国公共闘役員とのやり取りにおいて、「事実上組合活動ないしは団結権に影響がありうる」「国公の組合活動がまったく無制限であるというのではない。制限はある。そういう範囲内での制限というか影響はある。」との記載があること(乙二一三三)に照らすと、東京税関当局が、本件庁舎管理規則を組合活動には一切適用しないと言明したものと認めることは到底できず、他に東京税関長が本件庁舎管理規則を労働組合には適用しないと言明したことを認めるに足りる証拠はない。
(二) 証拠(甲八九、九三、乙二七ないし二九、乙三一の一ないし四、乙三二、四二ないし四四、二一三五、二一三六、原告 、同 )によると、昭和三九年以前、原告組合は、職場集会を昼休みなどに事務室で開催して要求事項の確認・決議をしていたが、東京税関当局は、勤務時間内に食い込むものでないかぎり、特にこの集会を禁止したり、実行者を処分したことがなかったこと、東京税関当局は、同四〇年一月二七日の昼休みに開催された原告組合の職場集会を職制をして排除しようとしたうえ、同年三月三一日には、職場集会を許可なく同年二月一一日に開催し、部外者を入れて集会を積極的に指導したことを理由に、原告組合支部長であった原告⑪に対し訓告、書記長であった原告 に対し厳重注意の各処分をし、これ以降、原告組合が事務室で職場集会を許可なく開催することを本件庁舎管理規則違反として禁止する態度をとったこと、以上の事実が認められる。
しかしながら、既に認定したように、本来庁舎内で行なう集会には東京税関当局の許可が必要であったが、従来は施設が十分でないために職場事務室内での集会も事実上認められてきたものの、昭和三九年に本関の庁舎が移転したことに伴い集会を行なう場所として会議室等の確保ができたため、以後は庁舎管理規則上許可なく事務室及び公衆溜まりを集会のために使用することを認めないことになったものであり、さらに、東京税関当局は部外者が多数を占める集会についても事務室及び公衆溜まりの使用を許可しない方針であったこと、また、原告組合も組合内部の意志統一などのための集会は従前から許可を得て会議室で開催してきたが、統一行動など職場内外の人達に行動をアピールするための集会はあえて許可を得ずに事務室や公衆溜まりで事実上行なっていたことが認められる(乙四〇、四一、二〇五四、二〇五五、証人原島和夫の証言、原告⑲)。
これによると、東京税関当局が、施設の充実に伴い、原告組合に対し、集会を会議室で行なうことを求め、公共施設である税関の事務室、公衆溜まりでの集会を原則として許可せず、部外者の立ち入りを認めない方針をとるに至ったことは、一応の合理性があり、いずれも不当とはいえない。そうすると、右のような庁舎の移転といった状況の変化等を考慮せず、従前の取扱いをすることを要求する原告組合に対し、東京税関当局がこれに応じないで本件庁舎管理規則に基づく許可制を運用して対立するに至ったことをもって、原告組合に対する差別であると認めることはできない。
(三) 証拠(甲一〇〇、一一七、原告 、同 )によると、原告組合新橋分会が昭和四一年八月一五日午後六時から新橋出張所で分会大会を開催しようとした際、新橋出張所長は庁舎管理規定に基づいてこれを許可しなかったため、原告 らはあくまで分会大会を開催する姿勢を示していたところ、同出張所管理係長は、「鍵は守衛に預ける。 さん頼みますよ。」といったうえで、同出張所の鍵を守衛に預けたこと、同原告は、右の管理係長の言動をもって分会大会の開催を認めたものと速断し、守衛からその鍵を受け取り、同日午後六時から、分会大会を開催したところ、経過報告中に多数の職制が入ってきて無許可集会として分会大会の中止を求められたため、これを中止したが、その後同年一〇月六日に新橋分会大会の続行大会を改めて許可を得ることなく開催したところ、再び多数の職制が入室してマイクで解散を求められ、続行不能となったこと、同月二二日、東京税関当局は、新橋分会長に対して右無許可集会を指導したことを理由に厳重注意処分を行なったこと、以上の事実が認められる。
これによれば、本件庁舎管理規則の改正及びその運用の変更はいずれも決して不当なものではないのであるから、これに反してあくまで許可を受けずに新橋分会大会を挙行しようとした原告組合新橋分会の行動は、明らかに右庁舎管理規則に反するものであって、東京税関当局がこれを職制をして中止させようとし、また、右違法な分会大会を指導した者に対して注意処分を行なうことは正当なものというべきであるから、右の事実をもって原告組合を差別してその活動を制限しようとするものとは認められない。
(四) 証拠(甲九八、一一八、一一九、乙七八の一、乙二〇五〇、乙二〇五一の一、二、乙二〇五二、二〇五二、四〇五〇、証人原島和夫、原告 、同⑲)によると、次の事実が認められる。
原告組合晴海分会は、昭和四一年八月から同年九月にかけて、職場に組合の印刷場所を確保するため、東京税関当局に対し、印刷場所を提供するように要求するとともに、昼休み中に輸出課事務室のカウンターのそばの組合員の机の上に新聞紙を敷き、その上に印刷機を置いて分会ニュースを謄写版印刷した。晴海出張所長は、庁舎管理規則に従い、許可を受けてから印刷することを右分会に求めたが、同分会はこれに応じなかった。同年九月六日、晴海出張所長と原告組合晴海分会との間で話し合いが持たれた際、当局は同出張所の屋上への出口踊り場を印刷場所として提供することを提案した。同分会は、印刷場所の提供を受けることは了承したが、右踊り場は電気もなくて暗く、広さも職員一人で一杯になってしまい、印刷場所として適当でなく受け入れられないとして、右踊り場を印刷場所として許可申請することはしなかった。原告組合晴海分会員は、その後も職場の原告組合員の机の上で分会ニュースの印刷行為を続けたため、東京税関当局は、同年一〇月六日に原告⑲、同 、同 、同 、同 、同 に対し文書により厳重注意処分に処したが、原告⑲が右厳重注意書の受領を拒否したため、同月九日、これを内容証明郵便をもって通知した。にもかかわらず、さらに、原告組合員が同月一八日から一九日まで印刷行為を継続したため、東京税関当局は、原告⑲に対し、同月二七日、文書により厳重注意をした。なお、同六三年当時では、江東出張所において事務室の机においてミニプリンター印刷を行なっても格別東京税関当局が注意したり、矯正措置をとったりすることはなかった。
以上の事実によると、印刷行為に対する本件庁舎管理規則違反を理由とする処分が昭和四一年当時に特に集中しており、原告組合の活動に対する制限が厳しく行われたものということができるが、当時、東京税関晴海出張所においては、原告組合晴海分会からの印刷場所提供の要求に対して団体交渉を行なっていた時期であり、東京税関当局が印刷場所を提供する案を提示して話し合いに向けた努力をしていたにもかかわらず、原告組合が性急に組合の要求を実現させるための行動に出たものといわざるを得ず、その後同六三年当時に処分がないのも同四一年当時は謄写版印刷が行われていたのに対し、その後はいわゆるミニプリンターによって印刷されるようになったという印刷方法の変更が影響していると考えられ、これらの事情に照らすと、東京税関当局が原告組合の組合活動に対する妨害として印刷行為に対する妨害、処分をしたものとまでは認められない。
3 矯正措置
原告らは、東京税関当局が恣意的に矯正措置を多発・濫用した旨を主張するところ、東京税関当局が昭和四一年九月に原告⑱を訓告処分に処し、翌一〇月同人の昇格を延伸し、翌四二年三月に勤勉手当をカットしたことが認められるが(甲一〇一八)、他方、同四九年二月二七日に同原告を訓告処分に、翌五〇年に厳重注意処分に処した際は同原告に対する昇給延伸ないし勤勉手当てのカットもされなかったことが認められる(甲一〇一八)。
もともと、訓告処分あるいは厳重注意処分があったことのみで、定昇のための「良好な勤務成績」の証明が得られなくなるというものではなく、また、勤勉手当の成績率の決定にあたって影響を与えたとしても、同原告についてこれ以外の事情が考慮されたのか否かについての確たる証拠はなく、恣意的に矯正措置が多発・濫用されたことを認めるに足りる証拠はない。
4 現認制度
証拠(甲一三、一四、二二四、四三〇、一〇六九、原告 、同 )によると、昭和四二年ころ、本関統計課に配属されていた原告組合員五名をすべて特別統計係に集め、同係長が、同原告組合員らに関して、トイレに行ったこと、新聞を読んだこと、電話がかかってきたことなどにつき一〇分刻みの表を作成してその行動を記録したり、同年六月一五日には、本関輸出統計係に勤務していた原告 が、勤務時間終了後、塚本係員が職場の机の引き出しに入れておいたテープレコーダーで同原告らの会話を録音しておいたものを江良課長、山崎輸出統計係長とともに再生して聞いているところを目撃したことがあり、また、羽田税関支署の福田総務課長は、原告組合羽田分会が同四六年七月一五日午前八時から同八時三〇分までに開いた時間外集会において、集会が時間内に及んだ場合にこれを現認するために、金森同課係長にテープレコーダーを所持させ、集会場所である同税関支署輸出検査場のシャッターの内側でテープレコーダーで同集会の様子を録音するよう指示したほか、東京税関当局は、原告組合の集会において原告組合員の活動について主に職制を用いて現認書を作成させて記録を残したこと、以上の事実が認められる。
右に認定した事実によると、東京税関当局は、些細な事実を詳細に記録しようとして原告組合員をいたずらに刺激し、仕事中の私語について記録するにしても机の中にテープレコーダーを忍ばせて録音しようとする職員の行動を容認する姿勢を示したり、組合活動としての集会が勤務時間に食い込み違法となる場合に備えるにしても事前にテープレコーダーを用意して密かにその様子を録音しようとするなど、その方法に若干行き過ぎがあったのではないかとの疑問を禁じ得ない。しかし、その方法はともかくとして、原告組合員らに非違行為など勤務成績に影響するような行為があった場合、これを現認書等を用いて記録すること及び非違行為を行なう蓋然性がある場合にはそれを予測して行動したことをもって、ことさらに違法な反組合行為をしたということはできない。
三 勤勉手当
原告らは、勤勉手当の減額に際しても差別的取扱いがあった、と主張する。
1 勤勉手当は、基準以前六か月又は一二か月以内の期間における勤務成績に応じて支給する旨規定されているところ(給与法一九条の四)、証拠(甲二一七、一〇一九、一〇二〇、一〇四九、一〇五二、原告 、同 )によると、昭和四三年三月一五日に、原告 、同 、同 、同⑱、同 、同⑮、同⑩、同⑰、同 、同⑧、同⑯、同⑲、同 他四名の一七名が、同年六月一五日には原告 、同 、同⑰、同⑧、同 、同 、同⑳、同 他一名の九名が、同年一二月五日には原告 、同 、同 、他二名の五名が、同四四年三月一五日には原告 が、それぞれ勤勉手当を減額されたことが認められる。
2 しかしながら、証拠(乙二〇四二、二〇四三、二〇四四、二〇四五、二〇九二、原告 、同⑲)によれば、昭和四三年七月四日、原告⑲は人事院総裁に対し同四三年三月一五日支給の勤勉手当の不当なカットを撤回すること及びカット分の賃金を全額補填することを求めて行政措置要求を申し立てたが、人事院は、同四四年一二月一二日、横浜税関職員からの同種の内容の申立てに対し、執務中上司の職務上の命令または注意に従わない行為があったこと等が勘案されて勤務評定が行われ、成績率が決定されたものである旨を判断して、不当とすべき点は見い出せないとの判定を下しており、勤勉手当を減額された右各原告らは、右期間中に勤務成績に影響を及ぼす非違行為(後記認定判断のとおり)をしたこと、また、同四三年ころ、第二組合の税関労の組合員や非組合員の中にも勤勉手当を減額された職員がいたことが認められる。また、同四二年四月一一日に開催された東京税関の部長会議において、関税局の総務課長が関税局主催の総務部長会議の結果として、「勤勉手当の減額については、本省は×割ではなく、もっと突っ込んだ減額措置を検討したいといっていた。大多数の税関はやるべきだとの意見であった。」と報告したことが認められるが(甲三四の一)、これによって関税局ないし東京税関当局の政策がそのとおりに確定されたことを推認することはできないし、他方、同年一一月二四日に開催された東京税関の幹部会議において、税関長が「勤勉手当により差別をつけるより、現行の昇給延伸の方策が必罰の効果が大きい。」と発言したことが認められる(甲三三八の一)。これらの事実に照らすと、東京税関当局による原告組合員に対する勤勉手当の減額は、原告組合に所属していることを理由として差別したものとは認められない。
第五  争点四(非違行為)について
一  非違行為の存在
1 現認書の証拠能力
(一) 原告らは、被告の提出したいわゆる黒塗現認書が民訴法三二二条一項に反して抄本をもって提出されたものであり、かつ、文書の重要部分をその一部抹消により変造したものであるから不適法である、と主張する。
しかしながら、民訴法三二二条一項が文書の提出について原本以外のものとしては正本又は認証謄本に限定した趣旨は、正本及び認証謄本がその作成の経緯からみて原本と同一視できることにあり、したがって、当該文書の写しの提出によって正本又は認証謄本の提出と同一視することはできないが、文書の写しそのものを原本として提出することは、写しの作成者が原文書を基にして新たに自己の作成名義の文書として写しを提出するものであるから、同項の許容するところであることは明らかである。
また、本件文書は、原告以外の税関職員の氏名部分が消除されていることが展示上明らかであるが、本件文書の作成名義人としての税関訟務官小岩井壽夫がその権限に基づいて原文書に記載されている内容を確認したことを報告するために作成されたものであるから、この文書作成にあたり、その基になった原本の一部分を抹消することは、原文書の記載内容の一部を報告する趣旨の意思を表示したものであり、したがって、文書の変造という不法行為に当たらないことはいうまでもない。
本件文書は、税関訟務官小岩井壽夫が「上記は正本である」との意思内容を表示した文書であると主張して提出されたものであることは記録上明らかであるから、本件文書は右訟務官作成名義の文書を原本として提出されたものというべきであり、この証拠申出及び証拠調べになんらの違法はない。
(二) 原告らは、本件文書が黒塗の対象となった者の氏名をことさら秘匿し、被告のした原告らに対する賃金差別が明らかになるのを防ぐ意図で提出されたものであって、信義則に反して許されない旨主張する。
しかしながら、本件文書は、もともと東京税関の管理職の地位にある職員が上司に報告する目的で作成した文書を原本として、同人が本件訴訟の証拠とするために、これを複写機で複写したうえで、プライバシーの保護ひいては人事管理上の秘密保持の観点から、原告以外の職員の氏名を秘匿できるように当該氏名部分を黒く塗りつぶして消除したものであることが認められる(証人小岩井壽夫)。したがって、本件文書は、黒塗り部分を除き、原文書が機械的に現状のまま写されたものであるから、黒塗り部分を除いた部分につき、原文書と証拠価値において異なるものではない。このような書証の申出をもって、信義則に反するものとはいいがたく、他に原告ら主張の違法不当をいう事情を認めるに足りる証拠はない。
2 非違行為の内容
(一) 証拠(乙五七ないし二〇〇六)によれば、原告らが本件係争期間中、原告別非違行為一覧表の「非違行為」欄に記載された行為、具体的には、原告別非違行為一覧表(無許可集会)(その他)(プレート等闘争)に記載のとおりの行為(以下「本件非違行為」という。)をし、これに対して、原告らが被告から右一覧表の「処分等」欄に記載された矯正措置又は懲戒処分、具体的には、原告別処分状況一覧表のとおりの処分を受けたことが認められる。ただし、原告別非違行為等一覧表及び原告別非違行為一覧表(プレート等闘争)中の原告 (原告番号七五)の昭和四二年一〇月三日の非違行為を削除し、同表(その他)中の原告 (原告番号二九)の昭和四八年四月一三日に関する行為時間を「一三:一五頃〜一三:二〇頃」に改め、同表(その他)中の原告 (原告番号四四)の昭和四三年三月一九日に関する行為時間を「一六:四六頃〜」に改め、同表(その他)中の原告 (原告番号五〇)の昭和四九年三月二三日に関する行為時間を「〇八:四〇頃〜〇八:五〇頃」に改め、原告別処分状況一覧表中の原告⑨(原告番号九)の昭和四七年八月一八日の処分日時を同月一九日に改める。
(二) 本件非違行為の内容は、多岐にわたるが、行為の態様別に分類すると、次のとおりとなる。
(1) 庁舎内・庁舎敷地内で原告組合が無許可で行なった座り込み闘争又は集会に参加し、当局から解散・退去するよう命令を受けたが、これに従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「集」の記号で示されたもの。
(2) 当局がした業務命令・職務執行を不満として、多数で抗議行動に参加し、上司等を取り囲んで難詰するなどして職場の秩序を乱した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「抗」の記号で表示されたもの。
(3) 当局が原告組合の無許可ビラ、ポスターを撤去しようとした際に、その前に立ちはだかるなどして、その作業を妨害した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「妨」の記号で示されたもの。
(4) 庁舎内において原告組合が行なった職場集会で放歌高唱をした行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「歌」の記号で示されたもの。
(5) 執務中の職員を取り囲み、当局の制止にもかかわらず、口々に大声で怒鳴り、難詰し、執務室内を騒然とさせ、職場秩序を乱した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「騒」の記号で示されたもの。
(6) 勤務時間中に無断で職務又は自席を離れ、職務を離脱した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「離」の記号で示されたもの。
(7) 事前に承認を得ないで年次休暇を取得した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「年」の記号で示されたもの。
(8) 特別休暇の承認を受けていたにもかかわらず、原告組合員と食堂で談合し、特別休暇制度の趣旨に反していた行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「特」の記号で示されたもの。
(9) 無断で欠勤した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「欠」の記号で示されたもの。
(10) 勤務時間中、他の職員に対して大声で暴言を吐くなどした行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「専」の記号で示されたもの。
(11) 出納員が提示した勤勉手当の受領を拒否した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「拒」の記号で示されたもの。
(12) 勤務時間中、庁舎事務室内で政党機関紙、分会ニュースを職員に配布した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「配」の記号で示されたもの。
(13) 無許可で庁舎事務室内の机上等で謄写印刷を行ない又はこれを援助した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「目」の記号で示されたもの。
(14) 庁舎内の柱、壁、ドア、窓ガラス、机、カウンター等に無許可でビラを貼付した行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「ビ」の記号で示されたもの。
(15) 勤務時間中に職場内で原告組合の要求が書かれたリボン、プレート、バッジ、腕章を着用し、上司から取り外すよう命令を受けたが、従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「リ」「プ」「バ」「腕」の記号で示されたもの。
(16) 勤務時間中にステッカーを机上に貼付し、上司から取り除くよう命令を受けたが、これに従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「ス」の記号で示されたもの。
(17) 勤務時間中に円柱、角柱、角錐等を机上に置き、上司から撤去するよう命令を受けたが、これに従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「柱」の記号で示されたもの。
(18) 勤務時間中に、カンパ用の募金箱、缶を自己の机に置いて執務し、上司から撤去するように注意されたが、これに従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「募」の記号で示されたもの。
(19) 庁舎前で原告組合の横断幕掲出行為に参加し、当局の中止・退去命令に従わなかった行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「示」の記号で示されたもの。
(20) 駐車中のタクシーに損傷を与え、器物毀損で現行犯逮捕された行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「器」の記号で示されたもの。
(21) 電柱等に吊り看板を取り付け、軽犯罪法違反で現行犯逮捕された行為。原告別非違行為等一覧表の「非違行為」欄に「逮」の記号で示されたもの。
二  非違行為の違法性
1 庁舎管理規則違反行為
(一) 庁舎管理規則の内容
税関の庁舎等は、国において国の事務又は事業に供する公用財産たる行政財産であり(国有財産法三条)、その管理権は、税関長に属するところ(同法五条)、本件庁舎管理規則一条の三及び二条は、この規則の円滑な運営を図るため統括管理者及び管理者を置き、管理者として、本関は総務部会計課長、羽田支署は羽田支署総務課長、その他の支署は支署長、出張所は出張所長等と定め、庁舎等の管理についての事務に努めさせている。
そして、本件庁舎管理規則六条の二第二項は、「管理者等(管理者及び管理者から庁舎等の管理に関する事務の一部の委任を受けた貸与庁舎等管理者)は、庁舎等の管理運営上支障なく、かつやむを得ないと認められる場合に限り、その管理に属する庁舎等を庁舎等又は貸与庁舎等において勤務する職員に、その使用目的以外のため、一時使用させることができる。」と定めている。
同八条は、「管理者は、庁舎等において勤務する職員のため会議室及び講堂を使用させることができる。」(一項)、「管理者は、庁舎等において勤務する職員の柔剣道、その他これに類するものの訓練のため柔剣道場を使用させることができる。」(二項)、「管理者は、庁舎等において勤務する職員の囲碁、将棋、生け花その他のレクリェーション活動のため、和室及び特別供用室を使用させることができる。」(三項)、「管理者は、庁舎等及び貸与庁舎等に勤務する職員の休息又は休憩のため屋上、構内の広場等を使用させることができる。」(四項)と定め、九条は、「庁舎等に勤務する職員は、前条の規定により会議室、講堂、柔剣道場、和室等及び屋上等を使用しようとするときは、あらかじめ、所定の使用承認申請書を提出し、管理者の承認を受けなければならない。」(一項)、「管理者は、この承認をする場合において必要な条件を付し又は指示することができる。」(二項)と定めている。
また、一二条は、「管理者等は、庁舎等をその目的外に使用しようとする者があるときは、所定の使用許可申請書を提出させ、許可を受けさせるものとする。」(一項本文)、「管理者等は、この許可をする場合において必要な条件を付し又は指示することができる。」(三項)と定めている。さらに、一四条は、「管理者等は、庁舎等において管理者等の定める掲示場所以外の場所で掲示を行なわせてはならない。」(一項本文)、「管理者等は、定められた掲示場所以外の場所に掲示しようとするものがあるときは、その掲示について、所定の掲示許可申請書を提出させ、許可を受けさせるものとする。」(二項)、「管理者等は、この許可をする場合において、必要な条件を付し又は指示をすることができる。」(三項)と定め、一四条の二において、「管理者等は、次の各号の一に該当すると認められる文書、図画、ポスター等の掲示を行なわせてはならない。(1) 法令に違反するもの、(2) 庁舎における業務を妨害し又は妨害するおそれのあるもの、(3) 行政官庁の信用を傷つけ又は傷つけるおそれのあるもの、(4) 個人を誹ぼうするもの。」と定め、一四条の三は、「掲示を行なった責任者又は行為者は、掲示期間の満了後、直ちにこれを撤去しなければならない。」(一項)、「管理者等は、この規則に違反する掲示のあるとき又はその許可の内容に相違する掲示をし、あるいは一四条三項の規定による条件若しくは指示に違反した掲示をしたときは、当該掲示を行なった責任者又は行為者にその撤去を命ずることができる。」(二項)と定めている。
一六条は、「管理者等は、集団をなして陳情しようとする者に対して、庁舎内の秩序を維持し又は災害を防止するため必要があると認めるときは、その人数、面会時間又は面会場所を指定するものとする。」(一項)、「管理者等は、集団をなして陳情しようとする者に対して、その人数、行動その他の事情から判断して示威運動となるおそれがあると認めるときは、庁舎等への入場を禁止するものとする。」(二項)と定めている。一八条は、「管理者等及び使用責任者は、次の各号の一に該当すると認められる者に対して、庁内の秩序を維持し、災害を防止し若しくは庁舎等における業務の妨害を排除するため必要があるときは、その行為を禁止し又は庁舎等から直ちに退去若しくは解散することを命ずるものとする。(1) 職員に面会を強要する者、(2) 銃器、凶器その他の危険物を庁舎等に持ち込む者又は持ち込もうとする者、(3) 旗、のぼり、宣伝ビラ、プラカードの類及び拡声器、宣伝カー等を庁舎等において所持し、使用し若しくは持ち込み又は持ち込もうとする者、(4) 立入を禁止した区域に立ち入り、又は立ち入ろうとする者、(5) 庁舎等において、文書、図画等を頒布し若しくは掲示し、又はこれらの行為をしようとする者、(6) 庁舎等において、テントその他これに類する施設を設置しようとする者、(7) 庁舎等において多数集合した者、(8) 庁舎等において、放歌高唱し又はねり歩く等の行為をし又はこれらの行為をしようとする者、(9) 庁舎等において、座り込みその他通行の妨害になるような行為をし又はしようとする者、(10) 庁舎等において、金銭、物品等の寄付を強要し又は押売りをした者、(11) 庁舎等において、たき火等火災予防上危険を伴う行為をし又はしようとする者、(12) その他庁内の秩序を乱すような行為、災害の発生するおそれのある行為若しくは庁舎等における業務を妨害するおそれのある行為をし又はしようとしたもの。」(一項)と定めている。
一九条は、「管理者等及び使用責任者は、次の各号の一に該当するものがある場合において、庁内の秩序を維持し、災害を防止し若しくは庁舎等における業務の妨害を排除するため必要があると認めるときは、直ちにその所有者、占有者又は当該各号に規定する行為をした者にその撤去又は搬出を命ずるものとする。(1) 庁舎等に持ち込まれた銃器、凶器その他の危険物、(2) 庁舎等に掲揚され、掲示され、貼られ若しくは搬入された旗、のぼり、宣伝ビラ、文書、図画、プラカードの類又は庁舎等に搬入された拡声器、宣伝カーの類、(3) 庁舎等において設置されたテント、その他これに類する施設、(4) その他庁内の秩序を乱し若しくは乱すおそれのある物、災害を発生し若しくは発生するおそれのある物、又は庁舎等における業務を妨害しもしくは妨害するおそれのある物と認められる物。」と定めている。
(二)  庁舎管理規則の効力
税関長は、職場環境を適正良好に保持し、規律のある業務の運営態勢を確保するため、庁舎等の使用については許可を受けなければならない旨を一般的に規則をもって定め、又は具体的に指示、命令することができ、これに違反する者に対し、その行為の中止、原状回復等必要な指示・命令を発することができるものと解すべきである。
したがって、東京税関長が、庁舎等の適正な管理と秩序維持のため本件庁舎管理規則を制定することは適法であり、機構整備の一環として行われた改正部分を含め、その内容になんら不当と評価される点はない。
(三)  庁舎管理規則の制定・運用の目的
原告らは、本件庁舎管理規則が原告組合の活動を弾圧するために制定され、原告組合の活動を干渉、抑圧する目的に恣意的に適用されてきたものであって、従前は職場集会が違法視されることはなかった旨を主張する。
しかしながら、労働組合又はその組合員が国の所有し管理する物的施設であって定立された公の業務秩序のもとに事業の運営の用に供されているものを使用者の許諾を得ることなく組合活動のために利用することは許されないものというべきであるから、労働組合又はその組合員が国の許諾を得ないで国の物的施設を利用して組合活動を行なうことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該物的施設につき国が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、職場環境を適正良好に保持し規律のある業務の運営態勢を確保しうるように当該物的施設を管理利用する国の権限を侵し、公の業務秩序を乱すものであって、正当な組合活動として許容されるところであるということはできない(最高裁昭和五四年一〇月三〇日第三小法廷判決・民集三三巻六号六四七頁)。
そして、前記認定のとおり、東京税関当局は、従来事務室での組合の小集会を認めてきたのは庁舎事情が悪く、満足な会議室が一つもないための慣行であったが、昭和三九年に品川埠頭に本関を移転した以後本関その他の庁舎事情が整備され、事務室及び公衆溜まりについては今後原則としてその使用を許可しない方針であることを周知させたのであるから、庁舎施設の改善という事情のもとに、東京税関当局が、本件庁舎管理規則を改正し、庁舎の使用についての許可制の運用を従前と変更したとしても、それには合理的な理由があり、直ちに不当なものとはいえない。
原告らは、昭和三九年一一月の本件庁舎管理規則改正後においても、同四二年までの間、特に組合が分裂するまでの間は、無許可集会を通常どおり開催することができ、違法視されることはなかった旨を主張し、これに沿う供述(原告 )があるが、無許可集会に対して当局から具体的に中止・解散の命令が出されなかったからといって、そのような労務政策をとることに根拠がないわけではないから、直ちにこれが違法視されていなかったと認めることはできない。
2  職務専念義務違反
(一)  国家公務員たる職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならないとされ(国公法一〇一条一項前段)、いわゆる職務専念義務を負っている。勤務時間中に組合活動としてリボン・プレート・バッジ・腕章等を着用する行為及びステッカー・円柱等を掲出する行為は、他の職員に対して訴えかけるという性質の行動であって、職員がその注意力を職務に集中することを妨げるおそれのあるものであるから、右職務専念義務に違反するものであるというべきである(最高裁昭和五二年一二月一三日第三小法廷判決・民集三一巻七号九七四頁)。
(二)  したがって、右行為が正当な組合活動であるとする原告らの主張は失当であり、また、右職務専念義務に違反した職員に対して、上司がその取外しをするよう命令することは適法であって、その命令を受けたにもかかわらず、これに従わない場合は、国公法九八条一項所定の命令違反に当たるものであることは明らかである。
3 各非違行為の違法性
(一) 前記一の2(二)(1)(4)(13)(14)(18)(19)の行為は、本件庁舎管理規則一二条、一四条一、二項、一六条一、二項、一八条に違反する。
(二) 前記一の2(二)(2)(3)(5)の行為は、人事院規則一七条の二に違反する。
(三) 前記一の2(二)(5)(11)(15)ないし(19)の行為は、国公法九八条一項に違反する。
(四) 前記一の2(二)(6)(9)(10)(12)(15)ないし(18)の行為は、国公法一〇一条一項前段に違反する。
(五) 前記一の2(二)(20)(21)の行為は、国公法九九条に違反する。
(六) 前記一の2(二)(7)の行為は、服務規律に違反する。
(七) 前記一の2(二)(8)の行為は、これを違法であるとする根拠は見当たらない。
三 非違行為と勤務成績との関係
1  国家公務員の勤務成績の評定については、国公法七二条一項は、「職員の執務については、その所轄庁の長は、定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。」と、また、同条二項は、「前項の勤務成績の評定の手続及び記録に関し必要な事項は、政令で定める。」と定めている。そして、勤務成績の評定の手続及び記録に関する政令(昭和四一年政令一三号)九条は、「この政令に定めるもののほか、勤務評定の手続及び記録に関し必要な事項は、総理府令で定める。」とし、勤務成績の評定の手続及び記録に関する総理府令(昭和四一年総理府令四号)四条は、「評定者は、評定の結果その他必要な事項を記録し、調整者に提出しなければならない。」とし、また、人規一〇―二第二条一項は、「勤務評定は、職員が割り当てられた職務と責任を遂行した実績を当該官職の職務遂行の基準に照らして評定し、ならびに執務に関連して見られた職員の性格、能力および適性を公正に示すものでなければならない。」と定めている。右総理府令四条にいう「その他必要な事項」とは、旧人規一〇―二第一一条二項及び人規一〇―二第二条一項の規定により、評定期間中における職員の指導に関する事項その他の職員の人事を行なう上に必要と認められる事項をいうものと解することができる。したがって、勤務成績の評定は、単に職務の遂行実績のみならず、法令、規則等の違反行為やその他の服務規律違反行為についても、人事管理上必要な場合には、それらの事項をも考慮して行なうべきものであるということができる。
2  ところで、昇任、昇格及び昇給については、職員の能力、勤務実績に照らして任命権者の適正な裁量に基づく判断によって決定されるべきものであるところ、国家公務員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならないとされ(国公法九六条一項)、人規等に定められた服務規律に従うことが義務付けられているが、税関は、貨物の輸出入の通関業務、取締り等を主たる職務とするのであるから、これを担当する職員が国民の信頼を得て、しかも、その業務の正常な運営を確保されることが必要不可欠なものであり、したがって、その職員の能力、勤務実績を評価するに当たり、前記非違行為がその内容に応じて当該職員に対して不利益に評価されることは、当然の事理であるというべきである。
3  そこで、前記非違行為が勤務成績に及ぼす影響について検討する。
(一)  前記一の2(二)(1)の無許可集会は、勤務時間外に庁舎内で行われたものであるが、職場の秩序を乱すものであるから、従前は無許可の集会に対して当局から中止・解散の命令が出されていなかったからといって、これが正当な組合活動であるということはできないのであって、このような集会に参加した職員について、その参加の頻度・態様に応じて、勤務成績の評価において不利益な事情として考慮されてやむを得ないものというべきである。
(二)  前記一の2(二)のリボン・プレート・バッジ・腕章等の着用行為は、職務専念義務に違反し、正当な組合活動であるとはいえないものであるが、当時、これを違法であるとする認識が定着していたわけではなく、人事院も職務専念義務に違反するものではないとの判定をしたこともある。しかしながら、右非違行為に対しては、上司からその取り外しをするよう注意、指示を受けていながらこれに従わなかった態度は、ことさら組織の規律に反し、業務の円滑な運営を阻害するものであって、右着用行為に出なかった職員及び右着用行為後に上司の注意、指示に従ってこれを取り外した職員と比較して、その着用行為の頻度・態様に応じて、勤務成績の評価において不利益な事情として考慮されてやむを得ないものというべきである。
(三) 他方、原告らの勤務成績の評価において不利益に考慮されてやむを得ない事情は多岐にわたるが、その大部分が組合活動としての団体行動の一員として行われたものであるところ、その故をもって原告ら個々人の勤務成績の判定の要素から除外すべき理由はない。
四 格差と勤務実績との因果関係
1 原告組合員の勤務態度
(一) 原告組合員の勤務態度・実績については、各自のそれが同期同資格入関者と同等ないしそれ以上であると認定するに足りる的確な客観的資料はない。
(二) 昭和五八年九月付の「当面の人事管理上の諸問題について」と題する税関総務部長会議資料、同年一〇月付の「当面の人事管理上の諸問題について」と題する税関長会議資料には、いずれも「給与等損害賠償事件の現状と問題点について」との項目で、「当局側は、個別立証として、現認書等を書証として提出するとともに当時の職場の管理者を証人に立てて現認書等記載事実の存在及び原告らの勤務成績不良の事実を補強して立証していくこととしているが、現認書等の大部分は原告らの組合活動に係るもので、給与等に最も影響を及ぼす勤務成績不良の事実を証するものが少なく、また、訴外者の氏名を抹消した書証については訴訟手続上税関訟務官作成の報告文書として提出しているため、抹消していない原本の提出に比べて証拠力が劣るという問題がある。このため、証人の証言によりこれらを補強し、裁判官の心証形成が当局側に有利に働くよう努めているが、当時の職場管理者の大部分が既に退職し、現職にあっても退職年齢が近づいているため、証人の適格者の確保が難しい状況となってきている。」と記載されている(甲三二八の一、三二九の一)。
(三) 被告が原告組合員の非違行為として主張立証した各非違行為中には、無断欠勤、法令違反逮捕等、組合活動とは無関係の職務内外の勤務成績の判定に影響を及ぼすような日常行動はごく少数採り上げられているにすぎない。
原告別非違行為等一覧表によれば、各原告の本件係争期間中の出勤状況につき、以下のとおり病気休暇を取得したことがうかがわれる。原告②は昭和四七年九月一九日から同年一一月三日、原告⑤は同四六年九月二七日から同年一一月二日、原告⑰は同四三年一〇月二四日から同年一二月一〇日、原告 は同四四年三月二六日から同年九月二五日(肺結核)、原告 は同年四月二一日から同年六月一六日(公務災害)、原告 は同年三月一一日から同年四月一二日、原告 は同四二年九月一四日から同年一〇月二二日、原告 は同四五年八月三一日から同四六年二月二八日、同年四月六日から同年八月二三日、同四七年七月七日から同年八月八日、原告 は同年一〇月一八日から同年一二月一〇日、原告 は同四四年一月三〇日から同年六月七日、原告 は同四六年五月一五日から同四七年一一月一四日、原告 は同四三年一〇月一四日から同年一一月一六日、同四五年二月二四日から同年六月一〇日、原告 は同四四年三月一八日から同年四月八日、同四七年八月三〇日から同年一〇月一一日、原告 は同四三年八月三〇日から同年一一日二一日、原告 は同年二月一三日から同年三月一二日。非原告組合員については本件記録上は明らかでない。
(四) 右(一)ないし(三)の事情、原告組合員の各陳述書(甲一〇〇一ないし一一〇四)の記載内容に関する原、被告双方の弁論の全趣旨及び、本件記録上、本件非違行為以外に原告組合員の勤務成績の判定に影響を及ぼすべき無断欠勤、遅刻、早退、職務上の過誤等の客観的事情その他能力、適性の評価にかかわる事情等について明らかとされなかった事実に照らすと、原告組合員の勤務成績は、原告組合員としての活動を除外してみれば、非原告組合員と比較して集団的、全体的に著しく劣るものであるとまでいえなかったというほかない。
2 非違行為と格差との具体的関連性
(一) 昭和四〇年から同四三年までの間に定昇を延伸された者は、合計一二名であり、いずれも原告組合員であったが、そのうち原告⑪、同 、同⑩、同⑥、同 、同⑱、同 及び原告組合員cは、定期昇給の評価対象期間である昇給の前の一二か月間に訓告処分あるいは厳重注意処分の矯正措置を受けており、また、原告 、同⑳、同 及び同 等は、右評価対象期間内に矯正措置は受けていないものの、非違行為があった(原告別非違行為等一覧表、甲一九九、二一四、原告 、同⑦)。
(二) 原告番号一番から同三四番までの原告らについては、女性を除く全員が、昭和四七年から同四八年にかけて初級管理者に昇任し、同四八年から同四九年にかけて五等級に昇格したが、この三年の期間中の非違行為はその直前の三年間のそれに比べて格段に多かった(原告別非違行為等一覧表、甲六七三、昇任等実態表)。
(三) 原告 は、昭和四一年から同四五年まで毎年非違行為が一回ないし二一回現認されていたが、同四六年以降は一回もなかったところ、同四八年七月に特昇を受けた。
しかし、他方、原告組合員に関しては、以下の特昇状況があった。すなわち、原告①は、非違行為が昭和四四年に二回、同四五、四六年に各一回あったにすぎなかったが、同四七年には三回、同四八年には一一回、同四九年二、三月には一四回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告③は、非違行為が同四四年に二回、同四五年に一回あったにすぎず、同四六年には一回もなかったが、同四七年には七回、同四八年には一九回、同四九年三月には非違行為が一回現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告⑩は、非違行為が同四四年に二回、同四五、四六年に各一回あったにすぎなかったが、同四七年には三回、同四八年には一九回、同四九年二、三月には八回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告⑬は、非違行為が同四四年に二回、同四五年に一回あったにすぎず、同四六年には一回もなかったが、同四七年には四回、同四八年には二〇回、同四九年二、三月には七回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告⑭は、非違行為が同四四年に一回、同四五年に三回あったにすぎず、同四六年には一回もなかったが、同四七年には七回、同四八年には二三回、同四九年三月には九回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告 は、非違行為が同四四、四五年に各一回あったにすぎず、同四六年には一回もなかったが、同四七年には七回、同四八年には一九回、同四九年には一一回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同年七月に特昇を受けた。原告 は、非違行為が同四四年から同四六年まで一回もなかったが、同四七年には一回、同四八年四、六月には四回の非違行為が現認されたにもかかわらず、同四九年一月に特昇を受けた(以上の事実につき、原告別非違行為等一覧表、甲六七三、昇任等実態表)。
(四) 東京税関では、職員が八等級七号俸に昇給して三か月を経過すると、七等級に昇格させ実質的に定昇期間一二か月を三か月に短縮する扱いをしていたもので、右扱いには法令上の根拠はないものの運用として確立していたところ、原告 、同 、当時原告組合員であったdを除く昭和三七年度入関者は、八等級七号俸に昇給してから三か月を経過した同四二年七月に七等級に昇格したが、右三名は昇格せず、同年一〇月に至って七等級に昇格したこと、右三名以外の職員は原告組合員も含めて八等級七号俸に昇給して三か月を経過すると七等級に昇格する扱いを受けていたこと、原告 と右dは、同四一年一〇月六日及び同月二七日、庁舎管理規則違反により東京税関長から厳重注意処分を受けたこと、原告 及び同 は、右の矯正措置以外にも八等級在級中に非違行為があったこと、原告 及び同 は同四四年四月一日八等級七号俸在級三か月となったがその時点では昇格せず、七等級には同年七月一日に昇格したことが認められる(原告別非違行為等一覧表、甲二五五、甲三四〇の一、甲一〇六二、一〇六六、一〇六九、一〇八八、弁論の全趣旨)。
しかしながら、他方、原告番号七〇番ないし同八三番の原告らは、昭和三八年四月一日に入関し、同四三年七月に同時に七等級に昇格したが、それまでには一度も非違行為を現認されていない原告 及び一回だけ非違行為を現認された原告 と、その間に大部分が二〇回以上も非違行為を現認されているその余の原告らとが同じ処遇を受けた。また、原告番号八九番ないし同一〇四番の原告らは、昭和三九年四月一日に入関し、同四四年七月に同時に七等級に昇格したが(病休した者、中級任用者を除く)、それまでには一度も非違行為を現認されていない原告 、同 と、その間に大部分が二〇回以上も非違行為を現認されているその余の原告らとが同じ処遇を受けた(以上の事実につき、原告別非違行為等一覧表、甲六七三、昇任等実態表)。
(五) 以上によれば、定昇については非違行為の存在が延伸の原因となったことを一応推認することができるものの、定昇の延伸が非違行為の存在のみを理由とするものかどうか疑問の生じるところである。昇格、特昇についてみると、非違行為が多く現認されたにもかかわらず、その時期に昇格、特昇が行われ、非違行為が現認されなかったにもかかわらず、その時期に昇格、特昇が行われないという結果となっており、また、非違行為が多数現認されている原告らも、非違行為が少ない原告らと同時期に昇格するという結果が生じている。右の事実からは、非違行為の事実は昇任、昇格及び特昇の選考に際して考慮されていると説明することが難しい場合が少なくないものといわざるを得ない。
五 格差と差別意思との因果関係
右一ないし四によると、原告らの非違行為はそのほとんどが組合活動の一環として行われたものであるが、各原告個人の勤務成績の判定に当たり不利益に評定されるべき性質の事情であるというべきところ、各原告の日常の勤務実績が他の職員と比較して著しく劣るものではなく、他方、各原告の非違行為と昇任、昇格及び昇給との間に対応関係がない運用がされていたことがあるものということができる。そして、前記第二に認定したとおり、組合分裂前までは男女同性間においてほぼ均一に処遇する年功序列的運用がなされ、また、本件係争期間中では、男女同性間という枠内で、原告組合員及び第二組合員のそれぞれの間において、ほぼ均一に処遇する年功序列的運用がなされていたこと、前記第三の一に認定したとおり、関税局及び東京税関が、全税関組合員ないし原告組合員に対する嫌悪、差別の意思に基づく昇任、昇格についての差別基準を設定していたこと、少なくとも本件係争期間中、昇任、昇格及び特昇について原告らの非違行為を常に重視した人事管理政策を展開していたわけではなく、もっぱら右差別基準を維持するための労務政策をとってきたこと、また、前記第三の二に認定したとおり、東京税関においては少なくとも特定の場面において原告組合員に対する差別意思に基づく差別扱いが組織的に行われた実態があったことを否定できないことに照らすと、前記第一に認定した格差は、各原告の行なった非違行為を含むそれぞれの能力、適性、勤務実績等に対する東京税関長の裁量に任された人事査定の結果による部分に尽きるということはできず、東京税関の原告組合及び原告組合員に対する差別意思に基づく人事査定の結果による部分も含まれているものと推認することができ、そのように判断することによってのみ右格差の全体を理解することが可能となるといわざるを得ない。
第六  争点五(損害)について
一 各原告の給与相当損害金
1  昇任、昇格及び昇給の制度が当該職員の能力や勤務実績を反映させるものとなっている以上、原告組合員が他の非組合員に比べて昇任、昇格及び昇給において差別扱いを受けたことを理由とする各原告の右請求が認められるためには、その差別扱いを受けたとする特定の査定時期において、当該組合員について、比較の対象とされた同期同資格入関者との間で勤務実績や執務に関してみられる性格、能力、適性等に差がないことを個別的、具体的に立証することを要するものというべきである。
ところで、原告らは、各原告が、本件係争期間中、税関長の差別意思に基づく査定によって、原告組合員及び女性職員を除く同期同資格入関者の半数以上が到達した等級、号俸の各給与の総額と各原告に支給された給与の総額との差額に相当する金額の損害を受けたと主張するが、右格差の存在は、各原告ら各人において確定すべき性質のものであるから、本件係争期間中はほぼ年功序列的運用がされていたとしても、その時々の昇給人数や予算の枠内での選別上、必ずしも同時期に昇任、昇格ないし昇給する蓋然性は高いとはいえないし、また、右標準者の設定は、比較対象者の入関年月日、入関資格、初任給のみならず、格差が生じたと主張する特定の時期の正確な等級、号俸が把握されることによってはじめて個別的な格差の有無、程度を判断する資料となり得るのである。
しかるに、本件においては、原告らの主張する標準者の等級、号俸がどのような方法によって具体的に確定されたものであるのかについての主張が明確ではなく、客観的資料の裏付けを欠くといわざるを得ない。のみならず、原告らが比較対象者として選択した者は、その者らの間においても、また、各原告との間においても、本件係争期間の当初において既に格差が生じている場合があり、その格差の存在自体は本件の審理の対象とされていないのであるから、そのあるがままを前提とする以上、それ以後の昇任、昇格及び昇給に関する標準者は入関当時の状況のみを基準としただけでは正確に設定することができないというべきである。
そうすると、右各原告が税関長の違法な差別行為によって原告ら主張の同期同資格入関者の半数以上が到達した給与を基準としてその損害を受けたと認めることはできないといわざるを得ない。
2  しかしながら、差別扱いを受けたとする特定の査定時期において、各原告とその比較の対象とされた同期同資格入関者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者との間で勤務実績や能力等に差がないことが個別的、具体的に認められるにもかかわらず、昇任、昇格及び昇給につきその者よりもさらに低く処遇された場合、他に合理的な理由が認められない限り、原告らは右の限度で違法な差別を受けたものということができる。
ところで、原告⑫、同⑳、同 、同 、同 、同 、同 、同 については、前記第一に認定した事実によれば、同期同資格入関の女子の非原告組合員との間に右の格差があったことを認めるには至らない。なお、原告 については、前年入関の女子職員の昇任、昇格及び昇給の推移からみると右格差があったといえないこともないが、入関時期が異なれば、昇任、昇格及び昇給を判定する事情が同じでないことに帰するから、これをもって右格差の認定根拠とすることはできない。また、原告 、同 については、それぞれ、同期同資格入関の女子の非原告組合員が、本件係争期間の当初から昇任、昇格及び昇給につき低く処遇されていたり、途中退職しているために格差の全体が比較できないものであって(昇任等実態表)、やはり右の格差があったことを認めるには至らない。
また、原告 については、同原告の主張においても、標準者との間に本件係争期間中の最終時期において格差がないことを自認しているうえ、同原告は前記認定のとおり昭和四五年から同四七年にかけて三回にわたり長期間(合計約一年)の病気休暇を取得している事情に鑑みると、同原告が同期同資格者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者との間に格差があったとしても、それには合理的な理由があったものということができる。
さらに、昭和三八年度及び昭和三九年度各高卒入関者については、前記第一に認定した事実によれば、昇任、昇格及び昇給につき当該原告らと同じ処遇を受けている同期同資格入関の非原告組合員が一定割合の人数で存在するのであって、原告組合員と非原告組合員とを集団的、全体的みた場合に原告組合員の勤務成績が著しく劣るものではなかったとしても、右原告ら各自が全員これよりも上位に査定されるべきとする根拠はないから、結局、右各高卒入関者である原告らが同期同資格入関者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者との間に格差があったと認定することはできないものというべきである。
3  原告⑫、同⑳、同 、同 、同 、同 、同 、同 、原告 、同 、同 及び昭和三八年度、同三九年度入関の原告ら(原告番号七〇番から同一〇四番までの各原告)を除くその余の原告らについては(以下「格差のある原告ら」という。)、前記第一に認定した事実によれば、本件係争期間中、昇任、昇格及び昇給につき、同期同資格入関者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者よりもさらに低く処遇されたものというべきである。
しかしながら、格差のある原告らには、本件係争期間のうち給与差別を受けたとする期間中に、多かれ少なかれ非違行為が現認されているのであるから、これが勤務成績の評価に影響を及ぼすことは当然のことであって、昇任等の適否は当該職員が在職した全期間中の勤務成績に関する諸事情が考慮されるべきものであって、非違行為もその一事情であるから、格差のある原告らが他の職員と比較してそれ以外の日常の勤務実績に劣るところがないからといって、格差のある原告らが特定の時期において同期同資格入関者の半数以上が到達した地位、等級及び号俸に昇任、昇格及び昇給すべき同等の勤務成績を有していたものということはできない。
また、格差のある原告らに生じた前記第一に認定の格差は、差別行為による部分と非違行為等(長期の病気休暇を含む)に対する適法な査定による部分とが含まれているのであり、格差のある原告らが差別による損害として主張する額のうちどの部分が右差別行為によって生じたものであるかを特定することはできない。
4  以上によれば、格差のある原告ら主張の特定の時期に、非違行為がなかったとしたならば昇給したであろう号俸について判断するまでもなく、格差のある原告らの給与相当損害金の支払を求める各請求部分は理由がない。
そうすると、各原告が税関長の違法な差別行為によって同期同資格入関者の半数以上が到達した給与を基準とする損害あるいは同期同資格入関者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者の給与を基準とする損害を受けたと認めることはできないし、また、右差別行為によって受けた給与相当損害額を算定することは不可能であるといわざるを得ない。
二 各原告の慰謝料損害
1  格差のある原告らは、税関長が、格差のある原告らに対して昇任、昇格及び昇給についてした違法な差別的査定によって、右各原告が同期同資格入関者のうち最も昇任、昇格及び昇給につき劣位に査定された者の給与よりも低額な給与を支給されたにすぎなかったものであり、これは、本件係争期間中において、原告らが同期入関者との間で格差が発生していると主張する時期において少なくとも一回以上行われた結果であるものということができるところ、右各原告は、右違法行為により、精神的苦痛を被ったことが認められる。したがって、被告は、国賠法一条一項により、右各原告個人に対し、これに対する慰謝料を支払うべき義務がある。
右精神的苦痛は、格差のある原告らが職場の内外において社会的評価を低下させられ、組合員としての存在価値を否定され、その結果、自己及び家族に物心両面で多大の犠牲を強いられたことに関するものであるが、原告組合所属を理由に右各原告と同等の勤務実績・能力を有する非原告組合員との間に昇任、昇格及び昇給について差別的取扱いを受けないという基本的な期待利益にかかわる事柄であり、税関長の差別査定による賃金相当損害金は、前記のとおり、その額を算定することができないため、あるべき財産的損害を回復することが不可能なこと自体が現に精神的苦痛として存在するものであるということができる。格差のある原告らの賃金相当損害金額の算定を困難にした原因となっている非違行為はその大部分が原告組合員としてその組合活動として行われたものであるが、原告組合の組合活動が本件係争期間前から国公法、庁舎管理規則等に違反して過激なものになるに至り本件係争期間中を通じてこれが継続したことについては、原告組合及び原告組合員の負うべき責任は小さくないというべきであり、当局が本件係争期間を通じて全税関及び原告組合を嫌悪、敵視、差別してきたのはこのような違法行為に対する対抗手段として採られたものであるという一面があることも否定することはできないのであって、一概に当局のみが一方的に非難される筋合のものではない。
そして、格差のある原告らの入関時期・資格その他本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると、右各原告の精神的苦痛を慰謝する額として、原告番号一番から同七番、同九番から同一一番、同一三番、同二一番から同二三番及び同二六番の各原告については各金三〇万円、原告番号八番、同一四番から同一九番、同二四番、同二九番から同三二番の各原告については各金二〇万円、原告番号三四番から同三八番、同四二番から同四八番、同五〇番から同六〇番、同六二番から同六七番までの各原告については各金一〇万円を相当と認める。なお、慰謝料額に対する遅延損害金は、違法な差別的査定の都度それぞれ発生する慰謝料請求権につき発生することになるが、各時点における慰謝料額を認定することは困難かつ不適切であるから、これら各遅延損害金の発生分を考慮して右各慰謝料を算定するのが相当である。
2  原告組合
東京税関長は、本件係争期間中、原告組合員に対する嫌悪、差別の意思に基づく昇任、昇格についての差別基準を設定し、もっぱら右差別基準を維持するための労務政策をとり、差別扱いを組織的に行なってきたのであって、原告組合員が原告組合に所属し、その活動をしてきたことを理由として昇任、昇格及び昇給について違法な差別的査定をしたものであって、原告組合の団結権を違法に侵害したものであるから、被告は、国賠法一条一項により、原告組合に対し、これに対する慰謝料を支払うべき義務がある。
右慰謝料額は、東京税関長の本件にあらわれた違法行為が組織的で継続的なものであるという実態のものであること、原告組合はこれによって組合運営・組合活動に著しい支障を受けたこと、原告組合の本件係争期間中の組合活動は国公法、庁舎管理規則等の違反を頻発してかつ過激なものであったこと、そして、当局が本件係争期間を通じて全税関及び原告組合を嫌悪、敵視、差別してきたのはこのような違法行為に対する対抗手段として採られたものであるという一面があることも否定することはできないのであって、一概に当局のみが一方的に非難される筋合のものではないこと等諸般の事情を考慮すると、金一〇〇万円が相当であると認められる。
三  弁護士費用
原告組合及び格差のある原告らが本訴の提起、追行を訴訟代理人に委任したことは当裁判所に顕著な事実である。本件訴訟の提起、追行が弁護士の関与を要することは明らかであるから、右委任に伴う相当程度の弁護士費用の出捐は、税関長の違法行為と相当因果関係のある損害と認められ、本件訴訟の難易度、審理期間等を考慮すると、右弁護士費用は、前記認容額の約一〇パ−セントと認めるのが相当である。
四  予備的慰謝料
原告らは、賃金相当損害金が認められない場合の予備的請求として、別紙債権表の予備的慰謝料欄の金額の支払いを主張するが、右主張にかかる精神的苦痛は、前記二1において慰謝料として斟酌したうえ損害額の算定に加えており、これとは別に慰謝料として評価して認容すべき損害は認められない。
第七  争点六(時効)について
一  被告は、原告らの被告に対する損害賠償請求権が、各原告が昇格、昇任及び昇給すべきであったと主張するそれぞれの時期から三年の消滅時効が進行するから、本訴提起日の三年前の昭和四六年六月一一日の前日以前のものは短期消滅時効によって消滅した、と主張する。
被告の原告組合員に対する昇格、昇任及び昇給の差別行為は、東京税関長が本件係争期間中に一貫した組合所属を理由とする差別意思に基づいて行われたものであるが、各原告に精神的苦痛を与えた原因となった加害行為は、税関長の個々の人事査定における不法行為であるから、これによる慰謝料請求権はその都度成立し、消滅時効期間が進行するものであることは明らかである。
二  ところで、本件における加害行為の内容は、他の同期同資格者の昇格、昇任及び昇給の状況を認識し、それとの比較においてのみ明らかにすることができる性格のものであり、税関長の裁量に委ねられた限度を越えるものであるかどうかは必ずしも直ちに判別し得るものではなく、相当期間の経過によって実態が明らかになる性質のものであるから、原告らが損害の原因事実を知ったといえるためには、他の同期同資格者の昇格、昇任及び昇給の状況を正確に認識する必要がある。
昭和四二年八月一日付全税関東京支部ニュースには、「昇任、昇格、特昇の差別をやめ、直ちに、発令を行え」という見出しの下に昇任、昇格及び特昇の差別の問題が取り上げられ、また、同四六年六月二日付全税関東京支部執行委員会名の印刷物には、「六月人事発令の結果について」という見出しの下に「今回の発令の結果はこの差別が『全税関組合員』であることを理由とする差別であることを一層明白に示しました。」という記載がある(甲四六六、五二一)。しかしながら、これらの記載があるからといって、被告が本件係争期間中及び本件審理期間中を通じて一貫して税関長の人事査定差別はなかったと説明している事情のもとにおいては、これらの時期に原告らが他の同期同資格者の昇任、昇格及び昇給の状況を正確に認識し、原告ら主張の損害賠償請求権の行使が可能であったものということはできないというべきである。
よって、被告の消滅時効の主張は採用できない。
第八  結論
以上によれば、原告組合及び格差のある原告らの請求は、主文一項から四項の限度で理由があるから認容し、格差のある原告らのその余の請求及びそのほかの原告の請求はいずれも失当であるから棄却する。
(裁判長裁判官遠藤賢治 裁判官吉田肇 裁判官塩田直也)

別紙  昇任・昇格・特昇実態表、損害額計算表、昇給・昇任・昇格及び非違行為一覧表、原告別処分状況一覧表、原告別非違行為一覧表(無許可集会)、原告別非違行為一覧表(その他)、原告別非違行為一覧表(プレート等闘争)につき一部のみ掲載

債権目録
単位は円
原告番号 差額賃金相当金 慰謝料 予備的慰謝料 弁護士費用 合計
① 一、一〇三、五七三 八〇〇、〇〇〇 一、九〇三、五七三 一九一、〇〇〇 二、〇九四、五七三
② 九九四、三〇〇 八〇〇、〇〇〇 一、七九四、三〇〇 二〇五、〇〇〇 一、九九九、三〇〇
③ 一、〇一五、四四八 八〇〇、〇〇〇 一、八一五、四四八 二〇八、〇〇〇 二、〇二三、四四八
④ 一、二〇三、〇六〇 八〇〇、〇〇〇 二、〇〇三、〇六〇 一九五、〇〇〇 二、一九八、〇六〇
⑤ 一、七五四、四二四 八〇〇、〇〇〇 二、五五四、四二四 二五八、〇〇〇 二、八一二、四二四
⑥ 一、八〇六、九〇七 八〇〇、〇〇〇 二、六〇六、九〇七 二六〇、〇〇〇 二、八六六、九〇七
⑦ 一、六二七、五六二 八〇〇、〇〇〇 二、四二七、五六二 二五〇、〇〇〇 二、六七七、五六二
⑧ 一、三四九、九三九 八〇〇、〇〇〇 二、一四九、九三九 一九八、〇〇〇 二、三四七、九三九
⑨ 一、三四九、九三九 八〇〇、〇〇〇 二、一四九、九三九 一九八、〇〇〇 二、三四七、九三九
⑩ 一、七八六、三八九 八〇〇、〇〇〇 二、五八六、三八九 二六五、〇〇〇 二、八五一、三八九
⑪ 一、五五一、三六六 八〇〇、〇〇〇 二、三五一、三六六 二四二、〇〇〇 二、五九三、三六六
⑫ 四五四、九六二 八〇〇、〇〇〇 一、二五四、九六二 一二五、〇〇〇 一、三七九、九六二
⑬ 一、八一四、二一一 八〇〇、〇〇〇 二、六一四、二一一 二三七、〇〇〇 二、八五一、二一一
⑭ 一、〇〇八、四一八 五〇〇、〇〇〇 一、五〇八、四一八 一一九、〇〇〇 一、六二七、四一八
⑮ 一、〇八九、一五五 五〇〇、〇〇〇 一、五八九、一五五 一二九、〇〇〇 一、七一八、一五五
⑯ 一、〇八四、六八二 五〇〇、〇〇〇 一、五八四、六八二 一二七、〇〇〇 一、七一一、六八二
⑰ 六二一、六九二 五〇〇、〇〇〇 一、一二一、六九二 九四、〇〇〇 一、二一五、六九二
⑱ 八五一、三四一 五〇〇、〇〇〇 一、三五一、三四一 一三四、〇〇〇 一、四八五、三四一
⑲ 五九一、五六六 五〇〇、〇〇〇 一、〇九一、五六六 一二三、〇〇〇 一、二一四、五六六
⑳ 一、一四一、七二九 五〇〇、〇〇〇 一、六四一、七二九 一五九、〇〇〇 一、八〇〇、七二九
一、〇〇〇、六三八 八〇〇、〇〇〇 一、八〇〇、六三八 一六二、〇〇〇 一、九六二、六三八
九八三、三七一 八〇〇、〇〇〇 一、七八三、三七一 一六〇、〇〇〇 一、九四三、三七一
一、三一五、八三九 八〇〇、〇〇〇 二、一一五、八三九 一六九、〇〇〇 二、二八四、八三九
五五二、一四一 五〇〇、〇〇〇 一、〇五二、一四一 一〇四、〇〇〇 一、一五六、一四一
一、〇八四、九三〇 五〇〇、〇〇〇 一、五八四、九三〇 一五三、〇〇〇 一、七三七、九三〇
八一五、七六七 八〇〇、〇〇〇 一、六一五、七六七 一七八、〇〇〇 一、七九三、七六七
五二〇、八二一 五〇〇、〇〇〇 一、〇二〇、八二一 一〇二、〇〇〇 一、一二二、八二一
一、〇五六、六二五 五〇〇、〇〇〇 一、五五六、六二五 一四五、〇〇〇 一、七〇一、六二五
七七九、一一七 五〇〇、〇〇〇 一、二七九、一一七 一五五、〇〇〇 一、四三四、一一七
八四八、一八六 五〇〇、〇〇〇 一、三四八、一八六 一七〇、〇〇〇 一、五一八、一八六
九一七、〇〇八 五〇〇、〇〇〇 一、四一七、〇〇八 一三三、〇〇〇 一、五五〇、〇〇八
八五九、九九二 五〇〇、〇〇〇 一、三五九、九九二 一五一、〇〇〇 一、五一〇、九九二
一、〇五六、六二五 五〇〇、〇〇〇 一、五五六、六二五 一四五、〇〇〇 一、七〇一、六二五
一、二六五、七四六 三〇〇、〇〇〇 一、五六五、七四六 一一八、〇〇〇 一、六八三、七四六
七〇六、七四九 三〇〇、〇〇〇 一、〇〇六、七四九 八〇、〇〇〇 一、〇八六、七四九
二八九、七四六 三〇〇、〇〇〇 五八九、七四六 五三、〇〇〇 六四二、七四六
五〇三、一八九 三〇〇、〇〇〇 八〇三、一八九 七四、〇〇〇 八七七、一八九
三〇七、二一三 一〇〇、〇〇〇 四〇七、二一三 三二、〇〇〇 四三九、二一三

四七、八五九 一〇〇、〇〇〇 一四七、八五九 二四、〇〇〇 一七一、八五九
三〇七、二一三 一〇〇、〇〇〇 四〇七、二一三 三二、〇〇〇 四三九、二一三
二四六、二四五 一〇〇、〇〇〇 三四六、二四五 三四、〇〇〇 三八〇、二四五
三八四、三六二 一〇〇、〇〇〇 四八四、三六二 三二、〇〇〇 五一六、三六二
四六四、七八二 一〇〇、〇〇〇 五六四、七八二 四二、〇〇〇 六〇六、七八二
三八四、三六二 一〇〇、〇〇〇 四八四、三六二 三二、〇〇〇 五一六、三六二
三八四、三六二 一〇〇、〇〇〇 四八四、三六二 三二、〇〇〇 五一六、三六二
四二八、八九三 一〇〇、〇〇〇 五二八、八九三 三四、〇〇〇 五六二、八九三
四九五、七四〇 一〇〇、〇〇〇 五九五、七四〇 四二、〇〇〇 六三七、七四〇
三一九、一〇三 一〇〇、〇〇〇 四一九、一〇三 三一、〇〇〇 四五〇、一二三
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
一九五、八九〇 一〇〇、〇〇〇 二九五、八九〇 三〇、〇〇〇 三二五、八九〇
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
二六二、三九一 一〇〇、〇〇〇 三六二、三九一 三三、〇〇〇 三九五、三九一
二五九、四〇〇 一〇〇、〇〇〇 三五九、四〇〇 三〇、〇〇〇 三八九、四〇〇
二三七、三四六 一〇〇、〇〇〇 三三七、三四六 三三、〇〇〇 三七〇、三四六
二三七、三四六 一〇〇、〇〇〇 三三七、三四六 三三、〇〇〇 三七〇、三四六
二六五、九八六 一〇〇、〇〇〇 三六五、九八六 四五、〇〇〇 四一〇、九八六
二〇九、一九六 一〇〇、〇〇〇 三〇九、一九六 一七、〇〇〇 三二六、一九六
二一三、九五八 一〇〇、〇〇〇 三一三、九五八 三二、〇〇〇 三四五、九五八
二一三、九五八 一〇〇、〇〇〇 三一三、九五八 三二、〇〇〇 三四五、九五八
三四二、八二九 一〇〇、〇〇〇 四四二、八二九 四五、〇〇〇 四八七、八二九
二一三、九五八 一〇〇、〇〇〇 三一三、九五八 三二、〇〇〇 三四五、九五八
二〇〇、一五一 一〇〇、〇〇〇 三〇〇、一五一 三〇、〇〇〇 三三〇、一五一
一三三、九七九 一〇〇、〇〇〇 二三三、九七九 二一、〇〇〇 二五四、九七九
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一七四、三四四 一〇〇、〇〇〇 二七四、三四四 二七、〇〇〇 三〇一、三四四
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一八二、二一〇 一〇〇、〇〇〇 二八二、二一〇 二八、〇〇〇 三一〇、二一〇
一六七、〇一〇 一〇〇、〇〇〇 二六七、〇一〇 二六、〇〇〇 二九三、〇一〇
一五四、三九四 一〇〇、〇〇〇 二五四、三九四 二五、〇〇〇 二七九、三九四
一五四、三九四 一〇〇、〇〇〇 二五四、三九四 二五、〇〇〇 二七九、三九四
一五四、三九四 一〇〇、〇〇〇 二五四、三九四 二五、〇〇〇 二七九、三九四
一八八、〇三九 一〇〇、〇〇〇 二八八、〇三九 二九、〇〇〇 三一七、〇三九
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
七九、四八一 一〇〇、〇〇〇 一七九、四八一 二一、〇〇〇 二〇〇、四八一
一七三、九五八 一〇〇、〇〇〇 二七三、九五八 二七、〇〇〇 三〇〇、九五八
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
七六、九二八 一〇〇、〇〇〇 一七六、九二八 二二、〇〇〇 一九八、九二八
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
六四、二〇九 一〇〇、〇〇〇 一六四、二〇九 一六、〇〇〇 一八〇、二〇九
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
八八、二九〇 一〇〇、〇〇〇 一八八、二九〇 二三、〇〇〇 二一一、二九〇
五、〇〇〇、〇〇〇   五〇〇、〇〇〇 五、五〇〇、〇〇〇

損害額計算表

1 原告番号・氏名・入関年月日
1 〈省略〉 昭和24年 3月15日

2 昭和49年1月1日現在標準及び原告の号俸俸給月額・差別額
標準号俸 5等級15号 標準俸給月額 119,400円 差別額 10,000円
原告号俸 5等級12号 原告俸給月額 109,400円

3 標準昇給昇格及び原告との対比表
定期昇給月 4月 7月 10月 1月
年度 標準 原告 標準 原告 標準 原告 標準 原告
40年     6~8 7~10 6~8 7~11 6~9 6~8
41年 6~9 6~8 6~9 6~8 6~9 6~9 6~10 6~9
42年 6~10 6~9 5~7 6~9 5~7 6~10 5~8 6~10
43年 5~8 6~10 5~8 6~10 5~8 6~11 5~9 6~11
44年 5~9 6~11 5~9 6~11 5~9 6~12 5~10 6~12
45年 5~10 6~12 5~11 6~12 5~11 6~13 5~12 6~13
46年 5~12 6~13 5~12 6~13 5~12 6~14 5~13 6~14
47年 5~13 6~14 5~13 6~14 5~13 6~15 5~14 6~15
48年 5~14 6~15 5~14 5~11 5~14 5~12 5~15 5~12

4 損害額集計
期間(年・月) 賃金 期末勤勉手当 合計
40.4~41.3 21,454円 5,618円 27,072円
41.4~42.3 21,299円 3,512円 24,811円
42.4~43.3 45,534円 10,198円 55,732円
43.4~44.3 60,638円 15,086円 75,724円
44.4~45.3 71,365円 18,380円 89,745円
45.4~46.3 123,374円 35,980円 159,354円
46.4~47.3 157,772円 50,064円 207,836円
47.4~48.3 187,287円 59,590円 246,877円
48.4~49.4 162,009円 54,413円 216,422円
合計 850,732円 252,841円 1,103,573円

24年度入関者 昇任・昇格・特昇実態表
氏名 入関
年月日
初任給
資格等
40年 41年 42年 43年 44年 45年 46年 47年 48年 49年
月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等 月 号俸等




1

24.3.15 高
3-3
7 7-10 1 ○6-8 10 6-10 10 6-11 10 6-12 10 6-13 10 6-14 10 6-15 7 ○5-11 10 5-14
10 6-9                     3 主任 10 5-12
7 ◎5-13
甲 24.2.15 田中
38年
主任
4 6-8 1 ○5-5 1 5-7 1 5-8 1 5-9 1 5-11 1 5-12 1 5-13 1 5-14 1 5-15
2 5-6                             7 ○4-11
7 ◎5-10
乙 24.3 3-3
39年
主任
1 6-8 1 6-9 1 6-10 1 5-8 1 5-9 1 5-10 1 5-11 1 5-12     1 5-15
7 ○5-7
1 ◎5-14
丙 24.3
(41.4.1
東京
税関)
高     4 6-8 10 6-11 1 ○5-8 10 5-11 10 5-12 10 5-13 10 5-15 10 5-16   ○4-12
10 6-10     10 5-9                     10 4-13
6 主任
7 ◎6-9         7 ◎5-10         7 ◎5-14
丁 24.3 田中
39年
巡察
1 6-8 1 6-9 10 5-9     1 5-10 1 5-11 1 4-9 1 4-10 1 4-11 1 4-12
10 ○5-7             4 ○4-7
7 ◎5-8         7 ◎4-8             7 ◎4-13
戊 24.4.1 3-1
39年
主任
4 6-8 4 6-9 1 6-10 1 5-9 7 5-10 7 5-11 7 5-12 7 5-13     7 ○4-12

7 ◎○5-8                     7 ◎5-15
己 24.4.30 高
39年
巡察
1 6-8 1 6-9 1 6-10 1 5-8 1 5-9 1 5-11 1 5-12 1 5-13 1 5-14 1 5-15
7 ○5-7
7 ◎5-10                 7 ◎○4-12
庚 24.7.15 3-3

4 6-8 4 6-9 4 6-10 4 5-8 4 5-9 4 5-10 4 5-12 4 5-13 4 5-14 4 5-15
4 主任     10 ○5-7                         7 ○4-11
7 ◎5-11
辛 24.7 田中
39年
巡察
1 6-8 1 ○5-7 7 5-9 7 5-10 7 5-11     7 ○4-10 7 4-11     7 4-14
7 5-8
7 ◎6-10                 7 ◎5-13         7 ◎4-13
壬 24.7.18 田中
39年
巡察
1 6-7 10 6-9 7 ○5-6 10 5-8 10 5-10 10 5-11 10 5-12 10 5-13 10 5-14
10 6-8     10 5-7
1 ◎5-9                 7 ◎5-15
癸 24.8.13 田女 1 6-8 1 6-9     1 6-12 7 ○5-11 4 5-11     7 5-15 7 5-16 7 5-17
7 6-10 7 主任 7 6-13     7 5-12
7 ◎6-12             7 ◎5-14

 

原告別処分状況一覧表
原告番号・氏名 6 〈省略〉
処分日時 処分内容 処分対象行為 伝達場所
伝達者
原告の言動等 備考
(乙号証番号)

40.10.26
14:20
所属長の
口頭注意
昭和40年10月22日に、外部団体に属する者も参加して原告羽田分会が行った職場集会において、放歌高唱を制止した当局の中止命令に従わなかった。 羽田税関支署長室
支署長
〈省略〉
午前中再三にわたり支署長室へ出頭するよう命じたが応じず、午後漸やく出頭した。
支署長からの注意に対し、「私は組合の決定に従って行動しているのだから、こういう話は組合との交渉で行ってくれ」等と答えた。
58
41.10.18
10:17
税関長の
訓告
昭和41年9月2日に、外部団体に属する者も参加して原告組合羽田分会が行った庁舎管理規則に違反する無許可集会において演説を行うなどして同集会を積極的に推進し、同集会終了後引き続いて行われた、当局撮影フイルムを取り返す抗議行動において、先頭に立って積極的に抗議を行うなど推進的役割を果たした。 羽田税関支署長室
支署長
〈省略〉
支署長室への出頭を命じたが、「お断わりします。何なら自分で持って来い。絞め上げてやるから」「誰がそんなものもらいに行く馬鹿がいますか」などと言って出頭せず、訓告書の受領を拒否し、反省の態度を示さなかった。 31の3
72の1

45.4.30
10:35
所属課長の
厳重注意
昭和45年4月28日、やむを得ない事由がないにも拘らず、事前に所属長の承認を得ることなく職務に従事しなかった。 輸出部城北方面本部事務室
保税課長
〈省略〉
「疲れて起きられなかった」「課長から特に注意を受けてもどういうこともないが、まあまじめに聞いておきます。」などと答えた。 134
46.8.13
15:05
輸出部長の
口頭注意
昭和46年6月30日、輸出部保税課に勤務していたところ、上司の許可を受けることなく無断で離席し、約30分間にわたり執務しなかった。 輸出部長室
輸出部長
〈省略〉
注意を不服気な顔で聞き、承認を得るべき保税実査官が席にいなかったなどと述べた。 137の4
47.8.19
10:10
税関長の
口頭厳重注意
昭和47年7月12日の勤務時間中にプレートを着用し、上司から取り外すよう職務命令を受けたにも拘らず、これに従わなかった。 本関第2会議室
保税課長
〈省略〉
152
48.9.3
14:30
税関長の
口頭厳重注意
昭和48年6月8日・9日の2日間、勤務時間中、円柱を机上に置き、上司から撤去するよう職務命令を受けたにも拘らず、これに従わなかった。 輸入部収納課事務室
収納課長
〈省略〉
184
49.12.26 税関長の
文書厳重注意
昭和49年3月22日、本関1階通関事務室の柱、壁及び玄関附近に無許可で貼付されたビラを、当局が撤去作業を行った際、10時13分頃から10時30分頃までの間離席し、管理者に近づき、大声で抗議し、上司の再三にわたる職務復帰命令に従うことなく勤務を欠いた。     211の5

原告別非違行為一覧表(無許可集会)
原告番号・氏名 6 〈省略〉
行為日時 違法行為等 内容 場所 参加人数 当局の対応等 原告の言動等 乙号証
番号
備考
41.9.2
17:35頃~
18:15頃
無許可集会  外部団体に属する者も参加して原告組合羽田分会が行った庁舎管理規則に違反する無許可集会に参加し、当局の再三にわたる解散命令に従わなかった。
集会は当局の警告を無視して行われ、労働歌の斉唱、挨拶、大会決議等がマイクを使用するなどして進み、当局の解散命令に対し、参加者らは「何を言っているんだ」「やめろ」などと叫び、従わなかった。
羽田税関支署分庁舎構内玄関前 約100名(部外者を含む)  業務第1課長等がマイクで再三にわたり解散命令を発したが従わず、参加者らに取り囲まれ、前進が阻止された。  当局が、あらかじめ無許可の集会に参加しないよう注意したところ、「全税関の者は聞く必要はないぞ」と叫び、更に注意放送に対しても「みんなよく聞いておけよ。これが官の実態だ」などと叫ぶなどした。集会においては、開会の演説をするなど、同集会を積極的に推進した。 71の1

の4
の7
の8

42.1.27
12:19頃~
12:43頃
無許可集会  予め当局から庁内放送で無許可の集会に参加しないよう警告を受けていたにも拘らず、原告組合羽田分会が行った庁舎管理規則に違反する無許可の職場集会に参加し、当局の再三にわたる解散命令に従わなかった。集会では演説、シュプレヒコールなどが行われ、違法集会の状況を撮影していた当局のカメラを奪うなどの妨害があった。 羽田税関支署分庁舎2階事務室 19名  業務第1課長が携帯マイクで、また、次長が庁内放送を通じて、再三にわたり解散を命じたが従わなかった。  演説や大会解散宣言を行うなど、同集会において指導的役割を果たした。 83の1
の2
の4

の6

42.7.21
12:21頃~
12:27頃
無許可集会  予め当局から庁内放送により警告を受けたにも拘らず、原告組合羽田分会が行った庁舎管理規則に違反する無許可の職場集会に参加した。集会では全員が腕章か鉢巻を付け、組合旗を立て、シュプレヒコールが行われた。 羽田税関支署分庁舎輸入検査場前軒下 28名  業務第1課長が分会長の〈省略〉
に対し、集会は会議室で行うならば申請すれば許可されるはすであること、事務室で強行すれば処罰される旨伝え、マイクを通じて庁内放送も行ったにも拘らず、集会は強行された。
92の4

の7

48.6.13
08:30頃~
12:00頃
無許可座り込み闘争  原告組合が行った庁舎管理規則に違反する無許可座り込み闘争に参加し、当局の再三にわたる退去命令に従わなかった。
集会は事前に庁舎管理者から注意を受けていたにも拘らず強行され、組合旗、横断幕が撤去命令にも拘らず掲げられ、庁舎管理者の前に立ちはだかって激しく抗議し、シュプレヒコールなどが行われた。
本関庁舎
敷地内正面玄関前
69名  庁舎管理者が、原告組合東京支部長に対し、事前に注意したにも拘らず強行され、再三退去命令を発したが従わず、妨害もあった。  庁舎管理者の退去命令に対し、怒声を発して詰め寄り、体を割り込ませるなどして妨害した。 174の1

の3
の5
の7

の10
の13

49.3.25
08:55頃~
16:27頃
無許可座り込み集会  原告組合が行った庁舎管理規則に違反する無許可座り込み集会に参加し、当局の再三にわたる退去命令に従わなかった。
参加者らは「税関マル生反対等 全税関労組」と書いたゼッケン及び赤ハチマキ、赤腕章を着用し、横幕やのぼり等を掲げ、庁舎管理者に対する抗議や、演説、シュプレヒコール、労働歌の高唱などを行った。
本関庁舎
敷地内正面玄関前
78名  会計課長(庁舎管理者)が掲示物撤去命令と再三の退去命令を発したが、参加者らは同課長を取り囲み、激しく抗議するなどして退去しなかった。   207の1
の9
原告別非違行為一覧表(その他)
原告番号・氏名 1 〈省略〉
行為日時 区分 内容 場所 参加人数 当局の対応等 原告の言動等 乙号証
番号
備考
40.10.22
12:18頃~
13:00頃
放歌高唱  外部団体に属する者も参加して原告羽田分会が行った職場集会において、他の参加者らと共に庁舎管理規則に違反して放歌高唱し、「ガンバロー」とのシュプレヒコールを行った。 羽田税関支署分庁舎業務事務室 約40名  業務第1課長が歌をうたうことを制止したにも拘らず、従わなかった。   57の1
40.10.26
14:28頃~
14:35頃
職務離脱  上記職場集会において指導的役割を果たした原告 ⑥ が支署長に呼ばれたことに対し、① らも同席させるよう申し入れに来たもので、7分間無断で職務を離脱した。 羽田税関支署長秘書室 2名  次長が勤務時間中であるから職場に帰るよう命じたところ、数分後秘書室から退去し、職場に戻った。   58
61の1
の2

41.9.2
18:15頃~
19:25頃
抗議  無許可の職場集会終了後、引き続いて当局が撮影したフイルムを取り返す抗議行動に移り、スクラムを組み、当局の制止をも振り切って分庁舎内に入り、当局の再三にわたる退去命令にも従わず、「支署長に合わせろ」「フイルムを返せ」などと庁舎管理規則に違反するシュプレヒコールを行い、応対していた業務第1課長を取り囲んで、つばを吐きかけ、「嘘をつくな」「男なら約束を守んなさい。ぶら下げているものを見せてみろ」などと暴言ば声を浴びせるなど、臨時開庁中の分庁舎事務室を騒然とさせた抗議行動に参加し、職場の秩序を著しく乱した。 羽田税関支署分庁舎内 約50名  組合員がスクラムを組んで庁舎内に入ろうとするのを、業務第1課長が両手を広げ制止したが、押しのけて入り、同課長の退去命令にも応ぜず、同課長を取り囲んで暴言を浴びせるなどした。   71の2
の4
の5
の8

43.3.15
14:15頃~
14:16頃
勤勉手当受領拒否  本日支給の勤勉手当を出納員が提示したところ、内容を調べ、「私には差別がなかったようですが、他に差別があったようですので、連帯問題として、私は受け取りません」と言って受領を拒否した。 輸出部長
秘書室
計33名の者が受領拒否  出納員の管理係長が供託になるが良いかたずねたところ、「仕方ないでしょう」と答えた。  供託されたが、43.4.12に還付を受けている。 116の6
49.3.22
08:05頃~
09:00頃
庁舎へのビラ張り  原告らは「5万円以上賃上げ労働強化反対人増やせ」などと記載したビラ267枚を、当局の制止にも拘らず、庁舎内の柱、壁、ドアなどに庁舎管理規則に違反して、無許可で貼付した。 本関庁舎
正面玄関及び一階事務室
12名  総務第2係長らが庁舎管理規則違反であるからやめるよう注意したが、無視した。  原告は、土足でキャビネ、ロッカーに上がってビラを貼付し、総務第2係長が「主任になっても土足で上がるような非常識なことをやるのか」と注意したのに対し、「うるさい」と言って続行した。 185
49.3.22
10:15頃~
10:23頃
職務離脱  上記のビラを当局が撤去した際、勤務時間中であるにも拘らず、原告は、自席において又は自席を離れて「ビラをはがすのはやめろ」「組合運動を弾圧するな」などと大声で抗議し、執務しなかった。 輸出部航空輸出第3部門 1名  統括審査官が「席に戻って仕事をしなさい。職務命令だ」等と命じたが、その都度自席には戻るものの、同様の行為を繰り返した。   188
190の1
の2
原告別非違行為一覧表(プレート等闘争)
原告番号・氏名 1 〈省略〉
行為日 区分 文言等 態様 注意・命令 原告の
言動等
乙号証
番号
備考
時間 注意
(命令)者
注意(命令)の内容
42.5.16 リボン 育休要求           265
42.5.17 〃    〃            〃
42.5.18 〃 「育休を認めよ」 左胸 15:45 業務部
貨物課
貨物第1係長
〈省略〉
取り外すよう命令 不服従 265
266

42.5.19 〃 育休要求           265
42.5.20 〃   〃            〃
42.6.8 〃             336
42.6.9 〃              〃
42.6.10 〃              〃
42.6.12 〃              〃
42.6.13 〃              〃
42.6.14 〃       業務部
貨物課
方面主任
〈省略〉
取り外すよう注意 不服従  〃
42.7.21 〃 一律 8,000円賃上げせよ
⑪・①を5等級に昇格させよ
官服上着
左ポケット上
398
42.8.1 〃 「一律 8,000円賃上げせよ
①・⑪両氏を5等級に昇格させよ」
胸 ポケット附近 10:00

輸出部
保税課
方面主任
〈省略〉
勤務中であるからリボンを取るよう注意 「はい」
不服従
431
42.10.2 〃 「外郵の○○さんの不当配転を撤回せよ」 左胸 10:00   〃 「取り外すように」と注意 「〃」

462
42.10.3 〃       〃  〃          〃
42.10.4 〃       〃  〃          〃
42.10.21 〃 「1律8,000円賃上げ、人事院勧告の完全実施をせよ」 左胸ポケット附近 09:30 輸出部
保税課
方面主任
〈省略〉
「取り外すように」と注意 「はい」
不服従
512
42.10.25 〃 「一律8,000円賃上げせよ
実施時期を値切るな」等
左胸ポケットの上 09:30   〃 「リボンを取り外して執務しなさい」と命令 「〃」

558
42.10.26 〃       〃  〃          〃

 

*******


政治と選挙の裁判例「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧
(1)平成 9年 7月17日 大阪地裁 平5(行ウ)34号 違法支出金返還等請求事件
(2)平成 9年 6月26日 東京高裁 平6(ネ)3688号・平6(ネ)3881号・平6(ネ)3908号・平6(ネ)3960号 損害賠償請求控訴事件 〔日本共産党幹部宅盗聴損害賠償訴訟控訴審判決〕
(3)平成 9年 6月20日 静岡地裁 平4(ワ)307号・平7(ワ)481号 損害賠償請求事件 〔ヤマト運輸事件・第一審〕
(4)平成 9年 6月18日 東京高裁 平8(ネ)354号 損害賠償請求控訴事件
(5)平成 9年 5月30日 大阪地裁 平7(ワ)892号 損害賠償請求事件
(6)平成 9年 3月31日 秋田地裁 平4(行ウ)3号・平4(行ウ)5号・平6(行ウ)2号 違法公金支出差止請求事件、損害賠償請求事件
(7)平成 9年 3月21日 東京地裁 平5(刑わ)2020号・平5(刑わ)2442号・平6(刑わ)161号・平5(刑わ)2220号 収賄、贈賄等被告事件 〔ゼネコン汚職事件(宮城県知事ルート)〕
(8)平成 9年 3月21日 秋田地裁 平4(行ウ)3号・平4(行ウ)5号・平6(行ウ)2号 違法公金支出差止請求事件、損害賠償請求事件 〔秋田県・秋田市工業用水道料金補助・産廃処分場許可事件〕
(9)平成 9年 3月18日 大阪高裁 平8(行コ)35号 供託金返還請求控訴事件
(10)平成 9年 2月20日 大阪地裁 平7(行ウ)60号・平7(行ウ)70号 政党助成法に基づく政党交付金交付差止等請求事件
(11)平成 9年 2月13日 大阪高裁 平8(う)518号 業務妨害被告事件
(12)平成 9年 2月 7日 盛岡地裁 平5(ワ)339号 建物明渡請求事件
(13)平成 9年 2月 4日 東京地裁 平8(行ウ)31号 都非公開処分取消請求事件
(14)平成 8年12月25日 千葉地裁 平4(行ウ)8号・平4(行ウ)22号・平6(行ウ)24号 損害賠償請求(関連請求の追加的併合の訴え)、労働者委員選任処分取消等請求事件 〔千葉県地方労働委員会事件〕
(15)平成 8年12月20日 札幌地裁 平7(ワ)1598号 損害賠償等請求事件
(16)平成 8年10月28日 大津地裁 平7(行ウ)11号 損害賠償請求事件
(17)平成 8年 9月11日 最高裁大法廷 平6(行ツ)59号 選挙無効請求事件 〔参議院議員定数配分規定不均衡訴訟・大法廷判決〕
(18)平成 8年 8月 7日 神戸地裁 平7(行ウ)41号 選挙供託による供託金返還請求事件
(19)平成 8年 7月 8日 仙台高裁 平7(行ケ)3号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔青森県議会議員選挙候補者連座訴訟・第一審〕
(20)平成 8年 5月20日 大阪地裁 平4(ワ)8931号・平5(ワ)3260号・平5(ワ)3261号・平4(ワ)9972号・平4(ワ)8064号 各損害賠償請求事件 〔関西PKO訴訟判決〕
(21)平成 8年 4月10日 東京地裁 平6(ワ)23782号・平5(ワ)23246号 預金返還請求事件 〔自由民主党同志会預金訴訟判決〕
(22)平成 8年 3月29日 東京地裁 平5(特わ)546号・平5(特わ)682号 所得税法違反被告事件
(23)平成 8年 3月27日 大阪高裁 平6(ネ)3497号 損害賠償請求控訴事件
(24)平成 8年 3月25日 東京地裁 平元(ワ)14010号 損害賠償等請求事件
(25)平成 8年 3月19日 最高裁第三小法廷 平4(オ)1796号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・上告審〕
(26)平成 8年 3月15日 最高裁第二小法廷 平5(オ)1285号 国家賠償請求事件 〔上尾市福祉会館使用不許可に対する損害賠償請求訴訟・告審〕
(27)平成 8年 3月 8日 最高裁第二小法廷 平4(オ)78号 損害賠償請求事件
(28)平成 8年 1月18日 東京高裁 平7(行ケ)236号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(29)平成 7年12月26日 東京高裁 平5(ネ)931号 航空機発着差止等請求控訴、同附帯控訴事件 〔厚木基地騒音公害第一次訴訟差戻後・控訴審〕
(30)平成 7年12月19日 大阪地裁 昭61(ワ)1542号 損害賠償等請求事件 〔小説「捜査一課長」訴訟〕
(31)平成 7年11月21日 東京高裁 平6(行コ)207号 建物取壊決定処分取消請求控訴事件
(32)平成 7年10月 9日 仙台高裁 平7(行ケ)2号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔山形県議会議員選挙候補者連座訴訟〕
(33)平成 7年 9月20日 東京地裁 平5(行ウ)301号 損害賠償請求事件
(34)平成 7年 6月22日 東京高裁 平6(行コ)26号 不当労働行為救済命令取消請求控訴事件 〔千代田化工建設事件・控訴審〕
(35)平成 7年 5月25日 最高裁第一小法廷 平7(行ツ)19号 選挙無効請求事件 〔日本新党繰上当選無効訴訟・上告審〕
(36)平成 7年 3月20日 宮崎地裁 平6(ワ)169号 損害賠償請求事件
(37)平成 7年 3月 7日 最高裁第三小法廷 平元(オ)762号 損害賠償請求事件 〔泉佐野市民会館使用不許可に対する損害賠償請求訴訟・上告審〕
(38)平成 7年 2月22日 東京地裁 昭49(ワ)4723号 損害賠償請求事件 〔全税関東京損害賠償事件〕
(39)平成 7年 2月13日 大阪地裁 平6(わ)3556号 政治資金規正法違反被告事件 〔大阪府知事後援会ヤミ献金事件〕
(40)平成 7年 2月 9日 大阪高裁 平6(ネ)292号・平4(ネ)2265号 損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件 〔全税関大阪訴訟・控訴審〕
(41)平成 7年 1月26日 東京地裁 平5(行ウ)353号 損害賠償請求事件
(42)平成 6年12月20日 浦和地裁 平5(わ)564号 受託収賄被告事件
(43)平成 6年12月 9日 大阪地裁 平5(ワ)1384号 損害賠償請求事件
(44)平成 6年12月 6日 東京地裁 平2(ワ)2211号 除名処分無効確認請求事件
(45)平成 6年11月29日 東京高裁 平5(行ケ)108号 選挙無効請求事件 〔日本新党参議院議員比例代表選出繰上当選無効請求訴訟〕
(46)平成 6年11月25日 東京地裁 平6(ヨ)21141号 地位保全仮処分申立事件
(47)平成 6年11月15日 横浜地裁 昭51(ワ)1606号 損害賠償請求事件 〔東京電力(神奈川)事件〕
(48)平成 6年10月27日 名古屋高裁 平6(ネ)134号 慰謝料等請求控訴事件
(49)平成 6年10月25日 新潟地裁 平4(わ)223号 政治資金規正法違反被告事件 〔佐川急便新潟県知事事件〕
(50)平成 6年 9月30日 広島高裁 平5(行ケ)1号 衆議院議員定数配分規定違憲訴訟広島高裁判決
(51)平成 6年 9月 6日 東京地裁 昭63(ワ)12066号 共産党幹部宅盗聴事件
(52)平成 6年 8月31日 東京地裁八王子支部 平3(ワ)1677号 譴責処分無効確認等請求事件 〔日本電信電話事件〕
(53)平成 6年 6月 3日 東京高裁 平5(行ケ)134号 衆議院議員定数配分規定違憲訴訟東京高裁判決
(54)平成 6年 6月 3日 東京高裁 平5(行ケ)133号 選挙無効請求事件
(55)平成 6年 6月 3日 東京高裁 平5(行ケ)118号 選挙無効確認請求事件 〔衆議院議員定数配分違憲訴訟・第一審〕
(56)平成 6年 6月 3日 東京高裁 平5(行ケ)114号 選挙無効請求事件
(57)平成 6年 5月23日 千葉地裁 昭51(ワ)698号 損害賠償等請求事件 〔千葉東電訴訟判決〕
(58)平成 6年 4月26日 旭川地裁 平2(行ウ)1号 地方自治法第二四二条の二第一項に基づく住民訴訟事件
(59)平成 6年 3月31日 長野地裁 昭51(ワ)216号 損害賠償等請求事件 〔長野東電訴訟〕
(60)平成 6年 3月16日 東京高裁 平5(行コ)68号・平5(行コ)86号 所得税更正処分・過少申告加算税賦課決定処分取消請求各控訴事件
(61)平成 6年 2月 1日 横浜地裁 平2(ワ)775号 損害賠償請求事件
(62)平成 6年 1月31日 最高裁第二小法廷 平5(行ツ)158号 当選無効等請求事件
(63)平成 6年 1月31日 津地裁 平4(ワ)117号 慰謝料等請求事件
(64)平成 6年 1月27日 最高裁第一小法廷 平3(行ツ)18号 行政処分取消請求事件 〔大阪府知事交際費情報公開請求事件・差戻前上告審〕
(65)平成 6年 1月27日 東京地裁 平4(行ウ)126号 不当労働行為救済命令取消請求事件 〔千代田化工建設事件・第一審〕
(66)平成 5年12月24日 名古屋地裁 平5(わ)1207号 公職選挙法違反被告事件 〔参議院議員経歴詐称事件・第一審〕
(67)平成 5年12月22日 甲府地裁 昭51(ワ)289号 損害賠償請求事件 〔山梨東電訴訟〕
(68)平成 5年12月16日 大阪高裁 平4(行ケ)5号 選挙無効請求事件 〔参議院(選挙区選出)議員定数配分規定違憲判決〕
(69)平成 5年12月15日 大阪高裁 平5(行コ)17号 大阪府会議員運転手付自家用車供用損害賠償請求控訴事件 〔大阪府議運転手付庁用車供用損害賠償訴訟・控訴審〕
(70)平成 5年 9月10日 最高裁第二小法廷 平4(行ツ)46号 損害賠償請求上告事件
(71)平成 5年 8月24日 前橋地裁 昭51(ワ)313号 損害賠償請求事件 〔東京電力(群馬)事件〕
(72)平成 5年 7月20日 最高裁第三小法廷 平2(オ)1231号 建物明渡、地位確認等請求事件 〔日蓮正宗末寺事件・上告審〕
(73)平成 5年 7月15日 福岡高裁那覇支部 平4(行ケ)1号 当選無効等請求事件
(74)平成 5年 7月15日 福岡地裁大牟田支部 平5(わ)18号 強制執行不正免脱、公正証書原本不実記載、同行使被告事件
(75)平成 5年 6月29日 名古屋高裁 平5(行ケ)1号 当選の効力に関する審査裁決取消請求事件
(76)平成 5年 5月28日 徳島地裁 昭63(行ウ)12号 徳島県議会県政調査研究費交付金返還等請求事件
(77)平成 5年 5月27日 最高裁第一小法廷 平元(オ)1605号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・上告審〕
(78)平成 5年 5月25日 福井地裁武生支部 昭63(ワ)4号 損害賠償請求事件 〔福井鉄道事件〕
(79)平成 5年 5月13日 大阪地裁 平4(ワ)619号 損害賠償請求事件
(80)平成 5年 3月25日 仙台高裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(81)平成 5年 3月22日 福岡高裁宮崎支部 昭63(行コ)1号 行政処分取消請求控訴事件 〔宮崎県立大宮第二高校懲戒処分取消請求訴訟・控訴審〕
(82)平成 5年 3月22日 浦和地裁 平元(行ウ)4号 所得税更正処分・過少申告加算税賦課決定処分取消請求事件
(83)平成 5年 3月17日 東京地裁 平元(行ウ)219号 一般旅券返納命令処分取消請求事件
(84)平成 5年 3月17日 神戸地裁 昭62(ワ)1670号 損害賠償請求事件
(85)平成 5年 3月16日 札幌地裁 平元(わ)559号・平元(わ)561号・平元(わ)560号 受託収賄被告事件 〔北海道新長計汚職事件〕
(86)平成 5年 3月15日 東京地裁 平4(行ウ)175号 教科書検定合格処分無効確認等請求事件
(87)平成 5年 1月22日 東京地裁 平3(ワ)6321号 損害賠償等請求事件
(88)平成 5年 1月20日 最高裁大法廷 平3(行ツ)184号 選挙無効請求事件
(89)平成 4年12月24日 横浜地裁 昭49(ワ)847号・昭50(ワ)111号 損害賠償請求事件 〔全税関横浜訴訟・第一審〕
(90)平成 4年12月17日 名古屋高裁 平4(行ケ)1号 参議院議員選挙当選無効請求事件
(91)平成 4年11月25日 東京高裁 平4(く)200号 接見等禁止一部解除決定に対する抗告申立事件 〔東京佐川急便事件関連接見等禁止一部解除事件〕
(92)平成 4年11月24日 大阪地裁 平2(行ウ)81号・平2(行ウ)97号・平2(行ウ)94号 即位の礼・大嘗祭訴訟第一審判決
(93)平成 4年10月26日 東京地裁 昭61(ワ)4793号 損害賠償請求事件 〔報徳会宇都宮病院訴訟〕
(94)平成 4年10月23日 東京高裁 昭59(行コ)38号 事業認定処分取消請求、特定公共事業認定処分取消請求各控訴事件 〔成田空港訴訟・控訴審〕
(95)平成 4年 9月22日 大阪地裁 昭49(ワ)2701号 損害賠償請求事件 〔全税関大阪訴訟・第一審〕
(96)平成 4年 7月16日 東京地裁 昭60(ワ)10866号・昭60(ワ)10864号・昭60(ワ)10867号・昭60(ワ)10865号・平2(ワ)10447号・昭60(ワ)10868号 立替金請求併合事件 〔全逓信労働組合事件〕
(97)平成 4年 6月26日 大阪高裁 平2(う)966号 公職選挙法違反被告事件
(98)平成 4年 6月15日 東京地裁 平3(ワ)4745号 謝罪広告等請求事件
(99)平成 4年 4月28日 最高裁第三小法廷 昭60(オ)1427号 損害賠償請求事件 〔台湾住民元日本兵戦死傷者の損失補償請求事件・上告審〕
(100)平成 4年 4月24日 福岡高裁 昭62(ネ)551号・昭61(ネ)106号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求控訴、附帯控訴事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・控訴審〕


政治と選挙の裁判例(裁判例リスト)

■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-consultant/

■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-rikkouho/

■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seijikatsudou-senkyoundou/

■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou-poster/

■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bira-chirashi/

■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seimu-katsudouhi-poster/

■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-seiji-enzetsukai-kokuchi-poster/

■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
https://www.senkyo.win/kousyokusenkyohou-negotiate-put-up-poster/

■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
https://www.senkyo.win/political-poster-kousyokusenkyohou-explanation/

■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kousyokusenkyohou/

■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/senkyo-kouhou-poster-bira/

■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
https://www.senkyo.win/hanrei-senkyo-bougai-poster/

■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-2ren-3ren-poster-political-party-official-candidate/

■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kojin-tandoku-poster-political-party-official-candidate/

■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-party-official-candidate-koubo-poster/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-politician/

■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster-political-party-campaign-bulletin-gazette-public-relations/

■「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-2ren-3ren-poster/

■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kokusei-seitou-chiiki-seitou-kojin-tandoku-poster/

■「公認 候補者 公募 ポスター 国政政党 地域政党」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-official-candidate-koubo-poster-kokusei-seitou-chiiki-seitou/

■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-official-candidate-kokuji-kouji-kouei-kousetsu-keijiban-poster/

■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-political-organization-kouenkai-senkyo-jimusho-official-candidate-poster/

■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-sangiin-giin-poster/

■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-chihou-giin-poster/

■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-daigishi-giin-poster/

■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-poster-hari-volunteer/

■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seitou-touin-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-seiji-dantai-nyuutou-nyuukai-kakutoku-boshuu-daikou/

■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
https://www.senkyo.win/hanrei-kouenkai-nyuukai-boshuu-kakutoku-daikou/


■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)


【資料】政治活動用事前街頭ポスター新規掲示交渉実績一覧【PRドットウィン!】選挙,ポスター,貼り,代行,ポスター貼り,業者,選挙,ポスター,貼り,業者,ポスター,貼り,依頼,タウン,ポスター,ポスター,貼る,許可,ポスター,貼ってもらう,頼み方,ポスター,貼れる場所,ポスター,貼付,街,貼り,ポスター,政治活動ポスター,演説会,告知,選挙ポスター,イラスト,選挙ポスター,画像,明るい選挙ポスター,書き方,明るい選挙ポスター,東京,中学生,選挙ポスター,デザイン


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