「選挙妨害 ポスター」に関する裁判例(12)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
「選挙妨害 ポスター」に関する裁判例(12)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
裁判年月日 平成23年 3月17日 裁判所名 名古屋高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(ネ)496号
事件名 損害賠償請求控訴事件
裁判結果 原判決一部変更 上訴等 上告 文献番号 2011WLJPCA03176002
要旨
◆町を相手に別件訴訟を提起していた町の住民である被控訴人らが、同訴訟の相手方で町長である控訴人から、同人の私的に発行する情報誌に別件訴訟の原告であるとして氏名を記載され、これを町内に配布されたため、プライバシーを侵害されたとして、損害賠償を求めたところ、原審が請求を一部認容したため、控訴人が控訴した事案において、本件で、被控訴人らの氏名はみだりに他人に開示・公表されない法的利益を有し、保護に値するといえるところ、控訴人の本件情報誌の配布行為態様や、町長選の対抗立候補者に対するネガティブキャンペーンの一環とも窺える同誌の記事の目的・意義からすると、同記事が、被控訴人らのプライバシーの利益に対し、優越するような事情があったとは認められないとして、控訴人による本件公表を不法行為と認めたものの、秘匿性の程度が高いとはいえないことなどを考慮して、原判決を一部変更し、損害額を減額認定した事例
裁判経過
上告審 平成24年 3月 2日 最高裁第二小法廷 決定 平23(オ)1251号・平23(受)1399号
第一審 平成22年 3月25日 岐阜地裁大垣支部 判決 平20(ワ)253号 損害賠償請求事件
出典
ウエストロー・ジャパン
参照条文
民法709条
日本国憲法13条
日本国憲法21条
関ケ原町個人情報保護条例3条2項(平15関ケ原町条例23)
裁判年月日 平成23年 3月17日 裁判所名 名古屋高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(ネ)496号
事件名 損害賠償請求控訴事件
裁判結果 原判決一部変更 上訴等 上告 文献番号 2011WLJPCA03176002
岐阜県不破郡〈以下省略〉
控訴人(1審被告) Y
同訴訟代理人弁護士 竹田稔
同 服部謙太朗
岐阜県不破郡〈以下省略〉
亡X1訴訟承継人
被控訴人(1審原告) X2(以下「被控訴人X2」という。)
岐阜県不破郡〈以下省略〉
被控訴人(1審原告) X3(以下「被控訴人X3」という。)
岐阜県不破郡〈以下省略〉
被控訴人(1審原告) X4(以下「被控訴人X4」という。)
岐阜県不破郡〈以下省略〉
被控訴人(1審原告) X5(以下「被控訴人X5」という。)
上記4名訴訟代理人弁護士 笹田参三
同 綴喜秀光
同 小山哲
同 小林明人
同 西本哲也
同 岡本浩明ほか6名
主文
1 原判決中被控訴人らに係る部分を,次のとおり変更する。
2 控訴人は,被控訴人X2に対し,5万5000円及びうち5万円に対する平成20年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 控訴人は,被控訴人X3,同X4及び同X5に対し,それぞれ16万5000円及びうち15万円に対する平成20年11月2日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 被控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,第1,2審を通じて,控訴人と被控訴人X2との間に生じたものは,これを6分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人X2の負担とし,控訴人と被控訴人X3,同X4,同X5との間に生じたものは,これを2分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人X3,同X4,同X5の負担とする。
6 この判決は,2,3項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 控訴の趣旨
(1)原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
(2)被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
(3)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。
2 控訴の趣旨に対する答弁
(1)本件控訴を棄却する。
(2)控訴費用は控訴人の負担とする。
第2 事案の概要(以下,略称は原則として原判決の表記に従い,適宜,原判決における記載箇所を示す。)
1(1)本件は,控訴人が町長を務める岐阜県不破郡関ケ原町(以下「関ケ原町」,または「町」という。)を被告として国家賠償法に基づく損害賠償請求訴訟(別件訴訟。原判決4頁10行目。「国賠訴訟」ということもある。)を提起していた亡X1(以下「亡X1」という。),被控訴人X3,同X4,同X5(以下,併せて「被控訴人ら」ないし「被控訴人ら4名」ということがある。)が,同訴訟の相手方代表者である控訴人において,自身の町政に関わる活動等を広報することなどのために個人的に作成・配布していた情報紙(○○52号。以下「本件情報紙」ともいう。)に,別件訴訟の原告であるとして被控訴人らの氏名を記載した上,これを町内に配達される日刊新聞全ての折込広告として配布して公表したことによって,被控訴人らのプライバシーが侵害され,精神的苦痛を被ったとして,控訴人に対し,不法行為に基づく損害賠償として,それぞれ慰謝料25万円及びこれに対する遅延損害金(民法所定の年5分の割合による。)並びに弁護士費用5万円の各支払を求めた事案である。
(2)原審は,亡X1の請求については12万円及びうち10万円に対する遅延損害金の限度で認容し,被控訴人X3,同X4及び同X5の請求については全額認容し,いずれも仮執行宣言は付さなかった。
なお,原審では,被控訴人ら4名のほか現職の町議会議員及び元町議会議員2名の相原告(以下「1審相原告ら」という。)も同様の請求をしていたが,原審は同両名の請求については棄却した。
(3)控訴人は原判決を不服として控訴し,亡X1(被控訴人X2は,原判決後に死亡した亡X1の地位を承継した。)及び1審相原告らは控訴しなかった。なお,被控訴人らは,当審において,原審判決に仮執行宣言を付すよう求める申立書を提出しているが,附帯控訴を申し立ててはいない。
2 基礎となる事実,主要な争点及び当事者の主張は,以下のとおり,当審における当事者の主張(原審での主張を敷衍する部分を含む。)を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第3ないし第6(ただし,第5の6,7,第6の6,7〔1審相原告らに係る部分〕を除く。)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)被控訴人らが別件訴訟の原告であることを公表されないことは,他人に知られたくないこととして法的な保護に値するか否か(争点(1))。
ア 控訴人の主張
(ア)別件訴訟は,住民たる被控訴人ら4名及び1審相原告ら2名,並びに本件の当事者ではない他の2名の計8名が,地方公共団体(関ケ原町)に対して国家賠償法に基づく請求をした事案であり,控訴人(関ケ原町長個人)が本件情報紙を発行した当時,別件訴訟について公開の法廷において原告である被控訴人らの氏名が明示されて審理が行われ,その訴訟記録は何人も閲覧でき,当事者の私生活についての重大な秘密が記載されているなどの理由により閲覧等制限の申立てやその決定(民事訴訟法92条)もされておらず,誰もが別件訴訟の原告氏名の情報にアクセスすることが可能であったから,一般の人々に未だ知られていない情報とはいえない。
氏名の開示が他人に知られたくない情報(例えば離婚請求訴訟における私的生活など)と結合しているときは,その情報との関係でプライバシー侵害を判断する必要があるが,訴訟の提起は私人の公的領域における行為であり,その訴訟の内容が一般人からみて秘匿したい情報を含んでいるとはいえない場合は,訴訟を提起した原告の氏名の開示は他人に知られたくない自己に関する情報には該当しないのであり,プライバシー侵害は成立しない。これを本件についてみるに,別件訴訟は,町立c小学校と町立d小学校との統廃合(以下「本件統廃合」ないし「本件統廃合問題」〔原判決3頁20行目〕という。)に係る署名簿(以下「本件署名簿」ということがある。)に署名した町民の署名意思確認のため関ケ原町(別件訴訟被告)職員が戸別訪問を行ったところ,署名活動をした者の表現の自由及び請願権が侵害されたとして,被控訴人らが,国家賠償法1条1項に基づき損害賠償訴訟を提起したというものであり,その請求原因や主張内容に,他人に知られたくない情報を一切含んでおらず,別件訴訟の原告として被控訴人らの氏名が明らかになったとしても,一般人の感受性を基準とした場合,その氏名の表示は,他人に知られたくない自己に関する情報に当たらない。このことは,被控訴人らを含む別件訴訟原告団が,別件訴訟提起に際して岐阜地方裁判所前で横断幕を掲げて別件訴訟提起をアピールし,積極的に記者会見を行っていたことからも明らかである。また,このことは,これらが日刊紙3紙等で報道され,こうした報道に接した住民らにおいて,傍聴したり訴訟記録を閲覧することにより,別件訴訟原告である被控訴人らの氏名を知るようになることは容易に想像できたにもかかわらず,被控訴人らは,訴訟記録の閲覧等の制限の申立て(民事訴訟法92条1項)や裁判所の訴訟指揮に基づく当事者氏名の非公開の取扱いを求めることはなく,現在に至るまで,第三者が別件訴訟記録を閲覧して被控訴人らの氏名を知ることができる状態を放置していることからも明らかである。
上記のとおり,別件訴訟は,地方公共団体が行った行政上の行為についてその違法性を追求するためのもので,公共的な色彩を帯びており,実名報道が是認される訴訟というべきであるから,一般人の感受性を基準とした場合,原告たる被控訴人らの氏名の表示は,他人に知られたくない自己に関する情報には該当しない。
(イ)原判決が,本件情報紙の記事につき,被控訴人らが特定の政党を支持しているかのような印象を与えると判示したことは,本件訴訟の審理範囲を逸脱している。本件訴訟の審理対象は,本件情報紙に表示された被控訴人らの氏名がプライバシーの保護対象となるかどうか,また,控訴人がこれを侵害したとして損害賠償責任を負うか否かである。
イ 被控訴人らの主張
(ア)被控訴人らが別件訴訟の原告であるという情報は,一般人の感受性を基準にして当該被控訴人らの立場に立った場合に,他者にむやみに公表されることを欲しない情報である。
町を相手に損害賠償を求めて訴訟を提起することには否定的な見方が向けられる可能性もあり,特に,関ケ原町の場合,自治体の規模が小さいために,氏名情報のみによって容易に人物までが特定されてしまう。
控訴人が論拠とする裁判の公開原則等は,被控訴人らの情報を知ろうと思って所定の手続をとった者が,当該情報に触れることを可能にするにすぎない。閲覧制限の申立て等を行わなかったから,プライバシーに該当しないとの控訴人の主張は,独自の見解であり,権利の本質をわきまえていない。また,別件訴訟に関する広報活動をすることと,自らが別件訴訟の原告であることを公にすることとは全く別問題であって,記者会見などの結果,被控訴人らが別件訴訟の原告であることを特定し得る情報が公になったことがないことからしても,これを論拠とするのは事実を違えた主張である。
そもそも,私的紛争は,個人の私生活において発生するものであって,私生活上の事実である。そして,誰と誰との間にいかなる紛争が発生したかなどという事実は,私生活における重大な事実であって,私事性が極めて強い事実である。更に,一般に,他者との調和を尊び,人と争うことを良しとしない日本の社会の中にあっては,自己が紛争の当事者であるという情報をできる限り秘匿しておきたいと考えるのが一般的である。民事訴訟を提起することによって私的紛争の解決を裁判官の判断に委ねるからといって,当該私的紛争の私事性が弱まるものではない。
訴訟において当事者の実名報道が求められるのは,事件報道にリアリティを与える点にあるが,集団訴訟の場合,代表者の氏名が明らかになれば,その要請に十分応えることができ,代表者以外の承諾のない者の実名報道は行われていないのが実態である。また,一般の日刊新聞において,一定の範囲で実名報道が許容されるのは,日刊新聞が単なる私法人であることを超えて,社会の公器として機能し,知る権利に奉仕することが期待されているからであり,そのような公共性のない本件情報紙については,日刊紙と同列に実名報道の正当性を論ずる前提を欠く。
(イ)控訴人が本件情報紙を発行した目的が被控訴人らをa党(以下「本件党」という。)関係者であるがごときレッテル貼りをすること等にあったことは,本件の審理対象に含まれる。以下のとおり,被控訴人らが別件訴訟の原告であるという情報は,被控訴人らの政治的思想,信条と密接に関わる情報であって,秘匿要請の極めて強い情報である。
別件訴訟については,既に新聞報道により,「関ケ原町の町長である控訴人が,本件統廃合へ反対意見を表明するものとして提出を受けた本件署名簿を基に町職員に命じて署名者宅を戸別訪問させ,賛否の確認をさせた行為について,人権侵害であるとして,本件統廃合に反対する当時のPTA役員や保護者,戸別訪問を受けた町民8名が町に対して総額440万円の損害賠償を求める訴訟である」旨の報道がされ,こうした新聞報道を通じてその概要が町民に明らかにされていた。かかる状況下で別件訴訟原告らの氏名が公表された場合,当該原告らが,政治的思想・信条として,本件統廃合や戸別訪問などの町の政策に反対の意思を有していると認識されるおそれが極めて高い。
また,本件情報紙の記載は,被控訴人らと本件党との関係を強く印象付けるものであって,思想・信条を推知させる秘匿性の高い情報が含まれていた。控訴人は,過去にも,○○において,本件統廃合反対の署名活動等を取り上げて「本件党関ケ原支部のウソ報道等」,「署名活動の背景には,反対運動に乗じて,党勢拡大を図ろうという政党の思惑が見え隠れしている」など,署名活動に本件党が深く関与しているかのような印象を植え付けようとしていた。かかる状況下で別件訴訟の原告らの氏名が公表された場合,当該原告らが本件党支持者であるなど同党と何らかの関係を有しているかのように認識されるおそれが極めて高い。
(2)別件訴訟の相手方(関ケ原町)の代表者である控訴人が,個人的に作成する情報紙に,被控訴人らが別件訴訟の原告であること等を記載して広く町内に配布して公表したことが,不法行為に該当するか否か(争点(2))。
ア 控訴人の主張
(ア)控訴人は,自己の発行する情報紙に別件訴訟について自己の意見等を述べるに当たり,既に訴訟提起後1年余り経過し公開の法廷で審理が進められ,誰でも,原被告の氏名を含めその内容を知ることができる事案について,当該訴訟の原告氏名を開示したのであって,かかる氏名開示は,未だ他人に知られていない情報の開示に当たらないし,かつ他人に知られたくない情報の開示にも当たらないから,これをもってプライバシー侵害とはいえない。
(イ)また,別件訴訟の原告ら氏名表示部分が形式的にプライバシーに該当するとしても,別件訴訟原告団が報道機関に対して別件訴訟提起とその内容を発表したことや,本件情報紙配布当時,別件訴訟の審理が1年余り公開の法廷で進められ,誰でも訴訟記録の閲覧により原被告の氏名を含めその内容を知り得る状況にあったこと等の経過に鑑みれば,住所・職業・年齢などの情報を全く伴わない別件訴訟の原告氏名という秘匿性の殆ど存しない個人情報は,表現行為に優越して保護に値するとはいえない。
控訴人が本件情報紙に別件訴訟原告氏名を記載した目的は,前述の経緯により住民の重大な関心事となっていた別件訴訟について,住民の知る権利に応え,関ケ原町の正当な利益を擁護することにあり,本件統廃合に関連する問題について,相当な表現態様で控訴人の立場から政治的意見や反論を表明したにとどまるもので,その目的は正当である。控訴人は,別件訴訟原告の1人であるA(以下「A」という。)に対する選挙妨害や「みせしめ効果」を目的としていない。被告とされた関ケ原町の代表者である控訴人が,その正当な利益を擁護する立場から別件訴訟原告の実名を挙げてその見識を批判することは,訴訟に関する自己の見解の正当性を主張する方法として重要であり,表現の自由として保護されるべき要請は高い。
被控訴人らが私人であるとしても,訴訟の相手方代表者である控訴人が被控訴人らの訴訟行為の妥当性について個人の見解を述べる際に,別件訴訟原告としてその氏名を開示されることは,受忍限度の範囲内である。訴訟行為等を行った者としては,自ら行った行為の妥当性について相手方や他者から名指しで評価や批判を受けることは甘受すべきである。
イ 被控訴人らの主張
(ア)前述のとおり,町を相手に損害賠償を求めて訴訟を提起することには,否定的な見方をされる可能性もあり,特に,関ケ原町の場合,自治体の規模が小さいために,氏名情報のみによって容易に人物が特定されてしまうため,私生活の平穏が害される蓋然性は高いといえる。しかも,本件情報紙の記載は,被控訴人らと本件党との関係を強く印象付けるものであって,思想・信条を推知させる秘匿性の高い情報が含まれていた。したがって,被控訴人らにとって,別件訴訟の原告であるという個人情報をみだりに公表されない利益は重大である。
裁判の公開原則や閲覧制限申立てをしていないこと,記者会見を行ったこと等は,所定の手続を採れば知り得る状態であったことを指摘するにすぎず,個人情報をみだりに他人に公開されない利益としてのプライバシーの重要性とは無関係である。
(イ)本件では,「別件訴訟の原告であることをみだりに公表されない利益」(プライバシー)と「被控訴人らの実名を挙げて別件訴訟の原告であることを全町に公表する利益」(表現の自由)との比較衡量が問題となるところ,控訴人は,私人である被控訴人らの実名を本件情報紙で公表した理由や,これを町内全戸配布した理由について,具体的に説明していない。控訴人は,別件訴訟の原告の1人であったAに対する選挙妨害の目的,あるいは,被控訴人らがあたかも金銭目当てで別件訴訟を起こしたかのような被控訴人らに対する中傷や本件党支持者であるというレッテル貼りをするという悪質な目的に基づき本件情報紙を発行したもので,その配布は,政治的な意見や反論の表明にとどまるとはいえず,悪質な不法行為である。
そして,控訴人が,本件党支持者というレッテル貼り等の目的で,本件情報紙に被控訴人らの氏名を記載したことに照らすと,控訴人が故意で氏名を公表したというべきであり,このことは慰謝料の算定に当たって考慮すべき事由である。
第3 当裁判所の判断
1 事実経過
原判決第3の「基礎となる事実」に,証拠(後掲のとおり)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(1)当事者等
ア 被控訴人らは,関ケ原町民である。
イ 控訴人は,昭和58年4月から平成16年12月まで町議会議員を務め,平成16年12月26日から現在まで,関ケ原町長の職にある者である。
控訴人は,町議会議員に当選した昭和58年4月ころから,自身の町政に関わる活動等を広報することなどのために,私費で,年2ないし3回ほど「○○」という情報紙を手書きで作成して印刷し,関ケ原町内に配布している。
(甲1,13,14,乙6,原審控訴人本人,弁論の全趣旨)
ウ 関ケ原町の人口は,平成17年の国勢調査によると約8600人であり,世帯数は概ね約2700世帯である。
(乙8)
(2)被控訴人らによる別件訴訟の提起及びその経緯
ア 控訴人は,町議会議員であった平成13年12月ころから,本件統廃合を唱えるようになったところ,それは両小学校の通学児の保護者を始め町民の関心を集めた。その後,控訴人は,町長に就任したところ,本件統廃合問題は,町議会でも議論されることになった。
(甲3,弁論の全趣旨)
イ 平成17年4月になると,関ケ原町内において,本件統廃合に反対する署名活動が開始されたところ,被控訴人X4及び同X5は,本件統廃合反対の署名を集めるため,近隣等の家庭を訪問した。同年9月まで半年間かけて集められた本件署名簿は,町教育委員会及び町長(控訴人)に提出された。
関ケ原町は,平成18年6月19日から同月21日にかけて,本件署名簿に署名をした町民の意思を確認するため,町職員にその署名の名義人の住まいを戸別訪問させた。亡X1及び同X3は,本件署名簿に署名していたことから,それぞれ町職員の戸別訪問を受けた。
(甲3,7ないし9,原審亡X1本人,原審被控訴人X4本人,同X3本人,同X5本人)
ウ 上記署名活動の中心的立場を担っていたAを含む55名は,平成18年6月30日,上記町職員による戸別訪問が人権侵害であるとして,岐阜県弁護士会人権擁護委員会に人権救済の申立てをした(本件人権救済申立て。原判決4頁4行目)。Aらは,上記申立て後記者会見を開いたところ,亡X1は戸別訪問された側の者として上記記者会見に同席し,その様子は翌日(平成18年7月1日)の毎日新聞に写真入りで掲載された。もっとも,同記事では亡X1の氏名は記載されず,住民グループの1人としてのみ紹介されていた。
岐阜県弁護士会人権擁護委員会が平成19年5月に弁護士会として町長に警告を行ったところ,Aらは,記者会見を開いた。亡X1は,戸別訪問を受けた側の者として上記記者会見に同席し,戸別訪問を受けた影響等について報道機関に話し,その様子は,翌日の岐阜新聞に,氏名入りで掲載された。
(甲3,乙3,4,原審亡X1本人,弁論の全趣旨)
エ A,被控訴人ら4名,現職町議会議員(本件党所属)及び元町議会議員の1審相原告ら2名,ほか1名は,平成19年11月30日,関ケ原町を被告として,関ケ原町職員の違法な戸別訪問等により精神的苦痛を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づき,岐阜地方裁判所に損害賠償請求訴訟(別件訴訟)を提起した。
別件訴訟原告団は,同訴訟提起に際して,岐阜地方裁判所前で横断幕を掲げて訴訟提起の広報活動を行い,亡X1は横断幕を自ら持ち,上記広報活動に加わった。A及び亡X1は,併せて記者会見を開いたほか,別件訴訟の訴状の写しを各報道機関に配ったが,A及び亡X1の氏名については,マスキングないし仮名処理をしていなかった。別件訴訟の提起や裁判所前での広報活動,上記記者会見の模様は,翌日,中日新聞,朝日新聞及び岐阜新聞において報道されたところ,それらの記事中には,写真中央で横断幕を持っている亡X1の姿が写った写真もあったが,被控訴人ら4名の氏名は記載されていなかった。なお,亡X1は,記者会見に出席した報道機関に対し,自分の氏名を報道しないよう頼んだことはなかった。
別件訴訟原告団は,別件訴訟提起後,裁判所に対し,訴訟指揮に基づく当事者氏名の非公開の取扱いを求めたり,民事訴訟法92条1項に基づく訴訟記録の閲覧等制限を申し立てるようなことはなかった。
(甲3,12の1ないし4,20,乙5,原審亡X1本人)
(3)控訴人による本件情報紙の配布等
ア 控訴人は,別件訴訟提起からほぼ1年ほど経った平成20年11月2日,○○52号(本件情報紙。日刊新聞の新聞紙1面とほぼ同じ大きさの1枚からなるもの。)を手書きで作成して印刷し,関ケ原町内に配達される日刊新聞全ての折込み広告として配布した。
控訴人は,本件情報紙(甲1)において,その裏面のほぼ全部を使用して別件訴訟を取り扱い,記事1段目上部の横書きの見出しには「―原告が訴えたのは関ケ原町―」と,記事冒頭の縦書き見出しには「裁判は負けない」,「税金で一人55万支払えと」とそれぞれ記載し,その後に本文を続けた後,同1段目中央から左半分にかけてのスペースに,本文文字の2行分ほどの大きさの文字で「訴状の内容」,「原告」などと記載した上,本文よりも若干大きめの文字で,Aのほか,被控訴人ら4名及び1審相原告ら2名の氏名を含む別件訴訟原告8名の氏名を目立つように記載し,併せてそこには,岐阜地方裁判所の訴状受付印のある別件訴訟の訴状の冒頭一部分の写しを掲載した。また,1段目以下の本文には,別件訴訟について,「学校統合に反対した本件党議員などのグループが提訴した民事裁判」,「本件党議員など原告の人達」,「表面は損害賠償事件ですが,裏面はかなり政治的意味合いをもったもの」,「その一つは『みせしめ』」,「本件党は裁判もやるぞという政党の意思を明確に示しています」などと記載した(以下「本件記事」ということがある。)。
(甲1,乙6,原審控訴人本人,弁論の全趣旨)
イ Aは,控訴人による本件情報紙配布に先立つ同年10月16日,関ケ原町長の任期満了(同年12月25日)に伴う町長選に出馬することを表明した。控訴人も,同年10月30日,町長選に出馬することを表明した。
町長選が告示された翌日の同年11月26日付朝日新聞(甲16)は,上記町長選につき,戸別訪問問題が争点になるとの見出しを付けて報道するとともに,控訴人が支持者の前で,Aについて本件党に支えられた候補,裁判の訴えから町を守るために戦うなどと批判したことを報道している。
(甲11の1ないし3,甲15,16)
ウ 亡X1は,平成3年に町議会議員に無所属の新人として立候補したことがあったが当選せず,以降立候補することはなく,平成16年に勤め先を定年退職した者であるところ,本件情報紙が配布された後に参加した自治会の清掃活動で,一緒に作業をしている人達から距離を置かれているように感じたことや,町役場の職員にとっては出世の妨げとなるので,その職員の家庭には出入りしないで欲しい旨を近隣住民から言われたことがあった。
(甲3,9,24,原審亡X1本人,弁論の全趣旨)
エ 被控訴人X3は,これまで本件党以外の政党を支持・同調していたが(なお,上記町長選ではAを応援していた。),本件情報紙が配布された後,当該政党の支持者や他の町民から,別件訴訟の原告になっていることについて問い合わせ等を受けたり,本件党に同調しているなどとして非難されるようなことがあった。
(甲3,7,原審被控訴人X3本人,弁論の全趣旨)
オ 被控訴人X4は主婦であり,就学児を持つ親として本件統廃合問題に関心を持ち,本件統廃合反対の署名集めのため近隣を始めとして多くの家庭を訪問していたことから,訪問先からは,同被控訴人が署名活動に関与していると認識されてはいたが,別件訴訟の原告団に加わっていることについては周知されていなかった。
ところが,同被控訴人は,本件情報紙が配布された後には,実母等から余り表立たないようになどと言われたり,親戚らに本件情報紙に名前が掲載されていたことなどを指摘されたほか,近隣の住民から本件党の党員かなどと尋ねられたことがあった。
(甲3,5,原審被控訴人X4本人,弁論の全趣旨)
カ 被控訴人X5は,本件統廃合反対の署名集めのため,知人宅を10軒ほど訪問し,20数人分の署名を集めていたことから,訪問先からは,署名活動に関与していると認識されてはいたが,別件訴訟の原告団に加わっていることについては,ごく親しい人を除き明かしたことはなかった。ところが,被控訴人X5は,本件情報紙が配布された後,知人から「大変なことになりましたね。」と声を掛けられたことがあった。被控訴人X5は,別件訴訟の原告であること自体は誇りに思っているが,心情としては世間の目を気にしている面もある。
なお,被控訴人X5の夫は,別件訴訟が提起された後の平成19年12月9日ころ(本件情報紙配布前),関ケ原人権裁判(別件訴訟のことである。)を支援する会として,別件訴訟の広報ビラを作成し,これに自身の氏名及び電話番号を掲載したことがあった。
(甲3,8,乙10,原審被控訴人X5本人,弁論の全趣旨)
2 不法行為の成否について
(1)法益侵害及び違法性の有無
ア 個人情報の公表と不法行為の成否
何人も,個人の私生活上の自由の1つとして,個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由(憲法13条)を有するものと解される(最高裁判所昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁,最高裁判所平成14年(受)第1656号同15年9月12日第二小法廷判決・民集57巻8号973頁参照)。そして,一定の個人情報について,これをみだりに第三者に公表する行為は,その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較衡量し,前者が後者に優越する場合には不法行為が成立するというべきである(最高裁判所平成元年(オ)第1649号同6年2月8日第三小法廷判決・民集48巻2号149頁参照)。
そこで,以下,控訴人が,被控訴人らを別件訴訟の原告であるなどと記載した本件情報紙を町内に広く配布して公表したことが,被控訴人らの上記自由を侵害し,これにつき控訴人が不法行為責任を負うか否かを検討する。
イ 被控訴人らが別件訴訟の原告であること等を公表されないことは,他人に知られたくないこととして法的な保護に値するか否かについて
(ア)氏名そのものは,人が社会生活を営む上で一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている個人識別情報である。しかし,氏名は,他のことと完全に切り離してそれだけを独立に取り上げることは,実際上は殆どできないのであって,何らかの他の属性と結びついて取り上げられるのが通例である。本件についていえば,被控訴人らの氏名は,別件訴訟の原告として開示・公表されているのであり,これにより,当該訴訟の内容と結びついて,当該個人の信条あるいは私的領域に深く関わる情報になっているのである。したがって,被控訴人らの氏名は,本件においては,みだりに他人に開示・公表されない法的利益を有するというべきである。
(イ)次に,被控訴人らの氏名が,公表されない利益を失っているか否かを検討する。
被控訴人らは,別件訴訟の原告であるから,訴訟一般の場合と同様,裁判手続を通して当該情報(別件訴訟の原告であること)が,裁判所及び裁判の相手方等に提供され,その情報は裁判の公開(憲法82条1項)の制度により報道機関を含む法廷を傍聴する者に知られるのみならず,何人も訴訟記録の閲覧を請求することができる(民事訴訟法91条1項)から,閲覧者には知られる関係にあり,その秘匿性の程度は高度とはいえない側面がある。ただし,そのような制度的保障によって別件訴訟の原告であることが知られるのは,そのような制度を利用する人に対する関係であり,そのことは,被控訴人らも別件訴訟の原告となることによって,当然に承諾していることと言ってよい。しかし,不特定多数の者による傍聴や訴訟記録の閲覧が制度的に保障され,また,当該裁判を傍聴した報道機関により法廷に現れた事実として報道される可能性があるからといって,当該訴訟の原告であることが無制限に公表されることについて,法的保護を受けないことになるわけではない。上記の制度的保障によって知られる以外の場面では,当該情報は,なお,自己が欲しない他者にはみだりに開示されたくないと考えるのは自然なことであり,その期待は,上記(ア)のとおり,保護されるべき性質を失っていないからである。
(ウ)別件訴訟の特殊性から,被控訴人らの氏名が公表されない利益を失っているか否かを検討する。
別件訴訟は,関ケ原町で問題となっていた本件統廃合を巡って集められた署名簿を基に町職員が署名の名義人宅を個別訪問したことについて,被控訴人らが町に国賠訴訟を提起したというもので,単なる私人間の紛争にとどまらないのであり,前記認定事実のとおり,上記提訴は日刊紙3紙により報道されており,訴訟そのものの存在は関ケ原町民の多くが知り得る状態にあった。別件訴訟は上記のような公的な関心の対象ではあるものの,被控訴人らが別件訴訟を提起したことが,その氏名を特定してまで報道されたわけではなく,関ケ原町の町民が被控訴人らの氏名までを上記報道で知ったのではないし,知り得たものでもない。もとより,別件訴訟の公的側面から,その訴訟の原告たる被控訴人らの氏名が,プライバシーに係る情報としての法的保護の対象外とされたとの解釈が導かれるわけではない。
(エ)本件における法的保護に特別の必要性がないかを検討する。
一般に,支持政党を含む自らの政治的立場や信条は,不特定多数の人に対してみだりに開示又は公表されることを欲しないのが通常であり,当該個人のプライバシーに係る事柄として法的保護に値するというべきである。そして,当該個人の政治的信条として公表された内容が真実でなかった場合において,一般の人が,その公表された内容を当該個人の思想・信条であると誤認するおそれがあるときには,上記法的利益は事実と異なる分,なお一層害される面があるというべきである。
これを本件についていえば,控訴人は,本件情報紙において,別件訴訟を提起した原告らが本件党の党員あるいは本件党の支持者ないし同調者であると決めつけており,原告の1人として本件党所属の現職町議会議員を掲げていることと相俟って,本件記事の一般読者においては被控訴人ら4名全てが本件党支持者であると誤認するのであり,被控訴人らの実際の支持政党や政治的信条がいかなるものであるかを問わず,被控訴人らの氏名は,本件情報紙との関係では,政治的信条と密接に結びついており,プライバシーとして保護すべき必要性が高いというべきである。
ウ 別件訴訟の相手方(関ケ原町)の代表者である控訴人が,個人的に作成する情報紙に,被控訴人らが別件訴訟の原告であること等を記載して広く町内に配布して公表したことが,不法行為に該当するか否か等について
(ア)被控訴人らの公表されない法的利益について
前述のとおり,被控訴人らは,別件訴訟の原告であることを公表されない法的利益を有している。なお,亡X1は,Aと別件訴訟提起に先立つ岐阜県弁護士会に対する人権救済を申し立てた際,記者会見に出席して,その様子を写した写真や同人の氏名が日刊紙に掲載されたことがあったことや,別件訴訟提起の際に,裁判所前の横断幕を使った広報活動に参加した様子を写した写真が日刊紙に掲載されたことがあったので,他の被控訴人らと比較してその氏名の秘匿性の程度は低かったという面がある。
(イ)上記(ア)の法的利益の侵害の有無・態様程度
本件情報紙は,関ケ原町の日刊紙購読世帯全てに折込広告として配布されたところ,これにより,被控訴人らが別件訴訟の原告であることが,被控訴人らの信条等の内心に関わるプライバシーに係る誤った情報を含め,受け手側が望むと望まざるとにかかわらず,世帯数約2700世帯,人口約8600人の関ケ原町の多くの住民において知り得ることとなったのであり,その公表は,別件訴訟に関心を持った者が裁判を傍聴し,訴訟記録を閲覧することで原告名を知り得ることにより伝達されるであろう範囲よりはるかに大きく,かつ被控訴人らの予想外の態様によるものであったというべきである。
そして,このように,報道機関の日刊紙によっても取り上げられなかった別件訴訟の原告氏名を広範囲にわたって公表することは,被控訴人らの私生活上の平穏を害するといわなければならない。のみならず,本件記事においては,別件訴訟を提起した原告がいずれも本件党の党員あるいは本件党の支持者ないし同調者であると決めつけて公表されており,同公表行為は,被控訴人らの政治的信条に関わるプライバシーを侵害(支持政党を異にする者にとっては,これを誤っているため,その心情を更に侵害)するものというべきであり,現に被控訴人らの中には,本件情報紙配布後,住民からその思想・信条について尋ねられた者がいる。
(ウ)控訴人が本件情報紙で被控訴人らの氏名等を公表する理由について
何人も,自らが表現したいことを様々な手段,方法を用いて公表する自由,内心の思想を外部に発表する自由があり,これは民主主義社会の存立の基礎として,尊重されなければならない。
控訴人は,別件訴訟で町の代表者として,同訴訟の原告である被控訴人らと争っているのであるから,当該訴訟についての町ないし町の代表者としての主張・見解は,当該訴えの当否が審理される別件訴訟の場を通じて,これを述べることが十分に可能であり,かつ,一般にそのようにすることが予定されている。
そこで,控訴人が,別件訴訟手続とは別に,本件情報紙によって表現しようとしたところを検討するに,前記認定事実のとおり,本件情報紙に町が敗訴すれば町民の税金で支払をさせられるとか,「裁判もやるぞ」というみせしめ効果により行政に恐怖心を抱かせるなどと記載されていることからすると,法廷に傍聴に来ることのない一般の住民を自己の支援グループに取り込み,別件訴訟を提起すること自体を否定する意見を理解して貰おうとするところにあるということができる。のみならず,前記認定事実のとおり,本件情報紙の配布時期が,別件訴訟の原告となっていたAが,町長任期切れに伴う町長選に出馬を表明した半月後で,控訴人が出馬表明をした直後(町長選告示の約20日前)であること,町長選の重要な争点に戸別訪問問題があるとの日刊紙の記事があること,別件訴訟の原告らに本件党所属の現職町議会議員がいることを殊更に強調した上,被控訴人らを本件党支持者ないし同調者と決めつけたりしていること等に照らすと,控訴人が,本件情報紙により自己の見解・意見を表明したのは,町長選二期目当選を果たすべく,本件統廃合反対の署名運動の中心となり,別件訴訟を提起し,町長選に立候補しているAに対抗する目的で,別件訴訟を不当として印象付けようとするネガティブキャンペーンの一環とも窺える。
(エ)上記(イ)のような態様及び(ウ)のような本件記事の目的・意義に照らすと,本件記事が,上記(ア)のとおりの被控訴人らの氏名を公表されないプライバシーの利益に対し,優越するような事情があったとは認められない。
(オ)控訴人は,別件訴訟の訴状送達前に,新聞記者からマスキングも仮名処理もされていない別件訴訟の訴状を見せられ,そのコピーを保管しているなどと主張し,その本人尋問で同様の供述をするが,これを認めるに足りる的確な証拠はないし,前記の説示のとおり,仮名処理がされていなくても,別件訴訟提起時に町民に周知のものではなかった被控訴人らの氏名を,上記(ウ)の目的のため,上記(イ)のような本件情報紙配布という態様により公表することが正当化されるものではない。
また,控訴人は,関ケ原町民の知る権利に応えるために本件情報紙を発行したと主張し,その本人尋問においても町民から別件訴訟の当事者が誰であるかを尋ねられた旨供述するが,仮に控訴人が個人的にそのようなことを尋ねられたことがあったとしても,そのことから直ちに関ケ原町の日刊紙を購読する世帯全部に,被控訴人らの氏名を記載して配布することを正当化することはできない。
更に,控訴人は,関ケ原町の正当な利益を擁護するために本件記事を掲載したと主張するが,本件情報紙はあくまで控訴人個人が作成・配布するものであり,町としての意見表明の場ではないし,控訴人が個人としてそのような目的を持っていたとしても,被控訴人らの氏名開示が当該目的とどのように関係するかについては何ら説明がない。
控訴人は,不法行為が成立しないことにつき種々主張するが,いずれも当裁判所の採用するところではない。
(2)慰謝料額について
別件訴訟の原告であるとの情報は不特定多数の者による傍聴や訴訟記録の閲覧等により知り得るので,秘匿性の程度は高度とはいえない側面があるが,それは知ろうとする手段を行使する者との関係であり,そのような手段を利用する意思のない一般の町民に対して,折込広告の方法により本件情報紙を町内の日刊紙購読全世帯に配布し,内容的にも,被控訴人らの信条等の内面に関わるなどしており,その結果,被控訴人らの私生活の平穏が害されたこと等の事情をふまえると,被控訴人らの精神的苦痛を慰謝する額は,亡X1については,本件情報紙配布当時は私人であるものの,別件訴訟提起の際に裁判所前で行った広報活動の様子が写真で報道されていること等,他の3人よりプライバシー保護を自ら弱めていること等に照らし,5万円が相当であり,被控訴人X3,同X4及び同X5については,公的活動の経験はなく控訴人により前述のような目的・態様で別件訴訟原告であると名指しで町内に広く公表されることの苦痛は亡X1より大きいと言えることに照らし,それぞれ15万円が相当である。弁護士費用は,亡X1が5000円,被控訴人X3,同X4及び同X5がそれぞれ1万5000円が相当である。遅延損害金請求は,上記慰謝料に対する本件情報紙(○○52号)の発行日である平成20年11月2日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由がある。
第4 結論
よって,被控訴人ら(被控訴人X2は亡X1を承継)の請求は,主文記載の限度で理由があるから,この限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却することとし,これと結論を異にする原判決を変更し,仮執行宣言を付すこととして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岡光民雄 裁判官 片田信宏 裁判官 光吉恵子)
「選挙妨害 ポスター」に関する裁判例一覧
(1)令和元年 5月24日 東京地裁 平28(ワ)17007号 選挙供託金制度違憲国家賠償請求事件
(2)平成30年 7月20日 福岡地裁久留米支部 平28(ワ)69号 損害賠償請求事件
(3)平成30年 2月23日 東京地裁 平27(行ウ)73号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(4)平成28年 9月28日 東京地裁 平25(ワ)29185号 選挙無効等確認請求事件
(5)平成28年 1月13日 熊本地裁人吉支部 平26(ワ)51号 損害賠償請求事件
(6)平成27年11月18日 福岡地裁 平26(ワ)2716号 謝罪広告等請求事件
(7)平成25年12月25日 東京地裁 平24(ワ)25051号 労働組合員権利停止処分無効確認等請求事件
(8)平成25年11月29日 東京地裁 平25(ワ)18098号 被選挙権侵害による損害賠償請求事件
(9)平成24年 9月27日 東京高裁 平24(ネ)1676号 組合長選挙無効確認等請求控訴事件 〔全日本海員組合事件〕
(10)平成24年 1月16日 最高裁第三小法廷 平21(あ)1877号 殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、公職選挙法違反、火薬類取締法違反被告事件
(11)平成23年 5月30日 東京高裁 平23(ネ)378号 損害賠償、損害賠償等反訴請求控訴事件
(12)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
(13)平成22年12月15日 東京地裁 平21(ワ)16235号 損害賠償請求本訴事件、損害賠償等請求反訴事件
(14)平成22年10月29日 東京地裁 平19(ワ)31252号 損害賠償等請求事件
(15)平成22年 7月 1日 東京地裁 平20(ワ)31122号 損害賠償等請求事件
(16)平成22年 3月25日 岐阜地裁大垣支部 平20(ワ)253号 損害賠償請求事件
(17)平成20年10月 8日 東京地裁 平13(ワ)12188号 各損害賠償請求事件
(18)平成20年 5月26日 長崎地裁 平19(わ)131号 殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、公職選挙法違反等被告事件
(19)平成20年 1月10日 東京地裁 平19(ワ)20886号 損害賠償等請求事件
(20)平成19年12月26日 東京地裁 平19(行ウ)171号 退去強制令書発付処分取消請求事件
(21)平成18年 6月29日 東京地裁 平16(特わ)973号 国家公務員法違反事件 〔国家公務員赤旗配付事件〕
(22)平成16年 3月29日 神戸地裁姫路支部 平10(ワ)686号 新日本製鐵思想差別損害賠償請求事件
(23)平成16年 2月27日 東京地裁 平7(合わ)141号 殺人、殺人未遂、死体損壊、逮捕監禁致死、武器等製造法違反、殺人予備被告事件 〔オウム真理教代表者に対する地下鉄サリン事件等判決〕
(24)平成15年 7月24日 東京地裁 平13(刑わ)2337号 有印私文書偽造、同行使被告事件
(25)平成14年 7月30日 最高裁第一小法廷 平14(行ヒ)95号 選挙無効確認請求事件
(26)平成13年 1月29日 東京地裁 平10(ワ)15657号 損害賠償等請求事件
(27)平成12年 2月23日 東京高裁 平11(ネ)5203号 謝罪広告等請求控訴同附帯控訴事件
(28)平成11年12月13日 大阪地裁 平11(ワ)8121号 損害賠償請求事件 〔大阪府知事セクハラ事件民事訴訟判決〕
(29)平成11年 9月21日 東京地裁 平10(ワ)1177号 謝罪広告等請求事件
(30)平成11年 5月19日 青森地裁 平10(ワ)307号 定時総会決議無効確認請求、損害賠償請求事件
(31)平成 9年 3月18日 大阪高裁 平8(行コ)35号 供託金返還請求控訴事件
(32)平成 8年 8月 7日 神戸地裁 平7(行ウ)41号 選挙供託による供託金返還請求事件
(33)平成 8年 3月29日 東京地裁 平5(特わ)546号 所得税法違反被告事件
(34)平成 6年12月 6日 東京地裁 平2(ワ)2211号 除名処分無効確認請求事件
(35)平成 5年 8月24日 前橋地裁 昭51(ワ)313号 損害賠償請求事件 〔東京電力(群馬)事件〕
(36)平成 5年 5月13日 大阪地裁 平4(ワ)619号 損害賠償請求事件
(37)平成 5年 4月14日 福岡高裁宮崎支部 平3(行ケ)2号 選挙の効力に関する審査申立に対する裁決取消請求事件 〔伊仙町町長選挙無効裁決取消請求訴訟〕
(38)平成 3年 5月28日 大阪地裁 昭61(ワ)7005号 市議会議員選挙投票済投票用紙差押事件
(39)平成 2年12月13日 福岡地裁小倉支部 昭61(ワ)838号 懲戒処分無効確認等請求事件 〔国鉄清算事業団(JR九州)事件〕
(40)平成 2年10月30日 大阪地裁 昭61(わ)1691号 公正証書原本不実記載、同行使、公職選挙法違反等被告事件
(41)平成 2年 3月28日 名古屋地裁 昭63(ワ)2433号 損害賠償請求事件
(42)昭和57年 6月 8日 東京地裁 昭52(ワ)3269号 除名処分無効確認等請求事件
(43)昭和56年 7月 9日 東京地裁八王子支部 昭49(特わ)242号 公職選挙法違反被告事件
(44)昭和55年10月30日 最高裁第一小法廷 昭53(オ)940号 慰謝料請求事件 〔スロットマシン賭博機事件〕
(45)昭和55年 2月14日 最高裁第一小法廷 昭54(行ツ)67号 選挙無効審査申立棄却裁決取消請求事件
(46)昭和54年11月30日 京都地裁 昭53(ワ)260号 謝罪文掲示等請求事件
(47)昭和54年 1月30日 高松高裁 昭49(う)198号 国家公務員法違反被告事件 〔高松簡易保険局選挙応援演説事件・控訴審〕
(48)昭和53年 3月30日 松山地裁西条支部 昭48(わ)107号 公職選挙法違反被告事件
(49)昭和52年 6月16日 福岡高裁 昭50(行ケ)4号 町議会議員選挙無効の裁決の取消請求事件
(50)昭和49年 6月28日 高松地裁 昭40(わ)250号 国家公務員法違反被告事件 〔高松簡易保険局員選挙応援演説事件・第一審〕
(51)昭和48年 3月29日 仙台地裁 昭42(わ)120号 公職選挙法違反被告事件
(52)昭和46年 8月27日 大阪高裁 昭46(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(53)昭和45年12月21日 東京地裁 昭40(行ウ)121号 不当労働行為救済命令取消請求事件 〔大分銀行救済命令取消事件〕
(54)昭和44年 7月 3日 札幌高裁 昭43(う)326号 公職選挙法違反被告事件
(55)昭和43年 8月30日 福岡地裁 昭42(行ウ)18号 救済命令処分取消請求事件 〔九建日報社救済命令取消事件〕
(56)昭和42年 6月29日 東京高裁 昭39(う)1553号 名誉毀損・公職選挙法違反被告事件
(57)昭和42年 6月13日 福岡高裁 昭41(う)934号 恐喝等被告事件
(58)昭和42年 4月25日 東京地裁 昭40(特わ)579号 公職選挙法違反被告事件
(59)昭和42年 3月23日 東京地裁 昭40(特わ)636号 公職選挙法違反被告事件
(60)昭和41年10月24日 東京高裁 昭38(ナ)6号 裁決取消、選挙無効確認併合事件 〔東京都知事選ニセ証紙事件・第二審〕
(61)昭和41年 5月18日 大阪地裁 昭38(ワ)1629号 委嘱状不法発送謝罪請求事件
(62)昭和40年11月26日 東京高裁 昭39(う)642号 公職選挙法違反被告事件
(63)昭和40年 3月11日 東京高裁 昭39(う)1689号 公職選挙法違反被告事件
(64)昭和39年11月18日 東京高裁 昭39(う)1173号 公職選挙法違反被告事件
(65)昭和39年 6月29日 東京高裁 昭38(ネ)1546号 貸金請求控訴並に同附帯控訴事件
(66)昭和39年 5月29日 東京地裁 昭34(わ)2264号 公職選挙法違反被告事件
(67)昭和38年 5月27日 名古屋高裁 昭32(行ナ)2号 行政処分取消請求事件
(68)昭和37年12月21日 福岡地裁 昭33(わ)1043号 地方公務員法違反事件 〔福教組勤評反対闘争事件・第一審〕
(69)昭和37年 4月18日 東京高裁 昭35(ナ)15号 選挙無効確認請求事件
(70)昭和37年 3月15日 最高裁第一小法廷 昭36(オ)1295号 選挙無効確認請求
(71)昭和36年10月30日 東京高裁 昭32(ナ)1号 住民投票無効確認請求事件
(72)昭和36年 6月30日 東京高裁 昭34(ナ)15号 選挙無効確認訴訟請求事件
(73)昭和35年10月24日 名古屋高裁金沢支部 昭34(ナ)1号 町長選挙無効請求事件
(74)昭和35年 8月24日 札幌高裁 昭35(う)203号 名誉毀損、公職選挙法違反事件
(75)昭和35年 6月18日 東京高裁 昭34(ナ)12号 選挙無効請求事件
(76)昭和35年 5月24日 大津地裁 昭34(ワ)32号 解職行為取消請求、資格確認請求併合事件
(77)昭和33年 7月15日 東京高裁 昭32(う)562号 名誉毀損被告事件
(78)昭和32年12月26日 東京高裁 昭31(ナ)5号 選挙無効確認請求事件
(79)昭和32年 2月28日 東京高裁 昭30(ナ)28号 市議会議員選挙無効確認訴訟事件
(80)昭和31年12月27日 福岡地裁 昭30(ナ)5号 町長選挙無効確認事件
(81)昭和31年11月13日 大阪高裁 昭31(ナ)2号 選挙無効確認事件
(82)昭和31年 5月21日 東京地裁 昭28(ワ)7177号 損害賠償請求事件
(83)昭和31年 3月 5日 大阪高裁 昭30(う)1028号 傷害事件
(84)昭和30年 9月15日 東京高裁 昭30(ナ)5号 衆議院議員選挙無効確認請求事件
(85)昭和30年 4月27日 東京高裁 昭30(ナ)2号 衆議院議員選挙無効訴訟事件
(86)昭和29年11月29日 大阪高裁 昭29(う)1684号 公職選挙法違反事件
(87)昭和28年12月 4日 甲府地裁 事件番号不詳 住居侵入公務執行妨害強要暴行被告事件
(88)昭和25年12月25日 東京高裁 昭24(ナ)16号 村長解職投票無効事件
(89)昭和23年10月18日 名古屋高裁 事件番号不詳 食糧緊急措置令違反被告事件
(90)昭和 5年 9月23日 大審院 昭5(れ)1184号 衆議院議員選挙法違反被告事件
■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
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ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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