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「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(34)平成21年 7月28日 東京地裁 平18(ワ)22579号 請負代金請求事件

「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(34)平成21年 7月28日 東京地裁 平18(ワ)22579号 請負代金請求事件

裁判年月日  平成21年 7月28日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ワ)22579号
事件名  請負代金請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2009WLJPCA07288005

要旨
◆原告が、被告A社から廃棄物処理のための資源回収工場の新設工事(本件工事)を請け負い、これを完成したとして、被告A社に対し、本件請負契約に基づき、本件工事の請負代金の支払を求めるとともに、被告B社が被告A社の本件請負契約に基づく債務を連帯保証したとして、被告B社に対し、本件連帯保証契約に基づき、請負代金相当額の支払を求めた事案において、本件工事に関する請負契約が契約書の存在から原告と被告A社との間で成立し、当該請負代金債務を被告B社が連帯保証したものと認められるが、被告A社の代表者は、本件工事について、被告B社の代表者との信頼関係に基づき、同人からの請負代金等を負うことはないとの説明及び原告の担当者の同様の説明を信じて、記名捺印していることから、本件請負契約は虚偽表示により無効であり、それを連帯保証した契約も同様に無効であるとして、原告の被告らに対する請負代金請求をいずれも棄却した事例

参照条文
民法94条1項

裁判年月日  平成21年 7月28日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ワ)22579号
事件名  請負代金請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2009WLJPCA07288005

東京都港区〈以下省略〉
原告 安藤建設株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 松田孝子
同 葛西宏安
宮城県黒川郡〈以下省略〉
被告 大衡運送株式会社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 檜山公夫
東京都中央区〈以下省略〉
被告 株式会社環境興産
同代表者代表取締役 C
同訴訟代理人弁護士 新保雄司

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

 

事実及び理由

第1  請求
被告らは,原告に対し,連帯して3億6750万円及びこれに対する平成15年3月28日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  争いのない事実等(証拠等を記載した部分以外は当事者間に争いがない。)
(1)  原告は,建築工事請負等を業とする株式会社である。
被告大衡運送株式会社(以下「被告大衡運送」という。)は,貨物自動車運送,産業廃棄物処理等を業とする株式会社であり,被告株式会社環境興産(以下「被告環境興産」という。)は,土木・建築物の設計施工・工事監理等を業とする株式会社である。
(2)  原告の東京土木支店執行役員支店長のD(以下「D支店長」という。)と被告大衡運送の代表取締役B(以下「B社長」という。)は,平成14年11月,次の内容の請負契約(以下「本件請負契約」という。)を締結する旨の同月5日付け工事請負契約書(以下「本件請負契約書」という。)を作成した(甲1,16,丙1(枝番含む。))。
ア 工事名 遊戯機器・廃棄自動車及び廃棄家電等ダスト資源回収工場(以下「本件工場」という。)新設工事(その1)(以下「本件工事」という。)。ただし,本件請負契約において設置されることとなった産業廃棄物処理施設(以下「本件施設」という。)において処理する廃棄物は,廃棄された遊戯機器(パチンコ台,パチスロ台)のみである。
イ 工事場所 群馬県高崎市〈以下省略〉 昭和電気鋳鋼株式会社(以下「昭和電気鋳鋼」という。)内(1条)
ウ 工期
(ア) 着手 平成14年11月5日
(イ) 完成 平成15年2月28日(2条)
エ 引渡の時期 完成の日(3条)
オ 工事代金額 3億6750万円(消費税等相当額を合算した額)(4条)
カ 代金支払方法
(ア) 第1回内金(平成15年1月31日) 1億2180万円(消費税等相当額を合算した額)
(イ) 工事完成引渡時(平成15年2月28日) 2億4570万円(消費税等相当額を合算した額)(5条)
キ 下請負業者
被告大衡運送は原告の下請負業者を次のとおり指定し,原告は指定どおり下請負業者を選定することに同意する(6条)。
(ア) プラント施設工事 阪和興業株式会社(以下「阪和興業」という。)
(イ) 土木建築工事 株式会社谷村建設(以下「谷村建設」という。)
(3)  被告環境興産は,被告大衡運送と連名で,本件工事の請負代金及び遅延損害金に係る被告大衡運送の債務を連帯保証する旨の記載のある平成16年1月26日付け「誓約書」及び「支払保証書」を作成した(以下,この連帯保証に係る契約を「本件連帯保証契約」という。甲3,甲4の1,2)。
(4)  原告は平成15年3月27日ころ本件工事を完成させたが,被告らはこの請負代金を支払っていない(甲2,26,乙10の1,2,弁論の全趣旨)。
2  原告は,被告大衡運送から本件工事を請け負い,これを完成したとして,被告大衡運送に対し,本件請負契約に基づき,本件工事の請負代金3億6750万円及びこれに対する本件工事完成の日の翌日である平成15年3月28日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,被告環境興産が被告大衡運送の本件請負契約に基づく債務を連帯保証したとして,被告環境興産に対し,本件連帯保証契約に基づき,3億6750万円及びこれに対する同日から支払済みまで年6分の割合による金員の支払を求めている。
3  争点
(1)  本件請負契約及び本件連帯保証契約の成否
(原告の主張)
次の点からすれば,原告と被告大衡運送との間には本件請負契約が,原告と被告環境興産との間には本件連帯保証契約が,それぞれ成立していることは明らかである。
ア 本件請負契約締結の経緯
(ア) 被告環境興産は,平成14年7月,昭和電気鋳鋼との間で,被告環境興産が企画する事業の実質的推進企業を被告環境興産が発起人となって設立することなどを内容とする基本合意書を作成した。
被告大衡運送は,本件請負契約の締結に先立つ,同年8月22日に既に,被告環境興産との間で,被告環境興産が企画した「パチンコ台・パチスロ台処理・シュレッダーダスト処理事業」を協力して推進するなどの内容の覚書を作成していた。
(イ) 被告大衡運送は,上記(ア)の各合意を受けて,平成14年10月18日,原告に対し,B社長の記名捺印のある注文書を提出し,本件請負契約の締結を申し入れた。
(ウ) 当時原告の東京土木支店土木部長であったE(以下「E部長」という。),工事部作業所長であるF(以下「F所長」という。),B社長,当時被告環境興産の代表取締役会長であったG(以下「G会長」という。)は,平成14年10月21日,被告環境興産の事務所において,本件請負契約につき,被告大衡運送作成の注文書及び見積書案等を参照しつつ,協議をした。
原告と被告大衡運送は,この協議の結果,同年11月5日又は6日に,被告大衡運送の本店事務所において,請負契約書を作成して本件請負契約を締結することにした。
(エ) 被告大衡運送は,原告に対し,仕様書を送付し,この仕様書のとおりに施工すること及びこの仕様書を請負契約書に添付することを要請した。
他方,原告は,平成14年10月末,被告大衡運送に対し,契約書案を提示した。
(オ) 原告の従業員H(以下「H」という。)は,平成14年11月6日,本件請負契約の契約書を被告大衡運送の本店事務所に持参し,B社長の記名捺印を受けて持ち帰った。
イ 被告大衡運送の行動及び本件連帯保証契約締結の経緯
(ア) 被告大衡運送は,平成14年11月6日,原告に対し,監督員決定通知書を送付し,被告環境興産のプラント部長であったI(以下「I部長」という。)を本件工事の監督員とする旨通知した。I部長は,その後,原告の現場作業所所長に指示を出すなど,本件工事に関与した。
(イ) 被告大衡運送は,原告に対し,平成15年1月30日に工事変更通知書を,同年2月20日に「ご報告とお詫び」と題する書面をそれぞれ交付した。
(ウ) 本件工事が平成15年3月27日に完成すると,I部長は,同月28日,原告のF所長に対し,工事完了確認書を交付した。
(エ) 原告が,平成15年末以降,被告環境興産に対し,本件工事の請負代金債務について被告大衡運送に債務の確認をしてもらうこと及び被告環境興産にその連帯保証人になってもらうことを申し入れると,被告らは,平成16年1月,「被告大衡運送が同年4月30日までに本件工事の請負代金及び遅延損害金を支払う」旨及び「被告環境興産が被告大衡運送のその債務を連帯保証する」旨の各記載のある同年1月26日付け誓約書及び支払保証書を交付した。
また,被告大衡運送は,原告に対し,「本件工事の請負代金残高が3億6750万円であることを確認する」旨の記載のある確認書を何通も交付した。
(オ) 被告大衡運送は,現在本件施設を運用している株式会社エコシステム研究所(以下「エコシステム研究所」という。)のいわゆる大株主として事実上本件施設を運用し,利益を上げている。
(カ) G会長は,平成17年3月29日,被告環境興産の代表者として,原告に対し,商工組合中央金庫から融資を受けて3350万円を支払う旨の返済計画を示した。
(キ) 以上のとおり,被告大衡運送は,一貫して,本件請負契約の発注者であることを認める旨の書面を作成し,あるいは,それに沿った行動を取ってきたのであり,本件請負契約が成立していないことなどあり得ず,また,被告環境興産も原告に対して連帯保証人として債務を負担する旨を明示してきたのであるから本件連帯保証契約が成立していることは明らかである。
ウ 原告の行動
原告の従業員は,平成16年3月以降,合計7回にわたり,被告大衡運送又は被告環境興産の事務所において,B社長と面会し,代金の支払を督促している。本件請負契約や本件連帯保証契約が成立していなければこのような行動を取るはずがない。
E部長が本件施設の設置に関する許認可等の手続に関与したのは,被告大衡運送が本件工事の請負代金の支払を遅延したため,この回収のために協力したというにすぎないのであって本件請負契約の成否とは何ら関係がない。
原告が本件施設について県知事の許認可等を受けていないにもかかわらず,本件工事に着工したのは,請負人として工期までに完成させるという当然の姿勢によるものである。
エ 被告大衡運送が本件請負契約を締結する理由
被告大衡運送は,従来,次のとおり産業廃棄物処理事業への進出を企図しており,その一貫として本件請負契約を締結した。
(ア) B社長は,平成13年12月,アートセラミック株式会社(以下「アートセラミック」という。)の工場において,移動式ダイオキシン除去装置であるEADS(遠赤外線減圧無酸素熱分解装置。以下「イーデス」という。)の公開実験に立ち会った。アートセラミックは,被告大衡運送が事実上支配しており,イーデスの特許の実施権を有している。
(イ) 被告大衡運送は,平成14年2月1日,信越エンジニアリング株式会社に対し,イーデス2基を代金2億9715万円で発注した上,同年3月,原告との間で,「原告が,被告大衡運送に対し,原告が受注する焼却施設等の解体工事のうち,イーデスダイオキシン処理システム(ダイオキシン類を無害化するシステム)を使用する現場作業(被告大衡運送が保有する同システムの機械装置を原告が管理する現場に搬入及び設置し,同システムを使用する範囲の作業を原告の管理下において行うもの)を発注する」旨の業務委託契約(以下「イーデス業務委託契約」という。)を締結した。
(ウ) 被告大衡運送は,平成10年12月2日に,その目的に産業廃棄物処理業を追加し,平成14年5月8日に,その目的に焼却施設等の解体工事を追加するなどしていた。
オ 被告大衡運送は,本件工事の請負代金債務は,設立される予定であった新会社が負担することになっていたと主張するが,通常の商取引において,そのようなあいまいな者と多額の請負契約を締結することなどあり得ない。
被告大衡運送は,原告が複数の書面の日付けをさかのぼらせて作成するように働きかけたと主張するが,本件において日付けをさかのぼらせて作成されたのは支払保証書と「ご報告とお詫び」のみである。
(被告大衡運送の主張)
ア 本件請負契約書作成の経緯
(ア) 被告大衡運送は,平成14年3月27日以降,原告の管理の下,イーデス業務委託契約に基づく業務を行うこととなっており,この業務に先立ち,イーデスダイオキシン処理システムの機械装置を製造及び保有しておく必要があったため,信越エンジニアリングに対し,合計2億6029万5000円を支払って,その準備に当たった。
原告は,平成12年に,エコヴィレッジ構想に関して3000万円を出資したが,計画の中止によってこれを回収することができなかった。そこで,原告のD支店長やE部長らは,請負契約によって報酬を得たことにし,下請業者への低額の発注代金との差額によって上記3000万円を早期に回収することを計画した。本件工場は,エコヴィレッジ構想において中止された廃棄自動車のシュレッダーダストの処理工場を設置するものであった。しかし,被告環境興産では原告の社内手続上発注者となることができなかったので,原告は,イーデス業務委託契約という取引関係のあった被告大衡運送を仮の発注者とすることに決めた。
他方,被告大衡運送は,被告環境興産から,「原告,被告環境興産及び昭和電気鋳鋼は,リサイクル事業を目的とする新会社の設立を企画している。新会社設立前に設備工事に着手する必要があるが,原告の社内手続上,信用のある仮の発注者との間で工事請負契約書を作成しなければならない。その仮の発注者に被告大衡運送がなってくれないか。新会社設立後に原告と新会社との間で正式な請負契約が締結されるので被告大衡運送には迷惑がかからない。」という説明を受けていたことなどから,本件請負契約書に記名捺印した。
(イ) 被告大衡運送の関係者が本件工事に関して原告の関係者と接触したのは,平成14年10月21日の被告環境興産の事務所での打合せのときと,原告のHが同年11月6日に本件請負契約書を被告大衡運送の事務所に持参したときのみであるが,3億6700万円もの高額の契約を,契約の相手方との直接の接触が乏しいままの状態で締結するはずがない。
(ウ) そのほか,被告大衡運送は,エコヴィレッジ構想にも関与せず,本件工場の概要も把握していなかったこと,本件施設を設計した株式会社かやま(以下「かやま社」という。),本件工場の敷地の所有者である昭和電気鋳鋼,下請業者である阪和興業及び谷村建設と面識がないこと,本件工場の土地の使用権原がないことなどからみても,被告大衡運送が本件請負契約の発注者であるはずがない。また,本件請負契約については,高額での請負であるにもかかわらず着工時の内金払の定めがないこと,原告の瑕疵担保責任が免除されていることなど不自然な点がある。
イ 本件請負契約書作成後
次の経緯からも本件請負契約が成立していないことは明らかである。
(ア) 本件工場の目的である産業廃棄物処分業を行うには県知事の許認可等が必要であったところ,許認可等申請手続は,許認可等申請業務を担当していた特定非営利活動法人東京リサイクルニュース(以下「東京リサイクルニュース」という。)の不手際などによって遅延していた(当初は平成14年12月に許認可等取得予定)にもかかわらず,原告は,同年11月,上記3000万円の早期回収を図るため,この許認可等を得ないまま本件工事の着手を強行したが,発注者であるはずの被告大衡運送は,この経緯について連絡を受けていない。
被告大衡運送は,下請業者から工事について報告を受けたこともない。
上記許認可等申請に関しては,原告が中心となって,平成15年3月25日に,被告環境興産及び昭和電気鋳鋼と共に,高崎市市役所において同市の担当者と打合せをするなどしているが,被告大衡運送は,これらに参加していない。
(イ) そのほか,被告大衡運送は,本件工事の完成にも立ち会っていない,本件工事の請負代金の支払のために金融機関等に対して融資を申し込んだことも,原告に対して支払猶予を求めたこともない,また,本件工場の付属建物の建築確認申請につき,昭和電気鋳鋼がこれを担当し,その建築主であるはずの被告大衡運送が担当していないなど,本件請負契約の発注者として行動したことがない。
(ウ) 他方,原告は,被告大衡運送が支払うこととなっていた内金1億2180万円を含む本件工事の請負代金について請求書の送付等を含めて何ら催告をしていない上,被告環境興産と相談し,本件施設をリース業者に売却して代金を回収することを計画するなど,被告大衡運送から上記代金を回収することを考えていなかった。
また,原告は,被告大衡運送が決算報告書に本件施設や本件工事の請負代金債務を計上していないことを認識していたにもかかわらずこれに異議を述べていないなど,本件請負契約の請負人の立場とは矛盾する行動を取っている。
ウ 被告ら名義の文書について
(ア) 設計図,見積書,御注文書及び内訳明細書,「遊戯機器・廃棄自動車及び廃家電等ダスト資源回収工場新設工事 その1 見積仕様書」等の書面について,被告大衡運送にはこれらの書面を作成する能力がなく,被告大衡運送が作成したものではない。被告大衡運送は,被告環境興産からの依頼でこれらに記名捺印し,平成14年9月末ころ被告環境興産に送付したにすぎない。
(イ) 平成14年8月22日付け覚書(甲5)は,平成15年になってから,被告大衡運送が本件工事請負契約書作成以前からリサイクル共同事業(以下「本件共同事業」という。)にかかわっていたという体裁を整えるために,被告環境興産の依頼に従って,作成日付をさかのぼらせた上で記名捺印したものにすぎない。
平成14年11月6日付け監督員委嘱書,監督員決定通知書,平成15年1月30日付け契約内容変更通知及び同年2月20日付け「ご報告とお詫び」と題する書面につき,被告大衡運送がこれらに記名捺印したことは認めるが,これらの記名捺印は,同年4月に被告環境興産から上記同様の説明を受け,作成日付をさかのぼらせる形でされたものにすぎない。なお,被告大衡運送は同月7日に原告ではなく被告環境興産にこれらの書面を送付している。
同年3月28日付け支払保証書も,同様に,被告環境興産の依頼によって作成日付をさかのぼらせた上で記名捺印したものである。
(ウ) 被告大衡運送が,平成16年1月26日付け誓約書,支払保証書,同年5月17日付け,平成17年4月27日付け,同年5月16日付け及び同年11月10日付け各確認書に記名捺印したことは認めるが,これらは,G会長から「原告の社内手続上必要である」等の説明を受けて記名捺印し,被告環境興産に送付したものにすぎない。
(エ) 原告は,この時期,本件施設を第三者に売却して本件工事の請負代金を回収しようとしていたのであり,原告の社内における一時的な説明のための書面として,被告大衡運送に上記各書面を作成させたものである。
エ 被告大衡運送がエコシステム研究所の株主となったのは,本件請負契約締結後のことである上,104株を取得したのは更に後の平成16年7月30日のことにすぎない。他方,エコシステム研究所は,昭和電気鋳鋼から本件施設を用いた事業を引き継いだものの,現在まで本件施設を全く使用することができていない。
オ したがって,原告と被告大衡運送との間に本件請負契約は成立していない。
(被告環境興産の主張)
本件請負契約書作成に至る経緯及びその後の状況は,上記(被告大衡運送の主張)のとおりであるほか,次のとおりであるから,原告と被告大衡運送との間に本件請負契約が成立しておらず,保証契約の附従性によって,原告と被告環境興産との間の本件連帯保証契約も当然に成立しない,あるいは,被告環境興産は,誓約書や支払保証書に記名捺印したものの,書面上のみの保証人にすぎず,本件保証契約を締結する意思表示をしていないから,いずれにしても,本件連帯保証契約は成立していないことになる。
ア 本件請負契約書作成に至る経緯
(ア) 原告は,エコヴィレッジ構想に出資した3000万円を回収するために被告大衡運送との請負契約を作出しようと計画し,被告環境興産は,原告と被告大衡運送とのいわゆる連絡役であった。
(イ) 昭和電気鋳鋼,原告及び被告環境興産は,新会社を設立して本件共同事業を行い,その事業から上がる利益を各社に分配することを企画していたところ,本件共同事業には,合計10億円(シュレッダーダストの処理施設に6億5000万円,廃棄された遊戯機器の処理施設に3億5000万円)もの設備製作費が必要であり,多額の費用を必要とする関係上,企業としての規模の大きい原告が本件共同事業の中心となることになった。原告は,当面の費用を負担し,その費用を新会社が本件共同事業によって得る利益及び本件工場に係る許認可取得後に行う金融機関からの借入れによって賄う予定であった。
一方,企業としての規模の小さい被告環境興産及び昭和電気鋳鋼は,原告の審査基準の下では,10億円もの設備の発注主体となる要件を満たさなかったため,原告は,被告大衡運送に上記設備の名目上の発注主体となるよう依頼することとした。
(ウ) 原告と被告環境興産は,被告大衡運送に対し,「本件請負契約書は,本件共同事業のために原告の社内手続上必要なものにすぎない。被告大衡運送には迷惑をかけない。」旨説明し,廃遊戯機器の中間処理プラント設備工事の契約書に仮の発注者として調印するよう依頼した。
被告環境興産がその後作成して,原告に交付した上記支払保証書等,被告環境興産が本件連帯保証契約の保証人であることを認める内容の各書面は,原告から,社内手続のために必要であり,被告環境興産が責任を負うことはないとの説明を受け,また,原告のD支店長やE部長の原告内部での立場を守るために作成したものである。原告のD支店長やE部長は,本件施設に係る許認可の取得が遅れていたことから,原告内部で厳しい立場に立たされるのを恐れてかかる書面の作成を被告環境興産らに依頼したのである。
(エ) 被告環境興産は,本件連帯保証契約によって何ら利益を受けていない。
(オ) 以上の経緯は,原告のD支店長やE部長らのみでなく,原告の役員も認識していたのであるから,原告と被告環境興産との間で本件連帯保証契約を締結する意思表示はされていない。
イ 本件請負契約書作成後
(ア) 被告大衡運送や被告環境興産は,本件請負契約書作成後,本件請負契約や本件連帯保証契約が存在するかのような記載のある書面を作成したが,これらは,原告の指示に従って日付をさかのぼらせるなどして作成したものにすぎない。
(イ) 昭和電気鋳鋼が本件共同事業から離脱することが決まると,被告環境興産は,原告から,原告が被告大衡運送に対して契約責任を追及した体裁を作るために平成16年1月26日付け誓約書及び保証書を作成するよう指示され,そこで,被告らは,これらの書面を作成した。
(ウ) 平成17年3月29日付け「高崎リサイクル施設工事代金支払いの件」(甲54)は,G会長個人が原告のD支店長らから原告の社内手続のために提出を求められて作成したものにすぎず,被告環境興産が連帯保証債務を認めたものではない。
(2)  本件請負契約についての通謀虚偽表示等
(被告らの主張)
本件請負契約が成立するとしても,被告大衡運送は,同契約の際,契約締結の意思がないにもかかわらず,発注の意思表示をし,他方,原告も,D支店長やE部長らにおいて,このことを認識しつつ,エコヴィレッジ構想において回収することができなかった3000万円を回収するという利益を得るために,被告大衡運送に対して「社内手続に使うものであって被告大衡運送には迷惑をかけない」旨説明していたものであるから,原告は,被告大衡運送との間で,本件請負契約を仮装する旨合意したものである。
したがって,本件請負契約は,通謀虚偽表示によって無効であり,また,そうである以上,保証人である被告環境興産も,本件連帯保証契約に基づく責任を負わない。
(原告の主張)
上記(1)(原告の主張)のとおり,本件請負契約は,原告が被告大衡運送の意思を確認した上で締結されたものであって有効である。
原告は,下請業者への多額の支払を負担する債務を負っており,通謀虚偽表示をすることによって,損失を被るのみで何らの利益も受けないのであるから,通謀虚偽表示などするはずがない。
(3)  本件連帯保証契約についての通謀虚偽表示
(被告環境興産の主張)
本件連帯保証契約が成立するとしても,被告環境興産は,本件共同事業のために契約締結の意思がないにもかかわらず連帯保証の意思表示をしたものであって,原告もこれを認識していたのであるから,本件連帯保証契約は,通謀虚偽表示によって無効である。
(原告の主張)
上記(1)(原告の主張)記載のとおり,本件連帯保証契約は,被告環境興産が原告との間に真意に基づいて締結したものであって有効である。
第3  当裁判所の判断
1  前記争いのない事実等,後記各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(1)  関係会社等
ア 被告大衡運送は,平成19年6月当時,少なくとも,従業員150名以上を雇用し,運送車両130台以上を有しており,また,第38期(平成14年4月1日から平成15年3月31日までの間)の利益は,1085万8589円であり,平成14年当時の資本金は5000万円であった(乙19の1,2,乙27,44)。
イ エコシステム研究所は,下記八重洲PFI研究会に参加していた原告及び被告環境興産その他の複数の企業が出資し,平成14年1月30日に一般廃棄物及び産業廃棄物の回収,運搬及び処理業務等並びにこれらに関するコンサルタント業務を目的として設立された会社である。エコシステム研究所の設立時の取締役には,下記八重洲PFI研究会の中核であった飛島建設株式会社(以下「飛島建設」という。)の従業員であったJ,原告の従業員であったK及び被告環境興産代表者であるC(以下「C社長」という。)がそれぞれ就任し,Jが代表取締役に就任した。その後,同年10月16日には,被告環境興産のC社長が代表取締役に,平成16年7月22日には,被告大衡運送のB社長が取締役に就任した。平成14年3月31日から平成19年2月28日までの間のエコシステム研究所の持分割合の推移は,別紙株式数等一覧表記載のとおりである。(甲13の5,甲22,24,乙28,丙18,19の各1,2,丙33ないし37,44)
ウ 眞和トレーディング株式会社(以下「眞和トレーディング」という。)は,平成12年2月9日に設立され,遅くとも同年7月10日以降その代表取締役にC社長が就任している(甲23)。
エ アートセラミックは,イーデスを開発し,それに関連する特許権を有する会社であり,平成13年12月末ころまでには,被告大衡運送がその発行済株式2300株のうち470株を保有するいわゆる最大株主となっており,また,平成14年11月12日までには,その取締役にB社長が就任していた(甲32,被告大衡運送代表者)。
(2)  被告大衡運送は,平成10年12月7日,同月2日変更を原因として,その目的に「産業廃棄物処理業」等を追加する登記を了した(甲56の1,2)。
(3)  原告及び被告環境興産は,平成12年12月,飛島建設その他の会社と共に,八重洲PFI研究会という団体を組織していた。八重洲PFI研究会の事務所は,原告が所有していた東京都中央区八重洲所在のビルに置かれていた。(甲59,61,乙32の2,丙11,74)
八重洲PFI研究会は,新潟県上越市が計画していたエコヴィレッジ構想に参画することを目的とした組織であり,原告及び飛島建設が中心となってこの構想に関する事務等を担当した。原告の担当支店は,D支店長及びE部長が所属し,本件工事も担当していた東京土木支店であった。原告は,エコヴィレッジ構想の中で,被告環境興産(当時の商号は株式会社アイ・アール・エイ)に対し,設計コンサルタント料という名目で3000万円を支払ったことがあったが,その後,この構想を推進していた上越市長が平成13年に行われた選挙で再選されなかったために,この構想が中止されるに至り,原告は,上記3000万円を回収することができなかった。(甲46,70,乙32の3の1,丙43,証人E)
(4)  被告大衡運送のB社長は,平成13年12月にアートセラミックの工場で行われたイーデスの公開実験の際に原告のD支店長,E部長らと知り合った(甲60,乙48)。
D支店長,E部長,G会長及びB社長は,同月20日,被告環境興産の事務所においてイーデス業務委託契約に関する打合せをした(甲60,61,乙48)。
原告は,平成14年3月27日,被告大衡運送との間で,イーデス業務委託契約を締結した(乙1,丙5)。
B社長は,同日から同年10月ころまでの間,イーデス業務委託契約に関する打合せのため,複数回にわたり,原告のD支店長やE部長と面会した(乙48)。
被告大衡運送は,同年2月ころ,信越エンジニアリングに対し,イーデスの製作を発注し,その代金として,同年3月29日に5000万円を支払った(乙6の2)。
(5)  昭和電気鋳鋼は,平成14年4月,東京リサイクルニュースから助言を受け,群馬県高崎市〈以下省略〉内の昭和電気鋳鋼所有の工場(以下「昭和電気鋳鋼の工場」という。)の敷地の一部において産業廃棄物処理業等を行う「総合リサイクルセンター計画」(以下「高崎リサイクルセンター計画」という。)を立案した。この計画では,当該事業の申請会社が昭和電気鋳鋼,申請代理人が東京リサイクルニュースとされていた。この産業廃棄物として当初予定されていたのは,廃棄自動車のシュレッダーダストであったが,その後,被告環境興産がこれに関与するようになると,廃棄された遊戯機器が追加された。(丙2,証人L)
(6)  被告大衡運送は,平成14年5月1日,被告環境興産に対し,被告大衡運送が信越エンジニアリングに対して発注したイーデスについてのシステム全体の製作に関する納期等一切に関する交渉権限を委嘱した(甲52)。
(7)  被告大衡運送は,平成14年6月6日,同年5月8日変更を原因として,その目的に「焼却施設等の解体工事」及び「焼却施設等の解体工事の公害汚染物質無害化処理システム作業の受託並びに同システムの機械装置の設置」を追加する登記を了した(甲56の3,乙46の1,2)。
(8)  被告環境興産のG会長は,平成14年4月ないし6月ころ,東京リサイクルニュースから,高崎リサイクルセンター計画の存在及び概要を聞き,エコヴィレッジ構想で中止されたシュレッダーダストや廃棄された遊戯機器の処理施設をここに設けようと計画し,原告の役員又はD支店長に対し,G会長の計画を伝え,発注業者の候補として被告大衡運送を挙げたところ,D支店長らは,G会長の計画に参加することに決めた。原告のE部長もこの経緯を認識しており,また,このころには,原告において高崎リサイクルセンター計画について事務を進めていく権限を与えられていた。(甲70,丙18の1,2,証人G)
(9)  東京リサイクルニュースは,昭和電気鋳鋼から産業廃棄物処理施設(後の本件施設を含むもの)の許認可等取得に関する事務手続を受託し,平成14年7月初めころ,昭和電気鋳鋼に対し,次の記載のある書面を送付した(丙4)。
ア 「中間処理申請に関わる費用(1080万円)に関し,被告環境興産を主体とする新会社が保証金等を払い込むと同時に着手金(360万円)の支払をお願いする」旨の記載
イ 「申請スケジュール」として「平成14年12月下旬 産業廃棄物中間処分業許可」,「遅くとも,平成15年1月中旬に営業開始の見込み」の旨の記載
(10)  昭和電気鋳鋼の事務部長であったL(以下「L部長」という。)は,平成14年7月ころ,被告環境興産から紹介を受けて,E部長ら原告の従業員と知り合った(乙49,証人L)。
(11)  昭和電気鋳鋼は,平成14年7月22日付けで,被告環境興産との間で,「廃棄物から有価物を回収する事業」等の取引に関し,次の内容を含む基本合意書及び覚書を作成した。もっとも,昭和電気鋳鋼は,下記「実質的推進企業」に関し,これが複数の企業によって同年中に設立される予定であることを除いて,知らされていなかった。(乙32の4,丙3,証人L)
ア 昭和電気鋳鋼は,被告環境興産が企画する事業の実質的推進企業を被告環境興産が発起人となって設立することを前提として,その設立の時まで上記企業の代理人として被告環境興産が昭和電気鋳鋼との交渉に当たることを認める。上記企業の設立は平成14年12月31日までに完了する。
イ 上記事業の操業場所は昭和電気鋳鋼の工場内における昭和電気鋳鋼の指定する場所とする。
ウ 昭和電気鋳鋼は上記事業の事業主体となり,被告環境興産は昭和電気鋳鋼から委託を受けて同事業を請け負う。
エ 上記事業の展開に必要な許認可は,昭和電気鋳鋼がその名義で取得する。
(12)  原告は,平成14年7月末ころ,本件工事の準備作業を開始した(証人L,証人G)。
(13)  被告大衡運送は,平成14年9月4日,信越エンジニアリングに対し,イーデスの製作代金として1億3000万円を支払った(乙7の2)。
被告大衡運送は,このころまでに,被告環境興産のG会長から,高崎リサイクルセンター計画の産業廃棄物処理事業を行うのは,今後設立される新会社である旨の説明を受け,そのように認識していた(乙48,被告大衡運送代表者)。
(14)  原告は,被告環境興産から,少なくとも,工事としては廃棄された遊戯機器を処理する施設を先行して設置し,シュレッダーダストを処理する施設の設置を後回しにする旨の方針を聞いた上で,平成14年10月18日ころ,被告大衡運送を名宛人とする,本件工事の同日付け見積書(請負代金額3億5000万円)を作成した(甲31の1,2,乙49)。
原告のE部長は,このころ,被告環境興産のG会長に対し,本件契約につき,発注書と請書の交換によらず,請負契約書を作成する形式で締結したい旨の希望を伝えた(証人E)。
B社長は,同日から同年11月6日までの間に,被告大衡運送代表者として,本件工事を代金3億5000万円(消費税相当額を除いた額)で発注する旨の記載のある同年10月18日付け注文書を作成し,G会長に交付した。G会長は,その後,これを原告に交付した。(甲6,30,乙27,被告大衡運送代表者)
(15)  B社長は,平成14年10月21日,被告大衡運送の従業員1名とともに,被告環境興産の事務所を訪れ,原告のE部長,F所長ら及び被告環境興産のG会長と本件工事について話し合い,E部長から下請業者,工期及び代金支払方法等について説明を受けた。被告大衡運送と原告の各関係者が本件工事について打合せ等をしたのは,このときのみである。(甲31の1,乙48,証人E,証人G,被告大衡運送代表者)
D支店長やE部長らは,このころには,G会長からの説明もあり,本件施設を用いて産業廃棄物処理業を行うのは,今後設立される新会社であるとの認識であった(証人E)。
(16)ア  昭和電気鋳鋼は,東京リサイクルニュースからの助言を受けつつ,平成14年10月30日,群馬県知事に対し,本件施設(ただし,処理する廃棄物は,廃棄自動車のシュレッダーダスト及び廃棄された遊戯機器)の設置の事前協議に係る廃棄物処理施設設置等協議書を提出した(甲74,丙6の2,丙7の2)。
イ  上記協議書提出当時の昭和電気鋳鋼の代表者は,その後平成19年3月16日まで,原告と被告大衡運送との間で本件請負契約書が作成されていることを知らず,また,B社長や被告大衡運送の従業員との面識もなかった(乙25の1,2)。
(17)ア  原告,被告大衡運送,阪和興業及び谷村建設は,本件工事について次の内容等を確認する旨の平成14年11月5日付け協定書を作成した(甲12,丙1の2)。
(ア) 下請工事代金の支払条件
(イ) 原告,阪和興業及び谷村建設の各担当業務
(ウ) 原告,阪和興業及び谷村建設の各瑕疵担保責任の免除
イ  もっとも,阪和興業及び谷村建設は,上記協定書作成のときまで,被告大衡運送とは取引関係がなく,被告大衡運送の関係者との面識もなかった(乙23,乙24の1,2,被告大衡運送代表者)。
(18)  原告のHは,平成14年11月6日,本件請負契約書を持参して被告大衡運送の本店を訪れた。B社長は,被告大衡運送代表者として,その本件請負契約書に記名捺印の上,社印を押印した。(乙27,証人E)
(19)  被告大衡運送は,平成14年11月11日,信越エンジニアリングに対し,イーデスの製作代金として8029万5000円を支払った(乙8の2)。なお,上記(4)及び(13)の各支払額と合わせると合計2億6029万5000円となる。
(20)  昭和電気鋳鋼のL部長,原告のE部長,F所長,被告環境興産のC社長及びI部長は,平成14年12月ころ,本件工場の建設に着工するかどうかを協議した。L部長は,本件施設の設置の許認可等に関する所定の手続が終了していないことから着工に反対したが,I部長らの意向によって着工されることとなり,原告は,同月,上記手続が終了していないことを認識しつつ,本件工事に着手した。
L部長,E部長,F所長,C社長及びI部長は,同月ころ,当時の高崎保健所が本件工場建設の事前調査に入った際に本件施設に用いる機械を近隣の工場に一時的に移転させたり,再び保健所が調査に来た際には施設を仮に置いているだけということにして責任を免れる旨の打合せをしたりした。これらの協議等に被告大衡運送が参加したことはなかった。(以上につき,証人L,証人E)
一方,L部長は,このころ,被告環境興産から,シュレッダーダストを処理する施設を後回しにし,廃棄された遊戯機器を処理する施設のみを第1期工事として先行させる旨知らされた(乙49)。
(21)  昭和電気鋳鋼は,平成15年1月23日,本件工事の目的の1つである,シュレッダーダストや廃棄された遊戯機器等を置く材料置場の新築について,建築確認申請書を提出し,高崎市建築主事の確認を受け,同月30日,確認済証の交付を受けた(丙27)。
(22)  被告大衡運送は,平成15年1月末ころ,被告環境興産から依頼を受け,本件工事の完成時期を同年3月25日に変更し,請負代金の支払時期を「同年2月21日に内金,同年3月25日に残額」と変更する旨の同年1月30日付け契約内容変更通知を作成した(甲8,丙12の1,2)。
(23)  B社長は,平成15年3月上旬,G会長及び当時B社長とともに被告大衡運送の代表取締役であった父,Mとともに,本件工場を訪問した。Mは,このとき,原告の従業員に名刺を交付した。(甲56の4,甲65,証人E,被告大衡運送代表者)
(24)  昭和電気鋳鋼は,平成15年3月25日に高崎市役所において同市の職員と打合せをした際,その職員から,昭和電気鋳鋼が平成14年10月に提出した廃棄物処理施設設置等協議書に関し,本件工場については,建築基準法51条ただし書所定の,群馬県あるいは高崎市の都市計画審議会の議を経る必要がある旨指摘を受けた。この打合せに参加したのは,昭和電気鋳鋼のL部長,原告のE部長及びF所長並びに被告環境興産のC社長(ただし,眞和トレーディングの代表者として参加)であった。なお,東京リサイクルニュースは,平成15年3月31日ころ,被告環境興産に対し,本件施設に関する許認可等のスケジュールの遅延について謝罪した。(丙8,9)
そこで,昭和電気鋳鋼は,同月27日,昭和電気鋳鋼の事務所において,今後の許認可手続に関する方針等について打合せをした。この打合せに参加したのは,L部長,E部長,F所長,C社長及び被告環境興産のI部長であった。この打合せにおいては,本件施設を用いた事業の実質的運営をするのは,被告環境興産又は後に設立される新会社とされるにとどまっていた。(丙10)
(25)  平成15年3月27日ころ,本件工事は完成した。
(26)  被告環境興産は,平成15年4月ころ,原告に対し,本件施設をリース業者に売却して本件工事の請負代金を支払う旨の提案をしたことがあった(丙13の10,証人E)。
(27)  被告ら及び昭和電気鋳鋼は,平成15年4月ころ,次の各書面を作成し,被告環境興産あるいはG会長が,同月9日,原告にこれを送付した。これらは,原告が被告環境興産又は昭和電気鋳鋼に作成を依頼したものである。(甲5,10,11,甲55の1ないし4,証人E,証人G,被告大衡運送代表者)
ア 作成者 被告大衡運送及び被告環境興産
書面 次の旨の記載のある平成14年8月22日付け覚書(甲5)
① 被告環境興産が企画した「パチンコ台・パチスロ台処理・シュレッダーダスト処理事業」を協力して推進する。
② 被告環境興産は昭和電気鋳鋼と協力して上記事業に必要な用地の確保,必要な許可の取得を行う。
③ 被告環境興産は,株式会社サンケミカル,有限会社タンパチ及びベンチャーリンク株式会社が設立した株式会社ホーレックス及び昭和電気鋳鋼と協力して必要な処理材を確保する。
④ 被告環境興産は,処理設備の設計等をかやま社と協力して行う。
⑤ 被告大衡運送及び被告環境興産は,必要な事業資金について協力して調達する。
⑥ 被告大衡運送及び被告環境興産は,平成14年12月末までを目途に,上記事業の推進の中核となる企業を設立する。
⑦ 被告大衡運送は,被告環境興産の要請があるときは,保管庫,運搬車両等について被告環境興産に協力する。
⑧ 被告大衡運送及び被告環境興産は,上記事業のみならず,既に被告大衡運送が進める可搬式イーデスシステムに係る事業においても協力し,場合によっては本事業と併合することも視野に入れて展開する。
イ 作成者 被告環境興産及び昭和電気鋳鋼
書面 両社間で後に取り交わされる業務請負契約の事前事項に関する,平成14年12月10日付け事前仮契約書(甲10)
ウ 作成者 被告環境興産及び昭和電気鋳鋼
書面 被告環境興産が昭和電気鋳鋼に対し,両社間で協議中の委託加工契約に係る被告環境興産の昭和電気鋳鋼の事業所内における事業負担金として,当初1年間にわたり,月額600万円を支払うことを合意する平成14年12月20日付け覚書(甲11)
(28)  被告大衡運送は,平成15年4月7日ころ,次の各書面を作成して被告環境興産に送付し,被告環境興産あるいはG会長が,そのころ,これらを原告に送付した。これらは,原告が被告環境興産あるいはG会長に作成を依頼したものである。(乙12,13,丙13(枝番含む。),証人E,証人G,被告大衡運送代表者)
ア 作成者 被告大衡運送
書面 被告環境興産あての,本件工事の監督員としてI部長を委嘱する旨の平成14年11月6日付け監督員委嘱書(甲7の1)
イ 作成者 被告大衡運送
書面 原告あての,I部長を本件工事の監督員とすることに決定した旨の平成14年11月6日付け監督員決定通知書(甲7の2)
ウ 作成者 被告大衡運送
書面 原告あての,本件請負契約について被告大衡運送の都合で本件工事の請負代金の支払が大幅に遅れることになったことを報告するとともに,その事態についておわびする旨記載された,平成15年2月20日付け「ご報告とお詫び」(甲9)
エ 作成者 被告大衡運送及び被告環境興産
書面 次の記載のある平成15年3月28日付け支払保証書(甲62)
① 本人欄 被告大衡運送の記名捺印
② 保証人欄 被告環境興産の記名捺印
③ 保証人は本件請負契約に基づいて本人が原告に対して負担する本件工事の請負代金債務を本人と連帯して保証する。
④ 保証人は,本人が本件請負契約に基づいて負担する本件工事の請負代金債務が平成15年3月28日現在3億6750万円であることを確認する。
⑤ 保証人は,本人と連帯して④の代金債務を平成15年12月25日までに現金によって支払う。
(29)ア  原告のD支店長,本件工事の請負代金の回収を担当していた原告の東京土木支店管理部長のN(以下「N部長」という。),被告環境興産のG会長は,平成15年4月10日,被告環境興産の事務所において竣工届の被告大衡運送への送付や本件工場の引渡しの条件等について打合せをした。被告大衡運送の関係者は,この打合せに参加していない。(乙33の2)
イ  原告は,平成15年4月10日ころ,被告大衡運送に対し,本件工事の同年3月28日付け竣工届を送付した(乙10の1,2)。
(30)  原告,被告環境興産及び昭和電気鋳鋼は,平成15年4月25日,本件施設の保全を目的にした管理方法について合意し,施設管理協定書を作成した(丙76)。
原告及び被告環境興産は,同日,上記施設管理協定書に関し,被告環境興産が原告から管理を受託してすべての管理責任を負い,管理費用も負担することとなどを内容とする覚書を作成した(丙77)。
(31)  昭和電気鋳鋼のL部長,原告のE部長ら,被告環境興産のC社長及びI部長は,平成15年5月6日,同年6月26日,昭和電気鋳鋼の事務所において,本件施設に関する許認可等取得のスケジュールについて打合せをした。同年5月6日の打合せには,群馬県,高崎市の各職員も参加した。
E部長又はF所長は,各打合せの後,打合せ結果を記載したメモや今後のスケジュール表を作成し,昭和電気鋳鋼のL部長やC社長に送付した。(以上につき,丙21ないし23(枝番含む。),証人L,証人E)
原告の担当者,とりわけE部長は,このころ,高崎市の官公署に赴くなど,本件施設の許認可等取得に関して中心的役割を担っていた(証人L)。
(32)  被告環境興産のC社長は,平成15年6月20日,エコシステム研究所の代表者として,原告のE部長に対し,エコシステム研究所の決算報告の文案を電子メールで送付し,その内容について指示を依頼したところ,同月23日,E部長から,エコヴィレッジ構想において中断された工事を群馬県において計画している点等に関する記載を訂正するようにとの指示を受けた(丙18,19の各1,2)。
(33)  高崎保健福祉事務所長は,平成15年10月8日付けで,昭和電気鋳鋼に対し,上記(16)の協議書に基づく設置協議が終了した旨の通知書を送付した。そこで,昭和電気鋳鋼は,同年11月5日,群馬県知事に対し,本件施設(ただし,処理する廃棄物の種類は廃棄された遊戯機器に限られる。)に関して廃棄物処理施設設置等実施計画書を提出した。(甲74)
(34)  原告のD支店長,E部長,N部長,被告環境興産のG会長及びC社長は,平成15年11月18日,被告環境興産の事務所において,本件施設の許認可等の手続の進捗状況を確認し,今後の手続について協議した(丙24の2)。
(35)  昭和電気鋳鋼は,平成16年1月7日,群馬県知事から上記(33)の実施計画書について承認を受け,同月19日,高崎保健福祉事務所長に対し,本件施設の設置工事に着手するため,廃棄物処理施設着工届出書を提出し,同月30日,本件施設の設置等の工事が完成したとして廃棄物処理施設工事完成届出書を提出し,同年2月6日,高崎保健福祉事務所長による完成検査を受けた(甲74)。
(36)  被告環境興産あるいはG会長は,平成16年1月,原告から依頼され,被告大衡運送と連名で次の各書面を作成することにし,同月26日ころ,被告大衡運送に対し,上記打合せ内容を記載したメモを送付した上で,上記各書面を作成するよう依頼した。被告大衡運送は,同月27日,これらの書面を作成し,被告環境興産に送付した。(甲3,4,乙38ないし44(枝番含む。),証人E,被告大衡運送代表者)
ア 作成者 被告大衡運送及び被告環境興産
書面 原告あての,「本件工事の請負代金及び遅延損害金を平成16年4月30日までに支払う」等の記載のある同年1月26日付け誓約書(甲3)
イ 作成者 被告大衡運送及び被告環境興産
書面 原告あての,「被告環境興産は,本件請負契約に基づいて被告大衡運送が原告に対して負担する本件工事の請負代金債務等について連帯保証する」旨の記載のある平成16年1月26日付け支払保証書(甲4の1)
(37)  原告,被告大衡運送及び被告環境興産は,被告環境興産が試運転のみを目的として本件施設を一時使用することを確認する旨の平成16年2月13日付け覚書を取り交わした(甲17)。
(38)  昭和電気鋳鋼は,平成16年2月16日,高崎保健福祉事務所に対し,産業廃棄物の処分の事業の範囲の追加について群馬県知事の許可を受けるため,産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可申請書を提出した(甲74)。
(39)  原告は,平成15年1月ころから平成16年2月までの間,本件工事の請負代金の回収につき,被告大衡運送ではなく被告環境興産を相手方として,電子メールでのやり取りや担当者間での話合いをしていた(乙12ないし18,33ないし43,丙12,24(枝番含む。))。
また,昭和電気鋳鋼のL部長は,高崎リサイクルセンター計画立案当時から同年3月に昭和電気鋳鋼を退職するまでの間,昭和電気鋳鋼の担当者として本件施設の設置等に関与してきたが,この間,被告大衡運送の関係者と接触したことはなかった上,原告や被告環境興産から,被告大衡運送が本件施設に関与している旨の説明を受けたことがなく,被告大衡運送が本件施設に関与しているとの認識もなかった(証人L,証人G,被告大衡運送代表者)。
(40)  昭和電気鋳鋼は,平成16年7月26日,「当社の経営及び人員体制に変更があり,新体制下にあっては,当該申請に係る処理業の遂行は行わず,処理施設の設置に係る施設(土地・建物)の提供に徹するのが妥当であると判断した」,「当該施設の機械設置等については,他社から賃貸借で設備の提供を受け,処理業の用に供する計画であったことから(中略)同社に土地・建物を賃貸し,同社がこの事業を遂行していく方が妥当であると判断した」旨を理由として,上記(38)の産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可の申請を取り下げた。
エコシステム研究所は,昭和電気鋳鋼が産業廃棄物処理業を継続しない方針を取ったことを受け,同年10月18日,昭和電気鋳鋼から本件施設を譲り受けることについての群馬県知事との協議を求めるため,高崎保健福祉事務所に対し,廃棄物処理施設承継協議書を提出した。(以上につき,甲18,74)
(41)  N部長ら原告の従業員2名は,平成16年以降,被告大衡運送の本店を訪問し,本件工事の請負代金がいまだ原告に支払われていないことについてB社長と話をしたことがあった(甲71,被告大衡運送代表者)。
(42)  エコシステム研究所は,平成17年1月5日,群馬県知事から,昭和電気鋳鋼からの本件施設の譲受けについて承認を受ける一方,同年3月9日,昭和電気鋳鋼から,昭和電気鋳鋼の工場内にある建物の1つを,本件工場に用いる建物として借り受ける旨の賃貸借契約を締結した(甲73,甲74)。
エコシステム研究所は,同年6月1日,群馬県知事から産業廃棄物処分業の許可を受けた(甲19)。
エコシステム研究所は,平成17年6月以降,本件施設を管理しているが,第4期(平成16年4月1日から平成17年3月31日)には1591万5902円,第5期(同年4月1日から平成18年3月31日まで)には1億1504万0797円,第6期(同年4月1日から平成19年3月31日まで)には8809万1955円の各期欠損を出している(丙36の1,丙37,44,被告大衡運送代表者)。
(43)  G会長は,平成17年3月29日,原告に対し,「株式会社 環境興産 会長 G」の名義で,金融機関に提出する融資申込み用の資金計画書を添付し,本件工事の請負代金を次のとおり支払うことを約束する旨記載した書面を交付した(甲54)。
ア 平成17年4月28日までに,商工組合中央金庫から融資を受け,3350万円(消費税相当額を除いた額)を支払う。
イ 平成18年から平成22年までの間に3億0150万円(消費税相当額を除いた額)を支払う。
(44)  原告は,平成17年3月31日に阪和興業に対して本件工事に関して1億9929万円を支払った(甲36)。谷村建設からは,本件工事の請負代金の支払を求める訴訟を提起されたが,平成18年12月5日,原告が谷村建設に対して和解金として8000万円を支払うことなどを内容とする裁判上の和解が成立し,その後,これを支払った(甲40)。
(45)  被告大衡運送は,被告環境興産あるいはG会長から依頼され,原告に対し,次のとおり,「被告大衡運送には本件工事に関する完成工事未収入金3億5000万円及び消費税相当額1750万円の合計3億6750万円の勘定残高がある」旨の確認書を送付した(甲14,15,72,乙14ないし18(枝番含む。),証人G,被告大衡運送代表者)。
ア 文書送付日 平成15年5月16日ころ
債務確認基準日 平成15年3月31日現在
イ 文書送付日 平成15年11月10日ころ
債務確認基準日 平成15年9月30日現在
ウ 文書送付日 平成16年6月17日ころ
債務確認基準日 平成16年3月31日現在
エ 文書送付日 平成16年11月4日ころ
債務確認基準日 平成16年9月30日現在
オ 文書送付日 平成17年5月12日ころ
債務確認基準日 平成17年3月31日現在
カ 文書送付日 平成17年11月1日ころ
債務確認基準日 平成17年9月30日現在
(46)  被告大衡運送は,その第38期(平成14年4月1日から平成15年3月31日までの間),第39期(同年4月1日から平成16年3月31日までの間)及び第40期(同年4月1日から平成17年3月31日までの間)の各決算報告書に,原告に対する本件工事の請負代金債務を計上していない(乙19ないし21(枝番含む。))。
(47)  N部長ら原告の従業員は,平成18年5月16日,被告環境興産の事務所において,G会長やB社長らと会談し,B社長に対し,本件工事の請負代金について手形を発行するよう求めたが,B社長は,これを拒絶した(甲64,被告大衡運送代表者)。
(48)  被告大衡運送は,平成19年3月,原告がイーデス業務委託契約に基づく発注債務を履行しないなどとして,原告に対して債務不履行に基づいて1億7629万5000円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める訴訟を提起した(甲47)。
2  争点(1)(本件請負契約及び本件連帯保証契約の成否)について
(1)  本件請負契約の成否
前記認定のとおり,B社長は,平成14年11月6日,被告大衡運送代表者として,原告のHが持参した本件請負契約書に記名捺印の上,社印を押印している一方,原告のD支店長もこれに記名捺印していることによると,原告と被告大衡運送との間において,双方の意思表示によって本件請負契約が成立したものと認められる。
被告大衡運送は,本件施設に関する打合せの経過等を根拠に本件請負契約が成立していない旨主張するが,前記認定のとおり,被告大衡運送が原告との間で本件請負契約書を作成している本件において,被告大衡運送が本件請負契約を締結する旨の意思表示をしたことを否定することはできないから,被告大衡運送の主張は採用することができない。
(2)  本件連帯保証契約の成否
前記認定のとおり,被告環境興産は,被告大衡運送と連名で,本件工事の請負代金及び遅延損害金に係る被告大衡運送の原告に対する債務を連帯保証する旨の記載のある平成16年1月26日付け誓約書及び支払保証書を作成してこれを原告に交付し,原告がこれを受領している以上,原告と被告環境興産との間において本件連帯保証契約が成立したものと認められる。
被告環境興産は,原告とG会長との間では原告が中心となって設立する新会社が本件工事の請負代金を負担するとの合意があったなどとして本件連帯保証契約が成立していない旨主張するようであるが,被告環境興産が上記誓約書等を作成し,これを原告に交付した以上,被告環境興産によって本件連帯保証契約を締結する旨の意思表示がされたものといわざるを得ないから,被告環境興産の主張は採用することができない。
3  争点(2)(本件請負契約についての通謀虚偽表示等)について
(1)ア  被告大衡運送の本件工事への関与
前記認定のとおり,高崎リサイクルセンター計画のことを原告に伝えたのは,被告環境興産のG会長であり,この計画の当初の段階においてその主導的な役割を担っていたのは,被告環境興産であったといえる。
そして,平成14年12月ころに行われた本件工場の建設に着工するかどうかの協議にも,被告環境興産のC社長及びI部長はこれに参加しているのに対して被告大衡運送の関係者は参加しておらず,また,同月ころに,高崎市保健所が本件工場の建設の事前調査に入った際に本件施設に用いる機械を近隣の工場に一時的に移転させたことなどに関する打合せにも,C社長及びI部長はこれに参加したものの,被告大衡運送の関係者は参加しなかった。
平成15年3月に行われた高崎市役所や昭和電気鋳鋼の事務所における本件施設設置のための事前協議の協議書に関する打合せについても,同様に,C社長(ただし,眞和トレーディングの代表者として参加)が参加しているのに対して,被告大衡運送の関係者は参加しておらず,また,東京リサイクルニュースが同月31日ころに本件施設に関する許認可のスケジュールの遅延について謝罪したのも被告環境興産に対してであった。
同年4月10日に被告環境興産の事務所において行われた,本件工場の引渡しの条件等についての打合せについても,原告のD支店長及びN部長並びにG会長のみが参加し,被告大衡運送の関係者は参加していない。また,同月25日の本件施設の保全を目的にした管理方法についての施設管理協定書,同日の上記施設管理協定書に関して被告環境興産が原告から管理を受託してすべての管理責任を負い,管理費用も負担することなどを内容とする覚書についても,被告環境興産が原告や昭和電気鋳鋼との間で合意を交わしたものであり,被告大衡運送は当事者として加わっていない。
さらに,同年11月18日に本件施設の許認可業務の進捗状況の現状を確認し,今後の手続について協議したのも,原告のD支店長,E部長,N部長と被告環境興産のG会長及びC社長のみであり,原告が,同年1月ころから平成16年2月までの間,本件工事の請負代金の回収について話合いや電子メールでのやり取りをしていた相手方も被告環境興産であった。
なお,G会長は,平成17年3月29日に,原告に対して「株式会社 環境興産 会長 G」の名義で,本件工事の請負代金を支払うことを約束する旨記載した書面を交付している。
これらの点に照らすと,原告に高崎リサイクルセンター計画を持ちかけ,その後の原告との重要な打合せ等,すなわち本件工事の進行,本件施設に関する承認手続,本件工事の未払代金についての打合せ等を行っていたのは,いずれも,被告大衡運送ではなく被告環境興産あるいはG会長であるというべきであるところ,このようなことは,本件工事の発注者が被告環境興産あるいはG会長である場合にはともかく,被告大衡運送である場合には通常あり得ないものというべきである。
イ  被告大衡運送の言動等
被告大衡運送が本件工事の重要な打合せ等に参加せず,被告環境興産が参加していたのは上述のとおりであるが,このほかにも,前記認定のとおり,B社長あるいは被告大衡運送が,原告の関係者と本件工事について打合せ等をしたのは平成14年10月21日の面会のときのみであり,被告大衡運送は,その第38期ないし第40期の各決算報告書に,本件工事の請負代金債務を計上していないなど,本件工事の発注者として通常取ってしかるべき行動を取っていないものといえる。
ウ  原告と被告環境興産との関係
前記認定のとおり,本件工事は,もともと上越市におけるエコヴィレッジ構想で設置が中止された産業廃棄物処理施設を,昭和電気鋳鋼の工場の敷地内に設けることを目的としたものであるところ,原告の東京土木支店及び被告環境興産あるいはG会長は,このエコヴィレッジ構想を推進していた八重洲PFI研究会において中心的な役割を果たしており,少なくとも,上記東京土木支店に所属していたD支店長やE部長は,本件工事前から,被告環境興産あるいはG会長と互いに協力しながら,本件工場の前身となる計画に関与していたものといえる。そうすると,D支店長やE部長は,被告環境興産あるいはG会長の本件工場についての構想の内容,すなわち,エコヴィレッジ構想から派生した本件工場の運営主体の予定等についても相当程度理解した上で,本件工場に関して被告環境興産あるいはG会長と歩調を合わせる姿勢を取っていたことがうかがわれる。
エ  被告大衡運送と被告環境興産との関係
前記認定のとおり,被告大衡運送は,平成14年5月にイーデスについてのシステム全体の製作に関する納期等一切に関する交渉権限を被告環境興産に委嘱するなどしており,当時,被告環境興産あるいはG会長に対して強い信頼を寄せていたことがうかがわれるから,本件工事についても,被告環境興産からの要請ないし要求に,そのまま追随するような態度で臨んでいたものと考えても不自然ではないものといえる。
オ  原告と被告大衡運送との関係
前記認定のとおり,被告大衡運送のB社長は,平成13年12月にアートセラミックの工場で行われたイーデスの公開実験の際に原告のD支店長やE部長らと知り合い,その後同月20日に,G会長も交えて被告環境興産の事務所においてイーデス業務委託契約に関する打合せをするなどした上で,平成14年3月27日に原告との間でイーデス業務委託契約を締結し,その後も,同年10月ころまでの間,イーデス業務委託契約に関する打合せのため,複数回にわたってD支店長やE部長と面会していたというのであるから,このころには,D支店長やE部長と相当強い信頼関係を有するに至っており,規模の大きい会社である原告のE部長から受ける説明については疑問を抱くことなく信じるようになっていたことがうかがわれる。
カ  関係者の認識等
(ア) 昭和電気鋳鋼のかつての代表者は,本件訴訟が提起されるまで,原告と被告大衡運送との間で本件請負契約書が作成されていることを知らず,B社長や被告大衡運送の従業員と面識もなく,一方,本件施設の設置に昭和電気鋳鋼の担当者として中心になって関与してきたL部長も,平成14年から平成16年3月に昭和電気鋳鋼を退職するまでの間,被告大衡運送の関係者と接触したことはなかった上,原告や被告環境興産から,被告大衡運送が本件施設に関与している旨の説明を受けたことがなく,被告大衡運送が本件施設に関与しているとの認識もなかったという状態であった。
また,前記認定のとおり,本件請負契約書において被告大衡運送から原告の下請業者として指定された旨記載され,現に本件工事を施工した阪和興業及び谷村建設も,本件工事以前には被告大衡運送とは取引関係がなく,被告大衡運送の関係者との面識もなかった。
上記関係者の認識等においては,被告大衡運送の本件工事に対する関与はほとんどなかったに等しいものといえる。
(イ) 一方,前記認定のとおり,昭和電気鋳鋼,原告及び被告大衡運送は,いずれも,G会長の説明を信じ,本件施設を用いて産業廃棄物処理業を行うのは今後設立される新会社であるものと認識していた。
キ  被告大衡運送の資力等
前記認定のとおり,被告大衡運送は,信越エンジニアリングに対し,イーデスの代金として,平成14年3月29日に5000万円,同年9月4日に1億3000万円,同年11月11日に8029万5000円と,同年中に合計2億6029万5000円を支払っているところ,被告大衡運送の同年当時の資本金が5000万円にとどまっていたこと,第38期(同年4月1日から平成15年3月31日)の利益が1085万8589円にすぎないことからすると,被告大衡運送において上記イーデスに関する多額の負担に加えて更に本件工事の請負代金を負担し得るような財務状況であったとは考え難い。
ク  小括
以上の点に照らすと,B社長は,被告大衡運送が本件工事の発注者であることを認める本件請負契約書その他の複数の書面に被告大衡運送代表者として記名捺印したものであるが,これは,原告のD支店長やE部長,そして被告環境興産あるいはG会長に対する強い信頼に基づき,被告大衡運送が本件工事の請負代金債務等を負うことはないとの説明を信じてしたものにすぎず,被告大衡運送においてこれらの債務を負担する意思はなかったものと認められる。他方,B社長は,平成14年10月21日に原告のE部長らと面会して本件工事について話合いをしているものの,その話合いの内容が,被告大衡運送も本件工事について発注者としての債務を負担してもらうといった内容であったものとは認められず,かえって,E部長(原告において高崎リサイクルセンター計画について事務を進めていく権限を与えられていたことは前記認定のとおりである。)からは,少なくとも,「本件施設を用いて事業を行うのが被告大衡運送ではなく新会社であり,被告大衡運送は本件請負契約書を作成するものの,本件工事については発注者としての責任を負わない」旨の,G会長の被告大衡運送に対する説明に従った内容の説明があり,B社長は,このE部長の説明に従って本件請負契約を締結したものと認めるのが相当である。
したがって,原告と被告大衡運送とは,本件請負契約締結の際,本件工事に係る被告大衡運送を発注者とする請負契約を締結する意思がないのに,その意思があるもののように仮装することを合意したものと認められる。
(2)  原告は,被告大衡運送が作成し,原告に交付した複数の書面を根拠に被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったことは明らかであると主張するので,以下検討する。
ア 被告大衡運送は,原告,阪和興業及び谷村建設との間で,本件工事の内容等を確認する旨の平成14年11月5日付け協定書(甲12,丙1の2)を作成しているが,これは本件請負契約書の作成とほぼ同時期に作成されたものであり,上記(1)で説示した点に照らすと,この協定書によっても,被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったものとは認め難い。
イ(ア) 被告大衡運送が本件請負契約締結後に作成した,本件請負契約が有効であることを前提としたものと解し得る内容の記載された書面として,次のものがある。
a 平成15年1月末ころに作成された,本件工事の完成時期及び請負代金の支払時期を変更する旨の同月30日付け契約内容変更通知(甲8,丙12の1,2)
b 平成15年5月16日ころ,同年11月10日ころ,平成16年6月17日ころ,同年11月4日ころ,平成17年5月12日ころ及び同年11月1日ころに作成され,原告に送付された,確認書(甲14,15,72,乙14ないし18(枝番含む。))
c 平成15年4月ころ,被告環境興産との間で作成された,被告環境興産が企画した「パチンコ台・パチスロ台処理・シュレッダーダスト処理事業」を協力して推進する等の内容の平成14年8月22日付け覚書(甲5)
d 平成15年4月7日ころに作成された,被告環境興産あての平成14年11月6日付け監督員委嘱書(甲7の1),原告あての同日付け監督員決定通知書(甲7の2),原告あての平成15年2月20日付け「ご報告とお詫び」(甲9),及び,被告環境興産と連名での,原告あての同年3月28日付け支払保証書(甲62)(なお,原告は,監督員委嘱書及び監督員決定通知書について作成日付をさかのぼらせたことはないと主張するが,乙第12号証の1,2によれば,被告大衡運送が作成日付をさかのぼらせてこれらを作成したものと認められるから,原告の主張は採用することができない。)
e 平成16年1月27日に被告環境興産と連名で作成された,「本件工事の請負代金及び遅延損害金を同年4月30日までに支払う」等の記載のある同年1月26日付け誓約書(甲3)及び「被告環境興産は,本件請負契約に基づいて被告大衡運送が原告に対して負担する本件工事の請負代金債務等について連帯保証する」旨の記載のある同日付け支払保証書(甲4の1)
f 原告,被告大衡運送及び被告環境興産との間の,本件施設を被告環境興産が試運転のみを目的として一時使用することを確認する旨の平成16年2月13日付け覚書(甲17)
(イ) しかしながら,上記(1)で説示した点によると,被告大衡運送が上記各書面を作成したことによっても,被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったものとは認め難い。その上,前記認定のとおり,これらの書面は,原告から被告環境興産あるいはG会長に作成するように依頼されたものであったり,被告環境興産あるいはG会長を介して原告に送付されたりしているものであり,こうした経緯からすると,原告と被告大衡運送が直接交渉した結果作成されたものではないし,被告大衡運送によって自発的に作成されたものでもなく,原告又は被告環境興産あるいはG会長の意向に従って作成されたものとみるのが相当である。また,中には日付けが実際の作成日からさかのぼらせたものもある(上記c,d)ところ,本件各証拠によっても,このように作成日付が実際と異なるものを被告大衡運送において作成する理由が明らかではなく,事後的に本件工事についての被告大衡運送の立場を形式的に書面上明確にしておくためだけに作成されたことがうかがわれる。さらに,原告,被告大衡運送及び被告環境興産との間の試運転を確認する書面(上記f)については,発注者であるはずの被告大衡運送ではなく被告環境興産が試運転の主体とされている理由が明らかではなく,不自然である。上記各事情に照らすと,被告大衡運送が上記各書面を作成したことが,被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったことを示すものとはいい難い。
(ウ) したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(3)  原告は,B社長その他の被告大衡運送の関係者が,本件工場を訪問したり,また,原告のN部長からの督促に対して本件工事の請負代金を支払う意向を示していたことから,被告大衡運送には,本件請負契約締結の意思があったと主張する。
しかし,前記認定のとおり,B社長及び被告大衡運送の代表取締役でもあったB社長の父であるMが本件工場を訪れたのは,平成15年3月上旬の1回のみであり,代金が3億5000万円に及ぶ請負契約の発注者側の訪問としてはその回数が少ないものと考えられる上,B社長らはG会長と共に本件工場を訪れたものであるところ,被告大衡運送が被告環境興産を強く信頼していたという両者の関係からすると,この訪問もG会長の意向によってされたことがうかがわれるから,B社長らが本件工場を訪問したことによっても,直ちに被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったとは認められない。
B社長らが原告のN部長からの督促に対して本件工事の請負代金を支払う意向を示していたという点についても,この点に関して,作成者N部長,作成日付平成16年9月14日として原告から提出されている同日付け打合せ議事録(甲71)には,「平成16年9月14日(水)」との記載があるが同日は火曜日であること,前回の訪問として「平成16年3月16日」との記載があるところ,甲第71号証がN部長の陳述書(甲64)にある「平成17年9月14日(水)」の訪問の際の議事録とすると,甲第71号証には,甲第64号証に記載されているような,「B社長が『月100万円が精一杯である』との回答をしたのに対して,N部長が『余りに長期回収となるので受け入れられない』と答えた」旨のやり取りが記載されていないことなどからすれば,原告提出の上記証拠(甲71等)は信用することができない。他に,原告の主張する,B社長がN部長に本件工事の請負代金を支払う意向を示していたことを認めるに足りる的確な証拠はない。
したがって,原告の主張は採用することができない。
(4)  原告は,現在本件施設を管理しているのはエコシステム研究所であるところ,被告大衡運送は,エコシステム研究所の最大株主としてこれを支配して本件施設を事実上管理しており,このことからも被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったことは明らかであるなどと主張する。
この点,前記認定のとおり,エコシステム研究所は,平成16年7月26日に産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可の申請を取り下げた昭和電気鋳鋼に代わって本件施設を運営するために,平成17年6月1日に産業廃棄物処分業の許可を受けて以降,本件施設を運営している一方,被告大衡運送は,昭和電気鋳鋼が本件施設を用いた産業廃棄物処理業の遂行を断念した時期と近接した平成16年7月30日に,エコシステム研究所の株式100株を取得し,同日以降,エコシステム研究所の発行済み株式総数232株の半数以上となる124株を保有するに至ったことが認められる。しかし,これは本件請負契約の締結から約1年10か月経過した後のことにすぎないこと,エコシステム研究所を実際に運営しているのは代表取締役のC社長であってB社長ではないところ,C社長は,平成15年6月20日にエコシステム研究所の決算報告の内容についてE部長から指示を受けるなどしており,E部長らにおいてエコシステム研究所の経営に一定程度関与していたこともうかがわれること,エコシステム研究所は,平成16年4月から平成19年3月までの各決算期に損失を出し続けており,被告大衡運送がエコシステム研究所から株主として利益を受けたものとは認められないこと,前述のとおり,被告大衡運送が被告環境興産あるいはG会長を強く信頼していたことなどに照らせば,被告大衡運送がエコシステム研究所の最大株主であることによっても,被告大衡運送が本件施設を事実上運営しているなどとはいえず,また,最大株主であることと被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったかどうかとは直接の関係がないものというべきである。
(5)  原告は,被告大衡運送が,平成10年12月2日に,その目的に「産業廃棄物処理業」を追加したことや,平成14年5月8日に,その目的に「焼却施設等の解体工事」等を追加したことから,被告大衡運送が産業廃棄物処理業に進出しようと計画し,その一環として本件請負契約を締結したと主張するが,平成10年12月の目的の追加については,本件請負契約の約4年も前のことである上,被告大衡運送がその追加の後直ちに産業廃棄物処理業に乗り出したものとも認められないこと,平成14年5月の目的の追加については,同年3月27日に原告との間で締結したイーデス業務委託契約を念頭においてされたものということもできることによると,これらのことから,直ちに,被告大衡運送に本件請負契約を締結する意思があったものとも認められないから,原告の主張は採用することができない。
(6)  原告は,発注者を今後設立される新会社などというあいまいなものとして,下請業者である阪和興業や谷村建設に対して多額の負担を強いられるおそれのある本件請負契約の締結を仮装することなどあり得ないなどと主張する。
しかし,原告あるいは原告の東京土木支店は,被告大衡運送が本件請負契約の発注者とすることで,早期にエコヴィレッジ構想から派生した本件工場を建設することができ,それによって,早期に本件工事の請負代金に係る利益を上げる可能性があったのであるから,原告あるいは原告の東京土木支店に本件請負契約を仮装する利益がないものとはいえない。また,原告が多額の負担を強いられるおそれがあるという点については,東京リサイクルニュースが平成14年7月初めころに昭和電気鋳鋼に対して送付した書面(丙4)によれば,当初の予定では同年12月下旬に本件施設に係る産業廃棄物処理業の許認可等が得られ,遅くとも平成15年1月中旬には本件施設を用いた産業廃棄物処理業を開始することができる見込みであり,本件工事の請負代金の支払も早期にされることが原告や被告環境興産らの間では想定されていたことがうかがわれるところ,この許認可等に係る申請スケジュールが大幅に遅れることとなった後の同年5月ころには,本件工事の請負人にすぎないはずの原告のE部長が本件施設の許認可等取得において中心的役割を担うようになっていたことからすれば,本件施設を用いて産業廃棄物処理業を行うのは新会社であると認識していた原告のD支店長やE部長においても,当初から,本件施設の稼動による収益から本件工事の請負代金を回収しようと計画しており,原告のみが多額の負担を負うことにはならないと想定していたものと認めるのが相当である。
したがって,原告の主張は採用することができない。
(7)  以上のとおりであるから,本件請負契約は無効であり,被告大衡運送は,原告に対し,本件請負契約に基づき,本件工事の請負代金を支払う債務を負わないものと認められる。
また,原告と被告大衡運送との間の本件請負契約が無効である以上,本件連帯保証契約もその効力を生じないものといわざるを得ないから,被告環境興産は,本件連帯保証契約に基づき,原告に対して連帯保証債務を負わないものと認められる。
4  以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないからいずれも棄却すべきである。
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 佐久間邦夫 裁判官 石原直弥 裁判官 岡部弘)

 

〈以下省略〉

 

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