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「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(51)平成17年 8月29日 東京地裁 平16(ワ)667号 保険金請求事件

「選挙 コンサルタント」に関する裁判例(51)平成17年 8月29日 東京地裁 平16(ワ)667号 保険金請求事件

裁判年月日  平成17年 8月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平16(ワ)667号・平16(ワ)5573号
事件名  保険金請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2005WLJPCA08290011

要旨
◆被相続人が運転する車両の転落事故による相続人ら(原告ら)の被告保険会社に対する保険金請求において、事故態様、被相続人が生前に経済的に破綻し精神的にも追いつめられていた状況などから自殺によるものと推認し、本件事故が急激かつ偶然な外来の事故ということはできないとして原告らの請求をいずれも棄却した事例

参照条文
保険約款

裁判年月日  平成17年 8月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平16(ワ)667号・平16(ワ)5573号
事件名  保険金請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2005WLJPCA08290011

平成16年(ワ)第667号 保険金請求事件(甲事件)
平成16年(ワ)第5573号 保険金請求事件(乙事件)

甲事件及び乙事件原告 X1
同 X2
同 X3
同 X4
同 X5
同 X6
同 X7
同 X8
同 X9
上記9名訴訟代理人弁護士 加藤晋介
甲事件及び乙事件被告 ゼネラリ保険会社こと アシキュラチオニ・ゼネラリ・エス・ピー・エイ
上記日本における代表者 丸山治彦
上記訴訟代理人弁護士 大木卓

主  文

1  原告らの請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告らの負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  甲事件
被告は、原告X1、原告X7、原告X8及び原告X9に対し、それぞれ43万6500円及びこれに対する平成16年2月3日から支払済みまで年6分の割合による金員を、原告X2及び原告X3に対し、それぞれ21万8250円及びこれに対する平成16年2月3日から支払済みまで年6分の割合による金員を、原告X4、原告X5及びX6に対し、それぞれ14万5500円及びこれに対する平成16年2月3日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  乙事件
被告は、原告X1、原告X7、原告X8及び原告X9に対し、それぞれ416万6666円及びこれに対する平成16年3月24日から支払済みまで年6分の割合による金員を、原告X2及び原告X3に対し、それぞれ208万3333円及びこれに対する平成16年3月24日から支払済みまで年6分の割合による金員を、原告X4、原告X5及びX6に対し、それぞれ138万8888円及びこれに対する平成16年3月24日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は、A(以下「A」といい、人名は再出以降、原告ら及びB姓の者は名のみで、その他の者は姓のみで示す。)の相続人である原告らが、Aは自家用軽四輪貨物車(車名スバル、仕様バン、型式KV3、登録番号練馬○○ふ○○○○、車台番号KV3-065839。以下「本件車両」という。)を走行中路外に逸脱して川に転落し死亡したが、これが急激かつ偶然な外来の事故(保険事故)による死亡に該当するとして、被告に対し、Aが被告と締結した普通傷害保険契約(甲事件)及び有限会社a(以下「a」という。)が被告と締結した自動車総合保険契約(乙事件)に基づいて、それぞれ法定相続分の保険金及び訴状送達の日の翌日(甲事件平成16年2月3日、乙事件同年3月24日)から各支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求め、被告が本件事故はAの自殺であって保険事故には該当しない旨主張して争った事案である。
2  前提事実
以下(1)ないし(11)は当事者間に争いがなく、(12)は、乙第4及び第5号証(枝番のあるものについては、枝番を含む。以下同様。)により容易に認定可能な事実である。
(1)  Aは、B及びCの子であり、Aの妻はAよりも先に死亡しており、子はいない。
原告X1は、Aの兄、原告X8は、Aの弟、原告X7及び原告X9は、Aの妹である。
Dは、Aの兄であるが、Aよりも先に死亡し、原告X2及び原告X3は、正次の子である。
Eは、Aの兄であるが、Aよりも先に死亡し、原告X4、原告X5及び原告X6は、清の子である。
被告は、損害保険業、再保険業を目的とする株式会社(外国法人)である。
(2)  Aは、平成14年2月16日ころ、被告との間で、被保険者をAとし、死亡保険金受取人を法定相続人、保険期間を平成14年2月16日午後4時から平成15年2月16日午後4時までの1年間、死亡保険金を261万9000円とする普通傷害保険(青年アクティブライフ総合保険)契約を締結した(以下「本件保険契約甲」という。)。
(3)  aは、平成13年12月7日、被告との間で、被保険自動車本件車両、被保険者をA、死亡保険金受取人を法定相続人、保険期間を平成13年12月7日午後4時から、平成14年12月7日午後4時までの1年間、保険金額を自損事故1500万円、搭乗者傷害1000万円合計2500万円とする自動車総合保険契約を締結した(以下「本件保険契約乙」という。)。
(4)  Aは、運送会社であるaの代表取締役であり、b協同組合(以下「b」という。)に属して仕事をしていた。
(5)  Aは、平成14年9月24日午前5時40分ころ、本件車両の運転席に搭乗してこれを運転し、主要地方道水上片品線(以下「本件道路」という。)を片品村方面から水上方面に向かって走行中、群馬県利根郡水上町大字藤原無番地大利根国有林66林班イ小班先路上において、左カーブを経て右カーブを曲がった後、直進すべきところ、左にハンドルを転回し、路外に逸脱して沢に転落し、よって死亡した(以下「本件事故」といい、本件事故の発生場所を「本件事故現場」という。)
(6)  本件事故現場付近は、片品村方向から水上村方向に向かってカーブが連続しており、勾配は下り6.5パーセントで、本件車両が転落した地点は、笹や樹木が群生している。
(7)  本件車両は、道路部分から非舗装部分を経て沢に転落しており、車底部を上に転倒していたが、その沢と道路との高低差は5.7メートルである。
(8)  Aは、道路上で仰向けになって死亡しているところを発見された。
(9)  Aの死因は、循環血液減少性ショックであり、かかる死因は頭部外傷及び頭皮挫創によって生じたものであった。
(10)  Aが発見された付近のガードレールには、血痕様のものが付着しており、その下ののり面にはAが履いていた靴が落下していた。
(11)  本件事故発生の日、Aは、Fと打合せの約束があった。
(12)  本件保険契約甲及び乙において、被告は被保険者が急激かつ偶然の外来の事故によってその身体に被った傷害等に対して保険金を支払うがその傷害等が被保険者の自殺行為によって生じた場合には支払わない旨規定されている。
3  争点及び争点に関する当事者の主張
(原告ら)
本件事故は、急激かつ偶然な外来の事故である。
(1) Aには、本件事故現場付近の温泉に赴き車中泊をしながらドライブする趣味があり、本件事故も、同様のドライブ中に、aの始業時間に間に合う時間と場所で発生したものであって、Aが、3日間の車中泊の末、疲労を蓄積し居眠り運転の開始に近い浅い睡眠状態に陥り、これが現実に戻る瞬間反射反応と共に左転回し、回避行動もとり得ないまま転落に陥ったことは十分考えられる。
(2) Aに自殺する動機はない。
ア Aは、本件事故よりも相当前から保険契約を締結し、共済に加入しており、負債を保険金で埋めるために保険契約を締結したものでない。そして、保険金の受取人の多くは、Aの兄弟姉妹や甥姪であり、これらの者に対しAが特別の義理を負っていたという事情はなく、Aは、受取人をaや事実上の夫婦関係にあったGに変更する手続をしていない。
Gを受取人とする生命保険契約は2000万円にすぎず、しかもこの保険は、自殺の場合でも1000万円は支払われるものであり、この保険金を得るために自殺するのは考え難い。
イ Aは、平成14年9月20日まで精力的に仕事の手配をし、連休明けの同月24日にはFと打合せの予定を入れており、Aには、自殺をほのめかす言動は見当たらず、深刻に悩む素振りも一切ない。
ウ Aの経営していたaの営業損失は、帳簿上のものにすぎず、総売上は増加傾向にあり、営業は順調であった。
Aの債務は、約2300万円に上るものであるが、そのうち約1800万円は事業資金の借入の連帯保証であり、遅滞に陥ってもいなかった。
信販会社等からの借入金は約430万円に上るが、これも遅滞に陥っておらず、督促も受けていない。Aは、Qに相談しており、立て直し可能であったし、自己破産すれば足りることは、自殺の動機にはならない。
エ 過去5年間の診療報酬請求記録を追っても、確認できたのは、歯科治療歴のみであり、Aには健康上の問題もなかった。
オ GがAの死後発見したと証言した書面(以下「本件書面」という。)は、表題、宛名、日付、自殺に至る感情的な苦しみや関係者へのお詫び等の文言も具体的な事後処理の指示も記載されていない、万が一の事故に備えてワープロで作成したメモにすぎず、遺書ではない。
(3) 本件事故の現場は、笹や樹木が群生し、道路上からは現場がどのような状態であるか全く見通すことはできない。ガードレールが敷設されていない部分は他にもある中、このような見通しの悪い場所で、自殺を企図して転落するということは、一般の経験則に反する。
(4) Aは、致命傷を負いながら本件車両から脱出し、のり面をはい上がる途中で靴を脱ぎ捨て、ガードレールを伝って道路上に出たものであり、自殺企図では、このような凄まじいともいうべき生への執着を説明することはできない。
(被告)
本件事故は、急激かつ偶然な外来の事故には、該当しない。
(1) 本件事故は、その発生場所、本件車両の転落状況等の事情を総合判断すると、Aが意図的に転落地点に向かって本件車両を進行させ落下した結果発生した事故と考えざるをえず、Aは急激かつ偶然な外来の事故により身体に損傷を被ったとはいえない。
本件事故は、右カーブを曲がって直線道路になったところ、進行方向左側に存在した非舗装の駐車・休憩用空き地を突っ切って転落したものであるところ、その最大復員は4.8メートル、長さは最大30メートルであり、仮にハンドル操作を誤って左に転回しすぎたとしても、軌道修正することが十分可能であり、また、急制動の措置を講ずれば足りたものである。しかるに、Aがこれを講じたことを示す痕跡がないばかりか、Aはシートベルトを着用しないまま、本件車両を高速度で対岸の地面に衝突させている。
(2) 本件書面は遺書であり、Aには自殺の動機がある。
ア 本件書面は、偶然の事故を偽装して自殺する者がその遺志を伝える目的で書いたと理解される内容が記載されており、遺書である。
イ aは、平成8年決算期から売上げが増加しているにもかかわらず、損失が増大する収益構造で、累積赤字が加速度的に増大し、借入金の返済も、金融機関からの融資も困難で、破綻必定の状態にあり、従業員に対する給与も本件事故の2か月間遅滞していた。
A個人も、aの2000万円の債務につき連帯保証していたことに加え、原告主張によっても、信販会社等から435万4734円借入していたものであり、これに加え、平成14年7月19日にはc株式会社から49万6000円、事故の2日前には株式会社dから95万円を借入し、同年8月19日にポケットカード株式会社から借入等をしている。Qの証言によれば、サラ金など10社ぐらいから500万円ほど、いわゆる街金から250万円から300万円(合計約1185万円ないし1235万円)の借財があった。さらに、Aには、知人のHから1000万円、Iから100万円、Jから約20万円、割烹活魚の「e」店主Kから50万円と飲み代約18万円の負債があった。
ウ また、Aは、茨城県大洋村に所有していた別荘(以下「本件別荘」という。)を、平成9年9月にb仲間のFに売却し、これに設定されていたf銀行に対する根抵当権を平成14年8月31日までに抹消して所有権移転登記手続を完了する旨約し、売買代金350万円の支払を受けていた。しかし、Aは、上記抵当権を抹消することができず、Fに対し、期限を1か月延ばし同年9月末日までとすることを求め、Fは、本件事故の発生した日に、Aと上記移転登記手続を行う具体的な段取りを打わ合せる予定であった。しかし、Aには実現の見通しがなく、しかも、本件別荘には国民金融公庫の800万円の根抵当権も設定されていたが、AはこのことをFに説明していなかった。
本件事故が発生した日は、Aにとって、約束不履行並びに、F及びFをAに紹介したIを裏切ったことが発覚する日だった。
エ AとGは、昭和63年ころから深い関係になり、Gは仕事の面でもかけがえのない存在だった。Aは、Gに対し過分な報酬を与え、驕奢な生活をさせ、GとL(以下「L」という。)との間の子を我が子のようにかわいがり大学及び看護学校進学の学費も負担していた。
Aは、GがLと離婚しており、子らも実父との交流は途絶え、Aが育ての親としての地位にあると信じていたが、GがLの戸籍に入ったままであったことが判明し、本件事故の1週間前に恩人の位牌の前で未亡人に落胆の心を打ち明け、本件事故の直前に自殺をほのめかしていたものであり、Aには自殺の動機がある。
(3) 本件事故現場及びその発生時刻は、偶然の転落事故を偽装し、第三者に目撃されない条件に合致する。
本件事故現場は、その転落付近を除くと、道路には沢への転落防止目的のガードレール等が敷設され、本件車両が落下した地点の周囲だけが樹木がすいており、本件車両が、樹木に妨げられず、右側の崖壁にも左側のガードレールにも衝突せずに、高速度で転落することは、偶然ではあり得ない。
(4) 自殺を企図し、重傷を負ったが即死状態とはならず、意識を失わなかった場合に、窮地からの脱出を試みることは十分あり得ることである。
第3  判断
1(1)  まず、本件事故の態様について検討するに、前記前提事実、証拠(甲3、乙1、6、8ないし11、証人L)と弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 本件事故現場は、山間部に存し、その付近に至る道のりは、カーブが連続するため、速度を上げにくいものであること
イ Aは、左カーブを経て右カーブを曲がり、本件道路が直線になったところで、本件車両のハンドルを左に転回して本件事故を発生させたものであるが、本件道路が直線になった地点から本件車両が左に方向を転じた地点まで30メートル程度、左方に転じてから沢に転落するまで6、7メートル存すること
ウ 本件車両が本件事故現場に至るまで、本件道路はほぼ木ノ根沢に並行し、本件道路を走行する自動車の運転席から木ノ根沢の状態を目視することができるが、本件事故現場付近は、本件車両の進行方向左側に非舗装部分が存し、自動車を停車して待避ないし休憩することが可能な空き地となっている。
エ 本件車両は、別紙図面記載のとおり、上記非舗装部分に一条のタイヤ痕を残しているものの、このタイヤ痕に至るまでの間に、本件車両にも、本件事故現場付近にも、本件車両が、進行方向右側の壁に接触した痕跡あるいは進行方向左側の路外に逸脱した痕跡はなく、本件車両が転落するまでの間に、急制動の措置をとった痕跡が存在しないこと
オ 本件事故現場には、別紙図面記載の本件車両が転落を開始した際のものと思われる痕跡〈A〉及び「斜面のけずれ痕」〈×〉が残されていたものの、のり面には、車が走り落ちた形跡がなく、本件車両は、その前面を水路の対岸に激突させて半転し、車底部を上に転倒していたこと
カ 本件車両のハンドルは、反時計方向に直角よりもやや大きく回した状態で発見されたこと
キ Aは、本件事故時、シートベルトを着用していなかったこと
ク Aは、運送業の同業者の間で、運転技術に長けていると評されていること
(2)  前項の認定事実からすると、本件車両は、本件事故現場において、左カーブを経て右カーブを曲がった後蛇行せずに直進し、その後左に転回したものと認められ、Aが、居眠り運転等が原因で、スピードやハンドルのコントロールを失敗したとは考えがたい。また、仮に回避措置として左転回した場合は、その後に急制動の措置や右に転回する回復手段が講じられるべきところ、これらの形跡が残されていないことからすると、Aが何らかの回避措置のためハンドルを左転回したとも考えがたい。
むしろ、以上の認定事実からすると、Aは、意識して、直進していた本件車両のハンドルを左に転回し、速度を付けたままのり面に向かい、本件車両を本件事故現場から沢に転落させたものと推認される。
2  以上のとおり、本件事故は、事故の態様等からして、急激かつ偶然な外来の事故に該当するということが困難なものであるが、なお念のため、Aに本件事故の発生を意図する動機が存在するか否かについて検討する。
(1)  証拠(甲1、6、10ないし21、24、乙1、2、8、12、17ないし28、証人G、同Q、証人L)によれば、次の事実を認定することができる。
ア Aは、昭和19年2月11日生まれで、昭和43年10月11日にMと婚姻の届出をしたが、Mは、昭和52年2月11日に自殺している。
イ Aは、bに入って運転手として稼働し、平成3年1月28日にaを設立して経営するようになったが、本件事故当時は、本件車両のほか、b車4台、トラック2台及びGが使用する自動車の合計8台につき、保険に加入していた。
I、N、O、P、Jは、Aのb仲間であり、Iはb城北支部の初代支部長で、首都圏の副理事長を務めたこともあり、NがAの前の城北支部副支部長であった。
ウ Gは、Jのところに事務員として入ったが、Aに見初められ、Aと同居はしていないものの、17、18年ほど夫婦同様の付き合いをし、a設立時からその取締役に就任していたものであり、Aのbの組合の仲間から夫婦同然の関係と認識されていた。Aは、Gの2子をかわいがり、4人で旅行に出かけ、その2子の成長を喜び、大学あるいは看護学校の学費を支払っていた。しかし、Gは、その夫Lと離婚していない。
エ Aは、Qが板橋区で衆議院の選挙候補者として活動していた際の支持者の1人であり、Qが中小企業の経営コンサルタント的な組織であるgセンターをやっていた関係で10年ほどの付き合いがあったが、平成14年8月ころ、Qに対しaの経営状況が厳しいとして、資金繰りを含めた相談をした。
Qの記憶によると、Qが、Aに対し、街金からの250万円ないし300万円を返済するよう指示したところ、Aは、本件事故の前にこれを返済したが、aの金融機関からの借入2500万円のほか、Aは個人として、サラ金10社から500万円程度及び個人から1500万円程度の借金をしていた。
Aは、本件事故の直前に株式会社dから95万円借入している。
aは、経費が過大な赤字体質で、Aの上記個人からの借金とは、主にbの仲間からした借金である。
オ Qは、本件事故発生後1週間以内の日にbの仲間らがeに集まった際に同席して、Aから1か月くらい前に金銭面でやりくりできない、実家のある和歌山に死に場所を探しに行き、車でぐるぐる探し回っていたと聞いた旨話した。
カ Aは、Rと共に、昭和61年、本件別荘を購入し、Gに将来2人で老後を過ごそうと話していたが、平成3年に、これをb仲間のSの叔父であるFに対し、売却し、その売却代金350万円を受領した。
Fは、Aから、不動産登記簿謄本を示され、本件別荘に付されている担保権は株式会社f銀行の450万円の根抵当権のみである旨の説明を受け、Aが金融機関に返済し続ければ、所有権移転登記手続を受けられると考えていた。しかし、本件別荘には、上記不動産登記簿謄本が作成された日の後で、Fが購入する前である平成8年10月1日に登記された債権者を国民金融公庫、aを債務者とする800万円の根抵当権が設定されていた。
Fが、平成14年8月22日、Bに対し、本件別荘の所有権移転登記手続を同年9月1日に行う約束を確認する趣旨の内容証明郵便を発送したところ、Aは、Fに対し履行期限を1か月延長することを懇願した。しかし、本件別荘に付された根抵当権の被担保債権は、いずれも弁済未了で、弁済し得る見通しはなかった(国民金融公庫の債権に対しては、Aの死後、保険金が充てられている。)。
Fは、同年9月24日(本件事故発生の日)にAと会って所有権移転登記手続を行う段取りを確かめることにしていた。
キ Gは、Aの死後、aの事務所内のGしか開けない場所にある、保険証券等の書類が保管されている保管ファイルの中に本件書面を発見した。本件書面は、ワープロで作成され、Aが署名し、日付の記載がないもので、街金からの借入については、記載されていないものであった(表題及び捺印の存否は不明である。)。
本件書面には、要旨次の事項が記載されていた。
(ア) 今後の組合、会社(a)の件はIらに相談すること
(イ) aの顧客についてはJに相談すること
(ウ) Gにも保険金が入るようになっていること
(エ) 保険金の支払により債権者等には迷惑がかからないようになっていること
(オ) Aの遺骨は和歌山にある亡妻の墓に入れてほしいということ
ク Gは、本件書面を発見すると、Iの家で今後の相談をする際持参してIやJに示し、Iに預けたが、後に取り戻し、Qに預けた。Qは、本件書面を廃棄したと述べている。
ケ Aは、本件事故の1か月程度前、eで、Gの子がLとまだ会っているとこぼし、落胆している様子だった。
コ Aは、本件事故の1週間前、かつて世話になったTの家を訪ね、焼香したが、その際、未亡人に対し、最近GがLの戸籍から抜けていないことを知った、生きていくのが苦しい旨話していた。
サ Aは、Gに対しては、Aの抱える多数件多額の借金につき、aの保証債務を除いて、一切話しておらず、落ち込んだそぶりも見せていない。
Gは、aで配車、電話番、パソコンへの入力を行い、G及びその子の生活を、A及びaに頼っていたが、aの経営状況についてはよく知らないまま、本件事故前も従前と特に変わりはないと認識し、Aの借入金について一切知らなかった。
(2)  前項における事実認定につき若干付言する。
乙第18、第19及び第21号証は、被告従業員Uの作成した陳述書であり、同人は証人として証言していないから、これらに記載されている内容は、いわば反対尋問を経ていない証言と同様にその信用性を慎重に吟味する必要のあるものである。
よって検討するに、同陳述書は、例えば、本件書面の内容等が伝聞として記載されているものであるが、本件書面は、平成17年4月5日の本件進行協議期日において、原告代理人からQが破棄した結果現存しない旨報告されるまで、被告にとって原本が提出される可能性のある書面と考えられていた(弁論の全趣旨)ものであるなど、原告らが同陳述書に記載された内容の大半に対し逆の立場からの立証活動を行い得る分野、少なくとも、行い得ると予想される分野に関するものということができる。そうすると、同陳述書にことさら虚偽の内容を記載すると、その後の原告らの立証活動によっては、被告の立証活動全体に対する信用を失わせる可能性があるものといえる。被告が係る危険を冒してまで同陳述書に虚偽の内容を記載すると考えることは困難である。
そして、同陳述書の内容は、当該部分の作成後に行われたGの証言とほぼ一致し、Qの発言に関する部分(上記オ)も、Qの証言内容と整合していることからすると、全体として採用し得るものということができる。
(3)  上記(1)において認定した事実によれば、Aは、経済的に破綻し、この経済的破綻が周囲の者に対し隠し通せない状況にまで進んでしまい、その解決方法として死亡保険金による返済を考え、また、精神的にも落胆して、自殺を選択したと推認され、Aには、経済的及び精神的破綻という現実からの逃避及び生命保険金獲得という自殺の動機があったということができる。
なお、Aは、街金からの借金を株式会社d等からの借入で返済して、返済の督促を当面の間回避したうえ、具体的な死を前提として本件書面を作成した可能性が高いと思われる。
(4)  以上、これまでに検討してきたところによると、本件事故は、Aが自殺を企図して発生させたものであり、急激かつ偶然な外来の事故と認めることはできない。
3  原告らは、本件事故現場は、笹や樹木が群生し自殺を企図して転落しようとするのは、一般の経験則に反する旨主張し、たしかに、前記前提事実のとおり、本件事故現場付近は、笹や樹木が群生しているから、必ずしも沢まで落下して衝撃を受けるとは限らないのではないかとの疑問があり、本件事故現場から転落すれば、確実に死に至ると思うことが困難な場所であるといえなくもない。
しかしながら、まず、経験則については、確実に死亡することや、後遺症を残さないこと、肉体的苦しみを最小のものとすることなどを第一に希望する場合と事故を装う場合を分けて考察すべきである。そして、前述したとおり、Aの自殺企図の動機の一つは、保険金の獲得にあるから、Aが自殺であることが明らかとなる方法を採らなかったことは、むしろ合目的的である。
そして、前記認定事実、証拠(乙1)によれば、片品村方面から本件事故現場に至る間、本件道路を走行中、本件道路が沢沿いにあることや本件道路と木ノ根沢との落差を視認し得ること、本件事故現場に至るまでは、本件道路に、本件車両の進行方向左側にはガードレール等が敷設され、かつ、沢に並行して走行する状態であるため沢に向かって進む余地がないが、本件事故現場付近に至ると、ガードレール等の敷設がなく、非舗装部分が存在して、車両を沢に向かわせることが可能な条件が整うこと、笹や樹木が群生しているとはいえ、本件事故現場において密生しているわけではないから、樹木と樹木の間を通れば、沢まで転落可能な状況にあることが認められ、そうすると、本件事後現場は、本件道路から沢に転落すれば、必ず死亡するとは断言できないものの、死亡する可能性があると思うことのできる場所であること、本件事故現場に至ってようやく沢に向かって飛び込むことができる場所を得たということのできる場所であったということができる。
そうすると、本件事故現場が笹や樹木が群生していることを理由に、自殺企図を否定する原告らの主張は採用できない。
4  原告らは、自殺企図では、Aの生への執着を説明することはできない旨主張し、たしかに、前記前提事実からすると、Aは転落した沢から、のり面をはい上がったものである。
しかしながら、自殺を企図し、実行したものの、即死には至らなかった場合、その行為自体が人に与える精神的及び肉体的衝撃からすると、実行する前後で考え方や行動が異なることはあり得るものと思われる。自殺を企図したAが、重傷を負った苦痛から逃れようとし、生への希望を繋ぎ、助けを求め、のり面をはい上がったとしても、不思議ではない。
また、元々、Aの自殺企図は、保険金獲得だけではなく、現実逃避が動機と考えられるから、Aが、未遂に終わったとしても、Aの苦痛等が周囲に知られたり、宥恕を得ることにより、自殺企図の目的の一部を達成すると考えた可能性もあるし、逆に、のり面をはい上がることで事故を偽装しようとした可能性もないわけではない。
そうすると、本件事故現場において、Aが転落した沢からのり面をはい上がったとしても、本件事故現場における本件車両の転落が、Aが意図したものであることを否定することにはならない。
5  以上検討したところによると、本件事故は、Aが自殺を企図して発生させたものであり、急激かつ偶然な外来の事故ということはできず、したがって、原告らの請求はいずれも理由がない。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 原道子)

 

交通事故現場見取図〈省略〉

 

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