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政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(22)平成21年12月24日 東京地裁 平20(行ウ)494号 計画通知確認処分取消等請求事件

政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(22)平成21年12月24日 東京地裁 平20(行ウ)494号 計画通知確認処分取消等請求事件

裁判年月日  平成21年12月24日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(行ウ)494号
事件名  計画通知確認処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2009WLJPCA12248012

要旨
◆第一種市街地再開発事業の施行者である独立行政法人都市再生機構による権利変換処分により建物の一部につき権利変換を受けた原告らが、独立行政法人都市再生機構が処分行政庁から受けた計画適合確認処分に瑕疵がある等としてその取消しを求めた事案において、原告らは本件建物の建築計画に東京都駐車場条例所定の駐車場付置義務違反の瑕疵がある旨の主張の前提としてJR施設と一般権利者施設が別個の建築物であって建築基準法施行令1条1項に定める一建築物一敷地原則に反するというが、一建築物一敷地の原則違反はなく、東京都駐車場条例所定の駐車場付置義務違反の瑕疵がないとして、請求が棄却された事例
◆建築基準法上の敷地の個数を決する要素となる「一の建築物」に当たるか否かの判断基準は建築基準法の規定の適用関係及びその実効性の観点からの基準であって、民法・不動産登記法等の民事法規にいう建物の個数を決する基準とは必ずしも一致せず、建築技術的な観点から構造上及び機能上の一体性が確保されており「一の建築物」として建築基準法を適用して諸規制の審査を行うことが建築基準法の趣旨・目的を没却するとはいえない場合には全体としての外観上の一体性についてもこれが認められるのが通常であり、これを肯認することが明らかに社会通念に反する特段の事情がない限り「一の建築物」に当たるとした事例
◆第一種市街地再開発事業の施行者である独立行政法人都市再生機構による権利変換処分により建物の一部につき権利変換を受けた原告らが、独立行政法人都市再生機構が処分行政庁から受けた計画適合確認処分に瑕疵がある等としてその取消しを求めるとともに、原告らが裁決行政庁から受けた棄却裁決に瑕疵がある等としてその取消しを求めた事案において、行政不服審査法上は参加人の提出した意見書との関係で審査請求人の反論の要否は審査庁の裁量に委ねられていること、審査請求の審理の経過において原告らに対しては処分行政庁の主張のほか参加人である独立行政法人都市再生機構の主張に対しても反論書の提出を通じて実質的な反論をする機会が十分に付与されたうえで裁決に至ったこと、参加人である独立行政法人都市再生機構が最後に提出した意見書の内容は原告らの直近の反論書に対する再反論を記載したものであるが、その大部分は処分違法事由となる余地のない事項に係る再反論を内容とするものであったことから、審査請求の手続に違法がなかったとして裁決取消請求が棄却された事例

参照条文
都市再開発法58条
都市再開発法86条1項
建築基準法6条1項
建築基準法6条1項(平18法92改正前)
建築基準法18条2項(平18法92改正前)
建築基準法18条3項(平18法92改正前)
建築基準法施行令1条1号
建築基準法施行令81条4項
駐車場法20条
行政事件訴訟法10条2項
建物の区分所有等に関する法律62条
裁判官
岩井伸晃 (イワイノブアキ) 第38期 現所属 宇都宮地方裁判所(所長)、宇都宮家庭裁判所(所長)
平成30年7月8日 ~ 宇都宮地方裁判所(所長)、宇都宮家庭裁判所(所長)
平成29年7月9日 ~ 宇都宮地方裁判所(所長)
平成27年5月20日 ~ 東京地方裁判所(部総括)
平成22年4月1日 ~ 最高裁判所上席調査官
平成20年4月1日 ~ 平成22年3月31日 東京地方裁判所
平成18年7月24日 ~ 平成20年3月31日 東京高等裁判所
平成13年6月4日 ~ 内閣法制局参事官(第二部)
平成12年4月1日 ~ 平成13年5月31日 広島地方裁判所
平成11年8月13日 ~ 東京地方裁判所
平成8年9月17日 ~ 法務省民事局付
平成6年10月1日 ~ 法務省民事局付兼人権擁護局付
平成5年7月2日 ~ 法務省民事局付
平成3年4月1日 ~ 平成5年7月1日 事務総局行政局付
昭和63年4月1日 ~ 和歌山地方裁判所、和歌山家庭裁判所
昭和61年4月11日 ~ 東京地方裁判所

小海隆則 (コカイタカノリ) 第43期 現所属 東京高等裁判所
平成29年4月1日 ~ 東京高等裁判所
平成26年4月12日 ~ 東京地方裁判所(部総括)
平成26年4月1日 ~ 東京高等裁判所
平成25年4月1日 ~ 大阪地方裁判所(部総括)
平成23年4月1日 ~ 平成25年3月31日 大阪地方裁判所
平成21年7月22日 ~ 平成23年3月31日 東京地方裁判所
平成19年4月1日 ~ 平成21年7月21日 東京高等裁判所
平成17年4月1日 ~ 平成19年3月31日 事務総局経理局総務課長
平成15年4月1日 ~ 平成17年3月31日 事務総局経理局主計課長
平成13年4月1日 ~ 平成15年3月31日 那覇地方裁判所石垣支部、那覇家庭裁判所石垣支部
平成10年6月22日 ~ 平成13年3月31日 大阪地方裁判所
平成7年4月1日 ~ 東京地方裁判所
平成5年4月1日 ~ 平成7年3月31日 事務総局総務局付
平成3年4月9日 ~ 平成5年3月31日 大阪地方裁判所

須賀康太郎 (スガコウタロウ) 第50期 現所属 法務省訟務局行政訟務課長
平成30年4月1日 ~ 法務省訟務局行政訟務課長
平成28年4月1日 ~ 釧路地方裁判所(部総括)、釧路家庭裁判所(部総括)
平成23年8月1日 ~ 最高裁判所調査官
平成21年4月1日 ~ 平成23年7月31日 東京地方裁判所
平成19年4月1日 ~ 平成21年3月31日 釧路地方・家庭裁判所北見支部、釧路地方・家庭裁判所網走支部
平成17年4月1日 ~ 平成19年3月31日 事務総局行政局付
平成16年4月1日 ~ 平成17年3月31日 東京地方裁判所
平成14年3月25日 ~ 東京地方裁判所
平成10年4月12日 ~ 平成14年3月24日 横浜地方裁判所

訴訟代理人
原告側訴訟代理人
小林克信,伊藤克之,河村文,稲見秀登

関連判例
平成20年12月25日 東京地裁 判決 平17(行ウ)622号・平18(行ウ)336号・平18(ワ)29737号・平18(ワ)29743号・平19(ワ)4985号・平19(ワ)13748号 事業認可取消等請求事件、土地建物明渡請求処分取消請求事件、建物明渡請求事件、損害賠償反訴請求事件
平成20年 4月18日 東京地裁 判決 平19(行ウ)336号・平19(行ウ)638号 建築確認処分取消等請求事件、追加的併合申立事件 〔新宿マンション訴訟・第一審〕
平成19年10月23日 東京地裁 判決 平17(ワ)8172号 建築工事差止請求事件
平成19年 9月27日 東京地裁 判決 平18(行ウ)482号 建築確認処分取消請求事件
平成18年 9月29日 東京地裁 判決 平17(行ウ)323号 建築確認処分取消請求事件
平成17年11月21日 東京地裁 判決 平15(ワ)9701号 建物撤去等請求事件
平成13年 2月28日 東京地裁 判決 平11(行ウ)156号 建築確認処分取消請求事件

Westlaw作成目次

主文
1 原告らの請求をいずれも棄却す…
2 訴訟費用は,原告らの負担とす…
事実及び理由
第1 請求
1 処分行政庁が平成19年4月1…
2 裁決行政庁が原告らの平成19…
第2 事案の概要
1 関係規定の定め
(1) 建築基準法(平成18年法律第…
(2) 建築基準法施行令
(3) 駐車場法20条
(4) 東京都駐車場条例(昭和33年…
2 前提事実(争いのない事実,顕…
(1) 国土交通大臣は,平成17年1…
(2) 国土交通大臣は,平成17年8…
(3) 原告らは,平成17年12月2…
(4) 機構は,平成18年12月27…
(5) 原告らは,平成19年6月19…
(6) 機構は,平成20年3月26日…
(7) 本件建物は,大要,その西側を…
(8) 原告らは,平成20年8月16…
3 争点
(1) 本件処分の違法性の有無(後記…
(2) 都市再開発法違反の瑕疵が本件…
(3) 本件裁決の違法性の有無(上記…
4 争点に関する当事者の主張の要旨
(1) 争点(1)(本件処分の違法性…
(2) 争点(2)(都市再開発法違反…
(3) 争点(3)(本件裁決の違法性…
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(本件処分の違法性…
(1) 都市再開発法による権利変換を…
(2) 原告らは,本件建物の建築計画…
(3) 次に,原告らは,更に公益施設…
2 争点(2)(都市再開発法違反…
(1) 原告らは,機構が計画適合確認…
(2) しかし,処分の取消しの訴えと…
3 争点(3)(本件裁決の違法性…
(1) 原告らは,裁決行政庁が反論書…
(2) しかし,他方で,前記前提事実…
第4 結論

裁判年月日  平成21年12月24日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(行ウ)494号
事件名  計画通知確認処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2009WLJPCA12248012

東京都武蔵野市〈以下省略〉
原告 X
東京都小金井市〈以下省略〉
原告 株式会社鈴木工務店
代表者代表取締役 A
原告ら訴訟代理人弁護士 小林克信
同 伊藤克之
同 河村文
同 稲見秀登
東京都新宿区〈以下省略〉
被告 東京都
代表者知事 石原慎太郎
処分行政庁 東京都建築主事平山博
裁決行政庁 東京都建築審査会
上記代表者会長 立石真
指定代理人 直井春夫
同 中村篤司

 

 

主文

1  原告らの請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は,原告らの負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  処分行政庁が平成19年4月17日付け18多建建二建第4042号をもって独立行政法人都市再生機構に対してした別紙物件目録記載の建築物に係る建築基準法18条3項の規定に基づく計画適合確認処分を取り消す。
2  裁決行政庁が原告らの平成19年6月19日付け審査請求について平成20年2月18日付けでした裁決を取り消す。
第2  事案の概要
本件は,武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業(以下「本件事業」という。)の施行者である独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)による権利変換処分(都市再開発法86条)によって別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)の一部につき権利変換を受けた原告らが,機構が処分行政庁から受けた請求第1項記載の計画適合確認処分(以下「本件処分」という。)に東京都駐車場条例(昭和33年東京都条例第77号)に違反する瑕疵がある等として,その取消しを求めるとともに,原告らが裁決行政庁から受けた請求第2項記載の裁決(以下「本件裁決」という。)に適正手続違反の瑕疵がある等として,その取消しを求めている事案である。
1  関係規定の定め
(1)  建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの。以下同じ。)
ア 6条
建築主は,1号から3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(中略)においては,当該工事に着手する前に,その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地,構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて,確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け,確認済証の交付を受けなければならない(1項前段)。
(ア) (略)(1号,2号)
(イ) 木造以外の建築物で二以上の階数を有し,又は延べ面積が200m2を超えるもの(3号)
イ 18条
(ア) 6条1項の規定によって建築し,又は大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする建築物の建築主が国,都道府県又は建築主事を置く市町村である場合においては,当該国の機関の長等は,当該工事に着手する前に,その計画を建築主事に通知しなければならない(2項)。
(イ) 建築主事は,上記(ア)の通知を受けた場合においては,6条4項に定める期間内に,当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定(6条の3第1項1号若しくは2号に掲げる建築物の建築,大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項3号に掲げる建築物の建築について通知を受けた場合にあっては,同項の規定により読み替えて適用される6条1項に規定する建築基準関係規定。以下この項において同じ。)に適合するかどうかを審査し,審査の結果に基づいて,①建築基準関係規定に適合することを認めたときは,当該通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付しなければならず,②建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき,又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは,その旨及びその理由を記載した通知書を当該通知をした国の機関の長等に対して交付しなければならない(3項)。
(2)  建築基準法施行令
ア 1条
この政令において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(ア) 敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう(1号)。
(イ) (略)(2号以下)
イ 9条
建築基準法6条1項(中略)の政令で定める規定は,次の各号に掲げる法律の規定並びにこれらの規定に基づく命令及び条例の規定で建築物の敷地,構造又は建築設備に係るものとする。
(ア) 消防法9条,9条の2,15条及び17条,屋外広告物法3条から5条まで(広告物の表示及び広告物を掲出する物件の設置の禁止又は制限に係る部分に限る。),港湾法40条1項,高圧ガス保安法24条並びにガス事業法40条の4(1号から5号まで)
(イ) 駐車場法20条(6号)
(ウ) 水道法16条,下水道法10条1項及び3項並びに30条1項,宅地造成等規制法8条1項及び12条1項,流通業務市街地の整備に関する法律5条1項,液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律38条の2,都市計画法29条1項及び2項,35条の2第1項,41条2項(同法35条の2第4項において準用する場合を含む。),42条(同法53条2項において準用する場合を含む。),43条1項並びに53条1項,特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法5条1項から3項まで(同条5項において準用する場合を含む。),自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律5条4項,浄化槽法3条の2第1項並びに特定都市河川浸水被害対策法8条(7号から16号まで)
(3)  駐車場法20条
地方公共団体は,駐車場整備地区内又は商業地域内若しくは近隣商業地域内において,延べ面積が2千m2以上で条例で定める規模以上の建築物を新築し,延べ面積が当該規模以上の建築物について増築をし,又は建築物の延べ面積が当該規模以上となる増築をしようとする者に対し,条例で,その建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設(以下「駐車施設」という。)を設けなければならない旨を定めることができる。劇場,百貨店,事務所その他の自動車の駐車需要を生じさせる程度の大きい用途で政令で定めるもの(以下「特定用途」という。)に供する部分のある建築物で特定用途に供する部分(以下「特定部分」という。)の延べ面積が当該駐車場整備地区内又は商業地域内若しくは近隣商業地域内の道路及び自動車交通の状況を勘案して条例で定める規模以上のものを新築し,特定部分の延べ面積が当該規模以上の建築物について特定用途に係る増築をし,又は建築物の特定部分の延べ面積が当該規模以上となる増築をしようとする者に対しては,当該新築又は増築後の当該建築物の延べ面積が2千m2未満である場合においても,同様とする(1項)。
(4)  東京都駐車場条例(昭和33年東京都条例第77号。乙2)
別表第三(本判決末尾添付の別表参照)の(い)欄に掲げる区域内において,当該区域に対応する同表の(ろ)欄に掲げる床面積が同表の(は)欄に掲げる面積を超える建築物を新築しようとする者は,同表の(に)欄に掲げる建築物の部分の床面積をそれぞれ同表の(ほ)欄に掲げる面積で除して得た数値を合計して得た数値(延べ面積(自動車及び自転車の駐車の用に供する部分の床面積を除く。以下同じ。)が6千m2に満たない場合においては,当該合計して得た数値に同表の(へ)欄に掲げる算式により算出して得た数値を乗じて得た数値とし,当該数値が二未満の場合は,二とする。)以上の台数の規模を有する駐車施設を当該建築物又は当該建築物の敷地内に附置しなければならない(17条1項本文)。
2  前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)  国土交通大臣は,平成17年1月12日,都市再開発法58条1項の規定に基づき,機構を施行者とする本件事業に係る施行規程及び事業計画を認可した。本件事業は,1-Ⅰ街区(商業地区),1-Ⅱ街区(住宅・商業・業務地区)及び1-Ⅲ街区(公益・商業・業務地区)から成っている。(乙3,4)
(2)  国土交通大臣は,平成17年8月1日,都市再開発法58条1項の規定に基づき,本件事業に係る施行規程及び事業計画の変更を認可した。(乙5)
(3)  原告らは,平成17年12月2日,本件事業の施行者である機構が都市再開発法86条1項の規定に基づいてした権利変換処分により,本件建物の一部(後記(7)の一般権利者施設)につき権利変換を受けた。
(4)  機構は,平成18年12月27日,建築基準法18条2項の規定に基づき,処分行政庁に対し,本件事業のうち1-Ⅲ街区(公益・商業・業務地区)に係る建築物である本件建物の建築の計画を通知した。この通知には,上記(2)の変更後の事業計画に係る設計の概要との間で,記載内容のそごがあった。(甲7,乙7)
処分行政庁は,平成19年4月17日,機構に対し,建築基準法18条3項の規定に基づき,本件建物の確認済証を交付した(本件処分)。
(5)  原告らは,平成19年6月19日,裁決行政庁に対し,本件処分の取消しを求めて審査請求(以下「本件審査請求」という。)をしたところ,裁決行政庁は,平成20年2月12日,参加人である機構が提出した同日付け意見書副本を通知書(以下「本件通知書」という。)とともに原告らに送付した。本件通知書には,行政不服審査法22条5項の規定に準じて同意見書副本を送付する旨の記載に加え,「なお,当該意見書に対する反論があるときは,同法第23条後段の規定に準じ,本書到達の翌日から起算して14日以内に当庁に「意見書に対する反論書」を・・・提出してください。」との記載がある。裁決行政庁は,同月18日,本件処分に係る審査請求を棄却する旨の本件裁決をした。(甲1,9)
(6)  機構は,平成20年3月26日,本件事業について,上記(4)の記載内容のそごを解消する内容の事業計画変更認可申請を国土交通大臣に対して行い,同年4月24日,同大臣は,都市再開発法58条1項の規定に基づき,この変更を認可した。(甲7,乙6)
(7)  本件建物は,大要,その西側を占める小金井市を権利者とする公益施設(以下,単に「公益施設」という。)と東側を占める商業業務施設から成り,商業業務施設は,北側を占める東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)を権利者とする施設(以下「JR施設」という。)と南側にある原告らを権利者とする施設(以下「一般権利者施設」という。)から成っている。(甲12,乙9)
(8)  原告らは,平成20年8月16日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)
3  争点
(1)  本件処分の違法性の有無(後記(2)の点を除く。以下同じ。)
(2)  都市再開発法違反の瑕疵が本件処分及び本件裁決の取消事由となるか否か。
(3)  本件裁決の違法性の有無(上記(2)の点を除く。以下同じ。)
4  争点に関する当事者の主張の要旨
(1)  争点(1)(本件処分の違法性の有無)について
(原告らの主張の要旨)
ア 一建築物(一建物)一敷地の原則について
建築基準法施行令1条1号によれば,敷地とは「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう」のであるのであるから,原則として,一の敷地には「一の建築物」しか建築することができず,複数の建築物を建築する場合には,建築物ごとに敷地を分割する必要がある(一建築物(一建物)一敷地の原則)。一つの敷地上に複数の建物群が建てられた場合,実体どおりに2個以上の建築物として扱われれば,各建築物ごとに敷地が分断され,それぞれの敷地ごとに接道義務,容積率制限,日影規制などの法規制が適用されることになるところ,「一の建築物」としての取扱いを許せば,これらの諸々の法規制の潜脱を許すことになる。したがって,同号の規定は,これを単なる定義規定とみることはできず,一つの敷地には「一つの建築物」しか建築することができず,複数の建築物を建築する場合には建築物ごとに敷地を分割しなければならないという具体的義務を定めた規定と解すべきである。
そして,ある建築物が「一の建築物」であるか否かは,建築基準法の各種規定の趣旨・目的を考慮しながら社会通念により判断すべきこととなる。社会通念上,一の建築物とは,一棟の建物をいうと解するのが一般的であることからすれば,一の建築物とは,外観上分離されておらず,構造上も外壁,床,天井,屋根といった建築物の主要な構造部分が一体となって連結し,あるいは,密接な関連をもって接続しているものを指すと解すべきである。特に,本件においては,東京都駐車場条例17条1項の駐車場附置義務に関連して,この点が問題となるのであって,同項の趣旨は,当該建築物の利用者の駐車場を確保して,周辺の交通渋滞や違法駐車を防止し,道路交通の円滑を確保し,もって公衆の利便に資するとともに,都市の機能の維持及び増進に寄与することにある。そうすると,当該建築物の利用者が利用できるものでなければ駐車場の附置を義務付けた意味がないから,「一の建築物」であるか否かの判断は,構造上及び外観上の一体性のほか,設置された駐車場を当該建築物の利用者が利用できるかという利用上の一体性が重要な判断要素となる。被告は,専門的及び技術的な見地から「一の建築物」に当たるという一応の合理的な説明のできるものについて,その説明が社会通念上到底容認できないとか建築基準法の趣旨・目的に明らかに反する等の特段の事情がない限り,「一の建築物」に当たると判断するのが相当であるというが,緩やかに過ぎ,建築基準法が敷地ごとに接道義務,容積率制限,日影規制等の規制を設けている趣旨を没却するもので,妥当でない。
イ 駐車場附置義務違反の違法事由
(ア) JR施設と一般権利者施設とは別個の建物であること
a JR施設と一般権利者施設は,境界が明確に設定されている以上,一体の建物とみなすことはできず,分棟による別個の建物とみるよりほかにない。すなわち,JR施設と一般権利者施設との間には空間があって,両施設は完全に分けられている。また,機構は,当初は1棟の計画としていたものを,JR東日本の意向から,JR施設と一般権利者施設とに分棟することとし,わざわざ「施設分棟に伴う建物の形状変更」を行って,事業契約の変更認可を受けている。また,エレベーターは,一般権利者施設の方がJR施設の反対を向く形で作られており,入口も一般権利者施設とJR施設との間に敷居がないというだけで,両施設の利用者が入り交じることは想定し難い。
b 被告は,外観上の一体性があるというが,実際にJR施設と一般権利者施設を比較すれば,JR施設の機械式駐車場部分の外壁は縦スリット模様のパネル,JR施設の店舗部分の外壁はガラスパネルであるのに対し,一般権利者施設の外壁は金網(エクスパンションメタル)であり,外壁間に大きなすき間が空いている。色・質感も全く異なり,連続性,一体性を欠いていることが一目瞭然で,外観の一体性はない。共に金属だから同材質であり外観上一体というのでは,この基準を設けた意味がないに等しい。
c また,両施設は,隔壁で隔てられ,その間には約60cmのすき間が存在しており,外壁,天井,床及び屋根のいずれをとっても連結しておらず,また,密接な関連をもって接続しているということもできないから,構造上の一体性も認められない。JR施設と一般権利者施設との間は隔壁で隔てられ,すき間が空いており,両者を接合するものは,エキスパンションジョイントと連絡デッキだけである。
しかし,エキスパンションジョイントとは,建材のコンクリートや鉄が温度差によって膨張や収縮を繰り返すため,壁や床にひびが入ったりすることを防ぐために,建物を構造的に分割してアルミやステンレス等の金属のカバーを取り付けて建物同士を接合する技術であり,接合される建物同士は構造上独立であることが前提である。エキスパンションジョイントは,構造上別個の建物を接合するものであり,これを利用するにもかかわらず,両施設をもって一の建築物ということは,建築基準法施行令81条4項の文言にも反する。被告は,同項が全体として一の建築物になることを前提に,構造計算上は別個の建物とみなす規定であるというが,同項は,構造上別々だからこそ安全確保を趣旨とする構造計算において別に取り扱うことを確認した規定であると解するのが自然である(以上のことは,同項が新設された経緯を考慮しても変わらない。)。
また,連絡デッキについても,隔壁を設置する計画変更をした時点でこれを設ける計画はなく,その後,原告らが建物の一体性を問題にしたのに対し,機構は,急きょ計画にない連絡デッキの設置を始め,その後,計画変更をしないまま計画とは異なる内容の工事を進めていることが問題にされると,工事を一時中断した上で,ようやく事業計画の変更の認可を得たものであり,連絡デッキの設置は,一体性を表面上取り繕うために泥縄式に行われたものにすぎず,これを根拠として両施設に構造上の一体性があるということはできない。
さらに,JR施設と一般権利者施設との間には隔壁が存在しており,被告自身,これを設置した理由について,大規模権利者と一般権利者とはその属性が異なることから,権利者ごとの利用しやすさを考慮したためとしており,実際上両施設が別々に機能することを想定しているのであって,両施設に機能上の一体性(利用上の一体性)はない。被告は,連絡デッキで接続されていることをもって利用者が相互の建物を日常通行できるというが,当該デッキは実際には非常階段にすぎず,相互に日常通行することは想定されていない。図面(甲3の2)等には,JR施設も一般権利者施設も「商業業務棟」と記載されているが,「商業業務」といっても多種多様であり,特に,JR施設は,主に飲食店など,他者に賃貸して賃料収入を得ることが想定されるものであるのに対し,一般権利者施設は,原告らがその一部を自らの事務所として利用し,その余を他者に賃貸して賃料を得ることとなる。JR東日本のような大企業が賃貸する事業者と原告らのような中小事業者が賃貸する事業者とはその性格が大きく異なり,まして一般権利者施設を原告ら自らが事務所として利用する形態は,JR施設の利用形態とは全く異なる。
加えて,JR施設の機械式駐車場はJR東日本に権利変換されて,JR東日本の単独所有であるところ,同駐車場の使用に関し,機構は,JR東日本と原告らがこれを共用できるように調整することはしないとの態度を採っており,また,JR東日本は,原告らに同駐車場を使用させる旨の確約をしておらず,この点の同意の有無の問い合わせに対し回答を拒否している。一般権利者施設の利用者は,JR施設の機械式駐車場を利用できる保障が何もなく,事実上これを利用できない状態に置かれている。そして,そもそも両施設の利用者が一体となることを否定するために事業計画が変更されて分棟となったのである。機構自ら,図面(甲3)上で「分棟」と明言し,機構の依頼で作成された従後資産評価業務(甲17)においても,両者が別棟であることを前提に,両施設間に分筆線が引かれている。以上のことを考えれば,JR施設と一般権利者施設との間に利用上の一体性を認めることはできない。
(イ) 東京都駐車場条例違反の瑕疵
「商業業務棟」の建設が予定されている地域は,商業地域であり,東京都駐車場条例17条及び別表第三の「駐車場整備地区等」に当たる。そして,JR施設とは別個の建築物である一般権利者施設の店舗部分(特定用途)496m2と事務所部分(特定用途)663m2とを合計すると,1159m2となり,非特定用途の面積が653.33m2となるから,同別表の定めによれば,同別表(ろ)の数値は1500m2を超え,一般権利者施設には,JR施設とは別途,駐車場を附置する必要がある。
しかし,JR施設には機械式駐車場の設置が予定されているものの,一般権利者施設には駐車場の設置が予定されていない。これは,東京都駐車場条例による駐車場附置義務に違反するものであり,その点を看過してされた本件処分には,同条例違反の瑕疵がある。
ウ 原告らの所有権侵害の違法事由
(ア) 公益施設と商業業務施設とは別個の建物であること
公益施設と商業業務施設との間は,外壁及び幅2m以上の外部通抜通路で隔てられており,連続性,一体性がないし,処分行政庁の基準によったとしても,基準の定める場合に当てはまらず,外観上の一体性がない。被告は,階数が低いものにあっては柔軟に対応するとの基準によって条件を緩和したというが,恣意的なものというべきである。
また,両施設間を結ぶものは,1階の風除室と2階の連絡デッキしかなく,外壁及び幅2m以上の外部通抜通路で隔てられ,明らかに離れた位置に建てられている。さらに,両施設間には,エキスパンションジョイントによる接合が1箇所あるのみで,エキスパンションジョイントは元来別の構造であることを前提として使用されるものであるから,明らかに構造上の一体性がない。
さらに,両施設は,それぞれ独自にエントランスを持ち,各棟それぞれが独立して使用されることが予定されている。両施設が全く異なる目的のために建てられていることからしても,一体的に機能するものとして考えられていないことが明らかであり,両施設に機能上の一体性はない。被告は風除室と2つのエントランスが全体として一体となっているというが,外気や強風,雨等が直接玄関口に入ってくることを防ぐための技術的目的で設けられるものにすぎない風除室を同じくするというだけで,一体のメインエントランス部分を構成しているなどというのは無理があるというべきである。
(イ) 原告らの所有権に対する違法な制約
1-Ⅲ街区内の各建物(公益施設,JR施設及び一般権利者施設)が本来のあるべき姿のとおり別個の建物として取り扱われ,それに適合するように敷地も3筆に分筆されていれば,一般権利者施設の共有者は原告らのみとなり,JR東日本や小金井市の意向とは関係なく,自らの判断で自由に建て替えをすることができるはずである。しかし,一般権利者施設がJR施設のみならず公益施設との関係でも「一の建築物」として扱われることによって,JR東日本のほか,小金井市とも区分所有関係に立つことになり,建て替えに当たっては建物の区分所有等に関する法律62条以下の規制を受け,区分所有者及び議決権の各5分の4の多数決による建て替えの決議を経なければならず,建て替えをいつ,どのようにするかについて,事実上,JR東日本や小金井市の了解を取り付けなければならないこととなって,その意向により大きな制約を受けることになる。本来,別個であるはずの公益施設が自己の建物と一体として扱われることにより,原告らの所有権に対する違法な制約が生じているのである。
エ 被告の主張に対する反論
以上のとおり,一般権利者施設がJR施設・公益施設とはそれぞれ別個の建物であるのに,JR施設と「一の建築物」とされることによって,駐車場附置義務違反の違法が生じている上,公益施設とも「一の建築物」とされることによって,原告らの所有権の侵害の違法が生じている。このように,一建物一敷地の原則違反の違法は,原告らの法律上の利益に密接に関連しており,行政事件訴訟法10条1項の規定との関係においても,原告らの主張は何ら制限されることがないというべきである。
(被告の主張の要旨)
ア 本件処分の違法事由の欠如
処分行政庁は,建築基準法18条3項の規定により本件建物の建築計画が建築基準関係規定に適合することを審査し,審査の結果に基づいて,建築基準関係規定に適合することを確認した上で,本件処分をしたのであり,本件処分には何らの違法もない。
イ 原告らの主張の前提の欠如
原告らは,本件建物のうち,公益施設,JR施設及び一般権利者施設がそれぞれ建築基準法上独立の建築物であることを前提に,東京都駐車場条例違反を主張しているが,この主張は前提を欠いており,誤りである。
(ア) 「一の建築物」の判断基準
「一の建築物」について建築基準法では定義がされていないことから,ある建築物が「一の建築物」として認められるかどうかは,社会通念に従って,個々の事案ごとに判断していくほかないものであるが,専門的及び技術的な見地から「一の建築物」に当たるという一応の合理的な説明のできるものについて,その説明が社会通念上到底容認できないとか建築基準法の趣旨・目的に明らかに反する等の特段の事情がない限り,「一の建築物」に当たると判断するのが相当である。
処分行政庁は,外観上,構造上及び機能上の各観点から,おおむね次の基準により「一の建築物」に当たるか否かを判断している。
a 外観上の一体性
地下部分のみの接続では「一の建築物」として認識することが困難であることから,地上部分が次のいずれかの接続状態にあること(小規模なものや階数が低いものにあっては柔軟に対応する。)。
(a) 地上から目視できる部分で2層以上つながっているもの
2層部分は,居室又は建築物を成立させるために必要な附属施設のうち,電気設備室,ガス設備室,情報通信設備室,給排水設備室,熱供給設備機械室,ゴミ処理室,雨水貯留槽,防災関連施設(備蓄倉庫,貯水槽),集会室,管理・監視室等で接続されていること。
(b) 渡り廊下で3層以上接続されているもの
b 構造上の一体性
(a) エキスパンションジョイントで接続されている場合を含め,一体の構造となっているもの
(b) 鉄骨造,鉄骨鉄筋コンクリート造,鉄筋コンクリート造など構造を別とする建物が一体的に接続しているもの
c 機能上の一体性
建物の内外にかかわらず,一体的に管理又は使用されるもので,次のいずれかに該当するもの
(a) 利用者が相互の建物を日常通行できること
(b) 建築設備(防災設備,給排水設備,電気・ガスなど供給処理施設)を共有していること
(c) 避難計画が他の建物の避難施設を利用して行われるもの
(イ) 本件建物が「一の建築物」であること
本件建物は,外観上,構造上及び機能上の一体性を有しており,建築基準法上一体の建築物である。
JR施設と一般権利者施設は,2階から5階まで連絡デッキで接続しており,両部分の接続部の外壁を同材質(金属)のカーテンウォール,縦スリット模様のパネルで覆い,連続性,一体性のある外観を形成している(JR施設の南側外壁は縦スリット模様のパネル,JR施設の北側と東側の一部の外壁はガラスパネルであり,一般権利者施設の外壁は金網(カーテンウォール)となっているが,子細にみれば,それぞれの境の外壁間のすきまは外部に面するところでふさがれている。)。別途,公益施設とJR施設においても,1階部分は共用のエントランス及び風除室を設け,2階部分は連絡デッキで接続しており,利用者が施設間を相互に通行できる(公益施設の2階,4階及び5階部分は吹き抜け等であり,実際に公益施設利用者がJR施設に回遊するフロアはJR施設の1階及び2階(公益施設は3階)の2層のみである。)。したがって,一般権利者施設とJR施設及び公益施設の各施設間を利用者が連続して相互に通行することが可能である。
さらに,JR施設と一般権利者施設は2階から5階の連絡デッキ部分においてエキスパンションジョイントによって接続されていることから,構造上も一体のものと評価される。また,公益施設と商業業務施設は,両者を結ぶ連結デッキ部分でエキスパンションジョイントで接続されている。原告らは,「一の建築物」とは,外観上分離されておらず,構造上も外壁,床,天井,屋根といった建築物の主要な構造部分が一体となって連結し,あるいは,密接な関連をもって接続しているものを指すと解すべきであると主張するが,この主張がエキスパンションジョイントで接合されている構造物すべてが「一の建築物」に当たらないというものならば,日々発展する建築技術からみて硬直的過ぎる解釈であるといわざるを得ない。
加えて,JR施設と一般権利者施設とは,接続している2階から5階までの連絡デッキ部分において,両施設間を相互に利用者が通行でき,1階部分の小金井街道側の階段及びエレベーターを含むエントランス部分は,小金井街道側の出入口として一体的な空間を共有している。また,公益施設と商業業務施設とは,1階に共用の風除室で結ばれたメインエントランスを設けており,公益施設の3階と商業業務施設の2階とは連絡デッキによって利用者が両施設間を通行できる。さらに,公益施設の地下1階部分に,本件建築物全体の防災,防火,通信,電話等の通信引込み用の共用電気室を設置しており,建築設備の一部を共用している。なお,本件建築物の計画には,機械式駐車場があるが,共用駐車場として利用することになっている。
(ウ) 建築基準法施行令81条4項の規定の趣旨
建築基準法施行令81条4項は,エキスパンションジョイントのみによる接続部分がある建築物であっても全体として「一の建築物」と解される場合があることを前提として,そのような建築物であっても,同法20条2号等の規定に基づき政令で定める構造計算に関する規定の適用については,接続されていない別個の建築物であるとみなしてこれらの規定を適用することを定めたものである。この場合に,各部分が当然に別個の建築物になるという考え方が採られているのであれば,「別の建築物とみなす」との表現を用いる必要はない。建築基準法施行令81条4項(導入時は同条2項)は,建築物の耐震構造の強化を主な目的とする昭和55年改正により設けられた規定であるところ,建築物の各部分がエキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法で接続されているものである場合に,その接続された全体が一の建築物であって,各部分について別の構造計算の方法を適用してもよいことを定めたものであり,上記解釈はこの経緯とも適合する。
(エ) 東京都駐車場条例違反の欠如
機械式駐車場は,本件建物の建築計画において,本件建物の共用駐車場として利用することになっている。また,そもそも東京都駐車場条例による附置義務台数の計算は,建築物の規模及び用途から決せられるのであり(附置義務駐車施設は,敷地・建築物の全体から台数を算出し,建築物又は建築物の敷地に附置することになっているところ,本件建物の建築計画を前提とした場合,東京都駐車場条例による附置義務台数は48台であるのに対し,実附置台数は48台である。),駐車場の所有権の帰属は何ら関係ない。
(オ) 建築基準法施行令1条1号の規定の趣旨
原告らは,建築基準法施行令1条1号の規定に基づき,本件建物が「一の建築物」でないので,本件処分には一建物一敷地の原則に反する違法があると主張している。しかし,同号は,「敷地」の定義規定にすぎず,建築主の具体的な義務を課す規定ではないから,建築基準法違反の直接の根拠とはなり得ない。
(カ) 事業計画の変更の経緯等
機構は,平成17年1月12日付けで本件事業の事業計画の認可を受け,権利変換計画の策定に向けた関係権利者との権利変換の意向等に関する協議を行った。機構は,大規模権利者以外の一般権利者の権利変換の意向をおおむね把握した段階で,権利変換を希望する一般権利者の従前資産のうち1階外向き店舗の区画数に対し,従後資産(権利床)としての割当てを想定していた1-Ⅱ街区の店舗の区画数では不足が生じることが見込まれたことから,1-Ⅲ街区において,外向き店舗を含む一般権利者向け区画を設けることとし,地区全体の設計精査等と併せて,1-Ⅲ街区の設計も見直し,平成17年8月1日付けで事業計画の認可を受けた。この設計の見直しに際し,当初から1-Ⅲ街区への区画の割当てを想定していた大規模権利者(JR東日本)と事業計画の変更により新たに区画を割り当てられることになる一般権利者とはその属性が異なることから,権利者ごとの利用しやすさを考慮して,一般権利者(原告ら)割当想定部分と他の大規模権利者(JR東日本)割当想定部分との間に隔壁を設置した。
処分行政庁は,上記の客観的事情からJR施設と一般権利者施設とを一体のものとして判断したのであり,隔壁が設置されることになった経緯は,本件処分の適法・違法の判断にはかかわらない。なお,機構は,隔壁を設置する計画変更をするに際し,JR施設と一般権利者施設が建築基準法上一体の建築物であることを前提として,小金井街道に面した一体的なエントランス及び2階から5階までの両部分を結ぶ連絡デッキを設置することとしたものである。
ウ 将来の建て替えの制約の回避の「自己の法律上の利益」該当性
原告らは,将来の建て替えの制約を受けるのを避けることが行政事件訴訟法10条1項の「自己の法律上の利益」に当たると主張している。しかし,本件処分の処分要件を定める建築基準法及び建築基準関係規定のいずれにも建て替えの利益を保護する趣旨の規定はない。原告らの主張によれば,建て替えの制約は建物の区分所有等に関する法律62条以下によるものであるが,同法は建築基準関係規定には当たらない。したがって,建て替えの制約を回避する利益は,行政事件訴訟法10条1項の「自己の法律上の利益」に当たらない。
(2)  争点(2)(都市再開発法違反の瑕疵が本件処分及び本件裁決の取消事由となるか否か)について
(原告らの主張の要旨)
機構が計画適合確認の申請をし,本件処分及び本件裁決がされた時点において,本件建物は,都市再開発法上の事業計画の設計の概要と,建築基準法上の建築計画の通知との間で,記載内容にそごがあり,違法な建築物であった。それにもかかわらず,その違法が是正されないまま計画適合確認がされ,本件処分がされた。
本来,事業計画の変更手続によって違法が是正されない限り,本件建物の建築の許可をすることはできないはずである。それにもかかわらず,処分行政庁は,漫然と認可された建物と本件建物が異なるものであることを見逃し,本件処分を行い,裁決行政庁も,本件建物が認可されていない違法な建築物であることを看過して審査請求を棄却する本件裁決をしたのであり,いずれも取り消されなければならないのは当然である。
(被告の主張の要旨)
建築基準法18条3項に基づく計画適合確認は,同法6条1項に規定する建築基準関係規定に適合するか否かを審査するものであるところ,建築基準関係規定は建築基準法施行令9条に具体的に定められている。しかし,都市再開発法は,同条に掲げられておらず,建築基準法6条1項に規定する建築基準関係規定に当たらない。したがって,本件建物が都市再開発法に違反するものであるとしても,そのことは本件処分の取消事由とはならない。
(3)  争点(3)(本件裁決の違法性の有無)について
(原告らの主張の要旨)
裁決行政庁は,平成20年2月12日,原告らに対し,「意見書副本の送付と反論書の提出について(通知)」と題する書面(甲9)において,意見書の副本を送付するとともに,同書面到達の翌日から起算して14日以内に,反論書の提出を求めた。しかし,同審査会は,この提出期限より前の同年2月18日に,原告らから反論書の提出を受けていないにもかかわらず,本件裁決をした。
この結果,裁決行政庁は,本件審査請求の手続において,原告らに反論の機会を与えるとしながら,反論書提出期限前に本件裁決をして反論の機会を奪った。これは,憲法31条が保障する適正手続に違反するものであり,審査請求手続自体が違憲・違法である。
(被告の主張の要旨)
ア 行政不服審査法が審査請求人に対し反論書提出の機会を保障した趣旨は,審査請求人に対し,十分に主張を尽くさせ,もって裁決の公正妥当を図ろうとすることにあるから,既に審査請求人が十分な反論書の提出の機会が与えられた場合,更なる反論書の提出の機会が結果として制限されたとしても,実質的に審査請求人の反論の機会を奪ったものとは解されず,また,それによって裁決の結論に何ら影響を及ぼすものではないことが明らかであるから,これをもって直ちに違法と断ずることはできない。
また,行政不服審査法は,審査請求人が反論書を提出することができるとの手続規定を置くが,行政不服審査法23条が規定する反論書は,処分行政庁の弁明書に対する反論書であり,同法には同法24条に基づき参加した参加人の意見書に対する反論書の提出を保障する明文の規定はない。
イ 原告らは,本件審査請求の手続において,処分行政庁の弁明書に対して7回反論書(ただし,2回は参加人の意見書に対する反論書を兼ねる。)を提出し,参加人の意見書に対しても1回反論書(ただし,処分行政庁の弁明書に対する反論書を兼ねた2回を除く。)を提出し,合計8回反論書を提出している。
また,裁決行政庁に提出された最後の書面である平成20年2月12日付け参加人の意見書は,同年1月13日付け原告らの反論書に対する再反論書であるが,主な記載事項は本件建物が1棟であるか否かに関するもので,従来の主張の繰り返しが多く,その他本件裁決に影響を与える新たな主張は存しない。
さらに,原告らは口頭審査において十分な主張の機会を与えられていること,原告らが提出の機会を奪われたとする反論書は行政不服審査法が明文で保障する処分行政庁の弁明書に対する反論書ではなく,参加人の意見書に対する反論書であることからすれば,原告らが9回目の反論書の提出の機会を与えられなかったことをもって直ちに本件裁決を取り消すまでの実質的な違法があるとまではいえない。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)(本件処分の違法性の有無)について
(1)  都市再開発法による権利変換を受けた者(原告ら)がその権利変換の対象である建築物に係る建築基準法18条3項の規定に基づく計画適合確認処分の取消しを求めるという本件の事案に照らし,本件処分は,その性質上,原告らにとって本来的には授益処分であると解されること等にかんがみれば(建築基準法上,原告らが権利変換を受けた対象である建築物を建築するためには,その計画適合確認処分が必要とされるのであり,この場合に,原告らの訴えの利益は,原告らの主張に沿った内容の別異の計画適合確認処分を受ける上でその障害となる本件処分を取り消すことが必要とされる点に認められる。),その取消しを求める原告らにおいて,本件処分の違法事由を主張立証する責任を負うものというべきである。
以下,この観点から検討する。
(2)  原告らは,本件建物の建築計画に東京都駐車場条例所定の駐車場附置義務違反の瑕疵がある旨の主張の前提として,JR施設と一般権利者施設が別個の建築物(建物)であって「一の建築物」に当たらず,建築基準法施行令1条1号に定める一建築物(一建物)一敷地の原則に反する等と主張しているので,まずこの点を検討する。
ア 前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(ア) 本件建物は,JR中央線武蔵小金井駅南口の約3.4haの施行地域において,2つの広場と大規模店舗棟(1-Ⅰ街区),住宅・専門店棟(1-Ⅱ街区),市民交流センター(仮称)及び商業・業務施設棟(1-Ⅲ街区)を整備することを内容とする本件事業のうち,1-Ⅲ街区に整備される市民交流センター(仮称)及び商業・業務施設棟に相当する建築物であり,その全体の敷地面積,建築面積,構造及び階数は別紙物件目録3ないし6記載のとおりである。(甲12,乙4,8)
(イ) 本件建物は,大要,その西側を占める公益施設と東側を占める商業業務施設から成り,商業業務施設は,商業業務施設の地下1階平面図(乙9の1枚目)上,これを全体としてみて,東西36m程度,南北30m程度のおおむね長方形となっており,その南東角部分を起点として南側辺24m程度,東側辺13.5m程度のほぼ長方形の形状の部分を一般権利者施設が占め,その余の逆L字形の部分をJR施設が占めている。(乙4,9)
(ウ) 本件建物のうち,JR施設と一般権利者施設は,いずれも地下1階,地上5階建てRC造であり,両施設の境界部分において各施設がそれぞれ独自の壁を持っており,壁と壁の間にはすき間が置かれているものの,両施設は,地下1階から地上5階までの各階においてエキスパンションジョイント(建築物・構築物の接続方法の一つで,振動周期の異なる構造物を接続する場合に,地震による震動に対して構造物に生じる応力や変形性状を制御するためなどに行われ,接続された構造物の相互に応力を伝えない構造方法である。)で接合されており,また,1階東側エントランス(一般権利者施設の1階店舗,エレベーター乗り口及び屋外階段に接続するとともに,JR施設の屋外階段及びその地下にある自転車駐輪場へのエレベーター乗り口に接続する。)が共通しているほか,2階から5階までの一般権利者施設北東角部分とこれに接するJR施設部分とが連絡デッキで接続され,両施設の間を行き来できるようになっている。(甲13,14,乙4,9,29,31,32)
(エ) JR施設の北側全部と東側大部分の外壁は,1階から5階までがすべてガラスパネルであり,また,JR施設の南側の外壁は,2階から4階までが縦スリット模様のパネルであり,5階はガラスパネルとなっている(1階部分は,機械式駐車場の出入口となっている。)。他方,一般権利者施設の南側・東側の外壁及びJR施設の東側のその余の外壁(一般権利者施設寄りの部分)は,2階から4階までが金網(カーテンウォール)であり(一般権利者施設の南側の金網(カーテンウォール)部分の上端及び下端の線はJR施設の縦スリット模様のパネルの上端及び下端の線とそれぞれ連続した一直線を描くようになっており,一般権利者施設の東側の金網部分とJR施設の東側の金網部分の上端及び下端の線も同様となっている。),南側外壁の1階及び5階部分並びに東側外壁の1階部分の一部がガラスパネルとなっている。JR施設の東側(一般権利者施設寄り)の金網(カーテンウォール)部分の外壁面と一般権利者施設の東側2階から4階までの外壁面,一般権利者施設の南側2階から4階までの外壁面とJR施設の南側2階から4階までの外壁面は,いずれもその外壁面の縁同士がほぼ接着し,それぞれ段差のない連続した平面を形成している(なお,JR施設の東側の外壁面も,ガラスパネル部分と金網(カーテンウォール)部分とが連続した平面を形成している。)。また,JR施設と一般権利者施設の1階から5階までの各階の階高は同一であり,それぞれの屋上部分(特にその外周部分の平面部)の高さも同一である。(甲3の1ないし3,同16,乙9,30)
(オ) 公益施設の地下1階部分に,本件建物全体の防災火災通信,電話等の通信引き込み用の共用電気室が設置されるものとされている。(乙9)
イ 建築物がいかなる場合に「一の建築物」(建築基準法施行令1条1号)に当たるかについて,建築基準法,建築基準法施行令その他の関係法令に具体的な定義等は定められていないところ,建築基準法施行令1条1号によれば,原則として「一の建築物」の概念によって建築基準法上の「敷地」の個数が決せられるものとされている(一建築物一敷地の原則)。そして,建築基準法上の「敷地」の概念は,敷地の接道義務(同法43条1項)や容積率制限(同法52条)等,建築物の用途,規模,形態を都市計画的な観点から支障のないものとし,もって地域環境の保護・向上を図ることを目的とする規定(集団規定)における中核概念の一つとされており,これらの建築基準法令の趣旨・構造に照らすと,建築基準法上の「敷地」の個数を決する要素となる「一の建築物」に当たるか否か(建築物の個数決定)の判断基準は,建築基準法の規定の適用関係及びその実効性の観点からの独自の基準であって,民法・不動産登記法等の民事法規にいう建物の個数を決する基準と必ずしも一致するものではないと解される。
そして,上記のとおり,建築基準法は,衛生・安全,構造強度,防火,避難,日照,交通等の観点から建築物が最低限備えるべき構造,用途,形態,規模,設備等の諸規制の要件を敷地単位で定めており,建築基準法施行令1条1号の一建築物一敷地の原則は,上記の敷地単位の規制の実効性を実質的に確保するための技術的な規律を政令により定めたものと解されるところ,構造,機能,使用目的等を異にする多様な形状の建築物が多様な技術を用いて建築されている現代の状況において,ある建築物が「一の建築物」に当たるか否かについては,建築基準法の趣旨・目的を踏まえ,これが問題となる場面に即して,個々の事案ごとに建築技術的な観点及び社会通念を総合的に勘案して構造上,機能上及び外観上の一体性の有無を判断すべきものと考えられるが,建築技術的な観点から,構造上及び機能上の一体性が確保されており,一の建築物として建築基準法を適用して諸規制の審査を行うことが上記の観点から建築基準法の趣旨・目的を没却するとはいえない場合には,全体としての外観上の一体性についてもこれが認められるのが通常であって,これを肯認することが明らかに社会通念に反するといった特段の事情のない限り,「一の建築物」に当たると判断するのが相当である。
ウ そこで,前記イの観点から,前記アの各事実に基づいて,検討する。
(ア) 構造上の一体性について
前記ア(ウ)の事実によれば,JR施設と一般権利者施設は,それぞれが独自の壁を持っており,壁と壁の間にはすき間があるものの,地下1階から地上5階までの各階においてエキスパンションジョイントで接合されている。
この点,原告らは,エキスパンションジョイントとは,建材のコンクリートや鉄が温度差によって膨張や収縮を繰り返すため,壁や床にひびが入ったりすることを防ぐために,建物を構造的に分割してアルミやステンレス等の金属のカバーを取り付けて建物同士を接合する技術であって,接合される建物同士は構造上独立であることが前提であり,構造上別個の建物を接合するものであるエキスパンションジョイントを利用するにもかかわらず,両施設をもって一の建築物ということは,建築基準法施行令81条4項の文言に反する等と主張している。
しかし,エキスパンションジョイントによって接合されていなければ構造上別個の建築物であるとしても,そのことと,エキスパンションジョイントによって接合された全体を「一の建築物」とみることとは何ら矛盾することではないところ,建築基準法施行令81条4項が「二以上の部分がエキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接している建築物の当該建築物の部分は,前三項の規定の適用については,それぞれ別の建築物とみなす。」と規定しているのは,一の建築物の2以上の部分がエキスパンションジョイント等のみで接している場合に,エキスパンションジョイント等が相互に応力を伝えない構造方法であることから,構造耐力の基準に関する規定の適用の場面では,それぞれの部分を別の建築物とみなした上で当該基準を当てはめるべきことを定めたものであることは,同項の文言自体から明らかである。すなわち,建築基準法施行令81条4項が,エキスパンションジョイント等のみで接している「二以上の部分」を「建築物の部分」とした上で,構造耐力の基準に関する規定の適用の場面では殊更に「別の建築物とみなす」と規定していることからすれば,建築基準法施行令は,エキスパンションジョイント等のみで上記の各部分の接合された全体が本来は「一の建築物」となることを所与の前提とした上で,構造耐力の基準に関する規定の適用の場面に限って,その接合された各部分を殊更に「別の建築物」と擬制して取り扱うこととしたものと解するのが相当である(なお,「みなす」とは,本来は異なるものを特定の場面に限って同一のものと擬制して取り扱うことを表す法令用語であって,「みなす」と定められた規定をもって,原告らが主張するような確認規定であると解する余地はない。)。
以上によれば,建築基準法施行令81条4項の規定の趣旨も踏まえ,JR施設と一般権利者施設との間には,建築技術的な観点から,構造上の一体性を認めることができるというべきである。
(イ) 機能上の一体性について
前記ア(ウ)及び(オ)の事実によれば,①2階から5階までの一般権利者施設北東角部分とこれに接するJR施設部分とが連絡デッキで接続され,また,1階東側エントランスが両施設のエレベーター乗り口及び屋外階段等に接続する共通の出入口とされていることによって,両施設の間を相互に行き来できるようになっていることに加え,②公益施設の地下1階部分に,本件建物全体の防災火災通信,電話等の通信引き込み用の共用電気室が設置されており,JR施設及び一般権利者施設はこれを共用するものとされていることが認められる(なお,原告らは,上記①の連絡デッキの設置は一体性を表面上取り繕うために泥縄式に行われたものにすぎない等と主張しているが,この連絡デッキを設置することを内容とする建築計画について本件処分において建築基準関係規定との適合の判定がされたことは弁論の全趣旨から明らかである以上,その設置に至る経緯に係る原告らの主張は,本件処分の適否の判断を左右するものではない。)。
この点,原告らは,JR施設と一般権利者施設との間には隔壁が存在しており,被告自身,これを設置した理由について,大規模権利者と一般権利者とはその属性が異なることから,権利者ごとの利用しやすさを考慮したためとしており,実際上両施設が別々に機能することを想定しているのであって,両施設に機能上の一体性(利用上の一体性)はない,連絡デッキは実際には非常階段にすぎず,相互に日常通行することは想定されていない等と主張している。
しかし,連絡デッキが主として非常時に使用されることが想定されているものであるとしても,これとJR施設及び一般権利者施設それぞれに存する屋外階段(乙9)並びに1階東側の共通エントランスとあいまって,避難経路の確保に資するものとなっているというべきであって,原告らの指摘に係る上記事情は,むしろ両施設の機能上の一体性を基礎付ける事情というべきものである。また,権利者ごとの利用しやすさを考慮してJR施設と一般権利者施設との間に隔壁が設けられたものであるとしても,上記の事実によれば,それと併せて,連絡デッキによる相互の往来が確保され(1階東側の共通エントランスがその往来を更に容易にしている。),かつ,両施設間で共用電気室を共用する仕組みが確保されることによって,両施設間に一個の建築物として備えるべき機能の一体性が確保されているものと認めることができるというべきである(なお,原告らは,JR施設と一般権利者施設の利用形態が全く異なる,一般権利者施設の利用者がJR施設の機械式駐車場を利用できる保障が何もない,機構が「分棟」と明言し,機構の依頼で作成された書面(甲17)には両施設間に分筆線が引かれている等と主張しているが,事柄の性質上,これらの事情によって,機能の一体性に関する上記の判断が左右されるものではない。)。
以上によれば,JR施設と一般権利者施設との間には,建築技術的な観点から,機能上の一体性を認めることができるというべきである。
(ウ) 外観上の一体性について
前記ア(ウ)及び(エ)の事実によれば,①JR施設の北側全部及び東側大部分の外壁全面がガラスパネルとなっており,一般権利者施設の1階及び5階部分もガラスパネルとなっていること,②一般権利者施設の南側及び東側の外壁の2階から4階までの金網(カーテンウォール)とJR施設の南側の外壁の2階から4階までの縦スリット模様のパネルの上端及び下端がそろっていること,③JR施設の東側(一般権利者施設寄り)外壁面と一般権利者施設の東側外壁面(いずれも2階から4階までの部分)はいずれも金網(カーテンウォール)となっており,JR施設の東側外壁面と一般権利者施設の東側外壁面(2階から4階までの部分),一般権利者施設の南側外壁面(2階から4階までの部分)とJR施設の南側外壁面(2階から4階までの部分)がそれぞれ連続した一平面を形成していること,④1階東側エントランスが両施設に共通していること,⑤各階(屋上外周部分を含む。)の階高が同じであり,2階から5階までの一般権利者施設北東角部分とこれに接するJR施設部分とが連絡デッキで接続され,両施設の間を行き来できるようになっていることが認められる。
ところで,原告らは,JR施設の機械式駐車場部分の外壁は縦スリット模様のパネル,JR施設の店舗部分の外壁はガラスパネルであるのに対し,一般権利者施設の外壁は金網(エクスパンションメタル)であり,外壁間に大きなすき間が空いていて,色・質感も全く異なる等と主張している。しかし,単一の構造体の外壁においても部位によって使用する部材等を変えることがあることは通常想定し得る事柄と解されることに照らしても,縦スリット模様のパネル,ガラスパネル,金網(エクスパンションメタル)と使用される部材が異なることをもって,直ちに外観の一体性を欠くということはできず(なお,原告らが提出した写真(甲15,18)は,いずれも建築途上の本件建物を写したものにすぎず,これをもって直ちに外壁間に大きなすき間が空いていることや外壁の色・質感が全く異なることを認めることはできず,他にこれらを認めるに足りる証拠は存しない。),他に両施設の全体としての外観上の一体性を肯認することが明らかに社会通念に反するといった特段の事情は認められない。かえって,以上に摘示した上記①ないし⑤の事実関係その他前記ア(ウ)及び(エ)において認定した事実によれば,両施設の全体としての外観上の一体性を優に認めることができるものというべきである。
エ 以上の検討によれば,本件建物については,JR施設と一般権利者施設との間に,建築技術的な観点から,構造上及び機能上の一体性が確保されており,本件全証拠によっても,これを一の建築物として建築基準法を適用して諸規制の審査を行うことが上記の観点から建築基準法の趣旨・目的を没却するとはいえず,かつ,両施設の全体としての外観上の一体性を肯認することが明らかに社会通念に反するといった特段の事情は認められず,かえって,外観上の一体性を優に認めることができるのであるから,これを「一の建築物」に当たると判断するのが相当であって,本件建物の建築は同法施行令1条1号の一建築物一敷地の原則に抵触するものとはいえない。
オ したがって,JR施設及び一般権利者施設が別個の建築物(建物)であり,両施設について一建築物(一建物)一敷地の原則違反がある旨の原告らの主張は,理由がない。
そして,両施設が別個の建築物(建物)であること(一建築物(一建物)一敷地の原則違反があること)を前提として,本件建物の建築計画に東京都駐車場条例所定の駐車場附置義務違反の瑕疵がある旨の原告らの主張も,その前提を欠くものであり,理由がないというべきである。
なお,原告らは,一般権利者施設の利用者がJR施設の機械式駐車場を利用できない等と主張しているが,(a)本件建物の建築計画において,機械式駐車場は,JR施設と一般権利者施設を含む本件建物全体の共用駐車場として利用するものとされており(乙9,弁論の全趣旨),原告らの主張を前提としても,JR東日本と原告らとの間で同駐車場の利用に関する協議がいまだ成立していないというにとどまり,そのことから直ちに一般権利者施設の利用者が同駐車場をおよそ利用し得ない状況にあるということはできず,実際にそうした状況に立ち至っていると認めるに足りる証拠もない上,(b)駐車場法20条は,一定規模の建築物を新築しようとする者等に対し,条例で,その建築物等に所定台数以上の規模の駐車施設を設けなければならない旨を定めることができるとしているものの,その駐車施設の使用形態等(その駐車施設がどのような条件でどのように使用されるべきか等)については一切定めを置いておらず,同条の規定を受けた東京都駐車場条例においても,附置すべき駐車施設の使用形態等については何らの定めがないことに照らすと,駐車場法20条の委任を受けた東京都駐車場条例は,所定の建築物を新築する場合等に所定台数以上の規模の駐車施設を設けることを義務付ける一方で,その駐車施設の使用形態等(どのような条件でどのように使用されるべきか等)については特段の規制を設けていないものと解されるのであって(なお,本件建物の建築計画は,同条例上の所定台数(48台)を満たしている。),いずれにしても,原告らの上記主張は,本件処分の違法性を基礎付けるものということはできない。
(3)  次に,原告らは,更に公益施設と商業業務施設とが「一の建築物」とされた結果,原告らが公益施設の権利者である小金井市等と本件建物を区分所有する関係に立つことによって,将来の建て替えに当たって建物の区分所有等に関する法律62条以下の規制を受けることになり,原告らの一般権利者施設に対する所有権に対する違法な制約が発生している等と主張している。
しかし,建築基準法上「一の建築物」に当たるか否か(建築物の個数決定)の判断基準は,建築基準法の規定の適用関係及びその実効性の観点からの独自の基準であって,民法・不動産登記法等の民事法規にいう建物の個数を決する基準と必ずしも一致するものではないことは前記(2)イにおいて説示したとおりである以上,民事法規上,1個の建物であるか否かは,建築基準法上の行政処分の有無にかかわらず,客観的に決せられるものであると解される。そうすると,原告らの主張は建物の区分所有等に関する法律上は公益施設と商業業務施設のそれぞれが同法1条の「一棟の建物」に当たることを前提とするものと解されるところ,仮にそのことを前提とするならば,建築基準法上の行政処分である本件処分において公益施設と商業業務施設が「一の建築物」とされたとしても,それによって,両施設に係る建物の区分所有等に関する法律上の建物の個数の評価は何ら変容を受けるものではない。そして,建築主事による計画適合確認処分は,当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し,その結果に基づいて,建築基準関係規定に適合することを認めたときにされるものであるところ(建築基準法18条3項),民法又は建物の区分所有等に関する法律の規定が建築基準関係規定に該当しないことは明らかであって(建築基準関係規定を定めた建築基準法施行令9条の各号列記部分は,その規定の文言及び性質に照らして限定列挙であると解されるが,そこに列挙された法律の規定中には,民法又は建物の区分所有等に関する法律の規定は存しない。),以上によれば,仮に,建物の区分所有等に関する法律上も公益施設と商業業務施設の総体としての本件建物が同法1条の「一棟の建物」に当たり,同法の建て替えに係る規定の適用の結果,原告らの所有権に制約が生ずることとなるとしても,それは建築主事による計画適合確認処分における法令適合性の審査の対象に含まれない以上,そのことをもって本件処分の違法を基礎付けることはできないというべきである。したがって,原告らの上記主張は,いずれにしても,理由がない。
2  争点(2)(都市再開発法違反の瑕疵が本件処分及び本件裁決の取消事由となるか否か)について
(1)  原告らは,機構が計画適合確認の申請をし,本件処分及び本件裁決がされた時点において,本件建物は都市再開発法上違法な建築物であったにもかかわらず,その違法が是正されないまま計画適合確認がされ,本件処分がされた等として,本件処分及び本件裁決は取り消されるべきであると主張している。
(2)  しかし,処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には,裁決の取消しの訴えにおいては,処分の違法を理由として裁決の取消しを求めることができないから(行政事件訴訟法10条2項),原告らの上記(1)の主張のうち本件処分の違法を理由として本件裁決の取消しを求める部分は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。
また,前記1(3)のとおり,建築主事による計画適合確認処分は,当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し,その結果に基づいて,建築基準関係規定に適合することを認めたときにされるものであるところ(建築基準法18条3項),都市再開発法の規定が建築基準関係規定に該当しないことは明らかであるから(前記1(3)において説示したとおり建築基準法施行令9条の各号列記中に建築基準関係規定として限定列挙されている各法律の規定の中には,都市再開発法の規定は存しない。),仮に当該建築計画に都市再開発法違反が存したとしても,それは建築主事による計画適合確認処分における法令適合性の審査の対象に含まれない以上,そのことをもって本件処分の違法を基礎付けることはできないというべきである。したがって,原告らの上記(1)の主張のうち本件処分の取消しを求める部分も,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。
3  争点(3)(本件裁決の違法性の有無)について
(1)  原告らは,裁決行政庁が反論書の提出期限以前に本件裁決をして原告らの反論の機会を奪った等と主張しており,前記前提事実(5)及び弁論の全趣旨によれば,裁決行政庁は,審査請求手続の参加人である機構の平成20年2月12日付け意見書の副本をこれに対する反論書の提出期限を記載した本件通知書とともに原告らに送付した後,当該提出期限よりも前に(原告らからの同意見書に対する反論書の提出をその期限まで待たずに)本件裁決をしたことが認められる。
(2)  しかし,他方で,前記前提事実並びに証拠(甲1,乙10ないし25(枝番号の表示は省略))及び弁論の全趣旨によれば,①原告らを審査請求人とする本件審査請求が平成19年6月19日にされ,同年7月30日に,機構が参加人として本件審査請求に参加することを許可されたこと,②参加人である機構(以下「参加人機構」という。)は,平成19年8月17日,同年10月11日,同年11月12日及び平成20年1月10日付けで意見書を提出し,その都度,裁決行政庁がその副本を原告らに送付し,これらに対して原告らが3通の反論書(2通は後記④の反論書を兼ねる。)を提出したこと,③この間,平成19年10月29日には,原告ら及びその補佐人のほか,処分行政庁及び参加人機構の担当者が出席した上で,裁決行政庁による口頭審査が行われ,その席上,原告ら及びその補佐人による意見陳述がされ,また,参加人機構の意見陳述に対する原告らの反論の機会が付与されたこと,④別途,処分行政庁は,弁明書のほか,5通の再弁明書を提出し,これに対し,原告らは,口頭審査の際の処分行政庁の意見表明に対するものを含めて,7通の反論書(2通は上記②の反論書を兼ねる。)を提出したこと,⑤参加人機構が最後に提出した平成20年2月12日付け意見書は,処分行政庁の弁明及び参加人機構の意見に対する原告らの同年1月23日付け反論書に関する再反論を記載したものであるが,その大部分は前記2(2)に説示したとおりそもそも本件処分の違法事由となる余地のない都市再開発法に係る事項(それが本件処分と関係のない事項であること)を内容とするものであること,⑥裁決行政庁は,上記③の口頭審査の後,更に3期日の評議を経た上で,平成20年2月18日,本件裁決をしたことが認められる。
また,行政不服審査法上,参加人の意見書の提出について直接定めた規定は存しないものの,審査請求の審理につき,書面審理を原則とした上で,審査請求人又は参加人の申立てがあったときは,審査庁は,申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならないとする規定(25条1項)が存することに照らし,同法は,参加人が意見書を提出することができることを所与の前提としているものと解されるが,同法上,審査請求人からの反論書の提出について,参加人の提出した意見書に対する関係では,処分庁の提出した弁明書に対する関係(23条)のようにその提出をすることができる旨の規定は存せず,また,審査請求人には,処分庁から提出された書類その他の物件についての閲覧請求権が認められているものの(33条1項),参加人から提出された書類その他の物件についての閲覧請求権を認める旨の規定は存しない。これらのことに,そもそも処分庁による弁明書の提出自体が審査庁の裁量にゆだねられている(22条1項)など,行政不服審査手続が訴訟手続とは異なり職権審理主義を基調とした手続であることを併せ考慮すれば,同法上,参加人の提出した意見書との関係で,審査請求人の反論の要否は,審査庁の裁量にゆだねられており,審査請求人に反論書の提出権までは認められていないものと解するのが相当である。
以上によれば,(a)上記のとおり,行政不服審査法上,参加人の提出した意見書との関係で,審査請求人の反論の要否は,審査庁の裁量にゆだねられており,審査請求人に反論書の提出権までは認められていないと解されるところ,(b)上記①ないし⑥の本件審査請求の審理の経過に照らし,原告らに対しては,処分行政庁の主張のみならず,参加人機構の主張に対しても,処分行政庁の弁明書等につき7通,参加人機構の意見書につき3通の反論書(各2通は双方を兼ね,合計8通の反論書)の提出を通じて,実質的な反論をする機会が十分に付与された上で本件裁決に至ったものということができること,(c)参加人機構が最後に提出した平成20年2月12日付け意見書の内容は,上記⑤のとおり,原告らの直近の反論書に対する再反論を記載したもので,その大部分はそもそも本件処分の違法事由となる余地のない事項に係る再反論を内容とするものであることからすると,本件処分の違法事由に係る原告らの主張は,同日付け意見書に対する更なる反論書の提出を待つまでもなく,実質上,それ以前の合計8通の反論書の提出等により既に当該審理の手続に顕出されていたものということができることを総合考慮すれば,本件裁決が参加人機構の同日付け意見書に対する反論書の提出期限前にその提出を待たずにされたことの一事をもって,原告らの反論書の提出権の侵害があったということはできないし,審査庁の裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったということもできないから,本件審査請求の手続に本件裁決の違法を招来するような違憲・違法があるということはできない。
第4  結論
よって,原告らの請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岩井伸晃 裁判官 小海隆則 裁判官 須賀康太郎)

 

別表
東京都駐車場条例(昭和33年東京都条例第77号)別表第三

(い) (ろ) (は) (に) (ほ) (へ)
駐車場
整備地区等
特定用途(劇場,映画館,演芸場,観覧場,放送用スタジオ,公会堂,集会場,展示場,結婚式場,斎場,旅館,ホテル,料理店,飲食店,キャバレー,カフェー,ナイトクラブ,バー,ダンスホール,遊技場,ボーリング場,体育館,百貨店その他の店舗,事務所,病院,卸売市場,倉庫若しくは工場又はこれらの二以上のものをいう。以下同じ。)に供する部分の床面積と非特定用途(特定用途以外の用途をいう。以下同じ。)に供する部分の床面積に四分の三を乗じて得たものとの合計面積 1500平方メートル 百貨店その他の店舗(連続式店舗(東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)第25条に規定する連続式店舗で,床面積が500平方メートル以下のものを含む。)を含む。以下同じ。)の用途に供する部分 特別区の区域
250平方メートル
市の区域200平方メートル

特定用途(百貨店その他の店舗を除く。)に供する部分 特別区の区域
300平方メートル
市の区域
250平方メートル

非特定用途に供する部分 特別区の区域
300平方メートル
市の区域
300平方メートル

周辺地区又は自動車ふくそう地区 特定用途に供する部分の床面積 2000平方メートル 特定用途に供する部分 特別区の区域
300平方メートル
市の区域
250平方メートル

備考 この表において,(ろ)欄に規定する部分及び(に)欄に掲げる部分は,自動車及び自転車の駐車の用に供する部分を除くものとし,観覧場にあっては,屋外観覧席の部分を含むものとする。

〈以下省略〉

 

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政治と選挙Q&A「屋外広告物法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例一覧
(1)平成29年12月20日 東京地裁 平27(ワ)16748号・平28(ワ)32555号・平28(ワ)36394号 建物明渡等請求事件、賃料減額確認請求事件(本訴)、賃料増額確認請求反訴事件(反訴)
(2)平成29年 5月11日 大阪地裁 平28(ワ)5249号 商標権侵害差止請求事件
(3)平成29年 3月16日 東京地裁 平26(特わ)914号・平26(特わ)1029号 薬事法違反被告事件
(4)平成28年11月17日 大阪地裁 平25(わ)3198号 公務執行妨害、傷害被告事件
(5)平成28年10月26日 東京地裁 平24(ワ)16956号 請負代金請求事件
(6)平成28年 3月25日 東京地裁 平25(ワ)32886号 未払賃料請求事件
(7)平成27年 3月31日 東京地裁 平24(ワ)22117号 損害賠償等請求事件
(8)平成26年 2月27日 東京地裁 平24(ワ)9450号 著作物頒布広告掲載契約に基づく著作物頒布広告掲載撤去損害賠償請求事件
(9)平成25年 9月12日 大阪高裁 平25(う)633号 詐欺被告事件
(10)平成25年 1月22日 名古屋地裁 平20(ワ)3887号 損害賠償請求事件
(11)平成24年12月 7日 静岡地裁 平19(ワ)1624号・平20(ワ)691号 損害賠償請求(第一事件)、保険金請求(第二事件)事件
(12)平成23年11月18日 東京地裁 平23(レ)307号・平23(レ)549号 損害賠償等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(13)平成23年 9月30日 東京地裁 平20(ワ)31581号・平21(ワ)36858号 損害賠償請求事件(本訴)、同反訴請求事件(反訴)
(14)平成23年 2月23日 東京高裁 平21(ネ)2508号 損害賠償請求控訴事件
(15)平成23年 1月14日 大阪高裁 平22(う)460号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(16)平成22年10月 5日 京都地裁 平19(ワ)824号 損害賠償請求事件
(17)平成22年 7月27日 東京地裁 平20(ワ)30423号・平21(ワ)3223号 損害賠償請求事件(本訴)、払戻金返還請求事件(反訴)
(18)平成22年 3月29日 東京地裁 平20(ワ)22960号 建物明渡請求事件
(19)平成22年 2月 8日 東京地裁 平21(ワ)8227号・平21(ワ)21846号 損害賠償請求事件
(20)平成22年 1月27日 東京地裁 平21(ワ)9971号・平21(ワ)9621号 土地建物所有権移転登記抹消登記請求事件、鉄塔明渡請求事件
(21)平成22年 1月27日 東京地裁 平21(ワ)13019号 屋外広告塔撤去請求事件
(22)平成21年12月24日 東京地裁 平20(行ウ)494号 計画通知確認処分取消等請求事件
(23)平成21年 7月22日 東京地裁 平19(ワ)24869号 損害賠償請求事件
(24)平成21年 1月20日 那覇地裁 平19(行ウ)16号・平20(行ウ)2号 建築確認処分差止請求事件(甲事件)、建築確認処分差止請求事件(乙事件)
(25)平成20年10月17日 東京地裁 平20(行ク)214号 執行停止申立事件
(26)平成20年 9月19日 東京地裁 平19(行ウ)274号・平19(行ウ)645号 退去強制令書発付処分取消請求事件
(27)平成20年 4月11日 最高裁第二小法廷 平17(あ)2652号 住居侵入被告事件 〔立川反戦ビラ事件・上告審〕
(28)平成19年 2月21日 東京地裁 平18(行ウ)206号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(29)平成17年12月21日 東京地裁 平15(ワ)14821号 看板設置請求事件
(30)平成17年 3月31日 東京地裁 平15(ワ)27464号・平15(ワ)21451号 商標使用差止等請求本訴、損害賠償請求反訴事件 〔tabitama.net事件〕
(31)平成17年 2月22日 岡山地裁 平14(ワ)1299号 損害賠償請求事件
(32)平成13年12月21日 秋田地裁 平10(ワ)324号・平12(ワ)53号・平12(ワ)416号 土地明渡等請求、損害賠償請求事件
(33)平成13年 2月23日 大阪地裁 平10(ワ)13935号 損害賠償請求事件
(34)平成11年 2月15日 仙台地裁 平9(行ウ)6号 法人税更正処分等取消請求事件
(35)平成 9年 7月22日 神戸地裁 平8(ワ)2214号 損害賠償請求事件
(36)平成 8年 6月21日 最高裁第二小法廷 平6(あ)110号 愛媛県屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(37)平成 8年 4月12日 最高裁第二小法廷 平4(あ)1224号 京都府屋外広告物条例違反
(38)平成 8年 3月 8日 最高裁第二小法廷 平4(オ)78号 損害賠償請求事件
(39)平成 8年 3月 8日 最高裁第二小法廷 平4(オ)77号 損害賠償請求事件
(40)平成 7年12月11日 最高裁第一小法廷 平4(あ)526号 各滋賀県屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(41)平成 7年 6月23日 最高裁第二小法廷 平元(オ)1260号 損害賠償、民訴法一九八条二項による返還及び損害賠償請求事件 〔クロロキン薬害訴訟・上告審〕
(42)平成 6年 2月21日 福岡高裁 平元(ネ)608号 接見交通妨害損害賠償請求事件
(43)平成 4年 6月30日 東京地裁 平3(ワ)17640号・平3(ワ)16526号 損害賠償請求事件
(44)平成 4年 6月15日 最高裁第二小法廷 平元(あ)710号 大阪府屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反被告事件
(45)平成 4年 6月15日 最高裁第二小法廷 平元(あ)511号 大阪市屋外広告物条例違反、軽犯罪法違反
(46)平成 4年 2月 4日 神戸地裁 昭49(ワ)578号 損害賠償請求事件 〔全税関神戸訴訟・第一審〕
(47)平成 4年 2月 4日 神戸地裁 昭49(ワ)578号 損害賠償請求事件 〔全税関神戸訴訟・第一審〕
(48)昭和60年 7月22日 最高裁第一小法廷 昭59(あ)1498号 所得税法違反被告事件
(49)昭和59年 9月28日 奈良地裁 昭58(行ウ)4号 都市計画変更決定一部取消請求事件
(50)昭和59年 7月17日 福岡高裁 昭58(う)487号 大分県屋外広告物条例違反被告事件
(51)昭和58年10月27日 最高裁第一小法廷 昭57(あ)859号 猥褻図画販売、猥褻図画販売目的所持被告事件
(52)昭和58年 8月24日 福岡高裁 昭57(う)254号 軽犯罪法違反、佐賀県屋外広告物条例違反事件
(53)昭和58年 6月21日 大分簡裁 昭55(ろ)66号 大分県屋外広告物条例違反被告事件
(54)昭和57年 3月 5日 佐賀簡裁 昭55(ろ)24号 軽犯罪法違反、佐賀県屋外広告物条例違反事件
(55)昭和56年 8月 5日 東京高裁 昭55(う)189号 軽犯罪法違反被告事件
(56)昭和56年 7月31日 神戸簡裁 昭56(ろ)167号 軽犯罪法違反、兵庫県屋外広告物条例違反事件
(57)昭和55年 4月28日 広島高裁松江支部 昭54(う)11号 公職選挙法違反被告事件 〔戸別訪問禁止違憲事件・控訴審〕
(58)昭和54年12月25日 大森簡裁 昭48(う)207号・昭48(う)208号 軽犯罪法違反被告事件
(59)昭和53年 7月19日 横浜地裁 昭51(ワ)1147号 損害賠償事件
(60)昭和53年 5月30日 大阪高裁 昭52(ネ)1884号 敷金返還請求事件
(61)昭和51年 3月 9日 東京高裁 昭47(う)3294号 埼玉県屋外広告物条例違反等被告事件
(62)昭和51年 1月29日 大阪高裁 昭50(う)488号
(63)昭和50年 9月10日 最高裁大法廷 昭48(あ)910号 集団行進及び集団示威運動に関する徳島市条例違反、道路交通法違反被告事件 〔徳島市公安条例事件・上告審〕
(64)昭和50年 6月30日 東京高裁 昭47(う)3293号 埼玉県屋外広告物条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(65)昭和50年 6月12日 最高裁第一小法廷 昭49(あ)2752号
(66)昭和50年 5月29日 最高裁第一小法廷 昭49(あ)1377号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(67)昭和49年12月16日 大阪高裁 昭49(う)712号 神戸市屋外広告物条例違反等事件
(68)昭和49年 5月17日 大阪高裁 昭45(う)868号
(69)昭和49年 5月17日 大阪高裁 昭45(う)713号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(70)昭和49年 4月30日 東京高裁 昭48(行コ)35号 行政処分取消請求控訴事件 〔国立歩道橋事件〕
(71)昭和48年12月20日 最高裁第一小法廷 昭47(あ)1564号
(72)昭和48年11月27日 大阪高裁 昭48(う)951号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(73)昭和47年 7月11日 大阪高裁 昭43(う)1666号 大阪府屋外広告物法施行条例違反事件 〔いわゆる寝屋川ビラ貼り事件・控訴審〕
(74)昭和46年 9月29日 福岡高裁 昭45(う)600号 福岡県屋外広告物条例違反被告事件
(75)昭和45年11月10日 柳川簡裁 昭40(ろ)61号・昭40(ろ)62号 福岡県屋外広告物条例違反被告事件
(76)昭和45年 4月30日 最高裁第一小法廷 昭44(あ)893号 高知県屋外広告物取締条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(77)昭和45年 4月 8日 東京地裁 昭40(行ウ)105号 法人事業税の更正決定取消請求事件
(78)昭和44年 9月 5日 金沢地裁 昭34(ワ)401号 損害賠償請求事件 〔北陸鉄道労組損害賠償請求事件〕
(79)昭和44年 8月 1日 大阪地裁 昭44(む)205号 裁判官忌避申立却下の裁判に対する準抗告事件
(80)昭和44年 3月28日 高松高裁 昭42(う)372号 外国人登録法違反・高知県屋外広告物取締条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(81)昭和43年12月18日 最高裁大法廷 昭41(あ)536号 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(82)昭和43年10月 9日 枚方簡裁 昭41(ろ)42号 大阪府屋外広告物法施行条例違反被告事件
(83)昭和43年 7月23日 松山地裁 昭43(行ク)2号 執行停止申立事件
(84)昭和43年 4月30日 高松高裁 昭41(う)278号 愛媛県屋外広告物条例違反・軽犯罪法違反被告事件
(85)昭和43年 2月 5日 呉簡裁 昭41(ろ)100号 軽犯罪法違反被告事件
(86)昭和42年 9月29日 高知簡裁 昭41(ろ)66号 外国人登録法違反被告事件
(87)昭和42年 3月 1日 大阪地裁 昭42(む)57号・昭42(む)58号 勾留請求却下の裁判に対する準抗告事件
(88)昭和41年 2月12日 大阪高裁 昭40(う)1276号
(89)昭和41年 2月12日 大阪高裁 事件番号不詳 大阪市屋外広告物条例違反被告事件
(90)昭和40年10月21日 大阪地裁 昭40(む)407号 勾留取消の裁判に対する準抗告事件
(91)昭和40年10月11日 大阪地裁 昭40(む)404号 勾留取消の裁判に対する準抗告申立事件
(92)昭和39年12月28日 名古屋高裁 昭38(う)736号 建造物損壊、建造物侵入等事件 〔東海電通局事件・控訴審〕
(93)昭和39年 8月19日 名古屋高裁 昭39(う)166号 軽犯罪法違反被告事件
(94)昭和39年 6月16日 大阪高裁 昭38(う)1452号
(95)昭和29年 5月 8日 福岡高裁 昭29(う)480号・昭29(う)481号 外国人登録法違反等事件
(96)昭和29年 1月 5日 佐賀地裁 事件番号不詳 外国人登録法違反窃盗被告事件
(97)昭和28年 5月 4日 福岡高裁 昭28(う)503号 熊本県屋外広告物条例違反被告事件

■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 選挙ポスター」に関する裁判例カテゴリー
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