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選挙と政治のQ&Aドットウィン!

選挙と政治のQ&Aドットウィン!

《目次》
1章 選挙運動
(1)告示日前の選挙運動の準備・事前運動
【Q1】事前運動とは
【Q2】各種あいさつ状の送付、新聞広告の掲載
【Q3】後援会の加入依頼
【Q4】議会報告を行うことについて
【Q5】準備行為(事前運動にあたらない)として認められる行為は
【Q6】出陣式の案内状の配布

(2)選挙期日前に行われる選考会・推薦会など
【Q7】自治会などの選考会や推薦会について(1)
【Q8】自治会などの選考会や推薦会について(2)
【Q9】自治会などの決議の外部への公表
【Q10】内部的行為

(3)告示日以降の選挙運動
【Q11】選挙運動を行うことができる期間
【Q12】選挙運動と政治活動の違い
【Q13】選挙運動は誰でもできるのか
【Q14】県知事や市長が推薦人となることについて
【Q15】18歳未満の者を使用した選挙運動
【Q16】選挙運動用通常葉書の推薦欄について
【Q17】企業からの運動員の派遣

(4)選挙事務所
【Q18】選挙事務所とは
【Q19】選挙事務所の設置数
【Q20】休憩所等の設置
【Q21】選挙事務所の表示
【Q22】選挙事務所の看板、ポスターに写真を貼付
【Q23】選挙事務所の2階からの垂れ幕
【Q24】選挙事務所設置場所の制限

(5)戸別訪問と個々面接
【Q25】戸別訪問とは
【Q26】個々面接とは
【Q27】候補者の名刺の頒布
【Q28】電話による選挙運動
【Q29】電話による演説会の周知

(6)署名運動
【Q30】禁止される署名運動とは
【Q31】演説会場での記帳
【Q32】選挙事務所での記帳

(7)飲食物の提供
【Q33】飲食物の提供とは
【Q34】選挙事務所で出せる茶菓子とは
【Q35】陣中見舞い

(8)自動車・船舶・拡声機の使用
【Q36】使用できる自動車
【Q37】選挙運動用自動車以外の自家用車の使用
【Q38】乗車人数制限
【Q39】シートベルトの着用義務
【Q40】選挙当日における選挙運動用自動車の駐車
【Q41】自転車の使用
【Q42】拡声機の使用台数
【Q43】気勢を張る行為の禁止

(9)文書図画による選挙運動
【Q44】文書図画とは
【Q45】掲示できる文書図画
【Q46】頒布できる文書図画
【Q47】候補者の氏名入りのたすき、スローガンを記載したのぼりの使用
【Q48】スローガンを記載したジャンパーの使用
【Q49】選挙運動用通常葉書について(1)
【Q50】選挙運動用通常葉書について(2)
【Q51】宛名人不明により還付された選挙運動用通常葉書
【Q52】インターネット選挙運動とは
【Q53】フェイスブックやLINE などのメッセージ機能
【Q54】電子メールによる選挙運動
【Q55】選挙運動が禁止されている者によるインターネット選挙運動

(10) 言論による選挙運動
【Q56】言論による選挙運動
【Q57】連呼行為とは
【Q58】朝6時に行う街頭でのあいさつ行為
【Q59】合同個人演説会について
【Q60】個人演説会の周知方法
【Q61】幕間演説での連呼行為
【Q62】街頭演説の人数
【Q63】街頭演説での氏名入りビラの頒布
【Q64】街頭演説の開催数
【Q65】公共施設内でのあいさつ行為
【Q66】公共施設での出陣式

(11) 当選のお礼など
【Q67】当選のお礼の制限
【Q68】当選祝いのお酒
【Q69】「当選御礼」の貼紙の掲示

2章 政治活動
(1)政治活動の文書図画
【Q70】駐車場のフェンスに掲示された立札・看板
【Q71】候補者用・団体用の立札・看板の同時使用
【Q72】選挙運動期間中に新たな立札・看板の設置
【Q73】政治活動用事務所を選挙事務所にした場合の立札・看板の取扱い
【Q74】氏名入りのぼりの使用・スローガンののぼりの使用
【Q75】政治活動用自動車の看板に氏名とスローガンの記載
【Q76】政治活動用ポスターについて
【Q77】一定期間内における立候補予定者の氏名入りの政治活動用ポスターの掲示
【Q78】会社等への個人の政治活動用ポスターの掲示

(2)演説等
【Q79】政治活動における街頭演説
【Q80】民間団体主催の公開討論会の開催
【Q81】政治活動における連呼行為

3章 寄附及びあいさつ状など
(1)候補者が行う寄附
【Q82】公職の候補者がする寄附
【Q83】赤い羽根共同募金
【Q84】日本赤十字社への活動資金協力
【Q85】結婚披露宴に出席し、祝儀として金銭以外の品物を贈ること
【Q86】成人式の参加者に記念品を贈ること
【Q87】成人式に祝電を出すこと
【Q88】配偶者などが代理人として、香典を相手方に届けること
【Q89】お金以外の香典
【Q90】香典返しについて
【Q91】配偶者などの名義による寄附
【Q92】カップや記念品を贈ること
【Q93】配偶者などが自己名義で寄附をすること

(2)後援団体が行う寄附
【Q94】後援団体がする寄附
【Q95】後援団体の「設立目的により行う行事又は事業」とは
【Q96】後援団体が会員の親睦のための寄附

(3)あいさつ状・あいさつを目的とする有料広告の禁止
【Q97】禁止されるあいさつ状とは
【Q98】あいさつ状の種類
【Q99】印刷した時候のあいさつ状に自書する場合
【Q100】パソコンにより作成したあいさつ状
【Q101】時候のあいさつと政策を両方記載したもの
【Q102】有料の政策広告は禁止されるか
【Q103】有料の政策広告のなかにあいさつ文を入れること
【Q104】政策普及のビラにあいさつ文を入れること

1章 選挙運動
【Q1】
事前運動とは具体的にどのようなものを指すのか。
【A1】
選挙運動期間外の選挙運動(個々面接や電話による投票依頼など)は事前運動となり、後援会などの政治活動であっても、実態として氏名普及宣伝が主たる目的と認められる行為は、事前運動となり得る。例えば、告示日直前に不特定多数に立候補予定者の氏名が記載された政治活動用ビラや名刺を頒布することや、各戸に訪問することなどは事前運動に該当する恐れがある。その行為が行われた時期、方法、内容、数量等の態様により総合的に判断することになる。

【Q2】
立候補を予定している者が、選挙を見越して各種のあいさつ状を郵送し、または新聞紙上に広告する行為は事前運動にあたるのか。
【A2】
時期、方法、内容、数量等の態様いかんによっては事前運動となる。

【Q3】
選挙を見越して後援会加入文書に本人の写真、経歴を掲げ、政治家として大成させてもらいたい等と依頼することは事前運動にあたるのか。
【A3】
時期、方法、内容、数量等の態様いかんによっては事前運動となる。

【Q4】
現職の議員が議会報告を主題とする講演会を行うことは事前運動となるか。
【A4】
内容、方法、時期ともに一般的に政治活動と認められない場合は事前運動となる。

【Q5】
準備行為(事前運動にあたらない)として認められる行為は何か。
【A5】
準備行為として認められる行為は、次のとおりである。
①推薦を依頼するための内交渉
②選挙事務所などの借入れの内交渉

③選挙演説を依頼するための内交渉
④自動車などの借入れの内交渉

⑤出納責任者・運動員などになることの内交渉
⑥選挙運動員等の任務の割振り

⑦選挙運動用ポスター・看板などの作成、印刷
⑧選挙運動用葉書の宛名書き、印刷

⑨選挙公報の文案の作成 ⑩選挙運動費用の調達 など
ただし、上記の行為にあわせて投票依頼を行うと事前運動となり禁止されるので注意すること。

【Q6】
告示日直前、出陣式の案内状を不特定多数の方に配布することはできるか。
【A6】
出陣式の案内状は選挙運動に関する文書図画と考えられ、事前運動の禁止に抵触する。

【Q7】
自治会などの選考会や推薦会は、どのような方法で行うことができるか。
【A7】
白紙の状態での推薦の決定は認められるが、ある特定の候補者を最初から推薦する形は事前運動に該当する恐れがある。

【Q8】
推薦された者(候補者)が、選考会・推薦会に同席しても問題ないか。
また、推薦された結果、「よろしく頼む」と挨拶をすることはできるか。
【A8】
同席は問題ない。挨拶に関しては、単なる儀礼程度である場合は問題ないが、積極的に投票を依頼するようなものと認められる場合は違反となる。

【Q9】
自治会の推薦会の決議を、外部に公表することはできるか。
【A9】
従来から自治会の決議を、すべての自治会員に通知している場合などは通常の方法によって通知することは差し支えないが、特別の方法を用いたりした場合(号外のチラシを配布するなど) は選挙運動と認められる場合が多い。
また、自治会員以外の者に周知することは、選挙運動と認められ事前運動に該当する恐れがある。(ホームページ上の掲載なども違反となる恐れがある。)

【Q10】
労働組合や業者団体の会合で、単に内部行為的に特定の候補者に投票するよう呼びかけることはできるか。
【A10】
単なる内部行為であっても、投票依頼にわたる場合は、事前運動となり禁止される。

【Q11】
選挙運動を行うことができる期間はいつからいつまでなのか。
【A11】
選挙運動は、告示日に立候補の届出が受理された時から投票日の前日の午後12時までに限りすることができる。
ただし、選挙運動用自動車を使用した連呼行為や街頭演説を行うことができるのは、上記期間の午前8時から午後8時までとなっている。

【Q12】
選挙運動と政治活動の違いとは何か。
【A12】
選挙運動は、特定の選挙につき特定の候補者を当選させることを目的とした行為であり、政治活動は、政党その他の政治団体がその政策の普及宣伝、党勢拡張、政治啓発などを行うことであって、特定の候補者の当選を得るための行為でないものをいう。

【Q13】
選挙運動は誰でもできるのか。
【A13】
選挙運動は、18歳以上であれば誰でもできるのが原則であるが、選挙の公正を確保するため、例外として、次のような者は禁止される。
①選挙事務関係者
投票管理者・開票管理者・選挙長など
②選挙権・被選挙権を停止されている者
選挙犯罪または政治資金規正法違反を犯したために処罰され、選挙権・被選挙権を停止されている者
③特定の公務員
○ 中央選挙管理委員会の委員及び中央選挙管理委員会の庶務に従事する総務省の職員並びに選挙管理委員会の委員及び職員
○裁判官
○検察官
○会計検査官
○公安委員会の委員

○ 警察官
○収税官吏及び徴税の吏員

④一般職の国家・地方公務員下表のとおり
種別 選挙運動 地位利用
特別職の公務員(知事・市長など) ○ ×
国家公務員 × ×
地方公務員(市職員など) ×
※勤務地の選挙区以外なら可能 ×
市の会計年度任用職員 ×
※勤務地の選挙区以外なら可能 ×
公立の教員 × ×
私立の教員 ○ ×

≪地位を利用した選挙運動≫
公務員等がその地位にあるため特に選挙運動を効果的に行い得るような影響力又は便益を利用して行う選挙運動。
《例》補助金交付、契約締結、許可、監査などの職務権限を持つ公務員がその影響力を利用

【Q14】
県知事や市長が推薦人としてビラ等に職名を記載することや、演説会の応援弁士として職名を名乗ったりすることはできるか。
【A14】
単に職名を通常の方法で記載すること、また演説会で単に職名を名乗ることは直ちに地位利用にならないが、もっぱらその県市に関係する者(県職員・市職員等)を対象として行うときは、地位利用に該当する恐れがある。

【Q15】
18歳未満の者を使用した選挙運動はできるか。
【A15】
18歳未満の者は、一切の選挙運動が禁止されている。
ただし、選挙運動のための機械的労務を行うことは認められている。
機械的労務の例としては、文書の発送、看板の運搬、湯茶の接待など選挙人に直接働きかけない行為がある。

【Q16】
選挙運動用通常葉書の推薦欄に、現職の県知事や市長、市議会議員の氏名を記載することは可能であるか。
【A16】
県知事や市長は特別職の公務員であり、地位を利用した選挙運動以外は認められるため問題ない。
また、市議会議員も法的に制限がないため一般的に問題ない。
ただし、自己の選挙運動、氏名普及宣伝行為の一環と認められる場合は、事前運動となり禁止される。

【Q17】
企業から選挙運動員として従業員を派遣してもらうことは可能か。
【A17】
従業員が有給休暇等を利用して運動員をすることは問題ないが、業務命令での派遣は、法人からの寄附と考えられ、禁止される。

【Q18】
選挙事務所とは何をするところを指すのか。
【A18】
特定の候補者について、投票を得るため、演説会の準備をしたり、届出書を用意したり、ポスターを貼る手配をしたり、その他いろいろな選挙運動に関する事務を取り扱う場所である。

【Q19】
選挙事務所はいくらでも設置できるか。
【A19】
市長・市議会議員選挙の場合は、候補者一人につき、1箇所に限られる。

【Q20】
選挙運動のために休憩所や連絡所を設けてもよいのか。
【A20】
休憩所その他これに類似する施設は、選挙運動のために設けることはできない。

【Q21】
選挙事務所にはどのような表示ができるか。
【A21】
(1)ちょうちん1個
大きさは、高さ85cm、直径45cm 以内
(2)ポスター、立札及び看板の類
数は、ポスター、立札、看板の類を通じて3以内
大きさは、ポスター、立札、看板とも縦350cm 横100cm 以内
※縦・横は自由

【Q22】
選挙事務所を表示するための看板・ポスターに、候補者の写真を貼付することはできるか。
【A22】
記載内容は自由であるため、できる。

【Q23】
選挙事務所を表示するため、事務所の2階から垂れ幕をたらす場合、表示されたポスターとみてよいか。
【A23】
垂れ幕は看板の類とみなされるので、規格制限の範囲内であれば差し支えない。

【Q24】
選挙事務所を設置する場所に制限はあるか。
【A24】
設置する場所に制限はないが、投票日当日に投票所を設けた場所の入口から300ⅿ以内(直線距離)にある場合は閉鎖するか、300ⅿ以外の区域に移転させなければならない。
その際には、閉鎖または移転させた場合の異動届の提出が必要となる。

【Q25】
戸別訪問とはどのようなものか。
【A25】
候補者又は運動員が、連続して選挙人の家を訪ねて、投票を得るため依頼する行為であり、禁止されている。
ただし、一戸しか訪問しない場合でも二戸以上を訪問する目的をもっていた場合は戸別訪問となる。

【Q26】
個々面接とはどのようなものか。
【A26】
道路上や、電車やバスの中などでたまたま出会った人に投票を依頼する行為であり、これらの行為は禁止されていない。

【Q27】
候補者の名刺を選挙人の住居にだまって置いてまわるのはどうか。戸別訪問か個々面接か。
【A27】
その場合は、戸別訪問の禁止違反になるとともに、文書・図画の頒布の禁止にもなる恐れがある。

【Q28】
電話で選挙運動をしてもよいか。
【A28】
選挙の当日を除いて、選挙運動の期間中は候補者、第三者であるかを問わず、投票依頼をすることができる。

【Q29】
電話で有権者に対し、演説会の開催若しくは演説を行うことについて通知する行為は違反か。
【A29】
電話で行う場合は、戸別訪問でないから許される。

【Q30】
どんな名目の署名運動も禁止されるのか。
【A30】
名義が後援会に加入させるためとなっていたとしても、それが投票を得る目的、若しくは得させない目的で署名運動を行ったと認められる場合は、署名運動の禁止に該当する。

【Q31】
後に選挙運動に使用するため、演説会場に来た人に受付で記帳させてもよいか。
【A31】
来場者に記載させるために署名簿を置くことが、「選挙に関し、投票を得る目的、若しくは得させない目的を持って」選挙人に対し行われたのであれば、署名運動の禁止に抵触する。

【Q32】
選挙事務所を訪れた選挙人に受付で記帳させてもよいか。
【A32】
Q2同様、「選挙に関し、投票を得る目的、若しくは得させない目的を持って」選挙人に対し行われたのであれば、署名運動の禁止に抵触する。

【Q33】
飲食物の提供とはどういうことか。
【A33】
「飲食物」とは料理、菓子、パン、缶コーヒーなどのように何らの加工もしないでそのまま飲食できるものをいうとされている。
何人も選挙運動に関し、湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子以外の飲食物を提供することができないと定められている。

【Q34】
選挙事務所で出せる茶菓子はどの程度のものまでよいか。
【A34】
まんじゅう、せんべい、みかんなどのお茶受け程度のものをいう。

【Q35】
選挙人が、陣中見舞いとして酒1升を贈ることはできるか。またペットボトルのお茶1箱を贈ることはどうか。
【A35】
酒は「湯茶」の類には含まれないため、提供することはできない。
ただし、選挙期日後、支持者などが当選人に対し「当選祝い」として酒を贈ることは、政治活動の寄附として扱われるため差し支えない。

ペットボトルのお茶については、「湯茶」の類に当たり、提供することはできる。

【Q36】
使用できる自動車はどんな種類のものか。
【A36】
①乗車定員4人以上10人以下の小型自動車
②四輪駆動式の自動車で車両重量2トン以下のもの
③乗用定員10人以下の乗用自動車で①②に該当しないもの

【Q37】
自家用車を持っている者が、許された選挙運動用自動車1台のほかに、これを使用することはどうか。
【A37】
自家用車を、たまたま選挙事務所から演説会場へ行くのに、臨時に使用する程度のものなら差し支えないが、常時そのために待機させて利用するような場合は違反となる。

【Q38】
自動車に乗車する人員には制限があるか。
【A38】
候補者と運転手1人を除いて、乗車する人員は4人を超えてはならず、この4人は選挙管理委員会が定めた一定の腕章を着けなければならない。

【Q39】
選挙運動用自動車の運転手もシートベルト着用の義務はあるか。
【A39】
選挙運動用自動車については、道路交通法施行令第26条の3の2第1項第8号の規定により、運転手及び運転席以外に乗車する者に対しては、シートベルトの着用義務から除外されている。
ただし、安全面上、可能な限り着用することが望ましい。

【Q40】
選挙期日当日、選挙運動のための看板が取り付けられている選挙運動用自動車を、公道に面した選挙事務所の駐車場に駐車させてもよいか。
【A40】
選挙運動用自動車に取り付けているポスター、看板などは、選挙期日当日において掲示することはできない。
したがって、看板を撤去するか、文字が見えないよう布などで覆うなどの処置を行わなければならない。

【Q41】
選挙運動で自転車を使用することはできるか。
【A41】
使用できる。
ただし、自転車を使用する際は、自動車と文書図画の制限の規制が異なるので注意すること((9)文書図画による選挙運動〔Q47〕参照)

また、自転車で走行しながらの演説行為や、連呼行為はできないことに注意する必要がある。

【Q42】
拡声機は何台使用できるか。
【A42】
主として選挙運動に使用するものは一揃いに限られる。
しかし、個人演説会を開いているときはその会場の一揃いと、別の場所で街頭演説をしていればそこに使用している一揃いと、計二揃いまで使ってよいとされる。

【Q43】
人目を引こうと多数の自動車を連ねること、隊列を組んで往来すること、サイレンを鳴らす行為等はできるか。
【A43】
気勢を張る行為として禁止される。

【Q44】
文書図画とはどういうものをいうのか。
【A44】
文書図画はかなり広く、新聞、雑誌、名刺、挨拶文、ポスター、看板、ちょうちんなど眼で見て意味の分かるものであればすべて含まれる。

【Q45】
掲示できる文書図画は何か。
【A45】
①選挙事務所
○ ポスター、立札、看板の類の数は通じて3以内大きさは、縦350cm 横100cm 以内
○ ちょうちんの数は1個のみ
大きさは、高さ85cm 直径45cm 以内
②選挙運動用自動車
○ ポスター、立札、看板の数の制限なし。大きさは、縦273cm 横73cm 以内
○ ちょうちんの数は1個のみ
大きさは、高さ85cm 直径45cm 以内
※なお、自転車については上記の文書図画の掲示は一切できない。
③候補者が使用するたすき、胸章、腕章の類
〇候補者が使用する場合のみ、何ら制限なし。
④個人演説会
○ 会場内では、ポスター、立札、看板の類の数・規格に制限なし。
○ 会場外に掲示するものは、会場ごとに通じて2以内大きさは、縦273cm 横73cm 以内
○ ちょうちんの類は、会場ごとに会場内外のいずれか1個に限られる。大きさは、高さ85cm 直径45cm 以内
※上記の文書図画には、表面に掲示責任者の氏名、住所の記載が必要である。

【Q46】
頒布できる文書・図画は何か。
【A46】
①選挙運動用通常葉書
○ 市長選挙8,000枚以内、市議会議員選挙2,000枚以内
○ 選挙用である旨の表示が必要
○ 記載内容は自由
②選挙運動用ビラ
○ 選挙管理委員会に届け出た2種類以内
○ 市長選挙16,000枚以内、市議会議員選挙4,000枚以内
○ 規格は、A4判(長さ29.7cm、幅21cm)を超えないもの
○ ビラの表面には、頒布責任者及び印刷者の氏名(法人は名称)を記載しなければならない。
○ 記載内容は自由
○ ビラには、選挙管理委員会が交付する証紙を貼らなければならない。
○ 頒布方法は、新聞折込み、選挙事務所内、個人演説会の会場内、街頭演説の場所に限られる。
③インターネット
○ ウェブサイト等を利用する方法(ホームページ、ツイッターやフェイスブックなどのSN S、動画共有サービス、動画中継サイトなど)
○ 電子メール(候補者及び政党等のみ)

【Q47】
選挙運動期間中、候補者が氏名を表示したたすきを身に付けるほか、自転車に候補者個人が選挙運動で使用しているスローガンを記載したのぼりを取り付け走行することはできるか。
【A47】
候補者が身に付けるたすきについては、禁止される回覧行為の対象から除外されているので問題はないが、選挙運動で使用しているスローガンを記載したのぼりは「選挙運動のためのもの」に該当し、違反の可能性が極めて高い。

【Q48】
選挙運動員が、背中にスローガンを記載したスタッフジャンパーを着用して街頭演説などの選挙運動に従事できるか。
【A48】
選挙運動用のスローガンと認められる場合は禁止される。
「選挙運動用」とは、選挙運動用ポスター、選挙運動用自動車、選挙運動用通常葉書、選挙公報などに使用されているかなどを総合的に判断されるものである。

【Q49】
選挙運動用通常葉書について
①推薦者の代表者が経営する会社の従業員に、推薦者として自らの名前を記載した葉書を出すことはできるか。
②推薦者として、市役所職員の名前を記載した葉書を出すことはできるか。
③現職の市長・市議が、推薦者欄に名前を記載することはできるか。
④推薦者として、法人名を記載することはできるか。
【A49】
①自身が経営する会社の従業員に、葉書を出すことは問題ない。雇用主としての地位利用や社内での回覧は禁止となる。
②地方公務員は、地方公務員法第36条により政治的行為が制限されているため、推薦者として名前を連ねることはできない。
③単に推薦者として名前を記載することは問題ない。ただし、自己の氏名普及宣伝が目的と認められる場合は禁止される。

④差し支えない。

【Q50】
選挙運動用通常葉書に、「○○様 御一同様」など複数の選挙人を対象とした宛先を記載することは可能か。また、選挙運動用通常葉書を候補者以外の第三者が自己の名義により当該候補者を推薦する形態で使用することは可能か。
【A50】
同一世帯にある選挙人数名の名を連記することは、通常の使用方法と解され差し支えない。
会社や工場等選挙人が多数集中しているところへ個人の氏名を記載しないで、「○○御中」「○○ 御一同様」と記載して郵送することは、回覧、掲示等による伝達を予定しているものであり、文書の回覧、掲示の禁止に抵触する。

また、第三者が候補者の推薦文を掲載した葉書で頒布することはできるが、候補者が使用できる選挙運動用葉書を用いてする場合だけ許される。

【Q51】
宛名人不明により差出人に還付された選挙運動用通常葉書の取扱いはどうか。
【A51】
すでに頒布行為があったと見なされ、当該葉書を制限枚数の範囲内で再差出しする場合は、新たな頒布として取り扱われる。

【Q52】
インターネット選挙運動において、具体的にどのような手段を使用することができるのか。
【A52】
概要は以下のとおりである。
できること・できないこと 政党等 候補者 候補者・政党等以外の者
ウェブサイト等を用いた選挙運動 ホームページ、ブログ等 ○ ○ ○
SNS(ツイッター、フェイスブックなど) ○ ○ ○
政策動画のネット配信 ○ ○ ○
政見放送のネット配信 △※1 △※1 △※1
電子メールを用いた 選挙運動用電子メールの送信 ○ ○ ×
選挙運動 選挙運動用ビラ、ポスターを添付したメール
の送信 ○ ○ ×
送信された選挙運動用電子メールの転送 △※2 △※2 ×
ウェブサイト上に掲載・選挙運動用電子メールに添付された選挙運
動用ビラ・ポスターを紙に印刷して頒布 × × ×
ウェブサイト等・電子メールを用いた落選運動 ○ ○ ○
ウェブサイト等・電子メールを用いた落選運動以外の政治活動 ○ ○ ○
有料インターネット 選挙運動用の広告 × × ×
広告 選挙運動用ウェブサイトに直接リンクする
広告 ○ × ×
挨拶を目的とする広告 × × ×
※1 著作隣接権者(放送事業者)の許諾があれば可能
※2 新たな送信者として、送信主体や送信先制限の要件を満たすことが必要

【Q53】
フェイスブックや LINE などのユーザー間でやりとりをするメッセージ機能は「電子メール」に該当するか、「ウェブサイト等」に該当するか。
【A53】
ウェブサイト等に該当する。

【Q54】
電子メールを利用する方法による選挙運動を行うことができる候補者の範囲はどこまでか。
【A54】
候補者本人が直接送信する場合のほか、事務所の秘書のように候補者と使用関係にある者や、親族や友人のように特別信頼関係にある者が、候補者の指示の下で手足として送信に必要な作業に従事しているに過ぎない場合は、電子メールの送信主体制限に違反しない。

【Q55】
選挙運動が禁止されている者が下記の行為をすることができるか。
①選挙運動に関する事項に対し、フェイスブックの「いいね」をすること。
②選挙運動に関する事項に対し、ツイッターの「リツイート」をすること。
③候補者が街頭演説している姿の写真を撮り、フェイスブック及びツイッターに当該画像をアップすること。
【A55】
①できる。個別具体の状況によるが、直ちに選挙運動にあたらない。
②できない。一般的には、選挙運動に当たる恐れがあるため。
③できない。一般的には、選挙運動に当たる恐れがあるため。

【Q56】
言論による選挙運動とはどんな方法をいうか。
【A56】
文書図画によらない言論、つまり、演説や録音盤、放送など音声による言論運動という意味である。

【Q57】
連呼行為というのは何か。
【A57】
選挙運動のため、ある候補者の氏名、政党の名称、または演説会もしくは街頭演説のあることを知らせるため、短い言葉を連続して呼称することである。
連呼行為は、選挙運動のために使用する自動車上もしくは街頭演説(午前8時から午後8時まで)または演説会場の場所以外では禁止される。
なお、連呼行為ができる場合においても、学校、病院などでは静穏を保持するよう努めなければならない。

【Q58】
選挙運動期間中、朝6時から候補者がたすきを着けて駅前に立ち、通行人に対しあいさつを行うことはできるか。
【A58】
通行人に対する単なるあいさつであり、たすきの着用に時間的制限もないため可能であるが、演説及び連呼行為はできない(午前8時~午後8時の時間の制約)。

【Q59】
個人演説会の合同演説会を開いてもよいか。
【A59】
第三者主催の候補者合同演説会は開催できないが、各候補者が主催する合同個人演説会の形式を取れば差し支えない。

【Q60】
個人演説会の周知はどのような方法で可能であるか。
【A60】
選挙運動用ポスター、選挙運動用通常葉書、街頭演説、選挙運動用自動車上での連呼行為、電話、インターネットなどの方法が可能である。各戸を回っての周知は戸別訪問の禁止に抵触するためできない。

【Q61】
午後8時以降、幕間演説で連呼行為はできるか。
【A61】
幕間演説とは、選挙運動を目的としない集会、あるいは会社や工場での休憩時間などに、たまたまそこに集まっている人たちに向かって行う選挙運動のための演説である。
街頭演説以外の演説(個人演説会・幕間演説など)については、連呼行為の時間制限がないため、午後8時以降でも幕間演説での連呼行為は可能である。

【Q62】
街頭演説は何人でもやれるのか。
【A62】
選挙運動に従事する者(労務を提供する者を含むが、候補者本人及び選挙運動用自動車の運転手一人は除く。)は、候補者一人について15人を超えてはならず、これらの従事者は、市選挙管理委員会が交付する腕章をつけなければならない。

【Q63】
街頭演説の場で、候補者の氏名が入ったビラを頒布することはできるか。
【A63】
市長選挙は16,000枚、市議会議員選挙では4,000枚の選挙運動用ビラの頒布が認められているため、可能である。((9)文書図画による選挙運動〔QA45②〕参照)

【Q64】
同時に街頭演説を数か所で行っても差し支えないか。
【A64】
街頭演説をする際には、市選挙管理委員会が交付する標旗を掲げる必要がある。数は一つに決められているため、必然的に一箇所でしかできない。

【Q65】
選挙運動期間中、公共施設内で活動中の市民にあいさつ等をすることはできるか。
【A65】
単にあいさつ程度なら問題ないが、公共施設内では個人演説会会場以外での選挙運動は禁止される。

【Q66】
公共施設で出陣式を行うことができるか。
【A66】
出陣式については、場所等は自由に行うことができるが、選挙運動の一環(演説)と考えられる。
演説は、国又は地方公共団体の所有し又は管理する建物では選挙運動のための演説・連呼行為をすることができないとされているため、公共施設内での出陣式は禁止される。

また、市の管理する公園や駐車場は、地方公共団体の所有し又は管理する建物には含まれないので、公選法上行うことは可能である。
ただし、出陣式のために公園や駐車場の使用を許可するか否かは施設管理者の判断による。

【Q67】
当選のお礼の挨拶に制限はあるか。
【A67】
以下の行為は禁止される
① 戸別訪問をすること。
② 挨拶する目的をもって文書図画を頒布又は掲示すること。
ただし、自筆の信書、祝辞・見舞い等の答礼のためにする信書及びインターネットは可。
③ 挨拶する目的をもって新聞紙又は雑誌に広告を掲載すること。
④ 放送設備を利用して放送すること。
⑤ 当選祝賀会その他の集会を開催すること。
⑥ 自動車を連ねたりして、気勢を張ること。
⑦ 当選したお礼に、氏名等の名称を言い歩くこと。

【Q68】
当選祝いとしてお酒をもらうことは可能か。
【A68】
当選後の祝い酒については、一般的に政治活動に対する寄附と考えられるため可能である。
ただし、選挙期間中の陣中見舞いとして、お酒を受け取ることはできない。

((7)飲食物の提供〔Q35〕参照)

【Q69】
「当選御礼」の貼紙を事務所に掲示することはできるか。
【A69】
罰則をもって禁止される。

2章 政治活動
【Q70】
候補者用の立札・看板を駐車場(無人)のフェンスの金網に掲示することはできるか。
【A70】
政治活動のために使用する事務所として実態のない場所に掲示することはできない。

【Q71】
一般の住宅に候補者用2枚、団体用2枚の立札・看板を掲示することはできるか。
【A71】
その場所が、候補者の事務所であり、かつ後援団体の事務所となっているのであればそれぞれ各2枚ずつ掲示できる。

【Q72】
選挙運動期間中に新たな立札・看板の設置はできるか。
【A72】
選挙運動期間中は新たな設置はできない。また、移動することもできない。

【Q73】
政治活動用事務所を選挙事務所とした場合、政治活動用の立札・看板と選挙事務所用の看板を混在して掲示することはできるか。
【A73】
可能である。それぞれの規格や枚数等の条件を満たしていれば問題ない。

【Q74】
駅前等で市政報告会を行う際、氏名入りのぼり旗を掲示することはできるか。また、スローガンののぼり旗は掲示することはできるか。
【A74】
公職の候補者等の氏名が表示された政治活動用立札・看板の類(のぼり旗含む。)は、街頭演説の場所では掲示できない。
なお、スローガンについては、氏名類推事項に該当しないので掲示することはできる。

【Q75】
政治活動用の自動車の看板に候補者の氏名とスローガンを表示して走行することはできるか。
【A75】
氏名入りの立札・看板は、政治活動用の事務所において掲示するもの、もしくは演説会・講演会等の会場においてその開催中に使用するものに限られるため、自動車に取り付けて使用することはできない。
なお、スローガンのみの場合は、差し支えない。

【Q76】
政治活動用ポスターについて
①記載内容に規制はあるか。
②規格や枚数に制限はあるか。
③掲示方法に規制はあるか。
【A76】
①掲示責任者・印刷者の氏名・住所の記載が必要である。
②極端に大きいもの又は連続して多数掲示しているものは、選挙運動とみられる場合がある。
③ベニヤ板などの裏打ちによる掲示はできず、また任期満了の6ヵ月前などの一定期間は、掲示が禁止されている。

【Q77】
市議会議員の任期満了日前6ヵ月以内に入り、政党等の演説会告知用ポスターに当該市議選の立候補予定者が弁士として記載されたポスターについて掲示は認められるか。
【A77】
以下の事項を主な基準として、総合的に政党等のポスターと認められた場合は掲示可能である。
①弁士が複数であること。
②弁士の全てを同等に扱っていること。
③弁士1人にかかる面積が純然たる政党等部分を超えないこと。
④弁士の全てが同一選挙の同一選挙区の公職の候補者等ではないこと。
※ただし、上記を満たすポスターであっても、告示日以降は撤去しなければならない。

【Q78】
候補者個人の政治活動用ポスターを会社等の室内へ掲示することはできるか。
【A78】
任期満了前6ヵ月以内に、不特定多数の者が往来する場所に候補者個人の政治活動用ポスターを掲示することは禁止される。
なお、個人宅に内向きに掲示することは可能である。

【Q79】
平常時に、公職の候補者が駅前の路上に立ち演説を行っているが、次の行為に問題はあるか。
①午前6時30分頃からハンドマイクを片手に演説を行う。
②警察署の許可を受けずに行う。
【A79】
①平常時の政治活動のための街頭演説には制限がないため、可能である。
②道路に人を多数寄せつけて演説するなど一般交通に著しい影響を及ぼす場合は警察署の許可が必要な場合があるが、一般的に交通の妨害とならない場所に立ち、人の流れを阻害させない状態で演説する場合は、警察署の許可を受けなくても差し支えない。

【Q80】
民間団体が、告示日直前に市内の公民館において、候補者を集めて「公開討論会」を開催することは可能か。また、選挙運動期間中はどうか。
【A80】
告示日前の「公開討論会」の開催については、内容が候補者の選挙運動にわたらない限り、差し支えない。
一方、選挙運動期間中は、演説会を開催することができるのは候補者個人に限られており、民間団体が主催となっての「公開討論会」は開催することができない。
なお、各候補者が主催者となっての「合同個人演説会」の形をとる場合は差し支えない。

【Q81】
告示日前に、政治活動用自動車において、特定の候補者名を連呼しながら市内を走行することは可能か。
【A81】
氏名の連呼行為は事前運動となる恐れがある。

3章 寄附及びあいさつ状など
【Q82】
公職の候補者がする寄附で認められるのは何か。
【A82】
公職の候補者等は、選挙区内にある者に対して、時期に関わらず以下の場合を除いてすべての寄附が禁止されています。
①政党その他政治団体、またはその支部に対する寄附
②公職の候補者等の親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)に対する寄附
③選挙区内で行う政治教育集会に関する必要最小限度の実費補償
④公職の候補者自ら出席する結婚披露宴における祝儀、葬式や通夜における香典

【Q83】
公職の候補者が赤い羽根共同募金に募金することは問題があるか。
【A83】
募金先の事務所等が当該候補者の選挙区内にある場合は禁止される。

【Q84】
公職の候補者が日本赤十字の会員となることは問題ないか。
【A84】
一般会員として必要最低限の会費(2,000円ちょうど)であれば、寄附には当たらないが、必要最低限の会費(2,000円ちょうど)以外の金額は、寄附行為に該当し、公職選挙法に抵触するおそれがある。
自治会や町内会の関係で 2,000 円未満、または 2,000 円を超える金額となる場合は必要最低限の額を超える部分が禁止される寄附に当たるおそれがあることから、家族の意思により、家族の名義で活動資金協力を行う必要がある。

【Q85】
公職の候補者が選挙区内にある者の結婚披露宴に自ら出席し、祝儀として金銭以外の品物などを贈ることはできるか。
【A85】
「祝儀」については、金銭に限らず品物も含まれると解されており、候補者が自ら出席して送る場合は、罰則の適用から除外されている。

【Q86】
公職の候補者が選挙区内で行われる成人式の参加者に、記念品を贈ることはできるか。
【A86】
罰則をもって禁止される。

【Q87】
公職の候補者が選挙区内で行われる成人式に、祝電を出すことはできるか。
【A87】
祝電は寄附ではないため、内容が選挙運動にわたらない限り出すことはできる。

【Q88】
公職の候補者の配偶者などの親族や秘書が代理出席して、香典を相手方(選挙区内にある者)に届けることはできるか。
【A88】
公職の候補者自らが出席していないため、認められない。

【Q89】
「香典」はお金に限るのか。例えば、線香などを持って行くことは可能か。
【A89】
公職の候補者自らが出席しての香典(現金)のみ認められるため、線香・供花等は禁止される。

【Q90】
公職の候補者が香典をもらった場合、香典返しをすることは可能か。
【A90】
もらった香典に対して返戻の程度(香典の半額程度)の香典返しをすることは可能である。
なお、祝儀のお返しをすることは禁止されているので注意すること。

【Q91】
公職の候補者が配偶者や秘書名義で選挙区内にある者に対して寄附をすることは可能か。
【A91】
罰則をもって禁止される。

【Q92】
公職の候補者が町内会の野球大会に際して、カップや記念品を贈ることは可能か。
【A92】
罰則をもって禁止される。

【Q93】
公職の候補者の親や子供、配偶者が、その経費を自己負担して、自己の名義で寄附をすることは可能か。
【A93】
差し支えない。

【Q94】
後援団体がする寄附で認められるのは何か。
【A94】
後援団体は、選挙区内にある者に対して、以下の場合を除いてすべての寄附が禁止されている。
①当該公職の候補者に対する寄附
②政党その他政治団体やその支部に対する寄附
③後援団体がその団体の設立目的により行う行事や事業に関する寄附

【Q95】
後援団体の「設立目的により行う行事又は事業」とはどのようなものか。
【A95】
その団体の設立目的の範囲内において行う団体の総会その他の集会、見学、旅行その他の行事や印刷、出版などをいうものと解されている。

【Q96】
後援団体の設立目的に会員の親睦が入っている場合、花輪、供花、香典、祝儀等を出すことは可能か。
【A96】
罰則をもって禁止される。

【Q97】
禁止されるあいさつ状とは何か。
【A97】
公職の候補者が、選挙区内にある者に対し、年賀状、寒中見舞・暑中見舞状その他これらに類するあいさつ状を出すことは禁止される。
なお、これらのうち、答礼のための自筆によるものについては禁止の対象とされていない。

【Q98】
年賀状、寒中見舞・暑中見舞状その他これらに類するあいさつ状とはどのようなものがあるか。
【A98】
「喪中につき年賀のあいさつを失礼します」なる欠礼のはがきやクリスマスカード、FAXにより送る時候のあいさつ状などがある。
なお、弔電や祝電は禁止されるあいさつ状には含まれない。

【Q99】
印刷した事項のあいさつ状に公職の候補者が住所と氏名を自書したものは、自書によるあいさつ状と認められるのか。
【A99】
認められない。

【Q100】
パソコンにより作成したあいさつ状は、自筆によるあいさつ状と認められるのか。
【A100】
認められない。

【Q101】
選挙区内にある者に対する葉書の中に、時候のあいさつとそれ以外の政策の周知のための文書がある場合は出すことができるのか。
【A101】
全体としてみて時候のあいさつ状であるかどうかを判断することになる。

【Q102】
有料の政策広告は禁止されるのか。
【A102】
政策広告は、あいさつを目的とする有料広告とは異なるため、禁止されない。

【Q103】
有料の政策広告の中にあいさつ文を入れることは可能か。
【A103】
「あいさつ文」を入れることで、全体としてみて、主としてあいさつを目的とする有料広告に該当すると認められた場合は、罰則をもって禁止される。

【Q104】
公職の候補者が発行する政策普及宣伝のためのビラ等に、あいさつ文を掲載することはできるか。
【A104】
差し支えない。

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