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政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(35)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)

政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(35)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)

裁判年月日  平成26年 9月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号
事件名  損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
裁判結果  一部認容、一部棄却  文献番号  2014WLJPCA09256001

要旨
◆改正政治資金規正法により企業の政治献金が制限されたにもかかわらず本件会社が偽装の政治団体を設立して違法献金したことにつき、同社の役員である被告らには善管注意義務違反が認められるなどとして、同社の株主である原告が同社に損害賠償するよう求めた株主代表訴訟の事案において、本件政治団体は、本件会社が政治資金規正法を潜脱して政治献金をするために設立されたもので、同社が同団体名義で行った政治献金等は同法に反し、同献金等に関与した取締役には原則善管注意義務違反が認められるところ、被告らのうち4名は違法献金等の方法を認識し又は認識し得たとはいえないとして同人らの善管注意義務違反を否定し、同人らに対する請求を棄却する一方、残りの被告らは当該方法を認識していたか放置したことに過失があるとして、請求を一部認容した事例

出典
資料版商事法務 369号72頁

評釈
山下徹哉・旬刊商事法務 2075号85頁(下)
松井秀樹・会計・監査ジャーナル 27巻3号108頁

参照条文
会社法423条1項
会社法847条3項
商法266条1項5号(平18法87改正前)
政治資金規正法12条1項1号
政治資金規正法21条1項
政治資金規正法22条1項
政治資金規正法22条の6
政治資金規正法22条の8第4項
裁判官
大竹昭彦 (オオタケアキヒコ) 第40期 現所属 東京地方裁判所(部総括)
平成24年4月1日 ~ 東京地方裁判所(部総括)
平成24年2月3日 ~ 平成24年3月31日 東京地方裁判所
平成21年1月13日 ~ 平成24年2月2日 事務総局人事局給与課長
平成19年8月1日 ~ 平成21年1月12日 東京高等裁判所
平成16年8月1日 ~ 平成19年7月31日 事務総局行政局第一課長、第三課長、広報課付
平成15年4月1日 ~ 平成16年7月31日 事務総局行政局第二課長
平成12年4月1日 ~ 平成15年3月31日 大阪地方裁判所
平成11年4月1日 ~ 平成12年3月31日 盛岡地方裁判所、盛岡家庭裁判所、盛岡地方裁判所宮古支部、盛岡家庭裁判所宮古支部
平成9年4月1日 ~ 平成11年3月31日 盛岡地方裁判所、盛岡家庭裁判所、盛岡地方裁判所水沢支部、盛岡家庭裁判所水沢支部
平成6年6月1日 ~ 平成9年3月31日 東京地方裁判所
平成4年6月1日 ~ 免事務総局総務局付
平成4年4月1日 ~ 平成4年5月31日 事務総局総務局付
平成2年4月1日 ~ 平成4年3月31日 那覇家庭裁判所、那覇地方裁判所
~ 平成2年3月31日 大阪地方裁判所

小川暁 (オガワアキラ) 第56期 現所属 福岡高等裁判所宮崎支部
平成29年4月1日 ~ 福岡高等裁判所宮崎支部
平成26年4月1日 ~ 東京地方裁判所
平成24年4月1日 ~ 長崎地方裁判所五島支部、長崎家庭裁判所五島支部
平成22年4月1日 ~ 平成24年3月31日 千葉地方裁判所、千葉家庭裁判所
平成20年4月1日 ~ 平成22年3月31日 法務省人権擁護局付
平成15年10月16日 ~ 平成20年3月31日 大阪地方裁判所

村尾和泰 (ムラオカズヤス) 新第60期 現所属 大阪地方裁判所
平成30年4月1日 ~ 大阪地方裁判所
平成27年4月1日 ~ 函館地方裁判所、函館家庭裁判所
平成25年4月1日 ~ 東京地方裁判所
平成23年4月1日 ~ 平成25年3月31日 検事(東京法務局訟務部付)
平成20年1月16日 ~ 岡山地方裁判所

訴訟代理人
原告側訴訟代理人
松丸正,阪口徳雄,前川拓郎,辻公雄,由良尚文,塚田朋子,河野豊,加藤昌利,白井啓太郎,須井康雄,富田智和,沼田洋祐,三浦高敬,谷川直人,岡本仁志,天野聡,大住洋,影山秀樹,笠井計志,金啓彦,城之内太志,杉村元章,須磨美月,原正和,藤原武士,古川拓,矢吹保博

被告側訴訟代理人
中村信雄,押久保公人,田中裕美子,須田美玲,髙橋壮志,石垣美帆

引用判例
平成12年 7月 7日 最高裁第二小法廷 判決 平8(オ)270号 取締役損失補填責任追及請求控訴及び共同訴訟参加事件 〔野村證券損失補填株主代表訴訟・上告審〕

関連判例
平成18年11月14日 最高裁第三小法廷 決定 平18(オ)597号・平18(受)726号  〔熊谷組株主代表訴訟事件・上告審〕
平成12年 7月 7日 最高裁第二小法廷 判決 平8(オ)270号 取締役損失補填責任追及請求控訴及び共同訴訟参加事件 〔野村證券損失補填株主代表訴訟・上告審〕

Westlaw作成目次

主文
1 被告Y1は,a株式会社に対し…
2 被告Y5は,a株式会社に対し…
3 被告Y6は,a株式会社に対し…
4 被告Y8は,a株式会社に対し…
5 被告Y9は,a株式会社に対し…
6 被告Y10は,a株式会社に対…
7 原告の被告Y1,被告Y5,被…
8 訴訟費用は,原告に生じた費用…
事実及び理由
第1 請求
1 被告Y1,被告Y2及び被告Y…
2 被告Y3,被告Y4,被告Y8…
3 被告Y5は,a株式会社に対し…
4 被告Y6及び被告Y10は,a…
第2 事案の概要
1 本件は,a株式会社(以下「a…
2 前提事実(証拠等によって認定…
(1) 当事者等
(2) A等に係る刑事事件
(3) 提訴請求
(4) 本件訴えの提起
(5) 本件変更申立書の送達
(6) 関連法規の定め
3 争点
(1) 法令違反に係る善管注意義務違…
(2) 法令遵守に係る管理体制構築義…
(3) 損害及び因果関係(争点3)
4 争点についての当事者の主張
(1) 争点1(法令違反に係る善管注…
(2) 争点2(法令遵守に係る管理体…
(3) 争点3(損害及び因果関係)に…
第3 争点に対する判断
1 認定事実
(1) 前記前提事実,証拠(後記認定…
(2) ア 原告は,代表取締役であっ…
2 争点1(法令違反に係る善管注…
(1) 本件スキームを用いた政治献金…
(2) 被告Y1の責任について
(3) 被告Y2の責任について
(4) 被告Y5の責任について
(5) 被告Y6の責任について
(6) 被告Y8の責任について
(7) 被告Y9の責任について
(8) 被告Y10の責任について
(9) 被告Y3,被告Y4及び被告Y…
(10) 他方,被告らは,本件スキーム…
3 争点2(法令遵守に係る管理体…
(1) 原告は,被告らが,平成7年1…
(2) この点,取締役は,取締役会の…
(3) したがって,原告の上記主張は…
4 争点3(損害及び因果関係)に…
(1) 責任を負う損害の範囲について
(2) 各被告が責任を負う損害額につ…
第4 結論

裁判年月日  平成26年 9月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号
事件名  損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
裁判結果  一部認容、一部棄却  文献番号  2014WLJPCA09256001

平成21年(ワ)第46404号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)
平成22年(ワ)第16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)

横浜市〈以下省略〉
第2事件及び第3事件原告 X(以下「原告」という。)
同訴訟代理人弁護士 松丸正
同 阪口徳雄
同 前川拓郎
同 辻公雄
同 由良尚文
同 塚田朋子
同 河野豊
同 加藤昌利
同 白井啓太郎
同 須井康雄
同 富田智和
同 沼田洋祐
同 三浦高敬
同 谷川直人
同 岡本仁志
同 天野聡
同 大住洋
同 影山秀樹
同 笠井計志
同 金啓彦
同 城之内太志
同 杉村元章
同 須磨美月
同 原正和
同 藤原武士
同 古川拓
同 矢吹保博
東京都世田谷区〈以下省略〉
第2事件被告 Y1(以下「被告Y1」という。)
東京都杉並区〈以下省略〉
第2事件被告 Y2(以下「被告Y2」という。)
仙台市〈以下省略〉
第2事件被告 Y3(以下「被告Y3」という。)
福岡市〈以下省略〉
第2事件被告 Y4(以下「被告Y4」という。)
高松市〈以下省略〉
第2事件被告 Y5(以下「被告Y5」という。)
東京都町田市〈以下省略〉
第2事件被告 Y6(以下「被告Y6」という。)
神奈川県鎌倉市〈以下省略〉
第2事件被告 Y7(以下「被告Y7」という。)
東京都中野区〈以下省略〉
第3事件被告 Y8(以下「被告Y8」という。)
神奈川県逗子市〈以下省略〉
第3事件被告 Y9(以下「被告Y9」という。)
仙台市〈以下省略〉
第3事件被告 Y10(以下「被告Y10」という。)
上記被告ら訴訟代理人弁護士 中村信雄
同訴訟復代理人弁護士 押久保公人
同 田中裕美子
同 須田美玲
第3事件被告ら訴訟代理人弁護士 髙橋壮志
同 石垣美帆

 

 

主文

1  被告Y1は,a株式会社に対し,6億3786万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,被告Y5,被告Y6,被告Y8,被告Y9及び被告Y10と,それぞれ2億1244万円,1億1969万円,4億1833万円,4億1833万円及び1億1969万円並びにこれらに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で連帯して)支払え。
2  被告Y5は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y8及び被告Y9と連帯して,2億1244万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,被告Y6及び被告Y10と,1億1969万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で連帯して)支払え。
3  被告Y6は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y5,被告Y8,被告Y9及び被告Y10と連帯して,1億1969万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4  被告Y8は,a株式会社に対し,4億5293万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y9及び被告Y10と,それぞれ4億1833万円,2億1244万円,1億1969万円,4億1833万円及び1億1969万円並びにこれらに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で連帯して)支払え。
5  被告Y9は,a株式会社に対し,被告Y1及び被告Y8と連帯して,4億1833万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,被告Y5,被告Y6及び被告Y10と,それぞれ2億1244万円,1億1969万円及び1億1969万円並びにこれらに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で連帯して)支払え。
6  被告Y10は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y8及び被告Y9と連帯して,1億1969万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
7  原告の被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y8,被告Y9及び被告Y10に対するその余の請求,並びに被告Y2,被告Y3,被告Y4及び被告Y7に対する請求をいずれも棄却する。
8  訴訟費用は,原告に生じた費用を100分し,その15を被告Y1の,その5を被告Y5の,その3を被告Y6の,その10を被告Y8の,その10を被告Y9の,その3を被告Y10の,その余を原告の負担とし,被告Y1に生じた費用を10分し,その9を被告Y1の,その余を原告の負担とし,被告Y5に生じた費用を10分し,その9を被告Y5の,その余を原告の負担とし,被告Y6に生じた費用を10分し,その9を被告Y6の,その余を原告の負担とし,被告Y8に生じた費用を被告Y8の負担とし,被告Y9に生じた費用を10分し,その9を被告Y9の,その余を原告の負担とし,被告Y10に生じた費用を10分し,その9を被告Y10の,その余を原告の負担とし,被告Y2,被告Y3,被告Y4及び被告Y7に生じた費用をいずれも原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告Y1,被告Y2及び被告Y7は,a株式会社に対し,連帯して6億9028万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,4億5373万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y3,被告Y4,被告Y8及び被告Y9と,2億3144万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y5と,1億3089万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y6及び被告Y10とそれぞれ連帯して)支払え。
2  被告Y3,被告Y4,被告Y8及び被告Y9は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y2及び被告Y7と連帯して,4億5373万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,2億3144万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y5と,1億3089万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y6及び被告Y10とそれぞれ連帯して)支払え。
3  被告Y5は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y2,被告Y7,被告Y3,被告Y4,被告Y8及び被告Y9と連帯して,2億3144万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を(ただし,1億3089万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告Y6及び被告Y10と連帯して)支払え。
4  被告Y6及び被告Y10は,a株式会社に対し,被告Y1,被告Y2,被告Y7,被告Y3,被告Y4,被告Y8,被告Y9及び被告Y5と連帯して,1億3089万円及びこれに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は,a株式会社(以下「a社」という。)の株主である原告が,平成7年1月1日に施行された平成6年法律第4号による改正後の政治資金規正法(以下,平成11年法律第159号による改正後の政治資金規正法と併せて「新規正法」という。)により,企業の政治献金が大きく制限されることとなったにもかかわらず,a社において,政治団体であるb団体(以下「b団体」という。)及びc団体(以下「c団体」といい,b団体と併せて「本件政治団体」という。)を設立した上で,①従業員の中から成績優秀等の者(以下「特別評価者」という。)を選抜し,特別評価者をして本件政治団体の会員登録をさせた上で会費を支払わせ,当該会費分等を特別評価者の賞与に上乗せして支出(以下,このように支出した金員を「特別賞与加算金」という。)する方法(以下「本件会費スキーム」という。),及び②本件政治団体の主催する政治資金パーティーに係るパーティー券を購入し,その代金としてa社が支出した金員を支店長等の個人名を使用して振込送金する方法(以下「本件パーティー券スキーム」といい,本件会費スキームと併せて「本件スキーム」という。)により,a社の資金を本件政治団体に移し,本件政治団体を介して政治献金及びパーティー券の購入をしていたところ,本件スキームを用いた政治献金及びパーティー券の購入は新規正法21条1項,22条の6第1項又は22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反するものであって,被告らが,故意により本件スキームに関与し,過失により本件スキームによる会社財産の流出等を阻止せず,又は法令遵守の体制を構築せず,善管注意義務に違反したことにより,a社に前記の違法な支出をさせたなどと主張して,会社法847条3項によりa社のために,会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第87号)78条及び同法による改正前の商法(以下「旧商法」という。)266条1項5号又は会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき,被告らに対し,前記「第1 請求」記載のとおり連帯して,同記載の金額及びこれに対する平成22年12月9日付け「請求の趣旨の変更の申立書」(以下「本件変更申立書」という。)送達の日の翌日である平成22年12月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金をa社に対して支払うよう求める事案である。
なお,a社を原告とし,A(以下「A」という。)及びB(以下「B」という。)を被告とする第1事件(平成21年(ワ)第34639号 損害賠償請求事件)は,平成24年7月9日,a社と亡B承継人らとの間での和解が成立し,平成25年1月30日,a社とA(利害関係人を含む。)との間での和解が成立したことにより終了し,第2事件及び第3事件の原告が第1事件の原告の共同訴訟人として訴訟に参加した第4事件(平成24年(ワ)第28280号)は,平成25年1月21日の第18回弁論準備手続期日において,第4事件参加原告が共同訴訟参加申立てを取り下げたことにより終了した。
2  前提事実(証拠等によって認定した事実は,末尾に証拠等を掲げた。その余は当事者間に争いがない。)
(1)  当事者等
ア a社は,平成21年9月30日時点において,建築土木等を業とする資本金約235億円,従業員数約3390人,単元株式数を1000株とする株式会社である。(単元株式数が1000株であることは甲イ1及び弁論の全趣旨)
イ 原告は,後記(3)の提訴請求の6か月以上前から引き続き,a社の株式1000株を保有する者である。(甲ロ16)
ウ 被告ら,A及びC(以下「C」という。)のa社等における経歴は,次のとおりである。(甲イ1~4(甲イ2は枝番を含む。以下,特に記載しない限り,証拠番号は枝番を含むものとする。),11,12,42,43,51,93,98~106,甲ロ5~7,丁9,11~19)
(ア) 被告Y1
昭和28年4月 a社に入社
昭和59年7月1日 四国支店長に就任
昭和60年6月28日 取締役に就任
平成3年6月27日 東京建築支店長に就任
平成5年6月29日 代表取締役副社長・本社統括営業本部長兼施工本部長に就任
平成7年6月29日 代表取締役社長に就任
平成15年6月27日 代表取締役会長に就任
平成17年6月29日 代表取締役を退任
平成19年6月28日 取締役を退任
(イ) 被告Y2
昭和28年4月 a社に入社
昭和61年6月27日 取締役・本社建築営業部長に就任
平成7年6月29日 代表取締役副社長・本社建築営業本部長に就任
平成13年6月28日 代表取締役及び取締役を退任
(ウ) 被告Y3
昭和36年4月 a社に入社
平成5年6月29日 取締役・東京建築支店長に就任
平成13年6月28日 代表取締役副社長・本社建築営業本部長に就任
平成15年6月27日 代表取締役及び取締役を退任
(エ) 被告Y4
昭和39年4月 a社に入社
平成5年6月29日 四国支店長に就任
平成7年6月29日 取締役に就任
平成9年6月27日 九州支店長に就任
平成13年6月28日 代表取締役副社長・本社施工本部長に就任
平成14年9月1日 関東支店長を更に兼務
平成16年4月1日 関東支店長のみ兼務
平成18年6月29日 代表取締役及び取締役を退任
(オ) 被告Y5
昭和39年4月 a社に入社
平成9年6月27日 四国支店長に就任
平成10年6月26日 取締役に就任
平成14年6月27日 本社建築営業本部長に就任
平成15年6月27日 代表取締役副社長に就任
平成21年1月20日 代表取締役社長に就任
同年6月26日 代表取締役及び取締役を退任
(カ) 被告Y6
昭和37年7月 a社に入社
平成7年6月29日 東関東支店長に就任
平成8年6月27日 取締役に就任
同年7月1日 本社土木営業本部部長に就任
平成15年6月27日 本社土木営業本部長に就任
平成16年6月29日 代表取締役副社長に就任
平成18年6月29日 代表取締役及び取締役を退任
(キ) 被告Y7
昭和35年4月 a社に入社
昭和58年4月1日 横浜支店事務部長に就任
昭和62年7月1日 本社監査部長兼経理部副部長に就任
平成元年5月2日 本社経理部長に就任
同年6月29日 取締役に就任
平成13年6月28日 取締役を退任
(ク) 被告Y8
昭和40年4月 a社に入社
平成8年10月7日 東北支店次長に就任
平成11年4月1日 東北支店副支店長に就任
平成12年3月1日 本社総務部長に就任
平成13年6月28日 取締役・経営企画部長(兼本社総務部長)に就任
平成18年6月29日 取締役を退任
(ケ) 被告Y9
昭和39年4月 a社に入社
昭和62年4月1日 本社人事部人事課長に就任
平成2年4月1日 本社人事部部付部長に就任
平成12年7月1日 本社人事部長に就任
平成13年6月28日 取締役に就任
平成18年6月29日 取締役を退任
(コ) 被告Y10
昭和45年4月 a社に入社
平成9年4月1日 東北支店土木部長に就任
平成11年4月1日 東北支店次長に就任
平成15年4月1日 東北支店副支店長に就任
平成16年4月1日 東北支店長に就任
同年6月29日 取締役に就任
平成18年6月29日 取締役を退任
(サ) A
昭和36年4月 a社に入社
平成元年6月29日 取締役に就任
平成7年6月29日 本社事務本部長兼社長室長に就任(平成14年4月に事務本部が管理本部に名称変更されたため,同月から平成15年5月までは管理本部長兼社長室長である。)
平成11年6月29日 代表取締役副社長に就任
平成15年6月27日 代表取締役社長に就任
平成21年1月20日 代表取締役を退任,取締役を辞任
(シ) C
昭和39年4月 a社に入社
平成5年4月 本社経営企画部長に就任
平成13年6月 a社を退職,同社の子会社であるd株式会社(以下「d社」という。)の代表取締役社長に就任
(2)  A等に係る刑事事件
a社の代表取締役社長であったAは,平成21年1月20日,外国為替及び外国貿易法違反の容疑で逮捕され,同日,a社の代表取締役を退任して取締役を辞任した。さらに,Aは,同年3月3日,政治資金規正法違反の容疑で再逮捕された。
その後起訴されたAは,a社において,本件政治団体の名義で,①衆議院議員が代表者を務める政治団体が開催する政治資金パーティーの対価の支払をしたことが政治資金規正法22条の8第4項,22条の6第1項に違反し,②同議員が代表者を務める政党支部等に対して政治活動に関する寄附をしたことが同法22条の6第1項に違反し,③同議員の資金管理団体に対して政治活動に関する寄附をしたことが同法21条1項又は22条の6第1項に違反するなどとして,平成21年7月17日,東京地方裁判所において,禁錮1年4月,執行猶予3年の有罪判決を受け,同判決は,同年8月1日,確定した。
なお,衆議院議員の資金管理団体の会計責任者であり,かつ同議員が代表者を務める政党支部の政治活動に関する寄附の受入れ等に関する事務に従事していた者らは,a社から,本件政治団体を介して当該資金管理団体及び当該政党支部に政治活動に関する寄附を受けたことなどが政治資金規正法22条の6第3項,第1項に違反するなどとして,平成23年9月26日,東京地方裁判所において有罪判決を受け,これに対して控訴したものの,平成25年3月13日,東京高等裁判所において控訴が棄却された(以下,前記Aの政治資金規正法違反等に係る刑事事件と併せて「本件刑事事件」という。)。(甲イ7,40,甲ロ21,乙23,弁論の全趣旨)
(3)  提訴請求
原告は,平成21年7月29日,a社の監査役であったD,同E,同F及び同Gに対し,本件政治団体の会員となった特別評価者に対して支払った特別賞与加算金相当額,本件政治団体の主催する政治資金パーティーに係るパーティー券購入代金相当額の支出に係る被告らの善管注意義務違反の責任追及訴訟を提起するよう請求(提訴請求)したが,a社は,当該請求後60日を経過しても被告らに対する訴えを提起しなかった。なお,前記監査役4人は,同年10月5日付けで,原告に対し,被告らについて訴えを提起しない旨回答した。(甲ロ2,3,弁論の全趣旨)
(4)  本件訴えの提起
原告は,平成21年12月19日,H(以下「H」という。),被告Y1,I(以下「I」という。),J(以下「J」という。),被告Y2,K(以下「K」という。),被告Y3,被告Y4,被告Y5,被告Y6,B及び被告Y7を被告とする訴え(第2事件)を,平成22年4月29日,被告Y8,被告Y9及び被告Y10を被告とする訴え(第3事件)を,それぞれ提起した。なお,原告は,第2事件のうち,平成22年6月10日・H及びKに対する各訴えを,平成24年3月31日・Bに対する訴えを,平成25年9月19日・Jに対する訴えを,平成26年1月25日・Iに対する訴えを,それぞれ取り下げた。(顕著な事実)
(5)  本件変更申立書の送達
本件変更申立書は,平成22年12月9日,被告らに送達された。(顕著な事実)
(6)  関連法規の定め
ア 平成6年法律第4号による改正前の政治資金規正法(以下「旧規制法」という。)の規定
(ア) 12条1項
政治団体の会計責任者は,毎年12月31日現在で,当該政治団体に係るその年における収入,支出その他の事項で次に掲げるもの(中略)を記載した報告書を,その日の翌日から3月以内(中略)に,第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は自治大臣に提出しなければならない。
1号 (略)
ロ 同一の者からの寄附で,その金額の合計が,政党又は政治資金団体に対するものにあっては年間1万円,その他の政治団体に対するものにあっては年間100万円を超えるものについては,その寄附をした者の氏名,住所及び職業並びに当該寄附の金額及び年月日(以下略)
(イ) 22条1項
政治活動に関する寄附は,各年中において,次の各号の区分に応じ,当該各号に掲げる額を超えることができない。
1号 個人のする寄附 2000万円
2号 会社のする寄附 次の表の上欄に掲げる会社の資本又は出資の金額の区分に応じ,それぞれ同表の下欄に掲げる額

50億円以上 3000万円
(以下略)

(ウ) 22条の2第1項
何人も,各年中において,政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては,150万円を超えて政治活動に関する寄附をしてはならない。
イ 新規正法の規定
(ア) 12条1項
政治団体の会計責任者(中略)は,毎年12月31日現在で,当該政治団体に係るその年における収入,支出その他の事項で次に掲げるもの(中略)を記載した報告書を,その日の翌日から3月以内(中略)に,第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は自治大臣に提出しなければならない。
1号 (略)
イ 個人が負担する党費又は会費については,その金額及びこれを納入した者の数
ロ 同一の者からの寄附で,その金額の合計額が年間5万円を超えるものについては,その寄附をした者の氏名,住所及び職業並びに当該寄附の金額及び年月日
ハないしヘ (略)
ト 一の政治資金パーティーの対価に係る収入(中略)のうち,同一の者からの政治資金パーティーの対価の支払で,その金額の合計額が20万円を超えるものについては,その年における対価の支払について,当該対価の支払をした者の氏名,住所及び職業並びに当該対価の支払に係る収入の金額及び年月日(以下略)
(イ) 21条1項
会社,労働組合(中略),職員団体(中略)その他の団体は,政党及び政治資金団体並びに資金管理団体以外の者に対しては,政治活動に関する寄附をしてはならない。
(ただし,同項の規定は,平成11年法律第159号により,「会社,労働組合(中略),職員団体(中略)その他の団体は,政党及び政治資金団体以外の者に対しては,政治活動に関する寄附をしてはならない。」と改正され,本件刑事事件当時は改正後のものが施行されていた。)
(ウ) 22条1項
政治活動に関する寄附は,各年中において,政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては,150万円(会社,労働組合,職員団体その他の団体のするものにあっては,50万円)を超えることができない。
(エ) 22条の6
第1項
何人も,本人の名義以外の名義又は匿名で,政治活動に関する寄附をしてはならない。
第3項
何人も,第1項の規定に違反してされる寄附を受けてはならない。
(オ) 22条の8第4項
第22条の6第1項(中略)の規定は,政治資金パーティーの対価の支払について準用する。この場合において,第22条の6第1項中「政治活動に関する寄附」(中略)とあるのは「政治資金パーティーの対価の支払」と(中略)読み替えるものとする。
3  争点
(1)  法令違反に係る善管注意義務違反の有無(争点1)
(2)  法令遵守に係る管理体制構築義務違反の有無(争点2)
(3)  損害及び因果関係(争点3)
4  争点についての当事者の主張
(1)  争点1(法令違反に係る善管注意義務違反の有無)について
(原告の主張)
ア 本件スキームを利用した政治献金等の違法性
(ア) 本件会費スキームの概要は,次のとおりである。
a a社は,同社の名前を出さずに,同社の資金をもって,同社が決めた献金先に対して所要の金額を献金することができるようにするため,政治団体(本件政治団体)を設立する。
b a社が選定した特定の従業員(特別評価者)は,本件政治団体に対し,年2回,会費名目で一定の金額を支払う。
c a社は,特別評価者が本件政治団体に対して支払った金額(それによる所得税等の増加分を含む。)を,年2回の賞与支給時に上乗せして支給し,補てんする(特別賞与加算金)。
(イ) 本件パーティー券スキームの概要は,次のとおりである。
a 本件政治団体は,政治資金パーティーの開催を装い,関係者に対して同パーティーの開催通知をし,パーティー券を発行する。
b a社本社総務部門は,本社の他の部門や各支店に対し,a社の資金をもって前記パーティー券を購入すること,もっとも前記パーティーの対価の振込送金はa社幹部従業員の個人名で行うことを指示する。
c a社本社総務部門は,本社の他の部門や各支店に対し,架空の政治資金パーティーの案内状,パーティー券及び振込用紙を送付する。
d 本社各部門や各支店の担当者は,経理担当者に対し,前記パーティーの対価を振込送金するよう指示し,同経理担当者は,a社の資金をもって,各幹部従業員の個人名で振込送金を行う。
e 政治資金パーティーが開催されたとの痕跡を残すため,ホテルの部屋を借り,a社の幹部らが昼食を食べながら雑談等をする。
f さらに,本件政治団体において,経費が少なすぎることで活動実態がないといった疑惑を招かないようにするため,政治資金パーティーとは無関係の交通費等をパーティー開催事業の経費として計上する。
(ウ) 本件政治団体は,a社の指示の下,本件スキームによりa社から資金の提供を受け,これを原資として政治献金及びパーティー券の購入をしていたところ,こうした仕組みを全体としてみると,実質的にはa社が政治活動の寄附又は政治資金パーティーの対価の支払を行うものであるにもかかわらず,形式的には本件政治団体の名義でこれを行うものであるから,本件スキームを用いた政治献金は新規正法21条1項,22条の6第1項に違反し,本件スキームを用いたパーティー券の購入は同法22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反する。
(エ) また,本件会費スキームにおいて,a社の従業員が本件政治団体に対して納める会費は,実質的には,a社が本件政治団体に対してする政治活動に関する寄附に該当するから,a社が本件政治団体に資金を移転する行為は,政治団体に対する会社の寄附を禁止した新規正法21条1項に違反し,a社が特別評価者の名義を利用して会費名目で本件政治団体に資金を移転する行為は,他人名義で政治活動に関する寄附をすることを禁止した同法22条の6第1項に違反する。
本件パーティー券スキームを利用した資金移転行為も,同様に,同法22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反する。
イ 被告らの法令違反に係る責任
(ア) 被告Y1
a 故意による責任
(a) 被告Y1は,Aから,会社の従業員が個人として政治家の資金管理団体に献金を行うことは何ら問題がないから,個人で献金した従業員に対してその支出分を何らかの形で補てんすることを考えている旨の報告を受けており,①a社の従業員が個人として政治家の資金管理団体に寄附すること,②献金した従業員にはa社がその支出分を補てんをすること自体は認識していたのであるから,本件会費スキームの違法部分を認識していたものである。
(b) この点を措くとしても,被告Y1は,①平成6年頃,Aから本件会費スキームの概略について説明を受け,a社が会費相当額を補てんする旨を認識していた上,本件会費スキームの適法性について疑問を抱いていたこと,②平成6年当時,a社本社において,政治献金に係る支出の決裁権者であったこと,③平成7年8月に代表取締役が出席して開催された会議(以下「代表者会議」という。)において,Aから本件会費スキームについて詳細な報告を受けたこと,④平成7年10月頃開催された取締役会において,取締役以上の者もb団体の会費を支払うべきであるとのHの提案に同調し,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったこと,⑤c団体の設立を了承したこと,⑥平成8年5月より後に,取締役以上の者がb団体の会費を支払うことを止めるよう指示をしたこと,⑦本件会費スキームが開始される直前である平成7年6月に代表取締役社長に就任した後,平成17年6月に代表取締役会長の地位を退くまでの間,a社の代表権を保有し続け,同社の実権を握っており,本件会費スキーム開始時に取締役でもなかったAが被告Y1の了承を得ることなく本件会費スキームを策定及び実行するとは考えられないことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたものである。
(c) したがって,被告Y1は,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y1が故意による責任を負わないとしても,被告Y1は,①本件会費スキーム開始当時代表取締役社長の地位にあり,政治家との交際もその職務内容の一つであって,本件会費スキームを利用した資金移転により政治献金の原資を実質的にa社が負担しているとの疑いを持つことができたこと,②前記aのとおりAから本件会費スキームについて説明を受けていたこと,③従業員から金員を集めてa社内の部署に保管してパーティー券を購入することや,a社が保管した金員の使途を決定することを認識していたことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(イ) 被告Y2
a 故意による責任
被告Y2は,①昭和61年からa社の取締役であり,本件会費スキームが構築された平成7年には代表取締役副社長・本社建築営業本部長に就任してa社の代表権を有し,政治献金を含めた全ての業務を統括する立場にあったこと,②平成7年8月に開催された代表者会議において,Aから本件会費スキームについて詳細な説明を受けたこと,③平成10年に開催された代表者会議において,b団体と同様のスキームでc団体を設立する旨を了承したこと,④本件会費スキームが構築された平成7年当時,営業部門を統括する本社建築営業本部長の地位にあり,政治献金に密接に関与していたこと,⑤平成7年10月頃開催された取締役会において,H及び被告Y1らから本件会費スキームについて説明を受けた後,Hの提案に同調して,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったこと,⑥C及び被告Y9の依頼を受け,建築営業本部長として特別評価者候補の名簿作成に関与したこと,⑦直属の部下であったL(以下「L」という。)がa社を退職してb団体の代表になったことにつき,苦情を述べていたことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y2が故意による責任を負わないとしても,被告Y2は,①本件会費スキームが,a社の本社及び支店において最大で220人もの従業員を巻き込み,長年にわたり公然かつ組織的に行われていたものであり,容易に知り得る状況にあったこと,②従業員らの自己負担だけでb団体がする政治献金の原資を賄うことはできないことは容易に認識し得たこと,③a社においては,一方で,伝統的に政治献金が営業方法の一つとされていたものの,他方で,平成5年のいわゆるゼネコン汚職で逮捕者まで出した上,新規正法により政治献金が厳しく制約されることになり,政治献金自体ができなくなるという話が社内で出ていたこと,④部下に支給される賞与額を見れば,特別賞与加算金が上乗せされている者とそうでない者がいることを認識することができたことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(ウ) 被告Y3
a 故意による責任
被告Y3は,①本件会費スキームが,最大で220人の従業員を特別評価者という形で関与させた極めて大規模かつ組織的なものであり,数人の従業員が会社に秘密で行ったものではないこと,②平成7年当時被告Y3が支店長であった東京建築支店所属の従業員(特別評価者22人を含む。)の成績査定を担当する一方,本社人事部から賞与額明細表を親展扱いで受領していたため,前記特別評価者の賞与額が上乗せされていることを把握していたこと,③東京建築支店長又は本社建築営業本部長として,政治献金をするか否か及びする場合の金額を事実上決定していたところ,政治献金の原資を知らなければ,前記決定をすることはできないこと,④平成7年10月頃開催された取締役会において,H及び被告Y1らから本件会費スキームについて説明を受けた後,Hの提案に同調し,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったこと,⑤平成7年8月以降は東京建築支店長として,平成13年6月以降は本社建築営業本部長として,それぞれ特別評価者候補の選定を行っていたことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y3が故意による責任を負わないとしても,被告Y3は,前記a①及び②の事情に加え,③東京建築支店長や本社建築営業本部長として政治献金の支出先や金額を決定する際,本件政治団体からの政治献金先や献金額を把握しており,本件政治団体が本件会費スキームを用いて資金を集めていたことは,管理部やAその他の役員に確認すれば容易に認識し得たことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(エ) 被告Y4
a 故意による責任
被告Y4は,①本件会費スキームが,最大で220人の従業員を特別評価者という形で関与させた極めて大規模かつ組織的なものであり,数人の従業員が会社に秘密で行ったものではないこと,②平成7年当時被告Y4が支店長であった四国支店所属の従業員(特別評価者21人を含む。)の成績査定を担当する一方,本社人事部から賞与額明細表を親展扱いで受領していたため,前記特別評価者に賞与額が上乗せされていることを把握していたこと,③四国支店長,九州支店長,関東支店長又は代表取締役副社長・本社施工本部長として,政治献金の支出先や金額の決定に関与していたこと,④平成7年10月頃開催された取締役会において,H及び被告Y1らから本件会費スキームについて説明を受けた後,Hの提案に同調し,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったこと,⑤平成7年8月以降は四国支店長として,平成9年6月以降は九州支店長として,平成13年6月以降は本社施工本部長として,平成14年9月以降は同本部長兼関東支店長として,特別評価者候補の選定を行っていたことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y4が故意による責任を負わないとしても,被告Y4は,前記a①及び②の事情に加え,③四国支店,九州支店又は関東支店等の支店長として政治献金の支出先や金額を決定する際,本件政治団体からの政治献金先や献金額を把握しており,本件政治団体が本件会費スキームによって資金を集めていたことは,管理部やAその他の役員に確認すれば容易に認識し得たことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(オ) 被告Y5
a 故意による責任
被告Y5は,①四国支店長又は本社建築営業本部長として,政治献金をするか否か及びする場合の金額の決定に関与していたこと,②特別評価者に選定され,Cから,本件政治団体に会費名目で金員を振込送金するよう指示を受けるとともに,支払った金員は賞与で補てんされるなど本件会費スキームの概要の説明を受け,同指示に従って6回にわたり,会費名目で金員を支払ったこと,③遅くとも平成10年6月以降は四国支店長として,平成14年6月以降は本社建築営業本部長として,それぞれ特別評価者候補の選定を行っていたこと,④a社は表向き政治献金をしていないはずであるにもかかわらず,「Y5メモ」と呼ばれる政治献金先のリストを作成していたこと,⑤平成17年にa社社内において本件政治団体の解散を検討した際,政治家に対する政治献金が必要であるとの意見を述べてこれに反対し,本件スキームの継続・維持に向けて努力したことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y5が故意による責任を負わないとしても,被告Y5は,①平成7年当時,新規正法により従来どおりの政治献金ができなくなったことを認識していたこと,②自ら特別評価者に選定されるとともに,他にも選抜された者がおり,b団体がa社の従業員のみを会員とする政治団体であることを認識していたこと,③Cから本件会費スキームの概要の説明を受けた際,これが公にできる話ではないとのニュアンスを伝えられていたこと,④四国支店長当時,部下の従業員から政治献金やパーティー券購入に係る要望を受けた際には本社に相談していた上,本社建築営業本部長当時,営業担当の役員が持ち込んだ建築部門の政治献金案件を取りまとめて本部に上申していたこと,⑤平成15年6月に代表取締役に就任した時点では,a社が政治献金をする必要性を認識していたことからすると,取締役に就任した平成10年6月以降,あるいは遅くとも代表取締役になった平成15年6月以降は,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(カ) 被告Y6
a 故意による責任
被告Y6は,①本件会費スキームが,最大で220人の従業員を特別評価者という形で関与させた極めて大規模かつ組織的なものであり,平成7年から平成18年まで約10年以上の長期間継続して行われたこと,②自らも特別評価者に選定され,本件会費スキームの概要の説明を受けるとともに,b団体に対し会費名目で金員を支払っていたこと,③平成7年8月当時,東関東支店長として特別評価者の選定を担当し,同年の冬期賞与支払時には,東関東支店に在籍する90人程度の従業員のうち被告Y6を除く17人を特別評価者として選定していたこと,④平成11年6月以降は本社土木営業本部長として特別評価者候補の選定を行っていたこと,⑤本社人事部から支店長宛てに親展扱いで送付された賞与額明細表を受領していたため,前記特別評価者の賞与額が上乗せされていることを把握していたこと,⑥本社土木営業本部長として政治献金の支出先や金額を実質的に決定しており,a社の政治献金が本件政治団体から支出されることを認識していたこと,⑦Lとは親密な間柄であって,Lが,平成8年にa社を退職する際,b団体の代表に就任する旨も話したと思われることからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y6が故意による責任を負わないとしても,被告Y6は,前記a①の事情に加え,②本件会費スキームを構築するに当たり,本社から支店に説明に来たCが特別評価者候補となった従業員に一人ずつ面談する方式により特別評価者となる意思を確認しており,面談を受けた従業員にその内容等を尋ねることにより,本件会費スキームを容易に認識し得たこと,③部下の賞与額を見て,上乗せされている者とされていない者が存在していると認識し得たこと,④退職後7年以上経過したLがa社に出入りしていることから,b団体とa社とが何らかの関係があると認識し得たことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(キ) 被告Y7
a 故意による責任
被告Y7は,①本件会費スキームが,最大で220人の従業員を特別評価者という形で関与させた極めて大規模かつ組織的なものであり,平成7年から平成18年まで約10年以上の長期間継続して行われていたこと,②平成7年10月頃開催された取締役会において,取締役もb団体の会費を支払うよう命じられたため,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y7が故意による責任を負わないとしても,被告Y7は,①長期間本社経理部長を務め,経理部に所属する部下の従業員の成績査定にも関与する一方,経理部にも特別評価者が存在していたため,自らの成績査定が同じであるにもかかわらず賞与額が異なっていると認識し得たこと,②a社が支出する賞与の総額を知っており,本件会費スキームが開始された平成7年冬期賞与分から賞与の支給総額が増加したことを認識し得たことからすると,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(ク) 被告Y8
被告Y8は,①本件会費スキームが,最大で220人の従業員を特別評価者という形で関与させた極めて大規模かつ組織的なものであり,平成7年から平成18年まで約10年以上の長期間継続して行われていたこと,②自ら特別評価者に選任され,本件会費スキームの概要の説明を受けており,平成13年6月に取締役に就任するまでの間に11回にわたり会費名目で金員を支払っていたこと,③本件刑事事件においても本件スキームの全容を把握していた旨を認めていたこと,④平成11年4月に東北支店副支店長に就任した後,部下の従業員の成績を査定して支店長に提出するなど,部下の賞与額を知り得る立場にあった上,実際にも,管理部門に所属する部下の従業員の賞与額を見ることにより本件会費スキームについて認識していたこと,⑤平成12年3月に本社総務部長に就任した後,a社の政治献金案件を取り仕切っており,本件会費スキームの詳細を把握していたこと,⑥a社の従業員も,被告Y8が本件政治団体の会費の取りまとめやパーティー券購入を指示するなど,本件スキームに関与している旨を供述していることからすると,本件スキームの違法性を認識しながらこれに関与しており,故意による責任を負う。
(ケ) 被告Y9
a 故意による責任
被告Y9は,①平成7年秋頃,Cから,政治団体を設立した上で特別評価者に会費名目で金員を振り込ませるとの説明を受け,Cの依頼に応じて,人事担当者として特別評価者候補を選定したこと,②本社人事部において賞与の加算額を試算したこと,③本社人事部給与厚生課の担当者に特別評価者一覧表を交付して,賞与の加算を指示したこと,④その後,必要に応じて特別評価者の数を増減させることに関与したこと,⑤本社及び各支店を回って特別評価者候補に対する説明会を開催し,b団体の会員となることについての同意を取り付けたこと,⑥賞与加算がなくなると,大半の従業員が本件政治団体の会員であることを辞めることになるので,本件政治団体も消滅すると思っていたこと,⑦特別評価者制度を廃止する際,特別評価者全員に対して5万円を支給するよう提案しこれを実行させたことからすると,当初から本件会費スキームの全容を知悉してこれを実行していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
また,本件パーティー券スキームは,本件会費スキームから派生したものであって,本件会費スキームを中止し又はこれを調査することを取締役会の議題とすれば,本件パーティー券スキームについてもこれを是正することが可能であったといえるから,本件会費スキームの違法性を認識していた被告Y9は,本件パーティー券スキームについても故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に被告Y9が故意による責任を負わないとしても,被告Y9は,本件政治団体が主催する政治資金パーティーが実態を伴わないものであることを知悉しながら,これに実態があるかの如く仮装するための食事会に出席していたのであるから,本件パーティー券スキームを是正しなかったことについて,少なくとも過失による責任を負う。
(コ) 被告Y10
a 故意による責任
被告Y10は,①東北支店長として,政治献金をするか否か及びする場合の金額の決定に関与していたこと,②自ら特別評価者に選定され,本件政治団体に会費名目で金員を振込送金するよう指示を受けるとともに,支払った金員は賞与で補てんされるなど本件会費スキームの概要の説明を受け,同指示に従って,会費名目で金員を支払ったこと,③東北支店長当時,部下の従業員の賞与額を見て,成績査定が同じであるのに賞与の額が異なる者がいることを認識していたこと,④東北支店には特別評価者に選定された従業員が多数存在したことからすると,本件会費スキームの違法部分を認識していたといえるから,本件会費スキームについて故意による責任を負う。
また,被告Y10は,東北支店長として勤務していた当時,同支店事務担当次長であったM(以下「M」という。)から,本件政治団体のパーティー券の購入に被告Y10の名義を用いることの可否を尋ねられ,これを了承していたのであるから,本件パーティー券スキームについても故意による責任を負う。
b 過失による責任
仮に,被告Y10が,本件政治団体に対して会費名目で振込送金していた金員は自己負担に係るものであると考えていたとしても,自己負担金から会費名目の金員を振込送金することの不合理性は明らかである上,前記a①,③及び④の事情によれば,被告Y10は,少なくとも取締役に就任した時点で,本件スキームの存在やその問題性に容易に気付くことができたものであり,自らが寄附と認識していた金員の使途等を調査するよう取締役会に付議するなどして会社財産の流出を阻止すべきであったといえるから,過失による責任を負う。
(被告らの主張)
ア 本件スキームを利用した資金移転行為の違法性
(ア) 本件スキームを用いた政治献金が新規正法21条1項及び22条の6第1項に違反し,本件スキームを用いたパーティー券購入が同法22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反することは,争う。
(イ) 特別評価者に選定された従業員は,任意に,本件政治団体の会員となって会費を支払ったものであって,a社が寄附をしたわけではないから,「会社」が「政治活動に関する寄附」をした場合(新規正法21条1項)には当たらない。
また,特別評価者に選定された従業員は,任意に,自己の名義と計算において会費の支払をしたものであって,a社に代わって寄附をしたわけでもないから,a社が本人名義以外の名義で政治活動に関する寄附をした場合(新規正法22条の6第1項)にも当たらない。
さらに,a社が自己の名義で本件政治団体の主催するパーティーの対価の支払を行っていることは,他人名義のパーティー券の購入(新規正法22条の8第4項により準用される22条の6第1項)とはいえないし,a社が支店長等その他の他人の名義で前記パーティー券の支払処理をしたことについては,十分な主張・立証がされていない。
イ 被告らの法令違反に係る責任
(ア) 原告の主張する平成7年8月又は平成10年の代表者会議は開催されておらず,また,平成7年10月頃開催された取締役会において,本件会費スキームについて説明されたり,役員に対しb団体に会費を納付するよう指示・提案がされたりしたことはなかった。
また,特別評価者候補は,本件政治団体の会員となって会費を支払うよう依頼されるにとどまり,会費として収めた金員の使途や本件政治団体とa社との関係については説明を受けない場合も多く,中には賞与の上乗せについて説明を受けない場合もあった。そして,a社においては,従業員に賞与が支給される際に各従業員に交付される賞与明細書には賞与額総額のみが記載され,その内訳は記載されなかったから,特別評価者は,本件政治団体に会費として支払った金額が賞与に上乗せされていることを認識し得なかった。
部下の従業員の賞与額明細表を確認することにより特別評価者制度を認識し得たか否かについては,a社においては,平成7年11月頃から平成18年までの間,上司に対し,部下の従業員の賞与の額を開示する制度は存在しなかった。すなわち,①本社において,従業員ごとの賞与額明細表は各本部長等に交付されておらず,②各支店においては,本社人事部から各支店長宛てに賞与額明細表が送付され,支店事務部(総務部)がこれを保管・管理していたが,各支店長は,賞与額明細表を含む人事関係の出力票が送付されると,事務部長(総務部長)にそのまま渡すというのが通常の運用であった(実際,被告らの中で支店長を経験した者も,賞与額明細表を見た記憶はないし,これを見たとしても各従業員の賞与の額の差を認識することはできなかった。)。仮に,各支店長が当該支店の従業員の賞与額明細表を見たとしても,同明細表には従業員の当期の賞与額総額が記載されているにとどまり,その内訳等は記載されていなかったから,これにより本件会費スキームの存在及び内容を認識することはできなかった。
さらに,営業担当者が政治献金先を決定していたことはなかった。
(イ) 本件スキームは,その構築段階から,Aを中心とした少数の者によって実施されてきた。そして,本件スキームに関する事項が取締役会において諮られたり報告されたりしたことはなく,他にこれを覚知すべき機会もなかったのであるから,本件スキームに直接関与しない取締役らが,自らの職務権限を越えて監督機能を果たすことは不可能であった。
また,本件スキームによる政治献金の違法性の有無(「寄附をした者」(新規正法26条1号,26条の2第4号)に当たるか否かを形式的に判断するか,実質的に判断するか。)については,新規正法の法解釈上,専門家の間でも法的見解が分かれる困難な法律問題であった上,当時の運用においては,本件のような場合に実質的立場から違法と判断して検挙等がされた例はなかった。
さらに,特別評価者は,任意に,本件政治団体に入会し,会員として会費を支払っていたのであり,a社の職務命令等により入会や会費の支払等が強制されたことはないし,特別賞与加算金が本件政治団体に支払った会費の補てんであることが明確に認識されていたわけでもなかった。
(ウ) このように,本件の事実関係や新規正法の法解釈・運用の実態等からすると,Aのように本件スキームを考案・策定し実行した直接の担当取締役はともかく,それ以外の取締役は本件スキームの違法性を的確に認識ないし予測することができなかった。したがって,本件スキームが仮に違法であったとしても,被告らは,本件スキームの全体像及びその違法性を認識していたといえないから,故意による責任を負わないし,本件スキームについて認識する機会がなく,その違法性も含めて的確に認識することができなかったから,過失による責任も負わない。
(2)  争点2(法令遵守に係る管理体制構築義務違反の有無)について
(原告の主張)
ア a社においては,長期間にわたり多額の政治献金が行われており,平成5年にはいわゆるゼネコン汚職により同社の副社長が逮捕・起訴されたのであるから,少なくとも平成5年時点においては,政治献金に関し法令遵守体制が整っていなかった。また,いわゆるゼネコン汚職を経ても,同社内において,同社の献金であると知られないようにして多額の献金を実施する必要があるという認識が蔓延しており,政治献金に関する法令遵守の意識は低かった。
したがって,a社においては,新規正法に抵触する政治献金が行われる可能性が高かったから,政治資金に特化した監査を実施し,政治献金に関する法令遵守が行われているかを調査する必要があったものであり,具体的には,平成7年1月時点において,①政治献金の担当者からの献金実施状況に関する事情聴取,②政治献金の相手方及び献金額に関する調査,③新規正法による規制に沿った献金であるか否かに関する調査など,政治献金に関する支出の監査制度を構築すべきであった。
イ また,a社は,少なくともいわゆるゼネコン汚職発覚後には,違法献金の有無を発見するため,実効性のある内部通報制度を整備する必要があり,具体的には,内部通報制度の周知徹底,外部の弁護士等による窓口の設置,匿名での通報受理等の措置を講ずべきであった。
ウ さらに,a社は,少なくともいわゆるゼネコン汚職発覚後には,政治資金に関する従業員の遵法意識を高めるため,新規正法等政治献金に関する法制度についての研修体制を構築すべきであった。
(被告らの主張)
ア a社は,取締役及び従業員の職務執行が法令及び定款に適合するための体制を整備するため,a社企業行動規範(昭和58年4月15日制定,平成6年2月25日改定)及びこれを運用するためのコンプライアンスマニュアル(平成16年2月27日作成)を定め,「法令遵守のための規範」として「企業活動に関連する建設業法,独禁法(中略)等の法規の遵守を社内に周知徹底せしめる」,「特に公共事業に関連し,刑法,独占禁止法等に違反する行為はもとより,入札の公正,公平を阻害する行為を行わない」などといった建設事業に関連する法令の遵守を強調するほか,「政治資金規正法,公職選挙法等関連法令の趣旨を踏まえ,透明で公正な政治との関係の確立に努める。」,「寄附については5万円,政治資金パーティーについては20万円を超えると官報等に公表されることになります。」などと,新規正法による新たな規制の内容を明記して,これらの規定の趣旨の実現に向けて「社内チェック体制を一層強化し,自浄機能の確立を図る。」こととしていた。また,a社は,遅くとも上記コンプライアンスマニュアルを作成した平成16年2月には,上記企業行動規範に基づいた企業行動の徹底を図るため,代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置するとともに,コンプライアンス担当役員を配置して推進体制を整え,平成18年2月28日には,公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の施行(平成18年4月1日)に先立ち,公益通報者保護に関する内部規定を定め,通報窓口を本支店総務部に設置するといった処理体制や,通報等を理由とする不利益取扱いの禁止・個人情報の保護といった通報者等の保護体制を整備するなど,公益通報者保護法の趣旨に沿った内部通報制度を整備した。
イ a社は,平成11年から平成18年までの間において,取締役会を設置し,会社の業務執行の決定や取締役の業務執行状況の監督をしていたほか,専務取締役以上の役付取締役により構成される経営会議を定期的に開催し,業務執行にかかわる協議及び取締役に諮る事項について討議・報告し,取締役会の経営に関する意思決定の迅速化・チェック機能の強化を図っていた。
また,a社は,監査役制度を採用し,監査役が会計監査人と十分な連携を図りつつ,必要に応じて取締役等からの報告聴取を行うなど,職務執行の状況を監督する体制を構築しており,平成18年6月には,執行役員制度を導入し,業務の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離することで,取締役会の経営に関する意思決定の迅速化及びチェック機能の強化を図った。
さらに,a社は,業務執行上のリスクについては,原則として各担当部門が管理することとし,組織横断的なリスクや全社的な対応については,当該リスクがa社の事務業務に係るリスクの場合は管理本部が,工事業務に係るリスクの場合は施工本部が行うこととするなど,必要な体制整備を行っていた。
(3)  争点3(損害及び因果関係)について
(原告の主張)
ア 損害の発生
(ア) a社が,違法な献金を行う原資とするため,特別賞与加算金(それについての源泉徴収税額等を含む。)として従業員に支払った金員及び本件政治団体が主催した政治資金パーティーに係るパーティー券購入代金として支出した金員は,a社の損害である。
(イ) そして,a社が平成11年12月から平成17年12月までの間に支出した特別賞与加算金は,合計6億3786万円である(内訳は,平成11年冬期賞与時が4376万円,平成12年夏期賞与時が5662万円,同年冬期賞与時が5514万円,平成13年夏期賞与時が6401万円,同年冬期賞与時が5464万円,平成14年夏期賞与時が5235万円,同年冬期賞与時が4825万円,平成15年夏期賞与時が5065万円,同年冬期賞与時が4855万円,平成16年夏期賞与時が4420万円,同年冬期賞与時が4378万円,平成17年夏期賞与時が3958万円,同年冬期賞与時が3633万円である。)。
(ウ) また,a社が平成12年から平成18年までの間に本件政治団体が主催する政治資金パーティーのパーティー券購入代金名目で支出した金員は,合計5242万円である(内訳は,平成12年が892万円,平成13年が810万円,平成14年が840万円,平成15年が800万円,平成16年が780万円,平成17年が840万円,平成18年が280万円である。)。
イ 因果関係
(ア) 取締役在任中の損害との間の因果関係
被告らに取締役としての善管注意義務違反や管理体制構築義務違反の行為が認められる場合には,当該行為と取締役在任中に発生した損害との間には相当因果関係がある。
(イ) 取締役退任後の損害との間の因果関係
a 本件スキームは,新規正法を潜脱して献金を行うために発案されたものであり,その内容は,本件政治団体を設立し,多数の従業員を関与させて本件政治団体の資金調達をするという大規模かつ組織的なものであった。したがって,本件スキームは,単発の政治献金のために構築されたものではなく,新規正法を潜脱して継続的・組織的に違法献金を行い続けることを当然の前提としたものであるから,被告らが,取締役在任中に違法献金が行われることを阻止しない限り,取締役退任後も,本件スキームにより違法献金が行われるという客観的な危険性が十分に認められるのである(実際に,本件スキームによる違法献金は約10年間にわたって継続的に行われた。)。そこで,本件スキーム及び本件スキームに基づく違法献金を認識していた被告らは,違法献金を阻止するための措置を講じなければ取締役退任後も違法献金が継続されることを容易に認識することができたのであるから,取締役会における問題提起や刑事告発等の違法行為を阻止するための措置を講じるべきであったのに,これらを行わなかった。このように,被告らが取締役在任中に違法行為を阻止しなかったという不作為と,その後に継続された違法献金との間には極めて密接な関係があるから,被告らの取締役在任中の善管注意義務違反の行為と取締役退任後に発生した損害との間には相当因果関係があるというべきである。
また,被告らの多くは,退任後もa社の執行役や顧問を務めており,取締役退任後であっても問題提起をすることはできたから,この点からも,被告らの行為と取締役退任後に発生した損害との間には相当因果関係がある。
b また,被告らが実効的な内部統制システムを構築していれば,その後の違法支出はなく,損害が発生することもなかったのであるから,被告らの管理体制構築義務違反の行為と取締役退任後に発生した損害との間には相当因果関係がある。
(ウ) 本件パーティー券スキームによる損害との間の因果関係
本件パーティー券スキームは,平成11年以降,特別評価者の数が減少したため,本件政治団体の銀行預金口座に資金を移転する簡易な方法として考案されたものであり,本件会費スキームの派生的な枠組みであるから,本件会費スキームを中止し又はこれを調査することを取締役会の議題とすることにより,本件パーティー券スキームについても是正をすることが可能であった。したがって,本件会費スキームの違法性を認識し又は認識し得た被告らは,本件パーティー券スキームにより発生した損害についても賠償する責任を負う。
(被告らの主張)
ア 損害の発生
(ア) a社の支出額に関する原告の主張には推定に基づくものが含まれており,損害額について立証が尽くされているとはいえない。
(イ) 特別賞与加算金は,成績優秀者に対する賞与として支給されていたものであって,それ自体違法な支出ではないし,本件会費スキームがなければ支出されなかったものであるともいえない。
また,本件政治団体の主催する政治資金パーティーは実際に実施されていたのであるから,本件政治団体のパーティー券購入代金が不当な支出であるとはいえない。
イ 因果関係
(ア) 取締役在任中の損害との間の因果関係
a 本件スキームは,Aが少数の幹部従業員と共謀して,発覚を免れるための巧妙な手法をもって独断専行的に実行されたものであり,それ自体取締役会の議案として上程されることもなかったことなどを考慮すると,A以外の取締役が,その担当する日常業務や取締役会での発言等を通じて監視・監督権限を行使するなど,職務上の注意義務を尽くしたとしても,a社が特別賞与加算金を支出することを阻止し得たということはできないから,被告らの行為と取締役在任中の損害との間には相当因果関係がない。
b また,本件スキームによる政治献金の違法性の有無については,新規正法の解釈上,専門家の間でも法的見解が分かれる困難な法律問題である上,本件スキームを用いた政治献金自体,容易に想定し難い特異な手段・方法による違法行為であった。そして,被告らが,取締役に求められる通常の注意を尽くしても予測することが困難な違法行為を阻止しなかったとしても,それらの不作為が社会的に不相当・不合理であったとはいえず,そのような職務上の不作為を理由として,被告らに法令違反による損害賠償責任を負担させることは,公平な損害の分担とはいえない。したがって,特別賞与加算金の支出は,被告らの職務行為によって通常生ずべき損害ということはできず,被告らが予見し得た特別損害であるともいえないから,被告らの行為と損害との間には相当因果関係がない。
(イ) 取締役退任後の損害との間の因果関係
a 会社に具体的な損害が生じた場合,当該損害の発生を阻止すべき注意義務を負っているのは,当該損害を生じさせた直接の原因行為時に取締役の地位にあった者である。当該損害を生じさせた直接の原因行為時に既に退任していた取締役が当該損害の発生について責任を負うのは,退任した取締役が在任中にした作為又は不作為と当該損害との間に相当因果関係があるという例外的な場合に限られる。しかるに,本件はそのような例外的な場合には当たらない。
b また,前記(ア)aの事情によれば,被告らの行為と取締役退任後に発生した損害との間には相当因果関係がない。
(ウ) 本件パーティー券スキームによる損害との間の因果関係については,争う。
第3  争点に対する判断
1  認定事実
(1)  前記前提事実,証拠(後記認定事実末尾記載の各証拠のほか,甲イ42,43,45~48,51,53,甲ロ4~15,乙1,22,23,丁9~19,22,23,25~31,証人A,被告Y1,被告Y2,被告Y3,被告Y4,被告Y5,被告Y6,被告Y8,被告Y9,被告Y10)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア 本件政治団体の設立に至る経緯
(ア) a社は,かねてから政治家等に対して多額の資金提供をしてきたところ,平成5年頃,いわゆるゼネコン汚職事件において,同社副社長が仙台市長に対して賄賂を供与したとの容疑で逮捕・起訴され,有罪判決を受けた。
旧規正法の下では,①会社は,複数の政治家やその政治団体に対して寄附をすることが可能である上,政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては,年間150万円まで政治活動に関する寄附をすることが可能であり(旧規正法22条の2第1項),②政党又は政治資金団体以外の政治団体は,年間100万円以下の寄附については,寄附者の氏名等及び当該寄附の金額等を報告書に記載する必要がなかった(同法12条1項1号ロ)が,いわゆるゼネコン汚職事件を受けて改正された新規正法においては,①会社は,政党,政治資金団体(政党のために資金上の援助をする目的を有する団体で届出がされているもの)及び資金管理団体(公職の候補者が,自己のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定した一つの政治団体)以外の者に対しては,政治活動に関する寄附をすることが禁止され(新規正法21条1項),②会社が資金管理団体に対して行う寄附は年間50万円に制限され(同法22条1項),③政治団体が収支報告書において寄附者の氏名等や当該寄附の金額等を公表すべき基準が,政治団体が5万円を超える寄附を受け又は1回当たり合計20万円を超える政治資金パーティーの対価の支払を受けた場合とされる(同法12条1項1号ロ,ト)など,企業献金が厳格に制限されるとともに,政治団体が収支報告書において寄附者の氏名等を公表すべき範囲が大幅に拡大されることになった。
(イ) Aは,平成7年1月頃,当時a社の代表取締役社長であったHから,新規正法の内容を調査して把握し,a社として従前どおりの企業献金を行うための方法を検討するよう指示を受けたため,新規正法の上記内容を把握するとともに,5年後には,会社は,資金管理団体に対して寄附を行うことが禁止され,政党又は政治資金団体に対してしか寄附をすることができなくなることをも把握したが,さらに情報収集を続けるうち,政治団体を設立し,当該政治団体の名前を使用して寄附をすれば,これまでと同じように企業献金を行うことができることを聞きつけ,経営企画部長であったCに対し,当該方法により政治献金を行う方法を検討するよう指示した。
(ウ) Cは,その後,上記方法について検討した上,Aに対し,①マスコミ等に調査された場合に備え,一応きちんとした政治団体の形を作り,届出をする必要があること,②政治団体の代表者には,信用できる人物から名前を借りる必要があるが,当時本社営業管理部長であったLが適任であると思われること,③もっとも,代表者として名前を借りるLにはa社を退職してもらう必要があるが,その際,Lに対し,従前と同様の収入を保障する必要があることなどを報告し,Aから,その方向で話を進めることにつき了承を得た。
(エ) そこで,Cは,平成7年8月又は9月頃,Lに対し,a社を退職してb団体の代表者になることなどを依頼し,Lの了承を得た。
他方,Aは,Lをa社の子会社であるd社の顧問に就任させることにより,Lに従前と同様の収入を保障するとともに,Cを介して,当時人事部付部長であった被告Y9に対し,定年前に自主退職するLに定年退職と同等の退職金を支給する手続をとるよう指示した。
イ b団体の設立等
(ア) b団体は,平成7年11月1日,自治大臣及び東京都選挙管理委員会宛てに,代表者をL,会計責任者をN(以下「N」という。),会計責任者の職務代行者をO(以下「O」という。),主たる事務所の所在地を東京都千代田区〈以下省略〉とする政治団体設立届が提出されて,設立された。
なお,この事務所の場所は,Aの発案によりCらが選定したものであった。
(イ) b団体は直ちに銀行預金口座を開設したが,同口座に係る通帳はLが保管し,届出印はCがa社本社経営企画部の同人の机において保管しており(キャッシュカードの発行は受けていなかった。),銀行預金口座から払戻しをする必要が生じた場合には,Lが,Cの下に払戻請求書を持参し,Cによる内容確認及び押印を受けた後,払戻請求手続をすることとした。
ウ 特別評価者の選定及びb団体への資金の移転
(ア) b団体の設立準備と並行して,Aは,本件会費スキームを検討していたCから,政治団体の名前を使って企業献金を行うため,①a社の従業員の賞与に一定金額を上乗せして支給し,その上乗せ分を政治団体名義の銀行預金口座に振り込ませることにより,a社の資金を当該政治団体に移すこと,②個人が負担する党費又は会費については収支報告書に当該負担者の氏名等を記載する必要がない(新規正法12条1項1号イ)ところ,上記政治団体の収支報告書において入金者の氏名等を公表する必要がないようにするため,上記振込みは会費名目で行うこと,③賞与に一定金額を上乗せする従業員は,本件会費スキームが口外されることを防ぐため,a社に対する忠誠心が強く,同社に特段の不満を抱いていない成績優秀者の中から選抜することなど,本件会費スキームの骨子についての報告を受けてこれを了承し,Cに対し,さらに準備を進めるよう指示した。
そこで,Cは,Aと相談の上,平成6年までのa社の献金総額を参考にし,所要の事務所経費額をも考慮して,約7000万円ないし8000万円を本件会費スキームにより集めることとした。
(イ) Cは,平成7年10月頃,被告Y9に対し,①Aの指示により,a社において,b団体という政治団体の名義を用いて政治献金をすることになったこと,②Lがb団体の代表者に就任すること,③b団体名義の銀行預金口座に約7000万円ないし8000万円の金員を集めることとし,その金員は,a社が従業員の賞与に上乗せをして支給し,上乗せ分の金員を会費名目でb団体名義の銀行預金口座に振込送金させることなどにより集めること,④このスキームに関与させる従業員(特別評価者)は,事情を口外するおそれのないa社への忠誠心が強い成績優秀者の中から選ぶこと,⑤賞与に上乗せするため従前の賞与額が高い者が望ましいことを説明し,特別評価者候補の選定を依頼した。
(ウ) a社においては,勤続年数や成績に応じて,低い方から順に,社員,主任,副参事,参事及び理事という資格が設定されており,各資格には年数に応じた1級や2級などの階級が付けられていたところ,被告Y9は,Cと相談の上,賞与の基本額が高い理事,参事1級及び参事2級の従業員の中から特別評価者候補を選定することとし,過去3年間連続して成績が最も高いA評価を受けていた従業員のうち理事,参事1級及び参事2級の資格及び階級にある者を抽出するとともに,成績評価が変動しやすい現場事務所の所長等を除いて安定的に高評価を受ける可能性の高い者を選定した上,C及びAとも相談し,本件会費スキームについて口外するおそれのある従業員を名簿から除外するなどして,最終的に220人の特別評価者候補のリストを作成した。
そして,C及びLは,原則として,特別評価者候補となった従業員らに対し,個別に面会して本件会費スキームへの協力を依頼し,同従業員らから了承を得て,特別評価者が確定した。
(エ) 他方,被告Y9は,Cと相談の上,会費名目で振込送金させる金員を1口6万円と定め,特別評価者のうち,理事の者は4口24万円を,参事1級の者は3口18万円を,参事2級の者は2口12万円をそれぞれb団体に振込送金することとして,Aの了承を得た。
もっとも,賞与の上乗せが行われた場合,額面上の所得額が増え,所得税や住民税が増加することになるため,これらの税金分をも賞与に上乗せする必要があった。そこで,被告Y9は,特別評価者に選定された従業員が本件会費スキームに関与したことで金銭的に損失を蒙ることがないように上乗せ額の計算をし,Aに対し,特別評価者の上乗せは,理事の者が42万円,参事1級の者が32万円,参事2級の者が21万円とする必要がある旨を説明し,Aの了承を得た。
(オ) このような手順を経て特別評価者及びその上乗せ額が確定された後,被告Y9は,人事部給与厚生課の担当者に対し,賞与額の加算を指示し,後記認定のとおり,平成11年12月から平成17年12月までの間,特別評価者に対し,特別賞与加算金を加算した賞与が支給された。
(カ) なお,b団体に対して会費名目で資金を振込送金する時期は,毎年5月及び11月とされたが,これは,a社における賞与の支給日が例年6月10日と12月10日であることを勘案し,会費の振込送金の時期を賞与の支給日よりも先行させることにより,従業員が自主的に会費を支払ったことを装うためであった。
エ c団体の設立等
(ア) b団体が会費名目で資金の移転を受ける金額の目安は,当初7000万円から8000万円程度と設定したが,当該金額は,有力な政治家の政治団体等を除くと,政治団体の収入としては高額となり,報道機関等に注目されるおそれがあった。そこで,Cは,Aに対し,従業員から会費名目で徴収する金員の一部を,b団体の帳簿に記載せず,収支報告書上も公表しないようにすることを提案したところ,Aもこれを了承したので,特別評価者の一部からは会費名目の金員を現金で集めることとした(以下,特別評価者のうち会費名目の金員を現金で集められていた者を「現金会員」という。)。もっとも,この金員は,b団体の収支報告書に記載することはできないものであるため,政治献金の相手方の収支報告書等により氏名等を公表されることがない20万円以下のパーティー券の購入等の使途にしか使用できなかった。
このようにして,平成8年に8000万円を超えていたb団体の収支報告書上の収入額は,平成9年には約5300万円にまで下がったが,Cは,平成10年9月発行に係る官報に,平成9年分の政治団体の収支報告書の要旨が掲載されているのを見て,b団体の収入額が未だに他の政治団体と比べて高額であると考え,Aに対し,当該状況を報告するとともにb団体と同様の政治団体をもう一つ設立することを提案し,Aの了解を得てc団体を設立することとなった。
(イ) c団体は,平成10年10月6日,東京都選挙管理委員会宛てに,代表者及び会計責任者をいずれもO,会計責任者の職務代行者をL(その後,P(以下「P」という。)に変更された。),主たる事務所の所在地をb団体と同じとする政治団体設立届が提出されて,設立された。同届出の名宛人を東京都選挙管理委員会としたのは,同届出に記載されたc団体の役員の一部や主たる事務所の所在地がb団体の届出内容と同一であったため,c団体の収支報告書の要旨が,b団体と同じ官報ではなく,東京都の公報に掲載されるようにするためであった。
しかし,c団体の設立届の提出先が東京都選挙管理委員会であったことにより,c団体の主たる活動区域は東京都に限定され,東京都以外の政治家に政治献金をする場合等に不都合が生じたため,c団体は,その主たる活動区域を全国とすべく,平成11年6月3日付けで,改めて自治大臣宛てに政治団体設立届を提出した。
(ウ) c団体も銀行預金口座を開設したが,b団体と同様,同口座に係る通帳はLが保管し,届出印はCが保管しており(キャッシュカードの発行は受けていなかった。),銀行預金口座から払い戻しをする必要が生じた場合には,Lが,Cの下に払戻請求書を持参し,Cによる内容確認及び押印を受けた後,払戻請求手続をすることとした。
(エ) Cは,特別評価者のうちc団体に金員を移転させる者としてLが選定した者に対し,その家族の分を含めてc団体の入会申込書を記載してL宛てに提出すること,それ以降はc団体名義の銀行預金口座に会費名目の金員を振込送金をすることを依頼した。
オ 現金会員の選定
(ア) 会費名目の金員を現金で集める現金会員は,平成9年夏期賞与前の時期から現金支払ができるようLによって選定され,このうち,本社の営業部門及び各支店に所属する現金会員に対しては,Cの依頼を受けた本社及び各支店の事務責任者が,本社において営業部門以外に所属する現金会員に対してはC自身が,それぞれ会費名目の金員を現金で支払うよう指示をした。そして,Cは,現金会員から支払を受けた現金を本社の各部署の事務責任者や各支店の事務責任者に集約させ,最終的にはCに届けるよう指示した。なお,現金会員ではない特別評価者から現金で支払を受けた金員も,現金会員から支払われた金員と同様に取り扱われた。
例えば,Q(以下「Q」という。)は,本社営業管理部部付部長であった平成7年頃,Cから,b団体への会費支払の協力を依頼されるとともに,他の営業部門の現金会員が支払う会費の取りまとめも依頼されたため,C(Cが会費に関する業務を被告Y8に引き継いだ平成13年頃以降は,被告Y8)から,支払金額のメモが貼付された各会員名義人宛ての封筒等を受け取ってこれを現金会員に交付し,その後,現金会員から受け取った現金入りの封筒を取りまとめてCや被告Y8に引き渡し,引換えに受領した領収書を各従業員に交付した。また,R(以下「R」という。)は平成12年夏期賞与以降,S(以下「S」という。)は平成15年頃以降,被告Y8に対し,現金を入れた封筒を交付してb団体の会費を現金で支払った。
(イ) Cは,現金会員から支払を受けた現金を本件政治団体の帳簿に載せると税務調査等において不都合であったため,当該現金をC個人名義で借りていた貸金庫に保管した上で,Lが出納帳に記載することとした。
カ 政治献金先の決定等
(ア) 本件政治団体の代表者等はLやOであったが,同人らが,自らの判断により,本件政治団体として政治上の主張をしたり,特定の政治家や政党を応援したりすることはなかった。また,本件政治団体の名義で行った政治献金については,a社の営業部門が献金先と交渉した結果を踏まえ,本社事務本部(平成14年4月以降は管理本部)が献金先や個々の献金額等を決めており,Lらは,a社が決定した献金先に対し,同社が決定した金額の金員を振り込む等の事務作業を行うのみであった。また,各支店の支店長は,各支店の営業部門の状況を含めた支店の状況を把握し又は把握し得る立場にあった。
(イ) a社が引き受けるパーティー券について,a社やその関連会社,b団体,c団体のいずれがこれを購入するかを割り振るのは,本社総務部長の仕事とされていた。被告Y8は,平成12年3月,前任総務部長のT(以下「T」という。)から,政治団体から購入するパーティー券が20万円を超える場合には,a社やその関連会社で購入する金額の上限を20万円とし,a社やその関連会社の名前が購入先の政治団体の収支報告書に記載されないように留意するよう引継ぎを受けた。そこで,被告Y8は,パーティー券の購入依頼があった場合には,①a社,②その関連会社であるd社,e株式会社,株式会社f,g株式会社,③b団体,④c団体にパーティー券の購入を割り振り,a社やその関連会社のパーティー券購入額が1社当たり20万円を超えないようにしていた。
そして,被告Y8は,本件政治団体の名義においてパーティー券購入代金を振り込む場合,振込合計額を決め,Lに資金残高を確認した上で振込手続をするよう指示していた。
なお,Lは,被告Y8が本件政治団体に関与するようになった後,毎年,総務省に提出した本件政治団体の各収支報告書の写しを被告Y8に交付していた。
(ウ) 被告Y8は,平成12年3月に本社総務部長に就任し,a社と懇意にしていた政治家等への政治献金に関する取りまとめの業務を,前任のTから引き継いだ。
また,被告Y8は,平成13年6月30日付けでCがa社を退職した際,Cの後任として経営企画部長に就任するとともに同人から本件政治団体に関する事項を引き継いだ。すなわち,被告Y8は,①毎年の年度末と夏頃,献金対象となる政治家の氏名と献金額が記載された一覧表をAから受け取り,Lに対し,本件政治団体名義で同一覧表に記載された内容の献金を行うよう依頼するとともに,②平成13年冬期の賞与以降,特別評価者のリストを受け取ったが,③取締役に就任した平成14年頃以降は,特別評価者のリスト作成及び新規の特別評価者の選定を後任の人事部部付部長であったU(以下「U」という。)に任せ,Uが作成した特別評価者のリストを決裁した上で,被告Y8に交付させていた。
キ 本件政治団体の資金管理等
(ア) Lは,本件政治団体の届出上の主たる事務所(hマンション102号室)内の手提金庫において,本件政治団体の手元現金を保管していた。
(イ) また,Lは,手元現金について,出入金の状況をb団体分とc団体分の出納帳に記載して出納状況を管理した上,Cに対してこれらの出納帳の写しを交付し,出納状況を報告していた。
(ウ) さらに,Lは,現金会員が会費名目で支払った現金や,パーティー開催事業費の一部としてb団体とc団体名義の各収支報告書等に架空計上した交通費名目の金員について,b団体分やc団体分の出納帳とは別の出納帳に出入金の状況を記載し,Cに内容を報告していた。
(エ) Lは,Cから,献金先の銀行預金口座に関する情報を教えられるとともに,①寄附の場合,基本的には,振込先口座の金融機関名,口座番号,名義等を書いたメモを渡されることが多かったが,②パーティー券購入の場合,購入するパーティー券,パーティーの案内状,振込先口座が記載された振込用紙が入った封筒を渡されており,振込用紙を見れば,献金先口座が分かるようになっていた。また,Lは,手元現金を献金に用いる場合,預金払戻請求書を持参せずa社本社に行き,Cに対し,献金先口座の情報を確認していた。
なお,Cは,同人が管理していた裏資金を用いる場合,Lと相談の上で,当該裏資金をLに交付していた。
ク 特別評価者の補充等
(ア) 被告Y9は,特別評価者の中には選定後に退職等する者がいたため,毎回,特別評価者の氏名や階級を記載したリストを作成していたが,2回目の賞与上乗せとなる平成8年夏期賞与支払時以降は,特別評価者のリストは,退職者等を除外するのみで,原則として,新たに特別評価者を追加することはしなかった。
しかしながら,Cは,平成11年秋頃Lから,本件政治団体名義の銀行預金口座等にプールしている額が減少している旨の報告を受けた(平成7年冬期賞与時に200人以上いた特別評価者は,平成10年冬期賞与時には約120人に減少しており,また,平成8年には年間約8000万円であった特別評価者による送金総額も,平成10年には年間約5000万円に減少した。)。
そこで,Cは,特別評価者の増員を企図し,平成12年夏期賞与時に増員することとした。
(イ) その際,本件パーティー券スキームにより年間合計約1000万円のa社の金員が本件政治団体の銀行預金口座に移転される予定であって,特別評価者の人数は約180人程度で足りると考えられたため,Cは,平成12年4月頃,被告Y9に対し,約180人の特別評価者候補の選定を依頼し,被告Y9が選定した者から,口外するおそれのある者を外した上で,C又はLらが面談をするなどして,特別評価者候補の協力の了承を取り付けた。
(ウ) このようにして,平成12年夏期賞与時における特別評価者の人数は,160人以上にまで増員されたが,その後も多くの退職者が存在したため,Cは,被告Y9に対し,平成13年夏期賞与時における特別評価者候補の増員を依頼し,特別評価者を180人にまで増員させた。
ケ 被告らに対する本件会費スキームの説明と被告らによる会費の支払
(ア) 本件会費スキームの説明(特別評価者の説明を含む。)を受けていた者及びその説明内容等は,次のとおりである。
a 被告Y1は,新規正法により,従来どおりの企業献金ができなくなることを認識していたところ,社長就任前に,Aから,本件会費スキームの概要及びb団体が政治献金を行うことを聞いた。
b 被告Y2は,Aから,新規正法により直接に企業から献金することはできなくなったが,政治団体(その名称はb団体である。)を設立し,当該政治団体から他の政治団体に対して政治献金を行うこと,従業員個人が当該政治団体に寄附をすることは問題がないとの説明を受けたが,特別評価者制度や,a社が従業員個人としての寄附を補てんすることについての説明は受けなかった。
c 被告Y3は,①特別評価者が存在していたこと,②b団体という政治団体がa社のために政治献金や政治活動をする団体であることを認識しており,a社の従業員の中にb団体の会員になっている者がいることを従業員の噂で聞いていた。
d 被告Y5は,特別評価制度開始時に四国支店次長であったところ,Cから,①会社の中で成績が優秀とされている者について賞与を増額支給すること,②増額された賞与分を政治団体の会費として支払ってもらいたいこと,③会費の支払は,賞与支給よりも先であるが,後で補てんされること,④a社のためであること,⑤b団体の資金は政治資金に必要であることを聞いた。
e 被告Y6は,特別評価者となる際,賞与が上乗せされて会費支払分が補てんされることを聞いた。
f 被告Y8は,平成7年頃,Lから,①b団体という政治団体が設立されたこと,②a社の幹部に協力を依頼していること,③b団体の会費について賞与で補てんされることを聞いた。
g 被告Y10は,平成7年頃,東北支店長であったK及びCから,①b団体が政治団体であること,②b団体の代表者がa社の元従業員Lであること,③賞与が上乗せされて会費支払分が補てんされることを聞いた。
h Q,R,S及びMは,特別評価者となる際,いずれも賞与が上乗せして支給されることを聞いた。
(イ) 被告らのうち,本件政治団体に会費を支払っていた者は,次のとおりである。
a 被告Y2は,平成8年5月13日,A又はLからの依頼により,b団体の会費として,自己の負担で36万円を振り込んだ。(丁24)
b 被告Y5は,特別評価者として,平成7年冬期賞与分から平成10年夏期賞与分までの合計6回,本件政治団体の会費を支払った。(甲イ109,137)
c 被告Y6は,特別評価者として,平成7年冬期賞与分及び平成8年夏期賞与分の合計2回,本件政治団体の会費を支払った。(甲イ109,137)
d 被告Y9は,特別評価者として,平成7年冬期賞与分から平成12年冬期賞与分までの合計11回,本件政治団体の会費を支払った。(甲イ109,137)
e 被告Y8は,特別評価者として,平成7年冬期賞与分から平成12年冬期賞与分までの合計11回,b団体の会員になって会費を支払った。(甲イ109,137)
f 被告Y10は,特別評価者として,平成7年冬期賞与分から平成15年冬期賞与分までの合計17回,b団体の銀行預金口座への振込みを行った。(甲イ109,137)
(ウ) Lは,全ての特別評価者が本件政治団体に対して会費名目で金員の支払をしたことを確認していた。
(エ) なお,被告Y7は,平成元年から本社経理部長であったところ,本社経理部の仕事は,人事部が処理した後の最終的な給与額や賞与額を従業員の指定口座に入れるのみであって,入金額の決定に関与するものではなく,被告Y7が従業員個人の給与や賞与の一覧表を閲覧したことや金額を確認したことはなかった。
コ 人事評価の方法及び賞与額の通知方法等
(ア) a社における人事評価は,1次評価,2次評価,3次評価に分かれていた。具体的な人事評価のプロセスは,例えば,支店の従業員については,①各支店長(現場の従業員については,現場の所長)は,部下の従業員の1次評価をして,本社人事部に送付する,②本社人事部は,送付を受けた1次評価を合体した上,機械的に上位から並べ直し,各支店に返送する,③各支店長は,自己の意向を反映させたものを2次評価として人事部に再送する,④当該2次評価を踏まえ,本部長会議(施工本部長,営業本部長,管理本部長,人事部長が参加者であり,人事部の従業員が事務局として参加するもの)において,最終的な人事評価(3次評価)が確定するというものであり,本社の従業員については,①部長が1次評価を付ける,②本部長会議により最終的な評価を確定するというものであった。
(イ) 人事部は,各本部長に対し,特別評価者に対する賞与の増額を説明していなかった。
(ウ) 支給される賞与額一覧表は,人事部給与厚生課において作成し,各支店長宛てに親展で送られており,各支店長は部下の従業員の賞与額等を確認することができた。
サ 本件パーティー券スキーム
(ア) Cは,平成12年以降,Aの了承を得た上で,特別評価者を選定する必要のない方法として,本件政治団体が主催する政治資金パーティー券の購入代金の名目で,a社の金員を本件政治団体の各銀行預金口座に移転していたが(本件パーティー券スキーム),平成13年6月に退職した後は,同業務を被告Y8に引き継いだ。
(イ) 本件パーティー券スキームにおけるパーティー券の金額及び購入者については,①a社が購入する本件政治団体のパーティー券の金額を20万円以内とする,②それを超える分については,実際にはa社が購入資金を拠出するにもかかわらず,対外的には支店長等の個人名義で購入したこととする,③それらの者の名義で購入するパーティー券も1名義当たり20万円以下とするとされていたが,これは,本件政治団体の各収支報告書上,パーティー券購入者の氏名等を記載する必要がないようにするというものであった。
また,その具体的な手順は,①Cにおいて,1回当たりの政治資金パーティーにより,本件政治団体が振込送金を受ける金額の合計が150万円程度となることを目安としつつ,L及び被告Y8から意見を聴取して具体的な金額を決定し,その後,Lから金額分のパーティー券,案内状及び振込依頼書が入った封筒を受け取って被告Y8に交付し,②被告Y8において,当該パーティー券等を本社や各支店に割り振って振込手続を行わせるというものであった。Cは,各支店に振り分けられた分について,各支店の信頼できる事務担当者に,①支店長等の個人名で振り込むこと,②振込後,振込依頼書の控えの振込人の氏名の上に,会社名や支店名,役職名を記入しておくことを指示していた。
(ウ) Rは,東北支店次長になった平成17年4月下旬以降,本件政治団体主催のパーティー券購入の際,経理担当者に指示し,東北支店長であった被告Y10の個人名義で振込手続を行っていた。
また,Sも,平成13年に中部支店事務部長であった際,支店長の個人名義で本件政治団体主催のパーティー券を購入したが,支店長の個人名を用いることが本社の指示であったため,支店長の了承を得ることなく,支店長名で振込手続等を行っていた。
さらに,Mは,東北支店事務部長又は事務担当次長であったとき,東北支店次長の被告Y8の指示に従い,部下の経理担当者に本件政治団体主催のパーティー券購入代金を東北支店から支出させ,支店長を含む支店幹部の個人名義で振込送金を行わせていたが,平成13年又は平成14年頃,本社総務部長になった被告Y8から,振込送金をする個人名義を支店長名に統一するよう指示されたため,パーティー券の購入代金を東北支店から支出させた上で,支店長名で振込送金を行わせていた。なお,Mは,上記のように支店長名で振込送金をする場合において,最初に当該支店長の名義を用いるときは,当該支店長の了承を得ていた。
(エ) Lは,本件パーティー券スキームにおける政治資金パーティーが実際に開催されているように装うため,ホテルの会議室等を借り,「○○○」や「△△△」といった表示札を掲げ,a社の幹部4人ないし8人を参集させていた。当該集まりにおいては,食事をしながら雑談をするなどしていたが,常にL,O及びPが参加し,毎回ではなかったがA,C,被告Y9又は被告Y8も参加した。
(オ) Cは,政治資金パーティーが実態のあるものであるよう装うため,その収益に対する費用の比率を上げることが必要であると考え,Lに対し,開催準備の一環として情報収集のために架空の出張をしたこととし,その際の交通費を開催経費として本件政治団体の会計帳簿や収支報告書に計上させたばかりか,架空の交通費分の現金をCが個人名義で借りていた貸金庫に保管していた。
シ 本件政治団体の解散
(ア) c団体は平成18年11月30日に,b団体は同年12月15日に,それぞれ解散した。(丁1)
(イ) 被告Y9は,平成17年暮れ又は平成18年初め頃,被告Y8から,本件政治団体を解散することになったこと,Aもそのことを了承していること,平成18年からは賞与の増額をしないことを告げられたため,Aに対し,特別評価者の賞与増額を突然やめると賞与額が急激に減少するので,その緩和措置として,平成18年夏期賞与については特別評価者全員に一律5万円加算すべきである旨を提案し,Aの了承を得た。そこで,被告Y9は,Uに対し,特別評価者全員に対し,一律5万円の増額支払を指示した。
ス 本件スキームによるa社からの支出額
(ア) 本件会費スキームにより,a社が平成11年12月から平成17年12月までの間に支払った特別賞与加算金の額は,次のとおりである。(甲イ13,78,109,122,132,137,138)
① 平成11年冬期賞与
合計4376万円(42万円×75人〔3150万円〕+32万円×37人〔1184万円〕+21万円×2人〔42万円〕)
② 平成12年夏期賞与
合計5662万円(42万円×86人〔3612万円〕+32万円×47人〔1504万円〕+21万円×26人〔546万円〕)
③ 平成12年冬期賞与
合計5514万円(42万円×84人〔3528万円〕+32万円×45人〔1440万円〕+21万円×26人〔546万円〕)
④ 平成13年夏期賞与
合計6401万円(42万円×92人〔3864万円〕+32万円×55人〔1760万円〕+21万円×37人〔777万円〕)
⑤ 平成13年冬期賞与
合計5464万円(42万円×74人〔3108万円〕+32万円×50人〔1600万円〕+21万円×36人〔756万円〕)
⑥ 平成14年夏期賞与
合計5235万円(42万円×87人〔3654万円〕+32万円×33人〔1056万円〕+21万円×25人〔525万円〕)
⑦ 平成14年冬期賞与
合計4825万円(42万円×78人〔3276万円〕+32万円×32人〔1024万円〕+21万円×25人〔525万円〕)
⑧ 平成15年夏期賞与
合計5065万円(42万円×85人〔3570万円〕+32万円×29人〔928万円〕+21万円×27人〔567万円〕)
⑨ 平成15年冬期賞与
合計4855万円(42万円×80人〔3360万円〕+32万円×29人〔928万円〕+21万円×27人〔567万円〕)
⑩ 平成16年夏期賞与
合計4420万円(42万円×81人〔3402万円〕+32万円×20人〔640万円〕+21万円×18人〔378万円〕)
⑪ 平成16年冬期賞与
合計4378万円(42万円×80人〔3360万円〕+32万円×20人〔640万円〕+21万円×18人〔378万円〕)
⑫ 平成17年夏期賞与
合計3958万円(42万円×74人〔3108万円〕+32万円×20人〔640万円〕+21万円×10人〔210万円〕)
⑬ 平成17年冬期賞与
合計3633万円(42万円×66人〔2772万円〕+32万円×21人〔672万円〕+21万円×9人〔189万円〕)
(イ) 本件パーティー券スキームにより,a社が本件政治団体主催の政治資金パーティーの対価の支払の名目で支出した金額は,次のとおりである。(甲イ14,81,110~113)
① 平成12年 合計892万円
② 平成13年 合計810万円
③ 平成14年 合計840万円
④ 平成15年 合計780万円
⑤ 平成16年 合計780万円
⑥ 平成17年 合計840万円
⑦ 平成18年 合計280万円
(なお,甲イ14(パーティー券購入実績一覧)においては,東北支店における平成15年度から平成18年度までのパーティー券購入実績額は,伝票等が押収されているため調査できないとして推定額が記載されているが,各年度ごとの他の支店のパーティー券購入実績の最低金額(平成15年度は100万円,平成16年度は60万円,平成17年度は120万円,平成18年度は40万円)の限度で認めるのが相当である。)
セ 法令遵守に関するa社の体制
(ア) a社は,昭和58年4月15日,a社企業行動規範を制定し,その後も平成6年2月25日及び平成18年2月8日に同規範を改定した。平成6年2月25日に改定された同規範には,「第2 法令の遵守のための規範」として,①全ての法令の遵守徹底を図ること,②特に公共事業に関連し,刑法等に違反する行為はもとより,入札の公正,公平を阻害する行為を行わないこと,③政治資金規正法,公職選挙法等関連法令の趣旨を踏まえ,透明で公正な政治との関係の確立に努めることが規定され,「第3 経営のための規範」として,①経営のトップは自ら率先して,本憲章の趣旨実現に取り組むこと,②社員教育制度を一層充実して,本憲章の趣旨,企業の社会的役割に対する理解の徹底を図ること,③社内チェック体制を一層強化し,自浄機能の確立を図ることが規定されていた。(甲イ127,128)
(イ) a社は,平成5年8月16日以降,政治資金規正法に関する事項(政治資金やパーティー券購入を含む。)について,本社総務部及び支店事務部が管理体制の強化を担当することとし,本社総務部長及び支店事務部長が相談窓口となることとしていた。(甲イ108)
以上の事実が認められる。
これに対し,被告Y1は,本件会費スキームの概要を聞いておらず,本件政治団体の存在も知らなかったなどと供述する。しかしながら,被告Y1が,平成7年6月29日に代表取締役社長に就任し,それ以前は統括営業本部長兼本社施工本部長であったこと,Aが,平成11年6月29日に代表取締役副社長に就任するまで,取締役・本社事務本部長兼社長室長であったことは前記前提事実記載のとおりであり,代表権のないAが被告Y1に対し,上記供述の限度でしか説明をしていないとは一般的には考え難いことに加え,被告Y1は,その本人尋問において,①新規正法によって企業による政治献金が制限されることになるため,a社において必要な政治献金又はパーティー券購入を行うことができなくなると認識していたこと,②Aから,従業員のうち有志の者が献金し,a社の指示に従ってパーティー券を購入するとの説明を受けたこと,③その際,Aから,献金した従業員に対しては成績評価を上げたり,賞与を上げるなどの方法により補てんをしたいと言われたので,それを容認したこと,④献金をしてくれる従業員は,総務部からA評価が続いている従業員に話をすると理解したことを供述しているところ,被告Y1が,上記①ないし③記載のとおり従業員有志による本件政治団体への任意の政治献金であると理解していたとすると,総務部がA評価が続いている従業員に限定して上記の話を持ちかけたと理解した理由が不明であり,むしろ被告Y1は本件会費スキームの概要を認識していたと解する方が整合的であるから,被告Y1が本件会費スキームの概要を聞いておらず,本件政治団体の存在も知らなかったという供述は採用することができない。
また,被告Y10は,b団体への会費支払について,賞与の上乗せを説明されておらず,当該上乗せ措置が講じられていることを認識していなかったなどと供述する。しかし,同じく特別評価者であった被告Y5,被告Y8,Q,R,S及びMが,いずれも賞与の上乗せについて説明を受けていたことは,前記ケ(ア)の認定事実記載のとおりであり,被告Y10が説明を受けていなかったとは考え難いことに加え,被告Y10が約8年間,合計17回も会費名目で金員を支払っていたことも,前記ケ(イ)の認定事実記載のとおりであって,賞与の上乗せの説明を受けることなく,このような長期間にわたり,各回12万円以上もの高額の金員を支払っていたとは考え難い。また,前記アないしセの認定事実によれば,被告Y10は,遅くとも東北支店長になった時点で,東北支店管内における政治献金の必要性及び実態を認識していたと推認されるが,当該政治献金の原資に関連する特別評価者への賞与の上乗せを認識していなかったとも考え難いところである。したがって,被告Y10の上記供述は採用することができない。
さらに,被告Y6は,b団体への寄附を依頼されたことがなく,b団体に会費を納入したこともないなどと供述する。しかし,証拠(甲イ109,137)によれば,被告Y6は,平成7年冬期賞与及び平成8年夏期賞与の際,特別評価者として特別賞与加算金を支給されたことが認められ,Lが,全ての特別評価者が本件政治団体に対して会費名目で金員の支払をしたことを確認していたことは,前記ケ(ウ)の認定事実記載のとおりであるから,特別評価者であった被告Y6が,特別賞与加算金の支給に先立ち,本件政治団体への会費の支払を依頼されていないとか,本件政治団体に会費を支払っていないといったことは考え難い。したがって,被告Y6の上記供述は採用することができない。
加えて,被告Y4及び被告Y6は,支店長であった際,賞与額一覧表を受け取っていなかった旨供述し,被告Y3,被告Y5及び被告Y10は,支店長であった際,賞与額一覧表を詳細に見ていなかった旨供述する。しかしながら,賞与額一覧表は支店長宛てに親展で送付されるものであること,各支店長は自己の意向を反映させた評価書を2次評価として人事部に再送し,これを踏まえて,本部長会議において,最終的な人事評価(3次評価)が確定することは,前記コの認定事実記載のとおりであるから,支店長が賞与額一覧表を受け取っていないとか,最終的な人事評価が反映された賞与額一覧表に関心がないといったことは考え難い。したがって,被告Y3,被告Y4,被告Y5,被告Y6及び被告Y10の上記各供述は採用することができない。
(2)ア  原告は,代表取締役であった被告Y1及び被告Y2は,平成7年8月に代表取締役が出席して開催された代表者会議において,Aから本件会費スキームについて詳細な報告を受けたなどと主張し,証人Aの証言中にはこれに沿う部分がある。
しかしながら,代表者会議が開催されたことを示す客観的な証拠はないのみならず,被告Y1及び被告Y2は,その本人尋問において,Aが供述するような代表者会議は存在しなかったと供述しており,Iの陳述書(丁10)にも同旨の記載がある。さらに,証拠(甲イ42,50,51,55)によれば,A自身,本件刑事事件の段階では,代表者会議の存在について供述していなかったことが認められるところであって,Aがこのように供述を変遷させた理由についての合理的な説明もない。そうすると,上記のA証言を直ちに採用することにはちゅうちょを覚えざるを得ず,他に代表者会議があったことを示す適確な証拠もない以上,原告の上記主張は理由がない。
イ  また,原告は,平成7年10月頃開催された取締役会において,取締役に対し,本件会費スキームについての説明がされたなどと主張し,証人Aの証言中にはこれに沿う部分がある。
しかしながら,当時,取締役であった被告Y2,被告Y3及び被告Y4は,その本人尋問において,取締役会で本件会費スキームについての説明がされたことはなかったと供述しており,被告Y7及びIの陳述書にも同旨の記載がある(丁10,17)上,証拠(甲イ42,51)によれば,Aは,本件刑事事件の際,取締役会において本件会費スキームが説明されたことを供述していなかったことが認められる。のみならず,証拠(被告Y3)によれば,当時の取締役会には,a社以外の出身の者も取締役として参加していたことが認められるところ,そうした取締役会において,新規正法により強化された政治献金に対する規制を潜脱することを目的とする本件会費スキームにつき公然と議論されたというのは不自然というほかない。したがって,上記のA証言を直ちに採用することはできないから,原告の上記主張も理由がない。
2  争点1(法令違反に係る善管注意義務違反の有無)について
(1)  本件スキームを用いた政治献金及びパーティー券購入の違法性
ア 前記1の認定事実によれば,①本件政治団体は,本来の意味において政治団体としての活動を行うことが予定されておらず,a社が新規正法による規制を潜脱して,a社の名前を出さずに政治献金及びパーティー券購入をすることを目的として設立されたものであったこと,②このような目的を達成するために,本件政治団体の事務所の選定及び人事はA及びCが行い,本件政治団体の資金管理はC又は被告Y8の協力を得て行われていたこと,③本件政治団体の資金は本件スキームにより集められたものであるところ,本件会費スキームは,あらかじめ補てんすることを前提として従業員である特別評価者を本件政治団体に加入させ,会費名目で金員を支払わせ,会費相当額を補てんするために特別賞与加算金を支給するというものであり,本件パーティー券スキームは,a社の支店長等の個人名を使用して,a社の金員を本件政治団体に振り込むものであったこと,④本件政治団体が行う政治献金及びパーティー券購入は,a社の判断に基づきC又は被告Y8の指示により行われており,本件政治団体の役職員の独自の判断で行われたことはなかったことが認められる。そうすると,本件政治団体名義で行われた政治献金及びパーティー券購入は,実質的には,a社が本件政治団体の名義により行った政治献金及びパーティー券購入と評価できるから,a社の行為は,新規正法22条の6第1項又は22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反すると解するのが相当である。
イ このように,a社の行為は新規正法22条の6第1項又は22条の8第4項により準用された22条の6第1項に違反するところ,旧商法266条1項5号にいう「法令」には,会社を名宛人とし,会社がその業務を行うに際して遵守すべき全ての規定が含まれると解するのが相当であり(最高裁平成12年7月7日第二小法廷判決・民集54巻6号1767頁参照),また,会社がこのような法令に違反する行為をした場合において,取締役が当該法令違反行為の全部又は一部に関与したときは,「法令又は定款に違反する行為を為したるとき」(旧商法266条1項5号)又は「その任務を怠ったとき」(会社法423条1項)に当たると解されるから,このようなa社の行為に関与した取締役には善管注意義務違反があると解され,当該取締役に,その行為が法令違反行為であることについての認識がなく,かつその行為が法令に違反するとの認識を欠いたことにつき過失がない場合等には,当該取締役に法令違反行為を帰責することはできないと解するのが相当である。
そこで,以下,取締役である各被告ごとに,善管注意義務違反行為の有無,故意・過失の有無を検討することとする。
(2)  被告Y1の責任について
ア 原告は,被告Y1が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) まず,故意による責任を検討するに,前記1の認定事実記載のとおり,被告Y1は,代表取締役社長に就任した平成7年6月29日より前に,本件会費スキームの概要及びb団体が政治献金を行うことの説明を受けていたから,平成11年冬期賞与支払時には,本件会費スキームの概要を把握しており,新規正法により企業献金が制限されていたにもかかわらず,a社が本件政治団体を介して政治献金等を行うことを認識していながら,本件会費スキームに基づく特別賞与加算金の支払を容認していたと認められる。
(イ) これに対し,被告Y1は,Aから,会社の従業員が個人として政治家の政治資金団体に献金を行うことは問題がない,個人で献金した従業員に対しては,何らかの形で,その支出を補てんすることを考えている旨の報告を受け,そうした方法が適法なものかよく検討するよう指示するとともに,会社のために献金した従業員に対して何らかの見返り(成績評価を上げて,それに伴い昇任や賞与の増額がされることを想定していた。)を与えることについては賛同したと主張し,被告Y1に違法性の認識がなく,かつそのことにつき過失もないと主張するかの如くであり,陳述書(丁14)中には,これに沿う陳述記載がある。しかしながら,被告Y1は,本人尋問において,従業員が資金提供する宛先は,a社内部の特定の部署であると思う旨供述し,その供述自体,上記陳述記載と整合的でないばかりか,上記特定の部署に移転した資金を誰の名義で政治献金やパーティー券の購入に使用するのか不明というほかなく,そのような政治献金等の方法がいかなる理由から適法となるのかも判然としない。そして,証拠(被告Y1)によれば,被告Y1はAに対し,上記方法の適法性について追加の報告を受けず,それ以上の説明も求めなかったことが認められるから,被告Y1に違法性の認識がないとか,そのことにつき過失がないということはできず,結局,被告Y1の上記主張を認めることはできない。
(ウ) したがって,被告Y1には,取締役在任期間中である平成11年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成19年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームによる政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったというべきである。
イ また,原告は,被告Y1が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張する。
しかし,前記1の認定事実によれば,本件パーティー券スキームが開始されたのは平成12年以降で,本件会費スキームが開始されてから約5年が経過した後である上,本件会費スキームと本件パーティー券スキームとは仕組みや資金移転の規模が大きく異なることが認められる。そして,Aらが被告Y1に対して本件パーティー券スキームの概要を説明したことを認めるに足りる証拠はなく,被告Y1が,本件政治団体が主催した政治資金パーティーに参加したり,a社の金員を自らの個人名で本件政治団体に振り込んだりするなど,本件パーティー券スキームに関与したことをうかがわせる事情も見当たらない。
そうすると,被告Y1が本件パーティー券スキームを認識し又は認識し得たことを認めることはできないから,原告の上記主張は理由がない。
(3)  被告Y2の責任について
ア 原告は,被告Y2が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) まず,故意による責任を検討するに,被告Y2が平成7年8月に開催された代表者会議において,本件会費スキームにつき説明を受けたことや,平成7年10月頃開催された取締役会において本件会費スキームについて説明がされたことが認められないことは,前記1の認定事実記載のとおりである。さらに,前記1の認定事実によれば,被告Y2は,①Aから,b団体という政治団体を設立し,当該政治団体から他の政治団体に対して政治献金を行うこと,従業員個人が当該政治団体に寄附をすることは問題ないとの説明を受けたが,特別評価者制度や,a社が従業員個人としての寄附を補てんすることについての説明を受けなかったというのであり,②実際にも,A又はLから依頼を受け,b団体の会費として,自己の負担で36万円を支払ったというのであるから,被告Y2が,Aの上記説明により,a社の資金を本件政治団体に移転するという本件会費スキームの概要を認識していたということはできない。したがって,被告Y2に故意による責任は成立しない。
(イ) また,過失による責任を検討するに,前記1の認定事実によれば,被告Y2による献金額及び献金の回数は限られており,取締役や従業員の自発的な金員の支払のみで,a社の政治献金の原資を捻出することが困難であることを認識するのは不可能ではなかったといえるものの,他方,前記1の認定事実によれば,被告Y2は,特別評価者制度につき説明を受けておらず,その全体像を把握していなかったことが認められ,また,前記第2の2の前提事実及び証拠(丁21)によれば,平成7年6月29日から平成13年6月28日まで代表取締役副社長・本社建築営業本部長であった被告Y2は,同営業本部所属の部下に支給される賞与額自体を日常業務の中で把握する機会がなかったことも認められるから,結局,被告Y2が,本件会費スキームの概要を認識することができたとか,本件会費スキームを調査しその違法性を覚知して会社財産の流出を阻止できたということはできない。
(ウ) したがって,この点に係る原告の上記主張は理由がない。
イ 原告は,被告Y2が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張するが,上記(2)イと同様,これを肯定することはできず,原告の上記主張も理由がない。
ウ なお,原告は,本件会費スキームによるa社から本件政治団体への資金移転自体が新規正法21条1項,22条の6第1項に違反し,また本件パーティー券スキームによるa社から本件政治団体への資金移転自体が同法22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反して,被告Y2が本件スキームについて法令違反に係る責任を負う旨も主張するが,前記ア及びイのとおり,そもそも被告Y2が本件スキームの概要を認識し又は認識し得たとはいえないのであるから,原告の上記主張も理由がない。
(4)  被告Y5の責任について
ア 原告は,被告Y5が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) まず,故意による責任を検討するに,前記1の認定事実によれば,被告Y5は,平成7年冬期賞与支払時において自らが特別評価者に選定されてこれに就任する際,Cから,b団体の資金が政治資金に必要であってa社のためであるので資金を拠出してもらいたい,会費名目で支払った金員は,後に賞与に上乗せされて補てんされるといった説明を受けたことが認められるが,他方で,被告Y5が,このように移転した資金が政治献金等の原資とされることを知っていたと認めるに足りる証拠はないから,被告Y5は本件会費スキームの概要を認識していたということはできない。したがって,被告Y5に故意による責任は成立しない。
(イ) そこで,過失による責任を検討するに,前記第2の2の前提事実,前記1の認定事実及び証拠(被告Y5)によれば,被告Y5は,①新規正法の下では,従来どおりには政治献金ができなくなったことを知っていたこと,②特別評価者に選定された後,平成7年冬期賞与分から平成10年夏期賞与分まで合計6回,会費名目で金員を支払ったこと,③平成9年6月27日に四国支店長に就任し,平成14年6月27日に本社建築営業本部長に就任したところ,これらの支店長や本社建築営業本部長時代,部下従業員を介して,政治家又はその秘書から政治献金の要請を受けることがあり,その都度,本社に連絡していたことが認められるのであるから,結局,被告Y5は,特別評価者制度の内容を認識するとともに,a社から移転された資金が政治献金に使用されることを知り得る立場にあったということができるのであって,遅くとも原告が主張する平成15年冬期賞与支払時には,特別評価者が会費名目で支払った金員を原資として,a社の指示を受けた本件政治団体が政治献金等を行うといった本件会費スキームの概要を認識し,特別賞与加算金の支払を阻止する措置を講ずべき義務を負っていたにもかかわらず,これを怠り,かかる支出がされるのを放置したと認められる。
(ウ) これに対し,被告Y5は,平成14年6月に本社建築営業本部長に就任した後,Aから,本件会費スキームにより資金移転を受けた金員が政治献金に使われているとの説明を受け,違法ではないのかを質したところ,法的には全然問題がないとの説明を受けたと主張し,陳述書(丁13)中にはこれに沿う陳述記載がある。
しかしながら,証拠(被告Y5)によれば,被告Y5は,Cから上記(ア)の説明を受けた際,Cが公にできる話ではないとのニュアンスで話しているのを聞いていたこと,他の支店では,大型案件の受注に関して政治献金がされたことがあったと推測しており,政治献金の原資の需要があったと認識していることが認められるから,仮に被告Y5がAから上記主張のとおりの説明を受けていたとしても,被告Y5に過失がないということはできない。
(エ) したがって,被告Y5は,取締役在任期間中である平成15年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成21年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームを利用した政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったというべきである。
イ また,原告は,被告Y5が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張するが,前記(2)イと同様,これを肯定することはできず,原告の上記主張は理由がない。
(5)  被告Y6の責任について
ア 原告は,被告Y6が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) まず,故意による責任を検討するに,前記1の認定事実によれば,被告Y6は,①平成7年冬期賞与支払時において特別評価者となっていたところ,特別評価者となる際に,支払った会費について賞与が上乗せされて補てんされる旨の説明を受けていたこと,②特別評価者に選定された後,平成7年冬期賞与分及び平成8年夏期賞与分の合計2回,会費名目で金員を支払ったことが認められるが,他方で,被告Y6が,このように移転した資金が政治献金等の原資とされることを知っていたと認めるに足りる証拠はないから,被告Y6が本件会費スキームの概要を認識していたということはできない。したがって,被告Y6に故意による責任は成立しない。
(イ) そこで,過失による責任を検討するに,前記第2の2の前提事実,前記1の認定事実及び証拠(被告Y6)によれば,被告Y6は,①平成7年6月29日に東関東支店長に就任し,平成15年6月27日に本社土木営業本部長に就任したこと,②東関東支店長時代,パーティー券は,その購入の要請があれば,同支店事務次長を通して本社総務部に話を上げ,同部の了解を得て支店の資金で購入したこと,③a社において政治家と最も関係が深いのは営業本部であったこと,④少なくとも被告Y6が本社土木営業本部長であった際,被告Y6がAと協議して,政治献金につき取り仕切る立場にあったことが認められ,前記(ア)で指摘した事項を併せ考慮すると,結局,被告Y6は,特別評価者制度の内容を認識するとともに,a社から移転された資金が政治献金に使用されることを知り得る立場にあったということができるから,遅くとも原告が主張する平成16年冬期賞与支払時には,特別評価者が会費名目で支払った金員を原資として,a社の指示を受けた本件政治団体が政治献金等を行うといった本件会費スキームの概要を認識し,特別賞与加算金の支払を阻止する措置を講ずべき義務を負っていたにもかかわらず,これを怠り,かかる支出がされるのを放置したと認められる。
(ウ) したがって,被告Y6は,取締役在任期間中である平成16年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成18年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームを利用した政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったといえる。
イ また,原告は,被告Y6が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張するが,前記(2)イと同様,これを肯定することはできず,原告の上記主張は理由がない。
(6)  被告Y8の責任について
ア 原告は,被告Y8が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) 前記1の認定事実によれば,被告Y8は,①自ら特別評価者に選定され,平成7年頃,Lから,b団体という政治団体が設立され,a社の幹部に対して協力を依頼しており,b団体の会費名目で金員を支払った場合には賞与で補てんされるとの説明を受け,平成7年冬期賞与分から平成12年冬期賞与分まで合計11回,会費名目で金員を支払ったこと,②平成12年3月,本社総務部長に就任し,a社と懇意にしていた政治家等への政治献金に関する取りまとめの業務を,前任のTから引き継いだこと,③平成13年6月30日付けでCがa社を退職したことに伴い,Cの後任として経営企画部長に就任するとともに同人から本件政治団体に関する事項を引き継ぎ,Aから,献金対象となる政治家の氏名・献金額が記載された一覧表を受け取り,Lに対し,同一覧表に従って献金を行うよう依頼したり,特別評価者のリストの作成や新規の特別評価者候補の選定に携わったりしたことが認められ,さらに,証拠(甲ロ7)によれば,被告Y8が本件会費スキームの全容を把握していたことが認められるから,遅くとも原告が主張する平成13年冬期賞与支払時には,本件会費スキームの全容及び本件政治団体から政治献金等が行われることを知悉しながら,特別賞与加算金の支払を容認し,本件会費スキームの実行に当たっていたと認められる。
(イ) これに対し,被告Y8は,平成13年6月頃A及びCから,b団体は適法性について十分検討した上で設立された団体であり,法律上問題ないとの説明を受けたと主張し,陳述書(丁18)中にはこれに沿う陳述記載がある。しかし,被告Y8が本件会費スキームの全容を把握しており,まさにその実行に当たっていたことは前記認定・説示のとおりである上,証拠(甲イ53,95,甲ロ7)によれば,総務部長に就任した被告Y8の所管事項の中には「寄附(中略)に関する事項」があることが認められ,被告Y8は旧規正法及び新規正法の規制を熟知していたと推認されること,被告Y8は,本件刑事事件の捜査段階において,検察官に対し,本件政治団体が実体のないダミーであり,本件政治団体の名前で政治献金を行うことが新規正法に違反する旨認識していた旨供述していることが認められる(証拠(丁31)によれば,被告Y8も検面調書作成に当たって相当程度異議を留めていることが認められ,被告Y8の認識と全く遊離した調書が作成されたとも解し難い。)から,被告Y8に違法性の認識がなかったとまで認めることはできない。
(ウ) そうすると,被告Y8は,取締役在任期間中である平成13年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成18年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームを利用した政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったというべきである。
イ また,前記1の認定事実によれば,被告Y8は,平成13年6月30日以降,Cの後任として,本件政治団体主催のパーティー券購入の指示をしていたことが認められるから,被告Y8は,遅くとも平成13年7月までには,本件パーティー券スキームの概要及び本件政治団体から政治献金等が行われることを認識しながら,本件政治団体主催のパーティー券購入を容認し,これに関与していたと認められる。
ウ したがって,被告Y8は,本件会費スキームについては取締役在任期間中である平成13年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成18年6月29日までの特別賞与加算金支払)分まで,本件パーティー券スキームについては平成14年から取締役退任日である平成18年6月29日まで,それぞれのスキームを利用した政治献金等につき善管注意義務違反があったというべきである。
(7)  被告Y9の責任について
ア 原告は,被告Y9が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) 前記1の認定事実によれば,被告Y9は,①平成7年10月頃,Cから,本件会費スキームの概要及びb団体から政治献金を行うことにつき説明を受けた上で特別評価者候補の選定を依頼され,本社人事部部付部長の立場上これに応じることとし,AやCとも協議しつつ,特別評価者候補220人の選定に当たったこと,b団体に移転する資金額を念頭において,賞与の加算額を試算したこと,特別評価者及びその上乗せ額が確定した後,人事部給与厚生課の担当者に対し,賞与額を加算して支給するよう指示したこと,特別評価者制度を廃止する際,Aに対し,特別評価者として賞与の上乗せを受けていた従業員の賞与額が急激に減少することを避けるため,平成18年夏期賞与について特別評価者であった者全員に一律5万円を加算するよう提案し,その了承を得たことからすると,特別評価者制度の実施に当たり,具体的・細目的事項を定め,その実行に当たった中心的人物であること,②自らも特別評価者として,平成7年冬期賞与分から平成12年冬期賞与分までの合計11回,本件政治団体に対し,会費名目で金員を支払っており,特別評価者制度自体を知悉していたことが認められるから,遅くとも原告が主張する平成13年冬期賞与支払時点には本件会費スキームの概要を認識しており,新規正法により企業献金が制限されていたにもかかわらず,a社が本件政治団体を介して政治献金を行うことを認識しながら,本件会費スキームに基づく特別賞与加算金の支払を容認し,これに加担していたと認められる。
(イ) これに対し,被告Y9は,当初,Cからは,今までのやり方と異なり,法律違反とならない方法で政治献金をするため,本件会費スキームを立ち上げるので協力してほしいとの説明があったと主張し,陳述書(丁19)中にはこれに沿うかの如き陳述記載がある。しかし,被告Y9は,本人尋問において,Cから合法的に政治献金をするためのスキームであるとの説明を受けたのか判然としない旨供述し,供述自体必ずしも一貫しないばかりか,証拠(甲ロ5,6)によれば,被告Y9は,本件刑事事件の捜査段階において,検察官に対し,本件スキームについて違法性の認識があった旨を供述していることが認められるから,被告Y9に違法性の認識がなかったとまで認めることはできない。
(ウ) したがって,被告Y9は,取締役在任期間中である平成13年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成18年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームを利用した政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったというべきである。
イ さらに,原告は,被告Y9が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張するが,前記(2)イと同様,これを肯定することはできない。
原告は,被告Y9が,本件政治団体が主催する政治資金パーティーが実態を伴わないものであることを知悉しながら,これに実態があるかの如く仮装するための食事会に出席していたのであるから,本件パーティー券スキームを是正しなかったことについて少なくとも過失による責任を負うとも主張する。前記1の認定事実によれば,確かに,被告Y9が本件政治団体の集まりに出席したことが認められるが,他方,それによって,直ちに,a社が支店長等の個人名を利用して本件政治団体のパーティー券を購入したこと等を認識し得たと断ずることはできない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(8)  被告Y10の責任について
ア 原告は,被告Y10が,本件会費スキームを利用した政治献金等について法令違反に係る責任を負う旨主張する。
(ア) まず,故意による責任を検討するに,前記1の認定事実によれば,被告Y10は,①平成7年冬期賞与支払時において特別評価者となっていたところ,特別評価者となる際に,支払った会費について賞与が上乗せされて補てんされることを聞いていたこと,②特別評価者に選定された後,平成7年冬期賞与分から平成15年冬期賞与分までの合計17回,会費名目で金員を支払ったことが認められるが,他方で,被告Y10が,このように移転した資金が政治献金等の原資とされることを知っていたと認めるに足りる証拠はないから,被告Y10が本件会費スキームの概要を認識したということはできない。したがって,被告Y10に故意による責任は成立しない。
(イ) そこで,過失による責任を検討するに,前記第2の2の前提事実,前記1の認定事実によれば,被告Y10は,①平成16年4月1日に東北支店長に就任したこと,②支店長は,部下従業員を介して,政治家又はその秘書から政治献金の要請を受けることがあり,その都度,本社に連絡していたことが認められるのであって,前記(ア)で指摘した事項を併せ考慮すると,遅くとも原告が主張する平成16年冬期賞与支払時には,特別評価者が会費名目で支払った金員を原資として,a社の指示を受けた本件政治団体が政治献金を行うといった本件会費スキームの概要を認識し,特別賞与加算金の支払を阻止する措置を講ずべき義務を負っていたにもかかわらず,これを怠り,かかる支出がされるのを放置したと認められる。
(ウ) したがって,被告Y10は,取締役在任期間中である平成16年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払(取締役退任日である平成18年6月29日までの特別賞与加算金支払)分までに関し,本件会費スキームを利用した政治献金等につき法令違反に係る善管注意義務違反があったというべきである。
イ また,原告は,被告Y10が本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張するが,前記(2)イと同様,これを肯定することはできず,上記主張は理由がない。
(9)  被告Y3,被告Y4及び被告Y7の責任について
ア 原告は,被告Y3,被告Y4及び被告Y7が本件会費スキーム及び本件パーティー券スキームについて法令違反に係る責任を負う旨主張する。
しかし,平成7年10月頃開催された取締役会において,取締役に対し,本件会費スキームについての説明がされたということができないことは前記1(2)イ記載のとおりである。また,同取締役会において取締役に対し,b団体への会費の支払が提案・指示されたこと,被告Y3,被告Y4及び被告Y7が,平成7年11月及び平成8年5月の2回,b団体の会費を支払ったことを認めることができないことは,前記1(1)の認定事実記載のとおりである。さらに,支店長が賞与額一覧表を受け取っていないとか,最終的な人事評価が反映された賞与額一覧表に関心がないといったことが考え難いことは,前記1(1)において認定・説示のとおりであるが,他方,証拠(被告Y3,被告Y4)によれば,被告Y3が支店長を務めていた東京建築支店の従業員数は400人弱,被告Y4が支店長を務めていた四国支店の従業員数は約250人,九州支店のそれは約450人であって,賞与額明細表の記載から,多数在籍する従業員の賞与額と自己の付けた人事評価との齟齬を看破するのは,自らが特別評価者であったなど特別評価制度に通暁している場合を除き,実際上困難である。これらの事情によれば,被告Y3,被告Y4及び被告Y7が本件会費スキームの概要を認識し又は認識し得たということはできない。
また,本件パーティー券スキームについては,前記1(2)イと同じく,被告Y3,被告Y4及び被告Y7が,その概要を認識し又は認識し得たことを認めることはできない。
イ(ア) これに対し,原告は,被告Y3が東京建築支店長及び本社建築営業本部長であったことや本社建築営業本部長として特別評価者候補の選定を行っていたことから,また,被告Y4が四国支店,九州支店及び関東支店の各支店長並びに本社施工本部長であったことから,被告Y3及び被告Y4が本件会費スキームについて法令違反に係る故意又は過失による責任を負う旨主張する。
しかし,被告Y3及び被告Y4が,支店長又は本部長として,一定程度政治献金等の状況を把握していたとしても,当該政治献金等の原資まで把握していたと認めることはできず,さらには本件会費スキームの存在及びその概要を認識し得たとまで認めることもできない。また,被告Y3が,本社建築営業本部長として特別評価者候補の選定を行っていたことを認めるに足りる証拠はない。
したがって,被告Y3及び被告Y4が本件会費スキームの概要を認識し又は認識し得たとは認められないから,原告の上記主張は理由がない。
(イ) また,原告は,被告Y7が本社経理部長として部下の成績査定に関与していたことやa社が支出する賞与の総額を知っていたことから,本件会費スキームについて法令違反に係る過失による責任を負う旨主張する。
しかし,本社経理部は賞与や給与の金額の決定に関与することはなく,被告Y7が従業員個人の給与や賞与の一覧表を閲覧したことや金額を確認したことはなかったことは前記1の認定事実記載のとおりである上,被告Y7がa社の支給する賞与の総額を知っていたとしても,そのことから直ちに,被告Y7が本件会費スキームの概要を認識し得たとは認められないから,原告の上記主張は理由がない。
(ウ) さらに,原告は,本件会費スキームによる資金移転自体が新規正法21条1項,22条の6第1項に違反し,また本件パーティー券スキームによる資金移転自体が同法22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反して,被告Y3,被告Y4及び被告Y7が本件スキームについて法令違反に係る責任を負う旨も主張するが,前記アのとおり,そもそも被告Y3,被告Y4及び被告Y7において本件スキームの概要を認識し又は認識し得たとは認められないのであるから,原告の上記主張も理由がない。
(10)  他方,被告らは,本件スキームによる政治献金は,新規正法の法解釈上,専門家の間でも法的見解が分かれる理解困難な法律問題であった上,当時の運用において,本件のように実質的立場から違法と判断されて検挙等がされてはいなかったことから,被告らにおいて本件スキームの違法性を認識し得なかった旨主張する。
しかし,善管注意義務を負う被告らは,平成7年1月1日に施行された新規正法により企業による政治献金等がより厳しく制限されることになったことは,当然認識し又は認識すべきであった(前記1の認定事実記載のとおり,a社においては,平成5年頃,いわゆるゼネコン汚職事件において,同社副社長が仙台市長に対して賄賂を供与したとの容疑で逮捕・起訴され,有罪判決を受けたのであるから,なおさらコンプライアンスの徹底を図るべきものである。)と認められる上,本件会費スキームは,特別評価者が本件政治団体に対して会費名目で支払った金員を,a社が特別賞与加算金という形で補てんしようとするものであって,同法を潜脱することを目的としたものであることは明白であり,仮に本件会費スキームが同法に違反するかについて専門家の間で議論があったとしても,本件会費スキームによる政治献金を実行することを思いとどまる程度に,本件会費スキームが同法に違反する可能性があることは十分に認識できたというべきである(他方で,かかる被告らが,本件会費スキームは新規正法に違反しないと信じていたとは認められず,そのように信ずるにつき相当な理由があったものとも認められないことは,前記認定・説示のとおりである。)。
そして,本件パーティー券スキームに係る違法性の認識についても,上記と同様と解される。
したがって,被告らの上記主張は理由がない。
3  争点2(法令遵守に係る管理体制構築義務違反の有無)について
(1)  原告は,被告らが,平成7年1月時点において,①政治献金の担当者からの献金実施状況に関する聴取,政治献金の相手方及び献金額に関する調査,新規正法による規制に沿った献金であるか否かに関する調査など,政治献金に関する支出の監査制度を構築すべきであり,②実効性のある内部通報制度を整備する必要があり,③新規正法等政治献金に関する法制度についての研修体制を構築すべきであったなどと主張する。
(2)  この点,取締役は,取締役会の構成員としてリスク管理体制の大綱を決定し,代表取締役又は業務担当取締役としてリスク管理体制を構築すべき義務を負い,さらには取締役として代表取締役又は業務担当取締役がリスク管理体制を構築すべき義務の履行状況を監視する義務を負うものと解するのが相当であるところ,リスク管理体制の具体的内容は経営判断に係るものであって,取締役はリスク管理体制の具体的内容を決定するに当たり一定程度の裁量を有していると解するのが相当である。
これを本件についてみると,前記1の認定事実によれば,a社は,平成7年1月以前から,政治資金規正法を含む法令の遵守のために,a社企業行動規範を作成しており,政治資金規正法に関する事項(政治献金やパーティー券購入を含む。)についても,本社の総務部及び支店の事務部に管理体制の強化のための役割を担当させ,本社の総務部長及び支店の事務部長を相談窓口と定めていたことが認められるから,a社は,平成7年1月時点において,一応のリスク管理体制を整備していたものというべきであるから,仮に原告が主張するような体制が構築されていなかったとしても,原告が主張するようなリスク管理体制の構築義務の違反があるとまではいえない。
(3)  したがって,原告の上記主張は採用することができない。
4  争点3(損害及び因果関係)について
(1)  責任を負う損害の範囲について
ア 前記2(1)で説示したとおり,a社が本件スキームを用いて政治献金をし又はパーティー券を購入した行為は,新規正法22条の6第1項又は22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反するものであるから,本件会費スキームによる特別賞与加算金の支出及び本件パーティー券スキームによる本件政治団体主催のパーティー券購入代金の支出は,いずれもa社の上記行為と相当因果関係のある損害といえる。
イ これに対し,被告らは,本件政治団体の主催する政治資金パーティーは実際に実施されていたのであるから,本件政治団体主催のパーティー券購入代金の支出は,損害とはいえないなどと主張する。
しかしながら,本件パーティー券スキームは,a社の資金を特別評価者を用いることなく本件政治団体に移転し,本件政治団体が政治献金及びパーティー券購入を行うためのものであったことが認められることは前記1の認定事実記載のとおりであり,本件政治団体名義で行われた政治献金及びパーティー券購入は,実質的には,a社が本件政治団体の名義により行った政治献金及びパーティー券購入と評価でき,a社の行為は新規正法22条の6第1項又は22条の8第4項により準用される22条の6第1項に違反するものであることは,前記2(1)で説示したとおりであるから,a社の資金を本件政治団体に移転するために行われる本件政治団体主催のパーティー券購入代金の支出は,取締役の善管注意義務に違反するものであって,政治資金パーティーが形式的に実施されていたか否かにかかわりなく,本来,許されない支出であったのであるから,a社の損害となると解するのが相当である。
したがって,被告らの上記主張は採用することができない。
ウ また,被告らは,本件スキームは,Aが少数の幹部従業員と共謀して,発覚を免れるための巧妙な手法をもって独断専行的に実行されたものであり,それ自体取締役会の議案として上程されることもなかったことなどを考慮すると,A以外の取締役が職務上の注意義務を尽くしたとしても,これを予見することはできず,a社が特別賞与加算金を支出することを阻止し得たということはできないから,被告らの行為と取締役在任中の損害との間には相当因果関係がないなどと主張する。
しかし,前記2で説示したとおり,本件において,被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y8,被告Y9及び被告Y10は,本件会費スキームの概要及び本件政治団体から政治献金が行われることを認識し又は認識し得たと認められ,職務上の注意義務を尽くしたとはいえないのであって,被告らの上記主張はその前提を欠くことになるから,採用することができない。
エ さらに,原告は,本件パーティー券スキームが本件会費スキームの派生的な制度であって,本件会費スキームの中止又は調査を取締役会の議題とすることにより,本件パーティー券スキームを是正し得たから,本件会費スキームを認識し又は認識し得た被告らが本件パーティー券スキームによる損害についても賠償責任を負う旨主張する。
しかし,前記1の認定事実によれば,本件会費スキームが特別評価者を用いてa社の金員を本件政治団体に移すものであるのに対し,本件パーティー券スキームが特別評価者を用いることなくa社の金員を本件政治団体に移すものであって,それぞれのスキームは異なるものであると認められるところ,本件会費スキームによる損害である特別賞与加算金の支出を中止したところで,本件パーティー券スキームによる損害である本件政治団体主催のパーティー券購入代金の支出が当然に中止される関係には立たないから,本件会費スキームに係る善管注意義務違反行為等と本件パーティー券スキームによる損害との間には相当因果関係があるとはいえない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(2)  各被告が責任を負う損害額について
ア 前記2及び3において認定・説示したとおり,被告Y2,被告Y3,被告Y4及び被告Y7は本件スキームについて,被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y9及び被告Y10は本件パーティー券スキームについて,それぞれ法令違反に係る善管注意義務違反又はリスク管理体制構築義務違反があったということはできないから,争点3について判断するまでもなく,原告の請求は理由がない。
そこで,被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y9及び被告Y10が本件会費スキームについて責任を負う損害額,並びに被告Y8が本件会費スキーム及び本件パーティー券スキームについて責任を負う損害額をそれぞれ検討することとする。
イ 被告Y1について
前記2において認定・説示したとおり,被告Y1には,平成11年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められ,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,6億3786万円(4376万円〔平成11年冬期賞与〕+5662万円〔平成12年夏期賞与〕+5514万円〔平成12年冬期賞与〕+6401万円〔平成13年夏期賞与〕+5464万円〔平成13年冬期賞与〕+5235万円〔平成14年夏期賞与〕+4825万円〔平成14年冬期賞与〕+5065万円〔平成15年夏期賞与〕+4855万円〔平成15年冬期賞与〕+4420万円〔平成16年夏期賞与〕+4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であったというのであるから,被告Y1は,6億3786万円の範囲で損害賠償責任を負う。
ウ 被告Y5について
前記2において認定・説示のとおり,被告Y5には,平成15年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められ,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,2億1244万円(4855万円〔平成15年冬期賞与〕+4420万円〔平成16年夏期賞与〕+4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であったというのであるから,被告Y5は,2億1244万円の範囲で損害賠償責任を負う。
エ 被告Y6について
前記2において認定・説示のとおり,被告Y6には,平成16年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められ,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,1億1969万円(4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であったというのであるから,被告Y6は,1億1969万円の範囲で損害賠償責任を負う。
オ 被告Y8について
前記2において認定・説示のとおり,被告Y8には,平成13年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があり,平成14年から取締役を退任した平成18年6月29日まで,法令(新規正法22条の8第4項,22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められる。
そして,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,4億1833万円(5464万円〔平成13年冬期賞与〕+5235万円〔平成14年夏期賞与〕+4825万円〔平成14年冬期賞与〕+5065万円〔平成15年夏期賞与〕+4855万円〔平成15年冬期賞与〕+4420万円〔平成16年夏期賞与〕+4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であり,a社がこの間に本件パーティー券スキームにより支出した本件政治団体主催のパーティー券購入代金の合計は,3460万円(840万円〔平成14年〕+780万円〔平成15年〕+780万円〔平成16年〕+840万円〔平成17年〕+220万円〔平成18年〕)であった(なお,前記1の認定事実記載のとおり,平成18年の支出合計は280万円であるが,証拠(甲イ110)によれば,平成18年のうち平成18年6月29日までに支出されたことが認められるものは合計220万円(20万円×11〔平成18年4月7日付け,同月10日付け・伝票番号3515及び2512,同月12日付け,同月26日付け,同月28日付け・伝票番号2019及び2515,同年5月2日付け・伝票番号0009及び1507,同月10日付け,同月19日付け〕)であるため,220万円の限度で認めるのが相当である。)というのであるから,被告Y8は,4億5293万円の範囲で損害賠償責任を負う。
カ 被告Y9について
前記2において認定・説示のとおり,被告Y9には,平成13年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められ,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,4億1833万円(5464万円〔平成13年冬期賞与〕+5235万円〔平成14年夏期賞与〕+4825万円〔平成14年冬期賞与〕+5065万円〔平成15年夏期賞与〕+4855万円〔平成15年冬期賞与〕+4420万円〔平成16年夏期賞与〕+4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であったというのであるから,被告Y9は,4億1833万円の範囲で損害賠償責任を負う。
キ 被告Y10について
前記2において認定・説示のとおり,被告Y10には,平成16年冬期賞与支払分から平成17年冬期賞与支払分まで,法令(新規正法22条の6第1項)違反に係る善管注意義務違反があったと認められ,前記1の認定事実記載のとおり,この間の特別賞与加算金の合計は,1億1969万円(4378万円〔平成16年冬期賞与〕+3958万円〔平成17年夏期賞与〕+3633万円〔平成17年冬期賞与〕)であったというのであるから,被告Y10は,1億1969万円の範囲で損害賠償責任を負う。
第4  結論
以上によれば,原告の被告Y1,被告Y5,被告Y6,被告Y8,被告Y9及び被告Y10に対する請求は,各被告に対し,それぞれ6億3786万円,2億1244万円,1億1969万円,4億5293万円,4億1833万円及び1億1969万円並びにこれらに対する平成22年12月10日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余はいずれも理由がないから棄却することとし,その余の被告に対する請求はいずれも理由がないので棄却することとして,主文のとおり判決する(なお,仮執行宣言は相当でないので,これを付さない。)。
(裁判長裁判官 大竹昭彦 裁判官 小川暁 裁判官 村尾和泰)
更正決定反映済

 

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政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例一覧
(1)平成30年10月11日 東京高裁 平30(う)441号 政治資金規正法違反被告事件
(2)平成30年 6月27日 東京地裁 平27(特わ)2148号 各政治資金規正法違反被告事件
(3)平成30年 4月18日 東京高裁 平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(4)平成30年 3月30日 東京地裁 平27(ワ)37147号 損害賠償請求事件
(5)平成30年 3月20日 大阪高裁 平29(行コ)60号 補助金不交付処分取消等請求控訴事件
(6)平成30年 1月22日 東京地裁 平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(7)平成29年12月14日 札幌高裁 平29(ネ)259号 損害賠償等請求控訴事件
(8)平成29年12月 8日 札幌地裁 平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(9)平成29年 7月18日 奈良地裁 平29(わ)82号 虚偽有印公文書作成・同行使、詐欺、有印私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反被告事件
(10)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(11)平成29年 3月28日 仙台地裁 平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(12)平成29年 3月15日 東京地裁 平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(13)平成29年 1月26日 大阪地裁 平24(行ウ)197号・平26(行ウ)163号 補助金不交付処分取消等請求事件
(14)平成28年12月27日 奈良地裁 平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(15)平成28年10月12日 大阪高裁 平28(ネ)1060号 損害賠償等請求控訴事件
(16)平成28年10月12日 東京地裁 平25(刑わ)2945号 業務上横領被告事件
(17)平成28年10月 6日 大阪高裁 平27(行コ)162号 不開示決定処分取消等請求控訴事件
(18)平成28年 9月13日 札幌高裁 平28(う)91号 事前収賄被告事件
(19)平成28年 8月31日 東京地裁 平25(ワ)13065号 損害賠償請求事件
(20)平成28年 7月26日 東京地裁 平27(ワ)22544号 損害賠償請求事件
(21)平成28年 7月19日 東京高裁 平27(ネ)3610号 株主代表訴訟控訴事件
(22)平成28年 7月 4日 東京地裁 平27(レ)413号 損害賠償請求控訴事件
(23)平成28年 4月26日 東京地裁 平27(ワ)11311号 精神的慰謝料及び損害賠償請求事件
(24)平成28年 2月24日 大阪高裁 平25(行コ)2号 行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件
(25)平成28年 2月24日 大阪高裁 平24(行コ)77号 不開示決定処分取消請求控訴事件
(26)平成27年10月27日 岡山地裁 平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(27)平成27年10月22日 大阪地裁 平26(行ウ)186号 不開示決定処分取消等請求事件
(28)平成27年10月 9日 東京地裁 平27(特わ)853号 政治資金規正法違反被告事件
(29)平成27年 6月17日 大阪地裁 平26(行ウ)117号 公金支出金返還請求事件
(30)平成27年 5月28日 東京地裁 平23(ワ)21209号 株主代表訴訟事件
(31)平成27年 3月24日 東京地裁 平26(ワ)9407号 損害賠償等請求事件
(32)平成27年 2月26日 東京地裁 平26(行ウ)209号 政務調査費返還請求事件
(33)平成27年 2月 3日 東京地裁 平25(ワ)15071号 損害賠償等請求事件
(34)平成26年12月24日 横浜地裁 平26(行ウ)15号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(35)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(36)平成26年 9月17日 知財高裁 平26(行ケ)10090号 審決取消請求事件
(37)平成26年 9月11日 知財高裁 平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(38)平成26年 9月 3日 東京地裁 平25(行ウ)184号 政務調査費返還請求事件
(39)平成26年 4月 9日 東京地裁 平24(ワ)33978号 損害賠償請求事件
(40)平成26年 2月21日 宮崎地裁 平25(ワ)276号 謝罪放送等請求事件
(41)平成25年 7月19日 東京地裁 平22(ワ)37754号 謝罪広告等請求事件
(42)平成25年 6月19日 横浜地裁 平20(行ウ)19号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(43)平成25年 3月28日 京都地裁 平20(行ウ)10号 不当利得返還等請求行為請求事件
(44)平成25年 2月28日 東京地裁 平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(45)平成25年 1月23日 東京地裁 平23(ワ)39861号 損害賠償請求事件
(46)平成24年12月26日 東京地裁 平23(ワ)24047号 謝罪広告等請求事件
(47)平成24年11月12日 東京高裁 平24(う)988号 政治資金規正法違反被告事件
(48)平成24年 8月29日 東京地裁 平22(ワ)38734号 損害賠償請求事件
(49)平成24年 6月26日 仙台地裁 平21(行ウ)16号 公金支出差止請求事件
(50)平成24年 4月26日 東京地裁 平23(特わ)111号 政治資金規正法違反被告事件 〔陸山会事件・控訴審〕
(51)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(52)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(53)平成24年 2月13日 東京地裁 平23(ワ)23522号 街頭宣伝行為等禁止請求事件
(54)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(55)平成23年11月16日 東京地裁 平21(ワ)38850号 損害賠償等請求事件
(56)平成23年 9月29日 東京地裁 平20(行ウ)745号 退会命令無効確認等請求事件
(57)平成23年 7月25日 大阪地裁 平19(ワ)286号・平19(ワ)2853号 損害賠償請求事件
(58)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(59)平成23年 4月14日 東京地裁 平22(ワ)20007号 損害賠償等請求事件
(60)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(61)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(62)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(63)平成22年10月18日 東京地裁 平22(行ク)276号
(64)平成22年 9月30日 東京地裁 平21(行ウ)231号 報酬支出差止請求事件
(65)平成22年 9月 7日 最高裁第一小法廷 決定 平20(あ)738号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・上告審〕
(66)平成22年 4月13日 東京地裁 平20(ワ)34451号 貸金等請求事件
(67)平成22年 3月31日 東京地裁 平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(68)平成22年 3月15日 東京地裁 平20(ワ)38604号 損害賠償請求事件
(69)平成22年 1月28日 名古屋地裁 平20(ワ)3188号 応援妨害予防等請求事件
(70)平成21年 6月17日 大阪高裁 平20(行コ)159号 政務調査費返還請求行為請求控訴事件
(71)平成21年 5月26日 東京地裁 平21(む)1220号 政治資金規正法被告事件
(72)平成21年 5月13日 東京地裁 平19(ワ)20791号 業務委託料請求事件
(73)平成21年 4月28日 大阪地裁 平19(わ)3456号 談合、収賄被告事件
(74)平成21年 2月25日 東京地裁 平19(行ウ)325号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(75)平成21年 1月28日 東京地裁 平17(ワ)9248号 損害賠償等請求事件
(76)平成20年12月 9日 東京地裁 平19(ワ)24563号 謝罪広告等請求事件
(77)平成20年11月12日 大阪高裁 平20(ネ)1189号・平20(ネ)1764号 債務不存在確認等請求控訴、会費請求反訴事件
(78)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件
(79)平成20年 8月 8日 東京地裁 平18(刑わ)3785号・平18(刑わ)4225号 収賄、競売入札妨害被告事件〔福島県談合汚職事件〕
(80)平成20年 7月14日 最高裁第一小法廷 平19(あ)1112号 政治資金規正法違反被告事件
(81)平成20年 3月27日 最高裁第三小法廷 平18(あ)348号 受託収賄被告事件 〔KSD事件〕
(82)平成20年 3月14日 和歌山地裁田辺支部 平18(ワ)167号 債務不存在確認等請求事件
(83)平成20年 2月26日 東京高裁 平16(う)3226号
(84)平成20年 1月18日 東京地裁 平18(ワ)28649号 損害賠償請求事件
(85)平成19年 8月30日 東京地裁 平17(ワ)21062号 地位確認等請求事件
(86)平成19年 8月30日 大阪地裁 平19(行ウ)83号 行政文書不開示決定処分取消等請求事件
(87)平成19年 8月10日 東京地裁 平18(ワ)19755号 謝罪広告等請求事件
(88)平成19年 8月10日 大阪地裁 平19(行ク)47号 仮の義務付け申立て事件
(89)平成19年 7月17日 神戸地裁尼崎支部 平17(ワ)1227号 総会決議一部無効確認等請求事件
(90)平成19年 5月10日 東京高裁 平18(う)2029号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕
(91)平成19年 4月 3日 大阪地裁 平19(行ク)27号 執行停止申立て事件
(92)平成19年 3月28日 大阪地裁 平19(行ク)24号 仮の差止め申立て事件
(93)平成19年 2月20日 大阪地裁 平19(行ク)7号 執行停止申立て事件
(94)平成19年 2月 7日 新潟地裁長岡支部 平16(ワ)143号・平18(ワ)109号 損害賠償請求事件
(95)平成19年 2月 5日 東京地裁 平16(ワ)26484号 不当利得返還請求事件
(96)平成19年 1月31日 大阪地裁 平15(ワ)12141号・平15(ワ)13033号 権利停止処分等無効確認請求事件、除名処分無効確認請求事件 〔全日本建設運輸連帯労組近畿地本(支部役員統制処分等)事件〕
(97)平成18年11月14日 最高裁第三小法廷 平18(オ)597号・平18(受)726号 〔熊谷組株主代表訴訟事件・上告審〕
(98)平成18年 9月29日 大阪高裁 平18(ネ)1204号 地位不存在確認請求控訴事件
(99)平成18年 9月11日 東京地裁 平15(刑わ)4146号 各詐欺被告事件 〔偽有栖川詐欺事件〕
(100)平成18年 8月10日 大阪地裁 平18(行ウ)75号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(101)平成18年 3月30日 東京地裁 平16(特わ)5359号 政治資金規正法違反被告事件〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・第一審〕
(102)平成18年 3月30日 京都地裁 平17(ワ)1776号・平17(ワ)3127号 地位不存在確認請求事件
(103)平成18年 1月11日 名古屋高裁金沢支部 平15(ネ)63号 熊谷組株主代表訴訟控訴事件 〔熊谷組政治献金事件・控訴審〕
(104)平成17年11月30日 大阪高裁 平17(ネ)1286号 損害賠償請求控訴事件
(105)平成17年 8月25日 大阪地裁 平17(行ウ)91号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(106)平成17年 5月31日 東京地裁 平16(刑わ)1835号・平16(刑わ)2219号・平16(刑わ)3329号・平16(特わ)5239号 贈賄、業務上横領、政治資金規正法違反被告事件 〔日本歯科医師会事件〕
(107)平成17年 4月27日 仙台高裁 平17(行ケ)1号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(108)平成16年12月24日 東京地裁 平15(特わ)1313号・平15(刑わ)1202号・平15(特わ)1422号 政治資金規正法違反、詐欺被告事件 〔衆議院議員秘書給与詐取事件〕
(109)平成16年12月22日 東京地裁 平15(ワ)26644号 損害賠償等請求事件
(110)平成16年11月 5日 東京地裁 平14(刑わ)2384号・平14(特わ)4259号・平14(刑わ)2931号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・第一審〕
(111)平成16年 5月28日 東京地裁 平5(刑わ)2335号・平5(刑わ)2271号 贈賄被告事件 〔ゼネコン汚職事件〕
(112)平成16年 2月27日 東京地裁 平7(合わ)141号・平8(合わ)31号・平7(合わ)282号・平8(合わ)75号・平7(合わ)380号・平7(合わ)187号・平7(合わ)417号・平7(合わ)443号・平7(合わ)329号・平7(合わ)254号 殺人、殺人未遂、死体損壊、逮捕監禁致死、武器等製造法違反、殺人予備被告事件 〔オウム真理教代表者に対する地下鉄サリン事件等判決〕
(113)平成16年 2月26日 津地裁 平11(行ウ)1号 損害賠償請求住民訴訟事件
(114)平成16年 2月25日 東京地裁 平14(ワ)6504号 損害賠償請求事件
(115)平成15年12月 8日 福岡地裁小倉支部 平15(わ)427号・平15(わ)542号・平15(わ)725号 被告人Aに対する政治資金規正法違反、公職選挙法違反被告事件、被告人B及び同Cに対する政治資金規正法違反被告事件
(116)平成15年10月16日 大津地裁 平13(ワ)570号 会員地位不存在確認等請求事件
(117)平成15年10月 1日 さいたま地裁 平14(行ウ)50号 損害賠償代位請求事件
(118)平成15年 5月20日 東京地裁 平13(刑わ)710号 各受託収賄被告事件 〔KSD関連元労働大臣収賄事件判決〕
(119)平成15年 3月19日 横浜地裁 平12(行ウ)16号 損害賠償等請求事件
(120)平成15年 3月 4日 東京地裁 平元(刑わ)1047号・平元(刑わ)632号・平元(刑わ)1048号・平元(特わ)361号・平元(特わ)259号・平元(刑わ)753号 日本電信電話株式会社法違反、贈賄被告事件 〔リクルート事件(政界・労働省ルート)社長室次長関係判決〕
(121)平成15年 2月12日 福井地裁 平13(ワ)144号・平13(ワ)262号 各熊谷組株主代表訴訟事件 〔熊谷組政治献金事件・第一審〕
(122)平成15年 1月20日 釧路地裁帯広支部 平13(わ)15号 収賄被告事件
(123)平成15年 1月16日 東京地裁 平13(行ウ)84号 損害賠償請求事件 〔区長交際費支出損害賠償請求住民訴訟事件〕
(124)平成14年 4月22日 東京地裁 平12(ワ)21560号 損害賠償等請求事件
(125)平成14年 4月11日 大阪高裁 平13(ネ)2757号 社員代表訴訟等控訴事件 〔住友生命政治献金事件・控訴審〕
(126)平成14年 2月25日 東京地裁 平9(刑わ)270号 詐欺被告事件
(127)平成13年12月17日 東京地裁 平13(行ウ)85号 住民票不受理処分取消等請求事件
(128)平成13年10月25日 東京地裁 平12(ワ)448号 損害賠償請求事件
(129)平成13年10月11日 横浜地裁 平12(ワ)2369号 謝罪広告等請求事件 〔鎌倉市長名誉毀損垂れ幕訴訟判決〕
(130)平成13年 9月26日 東京高裁 平13(行コ)90号 公文書非公開処分取消請求控訴事件
(131)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4693号 社員代表訴訟等事件 〔住友生命政治献金事件・第一審〕
(132)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4692号・平12(ワ)13927号 社員代表訴訟等、共同訴訟参加事件 〔日本生命政治献金社員代表訴訟事件〕
(133)平成13年 5月29日 東京地裁 平9(ワ)7838号・平9(ワ)12555号 損害賠償請求事件
(134)平成13年 4月25日 東京高裁 平10(う)360号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・控訴審〕
(135)平成13年 3月28日 東京地裁 平9(ワ)27738号 損害賠償請求事件
(136)平成13年 3月 7日 横浜地裁 平11(行ウ)45号 公文書非公開処分取消請求事件
(137)平成13年 2月28日 東京地裁 平12(刑わ)3020号 詐欺、政治資金規正法違反被告事件
(138)平成13年 2月16日 東京地裁 平12(行ク)112号 住民票消除処分執行停止申立事件
(139)平成12年11月27日 最高裁第三小法廷 平9(あ)821号 政治資金規正法違反被告事件
(140)平成12年 9月28日 東京高裁 平11(う)1703号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・控訴審〕
(141)平成11年 7月14日 東京地裁 平10(特わ)3935号・平10(刑わ)3503号・平10(特わ)4230号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・第一審〕
(142)平成10年 6月26日 東京地裁 平8(行ウ)109号 課税処分取消請求事件 〔野呂栄太郎記念塩沢学習館事件〕
(143)平成10年 5月25日 大阪高裁 平9(行ケ)4号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔衆議院議員選挙候補者連座訴訟・第一審〕
(144)平成10年 4月27日 東京地裁 平10(ワ)1858号 損害賠償請求事件
(145)平成 9年10月 1日 東京地裁 平6(刑わ)571号・平6(刑わ)509号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・第一審〕
(146)平成 9年 7月 3日 最高裁第二小法廷 平6(あ)403号 所得税法違反被告事件
(147)平成 9年 5月21日 大阪高裁 平8(う)944号 政治資金規正法違反被告事件
(148)平成 9年 4月28日 東京地裁 平6(ワ)21652号 損害賠償等請求事件
(149)平成 9年 2月20日 大阪地裁 平7(行ウ)60号・平7(行ウ)70号 政党助成法に基づく政党交付金交付差止等請求事件
(150)平成 8年 9月 4日 大阪地裁 平7(わ)534号 政治資金規正法違反被告事件
(151)平成 8年 3月29日 東京地裁 平5(特わ)546号・平5(特わ)682号 所得税法違反被告事件
(152)平成 8年 3月27日 大阪高裁 平6(ネ)3497号 損害賠償請求控訴事件
(153)平成 8年 3月25日 東京高裁 平6(う)1237号 受託収賄被告事件 〔共和汚職事件・控訴審〕
(154)平成 8年 3月19日 最高裁第三小法廷 平4(オ)1796号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・上告審〕
(155)平成 8年 2月20日 名古屋高裁 平7(う)200号 政治資金規正法違反、所得税違反被告事件
(156)平成 7年11月30日 名古屋高裁 平7(う)111号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(157)平成 7年10月25日 東京地裁 平5(ワ)9489号・平5(ワ)16740号・平6(ワ)565号 債務不存在確認請求(本訴)事件、謝罪広告請求(反訴)事件、不作為命令請求(本訴と併合)事件
(158)平成 7年 8月 8日 名古屋高裁 平7(う)35号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(159)平成 7年 4月26日 名古屋地裁 平6(わ)116号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(160)平成 7年 3月30日 名古屋地裁 平6(わ)1706号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(161)平成 7年 3月20日 宮崎地裁 平6(ワ)169号 損害賠償請求事件
(162)平成 7年 2月24日 最高裁第二小法廷 平5(行ツ)56号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔政治資金収支報告書コピー拒否事件〕
(163)平成 7年 2月13日 大阪地裁 平6(わ)3556号 政治資金規正法違反被告事件 〔大阪府知事後援会ヤミ献金事件〕
(164)平成 7年 2月 1日 名古屋地裁 平6(わ)116号 所得税法違反被告事件
(165)平成 7年 1月26日 東京地裁 平5(行ウ)353号 損害賠償請求事件
(166)平成 6年12月22日 東京地裁 平5(ワ)18447号 損害賠償請求事件 〔ハザマ株主代表訴訟〕
(167)平成 6年12月 9日 大阪地裁 平5(ワ)1384号 損害賠償請求事件
(168)平成 6年11月21日 名古屋地裁 平5(わ)1697号・平6(わ)117号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(169)平成 6年10月25日 新潟地裁 平4(わ)223号 政治資金規正法違反被告事件 〔佐川急便新潟県知事事件〕
(170)平成 6年 7月27日 東京地裁 平5(ワ)398号 謝罪広告等請求事件
(171)平成 6年 4月19日 横浜地裁 平5(わ)1946号 政治資金規正法違反・所得税法違反事件
(172)平成 6年 3月 4日 東京高裁 平4(う)166号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・控訴審〕
(173)平成 6年 2月 1日 横浜地裁 平2(ワ)775号 損害賠償請求事件
(174)平成 5年12月17日 横浜地裁 平5(わ)1842号 所得税法違反等被告事件
(175)平成 5年11月29日 横浜地裁 平5(わ)1687号 所得税法違反等被告事件
(176)平成 5年 9月21日 横浜地裁 平5(わ)291号・平5(わ)182号・平5(わ)286号 政治資金規正法違反、所得税法違反、有印私文書偽造・同行使、税理士法違反被告事件
(177)平成 5年 7月15日 福岡高裁那覇支部 平4(行ケ)1号 当選無効等請求事件
(178)平成 5年 5月28日 徳島地裁 昭63(行ウ)12号 徳島県議会県政調査研究費交付金返還等請求事件
(179)平成 5年 5月27日 最高裁第一小法廷 平元(オ)1605号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・上告審〕
(180)平成 4年12月18日 大阪高裁 平3(行コ)49号 公文書非公開決定処分取消請求控訴事件 〔大阪府公文書公開等条例事件・控訴審〕
(181)平成 4年10月26日 東京地裁 平4(む)615号 準抗告申立事件 〔自民党前副総裁刑事確定訴訟記録閲覧請求事件〕
(182)平成 4年 4月24日 福岡高裁 昭62(ネ)551号・昭61(ネ)106号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求控訴、附帯控訴事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・控訴審〕
(183)平成 4年 2月25日 大阪地裁 昭62(わ)4573号・昭62(わ)4183号・昭63(わ)238号 砂利船汚職事件判決
(184)平成 3年12月25日 大阪地裁 平2(行ウ)6号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔府公文書公開条例事件〕
(185)平成 3年11月29日 東京地裁 平2(特わ)2104号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・第一審〕
(186)平成 2年11月20日 東京高裁 昭63(ネ)665号 損害賠償等請求控訴事件
(187)平成元年 8月30日 大阪高裁 昭61(ネ)1802号 会費一部返還請求控訴事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求訴訟・控訴審〕
(188)昭和63年 4月11日 最高裁第三小法廷 昭58(あ)770号 贈賄被告事件 〔大阪タクシー汚職事件・上告審〕
(189)昭和62年 7月29日 東京高裁 昭59(う)263号 受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件 〔ロッキード事件丸紅ルート・控訴審〕
(190)昭和61年 8月21日 大阪地裁 昭55(ワ)869号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・第一審〕
(191)昭和61年 5月16日 東京高裁 昭57(う)1978号 ロツキード事件・全日空ルート〈橋本関係〉受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(192)昭和61年 5月14日 東京高裁 昭57(う)1978号 受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(193)昭和61年 2月13日 熊本地裁 昭55(ワ)55号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・第一審〕
(194)昭和59年 7月 3日 神戸地裁 昭59(わ)59号 所得税法違反被告事件
(195)昭和59年 3月 7日 神戸地裁 昭57(行ウ)24号 市議会各会派に対する市会調査研究費等支出差止住民訴訟事件
(196)昭和57年 7月 6日 大阪簡裁 昭56(ハ)5528号 売掛金代金請求事件
(197)昭和57年 6月 8日 東京地裁 昭51(刑わ)4312号・昭51(刑わ)4311号 受託収賄事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)(橋本・佐藤関係)〕
(198)昭和57年 5月28日 岡山地裁 昭54(わ)566号 公職選挙法違反被告事件
(199)昭和56年 3月 3日 東京高裁 昭54(う)2209号・昭54(う)2210号 地方自治法違反被告事件
(200)昭和55年 3月10日 東京地裁 昭53(特わ)1013号・昭53(特わ)920号 法人税法違反被告事件
(201)昭和54年 9月20日 大阪地裁 昭43(わ)121号 贈賄、収賄事件 〔大阪タクシー汚職事件・第一審〕
(202)昭和54年 5月29日 水戸地裁 昭46(わ)198号 地方自治法違反被告事件
(203)昭和53年11月20日 名古屋地裁 決定 昭52(ヨ)1908号・昭52(ヨ)1658号・昭52(ヨ)1657号 仮処分申請事件 〔日本共産党員除名処分事件〕
(204)昭和53年 8月29日 最高裁第三小法廷 昭51(行ツ)76号 損害賠償請求事件
(205)昭和51年 4月28日 名古屋高裁 昭45(行コ)14号 損害賠償請求控訴事件
(206)昭和50年10月21日 那覇地裁 昭49(ワ)111号 損害賠償請求事件
(207)昭和48年 2月24日 東京地裁 昭40(ワ)7597号 謝罪広告請求事件
(208)昭和47年 3月 7日 最高裁第三小法廷 昭45(あ)2464号 政治資金規制法違反
(209)昭和46年 9月20日 東京地裁 昭43(刑わ)2238号・昭43(刑わ)3482号・昭43(刑わ)3031号・昭43(刑わ)3027号・昭43(刑わ)2002号・昭43(刑わ)3022号 業務上横領、斡旋贈賄、贈賄、斡旋収賄、受託収賄各被告事件 〔いわゆる日通事件・第一審〕
(210)昭和45年11月14日 札幌地裁 昭38(わ)450号 公職選挙法違反・政治資金規正法違反被告事件
(211)昭和45年11月13日 高松高裁 昭44(う)119号 政治資金規正法違反被告事件
(212)昭和45年 7月11日 名古屋地裁 昭42(行ウ)28号 損害賠償請求事件
(213)昭和45年 3月 2日 長野地裁 昭40(行ウ)14号 入場税等賦課決定取消請求事件
(214)昭和43年11月12日 福井地裁 昭41(わ)291号 収賄・贈賄被告事件
(215)昭和42年 7月11日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(216)昭和42年 7月10日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(217)昭和41年10月24日 東京高裁 昭38(ナ)6号・昭38(ナ)7号・昭38(ナ)5号・昭38(ナ)11号・昭38(ナ)10号 裁決取消、選挙無効確認併合事件 〔東京都知事選ニセ証紙事件・第二審〕
(218)昭和41年 1月31日 東京高裁 昭38(ネ)791号 取締役の責任追及請求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・控訴審〕
(219)昭和40年11月26日 東京高裁 昭39(う)642号 公職選挙法違反被告事件
(220)昭和39年12月15日 東京地裁 昭38(刑わ)2385号 公職選挙法違反、公記号偽造、公記号偽造行使等事件
(221)昭和39年 3月11日 東京高裁 昭38(う)2547号 公職選挙法違反被告事件
(222)昭和38年 4月 5日 東京地裁 昭36(ワ)2825号 取締役の責任追求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・第一審〕
(223)昭和37年12月25日 東京地裁 昭30(ワ)1306号 損害賠償請求事件
(224)昭和37年 8月22日 東京高裁 昭36(う)1737号
(225)昭和37年 8月16日 名古屋高裁金沢支部 昭36(う)169号 公職選挙法違反事件
(226)昭和37年 4月18日 東京高裁 昭35(ナ)15号 選挙無効確認請求事件
(227)昭和35年 9月19日 東京高裁 昭34(ナ)2号 選挙無効確認請求事件
(228)昭和35年 3月 2日 札幌地裁 昭32(わ)412号 受託収賄事件
(229)昭和34年 8月 5日 東京地裁 昭34(行)27号 政党名削除制限抹消の越権不法指示通牒取消確認請求事件
(230)昭和32年10月 9日 最高裁大法廷 昭29(あ)499号 国家公務員法違反被告事件
(231)昭和29年 5月20日 仙台高裁 昭29(う)2号 公職選挙法違反事件
(232)昭和29年 4月17日 札幌高裁 昭28(う)684号・昭28(う)681号・昭28(う)685号・昭28(う)682号・昭28(う)683号 政治資金規正法違反被告事件
(233)昭和29年 2月 4日 名古屋高裁金沢支部 昭28(う)442号 公職選挙法違反被告事件
(234)昭和27年 8月12日 福島地裁若松支部 事件番号不詳 地方税法違反被告事件
(235)昭和26年10月24日 広島高裁松江支部 昭26(う)54号 収賄被告事件
(236)昭和26年 9月27日 最高裁第一小法廷 昭26(あ)1189号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反
(237)昭和26年 5月31日 最高裁第一小法廷 昭25(あ)1747号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反等
(238)昭和25年 7月12日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)280号
(239)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)278号・昭25(う)279号・昭25(う)280号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(240)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)275号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(241)昭和24年10月13日 名古屋高裁 事件番号不詳
(242)昭和24年 6月13日 最高裁大法廷 昭23(れ)1862号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(243)昭和24年 6月 3日 東京高裁 昭24(ナ)9号 衆議院議員選挙無効請求事件

■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 選挙ポスター」に関する裁判例カテゴリー
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