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政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(90)平成19年 5月10日 東京高裁 平18(う)2029号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕

政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例(90)平成19年 5月10日 東京高裁 平18(う)2029号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕

裁判年月日  平成19年 5月10日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(う)2029号
事件名  政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕
裁判結果  破棄自判  上訴等  上告  文献番号  2007WLJPCA05100001

要旨
◆政治団体である派閥の会計責任者の供述の信用性につき、合理的、具体的で一貫していると判断して、派閥の会長代理であった被告人に対し、会計責任者との共謀による政治資金規正法違反の罪が成立するとして有罪判決を言い渡した事例

裁判経過
上告審 平成20年 7月14日 最高裁第一小法廷 決定 平19(あ)1112号 政治資金規正法違反被告事件
第一審 平成18年 3月30日 東京地裁 判決 平16(特わ)5359号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・第一審〕

出典
判タ 1240号141頁
判時 1984号115頁

評釈
十河太朗・判評 601号35頁(判時2027号197頁)

参照条文
刑法60条
刑法65条1項
政治資金規正法12条1項(平18法113改正前)
政治資金規正法25条1項2号(平18法113改正前)
裁判官
須田贒 (スダマサル) 第20期 現所属 定年退官
平成21年1月6日 ~ 定年退官
平成14年6月11日 ~ 平成21年1月5日 東京高等裁判所(部総括)
平成13年4月1日 ~ 平成14年6月10日 新潟地方裁判所(所長)
平成7年6月30日 ~ 平成13年3月31日 浦和地方裁判所、浦和家庭裁判所
平成3年4月1日 ~ 平成7年6月29日 東京地方裁判所
平成2年4月1日 ~ 平成3年3月31日 東京高等裁判所
~ 平成2年3月31日 松江地方裁判所、松江家庭裁判所

秋吉淳一郎 (アキヨシジュンイチロウ) 第34期 現所属 東京高等裁判所(部総括)
平成28年4月1日 ~ 東京高等裁判所(部総括)
平成26年7月25日 ~ 仙台地方裁判所(所長)
平成24年10月27日 ~ 最高裁判所上席調査官
平成22年1月1日 ~ 平成24年10月26日 司法研修所(教官)
平成20年4月1日 ~ 平成21年12月31日 東京地方裁判所(部総括)
平成18年10月19日 ~ 平成20年3月31日 東京高等裁判所
平成14年3月25日 ~ 平成18年10月18日 司法研修所(教官)
平成11年4月1日 ~ 平成14年3月24日 東京地方裁判所
平成7年4月1日 ~ 平成11年3月31日 最高裁判所裁判所調査官
平成3年3月22日 ~ 平成7年3月31日 熊本地方裁判所、熊本家庭裁判所
平成2年4月1日 ~ 平成3年3月21日 東京地方裁判所
~ 平成2年3月31日 事務総局刑事局付

小西秀宣 (コニシヒデノブ) 第27期 現所属 定年退官
平成26年8月26日 ~ 定年退官
平成21年8月23日 ~ 東京高等裁判所(部総括)
平成19年5月7日 ~ 平成21年8月22日 広島地方裁判所(所長)
平成18年6月30日 ~ 平成19年5月6日 東京高等裁判所
平成17年1月18日 ~ 平成18年6月29日 検事、法務省人権擁護局長
平成15年4月1日 ~ 平成17年1月17日 東京高等裁判所
平成14年4月1日 ~ 平成15年3月31日 広島地方裁判所(部総括)、広島家庭裁判所(部総括)
平成12年4月1日 ~ 平成14年3月31日 広島地方裁判所(部総括)
平成7年4月1日 ~ 平成12年3月31日 広島高等裁判所(事務局長)
平成5年3月19日 ~ 平成7年3月31日 広島地方裁判所(部総括)
平成4年4月1日 ~ 平成5年3月18日 広島高等裁判所
平成2年4月1日 ~ 平成4年3月31日 広島地方裁判所
昭和61年4月1日 ~ 平成2年3月31日 金沢地方裁判所
昭和58年4月1日 ~ 昭和61年3月31日 広島地方裁判所
昭和53年4月1日 ~ 昭和58年3月31日 検事、法務省刑事局付
昭和50年4月11日 ~ 昭和53年3月31日 大阪地方裁判所

Westlaw作成目次

主文
理由
第1 本件公訴事実及び両当事者の主張
1 公訴事実及び事案の概要
2 原審検察官の主張
3 原審弁護人の主張
第2 本件公訴事実に対する原判決の…
1 原判決は,本件の争点は被告人…
(1) 記憶喚起過程の不自然性
(2) 重要事項に関する供述の変遷
(3) 供述内容の不自然性
(4) 補強証拠の不存在
(5) 検察官の主張について
2 そして,原判決は,春野が虚偽…
3 その上で,原判決は,本件に全…
4 最後に,原判決は,「本件1億…
5 結局,原判決は,検察官がその…
第3 当審における主張
1 検察官の主張
(1) まず,春野の原審公判供述の信…
(2) 原判決は,春野の供述を虚偽供…
(3) また,原判決は,春野の供述に…
(4) さらに,原判決が,「春野が,…
(5) なお,本件領収書不発行は,平…
2 弁護人の主張
(1) 春野の原審公判供述の信用性に…
(2) さらに,検察官は,春野が,他…
(3) 春野の記憶喚起過程の不自然性…
(4) なお,原判決は,本件を有罪と…
(5) 加えて,本件の捜査,事件処理…
第4 原判決の検討
1 当審の判断の骨子
(1) 本件の争点は,原判決が指摘す…
(2) そこで,まず,証拠上明らかに…
(3) その上で,春野の原審公判供述…
(4) 一方,被告人の供述は,信用性…
(5) 結局,信用性の高い春野供述に…
2 証拠上明らかに認められる事実…
(1) 本件寄附に至る経緯
(2) 本件寄附とその費消
(3) 夏川が個人的な立場で受けた可…
(4) 東野が実質的に差配していたか…
(5) 夏川らの供述態度
3 春野供述の信用性
(1) 春野供述の要旨
(2) 春野供述の信用性
4 被告人供述の信用性
5 結論
第5 破棄自判
(罪となるべき事実)
(法令の適用)
(量刑の理由)

裁判年月日  平成19年 5月10日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(う)2029号
事件名  政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕
裁判結果  破棄自判  上訴等  上告  文献番号  2007WLJPCA05100001

 

主文
原判決を破棄する。
被告人を禁錮10月に処する。
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。
原審及び当審における訴訟費用は,全部被告人の負担とする。

理由
本件控訴の趣意は,検察官岩村修二作成名義の控訴趣意書に記載されたとおりであり,これに対する答弁は弁護人豊嶋秀直(主任),同金森仁,同古賀政治連名作成名義の答弁書に記載されたとおりであるから,これらを引用する。
論旨は,事実誤認の主張であり,要するに,原判決は,「被告人は,政治団体であるA研究会会長代理であった者であるが,A研究会会計責任者の春野一郎と共謀の上,平成14年3月29日ころ,東京都新宿区西新宿〈番地略〉所在の東京都選挙管理委員会において,実際は,A研究会が,平成13年7月2日ころ,政治団体であるB連盟から1億円の寄附を受けたにもかかわらず,その寄附者の名称,寄附の金額及び年月日等をA研究会の平成13年分収支報告書の寄附の内訳欄に記載せずに,同収支報告書を同選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出した」との公訴事実に対し,検察官がその立証の根幹に据えた春野の原審公判供述の信用性を否定し,他に被告人と春野との共謀を認めるに足りる証拠も見当たらないと判示し,犯罪の証明がないとして,無罪の言渡しをしたが,春野の供述には極めて高度の信用性が認められ,春野の供述を含め原審で取調べ済みの関係証拠によれば,公訴事実は優に認定できるのであって,無罪の言渡しをした原判決は,事実を誤認したものであり,これが判決に影響を及ぼすことが明らかである,というのである。
そこで,所論にかんがみ,記録及び証拠物を調査し,当審における事実取調べの結果をも併せて検討するに,上記共謀の事実は関係証拠によって優に認められるというべきであるから,原判決が本件公訴事実について被告人を無罪としたのは是認できず,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるといわなければならない。その理由は,以下のとおりである。
第1  本件公訴事実及び両当事者の主張
1  公訴事実及び事案の概要
本件公訴事実は上記のとおりである。そのうち,A研究会(以下「A研」という。)が,平成13年7月2日ころ,B連盟(以下「B連」という。)から1億円の寄附(以下「本件寄附」という。)を受けた事実(ただし,本件寄附が実質的にはA研の会長である夏川二郎に対するものであったかどうかの点はさておく。)及び平成14年3月29日ころ,春野が,A研の平成13年分収支報告書を提出した際,本件寄附を収支報告書に記載しなかった事実については,当事者間に争いはなく,証拠上も明らかに認められる。本件争点は,被告人と春野との間に共謀が存在するか否かということである。
2  原審検察官の主張
原審検察官は,共謀の内容となる具体的事実関係として,「平成14年3月13日に開催されたA研の幹部会(以下「本件幹部会」という。)において,被告人,秋山三郎,冬木四郎,北野五郎の4名が,事務局長春野の同席の下で,本件寄附につき,B連宛にA研の領収書を発行すべきか否かについて協議を行い,その結果,領収書を発行せず,A研の収支報告書にも本件寄附を記載しないことを決定したのであり,被告人は,協議に当たって,会長代理としてその場を取りまとめたほか,春野に対し,B連に出向いて領収書不発行の決定を伝達してその承諾を取り付けるように指示した」旨主張した。
そして,その具体的事実関係に沿う供述をする春野の原審公判供述の信用性について,①春野は,A研の事務局長であり,政治家に累を及ぼしてはならないという秘書の立場にありながら,本件幹部会における本件寄附に対する領収書発行についての協議の全容を証言し,さらには政治資金規正法に違反する違法な政治資金の処理を含む派閥の資金管理等の実態についてまで明らかにしているのであって,自身が長年にわたって培ってきた秘書の立場での信用を失うことを覚悟の上で,自らのすべてを捨ててまで真実を明らかにしようとしている,②春野が,本件幹部会での領収書不発行の決定過程の話をねつ造して,被告人,秋山,冬木,北野らA研の最高幹部に何ら責任がないのに同人らを犯罪に巻き込んだ作り話をする理由も必要性も全くない,③本件幹部会の終了直後,A研の会長室の隣の応接室で,春野から,「幹部会で領収書のことでBに行くことが決まった。B連の会計担当者とか場所を知らないのであれば,夏川会長の秘書であれば知っているだろうから,南野秘書について行ってもらったらどうかと幹部議員に言われた。一緒に行ってくれるかな」と言われて承諾したとの,夏川の秘書である南野六郎の原審公判供述とよく符合し,④春野が「上の方で決めた」と言っているのを聞いた旨のC党(以下「C党」という。)経理部長兼事務局長東野七郎及びB連会計責任者西野八郎の各原審公判供述,さらには,西野を通じて春野が同旨のことを言っているのを聞いた旨のB連代表者黒川九郎の原審公判供述ともよく符合するから,信用性は極めて高いと主張する。
3  原審弁護人の主張
これに対し,原審弁護人は,被告人は,平成16年7月にマスコミで報道されて初めて本件寄附のことを知ったものであって,原審検察官が主張するような共謀の事実は存在しないと反論する。そして,春野の原審公判供述の信用性について,①春野が検察官に対し本件事実を自供するに至った経緯は極めて不自然であり,②その供述内容は,例えば,本件幹部会には本件寄附を受けた経緯や状況を認識していなかった幹部も出席していたのに,その席上,誰からの質問も出ずに,各幹部が一言ずつ発言し,最後に被告人が締め括ったとしたり,B連はA研事務所のすぐ近くにあって道案内を要するとは考えられず,また,南野はB連の西野とはさほどの面識もなく,春野を西野に引き合わせる仲介役として適任ではないのに,南野がB連に同行したのは道案内のためとするなど,不自然かつ不合理であり,③合理的な理由もなく重要部分が変遷し,④その供述を補強する裏付け証拠と目される関係者の原審公判供述は,重要部分において春野供述と大きく相違ないし矛盾するなど,著しく信用性に欠け,到底信用できない,という。その上で,原審における証拠調べが進むにつれて,春野供述の信用性に多大の疑問があることが明らかになったばかりか,A研がB連に本件寄附に対する領収書を発行しないことになった経緯については,単に被告人がこれに関与していなかった疑いが強いというに止まらず,被告人が全く関知していない経緯と状況のもとで,春野が被告人以外の人物と相謀って実行された可能性が極めて濃厚となったのであり,被告人は本件共謀には全く関与しておらず,無罪である,と主張する。
第2  本件公訴事実に対する原判決の判断
1  原判決は,本件の争点は被告人と春野との間の共謀の存否であるとし,原審検察官が共謀に当たると主張する具体的事実関係(本件幹部会における領収書不発行の協議,被告人による決定の取りまとめと伝達の指示)に沿う供述をする春野の原審公判供述の信用性について,次のような,その信用性に疑問を差し挟まざるを得ない事情があるという。すなわち,
(1)  記憶喚起過程の不自然性
春野は,本件領収書不発行の方針決定に被告人らが関与することを供述するに至った経緯について,本件がマスコミに発覚した当時,夏川から本件小切手を預かったことや,本件寄附を収支報告書に記載していないことについては思い出していたが,本件寄附を記載せずに収支報告書を提出した経緯については,B連から領収書の発行要請があったことを含めて,逮捕されるまで全く思い出せなかった旨供述するところ,春野は,本件がマスコミに発覚した後,逮捕されるまでの間,1か月以上にわたり,本件1億円の領収書発行要請に関する問題を検討する期間があり,現に関係者らとその対応策等を協議し,A研の金銭出納帳を廃棄するなどの罪証隠滅工作を行っていたのであるから,B連から領収書の発行要請があったことまでも完全に忘れていて「記憶を喚起する余裕がなかった」という説明は,にわかに納得できるものではなく,記憶喚起の過程が不自然である。
(2)  重要事項に関する供述の変遷
平成13年7月3日に夏川から本件小切手を受け取ったことなどを秋山と被告人に報告したという点,平成14年3月にB連から領収書の発行要請を受けたことを被告人に報告したという点,本件幹部会での各幹部の発言内容等,重要な事項について,捜査段階,春野自らを被告人とする裁判(以下「春野公判」という。)及び原審公判段階を通じて,合理的な理由もなく供述が変遷している。
(3)  供述内容の不自然性
本件幹部会の開催時間は正味10分程度であったことは証拠上明らかであるが,本件幹部会においては,夏川の病状報告や当日午後に予定された見舞いに関する話題のほか,白木和男の離党問題についても議論されたと考えるのが自然であるところ,長年にわたる有力支援団体であるB連とC党との関係にも悪影響を及ぼす可能性がある領収書発行問題について,ごくわずかな時間で領収書の不発行を決定したというのは理解し難い。また,本件幹部会の後には入院中の夏川を見舞いに行くことが決まっていたのであるから,夏川に相談あるいは報告すべきだといった発言が全く出ることなく,会長代理である被告人が最終決定を下したというのも不自然である。さらに,被告人を含めた幹部議員が,単なる道案内や顔つなぎだけのために,夏川個人の秘書であってA研の事務職員ではない南野について,夏川の了解を得ることなく春野に同行してもらうよう助言したというのは,いかにも不自然である。
(4)  補強証拠の不存在
春野の原審公判供述は,会長室隣の応接室で,春野から,B連への同行方を求められたとする点において,南野の原審公判供述と符合しているが,春野は本件幹部会の席上に南野が再度呼び入れられて被告人から直接指示された旨供述しているのに対し,南野は本件幹部会の席上に再度呼び入れられた記憶はない旨供述しており,被告人が南野に対して春野と同行するよう指示したという,被告人の刑事責任を判断する上で極めて重要な事実について,南野は春野と異なる供述をしている。また,西野らは,原審公判で,春野から,領収書の不発行が「上の方で」決まったとの説明を受けた旨供述するが,春野から見て「上の方」というのは,必ずしも幹部会を意味するものではなく,西野らの供述は,領収書発行問題について本件幹部会に諮ったという春野供述の裏付けになるものとは言い難い。
(5)  検察官の主張について
検察官は,春野は,逮捕後は一貫して,本件領収書不発行の方針決定に関して,A研に所属する国会議員,それも,A研の最高幹部ともいうべき被告人,秋山,冬木及び北野の関与を明言しているところ,長年政治家の秘書を務め,本件当時はA研の事務局長として政治家に仕えていた春野が,あえて虚偽の事実を述べて被告人らを罪に陥れようとするとは考えられないと主張するが,春野の供述は,既に述べたように不合理に変遷している。また,検察官は,春野が従来非公表とされてきたA研の資金管理や会計処理の実態についてまで赤裸々に証言し,その真実性が裏付けられていることからも,春野の原審公判供述の信用性は肯定されると主張するが,春野の供述内容は,春野自身が「永田町の常識」と証言するとおり,これまで公表されていなかった事実を赤裸々に証言したとまで評価することは難しい。
2  そして,原判決は,春野が虚偽性を帯びる供述をした理由について,内閣総理大臣経験者でA研会長の夏川など本件発覚当時の現役国会議員であった幹部議員に累が及ぶのを阻止してA研への打撃を最小限に食い止めるとともに,C党本部経理部長兼事務局長として献金実務を切り盛りしていた東野に捜査の手が及んでC党全体あるいはC党の資金団体である財団法人D会(以下「D」という。)に事件が波及し,その不透明な献金処理方法が白日のもとにさらされるのを阻止するために,殊更に本件発覚当時既に落選や引退をしていた幹部議員の名前を挙げるなどして信憑性の高さをうかがわせる虚偽の供述をした可能性がある,という。
3  その上で,原判決は,本件に全く関与していないという被告人の原審公判供述は,捜査段階から一貫していること,本件発覚後も事実関係を確認するために本件当時のA研幹部議員ら関係者と連絡を取るなどしていないこと,取調べを受けるようになっても弁護人を選任していないことを理由に,信憑性が高いという。
4  最後に,原判決は,「本件1億円の献金について,B連からの領収書発行要請を拒絶して領収書を発行せず,A研の収支報告書にも不記載とするという本件一連の処理は,東野を通して行われたものであり,かかる『東野ルートによる処理』こそが本件の真相である」という弁護人の主張について検討を加え,西野の原審公判供述によれば,本件領収書不発行は,平成14年3月12日までに実質的に決着がついていた可能性があり,そうだとすれば,それ以降の日である同月13日の本件幹部会で決定されたという検察官主張の「幹部会ルートによる処理」は虚構であるということに帰着する可能性を否定できない,という。
5  結局,原判決は,検察官がその立証の根幹に据えた春野供述については,多くの難点があって到底これを信用することができず,他に被告人と春野との共謀を認めるに足りる証拠も見当たらないから,本件公訴事実については犯罪の証明がないことになるとして,被告人に無罪を言い渡した。
第3  当審における主張
1  検察官の主張
検察官の控訴趣意の骨子は,次のとおりである。
(1)  まず,春野の原審公判供述の信用性については,平成14年3月,B連がA研に本件寄附に対する領収書の発行を要請してきたことに対して,春野がA研としてどのように対応しようとしたかが最も核心の問題として検討されるべきであり,春野は,予期せぬ新たな事態を受け,A研事務局長という立場にある者として当然求められるべき,極めて自然かつ合理的な行動を取ったことを具体的に供述している。さらに,春野は,逮捕翌日から春野公判及び原審における証人尋問を通じて,本件寄附に対する領収書の不発行が本件幹部会における協議の結果に基づくものであることを一貫して供述しているのみならず,その供述内容は,「本件幹部会終了直後に春野から,B連への同行を求められて承諾した」旨の南野の原審公判供述や,本件1億円領収書の不発行が「上の方で決まった」と春野から言われたという東野らの原審公判供述とも符合しており,極めて高い信用性が認められる。
(2)  原判決は,春野の供述を虚偽供述であると断じ,春野が虚偽供述をした理由について,「夏川及び東野に累が及ぶのを避けるためであった」旨独自の推論をするが,そもそも本件寄附の収支報告書不記載に関与した者を春野がかばいたいと考えたのであれば,「あくまでも自らの判断のみで本件寄附を収支報告書に記載しないまま提出した」旨を供述すれば足り,被告人を含めたA研幹部の関与を明らかにする必要など全くない。
(3)  また,原判決は,春野の供述について,①記憶喚起過程の不自然性,②供述の変遷,③供述内容の不自然性,④補強証拠の不存在を指摘するのであるが,①春野の記憶喚起過程には不自然な点は認められず,②春野の供述内容の核心部分は一貫して揺らいでおらず,③その供述内容にも不自然な点はなく,④春野の供述内容と符合する南野らの原審公判供述が存在し,補強証拠も十分であると認められるから,原判決の指摘が誤りであることは明らかである。
(4)  さらに,原判決が,「春野が,夏川及び東野に累が及ぶのを避けるために虚偽供述をした」との推論をする根拠として指摘する事項は,原判決が認定した事実及び原審において取調べ済みの証拠から認められる事実にも反し,かつ,本件の実態からも著しく乖離している。
(5)  なお,本件領収書不発行は,平成14年3月12日までに実質的に決着がついていた可能性があり,そうだとすれば,検察官主張の「幹部会ルートによる処理」は虚構である可能性を否定できない,という原判決の認定は,領収書発行要請時期に関する西野の原審公判供述をわい曲して解釈した結果であり,誤りである。
2  弁護人の主張
弁護人の答弁の骨子は,次のとおりである。
(1)  春野の原審公判供述の信用性に関する原判決の判断は,極めて合理的であって,他の証拠との整合性も維持されており,正当な判断であることは明らかである。
検察官は,春野の供述の信用性を検討するに当たっては時期ないし事項を絞るべきであるというが,春野供述の信用性を吟味,検討するに当たって,領収書不発行に直結する事実関係のみを重視しなければならない合理的な必然性も理由もないのであって,B連から本件寄附がなされた真相,その後の寄附金の取り扱い,領収書不発行について東野が関与した状況等をすべて明らかにした上で,果たして,本件幹部会において領収書不発行が決定されたという春野供述が信用するに値するか否かを検討するのが当然である。限定した事実関係のみを重視して春野供述の信用性を判断すべきであるという検察官の主張は,著しく不当である。
また,検察官は,春野は,B連からの領収書発行要請という予期せぬ事態に直面したことから,A研事務局長として当然求められるべき自然かつ合理的な行動に出たことを具体的に供述していると主張するが,春野の供述するように,本件幹部会で領収書の不発行が決定され,A研としての方針が決まったのであれば,何故幹部会ないしは幹部議員の了承を得ないまま,その直後に東野との相談に出向いたのか不可解というほかない。なお,春野としては,夏川会長が当時入院中であったとはいえ,その秘書を通じて夏川の意向を確認することは十分可能であった上,A研の政治資金の管理や会計事務の総責任者で直属の上司である秋山事務総長にいち早く相談するのが,事務局長としてむしろ当然で自然の行動というべきであるから,B連の西野からの電話を受けた直後に,春野が夏川の意向を確認するか,あるいは秋山に相談してその指示を仰いだ可能性を否定できない。
(2)  さらに,検察官は,春野が,他人をかばうのであれば,あくまでも自らの判断で本件違反を犯した旨供述すれば足りると主張するが,本件寄附に対する領収書発行の要否等の判断は,A研の事務局のみで行うことはできず,A研幹部や上部団体幹部などの上位にある者との協議ないしは指示によって決するほかない事柄であり,身柄を拘束された春野が,本件を自己の単独犯であるとの主張を押し通すことはできなかった反面,いずれかの幹部議員あるいは上部団体であるC党の幹部との協議ないしはその指示によって本件違反を実行したとの真相を供述すれば,余りにも政局に対する影響が大きいことから,事の重大さにかんがみて真相を隠ぺいするほかないと考え,政局への影響が少ないと思われる他の者と協議して領収書の不発行を決めた旨供述することは,十分あり得ることである。
(3)  春野の記憶喚起過程の不自然性に関する原判決の指摘が誤りであるという検察官の主張は,結局のところ,当時の心理状態に関する春野供述のみを根拠として,極めて不自然な供述を無理に正当化しようとするものにすぎない。
また,春野の原審公判供述に補強証拠が存在しないとの原判決の評価が誤りであるという検察官の主張について検討すると,被告人が南野に対して春野と同行するよう指示したか,春野が「幹部の指示」として間接的に南野に伝えたかの違いは,被告人の領収書の不発行への関与の有無を判断する上で極めて重大な事柄であるし,また,「上の方」という言葉が幹部会を指すと理解できるというだけの理由で,春野の原審公判供述の信用性を補強するという主張は,明らかに失当である。
(4)  なお,原判決は,本件を有罪とするには合理的な疑いが存在するとして,検察官主張の「幹部会ルート」を排斥し,本件領収書の不発行が「東野ルート」によって決定,処理された可能性が強い旨判示したが,その認定は当然の帰結であり,本件の背景事情や東野の本件における役割,関与状況などを正確に見極めた,正鵠を得た判断というべきである。
(5)  加えて,本件の捜査,事件処理及び公判遂行に関しては,本件寄附の場に同席した秋山,冬木はもとより,本件幹部会の席上で領収書不発行の意見を積極的に述べたとされる北野についても,春野らとの共謀の事実により起訴するのが当然の処理であるのに起訴していないなど,多くの問題点があることを指摘せざるを得ない。
第4  原判決の検討
1  当審の判断の骨子
当審の判断の骨子は,次のとおりである。
(1) 本件の争点は,原判決が指摘するように,春野供述の信用性いかんであるところ,その信用性を判断するに当たっては,検察官主張のように時期ないし事項を限定すべき理由はなく,一連の経緯に照らして検討すべきである。
(2) そこで,まず,証拠上明らかに認められる事実関係に照らして検討すると,本件寄附は,形式的にも実質的にも,C党内の一派閥であるA研に宛てられたものであることが明らかである。したがって,本件寄附について,「実質的には夏川が個人的な立場で受けたものであると取り扱われた可能性も否定できない」とし,あるいは,東野がその事後処理を実質的に差配していたかのような原判決の認定は,これを是認することはできない。
(3) その上で,春野の原審公判供述の信用性を検討すると,本件幹部会で本件寄附に対する領収書の不発行が決定されたという春野供述は,①その内容自体,客観的な事実経過に照らして自然で合理的である上,被告人の関与を含め,具体的に供述されており,②その根幹部分において逮捕直後から一貫しており,③南野の「本件幹部会の終了直後,春野から,B連への同行を求められて承諾した」旨の原審公判供述とよく符合しており,また,④他の誰かをかばい,殊更,本件幹部会に参加していた4名のA研幹部に刑事責任を負わせるおそれの高い虚偽の供述をする理由はないと考えられることなどから,極めて信用性が高いと認められる。なお,⑤春野の述べる本件発覚後の記憶喚起の過程は,原判決や弁護人も指摘するように不自然であるが,この点は,本件発覚後,夏川ら上司に当たる者が,そろって,本件寄附について記憶がないとの態度を公然と言明するなどしたため,春野も事務局長の立場で,それを前提に,自らも記憶がないとの立場を貫いていたと推論するのが相当であり,この点の不自然さが,春野供述の根幹部分の信用性に影響を及ぼすものではないと解する。
(4) 一方,被告人の供述は,信用性の高い春野供述と矛盾し,到底信用できないといわざるを得ない。
(5) 結局,信用性の高い春野供述によれば,被告人が春野と共謀の上,本件犯行に及んだとの事実を,優に認定できることになる。
以下,詳論する。
2  証拠上明らかに認められる事実関係
(1)  本件寄附に至る経緯
原審において取り調べられた関係各証拠によれば,本件関係者・団体,本件寄附に至る経緯は,おおむね,原判決の理由中の「3.1本件の関係者・団体」,「3.2.1本件1億円の献金の経緯」に記載されたとおり認定できるので,以下,要点を摘示する。
ア 本件の関係者・団体
(ア) 被告人は,昭和47年12月施行の衆議院議員総選挙で初当選して衆議院議員となり,その後,平成15年11月施行の同総選挙において落選するまでの間,合計9期29年間にわたり衆議院議員を務めた。その間,被告人は,郵政大臣,運輸大臣,内閣官房長官等を歴任し,所属するC党においても,国会対策委員長,総務会長等を歴任した。また,C党内の派閥としては,E会,A研等に所属し,A研においては,副会長などを務めた後,平成11年10月から平成15年11月まで会長代理を務めた。
(イ) A研は,昭和62年7月に政治資金規正法上の設立届出をした政治団体であるE会が,その後名称変更されたものであり,主たる事務所を,本件当時,東京都千代田区永田町〈番地略〉Hビル*号室に置いていた。
A研には,規約上,役員として会長,副会長,幹事,会計責任者等が置かれ,このうち会計責任者はA研事務局職員が務め,会長,副会長及び幹事はA研所属の国会議員から選出されることになっていた。また,それ以外に,会計関係を含めた事務方の総責任者として事務総長が置かれ,会長代理,顧問等の役員が置かれることもあった。そして,会長,会長代理,副会長,事務総長ら主要な役職を務める所属議員が,国会開会中は定期に,国会閉会中は時宜に応じて,「幹部会」と称される会合を催し,政局についての情勢分析や意見交換をするなどしていた。
本件当時,A研は,C党所属の国会議員のうち衆議院・参議院合わせて100名を超える議員が所属する党内最大の派閥であった。本件当時,会長の夏川,会長代理の被告人,副会長兼事務総長の秋山,副会長の青山次男,参議院C党幹事長である冬木,参議院A研会長である北野の6名が幹部会を構成していたが,青山は体調を崩すなどして幹部会にはほとんど出席していなかった。なお,幹部会には,「事務局長」と称される,事務局の責任者であって,A研の政治資金規正法上の会計責任者である春野も同席していた。
イ 本件寄附に至る経緯
本件当時,B連がいわゆる職域代表として擁立した赤木光男,緑川一良の2名が,C党の参議院議員として,ともにA研に所属していた。赤木は,平成3年4月,社団法人F会(以下「F」という。)及びその政治団体であるB連の会長に就任し,平成7年にはB連の推薦を受けて参議院議員選挙に立候補して当選した。F及びB連の副会長であった黒川は,当初は赤木を支えていたが,赤木がFの歯科医療政策の実現に寄与するところがないと考え,次第に赤木に対して批判的になっていった。また,黒川は,政策実現のために積極的に行動しない夏川に対しても,頼りにならない国会議員であるとの思いを抱くようになった。
黒川は,平成12年3月実施のF会長選挙に立候補し,4期目の当選を目指して立候補した赤木との一騎打ちとなったが,この選挙期間中に開かれた集会で,夏川は,黒川や多数のF関係者の面前で「Fの会長は赤木先生でなければダメなので,私は赤木先生を応援します」などと赤木を応援する演説をしたため,黒川は憤激し,夏川を毛嫌いするようになった。黒川がこの会長選挙に勝利した直後には,黒川のもとへ夏川から上記応援演説に関して詫び状が届き,同年6月ころには,黒川と赤木との間で,赤木は国会活動に専念し,F及びB連との緊密な連携のもとで政治活動を行うとの条件で,B連としては,翌年7月の参議院議員選挙においても赤木を全面的に支援する旨の覚書が取り交わされたが,その後も,夏川との悪い関係は改善されず,また,赤木の政治活動は黒川を満足させるものではなかった。そのため,黒川が会長になって以降,しばらくの間,B連からA研への政治献金は行われなかった。
そのようなB連とA研との関係悪化は,医療関係者やC党議員が心配するところとなり,例えば,東野が西野を交えて黒川と会食し,夏川やA研との関係修復を進言するなどした。その後,黒川と夏川との会食が実現したほか,平成12年12月には,夏川が赤木及び緑川を連れて黒川のもとを訪れ,翌年の参議院議員選挙における赤木の支援を依頼し,黒川が夏川に対して1000万円の政治献金をするなど,関係修復の兆しが見られたものの,なお感情的なわだかまりは解消されなかった。そのため,東野は,同選挙への影響を懸念し,黒川に対し,夏川及びA研との関係修復はもちろんのこと,冬木など参議院C党執行部の議員のところに挨拶に行くよう助言したが,黒川は,夏川やA研との関係修復に向けた行動には出ずにいた。
ところが,平成13年4月に行われたC党総裁選挙で柴村不二夫が当選し,その後発足した柴村政権は,医療界に競争原理を導入するなどの医療制度改革を強力に推進する動きを見せたため,黒川は,これに対抗してFの推進する歯科医療政策を実現するためには,C党の最大派閥であり,秋山や冬木といった実力者のいるA研との友好関係を維持することが不可欠であると考えた。加えて,黒川は,新たに非拘束名簿式が導入される同年7月の参議院議員選挙に向け,知名度の低い赤木が落選するのではないかという危機感を持つようになったため,自らの個人的感情を捨てて夏川及びA研との関係を修復するとともに,冬木と良好な関係を築く必要性を感じ,夏川及び冬木を含むA研所属議員と会食の機会をもち,その際に献金しようと考えるに至った。そのような経緯を経て,同月2日,赤坂の料亭「G」で,夏川,秋山,冬木,黒川及び西野が出席して会食が行われることが決まった。
(2)  本件寄附とその費消
ア まず,原審において取り調べられた客観的証拠によれば,次の事実が明らかに認定できる。
① 平成13年7月2日,東京三菱銀行市ヶ谷支店に開設されたB連の預金口座から1億円が引き出され,同支店長振出名義の額面1億円の小切手(以下「本件小切手」という。)が振り出された事実(捜査報告書・原審甲61)
② 同日午後7時30分から,「G」で,夏川,秋山,冬木(午後8時から参加予定),黒川及び西野が出席して会食が行われた事実(同・原審甲59,60)
③ 翌3日,大和銀行衆議院支店に開設されたA研の預金口座に本件小切手が預け入れられ,同月9日,その口座から1億円が引き出された事実(同・原審甲37)
イ そして,この証拠上明らかに認められる事実に照らし,次の黒川,西野の各原審公判供述の信用性に疑いはない。すなわち,「2日に行われた『G』での会食のために,西野は,B連職員に指示して振り出す手続をした本件小切手を封筒に入れた状態で持参し,会食の開始前に黒川に手渡した。午後7時30分ころ,遅れて参加予定の冬木を除いて会食が始まったが,まず,黒川が挨拶を述べ,本件小切手が入った封筒を夏川に差し出し,夏川は,封筒の中の本件小切手を取り出し,額面が1億円であることを確認すると,隣に座っていた秋山にもこれを示した上で,背広の内ポケットに入れた。夏川も秋山も,黒川に謝礼を述べた。その後,しばらくして冬木が会食の席に到着すると,夏川は,冬木に対し,A研がB連から1億円の献金を受けたことを話し,冬木も黒川に謝礼を述べた。この1億円は,夏川個人ではなく,派閥であるA研に対する献金である」。
ウ また,同様の理由で,春野の次の原審公判供述の信用性に疑いはない。すなわち,「春野は,翌3日,千代田区麹町にある夏川事務所を訪れ,夏川から,『昨日,Fの黒川と飯を食ってね。はい,これ。Fからです』と言われて封筒を渡された。同事務所を出た後,封筒の中に額面1億円の小切手が入っていることを確認したことから,B連からA研への献金と理解し,A研の事務局職員灰原雄一に指示して,A研の預金口座に入金する手続を取らせた。同月9日,春野は,A研の会計職務代行者水野花子に指示して,同口座から現金1億円の払い戻しを受け,これをA研事務所の金庫室内の金庫に入れ,その後,A研のものであるそれまでの在中現金と併せて,A研事務所の経常経費や同月29日投票の参議院議員選挙の選挙資金など,A研のために使った」。
エ 以上によると,本件寄附は,B連からA研に対する献金であると理解すべきことに疑問の余地はない。すなわち,何よりも,献金した側の黒川,西野が揃って,本件寄附は夏川個人に対する献金でなくA研に対する献金であることを言明している。その上,夏川から小切手を手交されたA研事務局長(会計責任者)の春野もA研に対する献金であると理解していた旨言明しているのである(なお,上記各供述が前述の1億円の客観的流れに沿っていることは既述のとおりであるが,そのほかに,上記各供述の信用性を肯定させる根拠としては,これらが相互に符合していること,西野が現に夏川の事務所に対してでなくA研に対して領収書の発行を要請していること,この要請を受けたA研の春野が現にA研が領収書発行の義務主体であることを当然の前提として以後の対応をしていたことなども挙げることができるのであり,これらの点に照らすと,上記各供述調書の信用性は極めて高いことが明らかである。)。しかのみならず,この点を措いても,上記1億円の客観的な流れのほか,黒川,西野,春野の各供述に現れている,本件小切手の授受が,夏川一人ではなく,秋山,冬木といったA研幹部も同席する宴席で,しかも,秋山,冬木にも明らかにする形で行われているとの事実,B連側から渡された本件小切手は,その翌日,夏川から,夏川の秘書にではなく,A研の事務局長である春野に,「はい,これ。Fからです」と言って渡されているとの事実,本件小切手は,春野の指示によってA研の職員によってA研の預金口座に入金され,その6日後には同様にA研の職員により換金されて引き出され,A研の金庫の中に,A研の他の現金と共に保管された後,A研のために使われたとの事実を併せただけでも,これを優に推認することができるのである。そして,上述したところに照らせば,A研に対する本件寄附が形式だけのものであるなどといえないことは全く明らかである。
(3)  夏川が個人的な立場で受けた可能性
ア これに対し,原判決は,本件1億円の献金について,「実質的には夏川が個人的な立場で受けたものであると取り扱われた可能性も否定できない」と判示する。
イ しかし,既に述べたとおり,本件1億円の献金は,形式的にも実質的にも派閥であるA研に対する献金と認定すべきであり,原判決のいう「実質的には夏川が個人的な立場で受けたものであると取り扱われた可能性」の意味するところは必ずしも明確ではないが,夏川が個人の立場で受けた可能性は全くないというべきである。
ウ 原判決は,夏川が個人の立場で受けた可能性があると認める根拠として,①本件献金は,黒川と夏川という会長同士の確執を解消することに主眼があった,②本件献金の場とされた「G」は,夏川の秘書南野により予約され,その飲食代金は夏川の政治団体の1つから支出されている,③夏川は,当時,A研幹部として,毎年3000万円の寄附を行っていたが,A研の収支報告書によれば,平成13年から平成15年までの3年間は,夏川からの寄附が記載されていないところ,その3年間の合計額は問題のB連からの献金額1億円に近似する,④夏川は,本件小切手を春野に渡した当時,B連に対する領収書発行の指示を出しておらず,その後も春野に領収書発行の有無を確認していない一方,春野は誰にも相談することなく領収書を発行せずに放置しており,その事実からすると,夏川は,この時点で,春野に対し,本件寄附を公表しない献金として扱うよう,黙示的に指示していた可能性が否定できず,本件寄附に対する領収書不発行はその時点で既定方針とされたと認める余地がある,⑤平成14年3月19日に春野がB連に領収書発行要請を断りに行った際,南野が同行しているが,それは,領収書不発行が夏川の意向でもある旨をB連側に伝える目的があった,などと説示する。
エ しかし,①本件献金の目的は,前述したように,いくつかの意味合いがあり得るところではあるが,本件1億円に関するB連の出金伝票には「C党A研究会 夏川 秋山 冬木 (赤木選挙の為)」と記載されており(出金伝票の写し・原審甲67),その記載について,西野は,原審公判で,「平成13年8月末の監事会の前か平成14年3月下旬の収支報告書作成前までに自分が記載した」旨供述(7冊535丁)し,その信用性に疑いはないことからすれば,B連が擁立していた赤木への参議院議員選挙での応援の依頼に主眼があったとみるのが自然であり,少なくとも,原判決のいうように「会長同士の確執を解消することに主眼があった」ということはできない。
また,②「G」が予約された経緯等について,南野は,原審公判で,「夏川が同店を従前から利用していることを知っていた秋山事務所からの夏川事務所への依頼で,南野が予約し,その後,『G』から飲食代金の請求を受けた夏川事務所が,夏川が現に参加したことを確認して飲食の費用を支払った」と供述(7冊826丁,895丁,832丁)するところ,夏川事務所の予定表(捜査報告書・原審甲94,95)や「G」の請求書(同・原審甲98)の記載に照らし,その信用性に疑いはない。そうだとすれば,「G」は,派閥であるA研とB連との会食の場として,店になじみの夏川の事務所が,いわばA研の参加者を代表して予約し,代金を支払ったと評価するのが相当である。
次に,③そもそも3000万円の3年分と1億円とが金額的に合致しないことは原判決も自認するとおりである上,本件証拠上,夏川とA研との間で,本件1億円の寄附をもって,平成13年から平成15年までの3年間の寄附金と振り替える旨の合意がされたことをうかがわせる証拠は全くない。加えて,平成8年分から平成15年分までのA研の収支報告書(捜査報告書・当審検6)を見ると,夏川からA研への寄附は,平成8年分に7000万円,平成12年分に1000万円の各記載があるのみで,それ以外は,平成13年分ないし平成15年分に限らず,記載がない。そして,夏川の秘書として政治資金を管理していた南野は,原審公判において「夏川がA研等に寄附する場合,原資となる金の内容によって,夏川側の収支報告書に記載しない場合もあり,その判断は自分が行う」旨(7冊891丁),当審公判において「夏川からA研に対する寄附は,平成13年から平成15年までを含む毎年,2000万円から3000万円程度の規模で行われていた。A研の収支報告書にその記載がないのは,寄附をしても領収書の発行を求めない場合があり,その場合には収支報告書に記載しないことにしているからであると思う」旨供述(11冊12丁)する。夏川からA研への寄附について領収書の発行を求めないことがあるとの扱いが,政治資金規正法上全く問題がないかどうかはともかく,このような扱いが行われていたとの南野供述は,春野の「自分がA研の事務局長をしている間,夏川からA研に対する寄附は毎年あったが,領収書が不要だと指示があったものは収支報告書に記載しないことにしていた」(当審・11冊77丁),「平成13年には,夏川からA研に2000万円くらいの寄附があったが,夏川側の指示で,領収書を発行せず,A研の収支報告書に記載しなかった」(原審・6冊302丁)旨の公判供述と符合し,さらには,「A研が幹部の先生方から寄附を受けた場合,収支報告書を作成する段階になって,領収書を出していない先があれば相手方に確認して,相手方が領収書は要らないと言ったら,A研の領収書を発行せず,A研の収支報告書にも記載しない処理をしていた」旨のA研の元事務局長紺野雄二の原審公判供述(8冊1084丁)とも符合しており,その信用性に疑いはない。結局,「平成13年分から平成15年分までの3年間は,A研の収支報告書に記載がないから寄附がなかった」ことを前提とする原判決は,その前提において誤りがあるというべきである。
なお,この点について,弁護人は,夏川自身が,原審公判で,「金がなかったので,平成13年から平成15年は寄附していない」旨供述(9冊1500丁)していることを根拠に,この期間における夏川からの寄附は存在しなかったと主張する。しかし,弁護人指摘の夏川の供述は,原審弁護人の,「記録をみると,冬木や甲野は2000万ずつぐらい,毎年献金しているようだが,夏川の場合には,していない年もあるようなので聞いているのだが」との,A研の収支報告書に記載がないものは寄附がないとの前提に立った,適切さを欠いた尋問に答えたものである上,夏川は,これに続く,原審弁護人の「B連からの1億円を出したから,3年分ぐらいは自分の分は献金済みなんでという考えはありませんでしたか」との尋問に対し,「そういう考え方は持ったことはない」旨明確に否定しているのであって,弁護人のこの主張は,夏川供述の一部のみを一面的に引用したものにすぎない。
また,④本件小切手を受領した平成13年7月の時点において,夏川が春野に対し領収書発行の指示を出さず,その後も確認していないことは原判決の指摘するとおりであるが,それは,夏川が領収書発行などという事務手続にまで気を回さなかったためだとしても何ら不自然ではない。一方,春野は,後述のように,「参議院議員選挙を前にした時期に,1億円という大きな金額であったことから,夏川の指示とは無関係に,領収書を発行しないで処理するべき政治献金であると理解した」と供述するところ,その対応にも不自然さはない。要するに,原判決指摘の事項は,夏川が領収書の不発行を黙示的に指示したことの根拠となるものではない。もとより,夏川が領収書の不発行を明示的に指示したとの証拠は全くない。結局,その時点で領収書不発行が夏川の指示による既定方針であったことをうかがわせる証拠はなく,原判決の説示は,憶測の域を出ないといわなければならない。
最後に,⑤南野の同行は,後に述べるように,西野と面識のない春野のために,A研幹部の好意による,案内役又は紹介役のためと認めるのが相当であり,結局,いずれの事情も,既に述べた客観的な小切手・現金の流れや信用性に疑いのない黒川らの原審公判供述による認定を覆すものではない。
オ なお,弁護人は,春野が,破棄したA研の金銭出納帳の本件1億円の欄に「夏川扱い」と記載しているが,これは,本件寄附が,実質的にはB連から夏川にされ,さらに夏川からA研にされた根拠である旨主張する。しかし,春野は,この記載について,「夏川からの献金ではなく,B連から夏川を介して受領したから夏川扱いと付記した」旨,その字義に沿い,かつ本件寄附の状況及びその費消状況にも沿う合理的な説明(6冊179丁)をしているのであって,弁護人の見方は明らかに失当である。
(4)  東野が実質的に差配していたかのような説示
ア また,原判決は,東野が,「本件1億円の献金の実現から事後処理に至るまで深く関与していた可能性は否定できない」と判示し,東野が,本件寄附に対する領収書不発行を実質的に差配していたかのような説示をする。
イ しかし,本件献金がA研に対するものであることは,既に認定したとおり明らかであり,C党の経理部長兼事務局長である東野が,C党の一派閥にすぎないA研に対するB連からの献金について,その事後処理を実質的に差配することはあり得ないというべきであり,原判決は,この前提を誤るものである。
ウ 原判決は,東野の関与をうかがわせる根拠として,①「G」における会食は東野なくしては実現しなかった,②本件1億円の献金額決定に東野が関与している可能性がある,③東野は,春野から,「Dか何かで領収書を切ってもらえませんかね」などと本件1億円の領収書の善処方を相談されている,④東野は,西野に対し,A研とB連のいずれかが金員を拠出することを条件に,本件1億円の献金について,Dを介して事後的に処理し問題を解決する方法を指南している,⑤本件がマスコミに報道された平成16年7月の時点でも,東野は春野から相談を受けている,などの点を指摘している。
エ しかし,東野は,C党の経理部長兼事務局長であって,党の政治献金の担当を長くやっており,党の支援団体との付き合いも深いというのであるから,そうした地位や経歴に照らし,春野や黒川,西野らが,東野は献金等の事情に詳しい人物であり,相談の相手方にふさわしいと考えたとしても,何ら不自然なことはない。そして,上記東野の関与をうかがわせる根拠のうち,①,②についてみると(②につき,黒川は,原審でその事実を否定するものの,仮に,黒川が自らを被告人とする公判で述べるように,献金額を東野に相談した事実があったとしても),本件寄附は,前述のとおり,C党の最大派閥であるA研(あるいはその会長である夏川)と,C党にとっても有力支援団体であるB連(あるいはその会長である黒川)との確執に端を発しており,会談の場を求めたB連側が,東野に,その仲介役を依頼し,あるいは,献金額について相談したとしても,何ら不自然ではない。③についてみると,後にも検討するとおり,1億円の献金に対する領収書を発行しないという,B連の意向に反することが明らかなA研側の返答の伝達役の立場に立った春野が,自らの心積もりとして,B連側の意向に反しない代替案としてどのようなことが可能か,事情に詳しい東野に相談したとする春野供述(6冊47丁)に不自然さはない。また,④についてみると,B連にとって本件寄附に対する領収書を得ることの必要性は,その金額に照らしても高かったと認められ,後に述べるように,献金の相手であるA研からの領収書発行が望めない場面に至って,B連の会計責任者である西野が,例えばDといった別の団体から領収書を得る方法がないかなどと東野に相談し,それに対し,東野が解決策を教示することも,また不自然なことではない。最後に⑤についてみると,後述のように,マスコミによる取材や捜査機関による捜査の現実味が増す中で,春野が,東野に対応策を相談したり,C党の顧問弁護士の紹介を求めることは,自然な行動と理解できよう。要するに,東野が,本件寄附やその事後処理をめぐって一定程度の関与をしていた事実は認められるものの,だからといって,C党内の一派閥にすぎないA研に対する本件献金やその事後処理を,東野が実質的に差配していたと認定することはできないというべきである。
(5)  夏川らの供述態度
なお,上記のとおり,「G」で秋山,冬木の立ち会いのもと,黒川から夏川に本件小切手が手渡された事実は本件証拠上明らかな動かし難い事実であるにもかかわらず,原審公判において,夏川や冬木はその事実を実質的に否定する供述をし,秋山は事実と異なるアリバイ供述まで行っているのであるから,これらの者の供述は他の部分についてもその信用性を慎重に検討すべきものであることは,いうまでもない。
3  春野供述の信用性
(1)  春野供述の要旨
春野は,夏川から本件1億円の小切手を受け取ってから,本件寄附を記載せずにA研の平成13年分の収支報告書を提出するまでの経緯について,原審公判で,要旨,次のように供述する。
ア B連からの本件1億円の献金の受領
平成13年7月3日,私は,夏川の秘書から連絡を受け,午前10時か11時ころ,麹町にある夏川事務所に赴いた。夏川の執務室に通され,ソファーに腰掛けると,夏川が自分の机から私の方にやってきて,「昨日,Fの黒川と飯を食ってね」「はい,これ。Fからです」と言って封筒を渡してきた。私は,封筒の中身がどういうものか察しが付いたが,その場では封筒を開けることはしなかった。
事務所を出た後,封筒の中身を確認したところ,1億円という金額の小切手が入っていた。私は,夏川がA研の事務局長である私をわざわざ呼びつけた上で「Fからだ」と言って1億円の小切手を手渡したことや,1億円の使い道について夏川から指示がなかったことから,これはB連からA研になされた1億円の政治献金だと思った。
しかし,参議院議員選挙を前にした時期であった上に,1億円という大きな金額であったことから,夏川から特に指示は受けなかったものの,表に出さない,つまり領収書を発行しないで処理するべき政治献金であると理解した。そのため,私は,A研で領収書の発行事務を担当している水野花子に対しても,領収書の発行を指示しなかった。
おそらくその日だったと思うが,昼ころ,永田町にあるA研事務所の会長室において幹部会が開かれたことから,私は一段落する頃合いを見計らって,幹部会に出席していた秋山に対し,会長室で,夏川から1億円の小切手を渡されたことを報告した。
同日午後,私は,本件小切手をA研事務局職員の灰原雄一に持たせて大和銀行衆議院支店に赴かせ,A研究会夏川二郎名義の口座に入金する手続をとらせた。
私は,翌4日,夏川の日程を聞いた上で夏川事務所に出向き,本件小切手を口座に積んだこと,併せて前日の幹部会の様子を報告した。
同月9日,私は,水野に大和銀行衆議院支店に連絡を取らせ,1億円の出金手続をし,同支店行員が現金1億円をA研事務局まで運んできた。私は,受け取った現金を,A研事務所の金庫室内の金庫に,既に入っていた1億円強のA研の現金とともに保管した。
1億円を現金化してからそう遠くない時期に,私は,A研事務局に来ていた秋山及び被告人に対して,両名が一緒にいるところを見計らって,本件小切手を現金化して金庫に入れた旨を報告した。すると,被告人は「はい,そうですか」と言い,秋山は「うん」と頷いた。
現金化した1億円は,金庫内に既に入っていた1億円強の現金とともに,同月29日投票の参議院議員選挙の選挙資金や暮れのいわゆる餅代,さらには,日常的なA研の経費に使われた。
イ B連からの領収書発行の要請
本件1億円の献金に関して,B連からは,年が明けて平成14年になっても領収書の発行要請はなかった。ところが,同年3月の上旬か中旬ころになって,B連の西野からA研事務局に電話があり,「平成13年の7月にB連から夏川会長を通じまして小切手で1億円の政治献金をさしていただいておりますけれども,その1億円についての領収書をいただきたい」と要請された。
私は,それまでB連から何の連絡もなかった上,本件1億円の献金は領収書の要らない,裏で処理される献金だと思っていたので,西野の上記要請は意外な気がした。私は,1億円という巨額な政治献金が,平成13年の選挙の直前にA研になされて,その一部が選挙の資金としてA研の候補者に配られていたこと,一方,本件領収書の発行を断るとC党の大きな支援団体であるB連とA研との関係を悪くするおそれがあること,私の一存で断ったとしても,当然幹部議員にB連から「どうしてA研は領収書を出してくれないんだ」と連絡が行き,幹部議員から「何でお前,勝手なことをしているんだ」と言われることが目に見えていたことなどから,本件領収書を発行するか否かはA研全体の問題であり,私の一存で判断することはできないと考えた。そのため,私は,西野の要請に対し,「私の一存では決めかねることですから,幹部の先生方にお諮りをしましてご返事をさせていただきます」と言って電話を切った。
私は,B連から本件1億円の献金に対する領収書の発行要請があったことについて,会長代理として幹部会の意見等を立場上取りまとめる場面が多く,A研という派閥の運営に大変熱意を持っており,事務局に対しても日頃から注意や助言をしていた被告人と,直属の上司である事務総長の秋山の両名にはどうしても報告しておかなければならないと考えた。なお,夏川は,平成14年2月末から心臓病で入院中であり,余計な気を遣わせてはいけないと考え,私から夏川に報告することはしなかった。
ウ 本件幹部会での領収書不発行の決定
同月13日,本件幹部会に出席するために被告人と秋山はA研事務所に来ていた。私は,本件幹部会が開かれる会長室に入っていく通路のところで両名を呼び止め,「平成13年7月に夏川会長を通じてB連から1億円の政治献金を小切手でいただきまして,それはもう現金化して金庫のほかの資金と一緒に使っておりました。私はこれは領収書の要らない献金だと思っておりましたけれども,実は先般,B連から領収書のご要請がありました。私の判断ではこれはお答えができませんので,これは幹部会でお諮りいただくことだと思いますので,お諮りください」と伝えた。すると,被告人は「皆さんに相談してみんといかんね」という趣旨のことを言い,秋山は「そうですね」と言っていた。
その後,被告人,秋山,冬木及び北野の4名が出席して本件幹部会が開かれ,私もいつものとおり,オブザーバーとして同席した。
本件幹部会においては,出席を求められた南野から入院中の夏川の病状に関して報告がなされ,また,当日午後に幹部で見舞いに行く予定であったことから,夏川の容態に関する話に大半の時間が費やされた。
その後,被告人がB連から本件1億円の献金に対する領収書を求められたことについて話を切りだした。被告人は,一連の経緯について説明した上で,「皆さんどうしたもんですかね」というように他の幹部議員に問いかけた。すると,北野が,「選挙の年じゃからのう,目立つわな」というようなことを発言し,他の幹部も「そうだな」というようなことを言い,全体が領収書は出さなくていいのではないかという雰囲気になり,被告人が,「じゃ,領収書は出さないことで」と言って,その場を取りまとめた。一連の話し合いの中で,領収書を発行すべきだという意見や,入院中の夏川に相談して最終的な指示を仰ごうというような意見は出なかった。
被告人は,その場の話を取りまとめた後,次に運営幹事会が始まるので,半分立ち話のような慌ただしい中で,私に,「それでは領収書は出さないことにいたしますので,これをB連に伝えて,春野さん,あなたが了承を取ってください」と指示するとともに,「B連の人を誰か知っているか」と尋ねてきた。私が,場所も何も存じ上げない旨答えると,その場にいた幹部らから「夏川会長の秘書さんならご存じかも分からんな」という話が出て,「じゃ,ちょっと南野さんを呼んでこい」という話になった。被告人も「会長の秘書さんが知ってるんなら,一緒に行ってもらえばいいじゃないか」と言ってきた。そのため,私は事務局に下がっていた南野を呼びに行き,会長室に連れてきた。南野に対し,幹部らが「B連の誰かを知っているか」と尋ねると,南野は「知っている」と答えたので,被告人が,「それなら春野さんと一緒に行ってやってくれ。詳細は春野さんから聞いてくれ」というような指示を南野に出した。南野は「承知しました」と答えた。
私は,すぐに会長室の手前にある応接室に入り,南野に「みなちゃん,昨年の7月に会長経由でB連から1億円の献金を小切手で受けておるんだけども,そのことについて幹部会で諮ってもらったところ,A研としては領収書を出せないということになったんで,僕は全然知らないんで,あんたも一緒についてきてくれんか」ということを話した。すると,南野は「じゃ,自分が一緒に行く。先方と連絡を取った上で,日時を知らせてくれ。日程を空けるから」と答えた。
幹部会に引き続いて,運営幹事会が開かれ,その終了後,上記幹部4名と私は,夏川の入院先の病院に見舞いに行った。夏川との会話の中で,B連から領収書の発行を求められたことについての話は全く出なかった。
エ 東野に対する代替案の相談
その後数日くらい経って,私は,本件領収書を発行しないことについてB連がこれを受け容れなかったときの代替案を相談するために,東野を訪ねた。私は,東野に,「平成13年7月にB連から小切手で1億円の政治献金をA研が受けております。私はこれは領収書の要らないものだと思っておりましたところが,先般,B連から領収書発行の要請がありました。私の一存で決定できませんので,幹部会に諮ってもらいましたところ,やはり選挙前でもあるし,領収書の発行は見合わせようということになりまして,私がB連に行かなければいけないんですが,どうしてもと言われる可能性があるんで,何かお知恵はございませんか」と切り出し,Dの領収書でも切ることができないかと持ち掛けた。
東野は,「あれは西野さんが担当しておられるね」と言い,B連から受け取った1億円の小切手をどのように処理したのかを聞いてきた。私は,「お預かりした小切手はA研の口座に積みまして,その後,現金化をいたしまして,通常のA研の経費と同一に使っておりました」と答えたところ,東野から,「それでは,それはもう領収書は出せませんね」と言下に言われた。そこで私は,平成13年の参議院議員選挙の前というのではなく,例えば,平成14年,15年に1億円を分散して数字を小さくして,そしてA研の領収書を切るということが可能だろうかということを更に相談した。すると,東野は,「じゃ,相談してみるよ」と,ぞんざいな答え方をし,いつ,どこで,誰に相談するというような具体的なことを言わなかったので,私は,これは私の相談を打ち切るために言っているんだなと思った。私は,東野に相談しても代替案が出てこない以上,B連には領収書を発行しないことをどうしても呑んでもらうしかないと考えた。
オ B連への領収書不発行の伝達
私は,B連に電話をかけて西野の都合を聞き,B連を訪ねる日時について約束を取り付け,その旨を南野に伝えた。
平成14年3月19日,A研の事務所に来た南野と一緒にタクシーに乗り,南野の案内で九段にあるB連を訪れた。私と南野は,共に狭い応接室に通された。南野は,私と西野をそれぞれ紹介し,一,二分雑談した。その後,私は,西野に対し,「平成13年7月に私どもがお預かりしたB連からの1億円の献金に関しまして,領収書のご要請があったんですけれども,選挙の年でもありましたし,幹部の先生方が協議された結果,領収書の発行は控えさせていただきたい」旨伝えた。すると,西野はあっさりと,「そうですか,仕方ないですね」と言った。
私は,西野が1億円もの多額の政治献金について領収書を発行しないことをあっさりと了解したのは,領収書を発行しないことについて,幹部に諮った結果であり,私が独断で決めたのではないことが分かったからだと思った。西野との面談は,せいぜい,10分か15分くらいだった。
その数日後の幹部会が開かれた日に,私は,幹部会が始まる前に,被告人と秋山が一緒にいるところを見計らって,両名に対し,「平成13年のA研への1億円の小切手の献金に対し,B連から要請のありました領収書の件で,ご指示いただきましたように先方に伝えまして,了解をいただきました」と伝えた。すると,被告人は「ああ,そうですか」と,秋山は「ご苦労さん」というような,ねぎらいの言葉をかけてくれた。
カ 収支報告書の提出
その後,私は,水野に指示して,本件寄附を記載していないA研の平成13年分収支報告書を作成させ,秋山の了解を得た後,水野に指示して,平成14年3月29日,東京都選挙管理委員会に持参させ提出した。
(2)  春野供述の信用性
ア 供述内容の自然性・具体性
(ア) 春野の供述中,平成13年7月に夏川を通じて本件寄附を受領してから,平成14年3月に本件幹部会の決定を受けてB連に領収書発行を断りに行くまでの経緯は,極めて自然である上,春野は,本件幹部会における被告人の言動等について具体的に供述している。
すなわち,まず,夏川を通じて本件寄附を受領した平成13年7月当時,本件寄附について,領収書を発行しないで処理するべき政治献金であると理解した,との供述は,本件寄附の金額,参議院議員選挙直前という時期等に照らし自然である。そして,その後,8か月にわたってB連側から何の連絡もなかったのに,年が明けた平成14年3月になって,突如,B連の西野から,領収書発行の依頼を受け,意外な気がしたというのも自然であるし,本件寄附の金額や時期,その一部が既に費消されていたことなどから領収書発行は困難と考えたものの,事務局の立場にすぎない自分が独断で断るわけにもいかず,幹部の先生方に諮ってから返事をする旨答えたことも,また,自然な対応である。そして,当時心臓病で入院中であった夏川に自分から報告することはせず,幹部会で話し合って結論を出してもらおうと考え,会長代理として幹部会の意見を取りまとめる立場にあった被告人と,直属の上司に当たる秋山に報告して,本件幹部会に諮ってもらうべく依頼したというのも,同年2月27日に僧帽弁閉鎖不全症,感染性心内膜炎等の心臓病で緊急入院し,同年3月1日に僧帽弁人工弁置換等の手術を行い,同月4日まで集中治療室に在室し,その後も,ペースメーカーによる心拍数の維持,感染性心内膜炎に対する抗生剤の投与の治療を受け続けており(捜査関係事項照会回答書・当審検11),秘書である南野でさえ初めて面会したのが同月11日であったという夏川の病状や,当時の被告人,春野本人らの立場に照らし,極めて自然であったというべきである(なお,南野は,原審公判で,同日に面会した時の夏川の様子を,会長代理の被告人と事務総長の秋山の二人には報告する必要があると考えて翌12日に報告した旨供述(7冊839丁)しており,南野自身の手帳の記載(捜査報告書・原審甲95の資料2)に照らし,その信用性に疑いはないところ,この事実も,被告人と秋山の二人に報告したとの春野供述の自然性を裏付けるといえよう。)。さらに,本件幹部会で領収書の不発行が決定され,その伝達役を任された春野がB連側の人を知らないと答えるや,夏川の秘書である南野であればB連側の人を知っているのではないかという考えから,南野に対し,その点を確認の上,案内役又は紹介役として春野への同行を指示したというのも,被告人を含むA研の幹部として,極めて自然な行動というべきである。
また,本件幹部会に出席するために会長室に向かう,その通路で,被告人と秋山を呼び止めて幹部会に諮ることを求めた様子や,本件幹部会における被告人を含む各幹部の発言や対応,その後の南野に同行を求めるに至る経緯等について,春野は,極めて具体的な供述をしている。
(イ) これに対し,原判決は,春野供述の内容は不自然であるとし,その根拠として,次のような事情を挙げる。
a 本件幹部会の開始時刻は午前11時50分ころであり,正午からは運営幹事会が開かれて幹部会構成員も出席する予定になっていたから,本件幹部会の開催時間は正味10分程度であったことは証拠上明らかであるところ,本件幹部会においては,①夏川の病状報告や当日午後に予定された見舞いに関する話題のほか,②白木和男の離党問題について議論されたと考えるのが自然である。そして②の点については,秋山と冬木の見解が対立していたのであるから,同問題に関する議論には相当程度の時間を要したものと考えられる。そうすると,春野の供述するとおり本件幹部会において領収書発行問題が話し合われたとすれば,その不発行が決まるまでにごくわずかな時間しかかからなかったということにならざるを得ないが,B連がA研のみならずC党にとっても長年にわたる有力支援団体であって,A研として1億円の献金を受けておきながら領収書の発行要請を断れば,B連とC党との関係にも悪影響を及ぼすことも懸念されるのに,この点についてあれこれと議論する暇もなく,領収書発行問題について,上記のようなごくわずかな時間で不発行の結論が出たというのは理解し難い。加えて,本件幹部会の後には入院中の夏川を見舞いに行くことが決まっていたのであるから,B連から領収書の発行要請があったことを,本件1億円の小切手を黒川から直接受け取った夏川に相談あるいは報告すべきだといった発言が全く出ることなく,会長代理である被告人が最終決定を下したというのも不自然である。
b 被告人を含めた幹部議員が,単なる道案内や顔つなぎだけのために,夏川個人の秘書であってA研の事務職員ではない南野について,夏川の了解を得ることなく春野に同行してもらうよう助言するというのは,いかにも不自然である。加えて,南野は,平成14年3月以前に西野と会ったのは1回だけであり,南野が「B連に詳しい」と自覚していたとはおよそ考え難い。
(ウ) しかし,原判決が指摘する上記の点は,次に述べるように,春野供述を不自然とし,その信用性を減殺するものではない。
a まず,本件幹部会の開催時間が正味10分程度の短時間であったことは原判決指摘のとおりである。しかし,南野が行った夏川の病状報告自体は2分程度で,特に幹部からの質問もなかったとの南野供述(7冊911丁)の信用性に疑いはなく,本件証拠上,夏川の病状に関する話題にさほど長時間を要したことをうかがわせる事情はない。また,本件幹部会の席上,白木の離党問題が議論されたことを明らかに示す事情は,本件証拠上存在せず,これに長時間を要したとの前提に立って春野供述の不自然性をいうのは相当ではない。
次に,本件寄附は,B連からC党内の一派閥であるA研に対するものであることは既述のとおりであるから,その領収書発行問題が,直ちにB連とC党との問題に発展するとは思われない。原判決の指摘は,前提を誤るものといわざるを得ない。
また,問題の本件寄附に対する領収書発行については,平成13年7月に投票が行われた参議院議員選挙の直前の時期に,B連という一つの業界団体から,1億円という際立って巨額の政治献金がなされたという本件寄附の金額や時期,あるいは,領収書発行の依頼がそれから8か月も経過した後に突如としてなされたという経緯等の事情に照らすと,政治的判断としては,領収書を発行するとの結論に至る余地がなかったと見ることも十分可能であって,春野が述べるように,誰一人として異論を述べることなく,ごく短時間で被告人が取りまとめたというのも,これを不自然であるということはできない。
さらに,既に述べたような当時の夏川の病状や,別の結論に至る余地がなかったと見ることも十分可能な事柄であったことなどからすると,夏川に相談あるいは報告しようとの発言がなかったとしても,そのことは,何ら不自然とはいえない。原判決は,「夏川は術後10日余りの病者であったとはいえ,本件幹部会における南野の報告によれば,夏川は既に起き上がって本を読むなどして元気にしていたというのであり,夏川をその日の午後に見舞った際に相談や報告をして最終的に方針を決めることにしても,特に病状に障るような不都合があるとは思われない」と説示し,弁護人も,「夏川が本件幹部会当時,相当程度に病状が回復し,本件寄附について領収書発行の可否を判断するのに,何ら支障のない健康状態にあったことは明らかである」旨主張する。しかし,生死に関わる心臓病で緊急入院した夏川が順調に回復しつつあることと,そのような病状にある者に政治的な決断を迫ることとは全く次元を異にする問題であることは明らかであって,少なくとも,被告人を含む本件幹部会構成員や春野が,夏川の病状に配慮し,夏川への相談なり報告をしなかったとしても,そのことは何ら不自然ではない。
加えて,春野は,「被告人から領収書不発行の伝達を指示された以降のやりとりは,正午から引き続いて運営幹事会が始まる関係で,半分立ち話のような,慌ただしい中で行われた」と供述(6冊36丁)しているところ,この供述は,本件領収書の不発行が10分程度の短時間の本件幹部会で決定されたことを裏付けるものと評価できよう。
なお,原判決は,春野が本件幹部会の開始時刻が通常より遅れたことや開催時間が通常より短かったことを記憶していないのは不自然である旨論難するが,「定例の幹部会は,国会開会中の毎週水曜日に,参議院の本会議に引き続いて,午前11時30分に開始されることが通例であったものの,当初から別の時間が予定されたり,本会議の終了時刻によって予定より遅れて開始されることが少なくなかった」との春野の当審公判供述(11冊71丁)の信用性に疑いはなく,そうだとすれば,幹部会にほぼ毎回出席していた春野が,本件幹部会の開始時刻や開催時間を明確に記憶していないからといって,春野供述の信用性を減殺するものでないことは,明らかである。
b 次に,本件幹部会で協議され,被告人が取りまとめた結論は,1億円の献金に対する領収書発行の依頼というB連側からの極めて当然の要求に対し,献金の時期が選挙前で目立つから公表したくないというA研側の事情で断るという,明らかにB連側にとって不本意な,A研側にとって身勝手ともいえる内容であり,その伝達役に立たされた春野がB連側の人物を知らないと聞くや,多少なりとも面識のある者を案内役等として同行させ,少しでも円滑に話ができるように配慮したことは,本件幹部会構成員の行動として極めて自然なものといえよう。そして,被告人らA研の幹部が,夏川個人の秘書でA研の事務職員でない南野を,夏川の了解を得ることなく,A研の用務を行うよう指示することは,通常はないことであるとしても,本件寄附に対する領収書発行問題は,A研全体に関わることである上,収支報告書提出期限との関係で緊急を要する用件であることが明らかであるから,被告人らが,わざわざ,入院中の夏川の了解を得るまでもないと考えたとしても,何ら不自然ではない。そして,厚生関係に精通している夏川の秘書であれば厚生関係でC党の支援団体であるB連側の人物を知っているであろうとの推測から南野を指名することは,自然な成り行きといえよう。また,南野はそれ以前に西野と会ったのは1回だけであり,結果論として南野が案内役等としてふさわしかったとは必ずしもいい難いことは原判決指摘のとおりであるにしても,春野供述(6冊38丁)によれば,南野は,「B連の誰かを知っているか」との幹部の問いかけに対し「知っている」と答えたというのであるから,幹部がその答えに従って,南野にその役を命じたことは,何ら不思議でない。なお,春野は,原審公判で,自らの判決後である平成17年1月,南野に電話で,「ミナちゃん,B連に行ったよね。西野ともっと知り合いだと思っていたけど,あのとき余り話をしなかったね」などと,南野と西野とが他人行儀でぎこちない雰囲気があったことを伝えた旨供述(6冊418丁)しており,南野の原審公判供述(7冊868丁)とも符合するこの供述の信用性に特に疑いはないところ,この春野の発言は,南野の同行がまさに「案内役又は紹介役」であったことを前提に,それが必ずしも春野の期待通りではなかったことを如実に示すものと理解すべきである。
(エ) なお,弁護人は,春野供述によれば,本件幹部会で被告人を含む幹部議員により領収書の不発行が決定されたのに,春野は,その幹部会ないし幹部議員の了承を得ないまま,その直後に東野のもとを訪れ,Dからの領収書発行を求めているところ,このような春野の行動は極めて不自然である旨主張する。しかし,本件幹部会の決定は,既に述べたように,B連にとって不本意な内容であることは誰の目にも明らかであり,B連側が快諾しないことも十分に予想されたことであるから,その決定の伝達役に指名された春野が,快諾されなかった場合に備え,自らの心積もりとして,したがって幹部会や幹部議員とは無関係に,何か代替案がないかと,政治献金の実務に詳しい東野に意見を求めたことは,何ら不自然ではないというべきである。
また,弁護人は,春野としては,夏川が当時入院中であったとはいえ,その秘書を通じて会長の意向を確認することは十分可能であった上,直属の上司である秋山にいち早く相談するのが,事務局長としてむしろ当然で自然な行動というべきであるから,B連の西野からの電話を受けた直後に,春野が夏川会長の意向を確認するか,あるいは秋山に相談してその指示を仰いだ可能性を否定できない旨主張する。しかし,既に認定した夏川の病状に照らせば,事務局長の立場にあった春野が,夏川の病状を考慮して,夏川ではなく幹部会に諮ったとしても何ら不自然ではない。また,春野としては,直属の上司である秋山にのみ相談して問題を処理するという選択肢もあったと思われることは弁護人の主張のとおりであるとしても,そうだからといって,春野が,秋山を含む幹部会に諮ることを選択したことを不自然とはいえない。
イ 供述経過(供述の変遷)
(ア) 春野供述は,「夏川から本件小切手を受領し,これを,B連からA研に対する政治献金であり,その金額や時期等から領収書を出さずに処理すべきものと理解し,その理解に沿って一部をA研のために費消するなどしていたところ,翌年に至ってB連から領収書発行の依頼があり,その対応を本件幹部会に諮ってもらうこととし,被告人を含む4名の幹部議員による本件幹部会で領収書不発行が決定され,被告人がそれを取りまとめ,被告人の指示でその結論をB連に伝達した」という,その根幹部分において,逮捕直後から,捜査段階,春野公判,原審公判,当審公判を通じて一貫しており,信用性を高めるものである。次に述べるように,春野の供述には,原判決も指摘するような変遷があることは事実であるが,それは,重要性に劣る周辺事項に関するものか,記憶喚起の結果供述が具体化したものと理解すべきであり,その変遷が,春野供述の信用性を減殺するものと評価することはできない。
(イ) 原判決は,春野供述には,次のように,重要な事項について変遷があるという。
a 夏川から本件小切手を受け取ったことなどに関する被告人への報告について
捜査段階においては「報告した時期は現金化の前後いずれかで,報告した相手はいずれにしても被告人と秋山の2名」というものであったが,春野公判においては「報告した時期は現金化する前と後の2回で,報告した相手はいずれも被告人と秋山の2名」と報告の回数が変遷し,更に,原審公判においては「報告した時期は現金化する前と後の2回で,報告した相手は,本件小切手を受け取ったことについては秋山のみで,現金化したことについては秋山と被告人の2名」として,本件小切手を受け取ったことの報告の相手について変遷が生じている。
b 領収書の発行要請の被告人への報告について
平成16年9月1日付けの検面調書(原審甲44)においては「事務局の直接の上司に当たる秋山にまず報告したように思うが,A研の運営のことに関しては会長代理をしていた被告人にも相談することがあったので,あるいは最初に報告したのは被告人だったかもしれない」と二者択一であったものが,同月5日付けの検面調書(原審甲46)では,「事務局の直接の上司に当たる秋山にはもちろん報告しなければならないと考えたが,A研の幹部会メンバーの中で当選回数も多く,A研の幹部会の取りまとめ役をしていた会長代理の被告人にも話を通しておいた方が良いと考えた」との理由で,秋山と被告人に報告した旨供述するに至り,その後はこの供述を維持している。そして,供述の変遷の根拠について検討すると,結局重要な事項については秋山と被告人の両名に同時に報告することを心がけていたという一般論に尽きるといわざるを得ず,真実記憶を喚起して供述していると認めるには足りないというべきである。
c 本件幹部会での各幹部の発言について
同月1日付けの検面調書(原審甲44)では「秋山か被告人から説明がなされ,どうしたものだろうかと話し合われたが,その中で,誰かが『選挙の年のことだけに目立つよな』と発言したことを覚えており,他の議員も『それはそうだな。領収書なんか出せないよな』などと言い合っており,領収書を出さないという結論が決まった。その結論を受けて,秋山か被告人から私に対して『領収書は,出さないことにするから,その線で,Fに話して了解をとってくれ』と指示があった」旨供述していたのに,同月5日付けの検面調書(原審甲46)では,「被告人が,幹部会のメンバーに対して,『事務局から報告があったんだが,13年の選挙前の7月初めころ,FからA研へ1億円の献金がされて,事務局が会長から小切手でそれを受け取って現金化し,A研の金庫の金と一緒にして,順次使っているのだが,領収書の要らない献金だと思っていたものの,最近になって,領収書をもらいたいとFから言われたという経過がある。どうしたもんかね』などと言った。確か北野が,『選挙の年じゃからのう。目立つわな』と発言し,秋山も冬木も,口々に『それはそうだ』と言ったと記憶している。秋山,冬木あるいは北野が『領収書は出さない方がいいんじゃないか』と発言した。被告人が,『それでは領収書は出さないことにしよう』と言って,他のメンバーもそれぞれ頷いて領収書を出さないことに同意した」旨供述するに至っており,「選挙の年だから目立つ」旨の発言者が北野と特定され,その文言も一層リアルなものになり,また,取りまとめた人物が被告人に特定されるという変遷がある。そして,平成16年11月17日に春野から北野の秘書である藍川雄三にかけられた電話の内容,すなわち,春野の捜査段階の供述に関する記事が掲載され,領収書発行問題について本件幹部会で議論がなされたことや,そのときの北野の発言内容が書かれていた当日の朝刊を読んだ春野は,電話で,藍川に対し,「今回新聞に北野先生の名前が出たのは自分が喋ったものではない。検察が記者にリークしたものだ。検察は今度の件で誰かを引っ張りたくて仕方がないようだ。幹部会のA研における役割や位置付け,誰が幹部会をリードして誰がどう言ったか等を聞かれた。自分としては幹部会の誰にも責任がいかないように責任が分散するように言った。あの時の幹部会で北野先生が言ったのではなかったかなあ?という記憶だが,それ以上のことはない。そうだったかな……誠に申し訳ない」などと話したことを考慮に入れれば,その変遷は,春野が,責任分散のために殊更虚偽の事実を述べたものである疑いを否定できない。
(ウ) しかし,原判決指摘の各変遷は,いずれも,春野供述の信用性を減殺するものではないというべきである。
a まず,夏川から本件小切手を受け取り,あるいは本件小切手を現金化したことに関する被告人への報告の点は,本件幹部会の8か月前にあった,春野が夏川から本件小切手を受け取って現金化したという出来事の周辺事情にすぎず,このような点について春野の供述に変遷があったとしても,春野供述全体の信用性に影響を及ぼすものでないことは,明らかである。
b 次に,領収書発行要請の被告人への報告に関する供述の変遷について検討する。春野は,平成16年8月29日に逮捕され,同日付けで身上等に関する調書(原審甲43)が作成された後,同年9月1日付けで「最初に報告した相手は秋山か,あるいは被告人」とする調書(原審甲44)が作成され(なお,原判決は,「同日付けの検面調書(原審甲45)においては『最初に秋山の指示を仰いだ』旨供述していた」とするが,原審甲45のその部分(同調書1項中)は,「別の機会にお話ししたように」との記述に引き続くものであることから分かるように,別段,原審甲44と食い違う話をしたものではなく,このことは,原審甲45の15項に「最初に秋山代議士あるいは甲野代議士に報告した」との記述があることからも明らかである。),その後,同月5日付けで「秋山と被告人の両方に同時に報告した」との調書(原審甲46)が作成され,以後,捜査段階,春野公判,原審公判を通じ,「両方に同時に報告した」との供述が維持されている。この,捜査段階初期の,しかも,「最初に秋山か被告人」から「同時に秋山と被告人」というわずかな供述変遷の過程を素直に見れば,春野は,取調べの進展に従って記憶を喚起し,以後,その喚起された記憶に基づく供述を維持したものと解するのが相当である。
なお,原判決は,春野の供述変遷(記憶喚起)の根拠について,結局重要な事項については秋山と被告人両名に同時に報告することを心がけていたという一般論に尽きるといわざるを得ないと論難する。しかし,この点に関する春野の供述をみると,春野は,同月5日付け検面調書(原審甲47)で,「取調検察官から,最初に1億円の領収書をくれと請求を受けたことを報告し,指示を受けた相手は誰だったか尋ねられ,とっさに,事務局の上司だった秋山代議士にまず報告したと記憶しているが,あるいはA研の運営・事務に関してよく相談に乗ってもらっていた甲野代議士にまず報告したものだったかもしれず,どちらだったかまでは断言できないという言い方をして,調書にもそのように記載してもらった。しかし,その後,そのときの状況をよく思い返してみたところ,幹部会の始まる前に,事務局に関係することや,選挙のことに関して,秋山代議士と甲野代議士が事務局の部屋に一緒にいるところにうかがって,両代議士に同時に話すことも多かったなということを思い出し,そういえば,この領収書の請求があったことの報告についても,両代議士に一緒にいるところでしたなということを思い出した。そして,そのときの反応はどうだったかなということを思い返し,相談してみんといかんな,という発言は甲野代議士の方だったなということも徐々に思い出した」などと供述し,原審公判においても,検察官から「あなたはB連から領収書を要求されたことを幹部に報告したことについて,当初はその報告をした相手が,秋山議員か,あるいは甲野議員のどっちかだったと思うと供述していましたが,その後,甲野被告と秋山議員が二人一緒のときに報告したというように供述が変わっていますが,どうして当初は秋山議員と甲野被告のどっちかだったという供述をしたんですか」と問われて(なお,この質問中の,春野の当初供述の要約は不正確である。),「検事さんからB連の領収書の対応のことについて聞かれた際に,私はB連から領収書の請求を受けて,幹部会に諮っていただきましたということを申し上げましたら,検事さんに,だれかに相談しなかったかと言われました。そう言われて私は,そういえば,確か秋山先生か甲野先生に相談したんだなということを思いまして,どちらだか思い出してみろと言われましたんで,どっちだったかなと,二者択一というような感じで自分の記憶をたどりました。そしてどちらか特定できないままに,どちらかわかりませんと検事さんに申し上げて,調書にしていただきました」と答え(春野が当初供述をした経緯や当初供述の内容等に関するこの供述は,上記誤導質問に引きずられて正確を欠くものになっているが,この点は,二人一緒のところで報告したとのその後の供述が具体的に記憶を喚起してなされた供述なのかどうかという当面の問題の判断とは無関係である。),検察官から続いて「その後,お二人,一緒のときに報告したというふうに供述が変わったわけですが,それは何かきっかけがあったんですか」と問われて,「はい。私は検事さんから,これはA研の幹部の方が共同責任を問われる大事なことだよと。真剣に考えろということを更に言われまして,考えましたところ,私自身は,A研の事務局長としてこういう派閥全体にかかわる問題のときは,特にこれはB連からの大きな献金というものでございましたから,幹部会に諮っていただく問題であると当然考えましたけれども,常にそういうときに私が考えておりましたのは,一つは事務総長に御報告を申し上げるということ。それからもう一つは,こういう大きな全体にかかわる問題でございましたから,A研のお取りまとめ役的立場でございました甲野先生にも,これはお話ししておかなければいけない。そういう意識がありましたんで,なるべくそういう問題は,お二人いらっしゃるときをつかまえて,お話するように努めておりましたから,そういえばこの件も幹部会の前に,お二人が一緒にいらっしゃるときに話をしたんだなということを思い出しました」と答え,さらに検察官から「それであなたはB連から領収書を求められたことを,お二人一緒のときに報告したときの場面を,具体的な情景として思い出したんですか」と問われて,「はい。幹部会の前にお二方おそろいのとき,会長室の前でございますけども,このことを申し上げまして,そのことで甲野先生が,相談してみないかんな,ということを言われて,秋山先生がそれに対して相づちを打たれたことをはっきりと思い出しました」と答えているのであって,この供述変遷の理由に関する説明は,「一般論に尽きる」などとして一蹴することができないだけの具体性を備えているといわなければならない。この説明を「一般論に尽きる」と断じ,捜査段階初期の些細な変遷を理由に春野供述の信用性を否定する方向に考慮するのは明らかに相当を欠くというべきである。
付言するに,原判決指摘の9月1日付け検面調書(原審甲44)では,領収書の発行要請を秋山か被告人に「電話で報告したのか,幹部会のためにそのメンバーが集まる機会に,その会が開かれる前に直接報告したのかは,今はよく思い出せない」旨,領収書を発行するかどうかが話し合われた幹部会が開かれたのは「A研の事務所か赤坂プリンスホテルの550号室かで」と,また,その幹部会に「青山次男も出席していたかもしれない」と供述されていたのが,9月5日付け検面調書(原審甲46)に至り,領収書の発行要請を秋山及び被告人に「電話でなく,幹部会の開かれる直前直接報告した」と,領収書を発行するかどうかが話し合われた幹部会の開かれたのは「今の記憶としては,定期の幹部会が開催されたA研事務所の会長室で」と,その幹部会に「青山は病気で出席していなかった」と供述が変遷し,以後変遷後の供述が維持されているところ,この供述変遷も,同様に,取調べの進展に従って記憶を喚起したものと評価するのが相当である。
c 最後に,本件幹部会での各幹部の発言については,まさに,春野が捜査段階の初期において記憶を喚起する過程で,供述内容をより詳細かつ具体的にしたものと評価すべきであって,これを,供述の信用性を否定する方向に作用する「供述の変遷」と捉えるべきではないことは明らかである。
なお,原判決は,「平成16年11月17日の春野から藍川に対する電話の内容を考慮に入れれば,その変遷は,春野が,責任分散のためにことさら虚偽の事実を述べたものである疑いを否定できない」旨,あたかも,春野がこの電話で,本件幹部会における北野発言について,自己の記憶に反する,虚偽のものであることを藍川に対して自認したかのように説示する。しかし,春野のこの電話での発言は,春野が原審公判で供述(6冊420丁)するように,春野としては,本件幹部会の席上,北野が「選挙の年だから目立つ」旨の発言をした事実を明確に記憶していることを前提に,それが新聞報道されたことから,北野側に対し,自分がマスコミにリークしたわけではないこと,北野発言が明確に記憶に残っていること,本件幹部会で領収書の不発行が決まったのは誰か特定の人が決めたのではなくて全員が意見を出した中で被告人が取りまとめをしたものであることを,弁解がましく,漠然とした言葉で,しかし明確に伝えたものと理解すべきである。そして,春野のその意図が,電話の相手方である藍川にも正しく伝わっていることは,藍川が原審公判(9冊1426丁)で,「春野は,幹部会で領収書のことが話し合われたときに,北野が『選挙の年だから目立つ』という意味の発言をしたと記憶している,ということをあなたに言いたかったんじゃないですか」と尋ねられ,「そうだと思います」と答えていることからも明らかである。これに反し,原判決は,真実は北野発言がなかったことを前提に,春野が,この電話で藍川に対し,北野発言に関して虚偽の供述をしたことを自認したかのようにいうが,この原判決の説示は,証拠の評価を明らかに誤ったものといわざるを得ない。
ウ 他の証拠との符合
(ア) 南野は,原審公判で,「本件幹部会の終了直後,A研の会長室の隣の応接室で,春野から,『幹部会で領収書のことでFに行くことが決まった。B連の会計担当者とか場所を知らないのであれば,夏川会長の秘書であれば知っているだろうから,南野秘書について行ってもらったらどうかと幹部議員に言われた。一緒に行ってくれるかな』と言われて承諾した」旨供述(7冊845丁)する。
(イ) そこで,南野のこの供述の信用性について検討する。
a まず,南野のこの供述内容は,既に述べたように,明らかにB連側にとって不本意な内容の伝達役に春野を指名したA研幹部が,少しでも円滑に話ができるように配慮して,B連側の人物と多少なりとも面識があると考えた南野に案内役又は紹介役として同行を求めたというものであって,極めて自然な内容であり,かつ,南野は,同行を依頼してきた春野の発言内容について具体的に供述している。
b B連への同行の依頼に関する南野の捜査段階における供述状況をみると,次のとおりである。すなわち,南野は,捜査段階において,①平成16年9月4日付け検面調書(原審甲99)では,「私が夏川代議士の病状について報告をした幹部会のときだったと思うが,A研がB連から献金を受けた1億円について,A研としては領収書は出さないという話が幹部から出て,後の事務処理を春野の方でやることになったのだったと思う。この幹部会の後に,私は春野からB連の方に同行して,顔繋ぎをしてくれるように頼まれたのだったと思う。春野は,B連に知り合いがいないため,そのようなお願いをしに行くのに困って,私に頼んできたのだと思う」などと供述し,②同月16日付け検面調書(同100)では,「私が春野に同行したのはB連の役員と以前から面識があった私が同行した方が頼みやすかったからだろうと思う。しかし,単に春野に同行するにしても,やはり,1億円の献金について収支報告書に載せないということはA研にとっても重大なことなので,私としては,できれば,A研の会長であった夏川代議士の意向を聞いた上で,春野に同行するかどうか決めたかったが,心臓の病気で入院中の夏川代議士に心労をかけることになることから,夏川代議士の直接の指示,了解を得ることはしなかったのだろうと思う。とは言っても,やはり,A研にとって重大なことであったので,私が春野から頼まれただけで,領収書を発行できないことを告げにB連に行くということをすることはなく,会長自身から指示を受けたのと同じくらいの重みのある指示,つまり,A研の幹部からの指示があったからこそ,私が春野に同行したのだと思う。そして,私にこのことを指示してきた幹部として考えられるのは,甲野代議士である。甲野代議士は,A研の会長代理であり,会長に代わって指示をするとすればその役目は甲野代議士のものだったし,また,普段から,甲野代議士は,A研の秘書に対していろいろ世話を焼いたり指示をしたりしてきていたので,そういうことからも,私に対して指示したのは甲野代議士だと思う」などと供述し,③同日付け検面調書(同101)では「A研に対する1億円の献金につき,A研の収支報告書に載せないという重大なことを,A研の単なる事務局長である春野が独断で決めることはできない。私は,A研の幹部が,1億円の献金について領収書を発行しないことを決めた場面に立ち会った記憶まではないので,私なりの考えだが,幹部のうち,春野が,1億円の献金について収支報告書に載せるかどうかなどを相談するとしたら,A研の事務に関することなので,A研の事務総長であった秋山代議士であっただろうと思うし,また春野に同行したのは,A研の会長代理だった甲野代議士からの指示があったからだったと思うので,この1億円の献金についてA研の収支報告書に載せないという決定は,秋山代議士や甲野代議士らA研の幹部らが話し合って決めたことだろうと思う」などと供述し,④同月26日付け検面調書(同107)では,「本件幹部会で,私は夏川代議士の病状を報告した。報告後会長室を出て,幹部会の後に開かれる運営幹事会にオブザーバーとして出席するため待機していた。しばらくすると,幹部会が終わったらしく,春野が会長室から出てきた。春野から,話があると言われ,一緒に会長室前の応接室に入った。そして,春野から何か話をされたという記憶はあるが,今のところ,具体的な記憶が蘇っていない。おそらく,春野から,A研がB連から受けた1億円の献金につき,幹部らの決定で,収支報告書に載せないことになったため,領収書を発行できないことや,B連側に説明に赴くに当たり,幹部らが,私に一緒に行ってもらってはどうかと言っていることなどの説明を受け,B連への同行を頼まれたのではないかと思う」などと供述している。これらの捜査段階における供述はひどく遠回しの言い方で語られており判然としない点も多いが,最初の①の調書で,本件幹部会終了後春野からB連への同行を頼まれた(のだったと思う)と述べ,最後の④の調書でも,(具体的な記憶は蘇っていないが)本件幹部会終了後春野から,1億円の献金につき領収書を発行できないことや,B連側に説明に赴くに当たり,幹部らが,私に一緒に行ってもらってはどうかと言っていることなどの説明を受け,B連への同行を頼まれた(のではないかと思う)と述べるなど,(断定的でない点をさておけば)南野の原審公判供述と同趣旨の供述を繰り返しなしていたものであって,このことは,南野の原審公判供述の信用性を支えるものというべきである。なお,②の調書及び③の調書中,被告人から春野に同行するよう指示された(と思う)と述べている部分について一言すると,この部分は,被告人による指示の形態が直接なのか間接なのか(春野を介して伝えられたのか)までは言及しておらず,他方,後に述べるように,南野の原審公判供述も,本件幹部会の席上で幹部議員から直接指示されたことがあった可能性を否定しているものではないから,この部分が,南野の原審公判供述と矛盾対立しているということはできないのである。
c そして,南野は,昭和46年に夏川の議員秘書となり,その後,断続的ではあるが,原審における証人尋問当時を含めて夏川の議員秘書を続けていた(当審における証人尋問当時は夏川の息子の議員秘書をしているという。)のであるから,その立場に照らし,殊更,被告人を含むA研所属議員に不利益な,虚偽の供述をするとは考え難い。
d なお,南野は,平成14年3月19日に春野とともにB連に赴き,西野と面談したという,本件証拠上明らかな事実について,原審公判で,「記憶にないが,関係証拠から見れば行った可能性が残る」旨判然としない供述(7冊953丁)をしている(当審でも,記憶が蘇らない旨供述(11冊29丁)する。)。しかし,南野は取調べ検察官から「B連に行ったことが政治資金規正法違反の幇助になる」と言われた(7冊930丁)ことに加え,当日の春野と西野との面談内容は,「B連から夏川に1億円の小切手が渡された」という証拠上明白な,しかし夏川が認めていない事実を前提とするものであるところ,もし,B連に同行したことを覚えていれば,当然,その場での春野と西野の会話を聞いていることにならざるを得ないが,それは,夏川の秘書の立場にある南野としては避けたい事態と推察されること(南野は,原審公判(7冊979丁)で,秘書として長年勤め上げる秘訣を尋ねられ,「自分を殺すことでしょう」と答えている。)などの理由に照らせば,南野がこの点について,判然としない,供述を避けるような態度を取る理由も理解できないではない。そうだとすれば,この点に関する南野の供述態度が,春野からB連への同行を依頼されたとの供述部分の信用性に影響することはないというべきである。
e 以上によれば,この点に関する南野供述は信用できるというべきである。
(ウ) これに対し,原判決は,次のような理由を挙げ,南野供述の信用性を論難する。
a 春野と南野の供述は,南野が,本件幹部会の終了直後,会長室隣の応接室で,春野から,「幹部会で領収書のことでFに行くことが決まった。南野秘書について行ってもらったらどうかと幹部議員に言われた」旨言われて同行を承諾した,との点では符合するものの,春野は「本件幹部会の席上に南野が再度呼び入れられて被告人を含む幹部議員から直接春野に同行するよう指示された」旨供述しているのに対し,南野は「本件幹部会の席上に再度呼び入れられた記憶はない」旨供述しており,被告人が南野に対して春野と同行するよう指示したという,被告人の刑事責任を判断する上で極めて重要な事実について,南野は春野と異なる供述をしている(なお,弁護人も,同様の主張をする。)。
b 南野供述全体を見ると,南野が「記憶がある」としてあたかも具体的な記憶に基づいて証言している部分は,ほとんどが夏川事務所の日程表や南野自身の手帳に予定が記載されていることに限られており,「日程(表)に出ていましたから,それは覚えていますね」などといった南野の証言ぶりなどに照らすと,南野は,具体的な記憶に基づくことなしに証言をしている疑いがある。
c そもそも南野が案内役や紹介役程度のために春野に同行したとは考え難い。
(エ) しかし,原判決の指摘する点は,南野供述の信用性を減殺するものとはいえない。
a 被告人を含む幹部から南野に,直接,同行の指示があったか否かについて,春野供述と南野供述が合致していないことは原判決指摘のとおりである。しかし,南野は,原審公判で,B連への同行について,「直接か間接かは別にして,幹部からの指示だということが常に頭にあったが,具体的な場面として記憶にあるのは,春野から『幹部会で決まったんだけど』と間接的に言われたことである」旨述べている(7冊972丁,963丁)のであって,本件幹部会の席上で被告人を含む幹部議員から直接指示されたことを否定しているわけではなく,記憶にないと言っているにすぎない。既に述べた南野の供述経緯や供述態度を合わせ考慮すれば,南野の供述は,合致する部分において春野供述を裏付け,その信用性を高めるとともに,原判決が指摘する合致していない部分について春野供述の信用性を減殺するものではない,と評価すべきである。
b 南野供述には,全体として,例えば,日程表や手帳に記載されていることは進んで供述するものの,それ以外は,記憶が明確でないなどと,自分から進んで供述するのを渋るという傾向が顕著である。しかし,それは,南野が,自らの刑事責任や,上司に当たる夏川の刑事上・道義上の責任を回避するため,不都合な事柄は供述を避ける傾向があるためであると評価すべきであり,具体的な記憶に基づくことなしに証言をしている疑いがあると評価するのは相当ではない。
現に,例えば,南野自身の手帳の平成14年3月13日の欄(捜査報告書・原審甲95の資料2)には,本件幹部会に出席して夏川の病状について報告したことに関する記載はないが,南野は,原審公判で,「前日の夕方に言われたので,自分も書かなくても忘れることはないと思って書かなかった」旨の説得的な説明(7冊855丁)をした上,本件幹部会における報告内容,幹部の反応等について,具体的に,自己の記憶に基づいて供述(7冊844丁)していることが明らかである。
c 南野が,案内役又は紹介役として春野に同行したことが,極めて自然であることは,既に述べたとおりである。
(オ) 結局,南野のこの供述は,春野の,「本件幹部会の終了直後,会長室隣の応接室で,南野に領収書の件でB連への同行を求めた」旨の供述と符合し,春野供述の信用性を高めるものである。
(カ) なお,検察官は,「春野から,領収書の不発行が『上の方で』決まった旨の説明を受けた」との,西野らの各原審公判供述も,領収書の不発行が本件幹部会で決まったとの春野供述と符合する旨主張する。しかし,本件領収書の不発行は,春野が一人で決められるものではなく,「上の方」で決めてもらわざるを得ない事柄であることは明らかであって,問題はその「上の方」が本件幹部会なのか否かである。この点は,原判決や弁護人も指摘するとおり,検察官指摘の西野らの供述は,領収書の不発行が本件幹部会で決まったという春野供述の信用性を支える意味での「裏付け」なり「符合」になるとはいい難いと解するのが相当である。
エ 春野が虚偽の供述をしている可能性
(ア) 春野の供述は,被告人にとって共犯者の供述に該当するところ,共犯者は,一般的にいって,自己の刑事責任の軽減を図って,無関係な第三者を犯行に引き込むなどの虚偽の供述をする可能性が否定できない。そこで,春野について,虚偽の供述をしている可能性を検討する。
本件の領収書不発行の決定は,A研やC党にとって有力な支援団体であるB連からの,1億円という巨額な政治献金に対して,B連から領収書の発行要請があり,それに対してこれを拒否するというものであり,性質上,A研の事務局長にすぎない春野が独断で決定したとは考えられない。したがって,ここで検討すべきは,「春野が,春野の上位の人や機関をかばって,本件とは関係のない,被告人を含む本件幹部会に出席した4名のA研幹部を犯行に引き込む可能性」であるところ,長年政治家の秘書を務め,本件当時はA研の事務局長として,秘書に準じる立場で政治家に仕えていた春野が,自らの生活の基盤ともいうべき立場を危うくすることも顧みず,あえて虚偽の事実を述べて,上司に当たる,本件発覚当時現職の国会議員を含む被告人らA研幹部を罪に陥れようとするとは考え難い。
(イ) この点について,原判決は,春野が,本件発覚当時,国会議員の地位を失っていた被告人と北野の二人に責任を集中させ,A研等への影響を最小限に抑えることができると考えたとしても不思議ではない旨説示する。しかし,本件発覚当時,秋山も国会議員の地位に就いていなかったのであって,原判決の説示は説得力を欠く。また,本件幹部会で具体的な発言をしたとされる被告人と北野が,本件発覚当時,議員の地位を失っていたことは原判決指摘のとおりであるとしても,春野の供述内容は,要するに,本件幹部会で,出席者全員が協議して合意の上で,領収書の不発行が決定されたというのであるから,具体的な発言がなくとも,本件発覚当時現職の国会議員であった冬木を含め,本件幹部会に出席していた4名全員が,領収書の不発行,すなわち本件公訴事実である平成13年分の収支報告書不記載の決定に関与し,したがって刑事訴追を受けるおそれがあったことは明らかである。そして,春野が,捜査当時,そのことを十分に認識していたことも,「私がB連から領収書の請求を受けて,それを幹部の先生に諮って本件幹部会にかけていただき,指示を受けてB連に出向き,領収書を出さないことの了解を取った。私がB連の政治献金に対する収支報告書不記載で逮捕されたのであるから,幹部の先生方が,共同の責任として逮捕又は起訴されることになりかねないと思っていた」旨の供述(6冊127丁)に照らし,明らかである。
(ウ) また,原判決は,実質的には夏川が個人的な立場で本件1億円の献金を受けたことを前提に,領収書の不発行は夏川により既定方針とされており,春野は,夏川をかばうため,虚偽の供述をした疑いがある旨判示するが,そもそも,本件1億円の献金は,形式的にも実質的にも,派閥であるA研に対するものであることは,既に述べたとおりである。
また,夏川が個人の立場で受けたかはともかく,夏川が本件寄附に対する領収書の不発行に関与したか否かを検討すると,既に述べたとおり,平成13年7月当時,夏川が,領収書の不発行を春野らに指示したことを示す証拠は,それが明示的なものであれ黙示的なものであれ,全く認められない。しかも,本件寄附をしたB連側も,そのようなことがあったとは認識していなかったが故に,平成14年3月になって,A研に領収書発行の要請をしてきたものである。また,この要請を受けた同月の段階では,夏川は入院中であり,夏川から領収書不発行に関する指示があったことをうかがわせる証拠は全くない。
以上に照らせば,春野が,夏川をかばって殊更虚偽の供述をする理由も必要もなかったと認められるから,夏川をかばって虚偽供述をした疑いがあるとする原判決は,証拠の評価を誤ったものである。
(エ) さらに,原判決は,東野が本件1億円の献金について事後処理を実質的に差配していたことを前提に,本件幹部会前に領収書の不発行が決定されており,春野は,東野をかばうため,虚偽の供述をした疑いがある旨判示するが,そもそも,本件1億円の献金は,A研に対するもので,C党の事務局長である東野が実質的に差配するのが筋違いであることは,既に述べたとおりである。また,春野は,平成16年9月1日付け検面調書(原審甲44)において,すなわち逮捕3日後の段階で,既に,「本件幹部会で領収書不発行の決定があった後,代替案について東野に相談した」旨,自ら供述し,しかも,相談内容について,「Dから領収書を出すなりしてもらえないか」などと極めて具体的に供述している。仮に,原判決が説示するように,真実は東野が本件1億円の献金の事後処理を実質的に差配していたが,捜査がC党本部やDに及ぶのを避けるため,春野が,殊更,本件幹部会で決定したという虚偽の供述をしたというのであれば,春野が,捜査段階初期に,東野やDの名を出して具体的な供述をすることは考え難いところであって,原判決の説示は,春野の供述経過に照らしても,採用することができない。
(オ) なお,東野の関与に関連して,原判決の,「本件領収書発行問題は,平成14年3月12日までに実質的に決着がついていた可能性がある」とし,したがって,検察官主張の「幹部会ルートによる処理」は虚構であり,弁護人主張の「東野ルートによる処理」こそが「本件の真相」である可能性を否定できない旨の説示について,その当否を検討する。
原判決は,「西野は,春野に領収書発行要請の電話をかけた二,三日くらい後に東野から電話を受け,その当日か翌日にC党本部に東野を訪ね,そこで,東野から,A研では領収書は発行できないと言っている旨聞いた」との事実経過を認定し,西野から春野に対する,その領収書発行要請の電話の時期について,西野の原審公判供述を,「西野は,『3月上旬の後のほう,そのくらいじゃないかと思います』と述べている」と摘示した上で,A研事務局は土日は休みであるので,「西野のいうところは,3月7日(木曜)か8日(金曜)ころということになる」と結論付け,それを前提に,西野が東野から領収書不発行を伝えられたのは遅くとも3月12日であり,したがって,本件領収書発行問題は,その日までに実質的に決着がついていた旨説示する。しかし,原判決のこの認定は,検察官が的確に指摘するように,西野の原審公判供述の趣旨を誤るものである。原判決が摘示する,問題の電話の時期に関する西野の供述部分(原審弁護人の反対尋問に対する供述)を正確に引用すると,「平成14年3月,今申し上げましたころではないかと思います。3月の上旬の後のほう,そのくらいじゃないかと思います」(7冊574丁)というものであり,その「今申し上げましたころ」とは,その直前の「3月の上旬の後のほう,中旬の前のほうというような時期」との答えを受けているのは明らかである。そのことは,西野が,原審検察官からの尋問に対し,「3月初旬から中旬にかけてのころかと思います」と答えている(7冊498丁)こと,さらに,別の原審弁護人が「3月上旬の後ろのほうか中旬の前のほうということをおっしゃってたんですが,もうちょっと早いということはないんですか」と尋ね,それに対して,「再度のご質問でございますが,私が最初に述べたことで間違いないと思います。(中略)3月の上旬の後ろのほう,3月の中旬の前のほう辺りではないか」と繰り返し答えている(7冊593丁)ことからも,明らかである。したがって,西野供述からは,問題の電話が3月11日(月曜)か12日(火曜)であった事実を排斥することはできず,そうだとすれば,西野が東野から領収書不発行を伝えられたのは,本件幹部会があった3月13日より後である可能性も濃厚である。少なくとも西野供述を根拠に,「本件領収書発行問題は,3月12日までに実質的に決着がついていた可能性がある」とし,したがって,領収書不発行が本件幹部会で決定されたとの検察官主張は虚構であるとした原判決は,証拠を不適切に引用し,その結果,明らかに証拠に反する認定をしたものといわざるを得ない。
オ 供述態度
春野は,原審で,第2回から第6回公判まで5開廷にわたり,詳細な証人尋問を受けてきたが,原審検察官の尋問に対してはもとより,原審弁護人等からの,執拗な弾劾的尋問に対しても,当時の記憶に従って,丁寧に答え,真摯に対応している様子がうかがわれる。当裁判所が直接現認した当審におけるそれを含め,春野の供述態度は誠実と評価できる。
加えて,春野は,例えば,A研のパーティー券収入の現金受取分を毎年多額に収支報告書に記載せずに裏金処理をしてきたこと,幹部から得た寄附を収支報告書に記載せず,法定費用を超える選挙資金として使っていたことなど,従来非公表とされてきたA研の資金管理や会計処理の実態についてまで赤裸々に証言しているところ,春野は,これまで長年にわたり政治家秘書として務めてきたにもかかわらず,今後,そのような職に就くことが困難になると思われる事柄にまで踏み込んで供述しており,政治家秘書としての生命を自ら断つに等しい,真摯な供述態度と評価することができよう。これに対し,原判決は,「春野の証言内容は,春野自身が『永田町の常識』と証言するとおり,これまで公表されていなかった事実を赤裸々に証言したとまで評価することは難しい」旨説示し,春野供述の信用性を論難する。しかし,この点は,検察官が適切に指摘するとおり,「永田町の常識」であることと,A研の事務局長であった春野が,公開の法廷で,A研の個別の資金管理や会計処理について,自らの経験として具体的に供述することとは,全く次元の異なることであり,春野のこのような供述態度は,真摯な供述態度として,春野供述の信用性を肯定する方向に評価すべきである。
カ 記憶喚起の過程
(ア) 春野は,本件領収書不発行の決定に被告人らが関与したことを捜査官に供述するに至った経緯について,次のように供述する。すなわち,
a 自分は,本件がマスコミに発覚したことを契機に平成16年7月14日に開催されたA研の拡大幹部会において,夏川から本件小切手を預かったことや,本件寄附を収支報告書に記載しないで提出したことは覚えており,幹部議員らに対してその旨報告したものの,収支報告書を提出した経緯については,B連から領収書発行の要請があった事実,本件幹部会に諮って領収書不発行を決定してもらった事実,幹部の指示でB連に赴いて領収書の発行を断りに行った事実を含め,思い出せずにいた。拡大幹部会に出席していた夏川から「当時のことを何度も思い返してるんだけども,全く記憶にないんだよな」との発言があり,同様に出席していた冬木からも特に発言はなく,他の議員から記載ミスだと指摘されたことから,私は,ひとえに会計責任者である自分の責任であると考えた。
b 翌15日の朝刊で,本件1億円の寄附に関して,「B連は領収書の発行を再三催促したが,1年以上交渉が続けられた末,A研から領収書を受け取ることができなかった」旨の報道がされたことから,その記事を見た私は,「B連側から再三催促があり,1年間も交渉したということは絶対にあり得ない。全くのでたらめだ。領収書の要請があったということは絶対になかった」と過剰に反応してしまい,実際に領収書発行の要請があったことを思い出せずにいた。私は,A研としてこの問題の対応を至急しなければいけない,特に弁護士等に相談しなければいけないと思っていたので,そのころ,弁護士を紹介してもらうべく,東野を訪ね,弁護士を交えて対応策を検討するなどした。その際,弁護士から,何度も,「領収書発行の要請はなかったのか」と聞かれ,その記憶のなかった私は,「一度もなかった」と繰り返し答えた。
c 新聞報道がなされて以降,A研事務局や自宅にマスコミが押し寄せてきていたことから,私は,マスコミから逃れるため,ホテル暮らしをするようになり,以後,逮捕されるまで,断続的にホテル暮らしを続けていて,記憶を喚起する余裕がなかった。
d そのような中,同月29日,実際には,まだ検察官からの呼出しもなかったのに,私が事情聴取を受けたとの新聞記事が出たため,検察官に呼ばれて聴取をされるものだと強く思った。また,そのころ,A研所属の複数の国会議員と話したところ,A研事務所に検察官の捜索が入る可能性があるという意見もあった。私は,検察官から,本件寄附の収支報告書不記載以外にも,A研の金の出入りを調べられると思い,特に,A研の政治資金パーティー券収入の多額の現金受取分を毎年収支報告書に記載せずに処理してきたことについて厳しく追及されるのではないか,あるいは,金銭出納帳を押収されれば,それが検察官に知れ,パーティー券をさばいてもらったA研所属議員や,善意でパーティー券を購入してくれていた相手方にまでの捜査が及び大きな迷惑を掛けてしまうのではないかと懸念した。そこで,金銭出納帳をA研事務所から持ち出して知人の秘書に預けたり,内容を改ざんした金銭出納帳を作成して検察官に提出したり,最終的には,宿泊していたホテルの部屋で,本物の金銭出納帳を廃棄処分するなどの,罪証隠滅工作を行った。なお,私は,この間,3回にわたり秋山に電話をかけたが,秋山から,「平成13年7月2日にB連の幹部と会ったということを聞かれているが,自分はよく覚えていない」などと言われ,「これは私の事務局長としての記載ミスであり,先生方には一切関係のないことでございます。私の責任なんです」などと答えた。
e 私は,平成16年8月23日から任意で検察官の取調べを受け,その中で,検察官から領収書のことについて何度も聞かれたが,マスコミからいかに身をかわそうかと考えたり,近々逮捕されるのではないかという気持ちもあり,そのことにばかり気を取られて,落ち着いて過去を振り返ろうという余裕もなく,どうしても思い出せなかった。
f 私は,同月29日に逮捕された。逮捕の前日,家族で食事をした際,長女から,「お父さん,本当のことを話してください。一人で責任を負うようなことは絶対にしないでください」と言われ,また,逮捕後,それまでの,マスコミ等から追いまくられてホテルを転々とする生活から解放され,落ち着いた時間を取り戻した中で,取調べ検察官から,「思い込んでいることが一杯あるかもしれんよ。心のかんぬきを外しなさい」などと言われて,当時のことを真剣に思い返すうち,逮捕の翌日あたりから,まず,天気の良い日の昼間に南野と一緒にタクシーに乗ったことを思い出し,それは,本件寄附に対する領収書の不発行を伝えるために,南野と一緒にB連に行った場面であるとの記憶が戻り,そこから,本件1億円の寄附について,収支報告書に記載せずに提出した経緯を思い出すに至った。
(イ) この春野供述について,検察官は,本件がマスコミに発覚してから春野が逮捕されるまでの春野を取り巻く状況及びその間における春野の心理状態を踏まえれば,B連から領収書の発行要請があったことを完全に忘れていて「記憶を喚起する余裕がなかった」という春野の説明は十分に理解できると主張し,この記憶喚起の過程が不自然であるとして春野供述の信用性を否定した原判決を論難する。
(ウ) そこで検討するに,春野の供述する記憶喚起の過程は,原判決や弁護人も指摘するとおり,不自然であるといわざるを得ない。
まず,B連からの本件1億円の献金をめぐっては,春野が,①夏川から本件小切手を受け取って現金化し,領収書の要らない金だと思って一部をA研のために費消していたところ,②意外にもその8か月後にB連から領収書発行の要請があったため,その対応を幹部会で諮ってもらうこととし,③不発行を決定した本件幹部会に同席し,④その決定を受けてそれをB連側に伝達し,了承を得られたことから,⑤本件寄附を記載せずに収支報告書を提出した,という一連の,分断することのできない経緯をたどっている上,金額の大きさや特異な体験といった事情に照らし,いずれの過程も特徴的な,印象に残るはずの出来事と評価できる。そして,春野は,そのいずれの過程にも自ら直接関与しているのであって,この一連の過程から2,3年しか経過していない時点で,このうち,①と⑤は記憶していたが,②③④については記憶していなかったというのは,不自然であるといわざるを得ない。
また,仮に本件がマスコミに発覚した時点で②ないし④の過程を記憶していなかったとしても,春野は,まず,B連は領収書の発行を再三「催促した」との新聞記事を読み,その後,弁護士との打合せの中で,「領収書の発行要請はなかったのか」と繰り返し確認され,任意の取調べの中でも検察官からその点を何度も確認され,更には一連の罪証隠滅工作を行う過程で過去を振り返ったと思われるのであるから,いずれも強く印象に残っているはずの,領収書の発行要請に関する記憶を喚起する機会が十分に与えられていたというべきである。しかるに,「再三催促があったことは絶対にないから,要請はなかったはずだと,過剰に反応してしまった」との春野の説明は,不自然である。
さらに,春野は,逮捕の翌日くらいに上記②ないし④についての記憶を喚起した旨述べ,現に逮捕3日後に作成された9月1日付け検面調書(原審甲44)から,既に述べたように,その後若干の変遷はあるものの,大筋においてその後も維持されている詳細な供述がなされているところ,上記のように1か月以上の期間にわたって記憶喚起の機会がありながら思い出せずにいた経緯について,逮捕後すぐに記憶を喚起したというのは,いかに,逮捕されるまでの間,マスコミから追い回される等の状況であったとしても,不自然である。
(エ) 以上によれば,「本件がマスコミに発覚してから逮捕されるまで,B連から領収書発行の要請があった事実等について全く記憶になかった」との春野供述は,信用できないといわざるを得ない。
(オ) もっとも,春野がこの点について信用性に欠ける供述をした理由は,本件証拠に照らし,次のように推論することができ,この点に関する春野の供述に信用性がないからといって,「本件幹部会で領収書の不発行が決定された」とする春野供述の核心部分の信用性に影響を与えるものではないと考える。
すなわち,本件がマスコミに発覚した当時,春野は,上記①ないし⑤の全過程を,完全ではないにせよ,少なくとも大筋では記憶していたにもかかわらず,拡大幹部会で,夏川は本件寄附について記憶がない旨の態度を公然と示し,それに対し冬木も何も言わず,また,そのころの電話で,秋山も,本件1億円をめぐる経緯について記憶にない旨明言したため,事務局長として議員秘書に準じる立場にすぎない春野としては,立場上,それに反する態度を取ることができなかったと考えられる(春野は,この点について,原審で,「夏川会長が全く記憶にないんだよと言っていることに対して,それを私は忖度するしかなくて,こういう経過でしたよと言うのをはばかった」旨供述(6冊397丁)している。)。すなわち,夏川から本件小切手を受け取って費消したこと(上記①)及び本件寄附を収支報告書に記載しなかったこと(上記⑤)は,拡大幹部会で自ら説明したことであるので,これは記憶があると認めるものの,本件寄附を収支報告書に記載しなかった(上記⑤)のは自分のミスであり,②ないし④の過程は存在しない,つまり記憶にないとの立場を取らざるを得なかったと考えられる。そして,逮捕される前はそのような立場を貫いていたものの,逮捕前日の長女の言葉や,逮捕直後の取調べ担当検察官の説得を契機に,自らの記憶に従った真実を供述しようと決意し,逮捕後間もない時期から②ないし④についても供述しつつ,逮捕前の取調べ段階での供述との整合性を説明するため,原審及び当審公判でも述べたような,記憶喚起の過程を述べたと解するのが相当である。
なお,上記②ないし④の過程は,被告人の本件刑事責任を裏付ける,春野供述の核心部分ではある。しかし,ここで信用性が欠けるとしたのは,春野の記憶そのものではなく,春野が,本件がマスコミに発覚してから逮捕されるまでの1か月半の間,その部分の記憶がなく,その後記憶を喚起したと説明した,その記憶喚起過程に関する供述であって,それ自体,核心部分ではない。そして,肝心の,上記②ないし④の過程に関する春野の記憶を検討すると,既に述べたように,いずれの過程も春野が自ら直接関与した,特徴的で印象に残るはずの出来事である上,逮捕3日後に作成された検面調書から,大筋において一貫した詳細で具体的な供述がなされていることに照らし,十分に良好に保持されていたと認めるのが相当である。そして,これを逆から見れば,春野は,この十分良好に保持されていた記憶に基づき,かつ,これに忠実に従って,核心部分において揺らぐことのない大筋において一貫した供述をしてきたと認めることができるのである。
(カ) そうだとすれば,記憶喚起過程に関する春野供述は不自然であり,信用できないとしても,そのことは,核心部分を含むその余の春野供述の信用性に影響を及ぼすものではないと考える。
キ 小括
以上によれば,本件幹部会により本件寄附に対する領収書の不発行が決定されたとする春野供述は,①その内容自体,客観的な事実経過に照らして自然で合理的である上,被告人の関与を含め,具体的に供述されており,②その根幹部分において逮捕直後から一貫しており,③南野の「本件幹部会の終了直後,春野から,幹部会で領収書のことでFに行くことが決まった。南野について行ってもらったらどうかと幹部議員に言われた』と同行を求められて承諾した」との原審公判供述とよく符合しており,④春野において,他の誰かをかばい,ことさら,本件幹部会に出席していた,被告人を含む4名のA研幹部に刑事責任を負わせるおそれの高い虚偽の供述をする理由はないと考えられ,⑤春野の供述態度は,原審・当審公判を通じて誠実であることなどから,その信用性は極めて高いというべきである。なお,⑥春野の述べる本件発覚後の記憶喚起の過程は不自然で,春野供述のこの部分は信用できないといわざるを得ないが,だからといって,「本件幹部会により本件寄附に対する領収書の不発行が決定された」とする春野供述の根幹部分の信用性に影響を及ぼすものではないと認められる。
なお,弁護人は,本件幹部会に出席した,被告人以外の3名のA研幹部は,原審公判で,そろって,本件幹部会で領収書の不発行が決定された事実はない旨供述し,これに被告人を加えると4名がそのような事実はない旨供述しており,それに対し,そのような事実があったとする者は春野一人である旨,春野供述の信用性を論難する。しかし,既に述べたように,秋山や冬木の原審公判供述は,証拠上明らかな事実を否定するなど,その信用性に問題があるものであって,被告人を含む4名のA研幹部がそろって春野供述を否定しているからといって,既に検討した春野供述の信用性は,いささかも減殺されるものではない。
4  被告人供述の信用性
本件共謀には全く関与していないとする被告人の供述は,信用性の高い春野供述に照らし,信用できないというべきである。
これに対し,原判決は,被告人供述の信用性を肯定し,その根拠として,①本件寄附に対する領収書の不発行決定に関与したことは全くないとの被告人供述は,捜査段階から一貫していること,②本件発覚後も,事実関係を確認するために本件当時のA研幹部議員ら関係者と自ら連絡を取るなどしていないこと,③取調べを受けるようになっても弁護人を選任していないことを挙げる。しかし,①一般的にいって,捜査段階から一貫して否認していることが,その否認供述の信用性を担保するものでないことは明らかである。また,②被告人は,本件発覚当時,政界を引退してから既に1年近くになっていたのであるから,自ら本件当時の関係者に連絡を取ることは,本件への関与を疑わせる積極的な根拠となり得ることがあるといわなければならないが,逆に,連絡をしないからといって,本件に関与していないことを積極的に根拠付けることはできないというべきである。さらに,③弁護人を選任しないことと,その供述の信用性との間には,何ら関係がないことは自明である。
原判決指摘の事情は,いずれも,被告人供述の信用性を肯定する根拠とはならないというべきである。
5  結論
以上の次第で,信用性が認められる春野供述によれば,「被告人が春野と共謀の上,本件寄附を収支報告書に記載せずに提出した」との本件公訴事実は優に認めることができるというべきである。
なお,弁護人は,本件幹部会のほか本件寄附の場にも同席した秋山,冬木はもとより,本件幹部会の席上で領収書不発行の意見を積極的に述べたとされる北野についても,春野らとの共謀の事実により起訴するのが当然の処理であるのに起訴していないなど,本件の捜査,事件処理及び公判遂行には,多くの問題点がある旨指摘する。確かに,春野供述を前提とすれば,本件幹部会に出席していた被告人以外の幹部議員についても,本件公訴事実と同様の事実で起訴する処理も考えられるところではある。しかし,それは結局起訴裁量の問題であって,他の幹部議員について起訴をしていないからといって,被告人に対する本件公訴事実の成立が妨げられるわけではない。弁護人が指摘するその余の問題点についても,本件公訴事実の成否には影響しないことが明らかである。
第5  破棄自判
したがって,以上の判断と異なり,被告人に対して無罪を言い渡した原判決は,事実を誤認したものといわざるを得ず,この誤認が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから,原判決は破棄を免れない。
論旨は理由がある。
よって,刑訴法397条1項,382条により原判決を破棄し,同法400条ただし書に従い,被告事件について更に次のとおり判決することとする。
(罪となるべき事実)
第1の1(公訴事実及び事案の概要)の冒頭(判決書3頁)に記載した公訴事実のとおり。
(証拠の標目)〈省略〉
(法令の適用)
被告人の判示所為は,刑法65条1項,60条,平成18年法律第113号附則14条により同法による改正前の政治資金規正法25条1項2号,12条1項に該当するので,所定刑中禁錮刑を選択し,その所定刑期の範囲内で被告人を禁錮10月に処することとし,情状により刑法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予することとし,原審及び当審の訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これを被告人に負担させることとする。
(量刑の理由)
本件は,C党の派閥が組織する政治団体であるA研の会長代理であった被告人が,会計責任者と共謀の上,政治団体であるB連から平成13年分の収支報告書に記載すべき1億円の寄附を受けながら,それを記載せずに,東京都選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出したという政治資金規正法違反の事案である。
政治資金規正法は,議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性等にかんがみ,政治団体等により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため,政治団体に係る政治資金の収支の公開等の措置を講ずることにより,政治活動の公明と公正を確保し,もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とするところ,1億円もの巨額の寄附を受けながら,それを国民による政治活動の監視及び批判の拠り所となるべき収支報告書に記載しなかった本件犯行は,同法の趣旨を没却する,それ自体悪質な犯行といわなければならない。本件犯行の経緯をみると,B連から本件寄附に対する領収書の発行を要請されたのに,被告人らは,参議院議員選挙を間近に控えた時期に,特定の業界団体の組織する政治団体から巨額の本件寄附を受けたことが公になれば,社会の注目を集め,業界団体との癒着が取りざたされるなどして強い非難を受けることにもなりかねなかったことから,寄附を受けた事実そのものを隠ぺいすることにより,国民の監視や批判を免れようとの理由から,あえてその要請を拒絶して本件に及んだものであって,まさに政治資金規正法の趣旨を踏みにじるものというほかはなく,動機に酌量の余地は全くない。加えて,このような犯行が,政権を担当する政党所属の国会議員多数が加入するA研の収支報告書に関して行われたということで,その政治資金の流れについて国民に多大の疑惑を抱かせたものであって,こうした社会的影響の大きさも看過することはできない。
そして,被告人は,長年にわたり衆議院議員を務め,内閣やC党,政治団体であるA研においても要職を歴任してきたのであって,国民からの,政治資金の透明性確保への強い要請に応えるべき立場にありながら,A研の会計責任者から領収書発行要請への対応を諮問されるや,会長代理という立場で,本件幹部会にこれを諮り,収支報告書への不記載を幹部会の総意として決定しており,本件犯行において被告人が果たした役割は大きい。しかるに,捜査・公判段階を通じて不自然な弁解に終始するなど,本件後の態度も芳しくない。こうしてみると,被告人の本件刑事責任は決して軽視することはできない。
しかしながら,被告人は,本件寄附に対する領収書発行要請があった時点で会長がたまたま急病で入院中のため,会長代理として会長に成り代わって本件幹部会の進行役,まとめ役を務めたという面が否定できないこと,また,本件幹部会に出席した国会議員は4人とも領収書不発行に賛同しているが,その中で被告人がただ一人起訴されていること,30年近くの長きにわたり国会議員として国政に携わるなど社会に大きく貢献してきており,その間,古い罰金前科2犯を除き前科はないことなど,被告人のために酌むべき事情もある。
裁判所は,これらの事情を総合考慮し,主文の刑を定めた。
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官・須田贒,裁判官・秋吉淳一郎裁判官・小西秀宣は転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官・須田贒)
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政治と選挙Q&A「政治資金規正法 ポスター貼り(掲示交渉)代行」に関する裁判例一覧
(1)平成30年10月11日 東京高裁 平30(う)441号 政治資金規正法違反被告事件
(2)平成30年 6月27日 東京地裁 平27(特わ)2148号 各政治資金規正法違反被告事件
(3)平成30年 4月18日 東京高裁 平29(行コ)302号 埼玉県議会政務調査費返還請求控訴事件
(4)平成30年 3月30日 東京地裁 平27(ワ)37147号 損害賠償請求事件
(5)平成30年 3月20日 大阪高裁 平29(行コ)60号 補助金不交付処分取消等請求控訴事件
(6)平成30年 1月22日 東京地裁 平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(7)平成29年12月14日 札幌高裁 平29(ネ)259号 損害賠償等請求控訴事件
(8)平成29年12月 8日 札幌地裁 平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(9)平成29年 7月18日 奈良地裁 平29(わ)82号 虚偽有印公文書作成・同行使、詐欺、有印私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反被告事件
(10)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(11)平成29年 3月28日 仙台地裁 平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(12)平成29年 3月15日 東京地裁 平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(13)平成29年 1月26日 大阪地裁 平24(行ウ)197号・平26(行ウ)163号 補助金不交付処分取消等請求事件
(14)平成28年12月27日 奈良地裁 平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(15)平成28年10月12日 大阪高裁 平28(ネ)1060号 損害賠償等請求控訴事件
(16)平成28年10月12日 東京地裁 平25(刑わ)2945号 業務上横領被告事件
(17)平成28年10月 6日 大阪高裁 平27(行コ)162号 不開示決定処分取消等請求控訴事件
(18)平成28年 9月13日 札幌高裁 平28(う)91号 事前収賄被告事件
(19)平成28年 8月31日 東京地裁 平25(ワ)13065号 損害賠償請求事件
(20)平成28年 7月26日 東京地裁 平27(ワ)22544号 損害賠償請求事件
(21)平成28年 7月19日 東京高裁 平27(ネ)3610号 株主代表訴訟控訴事件
(22)平成28年 7月 4日 東京地裁 平27(レ)413号 損害賠償請求控訴事件
(23)平成28年 4月26日 東京地裁 平27(ワ)11311号 精神的慰謝料及び損害賠償請求事件
(24)平成28年 2月24日 大阪高裁 平25(行コ)2号 行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件
(25)平成28年 2月24日 大阪高裁 平24(行コ)77号 不開示決定処分取消請求控訴事件
(26)平成27年10月27日 岡山地裁 平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(27)平成27年10月22日 大阪地裁 平26(行ウ)186号 不開示決定処分取消等請求事件
(28)平成27年10月 9日 東京地裁 平27(特わ)853号 政治資金規正法違反被告事件
(29)平成27年 6月17日 大阪地裁 平26(行ウ)117号 公金支出金返還請求事件
(30)平成27年 5月28日 東京地裁 平23(ワ)21209号 株主代表訴訟事件
(31)平成27年 3月24日 東京地裁 平26(ワ)9407号 損害賠償等請求事件
(32)平成27年 2月26日 東京地裁 平26(行ウ)209号 政務調査費返還請求事件
(33)平成27年 2月 3日 東京地裁 平25(ワ)15071号 損害賠償等請求事件
(34)平成26年12月24日 横浜地裁 平26(行ウ)15号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(35)平成26年 9月25日 東京地裁 平21(ワ)46404号・平22(ワ)16316号 損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第2事件)、損害賠償(株主代表訴訟)請求事件(第3事件)
(36)平成26年 9月17日 知財高裁 平26(行ケ)10090号 審決取消請求事件
(37)平成26年 9月11日 知財高裁 平26(行ケ)10092号 審決取消請求事件
(38)平成26年 9月 3日 東京地裁 平25(行ウ)184号 政務調査費返還請求事件
(39)平成26年 4月 9日 東京地裁 平24(ワ)33978号 損害賠償請求事件
(40)平成26年 2月21日 宮崎地裁 平25(ワ)276号 謝罪放送等請求事件
(41)平成25年 7月19日 東京地裁 平22(ワ)37754号 謝罪広告等請求事件
(42)平成25年 6月19日 横浜地裁 平20(行ウ)19号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(43)平成25年 3月28日 京都地裁 平20(行ウ)10号 不当利得返還等請求行為請求事件
(44)平成25年 2月28日 東京地裁 平22(ワ)47235号 業務委託料請求事件
(45)平成25年 1月23日 東京地裁 平23(ワ)39861号 損害賠償請求事件
(46)平成24年12月26日 東京地裁 平23(ワ)24047号 謝罪広告等請求事件
(47)平成24年11月12日 東京高裁 平24(う)988号 政治資金規正法違反被告事件
(48)平成24年 8月29日 東京地裁 平22(ワ)38734号 損害賠償請求事件
(49)平成24年 6月26日 仙台地裁 平21(行ウ)16号 公金支出差止請求事件
(50)平成24年 4月26日 東京地裁 平23(特わ)111号 政治資金規正法違反被告事件 〔陸山会事件・控訴審〕
(51)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(52)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(53)平成24年 2月13日 東京地裁 平23(ワ)23522号 街頭宣伝行為等禁止請求事件
(54)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(55)平成23年11月16日 東京地裁 平21(ワ)38850号 損害賠償等請求事件
(56)平成23年 9月29日 東京地裁 平20(行ウ)745号 退会命令無効確認等請求事件
(57)平成23年 7月25日 大阪地裁 平19(ワ)286号・平19(ワ)2853号 損害賠償請求事件
(58)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(59)平成23年 4月14日 東京地裁 平22(ワ)20007号 損害賠償等請求事件
(60)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(61)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(62)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(63)平成22年10月18日 東京地裁 平22(行ク)276号
(64)平成22年 9月30日 東京地裁 平21(行ウ)231号 報酬支出差止請求事件
(65)平成22年 9月 7日 最高裁第一小法廷 決定 平20(あ)738号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・上告審〕
(66)平成22年 4月13日 東京地裁 平20(ワ)34451号 貸金等請求事件
(67)平成22年 3月31日 東京地裁 平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(68)平成22年 3月15日 東京地裁 平20(ワ)38604号 損害賠償請求事件
(69)平成22年 1月28日 名古屋地裁 平20(ワ)3188号 応援妨害予防等請求事件
(70)平成21年 6月17日 大阪高裁 平20(行コ)159号 政務調査費返還請求行為請求控訴事件
(71)平成21年 5月26日 東京地裁 平21(む)1220号 政治資金規正法被告事件
(72)平成21年 5月13日 東京地裁 平19(ワ)20791号 業務委託料請求事件
(73)平成21年 4月28日 大阪地裁 平19(わ)3456号 談合、収賄被告事件
(74)平成21年 2月25日 東京地裁 平19(行ウ)325号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(75)平成21年 1月28日 東京地裁 平17(ワ)9248号 損害賠償等請求事件
(76)平成20年12月 9日 東京地裁 平19(ワ)24563号 謝罪広告等請求事件
(77)平成20年11月12日 大阪高裁 平20(ネ)1189号・平20(ネ)1764号 債務不存在確認等請求控訴、会費請求反訴事件
(78)平成20年 9月 9日 東京地裁 平18(ワ)18306号 損害賠償等請求事件
(79)平成20年 8月 8日 東京地裁 平18(刑わ)3785号・平18(刑わ)4225号 収賄、競売入札妨害被告事件〔福島県談合汚職事件〕
(80)平成20年 7月14日 最高裁第一小法廷 平19(あ)1112号 政治資金規正法違反被告事件
(81)平成20年 3月27日 最高裁第三小法廷 平18(あ)348号 受託収賄被告事件 〔KSD事件〕
(82)平成20年 3月14日 和歌山地裁田辺支部 平18(ワ)167号 債務不存在確認等請求事件
(83)平成20年 2月26日 東京高裁 平16(う)3226号
(84)平成20年 1月18日 東京地裁 平18(ワ)28649号 損害賠償請求事件
(85)平成19年 8月30日 東京地裁 平17(ワ)21062号 地位確認等請求事件
(86)平成19年 8月30日 大阪地裁 平19(行ウ)83号 行政文書不開示決定処分取消等請求事件
(87)平成19年 8月10日 東京地裁 平18(ワ)19755号 謝罪広告等請求事件
(88)平成19年 8月10日 大阪地裁 平19(行ク)47号 仮の義務付け申立て事件
(89)平成19年 7月17日 神戸地裁尼崎支部 平17(ワ)1227号 総会決議一部無効確認等請求事件
(90)平成19年 5月10日 東京高裁 平18(う)2029号 政治資金規正法違反被告事件 〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・控訴審〕
(91)平成19年 4月 3日 大阪地裁 平19(行ク)27号 執行停止申立て事件
(92)平成19年 3月28日 大阪地裁 平19(行ク)24号 仮の差止め申立て事件
(93)平成19年 2月20日 大阪地裁 平19(行ク)7号 執行停止申立て事件
(94)平成19年 2月 7日 新潟地裁長岡支部 平16(ワ)143号・平18(ワ)109号 損害賠償請求事件
(95)平成19年 2月 5日 東京地裁 平16(ワ)26484号 不当利得返還請求事件
(96)平成19年 1月31日 大阪地裁 平15(ワ)12141号・平15(ワ)13033号 権利停止処分等無効確認請求事件、除名処分無効確認請求事件 〔全日本建設運輸連帯労組近畿地本(支部役員統制処分等)事件〕
(97)平成18年11月14日 最高裁第三小法廷 平18(オ)597号・平18(受)726号 〔熊谷組株主代表訴訟事件・上告審〕
(98)平成18年 9月29日 大阪高裁 平18(ネ)1204号 地位不存在確認請求控訴事件
(99)平成18年 9月11日 東京地裁 平15(刑わ)4146号 各詐欺被告事件 〔偽有栖川詐欺事件〕
(100)平成18年 8月10日 大阪地裁 平18(行ウ)75号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(101)平成18年 3月30日 東京地裁 平16(特わ)5359号 政治資金規正法違反被告事件〔いわゆる1億円ヤミ献金事件・第一審〕
(102)平成18年 3月30日 京都地裁 平17(ワ)1776号・平17(ワ)3127号 地位不存在確認請求事件
(103)平成18年 1月11日 名古屋高裁金沢支部 平15(ネ)63号 熊谷組株主代表訴訟控訴事件 〔熊谷組政治献金事件・控訴審〕
(104)平成17年11月30日 大阪高裁 平17(ネ)1286号 損害賠償請求控訴事件
(105)平成17年 8月25日 大阪地裁 平17(行ウ)91号 行政文書不開示決定処分取消請求事件
(106)平成17年 5月31日 東京地裁 平16(刑わ)1835号・平16(刑わ)2219号・平16(刑わ)3329号・平16(特わ)5239号 贈賄、業務上横領、政治資金規正法違反被告事件 〔日本歯科医師会事件〕
(107)平成17年 4月27日 仙台高裁 平17(行ケ)1号 当選無効及び立候補禁止請求事件
(108)平成16年12月24日 東京地裁 平15(特わ)1313号・平15(刑わ)1202号・平15(特わ)1422号 政治資金規正法違反、詐欺被告事件 〔衆議院議員秘書給与詐取事件〕
(109)平成16年12月22日 東京地裁 平15(ワ)26644号 損害賠償等請求事件
(110)平成16年11月 5日 東京地裁 平14(刑わ)2384号・平14(特わ)4259号・平14(刑わ)2931号 あっせん収賄、受託収賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、政治資金規正法違反被告事件 〔鈴木宗男事件・第一審〕
(111)平成16年 5月28日 東京地裁 平5(刑わ)2335号・平5(刑わ)2271号 贈賄被告事件 〔ゼネコン汚職事件〕
(112)平成16年 2月27日 東京地裁 平7(合わ)141号・平8(合わ)31号・平7(合わ)282号・平8(合わ)75号・平7(合わ)380号・平7(合わ)187号・平7(合わ)417号・平7(合わ)443号・平7(合わ)329号・平7(合わ)254号 殺人、殺人未遂、死体損壊、逮捕監禁致死、武器等製造法違反、殺人予備被告事件 〔オウム真理教代表者に対する地下鉄サリン事件等判決〕
(113)平成16年 2月26日 津地裁 平11(行ウ)1号 損害賠償請求住民訴訟事件
(114)平成16年 2月25日 東京地裁 平14(ワ)6504号 損害賠償請求事件
(115)平成15年12月 8日 福岡地裁小倉支部 平15(わ)427号・平15(わ)542号・平15(わ)725号 被告人Aに対する政治資金規正法違反、公職選挙法違反被告事件、被告人B及び同Cに対する政治資金規正法違反被告事件
(116)平成15年10月16日 大津地裁 平13(ワ)570号 会員地位不存在確認等請求事件
(117)平成15年10月 1日 さいたま地裁 平14(行ウ)50号 損害賠償代位請求事件
(118)平成15年 5月20日 東京地裁 平13(刑わ)710号 各受託収賄被告事件 〔KSD関連元労働大臣収賄事件判決〕
(119)平成15年 3月19日 横浜地裁 平12(行ウ)16号 損害賠償等請求事件
(120)平成15年 3月 4日 東京地裁 平元(刑わ)1047号・平元(刑わ)632号・平元(刑わ)1048号・平元(特わ)361号・平元(特わ)259号・平元(刑わ)753号 日本電信電話株式会社法違反、贈賄被告事件 〔リクルート事件(政界・労働省ルート)社長室次長関係判決〕
(121)平成15年 2月12日 福井地裁 平13(ワ)144号・平13(ワ)262号 各熊谷組株主代表訴訟事件 〔熊谷組政治献金事件・第一審〕
(122)平成15年 1月20日 釧路地裁帯広支部 平13(わ)15号 収賄被告事件
(123)平成15年 1月16日 東京地裁 平13(行ウ)84号 損害賠償請求事件 〔区長交際費支出損害賠償請求住民訴訟事件〕
(124)平成14年 4月22日 東京地裁 平12(ワ)21560号 損害賠償等請求事件
(125)平成14年 4月11日 大阪高裁 平13(ネ)2757号 社員代表訴訟等控訴事件 〔住友生命政治献金事件・控訴審〕
(126)平成14年 2月25日 東京地裁 平9(刑わ)270号 詐欺被告事件
(127)平成13年12月17日 東京地裁 平13(行ウ)85号 住民票不受理処分取消等請求事件
(128)平成13年10月25日 東京地裁 平12(ワ)448号 損害賠償請求事件
(129)平成13年10月11日 横浜地裁 平12(ワ)2369号 謝罪広告等請求事件 〔鎌倉市長名誉毀損垂れ幕訴訟判決〕
(130)平成13年 9月26日 東京高裁 平13(行コ)90号 公文書非公開処分取消請求控訴事件
(131)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4693号 社員代表訴訟等事件 〔住友生命政治献金事件・第一審〕
(132)平成13年 7月18日 大阪地裁 平12(ワ)4692号・平12(ワ)13927号 社員代表訴訟等、共同訴訟参加事件 〔日本生命政治献金社員代表訴訟事件〕
(133)平成13年 5月29日 東京地裁 平9(ワ)7838号・平9(ワ)12555号 損害賠償請求事件
(134)平成13年 4月25日 東京高裁 平10(う)360号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・控訴審〕
(135)平成13年 3月28日 東京地裁 平9(ワ)27738号 損害賠償請求事件
(136)平成13年 3月 7日 横浜地裁 平11(行ウ)45号 公文書非公開処分取消請求事件
(137)平成13年 2月28日 東京地裁 平12(刑わ)3020号 詐欺、政治資金規正法違反被告事件
(138)平成13年 2月16日 東京地裁 平12(行ク)112号 住民票消除処分執行停止申立事件
(139)平成12年11月27日 最高裁第三小法廷 平9(あ)821号 政治資金規正法違反被告事件
(140)平成12年 9月28日 東京高裁 平11(う)1703号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・控訴審〕
(141)平成11年 7月14日 東京地裁 平10(特わ)3935号・平10(刑わ)3503号・平10(特わ)4230号 公職選挙法違反、政党助成法違反、政治資金規正法違反、受託収賄、詐欺被告事件 〔元代議士受託収賄等・第一審〕
(142)平成10年 6月26日 東京地裁 平8(行ウ)109号 課税処分取消請求事件 〔野呂栄太郎記念塩沢学習館事件〕
(143)平成10年 5月25日 大阪高裁 平9(行ケ)4号 当選無効及び立候補禁止請求事件 〔衆議院議員選挙候補者連座訴訟・第一審〕
(144)平成10年 4月27日 東京地裁 平10(ワ)1858号 損害賠償請求事件
(145)平成 9年10月 1日 東京地裁 平6(刑わ)571号・平6(刑わ)509号 斡旋贈収賄被告事件 〔ゼネコン汚職政界ルート事件・第一審〕
(146)平成 9年 7月 3日 最高裁第二小法廷 平6(あ)403号 所得税法違反被告事件
(147)平成 9年 5月21日 大阪高裁 平8(う)944号 政治資金規正法違反被告事件
(148)平成 9年 4月28日 東京地裁 平6(ワ)21652号 損害賠償等請求事件
(149)平成 9年 2月20日 大阪地裁 平7(行ウ)60号・平7(行ウ)70号 政党助成法に基づく政党交付金交付差止等請求事件
(150)平成 8年 9月 4日 大阪地裁 平7(わ)534号 政治資金規正法違反被告事件
(151)平成 8年 3月29日 東京地裁 平5(特わ)546号・平5(特わ)682号 所得税法違反被告事件
(152)平成 8年 3月27日 大阪高裁 平6(ネ)3497号 損害賠償請求控訴事件
(153)平成 8年 3月25日 東京高裁 平6(う)1237号 受託収賄被告事件 〔共和汚職事件・控訴審〕
(154)平成 8年 3月19日 最高裁第三小法廷 平4(オ)1796号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・上告審〕
(155)平成 8年 2月20日 名古屋高裁 平7(う)200号 政治資金規正法違反、所得税違反被告事件
(156)平成 7年11月30日 名古屋高裁 平7(う)111号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(157)平成 7年10月25日 東京地裁 平5(ワ)9489号・平5(ワ)16740号・平6(ワ)565号 債務不存在確認請求(本訴)事件、謝罪広告請求(反訴)事件、不作為命令請求(本訴と併合)事件
(158)平成 7年 8月 8日 名古屋高裁 平7(う)35号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(159)平成 7年 4月26日 名古屋地裁 平6(わ)116号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(160)平成 7年 3月30日 名古屋地裁 平6(わ)1706号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(161)平成 7年 3月20日 宮崎地裁 平6(ワ)169号 損害賠償請求事件
(162)平成 7年 2月24日 最高裁第二小法廷 平5(行ツ)56号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔政治資金収支報告書コピー拒否事件〕
(163)平成 7年 2月13日 大阪地裁 平6(わ)3556号 政治資金規正法違反被告事件 〔大阪府知事後援会ヤミ献金事件〕
(164)平成 7年 2月 1日 名古屋地裁 平6(わ)116号 所得税法違反被告事件
(165)平成 7年 1月26日 東京地裁 平5(行ウ)353号 損害賠償請求事件
(166)平成 6年12月22日 東京地裁 平5(ワ)18447号 損害賠償請求事件 〔ハザマ株主代表訴訟〕
(167)平成 6年12月 9日 大阪地裁 平5(ワ)1384号 損害賠償請求事件
(168)平成 6年11月21日 名古屋地裁 平5(わ)1697号・平6(わ)117号 政治資金規正法違反、所得税法違反被告事件
(169)平成 6年10月25日 新潟地裁 平4(わ)223号 政治資金規正法違反被告事件 〔佐川急便新潟県知事事件〕
(170)平成 6年 7月27日 東京地裁 平5(ワ)398号 謝罪広告等請求事件
(171)平成 6年 4月19日 横浜地裁 平5(わ)1946号 政治資金規正法違反・所得税法違反事件
(172)平成 6年 3月 4日 東京高裁 平4(う)166号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・控訴審〕
(173)平成 6年 2月 1日 横浜地裁 平2(ワ)775号 損害賠償請求事件
(174)平成 5年12月17日 横浜地裁 平5(わ)1842号 所得税法違反等被告事件
(175)平成 5年11月29日 横浜地裁 平5(わ)1687号 所得税法違反等被告事件
(176)平成 5年 9月21日 横浜地裁 平5(わ)291号・平5(わ)182号・平5(わ)286号 政治資金規正法違反、所得税法違反、有印私文書偽造・同行使、税理士法違反被告事件
(177)平成 5年 7月15日 福岡高裁那覇支部 平4(行ケ)1号 当選無効等請求事件
(178)平成 5年 5月28日 徳島地裁 昭63(行ウ)12号 徳島県議会県政調査研究費交付金返還等請求事件
(179)平成 5年 5月27日 最高裁第一小法廷 平元(オ)1605号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・上告審〕
(180)平成 4年12月18日 大阪高裁 平3(行コ)49号 公文書非公開決定処分取消請求控訴事件 〔大阪府公文書公開等条例事件・控訴審〕
(181)平成 4年10月26日 東京地裁 平4(む)615号 準抗告申立事件 〔自民党前副総裁刑事確定訴訟記録閲覧請求事件〕
(182)平成 4年 4月24日 福岡高裁 昭62(ネ)551号・昭61(ネ)106号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求控訴、附帯控訴事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・控訴審〕
(183)平成 4年 2月25日 大阪地裁 昭62(わ)4573号・昭62(わ)4183号・昭63(わ)238号 砂利船汚職事件判決
(184)平成 3年12月25日 大阪地裁 平2(行ウ)6号 公文書非公開決定処分取消請求事件 〔府公文書公開条例事件〕
(185)平成 3年11月29日 東京地裁 平2(特わ)2104号 所得税法違反被告事件 〔元環境庁長官脱税事件・第一審〕
(186)平成 2年11月20日 東京高裁 昭63(ネ)665号 損害賠償等請求控訴事件
(187)平成元年 8月30日 大阪高裁 昭61(ネ)1802号 会費一部返還請求控訴事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求訴訟・控訴審〕
(188)昭和63年 4月11日 最高裁第三小法廷 昭58(あ)770号 贈賄被告事件 〔大阪タクシー汚職事件・上告審〕
(189)昭和62年 7月29日 東京高裁 昭59(う)263号 受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件 〔ロッキード事件丸紅ルート・控訴審〕
(190)昭和61年 8月21日 大阪地裁 昭55(ワ)869号 会費一部返還請求事件 〔大阪合同税理士会会費返還請求事件・第一審〕
(191)昭和61年 5月16日 東京高裁 昭57(う)1978号 ロツキード事件・全日空ルート〈橋本関係〉受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(192)昭和61年 5月14日 東京高裁 昭57(う)1978号 受託収賄被告事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)・控訴審〕
(193)昭和61年 2月13日 熊本地裁 昭55(ワ)55号 選挙権被選挙権停止処分無効確認等請求事件 〔南九州税理士会政治献金徴収拒否訴訟・第一審〕
(194)昭和59年 7月 3日 神戸地裁 昭59(わ)59号 所得税法違反被告事件
(195)昭和59年 3月 7日 神戸地裁 昭57(行ウ)24号 市議会各会派に対する市会調査研究費等支出差止住民訴訟事件
(196)昭和57年 7月 6日 大阪簡裁 昭56(ハ)5528号 売掛金代金請求事件
(197)昭和57年 6月 8日 東京地裁 昭51(刑わ)4312号・昭51(刑わ)4311号 受託収賄事件 〔ロッキード事件(全日空ルート)(橋本・佐藤関係)〕
(198)昭和57年 5月28日 岡山地裁 昭54(わ)566号 公職選挙法違反被告事件
(199)昭和56年 3月 3日 東京高裁 昭54(う)2209号・昭54(う)2210号 地方自治法違反被告事件
(200)昭和55年 3月10日 東京地裁 昭53(特わ)1013号・昭53(特わ)920号 法人税法違反被告事件
(201)昭和54年 9月20日 大阪地裁 昭43(わ)121号 贈賄、収賄事件 〔大阪タクシー汚職事件・第一審〕
(202)昭和54年 5月29日 水戸地裁 昭46(わ)198号 地方自治法違反被告事件
(203)昭和53年11月20日 名古屋地裁 決定 昭52(ヨ)1908号・昭52(ヨ)1658号・昭52(ヨ)1657号 仮処分申請事件 〔日本共産党員除名処分事件〕
(204)昭和53年 8月29日 最高裁第三小法廷 昭51(行ツ)76号 損害賠償請求事件
(205)昭和51年 4月28日 名古屋高裁 昭45(行コ)14号 損害賠償請求控訴事件
(206)昭和50年10月21日 那覇地裁 昭49(ワ)111号 損害賠償請求事件
(207)昭和48年 2月24日 東京地裁 昭40(ワ)7597号 謝罪広告請求事件
(208)昭和47年 3月 7日 最高裁第三小法廷 昭45(あ)2464号 政治資金規制法違反
(209)昭和46年 9月20日 東京地裁 昭43(刑わ)2238号・昭43(刑わ)3482号・昭43(刑わ)3031号・昭43(刑わ)3027号・昭43(刑わ)2002号・昭43(刑わ)3022号 業務上横領、斡旋贈賄、贈賄、斡旋収賄、受託収賄各被告事件 〔いわゆる日通事件・第一審〕
(210)昭和45年11月14日 札幌地裁 昭38(わ)450号 公職選挙法違反・政治資金規正法違反被告事件
(211)昭和45年11月13日 高松高裁 昭44(う)119号 政治資金規正法違反被告事件
(212)昭和45年 7月11日 名古屋地裁 昭42(行ウ)28号 損害賠償請求事件
(213)昭和45年 3月 2日 長野地裁 昭40(行ウ)14号 入場税等賦課決定取消請求事件
(214)昭和43年11月12日 福井地裁 昭41(わ)291号 収賄・贈賄被告事件
(215)昭和42年 7月11日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(216)昭和42年 7月10日 東京地裁 昭42(行ク)28号 行政処分執行停止申立事件
(217)昭和41年10月24日 東京高裁 昭38(ナ)6号・昭38(ナ)7号・昭38(ナ)5号・昭38(ナ)11号・昭38(ナ)10号 裁決取消、選挙無効確認併合事件 〔東京都知事選ニセ証紙事件・第二審〕
(218)昭和41年 1月31日 東京高裁 昭38(ネ)791号 取締役の責任追及請求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・控訴審〕
(219)昭和40年11月26日 東京高裁 昭39(う)642号 公職選挙法違反被告事件
(220)昭和39年12月15日 東京地裁 昭38(刑わ)2385号 公職選挙法違反、公記号偽造、公記号偽造行使等事件
(221)昭和39年 3月11日 東京高裁 昭38(う)2547号 公職選挙法違反被告事件
(222)昭和38年 4月 5日 東京地裁 昭36(ワ)2825号 取締役の責任追求事件 〔八幡製鉄政治献金事件・第一審〕
(223)昭和37年12月25日 東京地裁 昭30(ワ)1306号 損害賠償請求事件
(224)昭和37年 8月22日 東京高裁 昭36(う)1737号
(225)昭和37年 8月16日 名古屋高裁金沢支部 昭36(う)169号 公職選挙法違反事件
(226)昭和37年 4月18日 東京高裁 昭35(ナ)15号 選挙無効確認請求事件
(227)昭和35年 9月19日 東京高裁 昭34(ナ)2号 選挙無効確認請求事件
(228)昭和35年 3月 2日 札幌地裁 昭32(わ)412号 受託収賄事件
(229)昭和34年 8月 5日 東京地裁 昭34(行)27号 政党名削除制限抹消の越権不法指示通牒取消確認請求事件
(230)昭和32年10月 9日 最高裁大法廷 昭29(あ)499号 国家公務員法違反被告事件
(231)昭和29年 5月20日 仙台高裁 昭29(う)2号 公職選挙法違反事件
(232)昭和29年 4月17日 札幌高裁 昭28(う)684号・昭28(う)681号・昭28(う)685号・昭28(う)682号・昭28(う)683号 政治資金規正法違反被告事件
(233)昭和29年 2月 4日 名古屋高裁金沢支部 昭28(う)442号 公職選挙法違反被告事件
(234)昭和27年 8月12日 福島地裁若松支部 事件番号不詳 地方税法違反被告事件
(235)昭和26年10月24日 広島高裁松江支部 昭26(う)54号 収賄被告事件
(236)昭和26年 9月27日 最高裁第一小法廷 昭26(あ)1189号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反
(237)昭和26年 5月31日 最高裁第一小法廷 昭25(あ)1747号 衆議院議員選挙法違反・政治資金規正法違反等
(238)昭和25年 7月12日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)280号
(239)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)277号・昭25(う)278号・昭25(う)279号・昭25(う)280号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(240)昭和25年 7月10日 札幌高裁 昭25(う)275号 衆議院議員選挙法違反被告事件
(241)昭和24年10月13日 名古屋高裁 事件番号不詳
(242)昭和24年 6月13日 最高裁大法廷 昭23(れ)1862号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(243)昭和24年 6月 3日 東京高裁 昭24(ナ)9号 衆議院議員選挙無効請求事件

■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 選挙ポスター」に関する裁判例カテゴリー
■【政治と選挙の裁判例一覧】「政治資金規正法 政治ポスター」に関する裁判例カテゴリー


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