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「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例(319)昭和26年12月28日  高松高裁  昭26(ナ)4号 市議会議員選挙無効請求事件

「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例(319)昭和26年12月28日  高松高裁  昭26(ナ)4号 市議会議員選挙無効請求事件

裁判年月日  昭和26年12月28日  裁判所名  高松高裁  裁判区分  判決
事件番号  昭26(ナ)4号
事件名  市議会議員選挙無効請求事件
文献番号  1951WLJPCA12280009

要旨
◆同一筆跡の投票の存在と不正なリレー式投票(たらい回し投票)の推認
◆氏名詐称投票または二重投票の存在と選挙無効
◆選挙人確認手続の違背と選挙無効
◆投票を延引させて棄権せしめた違法と選挙無効
◆投票立会人等の投票方法に関する教示行為と選挙無効
◆投票所附近のポスター撤去もれと選挙無効
◆相当数の代理投票(公職選挙法四八条参照)が行われた選挙においては、投票中に若干の同一筆跡のものが存在していたとしても、とくに不正なリレー式投票(いわゆるたらい回し投票)の行われたことを認めるに足る証拠がない限り、それは右代理投票によつたものと認むべきである。
◆投票中に氏名詐称投票または二重投票のあつた事実は、個々の投票についての効力を争ういわゆる当選訴訟の原因となるものであつて、いわゆる選挙訴訟の理由になるものではない。
◆投票所において、選挙人名簿と対照確認の手続(公職選挙法施行令三五条参照)を経ないで投票用紙を交付し投票せしめた事実は、選挙の管理執行に関する規定に違反するが、かような投票の数が最下位当選者と次点者の得票数の差に及ばないときは、その違法は、結局、選挙の結果に異動を及ぼすおそれのないものというべきである。
◆投票所において正当な選挙人が投票を求めたところ、すでにその者の名で何人かが投票をしていたため、投票管理者から後刻出直して来場するよう告げられた結果投票をしなかつたという事実は、結局、個々の投票の効力を争うに帰し、いわゆる選挙訴訟の理由となるものではない。
◆市長選挙と市議会議員選挙とが同時選挙として行われた投票所において、係員や立会人がその席を離れ、選挙人がこの各選挙の投票箱を間違わないよう教示した事実があるというだけでは、これをもつて選挙の自由公正な執行を妨げたものと認めることはできない。
◆選挙の当日、投票所の入口から約一町以内に候補者のポスターの撤去もれがあつたとしても、それが道路通行人からはたやすく見得られないような箇所に二、三残存したという程度であるならば、そのために選挙の自由公正が害され選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあつたものとはいい得ない(公職選挙法一四七条二項但書参照)。

新判例体系
公法編 > 組織法 > 公職選挙法〔昭和二五… > 第一五章 争訟 > 第二〇五条 > ○選挙の無効の決定、… > (五)選挙無効事由 > B 選挙管理機関の行… > (5)選挙公営関係 > (ハ)選挙有効の事例 > 文書図画撤去措置
◆選挙の当日、投票所の入口から約一町以内に候補者のポスターの撤去もれがあったとしても、それが道路通行人からはたやすく見得られないような箇所に二、三残存したという程度であるならば、そのために選挙の自由公正が害され選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあったものとはいい得ない。

公法編 > 組織法 > 公職選挙法〔昭和二五… > 第一五章 争訟 > 第二〇五条 > ○選挙の無効の決定、… > (五)選挙無効事由 > B 選挙管理機関の行… > (8)投票管理事務 > (ロ)選挙有効の事例 > 名簿との照合
◆投票所において、選挙人名簿と対照確認の手続を経ないで投票用紙を交付し投票せしめた事実は、選挙の管理執行に関する規定に違反するが、かような投票の数が最下位当選者と次点者の得票数の差に及ばないときは、その違法は、結局、選挙の結果に異動を及ぼすおそれのないものというべきである。

公法編 > 組織法 > 公職選挙法〔昭和二五… > 第一五章 争訟 > 第二〇五条 > ○選挙の無効の決定、… > (五)選挙無効事由 > B 選挙管理機関の行… > (8)投票管理事務 > (ロ)選挙有効の事例 > 投票の許否
◆投票所において正当な選挙人が投票を求めたところ、すでにその者の名で何人かが投票をしていたため、投票管理者から後刻出直して来場するよう告げられた結果投票をしなかったという事実は、結局、個々の投票の効力を争うに帰し、いわゆる選挙訴訟の理由となるものではない。

 

出典
行集 2巻12号2131頁

裁判年月日  昭和26年12月28日  裁判所名  高松高裁  裁判区分  判決
事件番号  昭26(ナ)4号
事件名  市議会議員選挙無効請求事件
文献番号  1951WLJPCA12280009

原告 小川久彦
被告 高知県選挙管理委員会
被告補助参加人 高知市選挙管理委員会

 

一、主  文

原告の請求を棄却する。
訴訟費用中原告と被告との間に生じた分及び原告と補助参加人との間に生じた分はいずれも原告の負担とする。

 

二、事  実

原告訴訟代理人は原告の提起した訴願に対し被告高知県選挙管理委員会が昭和二十六年七月二十日為した訴願棄却の裁決を取消す、昭和二十六年四月二十三日執行された高知市議会議員の選挙はこれを無効とする、訴訟費用は被告の負担とするとの判決を求め、その請求の原因として原告は昭和二十六年四月二十三日執行された高知市議会議員の選挙の選挙人であるが右選挙にあたり
一、第四開票区において墨筆で記入した投票約四、五十票、万年筆及び鉛筆で記入した投票のうち、同一人の筆跡と認められるもの数十票があり、他に到着番号札が五枚程投票箱に投入せられていた。右墨筆及び万年筆の投票は不在者投票箱の最初の白紙の一票か或は最初の一人が投票しないで持帰つた白紙の一票を種としてリレー式投票を行つたもので、或る候補者の選挙事務所で途中の書換を防ぐための墨筆或は万年筆でわざわざその候補者の氏名を書き投票に行かしめ秘かに交換して持帰つた白紙の投票用紙を買収し順次この方法を繰返して数十票を買収する手段に出たものと認められる。又投票箱に投入せられた到着番号札五枚程のうち二枚は高知市選挙管理委員会(以下単に市委員会と略称する)において無効としたが三枚は有効として取扱つた。
二、第七投票所において
(イ)  右選挙当日の午後二時頃高知市鴨田二十八番地清岡貞尾が投票所において投票せんとしたところ、既に何人かが同人の氏名を詐称して投票したものがあつたことが判明したが、右貞尾は本人であることを告げて正当な投票を要求した結果市委員会で協議の末許されて投票した。
(ロ)  同日同所百一番地竹島いとえは病気のため投票しなかつたのに拘わらず同人名義を詐称して投票したものがあつた。
三、第四投票所において同日午後二時頃高知市東石立町四十一番地高野愛が投票所において投票せんとしたところ、既に何人かが同人の氏名を詐称して投票したものがあつたことが判明したが、右高野は本人であることを告げて正当な投票を要求した結果本人である旨の宣言署名捺印のうえ許されて投票した。
四、第十四投票所において高知市中島町下一丁目岩崎速雄は投票したが、同人は高知市棧橋通港町においても選挙人名簿に登載されているため同所々管の第二十九投票所においても投票した。
五、第十六投票所において高知市金子橋四十番地中岡春子は病気のため投票しなかつたのに拘わらず同人名義を詐称して投票したものがあつた。
六、第二十三投票所において高知市彌生町吉本久万は選挙人名簿に登載されていないのに、係員は名簿と照合しないで投票用紙を交付したので投票した。
七、第二十二投票所において高知市北新町六十五番地枝重真芽年が投票せんとしたところ既に何人かが自己の氏名を詐称して投票したものがあつたので、本人であることを告げて、正当な投票を求めたところ、係員はその措置に窮し投票所閉鎖時刻迄に改めて来所せられたい旨指示があつたので同日午後六時十分前に前記投票所にいたつたところ、既に閉鎖時刻経過後であるとの理由で投票できなかつた。
八、第二十六投票所である高知市大原町高知農業高等学校高知分校において午前七時頃より午前十一時三十分まで選挙立会人たる某候補者の運動員島本政信が選挙人の投票記載場所に立つて選挙人の投票用紙に記載するのをその背後からのぞき込み選挙の秘密を侵すような行動がありこれを現認した国沢義栄、奥村暁が高知市選挙委員会に訴え出た結果、同市警選挙対策本部から係官来場制止した。このため選挙の自由が侵害され又その秘密を侵されたものは少くも五百人以上にものぼつた。
九、候補者和田栄治の選挙事務所は第十九投票所の入口から一町以内の区域にあつたが選挙期日の前日、四月二十二日午前八時頃この附近に掲示されてあつた公職選挙法第百四十三条第一項第五号のポスター(以下単にポスターと略称する)の撤去が市委員会によつて為されその際右事務所の入口に掲示されていたポスターも撤去しようとしたので、午後までそのまゝにしておいてくれるよう申出たが拒否せられ撤去された。そこで同候補者の運動員浜田彦治は同日午後一時頃選挙の公正を期するため撤去残りのポスター全部を撤去するよう市委員会に申入れたが同委員会は選挙当日午前七時までに撤去すればよいと回答したので同人は再び手持のポスターを掲示し自ら法の命ずるとおり撤去した。しかるに選挙当日午前十一時半頃該投票所の入口から一町以内の区域にある左の上欄の場所に下欄の候補者のポスターが依然として撤去されずそのまゝ掲示されてあつた。
高知市浦戸町 岸上履物店のウインド 中島環
同市同町   大村屋店内      池上保世・渡辺寅吉
同市同町   ひさ美容院      永田実・西川重忠・森田直
同市同町   土佐電鉄消費組合入口 溝淵定亀
同市東種崎町 高知県金物会社入口  山戸定一
同市同町   高知県陸運株式会社前 清岡・田植・高橋・杉村・弘田・堀川・黒岩・大黒
同市同町   高知県運送株式会社前 森田・沢村・長尾・笠川・野老山・永野
右のうち市委員会は選挙当日午後一時半頃再度撤去の際高知県陸運株式会社前のポスターを撤去したが、その他のものは既に見当らなかつたといつている。従つて右投票所における投票のうち、少くとも同日午後一時半頃までに為された投票は右の事実により影響を受け右候補者等は右事実がなかつたならば得なかつたであろう投票を得たものであると思われる。
以上一乃至九の事実はいずれも選挙の規定に違反し選挙の結果に異動を及ばすものであつて選挙の一部又は全部の無効を来たす事由である、こゝにおいて原告は昭和二十六年五月三日高知市選挙管理委員会に異議申立をしたところ同年同月十日同委員会はこれを棄却したのでさらに同月二十九日高知県選挙管理委員会に訴願を提起したが、同委員会は同年七月二十日訴願棄却の裁決をした。よつて請求趣旨どおりの判決を求めるため本訴に及んだと述べなお被告の主張事実中右選挙候補者中当選者の氏名並びに落選者の氏名当初の当選者の最下位が竹内久亀の六百八十五票、次点者は葛目久万喜でその得票数六百八十二票その繰上当選により次点者は島崎曙海の六百七十二票となつたことは争わないと述べた。(証拠省略)
被告訴訟代理人は主文と同旨の判決を求め、答弁として原告主張事実中原告が昭和二十六年四月二十三日執行の高知市議会議員の選挙人であること、同日原告主張の市議会議員の総選挙の行われたこと、原告が市委員会に異議の申立をしたのに棄却されたことこれに対する訴願につき被告も訴願棄却の裁決をしたことはいずれもこれを認めるが、原告主張の如き選挙の自由公正を害し選挙の規定に違反した事実はさらにない。すなわち原告主張の一、の事実中第四開票区における山崎重幸の得票数二〇四票のうち二票の同一筆跡があり、岩崎尚夫の得票数二五三票のうち六票の同一筆跡があつたことは鑑定の結果に徴しこれを認め得るとしても同開票区における代理投票の数は一八三票であるから右のような同一筆跡の投票の存在することは当然であり、原告主張のようないわゆるリレー式投票のなされたことはこれを争う、又到着番号札についてはその事実全然存在しない。
二(イ)(ロ)、三、五、七の氏名詐称投票四の二重投票、六の選挙人名簿脱漏者投票の如き積極的帰属不明の投票があつたとしてもそれは選挙の無効原因とはならない。何故ならば選挙訴訟は選挙の管理執行に関する一連の行為を総称する観念で箇々の投票についての効力を争うことはただ当選訴訟の理由となるに過ぎないのであつて右の積極的帰属不明の如き投票者の違法行為であつて単に投票の無効原因たるに止まり選挙それ自身の効力に影響するものでなく、又消極的帰属不明の投票の存在は集合行為としての選挙の全体に影響すべき違反でないからである。七の第二十二投票所の閉鎖時刻は法定どおり選挙当日午後六時であつたのであつて、その時刻前に閉鎖した事実はない。
八、第二十六投票所において原告主張の如き事実は全然ない。
九、高知県金物会社、高知県陸運会社前の各ポスターは投票所より一丁以外の場所にあり大村屋店内、ひさ美容院内、土佐電鉄消費組合入口のポスターはいずれも道路通行中発見至難のものであり、又岸上履物店のシヨーウインドー最上部は日覆の真下を通り見れば見えたであろうがそれも当時の市内電車の路線の位置よりすれば交通激しい電車、バスの運行に注意を奪われ、目に見えて心に見えない箇所にありかゝるポスターの撤去洩れは選挙の公正を害するものでない。
以上のとおりであつて選挙の効力にごうも影響するところのものは存在しないから原告の請求は失当であると述べた。
なお右選挙の候補者中岩崎尚夫、土居恒吉、津村久茂は各当選し候補者山崎重幸、西山徳治、天野市芳、山崎充好、岩井治左衛門、大石太、山戸定一、長尾忠観、片岡富馬は落選した。当初当選者の最下位は竹内久亀の六百八十五票、次点者は葛目久万喜六百八十二票であつたがその後繰上当選により次点者は島崎曙海の六百七十二票となつた旨附演した。(証拠省略)

 

三、理  由

原告が昭和二十六年四月二十三日執行の高知市議会議員の選挙人であること、同日原告主張の市議会議員の総選挙の行われたことはいずれも当事者間に争がない。よつて原告主張の無効原因事実の存否につき判断する。
一、の事実について
鑑定人雲峰こと松岡英雄、同沖良貞の鑑定の結果によれば第四開票区において山崎重行の同一筆蹟の投票二票、岩崎尚夫の同一筆蹟の投票六票あることが認められるけれども(松岡鑑定人の鑑定の結果のうち右認定に副わない部分は採用しない)右開票区において百八十三票代理投票のあつたことは原告の明かに争わないところであるから原告主張の如き不正なリレー式投票が行われたことについてこれを認むべき証拠のない本件においては右同一筆蹟の投票は代理投票によるものと認めざるを得ない。又本件投票の検証の結果によれば到着番号札投入の事実は認められない。
二、乃至五、の事実について
二(イ)(ロ)、三、五の氏名詐称投票、四の二重投票の事実のあつたことは証人清岡 行の証言並びに同証言により成立を認める甲第二号証、証人竹島勝利の証言並びに同証言により成立を認める甲第三号証、証人高島愛子の証言並びに同証言により成立を認める甲第四号証、証人中岡春子の証言並びに同証言により成立を認める甲第六号証により認めることができる。しかし以上の各事実はいずれも結局個々の投票についての効力を争う当選訴訟の原因となるのであつて原告主張の如き選挙の規定に違反する選挙訴訟の理由とならない。
六、の事実について
証人吉本久万の証言によれば選挙人吉本久万は選挙人名簿に登載されてないのに選挙当日第二十三投票所において公職選挙法施行令第三十五条所定の手続すなわち選挙人名簿と対照確認の手続を経ずして係員より投票用紙の交付を受け投票した事実が認められるが、かかる事実は選挙の管理執行に関する規定に違反するものというべきである。しかしかかる違法な投票が一票あつたとしても最下位当選者竹内久亀の得票数は六百八十五票次点者葛目久万吉のそれは六百八十二票であること当事者間に争のない事実にかんがみるときは右の如き違法は結局選挙の結果に異動を及ぼさないものというべきである。
七、の事実について
証人枝重真芽年、同黒石敏晴の各証言を綜合すれば選挙人枝重真芽年は選挙当日の正午頃所定の投票所である第二十二投票所にいたり投票しようとしたところ既に何人かによつて自己の名で投票せられていたので正当な投票を求めたところ投票管理者より投票所閉鎖時刻までに再び来場するよう申し告げられたことは認められるが、同人が同日午後六時前に再び同投票所に赴いたところ既に投票所は閉鎖されていた旨の原告主張事実については右枝重証人の証言及び甲第七号証の記載中この点に関する部分はたやすく措信し難く寧ろ却つて右黒石証人の証言によれば同日同投票所においては午後正六時に投票所を閉鎖したが同時刻までに枝重真芽年は同投票所に来なかつたことを認めることができる。而して右認定事実中前段認定のそれはさきに説明したと同様結局単個の投票の効力を争うに帰するから当選訴訟として当選の効力を云為するならば格別選挙訴訟の理由とはならない。
八、の事実について
甲第八号証の記載内容はたやすく措信し難く、また証人井東義綱、四手勅滋、国沢義栄、奥村暁、森一の各証言によつても八の事実は認められないし他に右事実の存在を肯定しうべき証拠はない。尤も証人四手勅滋の証言によれば第二十六投票所において係員や立会人が自己の席を立つて選挙人が市長と市議会議員の投票箱を間違えないようにこれを教示したようなことのあつたことは認められるようであるけれどもこのことだけでは選挙の自由、公正を妨げる理由とは解し難い。
九、の事実について
証人浜田彦治、浜田直樹、中地棟造、金子克已、岸上保の各証言検証の結果によればポスターが貼られていたという高知県金物株式会社入口附近までは約六十六間、高知県陸運株式会社前の板塀までは約七十八間、高知県運送株式会社前まで約九十五間あることが認められる。次に大村菓子店、岸上履物店は右投票所より約一町位あることが認められるけれどもポスターが貼られていたという大村菓子店東側シヨウウインドー内側側面にある板壁の上部は布の庇が降されおるのを常とし一般通行人には容易に見得られず、又岸上履物店シヨウウインドーに貼られていたというポスターもこれに接近しない限りたやすく見えられない状態にあること、ひさ美容院内に貼られたものは道路通行人からはたとい表の窓を開けていたとしてもこれを見ることは不可能な状況にあること(土佐電鉄消費組合入口に貼られたというポスターは今日既に右組合建物が存在しないので検証不能におわりかつこの点に関する証人浜田彦治の証言はたやすく措信しがたくその他該ポスターが道路通行人から容易に見得られる所に掲示されてあつたことを認めるに足る証拠はない)並びに前記岸上履物店主岸上保は選挙当日朝右ポスターを撤去したことが認められ他に右認定を覆すに足る証拠はない。右の如く道路通行人からはたやすく見得られないような個所に撤去洩れのポスターが二、三残存していたとしてもそれがため選挙の自由公正が害され選挙の結果に異動を及ぼす虞があつたものとは言い得ない。
以上説明したとおりであつて原告の主張する選挙の自由公正を害すべき事実はさらになく、又選挙に関する規定に違反し選挙の結果に異動を及ぼす虞がないものといわなければならない。よつて原告の選挙の効力を云為してその無効を主張する本訴請求は失当として棄却を免れないから訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条第九十四条を適用し主文のとおり判決する。
(裁判官 前田寛 近藤健蔵 萩原敏一)


「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧
(211)昭和39年 1月29日 東京地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(212)昭和39年 1月13日 名古屋高裁金沢支部 昭37(ナ)1号 当選の効力に関する訴願の裁決取消請求事件
(213)昭和38年12月 7日 花巻簡裁 昭37(ろ)32号 公職選挙法違反事件
(214)昭和38年10月10日 大阪高裁 昭37(ナ)2号 市議会議員選挙無効裁決取消請求事件
(215)昭和38年 7月27日 東京地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(216)昭和38年 6月20日 大阪高裁 昭38(う)469号 公職選挙法違反被告事件
(217)昭和38年 5月27日 名古屋高裁 昭32(行ナ)2号 行政処分取消請求事件
(218)昭和38年 4月18日 和歌山簡裁 昭37(ろ)233号 公職選挙法違反事件
(219)昭和37年 8月16日 名古屋高裁金沢支部 昭36(う)169号 公職選挙法違反事件
(220)昭和37年 7月11日 仙台高裁 昭37(ナ)1号 町議会議員選挙当選無効訴願裁決取消請求事件
(221)昭和37年 6月18日 東京地裁八王子支部 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(222)昭和37年 5月31日 東京地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反、出入国管理令違反被告事件
(223)昭和37年 4月18日 東京高裁 昭35(ナ)15号 選挙無効確認請求事件
(224)昭和37年 4月 6日 名古屋高裁 昭35(ナ)2号 議会議員選挙の効力に関する異議事件
(225)昭和37年 3月 5日 仙台高裁 昭36(ナ)2号 当選無効裁決取消請求事件
(226)昭和37年 1月22日 山形地裁 昭34(わ)229号 公職選挙法違反事件
(227)昭和37年 1月20日 東京高裁 昭36(ナ)1号 村長の当選無効請求事件
(228)昭和37年 1月16日 東京高裁 昭36(う)1094号 公職選挙法違反被告事件
(229)昭和36年12月20日 大阪高裁 昭36(う)1464号 公職選挙法違反事件
(230)昭和36年10月 5日 大阪高裁 昭36(う)277号 公職選挙法違反事件
(231)昭和36年 9月 2日 一関簡裁 昭36(ろ)3号 公職選挙法違反事件
(232)昭和36年 7月29日 広島高裁 昭36(ナ)1号 当選無効請求事件
(233)昭和36年 7月29日 広島高裁 事件番号不詳〔1〕 当選無効事件
(234)昭和36年 6月30日 東京高裁 昭34(ナ)15号 選挙無効確認訴訟請求事件
(235)昭和36年 5月17日 東京地裁 昭31(ワ)5192号 損害賠償請求事件
(236)昭和36年 5月10日 仙台高裁 昭35(ナ)4号 市議会議員選挙無効確認等請求事件
(237)昭和36年 4月 8日 福岡地裁 昭35(ヨ)363号 仮処分申請事件 〔福岡玉屋懲戒解雇事件〕
(238)昭和36年 3月20日 最高裁第二小法廷 昭35(あ)2226号 公職選挙法違反被告事件
(239)昭和36年 3月18日 東京高裁 昭35(ナ)14号 選挙無効請求事件
(240)昭和36年 3月14日 最高裁第三小法廷 昭35(あ)2366号 公職選挙法違反被告事件
(241)昭和36年 3月 3日 最高裁第二小法廷 昭35(あ)1511号 公職選挙法違反被告事件
(242)昭和36年 2月24日 最高裁第二小法廷 昭35(あ)1233号 公職選挙法違反被告事件
(243)昭和35年11月22日 仙台高裁 昭35(ナ)3号 町会議員選挙の効力に関する訴願裁決取消請求
(244)昭和35年 9月16日 東京高裁 昭34(ナ)11号 都議会議員選挙無効請求事件
(245)昭和35年 9月13日 大阪高裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(246)昭和35年 8月10日 広島高裁 昭35(う)199号
(247)昭和35年 8月 9日 大阪高裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(248)昭和35年 8月 2日 小笠原簡裁 昭34(ろ特)2号 公職選挙法違反事件
(249)昭和35年 7月26日 福岡高裁 昭34(ナ)7号 県議会議員選挙無効確認請求事件
(250)昭和35年 6月18日 東京高裁 昭34(ナ)12号 選挙無効請求事件
(251)昭和35年 6月10日 福岡高裁宮崎支部 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(252)昭和35年 6月 6日 盛岡簡裁 昭34(ろ)137号 公職選挙法違反事件
(253)昭和35年 5月23日 広島高裁松江支部 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(254)昭和35年 4月19日 福岡高裁 昭34(ナ)21号 市議会議員選挙無効確認請求事件
(255)昭和35年 4月 5日 名古屋高裁金沢支部 昭34(う)271号 公職選挙法違反事件
(256)昭和35年 3月24日 高松高裁 昭34(ナ)4号 裁決変更当選確認請求・裁決取消請求併合事件
(257)昭和35年 3月11日 大阪地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(258)昭和35年 3月 3日 東京高裁 昭34(う)2142号 公職選挙法違反被告事件
(259)昭和35年 2月 1日 広島高裁 昭34(ナ)3号 当選の効力に関する訴願裁決取消等請求事件
(260)昭和35年 1月30日 出雲簡裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(261)昭和35年 1月22日 名古屋高裁金沢支部 昭34(ナ)2号 参議院議員選挙無効事件
(262)昭和34年12月23日 神戸地裁洲本支部 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(263)昭和34年12月22日 広島地裁 昭34(わ)303号 公職選挙法違反被告事件
(264)昭和34年10月27日 福岡高裁 昭34(う)461号 公職選挙法違反被告事件
(265)昭和34年 9月29日 東京高裁 昭34(ナ)1号 訴願裁決取消請求事件
(266)昭和34年 8月18日 宮崎地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(267)昭和34年 7月11日 長崎地裁 昭31(わ)430号 公職選挙法違反、国家公務員法違反事件
(268)昭和34年 1月30日 東京高裁 昭29(ネ)1917号 行政処分取消請求控訴事件
(269)昭和33年 2月24日 福岡高裁宮崎支部 昭32(ナ)1号 当選無効裁決取消請求事件
(270)昭和33年 1月31日 福岡高裁 昭31(ナ)4号 裁決取消等請求事件
(271)昭和33年 1月31日 福岡高裁 事件番号不詳〔1〕 裁決取消等請求事件
(272)昭和32年12月26日 東京高裁 昭31(ナ)5号 選挙無効確認請求事件
(273)昭和32年12月26日 仙台高裁 昭32(ナ)3号 町議会議員の当選の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(274)昭和32年 9月30日 仙台高裁 昭31(ナ)7号 市議会議員選挙無効確認事件
(275)昭和32年 9月20日 最高裁第二小法廷 昭31(オ)1024号 当選の効力に関する決定取消請求事件
(276)昭和32年 6月 3日 名古屋高裁金沢支部 昭31(ナ)1号 町議会議員の当選無効の裁決取消請求事件
(277)昭和32年 3月28日 東京高裁 昭31(ナ)12号 選挙無効請求事件
(278)昭和32年 1月28日 札幌高裁函館支部 昭30(ナ)2号 選挙無効確認請求事件
(279)昭和31年10月19日 東京高裁 昭30(ナ)13号 市長選挙無効確認等請求事件
(280)昭和31年10月 9日 最高裁第三小法廷 昭31(あ)777号 公職選挙法違反被告事件
(281)昭和31年 7月12日 仙台高裁秋田支部 昭29(ナ)4号 市長選挙の当選の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(282)昭和31年 7月12日 仙台高裁秋田支部 昭29(ナ)2号 当選無効確認請求事件
(283)昭和31年 5月26日 仙台高裁 昭30(ナ)9号 市議会議員当選無効確認請求事件
(284)昭和31年 3月26日 東京高裁 昭30(ナ)27号 市議会議員選挙の当選の効力に関する裁決取消請求事件
(285)昭和31年 3月13日 仙台高裁秋田支部 昭30(う)135号 公職選挙法違反事件
(286)昭和31年 3月12日 松江地裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(287)昭和31年 3月 1日 仙台高裁 昭30(ナ)15号 村議会議員当選の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(288)昭和31年 1月30日 東京高裁 昭30(ナ)15号 市長選挙の一部無効確認請求事件
(289)昭和31年 1月14日 東京高裁 昭30(ナ)26号 県議会議員の当選の効力に関する裁決取消請求事件
(290)昭和30年12月24日 東京高裁 昭30(ナ)18号 村議会議員選挙無効請求事件
(291)昭和30年 9月29日 大阪高裁 昭30(ナ)5号 当選無効請求訴訟事件
(292)昭和30年 5月31日 名古屋高裁 昭30(う)278号 公職選挙法違反被告事件
(293)昭和30年 4月27日 東京高裁 昭30(ナ)2号 衆議院議員選挙無効訴訟事件
(294)昭和30年 1月26日 福岡地裁 昭29(ナ)1号 市会議員選挙無効裁決取消請求事件
(295)昭和30年 1月11日 最高裁第三小法廷 昭29(あ)2090号 公印偽造・偽造公印不正使用・公職選挙法違反被告事件
(296)昭和29年11月17日 東京高裁 昭29(う)829号 公職選挙法違反被告事件
(297)昭和29年 8月 3日 名古屋高裁 昭29(う)487号 公職選挙法違反事件
(298)昭和29年 5月 6日 東京高裁 昭28(く)109号 再審請求棄却決定に対する即時抗告事件
(299)昭和29年 5月 4日 大阪高裁 昭28(う)2507号 公職選挙法違反事件
(300)昭和29年 4月 8日 福岡高裁 昭29(う)68号 公職選挙法違反事件
(301)昭和29年 2月 8日 東京高裁 昭28(ナ)8号 参議院全国選出議員選挙の一部無効に関する訴訟事件 〔佐野市参院選挙無効事件・控訴審〕
(302)昭和28年12月 1日 最高裁第三小法廷 昭28(オ)681号 市議会議員の選挙の効力に関する訴願裁決取消請求上告事件
(303)昭和28年11月28日 名古屋高裁 事件番号不詳 公職選挙法違反被告事件
(304)昭和28年11月14日 名古屋高裁金沢支部 昭28(う)303号 公職選挙法違反事件
(305)昭和28年11月10日 東京地裁 事件番号不詳 公印偽造偽造公印不正使用公職選挙法違反被告事件
(306)昭和28年10月30日 東京高裁 昭28(う)2394号 公職選挙法違反被告事件
(307)昭和28年 9月21日 仙台高裁 昭28(ナ)3号 町議会議員当選無効裁決取消請求事件
(308)昭和28年 6月 1日 札幌高裁函館支部 昭28(ナ)1号 市長及び市議会議員選挙無効確認請求事件
(309)昭和28年 5月 9日 大阪高裁 昭28(う)418号 公職選挙法違反事件
(310)昭和28年 4月10日 福岡高裁 昭27(ナ)15号 裁決取消請求事件
(311)昭和28年 3月 5日 大阪高裁 昭26(ナ)22号 市会議員当選無効確認請求事件
(312)昭和28年 1月20日 大阪高裁 昭27(ナ)2号 衆議院議員選挙当選無効請求事件
(313)昭和27年 5月24日 名古屋高裁金沢支部 昭26(ナ)8号 村議会議員選挙の当選の効力に関する訴願裁決取消請求事件
(314)昭和27年 5月16日 東京高裁 昭27(ナ)2号 市議会議員選挙無効請求事件
(315)昭和27年 5月 6日 大阪高裁 昭26(ナ)25号 選挙無効確認請求事件
(316)昭和27年 3月12日 広島高裁松江支部 昭26(う)244号 公職選挙法違反被告事件
(317)昭和27年 2月29日 広島高裁松江支部 昭26(ナ)1号 村長選挙の当選の効力に関する訴訟事件
(318)昭和27年 1月11日 仙台高裁 昭26(ナ)19号 当選無効裁決取消請求事件
(319)昭和26年12月28日 高松高裁 昭26(ナ)4号 市議会議員選挙無効請求事件
(320)昭和26年 7月19日 東京高裁 昭26(ナ)5号 選挙運動に関する支出金額の制限額超過による当選無効事件
(321)昭和26年 7月 6日 大阪高裁 昭26(う)763号 公職選挙法違反被告事件
(322)昭和26年 5月31日 広島高裁 昭25(う)1037号 公職選挙法違反事件
(323)昭和26年 5月 9日 広島高裁 昭25(ナ)2号 当選の効力に関する訴訟事件
(324)昭和25年12月25日 東京高裁 昭24(ナ)16号 村長解職投票無効事件
(325)昭和25年 1月27日 仙台高裁 昭22(ナ)2号 知事当選無効確認請求事件
(326)昭和24年11月15日 東京高裁 昭24(ナ)10号 衆議院議員選挙無効事件
(327)昭和23年11月20日 東京高裁 昭23(ナ)5号 東京都教育委員選挙無効確認事件


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