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「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(65)平成24年 9月 6日 東京地裁 平24(ワ)2339号 損害賠償等請求事件、販売差止請求権不存在確認等請求事件

「政治活動 選挙運動」に関する裁判例(65)平成24年 9月 6日 東京地裁 平24(ワ)2339号 損害賠償等請求事件、販売差止請求権不存在確認等請求事件

裁判年月日  平成24年 9月 6日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)2339号・平24(ワ)3051号
事件名  損害賠償等請求事件、販売差止請求権不存在確認等請求事件
裁判結果  甲事件一部認容、乙事件一部認容  文献番号  2012WLJPCA09068013

要旨
◆原告が、被告による本件DVDの販売及び本件広告の掲載によって、原告の名誉が毀損され、また、名誉感情が侵害されたと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求するとともに、民法723条に基づき、謝罪広告の掲載を求めた(甲事件)ところ、原告が、本件DVDを販売する目的でその購入を予約した被告の取引先に対し、本件DVDの販売等を中止するよう要求したため、被告が、原告の被告に対する本件DVDの販売差止請求権が存在しないことの確認を求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償を請求した(乙事件)事案において、本件DVDを視聴した一般の視聴者及び本件広告を閲覧した一般の閲覧者は、本件主人公と原告とを容易に同定することができると認められるが、本件DVDは、アニメーションによるアダルトDVDであり、本件DVD及びその広告が本件摘示事実を摘示し、原告の社会的評価を低下させるものであるとは認められないとする一方、本件DVDの販売及び広告は、原告の名誉感情を侵害するものであると認定し、慰謝料20万円及び弁護士費用2万円の限度で原告の請求を認容し、原告が本件DVDの販売差止請求権を有するとは認められないと認定した事例

参照条文
民法709条
民法710条
民法723条

裁判年月日  平成24年 9月 6日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)2339号・平24(ワ)3051号
事件名  損害賠償等請求事件、販売差止請求権不存在確認等請求事件
裁判結果  甲事件一部認容、乙事件一部認容  文献番号  2012WLJPCA09068013

平成24年(ワ)第2339号 損害賠償等請求事件(甲事件)
平成24年(ワ)第3051号 販売差止請求権不存在確認等請求事件(乙事件)

東京都目黒区〈以下省略〉
甲事件原告兼乙事件被告 甲山X子(以下「原告」という。)
同訴訟代理人弁護士 五百蔵洋一
同 尾形繭子
東京都葛飾区〈以下省略〉
甲事件被告兼乙事件原告 株式会社ミルキーズピクチャーズ(以下「被告」という。)
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 小屋和歌子

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,22万円及びこれに対する平成23年11月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告の被告に対する別紙1記載のDVDの販売差止請求権が存在しないことを確認する。
3  原告のその余の請求及び被告のその余の請求をいずれも棄却する。
4  訴訟費用は,これを4分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
5  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  原告の請求(甲事件)
(1)  被告は,原告に対し,1100万円及びこれに対する平成23年11月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2)  被告は,被告のウェブサイト(http://〈省略〉)のトップページに,別紙2の内容の謝罪広告を1か月間掲載せよ。
2  被告の請求(乙事件)
(1)  主文第2項と同じ。
(2)  原告は,被告に対し,344万2985円を支払え。
第2  事案の概要
1  事案の要旨
(1)  甲事件
被告は,別紙1記載のDVD(アニメーションによるアダルトDVD。以下「本件DVD」という。)を制作販売し,ウェブサイト上にその広告(以下「本件広告」という。)を掲載した。
原告は,本件DVDの販売及び本件広告の掲載によって,原告の名誉が毀損され,また,名誉感情が侵害されたと主張して,被告に対し,不法行為に基づく損害賠償として,1100万円及びこれに対する平成23年11月18日(本件DVDの発売日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,民法723条に基づき,謝罪広告の掲載を求めている。
(2)  乙事件
原告は,本件DVDを販売する目的でその購入を予約した被告の取引先に対し,本件DVDの販売等を中止するよう要求した。
被告は,原告の被告に対する本件DVDの販売差止請求権が存在しないことの確認を求めるとともに,被告の取引先に対して原告が上記要求をしたため,別紙3記載のとおり,合計344万2985円分の購入予約が取り消されたと主張して,原告に対し,不法行為に基づく損害賠償として,同額の支払を求めている。
2  前提となる事実(証拠を付記したものを除き,当事者間に争いがないか,又は弁論の全趣旨によって認定することができる。)
(1)  当事者
原告は,参議院議員を務めている女性である。
被告は,ビデオの制作,販売等を目的とする株式会社である。
(2)  本件DVDの販売及び本件広告の掲載等
被告は,本件DVDを制作し,平成23年11月初め頃から,被告のウェブサイト上に本件広告を掲載し,同月18日から,本件DVDを販売した。
(3)  本件DVDの内容等(乙1)
本件DVDは,a委員(a1委員と表記されている部分もある。以下同じ。)の「エックス B」という女性(以下「本件主人公」という。)が,C,D及びEという3名の男性と性行為を行う姿を描いたアニメーションによるアダルトDVDである。
本件DVDの本編(約18分)には,以下の表現が含まれている。
ア 冒頭部分で,本件主人公は,自己紹介として,「モデルやタレントで浮き名を流し,熱湯風呂で汗を流したこともあるけどそれは過去の話。」,「それが私のママフェスト。」などと発言する。
イ 本件主人公は,見ず知らずの男性であるCの下を訪れ,a委員の「エックス」であると名乗り,「あなたの心を仕分けに来ました。」,「今からあなたの魂を仕分けします。」と告げた後,Cと性行為を行う。
性行為終了後,本件主人公は,Cに対し,「はっきりしなさい。献金させるわよ。」と言い,「あなたは二番じゃダメなんですか。」と問われると,「二番じゃダメなんです。」と答えながら,Cを蹴り飛ばし,流血させる。
ウ 次に,本件主人公は,見ず知らずの男性であるDの下を訪れ,「あなたの心を仕分けに参りました。」と告げる。
Dが「(男性器に)スーパー堤防を建てたいぜ。」と言うのを聞いた本件主人公は,「スーパー堤防なんて全く必要ないわ。」と言った後,Dと性行為を行う。
性行為終了後,Dから「せめて二番じゃダメなんですか。」と問われた本件主人公は,「二番じゃダメに決まってんだろ。予算と都合の悪いことはカットじゃ,ボケ。」と答える。
エ さらに,本件主人公は,見ず知らずの男性であるEの下を訪れ,性行為を行う。本件主人公は,Eに命じられるまま,裸で床を四つん這いになって歩き,Eから尻を鞭で叩かれたり,Eの男性器を咥えさせられたりする。また,本件主人公の顔にEの精液がかかり,それを本件主人公が舐める。
オ 最後に,本件主人公は,「コンビニで,パンとか売り切れてないか,チェックして行こう。」とつぶやく。
(4)  本件広告の内容等(甲6の1,2,甲17)
本件広告には,「○○○」との見出しがあり,同見出しをクリックすると,キャスト欄,ストーリー欄,ギャラリー欄及び予告欄が画面上に現れる。
キャスト欄では,本件DVDの登場人物である本件主人公及び3名の男性(C,D及びE)が紹介されている。
ストーリー欄には,「庶民派を謳う彼女は,(中略)コンビニでパンが売り切れていないかチェックしたり神聖な場所でファッションショーを展開したりの大忙しの合間を縫って各戸の門を叩く」,「現実逃避,早漏,老いぼれ・・・ひと癖もふた癖もある猛者を相手に,慣れた手つきで考え無しに仕訳けしていく」,「「二番じゃダメなんですか!?」」との記載がある。
ギャラリー欄には,本件DVDの本編から12枚のイラストが掲載されており,うち10枚は裸の本件主人公,1枚はスーツを着ている本件主人公,1枚は精液のかかった状態の本件主人公の顔である。
予告欄をクリックすると,予告動画として,本件主人公とCとの性行為の一部と,性行為終了後,Cから「あなたは二番じゃダメなんですか。」と問われた本件主人公が,「二番じゃダメなんです。」と答えながら,Cを蹴り飛ばし,流血させる映像が再生される。
(5)  原告の政治活動等
ア 原告は,参議院議員になる前,キャンペーンガールやタレントとして活動していた。
イ 原告は,自己が立候補した平成16年7月の参議院議員選挙の選挙運動において,選挙公約(マニフェスト)を「ママフェスト」と呼んでいた。
ウ 原告は,平成21年11月13日,内閣府に設置された行政刷新会議に評価者として出席し,独立行政法人理化学研究所の次世代スーパーコンピューティング技術の推進について,「2位じゃだめなんでしょうか。」と発言した。
また,平成22年10月28日,同会議に評価者として出席し,他の評価者と共に,スーパー堤防事業(高規格堤防整備事業)を廃止するとの判定をした。
一般には,同会議は,事業仕分け会合と呼ばれ,同会議の評価者は,仕分け人と呼ばれている。
エ 同年8月,国会議事堂内で,原告をモデルとする写真撮影が行われ,同年11月号のファッション誌にその写真が掲載された。
オ 平成23年3月に発生した東日本大震災の直後,コンビニエンスストアが深刻な品薄状態に陥ったことを受け,当時,内閣府特命担当大臣であった原告は,東京都内のコンビニエンスストアを視察した。
(6)  被告の取引先に対する要求等
被告は,同年11月18日の発売に先立ち,本件DVDの予約販売を開始した(乙2,3,5から27まで,32から36まで(枝番があるものは,枝番を含む。))。
原告は,本件DVDを販売する目的でその購入を予約した被告の取引先に対し,本件DVDの広告及び販売を中止することを要求し,これが受け入れられないときは,告訴等の法的措置を執るとの通告を記載した文書(乙37,38。以下「本件通告文書」という。)を送付した。
3  争点及びこれに関する当事者の主張
(1)  本件主人公と原告との同定可能性の有無
(原告の主張)
本件主人公は,髪型,顔及び服装が原告と酷似している。また,名字である「エックス」は,原告の名前の「X子」を訓読み風にしたものであり,名前である「B」は,「X」の読み方そのものである。さらに,本件DVD及び本件広告に含まれる表現は,前提となる事実(5)記載の原告の政治活動等の内容を基にしたものである。
このように,本件主人公には,原告の属性が多数与えられているから,本件DVDを視聴した一般の視聴者及び本件広告を閲覧した一般の閲覧者は,本件主人公と原告とを容易に同定することができる。
(被告の主張)
本件主人公は,創作された架空のアニメーションキャラクターであり,原告をモデルにしたものではない。原告は,本件主人公に原告の属性が多数与えられていると主張するが,本件主人公と原告は,容姿も氏名も異なる。さらに,前提となる事実(5)記載の原告の政治活動等の内容は,本件主人公に当てはまらないから,本件主人公に原告の属性が多数与えられているとはいえない。
したがって,本件主人公と原告とが同定可能とはいえない。
(2)  本件DVDの販売による名誉毀損の成否
(原告の主張)
本件DVDは,原告と容易に同定することができる本件主人公について,①不特定多数の男性との間で異様な性行為を行っている事実,②「あなたの心を仕分けに参りました。」などの台詞を用いて男性を性行為に誘っている事実,③献金させると脅して自己の要求を押し通す政治家である事実,④行政刷新会議という公の場で真剣に議論したスーパー堤防事業の問題を性行為の場面において茶化している事実,⑤性行為を終了した後で「二番じゃダメなんです。」と発言する事実,⑥気に入らないことがあると暴力を振るう人物である事実を摘示する(以下,これらの事実を併せて「本件摘示事実」という。)。一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方に照らせば,本件摘示事実は,原告について,自らの政治的課題である行政改革のキーワードを使って異様な性行為を行う人物であるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。
したがって,本件DVDは,原告の名誉を毀損する。
(被告の主張)
本件DVDは,a委員である本件主人公が,呼ばれてもいないのに,見ず知らずの3名の男性と性行為を行うという荒唐無稽な内容のアニメーションによるアダルトDVDである。このようなストーリーの荒唐無稽さ,作品ジャンルの持つ性格及び実在する人物に関する事実の描写がないことからすると,本件DVDの内容すべてがフィクションであることは,疑う余地がない。したがって,本件DVDは,本件摘示事実を摘示するものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではない。
(3)  本件DVDの販売による名誉感情の侵害の有無
(原告の主張)
本件DVDは,原告と容易に同定することができる本件主人公が3名の男性と異様な性行為を繰り広げる様子を子細かつ侮辱的に描いている。
したがって,本件DVDの描写は,社会通念上許される限度を超えて原告を侮辱するものであり,原告の名誉感情を侵害する。
(被告の主張)
虚構の人物である本件主人公の性行為の描写が原告の名誉感情を侵害することはない。仮に,名誉感情を侵害したとしても,受忍限度を超えるものとはいえない。
(4)  本件広告の掲載による名誉毀損の成否
(原告の主張)
本件広告は,原告と容易に同定することができる本件主人公について,本件摘示事実のうち,①,②,⑤及び⑥の各事実を摘示する。一般の閲覧者の普通の注意と閲覧の仕方に照らせば,上記各事実は,原告について,自らの政治的課題である行政改革のキーワードを使って異様な性行為を行う人物であるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。
したがって,本件広告は,原告の名誉を毀損する。
(被告の主張)
本件広告は,本件摘示事実の一部を摘示するものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではない。
(5)  本件広告の掲載による名誉感情の侵害の有無
(原告の主張)
本件広告のギャラリー欄には,原告と容易に同定することができる本件主人公が性行為を行う様子等を描くイラストが12枚掲載されており,予告欄をクリックすると再生される予告動画には,本件主人公が異様な性行為を行う様子が侮辱的に描かれている。
したがって,本件広告は,社会通念上許される限度を超えて原告を侮辱するものであり,原告の名誉感情を侵害する。
(被告の主張)
(3)の被告の主張欄のとおりである。
(6)  原告の損害額及び謝罪広告の要否
(原告の主張)
原告は,本件DVDの販売及び本件広告の掲載により,国会議員としての活動に深刻な影響を受け,多大な精神的苦痛を被った。これに対する慰謝料の額は1000万円,弁護士費用の額は100万円(合計1100万円)が相当である。
また,本件DVDの販売及び本件広告の掲載によって毀損された名誉を回復するためには,別紙2の内容の謝罪広告の掲載が必要である。
(被告の主張)
争う。
(7)  差止請求権の有無
(被告の主張)
本件DVDは,原告の名誉を毀損するものではなく,名誉感情を侵害するものでもないから,原告は,その販売差止請求権を有していない。
(原告の主張)
本件DVDの販売は,原告の名誉を毀損し,名誉感情を侵害するものである。
(8)  原告の被告に対する損害賠償義務の有無
(被告の主張)
上記のとおり,原告は,本件DVDの販売差止請求権を有していないにもかかわらず,被告の多数の取引先に対し,参議院議員や国務大臣の地位を示して本件通告文書を送付し,本件DVDの広告及び販売の中止を要求するなどした。
そのため,被告は,別紙3のとおり,多数の取引先から,合計344万2985円分の購入予約を取り消され,同額の損害を被った。
(原告の主張)
本件DVDの販売及び本件広告の掲載は,原告の名誉を毀損し,名誉感情を侵害するものであるから,それを理由として,被告の取引先に対し,本件DVDの広告及び販売を中止するよう要求することが不法行為を構成するとはいえない。
第3  当裁判所の判断
1  本件主人公と原告との同定可能性の有無
(1)  前提となる事実(1)から(5)まで,証拠(甲4から6まで,13から17まで(枝番があるものは,枝番を含む。),乙1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 原告は,ショートカットの髪型をしており,公の場においては,概ねスーツを着用している。
他方,本件主人公も,ショートカットの髪型をしており,スーツを着用している。
イ 原告の名前は「X子」であるところ,「X」の字は「△△」と読むことができ,「子」の字のつくりの部分は「□□」と読むことができるから,これらを併せてカタカナで表記すると,本件主人公の名字になる。また,原告の名前のうちの「X」の読み方をカタカナで表記すると,本件主人公の名前になる。
ウ 原告は,参議院議員となる前は,キャンペンガールやタレントとして活動していたところ,本件DVDには,本件主人公の過去の話として「モデルやタレントで浮き名を流し」たことがあるとの本件主人公の台詞がある。
エ 原告は,自己が立候補した平成16年7月の参議院議員選挙の際,選挙公約(マニフェスト)を「ママフェスト」と呼んで,子育て支援を訴えたところ,本件DVDには,「それが私のママフェスト」との本件主人公の台詞がある。
オ 原告は,平成21年11月13日の行政刷新会議において,「2位じゃだめなんでしょうか。」との発言をしたところ,本件DVDのタイトルの一部には,「二番じゃダメなんですか?」との記載があり,また,本件DVDには,本件主人公と男性との会話として,①「あなたは二番じゃダメなんですか(男性)。」,②「二番じゃダメなんです(本件主人公)。」,③「せめて二番じゃダメなんですか(男性)。」,④「二番じゃダメに決まってんだろ。予算と都合の悪いことはカットじゃ,ボケ(本件主人公)。」との台詞がある(①及び②は,本件広告の予告動画にも含まれている。)。
カ 平成22年10月28日の行政刷新会議において,原告は,他の評価者と共に,スーパー堤防事業(高規格堤防整備事業)を廃止するとの判定をしたところ,本件DVDには,男性及び本件主人公の会話として,「(男性器に)スーパー堤防を建てたいぜ(男性)。」,「スーパー堤防なんて全く必要ないわ(本件主人公)。」との台詞がある。
キ 原告は,行政刷新会議において,一般に仕分け人と呼ばれる評価者を務めていたところ,本件DVDには,①「あなたの心を仕分けに来ました。」,②「今からあなたの魂を仕分けします。」,③「あなたの心を仕分けに参りました。」との本件主人公の台詞がある(①の台詞は,本件広告の予告動画にも含まれている。)。
ク 平成22年8月,国会議事堂内で,原告をモデルとする写真撮影が行われ,同年11月号のファッション誌にその写真と「撮影が行われたのは,議員の聖地,国会議事堂」との記載が掲載されたところ,本件DVDのケース及び本件広告のストーリー欄には,本件主人公が「神聖な場所でファッションショーを展開したり」するとの記載がある。
ケ 平成23年3月に発生した東日本大震災の直後,コンビニエンスストアが深刻な品薄状態に陥ったことを受け,当時,内閣府特命担当大臣であった原告は,東京都内のコンビニエンスストアを視察したところ,本件DVDには,「コンビニで,パンとか売り切れてないか,チェックして行こう。」との本件主人公の台詞があり,また,本件DVDのケース及び本件広告のストーリー欄には,本件主人公が「コンビニでパンが売り切れていないかチェックしたり」するとの記載がある。
コ 原告は,参議院議員であるところ,本件DVDには,「献金させるわよ。」との本件主人公の台詞があり,本件DVDのケースには,「有権者たちも呆れを通り越して苦笑い。」,「民の人気を取るのにはいい。」との記載がある。
(2)  以上の認定事実によれば,本件主人公の容姿等は,原告のそれと類似していること(ア),本件主人公の名字及び名前は,原告の名前から作り出すことが可能なものであること(イ),本件DVD及び本件広告中の登場人物の台詞,タイトル等の記載内容は,原告のこれまでの政治活動等の内容と類似していること(ウからコまで)が認められ,これらの事実に加え,原告が度々マスメディアに登場する著名な人物であること(弁論の全趣旨)をも考慮すれば,本件DVDを視聴した一般の視聴者及び本件広告を閲覧した一般の閲覧者は,本件主人公と原告とを容易に同定することができると認められる。
2  本件DVDの販売による名誉毀損の成否
原告は,本件DVDが本件摘示事実を摘示したものであり,これは,原告の社会的評価を低下させるものであると主張する。
しかし,前提となる事実(3)によれば,本件DVDは,アニメーションによるアダルトDVDであり,その内容は,a委員である主人公が,何の理由もなく,見ず知らずの複数の男性宅を訪れて性行為を行うという荒唐無稽なものであるから,その内容がフィクションであることは明らかである。
そうすると,一般の視聴者が本件DVDを視聴したとしても,本件DVDの内容が現実の出来事であると認識することはあり得ないから,本件DVDが本件摘示事実を摘示し,原告の社会的評価を低下させるものであるとは認められない。
したがって,本件DVDの販売が原告の名誉を毀損するとはいえない。
3  本件DVDの販売による名誉感情の侵害の有無
前提となる事実(3)及び証拠(乙1)によれば,本件DVDには,本件主人公が,何の理由もなく,見ず知らずの複数の男性宅を訪れて性行為を行い,男性に命じられるまま,裸で床を四つん這いになって歩き,尻を鞭で叩かれている姿,男性器を咥えさせられている姿及び本件主人公の顔に精液がかかり,それを本件主人公が舐める姿などが描かれている。
このように,本件DVDは,原告と容易に同定することができる本件主人公が侮辱的な扱いを受けている場面を内容とするものであるから,これが販売され,視聴されることによって,原告は,その自尊心を傷つけられ,精神的苦痛を受けることが明らかである。したがって,本件DVDの販売は,原告の名誉感情を侵害するものであり,不法行為を構成すると認められる。
被告は,仮に,名誉感情を侵害するとしても,受忍限度を超えるものとはいえないと主張するが,本件DVDの前記内容は,社会通念上許される限度を超えるというべきである。
4  本件広告の掲載による名誉毀損の成否
原告は,本件広告が本件摘示事実の一部を摘示したものであり,これは,原告の社会的評価を低下させるものであると主張する。
しかし,前提となる事実(4)によれば,本件DVDがフィクションであることは明らかであるから,本件広告が本件摘示事実の一部を摘示し,原告の社会的評価を低下させるものとは認められない。
したがって,本件広告の掲載が原告の名誉を毀損するとはいえない。
5  本件広告の掲載による名誉感情の侵害の有無
前提となる事実(3)及び証拠(甲17,乙1)によれば,本件広告においては,予告動画として,本件主人公が性行為等を行っている姿が描写され,ギャラリー欄に,裸の本件主人公のイラストが10枚,精液のかかった状態の本件主人公の顔のイラストが1枚あることが認められる。
このような本件広告の内容に照らすと,本件広告が閲覧されることによって,原告は,その自尊心を傷つけられ,精神的苦痛を受けることが明らかである。したがって,本件広告の掲載は,原告の名誉感情を侵害するものであり,不法行為を構成すると認められる。
被告は,仮に,本件広告が名誉感情を侵害するとしても,受忍限度を超えるものとはいえないと主張するが,上記3と同様,同主張は採用することができない。
6  原告の損害額及び謝罪広告の要否
(1)  上記のとおり,本件DVDの販売及び本件広告の掲載は,原告の名誉感情を侵害するものであり,不法行為を構成すると認められるところ,本件DVD及び本件広告の内容のほか,本件DVDを購入し,又は本件広告を閲覧するのは,アニメーションによるアダルトDVDに関心がある者にほぼ限られると考えられること,本件全証拠を精査しても,本件DVDが広く頒布された事実を認めるに足りる証拠はないこと,その他記録上現れた諸般の事情を総合考慮すると,慰謝料の額は,20万円をもって相当と認める。
また,本件訴訟の内容及び認容額等に照らせば,上記不法行為と相当因果関係のある弁護士費用の額は,2万円をもって相当と認める。
(2)  原告は,被告に対し,損害賠償に加え,民法723条に基づいて,謝罪広告の掲載をも請求している。しかし,前記のとおり,本件DVDの販売及び本件広告の掲載は,原告の名誉感情を侵害するものとは認められるものの,名誉を毀損するものとは認められない。そして,民法723条にいう名誉とは,人がその品性,徳行,名声,信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価,すなわち社会的名誉を指すものであって,人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価,すなわち名誉感情は含まないものと解するのが相当である(最高裁昭和45年12月18日第二小法廷判決・民集24巻13号2151頁)。したがって,謝罪広告の掲載の請求は,その余の点について判断するまでもなく,認められない。
7  差止請求権の有無
前記のとおり,本件DVDの販売は,原告の名誉を毀損するものとは認められないが,原告の名誉感情を侵害するものと認められるから,原告は,これにより,その人格的価値を侵害されたというべきである。
人格権的価値を侵害された者は,人格権に基づき,加害者に対し,現に行われている侵害行為を排除し,又は将来生ずべき侵害を予防するため,侵害行為の差止めを求めることができるものと解するのが相当であるが,どのような場合に侵害行為の差止めが認められるかは,侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意しつつ,予想される侵害行為によって受ける被害者側の不利益と侵害行為を差し止めることによって受ける侵害者側の不利益とを比較衡量して決すべきである(最高裁平成14年9月24日第三小法廷判決・集民207号243頁)。
これを本件について見ると,本件DVDは,原告の名誉感情を侵害するにとどまり,名誉を毀損するものではないこと,本件DVDは,アニメーションによるアダルトDVDであって,その性質上,視聴者は一定の範囲に限定されると考えられること,また,その内容も荒唐無稽なフィクションにすぎないことからすると,本件DVDの販売によって原告が精神的苦痛を受けるとしても,それによって原告が平穏な日常生活や社会生活を送ることに支障が生じるほどのものであるとは認められない。そうすると,本件DVDの販売によって受ける原告の不利益は,重大で,かつその回復を事後に図るのが不可能ないし著しく困難なものとまではいえない。
一方,本件DVDの販売を差し止めることによって,被告は本件DVDに係る表現の自由及び営業の自由のほとんど全てを制約されることとなる。
以上の各不利益を比較衡量すれば,予想される侵害行為によって受ける原告の不利益が差止めによって受ける被告の不利益に比べて大きいとはいえない。
したがって,原告が本件DVDの販売差止請求権を有するとは認められない。
8  原告の被告に対する損害賠償義務の有無
上記のとおり,原告は,本件DVDの販売差止請求権を有するものではないが,本件DVDの販売は,原告の名誉感情を侵害するものであり,不法行為を構成するから,原告が被告の取引先に対して本件通告文書を送付し,本件DVDの販売等の中止を要求するとともに,これに応じないときは告訴等の法的措置を執ると通知したとしても,不法行為を構成するとはいえない。なお,証拠(乙37,38)によれば,本件通告文書には,原告が国務大臣を務める参議院議員であるとの事実が記載されているが,この事実をことさらに強調するような記載はないと認められるから,この点は,上記判断を左右するものではない。
また,本件通告文書の送付以外の方法によって原告が本件DVDの販売等の中止を要求した事実を認めるに足りる証拠はない。
第4  結論
よって,原告の請求は,22万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がない。また,被告の請求は,本件DVDの販売差止請求権の不存在確認を求める限度で理由があり,その余は理由がない。
(裁判長裁判官 村上正敏 裁判官 三村憲吾 裁判官 林優香子)

 

〈以下省略〉

 

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