政治と選挙Q&A「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(74)平成28年10月26日 広島高裁松江支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例(74)平成28年10月26日 広島高裁松江支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
裁判年月日 平成28年10月26日 裁判所名 広島高裁松江支部 裁判区分 判決
事件番号 平28(行ケ)1号
事件名 選挙無効請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2016WLJPCA10266003
事案の概要
◇平成28年7月10日施行の参議院議員通常選挙について、鳥取県及び島根県参議院合同選挙区の選挙人である原告が、平成27年法律第60号による改正後の公職選挙法14条1項、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の当該選挙区における選挙も無効であると主張して、選挙無効訴訟を提起した事案
裁判経過
上告審 平成29年 9月27日 最高裁大法廷 判決 平29(行ツ)9号・平29(行ツ)19号・平29(行ツ)21号・平29(行ツ)22号・平29(行ツ)33号・平29(行ツ)34号・平29(行ツ)41号・平29(行ツ)55号 選挙無効請求事件
出典
一人一票実現国民会議 提供
裁判年月日 平成28年10月26日 裁判所名 広島高裁松江支部 裁判区分 判決
事件番号 平28(行ケ)1号
事件名 選挙無効請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2016WLJPCA10266003
当事者 別紙当事者目録記載のとおり
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
平成28年7月10日に行われた参議院(選挙区選出)議員選挙の鳥取県及び島根県参議院合同選挙区における選挙を無効とする。
第2 事案の概要
1 本件は,平成28年7月10日施行の参議院議員通常選挙(以下「本件選挙」という)について,鳥取県及び島根県参議院合同選挙区の選挙人である原告が,平成27年法律第60号による改正後の公職選挙法14条1項,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟である。
2 前提事実
争いのない事実並びに証拠(個別に掲記する。)及び弁論の全趣旨により認められる本件の前提となる事実は,次のとおりである。
(1) 当事者
原告は,本件選挙の鳥取県及び島根県参議院合同選挙区の選挙人である。
(2) 平成25年選挙までの経緯
ア 参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)は,参議院議員の選挙について,参議院議員250人を全国選出議員100人と地方選出議員150人とに区分し,全国選出議員については,全都道府県の区域を通じて選出されるものとする一方,地方選出議員については,その選挙区及び各選挙区における議員定数を別表で定め,都道府県を単位とする選挙区において選出されるものとした。そして,各選挙区ごとの議員定数については,定数を偶数としてその最小限を2人とする方針の下に,昭和21年当時の人口に基づき,各選挙区の人口に比例する形で,2人ないし8人の偶数の議員定数を配分した。昭和25年に制定された公職選挙法の参議院議員定数配分規定は,以上のような選挙制度の仕組みに基づく参議院議員選挙法の議員定数配分規定をそのまま引き継いだものであり,その後,沖縄返還に伴って沖縄県選挙区の議員定数2人が付加されたほかは,平成6年法律第47号による公職選挙法の改正(以下「平成6年改正」という。)まで上記定数配分規定に変更がなかった。なお,昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正で,参議院議員選挙についていわゆる拘束名簿式比例代表制が導入され,比例代表選出議員100人と都道府県を単位とする選挙区ごとに選出される選挙区選出議員152人とに区分されることになったが,比例代表選出議員は,全都道府県を通じて選出されるものであって,各選挙人の投票価値に差異がない点においては,従来の全国選出議員と同様であり,また,選挙区選出議員も,従来の地方選出議員の名称が変更されたものにすぎず,上記の改正によって,参議院議員の選挙制度の仕組み自体に変更はなかった。
イ 参議院議員選挙法制定当時,選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差(以下,各立法・改正当時等の「選挙区間の最大較差」というときは,この人口の最大較差をいう。)は2.62倍(以下,較差に関する数値は,全て概数である。)であったが,人口変動により次第に拡大を続け,昭和52年に施行された参議院議員通常選挙(以下,施行の時期を問わず「通常選挙」という。)の選挙区間の最大較差は,5.26倍に拡大し,平成4年に施行された参議院議員通常選挙(以下,この通常選挙を「平成4年選挙」といい,以下の通常選挙についても初出以外は同様にいう。)当時,選挙区間の最大較差が6.59倍に達した。平成6年改正により,参議院議員の総定数252人及び選挙区選出議員152人を増減しないまま,7選挙区の定数を8増8減する措置により,平成2年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は4.81倍に縮小し,いわゆる逆転現象(人口又は選挙人数において少ない選挙区が多い選挙区よりも多くの議員定数を配分されている状態)は,一旦解消した。その後,平成12年法律第118号による公職選挙法の改正(以下「平成12年改正」という。)により,比例代表選出議員の選挙制度がいわゆる非拘束名簿式比例代表制に改められるとともに,参議院議員の総定数が10人削減されて242人とされ,選挙区選出議員の定数が6人削減されて146人に,比例代表選出議員の定数が4人削減されて96人になり,平成6年改正後に再び生じたいわゆる逆転現象は解消した。そして,平成18年法律第52号による公職選挙法の改正(以下「平成18年改正」という。)により,選挙区選出議員の定数が4増4減された。
平成6年改正以降も数次の改正があったが,各改正による定数配分規定の下での各通常選挙当時の選挙区間の最大較差は5倍前後で推移した。
ウ 最高裁判所大法廷は,定数配分規定の合憲性に関し,選挙区間の最大較差が6.59倍に達した平成4年選挙について,違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた旨判示したものの(最高裁平成6年(行ツ)第59号同8年9月11日大法廷判決・民集50巻8号2283頁),平成6年改正後の定数配分規定の下で施行された2回の通常選挙については,最高裁昭和54年(行ツ)第65号同58年4月27日大法廷判決・民集37巻3号345頁(以下「昭和58年大法廷判決」)において昭和52年に施行された通常選挙について判示したところと同様に,上記の状態に至っていたとはいえない旨判示した(最高裁平成9年(行ツ)第104号同10年9月2日大法廷判決・民集52巻6号1373頁,最高裁平成11年(行ツ)第241号同12年9月6日大法廷判決・民集54巻7号1997頁)。
その後,平成12年改正後の定数配分規定の下で施行された2回の通常選挙及び平成18年改正後の定数配分規定(以下,平成24年法律第94号による改正前のものを「旧々定数配分規定」という。)の下で平成19年に施行された通常選挙のいずれについても,最高裁判所大法廷は,上記の状態に至っていたか否かにつき明示的に判示することなく,結論において当該各定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえない旨の判断を示した(最高裁平成15年(行ツ)第24号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号56頁,最高裁平成17年(行ツ)第247号同18年10月4日大法廷判決・民集60巻8号2696頁,最高裁平成20年(行ツ)第209号同21年9月30日大法廷判決・民集63巻7号1520頁)。ただし,上掲最高裁平成18年10月4日大法廷判決においては,投票価値の平等の重要性を考慮すると投票価値の不平等の是正について国会における不断の努力が望まれる旨の,上掲最高裁平成21年9月30日大法廷判決においては,当時の較差が投票価値の平等という観点からはなお大きな不平等が存する状態であって,選挙区間における投票価値の較差の縮小を図ることが求められる状況にあり,最大較差の大幅な縮小を図るためには現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となる旨の指摘がそれぞれされた。
エ 上掲最高裁平成16年1月14日大法廷判決を受けて同年12月1日に参議院議長の諮問機関である参議院改革協議会の下に設けられた選挙制度に係る専門委員会が,各種の是正案を検討した上で平成17年10月に同協議会に提出した報告書(以下「平成17年専門委員会報告書」という。)では,現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の定数を振り替える措置により較差の是正を図ったとしても,選挙区間の最大較差を4倍以内に抑えることは相当の困難がある旨の意見が示された。
また,平成18年改正により同報告書の提案に係る前記4増4減の措置が採られた後,平成20年6月に改めて参議院改革協議会の下に設置された専門委員会においては,平成22年5月までの協議を経て,平成25年に施行される通常選挙に向けて選挙制度の見直しの検討を開始することとされ,平成23年中の公職選挙法の改正法案の提出を目途とする旨の工程表が示されたものの,具体的な較差の是正が見送られた結果,平成22年7月11日,選挙区間の最大較差が5.00倍になった状況において,旧々定数配分規定の下で2回目となる通常選挙が施行された。平成22年選挙後,平成21年大法廷判決の指摘を踏まえた選挙制度の仕組みの見直しを含む制度改革に向けた検討のため,参議院に選挙制度の改革に関する検討会が発足し,その会議において参議院議長から上記改革の検討の基礎となる案が提案され,平成23年以降,各政党からも様々な改正案が発表されるなどしたが,上記改革の方向性に係る各政党の意見は区々に分かれて集約されない状況が続き,同年12月以降の同検討会及びその下に設置された選挙制度協議会における検討を経て,平成24年8月に当面の選挙区間の最大較差の拡大を抑える措置として公職選挙法の一部を改正する法律案が国会に提出された。その内容は,平成25年7月に施行される通常選挙に向けた改正として選挙区選出議員について4選挙区で定数を4増4減するものであり,その附則には,平成28年に施行される通常選挙に向けて,選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,結論を得るものとする旨の規定が置かれていた(上記4増4減の改正が行われたとしても,平成22年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は,4.75倍であった。)。
オ 平成22年選挙につき,最高裁平成23年(行ツ)第51号同24年10月17日大法廷判決・民集66巻10号3357頁(以下「平成24年大法廷判決」という。)は,結論において同選挙当時における旧々定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとしたものの,長年にわたる制度及び社会状況の変化を踏まえ,都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の要求に応えていくことはもはや著しく困難な状況に至っていることなどに照らし,違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた旨判示するとともに,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ,できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる上記の不平等状態を解消する必要がある旨を指摘した。
カ 上記エの公職選挙法の一部を改正する法律案は,平成24年11月16日,平成24年法律第94号(以下「平成24年改正法」という。)として成立し,同月26日に施行された(以下,平成24年改正法による改正後の定数配分規定を「旧定数配分規定」という。)。同月以降,選挙制度協議会において平成24年大法廷判決を受けて選挙制度の改革に関する検討が行われ,参議院各政党の提案の中には,投票価値の不均衡を是正する改正案として,①人口の少ない一定数の県の選挙区を隣接区と合区してその定数を削減し,人口の多い一定数の都道府県の選挙区の定数を増やす案(いわゆる合区制案)や,②選挙区の単位を都道府県に代えてより広域な区域に改める案(いわゆるブロック制案)等が含まれていた(なお,これらの案は,平成17年専門委員会報告書にも,選挙制度の改正の選択肢の例として挙げられていた。)。平成25年6月,選挙制度の改革に関する検討会において,選挙制度協議会の座長から参議院議長及び参議院各政党に対し,平成24年改正法附則3条の定めに従い,平成28年7月に施行される通常選挙から新選挙制度を適用すべく,平成26年度中に選挙制度の仕組みの見直しを内容とする改革の成案を得た上で,平成27年中の公職選挙法改正の成立を目指して検討を進める旨の工程表が示された。
キ 平成25年7月21日,旧定数配分規定の下,平成25年通常選挙が施行された。平成25年選挙当時の選挙区間の最大較差は,4.77倍であった。
ク 平成25年9月,参議院において平成25年選挙後に改めて選挙制度の改革に関する検討会が開かれ,平成27年中の公職選挙法改正の成立を目指すことが確認された。
(以上,甲1ないし4,乙2,3,5,6)
(3) 平成26年大法廷判決
最高裁平成26年(行ツ)第155号,第156号同年11月26日大法廷判決・民集68巻9号1363頁(以下「平成26年大法廷判決」という。)は,平成25年選挙について,選挙区間における投票価値の不均衡は,平成24年改正法による改正後も平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態に至っていたものではあるが,平成22年選挙について前記(2)オの判示をした平成24年大法廷判決の言渡しの日から平成25年選挙の施行日まで約9か月の間に,各政党等の意見が区々に分かれて集約されない状況等の下で,具体的な改正案の立案と法改正の手続と作業を了することは,実現の困難な事柄であったこと,平成24年改正法が平成28年に施行される通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い結論を得るものとする旨附則に定め,平成24年大法廷判決の趣旨に沿った方向で選挙制度の仕組みの見直しを内容とする法改正の上記選挙までの成立を目指すなどの検討の方針や工程を示しつつその見直しの検討が行われてきていることを考慮し,平成25年選挙までの間に更に平成24年改正法の見直しを内容とする法改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものということはできないとした。もっとも,平成26年大法廷判決は,これに併せて,都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みが,参議院議員の選挙制度が設けられてから長年にわたる制度及び社会状況の変化(参議院を巡る政党化の進展や衆議院との同質化,機能・役割の増大等今日までの経時的な変化)を踏まえて,より一層投票価値の平等が求められるようになったとし,都道府県を選挙区単位とすることがそもそも憲法上要請されてはいないこと,長年にわたる選挙区間の最大較差が5倍程度であったことも考慮すると,もはやそのような較差の継続を正当化する十分な根拠を維持し得なくなっているとして,従来の改正のように単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず,国会において,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲の問題が生じる前記の不平等状態が解消される必要がある旨指摘した。
(4) 平成27年改正法と本件選挙
ア 平成24年大法廷判決の趣旨を踏まえ,参議院の選挙制度の改革に関する検討会及びその下に設置された選挙制度協議会並びに各政党内及び政党間において,前記(2)カ,クの経緯を踏まえた具体的な改革案の集約に向けた検討と協議が進められたが,選挙制度協議会は,平成25年9月27日から平成26年11月21日まで合計29回にわたって協議を重ねたものの,各政党の意見集約に至らず,同年12月26日,都道府県選挙区制の堅持を謳う案から全てブロック制とする案までの多岐にわたる各政党から示された改革案を併記する形で作成した選挙制度協議会報告書を参議院議長に提出した。
上記検討会は,同報告書の提出を受け,平成26年大法廷判決の趣旨を踏まえ,平成27年2月25日から同年5月29日まで計4回協議を重ねたが,やはり各政党が一致する結論を得られなかったことから,上記検討会としては区切りをつけ,委員会及び本会議で結論を出していくこととされた。
イ 平成27年7月28日,都道府県を各選挙区の単位とする従来の選挙制度の仕組みを一部改め,人口の少ない一定数の県の選挙区を隣接県の選挙区と合区してその定数を削減し(いわゆる合区制。なお,法律案としては,①「4県2合区を含む10増10減」の改正案と②「20県10合区による12増12減」の改正案が提出されたが,先に上記①が多数をもって可決され,上記②は議決を要しないとされた。),これに一定数の選挙区の定数の増減を組み合わせて選挙区間の最大較差を縮小する方式を初めて採用した公職選挙法を一部改正する平成27年法律第60号(以下「平成27年改正法」といい,同改正法による改正後の定数配分規定を「本件定数配分規定」という。)が成立し,同年11月5日施行された。平成27年改正法は,(1)本則において,①定数2の県のうち議員1人当たりの人口の最も少ない4県(2組の隣接2県。鳥取・島根,徳島・高知)の各選挙区を合併して,合区後の2選挙区の定数を各2とし(定数4減),②定数4の県のうち議員1人当たりの人口の最も少ない3県(宮城,新潟,長野)の各選挙区の定数を各2とし(定数6減),③議員1人当たりの人口の最も多い1都1道3県(東京,北海道,愛知,兵庫,福岡)の各選挙区の定数を各2増やすこと(定数10増)を内容とする改正(10増10減の改正)を行い,(2)附則において,平成31年に行われる通常選挙に向けて,参議院の在り方を踏まえて,選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,必ず結論を得るものとする旨定めている(附則7条)。
平成27年改正法の発議者は,平成27年改正法が合区を設けた理由について,平成26年大法廷判決により,投票価値の不均衡が違憲状態であり,選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲状態を速やかに解消されることを求められている,都道府県単位の選挙制度が地方の意見を国政に反映させる重要な役割を果たしてきたことを十分に踏まえつつ,憲法が求める投票価値の平等の要請に応える,憲法制定直後に制定された参議院議員選挙法に基づく最初の参議院議員選挙における選挙区間の最大較差は2.62倍であり,憲法は,制定当時から同較差が2倍台あることを許容していたと考えられると説明している。本件定数配分規定の下,平成22年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は2.97倍に縮小することとなった(なお,20県10合区(12増12減)の改正案の場合,最大較差は1.95倍であった。)。(乙3,4,7ないし9,10,11の1~3)
ウ 平成28年7月10日,本件定数配分規定の下で初めての参議院議員通常選挙として,本件選挙が施行された。本件選挙当日における選挙区間の最大較差は,福井県選挙区と埼玉県選挙区との間の3.08倍であった(なお,以下,本件選挙の選挙区間の最大較差は,本件選挙施行当日の3.08倍と平成22年施行の国政調査時の2.97倍とを併せて「約3倍」ということがある。)。(乙1)
3 争点及びこれに関する当事者の主張
本件の争点は,参議院(選挙区選出)議員に係る本件定数配分規定が,憲法の規定に反して違憲であるために,本件定数配分規定の下での本件選挙の鳥取県及び島根県参議院合同選挙区における選挙が無効か否かであり,これに関する当事者の主張は,次のとおりである。
(原告の主張)
(1) 憲法適合性判断の枠組み
後記のとおり,本件選挙は,非人口比例選挙であり,投票価値の平等に反して違憲である。選挙は,憲法98条1項の「国務に関するその他の行為」に該当するから,違憲の本件選挙は,憲法98条1項により,無効とされるべきものである。
ところで,平成26年大法廷判決は,平成25年選挙について,選挙区間における投票価値の不均衡は違憲状態である旨判示したが,結果として,いわゆる「合理的期間の判例法理」により,本件定数配分規定を違憲・当該選挙を無効としなかった。しかし,「合理的期間の判例法理」は,国会活動の正統性のない議員が国会立法等を行うという憲法の全く予定しない事態を許容するものであって,憲法98条1項に反し,無効である。
(2) 人口比例選挙の保障・投票価値の平等違反
憲法前文1文は,「日本国民は,正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し,」及び「ここに主権が国民に存することを宣言し,」とそれぞれ規定し,憲法1条でも,「主権が国民に存する」と規定しており,主権者たる日本国民は,正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するのであって,国会における代表者が行動するのではない。そして,憲法56条2項は,両議院の議事は出席議員の過半数でこれを決すると規定しているが,非人口比例選挙では,少数の国民が多数の国会議員を選出し,多数の国会議員の意見が多数の国民の意見に勝利すること,すなわち主権者は国会議員であるということを容認する結果となる。国民主権を前提とする以上,両議院の議事を決する過半数の出席議員を選出する主権者の数は,必ず全出席議員を選出する主権者の数の過半数でなければならず,そのためには人口比例選挙以外の制度はあり得ない。本件選挙時における選挙区間の最大較差は,福井県選挙区と埼玉県選挙区との間で最大3.069倍(訴状添付の別表の数字で,これは平成27年9月2日現在での有権者数に基づく人口較差を指す。)あったもので,人口比例選挙の保障・投票価値の平等に明らかに違反している。
(3) 合理的期間の徒過
仮に「合理的期間の判例法理」を前提としたとしても,衆議院でも参議院でも,選挙区の改正は,実務上の技術的側面に限って言えば,本質的な差異はない。衆議院について,衆議院議員選挙区画定審議会設置法(平成6年法律第3号。)4条1項により同審議会による選挙区の改正案の作成及び内閣総理大臣への勧告は,10年ごとに行われる国勢調査の結果による人口が,最初に官報で公布された日から1年以内に行うものとされていること,衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律(平成24年法律第95号。以下「緊急是正法」という。)附則4条3項においても,平成22年の国勢調査の結果に基づく衆議院の小選挙区の改定案の作成については,審議会の勧告は,緊急是正法の施行の日から6月以内においてできるだけ速やかに行うものとされていたことに照らすと,参議院についても,国会が違憲状態を知った平成24年大法廷判決の判決日(平成24年10月17日)から3年10か月弱後に実施された本件選挙日の時点では合理的期間は,徒過していると解される。
(被告の主張)
(1) 憲法適合性判断の枠組みについて
原告の指摘する最高裁判所大法廷判決が存在することは認め,その余は争う。
(2) 人口比例選挙の保障・投票価値の平等違反について
平成27年改正法は,都道府県単位の選挙制度が果たしてきた役割の重要性等を踏まえつつ,憲法が求める投票価値の平等の要請に応えるため,一部の選挙区について2つの県を合わせた合区を創設する一方で,選挙区選出議員について,都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を原則として維持し,もってその代表の実質的内容ないし機能に衆議院議員と異なる独特の要素を持たせようとしたものと解される。その結果,平成22年国勢調査の結果に基づく選挙区間の最大較差において2.97倍に縮小され,本件選挙当日の選挙区間の最大較差においても3.08倍と3倍を僅かに超えるにとどまり,その余の較差はいずれも3倍未満となるなど,投票価値の較差は最高裁判所大法廷判決の趣旨に沿って大幅に縮小されたものである。
平成27年改正法が参議院の選挙区選出議員について都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を原則として維持したことは,地方の民意を含む多角的な民意の反映を可能とするものであるから,憲法が二院制を採用した趣旨に沿うものといえる。少数者の声も国政に届くような定数配分規定を定めることもまた,国会において正当に考慮することができる政策的目的ないし理由となるものというべきである。以上の諸点に,参議院議員については,憲法上,3年ごとに議員の半数を改選するものとされ(46条),定数の偶数配分が求められるなどの技術的制約があること等を併せ考慮すると,本件選挙当時,本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は,投票価値の平等の重要性に照らして看過し得ない程度に達しているとはいえず,仮に同程度に達しているとしても,これを正当化すべき理由があるというべきであるから,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたとはいえない。
(3) 合理的期間の徒過について
平成27年改正法は,最高裁判所大法廷判決の趣旨を踏まえて都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを改め,投票価値の較差を大幅に縮小させたものである。そして,本件選挙は,平成27年改正法により新たに定められた本件定数配分規定に基づく初めての選挙であって,本件選挙までの間に,裁判所において本件定数配分規定に基づく選挙区間における投票価値の不均衡について違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の判断が示されたことはなく,また,本件定数配分規定における選挙区間の最大較差約3倍は,これまでの累次の最高裁判所判決の事案において合憲とされた選挙区間の最大較差を大幅に下回るものであったことからすれば,国会において,本件選挙までの間に上記の不平等状態に至っていたことを認識し得たとは到底いえない。そうすると,仮に本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡について違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたと評価されたとしても,国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものでなかったとは認められないから,本件選挙までの期間内に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえない。
第3 当裁判所の判断
1 憲法適合性判断の枠組みについて
(1) 憲法は,選挙権の内容の平等,換言すれば投票価値の平等を要求しているものと解される。他方,国会の両議院の議員の選挙については,憲法上,議員の定数,選挙区,投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めるべきものとされ(43条2項,47条),選挙制度の仕組みの決定について国会の広範な裁量に委ねていることに鑑みると,投票価値の平等は,選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準ではなく,国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものである。
そして,選挙制度の仕組みは,事柄の性質上,投票価値を基礎づける人口の増減・分布の変動や,投票価値の平等と緊張関係にある上記正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由とされた立法事実の変化に対応していくことが求められるのであるが,憲法秩序における司法権と立法権との関係の下において,裁判所が,当該選挙制度について投票価値の平等の観点から憲法上問題がある状況に至っていると認めたとしても,自らこれに代わる具体的な制度を定め得るものではなく,その是正は国会の立法によって行われ,具体的な是正の方法についても国会の裁量判断を憲法は想定していると解される。
そうすると,裁判所が選挙制度の憲法適合性を判断するにあたっては,①当該定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡が,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか否か,②上記の状態に至っている場合に,当該選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして当該定数配分規定が憲法に違反するに至っているか否かという判断の枠組みの中で審査を行うべきであり,また,当該選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かを判断するに当たっては,単に期間の長短のみならず,是正のために採るべき措置の内容,そのために検討を要する事項,実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して,国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものであったといえるか否かという観点に立って評価すべきものと解される(最高裁平成25年(行ツ)第209号,第210号,第211号同年11月20日大法廷判決・民集67巻8号1503頁,平成26年大法廷判決参照。以下,上記②の考慮を「合理的期間論」と呼称することがある。)。
(2) 原告は,「合理的期間の判例法理」(合理的期間論と同旨と解される。)は憲法98条1項に反し,無効であると主張する。しかし,合理的期間論は,憲法秩序に組み込まれている司法権と立法権との関係等に沿うものであって,原告の上記主張は採用できない。
(3) なお,原告は,違憲状態である無効な選挙で選ばれた国会議員は,国会活動の正統性を欠如していると主張しているところである。その主張が,違憲で無効な平成25年選挙で当選した参議院議員が関与して制定された平成27年改正法は無効であり,したがって,平成27年改正法の本件定数配分規定の下の本件選挙は無効であると主張するものであると解したとしても,平成26年大法廷判決が判断するとおり,平成25年選挙は,違憲状態ではあるが無効とはいえず,原告の主張は,前提を欠くものであり,失当である。
2 人口比例選挙の保障・投票価値の平等違反について
(1) まず,本件定数配分規定の選挙区間における投票価値の不均衡が,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか否かについて検討する。
憲法は,二院制の下で,一定の事項について衆議院の優越を認める反面,参議院議員につき任期を6年の長期とし,解散もなく,選挙は3年ごとにその半数について行うことを定めており(45条,46条,59条ないし61条),その趣旨は,立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与えつつ,参議院議員の任期をより長期とすること等によって,多角的かつ長期的な視点からの民意を反映させ,衆議院との権限の抑制,均衡を図り,国政の運営の安定性,継続性を確保しようとしたものと解される。前提事実(2)の参議院議員の選挙制度の変遷を衆議院議員の選挙制度の変遷と対比してみると,両議院とも政党に重きを置いた選挙制度を旨とする改正が行われている上,都道府県又はそれを細分化した地域を選挙区とする選挙と,より広範な地域を選挙の単位とする比例代表選挙との組合せという類似した選出方法が採られ,その結果として衆議院と同質的な選挙制度となってきており,急速に変化する社会の情勢の下で,議員の長い任期を背景に国政の運営における参議院の役割がこれまでにも増して大きくなってきていることに加えて,憲法43条1項の下,両議院の議員たる地位は同質であるところ,衆議院については,投票価値の平等の要請に対する制度的な配慮として,選挙区間の人口較差が2倍未満となることを基本とする旨の区割りの基準が定められていること(衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条)に照らすと,参議院についても,二院制に係る上記の憲法の趣旨との調和の下に更に適切に民意が反映されるような投票価値の平等の要請について十分に配慮することが求められる。
都道府県単位の選挙区についてみると,参議院については,衆議院と同様,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するとされ(43条1項),参議院議員を地域別代表とすることは憲法の予定しないところである。もっとも,都道府県が歴史的にも政治的,経済的,社会的にも独自の意義と実体を有し,政治的に一つのまとまりを有する単位として捉え得ることに照らし,参議院について,国会の裁量で都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度を採用すること自体は憲法上許容され,過去には当該制度に相応の合理性があったことも否定できないが(昭和58年大法廷判決参照),他方で,都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度が憲法上要請されているということもできず,むしろ,都道府県を選挙区の単位として固定する結果,その間の人口格差に起因して投票価値の大きな不平等状態が長期にわたって継続している状況の下では,都道府県の意義や実体等をもって都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の合理性を基礎づけることもできないというべきである。さらに,選出された議員の活動に対し政党による党議拘束が禁止されていない状況等も踏まえれば,単に選挙区を都道府県単位とすることを持って,直ちに当該都道府県の民意が国政に反映されているともいい難いのが現状であると考えられる。以上の点に鑑みれば,都道府県を単位として選挙区とすることを基本として残しながら,選挙区間の投票価値の平等を犠牲にすることはもはや憲法上許されないというべきである。
(2) 参議院における投票価値の平等を,選挙区間の最大較差でみると,参議院においては,都道府県間の人口較差が著しく拡大したため,参議院議員選挙法制定当時の選挙区間の最大較差が2.62倍であったのが,平成4年選挙の際の選挙区間の最大較差が6.59倍に達し,数次の改正を経ても,選挙区間の最大較差は,5倍前後で推移し,平成25年選挙でも選挙区間の最大較差は,4.77倍であった。平成25年選挙に関する平成26年大法廷判決は,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの現行の選挙制度の仕組み自体の見直しの必要性を指摘し,その後の平成27年改正法の本件定数配分規定では,4県についての合区制を含む10増10減が内容とされたものの,本件定数配分規定の下での本件選挙にあっては,従前よりも大幅に選挙区間の最大較差は縮小したものの,選挙区間の最大較差は,約3倍であった。
二院制の趣旨である多角的かつ長期的な視点からの民意を適切に国政に反映させるために,選挙区割りや選挙の時期を衆議院と参議院とで異なるものとすることはその趣旨に適うものであるが,衆議院議員と参議院議員のいずれの選挙の場合も民意の反映を目的とする以上,投票価値の平等が担保されることは本来的に共通の基盤とされるべきこと等に鑑みれば,参議院議員の選挙であること自体から,直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。そして,本件選挙にあっては,長期間にわたって5倍前後の選挙区間の最大較差が継続したのと比べて,その程度は大幅に減少したものの,今なお3倍を超える選挙区間の最大較差が存在しているものである。これは,衆議院において,選挙区間の最大較差が2倍未満となることを基本とする区割りの基準が定められていることと比較しても大きな開きがあることは歴然としている上,5倍前後の期間を含めれば3倍以上という大きな倍率の選挙区間の最大較差は長期間継続しているとみられる。その上,都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るという要求に応えていくことは著しく困難な状態にあるとの指摘を平成26年大法廷判決でも指摘を受けながら(平成26年大法廷判決において,その指摘が従前からなされていることも説示されている。),平成27年改正法の発議に当たって,都道府県単位の選挙制度が地方の意見を国政に反映させる重要な役割を果たしてきたことを十分に踏まえつつ,憲法が求める投票価値の平等の要請に応えるためと説明されており(前提事実(4)イ),結局のところ,一部に都道府県の枠を超える合区制を採り入れたとはいえ,都道府県単位の選挙区を基本として,投票価値の平等を犠牲にしたものとみざるを得ず,前記のとおり,憲法上もはや許されないといわざるを得ない。しかも,国会における投票の結果によるとはいえ,平成22年の国勢調査による選挙区間の最大較差が1.95倍である20県10合区(12増12減)を採るのではなく,より投票価値の不平等が大きい同較差が約3倍である4県2合区(10増10減)を採用したものである。
以上の点に鑑みると,本件定数配分規定の下に実施された本件選挙における選挙区間の投票価値の不均衡は,これを正当化する理由がない限り,違憲の問題が生じる程度の著しい不平等の状態にあったものというべきである。
(3)ア 選挙区間の投票価値の不平等を正当化する理由について,被告は,平成27年改正法は,参議院の選挙区選出議員について,都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を原則として維持しつつ,一部の選挙区について2つの県を合区することで,本件定数配分規定における選挙区間の最大較差は約3倍に縮小されており,本件定数配分規定の下で投票価値の不均衡は,投票価値の平等の重要性に照らして看過し得ない程度に達しているとはいえず,仮に同程度に達しているとしても,これを正当化すべき理由があるというべきであるから,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたとはいえない旨主張する。
この点,前提事実(4)イのとおり,平成27年改正法について,その発議者は,平成26年大法廷判決により,選挙制度の見直しを内容とする立法的措置により違憲状態が速やかに解消されることを求められている,都道府県単位の選挙制度が地方の意見を国政に反映させる重要な役割を果たしてきたことを十分に踏まえつつ,憲法が求める投票価値の平等の要請に応えるためである,憲法は制定当時から選挙区間の最大較差が2倍台であることを許容していたと考えられると説明しており,実際に20県10合区(12増12減)の改正案等,より投票価値の平等に配慮した選択肢もありながらも,4県2合区のみを採用したこと等に鑑みれば,国会としては,2倍台でさえあれば,基本的に都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを維持することも平成26年大法廷判決で示された司法の判断の趣旨に反しないという認識の下に,平成27年改正法を成立させたことがうかがわれる。
イ 確かに,平成27年改正法によって,投票価値の不均衡は,選挙区間の最大較差が長期間にわたる5倍程度から約3倍に大幅に減縮されている。しかしながら,約3倍であれば,選挙区間の投票価値の不均衡があっても,違憲の問題が生じる不平等状態にならないとする合理的な根拠を欠くというべきである(平成26年大法廷判決も,選挙区間の量大較差が3倍程度であれば,違憲の問題が生ずる不平等状態にならないとうかがわせるような説示はしていない。)。参議院議員選挙法の下での選挙区間の最大較差は2.62倍であり,比較的近似しているものの,(1)に述べたような参議院を巡る状況の変化に伴い,更に適切に民意が反映されるような投票価値の平等について十分に配慮することが求められているのであるから,昭和22年制定の法律による選挙区間の最大較差の数値をもって,平成28年の本件選挙における選挙区間の最大較差が約3倍程度であれば投票価値の不平等が是認されるということはできない。
また,被告は,平成27年改正法は,参議院の選挙区選出議員について,都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を維持することを挙げ,平成27年改正法の発議者も,改正の理由として同旨の説明をしたことは前提事実のとおりである。しかし,合区制が採られた4県の住民については,都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映されることが保障されないことになり,矛盾しているといわざるを得ない。
さらに,平成27年改正法は,その立法過程において,より投票価値の不均衡を減縮させる20県10合区(12増12減)の案もありながら,何故3倍程度の較差を許容することになったのかという点について,合理的な根拠があったとはうかがえない(発議者が挙げていた参議院議員選挙法下での選挙区間の最大較差がその理由たり得ないことは上記のとおりである。)
また,都道府県単位の選挙区を基本的に残しながら,約3倍の選挙区間の最大較差をもって違憲の問題が生じる不平等状態にはないとしてこれを是認することは,憲法上の要請ではない都道府県代表を理由に,参議院議員につき今後も3倍程度の投票価値の較差を維持・固定化することになり,結局のところ,憲法上の要請ではない都道府県代表を理由に,選挙区間の投票価値の平等を犠牲にすることになり,もはや憲法上許されないというべきである。
ウ 平成26年大法廷判決は,憲法の要請する投票価値の平等の制約となる要素として国会において考慮された事情にその制約を正当化し得る合理性があるか否かという質的な観点から検討を行い,参議院議員の選挙制度が設けられてから60年余にわたる参議院を巡る政党化の進展や衆議院との同質化,機能・役割の増大等の変化を踏まえ,都道府県を選挙区単位とすることがそもそも憲法上要請されてはいないことも考慮すると,もはや都道府県の意義や実体等をもって,憲法上保障された投票価値の平等を犠牲にすることは合理性を基礎付けるに足りなくなっているとして,「一部の選挙区の定数の増減にとどまらず,都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組み自体の見直し」を求めていたものである。ところが,本件定数配分規定は,都道府県単位での選挙区の合理性を依然有効なものとした上で,4県2合区以外の選挙区を従前のまま温存し,なおも3倍程度の投票価値の較差を是認したものであり,その制度設計の基本的な方向性において上記大法廷判決の趣旨を踏まえたものとはいい難い。
エ したがって,被告の主張を採ることはできない。
(4) よって,参議院議員については,憲法上,3年ごとに議員の半数を改選するものとされ(46条),定数の偶数配分が求められるなど,衆議院議員と異なる制約があるとしても,選挙区間の最大較差約3倍の投票価値の不平等について,他にその投票価値の平等からの乖離を基礎付ける合理的説明も提示されていない以上,本件定数配分規定は,違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態が解消されていないと評するほかない。
3 合理的期間論の是非及び合理的期間経過の有無について
(1) 前記1(1)のとおり,選挙制度の憲法適合性を判断するにあたっては,投票価値の不平等が違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態になったとしても当該選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして当該定数配分規定が憲法に違反するに至っているか否かという判断の枠組みの中で審査を行うべきであり,また,当該選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かを判断するに当たっては,単に期間の長短のみならず,是正のために採るべき措置の内容,そのために検討を要する事項,実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して,国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものであったといえるか否かという観点に立って評価すべきものと解する。この点,合理的期間論自体を違憲とする原告の主張が採用できないのは,前記1(2)のとおりである。
(2) 本件選挙について,本件選挙までに違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態の是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かについて検討する。
参議院議員の選挙における投票価値の不均衡について,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているとし,その解消のために選挙制度の仕組み自体の見直しが必要であるとする最高裁判所の判断が示されたのは,平成26年大法廷判決も指摘するように,平成24年大法廷判決の言渡しがされた平成24年10月17日であり,国会において上記の状態に至っていると認識し得たのはこの時点からであったというべきである。国会は,同時点から,この違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態を解消するためには,単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講ずることが求められていたのである。
そして,平成24年11月16日に4増4減を内容とする旧定数配分規定を定めた平成24年改正法が成立したものの,これは,都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを維持して一部の選挙区の定数を増減するにとどまったものであり,平成26年大法廷判決は,同改正後の平成25年選挙につき,旧定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとしたものの,平成24年改正法が平成28年に施行される通常選挙(本件選挙)に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い結論を得るものとする旨附則に定め,平成24年大法廷判決の趣旨に沿った方向で見直しの検討が行われてきていること等を考慮し,旧定数配分規定が改正されなかったことは国会の裁量権の限界を超えるものということはできないとしていたところ,前記2のとおり,平成27年改正法は違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態を解消するものではなく,結局,上記附則に定めた本件選挙までの選挙制度の抜本的な見直しも実現されなかったというほかない。
(3) しかし,選挙制度の仕組み自体の見直しについては,参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が求められるなど,事柄の性質上課題も多いため,その検討に相応の時間を要することは認めざるを得ず,また,参議院の各政党による協議を経て改正の方向性や制度設計の方針を策定し,具体的な改正案を立案して法改正を実現していくためには,これらの各過程における諸々の手続や作業が必要となる。そして,前提事実(4)アのとおり,平成24年大法廷判決及び平成26年大法廷判決の趣旨を踏まえ,平成25年9月から平成27年5月まで,参議院の選挙制度の改革に関する協議会及び検討会が繰り返し開催されたものの,各政党の意見は一致せず,その中では既存の都道府県選挙区制の堅持を訴える意見も主張されるなど,その調整が相当に困難であったと認められる。また,平成26年大法廷判決については,昭和58年大法廷判決等が大きな投票価値の較差を許容していたことに関して,「都道府県が地方における一つのまとまりを有する行政等の単位であるという限度において相応の合理性を有していたことは否定し難い」と理解を示しつつ,その上で,都道府県の意義や実体等が「数十年間にもわたり5倍前後の大きな較差が継続することを正当化する理由としては」十分なものとはいえなくなっているものといわざるを得ないと判示しているところ,文言に限って読めば,投票価値の較差が5倍前後のように大きくなければ,なお今日においても,都道府県の意義や実体等を理由にその較差を正当化し得るかのようにも解釈する余地があるため(このような解釈を取り得ないのは,前記2のとおりである。),国会としては,各政党の意見がなかなか一致せず,既存の都道府県選挙区制の堅持を訴える意見も依然として主張される中で,各政党の意見を最大公約数的に集約し,平成26年大法廷判決の趣旨にできる限り応えようと苦心したこともうかがわれる。平成27年改正法附則7条が,平成31年に行われる通常選挙に向けて,参議院の在り方を踏まえて,選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,必ず結論を得るものとしていることも,平成27年改正法の審議の中で,上記のように平成26年大法廷判決の趣旨を限定的に解釈することに疑義が提出されていたことから(乙7),同附則を置くことによって,本訴訟において投票価値の著しい不平等状態が解消されたとの司法判断が示されれば格別,仮に再度未だそれが解消されていないとの判断が示された場合には,国会として更なる抜本改正の用意のあることを示したものと解される。
以上に鑑みると,平成27年改正法に至るまでの国会における是正の実現に向けた取組は,結果として,平成26年大法廷判決の趣旨に応えきれるものではなく,翻って平成24年改正法附則に定めた平成28年通常選挙(本件選挙)までに選挙制度の抜本的な見直しが実現できたとはいい難いものの,国会としては,平成24年大法廷判決及び平成26年大法廷判決の指摘に応えるべく検討会及び協議会を開催し,困難な各政党の意見調整等に尽力し,平成27年改正法の成立によって投票価値の較差についても,5倍程度あったものから約3倍まで縮減させるなどの一定の成果を生むに至ったもので,更に今後も平成31年に施行される通常選挙に向けて選挙制度のより抜本的な見直しについて「必ず結論を得る」との姿勢を示していることに鑑みれば,国会の裁量権の行使の在り方として相当なものでなかったということはできず,本件において憲法上許容された合理的期間を徒過したものと断ずることはできない。
(4) 原告は,仮に合理的期間論を採用するとしても,実務上の技術的側面に限って言えば,衆議院も参議院も選挙区の改正に本質的な差異はないとして,衆議院につき,緊急是正法が平成22年の国勢調査の結果に基づく衆議院の小選挙区の改定案作成について,同法の施行の日から6月以内の審議会勧告を求めていること等から,平成24年大法廷判決の判決日から3年10か月弱後である本件選挙日の時点では合理的期間が徒過していた旨主張するが,前記1(1)のとおり,当該選挙までの期間内にその是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるといえるか否かは,単に期間の長短のみならず,是正のために採るべき措置の内容,そのために検討を要する事項,実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して,国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものであった否かの観点から検討されるべきであるし,前記(3)のとおり,各政党の意見集約に特に困難な調整を要していることも併せ考慮すれば,原告の上記主張は採用できない。
4 以上のとおりであって,本件選挙時において,本件定数配分規定は,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,したがって,本件選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えているとはいえないから,これが憲法に違反し無効であったとはいえない。
5 よって,原告の請求には理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 栂村明剛 裁判官 内田貴文 裁判官 堀田匡)
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政治と選挙の裁判例「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧
(1)平成30年 1月30日 東京高裁 平29(行ケ)30号
(2)平成30年 1月30日 仙台高裁秋田支部 平29(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(3)平成30年 1月22日 東京地裁 平27(特わ)2148号 政治資金規正法違反被告事件
(4)平成29年12月20日 名古屋地裁 平25(行ウ)78号 司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求事件
(5)平成29年12月 8日 札幌地裁 平24(行ウ)3号 政務調査費返還履行請求事件
(6)平成29年12月 7日 大阪地裁 平24(行ウ)5号・平24(行ウ)10号 違法支出金返還請求事件、共同訴訟参加事件
(7)平成29年11月29日 東京地裁 平27(ワ)29705号 著作権侵害差止等請求事件
(8)平成29年11月29日 徳島地裁 平26(行ウ)14号 政務調査費返還請求事件
(9)平成29年11月 2日 仙台地裁 平26(行ウ)2号 政務調査費返還履行等請求事件
(10)平成29年10月19日 東京地裁 平28(行ウ)218号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(11)平成29年10月13日 さいたま地裁 平27(ワ)1378号 九条俳句不掲載損害賠償等請求事件
(12)平成29年10月10日 東京地裁 平29(行ウ)76号 帰化許可申請不許可処分取り消し請求事件
(13)平成29年10月 3日 東京地裁 平27(行ウ)582号・平28(行ウ)490号 難民不認定処分取消請求事件、処分撤回義務付け等請求事件
(14)平成29年 9月28日 東京高裁 平28(う)2243号 業務上横領被告事件
(15)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)9号・平29(行ツ)19号・平29(行ツ)21号・平29(行ツ)22号・平29(行ツ)33号・平29(行ツ)34号・平29(行ツ)41号・平29(行ツ)55号 選挙無効請求事件
(16)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)4号・平29(行ツ)10号・平29(行ツ)11号・平29(行ツ)32号・平29(行ツ)45号・平29(行ツ)54号 選挙無効請求事件
(17)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)47号 選挙無効請求事件
(18)平成29年 9月27日 最高裁大法廷 平29(行ツ)46号 選挙無効請求事件
(19)平成29年 9月27日 東京地裁 平25(ワ)20444号 司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求事件
(20)平成29年 9月26日 東京地裁 平28(ワ)18742号 損害賠償請求事件
(21)平成29年 9月15日 東京地裁 平26(行ウ)119号 懲戒処分取消等請求事件
(22)平成29年 9月 8日 東京地裁 平28(行ウ)117号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(23)平成29年 8月30日 さいたま地裁 平27(行ウ)12号 埼玉県議会政務調査費返還事件
(24)平成29年 8月29日 知財高裁 平28(行ケ)10271号 審決取消請求事件
(25)平成29年 8月25日 東京地裁 平27(行ウ)732号 難民不認定処分等取消請求事件
(26)平成29年 7月27日 東京地裁 平27(行ウ)734号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(27)平成29年 7月20日 東京地裁 平28(ワ)24569号 慰謝料請求事件
(28)平成29年 7月 6日 東京地裁 平28(行ウ)136号 難民不認定処分取消請求事件
(29)平成29年 6月29日 宇都宮地裁 平23(行ウ)8号 政務調査費返還履行請求事件
(30)平成29年 5月18日 東京高裁 平28(う)1194号 公職選挙法違反被告事件
(31)平成29年 4月27日 東京地裁 平25(行ウ)811号 住民訴訟事件
(32)平成29年 4月13日 東京地裁 平27(行ウ)480号 退去強制令書発付処分等取消請求事件
(33)平成29年 4月12日 名古屋高裁金沢支部 平28(行コ)13号 政務調査費返還請求控訴事件
(34)平成29年 4月11日 東京地裁 平27(行ウ)576号 難民不認定処分取消請求事件
(35)平成29年 4月11日 東京地裁 平26(ワ)10342号 損害賠償請求事件
(36)平成29年 3月30日 広島高裁岡山支部 平28(行コ)2号 不当利得返還請求控訴事件
(37)平成29年 3月29日 広島高裁 平28(行コ)22号 不当利得返還請求住民訴訟控訴事件
(38)平成29年 3月28日 東京地裁 平25(ワ)28292号 謝罪広告等請求事件
(39)平成29年 3月28日 仙台地裁 平28(ワ)254号 損害賠償請求事件
(40)平成29年 3月16日 札幌地裁 平24(行ウ)6号 政務調査費返還履行請求事件
(41)平成29年 3月15日 東京地裁 平27(行ウ)403号 地位確認等請求事件
(42)平成29年 3月 8日 東京地裁 平26(行ウ)300号 地位確認等請求事件
(43)平成29年 3月 1日 名古屋高裁金沢支部 平28(行コ)11号 政務調査費返還請求控訴事件
(44)平成29年 2月27日 東京地裁 平27(ワ)18254号・平28(ワ)12921号 安保法案反対等の政治的意見表明の撤回削除等請求事件、閣議決定の撤回を求める会長声明等の削除等請求事件
(45)平成29年 2月21日 東京地裁 平27(行ウ)130号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(46)平成29年 2月17日 大阪高裁 平28(行コ)230号 損害賠償請求控訴事件
(47)平成29年 1月31日 大阪高裁 平28(ネ)1109号 損害賠償等請求控訴事件
(48)平成29年 1月31日 東京地裁 平27(行ウ)657号 退去強制令書発付処分無効確認等請求事件
(49)平成29年 1月31日 東京地裁 平27(行ウ)360号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(50)平成29年 1月31日 仙台地裁 平25(行ウ)11号 政務調査費返還履行等請求事件
(51)平成29年 1月26日 大阪地裁 平24(行ウ)197号・平26(行ウ)163号 補助金不交付処分取消等請求事件
(52)平成29年 1月18日 東京地裁 平28(ワ)6026号 貸金返還等請求事件
(53)平成29年 1月13日 大阪高裁 平28(ネ)1589号 損害賠償等請求控訴事件
(54)平成28年12月27日 奈良地裁 平27(行ウ)15号 奈良県議会会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(55)平成28年12月15日 東京高裁 平28(ネ)1068号 損害賠償等請求控訴事件
(56)平成28年12月12日 大阪地裁 平26(ワ)8127号 損害賠償請求事件
(57)平成28年11月29日 甲府地裁 平26(行ウ)4号 政務調査費返還請求事件
(58)平成28年11月18日 東京地裁 平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件
(59)平成28年11月16日 大阪高裁 平27(ネ)3176号 損害賠償請求控訴事件
(60)平成28年11月15日 東京高裁 平28(行ケ)16号 選挙無効請求事件
(61)平成28年11月15日 東京地裁 平27(行ウ)518号 難民不認定処分取消請求事件
(62)平成28年11月10日 東京高裁 平28(行ケ)17号 選挙無効請求事件
(63)平成28年11月 8日 名古屋高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(64)平成28年11月 7日 仙台高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(65)平成28年11月 2日 東京高裁 平28(行ケ)11号 選挙無効請求事件
(66)平成28年11月 2日 東京高裁 平28(行ケ)10号 選挙無効請求事件
(67)平成28年11月 2日 札幌高裁 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(68)平成28年10月31日 福岡高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(69)平成28年10月31日 東京地裁 平28(特わ)1764号 公職選挙法違反被告事件
(70)平成28年10月31日 東京地裁 平26(ワ)17116号 損害賠償等請求事件
(71)平成28年10月28日 広島高裁 平28(行ケ)3号 選挙無効請求事件
(72)平成28年10月27日 大阪高裁 平28(ネ)1494号 損害賠償請求控訴事件
(73)平成28年10月27日 金沢地裁 平27(行ウ)6号 政務調査費返還請求事件
(74)平成28年10月26日 広島高裁松江支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(75)平成28年10月20日 大阪高裁 平28(行ケ)5号 選挙無効請求事件
(76)平成28年10月20日 福岡高裁那覇支部 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(77)平成28年10月19日 広島高裁 平28(行ケ)2号 選挙無効請求事件
(78)平成28年10月19日 福岡高裁宮崎支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(79)平成28年10月19日 仙台高裁秋田支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(80)平成28年10月18日 東京高裁 平28(行ケ)7号 選挙無効請求事件
(81)平成28年10月18日 高松高裁 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(82)平成28年10月14日 広島高裁岡山支部 平28(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(83)平成28年10月13日 東京地裁 平27(行ウ)55号 難民不認定処分取消請求事件
(84)平成28年10月12日 大阪高裁 平28(ネ)1060号 損害賠償等請求控訴事件
(85)平成28年10月12日 東京地裁 平25(刑わ)2945号 業務上横領被告事件
(86)平成28年 9月29日 東京高裁 平28(ネ)25号 メールマガジン記事削除等請求控訴事件
(87)平成28年 9月29日 大阪地裁 平26(行ウ)81号・平26(行ウ)116号 平成24年度茨木市議会政務調査費返還請求事件、平成24年度(2月~3月分)茨木市議会政務調査費返還請求事件
(88)平成28年 9月29日 金沢地裁 平27(行ウ)2号 政務調査費返還請求事件
(89)平成28年 9月23日 奈良地裁 平28(ワ)3号 放送受信料請求事件
(90)平成28年 9月 7日 名古屋高裁 平28(行コ)2号 難民不認定処分取消請求控訴事件
(91)平成28年 8月23日 東京地裁 平27(行ウ)384号 難民不認定処分取消等請求事件
(92)平成28年 8月12日 大阪地裁 平21(ワ)16484号・平21(ワ)17256号 地位確認等請求事件、損害賠償請求事件
(93)平成28年 8月 9日 東京地裁 平27(ワ)648号・平27(ワ)6184号 地位確認等請求事件
(94)平成28年 7月28日 名古屋高裁 平28(行コ)19号 難民不認定処分等取消請求控訴事件
(95)平成28年 7月26日 東京地裁 平27(ワ)22544号 損害賠償請求事件
(96)平成28年 7月19日 東京高裁 平27(ネ)3610号 株主代表訴訟控訴事件
(97)平成28年 7月13日 名古屋高裁 平27(行コ)71号 難民不認定処分取消等請求控訴事件
(98)平成28年 7月 8日 大阪地裁 平26(行ウ)3号 損害賠償請求事件(住民訴訟)
(99)平成28年 7月 4日 東京地裁 平27(レ)413号 損害賠償請求控訴事件
(100)平成28年 6月30日 東京地裁 平27(行ウ)542号 渋谷区議会本会議質問制限差止等請求事件
■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
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■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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