政治と選挙Q&A「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例(51)平成22年 1月15日 東京地裁 平20(行ウ)626号・平21(行ウ)2号 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判年月日 平成22年 1月15日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平20(行ウ)626号・平21(行ウ)2号
事件名 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2010WLJPCA01158019
要旨
◆トルコ共和国国籍でクルド人の原告が、難民不認定処分及びそれに対する異議も棄却する決定を受け、また、在特不許可処分及び退令処分を受けたため、当該在特不許可処分及び退令処分の無効確認、並びに不認定処分及び異議に対する棄却決定の取消しを求めた事案において、本件不認定処分当時、原告が、クルド人であることのみで迫害を受けるおそれはなく、原告の活動も、母国政府が特段に関心を寄せるものでもなく、異議申立ての過程で難民調査官らが原告の代理人の要望に従わなかったとしても、それは当不当の問題に留まる等として、請求を棄却した事例
参照条文
難民の地位に関する条約1条
難民の地位に関する議定書1条
裁判年月日 平成22年 1月15日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平20(行ウ)626号・平21(行ウ)2号
事件名 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2010WLJPCA01158019
平成20年(行ウ)第626号 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件(甲事件)
平成21年(行ウ)第2号 難民の認定をしない処分取消等請求事件(乙事件)
埼玉県川口市〈以下省略〉
原告 X
訴訟代理人弁護士 渡部典子
被告 国
代表者兼乙事件裁決行政庁及び処分行政庁 法務大臣千葉景子
甲事件処分行政庁 東京入国管理局長髙宅茂
乙事件処分行政庁 東京入国管理局主任審査官小出賢三
指定代理人 竹田真
髙松浩之
壽茂
幸英男
江田明典
権田佳子
中嶋一哉
岡本充弘
髙﨑純
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 甲事件
東京入国管理局長が原告に対して平成19年6月25日付けでした出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項による在留特別許可をしない処分が無効であることを確認する。
2 乙事件
(1)法務大臣が原告に対して平成16年11月15日付けでした難民の認定をしない処分を取り消す。
(2)法務大臣が原告に対して平成20年9月25日付けでした難民の認定をしない処分に対する異議申立てを棄却するとの決定を取り消す。
(3)東京入国管理局主任審査官が原告に対して平成19年6月28日付けでした退去強制令書発付処分が無効であることを確認する。
第2 事案の概要
本件は,トルコ共和国(以下「トルコ」という。)の国籍を有するクルド人の男性である原告が,①法務大臣から難民の認定をしない処分を受け,②東京入国管理局長(以下「東京入管局長」という。)から出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)61条の2の2第2項による在留特別許可をしない処分を受け,③東京入国管理局主任審査官から退去強制令書の発付処分を受け,④上記①の処分の異議申立てについて法務大臣からこれを棄却するとの決定を受けたため,これらの処分及び決定を不服として,上記①の処分及び④の決定の各取消しを求めるとともに,上記②及び③の各処分の無効確認を求めている事案である。
1 前提事実
本件の前提となる事実は,次のとおりである。証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる事実等はその旨付記しており,それ以外の事実は,当事者間に争いがない。
(1)原告の身分事項について
原告は,昭和○年○月○日,トルコのガジアンテップ県で出生したトルコ国籍を有するクルド人の男性である。
(2)原告の前回の入国について
ア 入国及び在留の状況並びに退去強制手続について
(ア)原告は,平成12年10月24日,トルコのイスタンブールからトルコ航空1022便で新東京国際空港(現在の成田国際空港。以下「成田空港」という。)に到着し,東京入国管理局(以下「東京入管」という。)成田空港支局入国審査官に対し,外国人入国記録の渡航目的の欄に「観光」,日本滞在予定期間の欄に「28日」と記載して上陸申請を行い,同入国審査官から,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。
(イ)原告は,平成13年1月15日,同年4月6日及び同年7月12日に在留期間の更新申請を行い,それぞれ同年1月23日,同年4月23日及び同年7月23日に在留期間を「90日」とする在留期間更新許可を受けた。原告は,その後,在留資格の変更又は在留期間の更新の申請をすることなく,最終の在留期限である同年10月19日を超えて本邦に不法残留するに至った。
(ウ)東京入管入国警備官は,平成13年10月30日,原告を入管法24条4号ロ(不法残留)該当容疑で立件し,原告について違反調査を実施した結果,原告が入管法24条4号ロ(不法残留)に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,同14年2月4日,東京入管主任審査官から収容令書の発付を受け,同月6日,同令書を執行して原告を東京入管収容場に収容し,同日,原告を東京入管入国審査官に引き渡した。
(エ)東京入管入国審査官は,平成14年2月6日,原告について違反審査を実施し,その結果,同日,原告が入管法24条4号ロに該当する旨の認定を行い,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,口頭審理の請求を放棄した。
(オ)東京入管主任審査官は,平成14年2月6日,原告に対し,退去強制令書を発付し,原告は,同月19日,自費出国した。
イ 難民認定手続について
(ア)原告は,平成12年12月19日,東京入管において難民認定申請をした。(乙A1,4の1)
(イ)法務大臣は,平成13年7月23日,前記(ア)の難民認定申請について,難民の認定をしない処分をし,同年8月7日,これを原告に対し通知した。
(ウ)原告は,平成13年8月7日,法務大臣に対し,前記(イ)の処分について,異議の申出をした。
(エ)法務大臣は,平成14年1月28日,前記(ウ)の異議の申出に理由がない旨の決定をし,同年2月6日,これを原告に対し通知した。
(3)原告の今回の入国について
ア 入国及び退去強制手続について
(ア)原告は,「A」名義の旅券を行使して,平成15年12月24日,イスタンブールからトルコ航空50便で成田空港に到着し,東京入管成田空港支局入国審査官に対し,外国人入国記録の渡航目的の欄に「観光(正月をみる)」,日本滞在予定期間の欄に「2週間少々」と記載して上陸申請を行い,同入国審査官から,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。(乙A1,5,7の2)
(イ)東京入管入国警備官は,平成16年6月30日,原告につき入管法24条1号(不法入国)該当容疑で立件した。
(ウ)東京入管入国警備官は,平成17年3月8日,原告が所在不明となったことから,違反調査を中止した。
(エ)原告は,平成19年4月17日,埼玉県川口市〈以下省略〉の住居にいたところ,警視庁田無警察署警察官に任意同行を求められ,同署において入管法違反容疑で逮捕された。
(オ)原告は,平成19年5月22日,東京地方裁判所八王子支部において,入管法違反の罪により,懲役2年6月,3年間執行猶予の有罪判決の言渡しを受け,同判決は同年6月6日に確定した。(乙A1,7の12)
(カ)東京入管入国警備官は,平成19年5月17日,違反調査を再起し,原告が入管法24条1号に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,同月18日,東京入管主任審査官から収容令書の発付を受け,同月22日,同令書を執行して原告を東京入管収容場に収容し,同日,原告を入管法24条1号該当容疑者として東京入管入国審査官に引き渡した。
(キ)東京入管入国審査官は,平成19年5月24日及び同月28日,原告について違反審査を実施し,その結果,同日,原告が入管法24条1号に該当する旨の認定を行い,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,口頭審理の請求をした。
(ク)東京入管特別審理官は,平成19年6月12日,原告について口頭審理を行い,その結果,同日,東京入管入国審査官による前記(キ)の認定に誤りがない旨判定し,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,法務大臣に対し,異議の申出をした。
(ケ)法務大臣は,平成19年6月27日,原告に対し,前記(ク)の異議の申出については,理由がない旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をし,その通知を受けた東京入管主任審査官は,同月28日,原告に本件裁決を通知するとともに,退去強制令書の発付処分(以下「本件退令処分」という。)をし,同日,東京入管入国警備官は,原告を東京入管収容場に収容した。
(コ)原告は,平成19年9月28日,仮放免許可を受け,東京入管入国警備官は,同20年10月24日,原告の仮放免期間が満了したため,原告を東京入管収容場に再収容した。
(サ)原告は,平成21年1月8日,仮放免許可を受け,東京入管収容場から出所した。原告は,現在,仮放免中である。(乙A10)
イ 難民認定申請手続について
(ア)原告は,平成16年5月31日,東京入管において難民認定申請をした。
(イ)法務大臣は,平成16年11月15日,前記(ア)の難民認定申請について,難民の認定をしない処分(以下「本件不認定処分」という。)をし,同年12月3日,これを原告に対し通知した。
(ウ)原告は,平成16年12月3日,法務大臣に対し,本件不認定処分について,異議の申出をした。
(エ)東京入国管理局長は,平成19年6月25日,原告に対し在留特別許可をしない処分(以下「本件不許可処分」という。)をし,同月28日,これを原告に対し通知した。
(オ)東京入国管理局難民調査官は,平成20年7月23日,原告代理人弁護士渡部典子(以下「代理人渡部」という。)立会いの下,原告を審尋し,かつ,原告が口頭で意見を述べる手続(以下「本件審尋手続」という。)を実施した。(乙A11)
(カ)法務大臣は,平成20年9月25日,前記(ウ)の異議の申出に理由がない旨の決定(以下「本件決定」という。)をし,同年10月24日,これを原告に対し通知した。
(4)本件各訴えの提起について
原告は,平成20年10月22日,本件不許可処分の無効確認を求める甲事件に係る訴えを提起し,また,同21年1月8日,本件不認定処分及び本件決定の各取消し並びに本件退令処分の無効確認を求める乙事件に係る訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実)
2 争点
(1)原告の難民該当性について
原告は,入管法2条3号の2に規定する「難民」に該当するか。
(2)本件決定の適法性について
本件決定に係る難民異議手続において,重大な手続的瑕疵(かし)があったということができるか。
3 当事者の主張の要旨
(1)争点(1)(原告の難民該当性)について
(原告の主張)
ア トルコにおいては,クルド人としてのアイデンティティを主張する者を,政府当局が政治的理由に基づき,法律に基づくことなく殺害してきた。また,トルコにおいては,被拘禁者に対する拷問が組織的に行われ,拷問により死亡した例も存在し,トルコ政府が関与したとされる失踪事件も存在する。さらに,治安部隊,警察及び憲兵が,拷問,殴打及び虐待を行った例が数多くあり,恣(し)意的な逮捕,勾留等がされてきた。
これに対し,近年,特に平成13年以降の憲法や法令の改正を受けて,以上のような人権侵害状況はなくなった旨の主張がされることがあるが,直近の各国や人権団体の報告書からは,①トルコにおいてクルド人の人権状況が改善しているとはいえず,引き続き拷問や虐待,恣意的逮捕や拘禁の危険性にさらされていること,②反政府的な意見やクルド人としてのアイデンティティを表現する人間及び民主人民党(DEHAP)等の親クルド系政党の党員,支持者又は支持者であると疑われた者は,平和的な表現活動をしているにすぎない場合であっても,反テロ対策又は「トルコらしさを侮辱した」といった口実の下に,身柄拘束や起訴及び有罪判決の危険にさらされ,さらにその過程において拷問や虐待を受けるおそれがあることが明確に読み取れるのであり,クルド人の人権状況が改善したという主張は事実に反している。
しかも,平成17年にクルド人のトルコからの分離独立を主張するクルド労働者党(以下「PKK」という。)とトルコ軍との戦闘が再開したこと,同19年にトルコ軍によるイラク侵攻が行われたことなどに伴い,クルド人の人権状況はかえって悪化しているともいえ,実際,日本において,クルディスタン・日本友好協会のメンバーとなり,平和的な表現活動を通じてクルド人のアイデンティティや権利を主張しようとしたクルド人たちが,トルコに帰国したところ,身柄を拘束され,有罪判決を受けるなどの事態が頻発している。
イ そして,次の事情によれば,原告は,人種,特定の社会的集団の構成員であること及び政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるから,難民に当たり,これを看過してされた本件不認定処分は違法であり,このような原告をトルコに送還することに直結する本件不許可処分及び本件退令処分は,ノン・ルフールマン原則(入管法53条3項,難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)33条1項,拷問及び他の残虐な,非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約3条1項,市民的及び政治的権利に関する国際規約7条)に反しており,重大な違法がある。
(ア)原告は,出身村落におけるPKKの支援者の有無等の情報提供を行うスパイになれという命令を受け,これをいったんは受諾しながら海外に逃れることにより事実上拒否しているため,帰国すれば,原告自身がPKKを支援する立場の人間であるとの疑いにより,逮捕,取調べ,拷問等を受ける危険がある。
(イ)原告は,日本において,クルディスタン・日本友好協会のメンバーとして,ネブルーズ祭やトルコ大使館前でのデモ等に参加しており,前記アの他のクルド人の例と同様に,トルコに帰国すれば逮捕され,裁判にかけられ,その過程において虐待や拷問を受ける可能性が高い。
(ウ)原告は,埼玉県の自宅において警視庁公安部の警察官に,不法入国容疑で逮捕され,起訴されたが,実際の取調内容はPKKに関することであった。そして,原告を含む複数のクルド人が逮捕されたことから,「不法滞在クルド人逮捕 テロ組織資料押収」などと大きく報道され,しかも,逮捕者の中にPKKのメンバー又は支援者がいる旨の報道がされた。原告らの逮捕はトルコでも記事になっており,そもそも原告らに対する捜査はトルコ治安当局からの情報が端緒であることがうかがわれ,捜査の状況はトルコ治安当局にも知らされていると考えられる。したがって,原告がトルコに帰国した場合,テロ組織のメンバーであるとの疑いで逮捕され,裁判を受けることになり,その過程において虐待や拷問を受ける可能性が高い。
(被告の主張)
ア トルコにおいては,以下のとおり,クルド人が一般的に迫害を受けているという状況は存在しない。
(ア)トルコでは,エヴレン国軍参謀総長が率いる軍部が昭和55年9月に無血軍事クーデターを敢行し,その影響下において同57年に制定されたトルコ憲法は国家治安維持を重視した内容であったが,その後,1990年代初頭からEU加盟に向けた民主化が急速かつ不可逆的に進み,憲法上の言語の使用禁止条項の削除(平成13年10月),クルド語の教育や放送を解禁する法案の可決(同14年8月3日),国家治安裁判所の廃止(同16年5月)などが行われた。
(イ)トルコでは,平成3年春には,クルド語を使用することを禁止する根拠となっていた法律が廃止され,以後,クルド語の出版物や音楽著作物が合法的に流通し,ラジオやテレビにおいてもクルド語による放送が行われている。また,同16年4月以降には,クルド人が多く居住している南東部を含む地域においてクルド語の教育施設が設立されている。
(ウ)英国内務省移民局の報告書では,トルコ国内におけるクルド人は,しばしばトルコ人と異民族間結婚しており,多くの議員及び政府高官が,クルド人の血筋を受け継いでいるとの報告がされており,また,海外で庇(ひ)護申請が認められなかったトルコ人庇護希望者をトルコに送還しても,送還者が投獄されることはなく,その他の欧州諸国でも,トルコ人庇護希望者をトルコに送還しているとの報告がされている。また,米国国務省及び国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は,トルコにおけるクルド系トルコ人がクルド人であることのみを理由に迫害を受けるおそれがあるとは認められない旨報告している。
(エ)トルコには海外での稼働によって高額の収入を得ることを望む者が多数存在するところ,多数のトルコ人労働者を受け入れてきた欧州諸国は,一転して受入れに消極的になりつつある。他方で,我が国へは,査証免除協定に基づき,ビザがなくても渡航することが可能である。そのため,海外で働くことを希望するトルコ人労働者が,我が国を稼働先に選択することについて十分な動機があることが認められる。
(オ)トルコ内外では,PKKがテロ活動等を行っているが,平成11年にオジャラン党首が逮捕されて以降,トルコの治安は大幅に好転し,同14年11月にはトルコ全土のすべての県で非常事態宣言が解除された。そして,トルコ政府は,同12年12月21日,PKK等の非合法組織の支援者を含む刑法犯を対象として,減刑や釈放を行うことを内容とする恩赦法を承認するなど柔軟な対応を示しており,近時では,PKKの単なる支援者にすぎなければ処罰を受けることもなくなっている。
しかし,PKKは,近時においても公共の場所における爆弾テロを企図するなど,その危険性はいまだ失われておらず,トルコ治安当局が国内外におけるPKKの活動を警戒し,これについての調査を行うことは,その責務であって,PKKと何らかの関係があるとの疑いがある者を対象に調査が行われたとしても,それは難民条約上の迫害とはいえない。
(カ)本邦において,クルド人であることを理由に難民認定申請をしていたトルコ人が,自主的に難民認定申請を取り下げ,帰国している例が少なからずあり,取下げの理由として,①トルコにおいてそもそも迫害を受けた事実はないこと,②日本において仕事が見つからなくなったこと,③トルコの社会情勢としてクルド人が迫害を受けていることはないこと,④トルコの社会情勢が変化し帰国しても迫害を受けるおそれのないことなどを挙げている。
(キ)平成16年7月,法務省入国管理局職員が,トルコ国内ガジアンテップ県等の地域を現地調査した結果によれば,一般に同県等の住民には,貧困を理由に出稼ぎ目的で海外に渡航する者が非常に多く,そのような者が難民該当性を主張する事案が多発していること,県知事ないし副知事クラスの者までが,自国民が出稼ぎ目的で海外において難民該当性を主張することは好ましくないとしながらも,そのような行動について異口同音に同情的な発言をしていることが認められる。
イ 原告は,トルコにおいてスパイになれという命令を拒否した旨主張するが,これを裏付ける客観的資料が提出されておらず,原告の申述等は,原告がスパイにならなければならない理由,スパイの目的等について具体的に説明できないなど不自然であり,信ぴょう性が認められない。
また,原告が,クルディスタン・日本友好協会のメンバーとして,ネブルーズ祭やトルコ大使館前でのデモ等に参加しているとしても,トルコ政府は,ネブルーズ祭の祝賀行事自体については国家的祝祭として公認しており,平和的活動である限り,禁止しているものではないから,処罰の対象とはならない上,クルディスタン・日本友好協会のメンバーとしての活動は顕著な政治的な活動をしたものと認めることはできず,これらの事情からトルコ政府による迫害のおそれがあるとはいえない。
さらに,原告らの逮捕に係る新聞報道では,原告らの身分事項を特定可能な情報は一切記載されておらず,これに基づいてトルコ政府から迫害を受けるとはいえない。また,原告がPKKに関して取調べを受けた事実があったとしても,PKKは,米国やEUからテロ組織として指定された団体であるから,我が国の警察がPKKとの関係等を取り調べることは治安維持の観点から当然であり,トルコ政府の関与をうかがわせる事情ではない。
ウ 以上のとおり,原告は,入管法2条3号の2にいう「難民」に該当せず,その他在留特別許可をすべき事情もないから,本件不認定処分,本件不許可処分及び本件退令処分はいずれも適法である。
(2)争点(2)(本件決定の適法性)について
(原告の主張)
本件不認定処分に対する異議の申出に関し,平成20年7月23日,代理人渡部立会いの下,本件審尋手続が実施された。代理人渡部は,本件審尋手続において,難民審査参与員と原告との問答がかみあっておらず,原告が質問の趣旨を誤解しているところがあると考え,難民審査参与員及び東京入管難民調査官に対し,難民審査参与員の質問の趣旨を原告が理解しているか確認してほしい旨要望したが,上記難民調査官は,上記要望を拒否して手続を進めた。
本件不認定処分に対する異議の申出に係る審尋という難民申請者にとって重要な立証の機会において,申請者が,質問の趣旨を理解して回答しているか否かの確認を拒否したまま事実認定及び判断をしたことは,難民認定異議手続として公正な方法とはいえず,本件決定には重大な手続的瑕疵があるというべきであり,取り消されるべきである。
(被告の主張)
代理人渡部は,本件審尋手続に立ち会った上で,その調書についても閲覧を希望し,同調書に記載された内容を確認したのであるから,仮に,同調書の内容について,原告が難民審査参与員の質問の趣旨を理解しないまま誤った内容の回答をしたというのであれば,当該部分を特定して,原告が質問の趣旨をどのように誤解したのかを具体的に指摘できるはずであるが,本件ではそのような指摘がされていない。
また,上記調書の記載内容を詳細にみても,本件審尋手続において,原告が難民審査参与員の質問の趣旨を誤解し,難民審査参与員の質問に対する原告の回答がかみ合わなかったとの事情をうかがわせるような特定の問答はなく,このような状況の下においては,難民審査参与員又は難民調査官が,その責務を果たすために原告の真意を問い直す必要があったとは認められない。
よって,本件決定には手続的な瑕疵はなく,適法である。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(原告の難民該当性)について
(1)難民の意義について
ア 入管法61条の2第1項は,「法務大臣は,本邦にある外国人から法務省令で定める手続により申請があつたときは,その提出した資料に基づき,その者が難民である旨の認定(中略)を行うことができる。」と規定している。そして,入管法2条3号の2は,入管法における「難民」の意義について,難民条約1条の規定又は難民の地位に関する議定書(以下「難民議定書」という。)1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうものと規定している。
イ 難民条約1条A(2)は,「1951年1月1日前に生じた事件の結果として,かつ,人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であつて,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及びこれらの事件の結果として常居所を有していた国の外にいる無国籍者であつて,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」は,難民条約の適用上,「難民」という旨規定している。
ウ 難民議定書1条2は,難民議定書の適用上,「難民」とは,難民条約1条A(2)の規定にある「1951年1月1日前に生じた事件の結果として,かつ,」及び「これらの事件の結果として」という文言が除かれているものとみなした場合に同条の定義に該当するすべての者をいう旨規定している。
エ したがって,入管法にいう「難民」とは,「人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であつて,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの」をいうこととなる。そして,上記の「迫害」とは,通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧を意味するものと解するのが相当であり,また,上記にいう「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」というためには,当該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要であると解するのが相当である。
(2)認定事実
そこで検討するに,前記第2の1の前提事実(以下「前提事実」という。)と証拠(該当箇所に併記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。
ア トルコ国内の一般情勢について
(ア)トルコでは,1970年代にテロが多発して治安が悪化したことなどから,昭和55年(1980年)9月,エヴレン国軍参謀総長の率いる軍部によって無血軍事クーデターが敢行され,同57年に国家の治安維持を重視したトルコ憲法が制定された。そして,トルコでは,1990年代に至るまで,政府当局が政治的理由に基づき,又は法律に基づくことなく反政府関係者等の殺害を行い,被拘禁者が拷問を受けたために死亡したり,治安部隊等によって逮捕拘禁された者がその後に失踪するなどし,また,治安部隊,警察,憲兵隊等が,拷問,殴打及び虐待を行い,恣意的な逮捕勾留が行われ,さらに,拷問等を行った治安部隊等に対する責任追及が行われないといった状況が続いていた。(乙B2の1,3)
(イ)PKKは,トルコ南東部に独立したクルド民族国家を設立することを目標とし,トルコ国内においてゲリラ戦やテロ活動を行っている反政府武装集団であり,トルコ国内においては,PKKが武装闘争を開始した昭和59年以降平成8年末までの間に,治安部隊とPKKとの戦闘やテロ行為により,市民を含めて3万人に上る犠牲者が出ていると言われている。そして,同9年には少なくとも130人の非武装の市民がPKKによって殺害されたと報告されており,同11年2月にPKKのオジャラン党首が逮捕された際にも,イスタンブール及びトルコ南東部において放火や無差別的爆弾テロが散発的に発生した。また,トルコ国外においても,欧州各国やロシア,カナダ等において,PKK党首の支持者らが,ギリシャの大使館,領事館及びその他の公的機関に乱入し,又は一時占拠するなど過激な抗議行動を起こしている。もっとも,オジャランは,同11年2月に逮捕された後,同年6月,トルコの国家治安裁判所において国家反逆罪で死刑の判決を受け,同年8月,PKKに対し,PKK戦闘部隊を撤収するよう呼び掛けた。PKKの武装部門(クルド人民解放軍)もこれを支持するに至り,PKK戦闘部隊は同月末に撤収し,政府とPKKとの間の武力闘争は同年中には事実上終結し,トルコ軍とPKKの反乱分子の間にごく少数の衝突が報告されるにすぎない状況となった。同12年2月にはPKK首脳部によって停戦が宣言され,トルコの治安は大幅に改善され,同14年12月には,トルコ全土のすべての県で非常事態宣言の発令が解除された。(乙B2の1,12の2,13の1及び2,14の1及び2,17の1)
ただし,近時でも,PKKによる武装活動及びPKKとトルコ軍との武力衝突は存在しており,平成16年5月にはPKKがこれまで一方的に発出していた停戦宣言の破棄を表明したことから,南東部各県においてPKKと治安部隊との武力衝突が度々発生しているとされており,同年6月にはPKKのメンバーがアダナ市でプラスチック爆弾等による攻撃を行う計画を立てていたことなどが報告されている。そして,米国では,国務省が「海外テロリスト組織」(以下「FTO」という。)と認定した団体の代表者と構成員は米国の査証を得ることができず,米国からの退去の対象とされ,金融機関においても,FTO及びその代理人の資金を封鎖して財務省に報告すべき義務があり,米国民又は米国の司法権の及ぶ領域内にある者がFTOに対して資金又はその他の物質的支援を提供することは犯罪行為とされているところ,PKKは,オウム真理教やアルカイダ等と並んでFTOの1つに認定されている。また,PKK及びその関連団体は,ドイツ及び英国においてテロ行為を理由に活動を禁止ないし規制され,同14年5月3日にはEUにおいてもテロ組織と認定されて,資産凍結等の処置の対象とされている。(乙B2の1,16の1及び2,17の1から6まで)
トルコ政府は,平成12年12月21日,PKK等の非合法組織の支援者を含む刑法犯を対象として,減刑や釈放を行うことを内容とする恩赦法を承認するなど柔軟な対応を示しており,PKKの単なる支援者であることを理由としては処罰しない傾向にもあるといえ,PKKのオジャラン党首らの家族でさえも迫害を受けることなく生活して活発な政治活動を行っているとも報告されている。しかし,他方で,家族の中にPKKのメンバーがいることが判明しているか,又は疑われている者は,当局からマークされる可能性があるとされ,親戚関係の近さやPKKにおける当人の地位などによって程度の差はあるものの,親族は様々な脅し,嫌がらせ,公的妨害,取調べ等を受けるとされるが,トルコ当局は,PKKメンバーと思われる者の親族がPKKと無関係であることを確信した場合は,その者が迫害されることはないとしている。他方,近時は,親クルド系政党の党員や指導者,平和的な活動をしていたクルド人活動家等が,PKKを支持したこと等を理由に逮捕及び起訴され,有罪判決を受けるなどしている。なお,親クルド系政党である民主人民党(DEHAP)及び同党が改組されて設立された民主社会党(DTP)については,PKKとの関係があることを理由にその閉鎖を求める訴訟が憲法裁判所に係属している。(甲5,7,21,30,乙B2の1,4の4)
(ウ)トルコでは,1990年代の初頭から,EU加盟に向けた民主化が急速に進んでおり,EUの政治基準に適合させるための措置として,様々な法整備が行われ,平成13年10月には,憲法上の言語の使用禁止条項の削除,容疑者が告発されるまでの最長拘留期間の短縮,政党の活動禁止手続の厳格化等を内容とする憲法の修正パッケージが国会により承認され,これに併せて,同14年8月3日には,クルド語による教育や放送を解禁する法案が可決された。また,国家治安裁判所は同16年5月の憲法改正によって廃止され,同裁判所管轄の事件は,新設の地方重罪裁判所又は既存の重罪裁判所に移管され,これらの裁判所では,容疑者は,勾留されるとすぐに弁護士と相談する権利を享受するとされている。(乙B2の1及び2,4の1から3まで)
(エ)他方で,警察や治安部隊による拷問や虐待等がなくなったとはいえず,平成16年以降の欧米政府等の機関や人権団体の報告書等においても,トルコ国内,特に南東部において,拷問及び虐待の事例がある旨報告されている。また,ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)は,同19年には,言論に関連する起訴及び有罪判決の増加,国際人権法を無視した議論を招く司法判断,DTPの役員や議員に対する嫌がらせ及び警察の残虐行為の報告の増加がみられたとして,トルコにおける人権保護の現況は後退しつつあると報告している。さらに,同20年の米国国務省レポートは,人権団体と欧州委員会が同年中の拷問及び虐待の事例が増加したと報じた旨報告している。(甲2,3,5から7まで,28から30まで)
イ トルコにおけるクルド人の状況等について
(ア)クルド人とは,インド・ヨーロッパ系言語の1つであるクルド語を母語とする人々であり,主にトルコ,イラク及びイランにまたがる地域に居住しており,人口は2000万人とも2500万人ともいわれ,トルコには1200万人ないし1500万人のクルド系住民が居住しているとされている。クルド人は,各国において少数派を形成し,その民族的権利の承認を求める民族主義運動とそれを制限しようとする各国政府との間で対立が続いてきている。(甲28,乙B2の1,10)
(イ)クルド人は,トルコ国内における最大の民族的及び言語的マイノリティーであるにもかかわらず,憲法上は,そのように認められておらず,長年にわたり,クルド語の使用を禁じられるなど基本的な文化及び言語上の権利を制限されていた。しかし,平成3年4月に可決された法律により,クルド語の使用を事実上禁止する法律が廃止され,以後,クルド語での私的な会話やクルド語の出版物及び音楽著作物は違法でなくなり,同11年のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)の報告では,クルド人が全国でクルド語を話しており,クルドの音楽やビデオがトルコの南東部の紛争地域を含めて広く入手でき,公然と音楽の演奏やビデオの再生が行われているとされている。そして,同14年には,一定の制限はあるものの,クルド語によるラジオ及びテレビの放送が認められ,同16年6月には,国営放送において,トルコ国民が伝統的に日常生活で使用してきた言語としてクルド語による番組が開始された。また,同年4月以降,クルド人が多く居住する南東部を含む地域におけるいくつかの私立学校で,クルド語の教育過程を開始することが認められた。(B2の1及び2,3,4の1から3まで)
(ウ)トルコにおいては,クルド人であること自体により,政治や経済活動に参加することが法的に禁じられているわけではなく,実際にも,都市部においては,比較的裕福なクルド人も多く,議員,政府高官及び専門職にも多くのクルド人がおり,大臣になっている者もいる。平成9年2月には,UNHCRは,クルド人であることがそれ自体迫害を受ける理由になるという主張は支持することができないと述べている。また,同12年の米国国務省レポートでは,多くの議員,政府高官及び専門家がクルド民族であるとされ,同15年の英国内務省移民局の報告書でも,トルコ政府はクルド人であるというだけの理由でクルド人を迫害しているわけではなく,クルド人を含めたすべてのトルコ国民は,医療などの公的機関や公文書発行権限を持つ機関を平等に利用することができ,トルコ南東部以外では,クルド人は,公的又は政治的にクルド民族のアイデンティティを主張しない限り,迫害や官僚主義的差別も受けないとされる。公的又は政治的にクルド民族のアイデンティティを主張するクルド人は,嫌がらせ,不当な扱い,迫害などを受ける危険を冒すことになるが,都市部では,クルド人は,その多くがトルコ人と結婚するなどして,ほぼ社会に同化しており,クルド人であることを公表せず,クルド分離主義を認めていないのが普通であるとされている。(乙B2の1)
(エ)トルコでは,平成6年に親クルド政党である人民民主党(HADEP)が設立された。HADEPは,クルド人の文化的権利の拡大とクルド問題の平和的解決を唱え,多くのクルド人の支持を集めたが,政府は,警察による捜査や逮捕を含む様々な形でHADEP及びこれと関係の深い民主人民党(DEHAP)に圧力を加え,同11年には,主任検察官が,HADEPは非合法活動の中心であるとしてその閉鎖を求める訴訟を提起し,同15年3月13日,トルコ違憲審査裁判所は,PKKを援助し教唆したとして,HADEPの活動を禁止した。さらに,トルコ違憲審査裁判所長官は,HADEP議長を含む46名のメンバーに対して5年間にわたり他の党を結成すること及び他の党の党員又は管理者になることを禁止するとともに,HADEPの資産を国庫に移転するよう命じた。他方,同14年の米国国務省レポートでは,トルコ政府のHADEPに対する嫌がらせは同11年以来減少し,HADEPは,同14年11月の総選挙では,前回の同11年の総選挙の時より自由に活動することができるようになったと報告されているが,警察は,同14年には,特に南東部のHADEP事務所を十数箇所も急襲し,何百人ものHADEPメンバーや指導者を拘束したと報告されている。もっとも,HADEPのメンバーの親族は,例えば,1親等又は2親等の親族で地域で積極的に活動しているといった場合を除き,親族であるというだけでトルコ当局からの迫害を恐れる必要はないとされている。(甲28,乙B2の1)
(オ)トルコ政府は,平成8年,クルド人の新年(春分)を祝うネブルーズ祭を全トルコ的祝祭であると認めるに至った。同19年の米国国務省レポートでは,同年のネブルーズ祭について,国の南東部の状況をめぐる緊張により深刻な暴動が発生するのではないかとの大方の予想にもかかわらず,おおむね平穏裏に行われているとされている。(甲7,22,乙B4の4,18)
ウ 原告の個別的な事情について
(ア)原告は,昭和○年○月○日,トルコのガジアンテップ県シェヒットキャミル郡テキルシン村チャムルル地区で出生したトルコ国籍を有するクルド人の男性である。(甲25,乙A3の1,4の2,前提事実)
(イ)原告は,8人兄弟のうち7番目の子に当たる。原告は,小学校卒業後,家業の農業を手伝うなどしていた。原告は,トルコで兵役に就くことを嫌い,兵役を逃れるために出国しようと考え,平成11年10月12日,本人名義の真正な旅券を取得した。そして,原告は,同12年10月24日,トルコを出国して成田空港に到着し,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。原告は,本邦上陸後,解体作業員又は建設作業員として勤務し,生活費の残りをトルコの家族に送金するなどしていた。原告は,3回にわたり在留期間の更新を受けたが,その後は在留期間の更新を受けず,在留期限を超えて本邦に残留するに至り,同13年10月30日,入管法24条4号ロ(不法残留)該当容疑で立件され,退去強制令書の発付を受け,同14年2月19日,自費出国により出国した。原告は,同12年12月に難民認定申請をしたが,難民の認定をしない処分がされ,同処分に対する異議の申出について理由がない旨の決定がされた。(乙A3の1,4の8,7の3及び4,前提事実)
(ウ)原告は,帰国後,平成14年3月から兵役に就いたが,同15年7月ころに兵役を終えた。その後,原告は,トルコ内のブローカーから「A」名義の旅券を取得し,同15年12月24日,トルコを出国して成田空港に到着し,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「90日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。(乙A6の3,7の3,甲25,原告本人,前提事実)
(エ)原告は,平成16年5月31日,東京入管において,難民認定申請をしたが,同年11月15日に本件不認定処分を受けた。原告は,同年12月3日,法務大臣に対し,本件不認定処分について異議の申出をしたが,難民と認められる可能性は低く,収容されるのではないかと考え,東京入管からの呼出しに応じず転居し,日雇いの解体作業員等の仕事をしていた。原告は,平成19年4月17日に,埼玉県川口市内の住居に,他のクルド人数名と共に生活していたところ,警視庁田無警察署警察官に任意同行を求められ,同署において入管法違反容疑で逮捕された。なお,原告の逮捕については,その後,同年6月27日の読売新聞において,「不法滞在クルド人逮捕 埼玉県内8人 テロ組織資料押収」との見出しで報道され,同記事では,被疑者の自宅からPKKとのつながりを示す資料が見つかったこと,被疑者の一部がPKKの支援者であることを認めていることなどが報じられた。また,東京新聞のウェブサイトにおいても,同日付けで「テロ組織関連資料を押収 不法滞在のクルド人宅」との見出しで報道され,PKKの党首の写真や肖像画,指導書等が押収され,警視庁公安部において,PKKの資金調達等に関与した可能性があるとして調べていたが,組織のメンバーと判断できる証拠はなかったなどと報じられた。(甲8,9,25,乙A6の3及び6,7の4及び8,原告本人,前提事実)
(オ)原告は,入国後,クルディスタン・日本友好協会主催のネブルーズ祭に参加し,平成18年4月には,トルコ大使館前でのデモ等に参加しているが,政治的な団体に所属しておらず,原告が上記以外に政治的な活動をした事実を認めることはできない。また,トルコにおいても,原告及び原告の家族は,政治的な団体には所属していたことはなく,政治的な活動に従事していたこともない。(甲乙A7の1から4まで,11,原告本人)
(3)原告の難民該当性について
ア 前記(2)ア及びイの認定事実によれば,クルド人は,トルコにおける最大の民族的及び言語的マイノリティーであるにもかかわらず,憲法上は,そのように認められておらず,長年にわたり,クルド語の使用を禁じられるなど基本的な文化及び言語上の権利を制限されていたことが認められる。しかしながら,トルコでは,1990年代初頭から,EU加盟に向けた民主化が急速に進み,表現の自由,集会結社の自由,人身の自由等を保障するための様々な施策が執られ,トルコの人権状況はしだいに改善されてきたこと,現在では,トルコにおいては,クルド人であることにより政治や経済活動に参加することが法的に禁じられてはおらず,実際上も政治や経済の分野で活躍しているクルド人も少なくないのであって,UNHCR等の報告でも,クルド人であることのみを理由として迫害を受けることはない旨の指摘がされていることなどに照らすと,本件不認定処分の当時,トルコにおいて,クルド人であることのみによって迫害を受けるおそれがあったとはいえないというべきである。
この点,前記認定事実によれば,英国内務省移民局の報告書等では,人権状況が改善してきたトルコにおいても,公的又は政治的にクルド民族のアイデンティティを主張した者は,嫌がらせや迫害を受けるおそれがある旨の指摘がされており,近時においても,警察や治安部隊による拷問や虐待等がなくなったとはいえず,トルコにおける人権保護の現況は後退しつつあるとの報告もあり,親クルド系政党の党員や指導者,平和的な活動をしていたクルド人活動家等が,PKKを支持したこと等を理由に逮捕及び起訴され,有罪判決を受けるなどしている。しかしながら,原告が日本及びトルコで行ったクルド民族に関する活動は,前記(2)ウの認定事実のとおり,ネブルーズ祭に参加したこと,日本においてトルコ大使館前でのデモ等に参加したことであるところ,トルコ政府は平成8年にネブルーズ祭を全トルコ的祝祭であると認めており,デモへの参加についても,原告は多数の参加者の1人として参加したものにすぎない。また,原告は,親クルド系政党であるHADEPに献金をした旨供述するが,この点に関する原告の供述内容は大きく変遷しており(乙A4の8,7の4,原告本人),信用できないし,仮に献金の事実があったとしても,その額は原告の供述によれば1万円程度というにすぎない。いずれにせよ,原告が供述するクルド民族に関する活動は,単なる参加者の1人として行ったものにすぎないというべきであって,積極的な政治活動や言論活動を行ってクルド民族のアイデンティティを主張するものであったということはできず,トルコ政府が原告の活動に特段の関心を寄せるようなものであるとは到底考えられない。
なお,原告は,日本において,クルディスタン・日本友好協会のメンバーとして平和的な活動をしたクルド人らが,トルコに帰国した後,身柄を拘束され,有罪判決を受けたなどと主張し,原告についてもトルコに送還された場合には身柄を拘束されるおそれがある旨主張する。しかしながら,仮に,原告が指摘するクルド人らが,トルコにおいて,クルディスタン・日本友好協会における活動を1つの理由として身柄を拘束されるなどしたとしても,同人らに国際的なテロ組織であるPKK及びその関連組織を支援するような表現活動をした事実があったとすれば,同人らを国内法に基づいて捜査及び訴追の対象とすることは難民条約上の迫害に当たるということはできないというべきであり,上記クルド人らについて必ずしも「迫害」に当たるような拘束等がされたか否かは明らかではない。また,仮に,他のクルド人らが日本での活動を理由にトルコで拘束されたことがあったとしても,前記のような原告自身の活動内容に照らせば,原告についても同様のおそれがあるということはできない。
イ 原告は,トルコにおいてスパイ活動を強要され,これを拒否するためにトルコを出国して本邦に上陸した旨主張し,原告本人尋問においても,平成15年11月ころ,ジャンダルマの兵役局から呼び出され,原告の出身村においてPKKの活動を報告するというスパイ活動を強要された旨供述する。
しかしながら,原告の上記主張及び供述を裏付ける客観的な証拠は全く提出されていない。また,スパイ活動を強要された際のやり取り等についての原告の供述は,あいまいな点が多く,具体性及び迫真性に欠けるところがある上,兵役局から呼び出された時期及びスパイ活動を強要された際の原告の応答に関する供述内容が変遷している(乙A6の3,7の4,原告本人)。さらに,原告は,平成16年10月14日の東京入管の調査においては,トルコ軍とクルド人戦闘部隊とが戦争になるという動きがあり,村人がクルド人戦闘部隊を支援するかもしれないので,その情報を得るためにスパイになるように言われたなどと具体的に供述していたが(乙A7の3),原告本人尋問においては,スパイ活動の目的について説明されなかった旨供述しており,供述内容について単なる記憶違いとは考えられない不自然な変遷があるといわざるを得ない。
以上によれば,原告の上記供述は信用することができず,原告がトルコにおいてスパイ活動を強要された事実を認めることはできない。
ウ さらに,原告は,原告らに対する警視庁の捜査は,トルコ治安当局からの情報が端緒であって,捜査の内容は当局にも知らされているなどと主張し,原告がトルコに帰国した場合,テロ組織のメンバーであるとの疑いで逮捕され,裁判を受けることになり,その過程において虐待や拷問を受ける可能性が高いなどと主張する。この点,前記(2)ウの認定事実のとおり,原告らが逮捕された当時,被疑者の一部がPKKの支援者である旨の報道がされたことが認められるものの,原告ら被疑者の氏名は公表されておらず,しかも,組織のメンバーと判断できる証拠はなかった旨の報道もされているのであって,前記のような報道がされたことから,原告が帰国した際にPKKの支援者として逮捕されるおそれがあるということはできない。また,原告は,原告本人尋問において,上記の逮捕後,日本の警察からPKKとの関係等について取調べを受けた旨供述するが,仮にそのような事実があったとしても,日本の警察が,クルド人の不法滞在者についてPKKとの関連性が疑われる状況が認められた場合に,当該容疑者とPKKとの関係等について取り調べることは,我が国の治安維持の観点から当然のことであって,そのこと自体がトルコ治安当局の関与をうかがわせる事情であるということはできない。
エ 以上の検討の結果によれば,原告について難民該当性を肯定することはできないというべきである。
(4)以上のとおり,原告は,入管法2条3号の2にいう「難民」に当たらないから本件不認定処分は適法であり,その他在留特別許可をすべき事情もないから,本件不許可処分及び本件退令処分について重大な違法があるということはできない。
2 争点(2)(本件決定の適法性)について
ア 前提事実のとおり,難民調査官は,平成20年7月23日,本件不認定処分に対する異議の申出について本件審尋手続を実施したところ,証拠(甲27,乙A11,12)及び弁論の全趣旨によれば,難民審査参与員と原告との間で下記のような問答があり,この点について,代理人渡部から,原告が参与員の質問の趣旨を理解しているか確認してほしい旨の要望がされたが,難民調査官は,上記要望を拒否して手続を進めたことが認められ,原告は,この点について手続上の重大な瑕疵がある旨主張する。
記
(難民審査参与員) あなたは突然スパイ活動をするように言われたと話していますが,いきなり言われたのですか。
(原告) 突然言われました。
イ そこで検討するに,確かに,本件審尋手続に係る調書(乙A11)によれば,前記アの難民審査参与員の質問は,前後の問答からするとやや唐突な質問であるともいえ,また,質問内容も抽象的であり,その趣旨が理解しにくいところがあるともいえるところ,手続を主催する難民調査官としては,本件審尋手続に立ち会っていた代理人渡部から質問の趣旨の確認が求められた際に,上記難民審査参与員に対して質問の趣旨を確認した上で,再度,原告に回答を求めることが望ましかったともいうことができ,代理人渡部の要望を無視して本件審尋手続を終わらせたことについては,その当否につき議論の余地がないではない。しかしながら,難民認定をしない処分に対する不服申立手続について実施される審尋(入管法施行規則58条の10参照)においては,異議申立人やその代理人に対して,難民調査官及び難民審査参与員の質問に対する異議申立権を認めた規定はなく,難民調査官が代理人渡部の上記要望に従わなかったとしても,基本的には当不当の問題にとどまるものといわざるを得ない。また,本件決定において,前記スパイ活動に係る原告の供述が信用できないと判断されているところ,証拠(乙A7の1から12まで,11)及び弁論の全趣旨によれば,その判断は,前記アの問答のみによってされたものとみることはできず,本件審尋手続における原告の他の供述やそれ以前の原告の供述内容,客観的な資料の有無等を総合して判断されたものと理解することができる。以上によれば,難民調査官が代理人渡部の上記要望を拒否したことが,本件決定の手続上の重大な瑕疵になるということはできないというべきである。
したがって,原告の前記アの主張は採用できない。
3 結論
よって,原告の請求は,いずれも理由がないからこれらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 杉原則彦 裁判官 波多江真史 裁判官 家原尚秀)
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政治と選挙の裁判例「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧
(1)平成22年11月30日 金沢地裁 平21(行ウ)3号 公金支出差止請求事件
(2)平成22年11月19日 盛岡地裁 平18(行ウ)11号 政務調査費返還請求事件
(3)平成22年11月17日 東京高裁 平22(行ケ)16号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(4)平成22年11月17日 東京高裁 平22(行ケ)15号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(5)平成22年11月12日 東京地裁 平21(行ウ)126号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(6)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)542号 政務調査費返還(住民訴訟)請求事件
(7)平成22年11月 9日 東京地裁 平21(行ウ)251号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(8)平成22年11月 2日 東京高裁 平22(行ケ)14号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(合憲)・東京高裁〕
(9)平成22年10月29日 東京地裁 平19(ワ)31252号 損害賠償等請求事件
(10)平成22年10月29日 東京地裁 平19(行ウ)472号・平19(行ウ)493号・平19(行ウ)494号・平19(行ウ)495号・平19(行ウ)496号・平19(行ウ)497号・平19(行ウ)498号・平19(行ウ)715号・平19(行ウ)785号・平20(行ウ)55号・平20(行ウ)132号・平20(行ウ)133号・平20(行ウ)404号・平20(行ウ)405号・平20(行ウ)406号・平20(行ウ)407号・平20(行ウ)408号・平20(行ウ)686号・平20(行ウ)756号・平21(行ウ)367号・平18(行ウ)472号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分取消請求事件
(11)平成22年10月28日 東京地裁 平19(ワ)31393号 損害賠償請求事件
(12)平成22年10月27日 仙台高裁 平21(行コ)28号 違法公金支出による損害賠償履行請求控訴事件
(13)平成22年10月22日 東京高裁 平22(行ス)76号
(14)平成22年10月 1日 東京地裁 平21(行ウ)132号 難民不認定処分取消等請求事件
(15)平成22年 9月30日 東京地裁 平21(行ウ)231号 報酬支出差止請求事件
(16)平成22年 9月17日 東京地裁 平21(行ウ)226号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(17)平成22年 9月14日 最高裁第三小法廷 平22(ク)760号・平22(許)24号 仮処分命令申立却下決定に対する抗告棄却決定に対する抗告事件
(18)平成22年 7月30日 東京地裁 平21(行ウ)281号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(19)平成22年 7月30日 東京地裁 平20(行ウ)605号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(20)平成22年 6月24日 東京地裁 平21(行ウ)15号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(21)平成22年 6月17日 名古屋高裁 平22(ラ)137号 仮処分命令申立却下決定に対する即時抗告事件
(22)平成22年 6月16日 東京地裁 平22(ワ)221号 損害賠償請求事件
(23)平成22年 6月 8日 東京地裁 平21(行ウ)144号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(24)平成22年 5月31日 東京地裁 平20(ワ)16947号 損害賠償請求事件
(25)平成22年 5月20日 東京地裁 平21(行ウ)99号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(26)平成22年 5月13日 東京高裁 平20(う)2470号 国家公務員法違反被告事件
(27)平成22年 4月28日 東京地裁 平20(行ウ)642号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(28)平成22年 4月27日 札幌高裁 平21(行ケ)1号 衆議院議員選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・札幌高裁・第一審〕
(29)平成22年 4月13日 東京地裁 平20(ワ)34451号 貸金等請求事件
(30)平成22年 3月31日 東京地裁 平21(行ウ)259号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(31)平成22年 3月30日 大阪高裁 平19(ネ)2853号 損害賠償請求控訴事件
(32)平成22年 3月30日 東京地裁 平21(行ウ)256号 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件
(33)平成22年 3月29日 東京高裁 平18(う)2351号 国家公務員法違反被告事件
(34)平成22年 3月29日 金沢地裁 平19(行ウ)5号 公金違法支出損害賠償請求事件
(35)平成22年 3月26日 熊本地裁 平19(行ウ)11号 政務調査費返還履行請求事件
(36)平成22年 3月25日 岐阜地裁大垣支部 平20(ワ)253号 損害賠償請求事件
(37)平成22年 3月12日 福岡高裁 平21(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・福岡高裁・第一審〕
(38)平成22年 3月11日 東京高裁 平21(行ケ)36号 選挙無効請求事件
(39)平成22年 3月11日 東京高裁 平21(行ケ)35号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(40)平成22年 3月 8日 福岡地裁 平19(行ウ)8号 難民不認定処分取消等請求事件
(41)平成22年 3月 3日 東京地裁 平20(行ウ)412号・平20(行ウ)425号・平20(行ウ)426号・平21(行ウ)79号 退去強制令書発付処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(42)平成22年 2月26日 東京地裁 平20(行ウ)486号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(43)平成22年 2月24日 東京高裁 平21(行ケ)20号・平21(行ケ)21号・平21(行ケ)22号・平21(行ケ)23号・平21(行ケ)24号・平21(行ケ)25号・平21(行ケ)26号・平21(行ケ)27号 各選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(44)平成22年 2月24日 東京高裁 平21(行ケ)19号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・東京高裁・第一審〕
(45)平成22年 2月 5日 東京地裁 平20(行ウ)713号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(46)平成22年 2月 3日 東京高裁 平21(行ケ)30号 選挙無効請求事件
(47)平成22年 1月29日 東京地裁 平20(行ウ)261号・平20(行ウ)273号・平20(行ウ)274号 難民の認定をしない処分取消等請求事件(第1事件・第2事件)、退去強制令書発付処分取消等請求事件(第3事件)
(48)平成22年 1月27日 東京地裁 平20(ワ)14157号 損害賠償等請求事件
(49)平成22年 1月25日 広島高裁 平21(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・広島高裁・第一審〕
(50)平成22年 1月22日 東京地裁 平21(行ウ)82号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(51)平成22年 1月15日 東京地裁 平20(行ウ)626号・平21(行ウ)2号 在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成21年12月28日 大阪高裁 平21(行ケ)2号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・大阪高裁・第一審〕
(53)平成21年12月 4日 東京地裁 平20(ワ)7435号・平20(ワ)26797号 建物収去土地明渡請求事件、建物退去土地明渡請求事件
(54)平成21年11月30日 最高裁第二小法廷 平20(あ)13号 住居侵入被告事件 〔葛飾政党ビラ配布事件・上告審〕
(55)平成21年11月27日 東京地裁 平14(刑わ)3696号・平14(刑わ)4021号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(56)平成21年11月26日 東京地裁 平21(行ウ)86号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(57)平成21年11月26日 東京地裁 平20(行ウ)629号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(58)平成21年11月26日 東京地裁 平20(行ウ)436号・平20(行ウ)444号・平20(行ウ)445号・平20(行ウ)446号・平20(行ウ)447号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(59)平成21年10月29日 東京地裁 平18(行ウ)529号・平18(行ウ)564号・平20(行ウ)235号・平20(行ウ)237号 在留を特別に許可しない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(60)平成21年10月28日 京都地裁 平19(ワ)3986号・平20(ワ)797号・平20(ワ)2263号・平20(ワ)3884号・平21(ワ)1575号 損害賠償請求事件
(61)平成21年10月21日 東京地裁 平21(行ウ)61号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(62)平成21年10月 9日 東京地裁 平19(ワ)9718号 損害賠償等請求事件
(63)平成21年 9月30日 最高裁大法廷 平20(行ツ)209号 選挙無効請求事件
(64)平成21年 9月30日 最高裁大法廷 平20(行ツ)196号 選挙無効請求事件
(65)平成21年 9月29日 東京地裁 平19(行ウ)437号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(66)平成21年 8月28日 東京地裁 平19(行ウ)123号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(67)平成21年 8月27日 東京地裁 平20(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(68)平成21年 8月25日 東京地裁 平20(ワ)16289号 書籍出版等差止請求事件 〔扶桑社教科書差し止め訴訟〕
(69)平成21年 7月22日 東京地裁 平21(ワ)7588号 慰謝料等請求事件
(70)平成21年 7月16日 東京地裁 平20(行ウ)525号 難民不認定処分無効確認請求事件
(71)平成21年 6月30日 東京地裁 平20(行ウ)421号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(72)平成21年 6月25日 東京地裁 平18(ワ)17391号 損害賠償等請求事件
(73)平成21年 6月23日 東京地裁 平20(行ウ)163号・平20(行ウ)167号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(74)平成21年 6月17日 大阪高裁 平20(行コ)159号 政務調査費返還請求行為請求控訴事件
(75)平成21年 6月12日 東京地裁 平20(ワ)27642号 貸金請求事件
(76)平成21年 5月29日 東京地裁 平20(行ウ)150号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(77)平成21年 5月27日 東京高裁 平20(行コ)333号 不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件
(78)平成21年 5月26日 東京地裁 平21(む)1220号 政治資金規正法被告事件
(79)平成21年 5月25日 大阪地裁 平18(行ウ)128号 懲戒処分取消請求事件 〔国・気象衛星センター(懲戒免職)事件〕
(80)平成21年 5月22日 東京地裁 平19(行ウ)309号・平20(行ウ)518号 在留特別許可をしない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消請求事件
(81)平成21年 5月11日 京都地裁 平21(む)843号 証拠開示命令請求事件
(82)平成21年 4月23日 仙台地裁 平19(ワ)1560号 不当解雇損害賠償等請求事件 〔京電工論旨解雇事件〕
(83)平成21年 4月21日 東京地裁 平20(行ウ)142号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(84)平成21年 3月31日 大阪地裁 平19(行ウ)34号・平19(行ウ)63号・平19(行ウ)77号・平20(行ウ)82号 国際放送実施命令取消等請求(甲~丙事件)、国際放送実施要請違法無効確認等請求(丁事件)事件
(85)平成21年 3月27日 東京地裁 平19(行ウ)178号・平20(行ウ)21号・平20(行ウ)146号 退去強制令書発付処分取消等請求事件、難民の認定をしない処分取消請求事件
(86)平成21年 3月27日 東京地裁 平18(行ウ)520号・平18(行ウ)524号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(87)平成21年 3月26日 東京地裁 平20(行ウ)134号・平20(行ウ)177号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、追加的併合事件
(88)平成21年 3月26日 東京地裁 平19(行ウ)580号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(89)平成21年 3月24日 東京地裁 平19(ワ)23257号 損害賠償請求事件
(90)平成21年 3月23日 名古屋地裁 平18(行ウ)64号 政務調査費返還代位請求事件
(91)平成21年 3月18日 東京地裁 平19(行ウ)305号・平20(行ウ)501号 在留特別許可をしない処分取消請求事件、難民の認定をしない処分取消等請求事件
(92)平成21年 2月27日 東京地裁 平18(行ウ)497号 遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
(93)平成21年 2月27日 東京地裁 平18(ワ)26458号・平18(ワ)24160号 謝罪広告等請求事件、損害賠償請求事件 〔特高警察関係資料集成事件〕
(94)平成21年 2月25日 東京地裁 平19(行ウ)325号 損害賠償(住民訴訟)請求事件
(95)平成21年 2月25日 東京地裁 平18(行ウ)374号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(96)平成21年 2月16日 東京地裁 平20(ワ)16317号 損害賠償請求事件
(97)平成21年 2月13日 東京地裁 平20(行ウ)144号 難民の認定をしない処分無効確認等請求事件
(98)平成21年 1月29日 東京地裁 平19(行ウ)741号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(99)平成21年 1月27日 横浜地裁川崎支部 平15(ワ)200号 差止等請求事件
(100)平成21年 1月22日 大津地裁 平19(行ウ)10号 公金支出差止め請求事件
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
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(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
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(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
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アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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