政治と選挙Q&A「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例(19)平成28年 3月11日 東京地裁 平26(行ウ)133号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例(19)平成28年 3月11日 東京地裁 平26(行ウ)133号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
裁判年月日 平成28年 3月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平26(行ウ)133号
事件名 難民の認定をしない処分取消等請求事件
文献番号 2016WLJPCA03118006
裁判年月日 平成28年 3月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平26(行ウ)133号
事件名 難民の認定をしない処分取消等請求事件
文献番号 2016WLJPCA03118006
埼玉県草加市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 渡邉彰悟
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 国
同代表者兼処分行政庁 法務大臣 A
処分行政庁 東京入国管理局長 B
被告指定代理人 Cほか別紙指定代理人目録記載のとおり
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 法務大臣が,平成22年11月8日付けで原告に対してした難民の認定をしない処分(以下「本件不認定処分」という。)を取り消す。
2 東京入国管理局長が,平成22年12月6日付けで原告に対してした出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)61条の2の2第2項の規定による在留を特別に許可しない旨の処分(以下「本件在特不許可処分」という。)が無効であることを確認する。
第2 事案の概要
本件は,ナイジェリア連邦共和国(以下「ナイジェリア」という。)の国籍を有する外国人の男性である原告が,入管法61条の2第1項の規定に基づき難民である旨の認定の申請をしたところ,法務大臣から難民の認定をしない処分(本件不認定処分)を受け,入管法69条の2の規定に基づき法務大臣から権限の委任を受けた東京入国管理局長(以下,法務大臣及び法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長を総称して「法務大臣等」という。)から本件在特不許可処分を受けたことについて,原告はビアフラ独立運動組織であるMASSOB(以下「MASSOB」という。)のメンバーで,暴行を受け,自宅も襲撃されるなどしたのであって,入管法2条3号の2並びに難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)1条及び難民の地位に関する議定書(以下「難民議定書」という。)1条にいう「難民」に該当し,また,これに加え,原告は,HIV陽性であり,本邦において治療を継続する必要があること等からすれば,原告については在留を特別に許可すべきであったのに,原告に対してされた本件在特不許可処分には重大な違法があるなどと主張して,本件不認定処分の取消し及び本件在特不許可処分が無効であることの確認を求める事案である。
1 前提事実(当事者間に争いがないか,当裁判所に顕著な事実)
(1) 原告の身分事項
原告は,1964年(昭和39年)○月○日,ナイジェリアにおいて出生したナイジェリアの国籍を有する外国人の男性である。
(2) 原告の在留の状況
ア 原告は,平成22年4月17日,成田国際空港に到着し,東京入国管理局成田空港支局入国審査官から,在留資格を「短期滞在」,在留期間を「15日」とする上陸許可の証印を受けて本邦に上陸した。
イ 原告は,在留期間の末日である平成22年5月2日を経過して本邦に残留した。
ウ 東京入国管理局横浜支局入国警備官は,平成22年8月31日,原告につき違反調査をした。
エ 東京入国管理局横浜支局入国警備官は,平成22年9月1日,後記(3)イのとおり,原告が仮滞在の許可を受けたことから,退去強制の手続を停止した。
オ 東京入国管理局横浜支局入国警備官は,本件不認定処分に対する異議申立てを棄却する旨の裁決があり,上記エによる仮滞在期間の終期が到来したことから,平成26年1月29日,原告につき違反調査をした。
カ 東京入国管理局横浜支局入国警備官は,平成26年2月21日,原告が入管法24条4号ロ(平成26年法律第74号による改正前のもの。以下同じ。)に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,東京入国管理局横浜支局主任審査官から収容令書の発付を受け,同月25日,執行し,原告を,東京入国管理局横浜支局入国審査官に引き渡した。
キ 東京入国管理局横浜支局主任審査官は,平成26年2月25日,原告を仮放免した。
ク 東京入国管理局横浜支局入国審査官は,平成26年2月25日及び同年3月25日,原告が退去強制対象者に該当するかどうかを審査し,その結果,原告が入管法24条4号ロに該当し,かつ,出国命令対象者に該当しない旨の認定を行い,原告にその旨を通知したところ,原告は,同日,特別審理官による口頭審理を請求した。
(3) 難民の認定の手続に関する経緯
ア 原告は,平成22年8月18日,法務大臣に対し,難民である旨の認定に係る申請(以下「本件難民認定申請」という。)をした。
イ 東京入国管理局長は,平成22年8月31日,原告に対し,仮滞在の許可をした。
ウ 東京入国管理局横浜支局難民調査官は,平成22年8月31日,原告から事情を聴取して,事実の調査をした。
エ 法務大臣は,平成22年11月8日,本件不認定処分をした。
オ 東京入国管理局長は,平成22年12月6日,原告に対し,本件在特不許可処分をした。
カ 原告は,平成22年12月6日,本件不認定処分及び本件在特不許可処分の通知を受けた。
キ 原告は,平成22年12月7日,法務大臣に対し,本件不認定処分について異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)をした。
ク 東京入国管理局難民調査官は,平成25年3月8日,前記キの異議申立てについて,原告の口頭意見陳述及び審尋を実施した。
ケ 法務大臣は,平成25年10月18日,難民審査参与員の意見を聴いた上で,本件異議申立てを棄却する旨の決定をし,平成26年1月29日,原告にその旨を通知した。
コ 原告は,平成26年3月25日,法務大臣に対し,2回目の難民である旨の認定に係る申請をした。
(4) 本件訴えの提起
原告は,平成26年3月24日,本件訴えを提起した。
2 争点
(1) 本件不認定処分の適法性
(2) 本件在特不許可処分の効力
3 争点に関する当事者の主張
(1) 本件不認定処分の適法性
(原告の主張の要点)
ア 難民該当性の判断について
後記イ,ウのとおり,原告は,難民であるのに,原告を難民として認定しなかった本件不認定処分は違法である。
そして,難民であると認定するに当たり,法務大臣が立証責任について義務を負担しないとの見解や,その立証基準も民事訴訟における事実の証明の程度と同一のものであるとの見解は誤っており,また,難民であると認定するためには,当該政府が特に当該人を迫害の対象としていることが明らかになるような個別的で具体的な事情があることを要するものではない。
過去に本国において実際に本国政府その他により迫害を受けた事実が存在した場合,それは同人が迫害対象として本国政府から認識されていることを意味し,今後の迫害可能性を高める要素とはなり得るが,重要なのは現在及び将来の迫害を受ける合理的な見込みの有無なのであって,過去の迫害の欠如が将来の迫害の不行使を何ら保証するものではないから,過去の侵害の欠如を理由として難民性を否定することはできない。
また,申請者による反政府活動が著名で,本国政府に個別に認識されていることが明らかな場合,それは同人への今後の迫害可能性を高める要素となるが,著名人でなければ保護の度合いが弱まるのは難民条約の価値判断として誤っており,かえって何の力もない一市民の方が迫害を受けやすいのであるから,申請者が著名な活動家である必要はなく,本国政府にとって反政府的な活動とみなされる行動を行っているのであれば,その者が本国政府に認識されているかどうかにかかわらず,迫害を受けるおそれがあるといえる。
したがって,難民条約上の難民として認められるためには,申請者が殊更本国政府に注視されていることを要しない。
イ ナイジェリアの状況について
(ア) ナイジェリア独立からビアフラ戦争まで
ナイジェリアは,連邦首都地区と36の州からなる連邦共和国であり,2012年(平成24年)時点において約1億7360万人の人口と250以上の民族集団を擁する。
ナイジェリアは,1960年(昭和35年),北部,西部及び東部の3自治地域による連邦国家として,英国から独立した。1960年代初め,独立以前の時代から受け継がれてきた地域的構造が原因となって,民族中心主義的なこれら3地域の内部及び地域間において連邦の支配的地位をめぐった緊張と衝突が生じた。その後も政党間及び民族間の緊張は続き,1966年(昭和41年)にイボ族将校が率いる軍事クーデターが起こり,その後,クーデターや反クーデターが続いた。
1967年(昭和42年),石油資源の開発が進む東部地域が「ビアフラ共和国」として分離独立を目指し,2年半に及ぶビアフラ内戦が始まった。2年半に及ぶ内戦で戦死者20万人と餓死者150万人などを含む約200万人が死亡したとされるこの内戦は,1970年(昭和45年)1月,ビアフラ側の指導者が国外に逃亡した後,ビアフラが降伏して終結した。
(イ) MASSOB(Movement for the Actualisation of the Sovereign State of Biafra)の設立と活動
1993年(平成5年)11月の軍事クーデター以降独裁体制を維持してきたアバチャ元首は,自ら「民選」大統領となるべく進めていた民政移管プロセスの完了を目前にした1998年(平成10年)6月に急死した。
後任のアブバカール元首は,民政移管のやり直しを発表し,この新民政移管プロセスのとおり,1998年(平成10年)12月には地方及び連邦議会の選挙を実施し,翌1999年(平成11年)2月には大統領選挙を実施した。大統領選挙では国民民主党のオバサンジョが当選し,同年5月にオバサンジョが大統領に就任して文民政府が発足した。
このような中,MASSOBは,1999年(平成11年),ウワズリケによる指導の下,イボ族の独立を打ち出して設立された。
イボ族社会には内戦以降のイボ族の取扱いについての憤りがあり,また内戦後に生まれたイボ族男女の間にはイボ族ルネサンス(再興)の哲学が存在する。MASSOBは,それらを背景にしながら勢力を拡大した。MASSOB自体は弱小団体であるものの,政府が過剰に反応していることにより,イボ族住民からの支持を得ている。MASSOBは非暴力運動を唱えているにもかかわらず,政府はMASSOBに強く反対しており,複数のMASSOBの構成員や支持者が逮捕され,数か月間拘束されている。
(ウ) 現在の状況
法律は,政府による民族的差別を禁じているが,特に南部諸集団の構成員やイボ族から,社会的疎外についての訴えが続いている。
MASSOBの運動を組織する者や支持を動員する者など,MASSOBの指導者たちは,当局によって逮捕・拘束される危険がある。
一般に,MASSOBの無名の支持者はNigeria Police Forceの注意を引かないとはいえるものの,MASSOBのより著名な指導者たちが迫害を受けるおそれがあり,また,それらの指導者たちに属する者が迫害や拘束を受けるおそれがあり得る。MASSOBに属する比較的に著名でない者も,他の者たちへの威嚇目的で標的にされ得る。
ウ 原告の経歴及び活動の内容
(ア) 出生・民族など
原告は,1964年(昭和39年)○月○日,ナイジェリア東部のアビア州アバ町において出生した,ナイジェリアの国籍を有するキリスト教徒イボ族の外国人の男性であり,アバ町において,妻及び子4人と一緒に生活していた。
(イ) 本国での状況・活動
原告は,2002年(平成14年),イボ族としてビアフラ独立のために活動するためにMASSOBに加入し,そのメンバーとして会議に参加したり,自身がビジネスのために保有していたバスを無料で他のメンバーのために貸し出したりしていた。また,原告は,地元Ehere ObgorのMASSOBの地区委員であったほか,アバ・ニュー・マーケットにある自身の事務所をMASSOBの事務所として提供していた。
原告は,2006年(平成18年)8月,ナイジェリア政府に対する平和的なデモがMASSOBにより行われた際,MASSOBの地区メンバーを組織し,デモ参加者の移送のために自身のバスを提供した。このとき,原告もバスを運転していたところ,複数の身元不明の者たちに車両を止められて,車内から引きずりおろされ,ひどい暴行を受け,意識不明の状態になり,病院に搬送され治療を受けた。
原告は,2009年(平成21年)12月29日のデモにおいても,デモ参加者の移送にバスを提供して,デモ組織に関与した。
また,原告の自宅を襲撃され,原告の所有する自動車に当たって自動車爆発するという事態もあった。
その後,原告は,自身の生命を守るため,妻子を残したまま,ナイジェリアを出国し,その後,妻と離婚した。
(ウ) 本邦に上陸後の状況
原告は,2010年(平成22年)4月に本邦に上陸して同年8月に本件難民認定申請をした。
エ 原告の難民該当性について
(ア) 原告のように反政府団体であるMASSOBの準指導的な立場にいるメンバーが,ナイジェリアにおいて,政治的意見を理由にして逮捕・拘束されるなどの迫害を受ける対象であることは明白である。原告は,本国に帰国した場合に,政治的意見を理由に迫害を受けるという十分に理由のある恐怖を有するため,難民であり,避難国である日本において国際保護を受けるべき者である。
したがって,原告を難民として認定しなかった本件不認定処分は違法である。
(イ) 被告の主張について
被告は,MASSOBの法律顧問であるという弁護士が,MASSOBメンバーであると主張している亡命希望者のほとんどは偽者であり,MASSOBメンバーとして亡命を要求する人々への庇護を拒否してほしいとしている指摘(乙25)を踏まえて,MASSOBメンバーからの難民申請に対しては慎重な審査が必要であるとしているが,同指摘は,MASSOBメンバーに対し,ナイジェリアにとどまり,自決のために戦うことを求めるアジテーションとしてされているものであるから,被告の指摘は当たらない。
また,被告は,MASSOBの福祉担当のリーダーであるD作成の文書(乙9。以下「D名義の手紙」という。)をねつ造であると推認されると主張するが,原告は,身分証明をする物がないまま自宅から逃走した後,2010年(平成22年)1月6日付けで作成してもらったものであって,出国時に同文書を携帯することによる不利益を恐れて親族に渡して出国し,その後,本邦に上陸してから取り寄せたものであって,同文書の成立の真正や証拠価値を否定することはできない。
(被告の主張の要点)
ア 難民の意義等
(ア) 「難民」とは,「人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であつて,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であつて,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」をいう。
そして,「迫害」とは,「通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧」を意味する。また,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」というためには,当該人が,迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要である。そして,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」とは,単に迫害を受けるおそれがあるという抽象的な可能性が存するにすぎないといった事情では足りず,当該人について迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような個別かつ具体的な事情が存することが必要であり,ある国の政府によって民族浄化が図られていることが明らかであるような場合はともかく,そうでなければ,当該政府が特に当該人を迫害の対象としていることが明らかになるような個別的で具体的な事情があることを要するものと解すべきである。
(イ) そして,「難民」に該当することの立証責任が,難民であることを主張する原告側にあることは,入管法61条の2第1項及び同法施行規則55条1項の規定により,難民認定申請者に対し申請資料として「難民に該当することを証する資料」の提出が求められていることから明らかであり,難民不認定処分は,申請者において,自らが難民であることを証明した場合に初めて違法とされる。
このことは,難民認定処分は,法務大臣により難民認定を受けていることが,他の利益的取扱いを受けるための法律上の要件となっており,授益処分とみることができること,難民該当性を基礎付ける諸事情は,事柄の性質上,外国で,しかも秘密裡にされたものであることが多く,このような事情の有無やその内容等は,それを直接体験した申請者こそが最もよく知ることのできる立場にある一方,法務大臣はそれらの事実につき資料を収集することがそもそも困難であり,難民該当性を基礎付ける事実の不存在を立証する資料の収集は不可能に近いことからしても合理的である。
そして,立証の程度については,原告が本件不認定処分当時において難民と認められるに必要な十分に理由のある迫害の恐怖を有していたか否かが訴訟の場において争われているのであるから,原告がこの点について「合理的な疑いを容れない程度の証明」をしなければならないのは当然である。
イ ナイジェリアの国内情勢
(ア) ナイジェリアの一般情勢
a ナイジェリアは,アフリカで最多の人口を有し,三大部族として知られるハウサ族(北部),ヨルバ族(西部)及びイボ族(東部)を始めとした250以上にも及ぶ民族が混在するアフリカ最大の多民族国家である。国内に存在する部族は,いずれも各部族の自治を求める動きが強い。
b 1967年(昭和42年)に産油地域を含む東部州がビアフラ共和国として独立宣言をしたことにより,「ビアフラ内戦」が勃発し,ナイジェリア政府軍と戦闘状態が発生した。ビアフラ内戦は,東部州の多数派住民イボ族が主導したものであった。
1970年(昭和45年)にビアフラ共和国が無条件降伏をしてビアフラ内戦は終了したが,内戦の間に,多数のイボ族が殺害されたり餓死したりしたとされる。
c ナイジェリアでは,1966年(昭和41年)以降,軍事クーデターが頻発し,その都度軍事独裁政権が誕生したが,1999年(平成11年)2月には大統領選挙が実施され,同年5月にオバサンジョが大統領に就任し,民政移管した。
2011年(平成23年)4月に大統領選挙が実施され,グッドラック・エベレ・ジョナサンが当選し,大統領に再任された。
(イ) MASSOBの概要
a MASSOBは,1999年(平成11年)9月13日に,ウワズリケによって結成された。
b MASSOBは,1960年代のビアフラ内戦以来のイボ族の扱いに対する不満を背景にして,イボ族の自決,ビアフラの分離独立,主権国家の実現等を目指すべく結成され,その実現に向けた運動をしている。
c オバサンジョ大統領の政権下では,ナイジェリア政府とMASSOBとの間で,衝突が度重なり,弾圧の対象とされ,そのたびに死傷者や逮捕者が出ていた。ウワズリケも逮捕され,反逆罪で訴追された。また,その他のメンバーやウワズリケの釈放を求めて抗議活動をした者などが相当数逮捕されるという状況にあった。
ウ 本件不認定処分当時において原告に難民該当性を基礎付けるような個別具体的な迫害のおそれがあったとは認めることができないこと
(ア) MASSOBの活動に参加したことを理由に迫害を受けるおそれがあると主張する者からの難民認定申請に対しては,特に慎重な審査が求められること
MASSOBの法律顧問であるという弁護士が,MASSOBのメンバーであると主張している亡命希望者のほとんどは偽者であり,このような者への庇護を拒否してほしいと発言していることからすると,MASSOBの活動に参加したことを理由に迫害を受けるおそれを主張する者からの難民認定申請に対しては,特に慎重な審査が必要とされる。
(イ) 原告の供述は信用性がなく,原告が主張する難民該当性を基礎付ける事情はいずれも認められないこと
a 原告がMASSOB地区委員であったかどうかについて
原告は,地元Ehere ObgorのMASSOB地区委員であったと主張する。
しかし,そもそもかかる地区委員がMASSOBの組織においていかなる地位であるかは不明であるが,原告は,難民認定申請書及び難民調査官の事情聴取において,MASSOB地区委員であったことは全く供述しておらず,ボスの指示により人を集会の場所にバイクで運んだり,荷物の輸送係をしていたと供述するなど,MASSOBの一構成員にすぎないことを自認する供述をしていた。
原告は,本件異議申立てにおいて,Ehere ObgorにおけるMASSOBの地区委員であったことを初めて供述し,これを裏付ける証拠として,MASSOBの福利厚生指導者であるDが作成したとする推薦状(乙9。D名義の手紙。)を提出した。
しかし,それ以前の難民認定申請書及び難民調査官の事情聴取において,MASSOBの地区委員であったことを供述しなかったのは不自然である。また,原告の供述によると,D名義の手紙を持たずに出国したこととなるところ,このことと,本件難民認定申請及び難民調査官の事情聴取において,D名義の手紙について何ら言及しなかったというのは極めて不自然であり,その内容も,難民認定申請書及び難民調査官の事情聴取においては何ら供述していなかった内容であり,これが真実であれば,本国政府から迫害を受けることを根拠付ける事情として当然供述してしかるべき内容であるから,本件不認定処分を受け,本件異議申立てにおいてこれを覆すことをもくろんで作出されたねつ造文書であると推認される。
したがって,原告がMASSOBの地区委員を務めていたとは到底認められず,MASSOBのメンバーであったとも認められない。
b 2006年(平成18年)8月のデモにおける暴行について
原告は,2006年(平成18年)8月,デモ参加者の移送のためにバスを運転していたところ,複数の身元不明の者たちに車両を止められて,車内から引きずり下ろされ,ひどい暴行を受けたと主張するのみで,原告に暴行を加えた主体を特定していないから,原告が主張する上記の事情は,そもそも原告の難民該当性を基礎付ける事情とはなり得ないというべきである。
原告は,難民調査官の事情聴取においては,襲撃の主体は分からないとしていたのに,本件異議申立てにおいては,襲撃の主体を警察であると変遷させ,本人尋問においても警察であると供述したが,そのように認識した経緯について合理的な説明をしておらず,襲撃の主体に係る原告の供述は信用することができない。
また,2006年(平成18年)に襲撃を受けた際の暴行態様等に係る原告の供述も,当初は,車内で殴られたりナイフで刺されたりした旨供述していたのに,銃で撃たれたり,銃で頭を叩かれたと供述し,さらに,車内から引きずり下ろされて暴行を受けたと供述を変遷させているのであって,供述の変遷につき合理的な理由を説明していないから,暴行態様等に係る原告の供述も信用することができない。
加えて,原告は,難民調査官の事情聴取において,1回目の事件について,原告の兄弟が代わりに警察に届けた旨供述しているところ,本国の警察から襲撃されるような立場にあったという原告が,襲撃主体である警察に被害の届出をすることは,およそ不自然なものといわざるを得ない。
以上のとおり,原告が2006年(平成18年)に襲撃されたという供述には,不自然で不合理な変遷や,矛盾する点が認められ,その事実の存在自体疑わしいものであって,原告の供述は信用することができず,原告の主張は理由がない。
c 2009年(平成21年)12月に自宅を襲撃されたことについて
原告は,2009年(平成21年)12月29日のデモにおいても,デモ参加者の移送にバスを提供して,デモ組織に関与し,また,原告の自宅を襲撃され,原告の所有する自動車を爆破された旨主張し,これに沿う供述をする。
しかし,原告の主張によっても,原告の自宅を襲撃し,自動車を爆破した主体を特定していないから,原告の主張する事情は,そもそも原告の難民該当性を基礎付ける事情とはなり得ないというべきである。
また,原告は,当初は,2回目の襲撃の主体について分からないと供述していたのに,本件異議申立てにおいては,襲撃したのはナイジェリア警察であると,合理的な理由なく供述を変遷させた。
さらに,原告は,難民調査官の事情聴取の際には,襲撃時の状況について,襲撃の主体から,ドアを開けないんだったら撃つぞと言われたことについて何ら供述していなかったのに,本人尋問においては,そのように言われた旨を供述するに至っており,その供述の齟齬の理由について合理的に説明していないから,襲撃時の状況についての原告の供述は信用できない。
以上のとおり,原告は,2009年(平成21年)の襲撃について,襲撃の主体に係る供述を合理的理由なく変遷させているばかりか,襲撃時の状況についても,不合理に変遷させており,およそ信用できるものではないから,原告の供述を信用することはできず,原告の主張は理由がない。
d 原告のMASSOBにおける地位について
原告は,原告がMASSOBの準指導的な立場にあると主張する。
しかし,前記aのとおり,原告がMASSOBのメンバーであったかすら疑わしく,準指導的な立場にあったとも認められない。
この点をおくとしても,原告は,難民認定申請書において,特定の社会的集団の構成員であることにより,逮捕,抑留,拘禁,その他身体の拘束や暴行等を受けたことがあるかとの質問に対し,いいえを選択しており,難民調査官による事情聴取においても,一般にMASSOBのメンバーであることを理由に政府から尋問されたり拘束されたりするのに,原告にはそのようなことはなかったと供述しているのであるから,原告がMASSOBの準指導的な立場にあって,本国政府から殊更注視される存在であったとは認められない。
(ウ) 原告には難民該当性を否定する事情が存すること
原告は,2006年(平成18年)4月24日,原告の名義の正規の旅券の発給を受け,2010年(平成22年)4月16日,手続上の問題なくナイジェリアを出国しており,本邦に上陸した後も,在東京ナイジェリア大使館に行き,旅券の更新をすることが可能であって,特段,所在を探されていることもない様子である。
さらに,原告は,平成22年4月17日に成田国際空港に到着し,東京入国管理局成田空港支局入国審査官に対し,渡航目的を「商用」などとして上陸許可の申請をしたのみで,難民として庇護を求めることもなく,不法残留後に本件難民認定申請をした。
以上のような原告の行動は,本国政府から迫害を受けるおそれを感じ,本国を出国した者の行動としては不自然といわざるを得ず,原告には難民該当性を否定する事情が認められる。
エ 以上のとおり,原告の主張する事情は,いずれも難民該当性を裏付ける事情とはいえず,かえって原告には難民該当性を否定する事情があるから,原告は難民であるとは認められず,本件不認定処分は適法である。
(2) 争点(2)(本件在特不許可処分の効力)
(原告の主張の要点)
ア 原告は,難民条約上の難民に該当し,ナイジェリアに戻れば非人道的な又は品位を傷つける取扱いが行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠があり,ナイジェリアのほかに送還可能な国もなかったのであるから,東京入国管理局長は,拷問及び他の残虐な,非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約3条1項及び市民的及び政治的権利に関する国際規約7条に定めるノンルフールマン原則を遵守するため,原告に在留を特別に許可すべき義務を負っていたにもかかわらず,本件在特不許可処分をしており,その違反は重大であるから,本件在特不許可処分は無効である。
イ また,原告はHIV感染者であり,HIV陽性であるところ,HIVが多く活発な状況にあり,本邦において受けていた薬剤の組み合わせによる抗HIV療法は,ナイジェリアでは入手困難である。また,ナイジェリアにおいては,衛生状態も悪く,医療水準も低く,政府による対策も遅れている上,原告の出身地であるアビア州においては,首都や大都市のように治療にアクセスすることも困難であるから,本邦において受けていたHIV治療の水準を,本国への送還後も確保するのはかなり厳しい状況にある。
そして,東京地方裁判所の平成27年6月16日判決は,潰瘍性大腸炎に罹患した者が本邦での治療を必要とする立場にある者や,停留精巣という疾病を抱える者について,本国へ帰国すると適切な治療を受けることができないなどとして,在留を特別に許可しなかった判断につき,経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約も踏まえ,判断の基礎とされた重要な事実に誤認があり,又は事実に対する評価が社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとしているところ,本件においても,ナイジェリアにおける医療水準は十分でなく,原告が本邦で受けたのと同様の治療が継続されなければ,AIDSに移行してしまう可能性が否定できないことからすれば,この点を考慮しなかった本件在特不許可処分は違法であるといわざるを得ない。
(被告の主張の要点)
ア 法務大臣等の裁量権について
入管法61条の2の2第2項に基づく特別許可は,在留資格未取得外国人が,同法24条各号の退去強制事由に該当する者であることを前提にした上で,法務大臣が,当該在留資格未取得外国人の在留を特別に許可すべき事情があるか否か,具体的には,当該在留資格未取得外国人の滞在中の一切の行状等の個別的事情のみならず,国内の治安や善良な風俗の維持,保健衛生の確保,労働市場の安定等の政治,経済,社会等の諸事情,当該外国人の本国との外交関係,我が国の外交政策,国際情勢といった諸般の事情をその時々に応じ,各事情に関する将来の変化の可能性なども含めて総合的に考慮し,我が国の国益を害せず,むしろ積極的に利すると認められるか否かを判断して行わなければならない。
したがって,法務大臣の入管法61条の2の2第2項に基づく在留特別許可の許否に関する裁量の範囲は,入管法50条1項の在留特別許可の場合と同様に,広範なものであることは明らかであり,この理は,法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長にも妥当する。在留特別許可を付与しないという法務大臣等の判断が裁量権の逸脱又は濫用に当たるとして違法とされるのは,法律上当然に退去強制されるべき外国人について,なお我が国に在留することを認めなければならない積極的な理由があったにもかかわらずこれが看過されたなど,在留特別許可の制度を設けた入管法の趣旨に明らかに反するような極めて特別な事情が認められる場合に限られる。
イ 本件在特不許可処分について
前記(1)(被告の主張の要点)のとおり,原告は,難民とは認められないから,これを前提として本件在特不許可処分の違法をいう原告の主張は理由がない。
また,原告は,HIVに罹患していることを考慮すべきと主張する。
しかし,医療福祉政策による国民の保護は第一義的には国籍国の責任で行われるべきものであって,ナイジェリアの国籍を有する原告は,一義的にはナイジェリア政府に保護・治療を求めるべきであるから,原告が本国に強制送還された後に本邦と同等の医療水準での医療を受けられなくなることがあるとしても,そのことから直ちに在留特別許可を認めなかったことが違法なものであると認め得ることにはならない。そして,在留特別許可が,退去強制事由があり強制送還を余儀なくされる外国人に対し,恩恵的に与えられるものであることからすれば,人道的配慮の見地から極めてやむを得ない例外的な場合に在留特別許可を付与すべきことがあり得るにしても,かかる場合に該当するのは,国籍国に帰国後,直ちに生命に危険が生ずるような事態に陥る可能性がある場合,本邦から国籍国への移動を困難とするような重篤な病状である場合,本邦でなければ治療ができないような重篤な病状である場合など,その病状が生命に関わるほど重篤で,極めて高度の治療の必要性・緊急性及び病状が重症化する切迫性が認められる場合等に限られるべきである。
したがって,原告の主張に理由がないことは明らかであるところ,以下のとおり,原告がナイジェリアに帰国した場合,適切な治療が受けられない旨の原告の主張も失当である。
ナイジェリアを含むサハラ以南アフリカのエイズ感染者の死亡率が,世界の他の地域と比較して殊更高いとはいえない上,UNAIDSなどの活動により,エイズによる死亡者は減少傾向にあることなどからすれば,ナイジェリアにおいて,適切なエイズ治療が行われていないとは認められない。
また,原告の病状についても,HIVRNA量は非常に抑制されており,治療成功と判断されていたのであるから,その病状が生命に関わるほど重篤で,極めて高度の治療の必要性・緊急性及び病状が重症化する切迫性が認められる場合等には当たらないことは明らかであるし,原告が,ナイジェリアに帰国後,アビア州以外の地域で治療を受けることも可能であり,適切な治療を受ける可能性がないなどとはいえない。
したがって,本件在特不許可処分は適法であり,処分の外形上,客観的に瑕疵が一見して看取し得るものとは到底いえないから,原告の主張には理由がない。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(本件不認定処分の適法性)
(1) 難民の意義等について
入管法2条3号の2は,同法における「難民」の意義について,難民条約1条の規定又は難民議定書1条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうと規定している。このような同法の規定に照らせば,同法にいう難民とは,「人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であつて,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であつて,当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」をいうと解するのが相当である。
そして,上記の「迫害」の意義については,通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって,生命又は身体の自由の侵害又は抑圧を意味するものと解するのが相当である。また,上記にいう「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」というためには,当該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事情のほかに,通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存在していることが必要であると解される。
なお,上記の難民該当性に係る各要件については,難民である旨の認定に係る申請をしようとする外国人に対して難民に該当することを証する資料の提出を求めている入管法61条の2第1項及び出入国管理及び難民認定法施行規則55条1項の趣旨に照らし,申請者たる原告が立証すべきものと解するのが相当である。
原告は上記と異なる主張をするが,原告の主張するように解すべき我が国の法令上の根拠等も格別見出し難いから,採用することができない。
(2) ナイジェリアの一般情勢等について
後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア ナイジェリアの略史等
(ア) ナイジェリアは,平成24年時点で1億7360万人とアフリカで最多の人口を有し,ハウサ族(北部),ヨルバ族(西部)及びイボ族(東部)を始めとした250以上にも及ぶ民族が混在している(乙18,19,22)。
(イ) ナイジェリアは,1960年(昭和35年),英国から独立し,1963年(昭和38年),連邦共和国となったが,1966年(昭和41年),軍事クーデターが起こった。
そして,イボ族を中心とする東部州が,1967年(昭和42年),ビアフラ共和国として独立宣言をし,内戦となったところ,1970年(昭和45年),ビアフラ共和国が無条件降伏することにより,内戦が終結した。
その後も,1993年(平成5年)までの間に,複数回の軍事クーデターが起こった。(乙18,22)
(ウ) ナイジェリアでは,1999年(平成11年),大統領選挙が実施され,オバサンジョが大統領に選任されて民政移管した。2011年(平成23年),大統領選挙が実施され,ジョナサンが当選し,大統領に選任された(乙18,22)。
イ MASSOB
(ア) MASSOBは,1999年(平成11年)に,ウワズリケによって結成された団体で,ビアフラ内戦以降のイボ族に対する差別への不満を背景にして,イボ族の独立を目指して活動を行っている(乙21,25)。
(イ) オバサンジョ大統領の政権下では,ナイジェリア政府とMASSOBとの間で衝突が度重なり,MASSOBは,弾圧の対象とされ,逮捕者が出ていたところ,2005年(平成17年)にもナイジェリア政府とMASSOBとの間で武力衝突が繰り返され,ウワズリケも逮捕され,反逆罪で訴追された(乙19,20,21,25)。
(3) 原告の個別事情等
前記(2)のナイジェリアの一般情勢等を踏まえ,原告の主張する原告の経歴及び活動の有無並びにこれらが原告の難民該当性を基礎付けるか否かについて検討する。
ア 原告がMASSOBのメンバーであるか否か及びその地位について
(ア) 原告は,イボ族の男性であるところ,2002年(平成14年)イボ族としてビアフラ独立のために活動するため,MASSOBに加入し,そのメンバーとして会議に参加し,自身の保有するバスを無料で他のメンバーのために貸し出したりするなどし,地元で地区委員を務め,自身の事務所をMASSOBの事務所として提供していたなどと主張し,本人尋問においてこれに沿う供述をしている。
(イ) 原告は,本件異議申立て後である平成23年1月11日に提出した申述書(乙8)において,2010年(平成22年)1月6日付けのMASSOBの福利厚生指導者であるというDが作成したD名義の手紙(乙9)を提出しているところ,本件異議申立て後の審尋において,ナイジェリアの出国前に同手紙を受け取り,ナイジェリア国内で身分証明書として使っていたが,ナイジェリアを出国する際には携行せず,本邦に上陸してから送ってもらった旨の供述をしている(乙13)。
そして,D名義の手紙には,要旨,原告は,①MASSOBのアバ県の地区役員であった,②自分の店をMASSOBの事務所に変えた,③平和デモのため,2006年(平成18年)8月に5000人を,2009年(平成21年)12月に7000人を結集させたところ,このことが原因でナイジェリア政府から指名手配され,ナイジェリア政府は原告を殺害する準備ができているとしているなどと記載されているほか,世界中の全ての関係する人々や当局が,原告に十分な安全と保護を提供くださることを心から祈るなどと記載されている(乙9)。
(ウ) しかしながら,証拠(乙2,4)によれば,原告は,本件難民認定申請(平成22年8月18日)に際して提出した申請書において,本国政府に敵対する組織に属しておらず,敵対する政治的意見を表明したり,行動をとったりしたことはなく,逮捕状の発付又は手配がされていることもない旨の記載をしていること,平成22年8月31日にされた難民調査官による調査において,MASSOBのメンバーカードを所持しているかを聞かれたのに,D名義の手紙について何ら言及していないばかりか,追加して提出したい資料の有無を問われた際にも,D名義の手紙を挙げていないことが認められる。
D名義の手紙が,原告がMASSOBのメンバーであることを裏付け得る客観的な証拠であり,また,その内容も,原告がMASSOBでの活動を理由としてナイジェリア政府から指名手配されているなどというものであることからすれば,仮に原告が供述するとおり,ナイジェリアを出国する前にD名義の手紙を受領していたのであれば,本件難民認定申請の当初からD名義の手紙が存在することに言及すると考えられる上,本件難民認定申請に際しても,逮捕状の発付又は手配がされてはいない旨の記載はしないと考えられるのに,上記のとおり,D名義の手紙の存在に言及したのは本件異議申立ての後であり,本件難民認定申請に際し,指名手配されていることがうかがえるような申述もしていないことに照らすと,D名義の手紙の作成や原告が入手した経緯に関する原告の供述等は信用することができず,他に同手紙が真正に成立したことを認めるに足りる証拠はない。
(エ) また,証拠(乙2,4,8)によれば,原告は,本件難民認定申請に際して提出した申請書において,MASSOBのメンバーであったとは記載しているものの,その地区委員であったことは記載しておらず,平成22年8月31日にされた難民調査官による調査においても,MASSOBの幹部ではないと供述していた一方,本件異議申立て以降に,申述書においてMASSOBの地区委員である旨を記載するに至っている。
原告が,本人尋問において,当初からMASSOBの地区委員である旨を供述していたか覚えていないと供述していることにも鑑みると,原告は,当初はMASSOBの地区委員である旨の供述をしていなかったのに,本件異議申立て以降において初めて,その旨の供述をするに至ったことになるのであって,このように供述をするに至った理由について何ら合理的な理由はうかがえない。
(オ) そして,D名義の手紙のほかに,原告がMASSOBのメンバーとしてしたという活動を裏付け得る客観的証拠はなく,MASSOBの地区委員である旨の原告の供述も信用することはできないところ,他に原告がMASSOBの地区委員を務めていたことを裏付けるに足りる証拠はないから,原告がMASSOBの地区役員であり,準指導的な立場にあったとは認められないし,本件難民認定申請の当初からMASSOBのメンバーである旨の供述をしてはいるものの,そのメンバーであったことも疑わしいといわざるを得ない。
イ 2006年(平成18年)6月のデモにおける暴行について
(ア) 原告は,2006年(平成18年)8月,MASSOBによる平和的なデモが行われた際,MASSOBの地区メンバーを組織し,デモ参加者の移送のために自身のバスを提供した上,バスを運転していたところ,複数の身元不明の者たちから暴行を受け,意識不明の状態になった旨主張する。
そして,原告は,本件異議申立て後の審尋において,襲撃された際には,警察だとは分からなかったが,その後の2009年(平成21年)12月に,原告の家に逮捕するために来たことから,襲撃の主体は警察であると分かった,また,銃を持っていたから警察であると分かった旨の供述(乙13)をし,原告本人尋問においても,原告を襲撃した者たちは銃を持っており,その時点では警察であるとは分からなかったが,その後,原告をチェックしに来たため,警察であると分かった,その際に傷を負った原告が写った写真(甲2)がある旨の供述をしている。
(イ) しかしながら,証拠(乙2,4)によれば,原告は,本件難民申請に際して提出した申請書において,特定の社会的集団の構成員であることを理由に迫害を受けるとする一方で,それを理由として身体の拘束や暴行等を受けたことはないと記載していること,平成22年8月31日にされた難民調査官による調査において,2006年(平成18年)9月に,誰かは分からない人たちから襲われたところ,ナイフで刺されるなどした旨供述するものの,銃を持っていたなどとは供述していないことが認められる。
原告が,ナイジェリアの警察から襲撃されたのであれば,原告の難民該当性を基礎付け得る事情であり,本件難民申請の当初からその旨を供述してしかるべきであるのに,上記のとおり,本件異議申立ての前にはその旨の供述をしておらず,本件異議申立ての後にその旨の供述をするに至っていること,原告が,本件異議申立ての後にした供述において,原告を襲撃した主体が銃を持っていたことから,警察であると分かったという経緯についても,仮にそのとおりであれば,本件異議申立ての前から分かっていたことであって,当初から警察に襲撃されたと供述するのが自然であることからすれば,原告が警察から襲撃された旨の原告の供述は信用することができないし,前記アのとおり,原告がMASSOBのメンバーで準指導的立場にあったとは認め難いことにも鑑みれば,2006年(平成18年)8月か9月のデモに参加し,暴行を受けた旨の供述も信用することができない。
そして,原告が傷を負った状態を写したという写真(甲2)についても,原告を写したものであるとしても,その撮影時期や経緯を明らかにするものとはいえず,原告が2006年(平成18年)8月か9月のデモの際に,暴行を受けて傷を負ったことを裏付けるものとはいえない。
(ウ) そして,他に,原告が2006年(平成18年)8月か9月のデモの際に,警察から襲撃されて傷を負ったことを裏付けるに足りる証拠はないから,そのような事実があったとは認められない。
ウ 2009年(平成21年)12月に自宅を襲撃されたことについて
(ア) 原告は,2009年(平成21年)12月,デモ参加者の移送にバスを提供してデモ組織に関与し,原告の自宅を襲撃され,所有する自動車を爆破された旨主張する。
そして,証拠(乙4,13,原告本人)によれば,原告は,2009年(平成21年)12月29日に自宅を襲撃された際の状況について,平成22年8月31日にされた難民調査官による調査において,襲われた際に逃げており,襲った者たちを見ていないところ,車が燃えているのを見たと供述していること,本件異議申立て後の審尋において,警察が原告を逮捕するために原告の自宅に来たところ,車が燃やされ,原告は逃げたと供述していること,原告本人尋問において,自宅のドアをノックされたため,逃げたところ,その後,車が燃やされたのであり,後日,燃やされた車の写真(甲2)を家族から送ってもらった旨の供述をしていることが認められる。
(イ) 2009年(平成21年)12月に自宅を襲われたことについての原告の供述は,前記(ア)のとおり,襲撃の主体を見て警察と認識したかどうかについて変遷しているところ,その変遷について合理的な説明がされていないものであるし,警察に襲われたのであれば,難民該当性を基礎付け得る事情として,本件難民認定申請の当初から申請書に記載すると考えられるのに,本件難民申請に際して提出した申請書において,特定の社会的集団の構成員であることを理由に迫害を受けるとする一方で,それを理由として身体の拘束や暴行等を受けたことはないと記載していること(乙2)にも鑑みれば,信用し難いものというほかない。
そして,その際に燃やされた自動車であるという写真(甲2)についても,その撮影時期や経緯を明らかにするものとはいえず,原告が2009年(平成21年)12月に自宅を襲われたことを裏付けるものとはいえない。
(ウ) そして,他に,原告が2009年(平成21年)12月に,警察から自宅を襲撃されたことを裏付けるに足りる証拠はないから,そのような事実があったとは認められない。
エ 以上のとおり,原告がMASSOBの準指導的立場にあったとは認められず,警察から襲われたことがあるとも認められないことに加え,証拠(乙4,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,在日本ナイジェリア大使館において,原告を探しているような状況にはなく,原告が本邦に上陸してから同大使館を訪れたことがあるが,特段の問題も生じていないと認められることにも鑑みれば,ナイジェリア政府が,原告について,MASSOBのメンバーとして,反政府的な活動を行っていると認識していたことすらうかがわれないというほかはなく,原告について,迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するとはいえず,原告が難民であると認めることはできない。
したがって,原告について難民の認定をしなかった本件不認定処分は適法である。
2 争点(2)(本件在特不許可処分の効力)
(1) 入管法61条の2の2第2項の規定に基づく在留特別許可に係る法務大臣等の裁量権について
国際慣習法上,国家は外国人を受け入れる義務を負うものではなく,特別の義務がない限り,外国人を自国内に受け入れるかどうか,また,これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかは,専ら当該国家の立法政策に委ねられており,憲法上,外国人は,本邦に入国する自由が保障されていないことはもとより,在留する権利又は引き続き在留することを要求する権利を保障されているということもできない(最高裁昭和29年(あ)第3594号同32年6月19日判決・刑集11巻6号1663頁,最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月4日大法廷判決・民集32巻7号1223頁参照)。
そして,入管法61条の2の2第2項の在留特別許可については,在留資格未取得外国人について「在留を特別に許可すべき事情がある…と認めるとき」に許可することができるとされているほかは,その許否の判断の要件ないし基準とすべき事項は定められておらず,このことと,外国人の出入国の管理及び在留の規制は国内の治安と善良な風俗の維持,保健・衛生の確保,労働市場の安定等の国益の保持を目的として行われるものであって,このような国益の保持の判断については,広く情報を収集し,その分析の上に立って時宜に応じた的確な判断を行うことが必要であり,高度な政治的判断を要求される場合もあり得ることなどを勘案すれば,在留特別許可をすべきか否かの判断は,法務大臣の広範な裁量に委ねられていると解すべきである。
もっとも,法務大臣の裁量権の内容は全く無制約のものではなく,その判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により判断が全く事実の基礎を欠く場合や,事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかである場合には,法務大臣の判断が裁量権の範囲から逸脱し,又はこれを濫用したものとして違法になることがあるものと解される。
以上に述べたところについて,法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長につき異なって解すべき根拠等は見当たらない。
(2) 本件在特不許可処分の有効性について
ア 前提事実(2)ア,イ,(3)ア,エのとおり,原告は,在留期間の末日である平成22年5月2日を経過して本邦に残留し,その後,本件難民認定申請をしたが,本件難民不認定処分を受けた者であり,入管法61条の2の2第2項の規定の適用を受ける者であるところ,原告は,本件在特不許可処分について,原告は①難民であり,また,②HIV感染者であるから,違法であると主張する。
イ 上記アの①については,原告が難民であるとはいえないことは,前記1で説示したとおりである。
ウ(ア) 上記アの②についてみると,証拠(甲8,10,乙10,12,19,27~29,31,32の1,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,①原告は,HIV感染症と診断され,横浜市立病院において,複数の薬剤の投与を受け,HIVRNA量が抑制されているところ,主治医は,同薬剤はアフリカでは入手が困難な組合せであると考えていること,②ナイジェリアでは,抗レトロウイルスによるHIVの治療を拡大するための努力が続けられており,複数の抗レトロウイルスを使用することができるが,他方で,ナイジェリアで提供されている抗レトロウイルスの種類は,我が国で提供されているものとは大きく異なっており,首都や最大都市以外の地方部の治療拠点は弱体であることなどの指摘がされていることが認められる。
(イ) 前記(1)に述べたとおり,外国人については,本邦に入国する自由が保障されていないことはもとより,在留する権利又は引き続き在留することを要求する権利も保障されていないのであり,本邦においてその社会制度や医療水準を前提とした医療を受ける法的地位ないし利益が保障されているものでもなく,国民の保護は第一義的には国籍国の責任において行われるべきものである。そして,上記(ア)のとおり,原告は,現在,投薬により,HIVRNA量が抑制され,症状が安定しているところ,ナイジェリアにおけるHIV感染症に対する治療は,本邦と全く同一の水準とまではいえず,原告が上記の投薬治療と全く同一の治療を受けられるとはいい難いものの,ナイジェリアにおいても,HIV感染症に対する治療の拡大のための努力が続けられている状況にあり,首都等の主要都市においては,相応の治療を受けることができるのであるから,原告がHIVに罹患していることについて,原告に在留特別許可をするか否かを判断する上で特別に重視すべきほどの事情があるとは評価しなかったとしても,不合理であるとはいい難い。
エ したがって,本件在特不許可処分に重大な違法があるとはいえず,これが無効であるとはいえない。
3 よって,原告の請求は,いずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 舘内比佐志 裁判官 荒谷謙介 裁判官 宮端謙一)
別紙
指定代理人目録〈省略〉
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政治と選挙の裁判例「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧
(1)平成28年 6月28日 東京地裁 平26(行ウ)603号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(2)平成28年 6月22日 仙台高裁 平27(行コ)2号・平27(行コ)9号 政務調査費返還履行等請求控訴、同附帯控訴事件
(3)平成28年 6月22日 山口地裁 平26(行ウ)7号 不当利得返還請求住民訴訟事件
(4)平成28年 6月 8日 大阪地裁 平25(行ウ)101号 違法支出金返還請求事件(住民訴訟)
(5)平成28年 5月31日 東京地裁 平26(行ウ)407号・平27(行ウ)22号 難民の認定をしない処分に係る決定取消等請求事件、訴えの追加的併合事件
(6)平成28年 5月31日 東京地裁 平26(行ウ)221号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(7)平成28年 5月25日 東京地裁 平27(行ウ)458号 難民不認定処分取消請求事件
(8)平成28年 5月17日 山形地裁 平23(行ウ)2号 山形県議会議員政務調査費返還等請求事件
(9)平成28年 4月28日 大阪高裁 平27(行コ)156号 損害賠償等請求控訴事件
(10)平成28年 4月27日 岡山地裁 平25(行ウ)12号 不当利得返還請求事件
(11)平成28年 4月22日 新潟地裁 平25(行ウ)7号 政務調査費返還履行請求事件
(12)平成28年 4月19日 大阪地裁 平27(ワ)5302号 損害賠償等請求事件
(13)平成28年 4月15日 秋田地裁 平27(行ウ)2号 損害賠償等義務付け等請求事件
(14)平成28年 4月13日 福井地裁 平25(行ウ)2号 2011年度福井県議会政務調査費人件費等返還請求事件
(15)平成28年 3月25日 大阪高裁 平27(ネ)1608号・平27(ネ)2427号 損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
(16)平成28年 3月22日 札幌高裁 平27(行コ)11号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(17)平成28年 3月22日 東京地裁 平26(行ウ)582号 政務活動費返還請求事件
(18)平成28年 3月15日 大阪地裁 平27(ワ)3109号 損害賠償等請求事件
(19)平成28年 3月11日 東京地裁 平26(行ウ)133号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(20)平成28年 3月11日 東京地裁 平25(行ウ)677号 政務調査研究費返還請求事件
(21)昭和25年 9月 5日 秋田地裁 昭25(ヨ)71号 仮処分申請事件 〔日通秋田支店スト事件〕
(22)昭和25年 9月 1日 広島高裁岡山支部 事件番号不詳 昭和22年勅令第1号違反被告事件
(23)昭和25年 8月30日 福岡高裁 昭24(ナ)6号 教育委員会の委員の当選の効力に関する異議事件
(24)昭和25年 7月19日 福岡高裁 昭24(つ)1580号
(25)昭和25年 7月 3日 広島高裁松江支部 昭25(う)28号 暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(26)昭和25年 6月27日 福岡高裁 事件番号不詳
(27)昭和25年 6月17日 札幌高裁 事件番号不詳 公務執行妨害暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
(28)昭和25年 6月15日 東京地裁 昭25(ヨ)3号 仮処分申請事件 〔池貝鉄工整理解雇事件〕
(29)昭和25年 6月15日 青森地裁 昭25(行)4号 指名推選無効確認等請求事件
(30)昭和25年 6月 6日 東京高裁 事件番号不詳
(31)昭和25年 5月24日 東京高裁 事件番号不詳 昭和22年勅令第1号違反被告事件
(32)昭和25年 5月18日 長崎地裁 昭25(ワ)40号 事業区域内立入禁止等請求事件 〔松島炭鉱懲戒解雇事件〕
(33)昭和25年 5月16日 名古屋高裁 昭23(ナ)2号・昭23(ナ)3号 議会解散賛否投票の効力に関する訴願裁決に対する訴訟併合事件
(34)昭和25年 5月13日 大阪高裁 事件番号不詳 収賄等被告事件
(35)昭和25年 4月27日 東京高裁 事件番号不詳 経済関係罰則の整備に関する法律違反、公職に関する就職禁止退官退職等に関する勅令違反、贈賄、収賄各被告事件
(36)昭和25年 4月 8日 福岡地裁 昭24(ヨ)36号・昭24(ヨ)37号・昭24(ヨ)44号・昭24(ヨ)85号 仮処分申請事件 〔西鉄スト事件〕
(37)昭和25年 2月 7日 福岡高裁 昭24(つ)1072号
(38)昭和24年11月29日 札幌高裁 事件番号不詳 雇傭契約解除無効確認俸給支払請求控訴事件〔十勝女子商業事件〕
(39)昭和24年11月17日 最高裁第一小法廷 昭24(れ)2339号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(40)昭和24年11月15日 東京高裁 昭24(ナ)10号 衆議院議員選挙無効事件
(41)平成27年11月17日 東京地裁 平26(行ウ)356号 難民不認定処分取消請求事件
(42)平成27年11月12日 名古屋地裁 平26(行ウ)136号 難民不認定処分取消等請求事件
(43)平成27年10月29日 東京地裁 平23(行ウ)738号・平24(行ウ)174号・平24(行ウ)249号・平24(行ウ)250号・平24(行ウ)251号・平24(行ウ)252号・平24(行ウ)253号・平24(行ウ)254号・平24(行ウ)255号・平24(行ウ)256号・平24(行ウ)258号・平24(行ウ)260号・平24(行ウ)262号・平24(行ウ)263号・平24(行ウ)265号・平25(行ウ)94号・平25(行ウ)336号 原爆症認定申請却下処分取消請求事件
(44)平成27年10月27日 岡山地裁 平24(行ウ)15号 不当利得返還請求事件
(45)平成27年10月16日 東京地裁 平26(行ウ)131号 難民不認定処分取消請求事件
(46)平成27年10月15日 大阪地裁 平25(行ウ)40号 損害賠償等請求事件(住民訴訟)
(47)平成27年10月14日 東京地裁 平26(ワ)9411号 損害賠償等請求事件
(48)平成27年10月13日 大阪高裁 平27(行コ)2号 会場使用許可処分義務付等、会場使用許可処分の義務付け等請求控訴事件
(49)平成27年10月13日 東京地裁 平26(行ウ)89号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(50)平成27年10月 6日 東京地裁 平26(行ウ)269号 難民不認定処分取消等請求事件
(51)平成27年10月 5日 大阪地裁 平26(ワ)2019号 損害賠償請求事件
(52)平成27年 9月28日 名古屋地裁 平26(行ウ)148号 議場における発言取消命令取消請求事件
(53)平成27年 9月15日 東京地裁 平27(行ウ)227号・平27(行ウ)231号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(54)平成27年 9月11日 東京地裁 平25(行ウ)465号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(55)平成27年 9月10日 知財高裁 平27(ネ)10009号 書籍出版差止等請求控訴事件
(56)平成27年 9月10日 東京地裁 平27(行ウ)232号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(57)平成27年 9月10日 東京地裁 平27(行ウ)228号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(58)平成27年 9月 2日 東京地裁 平27(行ウ)226号・平27(行ウ)230号・平27(行ウ)234号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(59)平成27年 9月 2日 東京地裁 平26(行ウ)139号 難民不認定処分取消請求事件
(60)平成27年 8月28日 東京地裁 平25(行ウ)237号・平25(行ウ)462号・平26(行ウ)285号 難民認定等請求事件、訴えの追加的併合申立事件
(61)平成27年 8月 5日 東京地裁 平23(ワ)36772号 損害賠償等請求事件
(62)平成27年 7月30日 東京地裁 平27(行ウ)225号・平27(行ウ)229号・平27(行ウ)233号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(63)平成27年 7月17日 東京地裁 平25(行ウ)699号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(64)平成27年 7月10日 東京地裁 平24(行ウ)873号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(65)平成27年 7月 3日 東京地裁 平26(行ウ)13号 難民不認定処分取消請求事件
(66)平成27年 6月26日 大阪高裁 平26(行コ)163号 建物使用不許可処分取消等・建物明渡・使用不許可処分取消等請求控訴事件
(67)平成27年 6月24日 宇都宮地裁 平22(行ウ)8号 政務調査費返還履行請求事件
(68)平成27年 6月17日 大阪地裁 平26(行ウ)117号 公金支出金返還請求事件
(69)平成27年 6月12日 札幌高裁 平26(行コ)12号 政務調査費返還履行請求控訴事件
(70)平成27年 6月10日 知財高裁 平27(行コ)10001号 特許庁長官方式指令無効確認請求控訴事件
(71)平成27年 6月 1日 大阪地裁 平27(ヨ)290号 投稿動画削除等仮処分命令申立事件
(72)平成27年 5月28日 東京地裁 平23(ワ)21209号 株主代表訴訟事件
(73)平成27年 5月26日 札幌地裁 平21(行ウ)36号 政務調査費返還履行請求事件
(74)平成27年 4月28日 広島高裁岡山支部 平26(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(75)平成27年 4月16日 東京地裁 平25(行ウ)803号 帰化申請不許可処分無効確認等請求事件
(76)平成27年 4月 8日 大阪地裁 平24(行ウ)129号 政務調査費返還請求事件
(77)平成27年 3月27日 徳島地裁 平25(ワ)282号 損害賠償請求事件
(78)平成27年 3月26日 大阪高裁 平26(行ケ)5号 選挙無効請求事件
(79)平成27年 3月25日 東京高裁 平26(行ケ)24号 選挙無効請求事件
(80)平成27年 3月25日 広島高裁松江支部 平26(行ケ)1号 選挙無効請求事件
(81)平成27年 3月25日 東京地裁 平25(行ウ)187号・平25(行ウ)194号 難民不認定処分取消等請求事件
(82)平成27年 3月24日 東京地裁 平26(ワ)9407号 損害賠償等請求事件
(83)平成27年 3月23日 大阪高裁 平26(行ケ)4号 選挙無効請求事件
(84)平成27年 3月20日 東京地裁 平26(行ウ)242号・平26(行ウ)447号 退去強制令書発付処分等取消請求事件、追加的併合事件
(85)平成27年 3月12日 東京地裁 平25(行ウ)596号・平25(行ウ)623号・平25(行ウ)624号・平26(行ウ)492号・平26(行ウ)505号・平26(行ウ)506号 帰化許可申請不許可処分取消請求事件、訴えの追加的併合事件
(86)平成27年 3月 6日 東京地裁 平26(行ウ)529号 特許庁長官方式指令無効確認請求事件
(87)平成27年 2月19日 横浜地裁 平25(ワ)680号 損害賠償請求事件
(88)平成27年 2月 6日 東京地裁 平26(行ウ)74号・平26(行ウ)76号 帰化許可処分の義務付け等請求事件
(89)平成27年 1月16日 東京地裁 平22(行ウ)94号 懲戒処分取消等請求事件
(90)平成27年 1月13日 長崎地裁 平24(ワ)530号 政務調査費返還請求事件
(91)平成26年12月11日 東京地裁 平25(行ウ)247号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(92)平成26年11月27日 奈良地裁 平25(行ウ)15号 奈良県議会派並びに同議会議員に係る不当利得返還請求事件
(93)平成26年11月27日 仙台地裁 平22(行ウ)13号 政務調査費返還履行等請求事件
(94)平成26年11月26日 最高裁大法廷 平26(行ツ)78号・平26(行ツ)79号 選挙無効請求事件
(95)平成26年11月26日 最高裁大法廷 平26(行ツ)155号・平26(行ツ)156号 選挙無効請求事件 〔参議院議員定数訴訟〕
(96)平成26年11月26日 大阪地裁 平24(行ウ)164号・平25(行ウ)156号 会場使用許可処分義務付等請求事件(第1事件)、会場使用許可処分の義務付け等請求事件(第2事件)
(97)平成26年10月31日 東京地裁 平25(行ウ)274号 難民不認定処分取消請求事件
(98)平成26年10月30日 東京地裁 平24(行ウ)347号・平24(行ウ)501号・平24(行ウ)502号 給与等請求事件
(99)平成26年10月24日 和歌山地裁 平23(行ウ)7号 政務調査費違法支出金返還請求事件
(100)平成26年10月 8日 東京地裁 平25(行ウ)589号 難民不認定処分取消請求事件
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
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政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
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ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
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【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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