政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例(98)平成22年12月16日 東京高裁 平22(行ケ)24号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
裁判年月日 平成22年12月16日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(行ケ)24号
事件名 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
裁判結果 請求棄却 上訴等 上告、上告受理申立 文献番号 2010WLJPCA12166001
要旨
◆平成22年7月11日に行われた参議院(選挙区選出)議員選挙の神奈川県選挙区の選挙人である原告が、同選挙区の選挙無効を請求した事案において、本件選挙の施行当時、各選挙区における選挙人数の最大較差は1対5.00であり、比喩的にいうと、鳥取県選挙区の選挙人が1票なら、本件選挙区の選挙人は0.2票という状態にあるが、これは投票価値の平等という観点からは大きな不平等が存する状態であって、選挙区間における投票価値の格差の縮小を図ることが求められている状況にあるといえるものの、国会は、平成16年大法廷判決後から本件選挙までの間に最大較差の是正と現行選挙制度の仕組みの見直しに向けて具体的な検討を行っているといえるから、本件選挙当時、本件議員定数配分規定が違憲であったとまではいえないとし、選挙区の選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率の平等につき検討を速やかに行うよう付言した上で、請求を棄却した事例
裁判経過
上告審 平成24年10月17日 最高裁大法廷 判決 平23(行ツ)72号 選挙無効請求事件
出典
判例地方自治 346号16頁
参照条文
日本国憲法前文
日本国憲法14条1項
日本国憲法15条1項
日本国憲法15条3項
日本国憲法43条
日本国憲法44条
日本国憲法47条
公職選挙法4条2項
公職選挙法14条1項
公職選挙法36条
公職選挙法別表第3
裁判年月日 平成22年12月16日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平22(行ケ)24号
事件名 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
裁判結果 請求棄却 上訴等 上告、上告受理申立 文献番号 2010WLJPCA12166001
神奈川県藤沢市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 田辺克彦
同 菱山泰男
同 松林智紀
横浜市〈以下省略〉
被告 神奈川県選挙管理委員会
同代表者委員長 A
同指定代理人 黒見知子
同 進藤晶子
同 和田浩
同 近藤健
上記当事者間の選挙無効請求事件について,当裁判所は,次のとおり判決する。
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は,原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
平成22年7月11日に行われた参議院(選挙区選出)議員選挙の神奈川県選挙区における選挙を無効とする。
第2 事案の概要
1 本件は,平成22年7月11日施行の第22回参議院議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について,神奈川県選挙区の選挙人である原告が,平成18年法律第52号による改正(以下「平成18年改正」という。)後の公職選挙法14条1項,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定(以下「本件議員定数配分規定」という。)は憲法14条1項等に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟である。
2 前提事実(争いのない事実等)
(1) 参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)は,憲法が二院制を採用した趣旨を受けて,参議院議員の選挙について,参議院議員250人を,全国区選出議員100人と地方選出議員150人とに区分し,全国選出議員については,全都道府県の区域を通じて選出されるものとする一方,地方選出議員については,その選挙区及び各選挙区における議員定数を別表で定め,都道府県を単位とする選挙区において選出されるものとした。そして,各選挙区ごとの議員定数については,憲法が参議院議員は3年ごとにその半数を改選すべきものとしていることに応じて,各選挙区を通じてその選出議員の半数が改選されることになるように配慮し,定数は偶数としてその最小限を2人とする方針の下,昭和21年当時の総人口を定数150で除して得られる数値で各選挙区の人口を除し,その結果得られた数値を基準として,各都道府県の大小に応じて,これに比例する形で,2人ないし8人の偶数の議員数を配分した。昭和25年に制定された公職選挙法の参議院議員定数配分規定は,上記のような選挙制度の仕組みに基づく参議院議員選挙法の議員定数配分規定をそのまま引き継いだものであり,その後,沖縄返還に伴って沖縄県選挙区の議員定数2人が付加されたほかは,平成6年法律第47号による議員定数配分規定の改正まで,上記定数配分規定に変更はなかった。また,昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正により,いわゆる拘束名簿式比例代表制が導入され,各政党等の得票に比例して選出される比例代表選出議員100人と都道府県を単位とする選挙区ごとに選出される選挙区選出議員152人とに区分されることになったが,比例代表区選出議員は,全都道府県を通じて選出されるものであって,各選挙人の投票価値に差異がない点においては,従来の全国選出議員と同様であり,また,選挙区選出議員も従来の地方区選出議員の名称が変更されたのみで,実質的な差異はなかった。
平成6年法律第47号による議員定数配分規定の改正により参議院議員の総定数及び選挙区選出議員の定数を維持したまま7選挙区で8増8減し,平成12年法律第118号によって参議院議員の定数が242人とされるとともに,非拘束名簿式比例制が導入された。そして,平成18年改正によって,参議院議員の総定数及び選挙区選出議員の定数を維持したまま4選挙区で4増4減の措置が採られた。
平成18年改正後,本件選挙に至るまで,本件議員定数配分規定を是正する公職選挙法改正はなかった。
(2) 原告は,平成22年7月11日に施行された本件選挙の神奈川県選挙区の選挙人であるが,本件選挙の参議院議員の定数は242人であり,そのうち,146人が選挙区選出議員,96人が比例代表選出議員であった(公職選挙法4条2項)。
(3) 本件選挙は,本件議員定数配分規定に従って施行されたものである。
(4) 平成21年9月2日当時の参議院議員(選挙区)1人当たりの選挙人数(在外選挙人名簿登録者数を含む。)によれば,本件選挙当時,最小の鳥取県選挙区(24万2956人)と最大の神奈川県選挙区(121万5760人)の選挙人数の較差は,1対5.00となっていた。(乙1号証)
3 争点
本件議員定数配分規定は,投票価値の平等を要求している憲法14条1項等に違反するに至っているか否か。
4 争点に関する当事者の主張
(原告の主張)
(1) 議員定数配分規定の違憲性判断基準について
ア 憲法は,代表民主制を採用し(憲法前文1段,43条1項),公務員の選定罷免権を国民固有の権利とし(15条1項),普通選挙(15条3項),平等選挙(14条1項,44条)を保障している。また,憲法14条1項,44条は,国民の人種,信条,性別,社会的身分,門地,教育,財産,収入,住所等によって差別することなく,全有権者に「1人1票」を保障し,かつ,その選挙権の等価性を保障しているのであり,その重要性に照らすと,選挙制度の仕組みを定めるに当たっては,人口比例原則に従い,できる限り全有権者につき投票価値を1対1の状態に近づけることが憲法上の要請であり,国会の立法権限はき束されているというべきである。
そうすると,投票価値の平等以外の政策的要素を考慮した結果,1人1票といえない状態となった場合,国会が具体的に定めた仕組みの維持は,その裁量権の合理的な不行使として是認されるものでなければならず,合理性が認められない場合は,代議制民主制,その基礎となる公正な代表を選出するために必須の選挙権の平等の保障(14条1項,44条,15条1項)に反し,違憲となる。
イ 憲法上,参議院には衆議院と異なる独自性が求められるとも考えられるが,参議院の独自性は,投票価値の平等の重要性と比較すると,補完的なものというべきであるから,選挙区間の投票価値に大きな不平等を生じさせないようにすべきであり,「1人1票」の状態とかけ離れた選挙制度を設けることを許容していると解することはできない。
ウ 投票価値の較差については,国会による自浄作用は期待できないから,司法はこれを厳格に審査すべきである。その際,憲法上,投票価値が1人0.5票超であれば許容されるなどという根拠はないから,上記の司法判断において,上記基準を用いるのは相当でない。
(2) 最高裁判例の動向
最高裁判所は,昭和58年4月27日大法廷判決(以下「昭和58年大法廷判決」という。)以降,参議院議員通常選挙の都度,参議院議員定数配分規定について,その合憲性を判断してきたが(最高裁判所は,上記議員定数配分規定につき,最大較差が1対5.26(昭和58年大法廷判決),1対5.37(昭和61年第一小法廷判決),1対5.56(昭和62年第一小法廷判決),1対5.85(昭和63年第二小法廷判決)であった事案において,いずれも違憲状態にないと判断した。),最高裁平成8年9月11日大法廷判決は,平成4年7月26日施行の参議院議員通常選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差が1対6.59であった事案について違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態が生じていた旨判示したものの,結論において,参議院議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできないと判示した。しかし,人口の都市部への集中が続き,上記の最大較差が1対5前後が常態化する中,最高裁平成16年1月14日大法廷判決(以下「平成16年大法廷判決」という。),最高裁平成18年10月4日大法廷判決(以下「平成18年大法廷判決」という。)及び最高裁平成21年9月30日大法廷判決(以下「平成21年大法廷判決」という。)は,次のとおり判示するようになった。
ア 平成16年大法廷判決
平成12年公職選挙法改正後最初に行われた平成13年7月施行の参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「平成13年選挙」という。)当時,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.06であった。
平成16年大法廷判決は,平成13年選挙当時,参議院議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできない旨判示したが,6名の裁判官による反対意見があり,多数意見も,立法裁量を広く認める従来の判例法理によるべきであるとする補足意見1(5人)と,立法裁量についてより厳格な立場を採るべきであるとする補足意見2(4人)に分かれたが,補足意見2の立場から,平成12年の公職選挙法改正もまた,議員定数配分をめぐる立法裁量に際し諸考慮要素の中でも重きを与えられるべき投票価値の平等を十分に尊重した上で,それが損なわれる程度を可能な限り小さくするよう,問題の根本的解決を目指した作業の中でのぎりぎりの判断に基づくものであったとは到底評価することができないのであり,仮に漫然と現在の状況が維持されるならば違憲判断がされる余地がある旨を指摘する裁判官4人による補足意見が付され,補足意見1の立場からも,今後,人口の大都市集中化により最大較差が拡大していく傾向にあることを思えば,立法府としては,投票価値の平等の重要性にかんがみ,制度の枠組み自体の改正をも視野に入れた抜本的な検討をしておく必要がある旨の追加補足意見が付された。
イ 平成18年大法廷判決
平成13年選挙後,平成16年7月に施行された参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「前々回選挙」という。)当時,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.13であった。
平成18年大法廷判決は,結論において,前々回選挙当時,参議院議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできない旨判示したが,これを違憲とする5人の裁判官による反対意見があり,多数意見は,投票価値の平等の重要性を考慮すると,選挙区間における選挙人の投票価値の不平等の是正については,国会において不断の努力をすることが望まれるが,参議院議員の選挙制度の仕組みの下では,その是正を図ることは容易でないとした上,平成16年大法廷判決後,平成18年改正までの経緯を考慮して,これを合憲と判断し,投票価値の平等の重要性を考慮すると,今後も,国会においては,人口の偏在傾向が続く中で,これまでの制度の枠組みの見直しを含め,選挙区間における選挙人の投票価値の較差をより縮小するための検討を継続することが,憲法の趣旨に沿うものというべきであるとした。
ウ 平成21年大法廷判決
平成18年改正後,最初に行われた平成19年7月29日施行の参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「前回選挙」という。)当時,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対4.86であった。
平成21年大法廷判決は,前回選挙までの間に参議院議員定数配分規定をさらに改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものということはできず,前回選挙当時において参議院議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできないとしたが,①平成18年改正の結果によっても残存する投票較差は,投票価値の平等という観点からは,なお大きな不平等が存する状態であり,選挙区間における選挙人の投票価値の較差の縮小を図ることが求められる状況にある,②現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の定数を振り返る措置によるだけでは,最大較差の大幅な減少を図ることは困難であり,これを行おうとすれば,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となる,③このような見直しを行うには,参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が必要であり,事柄の性質上課題も多く,その検討に相応の時間を要することは認めざるを得ないが,国民の意思を適正に反映する選挙が民主政治の基盤であり,投票価値の平等が憲法上の要請であることにかんがみると,国会において,速やかに,投票価値の平等の重要性を十分に踏まえて適切な検討が行われることが望まれると判示した。平成21年大法廷判決にも5人の裁判官による反対意見があった。
(3) 本件議員定数配分規定の合憲性について
本件選挙においては,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5となっていたのであるから,本件議員定数配分規定は選挙権の平等の原則に反し,違憲である。
前記のとおり,平成16年大法廷判決において,平成12年の公職選挙法改正も,議員定数配分をめぐる立法裁量に際し諸考慮要素の中でも重きを与えられるべき投票価値の平等を十分に尊重した上で,それが損なわれる程度を可能な限り小さくするよう,問題の根本的解決を目指した作業の中でのぎりぎりの判断ではなかったとされ,今後,人口の大都市集中化により最大較差が拡大していく傾向にあることからも,立法府は投票価値の平等の重要性にかんがみ,制度の枠組み自体の改正をも視野に入れた抜本的な検討をしておく必要があるとされていたのであって,平成16年大法廷判決以降も,同様の指摘がされ続けていたのである。
しかしながら,平成16年大法廷判決から本件選挙に至るまで約6年6か月もの長期間,立法府はこの問題に真剣に取り組まず,参議院議員の選挙制度について抜本的な改正をせず,投票価値の最大較差は,依然として1対5前後の高い水準にとどまっているのである。いかに参議院議員の選挙制度の抜本的な改正が高度に政治的な判断が必要であり,事柄の性質上課題も多く,その検討に相応の時間を要するとしても,その改正に6年6か月もの期間を要するとまでは考え難く,上記の改正に要する合理的期間が経過したことは明らかである。
国会の裁量権不行使の状態は違憲と評価すべきであり,このような場合は事情判決によらず,本件選挙の結果を無効とするのが相当である。
(被告の主張)
(1) 議員定数配分規定の違憲性判断基準について
憲法は,選挙制度の仕組みについての決定を国会の裁量にゆだねているから,投票価値の平等は,選挙制度の仕組みを決定する唯一,絶対の基準となるものではなく,参議院の独自性など,国会が正当に考慮することができる他の政策的目的等との関連において調和的に実現されるべきものである。したがって,国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使として合理性を是認し得るものである限り,それによって投票価値の平等が一定の限度で後退することとなっても,憲法違反の問題は生じない。そして,二院制,半数改選制を採用し,参議院に独自性を持たせようとして決定した選挙制度の仕組みは合理性を有し,社会的,経済的変化が激しい中で不断に生ずる人口変動をいかなる形で選挙制度の仕組みに反映させるかという問題は,複雑かつ高度な政策的判断を要し,国会の裁量にゆだねられるのであって,人口の変動等の結果,上記選挙制度の仕組みの下において投票価値の平等の有すべき重要性に照らして到底看過することができないと認められる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じ,かつ,それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置を講じないことが,国会の裁量を超えるものと判断される場合に,初めて議員定数配分規定が憲法に違反するに至るものと解される。
代表民主制下における選挙制度は,国民の様々な意見を議会に公正かつ効果的に反映させることを目的として行われるものであり,多様な利害が複雑に分化した社会において上記目的を達成するためにいかなる選挙制度を採用するのが適切であるかについては,様々な選択肢があり,一定不変の形態があるわけではなく,少なくとも,人口比例が唯一,絶対の基準であるとは考えられてはいないのである。原告は,憲法が参議院(選挙区選出)議員の具体的な選挙において技術的に可能な限りの投票価値の平等を保障していることを前提に,それとは異なる本件議員定数配分規定は違憲,無効であり,本件選挙も無効であると主張するが,憲法はそのような「1人1票のドグマ」を採用しておらず,人口比例主義のみに基づく選挙区割りを用いた選挙制度の採用が義務付けられているわけではないのである。
したがって,憲法がいかなる選挙制度の決定原理を採用しているのかについては,憲法の各規定の内容,趣旨,目的,立法経過等から合理的に解釈する必要があるところ,憲法は,両議院について,議員及び選挙人の資格,議員定数,選挙区,投票方法その他選挙に関する事項については法律で定めるものとし(憲法43条2項,44条,47条),選挙制度の具体的な決定を法律にゆだねており,また,二院制を採用し(憲法42条),衆議院については,議員の任期を4年とした上で解散の制度を設け(憲法45条,54条1項),一定の範囲で参議院に優越する地位を与えており(憲法59条2項,60条,69条等),他方で,参議院については,議員の任期を6年として,半数改選制を採用し,解散制度を設けていないのである。
このような二院制を採用する場合,参議院の構成や機能に独自性がなければならず,我が国のように,両議院が同様に民選の議員だけで構成される制度の下において,参議院が衆議院と異なった視点から衆議院を抑制し,一院制の欠陥を補正するという機能を発揮するためにも,参議院に独自性を持たせることが肝要であるところ,憲法は,上記の二院制の趣旨をその組織や選出方法にどのように反映させ,参議院独自の性格をいかに創出するかについては,これを法律事項として国会にゆだねているのである。
憲法は,参議院に衆議院とは異なる構成及び特色を持たせるため,人口比例以外の様々の政策的目的ないし理由を,憲法の趣旨目的に照らして許容される限度において,広く考慮することを許容する趣旨と解することができるのであって,最高裁判所各大法廷判決も,上記と同様の見地に立って,参議院議員定数配分規定の合憲性審査基準としているのである。
(2) 本件議員定数配分規定の合憲性について
上記(1)の議員定数配分規定の違憲性判断基準によって,本件議員定数配分規定の合憲性についてみると,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.00であり,前回選挙における最大較差1対4.86に比べて較差が拡大してはいるものの,上記較差をもって,投票価値の平等の有すべき重要性に照らして到底看過することができないと認められる程度の投票価値の著しい不平等状態を生じさせるに至っていたとまではいえない。
すなわち,平成12年公職選挙法改正後,最初に行われた平成13年選挙当時,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.06であったが,平成16年大法廷判決を受けて,参議院は,「参議院議員選挙後の定数較差問題に関する協議会」を設置して協議を重ねたが,議員定数配分規定の改正がされないまま,平成16年7月,前々回選挙が施行された(最大較差は1対5.13であった。)。しかし,前々回選挙後,平成16年12月1日,参議院改革協議会の下に選挙制度に係る専門委員会が設置され,各種是正案が具体的に検討された。その後,前回選挙に向けて,いわゆる4増4減案に基づく公職選挙法の一部を改正する法律案が国会に提出され,平成18年6月1日に平成18年改正が成立した。この改正の結果,最大較差は1対4.84に縮小した。平成18年改正後も,参議院においては,投票価値の較差の縮小を図るための取組を継続し,平成19年11月30日,参議院議長の諮問機関として「参議院改革協議会」を設置して,定数是正も含めた参議院の組織及び運営に関する諸問題の調査検討を継続し,また,平成20年6月9日に開催された参議院改革協議会において,参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)の設置を決定し,同専門委員会は,平成22年5月,検討結果を報告書に取りまとめた。このように,参議院においては,投票価値の不平等を解消すべく検討を継続してきたのである。
本件議員定数配分規定の本件選挙当時の最大較差1対5.00は,かねて参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定について,最高裁判所が違憲状態にないと判断した最大較差が1対5.26(昭和58年大法廷判決),1対5.37(昭和61年第一小法廷判決),1対5.56(昭和62年第一小法廷判決),1対5.85(昭和63年第二小法廷判決),1対5.06(平成16年大法廷判決),1対5.13(平成18年大法廷判決)のいずれをも下回るものであり,前回選挙当時の1対4.86から大きく較差が拡大しているとはいえないことなどに照らすと,平成21年大法廷判決の判旨を前提としても,最大較差が「平等権の重要性に照らして看過し難い程度の著しい不平等状態」に至っているとはいえず,「なお大きな不平等が存する」状態にとどまるということができる。
仮に,本件議員定数配分規定が著しい不平等状態を生じさせるに至っていたという見方があり得るとしても,これまで参議院議員選挙に関し選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差が1対5.00程度でも違憲状態にあるとした最高裁判所判決は存在しないし,また,参議院議員の議員定数の配分を長期にわたって固定することも合理的な立法政策である上,憲法が半数改選制を採用していることから,平成18年改正後,同一の区割規定の下で2回目となる本件選挙を施行した後に見直しを行うことも一定の合理性が認められる。そして,平成18年改正時から起算しても本件選挙までの期間は4年半余りにすぎず,選挙制度の問題が長期的,継続的な視点で検討すべき問題であることからすると,憲法違反と判断されるほどに相当の長期間が継続しているとは認め難い。
上記のとおり,平成18年改正後も,参議院においては,選挙制度の抜本的な見直しの是非も含めて,投票価値の較差縮小に向けた取組が検討されているところ,通常,選挙区割りを改正する際は,有権者及び立候補予定者への配慮として,選挙までに相当の周知期間を設けていることなども考慮すると,本件選挙までの間に法改正を行うことは極めて困難であったといわざるを得ないのである。
第3 争点に対する判断
当裁判所は,本件選挙における各選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.00であり,この格差は,投票価値の平等という観点からは大きな不平等が存する状態であり,選挙区間における選挙人の投票価値に格差の縮小を図ることが求められる状況にあると考えるが,本件選挙までの間に本件議員定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものということはできず,本件選挙当時において,本件議員定数配分規定が憲法に違反するに至っていたものとすることはできないから,上記規定に基づいて施行された本件選挙が無効であると認めることはできないと判断する。その理由は,次のとおりである。
1 議員定数配分規定の違憲性判断基準について
議員定数配分規定の違憲性の判断については,平成16年,平成18年,平成21年の各大法廷判決等によって,その基準が示されており,当裁判所も,次のとおり,上記各判決等によって形成されてきた判断基準に従って本件議員定数配分規定の違憲性について判断すべきものと考える。
すなわち,現在,先進諸国の政治の基本的な形態は議会政治であり,その基本は国民が政党や議員を選ぶ「選挙」にあるところ,我が国において,国会議員を選挙する権利は,国民が国政に参加する機会を保障する基本的権利として位置付けられ,憲法14条1項,15条3項,44条ただし書きは,この選挙権につき,選挙人資格における差別の禁止にとどまらず,選挙権の内容の平等,換言すれば,議員の選出における選挙人の投票の有する影響力の平等,すなわち投票価値の平等をも要求していると解され,それは国民主権主義を具現化するものということができるのであるが,憲法は,議員の定数,議員及び選挙人の資格,選挙区,投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めるものとし(43条,44条,47条),どのような選挙の制度が国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させることになるのかの決定を国会の裁量にゆだねているのであるから,投票価値の平等は,選挙制度の仕組みを決定する唯一,絶対の基準となるものではなく,参議院の独自性など,国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものであって,国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使として合理性を是認し得るものである限り,それによって投票価値の平等が一定の限度で譲歩を求められることになっても,憲法に違反するとはいえないのである。
そして,参議院議員の選挙制度の仕組みは,前記第2の2(1)のとおりであって,憲法が二院制を採用した趣旨を受け,参議院議員の選挙については,全都道府県の区域を通じて選出される議員と都道府県を単位とする選挙区において選出される議員に区分し,半数改選制を採用するなど,参議院の実質的内容ないし機能に独自性を持たせようとしているのであり,都道府県が歴史的にも,政治的,経済的,社会的にも独自の存在意義と実体を有していることなどに照らして,相応の合理性を有するものであり,国会の有する裁量権の合理的な行使の範囲を超えているということはできない。そして,人口の大都市集中等によって不断に生ずる人口の変動をどのような形で選挙制度の仕組みに反映させるかなどの問題は,複雑かつ高度に政策的な考慮と判断を要するものであって,その決定は基本的には国会の裁量権にゆだねられているものである。
しかしながら,我が国においては,国勢調査の結果判明する人口数に応じて,各選挙区に対する定数配分を必ず修正するよう義務付ける法律はなく,人口の変動の結果,投票価値の著しい不平等状態が生じ,かつ,それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置が講じられないということがあり得るから,それが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には,当該議員定数配分規定が憲法に違反するに至るものと解するのが相当である。
最高裁判所は,上記のような見地から,昭和58年大法廷判決以降の各参議院議員選挙に関する累次の大法廷判決により,上記の判断の枠組みに従って,議員定数配分規定の違憲性について判断してきたのであるが,人口の都市部への集中が続き,最大較差1対5前後が常態化する中,平成16年大法廷判決においては,投票価値の平等をより重視すべきであるとの立場から,較差是正のため国会における不断の努力が求められることや制度の枠組み自体の改正をも視野に入れた抜本的な検討をしておく必要がある旨の指摘がされ,また,不平等を是正するための措置が適切に行われているかどうかといった点をも考慮して合憲性を判断すべきことなどが指摘されてきたのである。
2 本件議員定数配分規定の合憲性について
上記1の議員定数配分規定の違憲性判断基準によって,本件議員定数配分規定の合憲性について検討する。
前記認定のとおり,本件選挙が施行された当時,各選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.00であり,これは,投票価値の平等という観点からは大きな不平等が存する状態であり,選挙区間における投票価値の格差の縮小を図ることが求められる状況ではあるが,次のような事情を総合考慮すると,本件選挙までに本件定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものということはできず,本件選挙当時において,本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとすることはできない。
すなわち,
(1) 前記第2の2の前提事実及び証拠(甲2から6まで,乙3)並びに弁論の全趣旨によれば,議員定数配分規定の改正の経過等として,次の事実が認められる。
ア 参議院議員選挙法制定当時,選挙区間の議員1人当たりの人口の最大較差は1対2.62であったが,その後,上記の最大較差は次第に拡大し,平成4年7月26日施行の参議院議員選挙当時には1対6.59にまでに広がり,また,選挙人数の多い選挙区の議員定数が選挙人数の少ない選挙区の議員定数よりも少ないいわゆる逆転現象も生じていた。こうした事態を受けて,議員1人当たりの人口の最大較差を是正するとともに,逆転現象を解消する目的で,平成6年法律第47号による公職選挙法の改正により定数配分規定の改正が行われ,その最大較差は1対4.81まで縮小し,逆転現象は解消されることになった。その後,平成7年7月23日に施行された参議院議員選挙当時の最大較差は1対4.97であった。
イ 平成12年法律第118号による公職選挙法の改正(平成12年改正)がされ,比例代表選出議員の選挙制度が非拘束名簿式比例代表制に改められ,議員定数の削減が行われたが,国勢調査により確認された最大較差は1対4.97であり,改正前と差異がなかった。
上記改正後,最初に行われた平成13年7月29日施行の参議院議員通常選挙当時における選挙区間の議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.06であったが,平成16年大法廷判決は,上記選挙当時,議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできない旨判示したものの,これを違憲とする裁判官6人の反対意見があった。
ウ 平成16年大法廷判決を受けて,参議院は,平成16年2月6日,参議院議長が主宰する各会派代表者懇談会の下に「参議院議員選挙の定数較差問題に関する協議会」を設け,5回にわたって協議を行い,その結果,平成16年5月28日,同年7月に施行される前々回選挙までの間に定数較差を是正することは困難であったため,平成16年6月1日,各会派代表者懇談会において,同選挙後に定数較差問題につき結論を得るように協議を再開する旨を申し合わせ,結局,議員定数配分規定は改正されないまま前々回選挙が施行された。同選挙当時における選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.13であった。
エ 前々回選挙後,参議院議長は,平成16年12月1日,参議院改革協議会の下に選挙制度に係る専門委員会を設け,同委員会において,平成17年2月から同年10月までの間9回にわたって会合がもたれ,①較差5倍を超えている選挙区及び近い将来5倍を超えるおそれのある選挙区について較差の是正を図るいわゆる4増4減案,②4倍前半まで較差の是正を図ることを考慮し,その選択肢として,6増6減ないし14増14減までを含めて検討する案,③較差を4倍未満とするため現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを検討する案など,各種の是正案が検討されたが,当面の是正策としては,上記の4増4減案が有力な意見であるとされ,この案に基づく公職選挙法の一部を改正する法律案が国会に提出され,平成18年6月1日に平成18年改正が成立した。
平成18年改正の結果,平成17年10月に実施された国勢調査結果の速報数値による人口に基づくと選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差は1対4.84に縮小し,また,平成18年改正後,本件議員定数配分規定の下で行われた前回選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対4.86であった。
なお,上記の選挙制度に係る専門委員会は,平成17年10月21日付け参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)報告書において,現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の定数を振り替える措置により較差の是正を図ったとしても,較差を1対4以内に抑えることは困難であり,以後も,参議院の在り方にふさわしい選挙制度に関する議論を進めていく過程で,定数較差の継続的な検証等を行う場を設け,調査を進めていく必要があると指摘した。また,上記報告書において,是正案の内容とその検討として,選挙区選挙,比例代表選挙を廃止して,全国10程度の選挙区とするいわゆるブロック制を検討してはどうかといった意見も出された旨の報告がされた。
オ 平成18年改正後も,参議院においては,投票価値の較差の縮小を図るための取組が継続され,平成19年11月30日,新たに参議院議長の諮問機関として「参議院改革協議会」が設置され,同協議会において,平成19年12月4日から同20年12月19日までの間4回にわたって協議が行われ,定数是正も含めた参議院の組織及び運営に関する諸問題の調査検討が進められた。
カ 平成20年6月9日に開催された参議院改革協議会の第3回目の協議では,参議院選挙制度の抜本改革について,参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)の設置が協議決定され,同専門委員会は,参議院改革協議会座長からの委嘱を受け,平成20年12月19日以降,専門委員による検討を進め,平成22年5月14日,同座長に対し,上記検討結果に関する報告書(乙3)を提出し,平成22年に行われる本件選挙への対応として,①現行の選挙制度を前提に選挙区の定数を増減する従来の改正方法では,定数格差是正の効果は限定的であり,定数較差是正の議論は,参議院の選挙制度の見直しと併せて行うべきで,それには時間がかかること,②平成18年に行った4増4減の公職選挙法改正は,平成19年及び本件選挙で完了すること,③本件選挙について,定数較差是正を行うこととすると,法改正から選挙実施までの周知期間が短いこと等から,定数較差是正を行うことは困難とする意見が出される一方,投票価値の平等を確保することの重要性,有権者の目線に立った議論を行うことの必要性等から,定数較差是正を行う努力を続けるべきとの意見も出されたが,協議の結果,本件選挙に係る定数較差是正は見送り,平成25年の通常選挙に向けて選挙制度の見直しを行うことになったとした上,専門委員の間でも選挙制度の仕組みの見直しの必要性について共通の理解ができたとして,専門委員長から,本件通常選挙後,専門委員会を立ち上げ,平成25年の通常選挙に向け,改正案の検討に入り,平成23年には改正案の取りまとめを行い,その後,参議院改革協議会の議を経て,平成23年中に公職選挙法改正案を提出することとしている旨の「今後の大まかな工程表(案)」(乙3の別表)が提示され,これが了承された。
なお,上記専門委員会において,学識経験者らは,最高裁判例はなるべく人口を勘案せよという流れになっているとの指摘をし,学説の状況としては,参議院の独自性を考えて1対2を若干緩和し得るとする説があるものの,衆議院と同様1対2であるべきとの説が多数であり,基本的に1対1を目指すべきで,人口比例という原則についてもかなり厳格に考える必要があるとされている旨の意見が述べられた。
(2)ア 上記(1)認定の議員定数配分規定の改正の経過等によれば,参議院は,平成16年大法廷判決が,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差が1対5.06となっていた平成13年選挙につき,参議院議員定数配分規定は憲法に違反するに至っていたものとすることはできないと判断したものの,これを違憲とする6名の裁判官による反対意見があり,補足意見中にも,仮に漫然と現在の状況が維持されるならば違憲判断がされる余地があるとの指摘や人口の大都市集中化により最大較差が拡大していく傾向にあることからすれば制度の枠組み自体の改正をも視野に入れた抜本的な検討をしておく必要がある旨の指摘がされていたため,これを受けて,平成16年2月6日,「参議院議員選挙後の定数較差問題に関する協議会」を設けて協議を重ね,平成16年12月1日には参議院改革協議会の下に選挙制度に係る専門委員会を立ち上げて,4増4減案等の各種是正案につき検討した上,当面の是正策として当時有力な見解であった4増4減案に基づいて公職選挙法の一部を改正する法律案を国会に提出して,平成18年改正を成立させ,本件議員定数配分規定の下で行われた前回選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対4.86となった。そして,上記の選挙制度に係る専門委員会は,参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)報告書において,現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の定数を振り替える措置により較差の是正を図ったとしても,較差を1対4以内に抑えることは困難であると指摘し,選挙区選挙,比例代表選挙を廃止していわゆるブロック制を検討してはどうかといった意見も出されていたのであり,平成18年改正後も,参議院においては,投票価値の較差の縮小を図るための検討が続けられ,平成19年11月30日には,参議院改革協議会を設置して協議,検討を重ね,参議院の組織及び運営に関する諸問題の調査検討を進め,また,平成20年6月9日に開催された参議院改革協議会においては,参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)の設置が決定され,同専門委員会において検討が重ねられ,平成22年5月14日には報告書が提出され,定数較差是正の議論は参議院の選挙制度の見直しと併せて行うべきこと,本件選挙について,定数較差是正を行うこととすると,法改正から選挙実施までの周知期間が短いこと等から,本件選挙に係る定数較差是正は見送り,平成25年の通常選挙に向けて選挙制度の見直しを行うこととし,選挙制度の仕組みを見直す必要があるとの共通認識に立って,平成22年の通常選挙後,専門委員会を立ち上げ,平成25年の通常選挙に向け,改正案の検討に入り,平成23年には改正案を取りまとめ,同年中には公職選挙法改正案を提出することとする「今後の大まかな工程表(案)」が提示されるに至っているのである。
イ 戦後の高度工業化の進行に伴って,都市部は人口の自然増,社会増双方によって人口過密になる傾向が生じ,他方,農村部の過疎化が進み,その結果,各選挙区に配分される議員定数とその選挙区に登録する有権者数との比率,すなわち,議員1人が何人の有権者を代表するかという比率に,選挙区間で偏りが生じた。そして,議員定数配分規定を長期間固定しておくと,都市部の選挙区は過少代表になるのに対し,農村部は人口が流出し,人口の自然増も少なくなるから,農村部の選挙区は過大代表になるのであって,選挙区の分割,合併を伴う議員定数配分規定を変更することによってその偏りを絶えず是正していかなければ,有権者の「選挙権の平等」が侵害されることになる。これは我が国だけの問題ではないが,我が国においては,議員定数配分の偏りが過大になり,いわゆる過少代表区と過大代表区との間に最大較差が1対5前後という極端な偏りが生じ,その根本的な是正が図られないまま推移してきたのである。こうした中,選挙の都度,投票価値の平等を侵害するとして選挙無効訴訟が提起され,最高裁判所によって違憲判決が言い渡されたこともあり,また,結果として合憲とされても,その都度,最大較差の是正と抜本的な選挙改革の検討の必要が指摘されてきたのである。
上記のとおり,本件選挙における各選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.00であり,この格差は,憲法上の重要な要請である投票価値の平等という観点から大きな不平等が存する状態であり,選挙区間における選挙人の投票価値に格差の縮小を図ることが求められる状況にあるといわざるをえないし,上記のとおり,平成16年大法廷判決においては,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大格差1対5.06の平成13年選挙について,参議院議員定数配分規定を違憲とする6名の裁判官による反対意見があり,補足意見中にも,仮に漫然と現在の状況が維持されるならば違憲判断がされる余地があるとの指摘や人口の大都市集中化により最大較差が拡大していく傾向にあることからすれば制度の枠組み自体の改正をも視野に入れた抜本的な検討をしておく必要がある旨の指摘がされていたのであるから,国会は,平成16年大法廷判決を踏まえて,速やかに制度の枠組み自体を含めた選挙制度の仕組みの検討を行って,議員定数配分規定の改正を行うべきであり,本件選挙が行われた平成22年7月までに,4増4減案に基づく平成18年改正を成立させただけであり,制度の枠組み自体の変更を含めた抜本的な改正を行わなかったのは,国会の裁量権の限界を超えたものであるとみる余地もないではない。
ウ しかしながら,この議員定数配分の較差の問題は,選挙制度に係る専門委員会が参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)報告書において指摘しているとおり,現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の定数を振り替える措置により較差の是正を図ったとしても,較差の根本的な是正は図ることができないのであって,その仕組み自体を見直す必要がある問題といわなければならない。そして,現行の選挙制度の仕組みを根本的に変更するには,これに代わる具体的な方策の検討に時間を要するだけでなく,現行の選挙制度の仕組みを変更することに伴い各種の利害関係の対立が生じ,強い反発等も予想される(例えば,人口の少ない選挙区を統合して1人の議員を選出するという制度を採ると,1人も参議院議員を送り出すことができなくなる当該選挙区の県民に強い反対が生じることは必至であり,その合意を取り付けることは容易でないであろう。)から,有権者及び立候補予定者への配慮として,選挙までに相当の周知期間を設ける必要もあるなど,事柄の性質上解決すべき課題も多く相応の時間を要するものといわなければならない。
上記のとおり,国会は,平成16年大法廷判決後,4増4減案に基づいて公職選挙法の一部を改正する法律案を国会に提出して,平成18年改正を成立させ,前回選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対4.86となったのであり,平成18年改正後も,参議院においては,選挙制度の抜本的な見直しに向けた検討が続けられており,参議院改革協議会専門委員会(選挙制度)は,平成22年5月14日,報告書を提出して,平成25年の通常選挙に向けて選挙制度の見直しを行うこととした上,本件選挙後,専門委員会を立ち上げ,平成23年中に公職選挙法改正案を提出することとしているのであって,国会は最大較差の是正と現行の選挙制度の仕組みの見直しに向けて具体的な検討を行っているということができる。
以上によれば,平成16年大法廷判決以降本件選挙までの間に本件議員定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものであるとまでいうことはできず,本件選挙当時において,本件議員定数配分規定が憲法に違反するに至っていたものとすることはできない。
エ しかし,平成18年改正の結果によっても残ることになった上記のような較差は,投票価値の平等という観点からは,なお大きな不平等が存する状態であり,選挙区間における選挙人の投票価値の較差の縮小が求められる状況にあるといわざるを得ない。現行の選挙制度の仕組みの変更に相応の時間を要することは上記のとおりであるものの,国会の従前の取組は微々たる修正にとどまっており,較差是正のための作業は事実上停滞していて,これが近い将来に是正される見通しは立っていないとの見方もあるのであって,国民の多くも,本件議員定数配分規定の見直し作業が遅々として進んでいないと考え,速やかに上記の選挙制度の仕組みの変更に向けた検討が行われることを期待しているものと思われる。
本件選挙において,神奈川県選挙区では約121万人で1人の議員を選出したのに対し,鳥取県選挙区では約24万人で1人の議員を選出したことになり,比喩的にいえば,鳥取県選挙区の選挙人が1票なら,神奈川県選挙区の選挙人は0.2票ということになるのであって,このような較差が常態化してよいはずがないのである。
国会においては,憲法の国民主権原理及び平等原則の下における投票価値の平等の重要性,特に選挙制度が民主政治の基盤であり,投票価値の平等が憲法上の要請であることにかんがみると,選挙制度の決定に当たって,選挙区の選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率の平等が最も重要かつ基本的な基準とされるべきであるとの見地に立って,上記の検討を速やかに行うことが望まれる。
第4 結論
以上のとおりであるから,本件議員定数配分規定が,本件選挙当時,憲法に違反するに至っていたということはできず,原告の本訴請求は失当というべきであるから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 前田順司 裁判官 原敏雄 裁判官 山口信恭)
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政治と選挙の裁判例「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧
(1)昭和26年 3月 7日 大阪高裁 昭25(う)2385号 選挙運動の文書図画等の特例に関する法律違反被告事件
(2)昭和26年 3月 3日 金沢地裁 昭25(行)2号 県議会議長辞職許可決議無効事件
(3)昭和26年 2月26日 仙台高裁 昭25(う)1081号 昭和二二年勅令第一号違反事件
(4)昭和26年 2月19日 新潟地裁 昭25(行)14号 休職処分取消請求事件
(5)昭和26年 2月 2日 最高裁第二小法廷 昭25(れ)1505号 公務執行妨害教唆各被告事件
(6)昭和25年12月28日 岐阜地裁 昭25(モ)12号 仮処分異議申立事件 〔電産特別指令確認事件〕
(7)昭和25年12月20日 最高裁大法廷 昭25(れ)1021号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(8)昭和25年12月20日 高松高裁 昭25(う)794号
(9)昭和25年12月19日 東京地裁 昭25(ワ)2251号 解雇無効確認請求事件 〔東京都職員免職事件〕
(10)昭和25年12月16日 東京地裁八王子支部 昭25(モ)165号 仮処分異義申立事件 〔富士工業工場閉鎖事件〕
(11)昭和25年12月14日 大阪地裁 昭25(ヨ)43号 仮処分申請事件 〔新家工業組合除名事件〕
(12)昭和25年12月13日 東京高裁 昭25(行ナ)12号 商標登録願拒絶査定不服抗告審決取消請求事件
(13)昭和25年12月 8日 最高裁第二小法廷 昭25(あ)2863号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(14)昭和25年12月 6日 高松高裁 事件番号不詳
(15)昭和25年11月22日 最高裁大法廷 昭25(れ)280号 賭場開張図利被告事件
(16)昭和25年11月10日 岡山地裁 昭24(ワ)107号 組合員除名決議無効確認等請求事件 〔倉敷レーヨン組合除名事件〕
(17)昭和25年10月27日 福岡高裁 事件番号不詳 解職処分無効確認等請求控訴事件 〔熊本電気鉄道事件・控訴審〕
(18)昭和25年10月18日 京都地裁 昭25(行)10号 議会議員除名決議取消請求事件
(19)昭和25年10月 4日 広島高裁 昭25(う)649号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(20)昭和25年10月 3日 秋田地裁 昭25(行)19号 休職ならびに懲戒免職処分取消請求事件 〔秋田県教員懲戒免職事件〕
(21)平成24年 4月13日 東京地裁 平23(行ウ)73号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(22)平成24年 4月12日 東京地裁 平23(行ウ)48号 難民の認定をしない処分等無効確認請求事件
(23)平成24年 4月10日 東京地裁 平23(行ウ)128号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(24)平成24年 3月27日 和歌山地裁 平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件
(25)平成24年 3月26日 仙台地裁 平19(ワ)1648号・平20(ワ)430号・平20(ワ)1915号・平21(ワ)355号・平21(ワ)896号・平21(ワ)1398号 監視活動停止等請求事件
(26)平成24年 3月23日 東京地裁 平22(行ウ)368号 難民不認定処分取消請求事件
(27)平成24年 3月16日 東京地裁 平21(行ウ)311号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(28)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(29)平成24年 2月23日 大阪地裁 平21(行ウ)154号 退去強制令書発付処分無効確認等請求事件
(30)平成24年 2月22日 東京地裁 平22(行ウ)445号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(31)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(32)平成24年 2月 3日 青森地裁 平20(行ウ)4号 政務調査費返還代位請求事件
(33)平成24年 1月31日 大阪高裁 平23(行コ)96号 政務調査費違法支出損害賠償命令控訴事件
(34)平成24年 1月31日 福岡高裁 平23(行コ)13号 大分県政務調査費返還等請求事件
(35)平成24年 1月27日 東京地裁 平22(ワ)5552号 地位確認等請求事件 〔学校法人尚美学園事件〕
(36)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(37)平成24年 1月17日 東京地裁 平21(行ウ)600号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(38)平成24年 1月13日 東京地裁 平23(ワ)4292号 損害賠償等請求事件
(39)平成24年 1月12日 東京地裁 平22(行ウ)251号・平22(行ウ)256号・平22(行ウ)257号・平22(行ウ)258号・平22(行ウ)259号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(40)平成23年12月21日 東京地裁 平21(行ウ)636号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(41)平成23年12月 9日 徳島地裁 平19(行ウ)17号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求事件
(42)平成23年12月 8日 東京地裁 平21(行ウ)341号 観察処分期間更新処分取消請求事件
(43)平成23年12月 6日 東京地裁 平22(行ウ)215号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(44)平成23年11月30日 東京地裁 平22(行ウ)37号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(45)平成23年11月25日 東京地裁 平21(ワ)3923号・平21(ワ)20801号 損害賠償等請求事件、損害賠償請求事件
(46)平成23年10月27日 東京地裁 平20(行ウ)497号・平20(行ウ)530号・平20(行ウ)531号・平20(行ウ)532号・平20(行ウ)533号・平20(行ウ)487号・平20(行ウ)557号・平20(行ウ)690号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、退去強制令書発付処分取消等請求事件
(47)平成23年10月25日 東京地裁 平21(行ウ)373号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(48)平成23年 9月30日 仙台高裁 平22(行コ)20号 政務調査費返還請求控訴事件
(49)平成23年 9月29日 東京地裁 平22(行ウ)460号 退去強制令書発付処分無効確認請求事件
(50)平成23年 9月16日 東京高裁 平21(ネ)2622号 各損害賠償請求控訴事件
(51)平成23年 9月 2日 東京地裁 平22(行ウ)36号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成23年 7月25日 東京地裁 平19(行ウ)591号 懲戒処分取消等請求事件
(53)平成23年 7月22日 東京地裁 平22(行ウ)555号・平23(行ウ)61号・平23(行ウ)171号 難民の認定をしない処分取消請求事件、追加的併合申立事件
(54)平成23年 7月19日 東京地裁 平21(行ウ)582号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(55)平成23年 7月12日 東京地裁 平20(行ウ)682号・平21(行ウ)537号・平22(行ウ)48号 退去強制令書発付処分取消等請求事件(第1事件)、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件(第2事件)、難民の認定をしない処分取消請求事件(第3事件)
(56)平成23年 7月 8日 東京地裁 平22(行ウ)197号・平22(行ウ)210号・平22(行ウ)211号・平22(行ウ)212号・平22(行ウ)213号 在留特別許可をしない処分取消等請求事件
(57)平成23年 7月 6日 東京地裁 平22(ワ)15626号 除名処分無効確認等請求事件
(58)平成23年 6月29日 東京地裁 平21(ワ)40345号・平22(ワ)36010号 損害賠償等請求事件、不当利得返還請求事件
(59)平成23年 5月26日 神戸地裁 平21(ワ)913号 国家賠償請求事件 〔レッドパージ訴訟〕
(60)平成23年 5月25日 東京地裁 平22(行ウ)156号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(61)平成23年 5月20日 仙台高裁 平22(行コ)8号 政府調査費返還代位請求控訴事件
(62)平成23年 5月18日 東京高裁 平22(行ケ)30号 裁決取消等請求事件
(63)平成23年 5月17日 東京地裁 平21(行ウ)17号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(64)平成23年 5月11日 神戸地裁 平21(行ウ)4号 政務調査費違法支出返還請求事件
(65)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(66)平成23年 4月 6日 大阪地裁 平20(ワ)14355号 損害賠償請求事件 〔目的外支出政務調査費損害賠償請求事件〕
(67)平成23年 3月24日 東京地裁 平20(ワ)17676号 損害賠償等請求事件
(68)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)303号 衆議院議員選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(69)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)268号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(70)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)257号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(71)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)256号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(72)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)235号 選挙無効請求事件
(73)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)234号 選挙無効請求事件
(74)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)207号 選挙無効請求事件
(75)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)206号 選挙無効請求事件
(76)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)203号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(77)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)201号 選挙無効請求事件
(78)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)200号 選挙無効請求事件
(79)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)199号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(80)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)189号 選挙無効請求事件
(81)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)188号 選挙無効請求事件
(82)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)130号 選挙無効請求事件
(83)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)129号 選挙無効請求事件
(84)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
(85)平成23年 3月10日 東京高裁 平21(行コ)181号 懲戒処分取消等請求控訴事件
(86)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)5号 不当利得金返還請求事件
(87)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)1号 損害賠償請求事件
(88)平成23年 3月 4日 東京地裁 平21(行ウ)1号・平21(行ウ)7号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(89)平成23年 2月24日 大分地裁 平19(行ウ)9号 大分県政務調査費返還等請求事件
(90)平成23年 2月18日 東京地裁 平21(行ウ)513号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(91)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(92)平成23年 1月28日 福岡高裁宮崎支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・福岡高裁宮崎支部〕
(93)平成23年 1月26日 広島高裁松江支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁松江支部〕
(94)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(95)平成23年 1月20日 東京地裁 平20(ワ)13385号 損害賠償等請求事件
(96)平成23年 1月19日 宇都宮地裁 平20(行ウ)13号 政務調査費不当利得返還請求事件
(97)平成23年 1月14日 東京地裁 平21(行ウ)279号 在留特別許可をしない処分取消請求事件
(98)平成22年12月16日 東京高裁 平22(行ケ)24号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
(99)平成22年12月16日 広島高裁岡山支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁岡山支部〕
(100)平成22年12月 1日 東京地裁 平21(行ウ)374号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
■「選挙 コンサルタント」に関する裁判例一覧【1-101】
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■「選挙 立候補」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治活動 選挙運動」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「公職選挙法 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙 ビラ チラシ」に関する裁判例一覧【1~49】
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■「政務活動費 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「演説会 告知 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「公職選挙法 ポスター 掲示交渉」に関する裁判例一覧【101~210】
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■「政治ポスター貼り 公職選挙法 解釈」に関する裁判例一覧【211~327】
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■「公職選挙法」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙 公報 広報 ポスター ビラ」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「選挙妨害」に関する裁判例一覧【1~90】
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■「二連(三連)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「個人(単独)ポスター 政党 公認 候補者」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 公認 候補者 公募 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 議員 政治家」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「国政政党 地域政党 二連(三連)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「国政政党 地域政党 個人(単独)ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「公認 候補者 公募 ポスター 国政政党 地域政党」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 公認 候補者 告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 後援会 選挙事務所 候補者 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 衆議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 参議院議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 地方議員 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 代議士 ポスター」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 ポスター貼り ボランティア」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政党 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「政治団体 党員 入党 入会 獲得 募集 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■「後援会 入会 募集 獲得 代行」に関する裁判例一覧【1~100】
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■選挙の種類一覧
選挙①【衆議院議員総選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙②【参議院議員通常選挙】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙③【一般選挙(地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
選挙④【特別選挙(国政選挙|地方選挙)】に向けた、政治活動ポスター貼り(掲示交渉代行)
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏03-3981-2990✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
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【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!
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