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政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例(100)平成22年12月 1日 東京地裁 平21(行ウ)374号 退去強制令書発付処分取消等請求事件

政治と選挙Q&A「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例(100)平成22年12月 1日 東京地裁 平21(行ウ)374号 退去強制令書発付処分取消等請求事件

裁判年月日  平成22年12月 1日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(行ウ)374号
事件名  退去強制令書発付処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2010WLJPCA12018005

要旨
◆トルコ共和国国籍の原告が、不法入国に該当すると認定され、それに対する異議に理由がない旨の裁決及び退令処分を受けたため、当該裁決及び退令処分の取消しを求めた事案において、原告は、退去強制を受けて帰国して数か月後に他人名義の旅券で不法入国し、不法在留中に無免許運転の罪を犯し、居住地変更登録もせず、その入国・在留状況は著しく不良で、Dとの婚姻関係も原告の不法在留中に形成されたもので、その期間も本件裁決まで1年半程度、同居期間も3年弱で、両者の間に子もないことから、その関係は安定かつ成熟したものではない等として、請求を棄却した事例

参照条文
出入国管理及び難民認定法24条1号

裁判年月日  平成22年12月 1日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(行ウ)374号
事件名  退去強制令書発付処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2010WLJPCA12018005

群馬県伊勢崎市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 大橋毅
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 国
同代表者法務大臣 A
処分行政庁 東京入国管理局長 B
同 東京入国管理局主任審査官 C
同指定代理人 渡邊未来子
高松浩之
壽茂
小田切弘明
桐野裕一
三浦志穂
小高真志
岩井雅洋
鈴木功祐

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  東京入国管理局長(以下「東京入管局長」という。)が原告に対して平成21年6月4日付けでした出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)49条1項の異議の申出に理由がない旨の裁決(以下「本件裁決」という。)を取り消す。
2  東京入国管理局(以下「東京入管」という。)主任審査官が原告に対して平成21年6月5日付けでした退去強制令書(以下「本件退令書」という。)の発付処分(以下「本件退令処分」という。)を取り消す。
第2  事案の概要
本件は,トルコ共和国(以下「トルコ」という。)の国籍を有する外国人である原告が,入管法24条1号(不法入国)の退去強制事由に該当する旨の認定及びその認定には誤りがない旨の判定を受けて,同法49条1項に基づく異議の申出をしたところ,同条3項に基づき,東京入管局長から異議の申出は理由がない旨の裁決(本件裁決)を受け,同条6項に基づき,東京入管主任審査官から本件退令処分を受けたため,本件裁決は,定住者の在留資格を有する者と婚姻している原告に対し,在留特別許可を与えなかったなどの点で,裁量権の範囲を逸脱し,又はその濫用をした違法があるなどと主張して,本件裁決及び本件退令処分の取消しを求めている事案である。
1  前提事実(争いのない事実,顕著な事実及び弁論の全趣旨により容易に求められる事実)
(1)  原告の身分関係等
ア 原告は,昭和48年(1973年)○月○日,トルコにおいて出生したトルコ国籍を有する外国人男性である。
イ 原告及びD(以下「D」という。)は,平成19年11月28日,伊勢崎市長に対して婚姻の届出をして婚姻した。
(2)  原告の入国・在留状況
ア 1回目の入国・在留状況
(ア) 原告は,平成12年7月24日,関西国際空港に到着し,大阪入国管理局関西空港支局入国審査官から,訂正前の氏名であるE(以下「E」という。)名義で,在留資格「短期滞在」,在留期間「90日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸した。
(イ) 原告は,平成12年10月18日,平成13年1月12日及び平成13年4月11日,それぞれE名義で在留期間「90日」とする在留期間更新許可及び資格外活動許可を受けたが,その後,在留資格の変更又は在留期間の更新許可を受けないで,最終在留期限である同年7月19日を超えて本邦に不法残留した。
(ウ) 原告は,平成15年2月20日,東京入管高崎出張所(以下「高崎出張所」という。)及び群馬県警伊勢崎警察署(以下「伊勢崎警察署」という。)の合同摘発により不法残留の容疑で摘発された。
(エ) 高崎出張所入国警備官は,平成15年2月20日,原告が平成21年法律第79号による改正前の出入国管理及び難民認定法(以下,改正の前後を問わず,単に「入管法」という。)24条4号ロに該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,東京入管主任審査官から収容令書の発付を受け,同日,収容令書を執行するとともに,原告に係る違反調査を実施し,同日,原告を同号ロ該当容疑者として,東京入管入国審査官に引き渡した。
(オ) 東京入管入国審査官は,平成15年2月21日,原告に係る違反審査を実施した結果,原告が入管法24条4号ロに該当する旨認定し,原告に通知したところ,原告は,同日,口頭審理の請求を放棄した。
(カ) 東京入管主任審査官は,平成15年2月24日,原告に対し,E名義で退去強制令書を発付し,原告は,同月26日,トルコへ強制送還された。
(キ) なお,原告は,平成12年8月24日,東京都小平市において,E名義で,同市〈以下省略〉を居住地とする外国人登録法(以下「外登法」という。)に基づく新規登録をし,その後次のとおり変更登録をした。
a 平成13年1月9日,居住地を埼玉県川口市〈以下省略〉とする変更登録
b 平成13年6月26日,居住地を群馬県伊勢崎市(以下「伊勢崎市」という。)〈以下省略〉とする変更登録
c 平成14年1月4日,居住地を伊勢崎市〈以下省略〉とする変更登録
d 平成14年12月13日,居住地を伊勢崎市〈以下省略〉,世帯主を「F」,続柄を「父の弟の子」とする変更登録
イ 今回の入国・在留状況
(ア) 原告は,平成15年10月12日,入管法5条1項9号ロ所定の上陸拒否期間(退去した日から5年間)中であるにもかかわらず,新東京国際空港(現在の成田国際空港)に到着し,本邦に不法に入国した。
なお,原告は,上記空港において,東京入管成田空港支局入国審査官に対し,J(以下「J」という。)名義のトルコ旅券を提出し,同入国審査官から同旅券上に,在留資格「短期滞在」,在留期間「90日」の上陸許可の証印を受けた。
(イ) 原告は,平成19年12月27日,本邦在留を希望して東京入管に出頭申告した。
(ウ) 原告は,平成21年3月6日,伊勢崎警察署警察官により,道路交通法違反(無免許運転)容疑で逮捕され,同年4月10日,前橋地方裁判所において,道路交通法違反(無免許運転)及び入管法違反(不法入国)により懲役2年6月,4年間執行猶予の判決(同月25日確定)を受けた。
(エ) 東京入管入国警備官は,平成21年4月9日,原告が入管法24条1号に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,東京入管主任審査官から収容令書の発付を受け,同月10日,同収容令書を執行するとともに,原告に係る違反調査を実施し,同日,原告を同号該当容疑者として,東京入管入国審査官に引き渡した。
(オ) 東京入管入国審査官は,平成21年4月13日及び同月22日,原告に係る違反審査を実施し,同日,原告が入管法24条1号に該当する旨認定し,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,口頭審理を請求した。
(カ) 東京入管主任審査官は,平成21年4月30日に原告に係る収容期間を30日延長し,東京入管入国審査官は,同年5月26日,Dから事情を聴取した。
(キ) 東京入管特別審理官は,平成21年5月26日,原告に係る口頭審理を実施し,同日,上記(オ)の東京入管入国審査官の認定には誤りがない旨判定し,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,法務大臣に対し異議の申出をした。
(ク) 入管法69条の2に基づき法務大臣から権限の委任を受けた東京入管局長は,平成21年6月4日,上記(キ)の原告の異議の申出には理由がない旨の裁決(本件裁決)をし,同日,その通知を受けた東京入管主任審査官は,同月5日,原告にこれを通知するとともに,退去強制令書(本件退令書)の発付処分(本件退令処分)をし,同日,東京入管入国警備官が本件退令書を執行した。
(ケ) 原告は,平成21年12月18日,収容中の入国者収容所東日本入国管理センター所長から仮放免許可を受けた。
(コ) なお,原告は,平成15年11月17日,伊勢崎市において,J名義で,同市〈以下省略〉を居住地とする外登法に基づく新規登録をし,その後次のとおり変更登録等をした。
a 平成19年10月22日,居住地を伊勢崎市〈以下省略〉aアパート102(以下「aアパート102」という。),世帯主をD,続柄を「同居人」とする変更登録
b 平成20年1月31日,原告について,氏名を「E1」,生年月日を「1973年○月○日」とする登録内容の訂正
c 平成20年2月1日,続柄を「夫」とする変更登録
d 平成20年4月15日,伊勢崎市〈以下省略〉bハイツ(以下「bハイツ」という。)を居住地とする変更登録
2  本件の争点
(1)  本件裁決の適法性(在留特別許可に係る裁量権の範囲の逸脱・濫用の有無)
(2)  本件退令処分の適法性
3  争点に対する当事者の主張
(1)  争点(1)(本件裁決の適法性)について
(被告の主張の要旨)
ア 出入国管理行政全般について国民や社会に対して責任を負う法務大臣及び法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長(以下「法務大臣等」という。)には,入管法24条各号の退去強制事由に該当する我が国にとって好ましくない外国人を対象とする在留特別許可の許否に関して広範な要件裁量が認められているから,在留特別許可を付与しないという法務大臣等の判断が裁量権の逸脱濫用に当たるとして違法となり得る場合は,法律上当然に退去強制されるべき外国人について,なお我が国に在留することを認めなければならない積極的な理由があったにもかかわらずこれが看過されたなど,在留特別許可の制度を設けた入管法の趣旨に明らかに反するような極めて特別な事情が認められる場合に限られ,また,このような特別な事情の主張立証責任は原告にあるというべきである。
なお,在留特別許可は,上記のとおり諸般の事情を総合的に考慮した上で個別的に決定される恩恵的措置であって,その許否判断を拘束する行政先例又は一義的・固有の基準なるものは存在しないから,在留特別許可に係るガイドラインは,法務大臣等の裁量権を拘束するものではない。
イ 原告は,本邦に不法に入国した者であり,入管法24条1号所定の退去強制事由に該当するから,法律上当然に退去強制されるべき外国人に当たることが明らかであるところ,本件においては,次のとおり,上記アの特別な事情が存すると評価すべき事情はないから,原告に在留特別許可を付与しないとの東京入管局長の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がないことは明らかであり,本件裁決に何ら違法性はない。
(ア) 原告は,1回目の入国の際の平成15年2月26日,入管法24条4号ロ(不法残留)該当者として強制退去されたところ,その不法残留中に月収約20万円を得て,約150万円を蓄え,本国の家族に毎月約10万円を送金したものであり,その在留の態様は,我が国の出入国管理秩序をびん乱するもので悪質である。
さらに,原告は,上記強制退去後の入管法5条1項9号ロ所定の上陸拒否期間中にもかかわらず,本邦で再度就労する目的で,1回目の強制退去後わずか半年余りしか経過していない同年10月12日,上陸拒否期間中であることを秘匿し,他人名義旅券を行使して本邦に不法入国したものであり,このような行為は,出入国管理行政上到底看過し難い悪質なものである(なお,原告の上記のような不法入国の態様は,在留特別許可に係るガイドラインにおける消極要素に複数該当することが明らかである。)。
(イ) 原告は,平成15年10月12日に本邦に不法入国してから平成19年12月27日に本邦在留を希望して出頭申告するまでの約4年2か月にわたり不法在留を継続し,入国直後から出頭申告後の平成20年1月ころまで,群馬県及び埼玉県内所在の工場において,自動車の解体,印刷作業及び溶接等に従事し,本邦に入国後間断なく就労して,月収約30万円を得て,本国の家族に約300万円を送金したばかりか,出頭申告後,平成20年1月5日付けで就労先を退職したとして,c工業株式会社が発行したとする退職証明書(乙35)を東京入管に提出しながら,なお同社で勤務していた。
不法入国は,それ自体が懲役刑をも科し得る違法行為なのであり,不法滞在中に本邦に生活基盤等を築いたとしても,それは,不法滞在の継続という違法状態の上に構築されたものにすぎず,また,我が国の在留資格制度は,特に外国人の就労活動が我が国の産業構造や日本人の就職及び労働条件等に重大な影響を及ぼし得るものであることから,外国人の就労活動に対する規制をその根幹に取り込んで成立しており,無許可の資格外活動を厳しく禁じているから,原告が不法入国後約4年2か月にわたり本邦に不法在留して就労活動をしたことは,違法行為が長期間に及んだことを意味するものであり,東京入管局長が,原告の在留特別許可の許否を判断する上で,有利な事情と解しなければならない理由とはなり得ず,むしろ,在留特別許可の判断において消極要素として評価されるべきものである。
(ウ) 原告は,本邦に不法入国後の平成21年3月6日,道路交通法違反(無免許運転)の罪を犯し,同罪及び入管法違反(不法入国)の罪により有罪判決を受けており,我が国の法規範を遵守しようという認識を欠いているものといわざるを得ず,また,原告の供述(乙23)によれば,平成15年11月17日から平成19年10月22日までの間に居住地を変更したにもかかわらず,これについて外登法に基づく変更登録をしなかったのであり,このような事情が在留特別許可の判断において消極要素として評価されるのは当然である。
(エ) 前記アのとおり法務大臣等の在留特別許可の許否に関する裁量の範囲は極めて広範なものであると解されるところ,入管法が在留特別許可を行うか否かの判断に関して,定住者の在留資格を有する外国人配偶者の存在等特定の事項を必ず考慮しなければならない旨の規定等を置いていないこと,本邦に在留する外国人には入管法に基づく外国人在留制度の枠内での憲法の基本的人権が保障されているにすぎず,市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「国際人権B規約」という。)も外国人を自国に受け入れるか否か,これを受け入れる場合にいかなる条件を付すかは国家が自由に決することができるとの国際法上の原則を排斥する規定をおいておらず,国際人権B規約13条が外国人に対する法律に基づく退去強制手続を容認していることからすると,原告指摘の憲法24条や国際人権B規約17条及び23条を考慮しても,退去強制事由のある外国人に定住者の在留資格を有する外国人配偶者がいることは,法務大臣等が当該外国人に対して在留特別許可をするか否かの判断をする際にしんしゃくされる事情の一つとはなり得るものの,同配偶者との婚姻関係の存在が,法務大臣等の在留特別許可の許否に関する裁量権の行使に対する制約になると解することはできない。
そして,特に不法在留という違法状態の上に築かれた婚姻関係については,保護すべき必要性が低いというべきであるところ,原告らの婚姻関係については,原告とDの供述の信用性及び原告らの婚姻の実体には少なからず疑義があるといわざるを得ないから,原告に対する在留特別許可の許否の判断に際し,積極的にしんしゃくすべき事情とはいえない。
(オ) 原告は,トルコで生育し,本国で教育を受け,生活を営んできた者であり,稼働能力を有する成人であり,本国に父母を始め,弟妹がおり(なお,トルコには,原告と離婚したとされる妻との間の4名の子らもおり,原告は,現在でも月7万円以上の仕送りを継続している。),本国でレストランや仕立屋などで就労した経験を有するから,原告がトルコに帰国したとしても,本国での生活に特段の支障があるとは認められない。
(原告の主張の要旨)
ア 本件裁決の司法審査に当たっては,重大な事実誤認,目的違反ないし動機違反,比例原則違反及び平等原則違反の有無を詳細に検討し,また,考慮すべきでない事項を考慮し(他事考慮),考慮すべき事項を考慮しないことなど行政庁の裁量判断過程に誤りがないかを検討すべきであり,これらの事情があった場合には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用として違法になるというべきである。
イ 本件裁決は,次のとおり,Dとの婚姻関係を重要な積極要素として考慮せず,軽微な消極要素である原告の入国・在留状況及び無免許運転の事実等の評価を誤ったことにより,在留特別許可をしなかった点で裁量権の範囲を逸脱しており,違法である。
(ア) 原告は,過去に退去歴を有し,上陸拒否期間中にこれを秘匿して本邦に不法入国しているが,本国で改名をして本邦に不法入国した動機は,主として部族の争いから離れたかったこと等のためであり,法務省入国管理局公表の「在留特別許可された事例及びされなかった事例について」にも過去に退去強制の執行を受けた者で在留特別許可が認められたものが存在するから,平成18年10月に法務省入国管理局が策定公表したガイドライン((平成21年7月改訂前のもの。以下「本件裁決時ガイドライン」という。)の「出入国管理行政の根幹に関わる違反又は反社会性の高い違反」ではない。
(イ) 原告が長期間にわたり不法在留及び不法就労をしていることについては,本件裁決時ガイドラインが,当該外国人が,本邦での滞在期間が長期間に及び,本邦への定着性が認められることを在留特別許可をすべき積極要素の一つとして掲げる一方,消極要素として非正規在留の長期性を掲げていないことからすれば,殊更に在留状況が悪質とはいえない。
(ウ) 原告の無免許運転行為については,本件裁決時ガイドラインが「出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしているとき」を掲げ,その例を「不法就労助長罪,集団密航に係る罪,旅券等の不正受交付などの罪により刑に処せられたことがあるとき」としている(平成21年7月に改訂された在留特別許可に係るガイドライン(以下「改訂後ガイドライン」という。)も,特に考慮する消極要素を「重大犯罪等により刑に処せられたことがあること」及び「出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしていること」とし,その他の消極要素を「船舶による密航,若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国したこと」,「過去に退去強制手続を受けたことがあること」及び「その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められること」としている。)ことから,在留特別許可の判断に際して特に考慮する要素には当たらず,在留特別許可が認められないほど重大な犯罪とはいえない。
また,原告は,日本の刑事手続を経験したことにより規範意識を強くしており,執行猶予判決を受けたことによる威嚇効果もあるので,再犯のおそれはない。
(エ)a 入管法は,法務大臣に在留特別許可に係る裁量権を付与するに当たり,裁量判断の過程で婚姻関係の保護を十分に考慮することを予定しているところ,入管法の上位法である憲法又は国際人権B規約によれば,婚姻関係の価値において,婚姻相手が日本国籍であるか否か又はその在留資格が特別永住者,永住者若しくは定住者であるか否かによって本質的な差異を生じず,これにより結論を異にすることは差別に当たるから,法務大臣等が在留特別許可の許否を判断するに当たっては,当該外国人の配偶者が日本に定住している者であれば,当該外国人の婚姻関係を重要な積極要素として考慮すべきである。このことは,法務省入国管理局公表の「在留特別許可された事例及びされなかった事例について」でも,永住者,定住者との婚姻を考慮して在留特別許可がされた事例があることからも明らかである。
b 原告とD(同女は,ブラジル国籍の日系3世で「定住者」の在留資格を有する。)は,平成17年に知り合って交際を始め,平成18年半ばから同居し,平成19年11月28日に日本の方式で婚姻をすると,以後夫婦として助け合って共同生活を続けており,原告らの婚姻には婚姻の実体があるから(なお,被告らが指摘する原告らの供述のそごはささいなものにすぎず,信用性を失わせるものではない。),このような事情は,在留特別許可の許否の判断に際し,積極的にしんしゃくすべき事情である。
c そして,原告の収容・送還によりDと引き離すことは,憲法上保障された原告の婚姻の自由に対する制約であるところ,これにより確保される在留資格制度を通じての外国人の出入国・在留管理制度の保持という法益は,婚姻の自由に明白に優越するものではなく,原告に在留特別許可をしても在留資格制度は十分維持できるから,当該制約以外に他の手段を採り得ないわけでもないので,憲法上許されない。
また,家族の構成員が居住する国からの退去強制は,国際人権B規約23条で保障された婚姻の自由の干渉になり得るところ,原告が社会秩序と安全にとって危険となるおそれは現時点では軽減されており,むしろ,妻Dは,トルコ語を話せず,トルコに住んだこともない上,キリスト教徒であることから,日本以外で婚姻生活を送ることが事実上不可能であることに照らすと,当該干渉は追求する目的に比例していないから,国際人権B規約23条にも違反する。
(オ) 原告は,本国に何らの生活基盤がなく,もし送還されれば,妻と引き離されることになり,また,妻が原告と同居するには,日本で永住して蓄積してきた日本社会との結び付きを断たなければならず,妻に著しい苦痛を与えることとなる。
(2)  争点(2)(本件退令処分の適法性)について
(被告の主張の要旨)
退去強制手続において,法務大臣等から「異議の申出は理由がない」との裁決をした旨の通知を受けた場合,主任審査官は,速やかに退去強制令書を発付しなければならないから(入管法49条6項),退去強制令書を発付するにつき裁量の余地は全くないというべきであり,本件裁決が適法である以上,本件退令処分も当然に適法である。
(原告の主張の要旨)
本件退令処分は,本件裁決の違法性を承継し,また,上記(1)(原告の主張)イ(エ)cのとおり,憲法及び国際人権B規約に違反するから,違法である。
第3  争点に対する判断
1  争点(1)(本件裁決の適法性)について
(1)  本件の判断枠組み
ア 法務大臣は,退去強制手続の対象となった外国人が退去強制対象者(入管法24条各号のいずれかに該当し,かつ,出国命令対象者に該当しない外国人をいう。同法45条1項参照)に該当すると認められ,同法49条1項の規定による異議の申出が理由がないと認める場合においても,その外国人が同法50条1項各号のいずれかに該当するときは,その者の在留を特別に許可することができる(同条1項柱書き)。この在留特別許可は,同法49条4項の適用については,異議の申出が理由がある旨の裁決とみなされるから(同法50条3項),法務大臣から在留特別許可をした旨の通知を受けた主任審査官は,直ちにその外国人を放免しなければならない。
入管法50条1項に規定する法務大臣の権限は地方入国管理局長に委任することができ(同法69条の2,平成22年法務省令第9号による改正前の出入国管理及び難民認定法施行規則61条の2第11号),本件においては東京入管局長がその委任を受けているため,以上において法務大臣の権限として述べたことはいずれも東京入管局長に妥当するものである。
前提事実によれば,原告は,入管法24条1号(不法入国)の退去強制事由に該当し,かつ,出国命令対象者(同法24条の3)に該当しない外国人であると認められ,原告の身分関係並びにその入国及び在留の経緯に照らすと,本件裁決に関しては,同法50条1項1号から3号までは問題にならず,専ら同項4号に基づく在留特別許可をすべきであったか否かが問題となる。そこで,同号に基づく在留特別許可をするか否かについての法務大臣等の判断の性格について,以下検討する。
イ 憲法は,日本国内における居住・移転の自由を保障する(22条1項)にとどまり,外国人が本邦に入国し又は在留することについては何ら規定しておらず,国に対し外国人の入国又は在留を許容することを義務付ける規定も存在しない。このことは,国際慣習法上,国家は外国人を受け入れる義務を負うものではなく,特別の条約がない限り,外国人を自国内に受け入れるかどうか,これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかを,当該国家が自由に決定することができるものとされていることと,その考えを同じくするものと解される。したがって,憲法上,外国人は,本邦に入国する自由を保障されていないことはもとより,本邦に在留する権利ないし引き続き在留することを要求し得る権利を保障されているものでもなく,入管法に基づく外国人在留制度の枠内においてのみ本邦に在留し得る地位を認められているものと解すべきである(最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月4日大法廷判決・民集32巻7号1223頁,最高裁昭和29年(あ)第3594号同32年6月19日大法廷判決・刑集11巻6号1663頁参照)。
そして,入管法50条1項4号は,「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」と規定するだけであって,文言上その要件を具体的に限定するものはなく,入管法上,法務大臣が考慮すべき事項を掲げるなどしてその判断を羈束するような規定も存在しない。また,このような在留特別許可の判断の対象となる者は,在留期間更新許可の場合のように適法に在留している外国人とは異なり,既に入管法24条各号の退去強制事由に該当し,本来的には退去強制の対象となるべき地位にある外国人である。さらに,外国人の出入国管理は,国内の治安と善良な風俗の維持,保健・衛生の確保,労働市場の安定等の国益の保持を目的として行われるものであって,その性質上,広く情報を収集し,その分析を踏まえて,時宜に応じた専門的・政策的な判断を行うことが必要であり,高度な政治的判断を要する場合もあり得るところである。
以上を総合勘案すれば,入管法50条1項4号に基づき在留特別許可をするか否かの判断は,法務大臣等の極めて広範な裁量にゆだねられており,その裁量権の範囲は,在留期間更新許可の場合よりも更に広範であると解するのが相当であって,法務大臣等は,前述した外国人の出入国管理の目的である国内の治安と善良な風俗の維持,保健・衛生の確保,労働市場の安定等の国益の保持の見地に立って,当該外国人の在留の状況,特別に在留を求める理由の当否のみならず,国内の政治・経済・社会等の諸事情,国際情勢,外交関係,国際礼譲等の諸般の事情を総合的に勘案してその許否を判断する裁量を与えられているものと解される。したがって,同号に基づき在留特別許可をするか否かについての法務大臣等の判断が違法となるのは,その判断が全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど,法務大臣等に与えられた裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した場合に限られるものというべきである(前掲最高裁昭和53年10月4日大法廷判決参照)。
そこで,上記の判断の枠組みに従って,原告に在留特別許可を付与しなかった東京入国管理局長の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したといえるか否かについて検討する。
(2)  まず,前提事実並びに掲記の証拠(ただし,後記エで採用しないこととした部分を除く。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア 原告の本国での身上及び生活に係る事情
原告は,昭和48年(1973年)○月○日,トルコにおいて両親の間の5人の子のうち2番目の子として出生し,17歳のときに前妻と婚姻し,前妻との間に4人の子をもうけたところ,両親,きょうだい,前妻,前妻との間の子ら原告以外の者は,いずれもトルコで生活している。
原告は,小学校を卒業後,平成12年に本邦に入国するまでの間,トルコにおいて,自動車部品製造,調理人等として約12年稼働しており,トルコ語を母国語としている。
(甲1,乙23)
イ 原告の入国及び在留の状況,家族関係等
(ア)a 原告は,日本で就労して金を稼ぐ目的で,平成12年7月24日,本邦に上陸したが,最終在留期限である平成13年7月19日を超えて本邦に不法残留し,その後後記bのとおり強制送還されるまでの約1年7か月間に,就労により月収約20万円を得て,約150万円を貯蓄し,本国の家族に毎月約10万円を送金した。
b 原告は,平成15年2月20日,高崎出張所及び伊勢崎警察署の合同摘発により摘発されると,同日,収容令書の執行を受け,所定の手続を経て,同月26日,退去強制令書の執行により本邦からトルコに強制送還された。
(以上(ア)につき,甲1,乙7,16,23)
(イ)a 原告は,平成15年2月26日,トルコに強制送還された後,いとこと一緒に医療品販売会社を設立したが,不景気等でうまくいかなかったことから,再び日本で就労して金を稼ごうと決意し,そのためにも便利であることから,トルコにおいて,姓を「E」から「E1」に変更する手続を開始した。
b もっとも,原告は,上記手続の終了を待たず,群馬県に住む友人と相談して就労先や居住先を決め,いとこであるJ名義のIDカードを利用して同人名義の旅券の発給を受けた上,平成15年10月12日,いまだ入管法所定の上陸拒否期間であるにもかかわらず,これを秘し,かつ,他人名義の上記旅券を用いて本邦に不法入国した。
(以上(イ)につき,甲1,原告本人)
(ウ)a 原告は,平成17年10月ころ,D(「定住者」の在留資格を有する外国人である。)と知り合い,遅くとも平成18年6月ころから,Dが居住していたaアパート102に住み込んで同居を始めたところ,平成19年1月ころには,Dに対して自分が不法残留であること等を告げ,同女とけんかになったが,間もなく仲直りし,その後,Dとの間でお互いに婚姻する意思を固めた。
b そこで,原告は,遅くとも同年11月までに前妻と離婚し,同月28日,Dと共に日本の方式による婚姻届を提出した。
また,原告とDは,平成20年4月ころ,aアパート102からbハイツに転居し,遅くとも平成21年1月ころからはGも同居するようになった。
c なお,平成20年1月以降,原告は,後記ウ(ア)のとおり無職であることから,主としてDの給料等により生計を維持している。
(以上(ウ)につき,甲1,2,5の1,8,乙23,25,45,46,証人D,原告本人)
(エ) 原告は,平成21年3月6日後記ウ(イ)のとおり逮捕された後,同年4月10日収容令書の執行を受け,さらに,同年6月4日に本件裁決を受け,同月5日に本件退令処分を受けるとともに本件退令書の執行を受けたが,同年12月18日仮放免許可を受けた。
(オ) なお,原告は,平成15年11月17日,伊勢崎市〈以下省略〉を居住地とする外登法に基づく新規登録をした後,平成17年ころまで同市ヨウゲ町所在のアパートを,同年から平成18年5月ころまで同市ヤタジマ所在のアパートをそれぞれ居住地としたが,その旨の変更登録をしなかった。
(乙23)
ウ 原告の稼働状況,犯罪歴等
(ア) 原告は,平成15年10月12日の不法入国後,平成20年1月ころまでの間,自動車の解体工,製本作業員,溶接工として稼働し(なお,同月以後もアルバイトをしたことはあった。),トルコにいる家族に月約7万円(合計約300万円)を送金した。
(以上(ア)につき,乙23,34の1・2,35,原告本人,証人D)
(イ)a 原告は,平成21年3月6日,知人から借りた自動車を無免許運転し,道路交通法違反(無免許運転)の容疑で伊勢崎警察署警察官に逮捕された。
b 原告は,同年4月10日,前橋地方裁判所において,道路交通法違反(無免許運転)及び入管法違反(不法入国)の罪により懲役2年6月,4年間執行猶予の有罪判決を受けた。
(以上(イ)につき,甲1,乙23,原告本人)
エ 事実認定の補足説明
(ア) 原告の入国目的について
原告は,① 平成12年に本邦に入国したのは,政党に加入した原告が家宅捜索を受けて禁止された書籍が発見されるなどしたため,一族の者に日本に逃げるよう勧められたからであり,② 平成15年に本邦に入国したのは,父が腎臓病で手術を要したが,そのための資金がなく,また,当時の妻とその親族や部族の争いから離れたかったからである旨主張し,これに沿う証拠(甲1,原告本人)もある。
しかしながら,証拠(乙7,17,20,23,26)によれば,原告は,①の点については,平成15年2月20日の違反調査の際には,「私は今回が初めての来日で,日本で働き金を稼ぐために来ました。」と供述し,今回の退去強制手続においてもこれと同旨の供述をしており,また,②の点については,原告は,「1回目の来日時に貯金した約150万円を元手にトルコで衣料品(ママ)販売の会社をいとことともに起こしましたが,資金不足とパートナーであるいとことの間で問題が発生し,結局6ヶ月で失敗し,投資したお金は全部なくなってしまいました。トルコには離婚した妻との間に16歳から11歳の計4人の子がおり,その養育費を稼がなければならなかったので,悪いこととはわかっていましたが,いとこのパスポートを借りて再来日をしてしまいました」との陳述書(乙16)を作成したほか,今回の強制退去手続においても日本で就労する目的で不法入国した旨の供述をしたことが認められる。
以上によれば,前掲証拠中の原告の供述部分は,その供述内容が著しく変遷した後のものであり,そのように供述が変遷した合理的理由は何ら説明されていないから,信用性に乏しく採用することができない。
したがって,原告の上記主張は,理由がない。
(イ) 原告とDの婚姻について
a 原告は,原告本人尋問において,前記イ(ウ)の認定事実に沿う供述をし,証拠(甲1,乙23)中にはこれと同旨の供述記載部分(以下この(イ)ではこれらを併せて「原告の供述部分」という。)もあるところ,その供述内容は,① 具体的かつ詳細であり,今回の退去強制手続を通じても一貫しており,② Dの供述内容(甲2,乙25,証人D)ともおおむね符合するほか,③ これを裏付ける証拠として,Gの陳述書(甲5の1,8)及びaアパート102を住所とする原告あての在日トルコ大使館からの封書(平成19年9月23日,同年10月1日,平成20年1月8日又は同年2月6日の消印がある。甲6の1,6の2,7の1,7の2)もあることから,原告の供述部分の信用性を否定することはできないというべきである。
b これに対し,被告は,① 同居開始時期について,原告及びDの各供述が原告の陳述書(乙16),婚姻届(乙40)及び平成19年10月22日付け変更登録申請書(乙41)の記載と矛盾していること,② プロポーズの時期についても,原告とDの各供述に食い違いがあること,③ bハイツでの同居事実について,原告及びDの各供述には転居時の家電製品の購入の有無に関して食い違いがあり,賃貸借契約(乙45)に入居者として原告の記載がなく,東京入管職員の調査(乙37)により認められた居住実態に対する疑義も解消されていないこと等に照らし,原告の供述部分は信用することができない旨指摘する。
しかし,① 同居開始時期について書証の記載と矛盾するとの点は, 「同居年月日 2007年5月16日」との記載がある原告の陳述書(乙16)は,原告が依頼した行政書士が作成したものであり,証拠(甲17の2)によれば,当該行政書士も原告の陳述書(乙16)の上記日付の記載部分が誤りである旨述べていること,  平成19年10月22日付け変更登録申請書(乙41)及び平成19年11月28日付け(訂正前は同年10月22日付け)婚姻届(乙40)中の同居開始時期に関する記載も,原告及びD自身が手書きしたものではないことに照らすと,いずれも第三者が日付を誤記した可能性を否定することができず,この点のみをもって原告及びDの供述内容の信用性を否定することは相当ではない。② プロポーズに関する供述に食い違いがあるとの点は,Dの供述調書(乙25)は,「夫からプロポーズされたのは2006年の6月か7月頃のことだったと思いますが,よく覚えていません。」との記載がある一方,その際の具体的経緯に関する記載内容は原告の供述部分に沿うものであることに照らすと,上記日時は単なる記憶違いというべきであり,上記日時に関する供述が原告の供述部分と相反することをもって原告の供述部分全体を信用できないとすることはできない。また,③ bハイツでの同居事実に疑義があるとの点は,bハイツへの転居は平成20年4月ころであるから,その約1年後の時点でDがその時の家電購入の有無に関して記憶違いの供述をしたとしても不自然とまではいえず,また,bハイツの賃貸借契約書(乙45)に同居人として原告の記載がないことのみをもって当該賃貸借契約締結後の同居の事実を否定することはできない上,証拠(甲1,2,5の1,8,乙17,18,37,証人D,原告本人)によれば,東京入管職員がbハイツを調査したのは,原告が逮捕勾留及び収容令書の執行により身柄を拘束されてから3か月弱経過した時点であり(しかも,その間D及びGが同所で生活していた。),その際にも同所に原告の持ち物(サンダルや靴,衣服,自動車修理道具,書類)が存在したことがうかがわれることに照らすと,この点を看過して原告の衣類の収納状況等から「同居事実に疑義がもたれる」とする調査報告書(乙37)は信用性に乏しく採用することができない。
したがって,被告の上記指摘は,原告の供述部分の信用性を左右するものではない。
c また,被告は,原告が,① ベトナム人女性のH(以下「H」という。)宅に宿泊していたこと,② Hから携帯電話の使用に関して経済的援助を受けていることからすると,原告がHと単なる知人関係に止まらない関係にあったといえ,さらに,③ 原告とIらとの間で原告の在留特別許可取得のための画策がされていた疑いがあること,④ 原告がH名義以外の携帯電話機を有していたこと等も併せ考慮すれば,原告とDとの間に婚姻関係の実体があったとするには,なお合理的な疑いがある旨主張する。
しかし,これらの点については,原告本人尋問の結果,証人Dの証言及び関係証拠(甲1,2,13,18の1~6,乙23,25,48,53,55,62)に照らして,被告主張の関係や画策等を推認させるには足りず,これらのことを理由として前記イ(ウ)に認定した原告とDとの婚姻関係の実体があったことを否定することはできない。
(3)  次に,上記(2)の認定事実を踏まえ,以下,上記(1)の判断の枠組みに沿った諸事情の評価について検討する。
ア 本邦における入国・在留の状況・態様等(犯罪の内容・態様等)
上記(2)イの認定事実によれば,原告は,本邦での就労目的で,本邦で退去強制を受けて帰国してからわずか数か月後に,上陸拒否期間中であることを秘し,かつ,他人名義の旅券を用いて本邦に不法入国したものであり,このことは,我が国の出入国管理秩序を著しく侵害するもので極めて悪質であり,また,原告の規範意識の欠如を示しているものといわざるを得ない。
また,上記(2)ウ(イ)の認定事実によれば,原告は,不法在留中に道路交通法違反(無免許運転)の罪を犯しており,その経緯に何ら酌むべき事情がないことからすれば,原告がトルコにおいて運転免許を有していたとしても,その規範意識の欠如は甚だしく,原告が執行猶予判決を受けたこと等を考慮しても,原告の規範意識に改善がみられるということはできない。さらに,上記(2)イ(オ)の認定事実によれば,原告は,外登法8条所定の期間内に居住地の変更登録をしなかったこともうかがわれる。
以上によれば,原告の入国・在留の状況は,著しく不良であり,我が国の法秩序を著しく害するものといわざるを得ない。
そうすると,以上の各事実は,国内の治安等の国益の保持の観点から外国人の出入国の公正な管理を図るという入管法の目的(1条)等に照らし,在留特別許可の許否を判断する上で消極方向に作用する重大な事情として考慮されることはやむを得ないものというべきである。
イ 本邦における身上及び生活の状況
上記(2)イ(ウ)の認定事実によれば,原告とDは,遅くとも平成18年6月から同居を継続し(ただし,原告が身柄を拘束されていた平成21年3月6日から同年12月18日までの間を除く。),平成19年11月28日に法律上の婚姻関係を形成したものと認められるが,両名の婚姻関係は原告の不法在留中に形成されたものである上,本件裁決(平成21年6月4日)当時,その婚姻期間が1年半程度,同居期間も3年弱(もっとも,このうち婚姻を前提とした同居期間は,平成19年1月ころ以降の2年半程度である。)にすぎず,両名間の子もいないこと等に照らすと,いまだ安定かつ成熟したものではなかったといわざるを得ず,原告に係る在留特別許可の許否の判断において殊更積極的に考慮すべき事情に当たるとはいえない。
ウ 本国における身上及び生活に係る事情
上記(2)ア及びイ(ウ)の認定事実によれば,原告は,本件裁決当時35歳の稼働能力を有する成人であり,トルコで生育してトルコ語を母国語とし,その親族もトルコにいること,原告及びDの生計はDの給料等で維持されており,原告が本邦に在留することはDにとって経済的に必要不可欠ではないことに照らすと,原告がトルコに帰国して生活することに特段の支障があるとは認めがたい。
エ 以上の検討を踏まえ,原告の本邦における入国・在留の状況・態様等(犯罪の内容・態様等),本邦における身上及び生活の状況,本国における身上及び生活に係る事情等を総合考慮すると,原告に対し在留特別許可を付与しなかった本件裁決が,全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど,法務大臣等に与えられた裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされたものとは認め難いというべきである。
(4)ア  これに対し,原告は,原告を収容し,送還することによりDと引き離すことは,婚姻の自由を保障する憲法や国際人権B規約23条に違反する旨主張する。
しかし,前記(1)イのとおり,憲法上,外国人は,本邦に在留する権利ないし引き続き在留することを要求し得る権利を保障されているものではなく,入管法に基づく外国人在留制度の枠内でのみ本邦に在留し得る地位及びその在留に伴う利益を享受する権利を認められているにすぎないから,憲法13条及び22条の規定によって,外国人の在留の許否を決する国家の裁量が,前記(1)イにおいて検討した以上に制約を受けるものではなく,原告主張の事情は,法務大臣等が在留特別許可を付与するか否かの判断を行う際にしんしゃくされる諸般の事情の一つにすぎない。また,特別の条約がない限り,外国人を自国内に受け入れるか,これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかは,国際慣習法上,当該国家が自由に決定することができるものとされているところ,国際人権B規約は,国際慣習法上の原則を排斥する旨を規定しておらず,むしろ,外国人について法律に基づく退去強制手続を執ることを容認していること(13条第1文)に照らすと,国際人権B規約が考慮の対象として掲げる利益については,入管法に基づく外国人在留制度の枠内で保障されるにとどまるものといわざるを得ず,国際人権B規約の存在によって,在留の許否を決する国家の裁量が,前記(1)イにおいて検討した以上に制約を受けるものではないと解するのが相当である。
そうであるとすれば,前記(3)のとおり,本件において,原告の主張に係る本国への送還によって妻との別離を余儀なくされるという事情を考慮してもなお,原告には,入管法に基づく外国人在留制度の枠内において本邦に在留し得る地位が認められず,その結果,入管法所定の手続により本邦からの退去及び本国への帰国の義務が生ずるものである以上,原告が日本に妻を残して本国に送還されることをもって,憲法又は国際人権B規約に違反するということはできない。
イ  また,原告は,① 法務省入国管理局公表の「在留特別許可された事例及びされなかった事例について」でも,永住者,定住者との婚姻が考慮された在留特別許可がされた事例があることから,法務大臣等が在留特別許可の許否を判断するに当たっては,当該外国人の配偶者が日本に定住している者であれば,当該外国人の婚姻関係を重要な積極要素として考慮すべきであり,② 原告の入国・在留状況は,本件裁決時ガイドラインが定める消極要素等にかんがみると,「出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしているとき」に当たらないから,殊更悪質とはいえない旨主張する。
しかし,①の点については,上記「在留特別許可された事例及びされなかった事例について」中の原告主張の事案は,前記(3)で指摘した本件の事実関係と対比すると,いずれも本件とは事案を異にするから,原告主張の事案の存在によって上記(3)の結論が左右されるものではない。また,②の点については,そもそも在留特別許可の許否の判断は,前記(1)イのとおり,個々の事案ごとに,法務大臣等が,広範な裁量に基づいて諸般の事情を総合的に勘案して判断すべきものであり,そのような観点から,本件裁決時ガイドラインは,改訂後ガイドラインも含め,上記判断の際に積極要素又は消極要素として考慮する事項を例示したものにすぎないと解され,上記判断の際に消極要素の例示として掲げられていない事情を消極要素として考慮することが許されないとはいえないし,原告は,過去に退去強制手続を受けたことがある上,退去後わずか半年余りという時期に,上陸拒否期間中であることを秘し,他人名義の旅券を用いて不法入国をし,道路交通法違反の罪を犯したというのであって,消極要素として考慮される事情が複数存在することは否定することはできないから,原告指摘の②の点も,上記(3)の結論を左右するものとはいえない。
ウ  したがって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。
(5)  以上によれば,原告に対し在留特別許可を付与しなかった本件裁決における東京入管局長の判断が,裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされたものということはできず,本件裁決は,適法であるというべきである。
2  争点(2)(本件退令処分の適法性)について
法務大臣等は,入管法49条1項に基づく異議の申出があったときは,異議の申出に理由があるか否かについての裁決をして,その結果を主任審査官に通知しなければならず(同条3項),主任審査官は,法務大臣等から異議の申出は理由がない旨の裁決をした旨の通知を受けたときは,当該容疑者に対し,速やかにその旨を知らせるとともに,入管法51条の規定による退去強制令書を発付しなければならない(同法49条6項)。
したがって,東京入管主任審査官は,東京入国管理局長から前記1のとおり適法な本件裁決の通知を受けた以上,入管法上,これに従って退去強制令書を発付するほかなく,これを発付するか否かについて裁量を有するものではないから,本件退令処分もまた適法である。
なお,原告の本件退令処分が憲法又は国際人権B規約に違反するから違法である旨の主張は,前記1(4)アに説示したのと同様の理由から,採用することができない。
3  結語
よって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 川神裕 裁判官 須賀康太郎 裁判官 林史高)


政治と選挙の裁判例「告示(公示)日 公営(公設)掲示板ポスター 政党 公報 広報」に関する裁判例一覧
(1)昭和26年 3月 7日 大阪高裁 昭25(う)2385号 選挙運動の文書図画等の特例に関する法律違反被告事件
(2)昭和26年 3月 3日 金沢地裁 昭25(行)2号 県議会議長辞職許可決議無効事件
(3)昭和26年 2月26日 仙台高裁 昭25(う)1081号 昭和二二年勅令第一号違反事件
(4)昭和26年 2月19日 新潟地裁 昭25(行)14号 休職処分取消請求事件
(5)昭和26年 2月 2日 最高裁第二小法廷 昭25(れ)1505号 公務執行妨害教唆各被告事件
(6)昭和25年12月28日 岐阜地裁 昭25(モ)12号 仮処分異議申立事件 〔電産特別指令確認事件〕
(7)昭和25年12月20日 最高裁大法廷 昭25(れ)1021号 昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(8)昭和25年12月20日 高松高裁 昭25(う)794号
(9)昭和25年12月19日 東京地裁 昭25(ワ)2251号 解雇無効確認請求事件 〔東京都職員免職事件〕
(10)昭和25年12月16日 東京地裁八王子支部 昭25(モ)165号 仮処分異義申立事件 〔富士工業工場閉鎖事件〕
(11)昭和25年12月14日 大阪地裁 昭25(ヨ)43号 仮処分申請事件 〔新家工業組合除名事件〕
(12)昭和25年12月13日 東京高裁 昭25(行ナ)12号 商標登録願拒絶査定不服抗告審決取消請求事件
(13)昭和25年12月 8日 最高裁第二小法廷 昭25(あ)2863号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(14)昭和25年12月 6日 高松高裁 事件番号不詳
(15)昭和25年11月22日 最高裁大法廷 昭25(れ)280号 賭場開張図利被告事件
(16)昭和25年11月10日 岡山地裁 昭24(ワ)107号 組合員除名決議無効確認等請求事件 〔倉敷レーヨン組合除名事件〕
(17)昭和25年10月27日 福岡高裁 事件番号不詳 解職処分無効確認等請求控訴事件 〔熊本電気鉄道事件・控訴審〕
(18)昭和25年10月18日 京都地裁 昭25(行)10号 議会議員除名決議取消請求事件
(19)昭和25年10月 4日 広島高裁 昭25(う)649号 公職選挙法違反・昭和二二年勅令第一号違反被告事件
(20)昭和25年10月 3日 秋田地裁 昭25(行)19号 休職ならびに懲戒免職処分取消請求事件 〔秋田県教員懲戒免職事件〕
(21)平成24年 4月13日 東京地裁 平23(行ウ)73号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(22)平成24年 4月12日 東京地裁 平23(行ウ)48号 難民の認定をしない処分等無効確認請求事件
(23)平成24年 4月10日 東京地裁 平23(行ウ)128号 難民の認定をしない処分等取消請求事件
(24)平成24年 3月27日 和歌山地裁 平19(行ウ)8号 政務調査費返還代位請求事件
(25)平成24年 3月26日 仙台地裁 平19(ワ)1648号・平20(ワ)430号・平20(ワ)1915号・平21(ワ)355号・平21(ワ)896号・平21(ワ)1398号 監視活動停止等請求事件
(26)平成24年 3月23日 東京地裁 平22(行ウ)368号 難民不認定処分取消請求事件
(27)平成24年 3月16日 東京地裁 平21(行ウ)311号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(28)平成24年 2月29日 東京地裁 平21(行ウ)585号 公金支出差止請求事件
(29)平成24年 2月23日 大阪地裁 平21(行ウ)154号 退去強制令書発付処分無効確認等請求事件
(30)平成24年 2月22日 東京地裁 平22(行ウ)445号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(31)平成24年 2月14日 東京地裁 平22(行ウ)323号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(32)平成24年 2月 3日 青森地裁 平20(行ウ)4号 政務調査費返還代位請求事件
(33)平成24年 1月31日 大阪高裁 平23(行コ)96号 政務調査費違法支出損害賠償命令控訴事件
(34)平成24年 1月31日 福岡高裁 平23(行コ)13号 大分県政務調査費返還等請求事件
(35)平成24年 1月27日 東京地裁 平22(ワ)5552号 地位確認等請求事件 〔学校法人尚美学園事件〕
(36)平成24年 1月18日 横浜地裁 平19(行ウ)105号 政務調査費返還履行等代位請求事件
(37)平成24年 1月17日 東京地裁 平21(行ウ)600号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(38)平成24年 1月13日 東京地裁 平23(ワ)4292号 損害賠償等請求事件
(39)平成24年 1月12日 東京地裁 平22(行ウ)251号・平22(行ウ)256号・平22(行ウ)257号・平22(行ウ)258号・平22(行ウ)259号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(40)平成23年12月21日 東京地裁 平21(行ウ)636号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(41)平成23年12月 9日 徳島地裁 平19(行ウ)17号 政務調査費違法支出不当利得返還命令請求事件
(42)平成23年12月 8日 東京地裁 平21(行ウ)341号 観察処分期間更新処分取消請求事件
(43)平成23年12月 6日 東京地裁 平22(行ウ)215号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(44)平成23年11月30日 東京地裁 平22(行ウ)37号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(45)平成23年11月25日 東京地裁 平21(ワ)3923号・平21(ワ)20801号 損害賠償等請求事件、損害賠償請求事件
(46)平成23年10月27日 東京地裁 平20(行ウ)497号・平20(行ウ)530号・平20(行ウ)531号・平20(行ウ)532号・平20(行ウ)533号・平20(行ウ)487号・平20(行ウ)557号・平20(行ウ)690号 難民の認定をしない処分取消等請求事件、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件、退去強制令書発付処分取消等請求事件
(47)平成23年10月25日 東京地裁 平21(行ウ)373号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(48)平成23年 9月30日 仙台高裁 平22(行コ)20号 政務調査費返還請求控訴事件
(49)平成23年 9月29日 東京地裁 平22(行ウ)460号 退去強制令書発付処分無効確認請求事件
(50)平成23年 9月16日 東京高裁 平21(ネ)2622号 各損害賠償請求控訴事件
(51)平成23年 9月 2日 東京地裁 平22(行ウ)36号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(52)平成23年 7月25日 東京地裁 平19(行ウ)591号 懲戒処分取消等請求事件
(53)平成23年 7月22日 東京地裁 平22(行ウ)555号・平23(行ウ)61号・平23(行ウ)171号 難民の認定をしない処分取消請求事件、追加的併合申立事件
(54)平成23年 7月19日 東京地裁 平21(行ウ)582号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(55)平成23年 7月12日 東京地裁 平20(行ウ)682号・平21(行ウ)537号・平22(行ウ)48号 退去強制令書発付処分取消等請求事件(第1事件)、在留特別許可をしない処分無効確認請求事件(第2事件)、難民の認定をしない処分取消請求事件(第3事件)
(56)平成23年 7月 8日 東京地裁 平22(行ウ)197号・平22(行ウ)210号・平22(行ウ)211号・平22(行ウ)212号・平22(行ウ)213号 在留特別許可をしない処分取消等請求事件
(57)平成23年 7月 6日 東京地裁 平22(ワ)15626号 除名処分無効確認等請求事件
(58)平成23年 6月29日 東京地裁 平21(ワ)40345号・平22(ワ)36010号 損害賠償等請求事件、不当利得返還請求事件
(59)平成23年 5月26日 神戸地裁 平21(ワ)913号 国家賠償請求事件 〔レッドパージ訴訟〕
(60)平成23年 5月25日 東京地裁 平22(行ウ)156号 難民の認定をしない処分取消請求事件
(61)平成23年 5月20日 仙台高裁 平22(行コ)8号 政府調査費返還代位請求控訴事件
(62)平成23年 5月18日 東京高裁 平22(行ケ)30号 裁決取消等請求事件
(63)平成23年 5月17日 東京地裁 平21(行ウ)17号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(64)平成23年 5月11日 神戸地裁 平21(行ウ)4号 政務調査費違法支出返還請求事件
(65)平成23年 4月26日 東京地裁 平22(行ウ)162号・平22(行ウ)448号・平22(行ウ)453号 在外日本人国民審査権確認等請求事件(甲事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(乙事件)、在外日本人国民審査権確認等請求事件(丙事件)
(66)平成23年 4月 6日 大阪地裁 平20(ワ)14355号 損害賠償請求事件 〔目的外支出政務調査費損害賠償請求事件〕
(67)平成23年 3月24日 東京地裁 平20(ワ)17676号 損害賠償等請求事件
(68)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)303号 衆議院議員選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(69)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)268号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(70)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)257号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(71)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)256号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(72)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)235号 選挙無効請求事件
(73)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)234号 選挙無効請求事件
(74)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)207号 選挙無効請求事件
(75)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)206号 選挙無効請求事件
(76)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)203号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(77)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)201号 選挙無効請求事件
(78)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)200号 選挙無効請求事件
(79)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)199号 選挙無効請求事件 〔衆院選定数訴訟・上告審〕
(80)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)189号 選挙無効請求事件
(81)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)188号 選挙無効請求事件
(82)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)130号 選挙無効請求事件
(83)平成23年 3月23日 最高裁大法廷 平22(行ツ)129号 選挙無効請求事件
(84)平成23年 3月17日 名古屋高裁 平22(ネ)496号 損害賠償請求控訴事件
(85)平成23年 3月10日 東京高裁 平21(行コ)181号 懲戒処分取消等請求控訴事件
(86)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)5号 不当利得金返還請求事件
(87)平成23年 3月 8日 釧路地裁 平20(行ウ)1号 損害賠償請求事件
(88)平成23年 3月 4日 東京地裁 平21(行ウ)1号・平21(行ウ)7号 退去強制令書発付処分取消等請求事件
(89)平成23年 2月24日 大分地裁 平19(行ウ)9号 大分県政務調査費返還等請求事件
(90)平成23年 2月18日 東京地裁 平21(行ウ)513号 難民の認定をしない処分取消等請求事件
(91)平成23年 1月31日 東京高裁 平22(行コ)91号 損害賠償請求住民訴訟控訴事件
(92)平成23年 1月28日 福岡高裁宮崎支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・福岡高裁宮崎支部〕
(93)平成23年 1月26日 広島高裁松江支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁松江支部〕
(94)平成23年 1月21日 福岡地裁 平21(行ウ)28号 政務調査費返還請求事件
(95)平成23年 1月20日 東京地裁 平20(ワ)13385号 損害賠償等請求事件
(96)平成23年 1月19日 宇都宮地裁 平20(行ウ)13号 政務調査費不当利得返還請求事件
(97)平成23年 1月14日 東京地裁 平21(行ウ)279号 在留特別許可をしない処分取消請求事件
(98)平成22年12月16日 東京高裁 平22(行ケ)24号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・東京高裁〕
(99)平成22年12月16日 広島高裁岡山支部 平22(行ケ)1号 選挙無効請求事件 〔参院選定数訴訟(違憲状態)・広島高裁岡山支部〕
(100)平成22年12月 1日 東京地裁 平21(行ウ)374号 退去強制令書発付処分取消等請求事件


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